JPH07198041A - 金属ガスケット - Google Patents

金属ガスケット

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JPH07198041A
JPH07198041A JP35402593A JP35402593A JPH07198041A JP H07198041 A JPH07198041 A JP H07198041A JP 35402593 A JP35402593 A JP 35402593A JP 35402593 A JP35402593 A JP 35402593A JP H07198041 A JPH07198041 A JP H07198041A
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Ket and Ket KK
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】シリンダヘッドとシリンダブロックとの合わせ
面におけるボルト締結部近傍の密着度を向上し、燃焼室
周りのシリンダブロックとシリンダヘッド間のボルト締
結歪を効果的に補充すると共に、ガスケット材料費を軽
減する。 【構成】一枚板の硬質金属板から成る一体基板1に積層
する基板を、燃焼室側基板2aと外周側基板2bとに分
離し、燃焼室側基板2aを硬質金属板で形成し、外周側
基板2bを軟質金属板で形成すると共に、燃焼室13周
りの一体基板1と燃焼室側基板2aとには燃焼室13を
囲繞するビード3、4を互いに対向させるか又は同方向
に積層する一方、一体基板1の外周側に形成したビード
5に対して、外周側基板2bを平坦とするか、該外周側
基板2bに一体基板1のビード5と互いに対向し又は同
方向に積層したビード6を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関のシリンダブ
ロックとシリンダヘッドとの合わせ面に介挿する金属ガ
スケットであり、シリンダヘッドとシリンダブロックと
のボルト締結歪を補充すると共に、合わせ面に対するボ
ルト締結側の金属ガスケットの密着度を向上するように
した金属ガスケットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図12は従来の金属ガスケットをオープ
ンデッキ型のシリンダブロック31とシリンダヘッド3
2の間に介挿した断面図である。
【0003】図12において、シリンダブロック31と
シリンダヘッド32とをボルト33で締結すると、両者
の締付け歪はボルト33の締結位置から遠ざかるにつれ
て大となり、燃焼室34内周における隙間幅h1 は冷却
水通路35外周における隙間幅h2 より大となり、h1
からh2 を減じた残りの幅が燃焼室34周りの隙間とし
て発生する。このような燃焼室34周りの隙間を補充す
るために、金属ガスケット30に燃焼室34を囲繞する
ビード36を形成することによって、燃焼室34内で発
生した高圧の燃焼ガス、及びシリンダブロック31とシ
リンダヘッド32との冷却水通路35を流通する冷却水
及び潤滑油の外部への漏洩をシールするようにしてあ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の金属
ガスケット30の基板37、37の材質をゴムコートし
た硬質金属板とし、且つボルト33の締結部周辺にビー
ド38、38を形成した場合、この金属ガスケット30
をボルト33で締結すると、ボルト33の締結部周辺の
ビード38による荷重が燃焼室34周りのビード37に
よる荷重よりも大となって、ボルト33の締結力を阻害
することとなり、合わせ面に対する密着性を弱める結果
となっていた。
【0005】またゴムコートした金属板を積層するにあ
たり、コストの高いゴムコート被覆の硬質金属板、例え
ばステンレス板を積層するのに材料費がよけいにかかる
という欠点もあった。
【0006】本発明は、上記の問題点を解決するために
為されたもので、シリンダヘッドとシリンダブロックと
の合わせ面におけるボルト締結部近傍の密着度を向上
し、燃焼室周りのシリンダブロックとシリンダヘッド間
のボルト締結歪を効果的に補充すると共に、ガスケット
材料費を軽減するようにした金属ガスケットを提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに本発明の金属ガスケットは、シリンダブロックとシ
リンダヘッドとの合わせ面に介挿する積層構成の金属ガ
スケットであって、一枚板の硬質金属板から成る一体基
板に積層する基板を、シリンダブロックの冷却水通路を
隔てて燃焼室側基板と外周側基板とに分離し、前記燃焼
室側基板を硬質金属板で形成し、前記外周側基板を軟質
金属板で形成すると共に、前記外周側基板の板厚を前記
燃焼室側基板と同等か又は薄くし、燃焼室周りの前記一
体基板と前記燃焼室側基板とには前記燃焼室を囲繞する
ビードを形成して、これらのビードを互いに対向させる
か又は同方向に積層する一方、前記一体基板の外周側に
形成したビードに対して、前記外周側基板を平坦とする
か、該外周側基板に前記一体基板のビードと互いに対向
し又は同方向に積層したビードを形成するようにしたの
である。
【0008】また、前記一体基板に対して前記燃焼室側
基板と前記外周側基板とをリベット、溶接又は接着等で
夫々結合するか、又は前記一体基板と前記燃焼室側基板
及び前記外周側基板との間に一体を成す副板を設け、該
副板の前記燃焼室周りに形成した折返し部によって、前
記燃焼室側基板の燃焼室側内周を挟持した構成としても
よい。
【0009】
【作用】上記構成の金属ガスケットにおいて、一枚板の
硬質金属板から成る一体基板1に積層した燃焼室側基板
2aと外周側基板2bとを冷却水通路14を隔てて分離
した構成とすることにより、燃焼室側基板2aと外周側
基板2bとの材料選定を個別的に行えるようになる。こ
れにより、本発明は、燃焼室側基板2aを硬質金属板と
し、外周側基板2bを軟質金属板とし、外周側基板2b
の板厚を燃焼室側基板2aと同等か又は薄くすることに
よって、その板厚の差異により燃焼室13周りの隙間を
補充するのである。
【0010】一体基板1と燃焼室側基板2aとには燃焼
室13を囲繞するビード3、4を形成し、これらのビー
ド3、4を互いに対向させるか又は同方向に積層するか
によって燃焼室13周りの合計厚さを調整してボルト締
結による燃焼室周りの隙間を緊密に補充することができ
る。また、基板1、2aが共に硬質金属板であることか
ら、ビード3、4も強いビード荷重を発揮して高能率の
シール性能とすることができる。またビード3、4によ
って分担的にビード荷重を発揮することにより、へたり
にも強いビード構成とすることができる。
【0011】一方、外周側基板2bにもビード6を形成
した場合、この外周側基板2bは軟質金属板であるた
め、ビード6は硬質金属板ほどの強いビード荷重を発揮
しないから、ボルト9の締結力を阻害することがなく、
このボルト締結力によって軟質金属板の外周側基板2b
が一体基板1によくなじみ、外周側基板2bと一体基板
1との密着性及びシリンダヘッド12とシリンダブロッ
ク11に対する密着性を良好にするものである。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら説明する。
【0013】図1は本発明による金属ガスケットの断面
図であり、図3のA−A線に沿う断面を示す。図2は図
1の金属ガスケットにおける図3のB−B線に沿う断面
図である。図3は図1及び図2に示した金属ガスケット
の平面図である。図4乃至図11は本発明による金属ガ
スケットの各種の実施例を示す断面図である。
【0014】図1及び図2に示すシリンダ(二点鎖線で
示す)はオープンデッキ型のシリンダブロック11とシ
リンダヘッド12であり、複数の燃焼室13を並設する
と共に、シリンダブロック11側には各燃焼室13を囲
繞する冷却水通路14を連続的に穿設してあり、この冷
却水通路14によって燃焼室側ブロック11aと外周側
ブロック11bとに分離する。シリンダヘッド12の所
要箇所にはシリンダブロック11側の冷却水通路14に
対向した冷却水通路14’を穿設してある。
【0015】また、シリンダヘッド12側の所要箇所に
ボルト9を締結するための孔15aとこれに対応したシ
リンダブロック11側にネジ穴15bを設けるほか、オ
イル孔(このオイル孔は図1及び図2に不図示である
が、図3の金属ガスケットのオイル孔18に対応した位
置及び形状を有する)を穿設してある。
【0016】これらのシリンダブロック11とシリンダ
ヘッド12間に介挿した金属ガスケットは、ステンレス
板等の弾性金属板から成る一枚板の一体基板1をシリン
ダヘッド12側に配し、弾性金属板から成る燃焼室側基
板2aとその外周のスチール板による軟質金属板から成
る外周側基板2bとをシリンダブロック11側に配した
積層構造によって形成してあり、燃焼室側基板2aと外
周側基板2bとは冷却水通路14で隔てられ、燃焼室側
基板2aの板厚を外周側基板2bの板厚より厚く形成し
てある。
【0017】一体基板1と燃焼室側基板2aの燃焼室1
3周りには、該燃焼室13を囲繞する断面半円形のビー
ド3、4を互いの頂部が対向するように形成してある。
ボルト9の締結歪による合わせ面の隙間は、これらのビ
ード3、4の合計高さによって補充され、燃焼室13周
りのビード荷重は二つのビード3、4によって分担的に
支持される。
【0018】ただし、本実施例においては、軟質金属板
から成る外周側基板2bは平板を使用してあり、一体基
板1の方に冷却水通路14を囲繞する段差ビード21を
形成してある。
【0019】一体基板1と燃焼室側基板2aとの結合
は、冷却水通路14内に燃焼室側基板2aの突出部2c
を形成し、該突出部2cと一体基板1とをリベット7で
結合する。このため金属ガスケットの上下面にはリベッ
ト7による突出部ができるが、シリンダブロック11の
下側面にできる突出部は冷却水通路14内に収めること
ができ、シリンダヘッド12の上側面にできる突出部
は、シリンダヘッド12側に形成した窪み12c内に収
める。
【0020】また、一体基板1と外周側基板2bとの結
合は、シリンダブロック11とシリンダヘッド12の合
わせ面の周外に一体基板1と外周側基板2bを突出さ
せ、この突出部20をリベット7’で締結する。
【0021】ただし、一体基板1と燃焼室側基板2aの
結合、一体基板1と燃焼室側基板2aの結合は、上記の
リベット結合のほか、溶接、接着等によって行うことが
できる。このような結合によれば、リベット結合でした
ように突出部2c、20を形成する必要はない。
【0022】燃焼室側基板2aと外周側基板2bとの分
離幅は、シリンダブロック11の冷却水通路14と同等
かそれよりも広くしてある。従って、図2に示すよう
に、燃焼室側基板2aと外周側基板2bとは冷却水通路
14内に露出した突出部を持たないが、一体基板1と燃
焼室側基板2aとの結合をリベット7で行う場合、上記
のようにこの部分だけを冷却水通路14内に突出した突
出部2cと一体基板1とをリベット7で締結するのであ
る。
【0023】このような燃焼室側基板2aと外周側基板
2bとの分離構造により、冷却水通路14を隔てた両者
の周縁形状は図3の点線で示した通りとなる。
【0024】また、一体基板1のシリンダヘッド12側
と燃焼室側基板2aの両側と外周側基板2bの両側にゴ
ムコーティングCを塗布し、一体基板1のシリンダブロ
ック11側はゴムコーティングを施さない非コーティン
グ面1bとしてある。
【0025】図1及び図2に示した上記の金属ガスケッ
トにおいては、一体基板1に対して燃焼室側基板2aと
外周側基板2bとがリベット7、7’で結合してあるた
め、金属ガスケット全体の一体結合が成されるが、燃焼
室側基板2aと外周側基板2bとは分離してあるため、
燃焼室側基板2aと外周側基板2bの夫々の板材、板厚
又は塗布すべきゴムコーティング層の厚さを自由に選定
することができる。
【0026】特に、燃焼室側基板2aの板厚を外周側基
板2bの板厚より厚くすることにより、両者の板厚の差
異によりシリンダブロック11とシリンダヘッド12と
をボルト9で締結したときに生じる締結歪(隙間)を効
果的に補充することができる。この燃焼室側基板2aの
厚さはシリンダブロック11とシリンダヘッド12との
締付け歪に対応して調整すればよい。
【0027】また、これらの燃焼室側基板2aと外周側
基板2bとは冷却水通路14で隔てられているため、燃
焼室側基板2aと外周側基板2bのシリンダブロック1
1側に塗布したゴムコーティングCはシリンダの締結時
にシリンダブロック11のデッキ面に接触して露出せ
ず、冷却水通路14で発生した気泡のエアー溜りは一体
基板1のシリンダブロック11側に滞留するだけである
が、この面を非コーティング面1bとしたことにより、
ゴムコーティングの剥れ現象が発生せず、冷却水経路、
例えばサーモスタットのエア抜き孔等への詰まりによる
冷却機能の低減を防止することができるのである。
【0028】なお、燃焼室側基板2aの突出部2cにゴ
ムコーティングが露出するが、冷却水通路14の全体か
ら見ると僅かな部分であり、ゴムコーティングの剥れ現
象はほとんど問題とならない。
【0029】図4乃至図11に本発明の他の実施例が示
してある。これら図4乃至図11はいずれも図3のA−
A線に沿う断面図に相当する。金属ガスケットの外周側
における結合方法はこれらの図に示してないが、図2の
リベット7’による結合のほか、溶接又は接着等によっ
て結合すれば良い。
【0030】図4に示す金属ガスケットは、図1の金属
ガスケットと同様に、硬質材料から成る燃焼室側基板2
aと軟質材料から成る外周側基板2bとを冷却水通路1
4を隔てて分離し、燃焼室側基板2aの板厚を外周側基
板2bの板厚より厚くし、燃焼室側基板2aを一体基板
1に対してリベット7で結合し、不図示ではあるが図2
と同様に外周側基板2bを一体基板1に対してリベット
7’で結合したものであり、燃焼室側基板2aと一体基
板1に形成したビード3、4を同方向に形成してある。
【0031】また、外周側基板2bには、一体基板1の
外周に設けた断面半円形のビード5と同方向に突出する
ビード6を形成してビート5と積層する一方、冷却水通
路14を囲繞して設けた一体基板1の段差ビード21と
同方向に段差ビード22を設けて段差ビード21と積層
してある。
【0032】この外周側基板2bのビード6と段差ビー
ド22は、外周側基板2bが軟質金属板であることか
ら、燃焼室13周りのビード3、4ほどの強いビード荷
重を持たず、ボルト9は締結力を阻害されずに良く締ま
り、軟質金属板である外周側基板2bが燃焼室側基板2
aに良くなじむことと相まって、このボルト締結位置に
おける一体基板1と外周側基板2bとの密着性、両基板
1、2bのシリンダヘッド12とシリンダブロック11
の合わせ面に対する密着性は良好となる。
【0033】図5に示す金属ガスケットは、燃焼室側基
板2aと一体基板1の間に軟質基板2a’を介挿したも
ので、これら三枚の基板1、2a、2a’をリベット7
で締結すると共に、各基板1、2a、2a’に燃焼室1
4を囲繞するビード3、4’、4”を同方向に形成して
ある。また、外周側基板2bには一体基板のビード5と
段差ビード21に対応するビード6と段差ビード22を
形成し、一体基板1側に積層してある。
【0034】この金属ガスケットにおいては、軟質基板
2a’と外周側基板2bとの板厚調整により、ボルト締
結時の燃焼室13周りの隙間を補充するようにすること
ができる。
【0035】図6に示す金属ガスケットは、図1の金属
ガスケットと同様に一体基板1のビード3と燃焼室側基
板2aのビード4をそれらの頂部が対向方向となるよう
に積層したうえ、一体基板1と燃焼室側基板2aとの間
にスペーサ23を介して、一体基板1と燃焼室側基板2
aとスペーサ23とをリベット7で結合したものであ
る。ただし外周側基板2bは図1と同様に平板の軟質金
属板で構成してある。
【0036】この金属ガスケットは、スペーサ23の板
厚調整によって燃焼室13周りの隙間を補充するほか、
ビード3、4をスペーサ23を挟んで対向させた構成と
したため、燃焼室13周りのビード3、4による上下幅
を大きく取ることができ、燃焼室13周りに大なる隙間
が生じた場合でもこれに対処し得るものである。
【0037】図7に示す金属ガスケットは、一体基板1
と燃焼室側基板2a及び外周側基板2bとの間に一枚の
軟質金属製平板からなるスペーサ23を介挿し、一体基
板1のリベット結合は行わずにスペーサ23と燃焼室側
基板2aとをリベット7で結合したもので、一体基板1
のリベット7締結位置に孔1cを穿設し、ボルト締結時
にはこの孔1cにリベット7の上側突出部を収めるよう
にしたものである。
【0038】この金属ガスケットのスペーサ23には両
面にゴムコーティングを施してなく、冷却水通路14に
対面するスペーサ23のシリンダブロック11側は非コ
ーティング面23aとなり、ゴムの剥離現象を生じな
い。
【0039】図8に示す金属ガスケットは、燃焼室13
周りのビード3’を非対称形状に突出すると共に、これ
と同形状のビード4’を燃焼室側基板2aにも形成し、
軟質金属板から成る平板のスペーサ24を燃焼室13周
りで二重に折り重ねて、一体基板1と燃焼室側基板2a
及び外周側基板2bとの間に挟持すると共に、一体基板
1とスペーサ24と燃焼室側基板2aとを一括的にリベ
ット7で結合したものである。
【0040】また、外周側基板2bは、スペーサ24を
介して、一体基板1の外周に設けた断面半円形のビード
5と反対方向に突出する断面半円形のビード6を設け、
冷却水通路14を囲繞する位置にも一体基板1の段差ビ
ード21と反対方向に突出する段差ビード22を形成す
ることにより、冷却水通路14に対するシール性能を向
上させてある。
【0041】図9に示す金属ガスケットは図8に示した
ものと略同様であるが、外周側基板2bを平板としてス
ペーサ24と積層した構成としてある。
【0042】図10に示す金属ガスケットは、一体基板
1と燃焼室側基板2aとは、図4と同様に燃焼室13側
のビード3、4、冷却水通路14周りの段差ビード2
1、外周に沿う断面半円形のビード5を有し、外周側基
板2bには段差ビード21の反対方向に突出する段差ビ
ード22とビード5の反対方向に突出する断面半円形の
ビード6を有するものであるが、一体基板1と燃焼室側
基板2aとの間に硬質金属板から成る中間基板25aを
介挿し、一体基板1と外周側基板2bとの間に同等か又
は薄厚の軟質金属板から成るスペーサ25bを介挿し、
中間基板25aとスペーサ25bとは冷却水通路14で
隔てて分離してある。スペーサ25bは平板としてある
が、中間基板25aは、一体基板1のビード3と同形状
のビード26を形成して、該一体基板1と積層し、燃焼
室側基板2aと共にリベット7で結合してある。
【0043】図11に示す金属ガスケットは、硬質金属
板の一枚板から成る一体基板1と冷却水通路14を隔て
て分離した燃焼室側基板2a及び外周側基板2bとの間
に、一枚板から成る軟質金属製の副板8を介挿したもの
で、該副板8の燃焼室13周りを折返して該折返し部8
aで燃焼室側基板2aの内周を挟持して該燃焼室側基板
2aとの結合を成し、折返し部8a内にはスペーサ27
を介挿してある。
【0044】一体基板1は、燃焼室13周りに段差ビー
ド3”を形成し、外周に沿って断面半円形のビード5を
形成すると共に、冷却水通路14を囲繞する段差ビード
21を形成してある。外周側基板2bは軟質金属製の平
板とし、燃焼室側基板2aに一体基板1のビード3”の
反対方向に突出した段差ビード4”を形成してある。ま
た、一体基板1と副板8とには冷却水通路14と一致す
る位置に冷却水を通過させるための冷却水孔1a、8b
を施してある。
【0045】これらの基板1、8、2a、2bにおい
て、一体基板1と副板8のシリンダヘッド12側面には
ゴムコーティングCを施してあり、燃焼室側基板2aと
外周側基板2bとには両側面にゴムコーティングCを施
してあるが、ボルト締結により、冷却水通路14に対面
する副板8は非コーティング面8cを露出するので、ゴ
ムコーティングの剥離現象は生じない。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の金属ガス
ケットは、燃焼室側基板と外周側基板とが分離した構成
としてあるため、夫々の材料選定を個別的に行え、外周
側基板の板厚を燃焼室側基板と同等か又は薄くすること
によって、その板厚の差異によって燃焼室周りの隙間を
補充するのである。
【0047】また、燃焼室側基板を硬質金属板とし、外
周側基板を軟質金属板としたため、燃焼室側基板に形成
したビードは、硬質金属板の一体基板のビードと共働し
て強いビード荷重を発揮すると共に、これらのビードを
互いに対向させるか又は同方向に積層するかによって燃
焼室周りのビードの合計高さを自由に調整することがで
きる。
【0048】一方、外周側基板に形成したビードは、該
外周側基板が軟質金属板から成るものであるから、燃焼
室側のビードほどの強いビード荷重を発揮することがな
く、ボルト締結力を阻害せずに、このボルト締結部にお
ける金属ガスケットの密着性を良好なものとすることが
可能である。
【0049】また、このボルト締結の際、外周側基板が
軟質金属板であることから、該外周側基板が一体基板に
よくなじみ、上記の密着性をより向上することができる
のである。
【0050】さらに、上記のように、外周側基板は軟質
材料としてスチール板等の安価な材料を使用してコスト
ダウンを図ることができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明による金属ガスケットの断面図で
あり、図3のA−A線に沿う断面を示す。
【図2】図2は図1の金属ガスケットにおける図3のB
−B線に沿う断面図である。
【図3】図3は図1及び図2に示した金属ガスケットの
平面図である。
【図4】図4は本発明の他の実施例を示し、燃焼室周り
のビードを同方向に形成した金属ガスケットの断面図で
ある。
【図5】図5は本発明の他の実施例を示し、燃焼室周り
に積層した三枚の基板の各ビードを同方向に積層した金
属ガスケットの断面図である。
【図6】図6は本発明の他の実施例を示し、燃焼室周り
に形成した二枚の基板のビードをその頂部が対向するよ
うに重ねてその間にスペーサを介挿した金属ガスケット
の断面図である。
【図7】図7は本発明の他の実施例を示し、図6におけ
るリベット結合をスペーサと燃焼室側基板とに対して行
った金属ガスケットの断面図である。
【図8】図8は本発明の他の実施例を示し、燃焼室側の
ビードを非対称形とし、外周側基板にも一体基板のビー
ドに対応するビードを形成した金属ガスケットの断面図
である。
【図9】図9は本発明の他の実施例を示し、燃焼室側の
ビードを非対称形とし、外周側基板を平板とした金属ガ
スケットの断面図である。
【図10】図10は本発明の他の実施例を示し、一体基
板と燃焼室側基板及び外周側基板との間に介挿したスペ
ーサを分離した金属ガスケットの断面図である。
【図11】図11は本発明の他の実施例を示し、一体基
板と燃焼室側基板及び外周側基板との間に介挿した副板
を燃焼室周りで折返して燃焼室側基板の内周を挟持した
金属ガスケットの断面図である。
【図12】図12は従来の金属ガスケットをオープンデ
ッキ型のシリンダブロックとシリンダヘッド間に介挿し
た状態を示す断面図である。
【符合の説明】
1…一体基板、2a…燃焼室側基板、2b…外周側基
板、3、4…燃焼室周りのビード、5、6…外周側のビ
ード、7、7’…リベット、8…副板、8a…副板の折
返し部、11…シリンダブロック、12…シリンダヘッ
ド。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリンダブロック11とシリンダヘッド1
    2との合わせ面に介挿する積層構成の金属ガスケットで
    あって、一枚板の硬質金属板から成る一体基板1に積層
    する基板を、シリンダブロック11の冷却水通路14を
    隔てて燃焼室側基板2aと外周側基板2bとに分離し、
    前記燃焼室側基板2aを硬質金属板で形成し、前記外周
    側基板2bを軟質金属板で形成すると共に、前記外周側
    基板2bの板厚を前記燃焼室側基板2aと同等か又は薄
    くし、燃焼室13周りの前記一体基板1と前記燃焼室側
    基板2aとには前記燃焼室13を囲繞するビード3、4
    を形成して、これらのビード3、4を互いに対向させる
    か又は同方向に積層する一方、前記一体基板1の外周側
    に形成したビード5に対して、前記外周側基板2bを平
    坦とするか、該外周側基板2bに前記一体基板1のビー
    ド5と互いに対向し又は同方向に積層したビード6を形
    成するようにしたことを特徴とする金属ガスケット。
  2. 【請求項2】前記一体基板1に対して前記燃焼室側基板
    2aと前記外周側基板2bとをリベット7、溶接又は接
    着等で夫々結合するか、又は前記一体基板1と前記燃焼
    室側基板2a及び前記外周側基板2bとの間に一体を成
    す副板8を設け、該副板8の前記燃焼室13周りに形成
    した折返し部8aによって、前記燃焼室側基板2aの燃
    焼室側内周を挟持したことを特徴とする請求項1記載の
    金属ガスケット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017066974A (ja) * 2015-09-30 2017-04-06 株式会社クボタ エンジンの排気接合部構造

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