JPH08114266A - 金属ガスケット - Google Patents

金属ガスケット

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JPH08114266A
JPH08114266A JP25056794A JP25056794A JPH08114266A JP H08114266 A JPH08114266 A JP H08114266A JP 25056794 A JP25056794 A JP 25056794A JP 25056794 A JP25056794 A JP 25056794A JP H08114266 A JPH08114266 A JP H08114266A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】シリンダブロックの燃焼室孔内面に設けたシリ
ンダスリーブに、集中荷重をかけることなく、燃焼室孔
周りにおけるシリンダブロックとシリンダヘッド間の締
付け歪(隙間幅)を効果的に補充するようにした金属ガ
スケットを提供する。 【構成】燃焼室孔11周り、冷却水孔12及びオイル孔
13を夫々囲繞するシール用ビード5、6、7が形成さ
れた硬質金属板を含む三枚以上の金属板から成る積層構
造の金属ガスケットにおいて、シリンダーヘッド31と
シリンダーブロック32に接する上下側表面基板1、2
は夫々一体を成し、その中間に位置する金属板のいずれ
か一層が、燃焼室孔11周りのシールビード5側に配さ
れ、外周が冷却水孔12近傍まで伸長された内側中間基
板3と、冷却水孔12及びオイル孔13周りのシールビ
ード6、7側に配された外側中間基板4とに分離され、
内側中間基板3が外側中間基板よりも厚く形成されたも
のである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関のシリンダブ
ロックとシリンダヘッドとの合わせ面に介挿する金属ガ
スケットであって、燃焼室の内面にシリンダスリーブを
設けたシリンダブロックに対して集中荷重を及ぼすこと
なく、燃焼室周りにおけるシリンダブロックとシリンダ
ヘッド面の締付け歪(隙間幅)を補充するようにした金
属ガスケットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、内燃機関のシリンダ材料としては
アルミ製が多用されるようになっている。この材料はピ
ストンの往復摺動に対する耐摩耗性が低いために、シリ
ンダブロックの燃焼室の内面に鋳鉄製のシリンダスリー
ブ(ライナー)を設けて耐摩耗性を向上することが行わ
れている。
【0003】図14は、このようなアルミ製によるシリ
ンダヘッド31とシリンダブロック32間に金属ガスケ
ット40を介挿した断面状況を示すもので、図示のシリ
ンダブロック32は、燃焼室34の外周に水孔35が環
状に設けられたオープンデッキ型である。燃焼室34の
内面には上記の鋳鉄製のシリンダスリーブ37が鋳込ま
れている。また、シリンダヘッド31には、シリンダブ
ロック32の水孔35に合わせて水孔35’が設けら
れ、シリンダヘッド31とシリンダブロック32とはボ
ルト33で締結されている。
【0004】金属ガスケット40は燃焼室34を囲繞す
るようにビード41を形成した基板42に対して副板4
3を積層し、副板43を燃焼室34の内周に沿って折返
した折返し部44で基板42を挟持してある。
【0005】このような金属ガスケットは、折返し部4
4によって燃焼室34側の板厚を増して1次シールを成
し、ビード41はその2次シールを成すものである。即
ち、シリンダブロック32とシリンダヘッド31とをボ
ルト33で締結すると、両者の締付け歪はボルト33の
締結位置から遠ざかるにつれて大きくなり、燃焼室34
の付近の隙間幅は冷却水通路35外周における隙間幅よ
り大となり、両者の差が燃焼室34周りの隙間として発
生するのであるが、燃焼室34を囲繞するビード41が
形成されたことによって、燃焼室34内の高圧燃焼ガス
や冷却水通路35を流通する冷却水、或はオイル通路
(不図示)内を流通するオイルが外部へ漏洩するのを防
止する。
【0006】また、基板42と副板43の結合が折返し
部44の挟持によって行われ、さらに折返し部44の厚
さが燃焼室34周りの隙間に介挿されたことにより、同
方向に突出したビード41を保護して該ビード41の叩
かれによる撓みを軽減するものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の鋳鉄
製のシリンダスリーブ37を鋳込んだアルミ製シリンダ
ブロック32において、折返し部44の形成部はこのシ
リンダスリーブ37の上端部に位置するため、ボルト3
3の締結時に折返し部44はシリンダスリーブ37の上
面に荷重をかけることとなる。
【0008】このような状態において、金属ガスケット
40に叩かれが生じると、折返し部44がシリンダスリ
ーブ37に集中荷重を及ぼすため、シリンダスリーブ3
7がシリンダブロック32のデッキ面下に陥没し、両者
のデッキ面に段差が生じることとなる。そのため、折返
し部44のストッパー量が減少したり、ピストンの円滑
な往復動作の妨げとなり、オイル消費等にも悪影響を与
え、さらにはピストンの焼付けをも発生するという問題
点を生じていたのである。
【0009】本発明は、上記の問題点を解消するために
成されたもので、シリンダブロックの燃焼室の内面に設
けられたシリンダスリーブに集中荷重をかけることな
く、燃焼室周りにおけるシリンダブロックとシリンダヘ
ッド間の締付け歪(隙間幅)を効果的に補充するように
した金属ガスケットを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに本発明の金属ガスケットは、燃焼室孔周り、冷却水
孔及びオイル孔を夫々囲繞するシール用ビードが形成さ
れた硬質金属板を含む三枚以上の金属板から成る積層構
造の金属ガスケットにおいて、シリンダーヘッドとシリ
ンダーブロックに接する上下側表面基板は夫々一体を成
し、その中間に位置する金属板のいずれか一層が、前記
燃焼室孔周りの前記シールビード側に配され、外周が前
記冷却水孔近傍まで伸長された内側中間基板と、冷却水
孔及びオイル孔周りの前記シールビード側に配された外
側中間基板とに分離され、前記内側中間基板が前記外側
中間基板よりも厚く形成されたことを特徴としている。
【0011】また、前記上下側表面基板に対して前記内
側中間基板と前記外側中間基板とが、リベット又は溶
接、接着等で夫々結合された構成としてもよい。
【0012】また、前記上下側表面基板が軟質金属板で
形成され、その燃焼室孔周りを折返して成る折返し部で
前記内側基板又は前記下側基板4が挟持された構成とし
てもよい。
【0013】また、前記内側中間基板と前記外側中間基
板に渡る片面又は上下面に軟質金属板から成る中間副板
が添設され、該中間副板の前記燃焼室孔周りを折返して
成る折返し部で前記内側基板が挟持されるか、又は前記
中間副板が上下側に設けられた場合、一方の中間副板の
前記燃焼室孔周りを折返して成る折返し部で前記内側基
板が挟持された構成としてもよい。
【0014】さらに、ボルト締結時における前記シリン
ダーヘッドと前記シリンダーブロック間の前記燃焼室孔
周りに生じた隙間幅が、前記内側中間基板と前記外側中
間基板との厚さとの差異を調整することにより補充され
る構成としてもよい。
【0015】
【作用】上記の金属ガスケットは、上下側表面基板の中
間に位置する内側中間基板と外側中間基板とは分離さ
れ、内側中間基板は外側中間基板よりも厚く形成されて
いる。また、内側中間基板は上下側表面基板のシール用
ビードの側にあって、その外周は冷却水孔付近に至るも
ので、この構成により内側中間基板の荷重はシリンダブ
ロックの燃焼室と冷却水孔間の略全面に均等にかかるた
め、シリンダスリーブのみに荷重が作用しない。
【0016】また、内側中間基板は外側中間基板よりも
厚くされ、その厚さ調整によってボルト締結時に生じる
シリンダヘッドとシリンダブロックの隙間幅を調整する
ことができる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら説明する。
【0018】図1は本発明による金属ガスケットの分解
斜視図である。図2乃至図12は図1のA−A線に沿う
部分に相当する断面図であり、本発明による金属ガスケ
ットの各種実施例の断面状況を示す。
【0019】以下の説明においては、シリンダーとして
オープンデッキ型のものを適用してあり、図14のシリ
ンダヘッド31とシリンダブロック32及びその周辺と
同部分については同様の符号を用いてある。ただし、本
発明はオープンデッキ型のシリンダに限定されるもので
はなく、クローズドデッキ型のシリンダにも適用できる
ものである。
【0020】図1に示す金属ガスケットは図2の金属ガ
スケットに相当するもので、上側表面基板1(シリンダ
ーヘッド31に接する)と下側表面基板2(シリンダブ
ロック32に接する)は夫々一体を成す硬質金属板によ
り形成され、これらの上下側表面基板1、2には、シリ
ンダブロック32の燃焼室34に応じて燃焼室孔11が
形成され、シリンダブロック32の冷却水通路35に応
じて冷却水孔12が形成され、シリンダブロック32の
オイル通路(図2には不図示である)に応じてオイル孔
13が形成されている。
【0021】上側表面基板1と下側表面基板2の中間に
は、内側に燃焼室11の周囲を囲繞する内側中間基板3
と、この内側中間基板3の外側には、該内側中間基板3
とは別体の外側中間基板4が配置され、該外側中間基板
4には冷却水孔12が所定位置に穿設されている。な
お、図1に示したように、外側中間基板4にも上下側表
面基板1、2に応じたオイル孔13が設けられ、また上
下側表面基板1、2及び外側中間基板4の所要箇所には
ボルト33を挿通するボルト孔33aが設けられてい
る。
【0022】さらに、燃焼室孔11に沿う付近では、内
側中間基板3と下側表面基板2との二枚がリベット8b
で結合され、金属ガスケットの外周に沿う付近では上側
表面基板1と外側中間基板4と下側表面基板2との三枚
が一括的にリベット8aで結合され、これによって一個
の金属ガスケットとしての積層結合体を成す。なお、各
基板1、2、3、4において、リベット8a、8bが挿
通される箇所には挿通孔8c(図2参照)が設けられて
いる。
【0023】また、上記の基板1、2、3、4の結合
は、上記のリベット8のほかに、溶接、接着等によって
行ってもよい。このような金属ガスケットの断面状況を
説明すると、図2に示すように、上下側表面基板1、2
には、燃焼室孔11(又は燃焼室34)周り、冷却水孔
12(又は冷却水通路35周り)及びオイル孔13周り
を囲繞するシール用ビード5、6、7(ビード7はオイ
ル孔13を囲繞するもので図2には不図示)が形成さ
れ、内側中間基板3と外側中間基板4とは双方とも平面
板より形成され、これらの内側中間基板3と外側中間基
板4とが分離されたことは上記の通りであるが、内側中
間基板3は外側中間基板よりも厚く形成されている。こ
の内側中間基板3の厚さを調整することによって、ボル
ト締結時におけるシリンダーヘッド31とシリンダーブ
ロック32間の燃焼室34周りに生じる隙間幅を補充す
ることができる。
【0024】燃焼室孔11側のリベット8bは上側表面
基板1側にその頭部を突出するが、上側表面基板1の所
定箇所に貫通孔20を穿設して、このリベット8bの上
部を貫通孔20に収納し、リベット8bの下部は冷却水
通路35内に収納することにより、各基板1、2、3、
4はシリンダーヘッド31とシリンダーブロック32間
で互いに密着する。
【0025】また、冷却水孔12の箇所では上下側表面
基板1、2と外側中間基板4とは密着され、その外側で
上下側表面基板1、2の夫々にシール用ビード6が形成
され、外周付近のリベット8aの締結は、各基板1、
2、4の外周をシリンダヘッド31とシリンダブロック
32の合わせ面から外方へ突出させた位置で行うように
してある。これによって、金属ガスケット全体の上下面
は、ボルト締結時の上下側表面基板1、2に対して密着
させることができる。
【0026】図3に示す金属ガスケットは、図2の金属
ガスケットと略同様である。相違する点は、硬質金属板
から成る上下側表面基板1、2の燃焼室34を囲繞する
シール用ビード5の頂部が内側中間基板3に対向状態に
突出してあることと、上下側表面基板1、2と内側中間
基板3の三枚が一括してリベット8bで結合されたこと
と、リベット8bの上方の突出部を収容するために、シ
リンダヘッド31に凹部21が必要であることと、冷却
水孔35の位置で上下側表面基板1、2のシール用ビー
ド6が外側中間基板4の上下面に対して分離されている
ことである。
【0027】図4に示す金属ガスケットもまた図2の金
属ガスケットと略同様であるが、相違する点は、硬質金
属板から成る内側中間基板3に対して燃焼室34を囲繞
するシール用ビード5が下側表面基板2の方向に頂部を
突出し、このシール用ビード5の位置で上下側表面基板
1、2は平面状にされ、上側表面基板1と内側中間基板
3とがリベット8bで結合され、リベット8bの上部は
シリンダヘッド31に設けられた凹所21に収容され、
リベット8bの下部は下側表面基板2に設けられた貫通
孔20’に収容されるようにしてあることである。
【0028】また、下側表面基板2はそのまま全面に渡
って平面であるが、上側表面基板1は外方に向かって平
面を維持しながら、冷却水孔12の外周位置でシール用
ビード6を形成し、外側中間基板4は上側表面基板1の
シール用ビード6の形状に添って形成されている。
【0029】上記した図2乃至図4に示した金属ガスケ
ットは、いずれも燃焼室34を囲繞するシール用ビード
5側の内側中間基板3が冷却水孔12近傍まで延長さ
れ、しかも外側中間基板4よりも厚く形成されているの
で、シリンダスリーブ37のみに荷重をかけるのではな
く、シリンダブロック32における燃焼室34から冷却
水孔35間のデッキ面全体に荷重をかけることとなり、
またボルト締結時のシリンダヘッド31とシリンダブロ
ック32間に生じた隙間幅を、内側中間基板3の厚さ調
整により補充することができる。
【0030】図5乃至図8に示す金属ガスケットの共通
する点は、軟質金属板から成る上側表面基板1の燃焼室
34周りを折返して、この折返し部15で内側中間基板
3の燃焼室孔11(燃焼室34)周りを挟持した共通の
構成を有すること、硬質金属板から成る内側中間基板3
には燃焼室34を囲繞するシール用ビード5が下側表面
基板2側に頂部を突出した状態で設けられていること、
上側表面基板1と外側中間基板4とが密着状態で接し、
冷却水孔12の外周にシール用ビード6が形成されたこ
とにある。
【0031】さらには、上側表面基板1と外側中間基板
4と下側表面基板2とが、リベット8aで、シリンダヘ
ッド31とシリンダブロック32の合わせ面の外方に突
出した部分で結合され、燃焼室34側は上記のように上
側表面基板1の折返し部15で内側中間基板3を挟持し
たことによって金属ガスケット全体が結合状態にされて
いる。
【0032】もちろん、これら図5乃至図8に示す金属
ガスケットにおいても、内側中間基板3と外側中間基板
4とは分離され、内側中間基板3は外側中間基板4より
も厚く形成されている。また、内側中間基板3はそれ自
体にシール用ビード5を有するもので、内側中間基板3
の全長は冷却水孔12付近に至るため、シリンダスリー
ブ37のみに荷重を及ぼさないようにされている。
【0033】ただし、図6に示す金属ガスケットにおい
ては、内側中間基板3の内周に介挿板16を収容してお
り、上側表面基板1の折返し部15はこの介挿板16と
内側中間基板3とを同時に挟持した構成とされている。
【0034】また、図7に示す金属ガスケットは、内側
中間基板3の内周を図5のものよりは内側中間基板3の
内周を拡大し、下側表面基板2の燃焼室34周りを上方
に折曲しつつ、その内端部2cを上側表面基板1の折返
し部15で挟持するようにしてある。
【0035】また、図8に示す金属ガスケットは、図6
と図7の構成を複合したもので、上側表面基板1の折返
し部15が、介挿板16と下側表面基板2の燃焼室34
周りを上方に折曲した内端部2cとの積層部を挟持する
ようにしたものである。
【0036】さらに、図9乃至図12に示す金属ガスケ
ットは、図3に示した金属ガスケットのように、硬質金
属板から成る上下側表面基板1、2の燃焼室34を囲繞
するシール用ビード5の頂部が内側中間基板3に対向状
態に突出したことで共通した構成を有するものである。
【0037】ただし、図9乃至図12のいずれの金属ガ
スケットにおいても、上下側表面基板1、2の間に内側
中間基板3と外側中間基板4の他に軟質金属板から成る
中間副板9を有するもので、この中間副板9には燃焼室
34周りに折返し部9aが設けられ、この折返し部9a
によって内側中間基板3、介挿板16等を挟持するよう
にしてある。
【0038】従って、図9乃至図12の金属ガスケット
は、図3の金属ガスケットのように、内側中間基板3を
結合するリベット8bを備える必要がなく、シリンダヘ
ッド31とシリンダブロック32の合わせ面の外方で、
リベット8aのみを用いて結合した構成としてある。
【0039】これらの金属ガスケットについてさらに述
べると、図9に示す金属ガスケットは、上下側表面基板
1、2のシール用ビード5に関しては上記の通りである
が、分離した平坦な内側中間基板3と外側中間基板4と
を同一面に備え、その両者の上面に中間副板9を添設
し、中間副板9の折返し部9aで内側中間基板3の燃焼
室34周りを挟持するようにしてある。この構成におい
ても、もちろん内側中間基板3が外側中間基板4よりも
厚くされ、その厚さ調整によってボルト締結時に生じる
シリンダヘッド31とシリンダブロック32の隙間幅が
調整されるようにされている。
【0040】図10に示す金属ガスケットは、図9に示
す金属ガスケットと略同様であるが、内側中間基板3と
外側中間基板4の下面に沿って下側中間副板18が添設
されたもので、下側表面基板2のシール用ビード5の頂
部は下側中間副板18に対して接触している。
【0041】図11に示す金属ガスケットは、図10の
金属ガスケットのさらに変形型であり、内側中間基板3
の内周を拡大し、下側中間副板18の燃焼室34周りを
上方に折曲したその内端部18aを上側の中間副板9の
折返し部9aで挟持するようにしたものである。
【0042】さらに、図12に示す金属ガスケットは、
図10に示す金属ガスケットと略同様であるが、内側中
間基板3の内周を拡大し、その内周の隙間に介挿板16
を配置し、下側中間副板18は燃焼室34側に伸長さ
れ、上側の中間副板9の折返し部9aが介挿板16を含
んで下側中間副板18を挟持した構成とされたものであ
る。
【0043】これら図9乃至図12に示す金属ガスケッ
トにおいても、内側中間基板3と外側中間基板4とは分
離され、内側中間基板3は外側中間基板4よりも厚く形
成されている。また、内側中間基板3は上下側表面基板
1、2のシール用ビード5の側にあって、その全長は冷
却水孔12付近に至るもので、この構成においても、シ
リンダスリーブ37のみに荷重を及ぼさないようにさ
れ、また内側中間基板3は外側中間基板4よりも厚くさ
れ、その厚さ調整によってボルト締結時に生じるシリン
ダヘッド31とシリンダブロック32の隙間幅が調整さ
れるようにされている。
【0044】ここで、図13(a) 乃至(c) を参照しなが
ら、本発明による金属ガスケットと図14に示した従来
の金属ガスケットの厚さと荷重との関係を比較する。
【0045】図13(a) 乃至(c) において、右方の黒塗
り矢印が燃焼室34(燃焼室孔11)周りのシール用ビ
ード5によるビード荷重を示し、左方の黒塗り矢印が冷
却水孔12周りのシール用ビード6によるビード荷重を
示すものである。
【0046】図13(c) は従来の金属ガスケットを示す
もので、燃焼室34周りの近傍に存在する折返し部44
(実線で示す斜線部)が下方に突出した断面厚さを有す
るため、これがシリンダスリーブを押圧する原因とな
る。
【0047】これに対して、図13(a) は本発明の実施
例のうち図2乃至図4に示す金属ガスケットの断面厚さ
に相当し、図13(b) は本発明の実施例のうち図5乃至
図12に示す金属ガスケットの断面厚さに相当するもの
で、点線で示す斜線部は外側中間基板4の位置する断面
厚さを概略的に示し、二点鎖線で示す斜線部は内側中間
基板3の断面厚さを示し、実践で示す斜線部は内側中間
基板3から下方に突出した部分の断面厚さを示すもので
ある。
【0048】図13(a) に示す金属ガスケットの場合、
内側中間基板3が外側中間基板4の厚さよりも厚く形成
され、しかも内側中間基板3は全面に亙って平坦に形成
されているから、シリンダスリーブのみを集中的に押圧
する部分が存在せず、謂わば本発明の理想形をなすもの
である。
【0049】ところが、図13(b) に示す金属ガスケッ
トの場合、例えば図5の金属ガスケットのように折返し
部15が下方に突出しているため、この返し部15がシ
リンダスリーブに対して多少の押圧力をもって作用す
る。しかしながら、折返し部15の内側の中間基板(3
a)部分(二点鎖線の斜線部分)が干渉材の役割をする
ため、シリンダスリーブに対して従来の金属ガスケット
ほどの押圧力を作用しない。
【0050】なお、上記図2乃至図12に示す金属ガス
ケットにおいては、ゴムコーティングが各所に施されて
いる。例えば、図2においては、上下側基板1、2の内
面1a、2aと内面1b、2bにゴムコーティングを施
してある。また、外側中間基板4に設けられた冷却水孔
12の内径を調整することにより、冷却水通路35を上
方へ通過する冷却水の流通量を調節することができるも
のである。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の金属ガス
ケットによれば、上下側表面基板間に位置する内側中間
基板と外側中間基板とは分離され、内側中間基板は外側
中間基板よりも厚く形成されている。また、内側中間基
板は上下側表面基板のシール用ビードの側にあってその
全長は、冷却水孔付近に至るもので、この構成により内
側中間基板の荷重はシリンダブロックの燃焼室と冷却水
孔間の略全面に均等にかかるため、シリンダスリーブの
みに荷重が作用せず、従来のように、シリンダスリーブ
の陥没等を防止することができる。
【0052】また、内側中間基板は外側中間基板よりも
厚くされ、その厚さ調整によってボルト締結時に生じる
シリンダヘッドとシリンダブロックの隙間幅が調整され
るため、燃焼ガス、冷却水、潤滑オイル等のシール性に
優れた金属ガスケットを得ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明による金属ガスケットの分解斜
視図である。
【図2】図2は、本発明による金属ガスケットの図1の
A−A線断面図である。
【図3】図3は、本発明による他の実施例の金属ガスケ
ットの図1のA−A線断面図である。
【図4】図4は、本発明による他の実施例の金属ガスケ
ットの図1のA−A線断面図である。
【図5】図5は、本発明による他の実施例の金属ガスケ
ットの図1のA−A線断面図である。
【図6】図6は、本発明による他の実施例の金属ガスケ
ットの図1のA−A線断面図である。
【図7】図7は、本発明による他の実施例の金属ガスケ
ットの図1のA−A線断面図である。
【図8】図8は、本発明による他の実施例の金属ガスケ
ットの図1のA−A線断面図である。
【図9】図9は、本発明による他の実施例の金属ガスケ
ットの図1のA−A線断面図である。
【図10】図10は、本発明による他の実施例の金属ガ
スケットの図1のA−A線断面図である。
【図11】図11は、本発明による他の実施例の金属ガ
スケットの図1のA−A線断面図である。
【図12】図12は、本発明による他の実施例の金属ガ
スケットの図1のA−A線断面図である。
【図13】図13(a) 乃至(c) は、本発明による金属ガ
スケットと図14に示した従来の金属ガスケットの厚さ
と荷重を概略的に示す説明図である。
【図14】図14は、燃焼室孔内周にシリンダライナー
を設けたオープンデッキ型シリンダに介挿された従来の
金属ガスケットの縦断面図である。
【符合の説明】
1…上側表面基板、2…下側表面基板、3…内側中間基
板、4…外側中間基板、5…燃焼室孔(燃焼室)を囲繞
するシール用ビード、6…冷却水孔(冷却水通路)を囲
繞するシール用ビード、7…オイル孔(オイル通路)を
囲繞するシール用ビード、8a、8b…リベット、9…
(上側)中間副板、11…燃焼室孔、12…冷却水孔、
13…オイル孔、15、17…折返し部、18…下側中
間副板、31…シリンダヘット、32…シリンダブロッ
ク、34…燃焼室、35、35’…冷却水通路。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃焼室孔(11)周り、冷却水孔(12)
    及びオイル孔(13)を夫々囲繞するシール用ビード
    (5、6、7)が形成された硬質金属板を含む三枚以上
    の金属板から成る積層構造の金属ガスケットにおいて、
    シリンダーヘッド(31)とシリンダーブロック(3
    2)に接する上下側表面基板(1、2)は夫々一体を成
    し、その中間に位置する金属板のいずれか一層が、前記
    燃焼室孔(11)周りの前記シールビード(5)側に配
    され、外周が前記冷却水孔(12)近傍まで伸長された
    内側中間基板(3)と、冷却水孔(12)及びオイル孔
    (13)周りの前記シールビード(6、7)側に配され
    た外側中間基板(4)とに分離され、前記内側中間基板
    (3)が前記外側中間基板よりも厚く形成されたことを
    特徴とする金属ガスケット。
  2. 【請求項2】前記上下側表面基板(1、2)に対して前
    記内側中間基板(3)と前記外側中間基板(4)とが、
    リベット(8a、8b)又は溶接、接着等で夫々結合さ
    れたことを特徴とする請求項1記載の金属ガスケット。
  3. 【請求項3】前記上下側表面基板(1、2)が軟質金属
    板で形成され、その燃焼室孔(11)周りを折返して成
    る折返し部(15)で前記内側基板(3)又は前記下側
    基板(4)が挟持されたことを特徴とする請求項1記載
    の金属ガスケット。
  4. 【請求項4】前記内側中間基板(3)と前記外側中間基
    板(4)に渡る片面又は上下面に軟質金属板から成る中
    間副板(9)が添設され、該中間副板(5)の前記燃焼
    室孔(11)周りを折返して成る折返し部(16)で前
    記内側基板(3)が挟持されるか、又は前記中間副板
    (9)が上下側に設けられた場合、一方の中間副板
    (9)の前記燃焼室孔(11)周りを折返して成る折返
    し部(17)で前記内側基板(3)が挟持されたことを
    特徴とする請求項1記載の金属ガスケット。
  5. 【請求項5】ボルト締結時における前記シリンダーヘッ
    ド(31)と前記シリンダーブロック(32)間の前記
    燃焼室孔(11)周りに生じた隙間幅が、前記内側中間
    基板(3)と前記外側中間基板(4)との厚さとの差異
    を調整することにより補充されることを特徴とする請求
    項1記載の金属ガスケット。
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