JPH0532874U - 金属ガスケツト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 金属ガスケットにおいて、予めシール剤の塗
布された基板材料を用いることにより、工数を減らすと
共に機能アップした金属ガスケットを得る。 【構成】 弾性基板１０の両面又は片面に予めシール剤
８を塗布した材料を用いて金属ガスケットを構成するに
際し、打抜き加工及び成形加工した後、必要とする部分
をサンドブラストにてシール剤を除去し、このシール剤
を除去した部分を更に荒らす。そして、この部分を金属
溶射部位とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は内燃機関を構成するシリンダーヘッドとシリンダーブロックとの接合 面に介在させて、燃焼ガス，冷却水及び潤滑油等の漏洩を防止する金属ガスケッ トに関する。

【０００２】

【従来の技術】

周知のように内燃機関ではシリンダーブロックとシリンダーヘッドとの接合面 にガスケットを介装して締付けこれによってシールしている。図２の平面構成に よって従来装置の概要を説明すると、１は金属ガスケット本体で、弾性材からな る基板10を有している。基板面にはエンジンの燃焼室孔に対応して設けた開口部 ２があり、この開口部の外縁には同心円状にビード３が設けられる。なお、ビー ド３より燃焼室孔寄りの平坦部にはストッパー７を設け、これによりビードの振 動による振幅を制限している。なお、４はボルト孔、５は水孔、６は油孔である 。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記した従来の金属ガスケットは、所定材質の基板材を打抜き加工した後、シ ール剤等を塗布している。この場合、更に加工を要する部分、例えばストッパー を溶射する部位等にはマスキングをしてシール剤等を塗布している。したがって マスキングを除去して金属溶射によってストッパーを設けても下地処理がなされ ていないため、ストッパーの取付け強度が弱く、剥離してしまうこともある。更 に基板に対して副板を併設し、ビードより燃焼室孔寄りの平坦部を折返してグロ メットを構成した場合、シリンダーヘッドとシリンダーブロックの熱膨脹差によ って、折返部がズレて外れてしまうこともある。 本考案は上記事情に鑑みてなされたものであり、加工が容易で、グロメット等 が外れることのない金属ガスケットを提供することを目的としている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、本考案は弾性基板の両面又は片面にシール剤を塗布 すると共にビード加工をし、必要とする部分をサンドブラストにてシール剤を除 去しつつ、当該部分を荒らして金属溶射又はグロメットの折返し部位とする。

【作用】

予めシール剤を全面に塗布した材料が使用できるため、製造工数が少なくてす む。又、所定部位をサンドブラストし、かつ荒らすことにより金属溶射は強固な 固着ができる。又、グロメットの折返し部は基板の荒れた部分に喰い込み、エン ジンの膨脹差によるズレが防止できる。

【０００５】

【実施例】

以下図面を参照して実施例を説明する。 図１は本考案による金属ガスケットの一実施例の構成図であり、図２のＸ−Ｘ ′断面図として示す。図１において図２と同一部分は同一符号を付す。８は基板 10の両面に予め塗布したシール剤で、この種の弾性基板材料は、例えばメタコー ト（ニチアス株の商標）あるいはソフトメタル（ＮＯＫ株の商標）等で公知であ る。図１の１では、上記公知の材料を使用して打抜き成形加工をした後、ビード ３より燃焼室寄り平坦部９をサンドブラストしてシール剤を剥離し、かつその部 分を荒らした状態を示す。そして、前記荒らした平坦部には図１の２に示すよう に金属溶射をしてストッパー７としたものである。

【０００６】 図３は他の実施例の構成図であり、本実施例の場合、図１の１の状態に基板の 材質よりも軟かで、かつ薄い材質からなるグロメット11を併設し、燃焼室側端部 をＵ字形に折返して、基板の荒らした部位に重畳したものである。このようにす ると、折返した部分はグロメットの板厚があるため、締付けたときこの部位に非 常に大きな荷重がかかる。しかも硬度の高い基板はその面が荒れているため、グ ロメットの折返し部が高面圧で基板に喰い込み、折返し部がズレて外れることは ない。

【０００７】 図４は更に他の実施例の構成図であり、本実施例は図３の状態に副板12を併設 したものである。本実施例の場合も前記各場合と同様の効果が得られる。

【０００８】 図５は更に他の実施例の構成図であり、本実施例は図１の２の状態に副板12を 併設したものであり、その効果は前記同様である。

【０００９】 図６は更に他の実施例の構成図であり、図６の１は山形ビード3-1 ，3-2 を突 合して対称配置したものの、基板10-2にストッパー７を設けたものであり、図６ の２は図６の１の各基板に副板12を挾持させ、かつ基板10-1にストッパー７を設 けたものである。そして図６の１，図６の２ともに、その効果は前記同様である 。なお、シール剤としては特にその内容について言及しなかったが、ゴム又は樹 脂等いずれのものでもよい。

【００１０】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案によれば予めシール剤の塗布された基板材料を用 い、所定位置をサンドブラストして荒らすと共に、その位置を溶射によるストッ パー部、又はグロメットの折返し部とするよう構成したので、作業工程が少なく 、かつ安価に金属ガスケットが得られる。更に当技術は塗装ナシを必要とする部 分除去にも有効である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による金属ガスケットの一実施例の構成
図。

【図２】金属ガスケットの概要を説明する平面図。

【図３】基板に対してグロメットを併設した実施例図。

【図４】基板に対してグロメットと副板とを併設した実
施例図。

【図５】基板には溶射によるストッパーを設け、かつ上
部に副板を併設した実施例図。

【図６】山形ビードを突き合せた構成の実施例図。

【符号の説明】１ 金属ガスケット本体 ２ 燃焼室孔 ３，3-1 ，3-2 ビード ４ ボルト孔 ５ 水孔 ６ 油孔 ７ ストッパー ８ シール剤 ９ 平坦部 10，10-1，1-2 基板 11 グロメット 12 副板

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 弾性基板の両面又は片面にシール剤を塗
   布すると共にビード加工をし、必要とする部分をサンド
   ブラストにてシール剤を除去し、当該部分を荒らして金
   属溶射部位としたことを特徴とする金属ガスケット。
2. 【請求項２】 シール剤を除去した部分に軟質の金属板
   を折曲してＵ字形に折返したことを特徴とする請求項１
   記載の金属ガスケット。