JPH0741138U - メタルガスケット - Google Patents

メタルガスケット

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JPH0741138U
JPH0741138U JP7030393U JP7030393U JPH0741138U JP H0741138 U JPH0741138 U JP H0741138U JP 7030393 U JP7030393 U JP 7030393U JP 7030393 U JP7030393 U JP 7030393U JP H0741138 U JPH0741138 U JP H0741138U
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annular
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吉隆 阿部
昭文 三谷
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ストッパー部の形成が容易なメタルガスケッ
ト及びシリンダ孔の開口周縁部に対する面圧を一様に設
定して上死点付近におけるシリンダ孔の真円度の低下を
防止する。 【構成】 エンジンのシリンダ孔に対応させて開口部1
2を形成するとともに、複数のシリンダヘッド固定用ボ
ルトが挿通する複数のボルト挿通孔を形成したメタルガ
スケット10であって、開口部12の開口周縁部付近に
環状のビード14を形成し、開口部12の周縁とビード
14間に環状延設部15を形成した弾性金属板からなる
ビード板11と、環状延設部15にパターン印刷により
耐熱性及び耐圧縮性を有する材料をプリントして形成し
たストッパー部16とを備えた。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、エンジンのシリンダブロックとシリンダヘッド間に介設されるメタ ルガスケットに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、エンジンのシリンダブロックとシリンダヘッド間には、燃焼室を気密 状にシールするためのメタルガスケットが装着されている。 前記メタルガスケットとしては、弾性金属板からなるビード板と、ビード板に 重ね合わされる副板とを備え、ビード板及び副板のエンジンのシリンダ孔に対応 する部分に開口部を形成し、ビード板の開口周縁部付近に副板とは反対側へ突出 した環状のビードを形成し、副板の開口周縁部にビード板の開口周縁部を抱き込 むように折り返えしたストッパー部を形成し、シリンダヘッドを複数のシリンダ ヘッド固定用ボルトでシリンダブロックに締結したときに、ストッパー部の厚さ 分の隙間をビード付近に形成して、ビードの異常変位を規制するように構成した ものが広く採用されている。
【0003】 ところが、前記メタルガスケットでは、副板の折り返し部分に対してシリンダ ヘッドとシリンダブロックとの熱膨張率の差による横方向への荷重や、エンジン 稼働時における上下方向への荷重が作用し、しかも、この折り返し部分は高温・ 高圧な燃焼ガスに常時さらされるという過酷な条件下で使用されるので、長期間 使用しているうちに破断してストッパー部がビード板の開口縁部から脱落するこ とがある。 そこで、ビード板の開口縁部とビード間に環状の平坦部を形成し、平坦部のビ ードの突出側の面に平板環状の副板を開口部に臨むように接着或いは溶着により 固着し、副板でビードの異常変位を規制するストッパー部を構成したメタルガス ケットが提案されている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
前記メタルガスケットでは、副板を折り返していないので、折り返し部分の破 断によるストッパー部の脱落を確実に防止出来るとともに、上下方向向きの荷重 に対する副板の取付け強度も十分に得られる。しかし、副板を接着によりビード 板の平坦部に固定した場合には、横方向への荷重に対する十分な接合強度を得る ことが困難で、長期間使用しているうちに脱落することも考えられる。また、溶 着により固定した場合には、横方向への荷重に対する接合強度を向上出来るが、 接合作業が大変煩雑になるという問題がある。 また、シール性を向上するためビード板及び副板の表面にゴムコーティング層 を形成した場合には、ビードの異常変位を副板で規制するときに、金属製の副板 とシリンダヘッド或いはシリンダブロック間にゴムコーティング層が高面圧で挟 持され、ゴムコーティング層が副板から剥離するという問題が発生する。
【0005】 一方、前記メタルガスケットにおいては、通常、ストッパー部の幅が一様で且 つ厚さが一様なので、ストッパー部又はそれに対応するビード板の開口周縁部の シリンダブロックに対する面圧が、シリンダヘッド固定用ボルト側へ行くにした がって大きくなり、シリンダ孔の内壁部が部分的に内側へ変形して、上死点付近 におけるシリンダ孔の真円度が低下し、シリンダ孔とピストンリング間のシール 性の低下により、エンジン性能が低下したり、オイル消費量が増大するという問 題が発生する。特に、シリンダ孔の上死点付近においては、エンジンの圧縮行程 及び爆発行程における高温・高圧な燃焼ガスをシールする関係上、僅かな真円度 の低下でも、エンジン性能が大幅に低下したり、オイル消費量が増大するという 問題が発生するのである。
【0006】 本考案の目的は、ストッパー部の形成が容易なメタルガスケット及びシリンダ 孔の開口周縁部に対する面圧を一様に設定して上死点付近におけるシリンダ孔の 真円度の低下を防止し得るメタルガスケットを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】 請求項1に係るメタルガスケットは、エンジンのシリンダ孔に対応させて開口 部を形成するとともに、複数のシリンダヘッド固定用ボルトが挿通する複数のボ ルト挿通孔を形成したメタルガスケットであって、前記開口部の開口周縁部付近 に環状のビードを形成し、開口部の周縁とビード間に環状延設部を形成した弾性 金属板からなるビード板と、前記環状延設部にパターン印刷により耐熱性及び耐 圧縮性を有する材料をプリントして形成したストッパー部とを備えたものである 。
【0008】 請求項2に係るメタルガスケットは、エンジンのシリンダ孔に対応させて開口 部を形成するとともに、複数のシリンダヘッド固定用ボルトが挿通する複数のボ ルト挿通孔を形成したメタルガスケットであって、前記開口部の開口周縁部付近 に環状のビードを形成し、開口部の周縁とビード間に環状延設部を形成した弾性 金属板からなるビード板と、前記ビード板に重ね合わされる副板であって、環状 延設部に対応する位置に環状受部を形成した副板と、前記環状延設部と環状受部 のうちの一方又は両方にパターン印刷により耐熱性及び耐圧縮性を有する材料を プリントして形成したストッパー部とを備えたものである。
【0009】 請求項3に係るメタルガスケットは、エンジンのシリンダ孔に対応させて開口 部を形成するとともに、複数のシリンダヘッド固定用ボルトが挿通する複数のボ ルト挿通孔を形成したメタルガスケットであって、前記開口部の開口周縁部付近 に環状のビードを形成し、開口部の周縁とビード間に環状延設部を形成した弾性 金属板からなるビード板と、前記ビード板に重ね合わされる副板であって、環状 延設部に対応する位置に開口部の周縁部付近を折り返した折り返し部を形成し、 折り返し部に対応する位置に環状受部を形成した副板と、前記環状延設部と折り 返し部と環状受部の1種又は2種以上にパターン印刷により耐熱性及び耐圧縮性 を有する材料をプリントして形成したストッパー部とを備えたものである。
【0010】 ここで、請求項4のように、前記ストッパー部の肉厚をボルト挿通孔側へ行く にしたがって薄肉に構成してもよいし、請求項5のように、前記ストッパー部の 幅をボルト挿通孔側へ行くにしたがって幅広に構成してもよい。
【0011】
【作用】
本考案に係るメタルガスケットにおいては、開口部の周縁とビード間に形成さ れたビード板の環状延設部に、パターン印刷により耐熱性及び耐圧縮性を有する 材料をプリントしてストッパー部を形成したり、ビード板の環状延設部と副板の 環状受部のうちの一方又は両方に、パターン印刷により耐熱性及び耐圧縮性を有 する材料をプリントしてストッパー部を形成したり、ビード板の環状延設部と副 板の環状受部と副板の折り返し部の1種又は2種以上に、パターン印刷により耐 熱性及び耐圧縮性を有する材料をプリントしてストッパー部を形成してあるので 、メタルガスケットを介設した状態でシリンダブロックにシリンダヘッドを締結 すると、ストッパー部の肉厚に相当する隙間がビード付近に形成されてビードの 異常変位が規制される。しかも、パターン印刷によりストッパー部を形成してあ るので、ストッパー部を容易に形成することが可能となる。
【0012】 また、ストッパー部の肉厚をボルト挿通孔側へ行くにしたがって薄肉に構成し たり、ストッパー部の幅をボルト挿通孔側へ行くにしたがって幅広に構成した場 合には、メタルガスケットのシリンダブロックに対する面圧を、シリンダ孔の開 口周縁部の全周に亙って一様に設定することが可能となる。
【0013】
【実施例】
以下、本考案の実施例を図面を参照しながら説明する。 本考案は、V型6気筒エンジンのシリンダブロックとシリンダヘッドに装着さ れるメタルガスケットに本考案を適用した場合のものである。
【0014】 図1・図2に示すように、V型エンジンのシリンダブロック1の左右のバンク 1A・1Bには3つのシリンダ孔2が夫々形成され、左右のバンク1A・1Bに はその上部に夫々形成された8つのボルト孔3にシリンダヘッド固定用ボルト( 図示略)を装着して1対のシリンダヘッド4が固定され、左右のシリンダヘッド 4とシリンダブロック1の左右のバンク1A・1B間にはメタルガスケット10 が夫々装着され、シリンダ孔2内にはピストン5が複数のピストンリング6を介 して気密摺動自在に装着され、ピストン5とシリンダブロック1とシリンダヘッ ド4とで形成される燃焼室7はメタルガスケット10と複数のピストンリング6 を介して気密状態に保持されている。
【0015】 前記メタルガスケット10について説明すると、図3・図4に示すように、シ リンダブロック1の上面と略同じサイズで略同一形状の弾性金属板からなる略平 板状のビード板11が設けられ、ビード板11のシリンダ孔2に対応する位置に は開口部12が形成され、ボルト孔3に対応する位置にはボルト挿通孔13が形 成され、ビード板11の開口部12に臨む周縁部付近には上方へ突出した環状の ビード14がシリンダ孔2の上端を取り囲むように形成され、開口部12の周縁 とビード14間には平坦な環状延設部15が形成され、環状延設部15の上面に はその全周に亙って耐熱性及び耐圧縮性を有する転写材料をパターン印刷により プリントして作成したストッパー部16が形成され、ストッパー部16の厚さは ビード14の高さよりもやや薄く設定され、ビード板11とストッパー部16の 表面部には両者を覆うようにゴムコーティング層17が形成されている。
【0016】 前記転写材料としては、例えば、天然樹脂材料、合成樹脂材料、合成ゴム材料 、金属微粉末入り樹脂材料、セラミック系材料などの材料を用いることが可能で 、またパターン印刷としては、例えば、凸版印刷、平版印刷、凹版印刷、スクリ ーン印刷、植毛印刷、磁気印刷、ホットスタンピングなどの印刷技術を採用する ことが可能である。また、ディスペンサーを用いて、前記転写材料をノズルの先 端から吐出させながら、ノズルを環状延設部15の上面に沿ってX方向及びY方 向に相対移動させ、ストッパー部16を形成してもよい。
【0017】 次に、前記メタルガスケット10の作用について説明する。 メタルガスケット10を装着した状態でシリンダブロック1とシリンダヘッド 4とを8本のシリンダヘッド固定用ボルトで締結すると、シリンダブロック1と シリンダヘッド4間にメタルガスケット10が挟持され、メタルガスケット10 のゴムコーティング層17を介在させた状態で、ビード14がシリンダヘッド4 の下面に圧接され、燃焼室7が気密状にシールされるとともに、ストッパー部1 6の厚さ分の隙間がビード14付近に形成され、ボルト締結時におけるビード1 4の異常変位が規制される。しかも、パターン印刷によりストッパー部16を形 成してあるので、ストッパー部16を容易に形成することが可能となる。
【0018】 また、ビード板11及びストッパー部16の表面部にゴムコーティング層17 を形成してあるので、シリンダブロック1とシリンダヘッド4間のシール性をよ り一層向上することが可能となる。 更に、ストッパー部16を比較的軟質な合成樹脂材料を含む材料で構成した場 合には、ストッパー部16に対応するゴムコーティング層17の剥離を防止する ことが可能となり、しかもゴムコーティング層17が剥離した場合でも、ストッ パー部16により充分なシール性を確保することが可能となる。
【0019】 次に、前記メタルガスケット10の構成を部分的に変更した変形例について説 明する。尚、前記実施例とを同一部材には同一符号を付してその詳細な説明を省 略する。 〔1〕 前記ビード板11を用いて、図5の(a)、(b)、(c)に示すよう に、ビード板11と副板21とを積層状に重ね合わせた2枚構造の積層メタルガ スケット20A、20B、20Cを構成することが可能である。 (a)に示す積層メタルガスケット20Aは、ビード14が下方へ突出するよ うにビード板11を配置し、ビード板11の下側に副板21を設け、副板21の うちの環状延設部15の下側の部分に環状受部22を設け、環状受部22の上面 に耐熱性及び耐圧縮性を有する転写材料をパターン印刷によりプリントしてスト ッパー部16を形成したものである。尚、前記ストッパー部16は、ビード板1 1の上面と下面、環状受部22の上面と下面の1種又は2種以上に形成してもよ い。
【0020】 (b)に示す積層メタルガスケット20Bは、ビード14が下方へ突出するよ うにビード板11を配置し、ビード板11の上側に副板21を設け、副板21の うちの環状延設部15の上側の部分に平坦な環状受部22を設け、副板21の開 口周縁部に環状延設部15を抱き込むように下側へ折り返した平坦な折り返し部 23を形成し、環状延設部15の下面又は折り返し部23の上面に耐熱性及び耐 圧縮性を有する転写材料をパターン印刷によりプリントしてストッパー部16を 形成したものである。尚、前記ストッパー部16は、ビード板11の上面と下面 、環状受部22の上面と下面、折り返し部23の上面と下面の1種又は2種以上 に形成してもよい。
【0021】 (c)に示す積層メタルガスケット20Cは、前記ビード板11をビード14 が下方へ突出するように設け、ビード板11の下側に副板21を設け、副板21 のうちの環状延設部15の下側の部分に平坦な環状受部22を設け、副板21の 開口周縁部に環状受部22の上側へ延びるように折り返した平坦な折り返し部2 3を形成し、折り返し部23の上面に耐熱性及び耐圧縮性を有する転写材料をパ ターン印刷によりプリントしてストッパー部16を形成したものである。尚、前 記ストッパー部16は、(d)に示すように、環状受部22と折り返し部23間 に設けてもよいし、ビード板11の上面と下面、環状受部22の上面と下面、折 り返し部23の上面と下面の1種又は2種以上に形成してもよい。
【0022】 〔2〕 前記ビード板11を用いて、図6に示すように、3枚以上のビード板1 1や副板からなる積層メタルガスケット30A、30B、30C、30D、30 Eを構成することが可能である。 (a)に示す積層メタルガスケット30Aは、前記ビード板11を上下に配置 させ、両ビード板11間に副板21を設け、副板21の環状受部22の下側にス トッパー部16を形成したものである。 (b)に示す積層メタルガスケット30Bは、前記ビード板11を上下に配置 させ、下側のビード板11のビード14を下方へ突出させ、両ビード板11間に 副板21を設け、副板21の環状受部22の下面にストッパー部16を形成した ものである。
【0023】 (c)に示す積層メタルガスケット30Cは、前記ビード板11を上下に配置 させ、上側のビード板11のビード14を下方へ突出させ、両ビード板11間に 副板21を設け、副板21の環状受部22の下面にストッパー部16を形成した ものである。 (d)に示す積層メタルガスケット30Dは、ビード14を下方へ突出させた ビード板11を設け、ビード板11の上下両側に副板21を設け、下側の副板2 1の環状受部22の上面にストッパー部16を形成したものである。
【0024】 (e)に示す積層メタルガスケット30Eは、ビード14を下方へ突出させた 上下1対のビード板11を設け、両ビード板11間及び両ビード14の上下両側 に副板21を設け、中央の副板21の環状受部22の上面にストッパー部16を 形成したものである。 尚、前記積層メタルガスケット30A〜30Eのビード板11及び副板21は 、図5の(b)や(c)に示すように構成してもよいし、ストッパー部16は、 必要に応じてビード板11や副板21の上面や下面或いは上下両面に適宜設けて もよい。
【0025】 〔3〕 前記ストッパー部16は、図7に示すように構成してもよい。即ち、( a)に示すように、ビード板11の環状延設部15又は副板21の環状受部22 にビード14と同心状に複数の副ビード41を設け、副ビード41を含むように 耐熱性及び耐圧縮性を有する転写材料をパターン印刷によりプリントして肉盛部 42を形成し、副ビーど41と肉盛部42とでストッパー部40Aを構成しても よいし、(b)に示すように、ビード板11の環状延設部15又は副板21の環 状受部22に1つの副ビード43を形成し、副ビード43の下側に耐熱性及び耐 圧縮性を有する転写材料をパターン印刷によりプリントして肉盛部44を形成し 、副ビード43と肉盛部44とでストッパー部40Bを構成してもよいし、(c )に示すように、ビード板11の環状延設部15又は副板21の環状受部22に 複数の凹凸部45を形成し、凹凸部45を含むように耐熱性及び耐圧縮性を有す る転写材料をパターン印刷によりプリントして肉盛部46を形成し、凹凸部45 と肉盛部46とでストッパー部40Cを構成してもよい。
【0026】 〔4〕 本実施例では、前記ストッパー部16、40A、40B、40Cの厚さ 及び幅をその全周に亙って夫々一様に設定したが、図4・図5・図7に実線及び 仮想線で示すように、ストッパー部16、40A、40B、40Cの厚さをボル ト挿通孔13側へ行くにしたがって肉厚T2から肉厚T1に滑らかに減少するよ うに構成してもよいし、ストッパー部16、40A、40B、40Cの幅W(図 4参照)をボルト挿通孔13側へ行くにしたがって幅広に構成してもよいし、図 8に示すように、ビード板11又は副板21のうちの斜線で示すボルト挿通孔1 3から離間した範囲Aにのみストッパー部16を形成してもよい。この場合には 、ストッパー部16、40A、40B、40Cに対応する部位におけるシリンダ ブロック1の面圧を、シリンダ孔2の開口周縁部の全周に亙って一様に設定して 、上死点付近におけるシリンダ孔2の真円度を向上することが可能となり、上死 点付近におけるシリンダ孔2とピストンリング6間のシール性を充分に確保して 、エンジン性能を向上出来るとともに、オイル消費量を低減出来る。
【0027】 〔5〕 図9に示すように、前記環状延設部15又は環状受部22又は折り返し 部23にストッパー部16をプリントにて形成する前に、予め機械加工や薬品処 理などにより粗面化処理部50を形成してもよい。この粗面化処理部50には、 (a)に示すように、機械加工により編み目状の溝50aを形成したり、(b) に示すように、機械加工により同心状に多数の溝50bを形成したり、(c)に 示すように、薬品処理などにより微細な凹凸50cを形成することになる。
【0028】 尚、本実施例では、V型6気筒エンジンのシリンダブロック1とシリンダヘッ ド4に装着されるメタルガスケット10や積層メタルガスケット20A〜20C 、30A〜30Eに本考案を適用したが、6気筒以外のV型多気筒エンジンや単 気筒エンジンや直列多気筒エンジンに対しても本考案を同様に適用することが可 能である。また、エンジン以外のエアポンプなどに対しても本考案を同様に適用 することが可能である。
【0029】
【考案の効果】
本考案に係るメタルガスケットによれば、前記作用の項で詳細に説明したよう に、パターン印刷により耐熱性及び耐圧縮性を有する材料をプリントしてストッ パー部を形成してあるので、ストッパー部の作成作業を大幅に簡素化出来る。 また、ストッパー部の肉厚をボルト挿通孔側へ行くにしたがって薄肉に構成し たり、ストッパー部の幅をボルト挿通孔側へ行くにしたがって幅広に構成した場 合には、メタルガスケットのシリンダブロックに対する面圧を、シリンダ孔の開 口周縁部の全周に亙って一様に設定することが可能となり、上死点付近における シリンダ孔の内壁とピストンリング間のシール性を充分に確保して、エンジン性 能を向上出来るとともに、オイル消費量を低減出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 シリンダブロックの斜視図
【図2】 エンジンのメタルガスケット付近の要部縦断
面図
【図3】 メタルガスケットの要部平面図
【図4】 図3のIV−IV線断面図
【図5】 積層メタルガスケットの説明図
【図6】 別の積層メタルガスケットの説明図
【図7】 ストッパー部の変形例の縦断面図
【図8】 ストッパー部の作成範囲を示す説明図
【図9】 粗面化処理部を作成した場合におけるビード
板又は副板の要部斜視図
【符号の説明】
1 シリンダブロック 1A バンク 1B バンク 2 シリンダ孔 3 ボルト孔 4 シリンダヘッド 5 ピストン 6 ピストンリング 7 燃焼室 10 メタルガスケット 11 ビード板 12 開口部 13 ボルト挿通孔 14 ビード 15 環状延設部 16 ストッパー部 17 ゴムコーティング層 20A 積層メタルガスケット 20B 積層メタルガスケット 20C 積層メタルガスケット 21 副板 22 環状受部 23 折り返し部 30A 積層メタルガスケット 30B 積層メタルガスケット 30C 積層メタルガスケット 30D 積層メタルガスケット 30E 積層メタルガスケット 40A ストッパー部 40B ストッパー部 40C ストッパー部 41 副ビード 42 肉盛部 43 副ビード 44 肉盛部 45 凹凸部 46 肉盛部 50 粗面化処理部 50a 溝 50b 溝 50c 凹凸

Claims (5)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンのシリンダ孔に対応させて開口
    部を形成するとともに、複数のシリンダヘッド固定用ボ
    ルトが挿通する複数のボルト挿通孔を形成したメタルガ
    スケットであって、 前記開口部の開口周縁部付近に環状のビードを形成し、
    開口部の周縁とビード間に環状延設部を形成した弾性金
    属板からなるビード板と、 前記環状延設部にパターン印刷により耐熱性及び耐圧縮
    性を有する材料をプリントして形成したストッパー部
    と、 を備えたことを特徴とするメタルガスケット。
  2. 【請求項2】 エンジンのシリンダ孔に対応させて開口
    部を形成するとともに、複数のシリンダヘッド固定用ボ
    ルトが挿通する複数のボルト挿通孔を形成したメタルガ
    スケットであって、 前記開口部の開口周縁部付近に環状のビードを形成し、
    開口部の周縁とビード間に環状延設部を形成した弾性金
    属板からなるビード板と、 前記ビード板に重ね合わされる副板であって、環状延設
    部に対応する位置に環状受部を形成した副板と、 前記環状延設部と環状受部のうちの一方又は両方にパタ
    ーン印刷により耐熱性及び耐圧縮性を有する材料をプリ
    ントして形成したストッパー部と、 を備えたことを特徴とするメタルガスケット。
  3. 【請求項3】 エンジンのシリンダ孔に対応させて開口
    部を形成するとともに、複数のシリンダヘッド固定用ボ
    ルトが挿通する複数のボルト挿通孔を形成したメタルガ
    スケットであって、 前記開口部の開口周縁部付近に環状のビードを形成し、
    開口部の周縁とビード間に環状延設部を形成した弾性金
    属板からなるビード板と、 前記ビード板に重ね合わされる副板であって、環状延設
    部に対応する位置に開口部の周縁部付近を折り返した折
    り返し部を形成し、折り返し部に対応する位置に環状受
    部を形成した副板と、 前記環状延設部と折り返し部と環状受部の1種又は2種
    以上にパターン印刷により耐熱性及び耐圧縮性を有する
    材料をプリントして形成したストッパー部と、 を備えたことを特徴とするメタルガスケット。
  4. 【請求項4】 前記ストッパー部の肉厚をボルト挿通孔
    側へ行くにしたがって薄肉に構成したことを特徴とする
    請求項1、2又は3に記載のメタルガスケット。
  5. 【請求項5】 前記ストッパー部の幅をボルト挿通孔側
    へ行くにしたがって幅広に構成したことを特徴とする請
    求項1、2、3又は4に記載のメタルガスケット。
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