JP2522140Y2 - ゴムコート材金属ガスケット - Google Patents

ゴムコート材金属ガスケット

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JP2522140Y2
JP2522140Y2 JP1993005711U JP571193U JP2522140Y2 JP 2522140 Y2 JP2522140 Y2 JP 2522140Y2 JP 1993005711 U JP1993005711 U JP 1993005711U JP 571193 U JP571193 U JP 571193U JP 2522140 Y2 JP2522140 Y2 JP 2522140Y2
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展生 吉野
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KET & KET CO., LTD.
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、燃焼室孔を複数設けた
多気筒エンジンのシリンダヘッドとシリンダブロックと
の合わせ面間に介挿する金属ガスケットの改良に係り、
特に隣接する燃焼室孔間の離間幅が短く形成された多気
筒エンジンであっても均等なシール性能を発揮すること
ができるゴムコート材金属ガスケットに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、内燃機関のシリンダヘッドとシリ
ンダブロックとの合わせ面間に金属ガスケットを介挿
し、該金属ガスケットの燃焼室孔周縁にはビードを形成
することにより合わせ面間のシール性を向上するように
してある。このような金属ガスケットによれば、シリン
ダヘッドとシリンダブロックとをボルト締結すると、ビ
ードは合わせ面間の締付け力により弾性変形して対向面
に対して環状のシール線を形成するうえ、エンジンの爆
発時における合わせ面の拡縮運動に対しては、ビードの
弾性復元力を追従させて合わせ面間のシールがなされる
ものである。
【0003】このような金属ガスケットの従来例を図6
(a) 及び(b) に示す。
【0004】図6(a) には、シリンダヘッド28とシリ
ンダブロック29との合わせ面に介挿した従来の金属ガ
スケットの断面状況が示してある。
【0005】この金属ガスケットは、副板22を基板2
1より厚くした硬質製の基板21と軟質製の副板22と
を積層して成るもので、エンジンの燃焼室孔20の周縁
を一次的にシールするためのストッパーとして、副板2
2の燃焼室孔20に沿って折返し部24を形成し、該折
返し部24に接触しないように基板21の燃焼室孔の内
径を折返し部24の外径より大とし、さらに折返し部2
4の周外に断面半円形に押圧成形された基板21側のフ
ルビード26、副板22側のフルビード27を互いに離
間方向に形成し、さらにガスケットの外周に沿って断面
が段差形状に押圧成形された基板21側のステップビー
ド30、副板22側のステップビード31を互いに離間
方向に形成したものである。
【0006】また、図6(b) に示す金属ガスケットは、
基板21’を副板22’より厚くし、副板22’に形成
した折返し部24’の内側には薄板リング33を介挿し
て折返し部24’の内側に挟持した状態で密着結合し、
副板22’には上記のようにフルビードを設けず、基板
21’側のみにフルビード26’とステップビード3
0’を形成したものである。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】このような従来の金属
ガスケットにおいては、フルビード26、27、26’
を燃焼室孔20の周縁に沿って設けるには、該フルビー
ド26、27、26’を折返し部24、24’の周外に
設ける必要があり、そのためフルビード26、27、2
6’の形成位置が燃焼室孔20から離れた箇所に位置す
るうえ、フルビード26、27、26’の幅は段差形状
のステップビードの幅に比べて略倍の長さを有するもの
であるため、折返し部24、24’の燃焼室孔φd’の
端面とフルビード26、27の外周側のサークルφD’
との成す距離L’を幅広く確保する必要がある。
【0008】従って、図6(c) に示す如く、複数の燃焼
室孔20、20…を並設した多気筒エンジンの合わせ面
に上記のような金属ガスケットを介挿した場合、各燃焼
室孔20、20間の距離が十分とれるときには、燃焼室
孔毎の各フルビード(代表して32とする)を単独で構
成することが可能であるが、コンパクト化傾向にある近
年のエンジンにおいては、燃焼室孔間寸法Sがエンジン
のレイアウト上短く形成されているため、大抵の場合、
各フルビード32、32を燃焼室孔毎に単独で構成する
ことが不可能であって、燃焼室孔20、20間で隣接す
るフルビード32、32を重ね合わせて図6(d−1) 又
は(d−2) のように一本化せざるを得ない。
【0009】ところが、その結果一本化したフルビード
32の幅は、燃焼室孔20、20間の位置によって、例
えば図6(c) に示すX−X線位置とY−Y線位置のよう
な別位置においては、X−X線位置では図6(d−1) に
示すように断面半円形となるが、Y−Y線位置では図6
(d−2) に示すようにフルビード32の幅が広くなっ
て、これをシリンダヘッド28とシリンダブロック29
間で押圧したとき、図6(d−2) の点線で示すようにフ
ルビード32の中央部に凹部32cを作ってその両側に
二つの凸部32a、32bを形成するというような好ま
しくない変形が生じる。
【0010】このとき、図6(d−1) の半円形フルビー
ド32では該フルビード32の中央に面圧FXが作用す
るが、図6(d−2) においては、双方の凸部32a、3
2bの合計面圧FZは、中央の凹部32cが反対方向に
支持を得ない分、この面圧FZは図6(d−1) の面圧F
Xより小となって、F(X−Z)なる面圧差を生じ、こ
のように面圧小なる箇所では、燃焼ガスの吹き抜けを生
じるなど完全なシール性を発揮することができなくなる
のである。
【0011】また、水通路25と燃焼室孔20との距離
W’がエンジンのレイアウト上小さくなる場合、折返し
部24、24’の周外にフルビードを設けることができ
なくなるという不都合が生じ、このような箇所でもシー
ル性の不均衡が生ずるのである。
【0012】本考案は、上記の問題点を解消するために
なされたもので、燃焼室孔間の離間幅が短く形成された
近年の多気筒エンジンであっても、シリンダヘッドとシ
リンダブロックとの合わせ面間の全体が均等なシール性
を発揮できるようにした金属ガスケットを提供するもの
である。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本考案のゴムコート材金属ガスケットは、多気筒
エンジンのシリンダーヘッド13とシリンダーブロック
14との合わせ面間に介挿する金属ガスケットであっ
て、両面にゴムコーティングを施した硬質ステンレス板
を所定のガスケット形状に形成した基板1と、片面にゴ
ムコーティングを施した軟質ステンレス板又は鉄板を所
定のガスケット形状に形成した副板2とを、該副板2の
非コーティング面8が前記基板1と接合する方向にて互
いに積層し、前記副板2の燃焼室孔周縁に沿って該副板
2の非コーティング面8、8同士が内側となる折返し部
6を設け、且つ該折返し部6が前記基板1と重ならない
ように、該基板1の燃焼室孔を前記折返し部6の外周よ
り大径に設け、前記副板2を前記基板1より厚くして前
記折返し部6を互いに密着成形するか、又は前記副板2
を前記基板1より薄くすると共に前記折返し部6の内側
に硬質又は軟質のステンレス板又はメッキ鋼板から成る
薄板リング18を挟持して密着結合することにより、該
折返し部6の合計厚さTを前記基板1と前記副板2との
合計厚さtより厚くしたゴムコート材金属ガスケットに
おいて、前記基板1と前記副板2との積層体に対して、
各燃焼室孔9、9…毎に単独に、前記基板1の燃焼室孔
周縁であって前記副板2の折返し部6の周外に、前記基
板1と前記副板2とを重合したまま同位置且つ同方向に
段差形状のステップビード3、4を押圧成形したことを
特徴とするものである。
【0014】また、前記折返し部6の合計厚さTを、ガ
スケット締め付けボルト孔5の近傍付近で薄くし、締め
付け用ボルト孔5、5の孔間にて厚くなるように、前記
副板2の折返し部6の厚さを変化させるか、該折返し部
6の内側に介挿する前記薄板リング18を加圧成形する
か、又は該薄板リング18の表面に金属溶射等を行うこ
とにより厚さ変化を持たせて前記副板2と位置決めした
構成としてもよい。
【0015】
【作用】上記の構成において、燃焼室孔20の周縁に沿
って設けたビードを段差形状のステップビード3、4と
してあるため、このようなステップビード3、4は断面
半円形のフルビードよりビード幅を大幅に縮小でき、折
返し部6の燃焼室孔φdの端面とステップビード3、4
の外周側のサークルφDとの成す距離Lを従来の断面半
円形のフルビードに比して大幅に短くすることが可能と
なる。
【0016】従って、限られた燃焼室孔間寸法Sを有す
るような燃焼室9、9間においても、隣り合うステップ
ビード3、4を夫々単独で構成することが可能となる結
果、従来例において問題となったビードの面圧変化がな
く、各燃焼室孔9の全周で確実なシール圧を保つことが
可能となる。
【0017】また、上記のようなステップビード3、4
又はガスケット外周側のステップビード11、12を形
成する際、基板1と副板2とを積層したままの状態で一
括的に押圧成形することができ、こうすることにより、
軟質材である副板2が硬質材である基板1の成形に習っ
て折曲され、基板1と副板2との圧接間にあって、基板
1と副板2との両者間に介在したコーティングが両者を
よくなじむように圧縮変形するものである。
【0018】さらに、折返し部6の合計厚さTを、ガス
ケット締め付けボルト孔5の離間幅に応じて該ボルト孔
5の近傍付近で薄くし、ボルト孔5、5の孔間にて厚く
なるように形成することにより、折返し部6が合わせ面
間の各所において均等に密着することとなり、爆発によ
るシリンダヘッド13とシリンダブロック14間のたた
かれを防止することが可能となる。
【0019】
【実施例】以下、本考案の実施例を図面を参照しながら
説明する。
【0020】図1(a) 及び(b) には本考案による金属ガ
スケットの断面を示してあり、シリンダヘッド13とシ
リンダブロック14とでエンジンの合わせ面を成し、こ
れらシリンダヘッド13とシリンダブロック14の所定
の対向位置には両者を締結するためのボルト孔5を穿設
してあり、また9は燃焼室孔を示すものである。本実施
例においては、上記のシリンダヘッド13とシリンダブ
ロック14との合わせ面間に介挿する金属ガスケットの
実施例として、図1(a) と図1(b) の二種が示してあ
る。
【0021】図1(a) に示す金属ガスケットは、硬質ス
テンレス板から成る基板1と軟質ステンレス板又は鉄板
から成る副板2との積層体であって、副板2は基板1よ
り厚く形成し、基板1には両面にゴムコーティング1
a、1bを施してあり、副板2には片面にゴムコーティ
ング2aが施してある。両者の積層方法は、副板2の非
コーティング面8が基板1に接合する方向に重ね合わせ
るようにする。
【0022】また、副板2の各燃焼室孔周縁に沿って非
コーティング面8、8同士が内側で接触する折返し部6
を設けてあり、基板1の燃焼室孔は折返し部6の外周よ
り大径に穿設してあって、基板1が折返し部6に重なら
ないようにしてある。
【0023】これにより、副板2の非コーティング面8
は常に基板1のいずれかのコーティング1a、1bの面
(図においてはコーティング1aの面)に接触し、折返
し部6は折返し成形による接触面同士がコーティングを
介することなく金属原板同士で直接接触するような密着
結合を成している。従って、このような折返し部6にお
いては、シリンダヘッド13とシリンダブロック14間
の圧縮時においても、折返し部6の成す合計厚さTに変
化がなく、経時的にも一体的に密着した折返し部6を保
有することができる。
【0024】また、上記のような基板1と副板2との積
層体に対して、各燃焼室孔9、9…毎に単独に、基板1
の燃焼室孔周縁であって副板2の折返し部6の周外に囲
繞する位置に、基板1には段差形状のステップビード3
を、副板2には同形状のステップビード4を互いに同位
置且つ同方向に重合した状態で押圧成形する。また、こ
れと同時成形により、ガスケットの外周を成す部位に
も、同位置且つ同方向に重合した段差形状のステップビ
ード11、12を基板1側と副板2側とに形成する。
【0025】ただし、本考案においては、上記したよう
に、副板2を基板1より厚く形成することにより、折返
し部6の合計厚さTを基板1と副板2との合計厚さtよ
り厚くする。
【0026】上記の燃焼室孔側のステップビード3、4
又はガスケット外周側のステップビード11、12は、
基板1と副板2とを上記のように積層したままの状態
で、所定位置に対して、一括的に押圧成形することによ
り形成し得るものである。この成形動作においては、軟
質材である副板2が硬質材である基板1の成形に習って
折曲され、基板1と副板2との両者間に介在した基板1
のコーティング1aが基板1と副板2との圧接間にあっ
て両者をよくなじませるように圧縮変形するものであ
る。
【0027】また、シリンダヘッド13とシリンダブロ
ック14間で上記の金属ガスケットが圧縮されたとき、
基板1と副板2のステップビード3、4の弾性変形によ
って基板1の内周が折返し部6の方向に伸長するように
摺動するが、この際、副板2の接触面側にもコーティン
グが施してあると、基板1の変形がこの副板2のコーテ
ィングによって阻止され、円滑に変形することができな
くなるもので、この理由からも、副板2を片面コーティ
ングとし、非コーティング面を基板1側に接触させてあ
る。
【0028】さらに、図1(b) に示す金属ガスケット
は、基板1と副板2の材質、コーティング関係、ステッ
プビード3、4の成形、ガスケット外周の段差ステップ
ビード11、12等については上記の図1(a) のものと
同様であるが、基板1と副板2との厚さ関係、及びそれ
に伴う副板2の折返し部6の形態が相違するものであ
る。即ち、この金属ガスケットにおいては、基板1を副
板2より厚く形成してあり、折返し部6の折返した内側
には薄板リング18を介挿したもので、その結果、折返
し部6の合計厚さTは基板1と副板2との合計厚さtよ
り厚くし、また薄板リング18は硬質であっても軟質で
あってもよく、ステンレス板かメッキ鋼板を用いて形成
することができる。
【0029】上記のような図1(a) 及び(b) の金属ガス
ケットにおいては、折返し部6の燃焼室孔φdの端面と
ステップビード3、4の外周側ビード面圧過重Fの位置
のサークルφDとの成す距離Lを、従来の断面半円形の
フルビードに比して大幅に短くすることが可能となり、
図2(a) に示す如く、水通路7と燃焼室孔9との距離W
がエンジンのレイアウト上小さくなる場合においても対
応可能となり、また図2(b) に示す如く、限られた燃焼
室孔間寸法Sにおいても、隣り合う燃焼室孔9、9の各
ステップビード3、4を夫々単独で構成することが可能
となるため、燃焼室孔20、20間のいずこにあっても
各ステップビード3、4は単独の面圧を保つことができ
るため、従来のフルビードように燃焼室孔9、9間にお
いて重合し一本化した場合に生じる面圧変化の無い確実
なシール性を得ることが可能となる。
【0030】図3及び図4は、図2(a) で指示したA−
A線、B−B線、C−C線の各位置に対応した本考案に
よる金属ガスケットの各種断面位置を示し、A−A線は
ボルト孔5と燃焼室孔9との成す箇所、B−B線は水通
路7と燃焼室孔9との成す箇所、C−C線は隣り合う燃
焼室孔9、9間の成す箇所を示すものである。
【0031】図3に示す金属ガスケットは図1(a) に示
した副板2を基板1より厚く形成し、折返し部6に薄板
リング13を設けない構成を示したもので、図3(a) は
図2(a) のA−A線に相当する断面状況を示し、図3
(b) は図2(a) のB−B線に相当する断面状況を示し、
図3(c) は図2(a) のC−C線に相当する断面状況を示
したものである。
【0032】また、図4に示す金属ガスケットは図1
(b) に示した基板1を副板2より厚く形成し、折返し部
6に薄板リング13を介挿した構成を示したもので、図
4(a)は図2(a) のA−A線に相当する断面状況を示
し、図4(b) は図2(a) のB−B線に相当する断面状況
を示し、図4(c) は図2(a) のC−C線に相当する断面
状況を示したものである。
【0033】これらの図に示すように、折返し部6の合
計厚さTを、ガスケット締め付けボルト孔5の近傍付近
で薄くし、締め付けボルト孔5、5の孔間にて厚くなる
ように、副板2の折返し部6の厚さを変化させるか、折
返し部6内に挟持する薄板リング18を加圧成形する
か、又は薄板リング18表面に金属溶射等を行うことに
より厚さ変化を持たせて副板2に対して位置決めするよ
うにし、ボルト孔5からの離間幅に応じて変化するシリ
ンダヘッド13とシリンダブロック14の合わせ面間の
隙間変化に対応してA−A線位置、B−B線位置、C−
C線位置における各折返し部6の合計厚さT1、T2、
T3を変化して均等な面圧を確保するようにしてある。
【0034】その結果、シリンダヘッド13とシリンダ
ブロック14の合わせ面のボルト締付け力により生じる
締付け歪、エンジン爆発圧力、熱歪等による合わせ面間
の隙間変化に対応して、図5に示すように、A−A線位
置、B−B線位置、C−C線位置に基づく折返し部6の
合計厚さT1、T2、T3として求め、上記のような種
々の要因によっても、折返し部6が合わせ面間の各所に
おいて均等に密着するように形成すれば、爆発によるシ
リンダヘッド13とシリンダブロック14間のたたかれ
を防止することができる。
【0035】
【考案の効果】以上説明したように、本考案のゴムコー
ト材金属ガスケットにおいては、基板1と副板2との積
層体に対して、燃焼室孔20の周縁に沿って段差形状の
ステップビード3、4を同位置且つ同方向に重合した状
態で形成してあるため、このようなステップビード3、
4は断面半円形のフルビードよりビード幅を大幅に縮小
でき、各燃焼室孔間にて隣り合うステップビード3、4
を、各燃焼室孔間が限られた短い離間幅の場合であって
も、夫々単独で構成することが可能となり、従来例のフ
ルビードにおいて問題となったビードの面圧変化がなく
すことができ、各燃焼室孔9、9…の全周で確実なシー
ル圧を保つことが可能となる。
【0036】また、上記のようなステップビード3、4
又はガスケット外周側のステップビード11、12を形
成する際、基板1と副板2とを積層したままの状態で一
括的に押圧成形すると、軟質材である副板2が硬質材で
ある基板1の成形に習って折曲され、基板1と副板2と
の両者間に介在したコーティングが両者をよくなじむよ
うに圧縮変形するものである。
【0037】また、上記のようなステップビード3、4
又はガスケット外周側のステップビード11、12を形
成する際、基板1と副板2とを積層したままの状態で一
括的に押圧成形することができ、こうすることにより、
軟質材である副板2が硬質材である基板1の成形に習っ
て折曲され、基板1と副板2との圧接間にあって、基板
1と副板2との両者間に介在したコーティングが両者を
よくなじむように圧縮変形するものである。
【0038】さらに、本考案のゴムコート材金属ガスケ
ットにおける折返し部6の合計厚さTを、ガスケット締
め付けボルト孔5の離間幅に応じて形成することによ
り、折返し部6が合わせ面間の各所において均等に密着
でき、爆発によるシリンダヘッド13とシリンダブロッ
ク14間のたたかれを防止することが可能となる。
【0039】その結果、燃焼室孔間の離間幅が短く形成
された多気筒エンジンであっても、シリンダヘッドとシ
リンダブロックとの合わせ面間の全体で均等な面圧を発
揮でき、良好なシール性能を発揮することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a) 及び(b) は本考案による金属ガスケッ
トの断面を示すものである。
【図2】図2(a) は、本考案による金属ガスケットの平
面図を示すものである。図2(b) は図2(a) における矢
印B位置の部分拡大図を示すものである。
【図3】図3は本考案による金属ガスケットのうち図1
(a) に示したような副板を基板より厚く形成し、且つ折
返し部に薄板リングを設けない金属ガスケットの断面を
示すもので、図3(a) は図2(a) のA−A線に相当する
断面を示し、図3(b) は図2(a) のB−B線に相当する
断面を示し、図3(c) は図2(a) のC−C線に相当する
断面を示したものである。
【図4】図4は本考案による金属ガスケットのうち図1
(b) に示したような基板を副板より厚く形成し、且つ折
返し部に薄板リングを介挿した金属ガスケットの断面を
示すもので、図4(a) は図2(a) のA−A線に相当する
断面を示し、図4(b) は図2(a) のB−B線に相当する
断面を示し、図4(c) は図2(a) のC−C線に相当する
断面を示したものである。
【図5】図5は本考案による金属ガスケットの図2(a)
に示すA−A線位置、B−B線位置及びC−C線位置に
対応した折返し部の合計厚さを示すものである。
【図6】 図6(a)及び図6(b)は従来の金属ガス
ケットの二種の形態を示すもので、図6(c)は燃焼室
孔間の部分平面図、図6(d)は図6(c)のX−X線
指示位置及びY−Y線指示位置におけるフルスピードの
断面状況を示す図である。
【符合の説明】
1…基板、2…副板、3…基板の燃焼室孔側に設けたス
テップビード、4…副板の燃焼室孔側に設けたステップ
ビード、5…ボルト孔、6…折返し部、7…水通路、8
…副板の非コーティング面、9…燃焼室孔、11…基板
のガスケット外周に設けたステップビード、12…副板
のガスケット外周に設けたステップビード、13…シリ
ンダヘッド、14…シリンダブロック、18…薄板リン
グ。

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】多気筒エンジンのシリンダーヘッド13と
    シリンダーブロック14との合わせ面間に介挿する金属
    ガスケットであって、両面にゴムコーティングを施した
    硬質ステンレス板を所定のガスケット形状に形成した基
    板1と、片面にゴムコーティングを施した軟質ステンレ
    ス板又は鉄板を所定のガスケット形状に形成した副板2
    とを、該副板2の非コーティング面8が前記基板1と接
    合する方向にて互いに積層し、前記副板2の燃焼室孔周
    縁に沿って該副板2の非コーティング面8、8同士が内
    側となる折返し部6を設け、且つ該折返し部6が前記基
    板1と重ならないように、該基板1の燃焼室孔を前記折
    返し部6の外周より大径に設け、前記副板2を前記基板
    1より厚くして前記折返し部6を互いに密着成形する
    か、又は前記副板2を前記基板1より薄くすると共に前
    記折返し部6の内側に硬質又は軟質のステンレス板又は
    メッキ鋼板から成る薄板リング18を挟持して密着結合
    することにより、該折返し部6の合計厚さTを前記基板
    1と前記副板2との合計厚さtより厚くしたゴムコート
    材金属ガスケットにおいて、前記基板1と前記副板2と
    の積層体に対して、各燃焼室孔9、9…毎に単独に、前
    記基板1の燃焼室孔周縁であって前記副板2の折返し部
    6の周外に、前記基板1と前記副板2とを重合したまま
    同位置且つ同方向に段差形状のステップビード3、4を
    押圧成形したことを特徴とするゴムコート材金属ガスケ
    ット。
  2. 【請求項2】前記折返し部6の合計厚さTを、ガスケッ
    ト締め付けボルト孔5の近傍付近で薄くし、締め付け用
    ボルト孔5、5の孔間にて厚くなるように、前記副板2
    の折返し部6の厚さを変化させるか、該折返し部6の内
    側に介挿する前記薄板リング18を加圧成形するか、又
    は該薄板リング18の表面に金属溶射等を行うことによ
    り厚さ変化を持たせて前記副板2と位置決めしたことを
    特徴とする請求項1記載のゴムコート材金属ガスケッ
    ト。
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