JP6343694B1 - ガスケット - Google Patents

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Abstract

【課題】グロメット構造による面圧分布の不均一を解消して、シール性能を向上させることができるガスケットを提供する。【解決手段】上層21、中間層30、及び下層22が積層してなり、貫通孔23と、上層21及び下層22にその貫通孔23を環状に囲って中間層30に対して互いに上下対称形状となるシールビード26と、が形成されているガスケット20において、中間層30は、折り返し部33、面圧調整部34、及びビード接触部35を有していて、折り返し部33は、その板厚がビード接触部35よりも厚く、面圧調整部34は、上側段差D4を下側段差D5と異ならせる。【選択図】図2

Description

本発明は、ガスケットに関し、より詳細には、シール性能を向上させたガスケットに関する。
二枚の基板の間に中間層が介在し、二枚の基板に貫通孔を環状に囲って中間構成体に対して上下対称形状となるシールビードと、中間構成体における貫通孔側の周縁端が折り返された補償部と、補償部の上下に生じた中間構成体との段差を略同一にする補償用折曲部とが形成されたガスケットが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このガスケットは、金属板の周縁端を折り返して形成した補償部を有するグロメット構造により、貫通孔からシールビードに与えられる熱などのダメージを低減している。また、このガスケットは、補償用折曲部により、補償部を設けたことで生じる上下の段差を略同一にすることで上下の面圧の不均一の解消を図っている。
特公平8−33178号公報
しかし、実際に上記のガスケットをシリンダブロック及びシリンダヘッドに挟持したときに、上下の面圧の不均一が解消されていなかったり、上下面における面圧分布が不均一になったりしていた。
上下の面圧の不均一は、上下の段差を略同一にしても補償用折曲部で生じる反力が上下で異なることに起因して生じる。上下面における面圧分布の不均一は、補償部が上下面に対して斜めに傾こうとする力により生じる。つまり、上下面のうちの補償部における折り返された周縁端が存在する一方の面ではその周縁端の近傍に圧力が集中しており、周縁端が存在しない他方の面ではその貫通孔側に圧力が集中していた。
このように、補償用折曲部により見かけ上で上下の段差を略同一にしても、上下の面圧の不均一が解消されない、あるいは上下面における面圧分布が不均一になることからシール性能が低下するという問題があった。
本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、その課題は、グロメット構造による面圧の不均一を解消して、シール性能を向上させることができるガスケットを提供することである。
上記の課題を解決するための第一発明のガスケットは、上方から下方に向って順に上層、中間層、及び下層の三層が積層してなり、その三層を貫通した貫通孔と、前記上層及び前記下層にその貫通孔を環状に囲って前記中間層に対して互いに上下対称形状となるシールビードと、が形成されているガスケットにおいて、前記中間層は、少なくとも二枚の板材が積層してなり、前記貫通孔の周縁側から径方向外側に向って順に折り返し部、面圧調整部、及びビード接触部を有し、前記折り返し部は、前記板材のうちの一方の板材の周縁端が、他方の板材の前記貫通孔側の端部を包み込むように折り返してなり、前記折り返し部の厚さが前記ビード接触部の厚さよりも厚く、前記面圧調整部は、それを構成する全ての板材が屈曲して、前記折り返し部の上側の面を前記ビード接触部の上側の面より上方に突き出して上側段差を形成し、前記折り返し部の下側の面を前記ビード接触部の下側の面よりも下方に突き出して下側段差を形成し、前記上側段差と前記下側段差のうちの折り返された前記周縁端が存在しない一方の段差の高さを、存在する他方の段差の高さの1.5倍以上、且つその他方の段差の高さの1.9倍以下にすることを特徴とする。
第一発明によれば、第一板材及び第二板材を屈曲して、折り返し部及びビード接触部の上側の面どうしの上側段差と下側の面どうしの下側段差との二つの段差を形成する。そして、形成した上側段差を下側段差と異ならせることで、実際に折り返し部の上側の面から上層に掛かる面圧と折り返し部の下側の面から下層に掛かる面圧とを等しくできると共に、折り返し部が上層及び下層に対して斜めに傾こうとする力を抑制することができる。
このように、第一発明によれば、上側段差と下側段差とを見かけ上で等しくするのではなく、上下に段差を形成することで生じる反力を上下で等しくして、上下の面圧を略均一にするには有利になる。また、第一発明によれば、折り返し部の傾斜しようとする力を抑制して、折り返し部及び上層の接触する部位、並びに、折り返し部及び下層の接触する部位における面圧分布を略均一にするには有利になる。その結果として、折り返し部がグロメット構造のストッパーとして機能するので、貫通孔の周縁におけるシール性能を向上することができる。
本発明のガスケットの第一実施形態を例示する斜視図である。 図1の矢印IIで示す断面図である。 上側段差及び下側段差の関係と面圧分布とを例示する分布図であり、図3(a)は第一実施形態を、図3(b)、(c)のそれぞれは比較例を示している。 折り返し部の幅と面圧分布とを例示する分布図であり、図4(a)は第一実施形態を、図4(b)、(c)のそれぞれは比較例を示している。 本発明のガスケットの第二実施形態を例示する断面図である。 上側段差及び下側段差の関係と面圧分布とを例示する分布図であり、図(a)、(c)は第二実施形態を、図(b)は比較例を示している。 本発明のガスケットの第実施形態を例示する平面図である。 の矢印Xで示す断面図である。
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図中では、xを鉛直方向で、ガスケット20の厚さ方向(積層方向)とし、y、zをx方向に直交すると共に互いに直交する方向とする。なお、図1〜図7は、構成が分かり易いように寸法を変化させており、寸法は必ずしも実際に製造するものの比率とは一致させていない。
図1〜4に例示するように、第一実施形態のガスケット20は、シリンダヘッドガスケットであり、エンジン10に組み付けられている。具体的に、ガスケット20は、締結具であるボルト11により締結されるシリンダブロック12とシリンダヘッド13との間に挟持されている。
図1に例示するように、シリンダブロック12は、シール対象孔として四つのシリンダボア14と、シリンダボア14の外周に形成されたウォータジャケット用の水孔や潤滑油用の油孔などの水油孔15とが形成されている。シリンダボア14の内部には、図示しないピストンが上下方向に往復自在に組付けられている。シリンダブロック12は、一つのシリンダボア14に対して四つのボルト孔16がシリンダボア14の外周に形成されている。
シリンダヘッド13は、図示しないインジェクタや吸排気バルブが組付けられており、シリンダブロック12のボルト孔16に対応させたボルト孔17が貫通している。
ガスケット20は、x方向下方に向って順に上層21、中間層30、及び下層22の三層が積層して平板状に形成されている。上層21及び下層22を構成する金属板としては、ステンレス鋼などからなる弾性金属板が例示できる。
ガスケット20は、貫通孔23、24、25とシールビード26とが形成されている。貫通孔23はシリンダボア14に、貫通孔24は水油孔15に、貫通孔25はボルト孔16、17にそれぞれ対応しており、貫通孔23、24、25は、上層21、中間層30、及び下層22の全ての層を貫通している。シールビード26は、上層21及び下層22に形成されていて、平面視でシリンダボア14に対応させた貫通孔23を環状に囲っている。
図2に例示するように、上層21及び下層22はそれぞれ、板厚D1の少なくとも一枚の金属板で構成されている。上層21及び下層22は、それぞれの板厚が等しければよく、複数の金属板で構成してもよい。上層21に形成されたシールビード26と、下層22に形成されたシールビード26とは、中間層30に向って凸のフルビードであって、中間層30に対して互いに上下対称形状を成している。上層21及び下層22に形成されたシールビード26は、中間層30に上下対称形状を成していればよく、中間層30に向って凹のフルビードやハーフビードでもよく、複数のビードから構成してもよい。
中間層30は、第一板材31と第二板材32とがx方向下方に向って順に積層して構成されている。第一板材31及び第二板材32を構成する金属板としては、ステンレス鋼や鋼などの鉄合金からなる金属板、それらの金属板をアニール処理したものが例示でき、互いに異なる金属から構成されてもよい。
中間層30は、貫通孔23の周囲の垂直断面において、貫通孔23の周縁側から径方向外側に向って順に折り返し部33、面圧調整部34、及びビード接触部35を有している。換言すると、中間層30の平面視において、貫通孔23の中心から径方向外側に向って、環状の折り返し部33、面圧調整部34、及びビード接触部35が同心円状に配置されている。
第一板材31は、板厚D2の一枚の金属板から構成されている。第二板材32は、板厚D3の一枚の金属板から構成されている。第二板材32の板厚D3は、第一板材31の板厚D2の二倍の厚さよりも厚い。
折り返し部33は、第一板材31の貫通孔23側の周縁端36が曲げ加工等により第二板材32の貫通孔23側の端部を包み込むように折り返されている。つまり、折り返し部33は、第一板材31がグロメット状に形成されて、折り返されたその第一板材31が第二板材32の貫通孔23の周縁端37を内包している。
折り返し部33の板厚(D2×2+D3)は、第二板材32のx方向上下のそれぞれに第一板材31が積層していることから、第一板材31及び第二板材32のみが積層してなるビード接触部35の板厚(D2+D3)よりも厚くなっている。
面圧調整部34は、折り返し部33を構成する第一板材31及び第二板材32が屈曲している。面圧調整部34において、第一板材31及び第二板材32はx方向に隣接している、つまり、互いに密接している。したがって、この実施形態で、第一板材31及び第二板材32のyz平面に対する屈曲角度は等しくなる。
面圧調整部34は、その屈曲により、折り返し部33の上側の面33aをビード接触部35の上側の面35aよりも上方に突き出した上側段差D4(33a−35a)と、折り返し部33の下側の面33bをビード接触部35の下側の面35bよりも下方に突き出した下側段差D5(33b−33b)とが形成されている。
具体的に、面圧調整部34は、第一板材31及び第二板材32を傾斜させることにより、折り返し部33をx方向上方に平行移動して、折り返し部33をビード接触部35に対してx方向上方にずらしている。面圧調整部34における第一板材31及び第二板材32は、折り返し部33の端部からビード接触部35に向って離間した第一屈曲点38を基準にして、第二屈曲点39に向かいx方向下方側に傾いている。換言すると、面圧調整部34における第一板材31及び第二板材32は、第一屈曲点38から第二屈曲点39に至る面がyz平面に対して傾いている。
さらに、面圧調整部34は、第一板材31及び第二板材32の屈曲により、上側段差D4を下側段差D5と異ならせている。具体的に、この実施形態で、面圧調整部34は、上側段差D4を下側段差D5よりも大きくしている。つまり、面圧調整部34は、折り返し部33において折り返された周縁端36が存在しない上側段差D4を、周縁端36が存在する下側段差D5よりも大きくしている。
ビード接触部35は、その板厚が、折り返し部33の板厚よりも薄くなればよく、折り返し部33を構成する以外の板材をビード接触部35の上下に積層してもよい。
図3、4は、ガスケット20の折り返し部33における面圧分布を例示している。図中では、面圧の大きさを縦縞模様で示している。なお、面圧は、シミュレーションにより測定したものである。図3では、ガスケット20を挟持したシリンダブロック12及びシリンダヘッド13をボルト11により締結した状態で、上側段差D4及び下側段差D5の関係による面圧の変化を、図4では、折り返し部33の幅による面圧の変化を例示している。
図3(a)に例示するように、ガスケット20は、上側段差D4が、下側段差D5よりも大きく、且つ、下側段差D5の4.0倍以下に設定されることが好ましく、下側段差D5の1.5倍以上、1.9倍以下に設定されることがより好ましい。例えば、この実施形態で、上側段差D4は下側段差D5の1.7倍の高さに設定されている。
この実施形態のガスケット20では、見かけ上、上側段差D4と下側段差D5とが異なっている。しかし、実際に折り返し部33の上側の面33aから上層21に掛かる面圧と、折り返し部33の下側の面33bから下層22に掛かる面圧とが略等しくなる。また、上側の面33a及び上層21が接触する部位の大部分で、折り返し部33の上側の面33aから上層21に掛かる面圧は略均一になる。加えて、下側の面33b及び下層22が接触する部位の大部分でも、折り返し部33の下側の面33bから下層22に掛かる面圧は略均一になる。
図3(b)に例示する比較例のように、上側段差D4が下側段差D5の4.0倍を超える高さになると、折り返し部33の上側の面33aから上層21に掛かる面圧が、折り返し部33の下側の面33bから下層22に掛かる面圧よりも平均的に大きくなり、折り返し部33における上下の面圧が大きく異なる。また、上層21と折り返し部33とが接触する部位で、折り返し部33の上端から上層21に掛かる面圧が貫通孔23の周縁側から径方向外側に向って大きくなり、面圧分布が不均一になる。
図3(c)に例示する比較例のように、上側段差D4が下側段差D5と等しくなると、上層21と折り返し部33とが接触する部位で、折り返し部33の上端から上層21に掛かる面圧が貫通孔23の径方向外側から周縁側に向って大きくなり、面圧分布が不均一になる。また、下層22と折り返し部33とが接触する部位で、折り返し部33の下端から下層22に掛かる面圧が貫通孔23の周縁側から径方向外側に向って大きくなり、面圧分布が不均一になる。
以上のように、ガスケット20は、面圧調整部34により、上側段差D4と下側段差D5との二つの段差を形成すると共に、そのうちの折り返された周縁端36が存在しない一方の上側段差D4を、存在する他方の下側段差D5と異ならせている。具体的に、この実施形態で、ガスケット20は、面圧調整部34により、上側段差D4を下側段差D5よりも大きくしている。それ故、実際に上側段差D4から上層21に掛かる面圧と下側段差D5から下層22に掛かる面圧とを等しくできると共に、折り返し部33が上層21及び下層22に対して斜めに傾こうとする力を抑制することができる。
これにより、上側段差D4及び下側段差D5を形成することで生じる反力を上下で等しくして、上下の面圧を略均一にするには有利になる。また、折り返し部33及び上層21の接触する部位、並びに、折り返し部33及び下層22の接触する部位における面圧分布を略均一にするには有利になる。その結果として、折り返し部33がグロメット構造のストッパーとして機能するので、貫通孔23の周縁におけるシール性能を向上することがで
きる。
折り返した周縁端36が存在しない側の上側段差D4を存在する側の下側段差D5に比して大きくする場合は、第一板材31の板厚D2、第二板材32の板厚D3、折り返し部33の幅、及び貫通孔23の半径R2などのパラメータにより変化させるとよい。この場合に、上側段差D4を下側段差D5の4.0倍以下にすることが好ましく、上側段差D4を下側段差D5の1.5倍以上、1.9倍以下にすることがより好ましい。上側段差D4を下側段差D5よりも大きく、且つ下側段差D5の4.0倍以下にすると、折り返し部33が上層21及び下層22に対して斜めに傾こうとする力を抑制するには有利になる。さらに、上側段差D4を下側段差D5の1.5倍以上、1.9倍以下にすると、上側段差D4及び下側段差D5を形成することで生じる反力を上下で等しくして、上下の面圧を略均一にするにも有利になる。
特に、この実施形態のように、第二板材32の板厚D3が第一板材31の板厚D2に比して厚いと、面圧調整部34における第二板材32の屈曲による折り返し部33の傾動が顕著になる。したがって、中間層30が第一板材31及び第二板材32の二枚の板材から構成されていて、第二板材32の板厚D3が第一板材31の板厚D2の二倍の厚さよりも厚いものに好適である。
なお、面圧調整部34において、第一板材31及び第二板材32の屈曲点を互いに異ならせてもよい。例えば、第一屈曲点38を共通の屈曲点とし、第一板材31の第二屈曲点を第二板材32の第二屈曲点39よりも外側で、且つシールビード26よりも内側に配置してもよい。
図4(a)に例示するように、ガスケット20は、折り返し部33のy、z方向の幅、つまり、貫通孔23の周縁から折り返された第一板材31の周縁端36までの幅は、所定の幅L1に設定されている。この幅L1は、貫通孔23の中心から周縁端36までの半径R1と、貫通孔23の半径R2との差(R2−R1)により求められ、半径R1は、半径R2の1.02倍以上、1.07倍以下である。例えば、この実施形態で、半径R1は半径R2の1.05倍に設定されている。
図4(b)に例示する比較例のように、半径R1が半径R2の1.02倍未満になると、折り返し部33と上層21及び下層22との接触面積が狭くなり過ぎて、折り返し部33から上層21及び下層22に掛かる面圧が過剰になる。また、接触面積が狭くなることに伴って、折り返し部33の上端から上層21に掛かる面圧が、貫通孔23の径方向外側から周縁側に向って大きくなり、上層21と折り返し部33とが接触する部位における面圧分布が不均一になる。また、折り返し部33の下端から下層22に掛かる面圧が、貫通孔23の周縁側から径方向外側に向って大きくなり、下層22と折り返し部33とが接触する部位における面圧分布が不均一になる。特に、折り返し部33の下端から下層22に掛かる面圧が過剰になる。
図4(c)に例示する比較例のように、半径R1が半径R2の1.07倍以上になると、折り返し部33と上層21及び下層22との接触面積が広くなり過ぎて、折り返し部33から上層21及び下層22に掛かる面圧が過小になる。
このように、幅L1(L1=R2−R1)を、半径R1が半径R2の1.02倍以上、1.07倍以下になる幅に設定することで、折り返し部33と上層21及び下層22との接触面積を過不足なく確保できる。これにより、面圧分布の均一には有利になる。
図5に例示するように、第二実施形態のガスケット20は、第一実施形態と同様に、シ
リンダヘッドガスケットである。このガスケット20は、第一実施形態に対して中間層30の構成が異なっている。
この実施形態の中間層30は、第一板材31、及び第二板材32に加えて、中間板材40を有していて、第一板材31、中間板材40、及び第二板材32がx方向下方に向って順に積層して構成されている。中間板材40を構成する金属板としては、第一板材31及び第二板材32と同様にステンレス鋼や鋼などの鉄合金からなる金属板、それらの金属板をアニール処理したものが例示でき、第一板材31及び第二板材32とは異なる金属から構成されてもよい。
中間層30は、貫通孔23の周囲の垂直断面において、貫通孔23の周縁側から径方向外側に向って順に折り返し部33、面圧調整部34、及びビード接触部35を有している。
第一板材31は、板厚D2の一枚の金属板から構成されている。第二板材32は、第一板材31と同等の板厚D3の一枚の金属板から構成されている。なお、この実施形態の第二板材32の板厚D3は、第一実施形態の板厚よりも薄い。
中間板材40は、板厚D6の一枚の金属板から構成されている。その板厚D6は、第一板材31の板厚D2よりも薄く設定されている。板厚D6が第一板材31の板厚D2よりも薄くなることで、折り返し部33の板厚が、ビード接触部35の板厚よりも厚くなり、折り返し部33が、グロメット構造になりストッパーとして機能する。
折り返し部33は、第一板材31の貫通孔23側の周縁端36が曲げ加工等により第二板材32の貫通孔23側の端部を包み込むように折り返されている。つまり、折り返し部33は、第一板材31がグロメット状に形成されて、折り返されたその第一板材31が第二板材32の貫通孔23の周縁端37を内包している。
面圧調整部34は、折り返し部33を構成する第一板材31及び第二板材32が互いに異なる屈曲角度α、βで屈曲している。第二板材32のyz平面に対する屈曲角度βは、第一板材31のyz平面に対する屈曲角度αよりも大きい。
面圧調整部34は、第一板材31の屈曲により第一板材31にその板厚D2の半分以下の段差が形成される。また、面圧調整部34は、第二板材32の屈曲により第二板材32に第一板材31の板厚D2の半分以上の段差が形成される。第一板材31におけるx方向の段差は、第一板材31の上側に向いた面又は下側に向いた面のどちらか一方の段差であり、以下では、上側段差D4とする。第二板材32におけるx方向の段差は、第二板材32の上側に向いた面又は下側に向いた面のどちらか一方の段差であり、以下では、第二板材32の折り返し部33で下側に向いた面とビード接触部35で下側を向いた面との中間段差D7とする。
さらに、面圧調整部34は、それらの段差D4、D7により、折り返し部33の上側の面33aをビード接触部35の上側の面35aよりも上方に突き出した上側段差D4と、折り返し部33の下側の面33bをビード接触部35の下側の面35bよりも下方に突き出した下側段差D5とが形成されている。
具体的に、面圧調整部34は、第一板材31が屈曲角度αで、第二板材32が屈曲角度αよりも大きい角度の屈曲角度βで、それぞれyz平面に対して傾くように屈曲している。つまり、屈曲角度αは、第一板材31における上側段差D4をその第一板材31の板厚D2の半分以下にする角度であり、屈曲角度βは、第二板材32における中間段差D7をその第一板材31の板厚D2の半分以上にする角度である。
なお、この実施形態で、中間層30は、ビード接触部35にのみ存在する中間板材40を有している。それ故、上側段差D4が第一板材31の板厚D2の半分よりも大きくなると、折り返し部33の下側の面33bがビード接触部35からx方向下方に突き出なくなる。また、中間段差D7が第一板材31の板厚D2の半分よりも小さくなると、折り返し部33の上側の面33aがビード接触部35からx方向上方に突き出なくなる。
面圧調整部34は、第一板材31及び第二板材32を互いに異なる角度で傾斜させることにより、折り返し部33をx方向上方に平行移動して、折り返し部33をビード接触部35に対してx方向上方にずらしている。面圧調整部34における第一板材31及び第二板材32は、第一屈曲点38を基準にして、第二屈曲点39に向かいx方向下方側に傾いている。換言すると、面圧調整部34における第一板材31及び第二板材32は、第一屈曲点38から第二屈曲点39に至る面がyz平面に対して傾いている。
面圧調整部34は、第一板材31、中間板材40、及び第二板材32に囲まれた隙間41を有している。隙間41は、垂直断面形状が第二板材32を長辺とすると共に第一板材31及び中間板材40のなす角δが鈍角となる鈍角三角形状を成している。具体的に、隙間41は、面圧調整部34において、第一板材31及び第二板材32の間で環状を成していて、その垂直断面形状が鈍角三角形状を成している。
図6(a)に例示するように、ガスケット20は、上側段差D4が、下側段差D5以上で、且つ、下側段差D5の4.0倍以下に設定されることが好ましく、上側段差D4が、下側段差D5の1.5倍以上、1.9倍以下に設定されていることがより好ましい。つまり、第二実施形態のガスケット20は、第一実施形態とは異なり、図6(c)に例示するように、上側段差D4が下側段差D5と等しくなってもよい。例えば、この実施形態で、上側段差D4は下側段差D5の1.5倍の高さに設定されている。
この実施形態のガスケット20では、折り返し部33の上側の面33aから上層21に掛かる面圧と、折り返し部33の下側の面33bから下層22に掛かる面圧とが略等しくなる。また、上側の面33a及び上層21が接触する部位の大部分で、折り返し部33の上側の面33aから上層21に掛かる面圧は略均一になる。加えて、下側の面33b及び下層22が接触する部位の大部分でも、折り返し部33の下側の面33bから下層22に掛かる面圧は略均一になる。
図6(b)に例示する比較例のように、上側段差D4が下側段差D5の4.0倍を超える高さになると、折り返し部33の上側の面33aから上層21に掛かる面圧が、折り返し部33の下側の面33bから下層22に掛かる面圧よりも平均的に大きくなり、折り返し部33における上下の面圧が大きく異なる。また、上層21と折り返し部33とが接触する部位で、折り返し部33の上端から上層21に掛かる面圧が貫通孔23の周縁側から径方向外側に向って大きくなり、面圧分布が不均一になる。
図6(c)に例示するように、ガスケット20は、上側段差D4が下側段差D5と等しくなると、図6(a)に示す実施形態に比して、面圧分布が不均一になる。一方で、図3(c)に示す比較例に比して面圧分布が均一になる。
以上のように、ガスケット20は、中間層30を三枚の板材(31、40、32)で構成し、第一板材31及び第二板材32を互いに異なる屈曲角度α、βで屈曲して、上側段差D4と下側段差D5との二つの段差を形成する。それ故、折り返し部33を上層21及び下層22に対して斜めに傾けようとする力が、第一板材31及び第二板材32で打ち消
し合うので、面圧調整部34により折り返し部33が上層21及び下層22に対して斜めに傾こうとする力を抑制することができる。
これにより、折り返し部33及び上層21の接触する部位、並びに、折り返し部33及び下層22の接触する部位における面圧分布を略均一にするには有利になり、折り返し部33がグロメット構造によるストッパーとして機能することができる。これに伴って、貫通孔23の周縁におけるシール性能を向上することができる。
上記のガスケット20は、面圧調整部34が隙間41を有していて、その隙間41の垂直断面形状が鈍角三角形状を成している。それ故、その鈍角三角形状のパラメータ(中間板材40の板厚D6、なす角δなど)を調節することにより容易に折り返し部33から上層21及び下層22に掛かる面圧分布をコントロールすることができる。
また、ビード接触部35にのみ存在する中間板材40を設けることで、ビード接触部35の厚さをコントロールすることができるので、折り返し部33の面圧調整に有利になると共に、ビード接触部35における面圧調整にも有利になる。
第一実施形態や第実施形態に例示するように、上側段差D4を下側段差D5に比して大きくする割合は、第一板材31の板厚D2、第二板材32の板厚D3、折り返し部33の幅、及び貫通孔23の半径R2などのパラメータにより変化させるとよい。
7、8に例示するように、第実施形態のガスケット20は、第二実施形態と同様に、シリンダヘッドガスケットである。このガスケット20は、第二実施形態に対して上層21及び下層22に形成されたシールビード26が異なっている。
ガスケット20は、上層21及び下層22において、隣り合う貫通孔23のそれぞれを環状に囲む二つのシールビード26が、隣り合う貫通孔23の間で、一つに会合している。つまり、隣り合う貫通孔23の間の領域では、隣り合う貫通孔23のそれぞれは、共通のシールビード26によりシールされている。
このように、隣り合う貫通孔23の間で、シールビード26が一つに会合することで、隣り合う貫通孔23の間を狭めることが可能になる。これにより、ガスケット20のコンパクト化には有利になる。
既述した実施形態で、水油孔に対応した貫通孔24の周縁にも、同様のグロメット構造を適用してもよい。
既述したガスケット20は、シリンダヘッドガスケットに限定されずに、例えば、フランジ用ガスケットやエキゾーストマニホールド用のガスケットなど、貫通孔23を有しているガスケットであれば適用可能である。
既述した実施形態で、中間層30において、第一板材31を上側に、第二板材32を下側に積層した例を説明したが、中間層30は、上下を逆さまにしてもよい。また、第一板材31、第二板材32、及び中間板材40は、一枚の板材に限定されずに、複数枚が積層したものを用いてもよい。
20 ガスケット
21 上層
22 下層
23 貫通孔
26 シールビード
30 中間層
31 第一板材
32 第二板材
33 折り返し部
34 面圧調整部
35 ビード接触部
36 周縁端
40 中間板材
D2 第一板材の板厚
D4 上側段差
D5 下側段差

Claims (6)

  1. 上方から下方に向って順に上層、中間層、及び下層の三層が積層してなり、その三層を貫通した貫通孔と、前記上層及び前記下層にその貫通孔を環状に囲って前記中間層に対して互いに上下対称形状となるシールビードと、が形成されているガスケットにおいて、
    前記中間層は、少なくとも二枚の板材が積層してなり、前記貫通孔の周縁側から径方向外側に向って順に折り返し部、面圧調整部、及びビード接触部を有し、
    前記折り返し部は、前記板材のうちの一方の板材の周縁端が、他方の板材の前記貫通孔側の端部を包み込むように折り返してなり、前記折り返し部の厚さが前記ビード接触部の厚さよりも厚く、
    前記面圧調整部は、それを構成する全ての板材が屈曲して、前記折り返し部の上側の面を前記ビード接触部の上側の面より上方に突き出して上側段差を形成し、前記折り返し部の下側の面を前記ビード接触部の下側の面よりも下方に突き出して下側段差を形成し、
    前記上側段差と前記下側段差のうちの折り返された前記周縁端が存在しない一方の段差を、存在する他方の段差の1.5倍以上、且つその他方の段差の1.9倍以下にすることを特徴とするガスケット。
  2. 前記折り返し部は、前記貫通孔の中心から折り返された前記周縁端までの半径を前記貫通孔の半径の1.02倍以上、1.07倍以下にする請求項1に記載のガスケット。
  3. 前記中間層は、前記他方の板材の板厚が前記一方の板材の板厚よりも二倍以上厚い請求項1又は2に記載のガスケット。
  4. 前記中間層は、前記ビード接触部において、前記二枚の板材の間に挟持される少なくとも一枚の中間板材をさらに有し、この中間板材の板厚は前記一方の板材の板厚よりも薄く、
    前記面圧調整部は、それを構成する前記二枚の板材の屈曲角度が互いに異なり、それら二枚の板材の間に隙間が形成されて、前記上側段差及び前記下側段差のそれぞれを前記一方の板材の板厚の半分以下にする請求項1又は2に記載のガスケット。
  5. 前記面圧調整部は、前記一方の板材、前記中間板材、及び前記他方の板材に囲まれた隙間を有し、この隙間の垂直断面形状が前記他方の板材を長辺とすると共に前記一方の板材
    及び前記中間板材のなす角が鈍角となる鈍角三角形状を成している請求項に記載のガスケット。
  6. 前記上層及び前記下層において、隣り合う前記貫通孔のそれぞれを環状に囲む二つの前記シールビードが、隣り合う前記貫通孔の間で、一つに会合する請求項1〜のいずれか1項に記載のガスケット。
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