JP2561487Y2 - シリンダヘッドガスケット - Google Patents

シリンダヘッドガスケット

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JP2561487Y2 JP1992035590U JP3559092U JP2561487Y2 JP 2561487 Y2 JP2561487 Y2 JP 2561487Y2 JP 1992035590 U JP1992035590 U JP 1992035590U JP 3559092 U JP3559092 U JP 3559092U JP 2561487 Y2 JP2561487 Y2 JP 2561487Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、シリンダヘッドガスケ
ットに係わり、更に詳しくは金属製の基板と副板とを積
層して形成されたシリンダヘッドガスケットに関する。
【0002】
【従来の技術】通常、エンジンのシリンダブロックとシ
リンダヘッドとの間には、シリンダヘッドガスケットが
挾着され、このシリンダヘッドガスケットによりエンジ
ンの燃焼室を気密状にシールして燃焼室からガスが外部
に漏れるのを防止している。最近では、このシリンダヘ
ッドガスケットとして、硬質の金属板からなる基板と軟
質の金属板からなる副板を積層し、シリンダボアやウォ
ータジャケット等に対応する基板部分に環状ビードを形
成した構造のものが主流になっている。このようなシリ
ンダヘッドガスケットをシリンダブロックとシリンダヘ
ッドとの間に介装して、シリンダヘッドをボルトでシリ
ンダブロックに締結すると、ボルトの締結力により基板
は環状ビードにおいて高い面圧で副板に密着状に当接す
るので、燃焼室のシール性を確保するとともに、軟質の
金属板よりなる副板により、環状ビードに対する保護性
とエンジン駆動時におけるシリンダブロック及びシリン
ダヘッドの動きに対する追従性とを確保することができ
るようになっている。
【0003】ところで、シリンダヘッドの周縁部を複数
のボルトにてシリンダブロックに締結した際に、ボルト
の締結力によりシリンダボア近傍のシリンダヘッド部分
が湾曲し、シリンダヘッドとシリンダヘッドガスケット
の基板との間に隙間が発生する。このため、エンジン駆
動時において、シリンダヘッドの上下振動により基板が
シリンダヘッドにたたかれ、環状ビードに損傷やへたり
を生じ、シリンダヘッドガスケットの耐久性が著しく低
下するという問題があった。この問題に対しては、実開
昭62−115562号公報にて、副板の開口部の内周
縁部に屈曲部を形成し、該屈曲部において副板の一部を
シリンダボアの外側であって副板本体と基板の内周縁部
との間に折り返して折り返し部を形成し、この折り返し
部が副板本体と環状ビードより内側の基板間に挾着され
ることで、その肉厚によりシリンダヘッドと基板との間
に隙間が生じるのを防止するようになしたシリンダヘッ
ドガスケットが提案されている。
【0004】一方、図5に示したように、水冷式エンジ
ンのシリンダブロック100の構造に関しては、軽量化
の要請と熱伝導率の良さからアルミニウム合金製のブロ
ック101に、耐久性を有する鋳鉄製のライナー102
を鋳込むとともに、ウォータジャケット103がブロッ
クの上面に開口して形成されたオープンデッキ型のもの
が存在する。このような構造のシリンダブロック100
とシリンダヘッド104との間をシールするシリンダヘ
ッドガスケット105として、ライナー102に当接す
る基板106の部分に剛性の高い丸形の環状ビード10
7を形成し、またウォータジャケットの開口部108に
対応する部分には環状ビードより剛性の低い段ビード1
09を形成し、そしてシリンダヘッド104に当接する
副板110のライナー102の開口部111に対応する
内周縁部をシリンダブロック100の側に折り返し、そ
の折り返し部112と副板本体113とで基板106の
開口縁部114を挾持したものが提供されている(実開
平3−47450号公報)。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】前述構造のシリンダヘ
ッドガスケット105は、シール性に優れている反面、
前記環状ビード107が折り返し部112の外側に位置
しているため、ライナー102の端面幅Wを少なくと
も環状ビード107の頂点より外側に外縁部が位置する
ように設定しなければならず、そのためライナー102
の端面幅、ひいてはライナー本体の厚みを薄くすること
ができなかった。即ち、前記折り返し部112は、折り
返し加工の容易性とその強度維持の要請から最小限幅を
確保する必要があり、また折り返し部112の外縁端を
環状ビード107の内縁より外方に設定することができ
ないので、このことがライナー102の厚み低減化の支
障となっていた。また、前述構造のシリンダヘッドガス
ケット105の場合、副板110の折り返し部112は
シリンダブロック100に当接し、副板本体113はシ
リンダヘッド104に当接するので、シリンダブロック
100とシリンダヘッド104の熱膨張率、収縮率が異
なると、折り返し部112の屈曲部115に繰り返し剪
断応力が作用して金属疲労に起因するクラックが発生
し、シリンダヘッドガスケットの耐久性が低下するとい
った問題も有していた。
【0006】そこで、本考案が前述の状況に鑑み、解決
しようとするところは、ブロック本体にライナーを鋳込
み又は圧入したシリンダブロックとシリンダヘッドとの
間に介装され、ライナーの開口部に対応する副板の内周
縁部に折り返し部を形成したシリンダヘッドガスケット
において、ライナーの開口端面に当接する環状ビードの
内縁を前記折り返し部の外縁より内方に設定して、ライ
ナーの厚みを低減することが可能なシリンダヘッドガス
ケットを提供する点にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本考案は、前述の課題解
決のために、ブロック本体にライナーを鋳込み又は圧入
したシリンダブロックとシリンダヘッドとの間に介装さ
れ、金属製の基板と副板とを積層して形成するととも
に、ライナーの開口部に対応する副板の内周縁部に折り
返し部を形成したシリンダヘッドガスケットにおいて、
少なくとも副板の上下にシリンダブロック側に位置する
下方基板とシリンダヘッド側に位置する上方基板とを積
層した多層構造からなり、副板の折り返し部を、両基板
間において副板の上方基板側に位置させ、下方基板にラ
イナーの開口端面に当接すべく該ライナー側へ突出する
環状ビードを設け、この環状ビードの内縁を前記折り返
し部の外縁端より内方に設定して、ビードの内縁をライ
ナーの開口部に接近配置させ、上方基板に副板側へ突出
する環状ビードを設けて、この環状ビードが折り返し部
に接触しないように、環状ビードの内縁を前記折り返し
部の外縁端より外方に設定し、更にこの環状ビードの幅
方向の中心を下方基板の環状ビードの外縁に接近配置さ
せたシリンダヘッドガスケットを構成した。
【0008】
【作用】以上の如き内容からなる本考案のシリンダヘッ
ドガスケットは、少なくとも副板の上下に基板を積層し
た多層構造とし、副板の折り返し部を下方基板と上方基
板間に位置させることにより、折り返し部の幅とは無関
係にライナーの開口端面に当接する環状ビードを下方基
板に形成することが可能となり、それにより環状ビード
の内縁を前記折り返し部の外縁端より内方、即ちライナ
ーの開口部寄りに設定して、該ライナーの厚みを低減す
ることが可能となるものである。また、副板の上下に基
板を配しているので、少なくとも副板本体はシリンダブ
ロック又はシリンダヘッドに直接密着することがなく、
それによりシリンダブロックとシリンダヘッドの熱膨張
率が異なってシリンダヘッドガスケットに剪断応力が作
用しても、基板と副板との接触面の滑りによってその剪
断応力を吸収し、副板の内周縁部に形成した折り返し部
の屈曲部にクラックが発生することを防止できるのであ
る。更に、副板の上方基板側に折り返し部を形成し、副
板側に突出させた上方基板の環状ビードの内縁を折り返
し部の外縁端より外方に設定してあるので、この環状ビ
ードに対する燃焼室からの熱負荷が少なくなり、経年変
化によるシール性能の低下を防止できる。しかも、折り
返し部が上方基板の環状ビードの異常変位を規制するス
トッパーとして作用することになり、少なくとも上方基
板の環状ビードの潰れは防止されることになる。また、
上方基板の環状ビードは折り返し部に接触しないので、
折り返し部の外縁端の角部が環状ビードに接触すること
による環状ビードの破損を確実に防止できる。 また、上
下の環状ビードを同じ側に突出させてあるので、副板と
して薄肉のものを用いると、上下の環状ビードが重なる
ように副板が変形し、シール性能が低下しようとする
が、上方基板の環状ビードの幅方向の中心を下方基板の
環状ビードの外縁に接近配置してあるので、上下の環状
ビードが重なることはない。
【0009】
【実施例】次に添付図面に示した実施例に基づき更に本
考案の詳細を説明する。図1は本考案の代表的実施例を
示すエンジンの要部分解断面図、図2はシリンダヘッド
ガスケットの底面図をそれぞれ示している。本実施例の
シリンダヘッドガスケット1は、V型6気筒エンジンの
左右のバンクのシリンダブロック2とシリンダヘッド3
との間にそれぞれ介装されるものである。尚、左右のシ
リンダヘッドガスケットの構造は同様なので、右バンク
のシリンダヘッドガスケット1について説明する。
【0010】先ず、本考案のシリンダヘッドガスケット
1を装着するエンジンの構造について説明する。シリン
ダブロック2は、アルミニウム合金製からなるブロック
本体4のシリンダボア5に対応する位置に鋳鉄製のライ
ナー6を金型鋳造にて鋳込み形成したもので、そして冷
却用のウォータジャケット7がブロック本体4の上面に
開口したオープンデッキ型と称する構造のものである。
前記シリンダボア5にはピストン8が配設され、シリン
ダブロック2の上側にはシリンダヘッド3が配設され、
シリンダボア5とピストン8とシリンダヘッド3とで燃
焼室9が形成され、シリンダブロック2とシリンダヘッ
ド3との間には、燃焼室9から外部にガスが漏れるのを
防止するためと、ウォータジャケット7からブロック本
体4とライナー6との間に冷却水が侵入するのを防止す
るためのシリンダヘッドガスケット1が介装されてい
る。シリンダヘッド3には、各燃焼室9に臨ませて、共
に図示を省略した吸気ポートと排気ポートとが開口さ
れ、吸気ポートには吸気弁10が配設され、排気ポート
には排気弁11が配設されて、両弁10,11はシリン
ダヘッド3の上部に設けられた動弁機構(図示省略)に
より開閉動がなされるようになっている。
【0011】次に、シリンダヘッドガスケット1の構造
について説明する。シリンダヘッドガスケット1は、表
面にフッ素コーティングを施した硬質の厚さ0.2mm
の金属板(例えば、SUS301製板材)をブランキン
グ加工した下方基板12と上方基板13と、その間に軟
質の厚さ0.1mmの金属板(例えば、SUS304製
板材)をブランキング加工した副板14を積層した多層
構造のものであり、該副板14と共に中間板15も下方
基板12と上方基板13との間に適宜配設される。
【0012】図1〜図3に示した本実施例(第1実施
例)のシリンダヘッドガスケット1は、下方基板12と
上方基板13との間に、副板14を下部、中間板15を
上部に配設した積層構造を有し、それぞれをバーリング
にて接合したものである。
【0013】下方基板12は、シリンダブロック2の3
つのシリンダボア5(ライナー6の開口部16)に対応
する部分に、それぞれ開口部17が形成され、該開口部
17の外周側にはシリンダブロック2側に凸状であって
ライナー6の開口端面18に当接する環状ビード19を
それぞれ形成し、環状ビード19の外周側にはウォータ
ジャケット7の開口を覆い得る段ビード20を形成し、
そして該段ビード20にはウォータジャケット7の開口
と略同一形状の冷却水通路開口21を複数形成したもの
である。また、下方基板12には、シリンダヘッド3に
設けられる動弁機構へオイルを供給するためのオイル供
給通路孔22と、シリンダヘッド3からオイルを還流さ
せるためのオイル還流通路孔23と、シリンダヘッド3
をシリンダブロック2に組付けるための締結ボルトが挿
通するボルト挿通孔24とが形成され、各孔の周囲には
前記同様に環状ビード25が形成されている。
【0014】一方、上方基板13は、前記下方基板12
の開口部17と同一形状の開口部26を形成し、その外
周側には副板14側に凸状の環状ビード27を形成し、
更にその外周側には冷却水通路開口21と同一形状の冷
却水通路開口28を形成したものである。
【0015】副板14は、前記基板12,13と略同一
形状を有し、開口部17,26に対応する位置に開口部
29を形成するとともに、前記冷却水通路開口21,2
8に対応する位置に該開口より小径の冷却水通路孔30
を複数形成し、前記開口部29の内周縁部に折り返し部
31を形成し、該折り返し部31の屈曲部32で前記開
口部29を形成している。ここで、前記折り返し部31
は、中間板15を抱き込んで上方基板13側に折り返し
て形成し、副板本体33は下方基板12に密着させてい
る。
【0016】中間板15は、折り返し部31を形成して
いない以外は前記副板14と略同一形状を有し、開口部
29と対応する位置にそれより大径の開口部34を形成
するとともに、冷却水通路孔30と同一形状の冷却水通
路孔35を形成し、前記開口部34の周縁部は前記副板
14の折り返し部31と副板本体33とで挾持してい
る。
【0017】そして、前記下方基板12の環状ビード1
9の内縁36を、前記副板14の折り返し部31の外縁
端37より間隔dだけ内方、即ちライナー6の開口部1
6側寄りに設定するとともに、少なくとも環状ビード1
9の頂点38よりライナー6の外縁部39を外方に設定
し、環状ビード19が開口端面18に圧着してシール性
を確保するようになしている。従って、折り返し部31
は、その折り返し加工の容易性とその強度維持の要請か
ら所定の幅を有し、ライナー6の開口部16の口縁から
折り返し部31の外縁端37までの距離の最小値が制限
されていても、折り返し部31に関係なく環状ビード1
9の内縁36の位置を決定できるので、ライナー6の開
口部16の口縁から環状ビード19の頂点38までの距
離Dを従来のものより小さく設定することができ、もっ
てライナー6の開口端面18の幅Wを小さくすることが
可能となる。このことは、ライナー6自体の厚みを減少
させることができることを意味する。
【0018】また、前記上方基板13の環状ビード27
の内縁40を、前記副板14の折り返し部31の外縁端
37より外方に設定し、環状ビード27を中間板15に
圧着してシール性を確保するようになしている。従っ
て、折り返し部31の肉厚分の隙間が環状ビード27の
周辺に形成されることになり、後述のようにシリンダブ
ロック2に対してシリンダヘッド3をボルトで締結した
ときにおける環状ビード27の潰れが防止されることに
なる。
【0019】前記下方基板12と上方基板13の表面に
はフッ素コーティングが施されているが、冷却流量は冷
却水通路孔30,35で確保し、前記冷却水通路開口2
1,28はウォータジャケット7の開口と同一形状に形
成しているので、ウォータジャケット7からの水流によ
るコーティングの脱落を防止するためのコーティングの
部分的除去、例えばマスキング処理を省略できる。
【0020】このシリンダヘッドガスケット1をシリン
ダブロック2の上面に配設し、その後、シリンダヘッド
3をボルトでシリンダブロック2に締結固定する。この
状態では、ボルト締結力により下方基板12の環状ビー
ド19は、高い面圧でライナー6に密着状に当接すると
ともに、段ビード20はブロック本体4にやや低い面圧
で密着状に当接し、また上方基板13の環状ビード27
は中間板15に高い面圧で密着状に当接する。一方、副
板14の折り返し部31は、上方基板13と中間板15
の間に挾着される。この折り返し部31の肉厚によっ
て、シリンダブロック2と下方基板12との間若しくは
シリンダヘッド3と上方基板13との間に隙間が生じる
のを防止することができる。また、副板14はシリンダ
ブロック2及びシリンダヘッド3に直接接触しないの
で、シリンダブロック2とシリンダヘッド3の熱膨張率
が異なってシリンダヘッドガスケット1に剪断応力が作
用しても、副板14と下方基板12又は上方基板13と
の間で滑りが発生してその剪断応力を吸収するので、折
り返し部31の屈曲部32にクラックが発生することを
防止できる。
【0021】尚、図4に示す第2実施例のように、前記
シリンダヘッドガスケット1において、中間板15を省
略し、上方基板13の環状ビード27を折り返し部31
の外側であって副板14に当接するように凸状に形成し
てもよい。
【0022】以上のように、本考案は下方基板12と上
方基板13の間に、折り返し部31を有する副板14を
積層したシリンダヘッドガスケット1であって、シリン
ダボア5若しくはライナー6の開口部16に対応する下
方基板12の開口部17の外周側に形成する環状ビード
19の位置を、副板14の折り返し部31とは無関係に
設定でき、しかも折り返し部31により上方基板11の
環状ビード27の異常変形を防止できる構造であれば、
前述の2つの実施例に限定されるものではない。また、
本実施例ではウォータジャケット7が上面に開口したオ
ープンデッキ型のものを示したが、オープンデッキ型以
外のシリンダブロックにも適用できる。また、ライナー
6も前述の鋳鉄製以外にアルミニウム合金製その他のも
のを用いることが可能であり、該ライナー6の材質は特
に限定されない。更に、前記シリンダヘッドガスケット
1の構造は、V型エンジンに限らず直列型エンジンなど
種々の型式のエンジンにも適用できることは勿論であ
る。
【0023】
【考案の効果】以上にしてなる本考案のシリンダヘッド
ガスケットによれば、副板の折り返し部の肉厚によって
シリンダヘッドと基板との間に隙間が生じるのを防止
し、密封性を向上させ得るといった従来の優れた効果を
損なうことなく、折り返し部を設けたことによって生じ
る不都合、即ち折り返し部によってライナーに圧接する
環状ビードの形成位置が制限を受けて、その結果として
ライナーの厚みの低減化が困難であるといった不都合を
解消することができるのである。
【0024】また、副板の上下に基板を配しているの
で、少なくとも副板本体はシリンダブロック又はシリン
ダヘッドに直接密着することがなく、それによりシリン
ダブロックとシリンダヘッドの熱膨張率が異なってシリ
ンダヘッドガスケットに剪断応力が作用しても、基板と
副板との接触面の滑りによってその剪断応力を吸収し、
副板の内周縁部に形成した折り返し部の屈曲部にクラッ
クが発生することを防止できるのである。
【0025】更に、副板の上方基板側に折り返し部を形
成し、副板側に突出させた上方基板の環状ビードの内縁
を折り返し部の外縁端より外方に設定してあるので、
の環状ビードに対する燃焼室からの熱負荷が少なくな
り、経年変化によるシール性能の低下を防止できる。し
かも、折り返し部が上方基板の環状ビードの異常変位を
規制するストッパーとして作用することになり、シリン
ダヘッド固定用ボルトの締結時等における上方基板の環
状ビードの潰れを確実に防止することが可能となる。
た、上方基板の環状ビードは折り返し部に接触しないの
で、折り返し部の外縁端の角部が環状ビードに接触する
ことによる環状ビードの破損を確実に防止できる。 更に
また、上方基板の環状ビードの幅方向の中心を下方基板
の環状ビードの外縁に接近配置してあるので、上下の環
状ビードが重なることによるシール性能の低下を確実に
防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】エンジンの要部分解断面図である。
【図2】シリンダヘッドガスケットの底面図である。
【図3】シリンダヘッドガスケットの第1実施例を示す
要部拡大断面図である。
【図4】同じく第2実施例を示す要部拡大断面図であ
る。
【図5】従来例を示すエンジンの要部分解断面図であ
る。
【符号の説明】
1 シリンダヘッドガスケット 2 シリン
ダブロック 3 シリンダヘッド 4 ブロッ
ク本体 5 シリンダボア 6 ライナ
ー 7 ウォータジャケット 8 ピスト
ン 9 燃焼室 10 吸気弁 11 排気弁 12 下方基
板 13 上方基板 14 副板 15 中間板 16 開口部 17 開口部 18 開口端
面 19 環状ビード 20 段ビー
ド 21 冷却水通路開口 22 オイル
供給通路孔 23 オイル還流通路孔 24 ボルト
挿通孔 25 環状ビード 26 開口部 27 環状ビード 28 冷却水
通路開口 29 開口部 30 冷却水
通路孔 31 折り返し部 32 屈曲部 33 副板本体 34 開口部 35 冷却水通路孔 36 内縁 37 外縁端 38 頂点 39 外縁部
フロントページの続き (72)考案者 植田 耕作 埼玉県熊谷市大字三ケ尻字出口3308 日 本メタルガスケット株式会社内 (56)参考文献 特開 昭64−73157(JP,A) 特開 平3−288067(JP,A) 実開 平3−124075(JP,U) 特公 平3−20626(JP,B2)

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブロック本体にライナーを鋳込み又は圧
    入したシリンダブロックとシリンダヘッドとの間に介装
    され、金属製の基板と副板とを積層して形成するととも
    に、ライナーの開口部に対応する副板の内周縁部に折り
    返し部を形成したシリンダヘッドガスケットにおいて、 少なくとも副板の上下にシリンダブロック側に位置する
    下方基板とシリンダヘッド側に位置する上方基板とを積
    層した多層構造からなり、 前記副板の折り返し部を、両基板間において副板の上方
    基板側に位置させ、 前記下方基板にライナーの開口端面に当接すべく該ライ
    ナー側へ突出する環状ビードを設け、この環状ビードの
    内縁を前記折り返し部の外縁端より内方に設定して、ビ
    ードの内縁をライナーの開口部に接近配置させ、 前記上方基板に副板側へ突出する環状ビードを設けて、
    この環状ビードが折り返し部に接触しないように、環状
    ビードの内縁を前記折り返し部の外縁端より外方に設定
    し、更にこの環状ビードの幅方向の中心を下方基板の環
    状ビードの外縁に接近配置させた、 ことを特徴とするシリンダヘッドガスケット。
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