JPH10213227A - シリンダーヘッド用メタルガスケット - Google Patents

シリンダーヘッド用メタルガスケット

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JPH10213227A
JPH10213227A JP1647597A JP1647597A JPH10213227A JP H10213227 A JPH10213227 A JP H10213227A JP 1647597 A JP1647597 A JP 1647597A JP 1647597 A JP1647597 A JP 1647597A JP H10213227 A JPH10213227 A JP H10213227A
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JP1647597A
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English (en)
Inventor
Yoshitaka Matsushita
義孝 松下
Yuji Takahashi
裕司 高橋
Shinichi Tokuda
信一 徳田
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Honda Motor Co Ltd
Nippon Leakless Corp
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Nippon Leakless Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 要求締付時厚さが変更されても所要の燃焼ガ
スシール性能を維持することができかつ安価に製造でき
るメタルガスケットを得ることにある。 【解決手段】 二枚の主板1とそれらの間の一枚の副板
2とを具え、主板1と副板2とが各々シリンダー孔11と
通流液孔14,15とを所定位置に有し、主板1にシリンダ
ー孔11の周縁部に位置するフルビード1aと通流液孔14,
15を囲繞するハーフビード1bとが形成され、副板2のシ
リンダー孔11の周縁部にグロメット部2aが板材の折り返
しにより形成され、グロメット部2aの外周縁2bが主板1
のフルビード1aの中心線CLの外側に位置しているシリン
ダーヘッド用メタルガスケットにおいて、副板2とその
グロメット部2aの板材の折り返し部分に対向する方の主
板1との間に、副板2よりも板厚が薄くシリンダー孔11
と通流液孔14,15とを所定位置に有する段差調整板3が
介挿され、段差調整板3のシリンダー孔11の周縁3aが副
板2のグロメット部2aの外周縁2bよりも外側に位置して
いるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動車用エンジ
ンのシリンダーヘッド下面とシリンダーブロック上面と
の間に挟持されて、それら両面間でシリンダーボア内の
燃焼ガスおよびシリンダーブロックとシリンダーヘッド
との間で通流する冷却水や潤滑油等の通流液に対するシ
ール性を長期的に保持するシリンダーヘッド用メタルガ
スケットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種のメタルガスケットとして
は、図5にその断面を示す如きものが知られており、か
かる従来のメタルガスケットは、シリンダーブロック上
面のシリンダーボアの周囲で燃焼ガスに対するシール性
を高めるために、ガスケットを構成する薄い金属板(一
般にはステンレス鋼板)10の板厚を厚くしたり、その薄
い金属板10の材質を硬くしたり、その薄い金属板10の積
層枚数を図5(a)に示す通常の二枚に対し同図(b)
に示すように三枚に増加させたりして対応してきた。
【0003】また、従来のこの種のメタルガスケット
は、図5(a),(b)にそれぞれ示すように、シリン
ダーブロック上面のシリンダーボアに対応するシリンダ
ー孔11の周縁部にて燃焼ガスをシールするボアシール部
12と、それ以外の部位にて冷却水や潤滑油等の通流液を
シールする通流液シール部13とでビード形状を変えて、
ボアシール部12では二つの斜面が向き合った形状のフル
ビードとする一方、通流液シール部13では一つの斜面だ
けの形状のハーフビードとすることで、バネ定数を異な
らせてシール性を長期的に確保することが一般的であっ
た。
【0004】しかしながら、ボアシール部と通流液シー
ル部との両方に適切なバネ定数を設定するのは難しく、
ボアシール部の燃焼ガスシール性能に重点を置くと通流
液シール部の冷却水や潤滑油のシール性能が低下するこ
とになり、その反面、冷却水や潤滑油のシール性能を向
上させた場合には、通流液シール部のビードがシリンダ
ーブロック上面とシリンダーヘッド下面との間で突っ張
るため、シリンダーヘッド締付けボルトの軸力は通流液
シール部のビードを押圧するのに費やされ、ボアシール
部のビードの押圧力は不足気味となる。そしてこれによ
りボアシール部のビードの反発力がエンジン内で少しで
も低下すると、ボアシール部のシール性能は低下するこ
とになる。また、ボアシール部のビードの反発力の低下
が無いとしても、図5に示すようなガスケットでは、過
給機仕様のような高出力エンジンに対しては充分対応で
きず、燃焼ガスをシールする上で限界があった。
【0005】これがため本願出願人は従来、上述の問題
を解決するとともに製造コストを極力抑える方法を取り
入れた図6に示す如きメタルガスケットの発明を特開平
8−121597号公報にて開示しており、この発明
は、二枚の主板1と、それらの主板1間に介挿した比較
的板厚の薄い一枚の副板2とでメタルガスケットを構成
し、主板1には、シリンダー孔11の周縁部に位置するボ
アシール部12にフルビード1aを設けるとともに、それ以
外の部位に位置する通流液シール部13にハーフビード1b
を設け、また副板2には、シリンダー孔11の周縁部に位
置するボアシール部12に折り返し加工によりグロメット
部2aを形成して、そのグロメット部2aの外縁2bを各主板
1のフルビード1aの中心線CLよりも外側に位置させ、こ
れにより、主板1のフルビード1aを副板2の折り返した
グロメット部2aに衝合させるとともに、主板1のハーフ
ビード1bを副板2の折り返しのない部分に衝合させて、
ボアシール部12と通流液シール部13との両方に適切なバ
ネ定数を設定し得るようにしたものである。
【0006】かかるメタルガスケットを本願出願人は製
造および販売しており、このメタルガスケットは、金属
板の枚数の増加や、特殊なレーザー加工溶接、スポット
加工溶接、現実的でない接着剤塗布のような方法を用い
ずに製品化できることから、市場で効果をあげている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、本願発明者
は上記メタルガスケットにつきさらに研究を進めるうち
に以下の如き問題点を見出した。すなわち、上記特開平
8−121597号公報記載のメタルガスケットは、燃
焼ガスシール性能の高性能化を図るとともにコストアッ
プを防止するため、副板2のグロメット部2aの厚さを厚
くしたり薄くしたりしてボアシール部12の面圧調整を行
うものであるが、折り返したグロメット部2aと折り返し
のないそれ以外の部分との段差によって高い燃焼ガスシ
ール性能を得る上でその段差の高さは0.05〜0.2mm が妥
当であり、段差の高さはこの場合は副板2の板厚に等し
いから、副板2の板厚は0.05〜0.2mm が妥当となる。ま
た、ビード加工を施す主板1の板厚はエンジンの性能上
0.2 〜0.25mm程度が使用範囲であることから、上記メタ
ルガスケットの締付時厚さは、0.8 〜0.9mm 程度が上限
となる。
【0008】この一方で近年、メタルガスケットは各自
動車メーカーのエンジン全般に渡って採用される傾向に
ある。この時、上記特開平8−121597号公報記載
のメタルガスケットは、新規開発エンジンに適用するの
であれば、エンジン開発当初からエンジン側の要求締付
時厚さを0.7 〜0.9mm に設定することで特に支障は生じ
ないが、既存のエンジンのグラファイトを用いたガスケ
ット仕様では要求締付時厚さは1.1 〜1.2mm が主流であ
ることから、その既存のエンジンにグラファイトを用い
たガスケットの代わりに適用する場合には、上記の上限
ゆえに締付時厚さをエンジン側の要求に対応させるのが
困難であった。
【0009】この締付時厚さをエンジン側の要求に対応
させることの困難性については、従来は燃焼ガスシール
性能上から選定していた副板2の板厚を、要求締付時厚
さの達成に必要な板厚として選定するように考え方を変
更すれば、副板2の板厚選定に自由度が生じて、解決が
可能になる。しかしながら、このように副板2の板厚を
要求締付時厚さに応じて増加させると、今度は、折り返
したグロメット部2aと折り返しのないそれ以外の部分と
の段差が高くなりすぎて、所要の燃焼ガスシール性能が
得られなくなる場合が生ずる。
【0010】
【課題を解決するための手段およびその作用】この発明
は、上記した特開平8−121597号公報記載のメタ
ルガスケットの不都合な点を金属板一枚の追加分のみの
コスト移動で解消するメタルガスケットを提供するもの
であり、この発明のシリンダーヘッド用メタルガスケッ
トは、請求項1記載のものでは、二枚の主板と、それら
の主板間に介挿される一枚の副板とを具え、前記主板と
前記副板とが各々、シリンダー孔と通流液孔とを所定位
置に有し、前記主板に、その主板のシリンダー孔の周縁
部に位置するフルビードと、その主板の通流液孔を囲繞
するハーフビードとが形成され、前記副板に、その副板
のシリンダー孔の周縁部に位置するグロメット部がその
副板の板材の折り返しにより形成され、前記グロメット
部の外周縁が、前記主板のシリンダー孔の周縁部に位置
するフルビードの中心線よりも外側に位置している、シ
リンダーヘッド用メタルガスケットにおいて、前記副板
と、その副板のグロメット部の板材の折り返し部分に対
向する方の前記主板との間に、シリンダー孔と通流液孔
とを所定位置に有する、前記副板よりも板厚の薄い段差
調整板が介挿され、その段差調整板のシリンダー孔の周
縁部が前記副板のグロメット部と重ならないように、そ
の段差調整板のシリンダー孔の周縁が前記副板のグロメ
ット部の外周縁よりも外側に位置していることを特徴と
している。
【0011】かかるメタルガスケットにあっては、副板
のシリンダー孔の周縁部の位置にその副板の板材の折り
返しによって形成されたグロメット部の外周縁が、主板
のシリンダー孔の周縁部に位置するフルビードの中心線
よりも外側に位置することから、二枚の主板のフルビー
ドが、それらの間に位置する副板のその板厚の二倍の厚
さのグロメット部に衝合してそのグロメット部を挟む構
造となるので、副板の板厚を適宜選択することでガスケ
ットの所要の締付時厚さを得ることができる。しかも、
二枚の主板のハーフビードが、それらの間に位置する副
板の折り返しのない部分およびそれと重なった段差調整
板に衝合してそれら副板の折り返しのない部分とその副
板よりも板厚が薄い段差調整板とを挟む構造となるの
で、フルビードで挟むグロメット部とハーフビードで挟
むそれ以外の部分との段差の高さが副板の板厚から段差
調整板の板厚を引いたものとなり、それゆえその段差調
整板の板厚を適宜に選択することで、所要のガスシール
性能が得られる高さの段差を形成することができる。
【0012】また請求項2記載のものでは、二枚の主板
と、それらの主板間に介挿される一枚の副板とを具え、
前記主板と前記副板とが各々、シリンダー孔と通流液孔
とを所定位置に有し、前記主板に、その主板のシリンダ
ー孔の周縁部に位置するフルビードと、その主板の通流
液孔を囲繞するハーフビードとが形成され、前記副板
に、その副板のシリンダー孔の周縁部に位置するグロメ
ット部がその副板の板材の折り返しにより形成され、前
記グロメット部の外周縁が、前記主板のシリンダー孔の
周縁部に位置するフルビードの中心線よりも外側に位置
している、シリンダーヘッド用メタルガスケットにおい
て、何れか一方の前記主板と、前記副板との間に、シリ
ンダー孔と通流液孔とを所定位置に有する締付時厚さ調
整板が介挿され、その締付時厚さ調整板のシリンダー孔
の周縁部が前記副板のグロメット部と重なるように、そ
の締付時厚さ調整板のシリンダー孔の周縁が前記副板の
グロメット部の内周縁と一致して位置していることを特
徴としている。
【0013】かかるメタルガスケットにあっては、副板
のシリンダー孔の周縁部の位置にその副板の板材の折り
返しによって形成されたグロメット部の外周縁が、主板
のシリンダー孔の周縁部に位置するフルビードの中心線
よりも外側に位置することから、二枚の主板のフルビー
ドが、それらの間に位置する副板のその板厚の二倍の厚
さのグロメット部と、そこに重なる締付時厚さ調整板と
に衝合してそれら副板のグロメット部と締付時厚さ調整
板とを挟む構造となり、また、二枚の主板のハーフビー
ドが、それらの間に位置する副板の折り返しのない部分
およびそれと重なった締付時厚さ調整板に衝合してそれ
ら副板の折り返しのない部分と締付時厚さ調整板とを挟
む構造となるので、フルビードで挟むグロメット部とハ
ーフビードで挟むそれ以外の部分との段差の高さが副板
の板厚に等しくなることから、副板の板材として板厚の
比較的薄いものを選択することで、所要のガスシール性
能が得られる高さの段差を形成することができ、その一
方、締付時厚さ調整板の板厚を適宜選択することで、ガ
スケットの締付時厚さとして所要の厚さを得ることがで
きる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、この発明の実施の形態を
図面に基づき詳細に説明する。ここに、図1(a)は、
この発明のシリンダーヘッド用メタルガスケットの一実
施形態を示す平面図、また同図(b)は、その実施形態
のメタルガスケットの、同図(a)のA−A線に沿う断
面図、そして同図(c)は、その実施形態のメタルガス
ケットの、同図(a)のB−B線に沿う断面図である。
【0015】この実施形態のメタルガスケットは、図1
(b)および(c)に示すように、各々ステンレス鋼板
からなる二枚の主板1と、これもステンレス鋼板からな
りそれらの主板1間に介挿される一枚の副板2と、を具
えており、各主板1は、その外側に向く面のみを図示し
ない薄いシール材により被覆されている。そして各主板
1は、図1(a)に示すように、当該メタルガスケット
が使用されるエンジンのシリンダブロック上面における
シリンダボアと、冷却水孔と、潤滑油孔と、シリンダヘ
ッド組付けボルトが通るボルト孔とにそれぞれ対応する
位置に、シリンダ孔11と、冷却水孔14と、潤滑油孔15
と、ボルト孔16とを有しており、各主板1には、その主
板1のシリンダー孔11の周縁部に位置するフルビード1a
と、その主板1の通流液孔としての冷却水孔14およびこ
れも通流液孔としての潤滑油孔15を別個に囲繞するハー
フビード1bとが形成されている。
【0016】また副板2も、図2の平面図に示すよう
に、主板1の、シリンダ孔11と、冷却水孔14と、潤滑油
孔15と、ボルト孔16とにそれぞれ対応する位置に、シリ
ンダ孔11と、冷却水孔14と、潤滑油孔15と、ボルト孔16
とを有しており、その副板2のシリンダー孔11の周縁部
には、その副板の板材の折り返しによりグロメット部2a
が形成され、そのグロメット部2aの外周縁2bは、図1
(a)〜(c)に示すように、主板1のシリンダー孔11
の周縁部のフルビード1aの中心線CLよりも外側に位置し
ている。
【0017】さらにこの実施形態のメタルガスケット
は、副板2と、その副板2のグロメット部2aの板材の折
り返し部分(図1(a)では上側に重なった部分)に対
向する方の主板1(図1(a)では上側の主板1)との
間に介挿された、副板2よりも板厚の薄いステンレス鋼
板からなる段差調整板3を具えており、この段差調整板
3も、図3の平面図に示すように、副板2と同様、主板
1の、シリンダ孔11と、冷却水孔14と、潤滑油孔15と、
ボルト孔16とにそれぞれ対応する位置に、シリンダ孔11
と、冷却水孔14と、潤滑油孔15と、ボルト孔16とを有し
ている。
【0018】そして、これら主板1と副板2と段差調整
板3とは、互いに整列する加締孔17をそれぞれ有し、図
1に示すように重ね合わせた状態でそれらの加締孔17に
挿通した鳩目4を加締めることにより、互いに一体的に
結合されて一枚のメタルガスケットを構成しており、こ
の実施形態のメタルガスケットでは特に、かかる結合状
態で段差調整板3のシリンダー孔11の周縁部が副板2の
グロメット部2aと重ならないように、図1(a)に破線
で示すとともに図1(b)および(c)に断面で示すよ
うに、その段差調整板3のシリンダー孔11の周縁3aが、
副板2のグロメット部2aの外周縁2bよりも外側に位置し
ている。
【0019】上記実施形態のメタルガスケットにあって
は、副板2のシリンダー孔11の周縁部の位置にその副板
2の板材の折り返しによって形成されたグロメット部2a
の外周縁2bが、主板1のシリンダー孔11の周縁部に位置
するフルビード1aの中心線CLよりも外側に位置すること
から、二枚の主板1のフルビード1aが、それらの間に位
置する副板2の、その副板2の板厚T4の二倍の厚さT1の
グロメット部2aに衝合して、そのグロメット部2aを挟む
構造となるので、主板1の厚さ(ビート高さを含む)を
T2とすればガスケットの締付時厚さT3はT3=T1+2×T2
=2×T4+2×T2となる。従って上記実施形態によれ
ば、副板2の板厚T4を適宜選択することでガスケットの
締付時厚さT3として所要の厚さを得ることができる。
【0020】しかも上記実施形態のメタルガスケットに
あっては、二枚の主板1のハーフビード1bが、それらの
間に位置する副板2の折り返しのない部分および、それ
と重なった段差調整板3に衝合して、それら副板2の折
り返しのない部分とその副板2よりも板厚が薄い段差調
整板3とを挟む構造となる。従って上記実施形態によれ
ば、主板1のフルビード1aで挟む副板2のグロメット部
2aと主板1のハーフビード1bで挟む副板2のそれ以外の
部分および段差調整板3との段差の高さが、副板2のグ
ロメット部2aと折り返しのない部分との厚さの差T1−T4
=2×T4−T4=T4すなわち副板2の板厚から、段差調整
板3の板厚T5を引いたものとなるので、その段差調整板
3の板厚T5を適宜に選択することで、所要のガスシール
性能が得られる高さの段差を形成することができる。
【0021】図4は、この発明のシリンダーヘッド用メ
タルガスケットの他の一実施形態を示す、図1(b)と
同様の位置での断面図であり、この実施形態では、先の
実施形態における段差調整板3に代えて、これもステン
レス鋼板からなる締付時厚さ調整板5を具えており、こ
の締付時厚さ調整板5も、副板2と同様、主板1の、シ
リンダ孔11と、冷却水孔14と、潤滑油孔15と、ボルト孔
16とにそれぞれ対応する位置に、シリンダ孔11と、冷却
水孔14と、図示しない潤滑油孔およびボルト孔とを有し
ている。そしてこの実施形態では、図4に示すように、
副板2の板厚T4が比較的薄いものとされるとともに、締
付時厚さ調整板5のシリンダー孔11の周縁部が副板2の
グロメット部2aと重なるように、その締付時厚さ調整板
5のシリンダー孔11の周縁5aが副板2のグロメット部2a
の内周縁2cと一致して位置している。
【0022】上記実施形態のメタルガスケットにあって
は、副板2のシリンダー孔11の周縁部の位置にその副板
2の板材の折り返しによって形成されたグロメット部2a
の外周縁2bが、主板1のシリンダー孔11の周縁部に位置
するフルビード1aの中心線CLよりも外側に位置すること
から、二枚の主板1のフルビード1aが、それらの間に位
置する副板2の、その副板2の板厚T4の二倍の厚さT1の
グロメット部2aと、そこに重なる板厚T6の締付時厚さ調
整板5とに衝合して、それら副板2のグロメット部2aと
締付時厚さ調整板5とを挟む構造となるので、主板1の
厚さ(ビート高さを含む)をT2とすればガスケットの締
付時厚さT3はT3=T1+T6+2×T2=2×T4+T6+2×T2
となり、また、二枚の主板1のハーフビード1bが、それ
らの間に位置する副板2の折り返しのない部分およびそ
れと重なった締付時厚さ調整板5に衝合して、それら副
板2の折り返しのない部分と締付時厚さ調整板5とを挟
む構造となる。従って上記実施形態によれば、主板1の
フルビード1aで挟む副板2のグロメット部2aと主板1の
ハーフビード1bで副板2のそれ以外の部分との段差の高
さが、副板2のグロメット部2aと折り返しのない部分と
の厚さの差T1−T4=2×T4−T4=T4すなわち副板2の板
厚に等しくなることから、副板2の板材として板厚の比
較的薄いものを適宜に選択することで、所要のガスシー
ル性能が得られる高さの段差を形成することができ、そ
の一方、締付時厚さ調整板5の板厚T6を適宜選択するこ
とで、ガスケットの締付時厚さT3として所要の厚さを得
ることができる。
【0023】しかして上記二種類の実施形態によれば、
いずれも前記特開平8−121597号公報記載のメタ
ルガスケットの不都合な点を金属板一枚の追加分のみの
コスト移動で解消することができる。なお、前者の実施
形態は、副板2の板厚を比較的厚くし得るので、グロメ
ット部2aを形成する際の折り返し加工の品質を容易に高
めることができるという利点もあり、また後者の実施形
態は、前記特開平8−121597号公報記載の従来の
ガスケットの副板2をそのまま利用し得るので製造コス
トをさらに低く抑え得るという利点もある。
【0024】
【実施例】例えば前者の実施形態において、要求締付け
時厚さT3を1.2 mm、主板1の板厚T2をガスケット仕様上
一般的なシール材込みの板厚0.25mmに設定すると、主板
1のフルビード1aで挟む板材の厚さは0.70mmになる。従
って副板2の板厚T4は0.35mmとするのが妥当である。し
かしながら、燃焼ガスのシール性能上望ましい、主板1
のフルビード1aで挟む板材の厚さとハーフビード1bで挟
む板材の厚さとの差は0.05〜0.2mm であり、仮定として
0.1mm に設定すると、上記の副板2の板厚T4=0.35mmで
は、段差調整板3がなければその望ましい厚さの差より
も0.25mmは余分になる。そこで、段差調整板3の板厚T5
を0.25mmに選定すれば、その余分な分の0.25mmを減らし
て上記の望ましい厚さの差0.1mm を達成することができ
る。
【0025】以上、図示例に基づき説明したが、この発
明は上述の例に限定されるものでなく、例えば、この発
明は、主板や副板等の通流液孔として冷却水孔と潤滑油
孔との何れか一方だけを有するガスケットにも適用する
ことができ、また図示例では締付時厚さ調整板が副板に
対して上側すなわちグロメット部の折り返し側に位置し
ているが、締付時厚さ調整板は副板に対してそのグロメ
ット部の折り返し側と反対の側に位置していても良い。
【0026】
【発明の効果】かくしてこの発明のシリンダーヘッド用
メタルガスケットによれば、要求締付時厚さが変更され
ても、燃焼ガスのシールに必要なグロメット部分の厚さ
を自由に調整することができるので所要の燃焼ガスシー
ル性能を維持することができ、しかもその製造コスト
も、段差調整板や締付時厚さ調整板とする一枚の金属板
の増加で済むことから従来のガスケットに近い安価なも
のとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のシリンダーヘッド用メタルガスケッ
トの一実施形態を示す平面図および断面図である。
【図2】上記実施形態のシリンダーヘッド用メタルガス
ケットの副板を示す平面図である。
【図3】上記実施形態のシリンダーヘッド用メタルガス
ケットの段差調整板を示す平面図である。
【図4】この発明のシリンダーヘッド用メタルガスケッ
トの他の一実施形態を示す断面図である。
【図5】従来のシリンダーヘッド用メタルガスケットを
二種類示す断面図である。
【図6】従来の他のシリンダーヘッド用メタルガスケッ
トを示す断面図である。
【符号の説明】
1 主板 1a フルビード 1b ハーフテビード 2 副板 2a グロメット部 2b グロメット部外周縁 2c グロメット部内周縁 3 段差調整板 3a シリンダー孔周縁 4 鳩目 5 締付時厚さ調整板 5a シリンダー孔周縁 10 金属板 11 シリンダ孔 12 ボアシール部 13 通流液シール部 14 冷却水孔 15 潤滑油孔 16 ボルト孔 17 加締孔 CL フルビート中心線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 徳田 信一 埼玉県浦和市原山2−28−18 日本リーク レス工業株式会社浦和研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二枚の主板と、それらの主板間に介挿さ
    れる一枚の副板とを具え、前記主板と前記副板とが各
    々、シリンダー孔と通流液孔とを所定位置に有し、前記
    主板に、その主板のシリンダー孔の周縁部に位置するフ
    ルビードと、その主板の通流液孔を囲繞するハーフビー
    ドとが形成され、前記副板に、その副板のシリンダー孔
    の周縁部に位置するグロメット部がその副板の板材の折
    り返しにより形成され、前記グロメット部の外周縁が、
    前記主板のシリンダー孔の周縁部に位置するフルビード
    の中心線よりも外側に位置している、シリンダーヘッド
    用メタルガスケットにおいて、 前記副板と、その副板のグロメット部の板材の折り返し
    部分に対向する方の前記主板との間に、シリンダー孔と
    通流液孔とを所定位置に有する、前記副板よりも板厚の
    薄い段差調整板が介挿され、その段差調整板のシリンダ
    ー孔の周縁部が前記副板のグロメット部と重ならないよ
    うに、その段差調整板のシリンダー孔の周縁が前記副板
    のグロメット部の外周縁よりも外側に位置していること
    を特徴とする、シリンダーヘッド用メタルガスケット。
  2. 【請求項2】 二枚の主板と、それらの主板間に介挿さ
    れる一枚の副板とを具え、前記主板と前記副板とが各
    々、シリンダー孔と通流液孔とを所定位置に有し、前記
    主板に、その主板のシリンダー孔の周縁部に位置するフ
    ルビードと、その主板の通流液孔を囲繞するハーフビー
    ドとが形成され、前記副板に、その副板のシリンダー孔
    の周縁部に位置するグロメット部がその副板の板材の折
    り返しにより形成され、前記グロメット部の外周縁が、
    前記主板のシリンダー孔の周縁部に位置するフルビード
    の中心線よりも外側に位置している、シリンダーヘッド
    用メタルガスケットにおいて、 何れか一方の前記主板と、前記副板との間に、シリンダ
    ー孔と通流液孔とを所定位置に有する締付時厚さ調整板
    が介挿され、その締付時厚さ調整板のシリンダー孔の周
    縁部が前記副板のグロメット部と重なるように、その締
    付時厚さ調整板のシリンダー孔の周縁が前記副板のグロ
    メット部の内周縁と一致して位置していることを特徴と
    する、シリンダーヘッド用メタルガスケット。
JP1647597A 1997-01-30 1997-01-30 シリンダーヘッド用メタルガスケット Pending JPH10213227A (ja)

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