JPH10281289A - シリンダヘッドガスケット - Google Patents

シリンダヘッドガスケット

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JPH10281289A
JPH10281289A JP9352597A JP9352597A JPH10281289A JP H10281289 A JPH10281289 A JP H10281289A JP 9352597 A JP9352597 A JP 9352597A JP 9352597 A JP9352597 A JP 9352597A JP H10281289 A JPH10281289 A JP H10281289A
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plate
gasket
hole
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Mikihiro Akamatsu
幹弘 赤松
Shigenobu Shibuya
茂伸 渋谷
Yoshikazu Hino
義和 日野
Minoru Ota
稔 太田
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Daihatsu Motor Co Ltd
Sanwa Packing Industry Co Ltd
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Daihatsu Motor Co Ltd
Sanwa Packing Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 シールのために形成されたビードのへたりや
割れの発生を防止し、耐久性を向上し、全面に亘って良
好な面圧分布が得られるようにする。 【解決手段】 基板2は、表裏両表面にシール材層16
が設けられた金属板2aを備えている。基板2には、複
数のボア穴4〜6が形成され、各ボア穴4〜6の周縁部
分に複数のボア穴ビード11〜13がそれぞれ形成され
ている。更に、基板2には、冷却水やオイルなどが通過
するための水通過穴7やオイル穴9を含む複数の穴が形
成されている。基板2のボア穴ビード11〜13の突出
側に積層配置された副板3は、基板2の各ボア穴4〜6
の周縁部分にそれぞれ重合される複数の環状部17〜1
9と、各環状部17〜19をシリンダボアの間のボア穴
間領域に相当する領域で連結する連結部20、21とを
含んで構成されている。副板3の環状部20、21のボ
ア穴内方端部付近には折返部22が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンのシリン
ダヘッドとシリンダブロックとの間に挟まれてこれらを
気密且つ液密にシールするシリンダヘッドガスケットに
関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、エンジンのシリンダヘッドと
シリンダブロックとの間のシールを行うためにシリンダ
ヘッドガスケット(以下、ガスケット)が用いられてい
る。このようなガスケットとして、近年ではシリンダヘ
ッドとシリンダブロックとをヘッドボルトで締め付けた
際の締付力に対するガスケットからの反力を増大させる
などの目的でメタルガスケットが多く用いられている。
このようなメタルガスケットは、基本的に金属板を単層
で、または複数層を積層して構成されている。
【0003】メタルガスケットの従来技術として、例と
して、実公平4−16026号が挙げられる。この従来
技術のシリンダヘッドガスケットは、弾性金属板からな
る基板に、シリンダブロックなどの複数のシリンダボア
に対応する複数のボア穴を形成し、ボア穴周縁部に断面
がU字状のボアビードを環状に形成している。一方、こ
の基板に対して、前記ボアビードの突出側に金属板から
なる副板が直接に積層されている。この副板にも複数の
ボア穴が形成され、各ボア穴の径方向内周縁部は、ボア
穴周りの全周に亘って、基板側に折り返されて折返部が
形成されている。この折返部は、副板自身に重なるよう
に折り返されて前記基板のボアビードよりも径方向内方
に位置している。また、この従来技術で、副板は基板と
実質的に同一形状であり、副板と基板とはそれらの外周
の同一位置で、シリンダヘッドとシリンダブロックとの
各接合面外で相互にかしめて固定されている。
【0004】この従来技術のガスケットは、前記ボアビ
ードでボア穴からの排ガスのシールを行うものである。
一方、ボアビードは使用中にエンジン内の周期的爆発に
より脈動的に圧縮/拡大を繰り返し、これによりボアビ
ードが金属疲労を生じて復元力が減少するへたり現象を
生じることがある。また、この傾向が更に進行すると割
れを生じる場合がある。前記従来技術では、このような
ボアビードのへたり現象を防止するために、シリンダブ
ロックとシリンダヘッドとの締付時において、ボアビー
ドが平坦形状へ変形することを前記折返部で防止するよ
うにしている。即ち、前記締付時にボアビードがU字状
から平坦形状に次第に変形するとき、ボアビードは前記
折返部の厚さ未満の高さには圧縮されない。従って、ボ
アビードの前記脈動的圧縮/拡大における振幅が抑制さ
れ、これによりボアビードのへたりを防止しようとして
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】複数気筒のエンジンに
用いられるガスケットにおいて、ボア穴周辺領域は、そ
れ以外の領域よりも熱的負荷或いは応力的負荷が大きい
ことが知られている。これは、前記ボア穴周辺領域には
シリンダボアからの熱が加えられるからである。また、
ボア穴周辺領域には、そのシリンダボアにおける爆発に
よる衝撃が交互に周期的に加えられるので、他の領域よ
りも応力的負荷が大きくなっている。従って、このボア
穴周辺領域では、他の領域におけるよりも、シール用面
圧を増大する必要があり、またボアビードのへたり対策
を強化する必要がある。
【0006】また、近年ではシリンダブロックには鉄が
用いられ、シリンダヘッドにはアルミニウム合金が用い
られていて、両者の熱膨張率が異なっていることから、
エンジンの運転中におけるシリンダヘッド熱膨張量がシ
リンダブロックの熱膨張量より大きくなる。これによ
り、ガスケットの上面がシリンダヘッド下面によって周
期的に強く擦られる。一方、ガスケットの締付時にボア
ビードが圧縮変形することにより、基板のボアビード付
近が屈曲して、ガスケットのシリンダヘッド側に線状の
環状突起が生じているが、この環状突起がシリンダヘッ
ド下面によって周期的に強く擦られて、損傷したり割れ
を生じたりする場合がある。
【0007】上記従来技術のガスケットでは、ボア穴周
辺におけるシール用面圧を増大してガスケット全面にお
ける良好なシール性を実現できるように面圧分布を最適
にする必要性に対する対策がなされておらずガスケット
全面の最適な面圧分布が実現できないという問題点があ
る。更に、シリンダヘッドとシリンダブロックとの熱膨
張率の相違に基づく前記不具に関しても対策がなされて
おらず、ボアビードのへたりや割れを生じ易いという問
題点を有している。
【0008】請求項1〜11の発明は、上記問題点を解
決しようとして成されたものであり、その目的は、シー
ルのために形成されたビードのへたりや割れの発生が防
止されて耐久性が向上され、全面に亘って良好な面圧分
布が得られるシリンダヘッドガスケットを提供すること
である。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明のシリン
ダヘッドガスケットの基板は、表裏両表面にシール材層
が設けられた弾性金属板から形成されている。この基板
には、シリンダボアに対応した位置に複数のボア穴が形
成され、各ボア穴の周縁部分に複数の環状ビードがそれ
ぞれ形成されている。更に、基板には、シリンダヘッド
とシリンダブロックとの間の気体或いは液体などの機能
流体が通過する流体穴を含む複数の穴が形成されてい
る。また、基板には、環状ビードの突出側に副板が積層
配置され、この副板は、基板の各ボア穴の周縁部分にそ
れぞれ重合される複数の環状部と、各環状部をシリンダ
ボアの間のボア穴間領域に相当する領域で連結する連結
部とを含んで構成されている。
【0010】前記副板の環状部のボア穴内方端部付近に
は折返部が設けられている。折返部は、ボア穴周りの全
周で前記基板の環状ビードよりも径方向内方の平坦部に
重合する位置で、副板自身に重なるように折り返されて
いる。副板の各環状部には、半径方向外方に延びる複数
の係合片が設けられ、各係合片の先端付近には屈曲部が
形成され、前記基板に形成された複数の係合穴と係合さ
れる。このシリンダヘッドガスケットが、シリンダヘッ
ドとシリンダブロックとの間に配置されて、これらの間
をシールする。
【0011】ここで、本発明のシリンダヘッドガスケッ
トは、基板のボア穴周辺領域に副板の環状部が重合され
た構成である。従って、ボア穴周辺領域以外の領域にお
けるよりも熱的負荷或いは応力的負荷が大きいボア穴周
辺領域において、シール用面圧が増大する。また、締付
時のボアビードの圧縮量が、前記折返部によって抑制さ
れる。このため、エンジン運転時のシリンダボアにおけ
る周期的爆発によるボアビードの周期的変形の振幅が抑
制され、ボアビードのへたりや割れの発生を確実に防止
することができ、シリンダヘッドガスケットの耐久性を
格段に向上することができる。
【0012】また、本発明において、折返部は、ボア穴
周りの全周で基板の環状ビードよりも径方向内方の平坦
部に重合する位置で、副板自身に重なるように折り返さ
れている。これにより、シリンダヘッドガスケットをエ
ンジンに装着したときに、ボアビードが平坦形状へ変形
することが折返部で防止される。従って、ボアビードの
復元力が維持され、ボアビードのへたり現象が防止され
る。
【0013】請求項2の発明のシリンダヘッドガスケッ
トは、少なくとも一つの前記基板と、前記副板と、これ
ら少なくとも一つの基板及び副板に積層され、少なくと
もボア穴が形成された中間板とを備えている。この発明
において、副板の各環状部に設けられた半径方向外方に
延びる複数の係合片の先端付近に形成された屈曲部は、
基板に形成された複数の穴の一部の係合穴と係合され
る。更に、前記中間板には、各係合片の屈曲部を含む範
囲にそれぞれ透孔が形成されている。
【0014】従って、前記屈曲部は、シリンダヘッドガ
スケットをエンジンに装着して締付けたときに変形し
て、中間板に形成された各透孔にそれぞれ収納される。
これにより、本発明のガスケットにおいて、前記請求項
1の発明の作用効果に加え、各屈曲部は、厚さが副板の
板厚の2倍になる個所であるにも関わらず、ガスケット
の面圧分布に影響を及ぼす事態が防止されるという作用
効果も実現される。
【0015】また、本発明では、前記各係合片の屈曲部
の面圧に対する影響を考慮する必要がなくなるため、基
板の形状を設計する際に屈曲部用の特段の透孔を形成し
たり、基板の冷却水用穴などを係合用に利用するため
に、基板における冷却水穴の形成位置や形状を考慮した
りする必要がなく、ガスケットの設計上の自由度が増大
される。
【0016】また、副板の板厚や基板のシール材の厚さ
などを、ガスケットの面圧分布に関する前記屈曲部の面
圧に対する影響を排除する目的で考慮する必要がなく、
この点でもガスケット全体の設計の自由度、材料や材料
の厚さの選択などの自由度も向上される。
【0017】請求項3の発明では、請求項1、2のいず
れかの発明において、副板を基板に対して固定する前記
係合片の板厚は、基板の前記シール材層の層厚より薄く
形成されている。従って、締付時に前記係合片はシール
材層中に埋没し、本発明のシリンダヘッドガスケットの
シール性になんら不都合を生じさせない。これにより、
シリンダヘッドガスケットのシール性に影響を及ぼさな
い係合片で副板を基板に対して固定できるので、前記係
合片の配置に関して大きな自由度を得ることができる。
【0018】請求項4の発明のシリンダヘッドガスケッ
トは、請求項1、2のいずれかの発明において、基板を
平坦な金属芯材の両面に低摩擦係数の材料からなるシー
ト層を設けたガスケット材に、環状ビードや複数の穴を
形成して構成した場合である。シリンダブロックとシリ
ンダヘッドとの熱膨張率が異なり、シリンダヘッドの熱
膨張量がシリンダブロックの熱膨張量より大きい場合
に、ガスケットの上面がシリンダヘッド下面によって周
期的に強く擦られる。また、ガスケットの締付時にボア
ビードが圧縮変形することにより、基板のボアビード付
近が屈曲して、ガスケットのシリンダヘッド側に線状の
環状突起が生じているが、この環状突起がシリンダヘッ
ド下面によって周期的に強く擦られることになる。
【0019】本発明において、基板は上記の構成である
ので、ガスケットのシリンダヘッド側の線状の環状突起
がシリンダヘッド下面によって周期的に強く擦られる場
合であっても、この摩擦は低摩擦係数のシート層によっ
て良好に吸収されるので、シート層を含む基板がシリン
ダヘッド下面によって周期的に強く擦られて、損傷した
り割れを生じたりする事態が防止される。また、前記シ
ート層が膨張黒鉛シートの場合でも、前述した作用効果
を実現することができる。
【0020】請求項5の発明のシリンダヘッドガスケッ
トは、請求項1、2のいずれかの発明において、前記副
板が金属芯材表面に低摩擦係数のシール材層を形成して
構成される場合である。副板は、基板の環状ビード突出
側に積層配置されているので、環状ビード突出側の環状
突起により、この環状突起が対向するシリンダヘッド或
いはシリンダブロックの接合面が圧痕などで損傷される
ことが防止され、また、締付時に圧縮された環状突起の
復元力によって生じる面圧が前記接合面に分散して面状
に加えられ、面圧の局部的集中を防止することができ
る。更に、低摩擦係数のシール層により、シリンダヘッ
ドガスケットの副板側と接合面との間に前記周期的摩擦
力が作用する場合でも、副板の損傷などが防止される。
【0021】請求項6の発明のシリンダヘッドガスケッ
トは、請求項1の発明において、前記各係合穴は、各係
合穴における前記折返部の積層厚が、前記ボア穴などの
シール箇所のシールに必要な面圧を低下させない位置に
形成されている場合である。
【0022】前記折返部は係合片先端を折り返して構成
されるので、その積層厚が係合片板厚の倍になり、シリ
ンダヘッドガスケットのシール性に影響を及ぼす可能性
が想定されるが、本発明において、この折返部はシール
箇所のシールに必要な面圧を低下させない位置に形成さ
れているので、折返部の形成位置と関わり無く、基板に
おけるシール必要箇所のシール機構を設計することがで
き、ガスケットの設計の自由度が増大する。
【0023】請求項7の発明のシリンダヘッドガスケッ
トは、請求項6の発明において、前記複数の係合穴の一
部分の係合穴は、シリンダブロックまたはシリンダヘッ
ドの接合面に形成された冷却水が通過する水穴の形成位
置に形成されている場合である。この場合、係合穴にお
ける前記係合片の折返部の副板の本体との積層厚は、前
記水穴によって吸収され、締付時に係合片はシリンダヘ
ッドガスケットのシール性に影響を及ぼさない。
【0024】請求項8の発明は、請求項1、2のいずれ
かの発明において、前記基板には、締付用ボルトが挿通
される複数のボルト穴が形成され、前記複数の係合穴の
他の一部分は、前記基板の各ボア穴中心と該ボルト穴の
中心とを結ぶ直線上で、ボルト穴近傍に配置されている
ので、シリンダヘッドガスケットの他のシール必要部分
のシール性に影響を及ぼすことが防止されている。
【0025】請求項9の発明のシリンダヘッドガスケッ
トは、請求項1、2のいずれかの発明において、前記基
板には、前記ボア穴を含むシール箇所をシールするため
の面圧を調整するための面圧調整用透孔が形成される場
合である。この場合、面圧調整用透孔を適宜の位置及び
形状で形成することにより、該透孔部分における面圧の
消費を解消でき、その分の面圧を他の箇所のシール作用
に振り向けることができ、ガスケット全体のシール必要
箇所における面圧の増大及び均一化を図ることができ
る。
【0026】請求項10の発明のシリンダヘッドガスケ
ットは、請求項1、2のいずれかの発明において、前記
副板の折返部が、隣接するボア穴の間のボア穴間領域以
外の領域において副板自身に重なるように折り返され、
ボア穴間領域において副板自身との間にシム板を挟んで
折り返されている。
【0027】従って、ボア穴間の領域以外の領域におけ
るよりも熱的負荷或いは応力的負荷が大きいボア穴間の
領域において、折返部の積層厚は大きくなり、締付時の
ボアビードの圧縮量が、シム板を挟まない折返部の領域
のボアビードの圧縮量よりも抑制される。このため、エ
ンジン運転時のシリンダボアにおける周期的爆発による
ボアビードのボア穴間領域の部分の周期的変形の振幅
が、ボア穴間領域以外の領域の部分におけるよりも抑制
され、ボアビードのへたりや割れの発生を確実に防止す
ることができ、シリンダヘッドガスケットの耐久性を格
段に向上することができる。
【0028】請求項11の発明のシリンダヘッドガスケ
ットは、請求項10の発明において、前記シム板が、隣
接するボア穴間領域に相当する鼓形に形成されている場
合である。この場合でも、前記請求項10の作用効果と
同様な作用効果を実現することが出来る。
【0029】
【発明の実施の形態】
【実施例】本発明を実施例について以下に説明する。図
1〜図5に本発明の第1実施例を示す。図1は本実施例
のシリンダヘッドガスケット(以下、ガスケット)1の
平面図であり、図2はガスケット1に用いられる副板3
の平面図であり、図3は図1の切断面線X3−X3から
見た断面図であり、図4は図1の切断面線X4−X4か
ら見た断面図であり、図5は図1の切断面線X5−X5
から見た断面図である。前記図1では、シリンダブロッ
クの上面に形成された水穴とシリンダヘッドの下面に形
成された水穴が一点鎖線および二点鎖線でそれぞれ示さ
れている。以下、各図を参照して、ガスケット1の構成
について説明する。
【0030】ガスケット1は、基板2と副板3とが積層
されて構成され、自動車エンジンなどの内燃機関のシリ
ンダブロックとシリンダヘッドとの間に挟まれて、これ
らの接合面の間におけるエンジン用オイル或いは冷却水
などエンジンに用いられる機能流体のシールや燃焼排ガ
スのシールなどを行うものである。ガスケット1の基板
2の平面形状は図1に示されており、シリンダブロック
やシリンダヘッドなどに形成された例として3気筒など
のシリンダボアに対応する3個のボア穴4、5、6が形
成されている。
【0031】また、長手板状の基板2のボア穴4〜6の
各周囲に、例として鋳鉄などからなるシリンダブロック
側のウォータジャケットの上端の水穴や、アルミニウム
合金などからなるシリンダヘッドのウォータジャケット
の下面の水穴に対応した位置にそれぞれ複数の水通過穴
7が設けられている。これらの水通過穴7の内には、前
記シリンダブロックの水穴とシリンダヘッドの水穴とを
連結する位置に形成されるものや、シリンダブロックの
水穴に対応した位置に形成されていて、シリンダヘッド
には対応する水穴が形成されていないものもある。
【0032】基板2の長手方向両端部付近と各ボア穴4
〜6の間とには、ガスケット1を間に挟んだ状態でシリ
ンダブロックとシリンダヘッドとを相互に締め付けてガ
スケット1を圧縮するスタッドボルトが貫通する複数の
ボルト穴8が形成されている。また、ボルト穴8の近傍
にはシリンダブロックとシリンダヘッドとの間でオイル
が流れるための複数のオイル穴9が形成されている。更
に、各ボア穴4〜6の周囲において、副板3を後述する
ように基板2に固定するために用いられる係合穴10
が、各ボア穴4〜6毎に4つずつ、およびガスケット1
の長手方向両端側にそれぞれ1個ずつ合計14個形成さ
れている。係合穴10の設置位置の詳細については後述
する。
【0033】基板2には、各ボア穴4〜6の周縁部にお
いて、各ボア穴4〜6を囲むように、断面が略U字状の
フルビードからなるボア穴ビード11、12、13がそ
れぞれ形成されている。全体形状が略矩形板状の基板2
の外周に沿って、図3に示される断面がステップ形状の
ハーフビードからなる外周ビード14が形成されてい
る。基板2のエキゾーストマニホールド側(図1の下方
側、以下、エキマニ側と略称)には、シリンダブロック
におけるボルト穴とオイル穴とが近接して形成されてい
る箇所があり、これらの箇所に対応するガスケット1の
部分にはボルト穴8とオイル穴9とが一体のボルト穴8
aが複数箇所形成されている。基板2の2隅部の相互に
近接したボルト穴8およびオイル穴9の対の周りと、前
記ボルト穴8aの周りとには、それぞれ前記ハーフビー
ドからなるオイル穴ビード15aが形成されている。ま
た、各ボルト穴8の周りにはそれぞれ、前記ハーフビー
ドからなるボルト穴ビード15bが形成されている。
【0034】また、基板2には、図1に示されるように
複数の面圧調整用の透孔34が形成されている。この透
孔34は、ボア穴ビード11〜13の近傍を適宜面積に
亘って除去して形成される。透孔34は、例としてオイ
ルや冷却水などの機能流体を通過させる穴ではなく、基
板2を部分的に除去することで、透孔34近辺のボア穴
ビード11〜13などによるシール用の面圧を増大さ
せ、或いは面圧の均一化を図ろうとするものである。従
って、透孔34は、図1に示されるように、例としてガ
スケット1のエキマニ側でボア穴ビード11〜13とオ
イル穴ビード15aやボルト穴ビード15bとの間に形
成され、各ビード11〜13、15a、15bなどによ
る面圧の増大或いは面圧の均一化を図っている。
【0035】前記ボア穴ビード11〜13は、高さが例
として0.25mm、幅が例として2.0mmに設定さ
れ、外周ビード14などのハーフビードは、高さが例と
して0.35mm、幅が例として1.5mmに設定され
ている。このような基板2は、例としてSUS301H
などのステンレス鋼板などの金属板2aの両面に、例と
して膨張黒鉛シートなどの低摩擦係数の材料からなるシ
ール材層16が、接着層(図示せず)を介して固着され
ている。前記金属板2aの板厚は例として0.2mmに
選ばれ、シール材層16の層厚は例として0.1mmに
選ばれている。
【0036】一方、基板2に積層されている副板3は、
図2に示されるように、基板2の各ボア穴4、5、6毎
のボア穴ビード11〜13に重合する略円環状の複数の
環状部17、18、19を有している。これら各環状部
17〜19は、前記各ボア穴4、5、6の間のボア穴間
領域に相当する領域において略鼓形状の連結部20、2
1でそれぞれ一体に連結されている。図3〜図5に示さ
れるように、各環状部17〜19の半径方向内周端部
は、前記基板2側に折り返され、副板本体23自身に重
なるように折り返された折返部22が各環状部17〜1
9毎に形成されている。各環状部17〜19の折返部2
2は、各ボア穴ビード11〜13よりもボア穴4〜6寄
りに形成され、基板2のボア穴ビード11〜13よりも
ボア穴4〜6寄りの平坦部分に臨んでいる。
【0037】また、各環状部17〜19の外周には、前
記基板2に形成された係合穴10に対応する14箇所の
外周上の各位置に係合片25がそれぞれ形成されてい
る。各係合片25は、その先端が対応する係合穴10に
挿入されて折り返されるに必要な長さと幅で形成されて
いる。即ち、係合片25は、図5に示されるように、そ
の先端が基板2に形成された複数の係合穴10を挿通
し、基板2の副板3と反対側で折り返されて屈曲部39
が形成され、この屈曲部39が基板2の係合穴10の内
周縁を挟んで副板3を基板2に固定する。
【0038】以下、図1を併せて参照して、係合穴10
の形成位置について詳しく説明する。これらの係合穴1
0は後述するように、副板3に形成される舌状の係合片
25の先端を挿入するために形成され、挿入された前記
先端は折り曲げられて屈曲部39が構成され、この屈曲
部39によって副板3が基板2に固定される。このと
き、係合穴10における前記係合片25の屈曲部39
は、係合片25を構成する金属板が二重に折り返された
構成となり、この構成による積層厚によって締付圧が消
費されることが想定されるので、本実施例ではガスケッ
ト1のボア穴シールやオイル穴シールなどに不具合が生
じないように、以下に説明するように、前記各係合穴1
0の形成位置を定めている。
【0039】具体的には、本実施例のガスケット1にお
いて、インテークマニホールド側(図1の上方側、以
下、インマニ側と略称)の係合穴10の設置位置は、各
ボア穴3〜5毎にボア穴3〜5の中心とインマニ側の各
ボルト穴8の中心とを結ぶ直線上で、できるだけボルト
穴8に近い位置に形成されており、ボルト締付の際の圧
縮力が最も大きくなる領域に形成されている。これによ
り、ガスケット1の締付時において、係合穴10付近で
の前記係合片25の屈曲部39は、ボルトによる締付力
で強く圧縮されるが、ボア穴ビード3〜5やオイル穴ビ
ード15a、ボルト穴ビード15bなどから比較的離れ
ており、ボア穴ビード3〜5やオイル穴ビード15a、
ボルト穴ビード15bなどに対して、締付力低下や締付
力不均衡をもたらす不具合を生じないようにしている。
【0040】一方、ガスケット1のエキゾーストマニホ
ールド側(図1の下方側、以下、エキマニ側と略称)に
おいて、係合穴10は図1に一点鎖線で示されるシリン
ダヘッド側水穴32と、二点鎖線で示されるシリンダブ
ロック側水穴33とのいずれかに対応する位置に形成さ
れている。即ち、これらの水穴32、33にはガスケッ
ト1で完全に塞がれているものがある。このように水穴
32、33を塞ぐのは、シリンダブロック或いはシリン
ダヘッドの内部における冷却水の流量および流過方向を
調整して、エンジンの効率的冷却を図るためのものであ
る。このように、ガスケット1で塞がれる水穴32、3
3の形成箇所に係合穴10を形成すると、この係合穴1
0における係合片25の前記屈曲部39の厚さは水穴3
2、33で吸収され、ボア穴ビード11〜13やオイル
穴ビード15a、ボルト穴ビード15bなどによる面圧
に何等影響を及ぼさない。
【0041】このようにして、本実施例では、ガスケッ
ト1に係合穴10を形成して前記係合片25の先端部を
折り返して構成される屈曲部39によって副板3を基板
2に固定しても、屈曲部39はガスケット1のシール性
に不具合を及ぼさない。
【0042】このような形状を有する副板3は、例とし
てSUS310Sなどのステンレス鋼板などの金属板の
両面に、二硫化モリブデンなどの低摩擦係数の材料から
なる被膜31が形成された構成を有している。前記金属
板の板厚は例として0.08mmに選ばれ、被膜31の
膜厚は例として5〜15μmに選ばれている。
【0043】以下、本実施例のガスケット1の機能と作
用効果について説明する。 前記ガスケット1をシリンダブロックとシリンダヘッ
ドとの間に挟んで、前記ヘッドボルトを用いてこれらを
締め付ける場合、シリンダブロックやシリンダヘッドの
接合面にはツールマークなどの微少な凹凸が存在してお
り不整面である場合が多い。本実施例では、基板2のシ
ール材層16や副板3の被膜31が接合面の前記凹凸を
吸収し、前記締付時に接合面とガスケット1とが密着す
ることになる。即ち、締付時のガスケット1の接合面へ
のなじみ性が向上されている。これにより、前記凹凸が
ガスケットによって吸収されない場合に想定されるシー
ルすべき燃焼排ガスやオイル或いは冷却水などの前記凹
凸からの漏洩が確実に防止されている。
【0044】本実施例のガスケット1では、副板3の
各ボア穴内周縁を折り返して、折返部22を各環状部1
7〜19毎に形成し、この折返部22が基板2の各ボア
穴ビード11〜13よりもボア穴4〜6側に位置してい
る。これら折返部22によって、締付時において各ボア
穴ビード11〜13が平面状になるまで全屈されること
が防止され、ボア穴ビード11〜13のへたりや割れな
どの発生を防止することができる。
【0045】本実施例のガスケット1では、副板3を
基板2の各ボア穴ビード11〜13に相当する部分毎に
形成した環状部17〜19と、これらを連結部20、2
1で相互に連結するようにしている。従って、従来技術
のように副板を基板と同一形状に形成する必要がなく、
材料の使用量を削減することができる。また、各ボア穴
ビード11〜13に特段の加工を施すこと無く、ガスケ
ット1における各穴をシールする面圧を、ボアビード1
1〜13に集中して増大することができ、各ボア穴4〜
6周りのシール性を向上することができる。
【0046】本実施例のガスケット1では、面圧調整
用の透孔34を基板2を部分的に除去することで形成し
ている。これにより、透孔34部分での面圧の消費を解
消でき、その分の面圧を透孔34近辺のボア穴ビード1
1〜13などによるシール用の面圧に振り向けて増大さ
せ、或いは面圧の均一化を図ることができる。
【0047】以下、図6〜図8に本発明の第2実施例の
ガスケット1aを示す。図6は本実施例のガスケット1
aの平面図であり、図7はガスケット1aに用いられる
副板3aの平面図であり、図8は図6の切断面線X8−
X8から見た断面図である。本実施例は、前記第1実施
例に類似し、対応する部分には同一の参照符号を付す。
本実施例の特徴は、前記第1実施例のガスケット1にお
いて、副板3の基板2に対する固定のための構造が異な
る点である。その他の構成は第1実施例のガスケット1
と同様であり、再度の説明を省略する。
【0048】本実施例のガスケット1aでは、図6に示
されるように、基板2の各ボルト穴8を前記第1実施例
における係合穴10として用いると共に、ボルト穴8以
外に別途係合穴10を形成している。また、これに対応
して、副板3を構成する各環状部17〜19の外周に
は、それぞれ1箇所或いは複数箇所に係合片35が形成
されている。これらの係合片35は、前記複数の係合穴
10に係合される第1実施例の係合片25と同一形状の
複数の係合片25と、前記ボルト穴8にかしめ付けられ
るかしめ用の複数の係合片36とを備えている。係合片
36は、隣接する環状部17、18および環状部18、
19の間に設けられる。
【0049】例として、環状部17、18の間の係合片
36は、各環状部17、18からそれぞれ半径方向外方
に延びる連結片26、27と、連結片26、27の先端
に共通に連結された環状片28とを含んで構成される。
環状片28は、前記ボルト穴8にグロメット状に固定さ
れるものであり、その内径L1はボルト穴8の穴径L3
より小径に定められ、環状片28の外径L2はボルト穴
8の穴径L3より大径に定められる。従って、環状片2
8をボルト穴8に位置決めした後、プレス加工や絞り加
工などで環状片28を折り返して、図8に示される折返
部29を形成する。これにより、折返部29はボルト穴
8の内周縁を挟んで、副板3aを基板2に固定する。
【0050】このような構成のガスケット1aにおいて
も、第1実施例において、前記項で説明した接合面へ
のなじみ性の向上、項で説明したボアビード11〜1
3のへたりや割れの防止効果、項で説明したボア穴4
〜6周りのシール性の向上、項で説明した透孔34に
よる面圧調整作用などの効果を実現することができる。
【0051】以下、図9〜図11に本発明の第3実施例
のガスケット1bを示す。図9は本実施例のガスケット
1bの平面図であり、図10は図9の切断面線X10ー
X10から見た断面図であり、図11は図9の切断面線
X11ーX11から見た断面図である。本実施例は、前
記第1実施例に類似し、対応する部分には同一の参照符
号を付す。本実施例の特徴は、前記第1実施例のガスケ
ット1において、副板3の折返部22に部分的にシム板
24が装着された点である。その他の構成は第1実施例
のガスケット1と同様であり、再度の説明を省略する。
【0052】本実施例のガスケット1bは、前記第1実
施例のガスケット1において、基板2の各ボア穴4〜6
の間の領域であるボア穴間領域に対向する折返部22の
周方向範囲の部分において、折返部22と副板本体23
との間にシム板24が挟まれている。一方、折返部22
のボア穴間領域に対向する周方向範囲以外の周方向範囲
の部分において、折返部22と副板本体23との間にシ
ム板24は挟まれておらず、折返部22は副板本体23
に直接重合されている。
【0053】このシム板24は、例としてSUS304
などのステンレス鋼板などの金属板から所定形状にプレ
ス加工などで形成され、その板厚は例として0.03m
mに選ばれている。従って、副板3の各ボア穴内周縁部
分は、ボア穴間領域において、折返部22の板厚0.0
8mm+シム板24の板厚0.03mm=0.12mm
程度、副板本体23に対して隆起した段差部を構成して
いる。また、副板3の各ボア穴内周縁部分のボア穴間領
域以外の領域において、折返部22の板厚0.08mm
程度、副板本体23に対して隆起した段差部を構成して
いる。
【0054】前記シム板24の板厚は、以下の理由に基
づいて選定されている。ガスケット1をシリンダブロッ
クとシリンダヘッドとの間に挟んで、ヘッドボルトを用
いてこれらを一体に締め付けたエンジンを運転すると、
前記素材のシリンダヘッドの熱膨張係数がシリンダブロ
ックの熱膨張係数より大きいことから、シリンダブロッ
クとシリンダヘッドとの間の間隙が、シリンダヘッドの
長手方向の端部側から中央部側にかけて拡大するよう
に、シリンダヘッドが撓むことが知られている。このよ
うな撓みにより、ガスケット長手方向の中央部付近の前
記各ビードによる面圧が低下し、シール能力が低下する
ことになる。
【0055】一方、シリンダブロックとシリンダヘッド
との間の間隙の大きさの増大分である前記撓み量は、シ
リンダブロックやシリンダヘッドを構成する材料の熱膨
張係数、エンジンのサイズ、および運転時の周囲の温度
やシリンダボア内の温度などによって定まる固定値であ
る。本実施例において、この撓み量が例として0.03
mmの場合を想定する。この撓み量に対応して、本実施
例では、前記シム板24として板厚0.03mmのもの
を選定する。
【0056】以下、本実施例のガスケット1bの作用効
果について説明する。ガスケット1bは、前記シム板2
4を装着した点が実施例1のガスケット1と構成上、異
なる点であるので、前記実施例1において説明した項
〜項の作用効果を実現できるに加え、以下の項〜
項の作用効果を実現できるものである。
【0057】本実施例のガスケット1bでは、副板3
の各ボア穴内周縁を折り返して、折返部22を各環状部
17〜19毎に形成し、この折返部22が基板2の各ボ
ア穴ビード11〜13よりもボア穴4〜6側に位置し、
前述した段差部を構成している。これら段差部によっ
て、締付時において各ボア穴ビード11〜13が平面状
になるまで全屈されることが防止され、ボア穴ビード1
1〜13のへたりや割れなどの発生を防止することがで
きる。
【0058】本実施例のガスケット1bを、シリンダ
ヘッドとシリンダブロックとの間に挟んで締め付けてエ
ンジンを回転させるとき、エンジンの温度が上昇するに
従い、シリンダブロックとシリンダヘッドとを形成する
材質の熱膨張率の相違に基づいて、シリンダヘッドが撓
んでシリンダブロックとシリンダヘッドとの間隙が、シ
リンダボアの配列方向両端よりも中央部になるほど大き
くなる。
【0059】本実施例のガスケット1bでは、前記シリ
ンダヘッドの撓み量に対応した板厚のシム板24をボア
穴間領域に配置しているので、このシム板24がシリン
ダヘッドの撓みによって拡大した前記間隙を補填し、ガ
スケット1bとシリンダブロックやシリンダヘッドの接
合面との間に間隙を生じさせない。従って、前記間隙が
増大した場合に想定されるボア穴ビード11〜13がシ
リンダブロックやシリンダヘッドの接合面によって叩か
れる現象を防止することができ、ボア穴ビード11〜1
3のへたりや割れの発生を防止することができる。
【0060】また、本実施例のガスケット1bでは、シ
ム板24をボア穴間領域に配置することによってシリン
ダブロックとシリンダヘッドとの間の間隙を補填するよ
うにしている。これにより、シリンダヘッドの撓んだと
きに想定される各環状部17〜19の折返部22がシリ
ンダブロックやシリンダヘッドの接合面によって叩かれ
る現象を防止することができ、折返部22におけるへた
りや割れの発生を防止することができ、この撓みによる
シール性の低下を防止することができる。
【0061】本実施例のガスケット1bを、シリンダ
ヘッドとシリンダブロックとの間に挟んで締め付けてエ
ンジンを回転させるとき、シリンダボア内で発生する燃
焼排ガスは、ボア穴ビード11〜13によってシールさ
れる。このボア穴ビード11〜13は高温の燃焼排ガス
に曝され、またボア穴ビード11〜13にはシリンダボ
ア内での周期的爆発により脈動圧が厚み方向に加えられ
て叩かれる状態になる。このような高温や脈動圧に関す
る条件は、前述したボア穴間領域における場合が、その
他のボア穴周縁領域における場合よりも過酷である。
【0062】本実施例のガスケット1bにおいて、副板
3のボア穴4〜6の周縁部に折返部22が形成されてお
り、更に、折返部22のボア穴間領域に相当する範囲に
は内部にシム板24が配置されている。これにより、ガ
スケット1bのボア穴間領域に相当する領域は、その他
の領域に比較して機械的強度が増大され、前記、項
で説明した作用効果と共同で、ガスケット1bの耐久性
を向上することができる。
【0063】以下、図12〜図14に本発明の第4実施
例のガスケット1cを示す。図12は本実施例のガスケ
ット1cの平面図であり、図13はガスケット1cに用
いられる中間板37の平面図であり、図14は図12の
切断面線X14ーX14から見た断面図である。本実施
例は、前記第1実施例に類似し、対応する部分には同一
の参照符号を付す。本実施例のガスケット1cは、前記
第1実施例のガスケット1における基板2と同様な基板
2、副板3、中間板37および他の基板38を用いる4
層構造であり、基板38のボア穴ビード11〜13、外
周ビード14、オイル穴ビード15aおよびボルト穴ビ
ード15bの突出方向は基板2と対称で、副板3側に凸
に形成されている。また、基板2における係合穴10は
基板38では後述する理由で形成されない場合がある。
【0064】本実施例のガスケット1cの特徴は以下の
通りである。ガスケット1cの副板3は図2を参照して
説明した第1実施例の副板3と同様な構成及び形状であ
り、図7を参照して説明した第2実施例における副板3
aの円環状の係合片36は有していない。本実施例で
は、副板3の全ての係合片25の設置位置は、各ボア穴
4、5、6の中心と各ボルト穴8の中心とを結ぶ仮想線
上に選ばれている。即ち、前記各実施例において、基板
2に係合される屈曲部39がガスケット1cの面圧分布
に不所望な影響を及ぼさないようにするために、係合片
25の形成個所を考慮して、デッキ面に形成された水穴
32、33の設置個所に前記屈曲部39を位置させる技
術は採用していない。
【0065】このような各屈曲部39の設置位置を定め
た場合に想定される各屈曲部39の積層厚によるガスケ
ット1cの面圧分布への不所望な影響は、図13に示さ
れるように、中間板37を適切な形状に形成することに
よって予め排除される。即ち、本実施例の中間板37に
は、ボア穴40、41、42、水通過穴43、ボルト穴
44、オイル穴45及び透孔46が形成されている。こ
れらの各穴の内、ボア穴40、41、42、水通過穴4
3、ボルト穴44及びオイル穴45は、基板2に形成さ
れたボア穴4〜6、水通過穴7、ボルト穴8及びオイル
穴9と対応した穴であり、同位置に形成される。
【0066】一方、透孔46は前記各屈曲部39を収納
可能なサイズに形成され、各屈曲部39と同位置に形成
される。組み立てた状態のガスケット1cをエンジンに
装着して締め付けると、シリンダヘッドとシリンダブロ
ックとの各デッキ面で挟まれたガスケット1cにおい
て、他部より積層厚が大きい屈曲部39部分には、他部
より大きな力が作用するが、中間板37に透孔46が形
成されているので、屈曲部39が透孔46内に移動する
ように変形する。これにより、各屈曲部39が対応する
透孔46内に収納される。従って、本実施例では、ガス
ケット1cをエンジンに装着した際であっても、各屈曲
部39がガスケット1cの面圧分布に不所望な影響を及
ぼす事態が防止される。また、これにより、基板38と
して、基板2における係合穴10が形成されている基板
2と同一の基板を用いてもよく、或いは、係合穴10が
形成されていない基板を用いてもよい。
【0067】また、本実施例では、各屈曲部39の面圧
に対する影響を考慮する必要がなくなるため、基板2や
副板3の形状を設計する際に、屈曲部39用の特段の透
孔を形成したり、基板2の冷却水用穴などを係合用に利
用するために、基板2における冷却水穴の形成位置や形
状を考慮したりする必要がなく、ガスケット1cの設計
上の自由度が増大される。
【0068】また、副板3の板厚や基板2のシール材層
16の厚さなどを、ガスケット1cの面圧分布に関する
前記屈曲部39の面圧に対する影響を排除する目的で考
慮する必要がなく、この点でもガスケット1c全体の設
計の自由度、ガスケット1cを構成する材料や材料の厚
さの選択などの自由度も向上される。本発明は、上記実
施例に限定されるものではなく、本発明の精神を逸脱し
ない範囲で広範な種類の実施例を含むものである。
【0069】
【発明の効果】請求項1の発明を用いることにより、下
記の効果を奏することができる。本発明のシリンダヘッ
ドガスケットは、基板のボア穴周辺領域に副板の環状部
が重合された構成である。従って、ボア穴周辺領域以外
の領域におけるよりも熱的負荷或いは応力的負荷が大き
いボア穴周辺領域において、シール用面圧が増大する。
また、締付時のボアビードの圧縮量が、副板環状部の折
返部によって抑制される。このため、エンジン運転時の
シリンダボアにおける周期的爆発によるボアビードの周
期的変形の振幅が抑制され、ボアビードのへたりや割れ
の発生を確実に防止することができ、シリンダヘッドガ
スケットの耐久性を格段に向上することができる。
【0070】また、本発明において、折返部は、ボア穴
周りの全周で基板の環状ビードよりも径方向内方の平坦
部に重合する位置で、副板自身に重なるように折り返さ
れている。これにより、シリンダヘッドガスケットをエ
ンジンに装着したときに、ボアビードが平坦形状へ変形
することが折返部で防止される。従って、ボアビードの
復元力が維持され、ボアビードのへたり現象が防止され
る。
【0071】請求項2の発明のシリンダヘッドガスケッ
トは、少なくとも一つの前記基板と、前記副板と、これ
ら少なくとも一つの基板及び副板に積層され、少なくと
もボア穴が形成された中間板とを備えている。この発明
において、副板の各環状部に設けられた半径方向外方に
延びる複数の係合片の先端付近に形成された屈曲部は、
基板に形成された複数の穴の一部の係合穴と係合され
る。更に、前記中間板には、各係合片の屈曲部を含む範
囲にそれぞれ透孔が形成されている。
【0072】従って、前記屈曲部は、シリンダヘッドガ
スケットをエンジンに装着して締付けたときに変形し
て、中間板に形成された各透孔にそれぞれ収納される。
これにより、本発明のガスケットにおいて、前記請求項
1の発明の作用効果に加え、各屈曲部は、厚さが副板の
板厚の2倍になる個所であるにも関わらず、ガスケット
の面圧分布に影響を及ぼす事態が防止されるという作用
効果も実現される。
【0073】また、本発明では、前記各係合片の屈曲部
の面圧に対する影響を考慮する必要がなくなるため、基
板の形状を設計する際に屈曲部用の特段の透孔を形成し
たり、基板の冷却水用穴などを係合用に利用するため
に、基板における冷却水穴の形成位置や形状を考慮した
りする必要がなく、ガスケットの設計上の自由度が増大
される。
【0074】また、副板の板厚や基板のシール材の厚さ
などを、ガスケットの面圧分布に関する前記屈曲部の面
圧に対する影響を排除する目的で考慮する必要がなく、
この点でもガスケット全体の設計の自由度、材料や材料
の厚さの選択などの自由度も向上される。
【0075】請求項3の発明では、請求項1、2のいず
れかの発明において、副板を基板に対して固定する前記
係合片の板厚は、基板の前記シール材層の層厚より薄く
形成されている。従って、締付時に前記係合片はシール
材層中に埋没し、本発明のシリンダヘッドガスケットの
シール性になんら不都合を生じさせない。これにより、
シリンダヘッドガスケットのシール性に影響を及ぼさな
い係合片で副板を基板に対して固定できるので、前記係
合片の配置に関して大きな自由度を得ることができる。
【0076】請求項4の発明のシリンダヘッドガスケッ
トは、請求項1、2のいずれかの発明において、基板を
平坦な金属芯材の両面に低摩擦係数の材料からなるシー
ト層を設けたガスケット材に、環状ビードや複数の穴を
形成して構成した場合である。シリンダブロックとシリ
ンダヘッドとの熱膨張率が異なり、シリンダヘッドの熱
膨張量がシリンダブロックの熱膨張量より大きい場合
に、ガスケットの上面がシリンダヘッド下面によって周
期的に強く擦られる。また、ガスケットの締付時にボア
ビードが圧縮変形することにより、基板のボアビード付
近が屈曲して、ガスケットのシリンダヘッド側に線状の
環状突起が生じているが、この環状突起がシリンダヘッ
ド下面によって周期的に強く擦られることになる。
【0077】本発明において、基板は上記の構成である
ので、ガスケットのシリンダヘッド側の線状の環状突起
がシリンダヘッド下面によって周期的に強く擦られる場
合であっても、この摩擦は低摩擦係数のシート層によっ
て良好に吸収されるので、シート層を含む基板がシリン
ダヘッド下面によって周期的に強く擦られて、損傷した
り割れを生じたりする事態が防止される。また、前記シ
ート層が膨張黒鉛シートの場合でも、前述した作用効果
を実現することができる。
【0078】請求項5の発明のシリンダヘッドガスケッ
トは、請求項1、2のいずれかの発明において、前記副
板が金属芯材表面に低摩擦係数のシール材層を形成して
構成される場合である。副板は、基板の環状ビード突出
側に積層配置されているので、環状ビード突出側の環状
突起により、この環状突起が対向するシリンダヘッド或
いはシリンダブロックの接合面が圧痕などで損傷される
ことが防止され、また、締付時に圧縮された環状突起の
復元力によって生じる面圧が前記接合面に分散して面状
に加えられ、面圧の局部的集中を防止することができ
る。更に、低摩擦係数のシール層により、シリンダヘッ
ドガスケットの副板側と接合面との間に前記周期的摩擦
力が作用する場合でも、副板の損傷などが防止される。
【0079】請求項6の発明のシリンダヘッドガスケッ
トは、請求項1の発明において、前記各係合穴は、各係
合穴における前記折返部の積層厚が、前記ボア穴などの
シール箇所のシールに必要な面圧を低下させない位置に
形成されている場合である。前記折返部は係合片先端を
折り返して構成されるので、その積層厚が係合片板厚の
倍になり、シリンダヘッドガスケットのシール性に影響
を及ぼす可能性が想定されるが、本発明において、この
折返部はシール箇所のシールに必要な面圧を低下させな
い位置に形成されているので、折返部の形成位置と関わ
り無く、基板におけるシール必要箇所のシール機構を設
計することができ、ガスケットの設計の自由度が増大す
る。
【0080】請求項7の発明のシリンダヘッドガスケッ
トは、請求項6の発明において、前記複数の係合穴の一
部分の係合穴は、シリンダブロックまたはシリンダヘッ
ドの接合面に形成された冷却水が通過する水穴の形成位
置に形成されている場合である。この場合、係合穴にお
ける前記係合片の折返部の副板の本体との積層厚は、前
記水穴によって吸収され、締付時に係合片はシリンダヘ
ッドガスケットのシール性に影響を及ぼさない。
【0081】請求項8の発明は、請求項1、2のいずれ
かの発明において、前記基板には、締付用ボルトが挿通
される複数のボルト穴が形成され、前記複数の係合穴の
他の一部分は、前記基板の各ボア穴中心と該ボルト穴の
中心とを結ぶ直線上で、ボルト穴近傍に配置されている
ので、シリンダヘッドガスケットの他のシール必要部分
のシール性に影響を及ぼすことが防止されている。
【0082】請求項9の発明のシリンダヘッドガスケッ
トは、請求項1、2のいずれかの発明において、前記基
板には、前記ボア穴を含むシール箇所をシールするため
の面圧を調整するための面圧調整用透孔が形成される場
合である。
【0083】この場合、面圧調整用透孔を適宜の位置及
び形状で形成することにより、該透孔部分における面圧
の消費を解消でき、その分の面圧を他の箇所のシール作
用に振り向けることができ、ガスケット全体のシール必
要箇所における面圧の増大及び均一化を図ることができ
る。
【0084】請求項10の発明のシリンダヘッドガスケ
ットは、請求項1、2のいずれかの発明において、前記
副板の折返部が、隣接するボア穴の間のボア穴間領域以
外の領域において副板自身に重なるように折り返され、
ボア穴間領域において副板自身との間にシム板を挟んで
折り返されている。
【0085】従って、ボア穴間の領域以外の領域におけ
るよりも熱的負荷或いは応力的負荷が大きいボア穴間の
領域において、折返部の積層厚は大きくなり、締付時の
ボアビードの圧縮量が、シム板を挟まない折返部の領域
のボアビードの圧縮量よりも抑制される。このため、エ
ンジン運転時のシリンダボアにおける周期的爆発による
ボアビードのボア穴間領域の部分の周期的変形の振幅
が、ボア穴間領域以外の領域の部分におけるよりも抑制
され、ボアビードのへたりや割れの発生を確実に防止す
ることができ、シリンダヘッドガスケットの耐久性を格
段に向上することができる。
【0086】請求項11の発明のシリンダヘッドガスケ
ットは、請求項10の発明において、前記シム板が、隣
接するボア穴間領域に相当する鼓形に形成されている場
合である。この場合でも、前記請求項10の作用効果と
同様な作用効果を実現することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例のシリンダヘッドガスケット1の平
面図である。
【図2】ガスケット1に用いられる副板3の平面図であ
る。
【図3】図1の切断面線X3−X3から見た断面図であ
る。
【図4】図1の切断面線X4−X4から見た断面図であ
る。
【図5】図1の切断面線X5−X5から見た断面図であ
る。
【図6】第2実施例のガスケット1aの平面図である。
【図7】ガスケット1aに用いられる副板3の平面図で
ある。
【図8】図6の切断面線X8−X8から見た断面図であ
る。
【図9】第3実施例のガスケット1bの平面図である。
【図10】図9の切断面線X10ーX10から見た断面
図である。
【図11】図9の切断面線X11ーX11から見た断面
図である。
【図12】第4実施例のガスケット1cの平面図であ
る。
【図13】ガスケット1cに用いられる中間板37の平
面図である。
【図14】図12の切断面線X14ーX14から見た断
面図である。
【符号の説明】
1、1a、1b、1c ガスケット 2、38 基板 2a 金属板 3、3a 副板 4〜6、40〜42 ボア穴 7、43 水通過穴 8、44 ボルト穴 9、45 オイル穴 10 係合穴 11〜13 ボア穴ビード 14 外周ビード 15a オイル穴ビード 15b ボルト穴ビード 16 シール材層 17〜19 環状部 22、29 折返部 23 副板本体 24 シム板 25、35、36 係合片 26、27 連結片 28 環状片 32、33 接合面の水穴 34 面圧調整用透孔 37 中間板 39 屈曲部 46 透孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 日野 義和 大阪府池田市桃園2丁目1番1号 ダイハ ツ工業株式会社内 (72)発明者 太田 稔 大阪府池田市桃園2丁目1番1号 ダイハ ツ工業株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダヘッドとシリンダブロックとの
    間に配置されてこれらの接合面の間をシールするガスケ
    ットであって、 シリンダボアに対応した位置に形成された複数のボア穴
    の周縁部分にそれぞれ形成された複数の環状ビードと、
    シリンダヘッドとシリンダブロックとの間の気体或いは
    液体などの機能流体が通過する流体穴を含む複数の穴と
    が形成され、両表面にシール材層が設けられた弾性金属
    板から形成された基板と、 該基板の各ボア穴の周縁部分にそれぞれ重合される複数
    の環状部と、各環状部を該シリンダボアの間のボア間領
    域に相当するボア穴間領域で連結する連結部とを含み、
    該環状ビードの突出側に配置された副板とを備え、 該副板には、各環状部のボア穴内方端部が副板自身に重
    なるように折り返され、ボア穴周りの全周で該基板の該
    環状ビードよりも径方向内方の平坦部に重合する折返部
    が形成され、 該副板の各環状部に設けられた半径方向外方に延びる複
    数の係合片の先端付近には屈曲部が形成されて該基板に
    形成された複数の穴の一部の係合穴と係合されるように
    したシリンダヘッドガスケット。
  2. 【請求項2】 シリンダヘッドとシリンダブロックとの
    間に配置されてこれらの接合面の間をシールするガスケ
    ットであって、 シリンダボアに対応した位置に形成された複数のボア穴
    の周縁部分にそれぞれ形成された複数の環状ビードと、
    シリンダヘッドとシリンダブロックとの間の気体或いは
    液体などの機能流体が通過する流体穴を含む複数の穴と
    が形成され、両表面にシール材層が設けられた弾性金属
    板から形成された少なくとも一つの基板と、 該基板の各ボア穴の周縁部分にそれぞれ重合される複数
    の環状部と、各環状部を該シリンダボアの間のボア間領
    域に相当するボア穴間領域で連結する連結部とを含み、
    該環状ビードの突出側に配置された副板であって、各環
    状部の該ボア穴内方端部が副板自身に重なるように折り
    返され、該ボア穴周りの全周で該基板の該環状ビードよ
    りも径方向内方の平坦部に重合する折返部が形成されて
    いる副板と、 基板及び副板に積層され、少なくともボア穴が形成され
    た中間板とを備え、 該副板の各環状部に設けられ、半径方向外方に延びる複
    数の係合片の先端付近には屈曲部が形成されて該基板に
    形成された複数の穴の一部の係合穴と係合され、 該中間板には、各係合片の屈曲部を含む範囲にそれぞれ
    透孔が形成されているシリンダヘッドガスケット。
  3. 【請求項3】 前記係合片の板厚は、前記シール材層の
    層厚より薄く選ばれている請求項1、2のいずれかに記
    載のシリンダヘッドガスケット。
  4. 【請求項4】 前記基板は、平坦な金属芯材の両面に低
    摩擦係数の材料からなるシール材層を接合したガスケッ
    ト材に、前記環状ビードや複数の穴を形成して構成され
    ている請求項1、2のいずれかに記載のシリンダヘッド
    ガスケット。
  5. 【請求項5】 前記副板は、金属芯材表面に低摩擦係数
    の被膜を形成して構成されている請求項1、2のいずれ
    かに記載のシリンダヘッドガスケット。
  6. 【請求項6】 前記各係合穴は、該係合穴における前記
    折返部の積層厚が、前記ボア穴などのシール箇所のシー
    ルに必要な面圧を低下させない位置に形成されている請
    求項1に記載のシリンダヘッドガスケット。
  7. 【請求項7】 前記複数の係合穴の一部分の係合穴は、
    シリンダブロックまたはシリンダヘッドの接合面に形成
    された冷却水が通過する水穴の形成位置に形成されてい
    る請求項6に記載のシリンダヘッドガスケット。
  8. 【請求項8】 前記基板には、締付用ボルトが挿通され
    る複数のボルト穴が形成され、前記複数の係合穴の他の
    一部分は、前記基板の各ボア穴中心と該ボルト穴の中心
    とを結ぶ直線上で、ボルト穴近傍に形成されている請求
    項1、2のいずれかに記載のシリンダヘッドガスケッ
    ト。
  9. 【請求項9】 前記基板には、前記ボア穴を含むシール
    箇所をシールするための面圧を調整するための面圧調整
    用透孔が形成されている請求項1、2のいずれかに記載
    のシリンダヘッドガスケット。
  10. 【請求項10】 前記副板の前記折返部は、隣接するボ
    ア穴の間のボア穴間領域以外の領域において副板自身に
    重なるように折り返され、該ボア穴間領域において副板
    自身との間にシム板を挟んで折り返されている請求項
    1、2のいずれかに記載のシリンダヘッドガスケット。
  11. 【請求項11】 前記シム板は、隣接するボア穴間領域
    に相当する鼓形に形成されている請求項10に記載のシ
    リンダヘッドガスケット。
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