明 細 書
ポリアミド酸を含む下層反射防止膜形成組成物
技術分野
[0001] 本発明は半導体装置製造のリソグラフィープロセスにおいて使用される下層反射防 止膜形成組成物、及びその下層反射防止膜形成組成物を用いたフォトレジストバタ ーンの形成方法に関する。特に、 i線 (波長 365nm)または g線 (波長 432nm)を使用 したリソグラフィープロセスにおいて使用される下層反射防止膜形成組成物に関する 。より詳細には、フォトレジスト用のアルカリ性現像液で現像できる下層反射防止膜を 形成するための下層反射防止膜形成組成物、及びその下層反射防止膜形成組成 物を用いた、フォトレジストと下層反射防止膜を同時に現像することによるフォトレジス トパターンの形成方法に関する。
背景技術
[0002] 半導体装置の製造において、フォトレジストを用いたリソグラフィ一による微細加工 が行われている。微細加工はシリコンウェハー等の半導体基板上にフォトレジストの 薄膜を形成し、その上にデバイスのパターンが描かれたマスクパターンを介して紫外 線などの活性光線を照射し、現像し、得られたフォトレジストパターンを保護膜として 基板をエッチング処理することにより、基板表面に、前記パターンに対応する微細凹 凸を形成する加工法である。し力しながら、これらのフォトリソグラフィー工程では、露 光に使用された光の基板からの反射による定在波の影響や、基板の段差による乱反 射の影響により、フォトレジストパターンの寸法精度が低下するという問題が生じてい た。そこで、この問題を解決すベぐフォトレジストと基板の間に下層反射防止膜 (Bot torn Anti- Reflective Coating、: BARC)を設ける方法が検討されてきている。
[0003] これらの下層反射防止膜は、その上に塗布されるフォトレジストとのインターミキシン グを防ぐため、熱架橋性組成物を使用して形成されることが多い。その結果、反射防 止膜はフォトレジスト用のアルカリ性現像液に不溶となり、半導体基板加工に先立つ 下層反射防止膜の除去は、ドライエッチングによって行なうことが必要である(例えば 、特許文献 1参照。)。
[0004] しかし、下層反射防止膜のドライエッチングによる除去と同時に、フォトレジストもェ ツチングにより除去される。そのため、基板加工に必要なフォトレジストの膜厚の確保 が難しくなるという問題が生じる。解像性の向上を目的として、薄膜のフォトレジストが 使用されるような場合に、特に重大な問題となる。
[0005] また、半導体装置製造におけるイオン注入工程はフォトレジストパターンを铸型とし て半導体基板に不純物を導入する工程であり、基板表面に損傷を与えることを避け るため、フォトレジストのパターン形成に当たってはドライエッチング工程を行なうこと ができない。そのため、イオン注入工程のためのフォトレジストパターンの形成におい ては、ドライエッチングによる除去を必要とする反射防止膜をフォトレジストの下層に 使用することができなカゝつた。これまでイオン注入工程で铸型として用いられるフォト レジストパターンは、その線幅が広ぐ基板からの露光光の反射による定在波の影響 や、基板の段差による露光光の乱反射の影響を受けることが少な力つたため、染料 入りフォトレジストを用いることやフォトレジスト上層に反射防止膜を用いることで反射 による問題は解決されてきた。しかしながら、近年のパターンサイズの微細化に伴い イオン注入工程で用いられるフォトレジストにも微細なパターンが必要とされ始め、フ オトレジストの下層に反射防止膜を使用することが必要となってきた。
[0006] このようなことから、フォトレジストの現像に使用されるアルカリ性現像液に溶解し、フ オトレジストと同時に現像除去することができる下層反射防止膜の開発が望まれてい た。ところで、これまでも、フォトレジストと同時に現像除去することができる下層反射 防止膜についての検討がなされているが(例えば、特許文献 2、特許文献 3、特許文 献 4、特許文献 5、特許文献 6参照。 )、微細加工への適用性や、形成されるパターン 形状などの点にお!、て、充分なものではなかった。
特許文献 1 :米国特許第 6156479号明細書
特許文献 2:特許第 2686898号公報
特許文献 3:特開平 9 - 78031号公報
特許文献 4:特開平 11― 72925号公報
特許文献 5:国際公開第 03Z057678号パンフレット
特許文献 6:国際公開第 03Z058345号パンフレット
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0007] 本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、フォトレジストの現像に使用される アルカリ性現像液に可溶である下層反射防止膜、及びその下層反射防止膜を形成 するための組成物を提供することを目的とする。
[0008] すなわち、本発明の目的は、半導体装置の製造に使用される下層反射防止膜形 成組成物を提供することにある。そして、上層に塗布、形成されるフォトレジストとのィ ンターミキシングを起こさず、アルカリ性現像液に溶解し、フォトレジストと同時に現像 除去可能な下層反射防止膜、及び該下層反射防止膜を形成するための下層反射 防止膜形成組成物を提供することにある。
[0009] また、本発明は、 i線 (波長 365nm)に対して優れた吸収を示し、アルカリ性現像液 に可溶である下層反射防止膜を提供することを目的とする。
[0010] また、本発明の目的は、当該下層反射防止膜形成組成物を使用した、半導体装置 の製造に用いられるフォトレジストパターンの形成方法を提供することである。
課題を解決するための手段
[0011] 本発明は、第 1観点として、アルカリ性現像液によってフォトレジストと共に現像され る下層反射防止膜を形成するための下層反射防止膜形成組成物において、式(1) 及び式(2) :
[0012] [化 1]
(式中、 A及び Aは 4価の有機基を表し、 Bは 3価の有機基を表し、 Bは 2価の有機
1 2 1 2
基を表す)で表される構造を有するポリアミド酸、少なくとも二つのエポキシ基を有す る化合物、波長 365nmの光に対するモル吸光係数が 5000〜100000 (lZmol' c m)である吸光性ィ匕合物、及び溶剤を含むことを特徴とする下層反射防止膜形成組 成物、
第 2観点として、前記ポリアミド酸が (a)テトラカルボン酸二無水物化合物、(b)少な くとも一つのカルボキシル基を有するジァミンィ匕合物、及び (c)ジァミン化合物を反応 させて製造されるポリアミド酸であることを特徴とする、第 1観点に記載の下層反射防 止膜形成組成物、
第 3観点として、前記 (a)テトラカルボン酸二無水物化合物が、少なくとも一つのベ ンゼン環構造を有するテトラカルボン酸二無水物化合物であることを特徴とする、第 2 観点に記載の下層反射防止膜形成組成物、
第 4観点として、前記 (b)少なくとも一つのカルボキシル基を有するジァミンィ匕合物 力 少なくとも一つのベンゼン環構造を有するジァミンィ匕合物であることを特徴とする 、第 2観点に記載の下層反射防止膜形成組成物、
第 5観点として、前記 (c)ジァミン化合物が、二つのベンゼン環構造を有するジアミ ン化合物であることを特徴とする、第 2観点に記載の下層反射防止膜形成組成物、 第 6観点として、前記少なくとも二つのエポキシ基を有する化合物が、三乃至五個 のエポキシ基を有する化合物であることを特徴とする、第 1観点に記載の下層反射防 止膜形成組成物、
第 7観点として、前記吸光性化合物が、 2- (4ージェチルアミノー 2 ヒドロキシべ ンゾィル)安息香酸、 2—(4 ジブチルアミノー 2 ヒドロキシベンゾィル)安息香酸、 2, 2' , 4, 4,一テトラヒドロキシベン:/フエノン、 2, 3, 3 ' , 4, 4,, 5,一へキサヒドロキ シベンゾフエノン、ウスニックアシッド、フエ-ルフルォロン、ロゾリックアシッド、 1, 8, 9 —トリヒドロキシアントラセン、 2— (4—ヒドロキシフエ-ルァゾ)安息香酸、メチルレッド 、 4, 4'ージァミノべンゾフエノン、 5, 5,ーメチレンビス(2 ヒドロキシー4ーメトキシべ ンゾフエノン)、 3, 4—ジァミノべンゾフエノン、クノレクミン、及び α シァノ 4—ヒドロ キシシンナミックアシッドからなる群力も選ばれる化合物であることを特徴とする、第 1
観点に記載の下層反射防止膜形成組成物、
第 8観点として、更に、ナフタレンカルボン酸ィ匕合物を含むことを特徴とする、第 1観 点に記載の下層反射防止膜形成組成物、
第 9観点として、更にナフトキノンジアジドスルホン酸ィ匕合物を含むことを特徴とする 、第 1観点に記載の下層反射防止膜形成組成物、
第 10観点として、第 1観点乃至第 9観点のいずれか一つに記載の下層反射防止膜 形成組成物を半導体基板上に塗布し焼成して下層反射防止膜を形成する工程、前 記下層反射防止膜上にフォトレジスト層を形成する工程、前記下層反射防止膜と前 記フォトレジスト層で被覆された半導体基板を露光する工程、露光後にアルカリ性現 像液によって現像する工程、を含む半導体装置の製造に用いるフォトレジストパター ンの形成方法、
第 11観点として、前記露光が 365nmまたは 432nmの波長の光により行われること を特徴とする、第 10観点に記載のフォトレジストパターンの形成方法、である。
発明の効果
[0014] 本発明の下層反射防止膜形成組成物を用いることにより、フォトレジストとのインタ 一ミキシングを起こさず、フォトレジストの現像に使用されるアルカリ性現像液に溶解 し、フォトレジストと同時に現像除去可能な下層反射防止膜を形成することができる。
[0015] 本発明の下層反射防止膜形成組成物を用いることにより、 i線 (波長 365nm)に対 して優れた吸収を示す下層反射防止膜を形成することができる。
[0016] 本発明の下層反射防止膜形成組成物より形成される下層反射防止膜はドライエツ チングを行なうことなく除去が可能であるため、イオン注入工程等、ドライエッチング による基板表面の損傷に敏感な工程を含む半導体装置の製造プロセスにおいて使 用することができる。
[0017] また、本発明の下層反射防止膜形成組成物を用いて下層反射防止膜を形成する 場合、反射防止膜形成時の焼成条件を変えることにより、フォトレジストの現像に使用 されるアルカリ性現像液に対する下層反射防止膜の溶解速度を変えることができる。 発明を実施するための最良の形態
[0018] 本発明の下層反射防止膜形成組成物は、前記式(1)及び前記式 (2)で表される構
造を有するポリアミド酸、少なくとも二つのエポキシ基を有する化合物、波長 365nm の光に対するモル吸光係数が 5000〜 100000 (1/mol · cm)である吸光性化合物 、及び溶剤を含むものである。そして、本発明の下層反射防止膜形成組成物は、そ の他、ナフトキノンジアジドスルホン酸化合物等の感光性化合物、ナフタレンカルボ ン酸化合物等の芳香族カルボン酸化合物、及び界面活性剤等を含むことができる。
[0019] 本発明の下層反射防止膜形成組成物における固形分の割合は、各成分が均一に 溶解している限りは特に限定はないが、例えば 0. 5〜50質量%であり、または、 1〜 30質量%であり、または 5〜25質量%であり、または 10〜20質量%である。ここで 固形分とは、下層反射防止膜形成組成物の全成分から溶剤成分を除!ヽたものであ る。
[0020] 本発明の下層反射防止膜形成組成物について具体的に説明する。
[0021] <ポリアミド酸 >
本発明の下層反射防止膜形成組成物は前記の式(1)で表される構造と前記の式 ( 2)で表される構造とを有するポリアミド酸を含む。
[0022] 式(1)において Aは 4価の有機基を表し、 Bは 3価の有機基を表す。 Aとしては、
1 1 1 例えば、式(3)〜(10)が挙げられる(式中 Xは、炭素原子数 1〜5のアルキル基、塩 素原子、臭素原子、フッ素原子、炭素原子数 1〜5のアルコキシ基、水酸基、カルボ キシル基、フエノキシ基、トリフルォロメチル基または-トロ基を表し、 mは 0、 1又は 2
1
の数を表す)。
[0023] [化 2]
[0024] 炭素原子数 1〜5のアルキル基としては、メチル基、ェチル基、イソプロピル基、シク 口ペンチル基及びノルマルペンチル基等である。炭素原子数 1〜5のアルコキシ基と しては、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、シクロペンチルォキシ基及びノル マルペンチルォキシ基等である。
[0025] Bとしては、例えば、式(11)〜(18)が挙げられる(式中 Yは、炭素原子数 1〜5の
1
アルキル基、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、炭素原子数 1〜5のアルコキシ基、 水酸基、カルボキシル基、フエノキシ基、トリフルォロメチル基または-トロ基を表し、 mは 0、 1又は 2の数を表す) (
α
[0027] 式(2)にお 、て Aは 4価の有機基を表し、 Bは 2価の有機基を表す。 Aとしては、
2 2 2 例えば、前記式(3)〜(10)が挙げられる。
[0028] Bとしては、例えば、式(19)〜(27)が挙げられる(式中 Zは、炭素原子数 1〜5の
2
アルキル基、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、炭素原子数 1〜5のアルコキシ基、 水酸基、カルボキシル基、フエノキシ基、トリフルォロメチル基または-トロ基を表し、 mは 0、 1又は 2の数を表す)。
3
oen
c-c-c-
H2 H2 H2
(27) (28) 本発明で用いられるポリアミド酸の重量平均分子量としては、ポリスチレン換算で例 えば 1000〜100000であり、または 2000〜50000であり、または 3000〜30000で あり、または、 5000〜 10000である。ポリアミド酸の重量平均分子量が前記の値より
小さい場合には、形成される下層反射防止膜のフォトレジストに使用される溶剤への 溶解度が高くなり、その結果、フォトレジストとのインターミキシングを起こす場合が生 じる。ポリアミド酸の重量平均分子量が前記の値より大きい場合には、形成される下 層反射防止膜のフォトレジストの現像に使用されるアルカリ性現像液に対する溶解性 が不十分となり、現像後に残渣を生じる場合がある。
[0031] 本発明の下層反射防止膜形成組成物に含まれるポリアミド酸を得る方法は特に限 定されず、既存の方法で製造することができる。例えば、ジァミンィ匕合物と、テトラ力 ルボン酸またはその誘導体であるテトラカルボン酸二無水物化合物ゃジカルボン酸 ジハロゲンィ匕物などとを、反応、重合させることによりポリアミド酸を製造することがで きる。また、ビスシリルイ匕ジァミンィ匕合物とテトラカルボン酸二無水物化合物を用いた 重合によりポリアミド酸シリルエステルを合成した後、酸によりシリルエステル部分を分 解しポリアミド酸を製造することができる。
[0032] 本発明の下層反射防止膜形成組成物に含有されるポリアミド酸は、(a)テトラカル ボン酸二無水物化合物、(b)少なくとも一つのカルボキシル基を有するジァミンィ匕合 物、及び (c)ジァミンィ匕合物から製造することができる。
[0033] 本発明で用いられるポリアミド酸の製造に使用される(a)テトラカルボン酸二無水物 化合物は特に限定はない。(a)テトラカルボン酸二無水物化合物は一種の使用でも よぐまた、二種以上を同時に使用することができる。
[0034] 少なくとも一つのベンゼン環構造、例えば一乃至四個のベンゼン環構造を有する テトラカルボン酸二無水物化合物が使用できる。
[0035] 具体例としては、ピロメリット酸二無水物、 3, 3,, 4, 4,ービフエ-ルテトラカルボン 酸二無水物、 3, 3' , 4, 4,一べンゾフエノンテトラカルボン酸二無水物、 3, 3' , 4, 4 ,ージフエ-ルエーテルテトラカルボン酸二無水物、 4, 4' (へキサフルォロイソプロ ピリデン)ジフタル酸二無水物及び 3, 3' , 4, 4'ージフエ-ルスルホンテトラカルボン 酸二無水物などの芳香族テトラカルボン酸二無水物、 1, 2, 3, 4ーシクロブタンテト ラカルボン酸二無水物、 1, 2 ジメチルー 1, 2, 3, 4ーシクロブタンテトラカルボン酸 二無水物、 1, 2, 3, 4ーテトラメチルー 1, 2, 3, 4ーシクロブタンテトラカルボン酸二 無水物、 1, 2, 3, 4 シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、 1, 2, 3, 4 シクロ
へキサンテトラカルボン酸二無水物、及び 3, 4 ジカルボキシー 1, 2, 3, 4ーテトラ ヒドロー 1 ナフタレンコハク酸二無水物のような脂環式テトラカルボン酸二無水物、
1, 2, 3, 4 ブタンテトラカルボン酸二無水物のような脂肪族テトラカルボン酸二無 水物を挙げることができる。
[0036] 本発明で用いられるポリアミド酸の製造に使用される(b)少なくとも一つのカルボキ シル基を有するジァミンィ匕合物は特に限定はない。カルボキシル基の数としては、例 えば一乃至四個である。(b)少なくとも一つのカルボキシル基を有するジァミンィ匕合 物は一種の使用でもよぐまた、二種以上を同時に使用することができる。
[0037] (b)少なくとも一つのカルボキシル基を有するジァミン化合物としては、少なくとも一 つのベンゼン環構造、例えば一乃至三個のベンゼン環構造を有するジァミンィ匕合物 を使用することができる。
[0038] 具体例としては、 2, 4 ジァミノ安息香酸、 2, 5 ジァミノ安息香酸、 3, 5 ジアミ ノ安息香酸、 4, 6 ジアミノー 1, 3 ベンゼンジカルボン酸、 2, 5 ジアミノー 1, 4 —ベンゼンジカルボン酸、ビス(4—アミノー 3—カルボキシフエ-ル)エーテル、ビス( 4—アミノー 3, 5—ジカルボキシフエ-ル)エーテル、ビス(4—アミノー 3—カルボキシ フエ-ル)スルホン、ビス(4—アミノー 3, 5—ジカルボキシフエ-ル)スルホン、 4, 4, ージアミノー 3, 3'—ジカルボキシビフエニル、 4, 4'ージアミノー 3, 3'—ジカルボキ シ 5, 5,一ジメチルビフエニル、 4, 4'ージアミノー 3, 3'—ジカルボキシ 5, 5,一 ジメトキシビフエニル、 1, 4 ビス(4 アミノー 3 カルボキシフエノキシ)ベンゼン、 1 , 3—ビス(4—アミノー 3—カルボキシフエノキシ)ベンゼン、ビス [4— (4—アミノー 3 —カルボキシフエノキシ)フエ-ル]スルホン、ビス [4— (4—アミノー 3—カルボキシフ エノキシ)フエ-ル]プロパン、及び 2, 2 ビス [4— (4 ァミノ一 3—カルボキシフエノ キシ)フエ-ル]へキサフルォロプロパン等が挙げられる。
[0039] また、本発明で用いられるポリアミド酸の製造に使用される(c)ジァミンィ匕合物として は特に限定はない。(c)ジァミン化合物は一種の使用でもよぐまた、二種以上を同 時に使用することができる。
[0040] (c)ジァミン化合物としては、一乃至三個のベンゼン環構造、例えば、二つのベン ゼン環構造、を有するジァミンィ匕合物を使用することができる。
具体例としては、 2, 4—ジァミノフエノール、 3, 5 ジァミノフエノール、 2, 5 ジァ ミノフエノール、 4, 6 ジアミノレゾルシノール、 2, 5 ジァミノハイドロキノン、ビス(3 -ァミノ 4—ヒドロキシフエ-ル)エーテル、ビス(4 -ァミノ 3—ヒドロキシフエ-ル) エーテル、ビス(4—アミノー 3, 5—ジヒドロキシフエ-ル)エーテル、ビス(3—アミノー
4—ヒドロキシフエ-ル)メタン、ビス(4—ァミノ一 3—ヒドロキシフエ-ル)メタン、ビス(4 —アミノー 3, 5—ジヒドロキシフエ-ル)メタン、ビス(3—アミノー 4—ヒドロキシフエ- ル)スルホン、ビス(4—アミノー 3—ヒドロキシフエ-ル)スルホン、ビス(4—アミノー 3,
5 ジヒドロキシフエ-ル)スルホン、 2, 2 ビス(3 アミノー 4 ヒドロキシフエ-ル) へキサフルォロプロパン、 2, 2 ビス(4 アミノー 3 ヒドロキシフエニル)へキサフル ォロプロパン、 2, 2 ビス(4 アミノー 3, 5 ジヒドロキシフエ-ル)へキサフルォロ プロパン、 4, 4'ージアミノー 3, 3,ージヒドロキシビフエニル、 4, 4'ージアミノー 3, 3' ージヒドロキシ 5, 5,一ジメチルビフエニル、 4, 4'ージアミノー 3, 3'—ジヒドロキシ —5, 5,一ジメトキシビフエ-ル、 1, 4 ビス(3 ァミノ一 4 ヒドロキシフエノキシ)ベ ンゼン、 1, 3 ビス(3 アミノー 4 ヒドロキシフエノキシ)ベンゼン、 1, 4 ビス(4— ァミノ一 3 ヒドロキシフエノキシ)ベンゼン、 1, 3 ビス(4 ァミノ一 3 ヒドロキシフエ ノキシ)ベンゼン、ビス [4— (3—アミノー 4—ヒドロキシフエノキシ)フエ-ル]スルホン、 ビス [4— (3—アミノー 4 ヒドロキシフエノキシ)フエ-ル]プロパン、及び 2, 2 ビス [ 4— (3—ァミノ 4—ヒドロキシフエノキシ)フエ-ル]へキサフルォロプロパン等のフエ ノール性水酸基を有するジァミン化合物、 1, 3 ジアミノー 4 メルカプトベンゼン、 1 , 3 ジァミノ一 5—メルカプトベンゼン、 1, 4 ジァミノ一 2—メルカプトベンゼン、ビ ス(4 アミノー 3—メルカプトフエ-ル)エーテル、及び 2, 2 ビス(3 アミノー 4—メ ルカプトフエ-ル)へキサフルォロプロパン等のチォフエノール基を有するジァミン化 合物、 1, 3 ジァミノベンゼン一 4—スルホン酸、 1, 3 ジァミノベンゼン一 5—スル ホン酸、 1, 4 ジァミノベンゼン一 2—スノレホン酸、ビス(4 ァミノベンゼン一 3—ス ルホン酸)エーテル、 4, 4,ージアミノビフエ-ルー 3, 3,一ジスルホン酸、及び 4, 4, ージアミノー 3, 3,一ジメチルビフエ-ルー 6, 6,—ジスルホン酸等のスルホン酸基を 有するジァミン化合物、 3, 5—ジァミノ安息香酸 tert ブチルエステル、 3, 5—ジ ァミノ安息香酸エトキシメチルエステル、 3, 5—ジァミノ安息香酸メチルエステル、 3,
5—ジァミノ安息香酸ノルマルプロピルエステル、及び 3, 5—ジァミノ安息香酸イソブ チルエステル等のカルボン酸エステル基を含有するジァミン化合物が挙げられる。ま た、 p—フエ二レンジァミン、 m—フエ二レンジァミン、 4, 4'ーメチレン ビス(2, 6— ェチルァ-リン)、 4, 4,ーメチレン ビス(2 イソプロピルー6—メチルァ-リン)、 4, 4, 一メチレン一ビス(2, 6 ジイソプロピルァ-リン)、 2, 4, 6 トリメチルー 1, 3 フ ヱ二レンジァミン、 2, 3, 5, 6—テトラメチルー 1, 4—フエ二レンジァミン、 o トリジン 、 m—トリジン、 3, 3 ' , 5, 5,一テトラメチルベンジジン、ビス [4— (3—ァミノフエノキシ )フエ-ル]スルホン、 2, 2 ビス [4— (3—アミノフエノキシ)フエ-ル]プロパン、 2, 2 —ビス [4— (3—アミノフエノキシ)フエ-ル]へキサフルォロプロパン、 4, 4,一ジァミノ 3, 3, 一ジメチルジシクロへキシルメタン、 4, 4'ージアミノジフエニルエーテル、 3, 4ージアミノジフエ-ルエーテル、 4, 4'ージアミノジフエ-ルメタン、 2, 2 ビス(4 ァ-リノ)へキサフルォロプロパン、 2, 2 ビス(3 ァ-リノ)へキサフルォロプロパン 、 2, 2 ビス(3 アミノー 4 トルィル)へキサフルォロプロパン、 1, 4 ビス(4 アミ ノフエノキシ)ベンゼン、 1, 3 ビス(4 アミノフエノキシ)ベンゼン、ビス [4— (4 アミ ノフエノキシ)フエ-ル]スルホン、 2, 2 ビス [4— (4 アミノフエノキシ)フエ-ル]プ 口パン、及び 2, 2 ビス [4— (4 アミノフエノキシ)フエ-ル]へキサフルォロプロパン 等のジァミンィ匕合物を挙げることができる。
[0042] 本発明で用いられるポリアミド酸の製造において、使用される全ジァミン化合物に 占める(b)少なくとも一つのカルボキシル基を有するジァミン化合物の割合は、例え ば 1〜99質量%であり、または 5〜80質量%であり、または 10〜60質量%であり、ま たは 20〜50質量%であり、または 30〜40質量%である。(b)少なくとも一つのカル ボキシル基を有するジァミンィ匕合物の割合がこれより少な 、場合には、形成される下 層反射防止膜のアルカリ性現像液に対する溶解性が不十分なものとなる。
[0043] 本発明で用いられるポリアミド酸が(a)テトラカルボン酸二無水物化合物、(b)少な くとも一つのカルボキシル基を有するジァミンィ匕合物、及び (c)ジァミンィ匕合物から製 造される場合において、使用されるジァミンィ匕合物の総モル数とテトラカルボン酸二 無水物化合物の総モル数との比は 0. 8〜1. 2であることが望ましい。通常の重縮合 反応同様、このモル比が 1に近いほど生成するポリアミド酸の重合度は大きくなり分
子量が増加すると考えられる。
[0044] ポリアミド酸の製造において、ジァミンィ匕合物とテトラカルボン酸二無水物化合物と の反応の反応温度は 20°C〜150°C、好ましくは 5°C〜100°Cの任意の温度を 選択することができる。反応温度は 5°C〜40°C、反応時間 1〜48時間で高分子量の ポリアミド酸を得ることができる。低分子量で保存安定性の高 、ポリアミド酸を得るに は 40°C〜80°Cで反応時間 10時間以上がより好ましい。
[0045] ジァミンィ匕合物とテトラカルボン酸二無水物化合物の反応は溶剤中で行なうことが できる。その際に使用できる溶剤としては、 N, N ジメチルホルムアミド、 N, N ジメ チルァセトアミド、 N—メチルピロリドン、 N ビニルピロリドン、 N—メチルカプロラクタ ム、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ピリジン、ジメチルスルホン、 m クレゾ ール、 Ί ブチロラタトン、酢酸ェチル、酢酸ブチル、乳酸ェチル、 3—メトキシプロピ オン酸メチル、 2—メトキシプロピオン酸メチル、 3—メトキシプロピオン酸ェチル、 2— メトキシプロピオン酸ェチル、 3 エトキシプロピオン酸ェチル、 2 エトキシプロピオ ン酸ェチル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルェ ーテノレ、ジエチレングリコーノレジェチノレエーテノレ、ジエチレングリコーノレメチノレエチノレ エーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルェ ーテノレ、エチレングリコーノレモノメチノレエーテノレ、エチレングリコーノレモノェチノレエー テル、ジエチレングリコーノレモノメチノレエーテル、ジエチレングリコーノレモノェチノレエ ーテノレ、プロピレングリコーノレモノメチノレエーテノレ、プロピレングリコーノレモノエチノレエ 一テル、ジプロピレングリコーノレモノメチノレエーテル、ジプロピレングリコーノレモノェチ ノレエーテノレ、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カルビトールァセ テート、ェチルセ口ソルブアセテート、シクロへキサノン、メチルェチルケトン、メチルイ ソブチルケトン、及び 2—ヘプタノン等を挙げることができる。これらは単独でも、混合 して使用しても良い。さらに、ポリアミド酸を溶解しない溶剤であっても、重合反応によ り生成したポリアミド酸が析出しな 、範囲で、上記溶剤に混合して使用してもよ 、。
[0046] このようにして得られたポリアミド酸を含む溶液は、下層反射防止膜形成組成物の 調製にそのまま用いることができる。また、ポリアミド酸をメタノール、エタノール等の貧 溶剤に投入し沈殿させ、単離して用いることもできる。
[0047] 本発明の下層反射防止膜形成組成物に含有されるポリアミド酸としては、その末端 部分を除き、基本的に、前記式(1)で表される構造及び前記式 (2)で表される構造と 力もなるポリアミド酸、が好ましい。
[0048] 本発明の下層反射防止膜形成組成物に含有されるポリアミド酸としては、例えば、 下記のポリアミド酸 (式(29)〜(37) )を挙げることができる(式中 p、 p、 p及び pはポ
1 2 3 4 リアミド酸における各構造の割合を表し、その和は 1である。 ) oここで、式(29)〜(36 )は一種のテトラカルボン酸二無水物化合物と二種のジァミンィヒ合物から製造される ポリアミド酸であり、式(37)は二種のテトラカルボン酸二無水物化合物と二種のジァ ミンィ匕合物力も製造されるポリアミド酸である。
[0049] [化 5]
[9^] [oeoo]
(οε)
.ZST0/S00Zdf/X3d 91· 0S6.Z0/900Z OAV
[leoo]
( )
.ZST0/S00Zdf/X3d LY 0S6.Z0/900Z OAV
[ ] [seoo]
.ZST0/S00Zdf/X3d 81· 0S6.Z0/900Z OAV
[6^] [seoo]
(9ε)
.ZST0/S00Zdf/X3d 61· 0S6.Z0/900Z OAV
(37) <少なくとも二つのエポキシ基を有する化合物 >
本発明の下層反射防止膜形成組成物は少なくとも二つのエポキシ基を有する化合 物を含有する。そのような化合物としては、エポキシ基を有する化合物であれば特に 限定はない。例えば、トリス(2, 3 エポキシプロピル)イソシァヌレート、 1, 4 ブタン ジォーノレジグリシジノレエーテノレ、 1, 2 エポキシ 4 (エポキシェチノレ)シクロへキ サン、グリセロールトリグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテ ノレ、 2, 6 ジグジシジノレフ mニノレグジシジノレエーテノレ、 1, 1, 3 卜ジス [p—(2, 3 ェ ポキシプロポキシ)フエ-ル]プロパン、 1, 2—シクロへキサンジカルボン酸ジグリシジ
ルエステル、 4, 4,一メチレンビス(N, N—ジグリシジルァ二リン)、 3, 4—エポキシシ クロへキシルメチルー 3, 4—エポキシシクロへキサンカルボキシレート、トリメチロール ェタントリグリシジルエーテル及びビスフエノール— A—ジグリシジルエーテル、及び ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル等を挙げることができる。
[0055] また、少なくとも二つのエポキシ基を有する化合物としてはエポキシ基を有するポリ マーを使用することができる。そのようなポリマーとしては、エポキシ基を有するポリマ 一であれば、特に制限なく使用することができる。
[0056] そのようなポリマーは、エポキシ基を有する付加重合性モノマーを用いた付加重合 により製造することができる。また、水酸基を有する高分子化合物とェピクロルヒドリン 、グリシジルトシレート等のエポキシ基を有する化合物との反応により製造することが できる。例えば、ポリグリシジルアタリレート、グリシジルメタタリレートとェチルメタクリレ 一トの共重合体、及びグリシジルメタタリレートとスチレンと 2—ヒドロキシェチルメタタリ レートの共重合体等の付加重合ポリマーや、エポキシノボラック等の縮重合ポリマー を挙げることができる。このようなポリマーの重量平均分子量としては、例えば、 500 〜200000であり、または 1000〜100000であり、または 3000〜30000である。
[0057] 少なくとも二つのエポキシ基を有する化合物としては、また、アミノ基を有するェポキ シ榭脂である YH— 434、 YH434L (東都化成 (株)製)、シクロへキセンオキサイド構 造を有するエポキシ榭脂であるェポリード GT— 401、同 GT— 403、同 GT— 301、 同 GT— 302、セロキサイド 2021、セロキサイド 3000 (ダイセル化学工業 (株)製)、ビ スフエノール A型エポキシ榭脂であるェピコ一卜1001、同 1002、同 1003、同 1004 、同 1007、同 1009、同 1010、同 828 (以上、ジャパンエポキシレジン (株)製)等、ビ スフエノール F型エポキシ榭脂であるェピコート 807 (ジャパンエポキシレジン (株)製) 等、フエノールノボラック型エポキシ榭脂であるェピコート 152、同 154 (以上、ジャパ ンェポキシレジン (株)製)、 EPPN201、同 202 (以上、 日本化薬 (株)製)等、クレゾ 一ルノボラック型エポキシ榭脂である EOCN— 102、 EOCN— 103S、 EOCN— 10 4S、 EOCN— 1020、 EOCN— 1025、 EOCN— 1027 (以上、 日本化薬 (株)製)、 ェピコート 180S75 (ジャパンエポキシレジン (株)製)等、脂環式エポキシ榭脂である デナコール EX— 252 (ナガセケムテックス(株)製)、 CY175、 CY177、 CY179 (以
上、 CIBA— GEIGY A.G製)、ァラルダイト CY— 182、同 CY— 192、同 CY— 184 (以上、 CIBA— GEIGY A.G製)、ェピクロン 200、同 400 (以上、大日本インキ化学 工業 (株)製)、ェピコート 871、同 872 (以上、ジャパンエポキシレジン (株)製)、 ED — 5661、 ED— 5662 (以上、セラニーズコーティング (株)製)等、脂肪族ポリグリシジ ルエーテルであるデナコール EX— 611、同 EX— 612、同 EX— 614、同 EX— 622 、同 EX— 411、同 EX— 512、同 EX— 522、同 EX— 421、同 EX— 313、同 EX— 3 14、同 EX— 321 (ナガセケムテックス (株)製)等、の市販の化合物を挙げることがで きる。
[0058] 少なくとも二つのエポキシ基を有する化合物として、ポリマーでない化合物を使用 する場合、例えば、二乃至十個、または三乃至五個のエポキシ基を有する化合物が 好ましく使用される。
[0059] 上記少なくとも二つのエポキシ基を有する化合物の含有量は、ポリアミド酸 100質 量部に対して例えば 5〜70質量部であり、または、 10〜60質量部であり、好ましくは 15〜45質量部であり、または 20〜40質量部である。少なくとも二つのエポキシ基を 有する化合物の含有量が前記の値より小さい場合には下層反射防止膜の硬化度が 不足し、フォトレジスト溶剤に溶解し、インターミキシングを起こす場合がある。少なくと も二つのエポキシ基を有する化合物の含有量が前記の値より大きい場合には、フォト レジストの現像に使用されるアルカリ性現像液に対する十分な溶解性が得られなくな る場合がある。
[0060] <吸光性化合物 >
本発明の下層反射防止膜形成組成物は、波長 365nmの光に対して大きなモル吸 光係数を有する吸光性化合物を含む。モル吸光係数としては 5000〜: LOOOOO (1/ mol' cm)であり、好ましくは 10000〜80000 (lZmol' cm)であり、または 15000〜 50000 (1/mol- cm)である。モル吸光係数が 5000 (1/mol- cm)より小さくなる場 合、十分な減衰係数 (k値)を持つ下層反射防止膜が得られず、十分な反射防止効 果が得られない場合がある。
[0061] 波長 365nmの光に対して大きなモル吸光係数をもつ吸光性ィ匕合物としては、例え ば、 2- (4ージェチルアミノー 2 ヒドロキシベンゾィル)安息香酸、 2—(4 ジブチ
ルァミノー 2 ヒドロキシベンゾィル)安息香酸、 2, 2' , 4, 4,ーテトラヒドロキシベンゾ フエノン、 2, 3, 3' , 4, 4,, 5,一へキサヒドロキシベンゾフエノン、ウスニックアシッド、 フエニルフルォロン、ロゾリックアシッド、 1, 8, 9 トリヒドロキシアントラセン、 2— (4— ヒドロキシフエ-ルァゾ)安息香酸、メチルレッド、 4, 4,ージァミノべンゾフエノン、 5, 5 ,一メチレンビス(2 ヒドロキシ一 4—メトキシベンゾフエノン)、 3, 4—ジァミノべンゾフ ェノン、クルクミン、及び α シァノ 4—ヒドロキシシンナミックアシッド等を挙げること ができる。
[0062] また、前記の 2—(4ージェチルアミノー 2 ヒドロキシベンゾィル)安息香酸や 2, 2, , 4, 4'ーテトラヒドロキシベンゾフエノンのようにカルボキシル基やフエノール性水酸 基を有する吸光性化合物である場合、これらの化合物とエポキシ基を有する化合物 との反応生成物、すなわち、カルボキシル基やフエノール性水酸基によるエポキシ環 の開環反応生成物を、本発明の下層反射防止膜形成組成物における吸光性ィ匕合 物として使用することもできる。ここで、エポキシ基を有する化合物としては、例えば、 トリス(2, 3 エポキシプロピル)イソシァヌレート、 1, 4 ブタンジオールジグリシジル エーテル、 1, 2 エポキシ 4 (エポキシェチノレ)シクロへキサン、グリセローノレトリ グリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、 2, 6—ジグリシジ ルフエ-ルグリシジルエーテル、 1, 1, 3 トリス(ρ—(2, 3 エポキシプロポキシ)フ ェ -ル)プロパン、 1, 2 シクロへキサンジカルボン酸ジグリシジルエステル、 4, 4' メチレンビス(Ν, Ν ジグリシジルァ二リン)、 3, 4—エポキシシクロへキシルメチルー 3, 4—エポキシシクロへキサンカルボキシレート、トリメチロールェタントリグリシジルェ 一テル、ビスフエノールー Α—ジグリシジルエーテル、及びペンタエリスリトールポリグ リシジルエーテル等のエポキシ化合物ゃグリシジルメタタリレート等のエポキシ基を有 する構造を含むポリマーが挙げられる。エポキシ基を有する化合物との反応生成物と しては、例えば、下記式(38)及び(39)で表される単位構造を有するポリマーが挙げ られる。
[0064] 吸収性ィ匕合物は単独または 2種以上の組合せで使用することができる。吸光性ィ匕 合物の含有量としては、ポリアミド酸 100質量部に対して、例えば 1〜300質量部で あり、または 5〜200質量部であり、または 10〜100質量部であり、または 20〜80質 量部であり、または 40〜60質量部である。吸収性ィ匕合物の含有量が前記値より大き V、場合は下層反射防止膜のアルカリ性現像液への溶解性が低 、ものとなる場合が あり、また、下層反射防止膜がフォトレジストとインターミキシングを起こすようになる場 合がある。
[0065] 吸光性ィ匕合物の種類や含有量を変えることによって、下層反射防止膜の減衰係数
(k値)を調整することができる。
[0066] <溶剤 >
本発明の下層反射防止膜形成組成物は、上記の各成分を均一に混合すること〖こ よって容易に調製することができ、適当な溶剤に溶解されて溶液状態で用いられる。
そのような溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレング リコーノレモノェチノレエーテノレ、メチノレセロソノレブアセテート、ェチノレセロソノレブァセテ ート、ジエチレングリコーノレモノメチノレエーテノレ、ジエチレングリコーノレモノエチノレエ 一テル、プロピレングリコール、プロピレングリコーノレモノメチノレエーテル、プロピレン グリコーノレモノメチノレエーテノレアセテート、プロピレングリコーノレプロピノレエーテノレア セテート、トルエン、キシレン、メチルェチルケトン、シクロペンタノン、シクロへキサノン
、 2—ヒドロキシプロピオン酸ェチル、 2—ヒドロキシ 2—メチルプロピオン酸ェチル、 エトキシ酢酸ェチル、ヒドロキシ酢酸ェチル、 2 ヒドロキシー 3 メチルブタン酸メチ ル、 3—メトキシプロピオン酸メチル、 3—メトキシプロピオン酸ェチル、 3—エトキシプ 口ピオン酸ェチル、 3—エトキシプロピオン酸メチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸ェ チル、酢酸ェチル、酢酸ブチル、乳酸ェチル、乳酸ブチル、 N, N ジメチルホルム アミド、 N, N ジメチルァセトアミド、及び N—メチルピロリドン等を用いることができる 。これらの溶剤は単独または 2種以上の組合せで使用することができる。さらに、プロ ピレングリコーノレモノブチノレエーテル、プロピレングリコーノレモノブチノレエーテノレァセ テート等の高沸点溶剤を混合して使用することができる。
[0067] このように調製された下層反射防止膜榭脂組成物溶液は、孔径が 0. 2 μ m程度の フィルタなどを用いて濾過した後、使用に供することが好ましい。このように調製され た下層反射防止膜榭脂組成物溶液は、室温で長期間、安定に貯蔵することができる
[0068] 本発明の下層反射防止膜形成組成物には、その他、ナフトキノンジアジドスルホン 酸ィ匕合物等の感光性ィ匕合物、ナフタレンカルボン酸ィ匕合物等の芳香族カルボン酸 化合物、及び界面活性剤等を含むことができる。
[0069] 感光性ィ匕合物としては、ナフトキノンジアジドスルホン酸ィ匕合物が好ましい。
[0070] 感光性ィ匕合物として使用されるナフトキノンジアジドスルホン酸ィ匕合物としては、 1, 2 ナフトキノン 2 ジアジド 5—スルホン酸及び 1 , 2 ナフトキノン 2 ジアジ ドー 4ースルホン酸等のスルホン酸ィ匕合物と水酸基を有する化合物より得られるスル ホン酸エステル化合物が好ましい。また、 1, 2 ナフトキノン— 2 ジアジドー 5—ス ルホン酸及び 1 , 2 -ナフトキノン 2 ジアジド 4 スルホン酸等のスルホン酸化
合物とアミノ基を有する化合物力 得られるスルホン酸アミドィ匕合物が好ま 、。また
、前記スルホン酸化合物と、水酸基及びアミノ基を有する化合物から得られるスルホ ン酸エステル 'アミドィ匕合物が好ましい。
[0071] 前記水酸基を有する化合物としては、例えば、フエノール、 2 クレゾール、 3 タレ ゾーノレ、 4—クレゾ一ノレ、ハイドロキノン、レゾルシノール、カテコール、 4, 4—イソプロ ピリデンジフエノール、 1, 1—ビス(4 ヒドロキシフエ-ル)シクロへキサン、 4, 4'— ジヒドロキシフエニルスルホン、 4, 4一へキサフルォロイソプロピリデンジフエノール、 4, 4,, 4,,一トリヒドロキシトリフエ-ルメタン、 1, 1, 1—トリス(4 ヒドロキシフエ-ル) ェタン、 4, 4,一 [1— [4— [1— (4 ヒドロキシフエ-ル)一 1—メチルェチル]フエ- ル]ェチリデン]ビスフエノール、 2, 4 ジヒドロキシベンゾフエノン、 2, 3, 4 トリヒドロ キシベンゾフエノン、 2, 2' , 4, 4'ーテトラヒドロキシベンゾフエノン、 2, 3, 4, 4'ーテ トラヒドロキシベンゾフエノン、 2, 3, 4, 2' , 4 '—ペンタヒドロキシベンゾフエノン、及び 2, 5 ビス(2 ヒドロキシー5—メチル)ベンジルメチルなどのフエノール化合物、ェ タノ一ノレ、 2 プロパノーノレ、 4ーブタノ一ノレ、シクロへキサノーノレ、エチレングリコー ル、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、 2—メトキ シエタノール、 2—ブトキシエタノール、 2—メトキシプロパノール、 2—ブトキシプロパ ノール、乳酸ェチル、及び乳酸ブチルなどの脂肪族アルコールィヒ合物を挙げること ができる。
[0072] 前記アミノ基を有する化合物としては、ァ-リン、 o トルイジン、 m—トルィジン、 p ートルイジン、 4 アミノジフエニルメタン、 4 アミノジフエニル、 o フエ二レンジアミ ン、 m—フエ-レンジァミン、 p—フエ-レンジァミン、 4, 4'ージアミノジフエ-ノレメタン 、及び 4, 4,ージアミノジフエ-ルエーテルなどのァ-リン化合物、シクロへキシルアミ ン、ノルマルォクチルァミン、及びシクロペンチルァミン等の脂肪族アミンィ匕合物を挙 げることができる。
[0073] さらに、水酸基及びアミノ基を有する化合物としては、例えば o アミノフヱノール、 m—ァミノフエノール、 p ァミノフエノール、 4 アミノレゾルシノール、 2, 3 ジァミノ フエノール、 2, 4 ジァミノフエノール、 4, 4'—ジァミノ一 4',一ヒドロキシトリフエニル メタン、 4—アミノー 4,, 4,,一ジヒドロキシトリフエ-ルメタン、ビス(4—アミノー 3—力
ルボキシ 5—ヒドロキシフエ-ル)エーテル、ビス(4—アミノー 3—カルボキシ 5— ヒドロキシフエ-ル)メタン、ビス(4—ァミノ一 3—カルボキシ 5—ヒドロキシフエ-ル) スルホン、 2, 2 ビス(4 アミノー 3—カルボキシ一 5 ヒドロキシフエ-ル)プロパン 、及び 2, 2 ビス(4 アミノー 3 カルボキシー 5 ヒドロキシフエ-ル)へキサフルォ 口プロパンなどのアミノフエノール化合物、 2 アミノエタノール、 3 ァミノプロパノー ル、及び 4 アミノシクロへキサノールなどのアルカノールァミン化合物を挙げることが できる。
[0074] 感光性化合物が使用される場合、その添加量としてはポリアミド酸 100質量部に対 して、例えば 1〜: L00質量部であり、または 3〜80質量部であり、また、例えば 5〜50 質量部であり、または 10〜40質量部である。感光性化合物が 100質量部を超える場 合は下層反射防止膜のアルカリ性現像液への溶解性が低いものとなる場合があり、 また、下層反射防止膜がフォトレジストとインターミキシングを起こすようになる場合が ある。
[0075] 本発明の下層反射防止膜形成組成物には、アルカリ性現像液への溶解速度を調 節する目的で芳香族カルボン酸ィヒ合物、脂肪族カルボン酸化合物及びフエノール 性水酸基を有する化合物等を添加することができる。
[0076] そのような化合物としては、例えば、トリス一ヒドロキシフエ-ルェタン、ビスフエノー ルー S、ビスフエノール一 A、 4, 4,一イソプロピリデン一ジ一 0—クレゾール、 5 -tert ブチルピロガロール、へキサフルォロビスフエノールー A、 3, 3, 3,, 3,ーテトラメ チル— 1, 1, スピロビスインダン— 5, 5 ' , 6, 6,—テトロール、 4, 4,—(9 フルォ レ-リデン)ジフエノール、ビスフエノール一 AP、ビスフエノール一 Ρ、 5 - α , a—ジメ チル— 4—ヒドロキシベンジルサリチル酸、 α , α , α トリス(4—ヒドロキシフエ-ル) 1ーェチルー 4 イソプロピルベンゼン、及び 5, 5,ージ—tert—ブチルー 2, 2' , 4, 4,ーテトラヒドロキシベンゾフエノン等のフエノール化合物、ピロメリット酸、 3, 7 - ジヒドロキシ 2 ナフトェ酸、フタル酸、トリメリック酸、 4 スルフオフタル酸、ベンゼ ンへキサカルボン酸、 2, 3 ナフタレンジカルボン酸、 4ーヒドロキシフタル酸、 3, 4 —ジヒドロキシフタル酸、 4, 5—ジヒドロキシフタル酸、 3, 3 ' , 4, 4,一ビフエ-ルテト ラカルボン酸、 3, 3 ' , 4, 4,一べンゾフエノンテトラカルボン酸、 3, 3 ' , 4, 4,ージフ
ェニルエーテルテトラカルボン酸、 3, 3' , 4, 4'ージフエニルスルホンテトラカルボン 酸、 1, 2, 3, 4—シクロブタンテトラカルボン酸、 1, 2—ジメチル— 1, 2, 3, 4—シク ロブタンテトラカルボン酸、 1, 2, 3, 4—テトラメチル— 1, 2, 3, 4—シクロブタンテト ラカルボン酸、 1, 2, 3, 4—シクロペンタンテトラカルボン酸、 1, 2, 3, 4—シクロへキ サンテトラカルボン酸、 3, 4—ジカルボキシ一 1, 2, 3, 4—テトラヒドロ一 1—ナフタレ ンコハク酸等のカルボン酸化合物、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアミック酸、 フエノールノボラック、ポリヒドロキシスチレン、及びナフトールノボラック等のカルボキ シル基またはフエノール性水酸基を有するポリマー化合物、が挙げられる。ナフタレ ン環及びカルボキシル基を有するナフタレンカルボン酸化合物が好まし 、。これらの 化合物が使用される場合、その添加量としては、ポリアミド酸 100質量部に対して、例 えば 1〜: L00質量部であり、または 3〜80質量部であり、また、例えば 5〜40質量部 であり、または 10〜20質量部である。
本発明の下層反射防止膜形成組成物は界面活性剤を含むことができる。界面活 性剤としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステア リルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンォレイルエー テル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンォクチルフエノ ールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフエノールエーテル等のポリオキシエチレン アルキルァリルエーテル類、ポリオキシエチレン ·ポリオキシプロピレンブロックコポリ マー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステア レート、ソルビタンモノォレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート 等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリ ォキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステア レート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリ ステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等のノ-オン系界 面活性剤、エフトップ EF301、 EF303、 EF352 ( (株)ジェムコ製)、メガファック F17 1、 F173 (大日本インキ化学工業 (株)製)、フロラード FC430、 FC431 (住友スリー ェム(株)製)、アサヒガード AG710、サーフロン S— 382、 SC101, SC102, SC10 3、 SC104、 SC105、 SC106 (旭硝子 (株)製)等のフッ素系界面活性剤、オルガノ
シロキサンポリマー KP341 (信越ィ匕学工業 (株)製)等を挙げることができる。これらの 界面活性剤の配合量は、本発明の下層反射防止膜形成組成物の全成分中、通常 0 . 2質量%以下、好ましくは 0. 1質量%以下である。これらの界面活性剤は単独で添 カロしてもよ 、し、また 2種以上の組合せで添加することもできる。
[0078] 本発明の下層反射防止膜形成組成物は、その他必要に応じてレオロジー調整剤、 接着補助剤等を含んで 、てもよ 、。
[0079] 以下、本発明の反射防止膜形成組成物の使用について説明する。
[0080] 半導体基板 (例えば、シリコン Z二酸ィ匕シリコン被覆基板、シリコンナイトライド基板 、シリコンウェハー、ガラス基板、 ITO基板等)の上に、スピナ一、コーター等の適当な 塗布方法により本発明の下層反射防止膜形成組成物が塗布され、その後、焼成す ることにより下層反射防止膜が形成される。焼成する条件としては、焼成温度 80°C〜 300°C、焼成時間 0. 3〜60分間の中力も適宜、選択される。好ましくは 150°C〜25 0。C、 0. 5〜2分間、である。
[0081] 形成される下層反射防止膜のフォトレジストの現像に使用されるアルカリ性現像液 に対する溶解速度としては、毎秒 0. Inn!〜 50nmであり、好ましくは毎秒 0. 2nm〜 40nmであり、より好ましくは 0. 3〜20nmである。溶解速度がこれより小さい場合に は、下層反射防止膜の除去に必要な時間が長くなり、生産性の低下をもたらすことと なる。溶解速度がこれより大きい場合には、フォトレジスト未露光部下層の下層反射 防止膜も溶解し、その結果、フォトレジストパターンが形成できなくなる場合がある。
[0082] 本発明の下層反射防止膜形成組成物から形成される下層反射防止膜は、形成時 の焼成条件を変えることによって、下層反射防止膜のアルカリ性現像液に対する溶 解速度をコントロールすることができる。一定の焼成時間の場合、焼成温度を高くす るほど、アルカリ性現像液に対する溶解速度の小さな下層反射防止膜を形成するこ とがでさる。
[0083] 次いで下層反射防止膜の上に、フォトレジストの層が形成される。フォトレジストの層 の形成は、一般的な方法、すなわち、フォトレジスト溶液の下層反射防止膜上への塗 布及び焼成によって行なうことができる。
[0084] 本発明の下層反射防止膜の上に塗布、形成されるフォトレジストとしては露光に使
用される光に感光するものであれば特に限定はなぐネガ型及びポジ型フォトレジス トのいずれをも使用できる。ノボラック榭脂と 1, 2—ナフトキノンジアジドスルホン酸ェ ステルとからなるポジ型フォトレジスト、酸により分解してアルカリ溶解速度を上昇させ る基を有するバインダーと光酸発生剤力もなる化学増幅型フォトレジスト、酸により分 解してフォトレジストのアルカリ溶解速度を上昇させる低分子化合物とアルカリ可溶性 ノインダ一と光酸発生剤とからなる化学増幅型フォトレジスト、酸により分解してアル カリ溶解速度を上昇させる基を有するバインダーと酸により分解してフォトレジストの アルカリ溶解速度を上昇させる低分子化合物と光酸発生剤からなる化学増幅型フォ トレジスト等がある。例えば、住友ィ匕学工業 (株)製商品名 PFi— 58、 PFi— 88、東京 応化工業 (株)製商品名 iP5200、 iP5700、 TDMR— AR80、及び SHIPLEY社製 商品名 S - 1808等が挙げられる。
[0085] 次に、所定のマスクを通して露光が行なわれる。露光には、 i線 (波長 365nm)及び g線 (波長 432nm)等を使用することができる。露光後、必要に応じて露光後加熱 (P EB : Post Exposure Bake)を行なうこともできる。
[0086] 次 、で、アルカリ性現像液によって現像が行なわれる。これにより、例えばポジ型フ オトレジストが使用された場合は、露光された部分のフォトレジスト及びその下層部分 の下層反射防止膜が、現像によって除去される。
[0087] フォトレジストの現像に使用されるアルカリ性現像液としては、水酸ィ匕カリウム、水酸 化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸ィ匕物の水溶液、水酸ィ匕テトラメチルアンモニゥム 、水酸化テトラエチルアンモ-ゥム、コリンなどの水酸化四級アンモ-ゥムの水溶液、 及びエタノールァミン、プロピルァミン、エチレンジァミンなどのアミン水溶液等のアル カリ性水溶液を例として挙げることができる。さらに、これらの現像液に界面活性剤な どを加えることもできる。現像の条件としては、温度 5°C〜50°C、時間 10〜300秒か ら適宜選択される。
[0088] 本発明の下層反射防止膜形成組成物カゝら形成される下層反射防止膜は、アルカリ 性現像液として汎用されている 2. 38質量0 /0の水酸ィ匕テトラメチルアンモ-ゥム水溶 液を用いて室温で容易に現像を行なうことができる。
[0089] 本発明の下層反射防止膜は、半導体基板とフォトレジストとの相互作用の防止する
ための層、フォトレジストに用いられる材料又はフォトレジストへの露光時に生成する 物質の基板への悪作用を防ぐ機能を有する層、加熱焼成時に基板から生成する物 質の上層フォトレジストへの拡散を防ぐ機能を有する層、及び、半導体基板誘電体層 によるフォトレジスト層のボイズニング効果を減少させるためのノリア層として使用す ることち可會である。
[0090] 以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、これによつて本発明が限 定されるものではない。
実施例
[0091] 実施例 1
(ポリアミド酸の合成)
4, 4,一 (へキサフルォロイソプロピリデン)ビスフタル酸ニ無水物 17. 8g、 3, 5—ジ ァミノ安息香酸 3. 12g、ビス(4—ァミノフエ-ル)スルホン 4. 92gをプロピレングリコ ールモノメチルエーテル 145. 6g中、 80°Cで 20時間反応することによって、ポリアミ ド酸を含む溶液 [A]を得た。得られたポリアミド酸は、式 (40)及び式 (41)で表される 構造を有する。
[0092] [化 11]
(41 )
[0093] (吸光性ィ匕合物のモル吸光係数の測定)
吸光性ィ匕合物のモル吸光係数は以下の方法により測定した。
吸光性ィ匕合物を N, N ジメチルホルムアミドを用いて 4 X 10— 6 (g/ml)の溶液とし た。この溶液を、(株)島津製作所製、 UV測定装置 UV2550を用いて吸光度を測定 した。 [モル吸光係数] = [吸光度] Z [溶液の質量濃度 Z吸光性化合物の分子量]に よりモル吸光係数を算出した。
[0094] 2- (4-ジェチルァミノ 2 ヒドロキシベンゾィル)安息香酸のモル吸光係数は 2 0563 (lZmol' cm)、 aーシァノー 4ーヒドロキシシンナミックアシッドのモル吸光係数 は 19827 (lZmol' cm)であった。
[0095] (下層反射防止膜形成組成物の調製)
前記溶液 [A] 14. Ogに 2—(4ージェチルアミノー 2 ヒドロキシベンゾィル)安息香 酸 1. 04、 α—シァノ 4—ヒドロキシシンナミックアシッド 0. 35g、4, 4,一メチレンビ ス(N, N ジグリシジルァ二リン) 2. 77g、 3, 7 ジヒドロキシナフトェ酸 0. 16g、プロ ピレンダリコールモノメチルエーテル 37. 7g、及びプロピレングリコールモノメチルェ 一テルアセテート 51. 6gを添加し室温で 30分間攪拌することにより下層反射防止膜 形成組成物の溶液 [ 1 ]を調製した。
[0096] (下層反射防止膜形成組成物の評価)
前記溶液 [1]をシリコンウェハー上にスピナ一を用いて塗布した後、ホットプレート 上、 170°Cで、 60秒間焼成して膜厚 70nmの下層反射防止膜を形成した。得られた 下層反射防止膜は乳酸ェチル及びプロピレングリコールモノメチルエーテルァセテ 一トに不溶であった。この下層反射防止膜をエリプソメーターで測定した結果、波長 3 65nmでの屈折率 (n値)は 1. 74、減衰係数 (k値)は 0. 22であった。
[0097] また、焼成温度を 175°C、として同様に下層反射防止膜を形成した。そして、これら の下層反射防止膜が乳酸ェチル及びプロピレングリコールモノメチルエーテルァセ テートに不溶であることを確認した。
[0098] 次に、フォトレジストの現像に使用されるアルカリ性現像液 (東京応化工業 (株)製、 商品名 NMD— 3)に対する下層反射防止膜の溶解速度をレジスト現像アナライザー (リソテックジャパン (株)製)を用いて測定した。焼成温度 170°C、焼成時間 60秒で
形成した下層反射防止膜の溶解速度は毎秒 4. lnmであった。また、焼成温度 175 °C、焼成時間 60秒で形成した下層反射防止膜の溶解速度は毎秒 3. 3nmであった 前記溶液 [1]をシリコンウェハー上にスピナ一を用いて塗布した後、ホットプレート 上、 175°Cで、 60秒間焼成して膜厚 70nmの下層反射防止膜を形成した。得られた 下層反射防止膜上に i線用ポジ型フォトレジスト膜を形成した。次いで、 600nmのラ イン Zスペースのパターンが形成されるように設定されたマスクを通して、 i線 (波長 3 65nm)で露光した。そして、 110°Cで 90秒間露光後加熱を行った後、アルカリ性現 像液として 2. 38%テトラメチルアンモ-ゥムヒドロキシド水溶液 (東京応化工業 (株) 製、商品名 NMD— 3)を用いて 60秒間パドル現像を行った。フォトレジストとともに下 層反射防止膜も露光部は溶解していた。そして、 600nmのライン Zスペースでも下 層反射防止膜の残膜は見られな力つた。