明 細 書 ボラノホスフエートモノマーおよびそれを用いた
オリゴヌクレオチド誘導体の製造方法 技術分野
本発明は、 ボラノホスフエートモノマー及ぴそれの製造方法並びにボラノホス フエ一トモノマーを用いたオリゴヌクレオチド誘導体の製造方法に関する。 背景技術
現在遺伝子治療の分野で注目されている手法の一つにァンチセンス法がある。 アンチセンス法とは、 m R N Aに相補的な塩基配列を持つアンチセンス分子を用 いて D N Aから転写された m R N Aと選択的に二重鎖を形成させ、 標的とするタ ンパク質合成のみを制御する方法である。
ここで、 アンチセンス分子が有効に機能するための必要条件として、 第一に高 い細胞膜透過性を有していること、 第二に細胞内でヌクレアーゼによる加水分解 を受けにくいこと、 第三に特定の m R N Aとのみ選択的に安定な二重鎖を形成で きることなどが挙げられる。
しかし、 天然型のァンチセンス分子は、 生体内に導入されると、 ヌクレアーゼ により速やかに加水分解される上、 細胞膜透過性が低いという問題点がある。 そ こで、 より有用なアンチセンス分子の設計及びその効率的な製造方法の開発が求 められていた。
これまで多くのアンチセンス分子が設計され、 合成されてきたが、 その中で現 在、 実用化に向けて研究されているホスホロチォエート D N Aには、 細胞毒性が ある、 選択性が低いといった問題点があった。
近年、 新しい骨格のアンチセンス分子であるボラノホスフエートオリゴマーが 開発されている。 この分子は、 例えば、
( 1 ) リン原子がボランに配位しているため、 天然型のものと比較して脂溶性が 高く、 高い細胞膜透過性が期待できる、
( 2 ) ヌクレアーゼに対する耐性が高い、
( 3 ) 標的 m R N Aに対する選択性が高い、
( 4 ) ボラノホスフェート D NAと R NAが开成する二重鎖が R N a s e Hの基 質となり、 標的 m R N Aが効果的に分解される、
( 5 ) ホウ素中性子補捉療法 (B N C T) への応用が期待できる、
といった有利な特徴を持つことで知られており、 実用的なアンチセンス分子とし て注目されてきている 発明の開示
本発明者らは、 従来開発されたボラノホスフエートオリゴマーに見られた問題 点、 即ち、
(i) 鎖を延長するたびにボラノ化を繰り返し行わなければならない、
(ii) ボラノィ匕試薬による核酸塩基部位への副反応
といった問題点を排除した手法、 即ち、 下記式で示される、 予めボラノ化したモ ノマーを用いてオリゴヌクレオチドを合成する手法を報告してきた (日本化学会 第 78回年会予稿集 746頁 (2000年)、 日本化学会第 79回年会予稿集 942頁 (2001 年)、 日本化学会第 81回年会予稿集 937頁 (2002年)、 アンチセンス DNA/RNA 研究会予稿集 48頁 (2002年)、 日本化学会第 83回年会予稿集 944頁 (2003年)、 Tetrahedron Lett. 43 (2002) 4237) 。
[式中、 DMTrは、 ジメ トキシトリチル基を示す。 ]
しかしながら、 この手法によれば、 上記問題点 (i)及ぴ (ii)は解決されるものの、 リン原子上の保護基を除去する際に、 オリゴヌクレオチドが分解してしまうとい う致命的な問題が生ずることがわかった。
そこで、上記問題点 (i)及ぴ (ii)を解決しつつ、 かつ実用に耐えうるボラノホスフ ユートオリゴマーを提供する手法が望まれていた。 本発明者らは、 上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、 リン原子上の 保護基としてシァノエチル基を用いることで、 オリゴヌクレオチドを分解させず に保護基を除去することができることを見出し、 更に、 このような嵩高い保護基 を用いることによってオリゴマーの縮合が阻害されることを見出し、 この点につ いては、 塩基と、 特殊な縮合剤との存在下で縮合反応をさせることにより解決で きることを見出し、 本発明を完成させた。
即ち、 本発明の第 1態様では、 下記式 (1 ) で示されるボラノホスフェートモ ノマーが提供される。
[式中、 B 1は、 ピリミジン塩基、 プリン塩基、 又は、 それらの誘導体を表し、 R 1は、 ジメトキシトリチル基、 又は、 モノメ トキシトリチル基であり、 R 2は、 水素原子、 アルコキシ基、 ァルケニノレオキシ基、 ァシルォキシ基、 又は、 トリア ルキルシリルォキシ基を表す。 ]
本発明の第 2態様では、 本発明の第 1態様にかかるボラノホスフヱ一トモノマ 一を製造する方法の一態様が提供される。 即ち、 本発明の第 2態様では、 下記式
( 1 ) で示されるボラノホスフエートモノマーの製造方法であって、
[式中、 B1は、 ピリミジン塩基、 プリン塩基、 又は、 それらの誘導体を表し、 R1は、 ジメ トキシトリチル基、 又は、 モノメ トキシトリチル基であり、 R2は、 水素原子、 アルコキシ基、 アルケニルォキシ基、 ァシルォキシ基、 又は、 トリア ルキルシリルォキシ基を表す。 ]
シァノエチル基を 脱離させない強塩基、及び、 下記式 (4 a) 又は、 下記式 (4 b) で示される縮合剤存在下、
[式中、 A A
2、 A
3、 A
4、 A
5及び A
6は、 そ ; ぞれ、 互いに独立し、 同一 または異なって、 置換基を有していてもよい Ci Ci。アルキル基であり、 ただ し、 A
1, A
2、 A
3、 A
4、 A
5及ぴ A
6のいずれか組み合わせが、 互いに架橋し て飽和環又は不飽和環を形成してもよく、 かつ、 置換基を有していてもよく、 A
7一は、 求核性のないァニオン種であり、 Q環基は、 置換基を有していてもよい炭 化水素芳香環若しくは置換基を有していてもょレ、窒素含有芳香環と縮合した 1,2,4-トリァゾール -1-ィルォキシ基、 又は、 置換基を有していてもよい、 窒素原 子を 2以上含む 5員環基である。 ]
[式中、 A11, A12、 A 13及び A 14は、 それぞれ、 互いに独立し、 同一または 異なって、 置換基を有していてもよい C Ci。アルキル基であり、 ただし、 A1 \ A12、 A13及ぴ A14のいずれか組み合わせが、 互いに架橋して飽和環又は不 飽和環を形成してもよく、 かつ、 置換基を有していてもよく、 A15 は、 求核性 のないァニオン種であり、 S環基は、 置換基を有していてもよい炭化水素芳香環 若しくは置換基を有していてもよい窒素含有芳香環と縮合した 1,2,4-トリァゾー ル -1-ィルォキシ基、 又は、 置換基を有していてもよい、 窒素原子を 2以上含む 5 員環基である。 ]
下記式 (2) で示されるボラノホスホリル化斉 ϋと、
下記式 (3) で示されるヌクレオシド誘導体と
[式中、 B1 R1及び R2は、 上記の意味を有する。 ]
を反応させ反応生成物を得る工程と、 前記反応生成物とトリェチルァミンとを反 応させる工程とを含むことを特徴とする、 ボラノホスフエートモノマーの製造方 法が提供される。
本発明の第 2態様において、 前記ボラノホスホリルィヒ剤が、 トリス- 2-シァノエ チルホスフアイ トをボラノ化して下記式で示されるト リス- 2-シァノエチルボラ ノホスフェートを得、
得られたトリス- 2-シァノエチル ラノホスフェートと トリェチルァミンを反応 させることにより得られることが好ましい。
本発明の第 3態様では、 本発明の第 1態様にかかるボラノホスフェートモノマ 一を用いた二量体の製造方法の一態様が提供される。 即ち、 本発明の第 3態様で は、 下記一般式 (1 ) で示されるボラノホスフェートモノマーと
[式中、 B 1は、 ピリミジン塩基、 プリン塩基、 又は、 それらの誘導体を表し、 R 1は、 ジメ トキシトリチル基、 又は、 モノメ トキシ トリチル基であり、 R 2は、 水素原子、 アルコキシ基、 アルケニルォキシ基、 アシノレオキシ基、 又は、 トリア ルキルシリルォキシ基を表す。 ]
上記式 (1 ) 中のシァノエチル基を 脱離させない強塩基、 及び、 下記式 (4 a ) 又は、 下記式 (4 b ) で示される縮合剤存在下、
(4a)
[式中、 A A2、 A3、 A4、 A5及ぴ A6は、 それぞれ、 互いに独立し、 同一 または異なって、 置換基を有していてもよいじ 〜じ 。アルキル基であり、 ただ し、 A A2、 A3、 A4、 A5及ぴ A6のいずれか組み合わせが、 互いに架橋し て飽和環又は不飽和環を形成してもよく、 かつ、 置換基を有していてもよく、 A 7一は、 求核性のないァニオン種であり、 Q環基は、 置換基を有していてもよい炭 化水素芳香環若しくは置換基を有していてもよレ、窒素含有芳香環と縮合した 1,2,4-トリァゾール -1-ィルォキシ基、 又は、 置換基を有していてもよい、 窒素原 子を 2以上含む 5員環基である。 ]
[式中、 11、 A12、 A13及び A14は、 それぞれ、 互いに独立し、 同一または 異なって、 置換基を有していてもよい C 〜C10アルキル基であり、 ただし、 A1 A12、 A 13及び A 14のいずれか組み合わせが、 互 V、に架橋して飽和環又は不 飽和環を形成してもよく、 かつ、 置換基を有していてもよく、 A15 は、 求核性 のないァニオン種であり、 S環基は、 置換基を有して V、てもよい炭化水素芳香環 若しくは置換基を有していてもよい窒素含有芳香環と縮合した 1,2,4-トリァゾー ル -1-ィルォキシ基、 又は、 置換基を有していてもよい、 窒素原子を 2以上含む 5 員環基である。 ]
下記一般式 (5) で示されるヌクレオシド誘導体と
[式中、 B2は、 ピリミジン塩基、 プリン塩基、 又は、 それらの誘導体を表し、 R3は、 保護基を表し、 R4は、 水素原子、 アルコキシ基、 アルケニルォキシ基、 ァシルォキシ基、 又は、 トリアルキルシリルォキシ基を表す。 ]
を反応させ、 下記一般式 (6) で示される二量体を製造する方法が提供される。
[式中、 B 1 B2、 R R2、 R3及び R4は、 前記と同義を表す。 ]
本発明の第 3態様では、 前記強塩基が、 下記式 (7 a) で示されるナフタレン 誘導体であってもよい。
[式中、 X1、 X2、 X3及び X4は、 それぞれ、 互いに独立し、 同一または異なつ て、 C Ci。アルキル基であり、 X5、 X6、 X7、 X8、 X9及び X10は、 それ ぞれ 互いに独立し、 同一または異なって、 電子供与基である。 ]
この場合、 前記式 (7 a) 中、 X1、 X2、 X3及び X4が、 それぞれ、 互いに独 立し、 同一または異なって、 メチル基、 又は、 ェチル基であり、 X5、 X6、 X7、
X8、 X9及び X1。が、 水素原子、 Ci Ci。アルキル基、 又は C Ci。アルコ キシ基であることが好ましい。
また、 本発明の第 3態様では、 前記縮合剤が前記式 (4 a) で示される化合物 であってもよく、 この場合は、 前記式 (4 a) 中の Q環基が、 置換基を有してい てもよいイミダゾリル基、 置換基を有していてもよいトリァゾリル基、 置換基を 有していてもよいテトラゾリル基、 又は、 置換基を有しても良いベンゼン環若し くは置換基を有しても良いピリジン環と縮合したトリアゾリ/レオキシ基であり、 A7—が、 PF6—、 BF 、 C l〇4一、 CF3S020一、 又は、 (CF3S02) 2 N—であることが好ましい。
また、 本発明の第 3態様では、 前記縮合剤が前記式 (4 b) で示される化合物 であり、前記強塩基が下記式( 7 b )で示されるピリジン誘導体であってもよい。
[式中、 Y1は、 水素原子、 C1〜C1。アルキル基、 又は、 〜。 。アルコキシ 基であり、 2及ぴ 3は、 それぞれ、 互いに独立し、 同一または異なって、 〜C 10アルキル基である。 ]
この場合、 前記式 (4 b) 中の S環基が、 置換基を有してレ、てもよいイミダゾ リル基、 置換基を有していてもよいトリァゾリル基、 置換基を有していてもよい テトラゾリル基、 又は、 置換基を有しても良いベンゼン環若しくは置換基を有し ても良いピリジン環と縮合したトリアゾリルォキシ基であり、 A15一が、 PF 6一、 BF4一、 C 1〇 、 CF3S020—、 又は、 ( C F 3 S O 2) 2 N—であることが好 ましく、 また、 前記式 (7 b) 中、 Y1が水素原子、 又は、 メチル基であり、 Y2 及び Y3が、 メチル基であることが好ましい。
本発明の第 4態様では、 本発明の第 1態様にかかるボラノホスフエートモノマ 一を用いたオリゴヌクレオチド誘導体の製造方法の一態様が提供される。 即ち、 下記式 (8) で示されるオリゴヌクレオチド誘導体と、
[式中、 B1及ぴ B2は、 それぞれ、 互いに独立し、 同一または異なって、 ピリミ ジン塩基、 プリン塩基、 又は、 それらの誘導体を表し、 R1は、 ジメ トキシトリ チル基、 又は、 モノメ トキシトリチル基であり、 1 2及び1 4は、 それぞれ、 互い に独立し、 同一または異なって、水素原子、アルコキシ基、 アルケニルォキシ基、 ァシルォキシ基、 又は、 トリアルキルシリルォキシ基であり、 R3は、 保護基で あり、 nは 1以上の整数を示す。 ]
脱保護試薬とを反応させて、 R1を脱離させた後、 上記式 (8) 中のシァノエ チル基を 脱離させない強塩基、 及び、 下記式 (4 a) 、 又は、 下記式 (4 b) で示される縮合剤存在下、
[式中、 A1 A2、 A3、 A4、 A5及び A6は、 それぞ L、 互いに独立し、 同一 または異なって、 置換基を有していてもよい C Ci。アルキル基であり、 ただ し、 A A2、 A3、 A4、 A5及ぴ A6のいずれか組み合わせが、 互いに架橋し て飽和環又は不飽和環を形成してもよく、 かつ、 置換基を有していてもよく、 A 7一は、 求核性のないァニオン種であり、 Q環基は、 置換基を有していてもよい炭 化水素芳香環若しくは置換基を有していてもよい窒素含有芳香環と縮合した
1,2,4-トリアソール- 1-ィルォキシ基、 又は、 置換基を有していてもよい、 窒素原 子を 2以上含む 5員環基である。 ]
[式中、 11、 A12、 A13及び A14は、 それぞれ、 互いに独立し、 同一または 異なって、置換基を有していてもよい C 〜Ci。アルキル基で り、 ただし、 A1
\ A12、 A13及び A14のいずれか組み合わせが、 互いに架橋して飽和環又は不 飽和環を形成してもよく、 かつ、 置換基を有していてもよく、 A15_は、 求核性 'のないァニオン種であり、 S環基は、 置換基を有していてもょレ、炭化水素芳香環 若しくは置換基を有していてもよい窒素含有芳香環と縮合した 1,2,4-トリアゾー ル -1-ィルォキシ基、 又は、 置換基を有していてもよい、 窒素原子を 2以上含む 5 員環基である。 ]
下記式 (1) で示されるボラノホスフェートモノマ一と
[式中、 B R1及び R2は、 上記と同義である。 ]
を反応させることを特徴とする、 下記式 (9) で示されるオリゴヌクレオチド誘 導体の製造方法が提供される。
[式中、 B B 2、 R R 2、 R 3、 R 4及び nは、 前記と同義を表す。 ] 本発明の第 4態様において、 反応が固相で行われることが好ましい。
本発明により、 従来開発されたボラノホスフエートオリゴマ一に見られた問題 点を解決しつつ、 かつ実用に耐えうるボラノホスフエートオリゴマーを提供する ことが可能となる。 本発明により得られるボラノホスフェートオリ ゴマ一はアン チセンス分子として有用である。 発明を実施するための最良の形態
本発明の第 1態様では、 下記式 ( 1 ) で示されるボラノホスフエートモノマー が提供される。
[式中、 B R 1及び R 2は、 上記の意味を有する。 ]
上記式 (1 ) で示されるボラノホスフェートモノマーは、 リン原子上の保護基 がシァノエチル基であるため、 アンモニア等を用いて保護基を除去する場合、 シ ァノエチル基は 脱離によって除去される。 このため、 当該ボラノホスフェート モノマーを用いてオリゴマーを得た後にこの保護基を除去しても、 オリゴマーを
分解させることはない。 したがって、 本発明により、 実用に耐えうるボラノホス フェートオリゴマーを提供することが可能となる。
上記式中、 B 1は、 チミン、 シトシン、 ゥラシル等のピリミジン塩基;アデェ ン、 グァニン等のプリン塩基;または 5-メチルシトシン、 5-フルォロウラシル、 5—ヒ ドロキシメチルシトシン等のそれらの誘導体を表す。
溶媒への溶解度を向上させるために、 塩基部位に、 ジメ トキシトリチル基
(DMTr) 、 ァセチル (Ac)、 ベンゾィル (Bz)、 イソブチリル (iBu)、 フエノキシァ セチル (PAC)、 4-(t-ブチル)フエノキシァセチル (BPA)、 ァリルォキシカルボニル (AOC)、 2-[(t-ブチルジフ-ニルシリルォキシ)メチル]ベンゾィノレ (SiOMB)、 2- (ァ セチルメチル)ベンゾィル (AMB)、 2-アジドベンゾィル (AZMB)、 ジフエ二ルカノレ バモイル (DPC)、 フェニルァセチル (PA)等の保護基を導入してもよレ、。
本発明の第 1態様において、 B 1は、 シトシン、 チミン、 アデニン、 グァニン またはそれらの誘導体、 あるいはそれらに保護基が導入されたものであることが 好ましい。
上記式中、 R 1は、 ジメ トキシトリチル基 (DMTr) 、 又は、 モノメ トキシトリ チル基である。
本発明の第 1態様において、 R 1は、 ジメ トキシトリチル基であることが好ま しい。
上記式中、 R 2は、 水素原子、 アルコキシ基、 アルケニルォキシ基、 ァシルォ キシ基、 又は、 トリアルキルシリルォキシ基を表す。
本明細書において、 「アルコキシ基」 としては、 制限するわけで ίまないが、 メ トキシ、 エトキシ、 プロポキシ、 ブトキシ、 ペンチルォキシ等を挙げることがで さる。
本明細書において、 「アルケニルォキシ基」 としては、 制限するわけではない が、 ビニルォキシ、 ァリルォキシ、 1一プロぺニルォキシ、 ィソプロぺニルォキ シ、 2—メチルー 1—プロぺニルォキシ、 2—メチルァリルォキシ、 2—ブテニ ルォキシ等を挙げることができる。
本明細書において、 「ァシルォキシ基」 としては、 制限するわけではないが、
C 1-6アルキル一カルボニルォキシ (たとえばメチルカルボニルォキシ、 ェチルカ
ルポニルォキシ等) 、 C 6-10ァリール一カルボニルォキシ (たとえばベンダィノレ 才キシ) などが挙げられる。
本明細書において、 「トリアルキルシリルォキシ基」 としては、 制限するわけ ではないが、 トリメチルシリルォキシ基、 トリェチルシリルォキシ基などを挙げ ることができる。
本発明の第 1態様において、 R 2は、 水素原子、 アルコキシ基、 トリアノレキル シリルォキシ基であることが好ましい。
本発明の第 1態様にかかるボラノホスフェートモノマーを R N A誘導体合成の ために使用する場合には、 R 2はトリアルキルシリルォキシ基であること 好ま しく、 t-プチルジメチルシリル基であることがより好ましい。
本発明の第 2態様では、 本発明の第 1態様にかかるボラノホスフェートモノマ 一を製造する方法の一態様が提供される。 即ち、 本発明の第 2態様では、 シァノ ェチル基を 脱離させない強塩基、 及び、 所定の縮合剤存在下、 下記式 (2 ) で 示されるボラノホスホリル化剤と、 下記式 ( 3 ) で示されるヌクレオシド露導体 とを反応させ反応生成物を得る工程と、 前記反応生成物と トリ poェ l I チルァミンとを 反応させる工程とを含むことを特徴とする、 下記式 ( 1 ) で示されるボラノ ホス フエ一トモノマーの製造方法が提供される。
NC
[式中、 B 1^及ぴ1 2は、 上記の意味を有する。 ]
本発明の第 2態様において、 上記式中の Β R 1及び R 2についての説日月は、
本発明の第 1態様〜第 2態様においてしたのと同様である。
本発明の第 2態様では、 下記式 (2) で示されるボラノホスホリル化剤が用い られる。
また、 本発明の第 2態様では、 下記一般式 (3) で示されるヌクレオシド誘導 体が用いられる。
[式中、 B R1及び R2は、 上記の意味を有する。 ]
本発明の第 2態様において、 使用される上記式 (2) で示されるボラノホスホ リル化剤の量は、 ボラノホスホリル化反応を定量的に進行させるために、 上記式 (3) で示されるヌクレオシド誘導体 1モルに対して 1モル〜 3モル用いること が好ましく、 1. 2モル〜 1. 5モル用いることが更に好ましい。
また、 本発明の第 2態様では、 上記式 (2) で示されるボラノホスホリノレ化剤 と、 上記式 (3) で示されるヌクレオシド誘導体とを反応させる際に、 シァノエ チル基を 3脱離させない強塩基が用いられる。
本明細書において、 「シァノエチル基を ]3脱離させない強塩基」 としては、 例 えば、 解離したプロ トンのみを捕捉し、 かつ捕捉する側に平衡が偏っている塩基 を挙げることができる。
このような強塩基の一態様として、 例えば、 下記式 (7 a) で示されるナフタ レン誘導体を挙げることができる。
上記式 (7 a) 中、 X1、 X2、 X3及び X4は、 それぞれ、 互いに独立し、 同一 または異なって、 Ci Ci。アルキル基である。
本明細書において、 「C1〜C1。アルキル基」 としては、 制限するわけではな いが、 メチル、 ェチノレ、 プロピル、 イソプロピル、 n—ブチノレ、 s e c—ブチノレ 、 t e r t—ブチル、 ペンチル、 へキシル等を挙げることができる。
本発明において、 X1、 X2、 X3及び X4は、 それぞれ、 互いに独立し、 同一ま たは異なって、 メチル基、 又は、 ェチル基であることが好ましい。
上記式 (7 a) 中、 X5、 X6、 X7、 X8、 X9及び X1。は、 それぞれ、 互いに 独立し、 同一または異なって、 電子供与基である。
本明細書において、 「電子供与基」 としては、 制限するわけではないが、 水素 原子、 ヒ ドロキシ基、 アルコキシ基、 アミノ基、 ジアルキルアミノ基、 アルキル 基、 ァリール基などを挙げることができる。
本明細書において、 「ァリール基」 としては、 制限するわけではないが、 フエ ニル、 1 _ナフチノレ、 2—ナフチル、 インデニル、 ビフエ二リル、 アント リル、 フエナントリル等を挙げることができる。
本発明の第 2態様において、 X
5、 X
6、 X
7、 X
8、
9及び
1°は、 それぞれ 、 互いに独立し、 同一または異なって、 。 。 。アルキル基、 又は
アルコキシ基であることが好ましく、 水素原子、 メチル基、 ェチル基、 メ トキシ 基、 ジメチルァミノ基であることがより好ましい。
また、 本明細書において、 「シァノエチル基を /3脱離させない強塩基」 の他の 態様としては、 例えば、 下記式 (7 b) で示されるピリジン誘導体を挙げること ができる。
Y2へz ヽ 1ST八ヽ γ3
(7b)
上記式 (7 b) 中、 Y1は、 水素原子、 Ci C 。アルキル基、 又は、 じ 〜じ 10アルコキシ基である。 また、 Y2及び Y3は、 それぞれ、 互いに独立し、 同一ま たは異なって、 Ci Ci。アルキル基である。
ピリジンはその窒素原子求核性ゆえボランを脱離させてしまうが、 2,6-位に: r ルキル基を導入することで、 求核性のない化合物とすることができる。
本発明の第 2態様において、 Y1は、水素原子又は Ci Ci。アルキル基である ことが好ましく、 水素原子又はメチル基であることがより好ましい。
本発明の第 2態様において、 Y2及ぴ Y3は、 メチル基であることが好ましレ、。 本発明の第 2態様において、 反応を完結させるために、 シァノエチル基を β脱 離させない強塩基は、 上記式 (2) で示されるボラノホスホリル化剤に対して過 剰量用いることが好ましい。 例えば、 上記式 (2) で示されるボラノホスホリノレ 化剤 1モルに対して 5モル以上用いることが好ましく、 7モル〜 20モル用いる ことが更に好ましい。
また、 本発明の第 2態様では、 上記式 (2) で示されるボラノホスホリル化剤 と、 上記式 (3) で示されるヌクレオシド誘導体とを反応させる際に、 縮合剤 用いられる。 ·
本発明で用いられる縮合剤は、 リン原子上の保護基がシァノエチル基のように 嵩高い基であっても縮合反応が進行するものである必要がある。 このような縮合 剤の一態様として、 下記式 (4 a) で示される縮合剤を挙げることができる。
上記式 (4 a) 中、 A A
2、 A
3、 A
4、 A
5及び A
6は、 それぞれ、 互いに 独立し、 同一または異なって、 置換基を有していてもよい Ci Ci。アルキル基 (例えば、 メチル基、 ェチル基であることが好ましい) であり、 A
1 A
2、 A
3、 A
4、 A
5及び A
6のいずれか組み合わせが、 互いに架橋して飽和環又は不飽和環 を形成してもよく、 かつ、 置換基を有していてもよい。
本明細書において、 「飽和環又は不飽和環」 としては、 4員環〜 10員環の飽 和環又は不飽和環であることが好ましく、 4員環〜 7員環の飽和環又は不飽和環 であることが更に好ましく、 5員環の飽和環又は不飽和環であることが特に好ま しい。
例えば、 下記式で表されるように、 A1及ぴ A2、 A3及び A4、 並びに、 A5及 ぴ A 6が、 それぞれ互いに架橋して 5員飽和環を形成する場合、 A 2及び A 3、 並 びに、 A 5及び A 6が架橋して 5員飽和環を形成し、 A 1及び A4がメチル基である 場合などを好ましく挙げることができる。
[式中、 A7—及ぴ Q環基は、 上記の意味を有する。 ]
上記式 (4 a) 中、 A7 は、 求核性のないァニオン種である。
本明細書において、 「求核性のないァ-オン種」 としては、 例えば、 PF6一、 BF4—、 C 104_、 CF3S020—、 又は、 (CF3S02) 2N—を挙げることが できる。
本発明の第 2態様において、 A7一は、 ??6ー又は8 4—でぁることが好まし レ、。
上記式 (4 a) 中、 Q環基は、 置換基を有していてもよい炭化水素芳香環若し くは置換基を有していてもよい窒素含有芳香環と縮合した 1,2,4-トリアゾール -1- ィルォキシ基、 又は、 置換基を有していてもよい、 窒素原子を 2以上含む 5員環
基である。
本明細書において、 「炭化水素芳香環」 としては、 例えば、 ベンゼンのような 単環式炭化水素芳香環; ビフヱニル、 トリフヱニル、 ナフタレン、 インデン、 ァ ントラセン、 フエナントレンのような多環式炭化水素芳香環を挙げることができ る。
本明細書において、 「窒素含有芳香環」 としては、 例えば、 ピロール、 イミダ ゾール、 トリァゾール、 ピラゾール、 ピリジン、 ピリダジン、 ピリミジン、 ビラ ジンのような単環式窒素含有芳香環; ィンドール、 キノリン、 イソキノリン、 プ リン、 シンノ リン、 キノキサリン、 キナゾリジン、 フタラジン、 カルバゾール、 ァクリジン、 フ-ナジン、 フエナントリジンのような多環式窒素含有芳香環を挙 げることができる。
本明細書において、 窒素原子を 2以上含む 5員環基としては、 例えば、 ピロリ ル基、 ィミダゾリル基、 トリアゾリル基、 テトラゾリル基を挙げることができる 本発明の第 2態様において、 Q環基で示される 「炭化水素芳香環」 、 「窒素含 有芳香環」 、 「窒素原子を 2以上含む 5員環基」 には、 置換基が導入されていて もよい。 この置換基としては、 例えば、 C 1〜 C 1。炭化水素基 (例えば、 メチル 、 ェチノレ、 プロピノレ、 ブチル、 フエニル、 ナフチノレ、 インデニル、 トリル、 キシ リル、 ベンジル等) 、 C C i。アルコキシ基 (例えば、 メ トキシ、 エトキシ、 プロポキシ、 ブトキシ等) 、 C 6〜C 。ァリールォキシ基 (例えば、 フエニルォ キシ、 ナフチルォキシ、 ビフエニルォキシ等) 、 ニトロ基、 シァノ基、 トリフル ォロメチル基、 水酸基、 又はハロゲン原子 (例えば、 フッ素、 塩素、 臭素、 ヨウ 素) などを挙げることができる。 この場合、 置換基は、 置換可能な位置に 1個以 上導入されていてもよく、 好ましくは 1個〜 4個導入されていてもよい。 置換基 数が 2個以上である場合、 各置換基は同一であっても異なっていてもよい。 本発明の第 2態様において、 Q環基は、 置換基を有していてもよいイミダゾリ ル基、 置換基を有していてもよいトリァゾリル基、 置換基を有していてもよいテ トラゾリル基、 又は、 置換基を有しても良いベンゼン環若しくは置換基を有して も良いピリジン環と縮合したトリァゾリルォキシ基であることが好ましく、 二ト
口基、 ハロゲン原子、 シァノ基若しくはトリフルォロメチル基等の電子吸引型の 置換基を有するィミダゾリル基、 トリアゾリル基若しくはテトラゾリル基、 又は 、 ピリジン環と縮合したトリァゾリルォキシ基であることがより好ましい。
また、本発明の第 2態様で用いられる縮合剤の他の態様として、下記式(4 b) で示される縮合剤を拳げることができる。
(4b) 上記式 (4 b) 中、 A11 A12、 A13及ぴ A14は、 それぞれ、 互いに独立し、 同一または異なって、置換基を有していてもよい Ci Ci。アルキル基(例えば、 メチ^^基、 ェチル基であることが好ましい) であり、 A11, A12、 A13及び A1 4のレ、ずれか組み合わせが、 互いに架橋して飽和環又は不飽和環を形成してもよ く、 かつ、 置換基を有していてもよい。
例えば、 下記式で表されるように、 A 12及び A 13が、互いに架橋して 5員飽和 環を形成し、 A 11及び A 14がメチル基である場合などを好ましく挙げることがで さる。
[式中、 A15—及び S環基は、 上記の意味を有する。 ]
上記式 (4 b) 中、 A15-は、 求核性のないァニオン種である。
本発明の第 2態様において、 A15 は、 ??6ー又は3?4ーでぁることが好まし
上記式 (4 b ) 中、 S環基は、 置換基を有していてもよい炭化水素芳香環若し くは置換基を有していてもよい窒素含有芳香環と縮合した 1,2,4-トリアゾール -1- ィルォキシ基、 又は、 置換基を有していてもよい、 窒素原子を 2以上含む 5員環 基である。
本発明の第 2態様において、 S環基で示される 「炭化水素芳香環」 、 「窒素含 有芳香環」 、 「窒素原子を 2以上含む 5員環基」 には、 置換基が導入されていて もよい。 この置換基としては、 例えば、 C i C i。炭化水素基 (例えば、 メチル 、 ェチル、 プロピル、 ブチノレ、 フエニル、 ナフチル、 インデニノレ、 トリノレ、 キシ リル、 ベンジル等) 、 。アルコキシ基 (例えば、 メ トキシ、 エトキシ、 プロポキシ、 ブトキシ等) 、 。ァリールォキシ基 (例えば、 フエニルォ キシ、 ナフチルォキシ、 ビフエニルォキシ等) 、 ニトロ基、 シァノ基、 トリフル ォロメチル基、 水酸基、 又はハロゲン原子 (例えば、 フッ素、 塩素、 臭素、 ヨウ 素) などを挙げることができる。 この場合、 置換基は、 置換可能な位置に 1個以 上導入されていてもよく、 好ましくは 1個〜 4個導入されていてもよい。 置換基 数が 2個以上である場合、 各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
本発明の第 2態様において、 S環基は、 置換基を有していてもよいイミダゾリ ル基、 置換基を有していてもよいトリァゾリル基、 置換基を有していてもよいテ トラゾリル基、 又は、 置換基を有しても良いベンゼン環若しくは置換基を有して も良いピリジン環と縮合したトリアゾリルォキシ基であることが好ましく、 ニト 口基、 ハロゲン原子、 シァノ基若しくはトリフルォロメチル基等の電子吸引型の 置換基を有するイミダゾリル基、 トリァゾリル基若しくはテトラゾリル基、 又は 、 ピリジン環と縮合したトリアゾリルォキシ基であることがより好ましい。
本発明の第 2態様において、 使用される縮合剤の量は、 縮合反応を定量的に進 行させるために、 上記式 (2 ) で示されるボラノホスホリル化剤 1モルに対して 、 1モル〜 2 0モル用いることが好ましく、 1 . 5モル〜 1 0モル用いることが 更に好ましく、 2モル〜 3モル用いることが更になお好ましい。
本発明の第 2態様において、 縮合剤が前記式 (4 a ) で示される化合物である 場合には、 強塩基としては、 より塩基性の強い上記式 (7 a ) で示されるナフタ レン誘導体を用いることが好ましい。
また、 本発明の第 2態様において、 縮合剤が前記式 (4 b ) で示される化合物 である場合には、 強塩基としては、 より塩基性の強い上記式 (7 a ) で示される ナフタレン誘導体を用いてもよいし、 やや塩基性が弱い上記式 (7 b ) で示され るピリジン誘導体を用いてもよい。 ァニオン化したヌクレオシド誘導体と縮合剤 との反応を避ける観点からは、 やや塩基性が弱い上記式 (7 b ) で示されるピリ ジン誘導体を用いることが好ましい。
また、 本発明の第 2態様では、 続いて、 ボラノホスホリル化剤とヌクレオシド 誘導体とを反応させ得られた反応生成物を単離精製した後に、 トリェチルァミン とを反応させる。 これにより、 リン原子上のシァノエチル基が一つ除去され、 上 記式 ( 1 ) で示されるボラノホスフエートモノマーを得ることができる。
本発明の第 2態様において、 反応を完結させるために、 トリェチルァミンは、 上記式 (2 ) で示されるボラノホスホリル化剤に対して過剰量用いることが好ま しい。 例えば、 上記式 ( 2 ) で示されるボラノホスホリル化剤 1モルに対して 5 モル以上用いることが好ましく、 7モル〜 2 0モル用いることが更に好ましい。 本発明の第 2態様において、 典型的には、 上記式 (2 ) で示されるボラノホス ホリル化剤と上記式 ( 3 ) で示されるヌクレオシド誘導体の溶液に、 縮合剤と強 塩基を加えて攪拌し、 得られた生成物を単離精製した後に、 トリェチルァミンを 反応させることで、上記式(1 )で示されるボラノホスフエートモノマーを得る。 具体的には、 下記のスキームに従って進むと考えられる。
[式中、 B 1^及ぴ1
2は、 上記の意味を有する。 ]
本発明の第 2態様において、 溶媒としては上記式 (2 ) で示されるボラノホス ホリル化剤と上記式 ( 3 ) で示されるヌクレオシド誘導体および縮合剤が溶解で きるものが好ましい。 たとえば、 ァセトニトリル、 テトラヒ ドロフラン、 ジクロ ロメタン、 Ν,Ν-ジメチルホルムアミ ド等を挙げることができ、 ァセトニトリル、 又は Ν,Ν-ジメチルホルムァミ ドであることが好ましい。
本発明の第 2態様において、 反応温度としては、 -30 〜 50°Cが好ましく、 0°C 〜40°Cがさらに好ましく、 15° (:〜 30°Cが更になお好ましい。 所望により、 光を遮 断して反応を進行させてもよい。
本発明の第 2態様において、 圧力は、 大気圧であることが好ましい。 雰囲気は 、 アルゴン等の不活性ガス雰囲気であることが好ましい。
本発明の第 2態様で用いられる上記式 (2 ) で示されるボラノホスホリル化剤 は、例えば、 トリス- 2-シァノェチルホスフアイ トを BH3 · THF錯体、 BH3 · SMe2 錯体等でボラノ化してトリス -2-シァノエチルポラノホスフエートを得て、得られ たトリス -2-シァノエチルボラノホスフヱ一トと トリエチルアミンを反応させる ことにより得ることができる。
0-CH2CH2— CN _ 0-CH2CH2— CN
|i_0_CH2CH2-CN 、フノ > H3B-*-P-0-CH2CH2-CN 0-CH2CH2— CN 0-CH2CH2— CN
ボラノホスホリル化剤の製造方法において、使用される B¾ · THF錯体、 BH3
• SMe2錯体等のポラノ化剤の量は、 ボラノ化反応を定量的に進行させるために 、 トリス -2-シァノエチルホスフアイ ト 1モルに対して 1モル〜 2モルであること が好ましく、 1 . 2モル〜 1 . 5モルであることが更に好ましレ、。
ボラノホスホリル化剤の製造方法において、 反応を完結させるために、 トリエ チルァミンは、得られたトリス -2-シァノエチルボラノホスフエートに対して過剰
量用いることが好ましい。 例えば、 トリス- 2-シァノエチノレボラノホスフエート 1 モルに対して、 5モル以上用いることが好ましく、 7モノレ〜 2 0モル用いること が更に好ましい
ボラノホスホリル化剤の製造方法において、 典型的に έま、 トリス- 2-シァノエチ ルホスフアイ トの溶液に ΒΗ3 · THF錯体を加えて攪拌し、 得られた反応生成物 を単離精製した後に、 トリェチルァミンと反応させるこ とで、 上記式 (2 ) で示 されるボラノホスホリル化剤を得る。
ボラノホスホリル化剤の製造方法において、溶媒とし はトリス -2-シァノエチ ルホスフアイ トが溶解できるものが好ましい。 たとえば、 ァセトニトリル、 テト ラヒ ドロフラン、 ジクロロメタン、 Ν,Ν-ジメチルホルムアミ ドを挙げることがで き、 ァセトニトリル、 又は Ν,Ν-ジメチルホルムアミ ドであることが好ましい。 ボラノホスホリル化剤の製造方法において、 反応温度としては、 -30°C〜50°C が好ましく、 0°C〜40°Cがさらに好ましく、 15°C〜30°Cが更になお好ましい。 所 望により、 光を遮断して反応を進行させてもよい。
ボラノホスホリル化剤の製造方法において、 圧力は、 大気圧であることが好ま しい。 また、 雰囲気は、 アルゴン等の不活性ガス雰囲気であることが好ましい。 本発明の第 3態様では、 本発明の第 1態様にかかるポラノホスフェートモノマ 一を用いた二量体の製造方法の一態様が提供される。 即ち、 本発明の第 3態様で は、 下記一般式 ( 1 ) で示されるボラノホスフェートモ ノマーと、 上記式 ( 1 ) 中のシァノエチル基を 脱離させない強塩基、 及び、 所定の縮合剤存在下、 下記 一般式 (5 ) で示されるヌクレオシド誘導体とを反応させ、 下記一般式 (6 ) で 示される二量体を製造する方法が提供される。
[式中、 B 1 R 1 , R 2は、 上記の意味を有する。 ]
上記式中、 B 1 R 1及び R 2についての説明は、 本発 の第 1態様〜第 2態様 においてしたのと同様である。
本発明の第 3態様では、下記式(5 )で示されるヌクレオシド誘導 6体を用いる。
上記式 (5 ) 中、 B
2は、 チミン、 シトシン、 ゥラシル等のピリミジン塩基; アデニン、 グァニン等のプリン塩基;または 5-メチルシトシン、 5-フルォロウラ シル、 5—ヒ ド口キシメチルシトシン等のそれらの誘導体を表す。
溶媒への溶解度を向上させるために、 塩基部位に、 ジメ トキシトリチル基 (DMTr) 、 ベンゾィル (Bz)、 イソプチリル (iBu)、 フエノキシァセチル (PAC)、 4-(t-ブチル)フエノキシァセチル (BPA)、 ァリルォキシカルボニル (AOC)、 2-[(t- プチルジフエニルシリルォキシ)メチノレ]ベンゾィル (SiOMB)、 2- (ァセチルメチル) ベンゾィル (AMB)、 2-アジドベンゾィル (AZMB)、 ジフエ二ルカルバモイル、 フ ヱニルァセチル等の保護基を導入してもよい。
本発明の第 3態様において、 B 2は、 シトシン、 チミン、 アデニン、 グァニン またはそれらの誘導体、 あるいはそれらに保護基が導入されたものであることが 好ましい。
上記式 (5 ) 中、 R 3は、 保護基を表す。
本明細書において、 保護基としては、 二量体の製造方法が固相反応である場合 には固相反応用の保護基 (担体) を、 液相反応の場合は液相反応用の各種保護基 を挙げることができる。
本明細書において、液相反応用の保護基としては、アルキル基、アルケニル基、 ァシル基、 置換基を有していてもよいシリル基、 アルコキシァシル基、 ァリ一ル ォキシァシル基等を挙げることができる。
本明細書において、 「アルケニル基」 としては、 制限するわけではないが、 ビ 二ノレ、 ァ リノレ、 1一プロぺニノレ、イソプロぺニノレ、 2—メチノレ一 1—プロぺニノレ、 2—メチルァリル、 2ーブテュル等を挙げることができる。
本明細書において、 「ァシル基」 としては、 制限するわけではないが、 C 1-6 アルキル一カルボニル (たとえばメチルカルボニル、 ェチルカルボニル等) 、 C
6-10ァリール一カルボニル (たとえばベンゾィル) などが挙げられる。
本明細書において、 「置換基を有していてもよいシリル基」 としては、 制限す るわけではないが、 t_ブチルジメチルシリル基、 t_ブチルジフヱニルシリル基など を挙げることができる。
本明細書において、 「アルコキシァシル基」 としては、 制限するわけではない が、 C 1-6アルコキシ一C 1-6アルキル一カルボ二ノレ (たとえばメ トキシメチルカ ルポニル、 エトキシェチルカルボニル等) 、 C ι·6アルコキシ—C 6-10ァリール一 カルボニル (たとえばメ トキシベンゾィル) などが挙げられる。
本明細書において、 「ァリールォキシァシル基」 としては、 制限するわけでは ないが、 C 6-10ァリールォキシ—C 1-6アルキル一力ルポニル (たとえばフエノキ シァセチル、 フエノキシェチルカルボニル等) 、 C 6-10ァリ一ノレォキシ一C 6-10 ァリール一カルボニル (たとえばフエノキシベンゾィル) などが挙げられる。 本明細書において、 固相反応用の担体としては、 たとえば、 アミノアルキル化 された孔径が制御された多孔性ガラス (controlled pore glass:CPG)、 アミノアル
キル化された高架橋性ポリスチレン (HCP)といった固相法に用いられる公知の高 分子担体であって、 できるだけ膨潤性がなく、 過剰に用いた試薬を洗浄によって 簡単に除去できるものを特に制限なく挙げることができる。
担体とヌクレオシドの水酸基はコハク酸エステル、 シユウ酸エステル、 フタル 酸エステル等のリンカ一を介して結合していてもよい。
本発明の第 3態様において、 R 3は、 二量体の製造方法が固相反応である場合 には、 CPG又は HCP、 あるいはリンカ一を有する担体であることが好ましく、 二量体の製造方法が液相反応である場合には、 ベンゾィル基、 フエノキシァセチ ル基であることが好ましい。
上記式 (5 ) 中、 R 4は、 水素原子、 アルコキシ基、 アルケニルォキシ基、 了 シルォキシ基、 又は、 トリアルキルシリルォキシ基を表す。
本発明の第 3態様において、 R 4は、 水素原子、 メ トキシ基、 又はァシルォキ シ基であることが好ましい。
本発明の第 3態様において、 反応が固相反応の場合には、 上記式 (1 ) で示さ れるボラノホスフェートモノマーは、 上記式 ( 5 ) で示されるヌクレオシド誘導 体に対して過剰量用いることが好ましい。 例えば、 上記式 (1 ) で示されるボラ ノホスフェートモノマーは、 上記式 (5 ) で示されるヌクレオシド誘導体 1モル に対して 1モル〜 5 0モル用いることが好ましく、 1 0モル〜 4 0モル用いるこ とが更に好ましく、 2 0モル〜 3 0モル用いることが更になお好ましい。
本発明の第 3態様において、 反応が液相反応の場合には、 上記式 (1 ) で示さ れるボラノホスフェートモノマーは、 縮合反応を定量的に進行させるために、 上 記式 ( 5 ) で示されるヌクレオシド誘導体 1モルに対して 1モル〜 3モル用いる ことが好ましく、 1 . 2モル〜 1 . 5モル用いることが更に好ましい。
また、 本発明の第 3態様では、 上記式 (1 ) で示されるボラノホスフェートモ ノマーと、上記式 ( 5 )で示されるヌクレオシド誘導体とを反応させるに際して、 シァノエチル基を 脱離させない強塩基が用いられる。
本発明の第 3態様において、 強塩基の説明は、 本発明の第 2態様においてした のと同様である。
本発明の第 3態様において、 反応が液相、 固相のいずれの場合であっても、 反
応を完結させるために、 シァノエチル基を j8脱離させない強塩基は、 上記式 (1 ) で示されるボラノホスフエートモノマーに対して過剰量用いることが好ましい 。 例えば、 上記式 (1 ) で示されるボラノホスフエートモノマー 1モルに対して 5モル以上用いることが好ましく、 7モル〜 2 0モル用いることが更に好ましい 。
また、 本発明の第 3態様では、 上記式 (1 ) で示されるボラノホスフヱ一トモ ノマーと、上記式(5 )で示されるヌクレオシド誘導体とを反応させるに際して、 所定の縮合剤が用いられる。
本発明の第 3態様において、 当該所定の縮合剤の説明は、 本発明の第 2態様に おいてしたのと同様である。
本発明の第 3態様において、 使用される縮合剤は、 反応が液相、 固相のいずれ の場合であっても、 縮合反応を定量的に進行させるために、 上記式 (1 ) で示さ れるボラノホスフエートモノマー 1モルに対して、 1モル〜 2 0モル用いること が好ましく、 1 . 5モル〜 1 0モル用いることが更に好ましく、 2モル〜 3モル 用いることが更になお好ましい。
本発明の第 3態様においても、本発明の第 2態様と同様に、縮合剤が前記式( 4 a ) で示される化合物である場合には、 強塩基としては、 より塩基性の強い上記 式 (7 a ) で示されるナフタレン誘導体を用いることが好ましい。
また、 本発明の第 3態様において、 縮合剤が前記式 (4 b ) で示される化合物 である場合には、 強塩基としては、 より塩基性の強い上記式 (7 a ) で示される ナフタレン誘導体を用いてもよいし、 やや塩基性が弱い上記式 (7 b ) で示され るピリジン誘導体を用いてもよい。 ァニオン化したヌクレオシド誘導体と縮合剤 との反応を避ける観点からは、 やや塩基性が弱い上記式 (7 b ) で示されるピリ ジン誘導体を用いることが好ましい。
本発明の第 3態様において、 典型的には、 上記式 (1 ) で示されるボラノホス フェートモノマーと上記式 (5 ) で示されるヌクレオシド誘導体の溶液に、 縮合 剤と強塩基を加えて攪拌することで、 上記式 (6 ) で示される二量体を得る。 本発明の第 3態様において、 溶媒としては上記式 (1 ) で示されるボラノホス フェートモノマーと上記式 ( 5 ) で示されるヌクレオシド誘導体おょぴ縮合剤が
溶解できるものが好ましい。 たとえば、 ァセトニトリル、 テトラヒドロフラン、 ジクロロメタン、 N,N-ジメチルホルムアミ ドを挙げることができ、 ァセトニトリ ル、 又は N,N-ジメチルホルムアミ ドであることが好ましい。
本発明の第 3態様において、 反応温度としては、 -30°C〜50°Cが好ましく、 0°C 〜40°Cがさらに好ましく、 15°C〜30°Cが更になお好ましい。 所望により、 光を遮 断して反応を進行させてもよい。
本発明の第 3態様において、 圧力は、 大気圧であることが好ましい。 雰囲気は 、 アルゴン等の不活性ガス雰囲気であることが好ましい。
本発明の第 4態様では、 本発明の第 1態様にかかるボラノホスフエートモノマ 一を用いたオリゴヌクレオチド誘導体の製造方法の一態様が提供される。 即ち、 下記式 (8 ) で示されるオリゴヌクレオチド誘導体と、 脱保護試薬とを反応させ て、 R 1を脱離させた後、 上記式 (8 ) 中のシァノエチル基を 脱離させない強 塩基、 及び、 所定の縮合剤存在下、 下記式 (5 ) で示されるボラノホスフ ート モノマーとを反応させることを特徴とする、 下記式 (9 ) で示されるオリヌクレ ォチド誘導体の製造方法が提供される。
[式中、 B B 2、 R \ R 2、 R 3及び R 4は、 上記の意味を有する。 ]
本発明の第 4態様にしたがって脱保護反応及び縮合反応を繰り返すことで、 任 意の鎖長までオリゴヌクレオチド鎖を延長することができる。 また、 任意の核酸 塩基を有するボラノホスフェートモノマー (1 ) を用いることで任意の塩基配列 を有するオリゴマーを合成することができる。
本発明の第 4態様において、 上記式中、 B B 2、 R \ R 2、 R 3及び R 4に ついての説明は、 本発明の第 1態様〜第 3態様においてしたのと同様である。 本発明の第 4態様において、 まず、 上記式 (8 ) で示されるオリゴヌクレオチ ド誘導体と脱保護試薬とを反応させて、 R 1を脱離させる。
ここで、 上記式 (8 ) 中、 nは、 1以上の整数を示し、 1〜1 0 0であること が好ましく、 1 0〜 7 0であることがより好ましく、 1 0〜3 0であることが更 に好ましい。
本発明の第 4態様において、 脱保護試薬は、 たとえば、 トリフルォロ酢酸、 ト リクロ口酢酸、 ジクロロ酢酸を好ましく挙げることができる。
本発明の第 4態様において、 脱保護試薬は、 反応を完結させるために、 上記式 ( 8 ) で示されるオリゴヌクレオチド誘導体 1モルに対して、 2モル〜 1 0 0モ ル用いることが好ましく、 5モル〜 5 0モル用いることが更に好ましく、 1 0モ ル〜 2 0モル用いることが更になお好ましい。
本発明の第 4態様において、 脱保護反応によって生成するトリチルカチオンが ボラノホスフェートに作用して分解反応を引き起こす恐れがあるため、 脱保護反 応は、 トリチルカチオンを還元する試薬 (トリチルカチオンス力ベンジャー) 存 在下で行うことが好ましい。 このような試薬としては、 トリェチルシラン、 ΒΗ3· ピリジン錯体を挙げることができる。
本発明の第 4態様において、 トリチルカチオンを還元する試薬は、 上記式 (8 ) で示されるオリゴヌクレオチド誘導体に対して、 大過剰用いることが好ましい 。 例えば、 上記式 (8 ) で示されるオリゴヌクレオチド誘導体 1モルに対して、 2モル〜 1 0 0モル用いることが好ましく、 5モル〜 5 0モル用いることが更に 好ましく、 1 0モル〜 2 0モル用いることが更になお好ましい。
本発明の第 4態様において、 上記式 (8 ) で示されるオリゴヌクレオチド誘導 体と脱保護試薬とを反応させて R 1を脱離させた後、 本発明の第 3態様にかかる
縮合反応と同様の縮合反応を行い、 上記式 (9 ) で示されるオリゴヌクレオチド 誘導体を製造する。
本発明の第 4態様において、 オリゴヌクレオチド誘導体の製造方法が固相反応 である場合には、 使用される上記式 ( 1 ) で示されるボラノホスフエートモノマ 一の量は、 縮合反応を定量的に進行させるために、 上記式 (8 ) で示されるオリ ゴヌクレオチド誘導体 1モルに対して 1モル〜 5 0モル用いることが好ましく、 1 0モル〜 4 0モル用いることが更に好ましく、 2 0モル〜 3 0モル用いること が更になお好ましい。
本発明の第 4態様において、 オリゴヌクレオチド誘導体の製造方法が液相反応 である場合には、 使用される上記式 (1 ) で示されるボラノホスフェートモノマ 一の量は、 縮合反応を定量的に進行させるために、 上記式 (8 ) で示されるオリ ゴヌクレオチド誘導体 1モルに対して 1モル〜 3モル用いることが好ましく、 1 . 2モル〜 1 . 5モル用いることが更に好ましい。
本発明の第 4態様で用いられる強塩基は、 本発明の第 2態様で説明したのと同 様である。
本発明の第 4態様において、 強塩基は、 反応が液相、 固相のいずれの場合であ つても、 反応を定量的に進行させるために、 上記式 (1 ) で示されるボラノホス フェートモノマーに対して過剰量用いることが好ましい。 例えば、 上記式 (1 ) で示されるボラノホスフエ一トモノマー 1モルに対して 5モル以上用いることが 好ましく、 7モル〜 2 0モル用いることが更に好ましい。
本発明の第 4態様で用いられる縮合剤は、 本発明の第 3態様で説明したのと同 板である。
本発明の第 4態様において、 縮合剤は、 反応が液相、 固相のいずれの場合であ つても、 反応を定量的に進行させるために、 上記式 (1 ) で示されるボラノホス フエ一トモノマー 1モルに対して、 1モル〜 2 0モル用いることが好ましく、 1 . 5モル〜 1 0モル用いることが更に好ましく、 2モル〜 3モル用いることが更 になお好ましい。
本発明の第 4態様において、 典型的には、 上記式 (8 ) で示されるオリゴヌク レオチド誘導体の溶液に、 脱保護試薬を加え、 反応生成物を得る。 次いで、 反応
生成物の溶液に、 上記式 (5 ) で示されるヌクレオシド誘導体を加え、 強塩基及 ぴ縮合剤を添加し、 攪拌してオリゴヌクレオチド誘導体 (9 ) を得る。
本発明の第 4態様において、 溶媒としては上記式 (8 ) で示されるオリゴヌク レオチド誘導体および縮合剤が溶解できるものが好ましい。 たとえば、 ァセトニ 1、リル、 テトラヒ ドロフラン、 ジクロロメタン、 Ν,Ν-ジメチルホルムァミ ドを挙 げることができ、 ァセトニトリル、又は Ν,Ν-ジメチルホルムァミ ドであることが 好ましい。
であることが好ましい。
本発明の第 4態様において、 反応温度としては、 -30°C〜50°Cが好ましく、 0°C 〜40°Cがさらに好ましく、 15° (〜 30°Cが更になお好ましレ、。 所望により、 光を遮 断して反応を進行させてもよい。
本発明の第 4態様において、 圧力は、 大気圧であることが好ましい。 雰囲気は 、 アルゴン等の不活性ガス雰囲気であることが好ましい。
本発明の第 4態様によって任意の鎖長を有するオリゴヌクレオチド誘導体が得 られた場合には、 まず、 5'-末端の R 1を本発明の第 4態様において説明した脱保 護反応によって除去する。
次いで、 得られた 5'·位に遊離の水酸基を有するオリゴマーから、 リン原子上の 保護基である 2-シァノェチル基を D B U (1,8-ジァザビシク口 [5.4.0]-ゥンデ力- 7- ェン) 等で除去する。 次いで、 アンモニアで処理することにより、 核塩基の保護 基および R 4で示される担体が除去され、 ボラノホスフェートオリゴマーが得ら れる。 実施例
以下、 本発明を実施例に基づいて説明する。 ただし、 本発明は、 下記の実施例 に制限されるものではない。
反応に用いた溶媒は、 市販のものを蒸留した後ナトリゥムまたはモレキュラー シーブ 4Aで乾燥したものを用いた。 その他の試薬は市販のものをそのまま用い た。
各種分析機器は、 以下に示した機種を用いた。
iH-核磁気共鳴スぺクトル (iH -NMR): バリアン Mercury 300 (300MHz)
3ip-核磁気共鳴スぺク トル (3ip -NMR): パリアン Mercury 300 (121.5MHz) カラムクロマトグラフィーに充填するシリカゲルには、 KANTO CHEMICALの Silica Gel 60 Nを用いた。 参考例 1
トリス- 2-シァノエチル ボラノホスフェートの調製
トリス- 2-シァノエチルホスフアイ ト (24.7 g, 102.4 mmol) の無水 THF溶液 (103 mL)に、 アルゴン雰囲気下で、 BH3 'THF/THF (121.5 mL, 113 mmol)の 0.93M 溶液を 0°Cで滴下にて加えた。 反応混合物を 1時間 室温にて攪拌し、 反 応混合物を減圧下で乾燥させた。 残渣をシリカゲルカラムで精製した (150 g)。 力 ラムクロマトグラフィ一は、 酢酸ェチルを用いて行った。 トリス- 2-シァノエチル ボラノホスフェートを含む部分を集めて減圧下で乾燥させ、 表題化合物を無色油 状物質として得た (22.9 g, 88%)。
Ή NMR (CDCla) δ 4.31 (6Η, m), 2.79 (6H, t, J= 5.7Hz), 1-0 (3H, bq, B¾); 3iP NMR(CDC13) δ 119.8- 116.9 (m). 参考例 2
トリェチルアンモニゥム ビス- 2-シァノエチルボラノホスフエートの調製
参考例 1 で得た ト リ ス -2-シァノエチルボラノホスフエ一 ト(22.8 g, 89.4 mmol)の無水 CH2C12溶液 (89.4 mL)に、アルゴン雰囲気下で、 Et3N (124 mL, 894 mmol) を室温で滴下にて加え、 昇温させ、 還流した。 1時間攪拌した後、 反応混 合物を室温まで冷却した。 残渣を減圧下で乾燥させ、 無水トルエン及ぴ CHC13
で共沸を繰り返し、 表題化合物を無色油状物質として得た (27.1g, 定量的)。
Ή NMR (CDC13) δ 12.58 (1H, bs), 4.14-4.04 (4H, m), 3.07 (6H, q, J = 7.3Hz), 2.74-2.66 (4H, m) 1.34 (9H, t, J = 7.2Hz), 1-0 (3H, bq, B¾); sip NMR(CDC13) δ 96.64 (q, JPB = 127.37Hz) 参考例 1〜参考例 2の反応スキームを下記に示す。
CEOヽ ボラン化
[式中、 「CE」 はシァノエチル基を表す。 ] 参考例 3
ビス- 2-シァノエチル 5'-ひジメ トキシトリチル -Λ^-ベンゾィル -2'-デォキシアデノ シン- 3'·ィノレ ボラノホスフェート
5'-ひジメ トキシトリチル -Λ^ベンゾィル -2'-デォキシアデノシン (1.31 g, 2.00 mmol) 及び参考例 2で得られたトリェチルァンモニゥム ビス- 2_シァノエチノレ ボラノホスフェート (0.730 g, 2.40 mmol)を、 無水ピリジンによる共沸、 次いで 無水トルエンによる共沸を繰り返すことで乾燥させた後、 無水ァセトニトリノレ (20.0 mL)に溶解させた。 溶液に、 引き続いて、 2,6-ルチジン (2.30 mL, 20.0 mmol), PyNTP (トリス(ピロリジン- 1 -ィル) 3-二トロ- 1,2,4-トリァゾール -1- ィル ホスホニゥム へキサフルォロホスフエ一ト) (2.40 g, 4.80 mmol)を加え た。 室温で 1時間攪拌した後、 反応混合物を CHCl3 (50 niL)で希釈した。 反応混 合物を飽和 NaHC03 (3 X 50 mL)で洗浄し、 水層を CHC13 (2 x 50 mL)で逆抽出 した。 有機層及ぴ洗浄液を集めて、 Na2S04上で乾燥させ、 濾過し、 減圧下で乾 燥させた。 残渣を無水トルエンで共沸を繰り返し、 シリカゲルカラムで精製した
(100 g)。 カラムクロマトグラフィーは、 酢酸ェチルを用いて行った。 ビス- 2-シァ ノエチル 5'-ひジメ トキシトリチル -Λ^-ベンゾィル -2'-デォキシアデノシン- 3'-ィ ル ボラノホスフニートを含む部分を集めて、 減圧下で乾燥させ、 表題化合物を 無色泡状物として得た (1.29 g, 77%)。
Ή NMR (CDCls) δ 9.03 (1H, bs), 8.72 (1H, s), 8.17 (1H, s), 8.07-7.18 (14H, m), 6.81 (4H, d, J= 8.1Hz), 6.52 (1H, t, J= 7.1Hz), 5.25 (1H, m), 4.38 (1H, m), 4.29-4.17 (4H, m), 3.78 (6H, s), 3.44 (2H, m), 2.82-2.57 (6H, m), 1-0 (3H, bq, BH3); 31P NMR (CDC13) δ 120.0-116.8 (m). 参考例 4
ビス- 2-シァノエチル 5'·ひジメ トキシトリチル - -ベンゾィル -2'-デォキシシチ ジン- 3'·ィノレ ボラノホスフエ一ト
参考例 3と同様の手順を行った。 但し、 5'·ひジメ トキシトリチル ベンゾィ ル -2"-デォキシアデノシンの代わりに、 5'-ひジメ トキシトリチノレ- ベンゾィノレ -2'-デォキシシチジンを用いた。 表題化合物を無色泡状物として得た (粗生成物)。
NMR (CDCI3) δ 8.66 (lH, s), 8.19 (1H, d, J二 7.5Hz), 7.94-7.18 (15H, m), 6.86 (4H, d, J= 4.2Hz), 6.34 (1H, t, J= 6·5Ηζ), 5.16-5.06 (1H, m), 4.35-4.29 (1H, m), 4.25-4.13 (2H, ni), 3.78 (6H, s), 3.51-3.47 (2H, m), 2.94-2.37 (4H, m), 1-0 (3H, bq, BH3); 31P NMR(CDC13) δ 119.8.116.4 (m). 参考例 5
ビス- 2-シァノエチル 5'·ひジメ トキシトリチル - O6-ジフエュルカルバモイル- フエニルァセチル -2'-デォキシグァノシン- 3'·ィノレ ボラノホスフエート
参考例 3と同様の手順を行った。 但し、 5'-ひジメ トキシトリチル ベンゾィ ル -2'-デォキシアデノシンの代わりに、 5'·ひジメ トキシトリチル -ぴジフエ二ルカ ルバモイル フエ二ルァセチル -2'-デォキシグアノシンを用いた。 表題化合物を 淡黄色泡状物として得た (収率 90%)。
Ή NMR (CDCls) δ 8.10 (IH, s), 7.91 (IH, s), 7.46-7.14 (24H, m), 6.78 (4H, d, J = 9.0Hz), 6.41 (1H, t, J = 7.5Hz), 5.21 (IH, m), 4.32 (IH, m), 4.22-4.08 (4H, m), 3.98 (2H, s, CH2 of Pa), 3.74 (6H, s), 3.46-3.31 (2H, m), 2.99-2.50 (6H, m), 1-0 (3H, bq, BH3); 31P NMR(CDC13) δ 119.02-115.61 (m). 参考例 6
ビス- 2-シァノエチル 5'-ひジメ トキシトリチノレ- ベンゾィルチミジン- 3'-ィル ボラノホスフエ一ト
参考例 3と同様の手順を行った。 但し、 5'·ひジメ トキシトリチル ·Λ«ベンゾィ ノぃ 2'-デォキシアデノシンの代わりに、 5'·ひジメ トキシトリチル ベンゾィルチ ミジンを用いた。 表題化合物を無色泡状物として得た (収率 98%)。
Ή NMR (CDCls) δ 7.95, 7.93 (2H, m), 7.72 (IH, s), 7.68-7.21 (12H, m), 6.87 (4H, d, J= 9.0Hz), 6.45, 6.42 (lH, dd, Jv, /Ji', = 5.7Hz and 8.7Hz), 5.21 (IH, t, J= 7.5Hz), 4.29-4.11 (5H, m), 3.80 (6H, s), 3.48-3.44 (2H, m, 5,'H and 5"-H), 2.82-2.46 (6H, m), 1.46 (3H, s, 5"CH3), 1.0 (3H, bq, BH3); 31P NMR
(CDCls) δ 118.79-115.48 (m). 実施例 1
トリェチルアンモニゥム 2-シァノエチル 5'·ひジメ トキシトリチル -Λ -ベンゾ ィル -2'-デォキシアデノシン- 3'·ィル ボラノホスフェート
参考例 3で得たビス- 2-シァノエチル 5'·ひジメ トキシトリチノい ベンゾィル -2'·デォキシアデノシン- 3'-ィル ボラノホスフエート(1.29 g, 1.53 mmol)の無水 CH2C12 溶液 (2 mL)に、 アルゴン雰囲気下で、 Et3N (2.8 mL, 20 mmol)を室温に て滴下により加えた。 反応混合物を 1時間、 室温にて攪拌し、 反応混合物を減圧 下で乾燥させた。 残渣をシリカゲルカラム (40)で精製した。 カラムクロマトダラ フィ一の溶出は、 0.5% Et3Nを含む CH2CI2によって行い、 メタノール (0-4%)に より勾配を与えた。 トリェチルアンモニゥム 2-シァノエチル 5'-ひジメ トキシト リチル ベンゾィノレ- 2'·デォキシアデノシン- 3'-ィル ボラノホスフエ一トを含 む部分を集めて乾燥させた。 過剰な Et3Nは、 無水トルエンによって数回共沸さ せることにより除去し、表題化合物を無色泡状物質として得た (698.6 mg, 51%)。
iH NMR (CDCI3) δ 9.18 (IH, bs), 8.71 (IH, s, 8·Η), 8.20 (lH, s), 8.02, 8.05 (2H, 2m), 7.65-7.15 (12H, m), 6.79 (4H, d, J= 9.0 Hz), 6.58 (lH, m), 5.14 (IH, m), 4.43 (1H, m), 4.08-3.91 (2H, m), 3.77 (6H, s), 3.41 (2H, m), 3.04 (6H, q, J= 7.2Hz), 2.96-2.46 (4H, m), 1.31 (9H, t, J = 7.35Hz), 1-0 (3H, bq, BH3); 31P NMR(CDC13) δ 98.55-93.80 (ni). 実施例 2
トリェチルアンモニゥム 2-シァノエチル 5'-ひジメ トキシトリチノい ベンゾ ィル -2'-デォキシシチジン- 3'·ィル ボラノホスフェート
実施例 1と同様の手順で行った。 但し、 参考例 3で得たビス -2-シァノェチル 5'-ひジメ トキシトリチノい ベンゾイノい 2'-デォキシアデノシン- 3'-ィノレ ボラノ ホスフェートの代わりに、 参考例 4で得たビス- 2-シァノエチル 5'·ひジメ トキシ トリチノい 4-ベンゾィル -2'-デォキシシチジン- 3'·ィル ボラノホスフェート を用 いた。 表題化合物を無色泡状物として得た (収率 56%, 2段階)。
Ή NMR (CDCls) δ 12.50 (1H, bs), 8.70 (IH, bs), 8.24 (IH, q, J= 7.0Hz), 7.90, 7.87 (2H, 2m), 7.65-7.11 (13H, m); 6.94-6.79 (4H, m), 6.36-6.26 (1H, m), 5.04 (IH, m), 4.41-4.31 (IH, m), 4.00-3.88 (2H, m), 3.79 (6H, s), 3.52-3.44 (2H, m), 3.04 (6H, q, J = 7.0Hz), 2.90-2.78 (IH, m), 2.72-2.47 (2H, m), 2.39-2.24 (IH, m), 1.31 (9H, t, J= 7.5Hz, CH3 of Et3NH+), 1-0 (3H, bq, BH3); sip NMR (CDCls) δ 98.93-93.67 (m). 実施例 3
トリェチルアンモニゥム 2-シァノエチル 5'·ひジメ トキシトリチノいび-ジフ ェニルカルバモイノレ- フエニルァセチル -2'-デォキシグアノシン- 3'-ィル ボラ ノホスフエ一ト
実施例 1と同様の手順で行った。 但し、 参考例 3で得たビス- 2-シァノエチル 5'-ひジメ トキシトリチノい ベンゾィル -2'-デォキシアデノシン- 3'·ィル ボラノ ホスフェートの代わりに、 参考例 5で得たビス- 2-シァノエチル 5'·ひジメ トキシ
トリチル - O6-ジフエ二ルカルバモイル フエニルァセチル -2'-デォキシグアノ シン- 3'-ィル ボラノホスフェートを用いた。 表題化合物を無色泡状物として得た (収率 90%)。
NMR (CDC13) δ 12.52 (1H, bs), 8.08 (IH, bs), 8.02 (IH, d, J = 9.0Hz), 7.51-7.09 (24H, m), 6.75 (4H, d, J= 9.0Hz), 6.45, 6.41 (IH, dd, J ,2' I J ,2' ' = 6.3Hz and 12.9Hz), 5.10 (IH, m), 4.37 (lH, d, =15.0Hz), 4.07-3.86 (4H, m), 3.69 (6H, s), 3.38-3.28 (2H, m), 2.98 (6H, q, J= 7.3Hz), 2.87-2.44 (4H, m), 1.26 (9H, t, J= 7.4Hz), 1-0 (3H, bq, BH3); sip NMR (CDCI3) δ 99.09-93.23 (m). 実施例 4
トリェチルアンモニゥム 2-シァノエチル 5'-ひジメ トキシトリチル -Λ^-ベンゾ ィルチミジン- 3'·ィノレ ボラノホスフェート
実施例 1 と同様の手順で行った。 但し、 参考例 3で得たビス- 2-シァノェチル 5'-ひジメ トキシトリチノい Λ«-ベンゾィル -2'-デォキシアデノシン- 3'·ィル ボラノ ホスフェートの代わりに、 参考例 6で得たビス- 2-シァノェチル- 5'·ひジメ トキシ トリチノ ベンゾィルチミジン- 3'-ィル ボラノホスフエートを用いた。 表題化 合物を無色泡状物として得た (収率 74%)。
NMR (CDCI3) δ 12.42 (IH, bs), 7.97-7.20 (16H, m), 6.84 (4H, ά, J = 9.0Hz), 6.46, 6.43 (lH, dd, Jv,2' /Jv ,2', = 5.7Hz and 8.1Hz), 5.21-5.10 (1H, m, 3, -H), 4.29 (IH, ά, J = 12.0Hz, 4, -H), 4.03-3.86 (2H, m), 3.79 (6H, s), 3.45-3.42 (2H, m), 2.96 (6H, q, J二 7.2Hz), 2.68-2.39 (4H, m), 1.39, 1.35 (3H, 2s), 1.25 (9H, t, J = 7.2Hz), 1-0 (3H, bq, BH3); sip NMR (CDCI3) δ 98.31-93.59 (m).
実施例 5
2-シァノエチル 5'-ひジメ トキシトリチル -Λ¾-ベンゾィル -2'-デォキシシチジン -3'-ィル 3'-ベンゾィノレ- V3'ベンゾィルチミジン- 5'-ィノレ ボラノホスフエ一ト
3'-ひべンゾイノい Λ^-ベンゾィルチミジン (45.0 mg, 0.100 mmol)及び実施例 2 で得られたトリェチルアンモ -ゥム 2-シァノエチル 5'·ひジメ トキシトリチル ベンゾィル -2'·デォキシシチジン- 3'·ィノレ ボラノホスフェート (103.9 mg, 0.120 mol)を、 無水ピリジンによる共沸、 次いで無水トルエンによる共沸を繰り 返すことで乾燥させた後、 無水 CH3CN (1.00 mL)に溶解させた。 溶液に、 引き続 いて、 2,6-ルチジン (116 L, 1.00 mmol), PyNTP(l20 mg, 0.240 mmol)を加えた。 室温で 1時間攪拌した後、 反応混合物を CHC13 (10 mL)で希釈した。 反応混合物 を飽和 NaHC03 (3 X 10 mL)で洗浄し、水層を CHC13 (2 x 10 mL)で逆抽出した。 有機層及ぴ洗浄液を集めて、 Na2S04上で乾燥させ、 濾過し、 減圧下で乾燥させ た。 残渣をシリカゲルカラムで精製した (10 g)0 カラムクロマトグラフィ一の溶 出は、 CH2C12を用いて行い、 メタノ一ル (0-1.5%)により勾配を与えた。
2-シァノエチノレ 5'-ひジメ トキシトリチノレ- Λ^-ベンゾィル -2'·デォキシシチジン -3'-ィノレ 3' -ひベンゾィル -Λ^'ベンゾィルチミジン- 5'-ィノレ ボラノホスフェー ト を含む部分を集めて、 減圧下で乾燥させ、 表題化合物を無色泡状物として得た (113.4 mg, 95%) 。
Ή NMR (CDCI3) δ 8.20-8.13 (1H, m), 8.06-7.16 (26H, m), 6.91-6.82 (4H, m) 6.54-6.46 (IH, m), 6.34 (IH, t, J= 6.0Hz), 5.55-5.40 (IH, m), 5.23-5.14 (IH, ) 4.54-4.09 (6H, ), 3.93-3.64 (6H, ni), 3.56-3.46 (2H, m), 3.06-2.35 (6H, m), 2.01, 1.99 (3H, 2s), l'O (3H, bq, BH3); 31P NMR (CDCI3) δ 121.21-117.55 (m).
参考例 3〜実施例 5の反応スキームを下記に示す。
[式中、 「CE」 はシァノエチル基を表す。 ] 実施例 6
ベンゾィル -2'-デォキシシチジン- 3'-ィノレ 3'-ベンゾィノレ- -ベンゾィルチミジ ン -5'·ィノレ ボラノホスフエ一ト
5'-ひジメ トキシトリチル - -ベンゾィルチミジンの 3'-水酸基にサクシ二ルリ ンカーを介して CPG に担持させた固相担体 ( 29.2mg、 0.5 μ mol ) を CH2Cl2-Et3SiH (1:1, v/v)の 3%DCA (ジク口口酢酸)溶液で各 5秒間 · 3回洗い、 次いで無水 CH2C12溶液、無水 CH3CN溶液で各 0.5mlX 3回洗い、減圧乾燥した。 10分後、 MNTP (1,3-ジメチル -2-ピロリジン- 1-ィル -2.(3-二トロ- 1,2,4·トリァゾ 一ノレ- 1-ィル) -1,3,2-ジァザホスホリジニゥム へキサフルォロホスフェー ト)
(8.7mg、 10 μ mol ) 、 実施例 2で得られたトリェチルアンモニゥム 2·シァノ ェチル 5'-ひジメ トキシトリチノレ- ベンゾィル -2'·デォキシシチジン- 3'·ィノレ ボラノホスフェート (8.9mg、 20 μ mol ) を加え、 再び減圧乾燥した。 0.5M 2,6_ ルチジン/ CH3CN溶液を 100 i l加え、 3分間攪拌した (二量体の合成) 。
その後無水 CH3CN溶液、無水 CH2C12溶液で洗浄し、 CH2Cl2-Et3SiH (1:1, v/v) の 3%DCA溶液で各 5秒間 · 3回洗浄した (ジメ トキシトリチル基の除去) 。 次に無水 CH2C12溶液、 無水 THF溶液で洗浄し、 N—メチルイミダゾール Z無 水酢酸/ THF溶液 (2 : 1 : 7、 v/v/v) 溶液を加え、 30秒攪拌した。 その後無水 THF溶液、 無水 CH3CN溶液で洗浄し、 0.2M DBUZCHgCN溶液を加え、 5分 間攪拌した (2—シァノエチル基の除去) 。
その後無水 CH3CN溶液で洗浄し、 減圧乾燥後、 アンモニア *メタノール溶液 0.5mlを加え、 密栓をする。 室温で 12時間攪拌した後、 吸引濾過を行ない CPG と濾別し減圧乾燥後、 水 (3 mL)で希釈した (担体の除去) 。
反応混合物をジェチルエーテル (5 x 3 mL)で洗浄し、 エーテル層を水 (1 x 3 mL)で逆抽出した。 水層及び洗浄液を集めて、 減圧下で乾燥させた (生成物の精 製) 。
残渣を逆相 HPLCで分析した。 (0-15%ァセトニトリルの 0.1 M 酢酸アンモ ニゥムバッファー (pH 7.0)による線形勾配、 45分、 50 °C、 流速 l ml/分) HPLC のピークの積分値より算出した収率は 95%。 実施例 7
ボラノホスフヱ一ト 4量体及び 1 2量体の合成
( 1 ) 4量体の合成
5'-ひジメ トキシトリチル - W-ベンゾィルチミジンの 3'·水酸基にサクシ二ルリ ンカーを介して CPGに担持させた固相担体 (0.5 // mol) に対し、 下記表 1に示 した合成サイクルにより、ボラノホスフヱ一ト 4量体 d(C ¾A ¾G ¾T)を合成した。
マニュアル固相合成の鎖伸長サイクル
1 脱トリチル化 3% DCA in CH2Cl2-Et3SiH (1:1, v/v) 15 秒
2 洗浄 (i) CH2C12 (ii) CH3CN ―
3 乾燥 ― 10 分
モノマー (0.1 M), MNTP (0.2 M) in
4 縮合 3 分
DMAN/CHsCN
5 洗浄 (i) CHsCN (ii) CH2CI2 ―
6 目的配列を合成するためのステップ 1-5の繰り返し
7 脱トリチル化 3% DCA in CH2Cl2-Et3SiH (1:1, v/v) 15 秒
2,6-ルチジン- Ac20 (9:1, v/v) + DMAP (10
8 キヤッビング 30 秒
mg/g)
9 脱保護 1 10% DBU/CH3CN 5 分
10 脱保護 2 cone NH3 (55 °C, 0.1 mM) 12 時間 表 1-ステップ 10で脱保護した粗精製の 4量体に対し、吸引濾過を行い CPGと 濾別し減圧乾燥後、 水 (3 mL)で希釈した。 反応混合物をジェチルエーテル (5X 3 mL)で洗浄し、 エーテル層を水 (1X3 mL)で逆抽出した。 水層及び洗浄液を集 めて、 減圧下で乾燥させた。 陰イオン交換 HPLCにより分離精製後、 C18逆相力 ラムカートリッジで脱塩を行ったところ、 単離収率 30%で、 目的とするボラノホ スフエート 4量体; d(C¾AisGi¾T)を得ることができた。 (2) 1 2量体の合成
5'-ひジメ トキシトリチル - -ベンゾィルチミジンの 3'·水酸基にサクシ二ルリ ンカーを介して CPGに担持させた固相担体 (0.5 μπιοΐ) に対し、 表 1に示した 合成サイクルにより、 ボラノホスフエート 12量体 d(C ¾A¾G¾T)3を合成した。 上記表 1-ステップ 10で脱保護した粗精製の 12量体に対し、吸引濾過を行ない CPGと濾別し減圧乾燥後、 水 (3 mL)で希釈した。 反応混合物をジェチルエーテ ル (5X3 mL)で洗浄し、エーテル層を水 (lX3mL)で逆抽出した。水層及び洗浄 液を集めて、減圧下で乾燥させた。 15% PAGE / 7M Urea (1mm厚、 40X20 cm) により精製を行なったところ、 単離収率 16%で、 目的とするボラノホスフェート 12量体; d(C ¾A¾G¾T)3を得ることができた。
実施例 7における合成スキームを以下に示す。
上記表 1及び合成スキーム中、 「モノマ一」 HflNTPj 「DMANJ の構造式は下記の通りである
B = Adbz, Cybz, Gupa' dpc, Thbz B2 = Ad, Cy, Gu, Th
モノマー NTP D AN 産業上の利用可能性
本発明により、 ボラノホスフェートオリゴマーが提供される。 本発明により得 られるボラノホスフエートオリゴマ一はァンチセンス分子として有用であり、 試 薬又は医薬品として利用することが可能である。