WO2005083259A1

WO2005083259A1 - 電磁式燃料噴射弁

Info

Publication number: WO2005083259A1
Application number: PCT/JP2005/003126
Authority: WO
Inventors: Daisuke Matsuo; Kazuhiko Sato; Tomoyuki Ohmura; Kenichi Sato; Osamu Hinata
Original assignee: Keihin Corporation
Priority date: 2004-02-27
Filing date: 2005-02-25
Publication date: 2005-09-09
Also published as: EP1719905B1; EP1719905A1; EP1719905A4; US20070215117A1; MY138028A

Abstract

　コイル組立体のコイルに連なる接続端子を臨ませるカプラを一体に有して少なくともソレノイドハウジングの一部を埋封せしめる合成樹脂製の樹脂成形部を備える電磁式燃料噴射弁において、樹脂成形部（７）は、少なくともソレノイドハウジング（２５）の一部を覆うとともにカプラ（４０）の少なくとも一部を構成するようにしてガラス繊維が混入された合成樹脂によって形成される第１樹脂成形層（７ａ）と、第１樹脂成形層（７ａ）を覆うようにしてガラス繊維の混入を排除した熱可塑性ポリエステルエラストマーによって形成される第２樹脂成形層（７ｂ）とから成る。これにより電気接続部の信頼性を得るのに充分な強度を確保しつつ作動音の発生を効果的に抑制し、しかもコンパクト化が可能となる。

Description

明細書

電磁式燃料噴射弁

技術分野

[0001] 本発明は、電磁式燃料噴射弁に関し、特に、前端に弁座を有する弁ハウジング内に前記弁座に着座する方向にばね付勢される弁体が収容される弁作動部と、前記弁座から離座させる側に前記弁体を駆動する電磁力を発揮し得るコイル組立体が前記弁ハウジングに連設されるソレノィドノ、ウジング内に収容されるソレノイド部と、前記コイル組立体のコイルに連なる接続端子を臨ませる受電用力ブラを一体に有して少なくとも前記ソレノイドハウジングの一部を埋封せしめる合成樹脂製の榭脂成形部とを備える電磁式燃料噴射弁に関する。

背景技術

[0002] このような電磁式燃料噴射弁において、作動音の発生を抑制するために、燃料噴射弁全体をゴム製の防音カバーで覆うようにしたもの（特許文献 1参照。）や、ソレノィドハウジングの一部を覆う防振体が受電用力ブラを有する榭脂成形部でさらに覆われるようにしたもの（特許文献 2参照。）が既に知られている。

特許文献 1 :日本特開昭 62— 195452号公報

特許文献 2 :日本特開昭 63-41658号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0003] 上記特許文献 1で開示されるように、噴射弁全体を防音カバーで覆うようにしたものでは、燃料噴射弁全体の大型化につながり、たとえば自動二輪車等で電磁式燃料噴射弁の配置スペースが制限されている場合には適用困難である。また上記特許文献 2で開示されたものでは、防振体および榭脂成形部の 2層構造とされるのであるが、受電用力ブラは電気接続部の信頼性向上のために強度を比較的高くしておく必要があり、ガラス繊維を含む合成樹脂で榭脂成形部が形成されるのが一般的である。し力るに榭脂成形部中のガラス繊維は、音を伝達し易いものであり、防振体および榭脂成形部の 2層構造でソレノイドハウジングの一部を覆っているにもかかわらず、作動音の抑制効果が低、ものとなって、る。

[0004] 本発明は、カゝかる事情に鑑みてなされたものであり、電気接続部の信頼性を得るのに充分な強度を確保しつつ作動音の発生を効果的に抑制し、し力もコンパクトィ匕を可能とした電磁式燃料噴射弁を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0005] 上記目的を達成するために、本発明の第 1の特徴によれば、前端に弁座を有する弁ハウジング内に前記弁座に着座する方向にばね付勢される弁体が収容される弁作動部と、前記弁座力離座させる側に前記弁体を駆動する電磁力を発揮し得るコィル組立体が前記弁ハウジングに連設されるソレノイドハウジング内に収容されるソレノイド部と、前記コイル組立体のコイルに連なる接続端子を臨ませる受電用力ブラを一体に有して少なくとも前記ソレノイドハウジングの一部を埋封せしめる合成樹脂製の榭脂成形部とを備える電磁式燃料噴射弁において、前記榭脂成形部は、少なくとも前記ソレノイドハウジングの一部を覆うとともに前記受電用力ブラの少なくとも一部を構成するようにしてガラス繊維が混入された合成樹脂によって形成される第 1榭脂成形層と、第 1榭脂成形層を覆うようにしてガラス繊維の混入を排除した熱可塑性ポリエステルエラストマーによって形成される第 2榭脂成形層とから成ることを特徴とする電磁式燃料噴射弁が提案される。

[0006] また本発明の第 2の特徴によれば、上記第 1の特徴の構成に加えて、ガラス繊維が混入された液晶ポリマーにより前記第 1榭脂成形層が形成されることを特徴とする電磁式燃料噴射弁が提案される。

[0007] 本発明の第 3の特徴によれば、前端に弁座を有する弁ハウジング内に前記弁座に着座する方向にばね付勢される弁体が収容される弁作動部と、前記弁座から離座させる側に前記弁体を駆動する電磁力を発揮し得るコイル組立体が前記弁ハウジングに連設されるソレノィドノ、ウジング内に収容されるソレノイド部と、前記コイル組立体のコイルに連なる受電側接続端子を臨ませる受電用力ブラを一体に有して少なくとも前記ソレノイドハウジングの一部を埋封せしめる合成樹脂製の榭脂成形部とを備える電磁式燃料噴射弁において、前記榭脂成形部は、少なくとも前記ソレノイドハウジングの一部を覆うとともに前記受電用力ブラの骨格をなす力ブラ主部を構成する第 1榭脂成形層と、第 1榭脂成形層よりも曲げ強さの小さな材料で形成されるとともに前記受電用カブラの中間部から先端側は第 1榭脂成形層が露出するようにして第 1榭脂成形層を覆う第 2榭脂成形層とが 2層成形されて成り、前記受電用力ブラの中間部で前記第 1榭脂成形層には、前記第 2榭脂成形層を係合せしめる少なくとも 1つの無端状に連なる係合溝が形成されることを特徴とする電磁式燃料噴射弁が提案される。

[0008] 本発明の第 4の特徴によれば、上記第 3の特徴の構成に加えて、受電用力ブラに着脱可能に接続される給電用力ブラに弾発的に接触する突部が前記受電用力ブラの一部を構成する部分で第 2榭脂成形層に形成され、前記給電用力ブラに係脱可能に係合する係合突起が、前記係合溝を前記突部との間に挟むようにして前記受電用力ブラの一部を構成する部分で第 1榭脂成形層に形成されることを特徴とする電磁式燃料噴射弁が提案される。

[0009] 本発明の第 5の特徴によれば、上記第 3または第 4の特徴の構成に加えて、ガラス繊維が混入された液晶ポリマーにより前記第 1榭脂成形層が形成されることを特徴とする電磁式燃料噴射弁が提案される。

[0010] 本発明の第 6の特徴によれば、上記第 3または第 4の特徴の構成に加えて、ガラス繊維の混入を排除した熱可塑性ポリエステルエラストマ一により前記第 2榭脂成形層が形成されることを特徴とする電磁式燃料噴射弁が提案される。

[0011] 本発明の第 7の特徴によれば、前端に弁座を有する弁ハウジング内に前記弁座に着座する方向にばね付勢される弁体が収容される弁作動部と、前記弁座から離座させる側に前記弁体を駆動する電磁力を発揮し得るコイル組立体が前記弁ハウジングに連設されるソレノィドノ、ウジング内に収容されるソレノイド部と、前記コイル組立体のコイルに連なる受電側接続端子を臨ませる受電用力ブラを一体に有して少なくとも前記ソレノイドハウジングの一部を埋封せしめる合成樹脂製の榭脂成形部とを備える電磁式燃料噴射弁において、前記榭脂成形部は、少なくとも前記ソレノイドハウジングの一部を覆うとともに前記受電用力ブラの一部を構成する第 1榭脂成形層と、第 1榭脂成形層よりも線膨張係数の大きな材料で形成されて第 1榭脂成形層を覆う第 2榭脂成形層とが 2層成形されて成り、前記第 1および第 2榭脂成形層間には空気層が部分的に形成されることを特徴とする電磁式燃料噴射弁が提案される。 [0012] 本発明の第 8の特徴によれば、上記第 7の特徴の構成に加えて、前記第 2榭脂成形層は、その中央部の厚肉部と、厚肉部よりも薄肉として厚肉部に連なる末端側の薄肉部とから成り、薄肉部が、前記第 1榭脂成形層もしくは金属部材に凹凸係合されることを特徴とする電磁式燃料噴射弁が提案される。

[0013] 本発明の第 9の特徴によれば、上記第 8の特徴の構成に加えて前記薄肉部との凹凸係合部付近で前記第 1榭脂成形層の外面が、他の部分よりも粗面に形成されることを特徴とする電磁式燃料噴射弁が提案される。

[0014] 本発明の第 10の特徴によれば、上記第 7—第 9の特徴のいずれかの構成に加えて、ガラス繊維が混入された液晶ポリマーにより前記第 1榭脂成形層が形成されることを特徴とする電磁式燃料噴射弁が提案される。

[0015] さらに本発明の第 11の特徴によれば、上記第 7—第 9の特徴のいずれかの構成に加えて、ガラス繊維の混入を排除した熱可塑性ポリエステルエラストマ一により前記第 2榭脂成形層が形成されることを特徴とする電磁式燃料噴射弁が提案される。発明の効果

[0016] 本発明の第 1の特徴によれば、榭脂成形部は、第 1榭脂成形層および第 2榭脂成形層から成る 2層構造であり、ガラス繊維が混入された合成樹脂で第 1榭脂成形層が形成されるので、コイル組立体のコイルおよび接続端子の接続部を第 1榭脂成形層で覆うとともに受電用力ブラの少なくとも一部を第 1榭脂成形層で形成するようにして電気接続部の信頼性を確保し得る強度を榭脂成形部に持たせることができ、しかも第 1榭脂成形層を覆う第 2榭脂成形層が、ガラス繊維の混入を排除した熱可塑性ポリエステルエラストマ一によつて形成されるので、熱可塑性ポリエステルエラストマ一の優れた柔軟性によって作動音の発生を効果的に抑制することが可能となる。し力も燃料噴射弁全体を防音カバーで覆うものに比べると、電磁式燃料噴射弁全体をコンパク M匕することがでさる。

[0017] また本発明の第 2の特徴によれば、液晶ポリマーは、作動音の伝達を比較的抑える機能を有するものであり、高剛性でもあるので、電気接続部の信頼性を確保するための強度をより高めることができるとともに、作動音の発生をより効果的に抑制することが可能となる。 [0018] 本発明の第 3の特徴によれば、榭脂成形部は、第 1榭脂成形層および第 2榭脂成形層から成る 2層構造であり、曲げ強度の比較的高い合成樹脂で第 1榭脂成形層が形成されるので、コイル組立体のコイルおよび受電側接続端子の接続部を第 1榭脂成形層で覆うとともに受電用力ブラの骨格をなす力ブラ主部を第 1榭脂成形層で形成するようにして電気接続部の信頼性を確保し得る強度を榭脂成形部に持たせることができ、しかも第 1榭脂成形層を覆う第 2榭脂成形層が曲げ強度の比較的低い合成榭脂によって形成されることにより、作動音の発生を効果的に抑制することが可能となり、また燃料噴射弁全体を防音カバーで覆うものに比べると、電磁式燃料噴射弁全体をコンパクトィ匕することができる。し力も受電用力ブラの中間部までを 2層成形することで、受電用力ブラに必要とされる強度を第 1榭脂成形層で得ながら、第 2榭脂成形層によって受電用力ブラ力もの作動音の発生を効果的に低減することができる。さらに受電用カブラの中間部では、第 2榭脂成形層が第 1榭脂成形層の係合溝に係合するので、 2層成形完了後の第 2榭脂成形層の収縮を抑制し、 2層の密着性を高めて製品品質を向上せしめることができる。

[0019] 本発明の第 4の特徴によれば、曲げ強度の比較的低、第 2榭脂成形層に形成された突部を給電用力ブラに弾発接触させることで耐振動性を高め、共鳴音を低減することが可能となり、給電用力ブラを係合せしめる係合突起を、曲げ強度の比較的高い第 1榭脂成形層に形成することにより、給電用力ブラの着脱の繰り返しに耐える充分な耐久性を確保することができる。

[0020] 本発明の第 5の特徴によれば、ガラス繊維が混入された液晶ポリマーは、作動音の伝達を比較的抑える機能を有するものであり、高剛性でもあるので、電気接続部の信頼性を確保するための強度をより高めることができるとともに、作動音の発生をより効果的に抑制することが可能となる

本発明の第 6の特徴によれば、ガラス繊維の混入を排除した熱可塑性ポリエステルエラストマ一は、優れた弾性を有するものであり、作動音の発生を効果的に抑制することが可能となる。

[0021] 本発明の第 7の特徴によれば、榭脂成形部は、第 1榭脂成形層および第 2榭脂成形層から成る 2層構造であり、線膨張係数が比較的小さな合成樹脂で第 1榭脂成形層が形成されるので、コイル組立体のコイルおよび受電側接続端子の接続部を第 1 榭脂成形層で覆うとともに受電用力ブラの少なくとも一部を第 1榭脂成形層で形成するようにして電気接続部の信頼性を確保し得る強度を榭脂成形部に持たせることができ、しかも第 1榭脂成形層を覆う第 2榭脂成形層が、線膨張係数が比較的大きな柔軟な合成樹脂によって形成されるので、第 2榭脂成形層の柔軟性によって作動音の発生を効果的に抑制することが可能となり、第 1および第 2榭脂成形層間に部分的に空気層が形成されるので、作動音の伝達をより一層抑制することができる。し力も燃料噴射弁全体を防音カバーで覆うものに比べると、電磁式燃料噴射弁全体をコンパク M匕することがでさる。

[0022] 本発明の第 8の特徴によれば、第 2榭脂成形層の肉厚を部位によって変更することにより、成形直後の冷却時における収縮量を部分的に変化させ、厚肉部の周辺部に空気層を自動的に形成することができる。すなわち末端側の薄肉部は、冷却速度が比較的速くなり、しかも凹凸係合によって第 1榭脂成形層もしくは金属部材への密着度が高まるので収縮量を小さく抑えることができ、また中央部の厚肉部は、冷却速度が比較的遅くなり、収縮量が比較的大きくなるので、前記凹凸係合によって第 2榭脂成形層の末端側の収縮を抑制しつつ第 2榭脂成形層の中央部を緩やかに冷却せしめて比較的大きく収縮させることで、前記空気層を形成することが可能となる。

[0023] 本発明の第 9の特徴によれば、第 2榭脂成形層の末端側の第 1榭脂成形層への密着性を高めることができ、 2層成形後の第 2榭脂成形層の収縮を抑制して品質の向上を図ることができる。

[0024] 本発明の第 10の特徴によれば、液晶ポリマーは、作動音の伝達を比較的抑える機能を有するものであり、高剛性でもあるので、電気接続部の信頼性を確保するための強度をより高めることができるとともに作動音の発生をより効果的に抑制することが可能となる。

[0025] さらに本発明の第 11の特徴によれば、ガラス繊維の混入を排除した熱可塑性ポリエステルエラストマ一は、優れた弾性を有するものであり、作動音の発生を効果的に抑制することが可能となる。

図面の簡単な説明 [0026] [図 1]第 1実施例の電磁式燃料噴射弁の縦断面図である。（第 1実施例）

[図 2]ガラス繊維が混入した液晶ポリマーおよび熱可塑性ポリエステルエラストマ一の曲げ強さおよび作動音圧ピークの関係を示す図である。（第 1実施例）

[図 3]図 1の 3— 3線断面図である。（第 1実施例）

[図 4]第 2実施例の電磁式燃料噴射弁の縦断面図である。（第 2実施例）

[図 5]第 3実施例の電磁式燃料噴射弁の縦断面図である。（第 3実施例）

[図 6]図 6は電磁式燃料噴射弁の縦断面図である。（第 4実施例）

[図 7]図 7はガラス繊維が混入した液晶ポリマーおよび熱可塑性ポリエステルエラストマーの線膨張係数および作動音圧ピークの関係を示す図である。（第 4実施例）符号の説明

[0027] 5···弁作動部

6···ソレノイド咅

7, 37···榭脂成形部

7a, 37a…第 1榭脂成形層

7b, 37b…第 2榭脂成形層

8···弁ハウジング

13…弁座

20···弁体

24···コイル組立体

25 · · ·ソレノイドハウジング

30· "コイル

37ba'''厚肉部

37bb, 37bc, 37bd…薄肉部

38···受電側接続端子

40···受電用力ブラ

40a' ··力プラ主部

41, 57, 58…係合溝

44···空気層 46 · · ·給電用力ブラ

51 · · ·突部

55 · · ·係合突起

発明を実施するための最良の形態

[0028] 以下、本発明の実施の形態を、添付の図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。

実施例 1

[0029] 図 1一図 3は本発明の第 1実施例を示すものである。

[0030] 先ず図 1において、図示しないエンジンに燃料を噴射するための電磁式燃料噴射弁は、前端に弁座 13を有する弁ハウジング 8内に前記弁座 13に着座する方向にばね付勢される弁体 20が収容される弁作動部 5と、前記弁座 13から離座させる側に前記弁体 20を駆動する電磁力を発揮し得るコイル組立体 24が前記弁ハウジング 8〖こ連設されるソレノィドノ、ウジング 25内に収容されるソレノイド部 6と、前記コイル組立体 24のコイル 30に連なる受電側接続端子 38…を臨ませる受電用力ブラ 40を一体に有して少なくとも前記コイル組立体 24および前記ソレノイドノヽウジング 25を埋封せしめた合成樹脂製の榭脂成形部 7とを備える。

[0031] 弁ハウジング 8は、磁性金属により形成される磁性円筒体 9と、該磁性円筒体 9の前端に液密に結合される弁座部材 10とで構成される。弁座部材 10は、その後端部を磁性円筒体 9の前端部に嵌合した状態で、磁性円筒体 9に溶接されるものであり、この弁座部材 10には、その前端面に開口する燃料出口孔 12と、該燃料出口孔 12の内端に連なるテーパ状の弁座 13と、該弁座 13の後端大径部に連なるガイド孔 14とが同軸に設けられる。また弁座部材 10の前端には、燃料出口孔 12に通じる複数の燃料噴孔 15…を有する鋼板製のインジェクタプレート 16が液密に全周溶接される。

[0032] 弁ハウジング 8内の後部には、ソレノイド部 6の一部を構成する可動コア 18が摺動可能に嵌合されており、該可動コア 18に一体に連なる弁軸 19の前端に、前記弁座 1 3に着座して燃料出口孔 12を閉鎖し得る弁体 20がー体に形成される。可動コア 18、弁軸 19および弁体 20には、弁ハウジング 8内に通じる通孔 21が前端を閉じた有底状にして同軸に形成される。 [0033] ソレノイド部 6は、前記可動コア 18と、該可動コア 18に対向する円筒状の固定コア 2 2と、可動コア 18を固定コア 22から離反させる側に付勢するばね力を発揮する戻しばね 23と、戻しばね 23のばね力に杭して可動コア 18を固定コア 22側に吸引する電磁力を発揮することを可能としつつ弁ハウジング 8の後部および固定コア 22を囲繞するように配置されるコイル組立体 24と、弁ハウジング 8に前端部が連設されるようにしてコイル組立体 24を囲むソレノイドハウジング 25とを備える。

[0034] 弁ハウジング 8における磁性円筒体 9の後端は、ステンレス鋼等の非磁性金属により形成される非磁性円筒体 26を介して前記固定コア 22の前端に同軸に結合されるものであり、磁性円筒体 9の後端は非磁性円筒体 26の前端に突き合わせ溶接され、非磁性円筒体 26の後端は、固定コア 22の前端部を非磁性円筒体 26に嵌合せしめた状態で固定コア 22に溶接される。

[0035] 固定コア 22には円筒状のリテーナ 27が嵌合されるとともに力しめにより固定されており、前記戻しばね 23は、リテーナ 27および可動コア 18間に介装される。また可動コア 18の後端部内周には、可動コア 18が固定コア 22に直接接触することを回避すベぐ非磁性材カも成るリング状のストッパ 28が可動コア 18の後端面から固定コア 22 側にわずかに突出するようにして、嵌合、固定される。さらにコイル組立体 24は、弁ハウジング 8の後部、非磁性円筒体 26および固定コア 22を囲繞するボビン 29にコィル 30が卷装されて成るものである。

[0036] ソレノィドノ、ウジング 25は、コイル組立体 24の弁作動部 5側端部に対向する環状の端壁 31aを一端に有してコイル組立体 24を囲繞する円筒状にして磁性金属により形成される磁性枠 31と、前記固定コア 22の後端部から半径方向外方に張出してコイル組立体 24の弁作動部 5とは反対側の端部に対向するフランジ部 22aとから成るものであり、フランジ部 22aは磁性枠 31の他端部に磁気的に結合される。しカゝも磁性枠 3 1における端壁 31aの内周には、前記弁ハウジング 8における磁性円筒体 9を嵌合せしめる嵌合筒部 31bが同軸に設けられており、ソレノイドノヽウジング 25は、その嵌合筒部 31bに弁ハウジング 8を嵌合せしめることで弁ハウジング 8に連設される。

[0037] 固定コア 22の後端には、円筒状である入口筒 33がー体にかつ同軸に連設されており、その入口筒 33の後部に燃料フィルタ 34が装着される。し力も入口筒 33、リテーナ 27および固定コア 22には、可動コア 18の通孔 21に通じる燃料通路 35が同軸に設けられる。

[0038] 榭脂成形部 7は、ソレノイドハウジング 25およびコイル組立体 24だけでなぐソレノイドハウジング 25およびコイル組立体 24間の間隙を満たしつつ、弁ハウジング 8の一部および入口筒 33の大部分を埋封せしめるように形成されるものであり、ソレノィドハウジング 25の磁性枠 31には、コイル組立体 24のボビン 29に一体に形成される腕部 29aをソレノイドノヽウジング 25外に配置するための切欠き部 36が設けられる。

[0039] 前記榭脂成形部 7には、前記コイル組立体 24におけるコイル 30の両端に連なる受電側接続端子 38…を臨ませる筒壁 39を有する受電用力ブラ 40がー体に設けられるものであり、前記受電側接続端子 38…の基端は前記腕部 29aに埋設されており、前記コイル 30のコイル端 30a' · ·が受電側接続端子 38· · ·に溶接される。

[0040] ところで、榭脂成形部 7は、少なくともソレノイドハウジング 25の一部を覆うとともに前記受電用力ブラ 40の骨格をなす力ブラ主部 40aを構成する第 1榭脂成形層 7aと、前記受電用力ブラ 40の中間部力も先端側は第 1榭脂成形層 7aが露出するようにして第 1榭脂成形層 7aを覆う第 2榭脂成形層 7bとが 2層成形されて成るものであり、この実施例では、ソレノイドハウジング 25の全部、弁ハウジング 8の後部および入口筒 33 の一部が第 1榭脂成形層 7aで覆われるとともに受電用力ブラ 40の力ブラ主部 40aが第 1榭脂成形層 7aで形成される。

[0041] し力も第 1榭脂成形層 7aは曲げ強度の比較的大きな材料で形成されるのに対して、第 2榭脂成形層 7bは、第 1榭脂成形層 7aよりも曲げ強さの小さな材料で形成されるものであり、第 1榭脂成形層 7aは、たとえばガラス繊維が混入された液晶ポリマーによって形成され、第 2榭脂成形層 7bは、ガラス繊維の混入を排除した熱可塑性ポリエステルエラストマー、たとえば商品名ノ、イトレル (米国デュポン社）によって形成される

[0042] ガラス繊維がたとえば 35%混入した液晶ポリマーで榭脂成形部 7全体を形成した場合の曲げ強さと、榭脂成形部 7から生じる作動音圧ピークとの関係は、図 2の点 A で示すようになるものであり、液晶ポリマーは、作動音の伝達を比較的抑える機能を有するとともに高剛性でもある。それに対し、ガラス繊維の混入を排除した熱可塑性ポリエステルエラストマ一で榭脂成形部 7全体を形成した場合には、熱可塑性ポリエステルエラストマーの優れた柔軟性によって作動音の発生を効果的に抑制することができるものであり、図 2の点 Bで示すように、曲げ強さが液晶ポリマーに比べて低くなるものの作動音圧ピークを低く抑えることができる。

[0043] ところで、前記受電用力ブラ 40の中間部力も先端側で第 1榭脂成形層 7aは第 2榭脂成形層 7bによって覆われることはなく外部に露出されており、また弁ハウジング 8 の後部に対応する部分で第 1榭脂成形層 7aの一部は第 2榭脂成形層 7bによって覆われることはなく外部に露出されており、前記受電用力ブラ 40の中間部および弁ハウジング 8の後部に対応する部分での第 1および第 2榭脂成形層 7a, 7bの境界部において、第 1榭脂成形層 7aには、第 2榭脂成形層 7bを係合せしめる少なくとも 1つずつ、この実施例では 1つずつの無端状に連なる係合溝 41, 42が、たとえば略 U字状の横断面形状を有するようにしてそれぞれ形成される。

[0044] 図 3を併せて参照して、受電用力ブラ 40には、前記筒壁 39を挿入せしめる凹部 45 を有する合成樹脂製の給電用力ブラ 46を着脱可能に接続することが可能である。この給電用力ブラ 46は、前記受電用力ブラ 40の筒壁 39内に挿入可能な挿入部 47を有しており、前記受電側接続端子 38…を挿入させるようにして挿入部 47に設けられる一対の接続孔 48· · ·に、前記受電側接続端子 38· · 'との電気的な接続を可能とした給電側接続端子 49 · · ·がそれぞれ配設され、給電側接続端子 49 · · ·に連なる導線 50 が給電用力ブラ 46から延出される。

[0045] し力も受電用力ブラ 40における前記筒壁 39の外面の複数箇所には、前記凹部 45 の内面に弹発的に接触する突部 51 · · ·が突設されるものであり、この実施例では筒壁 39の外面に凹部 45の内面に弾発的に接触する 3個の突部 51…が突設され、それらの突部 51…は受電用力ブラ 40の一部を構成する部分で第 2榭脂成形層 7bに形成される。

[0046] また前記筒壁 39の側壁の一部は平板状の壁部 39aで構成されており、この壁部 3 9aには、筒壁 39から側方に突出する一対のガイド壁 52, 52が面一に連なるようにして一体に連設され、給電用力ブラ 46には、前記筒壁 39を挿入せしめる凹部 45の内面に開口する一対のガイド凹部 53, 53が、前記ガイド壁 52, 52を揷脱可能に嵌合することを可能として設けられ、これらのガイド壁 52· · ·も第 1榭脂成形層 7aに形成される。

[0047] また前記筒壁 39の側壁のうち前記ソレノイドハウジング 25側の側壁の外面には、前記給電用力ブラ 46に設けられた係合爪 54を係脱可能に係合せしめる係合突起 5 5が、前記係合溝 41を前記突部 51…との間に挟むようにして突設されるものであり、前記係合突起 55は、受電用力ブラ 40の一部を構成する部分で第 1榭脂成形層 7a に形成される。

[0048] 次にこの第 1実施例の作用について説明すると、榭脂成形部 7は、少なくともソレノイドハウジング 25の一部を覆うとともに受電用カプラ 40の骨格をなすカプラ主部 40a を構成する第 1榭脂成形層 7aと、第 1榭脂成形層 7aよりも曲げ強さの小さな材料で形成されるとともに受電用力ブラ 40の中間部カゝら先端側は第 1榭脂成形層 7aが露出するようにして第 1榭脂成形層 7aを覆う第 2榭脂成形層 7bとが 2層成形されて成るものである。

[0049] したがってコイル組立体 24のコイル 30および受電側接続端子 38…の接続部を第 1榭脂成形層 7aで覆うとともに受電用力ブラ 40の骨格をなす力ブラ主部 40aを第 1榭脂成形層 7aで形成するようにして電気接続部の信頼性を確保し得る強度を榭脂成形部 7に持たせることができる。また第 1榭脂成形層 7aを覆う第 2榭脂成形層 7bが曲げ強度の比較的低い合成樹脂によって形成されることにより、作動音の発生を効果的に抑制することが可能となり、また燃料噴射弁全体を防音カバーで覆うものに比べると、電磁式燃料噴射弁全体をコンパクトィ匕することができる。し力ゝも受電用カブラ 40 の中間部までを 2層成形することで、受電用力ブラ 40に必要とされる強度を第 1榭脂成形層 7aで得ながら、第 2榭脂成形層 7bによって受電用力ブラ 40からの作動音の発生を効果的に低減することができる。

[0050] し力ゝも第 1榭脂成形層 7aは、ガラス繊維が混入された液晶ポリマーにより形成されるものであり、ガラス繊維が混入された液晶ポリマーは、作動音の伝達を比較的抑える機能を有し、高剛性でもあるので、電気接続部の信頼性を確保するための強度をより高めることができるとともに、作動音の発生をより効果的に抑制することが可能となる。 [0051] また第 2榭脂成形層 7bは、ガラス繊維の混入を排除した熱可塑性ポリエステルエラストマーにより形成されるものであり、ガラス繊維の混入を排除した熱可塑性ポリエステルエラストマーは、優れた弾性を有するので、作動音の発生を効果的に抑制することが可能となる。

[0052] また受電用力ブラ 40の中間部で第 1榭脂成形層 7aには、第 2榭脂成形層 7bを係合せしめる無端状に連なる係合溝 41が形成されるので、 2層成形完了後の第 2榭脂成形層 7bの収縮を抑制し、 2層の密着性を高めて製品品質を向上せしめることができる。特に、この実施例では、弁ハウジング 8の後部に対応する部分でも第 1榭脂成形層 7aに、第 2榭脂成形層 7bを係合せしめる無端状の係合溝 42が形成されるので、より製品品質を向上せしめることができる。

[0053] 受電側接続端子 38…を臨ませる筒壁 39を有する受電用力ブラ 40には、筒壁 39を挿入せしめる凹部 45を有する給電用力ブラ 46が着脱可能に接続され、受電側接続端子 38…との電気的な接続を可能とした給電側接続端子 49 · · ·が給電用力ブラ 46 に設けられるのである力筒壁 39の外面の複数箇所には、凹部 45の内面に弹発的に接触する突部 51 · · ·が突設されて!/ヽる。

[0054] したがって前記筒壁 39が凹部 45内で振動することはなぐ受電用力ブラ 40および給電用力ブラ 46の振動を抑えて作動音の発生を抑制することができ、作動音の発生を抑制するための専用の部材は不要であり、部品点数の増大を回避してコスト低減を図ることができる。

[0055] しかも前記突部 51…が、受電用力ブラ 40の一部を構成する部分で第 2榭脂成形層 7bに形成されるので、耐振動性をより高め、共鳴音をより低減することが可能となる。

[0056] また筒壁 39の側壁の一部を構成する平板状の壁部 39aに、筒壁 39から側方に突出する一対のガイド壁 52, 52が前記壁部 39aに面一に連なるようにして一体に連設され、給電用力ブラ 46には、前記筒壁 39を挿入せしめる凹部 45の内面に開口する一対のガイド凹部 53, 53が、前記ガイド壁 52, 52を揷脱可能に嵌合することを可能として設けられるので、筒壁 39を凹部 45内でガイドするための形状を単純ィ匕し、受電用カブラ 40および給電用力ブラ 46を成形する金型の形状を単純化し、製造コストの低減に寄与することができる。

[0057] さらに筒壁 39の側壁のうちソレノイドハウジング 25側の側壁の外面には、前記給電用力ブラ 46の係合爪 54を係脱可能に係合せしめる係合突起 55が突設されるので、電磁式燃料噴射弁の外側方向への給電用力ブラ 46の張出しを抑制することが可能であり、特に、搭載スペースに制限のある自動二輪車等への適用に有効である。また給電用力ブラ 46の受電用力ブラ 40への係合部を保護するための保護壁が不要となり、給電用力ブラ 46の形状をより単純化して、給電用力ブラ 46を成形する金型の形状単純ィ匕によって製造コストをより一層低減することができる。

[0058] し力も係合突起 55が、受電用力ブラ 40の中間部に設けられている係合溝 41を前記突部 51 · · ·との間に挟むようにして、前記受電用力ブラ 40の一部を構成する部分で第 1榭脂成形層 7aに形成されるので、給電用力ブラ 46を係合せしめる係合突起 55 を、曲げ強度の比較的高い第 1榭脂成形層 7aに形成することにより、給電用力ブラ 4 6の着脱の繰り返しに耐える充分な耐久性を確保することができる。

実施例 2

[0059] 本発明の第 2実施例として、図 4に示すように、受電用力ブラ 40の中間部で第 1榭脂成形層 7aに、横断面形状を略 V字形として無端状に連なる係合溝 57が、第 2榭脂成形層 7bを係合せしめるようにして設けられて、てもよ、。

実施例 3

[0060] 本発明の第 3実施例として、図 5で示すように、受電用力ブラ 40の中間部で第 1榭脂成形層 7aに、無端状に連なる係合溝 58が、第 2榭脂成形層 7bをくさび状に係合せしめるようにして設けられて!/、てもよ！/、。

[0061] また本発明のさらに他の実施例として、第 1榭脂成形層 7aのうち第 2榭脂成形層 7b で覆われる部分の外面にしぼ加工を施したり、前記外面を波形の凹凸を形成したりして、第 1および第 2榭脂成形層 7a, 7bの密着性を高めるようにしてもよい。

実施例 4

[0062] 図 6および図 7は本発明の第 4実施例を示すものであり、上記第 1一第 3実施例に対応する部分には同一の参照符号を付して図示するのみとし、詳細な説明は省略する。 [0063] 先ず図 6において、コイル組立体 24のコイル 30に連なる受電側接続端子 38· "を臨ませる受電用力ブラ 40を一体に有して少なくともコイル組立体 24およびソレノイドノ、ウジング 25を埋封せしめた合成樹脂製の榭脂成形部 37は、ソレノイドハウジング 2 5およびコイル組立体 24だけでなぐソレノイドハウジング 25およびコイル組立体 24 間の間隙を満たしつつ、弁ハウジング 8の一部および入口筒 33の大部分を埋封せしめるように形成されるものであり、ソレノイドノヽウジング 25の磁性枠 31には、コイル組立体 24のボビン 29に一体に形成される腕部 29aをソレノイドノヽウジング 25外に配置するための切欠き部 36が設けられる。

[0064] 前記榭脂成形部 37には、前記コイル組立体 24におけるコイル 30の両端に連なる受電側受電側接続端子 38…を臨ませる受電用力ブラ 40がー体に設けられるものであり、前記受電側接続端子 38の基端は前記腕部 29aに埋設されており、前記コイル 30のコイル端 30a' · ·が受電側接続端子 38· · .に溶接される。

[0065] ところで、榭脂成形部 37は、少なくともソレノイドハウジング 25の一部を覆うとともに前記受電用力ブラ 40の一部を構成する第 1榭脂成形層 37aと、第 1榭脂成形層 337 aを覆う第 2榭脂成形層 37bとから成るものであり、この第 4実施例では、ソレノイドハウジング 25の全部、弁ハウジング 8の後部および入口筒 33の一部が第 1榭脂成形層 3 7aで覆われるとともに受電用力ブラ 40の一部が第 1榭脂成形層 37aで形成される。

[0066] し力も第 1榭脂成形層 37aは、曲げ強さの比較的大きな材料たとえばガラス繊維が混入された液晶ポリマーによって形成されるのに対し、第 2榭脂成形層 37bは、曲げ強さが第 1榭脂成形層 37aよりも小さな材料、たとえばガラス繊維の混入を排除した熱可塑性ポリエステルエラストマ一、たとえば商品名ハイトレル (米国デュポン社）によつて形成される。

[0067] ところで、ガラス繊維がたとえば 35%混入した液晶ポリマーで榭脂成形部 37全体を形成した場合の曲げ強さと、榭脂成形部 37から生じる作動音圧ピークとの関係は、図 7の点 Aで示すようになるものであり、液晶ポリマーは、作動音の伝達を比較的抑える機能を有するとともに高剛性でもある。それに対し、ガラス繊維の混入を排除した熱可塑性ポリエステルエラストマ一で榭脂成形部 37全体を形成した場合には、熱可塑性ポリエステルエラストマ一の優れた柔軟性によって作動音の発生を効果的に抑制することができるものであり、図 7の点 Bで示すように、曲げ強さが液晶ポリマーに比ベて小さくなるものの作動音圧ピークを低く抑えることができる。

[0068] また第 2榭脂成形層 37bは、その中央部の厚肉部 37baと、厚肉部 37baよりも薄肉として厚肉部に連なる末端側の薄肉部 37bb, 37bc, 37bdとから成り、薄肉部 37bb 一 37bdは、第 1榭脂成形層 37aもしくは金属部材である入口筒 33に凹凸係合される

[0069] すなわち受電用力ブラ 40の中間部力も先端側で第 1榭脂成形層 37aは第 2榭脂成形層 37bによって覆われることはなく外部に露出されており、また入口筒 33の後部は第 2榭脂成形層 37bで覆われることなく外部に露出されており、さらに弁ハウジング 8 の後部に対応する部分で第 1榭脂成形層 37aの一部は第 2榭脂成形層 37bによって覆われることはなく外部に露出されている。而して受電用力ブラ 40の中間部および弁ノ、ウジング 8の後部に対応する部分での第 1榭脂成形層 37aには、第 2榭脂成形層 3 7bの薄肉部 37bb, 37bdの端部を係合せしめる無端状の係合溝 41, 42が形成され、入口筒 33の中間部外周には、第 2榭脂成形層 37bにおける薄肉部 37bcの内面に係合する係合突部 43が突設される。し力も薄肉部 37bb, 37bdとの凹凸係合部付近で第 1榭脂成形層 37aの外面は、しぼ模様の形成や、波形の凹凸成形等によって他の部分よりも粗面に形成される。

[0070] 次にこの第 4実施例の作用について説明すると、榭脂成形部 37は、少なくともソレノィドハウジング 25の一部を覆うとともに受電用力ブラ 40の一部を構成する第 1榭脂成形層 37aと、第 1榭脂成形層 37aよりも線膨張係数の大きな材料で形成されて第 1 榭脂成形層 37aを覆う第 2榭脂成形層 37bとが 2層成形されて成るものである。

[0071] したがってコイル組立体 24のコイル 30および受電側接続端子 38…の接続部を第 1榭脂成形層 37aで覆うとともに受電用力ブラ 40の主要部を第 1榭脂成形層 37aで形成するようにして電気接続部の信頼性を確保し得る強度を榭脂成形部 37に持たせることができる。また第 1榭脂成形層 37aを覆う第 2榭脂成形層 37bが線膨張係数の比較的大きな合成樹脂によって形成されることにより、作動音の発生を効果的に抑制することが可能となり、第 1および第 2榭脂成形層 37a, 37b間に部分的に空気層 4 4が形成されるので、作動音の伝達をより一層抑制することができる。また燃料噴射弁全体を防音カバーで覆うものに比べると、電磁式燃料噴射弁全体をコンパクトィ匕することがでさる。

[0072] し力ゝも第 1榭脂成形層 37aは、ガラス繊維が混入された液晶ポリマーにより形成されるものであり、ガラス繊維が混入された液晶ポリマーは、作動音の伝達を比較的抑える機能を有し、高剛性でもあるので、電気接続部の信頼性を確保するための強度をより高めることができるとともに、作動音の発生をより効果的に抑制することが可能となる。

[0073] また第 2榭脂成形層 37bは、ガラス繊維の混入を排除した熱可塑性ポリエステルェラストマーにより形成されるものであり、ガラス繊維の混入を排除した熱可塑性ポリエステルエラストマーは、優れた弾性を有するので、作動音の発生を効果的に抑制することが可能となる。

[0074] また第 2榭脂成形層 37bは、その中央部の厚肉部 37baと、厚肉部 37baよりも薄肉として厚肉部 37baに連なる末端側の薄肉部 37bb, 37bc, 37bdとから成り、薄肉部 37bb, 37bdが、受電用カプラ 40の中間部および弁ハウジング 8の後部に対応する部分で第 1榭脂成形層 37aに凹凸係合され、固定コア 22と一体である入口筒 33の中間部に薄肉部 37bcが凹凸係合されているので、第 2榭脂成形層 37bの肉厚を部位によって変更することにより、成形直後の冷却時における収縮量を部分的に変化させ、厚肉部 37baの周辺部に空気層 44を自動的に形成することができる。

[0075] すなわち末端側の薄肉部 37bb— 37bdは、冷却速度が比較的速くなり、し力も凹凸係合によって第 1榭脂成形層 37もしくは入口筒 33への密着度が高まるので収縮量を小さく抑えることができ、また中央部の厚肉部 37baは、冷却速度が比較的遅くなり、収縮量が比較的大きくなるので、前記凹凸係合によって第 2榭脂成形層 37bの末端側の収縮を抑制しつつ第 2榭脂成形層 37bの中央部を緩やかに冷却せしめて比較的大きく収縮させることで、前記空気層 44を厚肉部 37baの周辺部に形成することが可能となる。

[0076] し力も薄肉部 37bc, 37bdとの凹凸係合部付近で第 1榭脂成形層 37aの外面が、他の部分よりも粗面に形成されるので、第 2榭脂成形層 37bの末端側の第 1榭脂成形層 37aへの密着性を高めることができ、二層成形後の第 2榭脂成形層 37bの収縮を抑制して品質の向上を図ることができる。

以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなぐ特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。

Claims

請求の範囲

[1] 前端に弁座 ( 13)を有する弁ハウジング (8)内に前記弁座 (13)に着座する方向にばね付勢される弁体 (20)が収容される弁作動部（5)と、前記弁座（13)から離座させる側に前記弁体 (20)を駆動する電磁力を発揮し得るコイル組立体 (24)が前記弁ハウジング (8)に連設されるソレノィドノ、ウジング（25)内に収容されるソレノイド部（6)と、前記コイル組立体（24)のコイル (30)に連なる受電側接続端子（38)を臨ませる受電用カブラ (40)を一体に有して少なくとも前記ソレノィドノ、ウジング（25)の一部を埋封せしめる合成樹脂製の榭脂成形部 (7)とを備える電磁式燃料噴射弁にぉヽて、前記榭脂成形部（7)は、少なくとも前記ソレノイドハウジング (25)の一部を覆うとともに前記力ブラ (40)の少なくとも一部を構成するようにしてガラス繊維が混入された合成榭脂によって形成される第 1榭脂成形層 (7a)と、第 1榭脂成形層 (7a)を覆うようにしてガラス繊維の混入を排除した熱可塑性ポリエステルエラストマ一によつて形成される第 2榭脂成形層 (7b)とから成ることを特徴とする電磁式燃料噴射弁。

[2] ガラス繊維が混入された液晶ポリマーにより第 1榭脂成形層 (7a)が形成されることを特徴とする請求項 1記載の電磁式燃料噴射弁。

[3] 前端に弁座（13)を有する弁ハウジング (8)内に前記弁座（13)に着座する方向にばね付勢される弁体 (20)が収容される弁作動部（5)と、前記弁座（13)から離座させる側に前記弁体 (20)を駆動する電磁力を発揮し得るコイル組立体 (24)が前記弁ハウジング (8)に連設されるソレノィドノ、ウジング（25)内に収容されるソレノイド部（6)と、前記コイル組立体（24)のコイル (30)に連なる受電側接続端子（38)を臨ませる受電用カブラ (40)を一体に有して少なくとも前記ソレノィドノ、ウジング（25)の一部を埋封せしめる合成樹脂製の榭脂成形部 (7)とを備える電磁式燃料噴射弁にぉヽて、前記榭脂成形部（7)は、少なくとも前記ソレノイドハウジング (25)の一部を覆うとともに前記受電用力ブラ (40)の骨格をなす力ブラ主部 (40a)を構成する第 1榭脂成形層 ( 7a)と、第 1榭脂成形層（7a)よりも曲げ強さの小さな材料で形成されるとともに前記受電用カブラ (40)の中間部力先端側は第 1榭脂成形層（7a)が露出するようにして第 1榭脂成形層 (7a)を覆う第 2榭脂成形層 (7b)とが 2層成形されて成り、前記受電用力ブラ (40)の中間部で前記第 1榭脂成形層 (7a)には、前記第 2榭脂成形層 (7b) を係合せしめる少なくとも 1つの無端状に連なる係合溝 (41, 57, 58)が形成されることを特徴とする電磁式燃料噴射弁。

[4] 受電用力ブラ (40)に着脱可能に接続される給電用力ブラ (46)に弹発的に接触する突部（51)が前記受電用力ブラ (40)の一部を構成する部分で第 2榭脂成形層 (7b

)に形成され、前記給電用力ブラ (46)に係脱可能に係合する係合突起 (55)が、前記係合溝 (41 , 57, 58)を前記突部（51)との間に挟むようにして前記受電用力ブラ（

40)の一部を構成する部分で第 1榭脂成形層 (7a)に形成されることを特徴とする請求項 3記載の電磁式燃料噴射弁。

[5] ガラス繊維が混入された液晶ポリマーにより前記第 1榭脂成形層 (7a)が形成されることを特徴とする請求項 3または 4記載の電磁式燃料噴射弁。

[6] ガラス繊維の混入を排除した熱可塑性ポリエステルエラストマ一により前記第 2榭脂成形層 (7b)が形成されることを特徴とする請求項 3または 4記載の電磁式燃料噴射弁。

[7] 前端に弁座（13)を有する弁ハウジング (8)内に前記弁座（13)に着座する方向にばね付勢される弁体 (20)が収容される弁作動部（5)と、前記弁座（13)から離座させる側に前記弁体 (20)を駆動する電磁力を発揮し得るコイル組立体 (24)が前記弁ハウジング (8)に連設されるソレノィドノ、ウジング（25)内に収容されるソレノイド部（6)と、前記コイル組立体（24)のコイル (30)に連なる受電側接続端子（38)を臨ませる受電用カブラ (40)を一体に有して少なくとも前記ソレノィドノ、ウジング（25)の一部を埋封せしめる合成樹脂製の榭脂成形部（37)とを備える電磁式燃料噴射弁にお!ヽて、前記榭脂成形部（37)は、少なくとも前記ソレノイドハウジング (25)の一部を覆うとともに前記受電用力ブラ (40)の一部を構成する第 1榭脂成形層 (37a)と、第 1榭脂成形層（37a)よりも線膨張係数の大きな材料で形成されて第 1榭脂成形層 (37a)を覆う第 2榭脂成形層 (37b)とが二層成形されて成り、前記第 1および第 2榭脂成形層 (37 a, 37b)間には空気層 (44)が部分的に形成されることを特徴とする電磁式燃料噴射弁。

[8] 前記第 2榭脂成形層（37b)は、その中央部の厚肉部（37ba)と、厚肉部（37ba)よりも薄肉として厚肉部（37ba)に連なる末端側の薄肉部（37bb, 37bc, 37bd)とから成り、薄肉部（37bb— 37bd)が、前記第 1榭脂成形層（37a)もしくは金属部材 (33) に凹凸係合されることを特徴とする請求項 7記載の電磁式燃料噴射弁。

[9] 前記薄肉部（37bb, 37bd)との凹凸係合部付近で前記第 1榭脂成形層 (37a)の外面が、他の部分よりも粗面に形成されることを特徴とする請求項 8記載の電磁式燃料噴射弁。

[10] ガラス繊維が混入された液晶ポリマーにより前記第 1榭脂成形層 (37a)が形成されることを特徴とする請求項 7— 9のいずれかに記載の電磁式燃料噴射弁。

[11] ガラス繊維の混入を排除した熱可塑性ポリエステルエラストマ一により前記第 2榭脂成形層 (37b)が形成されることを特徴とする請求項 7— 9のいずれかに記載の電磁式燃料噴射弁。