WO2005072609A1

WO2005072609A1 - 顔撮影装置

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Publication number: WO2005072609A1
Application number: PCT/JP2004/019541
Authority: WO
Inventors: Tomoyuki Momma; Yasuo Takasu
Original assignee: Inforward, Inc.
Priority date: 2004-02-02
Filing date: 2004-12-27
Publication date: 2005-08-11
Also published as: JP2005211581A

Abstract

　【解決手段】　ベース部（１２）は、被撮影者の顔を支持する顔支持部（２２）を備える。可動撮影照明ユニット（１４）は、ベース部に対して移動可能に設けられており、顔支持部に支持された顔を撮影するカメラ（２６）と共に撮影用の照明装置（２８）を備える。可動撮影照明ユニット（１４）は、ユニット移動装置によって、顔の周りを回るようにベース部（１２）に対して動かされる。照明装置（２８）は、拡散板とＬＥＤ素子で構成される。拡散板は顔に向かって拡大する錐状部分を有し、錐状部分がＬＥＤ素子で取り囲まれる。顔撮影装置を小型化することができる。

Description

明細書

顔撮影装置

技術分野

[0001] 本発明は、被撮影者の顔を撮影する顔撮影装置に関し、特に、顔撮影装置の小型化に関する。

背景技術

[0002] 従来、皮膚科、形成外科、化粧カウンセリングなどの分野へ適用可能な各種の肌解析システムが提案されている。肌解析システムは、顔の画像を撮影する撮影装置と、撮影画像を解析する処理装置とを備えている。この種のシステムは、例えば、皮膚科のインフォームドコンセントに使用可能である。このようなシステムは、例えば、特開平 7-55447号公報、特開平 7-19839号公報、特開平 7—231883号公報、特開平 7-289524号公報および特開 2001-419号公報に開示されている。また、このようなシステムは、村瀬曜子、田中敏幸、岡輝明、「画像処理による皮膚腫瘍の分類の検討」、電気学会論文誌 C、電子 ·情報'システム論文誌、 2002年、 Vol. 122 - C、 No . 10、 1713一 1720ページ（Y. Murase, T. Tanaka,&T. Oka, "Classification of Skin Tumor using Image Processing", A Publication of Electronics, Information and Systems Society, 2002, Vol. 122- C, No.10, pp.1713 - 1720)に開示されている。

[0003] しかし、従来の一般的な肌解析システムは、顔等の局部を撮影するカメラを備えていることが多い。この場合、治療等の前後で異なる場所が撮影されてしまい、その結果、治療等の効果を正確に判断できな、可能性がある。

[0004] そこで、最近は、顔全体を撮影する肌解析用の撮影装置が提案されている。同装置では、複数方向から顔全体を撮影できるように、顔の周りを移動可能にカメラが設けられている。また、照明装置は、複数方向力もの撮影を想定している。そして、照明装置は、どの方向から撮影したときも均一な照明条件下で影のない画像が得られるように、顔の周りの広、範囲を照明するように構成されて、る。

[0005] なお、顔全体を撮影するその他の装置としては、特開 2002— 57940号公報力 ID カード作成システム用の撮影装置を提案している。同撮影装置は、背景の明るさに基づいて画像全体の明るさを補正する補正機能を持っている。しかし、この撮影装置は、肌の表面を解析するために高、レベルで影のな、画像を得ると!、つた観点では能力的に不十分である。

[0006] また、肌解析装置が複数の方向から顔全体を撮影する場合、複数の撮影方向から良質な画像を得ることが求められる。そこで、従来装置には大型な照明装置が備えられており、これにより装置全体が大型化している。皮膚科病院等の設置スペースを考慮すると、同程度の能力をもち、よりコンパクトな撮影装置の提供が望まれる。

[0007] コンパクトィ匕のニーズに応える装置としては、顔の向きを変えるようにした装置が提案されている。しかし、顔の向きを変えるときに顔が前後に移動してしまい、顔の移動に起因して画像の大きさが変わってしまう。

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0008] 本発明は上記背景の下でなされたものであり、その目的は、肌解析用の顔全体の画像を得るのに適したコンパクトな顔撮影装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0009] 本発明の顔撮影装置は、被撮影者の顔を支持する顔支持部を備えたベース部と、ベース部に対して移動可能に設けられ、顔支持部に支持された顔を撮影するカメラと共に撮影用の照明装置を備えた可動撮影照明ユニットと、可動撮影照明ユニットを、顔支持部に支持された顔の周りを回るようにベース部に対して移動させるユニット移動装置と、を含む。

[0010] 以下に説明するように、本発明には他の態様が存在する。したがって、この発明の開示は、本発明の一部の態様の提供を意図しており、ここで記述され請求される発明の範囲を制限することは意図していない。

図面の簡単な説明

[0011] [図 1]図 1は、本実施の形態の顔撮影装置の正面図である。

[図 2]図 2は、本実施の形態の顔撮影装置の側面図である。

[図 3]図 3は、本実施の形態の顔撮影装置を側方力見たときの縦方向の断面図である。

[図1—

〇 4]図 4は、本実施の形態の顔撮影装置における可動撮影照明ユニットの横方向の断面図である。

[図 5]図 5は、本実施の形態の顔撮影装置におけるベース部の横方向の断面図である。

[図 6]図 6は、位置センサの構成を示す図である。

[図 7]図 7は、顔撮影装置の動作を示す図である。

[図 8]図 8は、肌解析システムの機能ブロック図である。

符号の説明

顔撮影装置

12 ベース部

14 可動撮影照明ユニット

16 上フレーム部

20 フレーム支柱

22 顎載せ台

24 額押え

26 カメラ

28 照明装置

44 拡散板

46 LED装置

50 錐状部分

58 LEDパネル

60 色見本

72 テーブル

76 回動中心

90 モータ

96 駆動ギア

96 被駆動ギア 100、 102、 104、 106 位置センサ

118 コンピュータ基板

発明を実施するための最良の形態

[0013] 以下に本発明の詳細な説明を述べる。ただし、以下の詳細な説明と添付の図面は発明を限定するものではない。代わりに、発明の範囲は添付の請求の範囲により規定される。

[0014] この顔撮影装置は、被撮影者の顔を支持する顔支持部を備えたベース部と、ベース部に対して移動可能に設けられ、顔支持部に支持された顔を撮影するカメラと共に撮影用の照明装置を備えた可動撮影照明ユニットと、可動撮影照明ユニットを、顔支持部に支持された顔の周りを回るようにベース部に対して移動させるユニット移動装置と、を含む。

[0015] このように、カメラと照明装置を備えた可動撮影照明ユニットが顔の周りを回るので、照明装置の照明範囲を縮小できる。すなわち、カメラだけが移動する従来構成と異なり、この顔画像撮影装置では、照明装置が、カメラの撮影範囲内に均一で極力影のできない照明を提供すればよい。したがって、照明範囲が小さくてよい。照明装置を大幅に小型化でき、撮影装置全体も小型化できる。

[0016] 本顔撮影装置において、照明装置は、フラッシュと異なり、連続的に顔を照明する。フラッシュを使うと影が生じるので、肌解析に適した高品質な画像を得るのが容易でない。一方、連続的な照明は、より影の少ない画像が得られるものの、比較的大きな照明装置を必要とする。しかしながら、本顔画像撮影装置は、連続的な照明装置を備え、し力も、上述のように照明装置の小型化を可能とする。これにより装置全体の小型化にも大きく寄与することが可能である。

[0017] また、好ましくは、照明装置は、複数の LED素子と、複数の LED素子が発する光を拡散する拡散板とを有する。 LED素子を使うことで、さらなる小型化が可能である。

[0018] また、好ましくは、拡散板は、カメラ力も顔に向力つて拡大する錐状部分を有し、錐状部分の外側を取り囲むように LED素子が配列されている。このような錐型の拡散板を使うことで、照明装置のさらなる小型化が可能である。

[0019] また、本顔撮影装置は、下記のように、照明装置の小型化に伴って照度を下げるときに有利である。すなわち、照明装置が蛍光灯を使っていると、照度の低下に伴ってちらつきが発生し、このちらつきが画質低下を招く。しかし、本顔撮影装置は、拡散板に LED素子を組み合わせている。 LED素子はちらつきを生じることなく照度を制御でき、これにより高品質な画像が得られる。

[0020] また、好ましくは、ベース部は、可動撮影照明ユニットを下方力も支持するように設けられており、可動撮影照明ユニットの回動経路の外側にてベース部にフレーム支柱が立設されており、フレーム支柱が可動撮影照明ユニットの上側にある上フレーム部を支持しており、顔支持部は、ベース部から上向きに突出し、被撮影者の顎が載せられる顎載せ台であり、さらに、上フレーム部からは、被撮影者の額が押しつけられる額押えが垂れ下がつている。これにより、被撮影者の顔を確実に適切な場所に位置させることができる。

[0021] また、好ましくは、本顔撮像装置は、可動撮影照明ユニットを回転移動させる駆動装置と該駆動装置を制御する制御コンピュータとを備える。駆動装置はユニット移動装置を構成する。制御コンピュータは例えばベース部内に内蔵され、また例えばべース部に接続される。駆動装置と制御コンピュータを設けることで、可動撮影照明ュニットの移動を好適に制御できる。

[0022] また、別の態様は、上述の顔撮影装置と、顔撮影装置で撮影された顔画像を取り込んで肌解析処理を行うコンピュータとを備える肌解析システムである。

[0023] さらに、本発明は上記の顔画像撮影装置および肌解析システムに限定されない。

本発明の別の態様は、例えば、上記の顔画像撮影装置による顔画像の撮影方法であり、また、顔画像撮影用のコンピュータ処理プログラムまたはその記憶媒体であり、肌解析方法であり、肌解析プログラムまたはその記録媒体である。

[0024] 上述のように、本実施の形態によれば、照明装置を小型化でき、撮影装置全体も小型化できる。

[0025] 以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。

[0026] 図 1、図 2は、本実施の形態の顔撮影装置の正面図および側面図である。図示のように、顔撮影装置 10は、ベース部 12と、ベース部 12に対して移動可能に設けられた可動撮影照明ユニット 14と、可動撮影照明ユニット 14のさらに上側に配置された上フレーム部 16とを備える。

[0027] ベース部 12と上フレーム部 16は 2本のフレーム支柱 20で連結されており、これらが顔撮影装置 10のフレームを構成している。ベース部 12の中央部には上向きに突出するように顎載せ台 22が備えられている。また、上フレーム部 16の中央からは下向きに額押え 24が垂れ下がつている。額押え 24は顎載せ台 22の上方に位置する。被撮影者の顔は、顎載せ台 22に顎を載せ、額押え 24に向力つて前方に額を押しつけた状態で保持される。

[0028] 可動撮影照明ユニット 14は、顎載せ台 22に支持された顔を撮影するカメラ 26と共に撮影用の照明装置 28を備えている。可動撮影照明ユニット 14は、顎載せ台 22に支持された顔の周りを回るように設けられている。この移動は、後述するモータと歯車機構力もなるユニット移動機構によって実現される。また、上フレーム部 16を支持するフレーム支柱 20は、可動撮影照明ユニット 14の回動経路の外側に位置している。

[0029] 次に、図 3は、顔撮影装置 10を縦方向に切断した断面図であり、図 4は、可動撮影照明ユニット 14を横方向に切断した断面図である。これらの図を参照し、可動撮影照明ユニット 14について説明する。両図において、部品の配線は省略されている。

[0030] 可動撮影照明ユニット 14は、板金製のハウジング 40を有し、ハウジング 40の中に鋼板製のユニットシャーシ 42が備えられている（図 3)。そして、ユニットシャーシ 42には、カメラ 26および照明装置 28が取り付けられている。なお、図 4ではユニットシヤーシ 42は他の構成を見やすくするために省略されている。

[0031] カメラ 26は、可動撮影照明ユニット 14の後方に、すなわち、被撮影者の顔から遠い位置に配置されている。また、カメラ 26は、被撮影者の顔のほぼ中心と対向するように配置されている。カメラ 26はデジタルカメラであり、画素数は例えば 500万個である。

[0032] 照明装置 28は拡散板 44および LED装置 46で構成されている。拡散板 44は、ァクリル等の榭脂製であり、乳白色である。拡散板 44は、概略的には、カメラ 26の光軸が通るように設けられた筒である。そして、拡散板 44は、カメラ 26から顔に向力つて拡大する錐型形状を有する。

[0033] より詳細には、拡散板 44は、奥側の円筒部 48と手前側の錐状部分 50を有する。拡散板 44は、円筒部 48の後端と錐状部分 50の前端とでユニットシャーシ 42に取り付けられている。円筒部 48の奥には壁 52があり、壁 52の中央に撮影用の窓 54が設けられている。そして、前方力も窓 54を通してカメラ 26のレンズが見える。錐状部分 50 は、カメラ 26から顔に向力つて拡大している。錐状部分 50の後端は円形であり、後方の円筒部分 48に続いている。また、錐状部分 50の前端は略四角形であり、そして、図 4に示すように、上方力も見ると中央部が後方に凹むように湾曲している。このように、錐状部分 50は、奥側で円形であり、手前側で略四角形である。そして、錐状部分 50は、円形と四角形を滑らかにつなぐ形状を有する。

[0034] LED装置 46は、 8枚の LEDパネル 56を有する。各 LEDパネル 56には多数の LE D素子が配列されている。そして、 8枚の LEDパネル 56は、拡散板 44の錐状部分 5 0の外側で、光軸の周りを囲むリングを形成するように配置されている。各 LEDパネル 56は、錐状部分 50の傾斜に沿うように傾けて配置されている。このような構成により、多数の LED素子は錐状部分 50の外側を取り囲むように配列されている。

[0035] その他、ユニットシャーシ 42には ACアダプタ 58が取り付けられている。また、ュ- ットシャーシ 42の前方には、色見本 60が備えられている。色見本 60は、顎載せ台 22 の背後であって、顔の撮影の障害にならない下方の位置に設けられている。色見本 60は、ユニットシャーシ 42に立設されたスティ部材に設けられており、基準の色で構成される。色見本 60は、カメラ 26によって撮影され、画像処理において色調整に使用される。また、可動撮影照明ユニット 14の前方の下方には、被撮影者の肩を逃げるための逃げ部 62が設けられている。

[0036] 次に、図 5は、ベース部 12を横方向に切断した断面図である。図 5および前出の図 3を参照し、可動撮影照明ユニット 14を移動するユニット移動機構 (ユニット移動装置 )を説明する。このユニット移動機構はベース部 12に内蔵されている。図 3、図 4と同様、図 5においても部品の配線は省略されている。

[0037] ベース部 12では、底板 70の上に、扇形のテーブル 72が回動可能に設けられている。テーブル 72の中心角は約 90度である。そして、テーブル 72にユニット支柱 74が立てられており、ユニット支柱 74の上に可動撮影照明ユニット 14が支持されている。

[0038] テーブル 72の回動中心 76は、顎載せ台 22の支柱 78より少し手前側に位置している。回動中心 76は、標準的な大きさの顔が顎載せ台 22に支持されたときの頭部の中心に一致するように配置されて、る。テーブル 72には図示のように支柱 78をよけるための円弧形状の開口 80が設けられている。

[0039] また、テーブル 72の下面には、 3個の円形の足 82、 84、 86が取り付けられている。

足 82、 84、 86は、テーブル 72の下面の適当に離れた場所に配置されている。テーブル 72を回動すると、足 82、 84、 86が底板 70の上を滑って移動する。

[0040] テーブル 72の縁の近傍には、テーブル 72を駆動するためのモータ 90が設けられている。モータ 90はモータ取付台 92の上に取り付けられており、モータ取付台 92が底板 70に取り付けられている。モータ 90の回転が歯車機構によって伝達され、テーブル 72が回動する。歯車機構は、モータ 90に取り付けられた駆動ギア 94 (平歯車）と、テーブル 72に取り付けられた被駆動ギア 96で構成される。駆動ギア 94は、モータ 90から下方に突出した回転軸に取り付けられている。被駆動ギア 96は、テーブル 72の縁に沿う円弧形状の部材である。この円弧形状の部材の外周面に歯が設けられている。

[0041] また、ベース部 12の底板 70には、テーブル 72の回転方向の角度位置を検出するために、 4つの位置センサ 100、 102、 104、 106が取り付けられている。位置センサ 100— 106はフォトセンサであり、テーブル 72の外周の近傍に設けられている。位置センサ 102、 104はモータ 90の両側に設けられ、位置センサ 100、 106は左右に 45 度方向に設けられている。本実施の形態では、左方向および右方向は、図 1の中央を基準に表現される。一方、テーブル 72には、フォトセンサの隙間を通るように板片 1 08、 110、 112が取り付けられている。フォトセンサは、板片が光を遮ったことを示す信号を出力する。

[0042] 図 6は、位置センサ 102の構成を示すようにベース部 12を切断した断面図である。

図示のように、鋼板製のセンサ取付台 114が、テーブル 72の外周縁の近傍で底板 7 0に取り付けられている。そして、センサ取付台 114に位置センサ 102が取り付けられている。位置センサ 102は、テーブル 72の上方を向いた横方向の隙間 116を有する。そして、図 6の状態では、隙間 116の中に、板片 108が位置している。したがって、位置センサ 102の隙間 116では、板片 108により光が遮られている。そして、位置センサ 102は、板片 108の検出を示す信号を出力する。板片 108は、鋼板を折り曲げることにより形成されており、図示のように被駆動ギア 96の上に取り付けられている。他の位置センサおよび板片の構成も同様である。

[0043] 図 5に戻り、位置検出についてさらに説明する。本実施の形態では、撮影方向が、中央、右 45度（上方から見て時計方向に 45度）および左 45度 (反時計方向に 45度) に設定されている。位置センサ 100— 106は、テーブル 72が上記の 3つの撮影方向に対応する位置に到達したことを検出する。すなわち、図 5の状態では、テーブル 72 の板片 108、 112が位置センサ 102、 104の場所に位置する。また、テーブル 72が右に 45度回動したときは、中央の板片 110が位置センサ 106の所に位置する。逆にテーブル 72が左方向に 45度回動したときは、中央の板片 110が位置センサ 100の所に位置する。

[0044] したがって、 4つの位置センサ 100— 106の検出信号から、テーブル 72が 3つの撮影方向に対応する位置へ到達したことが分かる。位置センサ 100— 106の検出信号は、制御コンピュータに相当するコンピュータ基板 118に入力され、駆動装置であるモータ 90の制御に用いられる。コンピュータ基板 118は端子台 120と共に底板 70に取り付けられている。コンピュータ基板 118の制御コンピュータは、モータ 90と共に L ED装置 46等を制御する。

[0045] その他、ベース部 12の底板 70には、モータ電源 130および LED電源 132が取り付けられている。 LED電源 132のコードは、テーブル 72の円弧形状の開口 134を通つて上方の LED装置 46へ導かれる。カメラ 26のケーブルも開口 134を通る。さらに、ベース部 12の外面には、スィッチ 140、電源コネクタ 142、有線リモコン端子 143、 U SB端子 144、ビデオ端子 145、ファン 146といった各種構成が設けられている。

[0046] また、図 3に示されるように、上フレーム部 16は中空形状を有する。そして、上フレーム部 16は、中空部分を補強するための補強材 150、 152を備えている。また、上フレーム部 16は前側にドーム部 154を有する。ドーム部 154は、乳白色のアクリル板であり、拡散板 44に滑らかに続く曲面を有する。額押え 24の支持棒 156は、ドーム部 1 54を貫通して上フレーム部 16の内部に延びている。そして、上フレーム部 16の内部には、額押え 24の高さを調整するための調整機構 158が備えられている。また、上フレーム部 16を支持するフレーム支柱 20は、略三角形の断面形状を有する。そして、フレーム支柱 20は、可動撮影照明ユニット 14に干渉しない外側の位置に配置されている。

[0047] 次に、図 7を参照し、上記の顔撮影装置 10の動作を説明する。

[0048] 図 7は、 3つの撮影方向から顔を撮影するときの顔撮影装置 10を示している。撮影開始時は、顔撮影装置 10は、図 7の中段の状態にある。すなわち、カメラ 26が顎載せ台 22の正面に位置するように、可動撮影照明ユニット 14がベース部 12に対して位置決めされている。そして、顎載せ台 22に被撮影者の顎が載せられ、同時に額押え 24に被撮影者の額が前向きに押しつけられる。これにより被撮影者の顔が保持される。

[0049] この状態で、図示されない有線リモコンのボタンがオペレータにより操作されると、コンピュータ基板 118の制御コンピュータ（以下、コンピュータという）の制御に従い、 L ED装置 46が点灯する。 LED装置 46の LED素子が発した光は、拡散板 44で拡散され、被撮影者の顔を均一に照らす。そして、コンピュータの制御に従い、カメラ 26が顔を撮影する。撮影画像はカメラ 26から出力され、コンピュータに送られ、また、 US B端子 144およびビデオ端子 145から出力される（本実施の形態では、カメラ 26がデジタルカメラであり、また、ビデオ端子 145が動画を出力し、また、 USB端子 144が、解析等に適した静止画を出力する)。拡散板 44を使った照明により、肌の表面の微細な状態を表す画像が常に同一条件で得られる。

[0050] 次に、図 7の下段に示されるように、コンピュータの制御に従い、可動撮影照明ュ- ット 14が右方向に 45度回動する。ここでは、モータ 90が駆動ギア 94と共に回転し、駆動ギア 94の回転が被駆動ギア 96に伝えられる。これにより、被駆動ギア 96と共にテーブル 72が回動し、テーブル 72に取り付けられた可動撮影照明ユニット 14も回動する。

[0051] コンピュータは、位置センサの出力信号に基づいてモータ 90を制御し、テーブル 7 2が右方向に 45度回動した時点でモータ 90を停止させる。これにより、可動撮影照明ユニット 14は、右 45度の撮影角度位置に位置決めされる。この状態で、コンビユータの制御に従い、カメラ 26が再度、顔を撮影する。この顔画像もカメラ 26から出力される。

[0052] 次に、図 7の上段に示されるように、コンピュータの制御に従い、可動撮影照明ュ- ット 14は逆方向に回動して、左方向の 45度の位置まで移動する。ここでは、コンビュータはモータ 90を逆方向に回転させる。これにより、テーブル 72も可動撮影照明ュニット 14と共に逆方向に、すなわち反時計方向に回動する。コンピュータは、位置センサの出力信号に基づいて、テーブル 72が左方向に 45度の角度位置に達したときにモータ 90を停止させる。これにより、可動撮影照明ユニット 14は、左 45度の撮影角度位置に位置決めされる。この状態で、コンピュータの制御に従い、カメラ 26が再度、顔を撮影する。この顔画像もカメラ 26力ら出力される。

[0053] 次に、コンピュータの制御に従い、可動撮影照明ユニット 14は再度、逆方向に回動し、図 7の中段に示される元の位置へ戻る。ここでも、モータ 90が回転し、回転力がテーブル 72に伝達され、テーブル 72が可動撮影照明ユニット 14と共に回動する。コンピュータは、位置検出信号に基づき、テーブル 72が元の位置に戻ったときにモータ 90を停止させる。以上により、 3方向からの撮影が終了する。

[0054] 上記の説明では、 3方向からの撮影を行う場合を説明した。しかし、 3方向の撮影が常に行われなくてもよい。そして、適当に移動と撮影が繰り返され、必要な画像が得られればよい。また、動作終了時も、可動撮影照明ユニット 14が中央の位置に戻されなくてもよい。

[0055] 次に、図 8は、本実施の形態の顔撮影装置 10が適用される肌解析システムの構成例を示している。

[0056] 図 8において、肌解析システム 170は、顔撮影装置 10とコンピュータ 172で構成される。顔撮影装置 10は上述した構成を有する。コンピュータ 172は顔撮影装置 10と接続されており、顔撮影装置 10から顔画像が入力される。コンピュータ 172は、例えばパーソナルコンピュータで構成されており、肌解析用のプログラムが組み込まれており、顔画像を用いて肌解析処理を行う。コンピュータ 172は顔撮影装置 10と一体に設けられ、そして顔撮影装置 10に内蔵されてもよい。

[0057] 図示のように、コンピュータ 172は、ユニット移動制御部 174、画像取得部 176、画像記憶部 178および画像解析部 180を含む。ユニット移動制御部 174は、顔撮影装置 10に制御信号を出し、可動撮影照明ユニット 14を 3つの撮影位置へと回動させる。画像取得部 176は、撮影条件の設定および撮影指示の処理を行い、顔撮影装置 1 0が撮影した顔画像を取り込む。そして、画像記憶部 178は、画像取得部 176が取得した顔画像を撮影対象と関連づけて記憶する。画像解析部 180は、画像記憶部 1 78が記憶して、る顔画像を読み出して、肌解析処理を実行する。

[0058] 肌解析処理は、例えば、顔全体または特定部位の画像を 2値画像に変換し、 2値画像力皮膚の色が濃い部分を抽出する。皮膚の色が濃い部分は、シミ、ソバカスなどに対応している。したがって、 2値ィ匕画像から、シミ、ソバカスなどの数および面積の解析データが得られる。この解析データが、皮膚解析データベース 182に蓄積される。また、データ提示処理部 184は、皮膚解析データベース 182から解析データを読み出し、解析データから表およびグラフ等の出力情報を生成する。出力情報には肌の状態が表される。出力情報は、コンピュータ 172のディスプレイおよびプリンタ等の出力装置から出力される。

[0059] 肌解析処理は、上記のシミ、ソバカスの解析に限定されず、他の生体情報を求めてもよい。また、肌解析処理が、特開平 7— 55447号公報、特開平 7— 19839号公報、特開平 7-231883号公報、特開平 7-289524号公報に開示されており、また、肌解析処理は、「村瀬曜子、田中敏幸、岡輝明、「画像処理による皮膚腫瘍の分類の検討」、電気学会論文誌 C、電子 '情報'システム論文誌、 2002年、 Vol. 122 - C、 N o. 10、 1713— 1720ページ」に開示されている。これらの肌解析処理が、本実施の形態の顔解析システムに好適に応用されてよヽ。

[0060] 以上、本発明の好適な実施の形態を説明した。上記のように、本実施の形態では、顔撮影用のカメラと照明装置で可動撮影照明ユニットが構成され、このユニットが顔の周りを回動している。これにより、照明装置の照明範囲を縮小できる。

[0061] この点に関し、カメラだけが移動する従来構成では、カメラがどの方向に位置するときも十分な照明条件を得るために、相当に大型の照明装置が必要である。これに対して、上記の照明装置は、カメラの撮影範囲内に均一で極力影のできない照明を提供すればよいので、照明範囲が小さくてよい。したがって、照明装置を大幅に小型化でき、撮影装置全体も小型化できる。 [0062] また、カメラを固定した状態で顔を動かす構成と比べると、上述の顔撮影装置の利点は、顔を動力さないので、顔の移動による画像の大きさの変化を低減できることである。このことは、例えば、複数の方向から撮影した画像力も肌解析用の 3D画像を生成する場合に有利である。

[0063] 上述の顔撮影装置において、照明装置は、フラッシュと異なり、連続的に顔を照明するタイプである。フラッシュを使うと影が生じるので、肌解析に適した高品質な画像を得る上では不利である。一方、連続的な照明は、より影の少ない画像が得られるものの、比較的大きな照明装置を必要とする。しかしながら、上述の顔撮影装置は、このような連続的な照明装置を備え、しかも、照明装置の小型化を可能とする。これにより装置全体の小型化にも大きく寄与することが可能である。

[0064] また、照明装置が LED素子と拡散板で構成されている。 LED素子を使うことにより、さらなる小型化が可能である。

[0065] また、拡散板の錐状部分力LED素子により囲まれている。このような錐型の拡散板を使うことにより、照明装置のさらなる小型化が可能である。

[0066] また、下記のように、照明装置の小型化に伴って照度を下げるときに有利である。

すなわち、照明装置が蛍光灯を使っていると、照度の低下に伴ってちらつきが発生し、このちらつきが画質低下を招く。しかし、上述の構成では、拡散板に LED素子が組み合わされている。 LED素子はちらつきを生じることなく照度を制御可能である。これにより高品質な画像が得られる。

[0067] また、上述の構成では、ベース部と上フレーム部に顎載せ台と額押えが備えられている。これにより、被撮影者の顔を確実に適切な場所に位置させることができる。

[0068] また、可動撮影照明ユニットを回転移動させる駆動装置とその制御コンピュータが設けられている。これにより、可動撮影照明ユニットの移動を好適に制御できる。

[0069] また、上述の肌解析システムによれば、上記の顔撮影装置の撮影した顔画像を解析することで、好適な解析結果が得られる。

[0070] 以上に現時点で考えられる本発明の好適な実施の形態を説明した力本実施の形態に対して多様な変形が可能なことが理解され、そして、本発明の真実の精神と範囲内にあるそのようなすべての変形を添付の請求の範囲が含むことが意図されている。

産業上の利用可能性

以上の説明から明らかなように、本発明は、皮膚科等で利用できる顔撮影装置を提供する。

Claims

請求の範囲

[1] 被撮影者の顔を支持する顔支持部を備えたベース部と、

前記ベース部に対して移動可能に設けられ、前記顔支持部に支持された顔を撮影するカメラと共に撮影用の照明装置を備えた可動撮影照明ユニットと、

前記可動撮影照明ユニットを、前記顔支持部に支持された顔の周りを回るように前記ベース部に対して移動させるユニット移動装置と、

を含むことを特徴とする顔撮影装置。

[2] 前記照明装置は、複数の LED素子と、前記複数の LED素子が発する光を拡散する拡散板とを有することを特徴とする請求項 1に記載の顔撮影装置。

[3] 前記拡散板は、前記カメラ力顔に向かって拡大する錐状部分を有し、前記錐状部分の外側を取り囲むように LED素子が配列されていることを特徴とする請求項 2に記載の顔撮影装置。

[4] 前記ベース部は、前記可動撮影照明ユニットを下方力支持するように設けられており、前記可動撮影照明ユニットの回動経路の外側にて前記ベース部にフレーム支柱が立設されており、前記フレーム支柱が、前記可動撮影照明ユニットの上側にある上フレーム部を支持しており、前記顔支持部は、前記ベース部から上向きに突出し、被撮影者の顎が載せられる顎載せ台であり、さらに、前記上フレーム部からは、被撮影者の額が押しつけられる額押えが垂れ下がつていることを有することを特徴とする請求項 1に記載の顔撮影装置。

[5] 前記可動撮影照明ユニットを回転移動させる駆動装置と前記駆動装置を制御する制御コンピュータを備えることを特徴とする請求項 1に記載の顔撮像装置。

[6] 請求項 1に記載の顔撮影装置と、前記顔撮影装置で撮影された顔画像を取り込んで肌解析処理を行うコンピュータとを備える肌解析システム。