多官能性 (メタ)アタリレートおよびその製造方法
技術分野
[0001] 本発明は、光学材料用途 (光学用オーバーコート剤、ハードコート剤、反射防止膜
、眼鏡レンズ、光ファイバ一、光導波路、ホログラムなど)などの材料を形成でき、耐 熱性、屈折率などを向上するために有用な多官能性 (メタ)アタリレート、その製造方 法、および前記多官能性 (メタ)アタリレートで構成された重合性組成物 (及びその硬 化物)に関する。
背景技術
[0002] 光学用オーバーコート剤、ハードコート剤、反射防止膜、眼鏡レンズ、光ファイバ一 、光導波路、ホログラムなどの光学材料用途として、熱可塑性榭脂 (ポリカーボネート など)や、熱硬化性榭脂(ジエチレングリコールビスァリルカーボネート(CR— 39)など の多官能性の脂肪族アタリレートなど)の硬化物などが使用されている。このような光 学材料には、耐湿性、耐熱性、高屈折率などの特性の向上が求められており、種々 の光学材料の開発が検討されている。
[0003] 特開平 4 325508号公報 (特許文献 1)には、プラスチックレンズ材料として、 9, 9 ビス (4ーヒドロキシフヱ-ル)フルオレンに (メタ)アクリル酸クロリドを反応させた化合 物、又は 9, 9 ビス(4ーヒドロキシフエ-ル)フルオレンにエチレンォキシド又はプロピ レンォキシドを付加させたのち、(メタ)アクリル酸を反応させた化合物を主成分とする 共重合体が開示されている。
[0004] しかし、このようなビスアタリレートフルオレンィ匕合物では、架橋密度を高めることが できず、光学材料や塗膜などに要求される特性 (例えば、硬度、耐熱性など)を十分 に向上できない。
特許文献 1 :特開平 4 325508号公報 (請求項 1、段落番号 [0010])
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0005] 従って、本発明の目的は、硬度、耐熱性や耐湿性などの特性を著しく向上できる多
官能性 (メタ)アタリレート、およびその製造方法を提供することにある。
[0006] 本発明の他の目的は、架橋密度を向上できる多官能性 (メタ)アタリレートを提供す ることにめる。
[0007] 本発明のさらに他の目的は、フルオレン骨格を有する新規な多官能性 (メタ)アタリ レートを、簡便にかつ高収率で製造できる方法を提供することにある。
課題を解決するための手段
[0008] 本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、フルオレンの 9位に多 価フ ノールが置換したィ匕合物(又はそのアルキレンオキサイド付加体)の多官能性 ( メタ)アタリレートを使用すると、架橋密度を向上できるとともに、材料 (光学材料など) の硬度や耐熱性などの特性を著しく向上できることを見 ヽだし、本発明を完成した。
[0009] すなわち、本発明の多官能性 (メタ)アタリレートは、下記式(1)で表されるフルォレ ン骨格を有する (メタ)アタリレートである。
[0010] [化 1]
(式中、 Rla、 Rlb、 R2aおよび R ま置換基を示し、 R3aおよび R3bはアルキレン基を示し 、 R½および R4bは水素原子又はメチル基を示す。 kl及び k2は同一又は異なって 0又 は 1一 4の整数を示し、 ml及び m2は同一又は異なって 0又は 1一 3の整数を示し、 n 1および n2は同一又は異なって 0又は 1以上の整数を示し、 piおよび p2は同一又は 異なって 2— 4の整数を示す。ただし、 ml +pl及び m2+p2は、 2— 5の整数である )
前記式(1)において、 R3aおよび R31^C アルキレン基であり、 nlおよび n2力
2-4 一 1
2程度であり、 nl +n2力 一 24程度であってもよく、特に、式(1)において、 Rlaおよ び!^がじ アルキル基、 klおよび k2が 0又は 1であり、 R2aおよび R2bが、 C アルキ
ル基、 C アルコキシ基又は C ァリール基、 mlおよび m2が 0— 2であり、 R3aおよび
1-4 6-8
R31^ C ァノレキレン基、 nlおよび n2力 O— 6、 nl +n2力 0— 12であってもよい。 pi
2-4
および p2は、それぞれ 2又は 3である場合が多い。また、前記式(1)において、 nlお よび n2が 1以上の好ましい多官能性 (メタ)アタリレートには、 R3aおよび R3 C アル
2-4 キレン基であり、 nlおよび n2が 1一 4程度であり、 nl +n2力 一 8程度であり、 piお よび p2がそれぞれ 2である多官能性 (メタ)アタリレートなどが含まれる。
[0011] 前記式(1)で表される代表的な多官能性 (メタ)アタリレートには、 9, 9 ビス (ジヒド ロキシフエ-ル)フルオレン類の C アルキレンォキシド付カ卩体の(メタ)アタリレート、 9
2-4
, 9 ビス(トリヒドロキシフエ-ル)フルオレン類の C アルキレンォキシド付カ卩体の(メ
2-4
タ)アタリレートなどが含まれる。
[0012] 前記式(1)で表される多官能性 (メタ)アタリレートは、特に限定されないが、通常、 下記式(2)で表されるフルオレン骨格を有する多価アルコールと、(メタ)アクリル酸又 はその誘導体とを反応させることにより製造できる。
[0013] [化 2]
(式中、 R 、 R 、 R ゝ R ゝ R ゝ R ゝ kl、 k2、 ml、 m2、 nl、 n2、 piおよび p2は前 記に同じ)
本発明は、前記式(1)で表される多官能性 (メタ)アタリレートと、重合開始剤 (例え ば、光重合開始剤)とで構成された重合性組成物を含む。重合開始剤の割合は、前 記式(1)で表される多官能性 (メタ)アタリレート 100重量部に対して 0. 1— 30重量部 程度であってもよい。また、前記重合性組成物は、さらに、ポリシランを含んでいても よい。このようなポリシランには、下記式(3)—(5)で表される構造単位のうち少なくと も 1つの構造単位を有するポリシランなどが含まれ、ポリシランの割合は、前記式(1)
で表される多官能性 (メタ)アタリレート 100重量部に対して、例えば、 0. 1一 50重量 部程度であってもよい。
[0014] [化 3]
(式中、 R5— R7は、同一又は異なって、水素原子、ヒドロキシル基、アルキル基、アル コキシ基、ァルケ-ル基、シクロアルキル基、シクロアルキルォキシ基、シクロアルケ -ル基、ァリール基、ァリールォキシ基、ァラルキル基、ァラルキルォキシ基又はシリ ル基を示し、 x、 y及び zはそれぞれ 0又は 1以上の整数を示し、 x、 y及び zの合計は 5 一 400である。 )
本発明は、前記重合性組成物 (又は前記式(1)で表される多官能性 (メタ)アタリレ ート)が、重合又は硬化した硬化物、およびこの硬化物で構成された材料 (光学材料 など)も含む。
[0015] なお、本明細書において、「(メタ)アタリレート」とは、アタリレート又はメタタリレートを 意味する。また、「(メタ)アタリロイルォキシ」とは、アタリロイルォキシ又はメタタリロイ ルォキシを意味する。
発明の効果
[0016] 本発明の多官能性 (メタ)アタリレートは、フルオレン骨格を有するとともに、多数の 高い重合性を有する (メタ)アタリロイル基を有するので、架橋密度を向上できるととも に、材料 (光学材料など)の硬度や耐熱性などの特性を著しく向上できる。また、本発 明では、多数の (メタ)アタリロイル基を導入でき、フルオレン骨格を有する新規な多 官能性 (メタ)アタリレートを、簡便にかつ高収率で製造できる。
発明の詳細な説明
[0017] 本発明の多官能性 (メタ)アタリレートは、下記式(1)で表され、フルオレン類の 9位 に、 2つの多価フエノール類が置換した多価アルコール(又はそのアルキレンォキシ
ド付加体)をポリオール成分とする多官能性 (メタ)アタリレートである。
[0018] [化 4]
(式中、 Rla、 Rlb、 R2aおよび R2bは置換基を示し、 R3aおよび R3bはアルキレン基を示し 、 R½および R4bは水素原子又はメチル基を示す。 kl及び k2は同一又は異なって 0又 は 1一 4の整数を示し、 ml及び m2は同一又は異なって 0又は 1一 3の整数を示し、 n 1および n2は同一又は異なって 0又は 1以上の整数を示し、 piおよび p2は同一又は 異なって 2— 4の整数を示す。ただし、 ml +pl及び m2+p2は、 2— 5の整数である )
基 Rlaおよび Rlbで表される置換基としては、特に限定されないが、通常、アルキル 基である場合が多い。アルキル基としては、メチル基、ェチル基、プロピル基、イソプ 口ピル基、ブチル基、 t ブチル基などの C アルキル基(例えば、 C アルキル基、
1-6 1-4
特にメチル基)などが例示できる。基 Rlaおよび Rlbは互いに異なっていてもよぐ同一 であってもよい。また、基 Rla (又は Rlb)は、同一のベンゼン環において、異なっていて もよぐ同一であってもよい。なお、フルオレン骨格を構成するベンゼン環に対する基 Rla (又は Rlb)の結合位置 (置換位置)は、特に限定されない。好ましい置換数 klおよ び k2は、 0又は 1、特に、 0である。なお、置換数 kl及び k2は、異なっていてもよいが 、通常、同一である。
[0019] 置換基 R2aおよび R2bとしては、アルキル基 (メチル基、ェチル基、プロピル基、イソプ 口ピル基、ブチル基、 s ブチル基、 t ブチル基などの C アルキル基、好ましくはじ
1-20
アルキル基、さらに好ましくは C アルキル基など)、シクロアルキル基(シクロペン
1-8 1-6
チル基、シクロへキシル基などの C シクロアルキル基、好ましくは C シクロアルキ
5-10 5-8
ル基、さらに好ましくは C シクロアルキル基など)、ァリール基 [フエニル基、アルキル
フエ-ル基 (メチルフエニル基(トリル基)、ジメチルフヱ-ル基(キシリル基)など)など のじ ァリール基、好ましくは C ァリール基、特にフエニル基など]、ァラルキル基(
6-10 6-8
ベンジル基、フエネチル基などの C ァリール C アルキル基など)などの炭化水
6-10 1-4
素基;アルコキシ基 (メトキシ基などの c アルコキシ基など);ヒドロキシル基;ヒドロキ
1-4
シ(ポリ)アルキレンォキシ基 (ヒドロキシ (ポリ) C アルキレンォキシ基など);ァシル基
2-4
(ァセチル基などの C ァシル基など);アルコキシカルボニル基 (メトキシカルボニル
1-6
基などの C アルコキシカルボニル基など);ハロゲン原子 (フッ素原子、塩素原子な
1-4
ど);ニトロ基;シァノ基などが挙げられる。
[0020] なお、前記ヒドロキシル基又はヒドロキシ (ポリ)アルキレンォキシ基は、後述する多 官能性 (メタ)アタリレートの製造方法にぉ 、て、原料となる多価アルコールの残基(( メタ)アクリル酸又はその誘導体と反応しな力つた基)である場合が多 、。
[0021] 好まし 、置換基 R2a (又は R2b)は、アルキル基 (C アルキル基)、シクロアルキル基(
1-6
C シクロアルキル基)、ァリール基 (C ァリール基)、ァラルキル基 (C ァリール
5-8 6-10 6-8
C アルキル基)、ヒドロキシル基、ヒドロキシ(ポリ)アルキレンォキシ基(ヒドロキシ(ポ
1-2
リ) C アルキレンォキシ基)である。これらのうち、特に、 C アルキル基、 C アルコ
2-4 1-4 1-4 キシ基、 C ァリール基が好ま U、。置換基 R2a (又は R2b)は、単独で又は 2種以上組
6-8
み合わせてベンゼン環に置換していてもよい。また、基 R2aおよび R2bは互いに同一又 は異なっていてもよいが、通常、同一である。また、基 R2a (又は R2b)は、同一のベンゼ ン環において、異なっていてもよく、同一であってもよい。
[0022] また、置換基 R2a (又は R2b)の置換位置は、特に限定されず、(メタ)アタリロイルォキ シ基又は (メタ)アタリロイルォキシ (ポリ)アルコキシ基 (以下、(メタ)アタリロイルォキ シ基含有基と総称する場合がある)の置換位置に応じて、フエ-ル基の 2— 6位 (例え ば、 2位、 5位、 2, 5—位など)に置換できる。
[0023] 好ましい置換数 mlおよび m2は、(メタ)アタリロイルォキシ基含有基の置換数にも よるが、 0— 2、さらに好ましくは 0— 1 (特に 0)である。なお、置換数 mlおよび m2は、 異なっていてもよいが、通常、同一である場合が多い。
[0024] R3aおよび R3bで表されるアルキレン基としては、限定されないが、例えば、 C アル
2-4 キレン基(エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、ブタン 1, 2—ジィル基など)など
が例示でき、特に、 c アルキレン基 (特に、エチレン基、プロピレン基)が好まし 、。
2-3
なお、 R3aおよび R3bは互いに同一の又は異なるアルキレン基であってもよいが、通常 、同一のァノレキレン基である。
[0025] アルコキシ基の置換数 (付加数) nlおよび n2は、同一又は異なって、 0— 15程度 の範囲力も選択でき、例えば、 0— 12 (例えば、 1一 12)、好ましくは 0— 8 (例えば、 1 一 8)、さらに好ましくは 0— 6 (例えば、 1一 6)、特に 0— 4 (例えば、 1一 4)程度であつ てもよい。また、 nlと n2の和(nl +n2)は、 0— 30程度の範囲力も選択でき、例えば 、 0— 24 (例えば、 2— 24)、好ましくは 0— 16 (例えば、 2— 12)、さらに好ましくは 0 一 12 (例えば、 2— 10)、特に 0— 8 (例えば、 2— 8)程度であってもよい。なお、 nl ( 又は n2)が 2以上の場合、ポリアルコキシ(ポリアルキレンォキシ)基は、同一のアルコ キシ基で構成されていてもよぐ異種のアルコキシ基 (例えば、エトキシ基とプロピレン ォキシ基)が混在して構成されていてもよいが、通常、同一のアルコキシ基で構成さ れている場合が多い。
[0026] (メタ)アタリロイルォキシ基含有基の置換数 piおよび P2は、 2— 3が好ましぐ特に 2力好まし!/ヽ。また、 piと p2との禾ロ(pl +p2)は、 f列えば、、 4一 8、好ましくは 4一 6程度 (特に 4)であってもよい。なお、置換数 piおよび ρ2は、異なっていてもよいが、通常 、同一である場合が多い。(メタ)アタリロイルォキシ基含有基の置換位置は、特に限 定されず、 pi (又は ρ2)の数に応じて、フルオレンの 9位に置換するフ -ル基の 2— 6位力も選択でき、 pi (又は ρ2)が 2の場合、例えば、 3, 4一位、 3, 5—位などであつ てもよい。 1つの (メタ)アタリロイルォキシ基含有基が、通常、 4位に置換していてもよ い。
[0027] なお、同一のベンゼン環に置換する複数の (メタ)アタリロイルォキシ基含有基は、 同一であってもよぐ異なっていてもよい。例えば、複数の (メタ)アタリロイルォキシ基 含有基が、 ( nl = 0 (n2 = 0)である(メタ)アタリロイルォキシ基単独で構成されて!ヽ てもよく、(ii) nl = 0 (n2 = 0)である(メタ)アタリロイルォキシ基と nl≠0 (n2≠ 0)であ る(メタ)アタリロイルォキシ (ポリ)アルコキシ基(2— (メタ)アタリロイルォキシエトキシ基 など)とで構成されて 、てもよく、(iii) nl≠ 0 (n2半 0)である同一の(メタ)アタリロイル ォキシ(ポリ)アルコキシ基単独で構成されて 、てもよく、(iv) nl≠ 0 (n2半 0)である
異なる (メタ)アタリロイルォキシ (ポリ)アルコキシ基 [例えば、 2— (メタ)アタリロイルォ キシエトキシ基と 2— (2— (メタ)アタリロイルォキシエトキシ)エトキシ基]で構成されて いてもよい。
[0028] 前記式(1)で表される代表的な多官能性 (メタ)アタリレートとしては、例えば、 9, 9- ビス(ジ (メタ)アタリロイルォキシフエ-ル)フルオレン類、 9, 9 ビス(トリ(メタ)アタリ口 ィルォキシフエ-ル)フルオレン類、これらに対応する多価アルコール [9, 9 ビス(ジ 又はトリヒドロキシフエ-ル)フルオレン類]のアルキレンォキシド(C アルキレンォキ
2-4
シド)付加体の (メタ)アタリレートなどが挙げられる。
[0029] 9, 9 ビス(ジ (メタ)アタリロイルォキシフエ-ル)フルオレン類には、例えば、 9, 9— ビス(ジ (メタ)アタリロイルォキシフエ-ル)フルオレン [9, 9ービス(3, 4—ジ (メタ)ァク リロイルォキシフエ-ル)フルオレン、 9, 9 ビス(2, 4—ジ(メタ)アタリロイルォキシフエ -ル)フルオレン、 9, 9 ビス(2, 5—ジ(メタ)アタリロイルォキシフエ-ル)フルオレン など]、置換基を有する 9, 9 ビス(ジ (メタ)アタリロイルォキシフヱ-ル)フルオレン { 例えば、 9, 9 ビス(アルキルージ (メタ)アタリロイルォキシフエ-ル)フルオレン [9, 9 ビス(3, 4—ジ (メタ)アタリロイルォキシ 5—メチルフエ-ル)フルオレン、 9, 9 ビス(3 , 4ージ (メタ)アタリロイルォキシ 6—メチルフエ-ル)フルオレンなどの 9, 9 ビス(C
1-4 アルキルージ (メタ)アタリロイルォキシフエ-ル)フルオレン、 9, 9 ビス(2, 4—ジ (メタ )アタリロイルォキシ 3, 6—ジメチルフエ-ル)フルオレンなどの 9, 9 ビス(ジ C アル
1-4 キルージ (メタ)アタリロイルォキシフエ-ル)フルオレンなど]、 9, 9—ビス(アルコキシ ジ(メタ)アタリロイルォキシフエ-ル)フルオレン [例えば、 9, 9 ビス(3, 4—ジ (メタ) アタリロイルォキシー 5—メトキシフエ-ル)フルオレンなどの 9, 9 ビス(C アルコキシ
1-4
—ジ (メタ)アタリロイルォキシフエ-ル)フルオレンなど]、 9, 9 ビス(ァリールージ (メタ )アタリロイルォキシフエ-ル)フルオレン [例えば、 9, 9 ビス(3, 4—ジ (メタ)アタリ口 ィルォキシー 5—フエ-ルフエ-ル)フルオレンなどの 9, 9 ビス(C ァリールージ(メタ
6-8
)アタリロイルォキシフエ-ル)フルオレンなど]など }などが含まれる。
[0030] 9, 9 ビス(トリ(メタ)アタリロイルォキシフエ-ル)フルオレン類には、上記 9, 9—ビス
(ジ (メタ)アタリロイルォキシフエ-ル)フルオレン類に対応するフルオレン類、例えば 、 9, 9 ビス(2, 4, 6— (メタ)アタリロイルォキシフエ-ル)フルオレン、 9, 9 ビス(2,
4, 5—トリ(メタ)アタリロイルォキシフエ-ル)フルオレン、 9, 9 ビス(3, 4, 5—トリ(メタ )アタリロイルォキシフエ-ル)フルオレンなどの 9, 9—ビス(トリ(メタ)アタリロイルォキ シフエ-ル)フルオレンなどが含まれる。
[0031] 9, 9 ビス(ジヒドロキシフエ-ル)フルオレン類のアルキレンォキシド付カ卩体の(メタ )アタリレートには、例えば、 9, 9 ビス [3, 4—ジ(2— (メタ)アタリロイルォキシエトキシ )フエ-ル]フルオレンなどの 9, 9 ビス [ジ(2— (メタ)アタリロイルォキシ C アルコキ
2-4 シ)フエ-ル]フルオレン(nl =n2= l)、 9, 9 ビス {3, 4—ジ [2— (2— (メタ)アタリロイ ルォキシエトキシ)エトキシ]フエ-ル}フルオレンなどの 9, 9 ビス {ジ [2—(2 (メタ) アタリロイルォキシ C アルコキシ) C アルコキシフエ-ル]フルオレン } (nl =n2 = 2
2-4 2-4
)などが含まれる。
[0032] 9, 9 ビス(トリヒドロキシフエ-ル)フルオレン類のアルキレンォキシド付カ卩体の(メタ )アタリレートには、例えば、 9, 9 ビス [3, 4, 5—トリ(2— (メタ)アタリロイルォキシエト キシ)フエ-ル]フルオレンなどの 9, 9 ビス [ジ(2— (メタ)アタリロイルォキシ C アル
2-4 コキシ)フエ-ル]フルオレン(nl =n2= l)、 9, 9 ビス {3, 4, 5—トリ [2— (2— (メタ) アタリロイルォキシエトキシ)エトキシ]フエ-ル}フルオレンなどの 9, 9 ビス {トリ [2—( 2- (メタ)アタリロイルォキシ C アルコキシ) C アルコキシフエ-ル]フルオレン } (nl
2-4 2-4
=n2 = 2)などが含まれる。
[0033] これらの多官能性 (メタ)アタリレートのうち、特に、 9, 9—ビス(ジヒドロキシフエ-ル) フルオレン類の C アルキレンオキサイド付カ卩体の(メタ)アタリレート{例えば、 9, 9—
2-4
ビス [ジ(2— (メタ)アタリロイルォキシ C アルコキシ)フエ-ル]フルオレン、 9, 9—ビス
2-3
{ジ [2— (2— (メタ)アタリロイルォキシ C アルコキシ) C アルコキシ]フエ-ル}フルォ
2-3 2-3
レンなど }、9, 9 ビス(トリヒドロキシフエ-ル)フルオレン類の C アルキレンォキサイ
2-4
ド付加体の (メタ)アタリレート{例えば、 9, 9-ビス [トリ(2- (メタ)アタリロイルォキシ C アルコキシ)フエ-ル]フルオレン、 9, 9—ビス {トリ [2— (2— (メタ)アタリロイルォキシ
2-3
C アルコキシ) C アルコキシ]フエ-ル}フルオレンなど }などが好ましい。
2-3 2-3
[0034] 本発明の多官能性 (メタ)アタリレートは、フルオレン骨格を有するとともに、高い反 応性を有する多数の (メタ)アタリロイルォキシ基含有基 (特に、(メタ)アタリロイルォキ シ (ポリ) C アルコキシ基)を有して ヽるため、種々の優れた特性 (特に、高 、屈折率
2-4
、光透過性、高い硬度、耐候性、可撓性、強度などの光学的用途に要求される特性) を付与するのに有用である。また、高反応性の (メタ)アタリロイルォキシ基含有基を 多数有しているので、重合速度を向上できるとともに、硬化物の架橋密度を著しく大 きくでき、高硬度の硬化物を効率よく得ることができる。
[0035] [多官能性 (メタ)アタリレートの製造方法]
本発明の多官能性 (メタ)アタリレートは、特に限定されないが、下記式 (2)で表され るフルオレン骨格を有する多価アルコールと、(メタ)アクリル酸又はその誘導体とを 反応させること〖こより製造できる。
[0036] [化 5]
(式中、 R 、 R 、 R ゝ R ゝ R ゝ R ゝ ml、 m2、 kl、 k2、 nl、 n2、 piおよび p2は前 記に同じ)
上記式(2)で表される多価アルコールにおいて、好ましい基および置換数 (R、 k、 m、 n、 p)は前記と同様である。代表的な多価アルコールとしては、例えば、 9, 9ービ ス(ジヒドロキシフエ-ル)フルオレン [9, 9 ビス(3, 4—ジヒドロキシフエ-ル)フルォレ ン(ビスカテコールフルオレン(BCAF) )、 9, 9 ビス(2, 4—ジヒドロキシフエ-ル)フ ルオレン、 9, 9 ビス(2, 5—ジヒドロキシフエ-ル)フルオレン]、置換基を有する 9, 9 ビス(ジヒドロキシフエ-ル)フルオレン {例えば、 9, 9 ビス(モノ又はジ C アルキル
1-4
—ジヒドロキシフエ-ル)フルオレン [9, 9 ビス(3, 4—ジヒドロキシー 5—メチルフエ-ル )フルオレンなど]、 9, 9 ビス(C アルコキシージヒドロキシフエ-ル)フルオレン [9,
1-4
9 ビス(3, 4—ジヒドロキシー 5—メトキシフエ-ル)フルオレンなど]、 9, 9 ビス(C ァ
6-8 リールージヒドロキシフエ-ル)フルオレン [9, 9 ビス(3, 4—ジヒドロキシー 5—フエ-ル フエ-ル)フルオレンなど]など }などの 9, 9—ビス(ジヒドロキシフエ-ル)フルオレン類
;これらに対応する 9, 9 ビス(トリヒドロキシフエ-ル)フルオレン類 [9, 9 ビス(2, 4, 6—トリヒドロキシフエ-ル)フルオレン、 9, 9ービス(2, 4, 5—トリヒドロキシフエ-ル)フ ルオレン、 9, 9 ビス(3, 4, 5—トリヒドロキシフエ-ル)フルオレンなど] ;これらのアル キレンォキシド付カ卩体 {例えば、 9, 9 ビス [3, 4—ジ(2—ヒドロキシエトキシ)フエ-ル] フルオレンなどの 9, 9 ビス [ジ(2—ヒドロキシ C アルコキシ)フエ-ル]フルオレン、 9
2-4
, 9 ビス {3, 4—ジ [2— (2—ヒドロキシエトキシ)エトキシ]フエ-ル}フルオレンなどの 9 , 9 ビス {ジ [2— (2—ヒドロキシ C アルコキシ) C アルコキシフエ-ル]フルオレン }
2-4 2-4
など }などが含まれる。
[0037] 多官能性 (メタ)アタリレートの製造において、多価アルコールの純度は、特に限定 されないが、通常、 95重量%以上、好ましくは 96重量%以上、さらに好ましくは 98重 量%以上である。
[0038] なお、前記式(2)で表される多価アルコールは、新規な化合物であり、通常、以下 の方法により簡便に製造できる。前記式 (2)で表される多価アルコールの製造方法 は、特に限定されないが、通常、酸触媒の存在下で、下記式(2a)で表されるフルォ レノン類と、下記式(2b)で表される多価フエノール類とを反応させる工程を少なくとも 含む。
[0039] [化 6]
(式中、 R2は置換基を示し、 mは 0又は 1一 3の整数、 pは 2— 4の整数を示す。ただ し、 m+pは、 2— 5の整数である。 Rla、 Rlb、 kl、および k2は前記に同じ)
すなわち、(i) nl及び n2が 0である多価アルコール(9, 9—ビス(ポリヒドロキシフエ- ル)フルオレン類)は、酸触媒の存在下で、前記式(2a)で表されるフルォレノン類と、 前記式(2b)で表される多価フエノール類とを反応させることにより製造できる。そして 、(ii) nl及び Z又は n2が 1以上の多価アルコールは、酸触媒の存在下で、前記式(
2a)で表されるフルォレノン類と、前記式(2b)で表される多価フ ノール類とを反応さ せた後、生成した 9, 9—ビス(ポリヒドロキシフエ-ル)フルオレン類に、さらに、アルキ レンオキサイド又はアルキレンカーボネートを反応させることにより製造できる。
[0040] なお、前記式(2b)にお!/、て、 R2は、前記 R2a又は R2bに対応しており、 mは前記 ml 又は m2に対応しており、 pは前記 pi又は p2に対応しており、好ましい態様などは前 記例示のとおりである。
[0041] (nlおよび n2が 0である多価アルコールの製造方法)
前記式(2a)で表されるフルォレノン類(以下、単にフルォレノン類と!/、う場合がある )は、前記式(2)で表される多価アルコールのフルオレン骨格に対応しており、代表 的なフルォレノン類は、 9 フルォレノンである。なお、使用するフルォレノン類の純度 は、特に限定されないが、通常、 95重量%以上、好ましくは 99重量%以上である。
[0042] 前記式(2b)で表される多価フエノール類 (以下、単に多価フエノールと 、う場合が ある)は、前記式(1)において、 9位に置換したポリヒドロキシフエニル基に対応してお り、代表的な多価フエノール (ポリヒドロキシベンゼン)類としては、例えば、ジヒドロキ シベンゼン(カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン)、アルキルージヒドロキシベン ゼン [ジヒドロキシトルエン(3, 5—ジヒドロキシトルエン(オルシノール)、 3—メチルカテ コール、 4ーメチルカテコールなど)、 4 tーブチルカテコール、ジヒドロキシキシレン(2 , 6—ジヒドロキシー p—キシレンなど)などのモノ又はジ C アルキルージヒドロキシベン
1-6
ゼン、テトラヒドロウルシオール(2, 3—ジヒドロキシ— 1 ペンタデシルベンゼン)など] 、ァリールージヒドロキシベンゼン(2, 3—ジヒドロキシビフエニル、 3, 4—ジヒドロキシビ フエ-ルなどの C ァリールージヒドロキシベンゼンなど)、ハロージヒドロキシベンゼン(
6-8
クロロカテコール、 2, 4ージフルォロヒドロキノンなどのモノ又はジハロージヒドロキシべ ンゼンなど)、ニトロージヒドロキシベンゼン(ニトロカテコールなど)、アルコキシ ジヒド ロキシベンゼン(3—メトキシカテコール、 4, 6—ジー tーブチルー 3—メトキシカテコールな どのモノ又はジ C アルコキシージヒドロキシベンゼンなど)、ァシルージヒドロキシベン
1-6
ゼン(2, 4—ジヒドロキシァセトフエノンなどの C アシノレージヒドロキシベンゼンなど)な
2-6
どのジヒドロキシベンゼン類;これらのジヒドロキシベンゼン類に対応するトリヒドロキシ ベンゼン類 [例えば、トリヒドロキシベンゼン(ピロガロール、ヒドロキシヒドロキノン、フロ
ログルシノール)、トリヒドロキシァセトフエノンなど]などが挙げられる。多価フエノール 類は、単独で又は 2種以上組み合わせて、フルォレノン類と反応させてもよい。
[0043] 多価フエノール類の使用量は、フルォレノン類 1モルに対して、例えば、 2— 20モル
、好ましくは 2. 5— 10モル、さらに好ましくは 3— 5モル程度であってもよい。
[0044] 多価フエノール類とフルォレノン類との反応 (縮合反応)は、特に限定されな ヽが、 通常、酸触媒の存在下で行うことができる。酸触媒としては、無機酸 [硫酸、塩化水素 、塩酸、リン酸など]、有機酸 [スルホン酸 (メタンスルホン酸などのアルカンスルホン 酸など)など]などが挙げられる。前記硫酸には、希硫酸、濃硫酸、発煙硫酸などが 含まれ、反応系において硫酸に転化可能であれば、硫酸前駆体として、三酸化硫黄 を使用してもよい。酸触媒は、単独で又は 2種以上組み合わせてもよい。好ましい酸 触媒は、塩酸又は硫酸である。
[0045] 酸触媒の使用量は、酸触媒の種類に応じて選択でき、例えば、フルォレノン類 100 重量咅 こ対して、 0. 001一 150重量咅^好まし <ίま 0. 005一 100重量咅^さら【こ好 ましくは 0. 01— 50重量部程度であってもよい。特に、触媒として硫酸を使用する場 合、硫酸 (H SO換算)の使用量は、ごく少量であればよぐ通常、フルォレノン 1重
2 4
量部に対して、 0. 001—0. 5重量部(例えば、 0. 005-0. 5重量部)、好ましくは 0 . 01-0. 5重量部、さらに好ましくは 0. 05-0. 5重量部(例えば、 0. 1-0. 3重量 部)程度であってもよい。また、触媒として塩酸を使用する場合、塩酸の使用量は、塩 化水素換算で、フルォレノン 100重量部に対して、 1一 100重量部、好ましくは 5— 5 0重量部、さらに好ましくは 10— 30重量部程度であってもよい。
[0046] 縮合反応は、酸触媒に加えて、助触媒としてのチオール類を併用して行ってもょ ヽ 。チオール類と組み合わせることにより、縮合反応を有効に進行でき、収率を向上で きる場合が多い。チオール類としては、助触媒として機能する慣用のチオール類、例 えば、メルカプトカルボン酸 (メルカプト酢酸、 j8—メルカプトプロピオン酸、 α—メルカ プトプロピオン酸、チォグリコール酸、メルカプトコハク酸、メルカプト安息香酸など)、 チォカルボン酸(チォ酢酸、チオシユウ酸など)、アルキルメルカプタン (メチルメル力 プタン、ェチルメルカプタン、プロピルメルカプタン、イソプロピルメルカプタン、 η—ブ チルメルカプタン、ドデシルメルカプタンなどの C アルキルメルカプタン(特に C ァ
ルキルメルカブタン)など)、ァラルキルメルカプタン(ベンジルメルカプタンなど)又は これらの塩などが挙げられる。塩としては、例えば、アルカリ金属塩 (ナトリウム塩など) が例示できる。これらのチオール類のうち、メルカプト C カルボン酸 (例えば、 β—メ
2-6
ルカプトプロピオン酸)が好ましい。チオール類は、単独で又は二種以上組み合わせ て使用できる。
[0047] チオール類の使用量は、フルォレノン 1重量部に対して、 0-0. 2重量部程度の範 囲力も選択でき、例えば、 0. 001—0. 1重量部、好ましくは 0. 003-0. 03重量部、 さらに好ましくは 0. 005—0. 015重量部程度である。
[0048] また、チオール類の使用量は、酸触媒 1重量部に対して、 0— 10重量部程度の範 囲力も選択でき、例えば、 0. 001— 10重量部、好ましくは 0. 01— 10重量部(例え ば、 0. 01— 5重量部)、さらに好ましくは 0. 01— 2重量部程度であってもよい。特に 、硫酸を使用する場合には、硫酸 1重量部に対して、チオール類 0. 001— 1重量部 、好ましくは 0. 01-0. 5重量部、さらに好ましくは 0. 01-0. 3重量部程度であって もよい。また、塩酸を使用する場合には、塩酸 (塩化水素換算) 1重量部に対して、 0 . 1一 3重量部、好ましくは 0. 3— 1重量部、さらに好ましくは 0. 5-1. 5重量部程度 であってもよい。
[0049] 縮合反応は、溶媒の非存在下で行ってもよぐ溶媒中で行ってもよい。溶媒は、前 記酸性触媒に対して非反応性で、かつフルォレノン類および多価フエノール類を溶 解可能であれば特に限定されず、幅広い範囲で使用できる。代表的な溶媒 (有機溶 媒)としては、エーテル系溶媒(ジェチルエーテルなどのジアルキルエーテル類、テト ラヒドロフラン、ジォキサンなどの環状エーテル類など)、ハロゲン系溶媒 (塩化メチレ ン、クロ口ホルム、四塩ィ匕炭素などのハロゲンィ匕炭化水素類)、芳香族系溶媒 (ベンゼ ン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、ァ-ソールなど)などが挙げられる 。また、過剰の多価フエノール類を溶媒として使用してもよい。これらの溶媒のうち、 環状エーテル類 (テトラヒドロフラン、 1,4-ジォキサンなど)が好ましい。溶媒は、単独 で又は 2種以上組み合わせてもよ 、。
[0050] 溶媒の使用量は、フルォレノン類 1重量部に対して、 0— 20重量部程度の範囲から 選択でき、例えば、 0. 5— 10重量部、好ましくは 1一 8重量部、さらに好ましくは 2— 5
重量部程度であってもよ 、。
[0051] 縮合反応は、使用する多価フエノール類、酸触媒、チオール類などの種類に応じて 異なるが、通常、 10— 150°C、好ましくは 20— 120°C、さらに好ましくは 30— 100°C 程度で行う場合が多い。また、反応時間は、原料の種類、反応温度や溶媒中の濃度 などに応じて調整でき、例えば、 30分一 48時間、通常、 1一 24時間、好ましくは 1一 10時間程度である。
[0052] また、反応は、攪拌しながら行ってもよぐ空気中又は不活性雰囲気 (窒素、希ガス など)中で行ってもよぐ常圧又は加圧下で行ってもよい。
[0053] 反応終了後の反応混合物には、通常、生成した多価アルコール(9, 9 ビス (ポリヒ ドロキシフヱ-ル)フルオレン類)以外に、未反応のフルォレノン類、未反応の多価フ ェノール類、触媒 (酸触媒、チオール類)、副反応生成物などが含まれている。そのた め、慣用の方法、例えば、濾過、濃縮、抽出、晶析、再結晶、カラムクロマトグラフィー などの分離手段や、これらを組み合わせた分離手段により分離精製できる。例えば、 慣用の方法により酸触媒 (およびチオール類)を除去したのち、晶析溶媒を添加して 冷却して結晶化させ、次いで、濾過して分離することにより精製してもよい。
[0054] 前記晶析溶媒としては、炭化水素類 [脂肪族炭化水素 (へキサン、ヘプタンなど)、 脂環族炭化水素 (シクロへキサンなど)、芳香族炭化水素 (トルエン、キシレンなど)、 ハロゲン化炭化水素(ジクロロメタンなど)など]、水、アルコール類 (メタノール、ェタノ ール、 n プロパノール、イソプロパノール、ブタノールなどのアルキルアルコール、シ クロへキサノールなど)、ケトン類(アセトン、メチルェチルケトン、メチルイソブチルケト ン、ジェチルケトン、ェチルプロピルケトン、ジー n プロピルケトン、ジイソプロピルケト ンなどのアルキルケトン、シクロへキサノンなど)、エーテル類(ジェチルエーテル、ジ イソプロピルエーテルなどのジアルキルエーテルなど)、二トリル類、セロソルブ類、ァ ミド類 (ジメチルホルムアミドなど)、スルホキシド類などが挙げられる。晶析溶媒は、単 独で又は 2種以上組み合わせてもよい。また、晶析溶媒の使用量は、特に限定され ず、反応混合物(固形分換算) 1重量部に対して、 0. 5— 50重量部、好ましくは 1一 1 0重量部、さらに好ましくは 1一 5重量部程度であってもよい。
[0055] なお、 9, 9 ビス(ポリヒドロキシフエ-ル)フルオレン類の製造方法につ!、ては、ビ
ス(ヒドロキシルフエ-ル)フルオレン類(前記式(1)において、 n=0、 p= lに対応す る化合物)の製造方法に関する以下の文献を参照してもよい。例えば、(a)文献 [J. Appl. Polym. Sci., 27(9), 3289, 1982]、特開平 6— 145087号公報、特開平 8— 2177 13号公報(塩化水素ガス及びメルカプトカルボン酸の存在下、フルォレノン類とフエ ノール類とを反応させる方法)、(b)特開 2000-26349号公報 [酸触媒 (及びアルキ ルメルカプタン)の存在下、 9 フルォレノンとアルキルフエノール類とを反応させる方 法]、(c)特開 2002-47227号公報 (塩酸及びチオール類の存在下、フルォレノン 類とフエノール類とを反応させる方法)、(d)特開 2003— 221352号公報 (硫酸及び チオール類の存在下、フルォレノン類とフエノール類とを反応させ、炭化水素類と極 性溶媒とで構成された晶析溶媒で晶析させる方法)など。
[0056] すなわち、これらの文献の方法において、フ ノール類に代えて、前記多価フエノ ール類 (前記式 (3)で表される化合物)を使用し、合成方法 (精製方法や成分の添加 割合など)を参照して、多価アルコール類 [9, 9 ビス(ポリヒドロキシフエ-ル)フルォ レン類]を製造してもよい。これらの方法のうち、特に、塩酸又は硫酸を使用する方法 (前記方法 (c)、 (d)など)を応用すると、より高収率でかつ高純度の生成物が得られ る場合が多い。
[0057] (nl及び Z又は n2が 1以上の多価アルコールの製造方法)
アルキレンォキシドとしては、例えば、エチレンォキシド、プロピレンォキシド、ブチレ ンォキシドなどの C アルキレンォキシド(特に C アルキレンォキシド)が例示できる
2-4 2-3
。また、アルキレンカーボネート(炭酸アルキレン)としては、エチレンカーボネート、プ ロピレンカーボネート、ブチレンカーボネートなどの C アルキレンカーボネート(特に
2-4
C アルキレンカーボネート)などが例示できる。これらのアルキレンォキシド、アルキ
2-3
レンカーボネートは、単独で又は 2種以上組み合わせてもよい。なお、アルキレン力 ーボネートを使用する場合、アルキレンカーボネートが付加したのち、脱炭酸反応が 生じること〖こより、アルキレンォキシド単位 (アルコキシ単位)が導入される。
[0058] アルキレンォキシド又はアルキレンカーボネートの使用量は、付カ卩させるアルキレン ォキシド単位の数に応じて調整でき、多価アルコールを構成するヒドロキシル基 1モ ルに対して、例えば、 1一 50モル、好ましくは 1一 20モル、さらに好ましくは 1一 10モ
ル程度であってもよい。
[0059] なお、反応させる nl及び n2力 Oである多価アルコール(9, 9 ビス(ポリヒドロキシフ ニル)フルオレン類)の純度は、特に限定されないが、通常、 95重量%以上、好ま しくは 99重量%以上であってもよ!/、。
[0060] アルキレンォキシド又はアルキレンカーボネートとの反応は、触媒の非存在下で行 つてもよいが、通常、触媒の存在下で行うことができる。触媒としては、塩基触媒、酸 触媒が例示でき、通常、塩基触媒を使用できる。塩基触媒としては、金属水酸化物( 水酸ィ匕ナトリウムなどのアルカリ金属又はアルカリ土類金属水酸ィ匕物など)、金属炭 酸塩 (炭酸ナトリウムなどのアルカリ金属又はアルカリ土類金属炭酸塩、炭酸水素ナト リウムなどのアルカリ金属又はアルカリ土類金属炭酸水素塩など)などの無機塩基; アミン類 [例えば、第 3級ァミン類(トリエチルァミンなどのトリアルキルァミン、 N, N—ジ メチルァ-リンなどの芳香族第 3級ァミン、 1ーメチルイミダゾールなどの複素環式第 3 級ァミン)など]、カルボン酸金属塩(酢酸ナトリウム、酢酸カルシウムなどの酢酸アル カリ金属又はアルカリ土類金属塩など)などの有機塩基などが例示できる。触媒 (塩 基触媒)は、単独で又は 2種以上組み合わせてもよい。
[0061] 触媒の使用量は、触媒の種類に応じて調整でき、前記方法 (i)で生成した多価アル コール(ビス(ポリヒドロキシフエ-ル)フルオレン類) 1重量部に対して、 0— 1重量部の 範囲から選択でき、例えば、 0. 001— 1重量部、通常、 0. 003—0. 5重量部、好ま しくは 0. 005— 0.3重量部、より好ましくは 0. 01— 0.1重量部程度であってもよい。
[0062] 反応(アルキレンォキシド又はアルキレンカーボネートとの付加反応)は、溶媒中で 行ってもよい。溶媒としては、特に限定されず、使用する原料に応じて選択できる。例 えば、アルキレンォキシドを使用する場合には、前記例示の溶媒などが使用でき、ァ ルキレンカーボネートを使用する場合には、前記例示の溶媒の他、アルコール類 (メ タノール、エタノールなどの C アルコール、エチレングリコールなどの C アルキレン
1-4 2-3 グリコール、ジエチレングリコールなどのォキシ c アルキレングリコールなど)などを
2-3
使用してもよい。溶媒の使用量は、前記方法 (i)で生成した多価アルコール 1重量部 に対して、 1一 20重量部、好ましくは 1. 5— 10重量部、さらに好ましくは 2— 5重量部 程度であってもよい。
[0063] 反応は、付加させる化合物(アルキレンォキシド、アルキレンカーボネート)などの種 類に応じて調整でき、例えば、 0— 170°C、好ましくは 10— 150°C、さらに好ましくは 20— 130°C程度で行う場合が多い。特に、アルキレンカーボネートを使用する場合、 脱炭酸反応を効率よく行うため、例えば、 70— 150°C、好ましくは 80— 120°C程度 で反応させる場合が多い。また、反応時間は、例えば、 30分一 48時間、通常、 1一 2 4時間、好ましくは 1一 10時間程度である。
[0064] 反応は、攪拌しながら行ってもよぐ空気中又は不活性雰囲気 (窒素、希ガスなど) 中で行ってもよぐ常圧又は加圧下で行ってもよい。また、必要に応じて発生するガス (二酸ィ匕炭素など)を除去しながら反応を行ってもよい。さらに、前記と同様に、慣用 の精製方法 (抽出、晶析など)を利用して反応終了後の反応混合物を精製することに より、多価アルコールのアルキレンォキシド付カ卩体を得てもょ 、。
[0065] 多価アルコール (上記方法により得られた多価アルコールなど)と反応させる (メタ) アクリル酸誘導体としては、(メタ)アクリル酸低級アルキルエステル (例えば、(メタ)ァ クリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ェチル、(メタ)アクリル酸ブチルなどの C アルキル
1-4
(メタ)アタリレートなど)、(メタ)アクリル酸ノヽライド( (メタ)アクリル酸クロライドなど)など が挙げられる。なお、(メタ)アクリル酸ノ、ライドは、市販品を使用してもよぐ合成した ものを使用してもよい。例えば、(メタ)アクリル酸クロライドは、塩ィ匕チォ-ルと (メタ)ァ クリル酸とを反応させることにより調製できる。
[0066] (メタ)アクリル酸又はその誘導体の使用量は、例えば、多価アルコールのヒドロキシ ル基(前記 Pに対応するヒドロキシル基) 1モルに対して、 1一 10モル、好ましくは 1一 5 モル、さらに好ましくは 1一 3モル程度であってもよい。
[0067] 反応( (メタ)アクリル酸又はその誘導体との反応)では、適宜、触媒 (酸触媒、塩基 触媒など)を使用してもよい。例えば、(メタ)アクリル酸や (メタ)アクリル酸低級アルキ ルエステルを使用する場合には、酸触媒を好適に使用してもよぐ(メタ)アクリル酸ノヽ ライドを使用する場合には、副生するハロゲンィ匕水素 (塩ィ匕水素など)を捕捉 (トラップ )するため、塩基を好適に使用してもよい。
[0068] 酸触媒としては、エステル化酸触媒であれば特に限定されず、例えば、無機酸 (硫 酸、塩酸、リン酸など)、有機酸 [スルホン酸 (メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トリ
フルォロメタンスルホン酸などのアルカンスルホン酸、 p—トルエンスルホン酸などのァ レーンスルホン酸など)など]などが例示でき、固体化酸 [担体に酸 (硫酸、リン酸、へ テロポリ酸などの無機酸、有機酸)を担持させた固体化酸(固体リン酸など) ]、陽ィォ ン交換樹脂、金属酸化物 (ZnOなど)、金属ハロゲン化物(CuClなど)、金属塩系触
2
媒 [金属硫酸塩 (NiSOなど)、金属リン酸塩 (Zr, Tiなどの遷移金属のリン酸塩など)
4
,金属硝酸塩 (Zn (NO ) · 6Η Οなど)など]、天然鉱物 (酸性白土、ベントナイト、力
3 2 2
ォリン、モンモリロナイトなど)などの固体酸触媒も含まれる。酸触媒は、単独で又は 2 種以上組み合わせてもよ!/、。
[0069] 塩基としては、(メタ)アクリル酸又はその誘導体( (メタ)アクリル酸ノヽライドなど)に対 して不活性な塩基であれば特に限定されず、金属炭酸塩 (炭酸ナトリウムなどのアル カリ金属又はアルカリ土類金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウムなどのアルカリ金属又は アルカリ土類金属炭酸水素塩など)、カルボン酸金属塩 (酢酸ナトリウム、酢酸カルシ ゥムなどの酢酸アルカリ金属又はアルカリ土類金属塩など)、金属水酸化物(水酸ィ匕 ナトリウムなどのアルカリ金属水酸ィ匕物、水酸ィ匕カルシウムなどのアルカリ土類金属 水酸ィ匕物など)などの無機塩基;アミン類 [例えば、第 3級ァミン類 (トリエチルァミン、 トリイソプロピルァミン、トリブチルァミンなどのトリアルキルァミン、 Ν, Ν ジメチルァニ リンなどの芳香族第 3級ァミン、ピリジンなどの複素環式第 3級ァミン)など]などの有 機塩基などが例示できる。塩基は単独で又は 2種以上組み合わせてもよ 、。
[0070] 触媒 (酸触媒、塩基)の使用量は、触媒の種類にもよるが、例えば、(メタ)アクリル 酸又はその誘導体 100重量部に対して、例えば、 0. 01— 10重量部、好ましくは 0. 05— 5重量部、さらに好ましくは 0. 1— 3重量部程度であってもよい。
[0071] また、反応は、必要に応じて、重合禁止剤 (熱重合禁止剤)の存在下で行ってもよ い。重合禁止剤としては、ヒドロキシフエノール類(ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチル エーテルなどのヒドロキノン類、 tーブチルカテコールなどのカテコール類など)、ァミン 類(ジフエ-ルァミンなど)、 2, 2—ジフエ-ルー 1—ピクリルヒドラジル、 4ーヒドロキシー 2 , 2, 6, 6—テトラメチルピペラジン 1一才キシルなどが例示できる。重合禁止剤は単 独で又は 2種以上組み合わせてもよい。重合禁止剤の使用量は、ごく少量でよぐ(メ タ)アクリル酸又はその誘導体 100重量部に対して、例えば、 0. 001— 5重量部、好
ましくは 0. 005— 3重量部、さらに好ましくは 0. 01— 1重量部程度であってもよい。
[0072] 反応は、無溶媒中で行ってもよいが、通常、溶媒中で行うことができる。溶媒 (有機 溶媒)としては、炭化水素類 (へキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素類 、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類など)、ハロゲンィ匕炭化水素 類 (塩化メチレン、クロ口ホルム、四塩ィ匕炭素など)、エーテル系溶媒 (ジェチルエー テルなどのジアルキルエーテル類、テトラヒドロフラン、ジォキサンなどの環状エーテ ル類、ァ-ソールなど)、ケトン類(アセトン、メチルェチルケトンなどのジアルキルケト ン類など)などが挙げられる。溶媒は、単独で又は 2種以上組み合わせてもよい。溶 媒の使用量は、式(2)で表される多価アルコール及び (メタ)アクリル酸 (又はその誘 導体)の総量 100重量部に対して、例えば、 10— 500重量部、好ましくは 30— 300 重量部、さらに好ましくは 50— 200重量部程度であってもよい。
[0073] 反応温度は、使用する (メタ)アクリル酸又はその誘導体の種類に応じて異なるが、 通常、 30— 180°C、好ましくは 40— 150°C、さらに好ましくは 50— 130°C程度で行う 場合が多い。また、反応時間は、原料の種類、反応温度や溶媒中の濃度などに応じ て調整でき、例えば、 30分一 48時間、通常、 1一 24時間、好ましくは 1一 10時間程 度である。
[0074] 反応は、還流しながら行ってもよぐ副生する水やアルコール類を除去しながら行つ てもよい。また、反応は、攪拌しながら行ってもよぐ空気中又は不活性雰囲気 (窒素 、希ガスなど)中で行ってもよぐ常圧又は加圧下で行ってもよい。
[0075] なお、生成した多官能性 (メタ)アタリレートは、慣用の方法、例えば、濾過、濃縮、 抽出、晶析、再結晶、カラムクロマトグラフィーなどの分離手段や、これらを組み合わ せた分離手段により分離精製してもよい。
[0076] [重合性組成物]
本発明は、多官能性 (メタ)アタリレート (前記式 (1)で表される化合物)で構成され た重合性組成物を含む。重合性組成物は、通常、少なくとも多官能性 (メタ)アタリレ ート (前記式(1)で表される化合物)と重合開始剤とで構成することができる。なお、 多官能性 (メタ)アタリレートは、単独で又は 2種以上組み合わせて重合性組成物を 構成してちょい。
[0077] (重合開始剤)
重合開始剤には、熱重合開始剤や光重合開始剤が含まれる。熱重合開始剤として は、ジアルキルパーオキサイド類(ジー t ブチルパーオキサイド、ジクミルパーォキサ イドなど)、ジァシルバーオキサイド類 [ジアルカノィルパーオキサイド(ラウロイルパー オキサイドなど)、ジァロイルパーオキサイド(ベンゾィルパーオキサイド、ベンゾィルト ルイルパーオキサイド、トルィルパーオキサイドなど)など]、過酸エステル類 [過酢酸 t ーブチル、 t ブチルパーォキシォクトエート、 t ブチルパーォキシベンゾエートなど の過カルボン酸アルキルエステルなど]、ケトンパーオキサイド類、パーォキシカーボ ネート類、パーォキシケタール類などの有機過酸ィ匕物;ァゾ-トリルイ匕合物 [2, 2,一 ァゾビス(2, 4—ジメチルバレ口-トリル)、 2, 2'—ァゾビス(イソブチ口-トリル)、 2, 2, —ァゾビス(2—メチルブチ口-トリル)、 2, 2'—ァゾビス(4ーメトキシ— 2, 4—ジメチルバ レ口-トリル)など]、ァゾアミド化合物 {2, 2,ーァゾビス {2—メチルー N— [1, 1—ビス(ヒ ドロキシメチル)—2ーヒドロキシェチル]プロピオンアミド}など }、ァゾアミジン化合物 { 2 , 2'—ァゾビス(2—アミジノプロパン)二塩酸塩、 2, 2'—ァゾビス [2— (2—イミダゾリン 2 ィル)プロパン]二塩酸塩など }、ァゾアルカン化合物 [2, 2'—ァゾビス(2, 4, 4ート リメチルペンタン)、 4, 4,ーァゾビス(4 シァノペンタン酸)など]、ォキシム骨格を有 するァゾ化合物 [2, 2,ーァゾビス(2—メチルプロピオンアミドォキシム)など]などのァ ゾィ匕合物などが含まれる。熱重合開始剤は、単独で又は 2種以上組み合わせて使用 してちよい。
[0078] 本発明では、光重合開始剤と組み合わせることにより、光重合性組成物を構成する ことができる。光重合開始剤としては、公知慣用の各種光重合開始剤、例えば、ベン ゾイン類(ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインェチルエーテル、ベンゾ インイソプロピルエーテルなどのベンゾインアルキルエーテル類など)、ァセトフエノン 類(ァセトフエノン、 2—ヒドロキシー 2—メチルー 1—フエ-ルプロパン 1 オン、 2, 2—ジ メトキシー 2—フエ-ルァセトフエノン、 2, 2—ジエトキシー 2—フエ-ルァセトフエノン、 1,
1—ジクロロアセトフエノンなど)、アミノアセトフエノン類 { 2—メチルー 1— [4— (メチルチ ォ)フエ-ル]— 2—モルホリノアミノプロパノン 1、 2—ベンジルー 2—ジメチルァミノ一 1—
(4—モルホリノフエ-ル)ーブタノン一 1など }、アントラキノン類(アントラキノン、 2—メチ
ルアントラキノン、 2—ェチルアントラキノン、 2— tーブチルアントラキノン、 1—クロ口アン トラキノンなど)、チォキサントン類(2, 4 ジメチルチオキサントン、 2, 4—ジェチルチ ォキサントン、 2 クロ口チォキサントン、 2, 4—ジイソプロピルチォキサントンなど)、ケ タール類(ァセトフエノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタールなど)、ベンゾ フエノン類 (ベンゾフエノンなど)、キサントン類などが例示できる。これらの光重合開 始剤は、単独で又は 2種以上を組み合わせて用いてもょ ヽ。
[0079] また、光重合開始剤は、光増感剤と組み合わせてもよ、。光増感剤としては、第 3 級ァミン類 {例えば、トリアルキルァミン、トリアルカノールァミン(トリエタノールァミンな ど)、 N, N—ジメチルァミノ安息香酸ェチル [p (ジメチルァミノ)安息香酸ェチルなど ]、 N, N—ジメチルァミノ安息香酸ァミル [p (ジメチルァミノ)安息香酸ァミルなど]な どのジアルキルァミノ安息香酸アルキルエステル、 4, 4 ビス(ジェチルァミノ)ベンゾ フエノン(ミヒラーズケトン)などのビス(ジアルキルァミノ)ベンゾフエノン、 4— (ジメチル ァミノ)ベンゾフエノンなどのジアルキルァミノべンゾフエノンなど }などの慣用の光増 感剤などが挙げられる。光増感剤は、単独で又は 2種以上組み合わせてもよい。
[0080] 重合開始剤(および光増感剤の総量)の使用量は、多官能性 (メタ)アタリレート 10 0重量部に対して 0. 1— 30重量部(例えば、 1一 30重量部)、好ましくは 1一 20重量 部(例えば、 5— 25重量部)、さらに好ましくは 1. 5— 10重量部程度であってもよい。 光重合開始剤の使用量は、少なすぎると、組成物の重合性 (又は光硬化性)が低下 し、一方、多すぎると、光重合開始剤自身の吸収により、厚膜での光硬化性が低下 するおそれがある。
[0081] また、光増感剤の使用量は、重合開始剤(光重合開始剤) 100重量部に対して、 5 一 200重量部、好ましくは 10— 150重量部、さらに好ましくは 20— 100重量部程度 であってもよい。
[0082] なお、重合開始剤は、熱重合開始剤及び光重合開始剤で構成してもよ!ヽ。重合開 始剤は、重合性組成物の用途に応じて選択できる力 光学材料用途に使用する場 合、通常、少なくとも光重合開始剤で構成されている場合が多い。
[0083] (希釈剤)
重合性組成物は、希釈剤 (反応性希釈剤、非反応性希釈剤)を含んでいてもよい。
[0084] 反応性希釈剤 (重合性希釈剤)としては、単官能性モノマー、多官能性モノマーな どが挙げられる。単官能性モノマーとしては、(メタ)アクリル酸アルキル [ (メタ)アタリ ル酸メチルなどの(メタ)アクリル酸 C アルキルなど]、(メタ)アクリル酸シクロアルキ
1-6
ル [ (メタ)アクリル酸シクロへキシルなどの(メタ)アクリル酸 C シクロアルキル、(メタ)
5-8
アクリル酸イソボル-ルなどの(メタ)アクリル酸ジ乃至テトラシクロアルキルエステルな ど]、(メタ)アクリル酸ァリール [ (メタ)アクリル酸フヱ-ルなど]、ヒドロキシアルキル (メ タ)アタリレート [ (2—ヒドロキシェチル (メタ)アタリレート、 2—ヒドロキシプロピル (メタ) アタリレート、 2—ヒドロキシブチル (メタ)アタリレートなどのヒドロキシ C アルキル (メタ
2-10
)アタリレートなど]、(ポリ)ォキシアルキレングリコールモノ (メタ)アタリレート(ジェチレ ングリコールモノ (メタ)アタリレート、メトキシテトラエチレングリコールモノ (メタ)アタリレ ート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アタリレートなどの(ポリ)ォキシ C アルキレン
2-6
グリコールモノ (メタ)アタリレート)、アルコキシアルキル (メタ)アタリレート [ (メタ)アタリ ル酸 2—メトキシェチル、(メタ)アクリル酸 3—メトキシブチルなどの(メタ)アクリル酸 C
1-4 アルコキシアルキルなど]、 N-置換 (メタ)アクリルアミド (N, N—ジメチル (メタ)アタリ ルアミドなどの N, N—ジ C アルキル (メタ)アクリルアミド、 N—メチロール (メタ)アタリ
1-4
ルアミドなどの N-ヒドロキシ C アルキル (メタ)アクリルアミドなど)、アミノアルキル (メ
1-4
タ)アタリレート(N, N-ジメチルアミノエチルアタリレートなど)、グリシジル (メタ)アタリ レート、テトラヒドロフルフリル (メタ)アタリレートなどの(メタ)アクリル系モノマーなどが 例示できる。
[0085] 多官能性モノマーには、二官能性 (メタ)アタリレート、多官能性 (メタ)アタリレート、 エポキシ基含有化合物(グリセリンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグ リシジルエーテル、トリグリシジルイソシァヌレートなどのポリグリシジルエーテル類な ど)のポリ(例えば、ジ乃至ペンタ)(メタ)アタリレート、メラミンアタリレートなどが含まれ る。
[0086] 二官能性 (メタ)アタリレートとしては、アルキレングリコールジ (メタ)アタリレート [ェチ レングリコールジ(メタ)アタリレート、プロピレングリコールジ (メタ)アタリレート、 1, 4— ブタンジオールジ (メタ)アタリレート、へキサンジオールジ(メタ)アタリレート、ネオペ ンチルダリコールジ (メタ)アタリレートなどの C アルキレングリコールジ (メタ)アタリレ
ートなど]、(ポリ)ォキシアルキレングリコールジ (メタ)アタリレート [ジエチレングリコー ルジ (メタ)アタリレート、トリエチレングリコールジ (メタ)アタリレート、ポリエチレングリコ ールジ(メタ)アタリレート、ジプロピレングリコールジ (メタ)アタリレート、トリプロピレン グリコールジ (メタ)アタリレート、ポリプロピレングリコールジ (メタ)アタリレート、ポリテト ラメチレングリコールジ (メタ)アタリレートなどの(ポリ)ォキシ C アルキレングリコール
2-6
ジ (メタ)アタリレートなど]、ビスフエノール A (又はその C アルキレンォキシド付加体
2-3
)のジ (メタ)アタリレート、多価アルコール(又はその C アルキレンォキシド付加体)
2-3
のジ (メタ)アタリレート [例えば、グリセリンジ (メタ)アタリレート、トリメチロールプロパン ジ (メタ)アタリレート、トリス (ヒドロキシェチル)イソシァヌレートジ (メタ)アタリレートなど のトリオールのジ(メタ)アタリレート、ペンタエリスリトールジ (メタ)アタリレートなどのテ トラオールのジ (メタ)アタリレートなど]などが例示できる。
[0087] 多官能性 (メタ)アタリレートとしては、多価アルコール(又はその C アルキレンォキ
2-3
シド付加体)の三官能又は多官能性 (メタ)アタリレート、例えば、グリセリントリ (メタ)ァ タリレート、トリメチロールェタントリ(メタ)アタリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ) アタリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アタリレート、トリス(ヒドロキシェ チル)イソシァヌレートトリ(メタ)アタリレートなどのトリオールのトリ(メタ)アタリレート;ぺ ンタエリスリトールトリ(メタ)アタリレート、ペンタエリスリトールテトラ (メタ)アタリレートな どのテトラオールのトリ又はテトラ (メタ)アタリレート;ジトリメチロールプロパンテトラ (メ タ)アタリレート;ジペンタエリスリトールテトラ (メタ)アタリレート;ジペンタエリスリトール へキサ (メタ)アタリレートなどが例示できる。
[0088] 反応性希釈剤は、単独で又は 2種以上を組み合わせてもよ ヽ。反応性希釈剤の使 用量は、多官能性 (メタ)アタリレート 100重量部に対して、 0— 100重量部の範囲か ら選択でき、例えば、 1一 100重量部、好ましくは 1一 50重量部、さらに好ましくは 1一 30重量部程度であってもよ 、。
[0089] 希釈剤には、非反応性希釈剤も含まれる。非反応性希釈剤を使用すると、重合性 組成物の塗布性などを改善できる。非反応性希釈剤 (又は溶剤)としては、有機溶剤 、例えば、へキサン、ヘプタン、オクタン、デカンなどの脂肪族炭化水素類;ェチルメ チルケトン、シクロへキサノンなどのケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼ
ンなどの芳香族炭化水素類;セロソルブ、メチルセ口ソルブ、ブチルセ口ソルブ、カル ビトーノレ、メチノレカノレビトーノレ、ブチノレカノレビトーノレ、プロピレングリコールモノメチル エーテル、ジプロピレングリコーノレモノメチノレエーテル、ジプロピレングリコールジェチ ノレエーテノレ、トリプロピレングリコーノレモノメチノレエーテノレなどのグリコーノレエーテノレ 類;カルボン酸エステル(酢酸メチル、酢酸ェチル、酢酸ブチル、セロソルブァセテー ト、ブチルセ口ソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールァセテ ート、プロピレングリコーノレモノメチノレエーテノレアセテート、ジプロピレングリコーノレモノ メチルエーテルアセテートなどの酢酸エステル、乳酸ブチルなど)、炭酸エステル (炭 酸プロピレンなど)などのエステル類;石油エーテル、石油ナフサ、ソルベントナフサ などの石油系溶剤などが例示できる。非反応性希釈剤は、単独で又は 2種以上を組 み合わせて用いることができる。
[0090] 非反応性希釈剤の使用量 (添加量)は、塗布方法などにより異なるが、多官能性 (メ タ)アタリレート 100重量部に対して、 0— 500重量部の範囲力も選択でき、通常、 10 一 400重量部、好ましくは 20— 300重量部、さらに好ましくは 30— 200重量部程度 であってもよい。
[0091] (ポリシラン)
重合性組成物は、さら〖こ、ポリシランを含んでいてもよい。ポリシランは、添加〖こより 、効率よく誘電率を低下させるとともに、屈折率を向上できるので、光学的又は電気 的用途 (特に光学的用途)に使用する重合性組成物において有用である。また、ポリ シランの種類 (直鎖状、分岐鎖状、網目状、環状構造などの立体構造、末端基の種 類など)にもよるが、難燃性や撥水性を向上することもできる。
[0092] ポリシランとしては、 Si— Si結合を有する直鎖状、環状、分岐状又は網目状の化合 物であれば特に限定されないが、例えば、下記式(3)—(5)で表された構造単位のう ち少なくとも 1つの構造単位を有するポリシラン (オリゴシラン、コポリシランを含む)な どが例示できる。
[0093] [ィ匕 7]
(式中、 R5— R7は、同一又は異なって、水素原子、ヒドロキシル基、アルキル基、アル コキシ基、ァルケ-ル基、シクロアルキル基、シクロアルキルォキシ基、シクロアルケ -ル基、ァリール基、ァリールォキシ基、ァラルキル基、ァラルキルォキシ基又はシリ ル基を示し、 x、 y及び zはそれぞれ 0又は 1以上の整数を示し、 x、 y及び zの合計は 5 一 400である。 )
このようなポリシランとしては、例えば、式(3)で表される構造単位を有する直鎖状 又は環状ポリシラン、前記式 (4)又は(5)で表される構造単位を有する分岐鎖状又 は網目状ポリシラン、前記式(3)— (5)で表される構造単位を組み合わせて有するポ リシラン (環状、分岐鎖状又は網目状ポリシラン、例えば、前記式 (3)と (4)で表され る構造を有するポリシランなど)などが挙げられる。
[0094] 置換基 R5— R7にお!/、て、アルキル基としては、メチル、ェチル、プロピル、イソプロ ピル、ブチル、 t ブチルなどの C アルキル基 (好ましくは C アルキル基、特に C
1-14 1-10
アルキル基)が挙げられる。アルコキシ基としては、メトキシ、エトキシなどの C ァ
1-6 1-14 ルコキシ基 (好ましくは C アルコキシ基、特に C アルコキシ基)が挙げられる。アル
1-10 1-6
ケニノレ基としては、ビニノレ、ァリノレなどの C ァノレケニノレ基 (好ましくは C ァノレケニ
2-14 2-10 ル基)が挙げられる。シクロアルキル基としては、シクロへキシル、メチルシクロへキシ ルなどの C シクロアルキル基 (好ましくは C シクロアルキル基、さらに好ましくは C
5-14 5-10
シクロアルキル基)が挙げられる。シクロアルキルォキシ基としては、シクロへキシル
5-8
ォキシなどの C シクロアルキルォキシ基 (好ましくは C シクロアルキルォキシ基)
5-14 5-10
が挙げられる。シクロアルケニル基としては、シクロへキセニルなどの C シクロアル
5-14 ケニル基 (好ましくは c シクロアルケ-ル基)が挙げられる。ァリール基としては、フ
5-10
ェ -ル、メチルフエ-ル、ジメチルフエ-ルなどの c ァリール基(好ましくは C ァリ
ール基、さらに好ましくは C ァリール基)が挙げられる。ァリールォキシ基としては、
6-12
フエノキシなどの C ァリールォキシ基 (好ましくは C ァリールォキシ基)が挙げら
6-20 6-15
れる。ァラルキル基としては、ベンジル、フエネチルなどの C ァリール C アルキ
6-20 1-4 ル基 (好ましくは C ァリール C アルキル基)が挙げられる。ァラルキルォキシ基と
6-10 1-2
しては、ベンジルォキシなどの C ァリール C アルキルォキシ基 (好ましくは C
6-20 1-4 6-10 ァリール C アルキルォキシ基)が挙げられる。シリル基としては、シリル基、ジシラ
1-2
-ル基などの Si シラ -ル基 (好ましくは Si シラニル基)が挙げられる。
1-10 1-6
[0095] また、 R5— R7が、前記有機置換基又はシリル基である場合には、その水素原子の 少なくとも 1つ力 アルキル基、ァリール基、アルコキシ基などの置換基により置換さ れていてもよい。このような置換基としては、前記と同様の基が挙げられる。なお、水 素原子、ヒドロキシル基、アルコキシ基及びシリル基は、末端基に置換している場合 が多い。
[0096] これらのうち、置換基 R5— R7は、通常、アルキル基、ァルケ-ル基、シクロアルキル 基、ァリール基、ァラルキル基などの炭化水素基である場合が多ぐ特に、アルキル 基 (メチルなどの C アルキル基)、ァリール基 (フエ-ルなどの C ァリール基)が好ま
1-6 6-8
しい。
[0097] ポリシランが非環状構造 (直鎖状、分岐鎖状、網目状)の場合、末端置換基は、通 常、水素原子、ヒドロキシル基、アルキル基、アルコキシ基、シリル基、ハロゲン原子( 塩素原子など)であり、少なくともヒドロキシル基で構成されているのが好ましい。
[0098] 具体的なポリシランの構造単位としては、例えば、 R5及び R6カ^、ずれもァリール基 である構造単位(3)、 R5がァリール基でありかつ R6がアルキル基である構造単位(3) 、 R5がアルキル基又はァリール基でありかつ R6が水素原子、ヒドロキシル基、アルコ キシ基、ァルケ-ル基、シクロアルキル基、シクロアルキルォキシ基、シクロアルケ- ル基、ァリール基、ァリールォキシ基、ァラルキル基、ァラルキルォキシ基及びシリル 基力 選択された少なくとも一種の基である構造単位(3)、 R7がアルキル基である構 造単位 (4)、 R7がァリール基である構造単位 (4)、構造単位 (5)などが挙げられる。
[0099] 好ましいポリシランとしては、 R5及び R6の少なくとも一方がァリール基である構造単 位(3)や、 R7がァリール基である構造単位 (4)を含むポリシラン、特に、 R5及び R6が
いずれもァリール基 (特にフ -ル基)である構造単位(3)、 R5がァリール基 (特にフ ェニル基)でありかつ R6がアルキル基 (特にメチル基)である構造単位 (3)や、 R7がァ リール基 (特にフエニル基)である構造単位 (4)で構成されたポリシランが挙げられる 。また、ポリシランの構造は、環状、分岐鎖状、網目状が好ましぐ特に分岐鎖状が好 ましい。
[0100] なお、ポリシラン共重合体 (コポリシラン)は、ランダムコポリマーであってもよぐブロ ックコポリマーであってもよぐグラフトコポリマーであってもよい。
[0101] 代表的なポリシランには、環状ポリジァリールシラン (環状ポリジフエ-ルシラン(5— 8員環)など)、直鎖状ポリアルキルァリールシラン (直鎖状ポリメチルフエ-ルシランな ど)、直鎖状ポリジァリールシラン ポリアルキルァリールシラン共重合体 (直鎖状ポリ ジフエ-ルシラン ポリメチルフエ-ルシラン共重合体など)、ポリアリールシリン(ポリ フエ-ルシリンなど)、ポリジァリールシラン ポリアリールシリン共重合体(ポリジフエ- ルシラン ポリフエ-ルシリン共重合体など)、ポリアルキルァリールシラン ポリアリー ルシリン共重合体 (ポリメチルフエ-ルシラン ポリフエニルシリン共重合体など)など が含まれる。なお、「ポリシリン」とは、前記構造単位 (4)で構成された分岐ポリシラン を意味する。
[0102] ポリシランの重合度、すなわち構造単位 (3)一 (5)における x、 yおよび zの合計は、 5— 400、好ましくは 10— 350、さらに好ましくは 20— 300程度であってもよい。
[0103] また、ポリシランの分子量は、数平均分子量で 300— 100000、好ましくは 400— 5 0000、さら【こ好ましく ίま 500一 20000程度であってもよ!/ヽ。
[0104] なお、前記ポリシランは、種々の公知な方法を用いて調製できる。これらのポリシラ ンを製造するには、例えば、特定の構造単位を有するケィ素含有モノマー(モノ乃至 テトラハロシラン類など)を原料として、 (a)マグネシウムを還元剤としてハロシラン類を 脱ノ、ロゲン縮重合させる方法(「マグネシウム還元法」、 W098Z29476号公報、特 開 2001 - 48987号公報ゃ特開 2002— 226586号公報に記載の方法など)、(b)ァ ルカリ金属の存在下でハロシラン類を脱ハロゲン縮重合させる方法(「キッピング法」 、J. Am. Chem. Soc. , 110, 124 (1988)、 Macromolecules, 23, 3423 (1990 )など)、(c)電極還元によりハロシラン類を脱ハロゲン縮重合させる方法 Ci. Chem.
Soc. , Chem. Commun. , 1161 (1990)、 J. Chem. Soc. , Chem. Commun. 897 (1992)など)、(d)金属触媒の存在下にヒドラジン類を脱水素縮重合させる方 法 (特開平 4 334551号公報など)、 (e)ビフエ二ルなどで架橋されたジシレンのァ- オン重合による方法(Macromolecules, 23, 4494 (1990)など)、(e)環状シラン 類の開環重合による方法などの方法が挙げられる。
[0105] これらの方法のうち、得られるポリシランの純度や分子量分布、榭脂との相溶性が 優れる点、ナトリウムや塩素含有量が少ない点や、製造コストや安全性などの工業性 の点から、マグネシウム還元法(特に、特開 2001— 48987号公報、特開 2002— 226 586号公報に記載の方法)が最も好ましい。なお、シラノール基 (末端ヒドロキシル基 )の導入方法は特に限定されないが、例えば、上記方法により得られたポリシランに 水を添加することにより、簡便に導入することができる。
[0106] ポリシランの割合は、多官能性 (メタ)アタリレート 100重量部に対して、 0— 100重 量部の範囲力も選択でき、通常、 0. 1— 50重量部、好ましくは 0. 5— 20重量部、さ らに好ましくは 1一 20重量部程度であつてもよい。
[0107] また、重合性組成物は、必要に応じて、本来の特性を損なわな 、範囲で、慣用の 添加剤、例えば、着色剤、安定剤 (熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤など)、充 填剤、帯電防止剤、難燃剤 (有機リン化合物、無機リン化合物などのリン含有化合物 、ハロゲン含有難燃剤、金属酸化物、金属水酸化物、金属硫化物など)、難燃助剤、 レべリング剤、シランカップリング剤、重合禁止剤(又は熱重合禁止剤)などを含んで いてもよい。添加剤は、単独で又は 2種以上組み合わせて使用してもよい。
[0108] 添加剤 (難燃剤など)の割合は、添加剤の種類に応じて適宜選択でき、例えば、多 官能性 (メタ)アタリレート 100重量部に対して、 0. 5— 100重量部、好ましくは 1一 50 重量部、さらに好ましくは 1一 20重量部程度であってもよい。
[0109] 重合性組成物は、多官能性 (メタ)アタリレートと、少なくとも重合開始剤とを配合又 は混合すること〖こより調製できる。配合方法 (混合方法)は、特に限定されず、慣用の 方法を利用できる。特に、重合性組成物を塗膜として形成する場合には、多官能性( メタ)アタリレートと重合開始剤 (及びポリシランなどの他の成分)とを、前記希釈剤 (特 に、非反応性希釈剤を含む希釈剤)に溶解 (又は懸濁)させて重合性組成物 (コーテ
イング用組成物、被覆組成物)を調製してもよい。
[0110] 本発明の重合性組成物 (特に、光重合性組成物)(又は前記多官能性 (メタ)アタリ レート)は、重合又は硬化 (又は架橋)した硬化物 (成形体)を得るのに有用である。こ のような硬化物 (前記多官能性 (メタ)アタリレートと重合開始剤とで構成された重合性 組成物の硬化物、前記多官能性 (メタ)アタリレートの硬化物)は、成形体の形態に応 じて、成形過程や成形後において、重合性組成物に硬化処理 (加熱処理や光照射 処理)を施すことにより得ることができる。例えば、フィルム状の硬化物は、基材に対し て、重合性組成物を塗布して塗膜 (又は薄膜)を形成した後、硬化処理を施すこと〖こ より得てもよい。このような塗膜 (又は薄膜)の形成には、慣用の方法、例えば、フロー コーティング法、スピンコーティング法、スプレーコーティング法、スクリーン印刷法、 キャスト法、バーコート法、カーテンコート法、ロールコート法、ディップ法などを用いる ことができる。また、重合性組成物の適用後 (塗布後)、慣用の方法により乾燥処理を 行ってもよぐ必要に応じて加熱により乾燥させてもよい。乾燥における加熱温度は、 重合開始剤や希釈剤 (非反応性希釈剤)の種類などに応じて、適宜選択でき、通常
、 40— 250°C程度である。また、乾燥処理は、窒素、アルゴンなどの不活性ガス雰囲 気中または空気中において行ってもよぐ常圧下または減圧下で行ってもよい。
[0111] なお、塗膜 (又は薄膜)の厚みは、例えば、 0. 01— 100 /z m 好ましくは 0. 1— 10 μ m、さらに好ましくは 0. l- ΐ μ m程度であってもよい。
[0112] 重合性組成物に対する硬化処理は、重合開始剤 (熱重合開始剤および Z又は光 重合開始剤)の種類に応じて選択でき、加熱処理及び Z又は光照射処理により行う ことができる。
[0113] 加熱処理において、加熱温度は、重合開始剤の種類にもよる力 例えば、 50— 25 0°C、好ましくは 60— 150°C、さらに好ましくは 70— 120°C程度である。
[0114] また、光照射処理において、光照射源としては、例えば、低圧水銀ランプ、高圧水 銀ランプ、超高圧水銀ランプ、水素ランプ、重水素ランプ、蛍光灯、ハロゲンランプ、 エキシマレーザー、窒素レーザー、色素レーザー、ヘリウム カドミウムレーザーなど が例示できる。また、光照射エネルギー量は、用途、塗膜の膜厚などによって異なる 力 通常、 0. 1— lOOOOmjZcm2程度、好ましくは 0. 5— 2000mjZcm2程度であ
る。露光時間は、例えば、 1秒一 3時間、好ましくは 5秒間一 2時間、さらに好ましくは 10秒間一 1時間程度である。光照射は、窒素、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気中 または空気中において行ってもよぐまた、常圧下、加圧下または減圧下で行っても よい。
[0115] なお、加熱処理と光照射処理を組み合わせてもよ!/、。例えば、光重合開始剤を含 む重合性組成物では、光照射したのち(又は光照射しながら)、硬化又は架橋を促進 するため、さらに加熱してもよい。
[0116] 前記硬化物 (成形体)の形状は、特に限定されないが、例えば、二次元的構造 (フ イルム状、シート状、板状など)、三次元的構造 (管状、棒状、チューブ状、中空状な ど)などが挙げられる。
[0117] 本発明の硬化物は、高い屈折率を有しており、光学的特性において優れている。
例えば、前記硬化物(又は前記多官能性 (メタ)アタリレートの硬化物)の屈折率は、 1 . 55以上(例えば、 1. 59-1. 7程度)、好ましくは 1. 60以上(例えば、 1. 60-1. 7 程度)である。特に、前記硬化物が、ポリシラン化合物を含む重合性組成物の硬化物 である場合、屈折率は、例えば、 1. 60-1. 7、好ましくは 1. 62-1. 7程度である。
[0118] そのため、本発明の硬化物は、特に、光学材料 (光学用オーバーコート剤、ハード コート剤などのコーティング剤、反射防止膜、眼鏡レンズ、光ファイバ一、光導波路、 ホログラムなど)として好適に利用でき、このような光学材料の形状としては、例えば、 フィルム又はシート状、板状、レンズ状、管状などが挙げられる。
産業上の利用可能性
[0119] 本発明の多官能性 (メタ)アタリレート (及びその重合性組成物)は、高い屈折率を 有するとともに、光透過性、硬度、耐候性、可撓性、機械強度、寸法安定性や加工性 などにおいて優れており、種々の要求性能を満たすプラスチック原料として有用であ る。特に、耐熱性や耐湿性において優れており、また、高屈折率、高硬度であるため 、光学材料用途、例えば、光学用オーバーコート剤、ハードコート剤、反射防止膜、 眼鏡レンズ、光ファイバ一、光導波路、ホログラムなどにおいて有効に利用できる。 実施例
[0120] 以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実
施例によって限定されるものではない。
[0121] 実施例 1
9 フルォレノン 36g (約 0.2モル)、カテコール 88g (約 0.8モル)、 13 -メルカプトプロ ピオン酸 0.7ml、および 1, 4 ジォキサン 60gを反応器に入れ、 80°Cの加熱状態で 9 8%硫酸 5mlを滴下した。反応終了後、 MIBK (メチルイソブチルケトン) 200mlおよ び水 100mlをカ卩えて抽出した。同操作を 3回行うことによって、余剰の硫酸を除去し た。溶媒濃縮後、 MIBKlOOmlおよびトルエン 200mlをカ卩えたのち、 10°Cまで冷却 することによってビスカテコールフルオレン [9, 9 ビス(3, 4—ジヒドロキシフエ-ル)フ ルオレン] 65gを得た。以下に、得られたビスカテコールフルオレンの1 H— NMRスぺ タトルデータを示す。
[0122] NMR: 6. 35ppm(d, 2H) , 6. 58ppm (m, 4H) , 7. 33ppm (m, 6H) , 7. 8
9ppm (d, 2H) , 8. 75ppm(s, 2H) , 8. 80ppm (s, 2H)。
[0123] 得られたビスカテコールフルオレン 38g (約 0.1モル)、ジエチレングリコール 100g、 1ーメチルイミダゾール lg、およびエチレンカーボネート 150g (約 1. 7モル)を反応器 に入れ、 100°Cに加熱して反応を行った。反応終了後、 IPA (イソプロパノール) 500 mlをカ卩えて 10°Cまで冷却することにより、エチレンオキサイド単位が付加した多価ァ ルコール 40gを白色結晶として得た。得られた多価アルコールを分析した結果、原料 として用いたビスカテコールフルオレン 1モルに対して、 4.5モルのエトキシ基が付カロ した多価アルコールであることがわかった。
[0124] 得られた多価アルコール 40g (0.06モル)、アクリル酸 43g (0.6モル)、 70重量0 /0の メタンスルホン酸水溶液 lg、ハイドロキノン 0. Olg及びトルエン lOOmLをディーンシ ユタークトラップを取り付けた反応器に入れ、トルエン還流下に 5時間エステルイ匕反応 を行なった。エステル化反応中に生成した水は、ディーンシュタークトラップにより除 去し、前記多価アルコールのテトラアタリレート 45gを得た。高速液体クロマトグラフィ 一にて分析したところ、テトラアタリレートの純度は 98%であった。
[0125] 合成例 1
W098Z29476号公報に記載のクロロシラン類のマグネシウム還元法によりポリシ ランを合成した。すなわち、 THF (テトラヒドロフラン) 400ml、 Mg (マグネシウム) 37g
、塩化鉄 (FeCl ) 10g、臭化リチウム 15gを反応器に入れ、メチルフエ-ルジクロロシ
3
ラン 95g、フエ-ルトリクロロシラン 53gをゆっくりと滴下した。反応終了後、トルエンで 抽出して未反応の末端塩素基 (塩素原子)を水酸基に変換し、平均重合度 25のポリ シラン (ポリメチルフエ-ルシラン ポリフエ-ルシリン共重合体)を得た。
[0126] 実施例 2 (テトラアタリレートの光硬化)
実施例 1で得られたテトラアタリレート 40gに、 2—ヒドロキシー2—メチルー 1 フエ-ル プロパン 1 オン 0. 6gをカ卩え、 UV (紫外線)を照射して光硬化した後、さらに 80°C で 1時間熱硬化することにより透明フィルムとして硬化物を得た。得られた硬化物のガ ラス転移温度 Tgは 225°C、屈折率は 1. 630 (D線)であった。
[0127] 実施例 3 (ポリシランを含むテトラアタリレートの光硬化)
実施例 1で得られたテトラアクリル酸エステル 40gに加えて、合成例 1で得られたポ リシラン 8gを添加する以外は実施例 2と同様に光硬化および熱硬化させることにより 、透明フィルムとして硬化物を得た。得られた硬化物の Tgは 220°C、屈折率は 1. 64 5 (D線)であった。