WO2004090051A1 - 粉体塗料の製造方法、および当該製造方法により得られる粉体塗料 - Google Patents

粉体塗料の製造方法、および当該製造方法により得られる粉体塗料 Download PDF

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Naotoshi Kinoshita
Masaru Iwato
Kazuki Suhara
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    • C09D5/03Powdery paints
    • C09D5/033Powdery paints characterised by the additives
    • C09D5/035Coloring agents, e.g. pigments

Definitions

  • the coloring powder coatings and the metallic powder coatings manufactured by the above-mentioned conventional technology include a resin powder as a base and a pigment or metal foil powder which are previously mixed.
  • the minimum lot of powder coating corresponding to this is about 1 ton, Even if it is difficult to produce small quantities such as several kg to several kilograms of h, and even if a small amount of powder coating is required for many types, each powder coating must be purchased more than required.
  • the binder is sprayed and supplied into the fluidized bed during the mixing operation.
  • a method has been proposed (for example, refer to Japanese Patent Application No. 200-300-225).
  • Comparative Example 3 100 g of polyester white powder (manufactured by Takashi Kubo Paint) as the base resin powder, and aluminum foil powder with an average particle diameter of 20 ⁇ m as the metal foil powder Were prepared and charged into a fluidized bed coating apparatus (manufactured by Hosokawa Micron, Agromaster AGM-2SD), and fluidized with 60 ° C. hot air. Next, 60 g of a binder solution of an aqueous urethane resin (Superflex, manufactured by Dai-ichi Kogyo Seiyaku Co., Ltd.) in which only the urethane elastomer was dispersed in water was prepared, and provided to the fluidized bed coating apparatus as the temperature of the resin powder rose.
  • a binder solution of an aqueous urethane resin Superflex, manufactured by Dai-ichi Kogyo Seiyaku Co., Ltd.
  • a method for producing a coloring powder coating using a slurry in which fine powder or fine flaky pigment is dispersed, and a metallic system using a slurry in which metal foil powder is dispersed The present invention is not limited to these, but the scope of the present invention is not limited to these, and a so-called slurry using mixed and dispersed fine powder or fine flaky pigment and metal foil powder is used.
  • the present invention is also applied to a method for producing a powder paint called color metallic.

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Abstract

基粉本である樹脂粉を流動化させ、顔料が分散されたスラリー状の液体を噴霧供給することにより、樹脂粉の表面に顔料を被覆することを特徴とする製造方法を行う。

Description

明細書 粉体塗料の製造方法、 および当該製造方法により得られる粉体塗料 技術分野
本発明は、 合成樹脂からなる基粉体の表面に、 液体状に調製された顔料を表面 被覆した粉体塗料の製造方法、 および当該製造方法により得られる粉体塗料に関 する。
背景技術
従来、 粉体塗料としては、 合成樹脂からなる基粉体の表面に顔料を表面被覆し た着色性粉体塗料や、 メタル箔粉を表面被覆したメタリック系粉体塗料が広く用 いられている。 この様な着色性粉体塗料ゃメタリック系粉体塗料の製造方法とし ては、 一般的にドライブレンド法が用いられている。 このドライブレンド法は、 基粉体となる榭脂粉と顔料若しくはメタル箔粉との単純な乾式混合を行うもので あり、 樹脂粉に所定の添加物や、 顔料、 機能性樹脂等を混合機 (ミキサー) 等を 用いて混合するといつた手法により製造される。
その一例として、 特開平 1 0— 2 7 9 6 9 5号公報には、 着色粒子からなる顔 料をニーダにより溶融し、 次いで、 ロールミル、 ビーズミル等を用いて液体中で 粉砕することにより得られた顔料の分散液を、 ベースとなる粉体塗料用粉末に添 加し、 混合機を用いてドライブレンド法により混合する技術が開示されている。 ここで、近年、これらの着色性粉体塗料ゃメタリック系粉体塗料に関して、様々 な色、 模様、 つや、 その他の意匠性を持たせた多品種の粉体塗料を少量 (数 k g 〜~ h数 k g ) で生産することが求められてきている。 しかしながら、 上記従来技 術により製造される着色性粉体塗料、 及ぴメタリック系粉体塗料は、 予めベース となる樹脂粉と顔料若しくはメタル箔粉が混合されているため、 例えば、 着色性 粉体塗料の色替えを行う際に、 製造ラインの洗浄対象範囲が広範囲に及んでしま レ、、 当該洗浄に多大の労力やコストがかかるという問題があった。 又、 一般に、 これに見合った粉体塗料の最小ロットは約 1 トンであるとも言われているため、 数 k g〜~ h数 k gといった少量単位の生産が困難であり、 多品種で少量の粉体塗 料が必要な場合であっても、 各粉体塗料を必要量以上に購入しなければならず、 多品種少量生産への対応が困難であるという不都合が生じていた。
又、 上記従来技術においては、 顔料をできるだけ均質に分散させるために、 混 合機による混合を長時間行う必要があるが、熱硬化性粉体塗料の製造を行う場合、 当該長時間の混合により、 混合機内の温度が上昇してしまい、 結果として、 配合 されている硬化剤により樹脂の一部がゲル化し、 粉体塗料の製造が困難になると いう不都合が生じていた。 特に、 低温で焼付けが可能な粉体塗料の製造を行う場 合は、 低温で反応する硬化剤が配合されているため、 上記不都合が顕著になると いう問題があった。
そこで、 これらの不都合を解消し、 多品種少量生産に対応するため、 ベースと なる粉体塗料の製造後に、 目的とする意匠性を付与する方法が検討されている。 その方法の一つとして、 例えば、 特開 2 0 0 1— 2 0 5 1 8 6号公報には、 ドラ イブレンド法により製造される着色性粉体塗料において、 ベースとなる粉体塗料 用粉末、 及び着色用粉末を別々に用意しておき、 塗装直前に必要な量、 及び必要 な色となる様に、 粉体塗料用粉末と着色用粉末を任意の混合機を用いて均一混合 することにより、 所望の塗料を製造し、 多品種少量生産を可能とした技術が開示 されている。
しかしながら、 上記ドライブレンド法では、 基粉体表面に付着している着色用 粉末の凝集性が強く、 特に、 粒径が数 μ πι以下である微細な着色用粉末において は分散性も悪いため、当該微細な着色用粉末を分散させて、基粉体表面に担持(コ 一ティング) させることは、 実質的に不可能であり、 樹脂粉と顔料の密着性 (接 着強度) に乏しいという不都合がある。
又、 メタル箔粉においても、 上記ドライブレンド法では、 榭脂粉とメタル箔粉 の密着性に乏しく、 又、 塗装作業時に塗装ガン先で樹脂粉とメタル箔粉の分離が 起こりやすく、 作業性が損なわれるという不都合がある。 又、 塗装ガン先で分離 したメタル箔粉は、 ここでの付着凝集物となるが、 この様な付着凝集物は、 不定 期に塗装ガン先から離れて塗装面へ塗着し、 スピットと呼ばれる塗装不良を引き 起こして、 塗装物の意匠性を損なう。
更に、上述のごとく、樹脂粉と顔料若しくはメタル箔粉の密着性が乏しいため、 塗装時に両者が分離しやすく、 塗装後に回収される粉体塗料において、 顔料ゃメ タル箔粉が剥離しているものが多いため、 当該回収粉の再利用が困難になってい る。
そこで、 これらの問題を解消するために、 特開 2 0 0 2— 3 3 8 8 9 5号公報 には、 上方に向けて通流する酸素含有気体の気流中で基粉体を上下方向に循環流 動させながら、 当該循環流動する基粉体に向けて紫外線を照射し、 当該照射の結 果、 表面に活性点が形成された基粉体に粉末状若しくは微少な鱗片状の顔料を接 触させる方法が提案されている。
又、 流動層中で、 基粉体である樹脂粉と顔料若しくはメタル箔粉とを分散混合 するとともに、 これらの粒子を結合させる目的で、 混合操作中に当該流動層内へ パインダを噴霧供給する方法が提案されている (例えば、 特願 2 0 0 2— 3 0 0 2 2 5号参照)。
ここで、 上述の紫外線照射法においては、 ドライブレンド法に比し、 榭脂粉と 顔料の密着性はある程度改善されるものの、 気流中における顔料の分散力は強い とは言えず、 従って、 単に気流中の作用のみでは、 凝集性の強い粉末状若しくは 微少な鱗片状の顔料を分散させた状態で、 樹脂粉の表面に十分にコーティングさ せることは困難であると言える。 又、 当該顔料は、 凝集した状態で樹脂粉の表面 にコーティングされるため、 上記紫外線照射法により生産された着色性粉体塗料 を用いた塗装の仕上がり外観において、 均質な色調を得ることが困難になり、 こ れを改善するためには、 着色性粉体塗料の生産時に、 上記顔料を更に添加する必 要があると言える。 以上の問題は、 上記顔料の代わりに微細なメタル箔粉を用い た場合においても同様に生じるものである。
又、 バインダを噴霧供給する方法においても、 ドライブレンド法に比し、 樹脂 粉と顔料若しくはメタル箔粉の密着性は改善されるものの、 塗装の仕上がり外観 において、 均質な色調や光沢性を得ることが困難な場合があり、 特に、 メタル箔 粉を用いたメタリック系粉体塗料に関して、 仕上がり塗装外観におけるメタリッ ク感が欠けるという問題があった。
本発明は、 上記問題点を解決し、 顔料の分散性を高めて基粉体表面にコ一ティ ングさせ、 樹脂粉と顔料の付着力を向上させるとともに、 多品種少量生産に対応 した粉体塗料の製造方法、 および当該製造方法により得られる粉体塗料を提供す ることを目的とする。
発明の開示
上記目的を達成するために、 本発明では、 基粉体である樹脂粉を流動化させ、 前記榭脂粉に向けて顔料が分散されたスラリ一状の液体を噴霧供給することによ り、 前記樹脂粉の表面に前記顔料を被覆することを特徴とする粉体塗料の製造方 法を行う。 この場合、 スラリ 状の液体には、 バインダを混入させると被覆性が 向上する。 顔料には、 通常の顔料 (微細な粉体状若しくは微少な鱗片状の顔料) の他に、 メタル箔粉ゃ通常の顔料とメタル箔粉の混合物が使用される。
又、 樹脂粉の平均粒子径は 5〜 5 0 / mが好適である。
通常の顔料を使用する場合は、その平均粒子径は 0 . 0 0 1〜5 0 x mとするの が好適であり、 樹脂粉と顔料の混合比は、 重量比で樹脂粉 1 0 0に対して顔料を 0 . 5〜4 0とするのが好適である。
メタル泊粉を使用する場合は、 その平均粒子径は 1〜 5 0 mとするのが好適 であり、 樹脂粉とメタル箔粉の混合比は、 重量比で樹脂粉 1 0 0に対して前記メ タル箔粉を 0 . 5〜 1 5とするのが好適である。
図面の簡単な説明
図 1は、 本発明の第 1の実施形態に係る着色性粉体塗料、 及ぴメタリック系粉 体塗料の製造方法に用いられる粉体処理装置を模式的に示す縦断面図である。 図 2は、 本発明の第 2の実施形態に係る着色性粉体塗料、 及びメタリック系粉 体塗料の製造方法に用いられる粉体処理装置を模式的に示す縦断面図である。 発明を実施するための最良の形態
以下、 本発明の実施の形態について、 図面を参照しながら説明する。 図 1は、 本発明の第 1の実施形態に係る着色性粉体塗料、 及ぴメタリック系粉体塗料の製 造方法に用いられる粉体処理装置を模式的に示す縦断面図である。 同図において、 2は処理室 1を有する処理装置本体、 3は装置本体 2の壁部 2 aに設けられた粉体原料供給口である。 本実施形態では、 処理室 1の内部に上向 きに空気を吹き出させて、 処理室 1内下部に設けられた処理部 Aに流動層を形成 するとともに、凝集性の強い、微細な粉体状若しくは微少な鱗片状の顔料(又は、 メタル箔粉) を含有する液体 (懸濁スラリー状の液体) を分散調製し、 流動層内 へ当該懸濁スラリ一状の液体を嘖霧供給することにより、 粉体原料供給口 3によ り処理室 1內部に供給され、流動化している粉体原料(樹脂粉)の表面に顔料(又 は、 メタル箔粉) を被覆 (コーティング) する構成としている。 即ち、 基粉体で ある樹脂粉を流動化させ、 当該樹脂粉に向けて微細な粉体状若しくは微少な鱗片 状の顔料 (又は、 メタル箔粉) が分散されたスラリー状の液体を嘖霧供給するこ とにより、 榭脂粉の表面に顔料 (又は、 メタル箔粉) を被覆することを特徴とす る。 尚、 流動化の手段としては流動化空気のみを用いている。
ここで、 基粉体である樹脂粉の表面に顔料を表面被覆した着色性粉体塗料を製 造する場合には、 当該樹脂粉として、 ポリエステル一ウレタン硬化系樹脂、 ェポ キシ—ポリエステル硬化系樹脂、 エポキシ系樹脂、 アクリル系樹脂、 アクリル一 ポリエステル系樹脂、 フッ素系樹脂、 アクリル一ウレタン硬化系樹脂、 アクリル 一メラミン硬化系樹脂、 ポリエステル一メラミン硬化系樹脂等の合成樹脂を、 単 体で、 或いは二種以上組み合わせて用い、 必要に応じてノポラック榭脂、 フエノ キシ榭脂、 プチラール樹脂、 ケトン樹脂、 ポリエステル樹脂、 ロジン等の改質樹 脂や、 エポキシ化油、 ジォクチルフタレート等の可塑剤を適宜配合して当該基粉 体を形成する。
又、 顔料としては、 二酸化チタン、 鉄黒、 ベンガラ、 酸化鉄、 亜鉛末、 アンチ モン白、 カーボンブラック、 ビグメントイエロー、 マピコイェロー、 鉛丹、 カ ド ミゥムイェロー、 硫化亜鉛、 リ トボン、 硫酸バリウム、 硫酸鉛、 炭酸バリウム、 炭酸カルシウム、 鉛白、 アルミナホワイ ト、 フタロシアニン系顔料、 キナタリ ド ン系顔料、 ァゾ系顔料、 イソインドリノン系顔料、 ブラバンスロン系顔料、 アン トラキノン系顏料、 アントラピリジン系顔料、 ピランスロン系顔料、 ジォキサジ ン系顔料、 ペリレン系顔料、 ペリノン系顔料、 各種焼成顔料等の着色顔料、 シリ 力、 タルク、 硫酸バリウム、 炭酸カルシウム、 ガラスフレーク等の体質顔料が用 いられる。
尚、 本実施形態における着色性粉体塗料の製造方法は、 特に、 平均粒子径が 5 〜5 0 μ mの着色性粉体塗料を製造する場合に好適であるため、 供給される榭脂 粉は平均粒子径が 5〜 5 0 mのものが使用され、顔料は平均粒子径が 0 . 0 0 1 ~ 5 0 mのものが使用される。 又、 樹脂粉と顔料の混合比は、 重量比で樹脂粉 1 0 0に対して顔料が 0 . 5〜4 0としている。 又、 樹脂粉を流動化させる流動 化空気の供給量は、 空塔速度にして 0 . 1 5 m/ s〜 l . 2 mZ s ( 0 °C · l a t m換算) である。 これらの条件は、 本実施形態、 及ぴ以下に説明する第 2の実 施形態において共通である。
又、 樹脂粉の表面にメタル箔粉を表面被覆したメタリック系粉体塗料を製造す る場合には、 樹脂粉として、 例えば、 エポキシ、 ポリエステル、 アクリル等を用 い、 メタル箔粉として、 例えば、 アルミ箔粉を用いる。 尚、 樹脂粉の平均粒子径 は 5〜5 0; u mのものが使用され、 メタル箔粉の平均粒子径は!/〜 5 0 μ χαのも のが使用される。 また、 樹脂粉とメタル箔粉の混合比は、 重量比で樹脂粉 1 0 0 に対してメタル箔粉が 0 . 5〜 1 5としている。
又、 装置本体 2の下方には、 図 1に示す様に、 処理室 1の内部に空気を供給す るための空気供給口 1 0及び送風装置 1 1、 ヒータ 1 2を設けてある。 処理室 1 の底部に設けられた空気吹出部 5からは、 ヒータ 1 2により暖めた空気を処理室 1内に上向きに吹き出す。 この空気により、 樹脂粉 (基粉体) を流動層中で所定 の温度範囲に保ちつつ流動化させる。 この所定の温度範囲とは、 当該樹脂の融点 以下の温度である。 そして、 この状態で所定時間、 例えば 5分間以上保持する。 空気吹出部 5は、 例えば、 円板状の空気吹出部材 5 aに多数の開口部 5 bを開 けたものを、 処理室 1の下部を閉塞する状態に取り付けることにより構成されて いる。 空気吹出部 5から吹き出す空気の圧力は、 個々の粒子が処理室 1の内部で 浮遊流動する程度のものが望ましい。
又、 空気吹出部 5からの空気の吹き出しは、 概ね上方に向けて行う。 即ち、 こ の方向は鉛直方向に沿って上方に向かって吹き出すものであっても良いし、 例え ば、 スリット出窓等を用いて斜め上方に吹き出し、 処理室 1の内部に空気の旋回 流を形成するようにしても良い。 この場合、 上記空気吹出部材 5 aにおいて、 空 気を上方に向かって吹き出すタイプとしては、 焼結金網やパンチングプレート等 が用いられ、 空気の旋回流を形成するタイプとしては、 例えば、 パンチングプレ ートの一種であるスリ ッ ト出窓スクリーンが用いられる。 この際、 開孔率は 3 % 〜1 2 %程度の間で設定されるが、 本実施形態では何れのタイプも 5 %前後とし ている。 上述の旋回流を形成した場合には、 粒子をより積極的に上方に卷き上げ るので、流動層内の温度分布をより均一化することができる。又、図示しないが、 空気吹出部 5からの空気とは別に流動層内に間欠的に圧力空気を供給するように しても良い。
尚、 流動層内の粒子の混合状態を改善する方法として、 物理的な攪拌作用を与 えるいわゆるアジテータや、 転動作用をもたらす回転円盤を使用することが考え られる。 ところが、このような回転円盤等は、 しばしばメタル箔粉の粉碎を招き、 製品の色調ゃ耐候性に悪影響をもたらすので望ましくない。 このような場合、 上 述したような旋回流の形成や圧力空気の供給が有効となる。 その他、 粉体処理中 に、 樹脂粉とメタル箔粉の結合を促進するため、 結合材等のバインダを嘖霧供給 する場合がある。 また、 粉塵爆発を防止するため、 イオン化エアーを供給する場 合がある。
次に、 凝集性の強い、 微細な粉体状若しくは微少な鱗片状の顔料 (又は、 メタ ル箔粉) を含有する懸濁スラリー状の液体 (以下、 スラリーと言う) の調製につ いて説明する。 図 1に示す様に、 本実施形態においては、 湿式ポールミル 1 9を 用いてスラリーを調製するが、 この湿式ポールミル 1 9は、 竪型の円筒容器内に 攪拌ロータ 2 1を配してなり、 内部に内径が l〜5 m m以下のポール 1 7 (例え ば、 ジルコユア製ボール) を充填させておき、 攪拌ロータ 2 1を回転させること により、 ボール 1 7をミル 1 9の容器內で攪拌させ、 ミル 1 9内に供給された顔 料ゃメタル箔粉を分散状態の良い微細な粉体状若しくは微少な鱗片状にするもの である。
より具体的には、 図 1に示す様に、 顔料 (又は、 メタル箔粉)、 水、 及び粒子を 結合させる目的で使用されるバインダを湿式ボールミル 1 9内に供給する構成と している。 湿式ポールミル 1 9内には、 ポール 1 7が充填されており、 当該湿式 ボールミル 1 9を所定の回転数により所定時間回転させることにより、 上記スラ リー 1 3を調製する。 湿式ボールミル 1 9の出口には、 スラリータンク 1 8が設 けられており、 調製されたスラリー 1 3は、 当該スラリータンク 1 8内に充填さ れる構成となっている。 尚、 上記湿式ボールミル 1 9に代替して、 顔料 (又は、 メタル箔粉)、水、及ぴ粒子を結合させる目的で使用されるパインダをビーカ一内 に供給し、 スターラー攪拌やホモジナイザーによる攪拌により、 上記スヲリ一 1 3を調製する構成としても良い。 特に、 鱗片状のメタル箔粉のスラリー化は、 メ タル箔を割ることの無いように、 攪拌力の比較的弱いスターラー等の攪拌方式を 用いるのが好ましい。
又、 図 1に示す様に、 処理部 Aの下側には、 上方に向けてスプレーノズル 4が 設けられている。 そして、 スラリー 1 3をポンプ 1 4にて、 図中の太い破線の矢 印で示す様にスプレーノズル 4に供給するとともに、図中の矢印 Sで示すように、 スプレーエアーもスプレーノズル 4に供給する。 これにより、 処理部 Aの流動層 内に、 スラリー 1 3が嘖霧供給される。 また図示していないが、 更に処理部 Aの 上側に、 下方に向けてスプレーノズル 4を設ける構成としても良い。
ここで、 上記パインダとしては、
1 . 例えば溶剤のように、 粉体塗料樹脂自体のタック性を向上させるもの 2 . それ自体が接着力を付与するための添加物 (結合剤) であり、 水や揮
発性有機溶剤等に溶解、 希釈、 分散されたもの
等を用いることができる。即ち、上記スラリー 1 3内に混入されたバインダは、 樹脂粉と顔料 (又は、 メタル箔粉) のボンディング力を高めるために使用される ものである。 但し、 樹脂に応じた選択が必要である。 本実施形態では、 主として 2 . のバインダを用いている。
上記 2 .の結合剤としては、 例えば、 アクリル系、 アクリル酸系、 ウレタン樹脂 系、 ポリエチレン樹脂系、 エポキシ樹脂系、 ポリエチレングリコール系、 ポリ塩 化ビニル系、 ポリエステル系、 ポリプロピレン系、 ポリブタジエン系、 ポリスチ レン系、 フエノール樹脂系、 メタクリル酸系、 テレフタル酸系、 アタリロニトリ ル系、 A S樹脂系、 A B S樹脂系、 塩化ビュル樹脂系、 フッ素榭脂系、 ポリビニ ルアルコール系、 マレイン酸樹脂系、 メタクリル酸樹脂系、 ポリアセタール系、 ポリカーボネート系、 アルキド樹脂系、 ポリエチレンテレフタレ一ト ( P E T ) 樹脂系、 ポリアミ ド樹脂系、 尿素樹脂系、 メラミン榭脂系、 フエノール樹脂系、 シリコン榭脂系、 テルペン樹脂系、 ビニル系、 塩化ビニル系、 ナイロン系、 ポリ ビュルアルコール系、 セルロース系、 糖類系、 天然ゴム系であって、 水や各種有 機溶剤に溶解 ·希釈されたもの、 又は、 粒子状に粉砕され、 水 ·有機溶剤等に分 散されたスラリ一や懸濁液状のものゃコロイ ド、 ラテックス、 エラストマ一等の 様に更に微細化された粒子が分散された粒子分散系のもの等が挙げられる。 尚、 粒子分散系のパインダを利用した場合には、 粒子径がより微細であることが望ま しく、 好ましくは粒子径が 0 . 1 μ πι〜0 . 3 μ mとなれば良い。 又、 パインダ 液濃度 (バインダ液全体に対する結合剤の重量濃度) は、 0 . 1〜1 0重量%の 範囲が好適である。 又、 バインダ液中 (本実施形態においては、 上述のスラリー 1 3 ) に添加剤を希釈、 溶解して供給しても良い。
上述の結合剤のうち、 ウレタン樹脂系、 特に、 水系ウレタン樹脂を結合剤とし て用いることが好ましい。 この水系ウレタン樹脂を用いたバインダとしては、 例 えば、公知であるウレタンエラストマ一を水中に分散させた水系ウレタン樹脂(第 一工業製薬株式会社製、 商品名スーパーフレックス) 等が挙げられる。
流動層中の樹脂粉に対しスラリー 1 3を噴霧供給する際に、 例えば、 上述の水 系ウレタンを結合剤に用いた水系パインダを流動層中へ噴霧供給する構成とすれ ば、当該水系バインダは有機溶媒を用いたパインダに比し、非危険物であるため、 製品中の有機溶媒の残留を懸念することがなくなり、 その結果、 製造作業の安全 化、 作業効率の改善化を図ることができるとともに、 環境汚染を未然に防止する ことができる。
尚、 前記 2 . のバインダを用いる場合、 流動層内に供給された粉体の質量 1 k gに対して、 溶解 (若しくは希釈、 分散) された状態のパインダ液 (即ち、 スラ リー 1 3 ) 力 S、 少なくとも 1 O m l以上供給されることが望ましい。 又、 上記結合剤の分散、 溶解、 希釈に要する液体 (水や揮発性有機溶剤等、 本 実施形態においては水) は、 凝集力に着目して選定を行う。 この凝集力を表す指 標として、 分子の凝集エネルギー密度の平方根で表される溶解度因子 (溶解度係 数ともいう。 以後、 「S P値」 と称する。) を用いることができる。 前記液体の S P値と粉体塗料樹脂の S P値が近い場合は、 粉体塗料樹脂の表面近くに前記液体 が近接するため、 前記液体が粉体塗料樹脂中へ浸透しやすくなつてしまう。 その 結果、 この液体を結合剤とともにパインダとして粉体塗料へ供給した後に、 粉体 塗料から当該液体の除去を目的として行われる乾燥プロセスに莫大な時間を要し てしまうという不都合が生じてしまう。 従って、 結合剤の分散、 溶解、 希釈に要 する液体の S P値と粉体塗料樹脂の S P値の差が ± 1以上離れていることが望ま しい。
本実施形態においては、 所定温度の下、 樹脂粉を処理室 1内で流動化させてお き、 粉体温度の上昇とともに、 処理部 Aの流動層内にスラリー 1 3を所定の供給 速度で噴霧供給し、 処理部 Aにて乾燥処理を行うことにより、 当該スラリー 1 3 中に分散した顔料若しくはメタル箔粉を樹脂粉の表面にコーティングさせ、 着色 性粉体塗料若しくはメタリック系粉体塗料を製造する。
ここで、 上記パインダを含有するスラリー 1 3の供給時における流動化空気の 供給温度は、 好ましくは 8 0 °C以下としている。 また、 上記スラリー 1 3の供給 + 時における流動層の層内温度は、 好ましくは 5 0 °C以下としている。 以上の加熱 条件下で一定時間、 樹脂粉を処理室 1内で流動化させ、 次いで、 スラリー 1 3を 添加し、 コーティング乾燥処理を行った後、 製品温度で 4 0 °C以下に冷却する。 この冷却により、 加熱条件下でのボンディング状態が固定化されるとともに、 加 熱により向上した樹脂粒子表面のタック性を低下させ、 塗料の凝集やプロッキン グを抑止する。 なお、 冷却は本装置以外で行っても良い。 また、 製造直後に空気 輸送する場合等、 流動化したままの状態であるうちは、 直ちに冷却する必要はな い。
又、 結合剤とともにバインダとして粉体塗料へ供給された液体 (本実施形態に おいては水) を除去する乾燥プロセスにおいては、 製品の含水率は 0 . 5重量% 以下、 好ましくは 0 . 3重量%以下となるように乾燥させる必要がある。 当該液 体の除去を怠ってしまうと、 例えば、 貯蔵時に融着ゃブロッキング等の不都合が 生じるからである。 尚、 ここでの含水率は、 水 ·有機溶媒を問わず、 揮発成分の 含有量として勘案されたものである。
又、 スラリー 1 3の添加に使用するスプレーノズル 4の種類は問わないが、 噴 霧液滴径がより細かいものが望ましい。 さらに、 スプレーノズル 4の噴射条件と しては、 水噴霧の状態で、 噴霧液滴径が D 9 0 ( 9 0 %径) にして 1 0 0 /i m以下 となるような条件が望ましい。 また、 スプレーノズル 4の設置位置としては、 流 動層に対して下部、 上部、 及ぴ側面のいずれか或いはこれらの組合せが考えられ る。
又、 図 1に示す様に、 本実施形態における粉体処理装置には、 処理室 1の内部 の空気を排出する際に粒子を捕集するフィルタ 6が設けられており、 当該フィル タ 6に対しては、 これに付着した粒子を払い落とすための逆洗機構 7が設けられ ている。本実施形態では、特にフィルタ 6をパグフィルタ 6 aで構成してあるが、 当該フィルタ 6は、 この様なバグフィルタ 6 aに限定されるものではなく、 焼結 金網を含む一般的なフィルタのほか、 サイクロン, 風力分級式の回転ロータ等も 採用可能である。 尚、 図 1中の矢印 aは、 逆洗機構 7に供給されるフィルタ逆洗 エアーを示している。 又、 装置本体 2の上方には、 処理室 1の内部の空気を排出 するための空気排出口 8及び排気装置 9を設けてある。
処理室 1の内部の空気を排出する際には、 処理室 1の上部に設けたバグフィル タ 6 aで粒子を捕集する。 そして、 一定時間毎に上記逆洗機構 7により、 パグフ ィルタ 6 aに高圧空気を逆方向に瞬間的に付加して逆洗じ、 パグフィルタ 6 aに 付着した粒子を再ぴ処理室 1の内部に浮遊流動させる。 これにより、 バグフィル タ 6 a内に対して空気排出口 8の側から処理室 1の側に瞬間的に圧力を加え、 パ グフィルタ 6 aに付着した粒子を払い落とす仕組みとなっている。
以上、 説明した様に、 本実施形態においては、 湿式ポールミル 1 9により、 微 細な粉体状若しくは微少な鱗片状に粉砕された顔料 (又は、 メタル箔粉) とバイ ンダを分散混合させたスラリー 1 3を、 流動層中で流動化している樹脂粉の表面 に噴霧供給する構成としている。 従って、 本来、 凝集性の強い顏料 (又は、 メタ ル箔粉) を当該スラリー 1 3中で分散させることができるとともに、 上記パイン ダの作用により、 樹脂粉と着色用顔料 (又は、 メタル箔粉) の付着力を向上させ ることができるため、 微細な着色用顔料若しくはメタル箔粉の分散性を高めて基 粉体表面に確実にコ一ティングさせることが可能になる。 又、 本実施形態の製造 方法により製造された粉体塗料は、 榭脂粉と着色用顔料若しくはメタル箔粉の接 着強度が高く、 回収粉においても着色用顔料ゃメタル箔粉の含有量が一定である ため、 当該回収粉の再利用が可能となる。
又、 所定色 (又は、 所定のメタリック色) を有する粉体塗料の生産に際し、 顏 料 (又は、 メタル箔粉) の添加量を最小限に抑えることができるため、 顔料ゃメ タル箔粉の更なる添加を行うことなく、 塗装の仕上がり外観において、 均質な色 調を得ることが可能になる。 .
又、 本実施形態においては、 ベースとなる榭脂粉、 及ぴ顔料 (又は、 メタル箔 粉) を別々に用意しておき、 必要な量、 及び必要な色に応じて、 スラリー 1 3を 流動層中で流動化している榭脂粉の表面に噴霧供給しコーティングすることによ り、 所望の粉体塗料を製造することができるため、 予めベースとなる樹脂粉と顔 料若しくはメタル箔粉を混合する必要がない。 従って、 粉体塗料製品の製造工程 における最終段階で色付けを行うことができるため、 着色性粉体塗料、 及びメタ リック系粉体塗料の色替えを行う際には、 粉体処理装置のみを洗浄すれば良く、 製造ラインの洗浄対象範囲を大幅に縮小でき、 当該洗浄に対する労力やコス トを 抑えることが可能となる。 又、 多品種少量生産に対応した着色性粉体塗料、 及び メタリック系粉体塗料を製造することが可能になる。
更に、 本実施形態においては、 顔料が分散されたスラリー 1 3の供給時におけ る流動化空気の供給温度は、 好ましくは 8 0 °C以下としており、 又、 上記スラリ 一 1 3の供給時における流動層の層内温度は、 好ましくは 5 0 °C以下としている ため、 操作温度の低い、 粉体塗料製品の製造工程における最終段階でコーティン グを行うことが可能になる。 従って、 顔料の熱劣化を回避することができるとと もに、 温度上昇に伴う樹脂のゲル化を回避することができる。 図 2は、 本発明の第 2の実施形態に係る着色性粉体塗料、 及ぴメタリック系粉 体塗料の製造方法に用いられる粉体処理装置を模式的に示す縦断面図である。尚、 本実施形態においては、 上述した第 1の実施形態と共通する部分については同一 の符号を示して、 ここでは詳細な説明を省略する。 本実施形態では、 上記第 1の 実施形態と同様に、 処理室 1の内部に上向きに空気を吹き出させて、 処理室 1内 下部に設けられた処理部 Aに流動層を形成するとともに、 凝集性の強い、 微細な 粉体状若しくは鱗片状の顔料 (又は、 メタル箔粉) を含有する液体 (懸濁スラリ 一状の液体) を分散調製し、 流動層内へ当該懸濁スラリー状の液体を嘖霧供給す ることにより、 処理室 1内部に供給された粉体原料の表面に顔料 (又は、 メタル 箔粉) を被覆 (コーティング) する構成としている。 尚、 流動化の手段としては 流動化空気及びアジテータを用いており、 バッチ式としている。
ここで、 本実施形態においては、 図 2に示す様に、 スラリー 1 3の噴射機構が 2つ設けられており、 処理部 Aの下方側面にはスプレーノズル 4が内方に向けて 設けられ、 上方には同じくスプレーノズル 4が下方に向けて設けられている。 そ して、 各スラリー 1 3をポンプ 1 4にてスプレーノズル 4に供給すると同時に、 矢印 Sで示すように、 スプレーエアーもそれぞれスプレーノズル 4に供給する。 これにより、 処理部 Aの流動層内に、 スラリー 1 3が噎霧供給される。
更に、 処理部 Aの下側には、 略円盤状のアジテータ 1 5が設けられており、 当 該アジテータ 1 5は、 アジテータモータ 1 6により回転する.構成となっている。 このアジテータ 1 5の回転と流動化空気により、 樹脂粉を流動化する。 尚、 図中 の 2 0は、 装置本体 2の壁部 2 bに設けられた製品取り出し口であり、 また矢印 aは逆洗機構 7に供給されるフィルタ逆洗エアーを示している。 又、 塗料製造時 の条件は上記第 1の実施形態と同様である。 本実施形態においては、 この様な構 成により、 上記第 1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
以下、 本発明を実施例により詳細に説明する。 尚、 本発明は、 下記の実施例に 限定されるものではない。
<実施例 1 >スラリ一の原料として、 平均粒子径が 1 4 β mである着色用顔料 (山陽色素株式会社製、 ビグメントイエロー 8 3 ) を 5 0 g、 ウレタンエラスト マーを水中に分散させた水系ウレタン樹脂 (第一工業製薬株式会社製、 スーパー フレックス) のバインダ液を 6 0 g用意し、 これを水 8 9 0 gとともに、 湿式ボ ールミル (ホソカワミクロン製、 アクアマイザ A Q— 5 ) に投入し、 スラリーを 作製した。 尚、 湿式ポールミルの内部に充填されるボールには内径が 3 m mのジ ルコニァ製ボールを使用した。 又、 湿式ボールミルの回転数は 2 5 0 r p m、 運 転時間は 2時間とした。 本処理により、 着色用顔料の平均粒子径は 2 μ ιη以下と なり、 当該顔料が良好に分散されたスラリーを得た。
次いで、 基粉体である榭脂粉として、 ポリエステル系白色粉体 (久保孝ペイン ト製) を l O O O g用意し、 これを流動層コーティング装置 (ホソカワミクロン 製、 ァグロマスタ A G M— 2 S D ) に投入し、 6 0 °Cの熱風で流動化させた。 樹 脂粉の温度上昇とともに、 当該流動層コーティング装置に設けられた流体式ポト ムスプレーノズルを用いて、 上記調製済みのスラリ一を流動する粉体層中へ嘖霧 供給した。 尚、 スラリーの供給速度は 1 5 g Zm i nとした。 時間の経過ととも に、 樹脂粉の着色は促進され、 上記調製済みスラリーを全量噴霧供給し終えた段 階では、 樹脂粉の表面が濃い黄色に着色された粉体塗料が製造され、 この時点で 噴霧供給を終えた。 その後、 引き続き熱風による乾燥処理を行い、 粉体塗料表面 の水分を蒸発させた後、 冷却処理を行い、 当該粉体塗料を回収した。
次いで、 回収した粉体塗料を、 静電スプレーガン (ホソカワミクロンワグナー 製) を用いて、 塗装 (軟鋼板試験片に塗装し、 その後、 1 8 0 °Cで 2 0分間焼き 付け) を行い、 仕上がり外観を目視観察した。
<比較例 1 >着色用顔料 (山陽色素株式会社製、 ビグメントイエロー 8 3 ) .を 5 0 g、及びポリエステル系白色粉体(久保孝ペイント製)を 1 0 0 0 g用意し、 紫外線を照射しながら着色用顔料とポリエステル系白色粉体を攪拌混合し、 攪拌 混合機中で加熱空気を混合粉体中に流通しながら流動化を行い、 粉体塗料を製造 した。 尚、 紫外線の照射時間は 2 0分とした。 次いで、 回収した粉体塗料を用い て、上記実施例 1と同様の方法により塗装を行い、仕上がり外観を目視観察した。
<比較例 2 >着色用顔料 (山陽色素株式会社製、 ビグメントイエロー 8 3 ) を 5 0 g、及ぴポリエステル系白色粉体(久保孝ペイント製)を 1 0 0 0 g用意し、 これらをビニール袋で 2 0分間混合し、 粉体塗料を製造した。 次いで、 回収した 粉体塗料を用いて、 上記実施例 1と同様の方法により塗装を行い、 仕上がり外観 を目視観察した。
上記実施例、 及び各比較例で得られた粉体塗料に関し、 粉体塗料の外観、 塗装 作業性、 光輝性 ·色調、 耐アルカリ性、 及ぴ再使用の可能性についての評価を行 つた。その結果を表 1に示す。 尚、耐ァルカリ性は、塗装面に苛性ソーダ 3〜 5 % の水溶液を塗布し、 色調の変化により判定した。 表 1
Figure imgf000017_0001
表 1に示した様に、実施例 1については、全ての評価項目において、比較例 1、 2に比べて良好な結果を得た。 特に、 実施例 1による粉体塗料においては、 基粉 体、 及び顔料は凝集することなく、 顔料は基粉体の表面にムラを生じることなく 付着していた。 又、 塗膜の試験片への密着性は良好であり、 塗膜面の強度も良好 であった。 一方、 比較例 1、 及び比較例 2においては、 顔料同士が凝集し、 塗装 作業性において、顔料の分離ゃスピットが発生した。特に、比較例 2においては、 試験片の仕上がり外観は、 隠蔽性がなく、 均質な色調を呈しておらず、 又、 顔料 の分離が激しいため回収粉の再利用は不可能であった。 <実施例 2 >スラリーの原料として、 平均粒子径が 2 0 μ πιであるアルミ箔粉 を 5 0 g、 ウレタンエラストマ一を水中に分散させた水系ウレタン樹脂 (第一ェ 業製薬株式会社製、 スーパ一フレックス) のバインダ液を 6 0 g用意し、 これを 水 4 4 0 gとともに、 容積が 1 Lのピーカーに投入し、 これをスターラー燈拌す ることによりスラリーを作製した。 尚、 運転時間は 2時間とした。
次いで、 基粉体である樹脂粉として、 ポリエステル系白色粉体 (久保孝ペイン ト製) を 1 0 0 0 g用意し、 これを流動層コーティング装置 (ホソカワミクロン 製、 ァグロマスタ A G M— 2 S D ) に投入し、 6 0 °Cの熱風で流動化させた。 樹 脂粉の温度上昇とともに、 当該流動層コーティング装置に設けられた流体式ポト ムスプレーノズルを用いて、 上記調製済みのスラリーを流動する粉体層中へ噴霧 供給した。 尚、 スラリーの供給速度は 1 5 g /m i nとした。 時間の経過ととも に、 樹脂粉の着色は促進され、 上記調製済みスラリーを全量噴霧供給し終えた段 階では、 樹脂粉の表面が深いメタリック色に着色された粉体塗料が製造され、 こ の時点で噴霧供給を終えた。 その後、 引き続き熱風による乾燥処理を行い、 粉体 塗料表面の水分を蒸発させた後、 冷却処理を行い、 当該粉体塗料を回収した。 次いで、 回収した粉体塗料を、 静電スプレーガン (ホソカワミクロンワグナー 製) を用いて、 塗装 (軟鋼板試験片に塗装し、 その後、 1 8 0 °Cで 2 0分間焼き 付け) を行い、 仕上がり外観を目視観察した。
く比較例 3 >基粉体である樹脂粉としてポリエステル系白色粉体 (久保孝ペイ ント製) を 1 0 0 0 g、 メタル箔粉として平均粒子系径が 2 0 μ mであるアルミ 箔粉を 5 0 gを用意し、これらを流動層コーティング装置(ホソカワミクロン製、 ァグロマスタ A G M— 2 S D )に投入し、 6 0 °Cの熱風で流動化させた。次いで、 ウレタンエラストマ一のみを水中に分散させた水系ウレタン樹脂 (第一工業製薬 株式会社製、 スーパーフレックス) のバインダ液を 6 0 g用意し、 樹脂粉の温度 上昇とともに、 流動層コーティング装置に設けられた流体式ボトムスプレーノズ ルを用いて、 上記調製済みのバインダ液を流動する粉体層中へ噴霧供給し、 粉体 塗料を製造した。 回収した粉体塗料を用いて、 上記実施例 2と同様の方法により 塗装を行い、 仕上がり外観を目視観察した。 上記実施例、 及ぴ比較例で得られた粉体塗料について、 上述した実施例 1にお いて示した評価項目により、 両者の比較を行った。 その結果を表 2に示す。
¾ i
Figure imgf000019_0001
表 2に示した様に、 実施例 2については、 光輝性 ·色調において、 比較例 3に 比べて良好な結果を得た。 これは、 アルミ箔粉が均質に分散されたスラリーを基 粉体である樹脂粉の表面に噴霧供給する構成としたため、 当該アルミ箔粉が基粉 体の表面で分散し、 均質に配向された状態でボンディングが促進され、 結果とし て、 塗着後にアルミ箔粉が塗装面において均質な配向を示したためであると考え られる。
尚、 上記の各実施形態では、 微細な粉体状若しくは微小な鱗片状の顔料が分散 されたスラリーを用いる着色性粉体塗料の製造方法と、 メタル箔粉が分散された スラリーを用いるメタリック系粉体塗料の製造方法に分けて説明したが、 本発明 の範囲はこれらに限らず、 微細な粉体状若しくは微小な鱗片状の顔料及ぴメタル 箔粉が混合分散されたスラリ一を用いるいわゆるカラーメタリックと称される粉 体塗料の製造方法にも適用されるものである。
産業上の利用可能性
以上、 説明した様に、 本発明によれば、 顔料とパインダを分散混合させたスラ リーを、流動層中で流動化している樹脂粉の表面に嘖霧供給する構成としている。 従って、凝集性の強い顔料を当該スラリー中で分散させることができるとともに、 バインダの作用により、 樹脂粉と顔料の付着力を向上させることができるため、 微細な顔料の分散性を高めて基粉体表面に確実にコーティングさせることが可能 になる。 又、 多品種少量生産に対応した粉体塗料を製造することが可能になる。

Claims

請求の範囲
1 . 基粉体である樹脂粉を流動化させ、 前記樹脂粉に向けて顔料が分散されたス ラリ一状の液体を嘖霧供給することにより、 前記樹脂粉の表面に前記顔料を 被覆することを特徴とする粉体塗料の製造方法。
2 . 前記スラリ一状の液体には、 バインダが混入されていることを特徴とする請 求項 1に記载の粉体塗料の製造方法。
3 . 前記顔料が微細な粉体状若しくは微少な鱗片状の顔料若しくはメタル箔粉又 はこれらの混合物であることを特徴とする請求項 2に記載の粉体塗料の製 造方法。
4 . 前記樹脂粉の平均粒子径が 5〜 5 0 μ πιであることを特徴とする請求項 3に 記載の粉体塗料の製造方法。
5 .前記微細な粉体状若しくは微少な鱗片状の顔料の平均粒子径が 0 . ◦ 0 1〜5
0 mであることを特徴とする請求項 4に記載の粉体塗料の製造方法。
6 . 前記樹脂粉と前記微細な粉体状若しくは微少な鱗片状の顔料の混合比は、 重 量比で前記樹脂粉 1 0 0に対して前記顔料が 0 . 5〜4 0であることを特徴 とする請求項 5に記載の粉体塗料の製造方法。
7 . 前記メタル箔粉の平均粒子径が 1〜5 0 mであることを特徴とする請求項 4に記載の粉体塗料の製造方法。
8 . 前記樹脂粉と前記メタル箔粉の混合比は、 重量比で前記樹脂粉 1 0 0に対し て前記メタル箔粉が 0 . 5〜1 5であることを特徴とする請求項 7に記載の 粉体塗料の製造方法。
9 . 請求項 1〜 8のいずれかの方法によって製造された粉体塗料。
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