JP4309531B2 - 微粒子のコーティング方法及び装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、微粒子のコーティング方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
粒子コーティングは、粒子表面の適当な物質で被覆することにより、様々な機能を付加しようとする粒子の複合化技術であり、化学工業(特に、触媒、電子材料等)、医薬工業、食品工業等の分野で重要なものとなっている。
【0003】
特に、医薬分野における粒子コーティングは、湿度、酸素や光による劣化や変質の防止や苦味及び臭いのマスキング等の目的の他に、有効成分の体内での放出を制御し、必要な部位に選択的に投与するドラックデリバリーシステム(DDS)の中心技術として開発が進められている。
【0004】
近年、このような分野で用いられる複合粒子としては、数ミリからサブミクロンまで、様々な形態のものが要求されており、特に微粒子のコーティングは、粉体の表面改質又は粒子に新しい機能性を発現させるための有効な粒子設計技術となっている。
【0005】
ここで、粒子コーティング法は、流動層法、相分離法、界面重合法、液中乾燥法等の液相法、高速気流中衝撃法、真空蒸発法、CVD法等の乾式法があるが、工業的に広く用いられているのは、大量処理連続操作が可能である流動層やワースターコーター等の湿式法を用いた流動層コーティング法である。
例えば、図7に示す流動層コーティング装置は、流動層67の下部に上昇内管68を有する2流体型ノズル70が配設されており、熱風で流動化された核粒子群にコーティング物質の液滴を噴霧・乾燥させることにより、核粒子にコーティング物質を被覆するものである。
【0006】
しかしながら、湿式法による粒子コーティングは、噴霧過程及び乾燥過程の制御が重要であり、核粒子とコーティング物質の組み合わせに適した溶媒を用いて最適の液滴径で均一に噴霧し、かつ噴霧量及び液滴径に応じて乾燥速度を調節しなければならなかった。
例えば、噴霧した液滴が核粒子に到達する前に溶媒の蒸発が起これば、核粒子に付着せず、反対に乾燥が遅いと核粒子同士が凝集して大きな凝集塊が生成してしまう。
【0007】
従って、従来の流動層コーティング法は、トップスプレーの場合、コーティングできる粒子の下限界が200〜250μm、ボトムスプレーの場合でも150μm以上であり、これ以下の粒径の粒子に適用した場合、粒子凝集が過大となるため、特に、100μm以下の微粒子をコーティングすることが困難であった。
【0008】
これらの問題点を解消するため、通常の溶媒に替えて超臨界流体を用いて、流動層内に超臨界溶液をノズルから噴出させ、核粒子表面上にコーティング物質を直接析出させることにより、核粒子に均一なコーティング層を形成させる超臨界噴出法による微粒子コーティング法が新たに開発された(図8参照)。
【0009】
この方法は、液滴が存在せずドライな状態で微粒子にコーティングすることができるため、粒子の造粒及び凝集が起こらず、粒径が50〜100μm程度の微粒子に適用することができる。
また、この方法は、残留溶媒の問題がなく、微粒子にコーティングを効率的に行うことができる等の特徴があり、広範な分野での工業的応用が期待されている。
【0010】
しかしながら、図8に示す循環流動層コーティング装置は、核粒子の粒径が小さく(例えば、100μm以下)且つ軽量である場合、又は核粒子が重いものであっても、粒径が50μm以下である場合、流動層を十分に形成させることができない、即ち、核粒子の濃厚相を形成させることができないため、微粒子のコーティングを効率良く行うことができなかった。
【0011】
また、超臨界噴出法を用いる場合、ノズルの出口温度が、超臨界流体になる前の媒体の凝縮点より低くなると、ノズルから噴出された媒体が液滴となるため、核粒子が凝集してしまうという問題点があった。
【0012】
更に、超臨界噴出法を用いる場合、ノズルの出口温度が、超臨界流体になる前の媒体の凝固点より低くなると、媒体がノズル周辺で凝固してしまうため、ノズルを詰まらせたり、また凝固した媒体の塊が噴出することにより、核粒子に厚膜部が発生し、不均質なコーティングになる等の問題点があるため、工業的に実用化することが困難であった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記した従来の課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、液滴が存在せずドライな状態で微粒子にコーティングすることができるため、微粒子の造粒及び凝集を防止することができるとともに、微粒子を搬送する気流と遠心力により微粒子が流動化されているため、粒径が0.05〜100μmの微粒子に均質かつ一定の厚さのコーティング層を効率的に被覆することができる微粒子のコーティング方法及び装置を提供するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明によれば、微粒子の表面を均質かつ一定の厚さのコーティング層で被覆する微粒子のコーティング方法であって、該微粒子を搬送する気流と遠心力により微粒子を流動化しつつ、微粒子の濃厚相を形成させ、溶液を微細な口径のノズルから大気中に噴出させて、該溶液を断熱膨脹させ、該溶液の圧力及び温度が急激に低下させて、該溶液中の溶媒の溶解力を激減させることにより、溶質のみを析出させ、且つ液滴が存在せずドライな状態とする機能を有する過熱超臨界ノズルを用い、溶媒である超臨界流体にコーティング物質である溶質を溶かした溶液を、該過熱超臨界ノズルから該濃厚相に噴出させることにより、微粒子の表面上にコーティング物質を直接析出させ、微粒子に均一なコーティング層を被覆させ、微粒子を循環滞留又は流動滞留させることを特徴とする微粒子のコーティング方法が提供される。
このとき、微粒子の粒径は、0.05〜100μmであることが好ましく、過熱超臨界ノズルの出口温度は、超臨界流体になる前の媒体の凝縮点又は凝固点よりも高くすることが好ましい。
【0015】
次に、本発明によれば、微粒子の表面を均質かつ一定の厚さのコーティング層で被覆する微粒子のコーティング装置であって、リング状の略円管状に形成され、且つ該微粒子を搬送する気流と遠心力により、該微粒子を流動化しつつ、該微粒子の濃厚相を形成するチャンバーと、該チャンバーに設け気流に搬送された微粒子の供給口と、該チャンバーに設けた超臨界ノズルのノズル入口付近のフィードラインに過熱用ヒータを配設し、液滴が存在せずドライな状態で該微粒子にコーティングする過熱超臨界ノズルと、 該チャンバーに設けた排気口と、該チャンバーに設けたコーティング微粒子の回収手段と、
を備えたことを特徴とする微粒子のコーティング装置が提供される。
【0016】
また、本発明によれば、微粒子の表面を均質かつ一定の厚さのコーティング層で被覆する微粒子のコーティング装置であって、螺旋管状に形成され、且つ該微粒子を搬送する気流と遠心力により、該微粒子を流動化しつつ、該微粒子の濃厚相を形成するチャンバーと、
該チャンバーの上流側に設け気流に搬送された微粒子の吹込口と、該チャンバーの中流側に設けた超臨界ノズルのノズル入口付近のフィードラインに過熱用ヒータを配設し、液滴が存在せずドライな状態で該微粒子にコーティングする過熱超臨界ノズルと、該チャンバーの下流側に設けた排気口と、該チャンバーの上流側に設けたコーティング微粒子の回収手段と、を備えたことを特徴とする微粒子のコーティング装置が提供される。
【0017】
更に、本発明によれば、微粒子の表面を均質かつ一定の厚さのコーティング層で被覆する微粒子のコーティング装置であって、回転円筒状に形成され、且つ該微粒子を搬送する気流と遠心力により、該微粒子を流動化しつつ、該微粒子の濃厚相を形成するチャンバーと、該チャンバーの外周部に設けた微粒子を遠心力により押し付け、該外周部からのガスにより流動化させる遠心流動層室と、該遠心流動層室に設けた超臨界ノズルのノズル入口付近のフィードラインに過熱用ヒータを配設し、液滴が存在せずドライな状態で該微粒子にコーティングする過熱超臨界ノズルと、を備えたことを特徴とする微粒子のコーティング装置が提供される。
【0018】
上記に示した本発明の微粒子のコーティング装置は、過熱超臨界ノズルの出口温度を、超臨界流体になる前の媒体の凝縮点又は凝固点よりも高くする過熱装置を有することが好ましい。
更に、本発明の微粒子のコーティング装置は、微粒子がチャンバー内で循環滞留又は流動滞留することが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の微粒子のコーティング方法は、遠心力により微粒子を流動化しつつ、微粒子の濃厚相を形成させ、コーティング物質を含有させた超臨界流体を、過熱超臨界ノズルから微粒子の濃厚相に噴出させることにより、微粒子の表面上にコーティング物質を直接析出させ、微粒子に均一なコーティング層を被覆させ、微粒子を循環滞留又は流動滞留させるものである。
【0020】
これにより、本発明の微粒子のコーティング方法は、液滴が存在せずドライな状態で微粒子にコーティングすることができるため、微粒子の造粒及び凝集を防止することができるとともに、超臨界流体がノズル周辺で凝縮又は凝固することがないため、超臨界ノズルの詰まりやコーティングの不具合を防止することができる。
【0021】
また、本発明の微粒子のコーティング方法は、回転場に微粒子を置くことにより発生する遠心力により微粒子を濃厚化することができるため、粒径が0.05〜100μm(より好ましくは、0.5〜50μm)の微粒子であっても均質かつ一定の厚さのコーティング層を効率的に被覆することができる。
【0022】
以上のことから、本発明の微粒子のコーティング方法は、湿度、酸素や光による劣化や変質の防止や苦味及び臭いのマスキング等の目的の他に、有効成分の体内での放出を制御し、必要な部位に選択的に投与するドラックデリバリーシステム(DDS)等の医薬品、触媒金属(例えば、白金、パラジウム、金等)又は金属酸化物(例えば、酸化チタン等)を担体粒子に被覆させた触媒等に好適に用いることができる。
【0023】
以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の微粒子のコーティング装置の一例を示す断面概要図である。
本発明の微粒子のコーティング装置は、図1に示すように、リング状の略円管状に形成されたチャンバー30と、チャンバー30に設けた気流又は気流に搬送された微粒子の供給口32と、チャンバー30に複数個設けた過熱超臨界ノズル20と、チャンバー30に設けた排気口34と、チャンバー30に設けたコーティング微粒子の回収手段38を備えてなるものである。
【0024】
次に、図1の装置を用いた微粒子のコーティング方法について説明する。
まず、核粒子である微粒子は、フィーダ付きホッパー36からチャンバー30内へ搬送される。
気流により搬送された微粒子は、供給口32からチャンバー30の内壁に導入され、チャンバー30内を流通させることにより、微粒子を遠心力により周壁に移動させ、微粒子の濃厚相を形成させる。
コーティング物質を含有した超臨界流体は、過熱超臨界ノズル20で微粒子の濃厚相に噴出させることにより、微粒子表面上にコーティング物質を直接析出させる。
このとき、微粒子に均一なコーティング層を確実に被覆させるため、チャンバー30内を循環滞留させることが好ましい。
尚、製品であるコーティング微粒子は、サイクロン等のコーティング微粒子の回収手段38を介して得ることができる。
【0025】
図2は、本発明の微粒子のコーティング装置の他の例を示すものであり、(a)は断面概要図であり、(b)は(a)の要部拡大図である。
本発明の微粒子のコーティング装置は、図2に示すように、螺旋管状に形成されたチャンバー40と、チャンバー40の上流側に設けた気流又は気流に搬送された微粒子の吹込口42と、チャンバー40の中流側に複数個設けた過熱超臨界ノズル20と、チャンバー40の下流側に設けた排気口44と、チャンバー40の上流側に設けたコーティング微粒子の回収手段48を備えてなるものである。
【0026】
次に、図2の装置を用いた微粒子のコーティング方法について説明する。
まず、核粒子である微粒子は、フィーダ付きホッパー46から送風ライン45に供給され、気流によりチャンバー40内へ搬送される。
気流により搬送された微粒子は、吹込口42からチャンバー40に導入され、チャンバー40の下から上へ流通させることにより、微粒子を遠心力により外側に移動させ、微粒子の濃厚相を形成させる。
コーティング物質を含有した超臨界流体は、過熱超臨界ノズル20で微粒子の濃厚相に噴出させることにより、微粒子表面上にコーティング物質を直接析出させる。
このとき、微粒子に均一なコーティング層を確実に被覆させるため、チャンバー40内を循環滞留させることが好ましい。
尚、製品であるコーティング微粒子は、サイクロン等のコーティング微粒子の回収手段48を介して得ることができる。
【0027】
次に、図3の装置を用いた微粒子のコーティング方法について説明する。
本発明の微粒子コーティング装置は、図3に示すように、回転円筒状に形成されたチャンバー50と、チャンバー50の外周部に設けた遠心流動層室52と、遠心流動層室52に設けた過熱超臨界ノズル20を備えてなるものである。
【0028】
次に、図3の装置を用いた微粒子のコーティング方法について説明する。
まず、核粒子である微粒子は、チャンバー50の外周部に設けた遠心流動層室52に導入される。
遠心流動層室52に導入された微粒子は、回転用プーリー56により伝達されたチャンバー50の回転運動により、遠心流動層室52に遠心力(10〜100G)を発生させ、分散板53から圧力ガスを導入することにより、微粒子を循環流動化させ、微粒子の濃厚相を形成させる。
コーティング物質を含有した超臨界流体は、過熱超臨界ノズル20で微粒子の濃厚相に噴出させることにより、微粒子表面上にコーティング物質を直接析出させる。
このとき、微粒子に均一なコーティング層を確実に被覆させるため、遠心流動層室52内を循環滞留させることが好ましい。
尚、製品であるコーティング微粒子は、遠心流動層室52から取り出すことによって得ることができる。
【0029】
尚、図1〜3の装置を用いた微粒子のコーティング方法は、過熱超臨界ノズル20近傍のごく狭い領域でコーティングが主に行われており、具体的には、過熱超臨界ノズル20から、多数の微少な核(クラスターと呼ばれる分子や原子の集合体)が生成され、これらが核粒子表面に付着することにより、核粒子にコーティング層の被覆が行われていると考えられている。
【0030】
このとき、核粒子に均質かつ一定の厚さのコーティング層の被覆を行うためには、超臨界噴出法の原理を考慮して、核粒子と過熱超臨界ノズルとの距離をできるだけ短く(例えば、5mm)するとともに、十分なコーティング時間を取ることが好ましい。
【0031】
本発明で用いた過熱超臨界ノズル20は、超臨界噴出法に基づいて開発されたものであり、図4に示すように、ノズル出口温度T1を超臨界流体になる前の媒体の凝縮点又は凝固点よりも高くするため、ノズル入口16b付近のフィードライン14に過熱用ヒータ12を配設したことが最大の特徴である。
尚、ノズル出口温度T1は、ノズル入口16bでの圧力及び温度T2が高いほど上昇し、ノズル出口温度T1が上昇すると、コーティング物質の核がより微細になりやすくなるため、より均一なコーティングを行うことができる。
【0032】
これにより、本発明で用いた過熱超臨界ノズル20は、超臨界ノズル16から噴出した媒体が液滴になることがないため、ドライな状態で微粒子にコーティングすることができる。
また、本発明で用いた過熱超臨界ノズルは、媒体がノズル周辺で凝固することがないため、超臨界ノズルの詰まりやコーティングの不具合を防止することができる。
【0033】
ここで、超臨界噴出法(RESS法:Rapid Expansion of Supercritical Fluid Solutions)は、溶媒である超臨界流体に溶質を溶かした溶液を、微細な口径のノズルから大気中に噴出させて、上記溶液を断熱膨脹させ、上記溶液の圧力及び温度が急激に低下させて、上記溶液中の溶媒の溶解力を激減させることにより、溶質のみを析出させることができるものである。
尚、本発明では、溶液だけでなく、コロイド溶液又はスラリー(微細な固体粒子が液体中に分散している濃厚な懸濁液)であってもよい。
【0034】
尚、超臨界流体とは、臨界点よりも高い温度と圧力下にある流体であり、液体のように高密度状態であるにもかかわらず、気体のように運動することが可能であるものである。
また、超臨界流体は、物質をかなり溶解又は分散させることができるとともに、臨界点近傍で少しの温度あるいは圧力を変化させることにより、超臨界流体の密度を大きく変化させ、物質の溶解度又は分散度を大きく変えることができることも知られている。
更に、超臨界流体は、二酸化炭素、エチルアルコール、メチルアルコール、水等多くの物質で発現させることができ、溶解又は分散させるコーティング物質やコーティング対象微粒子によって適宜選択することができる。
【0035】
次に、本発明で用いた超臨界噴出法について図面に基づいて更に詳細に説明する。
図5〜6は、本発明で用いた超臨界噴出法のプロセスを示す概要図である。
本発明で用いた超臨界噴出法は、図5に示すようなプロセスで行われる。
コーティング剤用貯槽3から供給されたコーティング剤(コーティング物質である溶質又は分散相を含有したもの)は、ポンプ7で混合調整槽10に送液される。
媒体用貯槽1から供給された媒体(例えば、水やアルコール等)は、ポンプ6で臨界圧力以上に加圧された後、ヒータ8で臨界温度以上に加熱することにより超臨界流体となる。
次に、超臨界流体は、予めコーティング剤が充填された混合調整槽10に供給され、超臨界流体にコーティング剤を一定時間溶解又は分散させることにより、コーティング物質を含有した超臨界流体となる。
更に、コーティング物質を含有した超臨界流体は、ノズル入口付近のフィードライン14を過熱用ヒータ12で所定の温度(ノズル出口温度が超臨界流体になる前の媒体の凝固点よりも高い温度)に過熱した後、微細な口径の超臨界ノズル16から噴出させることにより、コーティング物質の超微粒子核を析出させる。
【0036】
また、本発明で用いた超臨界噴出法は、図6に示すようなプロセスで行われる。
コーティング物質は、フィーダ付きホッパー9で混合調整槽10に投入される。
媒体用タンク2から供給され、液化装置5で液化された媒体(例えば、CO2等)は、ポンプ6で臨界圧力以上に加圧された後、ヒータ8で臨界温度以上に加熱することにより超臨界流体となる。
次に、超臨界流体は、予めコーティング物質が充填された混合調整槽10に供給され、超臨界流体にコーティング剤を一定時間溶解又は分散させることにより、コーティング物質を含有した超臨界流体となる。
更に、コーティング物質を含有した超臨界流体は、ノズル入口付近のフィードライン14を過熱用ヒータ12で所定の温度(ノズル出口温度が超臨界流体になる前の媒体の凝固点よりも高い温度)に過熱した後、微細な口径の超臨界ノズル16から噴出させることにより、コーティング物質の超微粒子核を析出させる。
【0037】
【発明の効果】
本発明の微粒子のコーティング方法及び装置は、液滴が存在せずドライな状態で微粒子にコーティングすることができるため、微粒子の造粒及び凝集を防止することができるとともに、微粒子を搬送する気流と遠心力により微粒子が流動化されているため、粒径が0.05〜100μmの微粒子に均質かつ一定の厚さのコーティング層を効率的に被覆することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の微粒子のコーティング装置の一例を示す断面概要図である。
【図2】 本発明の微粒子のコーティング装置の他の例を示すものであり、(a)は断面概要図であり、(b)は(a)の要部拡大図である。
【図3】 本発明の微粒子のコーティング装置の更に他の例を示す断面概要図である。
【図4】 本発明で用いた過熱超臨界ノズルの一例を示す概略断面図である。
【図5】 本発明で用いた超臨界噴出法のプロセスの一例を示す概要図である。
【図6】 本発明で用いた超臨界噴出法のプロセスの他の例を示す概要図である。
【図7】 従来の微粒子のコーティング装置の一例を示す断面概要図である。
【図8】 従来の微粒子のコーティング装置の他の例を示す断面概要図である。
【符号の説明】
1…媒体用貯槽、2…媒体用ボンベ、3…コーティング剤用貯槽、4…バルブ、5…液化装置、6,7…ポンプ 、8…ヒータ、9…フィーダ付きホッパー、10…混合調整槽、12…過熱用ヒータ、14…フィードライン、16…超臨界ノズル、16a…ノズル出口、16b…ノズル入口、20…過熱超臨界ノズル、30…チャンバー、32…供給口、34…排気口、35…送風ライン、36…フィーダ付きホッパー、38…コーティング微粒子の回収手段、40…チャンバー、42…吹込口、44…排気口、45…送風ライン、46…フィーダ付きホッパー、48…コーティング微粒子の回収手段、50…チャンバー、52…遠心流動層室、53…分散板、54…排気口、55…圧力ガス導入口、56…回転用プーリー、57…軸受、58…回転用シール、60…チャンバー、62…サイクロン、64…返送ライン、66…分散板、67…流動層、68…上昇内管、69…送風機、70…2流体型ノズル。

Claims (9)

  1. 微粒子の表面を均質かつ一定の厚さのコーティング層で被覆する微粒子のコーティング方法であって、
    該微粒子を搬送する気流と遠心力により微粒子を流動化しつつ、微粒子の濃厚相を形成させ、
    溶液を微細な口径のノズルから大気中に噴出させて、該溶液を断熱膨脹させ、該溶液の圧力及び温度が急激に低下させて、該溶液中の溶媒の溶解力を激減させることにより、溶質のみを析出させ、且つ液滴が存在せずドライな状態とする機能を有する過熱超臨界ノズルを用い、
    溶媒である超臨界流体にコーティング物質である溶質を溶かした溶液を、該過熱超臨界ノズルから該濃厚相に噴出させることにより、微粒子の表面上にコーティング物質を直接析出させ、微粒子に均一なコーティング層を被覆させ、微粒子を循環滞留又は流動滞留させることを特徴とする微粒子のコーティング方法。
  2. 微粒子の粒径が、0.05〜100μmである請求項1に記載の微粒子のコーティング方法。
  3. 過熱超臨界ノズルの出口温度を、超臨界流体になる前の媒体の凝縮点又は凝固点よりも高くした請求項1又は2に記載の微粒子のコーティング方法。
  4. 微粒子の表面を均質かつ一定の厚さのコーティング層で被覆する微粒子のコーティング装置であって、
    リング状の略円管状に形成され、且つ該微粒子を搬送する気流と遠心力により、該微粒子を流動化しつつ、該微粒子の濃厚相を形成するチャンバーと、
    該チャンバーに設け気流に搬送された微粒子の供給口と、
    該チャンバーに設けた超臨界ノズルのノズル入口付近のフィードラインに過熱用ヒータを配設し、液滴が存在せずドライな状態で該微粒子にコーティングする過熱超臨界ノズルと、
    該チャンバーに設けた排気口と、
    該チャンバーに設けたコーティング微粒子の回収手段と、
    を備えたことを特徴とする微粒子のコーティング装置。
  5. 過熱超臨界ノズルの出口温度を、超臨界流体になる前の媒体の凝縮点又は凝固点よりも高くする過熱装置を有する請求項4に記載の微粒子のコーティング装置。
  6. 微粒子の表面を均質かつ一定の厚さのコーティング層で被覆する微粒子のコーティング装置であって、
    螺旋管状に形成され、且つ該微粒子を搬送する気流と遠心力により、該微粒子を流動化しつつ、該微粒子の濃厚相を形成するチャンバーと、
    該チャンバーの上流側に設け気流に搬送された微粒子の吹込口と、
    該チャンバーの中流側に設けた超臨界ノズルのノズル入口付近のフィードラインに過熱用ヒータを配設し、液滴が存在せずドライな状態で該微粒子にコーティングする過熱超臨界ノズルと、
    該チャンバーの下流側に設けた排気口と、
    該チャンバーの上流側に設けたコーティング微粒子の回収手段と、
    を備えたことを特徴とする微粒子のコーティング装置。
  7. 過熱超臨界ノズルの出口温度を、超臨界流体になる前の媒体の凝縮点又は凝固点よりも高くする過熱装置を有する請求項6に記載の微粒子のコーティング装置。
  8. 微粒子の表面を均質かつ一定の厚さのコーティング層で被覆する微粒子のコーティング装置であって、
    回転円筒状に形成され、且つ該微粒子を搬送する気流と遠心力により、該微粒子を流動化しつつ、該微粒子の濃厚相を形成するチャンバーと、
    該チャンバーの外周部に設けた微粒子を遠心力により押し付け、該外周部からのガスにより流動化させる遠心流動層室と、
    該遠心流動層室に設けた超臨界ノズルのノズル入口付近のフィードラインに過熱用ヒータを配設し、液滴が存在せずドライな状態で該微粒子にコーティングする過熱超臨界ノズルと、
    を備えたことを特徴とする微粒子のコーティング装置。
  9. 過熱超臨界ノズルの出口温度を、超臨界流体になる前の媒体の凝縮点又は凝固点よりも高くする過熱装置を有する請求項8に記載の微粒子のコーティング装置。
JP31250399A 1999-11-02 1999-11-02 微粒子のコーティング方法及び装置 Expired - Lifetime JP4309531B2 (ja)

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