JPH10168346A - 抗菌性粉体塗料 - Google Patents

抗菌性粉体塗料

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JPH10168346A
JPH10168346A JP33346796A JP33346796A JPH10168346A JP H10168346 A JPH10168346 A JP H10168346A JP 33346796 A JP33346796 A JP 33346796A JP 33346796 A JP33346796 A JP 33346796A JP H10168346 A JPH10168346 A JP H10168346A
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JP
Japan
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powder coating
antibacterial
weight
resin
coating
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JP33346796A
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Kazuhiko Onishi
和彦 大西
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Kansai Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】抗菌性に優れた熱硬化性粉体塗料。 【解決手段】熱硬化性粉体塗料に、抗菌性金属成分と該
抗菌性金属成分以外の金属酸化物で構成される平均粒子
径が500nm以下の微粒子を含有するコロイド溶液よ
りなる抗菌剤を乾式混合法にて該粉体塗料粒子表面に付
着させてなる抗菌性粉体塗料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗菌性粉体塗料に関
し、詳しくは経時的に変色することなく、しかも優れた
抗菌性を有する塗膜を提供しうる抗菌性粉体塗料に関す
る。
【0002】
【従来技術】従来より、粉体塗料は家電製品、事務用
品、鋼製家具、建材等の工業用製品分野において広く使
用されている。これらの製品の塗装面には細菌、黴等の
菌が繁殖して塗膜にシミ、斑点等を発生し塗膜美観を損
ねたり、塗膜が菌によって侵され製品の寿命が短くなっ
たりするといった欠点がある。
【0003】このような菌による害を防止するために、
例えば、粉体塗料に金属イオンを有する燐酸塩系化合物
を抗菌剤として配合してなる抗菌性粉体塗料(特開平6
−25561号公報)が知られている。
【0004】このような粉体塗料は粉末状の抗菌剤と粉
体塗料を配合した後、ヘンシェルミキサー等により分散
混合して製造されている。しかしながら、このような方
法で製造した粉体塗料は、粉体塗料の粒子表面に均一に
付着させるこは困難であり、また静電粉体塗装において
は粉体塗料と抗菌剤との静電(帯電)特性の違いにより
塗着効率が異なるため、抗菌剤が塗膜中に不均一に存在
したり、塗膜中に含まれる抗菌剤が少なくなったりする
ので十分な抗菌性が得られないといった問題点があっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、抗菌剤を含
有する抗菌性粉体塗料であって、優れた抗菌性を有し、
さらに形成された塗膜においても変色が殆どない抗菌性
粉体塗料を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、特定の抗菌剤を配
合することが極めて有効であることを見出し、本発明を
完成した。
【0007】即ち、本発明は、 1.熱硬化性粉体塗料に、抗菌性金属成分と該抗菌性金
属成分以外の金属酸化物で構成される平均粒子径が50
0nm以下の微粒子を含有するコロイド溶液よりなる抗
菌剤を乾式混合法にて該粉体塗料粒子表面に付着させて
なることを特徴とする抗菌性粉体塗料、 2.熱硬化性粉体が、平均粒子径5〜100μmである
ことを特徴とする上記の抗菌性粉体塗料に係わる。
【0008】本発明抗菌性粉体塗料で使用する熱硬化性
粉体塗料は、加熱によって架橋硬化する熱硬化性粉体樹
脂を樹脂成分とする粉体塗料を使用することができる。
該熱硬化性粉体樹脂としては、従来から公知のものを使
用することができ、好ましくは官能基を有する基体樹脂
に該官能基と架橋反応する基を有する硬化剤とを組合わ
せて配合してなるものが使用できる。
【0009】基体樹脂と架橋剤との組合わせの代表例と
しては、水酸基含有基体樹脂にブロックポリイソシアネ
−ト化合物、アミノ樹脂等の硬化剤を配合したもの、エ
ポキシ基含有樹脂にポリカルボン酸(カルボン酸無水物
も含む)化合物、エポキシカチオン重合触媒、アミド化
合物、イミダゾール系化合物等を配合したもの、ポリカ
ルボン酸樹脂にポリエポキシドなどを配合したものが挙
げられる。
【0010】基体樹脂としては、重量平均分子量約50
00〜100000、好ましくは6000〜50000
の範囲の軟化点約30〜140℃、好ましくは約40〜
120℃の範囲のものが好適である。重量平均分子量が
約5000を下回ると耐水性、耐候性等の塗膜性能が低
下し、一方、100000を越えると抗菌性、平滑性等
が低下するので好ましくない。また、軟化点が30℃を
下回ると塗料のブロッキング性が低下し、一方、140
℃を上回ると抗菌性、平滑性等の性能及び塗膜外観が低
下するので好ましくない。
【0011】基体樹脂中の官能基の数は、1分子当たり
平均約2個以上が良い。この範囲を下回ると抗菌剤を塗
膜に固定化することが困難となり、その結果として抗菌
性が低下するので好ましくない。更に好ましくは平均約
2〜500個の範囲である。
【0012】基体樹脂としては、例えば、アクリル系樹
脂、ポリエステル系樹脂、シリコ−ン系樹脂、フッソ系
樹脂等の樹脂中に水酸基が導入された水酸基含有樹脂、
アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂等の樹脂中にエポ
キシ基が導入されたものやビスフェノ−ル−エピクロル
ヒドリン型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂等
のエポキシ基含有樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル
系樹脂、フッソ系樹脂等の樹脂中にカルボキシル基が導
入されたポリカルボン酸樹脂等が挙げられる。これらの
樹脂は1種もしくは2種以上組合わせて使用することが
できる。
【0013】また、硬化剤としては、重量平均分子量約
98〜10000、好ましくは約100〜5000の範
囲のものが良い。重量平均分子量約98を下回るものは
入手し難く、一方、約10000を上回ると抗菌性、平
滑性等が低下するので好ましくない。
【0014】硬化剤としては、例えば、ε−カプロラク
タムブロックイソホロンジイソシアネ−ト等のブロック
ポリイソシアネ−ト化合物、ヘキサメトキシメラミン樹
脂等のアミノ樹脂、アジピン酸、アゼライン酸、ドデカ
ン二酸、無水アジピン酸、無水トリメリット酸等のポリ
カルボン酸化合物、ベンジル−4−ヒドロキシフェニル
メチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネ−ト等の
芳香族スルホニウム塩のカチオン重合触媒、ジシアンジ
アミド、アジピン酸ジヒドラジッド等のアミド化合物、
トリグリシジルイソシアヌレ−ト等のポリエポキシド等
が代表例として挙げられる。
【0015】基体樹脂と硬化剤との配合割合は、基体樹
脂100重量部当たりカチオン重合触媒の場合には約
0.01〜10重量部、好ましくは約0.1〜5重量部
の範囲、カチオン重合触媒以外の場合には約10〜10
0重量部、好ましくは約15〜80重量部の範囲が好適
である。
【0016】熱硬化性粉体樹脂に上記した成分以外に必
要に応じて着色剤、充填剤、防錆剤、紫外線安定剤、紫
外線吸収剤(ベンゾトリアゾール化合物等)、下記以外
の抗菌剤(例えば、ビス(ピリジン−2−チオ−ル−1
−オキシド)亜鉛塩等)、上記以外の硬化触媒、流動性
調整剤、ハジキ防止剤等の塗料用添加剤が配合できる。
【0017】熱硬化性粉体塗料は、例えば上記成分をヘ
ンシェルミキサーなどにより乾式混合分散したのち、溶
融混合分散し、冷却、粗粉砕、微粉砕、濾過することに
より製造することができる。
【0018】熱硬化性粉体塗料は、平均粒子径が5〜1
00μm、好ましくは10〜80μmの範囲が良い。平
均粒子径が5μm未満になると、静電粉体塗装作業性が
低下し、一方100μmを越えると塗着効率、塗膜外観
等が低下するので好ましくない。
【0019】本発明で使用する抗菌剤は、抗菌性金属成
分と該抗菌性金属成分以外の金属酸化物で構成される平
均粒子径が500nm以下、好ましくは300nm以
下、更には3〜250nmの範囲の微粒子を含有するコ
ロイド溶液よりなるものである。平均粒子径が500n
mを越えると抗菌剤が粉体粒子表面に付着し難くなるた
め静電塗装による塗着効率が低下したり、静電塗装中に
抗菌剤が粉体塗料粒子と分離し易くなるので抗菌性に優
れた塗膜が形成できないといった欠点がある。
【0020】抗菌剤の固形分は、0.01〜25重量
%、好ましくは0.1〜20重量%の範囲が良い。固形
分が0.01重量%未満になると粉体塗料に含まれる水
分が多くなり、その水分を除去するための時間が多く掛
かるようになるので好ましくない、一方、25重量%を
越えると粉体塗料粒子表面に均一に付着させることが困
難となり、そのために塗膜の抗菌性が悪くなるので好ま
しくない。
【0021】本発明で使用する抗菌剤としては、特開平
6ー80527号公報、及び特開平7ー33616号公
報に記載の抗菌剤が挙げられる。
【0022】該抗菌剤については、該公報に記載されて
いるので、ここでは下記した概略の説明でもって詳細な
説明に代える。
【0023】特開平6ー80527号公報は、負の電荷
を有する無機酸化物コロイド粒子に抗菌性金属成分を付
着せしめた抗菌性無機酸化物コロイド溶液からなる抗菌
剤である。
【0024】無機酸化物コロイド粒子としては、コロイ
ド溶液で負の電荷を有する無機酸化物コロイド粒子であ
り、単一又は複合酸化物コロイド粒子、あるいはこれら
の混合物を使用することができる。単一の酸化物コロイ
ド粒子としては、例えば二酸化チタン、二酸化珪素、二
酸化ジルコニウム、三酸化二鉄、五酸化二アンチモン、
三酸化タングステン等が挙げられ、複合酸化物コロイド
粒子としては、例えば二酸化珪素・三酸化二アルミニウ
ム、二酸化珪素・三酸化二硼素、二酸化珪素・五酸化二
リン、二酸化セリウム・二酸化チタン、五酸化二アンチ
モン・二酸化珪素、二酸化チタン・二酸化珪素、二酸化
珪素・三酸化二アルミニウム・二酸化チタン、三酸化二
アルミニウム・二酸化チタン・二酸化セリウム、二酸化
珪素・三酸化二アルミニウム・酸化マグネシウム、二酸
化珪素・三酸化二アルミニウム・酸化カルシウム、二酸
化珪素・二酸化チタン・三酸化二鉄等が挙げられる。
【0025】抗菌性金属成分としては、例えば銀、銅、
亜鉛、錫、鉛、ビスマス、カドミウム、クロム、水銀等
が挙げられる。特に銀、銅、亜鉛が好ましい。
【0026】上記無機酸化物コロイド粒子中の付着抗菌
性金属成分の量は、酸化物換算で0.1〜25重量%が
好ましい。コロイド溶液の濃度は、酸化物として1〜1
0重量%が好ましい。
【0027】特開平7ー33616号公報は、抗菌性金
属成分と該抗菌性金属成分以外の無機酸化物とから構成
される微粒子が分散してなる抗菌性無機酸化物コロイド
溶液であって、当該コロイド溶液中の抗菌性金属成分の
重量をA、該コロイド溶液を超遠心分離処理して遊離し
た抗菌性金属成分の重量をBとしたとき、B/Aで表さ
れる抗菌性金属成分の結合力指数Iの値が1.0×10
−3以下の抗菌剤である。抗菌性金属成分及び抗菌性金
属成分以外の無機酸化物としては上記のものと同様のも
のが挙げられる。
【0028】抗菌剤の配合割合(固形分換算)は、熱硬
化性粉体塗料100重量部に対して約0.001〜20
重量部、さらに好ましくは0.05〜5重量部が抗菌効
果及び経済性の面から好適である。
【0029】本発明の抗菌性粉体塗料は、上記の熱硬化
性粉体塗料に抗菌剤を乾式混合法により製造することが
できる。該乾式混合法は、上記で製造された熱硬化性粉
体塗料をヘンシェルミキサー等の混合機により粉体塗料
を攪拌しながら、このものに抗菌剤を徐々に滴下(添
加)する製造方法である。次いで得られた粉体塗料を必
要に応じて減圧等により水分を除去することができる。
該方法によって製造された塗料は熱硬化性粉体塗料粒子
の表面に抗菌剤が均一にかつ強く付着するので静電粉体
塗装により、両者の成分が分離する恐れがないので、静
電粉体塗装作業性(塗着効率)や抗菌性に優れた塗膜を
形成することができる。
【0030】抗菌性粉体塗料を製造する方法として、基
体樹脂、硬化剤、抗菌剤、顔料などを溶融(加熱)混練
法にて製造する方法もあるが、このような方法で得られ
た抗菌性粉体塗料は、粉体塗料粒子内部に抗菌剤が含ま
れるようになるため塗膜の抗菌効果が薄れるので好まし
くない。本発明の抗菌性粉体塗料は、被塗物に粉体塗装
し、焼付け(例えば、約170℃以上の温度で約30分
間)によって硬化塗膜を形成することができる。
【0031】粉体塗装は、それ自体公知の方法、例え
ば、静電粉体塗装、摩擦帯電粉体塗装等の塗装方法によ
って行うことができる。
【0032】塗装膜厚は、特に制限されないが、約30
μm〜250μm、好ましくは約50μm〜100μm
の範囲が好適である。
【0033】本発明の抗菌性粉体塗料は、防カビ及び抗
菌性を有し且つ変色することのない塗膜を提供し得るこ
とから、例えば、電気製品、食品関係製品、住宅関連製
品、車両、熱交換器、医療関係などの幅広い用途に適用
性がある。
【0034】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。尚、部及び%はそれぞれ重量部及び重量%を示す。
【0035】抗菌性粉体塗料の製造例 実施例1 エピコ−ト1004(ダウケミカル社製、軟化点97〜
103℃、平均分子量約1400、エポキシ樹脂、以下
同様の意味を示す)1000重量部、アジピン酸ジヒド
ラジッド200重量部、チタン白JR−701(テイカ
社製、商品名)500重量部を2軸エクストル−ダ−で
溶融混練した後、冷却、粉砕、濾過して平均粒子径約3
0μmの白色の熱硬化性粉体樹脂を製造した。次いで、
該白色の熱硬化性粉体樹脂1000重量部を容量5リッ
トルのヘンシェルミキサーに仕込み回転数2000(r
pm)で粉体塗料を攪拌しながら、このものに抗菌性無
機酸化物コロイド溶液A(特開平7ー33616号公報
に記載の実施例1のもの、下記に内容についての概略を
示す)70重量部を徐々に仕込み、次いで粉体塗料を減
圧して水分を取り除いて実施例1のエポキシ系粉体塗料
を得た。
【0036】抗菌性無機酸化物コロイド溶液A:硫酸チ
タンを純水に溶解し、二酸化チタンとして1.0重量%
を含む水溶液を得た。この水溶液を攪拌しながら、15
重量%アンモニウム水を徐々に添加し、白色スラリー液
を得、このスラリー液を濾過、洗浄し、含水チタン酸の
ケーキを得た。このケーキ31.4gに、純水と33重
量%過酸化水素水219.8gを加えた後、80℃で1
4時間加熱し、二酸化チタンとして1.0重量%の溶液
3136gを得た。このチタン酸溶液は、黄褐色透明で
PHは8.2であった。次いで、15重量%アンモニア
水21.3gを純水618.1gで希釈したアンモニア
水中で酸化銀0.64gを溶解して、銀のアンミン錯塩
水溶液とし、さらにこの水溶液に炭酸ジルコニウムアン
モニウム15.4gを純水169.9gに溶解したもの
を添加した。この混合水溶液を前記チタン酸溶液に加
え、次に20重量%シリカゾル38.7gを加えた後、
150℃で36時間加熱した。この溶液は初期黄褐色液
であったが、36時間後に淡乳白色透明なコロイド溶液
となった。この銀成分を含む複合酸化物コロイド液のP
Hは7.5で固形分濃度は12.0重量%、コロイド粒
子の平均粒子径は5.5nmであった。
【0037】またあ、このものの結合力指数Iは1×1
0−4であった。
【0038】実施例2 ポリエステル樹脂ER−7200(日本エステル社製、
商品名、水酸基含有ポリエステル樹脂、軟化点80℃)
1000重量部、ε−カプロラクタムブロックイソホロ
ンジイソシアネ−ト105重量部、TK−1(武田薬品
工業株式会社製、商品名、錫系触媒)10重量部の配合
物及びチタン白JR−701を500重量部を配合した
ものを2軸エクストル−ダ−で溶融混練した後、冷却、
粉砕、濾過して平均粒子径約40μmの白色の熱硬化性
粉体樹脂を製造した。次いで、該白色の熱硬化性粉体樹
脂1000重量部を容量5リットルのヘンシェルミキサ
ーに仕込み回転数2000(rpm)で粉体塗料を攪拌
しながら、このものに抗菌性無機酸化物コロイド溶液B
(特開平6ー80527号公報に記載の実施例1のも
の、下記に内容についての概略を示す)266重量部を
徐々に仕込み、次いで粉体塗料を減圧して水分を取り除
いて実施例2のポリエステル系粉体塗料を得た。
【0039】抗菌性無機酸化物コロイド溶液B:二酸化
珪素濃度20重量%のコロイド溶液20gと純水380
gの混合物を80℃に加熱した。この反応母液のPHは
10.7であり、同母液に二酸化珪素として1.5重量
%の珪酸ソーダ水溶液1500gと三酸化二アルミニウ
ムとして0.5重量%のアルミン酸ソーダ水溶液150
0gとを同時に加熱して、PH12.3のシリカ・アル
ミナ複合酸化物コロイド溶液とした後、限外濾過膜で濃
縮して固形分濃度22.2重量%コロイド液を得た。こ
の液のシリカ・アルミナ複合酸化物コロイド溶液平均粒
子径30nmは負の表面電荷量が2.29μクーロン/
m2であった。このコロイド溶液22gを水で希釈して
濃度1.0重量%コロイド溶液とした。一方、酸化銀
0.08gを約20gの水に懸濁し、次いで15重量%
のアンモニア水を酸化銀が溶解するまで加えて、銀アン
ミン錯塩水溶液を得た。同様の方法で酸化亜鉛0.30
gを溶解して、亜鉛アンミン錯塩水溶液を得た。錯アン
ミン錯塩水溶液と亜鉛アンミン錯塩水溶液とを混合し、
更に銀及び亜鉛の酸化物としての合計濃度が0.5重量
%となるように水を加えて調製した。この錯アンミン錯
塩水溶液と亜鉛アンミン錯塩水溶液を前記コロイド溶液
に添加して十分に攪拌し、銀及び亜鉛の抗菌性金属成分
が付着したシリカ・アルミナ複合酸化物コロイド溶液を
限外濾過膜で濃縮して、3重量%の抗菌性シリカ・アル
ミナ複合酸化物コロイド溶液からなる抗菌剤を得た。
【0040】実施例3 グリシジル基含有アクリル系樹脂(グリシジルメタクリ
レ−ト/スチレン/メチルメタクリレ−ト/n−ブチル
アクリレ−ト=40/10/20/30“重量比”平均
分子量8000、軟化点85℃、平均粒子径約35μ
m)1000重量部、ドデカン二酸290重量部及びチ
タン白JR−701を500重量部配合したものを2軸
エクストル−ダ−で溶融混練した後、冷却、粉砕、濾過
して平均粒子径約35μmの白色の熱硬化性粉体樹脂を
製造した。次いで、該白色の熱硬化性粉体樹脂1000
重量部を容量5リットルのヘンシェルミキサーに仕込み
回転数2000(rpm)で粉体塗料を攪拌しながら、
このものに抗菌性無機酸化物コロイド溶液A(上記と同
様のもの)75重量部を徐々に仕込み、次いで粉体塗料
を減圧して水分を取り除いて実施例3のアクリル系粉体
塗料を得た。
【0041】比較例1 実施例1において抗菌性無機酸化物コロイド溶液Aを使
用しない以外は実施例1と同様にして比較例1のエポキ
シ系粉体塗料を製造した。
【0042】比較例2 実施例2において抗菌性無機酸化物コロイド溶液Bを使
用しない以外は実施例2と同様にして比較例2のポリエ
ステル系粉体塗料を製造した。
【0043】比較例3 実施例3において抗菌性無機酸化物コロイド溶液Aを使
用しない以外は実施例3と同様にして比較例3のアクリ
ル系粉体塗料を製造した。
【0044】比較例4 実施例1において抗菌性無機酸化物コロイド溶液A70
重量部に代えてAISーMAZー310(触媒化成工業
社製、商品名、平均粒子径2μmの抗菌剤粉末)8.5
重量部を使用した以外は実施例1と同様にして乾式混合
にて比較例4のエポキシ系粉体塗料を製造した。
【0045】実施例1〜3及び比較例1〜4の各種粉体
塗料の塗膜性能試験結果を表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】表1において試験は次の様にして行った。
【0048】塗膜性能試験 塗装板の調整:燐酸亜鉛処理した鋼板に乾燥膜厚が約6
0μmになるように静電粉体塗装し、180℃で30分
間焼付けを行ったものを試験として使用した。表1にお
いて仕上がり性、及び塗膜性能は下記の方法で試験し
た。
【0049】塗膜外観:塗膜表面を目視で観察し評価し
た。◎は平滑性、チヂミ等の異常がないもの、○は平滑
性、チヂミ等があるが実用上問題がないもの、△は平滑
性、チヂミ等の異常が認められるもの、×は平滑性、チ
ヂミ等の異常が著しく認められるもの。
【0050】塗膜変色性:120℃で30分間焼き付け
を行った塗膜と比較して下記の基準で評価した。◎は全
く変色が認められないもの、○は僅かに黄色の変色の感
があるが、はっきりとは認められないもの、◇は黄色の
変色が認められるが、実用上問題にはならないもの、△
は黄土色に変色しているもの、×は褐色に変色している
もの。
【0051】鏡面反射率:JIS K−5400の60
度鏡面光沢度を測定した。
【0052】抗菌性:試験塗板を抗菌性の持続力を調べ
る目的でサンシャインウェザ−メ−タ−に500時間暴
露した。得られた暴露前後の各試験塗板を以下の抗菌性
試験に供した。
【0053】被検菌として黄色ブドウ球菌( Staphyloc
occus aureus)を用い、該菌液を上記試験塗板表面に、
該試験塗板1枚当たりの菌数が105個となるように一
様に接種し、37℃で6時間保存後、菌数測定用培地
( SCDLP液体培地:カゼイン製ヘプトン17g,大豆製
ヘプトン3g,リン酸一水素カリウム2.5g、ブドウ
糖2.5g,塩化ナトリウム5gを純水1リットルに溶
解させたもの)で試験塗板上の生残菌を洗いだした。こ
の洗液を試験液として菌数測定用培地による混釈平板培
養法にて37℃で2日間培養した後、各試験塗板1枚当
たり(横70mm×縦150mm)の生菌数に換算し
た。
【0054】菌の拡散浸透防止性:塗装板から剥がし取
った塗膜片を、寒天入りブイヨン培地の入ったプラスチ
ックシャ−レ中央に置き、これに黄色ブドウ球菌( Sta
phylococcus aureus)懸濁液1mlを接種し、37℃で7
日間培養した後、プラスチックシャ−レ内の菌発生の有
無を調べた。−は試験片上にも菌の発生は認められない
もの、+は試験片上には認められないが培地に菌の発生
が認められるもの。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、特定の抗菌剤を乾式混
合法にて熱硬化性粉体塗料表面に付着させてなることか
ら、静電粉体塗装作業性、塗膜の抗菌性、防黴性等に著
しい効果を発揮するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09D 5/14 C09D 5/14 7/12 7/12 Z

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱硬化性粉体塗料に、抗菌性金属成分と該
    抗菌性金属成分以外の金属酸化物で構成される平均粒子
    径が500nm以下の微粒子を含有するコロイド溶液よ
    りなる抗菌剤を乾式混合法にて該粉体塗料粒子表面に付
    着させてなることを特徴とする抗菌性粉体塗料。
  2. 【請求項2】熱硬化性粉体が、平均粒子径5〜100μ
    mであることを特徴とする請求項1記載の抗菌性粉体塗
    料。
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