WO2004080785A1 - 車両の組立て工場および組立て方法 - Google Patents

Abstract

車両組立てに供給する多数の部材の供給作業を一つの放射中心に向かって進行させ、供給される複数の部材をその放射中心に設けた回転型の組立て台の上で車両として１台づつ組み立てる。

Description

車両の組立て工場および組立て方法

〖技術分野】

本発明は、車両の組立て工場の作業方法およぴェ場設備に関する。本発明は、 車両の組み立てに必要な多数の部品をそれぞれ組立て供給するとともに、 その 明

多数の部品により車両を組み立てる方法および組立て工場に関する。本発明は、 車両を量産する規模の大きい組立て工場に実施する。

書

【背景技術】

従来から自動車の組立ては、 一つの長い直線状のコンベアに沿って行われる 構成が広く知られている。 すなわち、 工場の内部に長い直線状のコンベアを配 置し、 この直線状のコンベアに、 はじめの工程でアクスル■モジュールを配置 し、つぎの工程で.このアクスノレ 'モジユーノレにフレーム'モジュールを取付け、 つぎの工程でフレームをこのコンベア上で上下反転させてこのフレームにェン ジンを取付け、 さらにつぎ工程でこのフレームにキヤブを取付ける、 などのよ うに、 このコンベアに沿って組立て中の車両に順次部品を取付ける組立て工程 が設けられている。 この直線状のコンベアは、 組立て作業の進行にしたがって 一つの方向に移動する。 そしてこのコンベアに沿って実行されるさまざまな組 立て工程のすべてが終了し、 所定の検査が完了した位置で、 組立てを終えた車 両がそのコンベアを離脱し出荷される。

この長い直線状のコンベアは、 操業中にはほぼ一定の速度で組立て中の車両 を緩やかに移動させる方式と、 組立て作業の実行中は移動を停止させ、 設定さ れたタイミング (タク 卜) にしたがって間欠的に移動させる方式とが知られて いる。

そしてこの直線状のコンベアの両側には、 それぞれ車両の組立てラインに組 立て用の部品および材料を供給するための工程が配置される。 すなわちアクス ノレ ·モジユーノレ、 フレーム .モジユーノレ、 エンジン、 キヤブなどが、 それぞれ 組立てラインに必要な位置で供給される。 これらの部品および材料は、 コンペ ァの流れ方向に対して原則として垂直の方向から、 それぞれ供給できる形態に 準備され、 このコンベアに供給されるように構成されている。 この部品材およ び材料を供給する工程では、 モジュールとして完成した部材をこのコンベアに 向けて供給する作業のほかに、 各モジュールについて、 それぞれの組立ての最 終工程を実行する、 組立て前の検査を行うなどの作業が含まれる。

従来例の直線形状のコンベアについては、 下記特許文献 1ないし 3 (いずれ も出願人ホンダ） などが知られている。 また、 従来知られている直線形状では ない車両の組立て工程については、 下記特許文献 4 (出願人、 ドイツ国 MC Micro) に開示がある。 また車両組立てではないが、 下記特許文献 5 (出願人、 リコー） には、 製造ラインを円形に構成した例が開示されている。

特許文献 1 ：特開平 10— 59233号公報

特許文献 2 ：特開 2000— 1825 1号公報

特許文献 3 ：特開 2002— 79964号公報

特許文献 4 ：特開平 8— 290798号公報

特許文献 5 ：特開 2002— 133710号公報

【発明の開示】

このような直線形状に形成された車両組立てラインを利用する製造方法では、 部品および材料を組立てラインに投入してから、 組立てラインの出口から製品 として出荷されるまでの間は仕掛品である。 そして仕掛品は、 その価格おょぴ 仕掛品として製造工場内にある時間に比例して金利を要することになり、 これ は経営管理上の製造コストとなる。

一方、 近年このような車両組立て工程に供給される部品および材料のモジュ ール化が進んだ。 すなわち、 車両組立てラインに対して、 このラインの垂直方 向 （流れに対する直角方向） 力 ら供給される組立てに必要な部品については、 このコンベアの両側に設けた現場で組立て作業を行うことが少なくなり、 別ェ 場で組立てられた部品および材料をモジュール化して、 組立てラインに供給す る形態が多くなつた。 このようなモジュール化により、 組立てラインの両側に 設けられる部品およぴ材料を供給するための作業場所が縮小されつつある。

また上記のような直線状の組立てラィンで作業を行う場合には、 一人の作業 者についてはその持ち場が決まっていて、 —つの組立てラインであっても、 隣 の工程や、 さらにその隣の工程については、 原則として他の部所を担当する作 業者は手出しすることができない。 しかし相応の経験を有する作業者は、 隣の 工程についても、 さらにその一つおいて瞵の工程についても作業経験がある。 そして一つの組立て工程で何らかの問題が発生すると、 隣の工程やさらにその 次の隣の工程などに応援に行き、 その工程に割り当てられた作業時間内でその 問題を解決することが可能であることが多い。

ところが直線状の組立てラインでは、 工程が進むと各作業位置が離れてしま う。 かりに別の工程で問題が発生しこれを解決するために応援に行くことがあ ると、問題が解決して自分の持ち場位置に戻るまでに時間がかかることになる。 したがって、 簡単に解決できる問題であっても、 実際に臨機応変な対応が不可 能になる事態が発生し、 やむなくラインの流れを一時的に停止するなどの措置 が取られることになる。 このような組立て工程で発生する予期しない事態に対 応するためには、 特定の工程に配置する作業者の数を多くして余裕を設けるな どの対策がとられている。

さらに近年製造される車両の仕様が多様になっている。 たとえば特定の運送 会社が発注する車両は、 標準仕様で搭載するいくつかの装置について、 これら を取付け不要として発注されるものがある。 また別の仕様では反対に標準仕様 にない装置を搭載することが求められる場合もある。 このようなこまかい点で 仕様の異なる車両が一つの組立てラインを流れると、 組立てラィンの進行速度 は作業工数の大きい仕様に合わせることになり、 作業工数の小さい仕様の車両 については人手が余ることになる。 つまり、 きわめて多数の同一品種の車両を —つのラインで組立てる利点が小さくなつている。 さらに組立て作業には、 一つの組立て作業が完了しなければ次の組立て作業 を実行できな V、性質のものもあるが、 前工程の作業がまだ実行されている状態 でも、 次の工程の作業を並行して開始することができる性質の作業工程も数多 くある。 このように時間的に重複できる工程があると、 工程配置を工夫するこ とにより一つの車両の組立てに要する作業時間を全体として小さくすることが できる。

本発明はこのような背景に行われたものであり、 本発明は、 部品を投入して から完成品が出荷されるまでの仕掛品としての時間を短縮し、 製造コストを低 減させることができる製造方法および装置を提供することを目的とする。 本発 明は、 製造ラインに配置する作業者を実質的に少なくすることができる、 新し V、形式の車両組立て方法および装置を提供することを目的とする。 本発明は、 標準仕様とは異なる仕様の車両を製造する必要がある場合にも、 経済効果を損 なうことが少ない車両組立て方法および装置を提供することを目的とする。 本 発明は、 部品および材料を供給するためのスペースを実質的に小さくすること により、 車両組立て作業に要する工場面積を小さくすることを目的とする。 本 発明は、 '一つの車両の組立てに要する複数の作業工程の作業時間を一部重複さ せることにより、 全体の組立て工程に要する時間を短縮することができる方法 および装置を提供することを目的とする。

本発明の第一は車両の組立て方法であって、 組立てに要する複数の部品およ び材料の供給作業を一つの放射中心に向かって進行させ、 供給される部品およ び材料により、 前記放射中心に設けた一つの回転型の組立て台の上で車両とし て組み立てることを特徴とする。 すなわち、 従来から利用されている直線状の 組立てラィンの思想を離れ、 回転型の組立て台の上で組立て作業を行い、 この 組立て台に向けて部品材料の供給を行うように構成する。 この構成により、 仕 掛品としての時間を短縮することができるし、 車両一台あたりの組立て工数を 小さくすることができるし、 標準仕様と異なる仕様に柔軟に対応することがで きるようになる。 また工場面積を小さくすることができる。 組立て作業の進行に応じて前記組立て台を垂直軸回りに回転させる構成とす ることができる。 この回転型の組立て台を 3 6 0度回転させるまでの間に、 一 台の車両について、 その車両が自走してその組立て台を離脱できる程度まで一 連の組み立て工程を進行させるように設定することが望ましい。 組立て作業の 進行に応じて前記回転型の組立て台の回転速度を変更することができる。 すな わち製造ラインは、 全体が同じ速度で移動させなければならないが、 回転型の 組立て台は必ずしもその回転速度を一定に維持する必要がなく、 作業の進行に 応じて組立て台の回転速度を変更制御することができる。

前記部品の供給作業には、 前記放射中心に近づくにしたがってその完成度が 高くなるようにその部品を組み立てまたは加工する作業を含む構成とすること ができる。 また、 前記回転型の組み立て台を 3 6 0度回転させるまでの間に、 一台の車両について、 その車両が自走してその組み立て台を離脱できる程度ま で一連の組み立て工程を進行させる構成とすることが望ましい。

本発明の第二は車両の組立て工場の構成であって、 複数の部品材料の供給ェ リァが放射状に配置され、その放射中心に一つの回転型の組立て台が配置され、 その組立て台を作業の進行にしたがって回転させる手段を備えたことを特徴と する。 回転型の 「組立て台」 と表現するが、 その組立て台の表面は必ずしも平 面的でなくてもよい。 組立て中の車両が安全な形態で保持され、 作業者の足場 があり、電気的な動力によりあるいは人力により、組立て中の車両を載置して、 ほぼ垂直な軸まわりに回転させることができればよい。

前記複数の部品材料の供給エリアは、 具体的には、 アクスル'モジュールの 組立て工リア、フレーム 'モジュールの組立て工リァ、エンジンの供給ェリァ、 キヤプの供給ェリア、 およびタイヤの装着工リァを含む構成とすることができ る。

この放射状に配置された部品材料の供給エリアの一つの位置には、 供給エリ ァに代えて検査装置が配置され、 その検査装置が配置された位置の前記組立て 台の回転方向下流側に出荷出口を設けることがよい。 すなわち、 組立て中の車 両をこの回転型の組立て台とともに、 ほぼ 1回転 （3 6 0度回転） させたとき に必要な組立てを完了するように構成することがよレ、。ただしこれは「 1回転」 に限定するとのことではなく、 特別の付加的な仕様があるなど、 その状況に応 じて、 2回転あるいはそれ以上の回転数で 1台の車両の組立てを完了するよう に構成することもできる。

この回転型の組立て台は、 組立て中の車両が 1台載置される構造としてもよ いし、 組立て中の車両が同時に複数台載置される構造としてもよい。 いずれの 場合にも、 組立て中の車両はその長手方向の （仮想） 中心線が組立て台の回転 中心と交又するように、組立て中の車両を組立て台の上に配置することがよい。 この回転型の組立て台はエア 'ベアリングにより支持する構造とすることがで さる。

前記放射状に配置された複数の部品の供給エリアの他に、 この部品の供給ェ リァに必要な部品を供給する部品選択エリアが設けられ、 この部品選択エリア カ ら供給される部品を搭載して前記放射状に配置された複数の部品の供給エリ ァの外側を巡回する無人搬送車を備えた構成とすることができる。

前記無人搬送車の巡回頻度は、 前記組立て台の 1回転に対して複数 n回に設 定される。 この nの値を例示すると n = 4である。 前記部品選択エリアには、 前記複数 n回の巡回のうち現在がその何回目に当たるかを表示する色別表示灯 を設けることができる。 これにより作業者の錯誤を回避することができる。 本発明による製造方法では、 一つの製造ラインで複数の組立て作業を行う従 来方法に比べると、 すべての作業工程に要する時間を一律に設定する必要がな くなるから、 一連の複数の作業工程について、 それぞれ独立に必要最小限にな るようにその時間配分を設定することができる。 また、 組立て台の回転角速度 は時間の経過に対して一様である必要はなく、 個々の作業工程の工数にしたが つて個別に設定することができる。 したがって、 全体として短時間で、 すなわ ち小さい作業工数で車両組立てを実行することができる。 これにより、 組立て 工程に配置する作業者の数を小さくすることができるとともに、 各工程の作業 床面積を小さくすることができる。 本発明により、 組立て作業現場に部品およ び材料を投入してから製品を得るまでの時間が短縮されるから、 工場内で半製 品が仕掛品として滞留経過する時間が短縮され、 実質的に車両の製造コストを 低減することができる。 このための経済的効果は顕著である。

本発明は、 標準仕様に対して一部仕様の異なる車両を製造する場合にとくに 有利である。 本発明により、 顧客の車両仕様に対するオプションの選択幅を大 きく設定することができる。 本発明により車両組立て作業に要する工場面積を 小さくすることができる。

さらに、 部品選択エリアを設け、 この部品選択エリアから無人搬送車による 部品供給を行うことにより、 部品供給作業がいちじるしく効率化される。

【図面の簡単な説明】

図 1は本発明第一実施例工場の平面図 （組立て台に被組立て車両を 1台載せ る例)。

図 2は本発明第二実施例工場の平面図 （組立て台に被組立て車両を 3台載せ る例）。

図 3は本発明第三実施例工場の平面図。

図 4は本発明第三実施例工場における無人搬送車の巡回路を説明する平面図。 【発明を実施するための最良の形態】

(第一実施例）

実施例図面を参照してさらに詳しく説明する。 図 1は本発明第一実施例車両 組立て工場の平面配置図である。 すなわちこの組立て工場では、 中心 Cのまわ りに回転する組立て台 1を設け、 この組立て台 1の上で組立て台 1を間欠的に あるいは連続的に回転させながら車両組立てを実行する。 組立て台 1の回転起 動、回転停止、および回転速度は図外のプログラム制御装置により制御される。 そしてこの中心 Cから放射状に展開する領域に、 車両組立てに必要な部品お よび材料を供給する領域を設ける。 この領域では、 供給作業が中心 Cから遠い 位置から始まり、 中心 Cに向けて供給作業が進行するように形成する。 これを それぞれ一点鎖線の矢印で示す。

さらに詳しく説明すると、 アクスル 'モジュール組立エリア 2では、 中心 C から最も遠い位置 （図面の右下） から鎮線矢印で示す方向に材料が供給され、 中心 Cに向かうにしたがって、 アクスル ·モジュ一ルの組立て作業が進行する ように構成する。 そして組立て作業に供給可能な状態になったアクスル■モジ ユールは組立て台 1の上に配置される。 その後に回転型の組立て台 1を図の左 まわり （反時計方向） に約 3 0度だけ回転させる。 つぎに、 フレーム .モジュ ール組立ェリア 3からフレーム■モジュールがこの回転型の組立て台 1に供給 される。 そしてこの組立て台 1の上に作業者が乗り込み、 このフレーム 'モジ ユールにアクスル■モジュールを取付ける。

エンジン組立エリア 4では、 この間にエンジンの組立てが進行している。 一 般にエンジンは、 その大部分がエンジン工場で組立てられた状態でこのェンジ ン組立エリア 4に供給される。 そして、 このエンジン組立エリア 4では、 車体 フレームに取り付けるための最終的な準備が実行される。そして組立て台 1は、 ちょうど搭載されているフレームの位置がエンジン取付け位置になるまで回転 されると、 エンジン組立エリア 4からこのフレーム上にエンジンを供給し、 作 業者がこれをフレームに取付ける作業を実行する。

この作業の進行中に組立て台 1はさらに回転させられて、 組立モジュール · エリア 5から組立てに必要な各種モジュールが供給される。 さらにこれら各種 モジュールの取付け作業が実行されている間に、 キヤブ組立エリア 6からキヤ プが供給され、 組立て中の車両フレームに取付けられる。 キヤブ組立エリア 6 では、 同様に中心 Cから遠い位置から材料が供給され、 中心 Cに向かうにした がってキヤブとしての完成度が高くなるように作業が続けられる。

ついで組立て台 1がさらに回転されて、 液物注入エリア 7に用意される必要 な液物が組立て中の車両に注入される。 これら液物は燃料、 ブレーキ油、 潤滑 油その他である。 この液物が注入されるとエンジンが始動される。

さらに組立て台 1が回転され、 フード 'モジュール組立エリア 8から、 フー ド ·モジュールが供給され、 これらを車両に取付ける作業が実行される。 さら に組立て台 1が回転され、 タイヤ 'バンパー組立て工リア 9からタイヤおよび バンパーが供給され、 これらが組立て中の車両に取付けられる。

さらに組立て台 1が回転されて、 組立てが完了した車両の前部が検査装置 1 0に対向するように位置する状態となる、 作業者は検査装置 1 0のプローブな どを組立てが完了した車両に一時的に接続し、 組立て完了に伴う各種検査が実 行される。 そして検査が完了すると、 出荷出口 1 1から図に矢印で示す方向に 車両が自力走行して出荷される、 あるいはさらなる艤装工程に移行される。

(第二実施例）

図 2は本発明第二実施例車両組立て工場の平面図である。 この例は、 回転型 の組立て台 1の上で、 同時にかつ継続的に 3台の車両の組立て作業を実行でき るように構成したものである。 この 3台の車両の組立て作業は、 組立て台 1の 回転とともに同時に進行する。 矢印で示す組立て台 1の回転方向の上流側では まだ組立ての完成度は低く、回転が進行し下流側になるほど完成度が高くなる。 そして完成車両から順に出荷出口 1 1から、 自力走行により搬出される。

上記第一実施例の場合には、 組立て台の上に登る作業者は、 原則として一台 の車両組立てが完成するまで、 全ての工程について順次異なる作業を実施する ことになる。 すなわちほとんど 3 6 0度にわたり、 つぎつぎと異なる作業を実 行することになる。 これに対して、 上記第二実施例の場合には、 組立て台の上 で作業を行う作業者は、 作業を工程別に分けて分担するように取り決めること ができる。 つまり、 組立て台の回転角度に応じて担当を区分し、 その担当の区 分の部分のみを次々と繰り返し実行することができる。 各モジュールの供給ェ リァで作業を行う作業者は、 そのエリァで分担する作槳を行うことになる。 上記実施例は組立て車両を組立て台の上に 1台、 または 3台載せる例につい て説明したが、 一般に組立て台に載せる車両の数は 1台または複数台とするよ うに構成することができる。

(第三実施例） 図 3は本発明第三実施例の組立て工場平面図である。 図 4は無人搬送車の巡 回ルート図である。

この第三実施例は上記第一実施例による試験の結果から、 工程をさらに改良 した形態である。 すなわち試験操業を行ったところ、 組立て台 1の周囲に準備 される部品の流れに停滞が発生する場合があることがわかった。 これに対応す るために、 この組立て工リァの側方に部品選択ェリア 1 2を別に設けた。 そし て、 この部品選択エリア 1 2に部品をいつたん集積させるとともに、 無人搬送 車 1 3を利用して各組立て工リァへ部品および材料を配送するように構成した。 無人搬送車 1 3は部品選択エリア 1 2から部品および材料を積込み、 自動操縦 により床面に設けられたマーキングをたどりながら、 各モジュール組立てエリ ァの外周を循環する。 各組立て工リア 2〜9では、 到着した無人搬送車 1 3か ら、 そのエリアに指定された部品を積み降ろす。 これは作業者の手作業により 行われる。

この無人搬送車 1 3の巡回頻度は、 試行の結果から組立て台 1のほぼ四分の 1回転ごとに同期して 1回実行することが適当であった。 無人搬送車 1 3はコ ンピュータ制御され、 組立て台 1の回転に同期してその制御信号にしたがって 部品供給を実行する。 このような構成により各モジュール組立てエリァの作業 流れが良好になった。 すなわち部品供給のための間口を広くとれることになり 部品供給が円滑化された。

制御信号の具体的な例示として、 部品選択エリア 1 2の作業者から見やすい 位置にサインボストを立て、 組立て台の 4分の 1回転ごとに 4色の信号表示を 行うことにした。 これにより無人搬送車 1 3に部品を積み込む作業者は、 現在 の作業の進行状況を適正に知ることができるとともに、 必要な部品を必要なタ イミングで正しく選択することができるようになった。 無人搬送車 1 3への部 品積込み、 および無人搬送車 1 3からの部品取り出しは、 適宜クレーンその他 の補助装置を利用することができる。

さらに一例として作業時間を例示すると、 この組立て工程の試験は、 組立て 台 1を 5 0〜6 0分で 1回転させるように制御され実行されている。 したがつ て、 無人搬送車 1 3の巡回による部品供給は 1 2〜1 5分ごとに行うことにな る。 この作業時間は、 組立て対象となる車種に応じて、 あるいは作業の慣れに 応じて、 上記例示する時問より短くあるいは長く設定することができる。

〖産業上の利用可能性】

本発明は、 部品および製品の在庫コントロールに整合させて実施する場合に とくにその経済的効果が大きい。 また本発明は工場建設の面積に制約のある場 合に、あるいは複数の仕様の異なる車両を継続的に製造する必要があるときに、 本発明を実施してきわめて有効であることが見込まれる。

Claims

請求の範囲

1 . 複数の部品の供給作業を一つの放射中心に向かって進行させ、 供給される 複数の部品を前記放射中心に設けた回転型の組立て台の上で車両として組み立 てることを特徴とする車両の組立て方法。

2 . 前記部品の供給作業には、 前記放射中心に近づくにしたがってその完成度 が高くなるようにその部品を組立てまたは加工する作業を含む請求項 1記載の 車両の組立て方法。

3 . 組立て作業の進行に応じて前記組立て台を垂直軸回りに回転させる請求項 1記載の車両の組立て方法。

4 . 前記回転型の組立て台を 3 6 0度回転させるまでの間に、 一台の車両につ いて、 その車両が自走してその組立て台を離脱できる程度まで一連の組み立て 作業を進行させる請求項 3記載の車両の組立て方法。

5 . 組立て作業の進行に応じて前記回転型の組立て台の回転速度を変更する請 求項 3記載の車両の組立て方法。

6 . 複数の部品供給エリアが放射状に配置され、 その放射中心に一つの回転型 の組立て台が配置され、 その組立て台を作業の進行にしたがって回転させる手 段を備えたことを特徴とする車両の組立て工場。

7 .前記複数の部品の供給エリアには、アクスル'モジュールの組立て工リア、 フレーム 'モジュールの組立て工リア、 エンジンの供給ェリァ、 キヤプの供給 ェリァ、およびタイャの組立て工リァを含む請求項 6記載の車両の組立て工場。

8 . 前記放射状に配置された部品の供給エリアの一つの位置には、 供給エリア に代えて検査装置が配置され、 その検査装置が配置された位置の前記組立て台 の回転下流側に出荷出口が設けられた請求項 6記載の車両の組立て工場。

9 . 前記回転型の組立て台は、 組立て中の車両が 1台その前後方向の中心軸と 前記組立て台の回転中心とが直交するように載置される構造である請求項 6記 載の車両の組立て工場。

1 0 . 前記回転型の組立て台は、 組立て中の車両が同時に複数台それぞれその 前後方向の中心軸延長線と前記組立て台の回転中心とが直交するように載置さ れる構造である請求項 6記載の車両の組立て工場。

1 1 . 前記回転型の組立て台はエア ·ベアリングにより支持された請求項 6記 載の車両の組立て工場。

1 2 . 前記放射状に配置された複数の部品の供給エリアの他に、 この部品の供 給ェリァに必要な部品を供給する部品選択ェリァが設けられ、 この部品選択ェ リアから供給される部品を搭載して前記放射状に配置された複数の部品の供給 エリアの外側を巡回する無人搬送車を備えた請求項 6記載の車両の組立て工場。

1 3 . 前記無人搬送車の巡回頻度は、 前記組立て台の 1回転に対して複数 _n回 に設定された請求項 1 2記載の車両の組立て工場。

1 4 . 前記部品選択ェリァには、 前記複数 n回の巡回のうち現在がその何回目 に当たるかを表示する色別表示灯が設けられた請求項 1 3記載の車両の組立て 工場。