WO2004035255A1 - 周期構造作成方法および表面処理方法 - Google Patents

周期構造作成方法および表面処理方法 Download PDF

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Abstract

解決すべき課題は、一軸のレーザを用いて、連続的、かつ、広範囲に周期構造を形成することである。解決手段は、一軸で、かつ加工閾値近傍のレーザ1を試料2に照射し、オーバーラップさせながら走査して、入射光と材料表面に沿った散乱光との干渉(11)によるアブレーション(12)によって、散乱光を増大させて(13)、レーザ1の波長λ間隔で干渉を起こさせて(14)、自己組織的に周期構造を作成することである(15)。作成される周期構造は、レーザ1の試料2表面への入射角を変更することによって、その周期ピッチが変更される。またレーザ1の試料2表面への入射光が角度を有する場合は、その走査方向を変更することによって、その周期ピッチが変更される。

Description

, . 明 細 書 周期構造作成方法および表面処理方法 技 術 分 野 本発明は周期構造作成方法および表面処理方法に関し、 特に材料表面に一軸のレーザを 照射して、 微細な凹凸を周期的に形成する周期構造作成方法および材料表面にレーザを照 射して周期構造を作成することにより材料表面特性を変化させる表面処理方法に関するも のである。 従 来 技 術 近年、 従来の機械と比較すると 2桁以上小さい寸法の部品から構成されているマイク口 マシンの研究が活発に行なわれている。 重力等の慣性力は寸法の 3乗に比例するが、 表面 力は寸法の 2乗に比例するため、 マイクロマシンのような小さな部品の動作時には、 重力 の影響よりも、 2物体間に作用する表面力の影響が顕在化してくる。 特に、 2物体の界面 間に大気中の水分が凝縮した水の表面張力 (メニスカスカ) に起因する引き離し力 (凝着 力)が、摩擦力に支配的な影響を与えることが知られている (例えば、非特許文献 1参照。 ) 。 また、 この引き離し力は、 表面の微細な凹凸により大きく低減できることが知られて いる (例えば、 非特許文献 2参照。 ) 。
さらに、 微細な凹凸は、 摩耗の抑制や潤滑剤の保持機能による長寿命ィヒに著しい効果が あることも報告されており (例えば、 非特許文献 3参照) 、 表面にナノスケールの微細構 造を形成する加工法の開発が望まれている。
一方、 加工閾値近傍のフルエンスで直線偏光のレーザをポリマに照射すると、 グレーテ イング状の微細周期構造が形成されることが知られている (例えば、 非特許文献 4 , 5, 6参照) 。 また、 金属や半導体にも同様の微細周期構造が形成でき、 照射角度により、 そ の周期ピッチが変化することが報告されている (例えば、 非特許文献 7 , 8参照) 。
いずれも、 波長オーダ一の周期構造が自己組織的に形成されるが、 その範囲はレーザス ポット内に限られている。 したがって、 その応用範囲も極狭い領域に限定される。 もし、 この周期構造を各種材料に対して広範囲に形成できれば、 トライボロジー特性の改善に有 効な加工法となる。 さらにフェムト秒レーザを用いることで、 熱影響による材料特性の劣 化が現われやすい小型部品や、 非常に薄い部品にも適用することが可能になる。
さらに、 チタンサファイアレ一ザを集光した高強度のフェムト秒パルスを、 2つに分割 してこれら 2軸レ一ザの干渉によって、 微細な周期構造を形成すること、 および材料を X —Yステージに取りつけて、レーザの繰り返し周波数と同期させて走査することによって、 材料全体に周期構造を形成することが報告されている (例えば、 非特許文献 9参照) 。
【非特許文献 1】
安藤泰久, 田中敏幸, 伊能ニ郎, 角田和雄:ナノメートルスケールの表面形状と摩擦力 '引き離し力の関係, 日本機械学会論文集 (C編) ,65,637(1990) P.306.
【非特許文献 2】
K.N. G. Fuller and D.Taber,: The effect of surface roughness on the adhesion of elastic sol ids, Proc . Roy. Soc . Lond. , A, 345, (1975 )P.327.
【非特許文献 3】
M.Maillat, S.M.Pimenov, G. A. Shaf eevand A. V. Simakin, Tribol Lett. , 4, ( 1998), P. 237.
【非特許文献 4】
P.E.Dyer and R. J.Farley:Periodic surface structures in the excimer laser ablative etching polymers. ,Appl.Phys. Lett. , 57,8( 1990)P.765.
【非特許文献 5】
H.hiraoka and M. Sendova:Laser-induced sub- half - micrometer periodic structure on polymer surfaces . , Ap . Phys . Lett . , 64, 5 ( 1994 )P .563.
【非特許文献 6】
.Bolle and S.Lazare: Submicron periodic structures produced on polymer surfaces with polarized excimer laser ultraviolet rad i at i on , App 1. Phy s . Lett. , 60: 6(1992)P.674.
【非特許文献 7】
A. E. Siegman, P. M.Fauchet: Stimulated Wood's anomalies on laser-illuminated surfaces, IEEE J. Quantum Electron. , QE-20, 8( 1986 )P.1384.
【非特許文献 8】
南志昌, 豊田浩一: レーザー誘起表面電磁波による金属 ·半導体のリップル形成入射角 依存性, レーザー研究, 28, 12(2000)P.824.
【非特許文献 9】
河村賢一, 平野正浩, 細野秀雄:フヱムト秒レーザーのシングルパルス干渉露光による 無機材料の微細加工とその応用, レ一ザ一研究, 3055( 2002 )P .244. 発 明 の 開 示 発明が解決しょうとする課題 上記の非特許文献 9に記載されている 2軸レーザによる干渉を用いる方法では、 レーザ を分割して 2軸レーザを形成することが必須で、 しかも、 その光路差を厳密に等しくする 必要があるのみならず、 レーザの走査速度を周期構造の周期ピツチに厳密に対応させる必 要があり、 光軸管理などが極めて煩雑であり、 また装置が複雑 '高価になる。 さらに、 2 光路に角度を持たせて干渉させるため平面にしか加工ができない上、 もし、 材料を支持す るテーブルが振動すると、 周期構造のピッチが乱れるという解決すべき課題があった。 また、 上記の非特許文献 1〜9に記載されている周期構造の作成方法では、 簡単に、 し かも広範囲に正確な周期ピッチの周期構造を作成することが困難であり、 したがって、 そ の効果も不明確であり、具体的な応用は考えられていないという解決すべき課題があった。 そこで、 本発明は、 上述のような 2軸レーザを使用することなく、 各種材料表面に一軸 のレーザを照射して周期構造を作成できる周期構造作成方法を提供することを目的とする。 また、 本発明は、 各種材料表面にレーザを照射して、 材料表面特性を変化する表面処理方 法を提供することを目的とする。 課題を解決するための手段 本発明の請求項 1に記載された周期構造作成方法は、 材料表面に、 一軸でかつ加工閾値 近傍のレーザを照射し、 その照射部をオーバ一ラップさせながら走査して、 入射光とその 材料表面に沿った散乱光の干渉部分のアブレーシヨンによって自己組織的に周期構造を作 成することを特徴とするものである。
ここで、 レーザは、 C〇2レーザや Y A Gレーザなどのピコ秒やナノ秒パルスレーザなど 、 各種のレーザを用いることが可能であるが、 例えば、 チタンサファイアレーザを利用す ることができる。 チタンサファイアレ一ザパルスは、 例えば、 ノ レス幅 1 2 O f s、 中心 波長 8 0 0 nm、 繰り返し周波数 1 k H z、 パルスエネルギー 0 . 2 5 ~ 4 0 0〃J Zp u 1 s eの超短パルスのフエムト秒レーザである。
本発明の請求項 2に記載の周期構造作成方法は、 前記レーザの走査速度を、 レーザスポ ヅト径およびレーザ発振周波数に応じて、 同一部分におけるレーザ照射回数が 1 0〜3 0 0ショットになるように設定することを特徴とするものである。
本発明の請求項 3に記載された周期構造作成方法は、 前記材料表面へのレーザの入射角 を変更して、 周期構造の周期ピッチを変更することを特徴とするものである。
本発明の請求項 4に記載された周期構造作成方法は、 レーザが入射角を有し、 レーザの 走査方向を変更して、 周期構造を変更することを特徴とするものである。
本発明の請求項 5に記載された周期構造作成方法は、 前記偏光方向を変化することによ り、 周期構造の方向を変化することを特徴とするものである。
本発明の請求項 6に記載された周期構造作成方法は、前記レーザをビームエキスパンダ、 またはビームエキスパンダおよびシリンドリカルレンズにより広範囲に形成して照射する ことを特徴とするものである。
本発明の請求項 7に記載された表面処理方法は、 材料表面に、 グレーティング構造を形 成し、 材料表面特性を変化させることを特徴とするものである。
本発明の請求項 8に記載の表面処理方法は、 材料表面に、 加工閾値近傍のレーザを照射 し、 その照射部分をオーバ一ラップさせながら走査して、 自己組織的に前記グレーティン グ構造を形成することを特徴とするものである。
本発明の請求項 9に記載された表面処理方法は、 前記グレーティング構造を、 複数方向 に重ね合わせて形成することを特徴とするものである。
本発明の請求項 1 0に記載された表面処理方法は、 前記グレーティング構造を、 複数方 向に混在させて形成することを特徴とするものである。
本発明の請求項 1 1に記載された表面処理方法は、 材料表面に、 偏光方向が異なる複数 ノ レスの加工閾値近傍のレーザをノ レスが時間的に重ならない条件で照射し、 その照射部 分をオーバーラップさせながら走査して、 自己組織的に前記グレーティング構造を複数方 向に重ね合わせて形成することを特徴とするものである。
本発明の請求項 1 2に記載された表面処理方法は、 材料表面に、 加工閾値近傍のレーザ を照射し、 その照射部分をオーバ一ラップさせながら走査する際、 走査中に偏光方向を変 化させることにより、 自己組織的に前記グレーティング構造を複数方向に混在させて形成 することを特徴とするものである。
本発明の請求項 1 3に記載された表面処理方法は、 シリンドリカルレンズを用いてレー ザを集光し、 前記グレーティング構造を広範囲に形成することを特徴とするものである。 本発明の請求項 1 4に記載された表面処理方法は、 前記グレーティング構造の周期ピッ チが 1 zm以下であることを特徴とするものである。
本発明の請求項 1 5に記載された表面処理方法は、 前記材料表面特性が、 防塵、 微粒子 付着抑制効果であることを特徴とするものである。
本発明の請求項 1 6に記載された表面処理方法は、 前記材料表面特性が、 摩擦、 摩耗低 減効果であることを特徴とするものである。
本発明の請求項 1 7に記載された表面処理方法は、 前記材料表面特性が、 濡れ性制御効 果であることを特徴とするものである。' 発 明 の 効 果 本発明の請求項 1に記載の周期構造作成方法のように、 超短パルスレーザ (フェムト秒 レ一ザ) を材料表面に照射すると、 C 02レーザや YA Gレ一ザのピコ秒やナノ秒パルスレ 一ザを照射する場合に比較して、 レーザのパルス幅が小さいので熱伝導が小さく、 レーザ 照射部分近傍の基板温度上昇はほとんどないので、 熱影響による材料特性の劣化が防止で きる。 また、 レーザを照射した部分のみに微細な周期構造を作成できるため、 マイクロマ シンなどの微細な部品の用途に好適である。
すなわち、 レーザ照射時の熱拡散長 LDは、 材料の熱拡散率を D、 レーザのパルス幅を r iとすると、 LD= (Dて J 1/2で表せる。 ここで、 D = kT/p cpで、 kT, p , cpは、 それ それ熱伝導率, 密度および比熱である。 したがって、 熱拡散長 LDは、 パルス幅て!の平方根 に比例するため、 超短パルスレーザを照射すれば、 レーザ照射時の熱拡散長が非常に小さ くなり、 パルス幅がピコ秒以下になると、 熱拡散をほとんど無視することができ、 小型の 部品加工に有利になる。
レーザが基板表面に照射されると、 基板の凹凸によりレーザが散乱され、 表面散乱が生 じる。 直線偏光のレーザを基板に照射すると、 p偏光成分の入射光 1とその表面に沿った 散乱光の干渉が起こる。 入射光のフルエンスが閾値近傍の場合、 入射光と表面に沿った散 乱光の干渉部分だけがアブレーシヨンされる。 一旦、 アブレ一シヨンが始まり表面粗さが 増加すると、 次のレーザ照射時には、 表面散乱の強度が大きくなり、 さらにアブレ一ショ ンが進むとともに、 1波長人だけ離れた位置でも干渉が起こる。レーザ照射を繰り返すと、 次々に自己組織的に波長間隔で周期構造 (グレーティング構造) が形成されていく。 この ようにして、 一軸のみのレーザ照射によって、 周期構造を作成することができる。 したが つて、 従来の 2軸レーザを照射するものに比較して、 装置が簡単、 かつ安価になる。 しか も、 テーブルが振動しても、 周期構造の周期ピッチが変化しないという優れた特長がある 上、 光軸方向のワークディスタンスの変化に対して許容範囲が広く、 曲面に周期構造を形 成することが可能である。
本発明の請求項 2に記載の周期構造作成方法のように、 レーザ照射の繰り返しにより、 次々に自己組織的に波長間隔で形成されていく周期構造の凹凸は、 数十ショット程度で波 長オーダーまで成長するが、 3 0 0ショット以上レーザを照射すると熱影響により不明瞭 となる。 そこで、 同位置に照射されるショヅ ト数の合計が 1 0〜3 0 0ショットとなるよ うにォ一バーラヅプさせながら走査させることで、 周期構造を広範囲に拡張形成すること が可能になる。
本発明の請求項 3に記載の周期構造作成方法によれば、 レーザの入射角度を変更するこ とによって、入射光と材料表面に沿った散乱光との干渉によるアブレ一シヨンが変化して、 周期ピツチを変更することができるので、 任意の周期ビツチの周期構造を作成することが できる。
本発明の請求項 4に記載の周期構造作成方法によれば、 入射角を有するレーザの走査方 向を変更すると、 入射光と材料表面に沿った散乱光との干渉によるァプレーシヨンが変化 して、 周期構造を変更することができるので、 同一のレーザ照射条件で走査方向を変更す るのみで異なる周期構造を作成することができる。 また、 レーザの走査方向を変更すると 共に、 レーザの入射角を変更すれば、 より多彩に周期構造を変更することができる。
本発明の請求項 5に記載の周期構造作成方法によれば、 偏光方向と直交方向に周期構造 が形成されることを利用して、 偏光方向を変更することによって、 周期構造の方向を変更 することができる。
上記請求項 6に記載の周期構造作成方法によれば、 レーザをビームエキスパンダによつ て広範囲に形成して、 あるいは、 ビームエキスパンダによって広範囲に形成されたレーザ をシリンドリカルレンズにより扁平化して照射することによって、 一度に幅広い範囲にレ —ザ照射が可能になり、 広い面積に周期構造を効率的に作成することができる。
本発明の請求項 7に記載された表面処理方法によれば、 材料表面に、 グレーティング構 造を形成し、 材料表面特性を変化させることができる。
すなわち、 材料表面にレーザを照射してグレーティング構造を形成するが、 前述と同様 に、 照射するレ一ザは、 C〇2レーザや YA Gレーザなどのピコ秒やナノ秒パルスレ一ザな ど、 各種のレ一ザを用いることが可能であるが、 例えば、 チタンサファイアレーザを利用 することができる。 チタンサファイアレーザパルスは、 例えば、 パルス幅 1 2 O f s、 中 心波長 8 0 0 nm、 繰り返し周波数 l k H z、 パルスエネルギー 0 . 2 5〜4 0 0 J/ p u i s eの超短パルスのフエムト秒レーザである。
超短パルスレーザ (フェムト秒レーザ) を材料表面に照射すると、 C 02レーザや YA G レーザのピコ秒やナノ秒パルスレーザを照射する場合に比較して、 レーザのパルス幅が小 さいので熱伝導が小さく、 レーザ照射部分近傍の基板温度上昇はほとんどないので、 熱影 響による材料特性の劣化が防止できる。 また、 レーザを照射した部分のみに微細なグレー ティング構造を作成できるため、 マイクロマシンなどの微細な部品の用途に好適である。 すなわち、 レーザ照射時の熱拡散長 LDは、 材料の熱拡散率を D、 レーザのパルス幅をて iとすると、 LD二 (Dて 1/2で表せる。 ここで、 D ^ kT/ p C pで、 kT, p , cpは、 それ それ熱伝導率, 密度および比熱である。 したがって、 熱拡散長 は、 パルス幅て 平方根 に比例するため、 超短パルスレーザを照射すれば、 レーザ照射時の熱拡散長が非常に小さ くなり、 パルス幅がピコ秒以下になると、 熱拡散をほとんど無視することができ、 小型の 部品加工に有利になる。
レーザが基板表面に照射されると、 基板表面の凹凸によりレーザが散乱され、 表面散乱 が生じる。 直線偏光のレーザを基板に照射すると、 p偏光成分に入射光とその表面に沿つ た散乱光の干渉が起こる。 入射光のフルエンスが閾値近傍の場合、 入射光と表面に沿った 散乱光の干渉部分だけがアブレーシヨンされる。 一旦、 アブレーシヨンが始まり表面粗さ が増加すると、 次のレ一ザ照射時には、 表面散乱の強度が大きくなり、 さらにアブレーシ ヨンが進むとともに、 1波長久だけ離れた位置でも干渉が起こる。 レーザ照射を繰り返す と、 次々に自己組織的に波長間隔で周期的にグレーティング構造が形成されていく。 この ようにして、 一軸のみのレーザ照射によって、 グレーティング構造を作成することができ る。 この材料表面へのグレーティング構造の形成により、 塵埃 ·微粒子付着性、 摩擦 -摩 耗性、 濡れ性などの一つまたは二つ以上の材料表面特性が変化させることができる。
本発明の請求項 8に記載の表面加工方法によれば、 材料表面に、 加工閾値近傍のレーザ を照射し、 その照射部分をォ一バーラップさせながら走査することにより、 自己組織的に グレーティング構造が形成される。 このグレーティング構造は、 レーザの偏光方向によつ て、 例えば、 X方向のグレーティング構造や、 Y方向のグレーティング構造などが形成で きる。 なお、 レーザ照射により形成される凹凸は、 数十ショット程度で波長オーダーまで 成長するが、 3 0 0ショット以上レーザを照射すると熱影響により不明瞭となる。そこで、 同位置に照射されるショヅト数の合計が 1 0〜3 0 0ショットとなるようにォ一バーラッ プさせながら走査させることで、 グレーティング構造を広範囲に拡張形成することが可能 になる。
本発明の請求項 9に記載の表面処理方法は、レーザの偏光方向を変更することによって、 グレ一ティング構造の方向を変更することができることに基づいて、 例えば、 加工閾値近 傍のレ一ザを照射し、 その照射部分をォ一バーラップさせながらレーザをある方向に走査 して、 一方向のグレーティング構造を形成した後、 そのグレーティング構造に重ね合わせ て、材料表面とレーザの偏光方向の相対角度を変更して、加工閾値近傍のレーザを照射し、 その照射部分をオーバーラヅプさせながらレ一ザを走査することによって、 グレーティン グ構造を形成することにより、 複数方向に重ね合わせたグレーティング構造を形成するこ とができる。 したがって、 例えば、 先のグレ一ティング形成時と後のグレーティング形成 時における材料表面とレーザの偏光方向の相対角度を 9 0 ° 変更すれば、 格子状のグレー ティング構造を形成することができるし、 先のグレーティング形成時と後のグレーティン グ形成時における材料表面とレーザの偏光方向の相対角度を 9 0 ° 以外の任意角度で変更 すれば、 斜格子状のグレーティング構造を形成することができる。
上記請求項 1 0に記載の表面処理方法によれば、 前述のように、 レーザの偏光方向を変 更することによって、グレーティング構造の方向を変更することができることに基づいて、 例えば、 加工閾値近傍のレーザを照射し、 その照射部分をオーバ一ラップさせながらレー ザをある方向に走査して、 一方向のグレーティング構造を連続的または間隔をあけて形成 した後、 そのグレーティング構造に隣接して、 または離隔させて、 材料表面とレーザの偏 光方向の相対角度を変更して、 加工閾値近傍のレーザを照射し、 その照射部分をオーバ一 ラップさせながらレーザを走査することによって、 先に形成した一方向のグレーティング 構造に隣接して、 または離隔して異なる方向にグレーティング構造を形成することができ る。 したがって、 先のグレーティング形成時と後のグレーティング形成時における材料表 面とレ一ザの偏光方向の相対角度を 9 0 ° 変更すれば、 X方向のグレーティング構造と Y 方向のグレーティング構造とを混在させて形成することができるし、 先のグレーティング 形成時と後のグレーティング形成時における材料表面とレーザの偏光方向の相対角度を 9 0 ° 以外の任意角度で変更すれば、 向きが異なったグレーティング構造を混在させて形成 することができる。
上記請求項 1 1に記載の表面処理方法によれば、 レーザ発生装置で発生したレーザを、 ハーフミラーで 2つのレーザに分離し、 一方のレーザに光学遅延を形成する。 双方のレー ザを偏光装置によって所定方向に偏光させて、 ハーフミラ一に供給し、 このハーフミラー で所定方向に偏光された双方のレーザを重ね合わせて、 材料表面に照射することで、 偏光 方向が異なる複数パルスの加工閾値近傍のレーザを、 材料表面に所定の時間間隔で照射す ることができる。 そして、 その照射部分をオーバ一ラップさせながら走査することによつ て、 自己組織的に複数方向に重ね合わされたグレーティング構造を一度に形成することが できる。 したがって、 例えば、 偏光方向が 9 0 ° 異なる複数パルスの加工閾値近傍のレー ザを所定の時間間隔で照射し、 その照射部分をオーバーラップさせながら走査することに よって、 自己組織的に X方向のグレーティング構造と方向が 9 0 ° 異なる Y方向のグレ一 ティング構造とを重ね合わせた格子状のグレーティング構造を一度に形成することができ る。 偏光方向が 9 0。 以外の任意角度異なる複数パルスの加工閾値近傍のレーザを所定の 時間間隔で照射し、 その照射部分をオーバーラップさせながら走査することによって、 自 己組織的に 9 0 ° 以外の任意角度で交差する斜格子状のグレーティング構造を形成するこ とができる。
上記請求項 1 2に記載の表面処理方法によれば、 前述のように、 レーザの偏光方向を変 更することによって、グレ一ティング構造の方向を変更することができることに基づいて、 例えば、 加工閾値近傍のレーザを照射し、 その照射部分をオーバーラップさせながらレー ザを走査して、 グレーティング構造を所定の長さ形成した後、 レーザの照射を継続しなが ら、 そのグレーティング構造に隣接して、 または離隔させて、 レーザの偏光方向を変更し て、 加工閾値近傍のレーザを照射し、 その照射部分をオーバーラップさせながらレーザを 走査することによって、 先に形成したグレ一ティング構造に隣接して、 または離隔して方 向の異なるグレーティング構造を形成することができる。 したがって、 先の偏光方向と後 の偏光方向とを 9 0 ° 変更すれば、 縦方向のグレーティング構造と横方向のグレーティン グ構造とを混在させて形成することができるし、 レーザ走査中に偏光方向を任意の回数 9 0 ° 以外の任意角度で変更すれば、 任意の方向のグレーティング構造を任意の数、 混在さ せて形成することができる。
上記請求項 1 3に記載の表面処理方法によれば、 レーザビームをビームエキスパンダに よって大径のレーザビームに拡大し、 この大径のレーザビームをシリンドリカルレンズに よって集光すると、 幅狭状で長い線状レーザが得られるので、 この線状レーザを材料表面 に照射し、 その照射部分をオーバ一ラップさせながら走査して、 自己組織的に前記グレー ティング構造を広範囲に形成することができる。 したがって、 大面積のグレーティング構 造を短時間で形成することができる。
上記請求項 1 4に記載の表面処理方法によれば、 従来の機械加工によっては得られなか つた周期ピヅチが 1〃m以下の微細なグレーティング構造が簡単に得られるので、 マイク ロマシンなどの微細な部品表面は元より、 通常の部品表面にも微細なグレ一ティング構造 を形成して、 その材料表面特性を変化させることができる。
上記請求項 1 5に記載の表面処理方法によれば、 グレーティング構造により大気中の水 分が凝縮した水の表面張力に起因する引き離し力が低減されることによって、 その最外表 面に付着する塵埃、 微粒子の付着力が低減され、 材料表面の防塵、 微粒子付着抑制効果が 得られる。
上記請求項 1 6に載の表面処理方法によれば、 潤滑剤を用いない乾燥摩擦においては、 グレーティング構造により引き離し力が低減されることによって、 その最外表面と摺接す る他の材料表面に作用する力が低減され、 材料表面の摩擦、 摩耗低減効果が得られる。 ま た、 潤滑剤を用いる場合は、 グレーティング構造が潤滑剤の保持および補給機能を持つこ と、 及び流体膜の負荷能力を生じること、 磨耗粉のかみ込み防止機能を持つことにより、 材料表面の摩擦、 摩耗低減効果が得られる。
上記請求項 1 Ίに記載の表面処理方法によれば、 グレーティング構造により材料の見か けの面積と実表面積の比が大きくなり、 見かけの表面エネルギーが変化することで、 濡れ 性制御効果が得られる。 図 面 の 簡 単 な 説 明 図 1は本発明の実施形態の周期構造作成方法について説明する概略斜視図である。 図 2は本発明の実施形態の周期構造作成に用いる装置の概略構成図である。
図 3 (a) は本発明の実施形態の周期構造作成方法によって S i表面にレーザを偏光方 向と平行方向に 3スキヤン走査して形成した周期構造の平面図である。
図 3 (b) は図 3 (a) の周期構造の拡大詳細図である。
図 4 (a) は本発明の実施形態の周期構造作成方法により S i表面にレーザを偏光方向 と直交方向に 3スキャン走査して形成した周期構造の平面図である。
図 4 (b) は図 4 (a) の周期構造の拡大詳細図である。
図 5は本発明の実施形態の周期構造作成方法によりレーザフルエンスを加工閾値ぎりぎ りにして S i表面に形成した周期構造の平面図である。
図 6は本発明の実施形態の周期構造作成方法により S i表面にシリンドリカルレンズを 用いて形成した周期構造の拡大詳細図である。
図 7は本発明の実施形態の周期構造作成方法により C uテープ表面にシリンドリカルレ ンズを用いて形成した周期構造の平面図である。
図 8 (a) は本発明の周期構造作成方法により A 1テープ表面に形成した周期構造の拡 大詳細図である。
図 8 (b) は本発明の周期構造作成方法により A 1箔表面に形成した周期構造の拡大詳 細面図である。
図 9 (a) は入射光と散乱光との s—タイプ干渉の生成理由の説明図である。
図 9 (b) は入射光と散乱光との s+タイプ干渉の生成理由の説明図である。
図 10は入射光が角度を有する場合の試料の送り方向の定義図である。
図 11は C uテープを送り方向 Lに走査した場合における周期構造で、
図 1 1 (a) は s—タイプの周期構造の拡大詳細図である。
図 1 1 (b) は s+タイプの周期構造の拡大詳細図である。 図 12は Cuテープを送り方向 Rに走査した場合における周期構造で、
図 12 (a) は s—タイプの周期構造の拡大詳細図である。
図 12 (b) は s+タイプの周期構造の拡大詳細図である。
図 13は Si, Cuの周期構造における周期ピッチの入射角依存性について示す特性図 である。
図 14 (a) は送り方向 Lの場合における周期構造の形成メカニズムについて説明する 模式図である。
図 14 (b) は送り方向 Rの場合における周期構造の形成メカニズムについて説明する 模式図である。
図 15 (a) は X方向の周期構造の拡大斜視図である。
図 15 (b) は Y方向の周期構造の拡大斜視図である。
図 15 (c) は X方向の周期構造と Y方向の周期構造とを重ね合わせて形成した複合型 周期構造の斜視図である。
図 15 (d) は X方向の周期構造と Y方向の周期構造とを混在させて形成した周期構造 の斜視図である。
図 16は一方向の周期構造と他方向の周期構造とを一工程で形成する周期構造形成装置 の構成図である。
図 17は回転摺動試験装置の概略構成図である。
図 18は摺動部品の摺動面に種々の形態で周期構造を形成した状態の模式的平面図で、 図 18 (a) は放射状の周期構造である。
図 18 (b) は同心円状の周期構造である。
図 18 (c) はスパイラル型 1の周期構造である。
図 18 (d) はスパイラル型 2の周期構造である。
図 19は回転摺動試験における摺動速度の変化特性図である。
図 20は各種摺動面構造の摺動試験結果における摺動速度と摩擦係数の特性図で、 図 20 (a) は鏡面どうしを摺動させた場合である。
図 20 (b) は放射状周期構造と鏡面を摺動させた場合である。 図 20 (c) は同心円状周期構造と鏡面を摺動させた場合である。
図 20 (d) はスパイラル型 1の周期構造と鏡面を摺動させた場合である。
図 21は荷重摺動試験後の摩耗痕が形成された部分の周期構造面の状態で、
図 21 (a) は放射状周期構造の場合である。
図 21 (b) は同心円状周期構造の場合である。
図 22は荷重摺動試験後の摩耗痕の生じていない部分の周期構造面の状態で、 図 22 (a) は放射状周期構造の場合である。
図 22 (b) は同心円状周期構造の場合である。
図 23はディスク/ディスクによる摺動速度と摩擦係数の特性図で、
図 23 (a) は同心円状周期構造の場合である。
図 23 (b) は放射状周期構造の場合である。
図 23 (c) はスパイラル型 1の周期構造の場合である。 発明を実施するための最良の形態 以下、 本発明の実施の原理について、 図面を参照して説明する。 図 1は本発明の周期構 造作成方法および表面加工方法における周期構造形成メカニズムについて説明する概略斜 視図と、 周期構造の作成過程のブロック図とを示す。 図 1の概略斜視図において、 レーザ 1を試料 2の表面に照射すると、 入射光の p偏光成分 3と、 表面散乱光の p偏光成分 5と の干渉が起こり定在波 7が生じる。 なお、 4は入射光の s偏光成分、 6は表面散乱光の s 偏光成分である。
入射光のフルエンスがレーザの閾値近傍の場合、 入射光の p偏光成分 3と表面に沿った 散乱光の P偏光成分 5の干渉部分だけがアブレーシヨンされる (12) 。 一旦アブレーシ ヨンが始まり表面粗さが増加すると、 次のレーザ照射時には表面散乱光の強度が増加し ( 13) 、 さらにアブレ一シヨンが進むとともに、 1波長 λ離れた位置でも干渉が起こる。 入射光が直線偏光の場合、 レーザ照射を繰り返すと、 それによつて入射光の波長え間隔で 干渉が生じることにより (14) 、 周期構造が自己組織化により作成される (15) 。 この周期構造の凹凸は、 10〜3◦ 0ショットで波長オーダーまで成長するが、 300 ショット以上レーザを照射すると、 凹凸が不明瞭になることが確認された。 したがって、 同一位置に照射されるショット数が 10〜300ショットとなるように、 レーザをオーバ —ラップさせながら走査させることで、 周期構造を試料表面の広範囲に拡張することが可 能になる。 なお、 レーザの走査は、 試料 2を支持するテーブルを移動させてもよいし、 レ 一ザ側を走査してもよい。
図 2は周期構造作成装置 20の模式図を示す。 なお、 以下の説明において、 具体的数値 は理解を助けるために、 あくまでも一例として記載したものであり、 特に限定するもので はないことを、 予め断っておく。 チタンサファイアレ一ザ発生装置 21で発生したチタン サファイアレ一ザ 1 (パルス幅: 120f s、 中心波長え : 800 nm、 繰り返し周波数 : 1 kHz、 パルスエネルギー: E : 0. 25〜400 J/pu 1 s e) は、 1/2波長 板 22と偏光ビームスプリヅ夕 23を用いてパルスエネルギーを調整可能にした上で、 レ ンズ (焦点距離: f = 100mm) 24を通して、 X— Y— 0ステージ 25上の試料 2の 表面に照射した。 X— Υ— 6»ステージ 25の分解能は任意でよいが、 例えば、 2 zmのも のを用いた。 レーザ 1が試料 2上でオーバ一ラップしながら照射されるように、 X— Y— 0ステージ 25により 0. 25mm/s ( 125 p p s ) の速度で試料 2を移動させて、 入射光と表面に沿った散乱光との干渉によるアブレーシヨンを行ない、 連続的に周期構造 を作成した。
試料 2の走査速度は、 レーザ 1のスポット径とレーザ 1の強度に応じて設定する。 レー ザ 1の試料 2への入射角 0は、 0°、 15°、 30°および 45° とした。試料 2として、 いずれも厚さ寸法が 50〃mの S i、 Cuテープおよび A 1テープ、 さらに厚さ 15 zm の A 1箔を用いた。 このようにして得られた周期構造の観測には、 レーザ顕微鏡および原 子間顕微鏡 (AFM) を使用した。
[S iの周期構造 (入射角 0° ) ]
f = 100mmの平凸レンズ 24により試料 2としての S i基板の表面に、 加工閾値近 傍のレーザ 1を 3スキャンして、 周期構造を作成した。 レーザ 1の走査方向と偏光方向が 平行な場合の周期構造を、 図 3 (a) , 図 3 (b) に示す。 また、 偏光方向を 90° 回転 させた場合の周期構造を、 図 4 (a) , 図 4 (b) に示す。 図 3 (a) , 図 4 (a) が全 体の様子を示し、 図 3 (b) , 図 4 (b) が作成された周期構造を拡大した詳細を示す。 図 3 (a) , 図 4 (a) において、 それそれ 3スキャンしているのが理解し易いように、 2スキャン目は途中でレーザ照射を停止している。 これらの周期構造は、 すべて偏光方向 に直交して形成されている。 周期構造の周期ピッチはレーザ波長え (80 Onm) よりや や短く、 70 Onm前後となった。 各スキャンのォ一パーラップ部も大きな乱れは見受け られない。
さらに、 レーザフルエンスを加工閾値ぎりぎりまで低下させ、 極力アブレ一シヨンを抑 えた場合の周期構造を、 図 5に示す。 周期構造の周期ピッチは 795 nmであり、 レーザ の波長人 (中心波長 80 Onm) とよく一致している。
より広い範囲に周期構造を形成するため、ビームエキスパンダを用いてレーザを拡大し、 さらに、 f = 10 Ommのシリンドリカルレンズを用いて周期構造を形成したところ、 周 期構造が幅 2 mm以上にわたって 1スキャン形成された。 この周期構造を図 6に示す。 周 期ピッチは 70 Onmであり、 平凸レンズにより加工閾値近傍で形成された周期構造 {図 3 (b) } と大差ないものが得られた。
シリンドリカルレンズにより得られた周期構造に白色光を照射すると、 分光能力が認め られ、 広い範囲に一定間隔の周期構造が得られていることが確認された。
[Cuテープの周期構造 (入射角 0。 ) ]
f = 10 Ommのシリンドリカルレンズを用いて Cuテ一プに周期構造を形成したとこ ろ、 S iと同様に周期構造が幅 2mm以上にわたって 1スキャンで形成された。 ただし、 Cuテープの場合は、 ワークディスタンスを焦点距離より 1mm短い 99mmとしたとき に、 比較的良好な周期構造が得られた。 また、 S iの場合 (E= 10 O^J/pu l s e ) と比較すると、 3倍強のパルスエネルギー (E = 400〃 J/pu 1 s e) が必要であ つた。 図 7は Cuテープに形成された周期構造を示し、 周期構造の周期ピッチは約 700 nmで、 S iの場合とほとんど差異は認められない。 シリンドリカルレンズにより得られ た上記の周期構造に白色光を照射すると、 S iと同様に、 分光能力が認められた。
[A1テープおよび A 1箔の周期構造 (入射角 0° ) ] ビームエキスパンダおよび f = 100mmのシリンドリカルレンズを用いて A 1テープ および A 1箔に周期構造を形成したところ、 それそれ図 8 (a)および図 8 (b) に示す 周期構造が得られた。 A1テープおよび A1箔の周期構造の周期ピッチは 60 Onmであ つた。 また、 双方の周期構造に白色光を照射して分光能力について調べた結果、 分光能力 が認められた。 さらに、 厚さ 15 zmの A 1箔においても裏面に全く熱影響は認められな かった。
[周期構造の入射角および走査方向依存性]
波長人のレーザ 1が入射角 0で試料 2に照射された場合、 図 9 (a) , 図 9 (b) に示 すような、 2種類の干渉が生じる。 以後、 これらの干渉を区別して、 図 9 (a) のような 周期が広い干渉を s—タイプの干渉と称し、 図 9 (b) のような周期が狭い干渉を s+夕 イブの干渉と称する。 それぞれの周期を Xs-, Xs+とすると、 図 9 (a) の場合の周期 Xs - は、 次の式 1で与えられる。
【式 1】
λ また、 図 9 (b) の場合の周期 Xs+は、 次の式 2で与えられる <
【式 2】
λ
l + smd
ビームエキスパンダおよびシリンドリカルレンズを用いて、入射角 0= 15°、 30°、 45° でレーザ 1を試料 2に照射したところ、 S iおよび Cuテープでは、 異なる周期を 持つ周期構造が重なって現われた。 特に、 図 10に示す送り方向 Lの場合、 周期の広い s —タイプ、 周期の狭い s+タイプともコントラストよく形成された。 一方、 送り方向 Rの 場合には、 送り方向 Lの場合と比較すると、 s—夕イブの形成が未発達であった。
Cuテープに入射角 45°、 送り方向 Lで形成した周期構造を図 11 (a) , 図 11 ( b) に示す。 図 11 (a) , 図 11 (b) は同一個所においてピント位置を変化させて撮 影したもので、 同位置に s—タイプと s+タイプの周期構造が形成されているため、 この 送り方向 Lでは、 比較的 s—夕イブの周期構造が明瞭に形成されており、 s+タイプの周 期構造の観察時にも、 S—夕ィプの周期構造がうつすらと確認できる。
Cuテープに入射角 45°、 送り方向 Rで形成した周期構造を図 12 (a) , 図 12 ( b) に示す。 この送り方向 Rでも、 2タイプの周期構造が形成されるが、 s—タイプの周 期構造は途切れ勝ちになり、 s+タイプの周期構造の観察時には、 s—夕イブの周期構造 がほとんど分からず、 s—タイプの周期構造は、 送り方向 Lの場合の方が形成され易いこ とが分かる。
S i, C 11テープにおける周期構造の周期と入射角の関係を、 理論値とともに図 13に 示す。
送り方向 Lの場合に、 周期ピヅチの大きな s—タイプの周期構造が現われ易い原因は、 次のように考えられる。 すなわち、 送り方向 Lの場合、 図 14 (a) に示すように、 s— タイプの周期構造 31がまず平滑面に形成され、 試料 2が送られるとともに、 s+タイプ の周期構造 32が重なって形成されていくのに対して、 送り方向 Rの場合は、 図 14 (b ) に示すように、 先に周期ピッチの狭い s+タイプの周期構造 32が平滑面に形成される ために、 s—夕イブの周期構造が現われ難くなる。
以上のように、 Si, Cuテープおよび A 1テープに対して、 直線偏光のフェムト秒レ —ザの照射により、 加工閾値近傍のフルエンスで微細周期構造の作成を行なった結果、 以 下のことが確認された。
(1) Si, Cu, A 1はシリンドリカルレンズを用いて試料表面に一軸レーザを照射お よび走査することにより、 広範囲に周期構造を作成することができる。
(2)周期構造は、 入射角依存性を持ち、 その周期の理論値はえ/ (1士 s in0) とな る。
(3)周期構造は、 走査方向依存性を持ち、 送り方向 Lのとき、 s—タイプの周期構造が 現われ易い。
(4)周期構造は、 同じメカニズムで形成されており、 入射光と表面散乱光の干渉によつ て形成される。
なお、 上記の Si, Cuテープおよび A 1テープ以外の試料についても、 上記 Si, C uテープおよび A 1テープと同様に周期構造の作成が可能であった。 次に、 本発明の材料表面処理方法について説明する。
前述のように、 本発明によれば、 材料表面にレーザを照射し、 その照射光を走査するこ とによって、 周期構造が形成されるが、 レーザの偏光方向を Y方向にすれば、 図 1 5 ( a )に示すように、 X方向の周期構造 8 Xを形成することができるし、 レーザの偏光方向を X 方向にすれば、 図 1 5 ( b ) に示すように、 Y方向の周期構造 8 Yを形成することができる また、 前述のように、 レーザの偏光方向を変更することによって、 周期構造の方向を変 更することができることに基づいて、 例えば、 加工閾値近傍のレーザを照射し、 その照射 部分をオーバーラップさせながらレーザをある方向に走査して、 図 1 5 ( a) に示すよう に、 一方向の周期構造 8 Xを形成した後、 その周期構造 8 xに重ね合わせて、 材料表面と偏 光方向の相対角度を変更して、 加工閾値近傍のレーザを照射し、 その照射部分をオーバー ラヅプさせながらレ一ザを走査することによって、異なる方向の周期構造 8 γを形成するこ とにより、 複数方向に重ね合わせたグレーティング構造 8 zを形成することができる。 したがって、 例えば、 図 1 5 ( c ) に示すように、 先の周期形成時と後の周期構造形成 時における材料表面とレーザの偏光方向の相対角度を 9 0 ° 変更すれば、 格子状の周期構 造 8 zを形成することができるし、先の周期構造形成時と後の周期構造形成時における材料 表面とレーザの偏光方向の相対角度を 9 0 ° 以外の任意角度で変更すれば、 斜格子状の周 期構造を形成することができる。
また、 例えば、 図 1 5 ( d ) に示すように、 加工閾値近傍のレーザを照射し、 その照射 部分をオーバーラップさせながらレーザをある方向に走査して、一方向の周期構造 8 xを形 成した後、 その周期構造 8 Xに隣接して、 または離隔させて、材料表面とレーザの偏光方向 の相対角度を変更して、 加工閾値近傍のレーザを照射し、 その照射部分をオーバ一ラップ させながらレーザを走査することによって、先に形成した一方向の周期構造 8 xに隣接して 、 または離隔して異なる方向に周期構造 8 Yを形成することができる。 したがって、先の周 期構造形成時と後の周期構造形成時における材料表面とレーザの偏光方向の相対角度を 9 0 ° 変更すれば、 X方向の周期構造 8 Χと Υ方向の周期構造 8 Υとを混在させて形成するこ とができるし、 先の周期構造形成時と後の周期構造形成時における材料表面とレーザの偏 光方向の相対角度を 9 0 ° 以外の任意角度で変更すれば、 向きが異なった周期構造を混在 させて形成することができる。
また、 前述のように、 レーザの偏光方向を変更することによって、 周期構造の方向を変 更することができることに基づいて、 図 1 6に示すレーザ照射装置 4 0を用いて、 図 1 5 ( c ) に示すような、 複数方向に重ね合わされたグレーティング構造を一工程で形成する ことができる。 図 1 6の周期構造形成装置 4 0は、 チタンサファイアレーザ発生装置 4 1 で発生したレーザ L。を、 ミラ一 4 2で全反射させ、ハーフミラ一 4 3で反射レーザ と透 過レーザ L2とに分離し、 反射レーザ をミラ一 4 4 , 4 5で全反射させ、 透過レーザ L2 に光学遅延 4 6を形成する。 この光学遅延 4 6は、 ミラー 4 7, 4 8を有する。 双方のレ 一ザ L15 L2を偏光装置 4 9, 5 0によって所定方向に偏光させたレーザ L3, L4を、 ハー フミラ一 5 1に供給し、 このハーフミラ一5 1で前記の偏光されたレーザ L3, L4を重ね合 わせて、 レンズ 5 2を通して X— Yテーブル 5 3に搭載された材料 5 4の表面に照射する ことで、偏光方向が異なる複数パルスの加工閾値近傍のレーザ L3, L4を、材料 5 4の表面 に所定の時間間隔で照射することができる。 そして、 その照射部分をオーバーラップさせ ながら走査することによって、 自己組織的に、 図 1 5 ( c ) に示すような、 複数方向に重 ね合わされた周期構造 8 zを一度に形成することができる。
したがって、 例えば、 偏光方向が 9 0 ° 異なる複数パルスの加工閾値近傍のレーザ と L4とを所定の時間間隔で照射し、 その照射部分をォ一バーラップさせながら走査すること によって、 自己組織的に図 1 5 ( c ) に示すような、 X方向の周期構造 8 xと 9 0 ° 異なる Y方向の周期構造 8 γとを重ね合わせた格子状の周期構造 8 ζを一工程で形成することが できる。 また、 偏光方向が 9 0 ° 以外の任意角度異なる複数パルスの加工閾値近傍のレー ザを所定の時間間隔で照射し、 その照射部分をオーバ一ラップさせながら走査することに よって、 自己組織的に 9 0 ° 以外の任意角度で交差する斜格子状の周期構造を形成するこ とができる。
次に、 上記の周期構造形成による材料表面特性の変化について説明する。 表面特性を変 化させる材料として、 厚さ寸法が 5 0 mの S iを用いた。 また、 照射レーザとして、 超 短パルスのチタンサファイアレーザ、例えば、パルス幅 1 2 0 f s、中心波長 8 0 0 nm、 繰り返し周波数 l k H z、 パルスエネルギー 1 0 0〃 J /p u 1 s eを、 レーザエキスパ ンダで拡大し、 さらにシリンドリカルレンズによって集光して、 前記 S i表面に照射し、 その照射部分をオーバーラップさせながら走査速度 0 . 2 5 mm/ sで走査した。 その結 果、 周期が 0 . で、 深さが 0 . 2 mの周期構造が形成された。
上記の周期構造が形成された S i表面の微粒子(直径 2 0〃mのガラス粉)付着特性を、 鏡面状の S iの微粒子付着特性とを比較すると、 表 1の結果が得られた。
【表 1】
微粒子付着抑制効果
Figure imgf000023_0001
上記表 1に示すように、 周期構造によって、 S i表面の微粒子付着抑制効果が得られる ことから、 引き離し力が低減していることが明らかである。 マイクロマシンでは、 自身の 重量が小さいために、 弓 離し力が摩擦力に支配的な影響を及ぼす。 本発明により周期構 造を形成することで、 引き離し力を低減できるため、 マイクロマシンの摩擦力を低減する ことが可能となる。 また、 摩擦力の低減により、 摩耗を低減することが可能となる。 なお、 本発明は、 マイクロマシンに限らず、 精密な自動車用エンジンのクランクシャフ ト、 ピストンリングなどに適用すると、 周期構造が潤滑剤の保持および補給機能を持つこ と、および流体膜の負荷能力を生じること、磨耗粉のかみ込み防止機能を持つことにより、 材料表面の摩擦、 摩耗低減効果が得られる。
(実施例)
次に本発明の周期構造形成による摺動特性に及ばす影響について説明する。
図 1 7は、 上記の各種周期構造を形成したディスク状試験片の摺動試験に用いた摺動試 験装置 6 0の概略構成図を示す。 この摺動試験装置 6 0は、 基台 6 1に軸受 6 2を介して 試験片支持部材 6 3を回転自在に支持し、 この試験片支持部材 6 3の凹部に静止側試験片 6 4を支持している。 また、 基台 6 1に支柱 6 5を立設し、 この支柱 6 5にロードセル 6 6を配置し、 このロードセル 66にカンチレバー 67を介して、 前記試験片支持部材 63 の回転トルクが掛かるようになつている。 さらに、 前記静止側試験片 64に対して、 回転 側試験片 68が配置され、 試験片支持部材 63の凹部には純水 69が収容されて、 静止側 試験片 64と回転側試験片 68との摺動面に、 純水 69が介在されるようにしている。 回 転側試験片 68に荷重 70が負荷され、 回転駆動源 (図示省略) によって回転動作 71が 可能になっている。
超硬合金よりなるディスク状の試験片に対して、 図 18 (a) 〜図 18 (d) の種々の リング状の周期構造を形成した。 図 18 (a) は放射状の周期構造、 図 18 (b) は同心 円状の周期構造、 図 18 (c) は第 1スパイラル状の周期構造、 図 18 (d) は第 2スパ ィラル状の周期構造である。 なお、 図 18 (c) の第 1スパイラル状の周期構造と、 図 1 8 (d)第 2のスパイラル状の周期構造とは、 スパイラルの方向(角度)が異なっている。 回転側試験片 68には、 S U S 440 Cの焼き入れ材、 静止側試験片 64には、 超硬合 金を使用した。 各試験片の表面粗さは Rmax 0. 05 m以下、 ォプチカルフラットに よる平坦度が赤色 LEDで 1バンド以下のものを使用した。 静止側試験片 64には、 内径 9. 75 mm、 外径 16. 25 mmのリング状の領域に、 前述の 4種類の周期構造を形成 した。 溝深さは約 0. 2〃m、 スパイラルの溝角度は半径に対して 45 ° とした。
—方、 回転側試験片 68は、 上記精度で鏡面仕上げされた内径 10mm、 外径 16 mm のリング状のもの、 および外径 16 mmのディスク形状のものを使用して、 リング Zディ スク試験と、 スラスト軸受を想定したディスク/ディスク試験を行なった。 なお、 比較の ため、 鏡面試験片どうしでの試験も行なった。 いずれの試験も、 室温 23°Cに保たれたク リーンブース (クラス 100相当) 内で行い、 各試験片は試験前にエタノールおよび純水 による超音波洗浄を行なつた。
荷重は 1 ONで一定とし、 摺動速度を 1. 2m/sから 0. 15m/sまで 1分ごとに 段階的に減速させた。 図 19は回転側試験片 68における摺動速度変化パターンを示す。 ただし、 摺動速度は、 リング状周期構造およびリング /デイスク試験で使用した回転側試 験片 68の平均直径 13 mmの位置での値である。 このように、 図 17の摺動試験装置 6 0において、 回転側試験片 68の摺動速度 (回転速度) を時間経過とともに低減していく ことによって、 静止側試験片 64と回転側試験片 68との摩擦係数の変化をより把握し易 いように考慮している。
試験後、 摺動トルクから摩擦係数 を次の式 3で算出した。
【式 3】
M
μ =——
Wr
ここで、 Mは摺動トルク、 Wは荷重である。 また、 rはリング状周期構造およびリング Zディスク試験で使用した回転試験片 68の平均半径である 6. 5mmとした。 ディスク Zディスク試験において r = 6. 5 mmとして式 2を適用すると物理的な意味を失うが、 リング Zディスク試験の結果と比較して、 回転試験片 68の中央部分の影響が分かり易い ように、 敢えて r = 6. 5 mmとして摩擦係数を算出した。
[試験結果]
(リング Zディスク試験)
図 20 (a) は鏡面、 図 20 (b) は放射状周期構造、 図 20 (c) は同心円状周期構 造、 図 20 (d) は第 1スパイラルの周期構造を形成した静止側片を用いた場合の試験結 果を示す。
図 20 (a) の鏡面の試験片の場合は、 摺動開始直後から摩擦係数は急激に上昇した。 図 20 (b) の放射状周期構造を形成した試験片を摺動させた場合は、 鏡面の試験片と比 較して大幅に摩擦系数が減少した。 図 20 (c) の同心円状周期構造を形成した試験片を 摺動させた場合は、 明確な流体潤滑領域は見られない。 図 20 (d) の第 1スパイラルの 周期構造を形成した試験片を摺動させた場合は、 流体潤滑領域の範囲、 混合潤滑時の馴染 みの早さという観点からは、 放射状周期構造の場合と同心円状周期構造の場合との中間の 特性が見られる。なお、第 2スパイラルの周期構造を形成した試験片を摺動させた場合は、 摺動により純水を中心部から外周部へ排出するポンプ機能を持っているため、 内径部分か ら純水がすべて排出された時点で、 摩擦系数が 0. 5以上に急増した。
の摩耗粉排出能力を確認するため、 荷重を通常試験時の 10倍となる 10 ONとして摺動 を行い、 周期構造上に摩耗痕を形成し、 その様子を観察した。 図 21 (a) は放射状周期 構造、 図 21 (b) は同心円状周期構造の様子を示す。 放射状周期構造では、 摩耗粉に埋 めつくされているのに対し、 同心円状周期構造では、 燐片状の摩耗粒子が周期構造上に形 成されてはいるが、 溝部は摩耗粉に埋め尽くされることなく残存している。
図 22 (a) および図 22 (b) は、 図 21 (a) および図 21 (b) と同じ試験片に おいて摩耗痕の生じていない部分の周期構造の様子を示す。 図 22 (a) の放射状周期構 造の場合は、あまり摩耗粉は観察されないが、図 22 (b)の同心円状周期構造の場合は、
10 Onm程度の摩耗粉が多数付着している。 このことから、 放射状周期構造では、 摩耗 痕が発生した部分からほとんど摩耗分は移動していないが、 同心円状周期構造の場合は、 摩耗粉は溝部により流体とともに排出されていることが分かる。
(ディスクノディスク試験)
図 23 (a) は同心円状周期構造、 図 23 (b) は放射状周期構造、 図 23 (c) は第 1スパイラルの周期構造の試験片における摩擦係数の変化を示す。 各試験片の中央部分は 鏡面どうしの摺動となるが、 特に負荷能力を生じない同心円状の周期構造では、 鏡面どう しの滑り摩擦が容易に発生するため、 最も大きな摩擦係数を示した。
以上の周期構造を形成した試験結果から、 次の結論が得られた。
(1) フエムト秒レーザにより自己組織的に形成されるサブミクロンの間隔と溝深さを持 つ周期構造は、 摩擦係数を大きく低減する機能がある。
( 2 ) 放射状の周期構造は、 流体潤滑膜の付加能力を向上される機能を持ち、 リング/デ イスクの摺動試験では、 最も広い条件範囲で流体潤滑領域を示す。
(3) 同心円状周期構造は、 摩耗粉の排出能力が大きく、 摩耗粉の嚙み込みが抑制される ため、 リング Zディスクの摺動試験における混合潤滑領域では、 最も低い摩擦係数が得ら れる。
(4) スパイラル状周期構造も流体潤滑膜の負荷能力を向上させる機能を持ち、 ディスク 摺動試験では、 最も広い条件範囲で流体潤滑領域を示す。

Claims

請 求 の 範 囲
1 . 材料表面に、 一軸でかつ加工閾値近傍のレーザを照射し、 その照射部をォ一バーラヅ プさせながら走査して、 入射光とその材料表面に沿つた散乱光の干渉部分のアブレーショ ンによって自己組織的に周期構造を作成することを特徴とする周期構造作成方法。
2 . 前記レーザの走査速度を、 レーザスポット径およびレーザ発振周波数に応じて、 同一 部分におけるレ一ザ照射回数が 1 0〜3 0 0ショットになるように設定することを特徴と する請求項 1に記載の周期構造作成方法。
3 . 前記材料表面へのレーザの入射角を変更して、 周期構 の周期ピッチを変更すること を特徴とする請求項 1または 2に記載の周期構造作成方法。
4 . 前記レーザが入射角を有し、 レーザの走査方向を変更して、 周期構造を変更すること を特徴とする請求項 1から 3のいずれかに記載の周期構造作成方法。
5 . 前記偏光方向を変化することにより、 周期構造の方向を変化することを特徴とする請 求項 1から 4のいずれかに記載の周期構造作成方法。
6 . 前記レ一ザをビームエキスパンダ、 またはビームエキスパンダおよびシリンドリカル レンズにより広範囲に形成して照射することを特徴とする請求項 1から 5のいずれかに記 載の周期構造作成方法。
7 . 材料表面に、 グレーティング構造を形成し、 材料表面特性を変化させることを特徴と する表面処理方法。
8 . 材料表面に、 加工閾値近傍のレーザを照射し、 その照射部分をオーバ一ラップさせな がら走査して、 自己組織的に前記グレーティング構造を形成することを特徴とする請求項 7に記載の表面処理方法。
9 . 前記グレーティング構造を、 複数方向に重ね合わせて形成することを特徴とする請求 項 7または 8に記載の表面処理方法。
1 0 . 前記グレーティング構造を、 複数方向に混在させて形成することを特徴とする請求 項 7または 8に記載の表面処理方法。
1 1 . 材料表面に、 偏光方向が異なる複数パルスの加工閾値近傍のレ一ザをパルスが時間 的に重ならない条件で照射し、 その照射部分をオーバ一ラップさせながら走査して、 自己 組織的に前記グレーティング構造を複数方向に重ね合わせて形成することを特徴とする請 求項 7から 9のいずれかに記載の表面処理方法。
1 2 . 材料表面に、 加工閾値近傍のレーザを照射し、 その照射部分をオーバ一ラップさせ ながら走査する際、 走査中に偏光方向を変ィ匕させることにより、 自己組織的に前記グレー ティング構造を複数方向に混在させて形成することを特徴とする請求項 7または 8、 また は 1 0のいずれかに記載の表面処理方法。
1 3 . シリンドリカルレンズを用いてレーザを集光し、 前記グレーティング構造を広範囲 に形成することを特徴とする請求項 7から 1 2のいずれかに記載の表面処理方法。
1 4 . 前記グレー,ティング構造の周期ピッチが 1 m以下であることを特徴とする請求項 7から 1 3のいずれかに記載の表面処理方法。
1 5 . 前記材料表面特性が、 防塵、 微粒子付着抑制効果であることを特徴とする請求項 7 から 1 4のいずれかに記載の表面処理方法。
1 6 . 前記材料表面特性が、 摩擦、 摩耗低減効果であることを特徴とする請求項 7から 1 4のいずれかに記載の表面処理方法。
1 7 . 前記材料表面特性が、 濡れ性制御効果であることを特徴とする請求項 7から 1 4の いずれかに記載の表面処理方法。
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