JP7281270B2 - 燃料電池 - Google Patents

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Description

本発明は、流体の流路を備えた燃料電池に関するものである。
燃料電池は、水素等の燃料と酸素等とを反応させて発電する装置である。燃料電池は、セルの集合体であって、セルは、電解質膜の一方側にアノードが配置され、他方側にカソードがそれぞれ積層されている。この積層体の両面に一対のセパレータが重ねられている。アノード側のセパレータ流路には、水素等の燃料が流されて、供給される。また、カソード側のセパレータ流路には、酸素や空気等が流され供給される。そして、電解質の膜中を水素等のイオンが透過し、酸素等と結合する際の電子の移動により発電する。燃料電池は発電方法において様々な種類のものがあり、発電の生成物として流路内に水が生成されるものがある。
発電に必要な燃料やガスが流れる燃料電池の流路内が水で満たされ滞留し、流路が閉塞してしまうと、発電に必要な燃料やガスの流れを阻害して発電力が低下する。このように、工業製品には、流路を備えたものがあり、液体の流路からの速やかな排出により製品の性能が向上する。そこで、発生した水を排出する手段が提案されている(特許文献1)。特許文献1のものは、燃料電池の電解質膜とセパレータとの間に3次元的な微細格子流路からなる流路を形成する。これにより、発生した水が微細格子に付着して、重力により下方に流れ落ちる。
特開2018-026330号公報
特許文献1のものは、3次元的な微細格子流路を形成しているため、形状が複雑化し、容易に形成することができない。また、3次元的な格子状となっているため、水の流通方向に対して格子流路が抵抗になるおそれがある。発生した水は、流路閉塞防止の観点から、流速を速く、あるいは流量を多くして速やかに排出するのが望ましい。
本発明は、上記課題に鑑みて、流体の排出能力の高い流路及び流体の排出能力の高い流路を備えた燃料電池を提供する。
本発明の流路は、内面に第1領域と第2領域とが、流体の流通方向と直交する断面方向において隣接する流体接触面積減少面を形成し、前記第1領域が、前記第2領域よりも流体の接触角の小さい領域とし、前記第2領域が、前記第1領域よりも流体の接触角の大きい領域である。ここで、流体とは、少なくとも液体を含むものであり、液体のみの場合、液体及び気体の場合、液体及び固体の場合、液体及び気体及び固体の場合がある。
本発明の流路によれば、流体が流体の接触角の小さい内面を選択的に流れるため、流路の内面全体に濡れ広がった場合と比較して流体が内面に接する面積を小さくすることができ、流体が受ける内面からの抵抗が低減され、流速が向上する。また、流体の接触角の大きい内面は、流体の浸入が抑制され、流体の無い空間となり、流路の閉塞が抑制される。
この場合、第1領域と第2領域との少なくともいずれかに微細な凹凸構造を設けている。流体の接触角が90度よりも小さい内面に微細な凹凸構造を設けることで、微細な凹凸構造が無い場合と比較して内面の流体の接触角が低減する。また、流体の接触角が90度よりも大きい内面に微細な凹凸構造を設けると、微細な凹凸構造が無い場合と比較して内面の流体の接触角が増加する。その結果、少なくともいずれかの内面に微細な凹凸構造を設けることで、第1領域と第2領域との流体の接触角の差が大きくなり、流体がより選択的に流体の接触角の小さい内面を流れるようになる。そのため、流体が接する内面の面積が減少することで、流体が受ける内面からの抵抗が低減され、流速が向上する。また、流体の接触角の大きい内面は、流体の浸入が抑制され、流体の無い空間となり、流路の閉塞が抑制される。
前記構成において、前記第1領域又は第2領域の少なくともいずれかにコーティング膜を有してもよい。これにより、親液性コーティング膜によって流体の接触角の小さい内面を形成することで、当該親液性コーティング膜よりも流体の接触角の大きい基材で作成された流路において、流体が流体の接触角の大きい内面を避け、流体の接触角の小さい内面を選択的に流れるようにすることができる。また、撥液性コーティング膜によって流体の接触角の大きい内面を形成することで、当該撥液性コーティング膜よりも流体の接触角の小さい基材で作成された流路において、流体が流体の接触角の大きい内面を避け、流体の接触角の小さい内面を選択的に流れるようにすることができる。また、当該コーティング膜に微細な凹凸構造を設けない場合の、流体の接触角が90度よりも小さい場合は、コーティング膜に微細な凹凸構造を設けることで、流体の接触角はより小さくなる。また、当該コーティング膜に微細な凹凸構造を設けない場合の、コーティング膜に対する流体の接触角が90度よりも大きい場合は、コーティング膜に微細な凹凸構造を設けることで、流体の接触角はより大きくなる。したがって、流路内面が微細な凹凸構造を設けないコーティング膜を有した場合と比較して、微細な凹凸構造を設けたコーティング膜を有する場合は、前期第1領域と第2領域の、流体に対する接触角の差をより大きくでき、流体がより選択的に流体の接触角の小さい内面を流れるようになる。そのため、流体が接する内面の面積が減少することで、流体が受ける内面からの抵抗が低減され、流速が向上する。また、流体の接触角の大きい内面は、流体の浸入が抑制され、流体の無い空間となり、流路の閉塞が抑制される。
前記構成において、前記凹凸構造の凹凸の高さが20nm以上5μm以下、凹凸構造の間隔が40nm以上10μm以下としてもよい。これにより、前記のとおり流体の接触角が変化し濡れ性を強調することができる。また、微細な凹凸構造のため、流体の抵抗となりにくい。また、微細な凹凸構造のため、加工に関わる消費エネルギーが低くなり、加工時間が短く、低コストで形成することができる。
前記構成において、加工閾値近傍の照射強度のレーザを集光照射し、その集光点をオーバーラップさせながら走査照射することにより前記凹凸構造を流路面に自己組織的に形成することができる。これにより、内面内の所望の位置に微細な凹凸構造を設けることができる。この凹凸構造により、内面の濡れ性を強調することができる。すなわち、本来流体の接触角が90度よりも小さい内面に微細な凹凸構造を設けた場合、微細な凹凸構造が無い場合と比較して流体の接触角が低減する。また、本来流体の接触角が90度よりも大きい内面に微細な凹凸構造を設けた場合、微細な凹凸構造が無い場合と比較して流体の接触角が増加する。その結果、微細な凹凸構造がない場合と比較して、流体の接触角の小さい内面での流体の接触角と流体の接触角の大きい内面での流体の接触角との差が大きくなり、流体がより選択的に流体の接触角の小さい内面を流れるようになる。そのため、流体が接する内面の面積が減少することで、流体が受ける内面からの抵抗が低減され、流速が向上する。また、流体の接触角の大きい内面は、流体の浸入が抑制され、流体の無い空間となり、流路の閉塞が抑制される。
前記構成において、前記凹凸構造が流体の流れ方向に沿うグレーティング状とすることができる。これにより、流体の接触角が90度よりも大きい内面に形成すると、流路の流れ方向に直交する方向の断面形状が凹凸形状を持ち、その方向の液体の接触角がより大きくなり、流体の接触角の小さい内面との接触角の差が大きくなるため、流体がより選択的に流体の接触角の小さい内面を流れるようになる。また、流体の接触角が90度よりも小さい内面に形成すると、流路の流れ方向に直交する方向の断面形状が凹凸形状を持ち、その方向の液体の接触角がより小さくなり、流体の接触角の大きい内面との接触角の差が大きくなるため、流体がより選択的に流体の接触角の小さい内面を流れるようになる。また、流体の接触角の大きい内面は、流体の浸入が抑制され、流体の無い空間となり、流路の閉塞が抑制される。かつ、流体の接触角の小さい内面を流れる場合、流れ方向には凹凸が小さいため流体に対する抵抗が小さい。そのため、前記凹凸構造が流体の流れ方向に沿わない場合と比較して流路に沿った方向への濡れ広がりが強くなり、流路からの排液を速くできる。
前記構成において、流体の流通方向と直交する方向において、少なくとも流体接触面積減少面の第1領域を含む内面の断面形状が、120°以下の内角を有するものであってもよい。これにより、角の頂点付近の流体は、角をなす2辺の流体の接触角の小さい内面の影響を受け、毛管現象のため流路に沿った方向への濡れ広がりが強くなり、流路からの排液を速くできる。
本発明の燃料電池は、前記本発明の流路を備えたものである。これにより、発電能力が低下する原因である生成水の流路からの排液速度を速くでき、また、流路の閉塞を抑制し、燃料電池の能力を向上させることができる。
流路の簡略断面図である。 第1実施形態の流路の簡略斜視図である。 第1部材の摺動面を示し、(a)は周期構造の拡大平面図であり、(b)は周期構造の断面プロファイル図である。 前記周期構造形成方法に用いるレーザ表面加工装置の簡略図である。 実施例の流路内面の各処理の水に対する接触角である。 実施例の流路内面の各パターニングである。 流路に純水を十分に滴下した場合の流路の状態である。
以下本発明の実施の形態を図1~図7に基づいて説明する。
本発明に係る流路は、燃料電池のセパレータ等の流体の速やかな排出が必要とされる工業製品に設けられるものである。本発明の流体とは、少なくとも液体を含むものであり、液体のみの場合、液体及び気体の場合、液体及び固体の場合、液体及び気体及び固体の場合がある。流路は、図1及び図2に示すように、流体の流通方向(図1において紙面に垂直な方向であり、図2において矢印で示す方向)と直交する断面方向において、内面1が4つの面1a(第1の面)、1b(第2の面)、1c(第3の面)、1d(第4の面)からなる矩形状をなす。第1の面1aと第2の面1b、第2の面1bと第3の面1c、第3の面1cと第4の面1d、第4の面1dと第1の面1aとの間は、夫々凹構造2a、2b、2c、2dをなしている。また、その凹構造2a~2dは、内角が120°以下の角を有するものとなっており、本実施形態では、全ての凹構造2a~2dは略90°となっている。
第1の面1aは、流体の流通方向と直交する断面方向において隣接するように、第1領域7と第2領域8が形成されている。第1領域7とは、第2領域8よりも流体の接触角の小さい領域であり、第2領域8は、第1領域7よりも流体の接触角の大きい領域である。第1領域7と第2領域8とは、材質を相違させるか(第1領域7が親液性となる材質にて構成され、第2領域8が撥液性となる材質にて構成される)、第1領域7と第2領域8のいずれか又は両方にコーティング膜を設ける(第1領域7のみに親液性となるコーティング膜を施すか、第2領域8のみに撥液性となるコーティング膜を施すか、第1領域7に親液性となるコーティング膜を施し、かつ、第2領域8に撥液性となるコーティング膜を施すか)ことによって、流体の接触角を相違させることができる。また、材質あるいはコーティング膜が第1領域7と第2領域8で同じであっても、第1領域7と第2領域8の少なくともいずれかの領域に微細な凹凸構造を設けることで、流体の接触角を相違させることができる。
このように、内面1に第1領域7と第2領域8とが、流体の流通方向と直交する断面方向において隣接する面(本実施形態では第1の面1a)は、流体接触面積減少面6となる。すなわち、内面1のうち、第1の面1aで、流体の接触角の小さい領域と接触角の大きい領域とが内面1の周方向に沿って隣接して設けられており、一つの面において流体に対する接触角が相違している。
第1領域7又は第2領域8の少なくともいずれかに、図3に示すような微細な凹凸構造3が設けられる。本実施形態では第1領域7と第2領域8に凹凸構造3を設けている。凹凸構造3は、図3(a)(b)に示すように、微小の凹部5と微小の凸部4とが交互に配設され、凹凸構造3は、流体の流れ方向(図2及び図3(a)の矢印方向)に沿うグレーティング状に形成されている。グレーティング状凹凸の周期構造3は、連続的に高さが変化するものである。この凹凸の高低差(凹部5の底部から凸部4の頂点までの高さ)が20nm以上5μm以下、凹凸構造の間隔が40nm以上10μm以下であるのが好ましい。
周期構造3は、図4に示すように、レーザ発生器11と光学系10とを備えたレーザ表面加工装置を使用して形成する。図4に示すレーザ表面加工装置では、レーザ発生器11は、ミラー12により加工材料Wに向けて折り返され、メカニカルシャッタ13に導かれる。レーザ照射時はメカニカルシャッタ13を開放し、レーザ照射強度は1/2波長板14と偏光ビームスプリッタ16によって調整可能とし、1/2波長板15によって偏光方向を調整し、集光レンズ17によって、XYθステージ19上の加工材料W表面に集光照射することになる。
周期構造3は、加工閾値近傍の照射強度で直線偏光のレーザを照射し、その照射部分をオーバーラップさせながら走査して、自己組織的に形成している。すなわち、アブレーション閾値近傍のフルエンスで直線偏光のレーザをワーク(加工材料)Wに照射した場合、入射光と加工材料Wの表面に沿った散乱波またはプラズマ波の干渉により、レーザ波長と同程度の周期間隔で、エネルギー分布に粗密が生じる。一般的な加工方法ではレーザ照射面全体が加工されるが、加工閾値近傍のエネルギー密度でレーザ照射することで、高エネルギー部分を選択的に加工することができる。その結果、1光軸のレーザ照射でありながら、グレーティング状の周期構造3が形成される。このとき、加工に用いるレーザのパルス幅が長くなるほど熱影響や加工蒸散物との相互作用によるレーザの散乱によって周期構造に乱れが生じることになる。
第1領域7に微小の凹部5と微小の凸部4とが交互に配設されたグレーティング状凹凸の周期構造3を形成すると、流体の接触角を、周期構造を形成しない場合と比較して変化させることができる。第2領域8に微小の凹部5と微小の凸部4とが交互に配設されたグレーティング状凹凸の周期構造3を形成すると、流体の接触角を、周期構造を形成しない場合と比較して変化させることができる。流体の接触角は、数1に示すようにWenzelの式で表せる。なお、数1において、rは表面積倍率であり、r>1である。θeは平滑面の接触角であり、θwはみかけの接触角である。数1により、θe>90°ではθw>θeとなり、θe<90°ではθw<θeとなる。すなわち、本来流体の接触角が90度よりも小さい内面である場合、表面積倍率rが大きいほど流体の接触角が低減する。また、流体の接触角が90度よりも大きい内面である場合、表面積倍率rが大きいほど流体の接触角が増加する。このように、第1領域7が流体の接触角が90度よりも小さい内面であり、第2領域8が流体の接触角が90度よりも大きい内面である場合、少なくとも第1領域7又は第2領域8のいずれかに微細な凹凸構造3を設けると、第1領域7と第2領域8との流体の接触角の差が大きくなり、流体がより選択的により流体の接触角の小さい内面を流れるようになる。また、第1領域7と第2領域8の材質が、本来、流体の接触角が同じものであっても、第1領域7と第2領域8の少なくともいずれかの領域に微細な凹凸構造を設けることで、第1領域7と第2領域8の表面積倍率に差を生じさせれば、流体の接触角を相違させることができ、流体がより選択的により流体の接触角の小さい内面を流れるようになる。
Figure 0007281270000001
さらに、第2領域8には、例えば、水素やフッ素を末端に持つような表面エネルギの小さい撥液性コーティング膜(図示省略)を施している。
第2の面1b及び第3の面1cは流体の濡れ性が低く(撥液性)、第4の面1dは流体の濡れ性が高くなっている(親液性)。すなわち、流体接触面積減少面6の第1領域7と隣接する面(第4の面1d)では流体の接触角の小さい領域となり、第2領域8と隣接する面(第2の面1b)では流体の接触角の大きい領域となっている。
流路の内面1を前記のような構成とすることにより、図1に示すように、流体は流体の接触角の小さい内面を選択的に流れる。これにより、流路の内面1全体に流体が濡れ広がった場合と比較して流体が内面に接する面積を小さくすることができ、流体が受ける内面1からの抵抗が低減され、流速が向上する。また、内面1中の流体の接触角の大きい内面は、流体の浸入が抑制され、流体の無い空間となり、流路の閉塞が抑制される。これにより、本発明の流路は排液能力が高いものとなる。特に、燃料電池のセパレータに適用する場合、発電能力が低下する原因である生成水の流路閉塞を抑制し、流路からの排液速度を速くでき、燃料電池の能力を向上させることができる。
また、第2領域8にコーティング膜を有しているので、撥液性コーティング膜によって流体の接触角の大きい内面を形成することで、当該撥液性コーティング膜よりも流体の接触角の小さい基材で作成された流路において、流体が流体の接触角の大きい内面を避け、流体の接触角の小さい内面を選択的に流れるようにすることができる。
凹凸構造3の凹凸の高さが20nm以上5μm以下、凹凸構造3の間隔が40nm以上10μm以下としているので、濡れ性を強調することができる。また、微細な凹凸構造のため、流体の抵抗となりにくい。また、微細な凹凸構造のため、加工に関わる消費エネルギーが低くなり、加工時間が短く、低コストで形成することができる。
第2領域8に形成する凹凸構造3が流体の流れ方向に沿うグレーティング状としているので、流路の流れ方向に直交する方向の断面形状が凹凸形状を持ち、その方向の液体の接触角がより大きくなり、流体の接触角の大きい内面と流体の接触角の小さい内面との接触角の差がより大きくなるため、流体がより選択的に流体の接触角の小さい内面を流れるようになる。第1領域7に形成する凹凸構造3が流体の流れ方向に沿うグレーティング状としているので、流路の流れ方向に直交する方向の断面形状が凹凸形状を持ち、その方向の液体の接触角が小さくなり、流体の接触角の大きい内面との流体の接触角の小さい内面との接触角の差が大きくなるため、流体がより選択的に流体の接触角の小さい内面を流れるようになる。かつ、流れ方向には凹凸が小さいため流体に対する抵抗が小さい。そのため、前記凹凸構造が流体の流れ方向に沿わない場合と比較して流路に沿った方向への濡れ広がりが強くなり、流路からの排液を速くできる。
流体の流通方向と直交する方向において、少なくとも流体接触面積減少面の第1領域7を含む内面の断面形状が、120°以下の内角を有するものとしているので、角の頂点付近の流体は、角をなす2辺の流体に対する接触角の小さい内面の影響を受け、毛管現象のため流路に沿った方向への濡れ広がりが強くなり、流路からの排液を速くできる。
以下に、本発明の実施例を説明する。この実施例は、SUS304基板に作製した微小流路に対して、超短パルスレーザ照射と撥水性単分子コーティングの組み合わせにより流路壁面内の濡れ性をパターニングし、この基板を傾斜させ微小開水路とし流路に純水を滴下した場合の排水特性について検証した。
SUS304基板(25mm角、厚さ3mm)にフライス加工にて幅3mm、深さ1mm、長さ25mmの矩形溝を形成した。基板表面を活性化し、かつ周期構造を形成するために超短パルスレーザを照射した.照射した超短パルスレーザには、波長1030nm、パルス幅約900fsのフェムト秒レーザを用いた。フェムト秒レーザの光路軸は流路断面内にあり、加工面への入射角は45°の斜入射として溝方向に走査照射した。入射角θでレーザを照射した場合に形成される周期構造の周期は数2で表される。
Figure 0007281270000002
ここで、dは周期構造の周期、λはレーザ波長、θはレーザ入射角である。本実施例ではθ= 45°としたため、式の解は、603nmと3517nmとなるが、実際には式の解より小さい周期約560nmと約2700nmの構造が混在し、周期約2700nmの周期構造が顕在化して形成されていた。また、その凹凸高さは400~500nmであった(図示なし)。周期構造の向きは流路の流れ方向に沿うように形成した。
撥水コーティングには、リン酸エステルを吸着基としたフッ素系コーティング剤を用いた。ディップ法によるコーティングの後、大気中100℃で1hの熱処理を施した。撥水コーティングを施した基板表面の周期構造の形状は未コートの場合と遜色が無かった。図5に、(a)未処理、(b)レーザ照射、(c)レーザ照射+撥水コーティングの基板表面の、純水に対する接触角を示す。接触角(CA)はそれぞれ、(a) 67°、(b) 10°、(c) 144°であった。これらの処理を用い、図6に示す3つの接触角の流路面を作製した。
パターンI:[全面未処理流路]
流路全壁面・・・処理(a) CA=67°
パターンII:[全面超親水性流路]
流路全壁面・・・処理(b) CA=10°
パターIII:[部分的超親水性流路]
流路断面右半分・・・処理(b) CA=10°
流路断面左半分・・・処理(c) CA=144°
流路を流れる流体として純水を用いた.純水はペリスタルティックポンプによりテフロンチューブ(テフロン:登録商標)中を通り、接続したピペットチップ先端から基板の上端面近くの流路断面の中央に断続的に滴下した。滴下速度は10~57μL/sとした。基板は流れ方向に約30°傾斜させた。なお、流路終端は予め純水に接している状態とした。
各パターンの流路に純水を十分に滴下した状態の写真を図7に示す。純水で濡れている領域は点線で表している。流路全内面が未処理面(CA=67°)であるパターンI(図7 (
I))では、滴下速度10μL/sにおいて、流路断面は直ちに純水で満たされ流路を閉塞し
た。また、流路中の純水の一団は液滴の供給がある時は下流方向に移動したが、液滴の供給が停止している時は流路に留まり下降せず流路を閉塞した。
一方、流路全内面が超親水性面(CA=10°)であるパターンII(図7 (II))では、純
水は滴下速度57μL/sにおいても流路断面を満たすことなく下流方向へ流れた。マイクロピペット先端から吐出した液滴は流路壁面に接すると瞬時にその球形の形状が破壊され流路内に濡れ広がった。このことが、流路断面を占める純水の面積を低減させ、流路閉塞を抑制したと考えられる。
流路内面右半分が超親水性面(CA=10°)であるパターンIII(図7 (III))でも同様に
、滴下速度57μL/sにおいて流路断面が純水で満たされることは無かった。超親水性の部分に瞬時に濡れ広がった液滴は、その後水流となり、流路内面左半分の撥水性部分(CA=144°)に浸入することなく超親水性部分を選択的に下流まで流れた。
流路閉塞の抑制という観点では、排水時の水流の断面積が小さいほうが良く、迅速な排水という観点では、その場合の流速が速いほうが良い。そこで、河川や水路の流速を見積もる数3のManningの式を全面超親水性流路と部分的超親水性流路に適用し、水流の断面積と平均流速を比較検討した。
Figure 0007281270000003
ここで、Uは水流の平均流速、Rは径深(流積と呼ばれる流れの断面積を潤辺と呼ばれる水路断面で水が接する長さで除したもの)、Sは流路の勾配、nは粗度係数(流体が接する内面の粗さを考慮した抵抗を表す)である。各パターンの超親水性部分はほぼ流路内面全面が濡れた状態で純水が流路を流れ降りていた。そのため、全面超親水性流路の潤辺は、流体接触面積減少面を有する部分的超親水性流路の2倍となる。その他のパラメータは同じである。それぞれの流路の流量が等しいと仮定した場合、流体接触面積減少面を有する部分的超親水性流路の水流断面積は全面超親水性流路の0.76倍となった。一方、水流断面積が等しいと仮定した場合、流体接触面積減少面を有する部分的超親水性流路の平均流速は全面超親水性流路の1.6倍となった。つまり、流路閉塞の抑制と排水のいずれの点においても、水流と接する流路内面が小さい流体接触面積減少面を有する部分的超親水性流路は、全面超親水性流路よりも優れているということを示唆している。
本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば、流路の内面形状は、二面から構成されるもの、三面から構成されるもの、四面から構成されるもの、円形、楕円形、三角形以上の多角形、不規則な形状等のいかなる形状であってもよい。流路断面が閉じていても開放されていてもよい。凹構造2の内角は、90°でなくてもよく、120°以下の任意の角度であるのが望ましい。
凹凸構造3は流路を構成するどの流路内面に設けてもよい。濡れ性を制御するためのコーティング膜は、第1領域7に設けてもよく、この場合は親液性を高めるようなコーティング膜(例えば、流体が水の場合は、水酸基、ポリエチレングリコール、カルボキシル基、アンモニウム塩、スルホン酸などの親水性末端を有するもの)を施す。これにより、親液性コーティング膜によって流体の接触角の小さい流路を形成することで、当該親液コーティング膜よりも流体の接触角の大きい基材で作成された流路において、流体が流体の接触角の大きい流路面を避け、流体の接触角の小さい内面を選択的に流れるようにすることができる。凹凸構造3に各種コーティングを施してもよいし,各種コーティングに凹凸構造3を付与してもよい。流体には、例えばゲル状物質や生物、細胞など、気体や固体以外のものが含まれてもよい。
周期構造形成工程に使用するレーザとしては、フェムト秒レーザ、ピコ秒レーザ、及びナノ秒レーザといったパルスレーザを使用することができる。また、レーザ照射時の入射角は自由に設定できる。また、レーザ波長も適宜設定できる。
本発明の流路が適用できる工業製品として、燃料電池のほか、自動車、映像撮影装置、食品製造装置、薬品製造装置、太陽電池、分析チップ、分析装置、マイクロ化学プラント、細胞培養機器、空調機、浴室、便器などがある。
1 内面
2 凹構造
3 周期構造
4 凸部
5 凹部
6 流体接触面積減少面
7 第1領域
8 第2領域

Claims (4)

  1. 内面に、流体の接触角が90度よりも小さい第1領域と、流体の接触角が90度よりも大きい第2領域とが、流体の流通方向と直交する断面方向において隣接し、
    前記第1領域又は第2領域の少なくともいずれかに、凹凸の高さが20nm以上5μm以下、凹凸構造の間隔が40nm以上10μm以下である微細な凹凸構造が設けられていることを特徴とする流路を備えた燃料電池
  2. 前記第1領域又は第2領域の少なくともいずれかにコーティング膜を有することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池
  3. 前記凹凸構造が流体の流通方向に沿うグレーティング状であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の燃料電池
  4. 流体の流通方向と直交する方向において、前記第1領域と前記第2領域とを有する流体接触面積減少面と、前記流体接触面積減少面と異なる方向に延びる内面とが90°以下で接することを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の燃料電池
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