シルセスキォキサン誘導体およびその製造方法
隱分野]
本発明はシルセスキォキサン誘導体およぴその製造方法に関する。 このシルセ スキォキサン誘導体は、 電子材料、明光学材料、 電子光学材料、 または触媒担持体 として用いることができ、 一般的な有機重合体の特性を向上させるための添加剤 としても利用できる。 この特性の例は、 難燃書性、 耐熱性、 耐候性、 耐光性、 電気 絶縁性、 表面特性、 硬度、 力学的強度および耐薬品性である。
なお、 本発明においては、 3官能の加水分解性ケィ素化合物を加水分解し縮合 させることによって得られる化合物の総称として、 シルセスキォキサンを用いる。 そして、 以下の説明においては、 シルセスキォキサンを記号 P S Qで示すことが ある。
[背景技術]
P S Qに関しては、 これまで数多くの研究が行われてきた。 Baneyらの総説では、 存在が確認された P S Qの構造として、 ラダー構造、 完全縮合型構造、 不完全縮 合型構造および不定形構造が示されている (文献 1 ) 。 完全縮合型構造は、 複数 の環状構造によって閉じた空間が形成される構造であり、 その閉じた空間の形状 は限定されていない。 不完全縮合型構造は、 完全縮合型構造の少なくとも 1箇所 以上が塞がれておらず、 空間が閉じていない構造である。
Feher等は、 シク口ペンチノレトリクロ口シランまたはシク口へキシノレトリクロ口 シランをァセトン中で加水分解することにより、 不完全縮合型構造の P S Qを得 ている (文献 2 ) 。 Shchegolikhinea等は、 フエニルトリプトキシシランをプタノ ール中で等モルの水酸化ナトリゥムと等モルの水を用いて加水分解することによ
り、 末端が S i— O— N aとなった環状四量体の P S Qを得ている (文献 3 ) 。 しかし、 Shchegolikhinea等の方法を用いて、 完全縮合型構造または不完全縮合 型構造を有する P S Qを合成した例は報告されていない。 完全縮合型構造または 不完全縮合型構造を有する P S Qのうち、 容易に合成され、 単離されている化合 物の種類は多くない。 その中でも市販されているものの数はさらに限定されてい る。 最近では、 完全縮合型構造または不完全縮合型構造を有する P S Qに、 種々 の官能基が導入された P S Q誘導体が、 ハイプリッドプラスチック社より市販さ れており、 多くの用途が提案されている (文献 4 ) 。
文献 1 : Chem. Rev. 95, 1409 (1995)
文献 2 : Organometallics, 10, 2556 (1991)
文献 3 : Organometallics, 19, 1077 (2000)
文献 4 : P0SS CHEMICAL CATALOG, Hybrid Plastics (Feb. 2001) しかしながら、 市販されている P S Q誘導体の基本骨格は、 S i〇3 / 2 で示 される結合状態以外の有機ケィ素基を有するものを含めて数種類に過ぎない。 従 つて、 完全縮合型構造または不完全縮合型構造を有する P S Q誘導体を、 広い用 途において効果的に活用するためには、 新規な骨格を有する P S Q誘導体が提供 されることが望ましい。 従来と比べてより短時間で、 かつより低コストで製造で きることも重要である。 さらに、 既存の P S Q誘導体には、 一般的な有機重合体 との相溶性がよくないという問題点があった。 均一に混合することができなかつ たり、 塗膜にした場合に白化したり、 塗膜からプリードアウトすることがあるの で、 その添加量に限界があった。 そのために、 P S Qに期待される特性を十分に 付与できないものもあった。 従って、 P S Qの用途を広げるためには、 一般的な 有機重合体との相溶性が改善される必要がある。 本発明は、 従来の P S Q誘導体 に関するこのような問題点を解決するために、 新規な P S Q誘導体およびこれを 短時間かつ低コストで製造するための方法を提供する。
[発明の開示]
上記の課題は、 下記の構成からなる本発明によつて解決される
[1] 式 (1) で示されるシルセスキォキサン誘導体。
ここに、 それぞれの Rは水素、 炭素原子の数が 1〜 45であり、 任意の水素がフ ッ素で置き換えられてもよく、 そして任意の _CH
2 —が一 O—、 一CH=CH 一、 シクロアルキレンまたはシクロアルケ二レンで置き換えられてもよいアルキ ル、 置換もしくは非置換のァリール、 および置換もしくは非置換のァリール基と 任意の水素がフッ素で置き換えられてもよく、 そして任意の一CH
2 —が一 O—、 一 CH==CH—またはシクロアルキレンで置き換えられてもよいアルキレン基と で構成されるァリールアルキルから独立して選択される基である;少なくとも 1 つの Yは式 (2) で示される基から選択される基であり、 残りの Yは水素であ る;そして、 少なくとも 2つの Yが式 (2) で示される基であるとき、 それらは 同一の基であってもよく、 少なくとも 2つの異なる基で構成されてもよい;
R1
-Si- (2)
R2 ここに、 R1 および R2 は独立して Rと同様に定義される基である;そして、 Z は Rと同様に定義される基、 官能基または官能基を有する基である。
[2] それぞれの が、 水素、 炭素原子の数が 1〜45であり、 任意の水素
がフッ素で置き換えられてもよく、 そして任意の一CH2 —が一 0_、 一 CH二 CH―、 シクロアルキレンまたはシクロアルケ二レンで置き換えられてもよいァ ルキル、 置換もしくは非置換のァリール、 および置換もしくは非置換のァリール 基と任意の水素がフッ素で置き換えられてもよく、 そして任意の一 CH2 —がー O—、 一 CH=CH—またはシクロアルキレンで置き換えられてもよいアルキレ ン基とで構成されるァリールアルキルから独立して選択される基であり、 R1 お ょぴ R2 が独立してメチル、 イソプロピル、 t e r t一ブチルまたはフエエルで あり、 そして Zが Rと同様に定義される基、 官能基または官能基を有する基であ る、 [1] 項に記載のシルセスキォキサン誘導体。
[3] それぞれの尺が、 水素、 および炭素原子の数が 1〜30であり、 任意 の水素がフッ素で置き換えられてもよく、 そして任意の一 CH2 —がー O—また はシクロアルキレンで置き換えられてもよいアルキルから独立して選択される基 である、 [2] 項に記載のシルセスキォキサン誘導体。
[4] それぞれの尺が、 炭素原子の数が 2〜 20であり、 任意の水素がフッ 素で置き換えられてもよく、 そして任意の一 CH2 —が一 O—またはシクロアル キレンで置き換えられてもよいァルケ-ル、 および炭素原子の数が 1〜20であ り、 任意の水素がフッ素で置き換えられてもよく、 そして少なくとも 1つの一 C H2 一がシクロアルケ-レンで置き換えられるアルキルから独立して選択される 基である、 [2] 項に記載のシルセスキォキサン誘導体。
[5] それぞれの Rが、 任意の水素がハロゲンまたは 1〜10の炭素原子を 有するアルキルで置き換えられてもよいフエニルおよびナフチルから独立して選 択される基であり ;フエ二ルの置換基であるアルキルにおいて、 任意の水素がフ ッ素で置き換えられてもよく、 そして任意の一CH2 —が一 O—、 _CH=CH 一、 シクロアルキレンまたはフエ二レンで置き換えられてもよく ;そして、 フエ ニルが複数の置換基を有するときは、 それらの置換基は同一の基であってもよい し異なる基であってもよい、 [2] 項に記載のシルセスキォキサン誘導体。
[6] それぞれの が、 任意の水素がハロゲンまたは 1〜10の炭素原子を 有するアルキルで置き換えられてもよいフエエル基と 1〜12の炭素原子を有す
るアルキレン基とで構成されるフエニルアルキルから独立して選択される基であ り ; フエ-ル基の置換基であるアルキルにおいて、 任意の水素はフッ素で置き換 えられてもよく、 そして任意の一 CH2 —は一 O—、 一 CH=CH—、 シクロア ルキレンまたはフエ二レンで置き換えられてもよく ;そのアルキレン基において、 任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、 そして任意の一 CH2 —は一 O— またはシクロアルキレンで置き換えられてもよく ;そして、 フエニル基が複数の 置換基を有するときは、 それらの置換基は同一の基であつてもよいし異なる基で あってもよい、 [2] 項に記載のシルセスキォキサン誘導体。
[7] それぞれの Rが、 任意の水素がハロゲンまたは 1〜10の炭素原子を 有するアルキルで置き換えられてもよいフヱ-ル基と 2〜12の炭素原子を有す るァルケ二レン基とで構成されるフエ-ルアルケュルから独立して選択される基 であり ;フヱニル基の置換基であるアルキルにおいて、 任意の水素はフッ素で置 き換えられてもよく、 任意の一 CH2 —は一O—、 一 CH = CH—、 シクロアル キレンまたはフエ-レンで置き換えられてもよく ;そのァルケ-レン基において、 任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、 そして任意の一 CH2 —は一0— またはシクロアルキレンで置き換えられてもよく ;そして、 フエニル基が複数の 置換基を有するときは、 それらの置換基は同一の基であってもよいし異なる基で あってもよい、 [2] 項に記載のシルセスキォキサン誘導体。
[8] それぞれの Rが、 炭素原子の数が 1〜8であり、 任意の水素がフッ素 で置き換えられてもよく、 そして任意の一 CH2 _がー O—、 一CH=CH—、 シクロアルキレンまたはシク口アルケニレンで置き換えられてもよいアルキル、 任意の水素がハロゲン、 メチルまたはメ トキシで置き換えられてもよいフエ-ル、 任意の水素がフッ素、 1〜4の炭素原子を有するアルキル、 ビュルまたはメ トキ シで置き換えられてもよいフエニル基と炭素原子の数が 1〜8であり、 そして任 意の一 CH2 —が一 O—、 一CH = CH—またはシクロアルキレンで置き換えら れてもよいアルキレン基とで構成されるフエニルアルキルおよびナフチルから独 立して選択される基であり ;そして、 フエニルまたはフエニルアルキルのフエ二 ル基が複数の置換基を有するときは、 それらの置換基は同一の基であってもよい
し異なる基であってもよい、 [2] 項に記載のシルセスキォキサン誘導体。
[9] すべての Rが、 炭素原子の数が 1〜8であり、 任意の水素がフッ素で 置き換えられてもよく、 そして任意の一 CH2 —が _O—、 一 CH=CH―、 シ クロアルキレンまたはシクロアルケ-レンで置き換えられてもよいアルキル、 任 意の水素がハロゲン、 メチルまたはメ トキシで置き換えられてもよいフエニル、 任意の水素がフッ素、 1〜4の炭素原子を有するアルキル、 ビュルまたはメ トキ シで置き換えられてもよいフエニル基と炭素原子の数が 1〜 8であり、 そして任 意の _CH2 —が一 O—、 一CH=CH—またはシクロアルキレンで置き換えら れてもよいアルキレン基とで構成されるフヱ-ルアルキルおよびナフチルから選 択される同一の基であり ;そして、 フ -ニルまたはフエニルアルキルのフエニル 基が複数の置換基を有するときは、 それらの置換基は同一の基であってもよいし 異なる基であってもよい、 [2] 項に記載のシルセスキォキサン誘導体。
[10] すべての Rが、 任意の水素がハロゲン、 メチルまたはメ トキシで置 き換えられてもよいフエニル、 任意の水素がフッ素、 1〜4の炭素原子を有する アルキル、 ビュルまたはメ トキシで置き換えられてもよいフエエル基と炭素原子 の数が 1〜8であり、 そして任意の一 CH2 —が一 O—、 一 CH=CH—または シクロアルキレンで置き換えられてもよいアルキレン基とで構成されるフエニル アルキルおょぴナフチルから選択される同一の基であり ;そして、 フエエルまた はフヱ-ルアルキルのフヱニル基が複数の置換基を有するときは、 それらの置換 基は同一の基であってもよいし異なる基であってもよい、 [2] 項に記載のシル セスキォキサン誘導体。
[1 1] すべての Rがフエニルである、 [2] 項に記載のシルセスキォキサ ン誘導体。
[12] それぞれの Rが、 水素、 炭素原子の数が 1〜45であり、 任意の水 素がフッ素で置き換えられてもよく、 そして任意の一 CH2 —が一 O—、 一 CH = CH—、 シクロアルキレンまたはシク口ァルケ-レンで置き換えられてもよい アルキル、 置換もしくは非置換のァリール、 および置換もしくは非置換のァリ一 ル基と任意の水素がフッ素で置き換えられてもよく、 そして任意の一 CH2 —が
—O—、 一 CH=CH—またはシクロアルキレンで置き換えられてもよいアルキ レン基とで構成されるァリールアルキルから独立して選択される基であり ; R1 および R2 が独立してメチル、 イソプロピル、 t e r t—プチルまたはフエ-ル であり ;そして、 Zが水素 (S iに結合する) 、 ハロゲン、 一 OH、 フッ素化ァ ルキル、 アルコキシ、 カルボキシル、 2 _ォキサプロパンジオイル、 一COO—、 一 OCO—、 ポリアルキレンォキシ、 ォキシラエル、 3, 4一エポキシシク口へ キシノレ、 ォキセタニル、 ォキセタニレン、 アルケニル、 シクロアルケュル、 一 N H2、 一 NH—、 _CN、 一NCO、 一SHおよび一 PH2 から選択される官能基、 またはその官能基を有する基である、 [1] 項に記載のシルセスキォキサン誘導 体。
[1 3] それぞれの が、 水素、 および炭素原子の数が 1〜30であり、 任 意の水素がフッ素で置き換えられてもよく、 そして任意の一 CH2 —が一 O—ま たはシクロアルキレンで置き換えられてもよいアルキルから独立して選択される 基である、 [12] 項に記載のシルセスキォキサン誘導体。
[14] それぞれの Rが、 炭素原子の数が 2〜 20であり、 任意の水素がフ ッ素で置き換えられてもよく、 そして任意の一 CH2 —が一〇一またはシクロア ルキレンで置き換えられてもよいアルケニルおよび炭素原子の数が 1〜20であ り、 任意の水素がフッ素で置き換えられてもよく、 そして少なくとも 1つの一 C H2 一がシクロアルケ二レンで置き換えられるアルキルから独立して選択される 基である、 [12] 項に記載のシルセスキォキサン誘導体。
[15] それぞれの尺が、 任意の水素がハロゲンまたは 1〜10の炭素原子 を有するアルキルで置き換えられてもよいフエニルおよびナフチルから独立して 選択される基であり ; フエ-ルの置換基であるアルキルにおいて、 任意の水素は フッ素で置き換えられてもよく、 任意の一CH2 —は一O—、 一 CH=CH—、 シクロアルキレンまたはフエ二レンで置き換えられてもよく ;そして、 フエニル が複数の置換基を有するときは、 それらの置換基は同一の基であってもよいし異 なる基であってもよい、 [12] 項に記載のシルセスキォキサン誘導体。
[16] それぞれの が、 任意の水素がハロゲンまたは 1〜10の炭素原子
を有するアルキルで置き換えられてもよいフエニル基と 1〜12の炭素原子を有 するアルキレン基とで構成されるフエニルアルキルから独立して選択される基で あり ;フエニル基の置換基であるアルキルにおいて、 任意の水素はフッ素で置き 換えられてもよく、 そして任意の一 CH2 —は一 O—、 一 CH=CH—、 シクロ アルキレンまたはフエ二レンで置き換えられてもよく ;そのアルキレン基におい て、 任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、 そして任意の一 CH2 —は一 O—またはシクロアルキレンで置き換えられてもよく ;そして、 フエ-ル基が複 数の置換基を有するときは、 それらの置換基は同一の基であつてもよいし異なる 基であってもよい、 [12] 項に記載のシルセスキォキサン誘導体。
[17] それぞれの Rが、 任意の水素がハロゲンまたは 1〜10の炭素原子 を有するアルキルで置き換えられてもよいフエ-ル基と 2〜12の炭素原子を有 するァルケ-レン基とで構成されるフヱ -ルァルケ-ルから独立して選択される 基であり ; フエニル基の置換基であるアルキルにおいて、 任意の水素はフッ素で 置き換えられてもよく、 そして任意の一 CH2 —は一 O—、 一 CH=CH―、 シ クロアルキレンまたはフエ-レンで置き換えられてもよく ;そのアルケエレン基 において、 任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、 そして任意の一 CH2 一は一 O—またはシクロアルキレンで置き換えられてもよく ;そして、 フエニル 基が複数の置換基を有するときは、 それらの置換基は同一の基であってもよいし 異なる基であってもよい、 [12] 項に記載のシルセスキォキサン誘導体。
[18] それぞれの尺が、 炭素原子の数が 1〜 8であり、 任意の水素がフッ 素で置き換えられてもよく、 そして任意の一 CH2 —がー O—、 一CH=CH—、 シクロアルキレンまたはシク口アルケニレンで置き換えられてもよいアルキル、 任意の水素がハロゲン、 メチルまたはメ トキシで置き換えられてもよいフエニル、 任意の水素がフッ素、 1〜4の炭素原子を有するアルキル、 ビニルまたはメ トキ シで置き換えられてもよいフエニル基と炭素原子の数が 1〜8であり、 そして任 意の一 CH2 —が一 O—、 一 CH=CH—またはシクロアルキレンで置き換えら れてよ 、アルキレン基とで構成されるフエニルアルキルおよびナフチルから独立 して選択される基であり ;そして、 フエニルまたはフエエルアルキルのフエエル
基が複数の置換基を有するときは、 それらの置換基は同一の基であってもよいし 異なる基であってもよい、 [12] 項に記載のシルセスキォキサン誘導体。
[19] すべての Rが、 炭素原子の数が 1〜8であり、 任意の水素がフッ素 で置き換えられてもよく、 そして任意の一 CH2 —が一 O—、 一CH=CH―、 シク口アルキレンまたはシク口アルケニレンで置き換えられてもよいアルキル、 任意の水素がハロゲン、 メチルまたはメ トキシで置き換えられてもよいフエニル、 任意の水素がフッ素、 1〜4の炭素原子を有するアルキル、 ビュルまたはメ トキ シで置き換えられてもよいフエニル基と炭素原子の数が 1〜8であり、 そして任 意の一 CH2 —が一〇一、 一CH=CH—またはシクロアルキレンで置き換えら れてもよいアルキレン基とで構成されるフエニルアルキルおよびナフチルから選 択される同一の基であり ;そして、 フエ-ルまたはフエ-ルアルキルのフエニル 基が複数の置換基を有するときは、 それらの置換基は同一の基であってもよいし 異なる基であってもよい、 [12] 項に記載のシルセスキォキサン誘導体。
[20] すべての尺が、 任意の水素がハロゲン、 メチルまたはメ トキシで置 き換えられてもよいフエニル、 任意の水素がフッ素、 1〜4の炭素原子を有する アルキル、 ビエルまたはメ トキシで置き換えられてもよいフエ-ル基と炭素原子 の数が 1〜8であり、 そして任意の一 CH2 —が一 O—、 一CH=CH—または シクロアルキレンで置き換えられてもよいアルキレン基とで構成されるフエニル アルキルおょぴナフチルから選択される同一の基であり ;そして、 フエニルまた はフエニルアルキルのフエ-ル基が複数の置換基を有するときは、 それらの置換 基は同一の基であってもよいし異なる基であってもよい、 [12] 項に記載のシ ルセスキォキサン誘導体。
[21] すべての Rがフエエルである、 [12] 項に記載のシルセスキォキ サン誘導体。
[22] [1] 項に記載の式 (2) における Zがハロゲン化アルキルまたは ハロゲン化アルキルを有する基である、 [1] 〜 [21] のいずれか 1項に記載 のシルセスキォキサン誘導体。
[23] [1] 項に記載の式 (2) における Zがァルケニル、 またはァルケ
ニル、 — OH、 カルボキシル、 2—ォキサプロパンジオイル、 ォキシラエル、 3 , 4一エポキシシク口へキシノレ、 ォキセタニノレ、 ォキセタニレンおょぴー NH 2の いずれかを有する基である、 [1] 〜 [21] のいずれか 1項に記載のシルセス キォキサン誘導体。
[24] 式 (3) で示されるシルセスキォキサン誘導体を用いることを特徴 とする、 [1] 項に記載のシルセスキォキサン誘導体の製造方法。
ここに、 Rは [1] 項に記載の式 (1) における Rと同一の意味を有し、 Mは 1 価のアルカリ金属原子である。
[25] [23] 項に記載のシルセスキォキサン誘導体を用いて得られる重 合体。
以下の説明では、 式 (1) で示されるシルセスキォキサン誘導体を化合物 (1 ) と表記することがある。 式 (3) で示される化合物を化合物 (3) と表記する ことがある。 他の式で示される化合物についても同様の表現法で表記することが ある。 本発明においては、 アルキルおよびアルキレンはどちらも、 直鎖の基であ つてもよく、 分岐された基であってもよい。 このことは、 これらの基において任 意の水素がハロゲンや環式の基などと置き換えられる場合も、 任意の一 CH2 — が一 O—、 一 CH=CH—、 シクロアノレキレン、 シクロアルケ二レンなどで置き 換えられる場合も同様である。 本発明で用いる 「任意の」 は、 位置のみならず個
数も任意であることを示す。 そして、 複数の水素または一 CH2 —が置き換えら れるときには、 それぞれ異なる基で置き換えられてもよい。 例えば、 「アルキル において任意の一 CH2 —は一 O—または一 CH=CH—で置き換えられてもよ い」 と記述されるとき、 このアルキルの定義範囲には、 アルキル、 アルコキシ、 アルケニル、 ァルケ-ルォキシ、 アルコキシアルキル、 アルコキシァルケニル、 アルケニルォキシアルキルなどが含まれる。 このとき、 アルコキシァルケ-ルに おけるアルコキシおよびアルケニレン、 並びにアルケニルォキシアルキルにおけ るァルケ-ルおよびアルキレンのいずれの基も、 直鎖の基であってもよく、 分岐 された基であってもよい。 なお、 本発明において、 任意の一 CH2 —が一 O—で 置き換えられると記述するときは、 連続する複数の一 CH2 —は _0—で置き換 えられない。 本発明の PSQ誘導体は、 式 (1) で示される。
(
1 )
式 (1) において、 それぞれの Rは水素、 炭素数 1〜45のアルキル、 置換も しくは非置換のァリールおよび置換もしくは非置換のァリールアルキルから独立 して選択される基である。 すべての Rが同一の基であることが好ましいが、 8個 の Rが少なくとも 2つの異なる基で構成されていてもよい。
8個の Rが異なる基で構成される場合の例は、 少なくとも 2つのアルキルで構 成される場合、 少なくとも 2つのァリールで構成される場合、 少なくとも 2つの ァラルキルで構成される場合、 水素と少なくとも 1つのァリールとで構成される 場合、 少なくとも 1つのアルキルと少なくとも 1つのァリールとで構成される場
合、 少なくとも 1つのアルキルと少なくとも 1つのァリールアルキルとで構成さ れる場合、 少なくとも 1つのァリールと少なくとも 1つのァリールアルキルとで 構成される場合などである。 これらの例以外の組み合わせでもよい。 少なくとも
2つの異なる Rを有する化合物 (1 ) を製造する方法については後述する。
Rがアルキルであるとき、 その炭素数は 1〜4 5である。 好ましい炭素数は 1 〜3 0である。 より好ましい炭素数は 1〜8である。 そして、 このアルキルの任 意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、 任意の _ C H 2 —は一 O—、 一 C H = C H—、 シクロアルキレンまたはシクロアルケ二レンで置き換えられてもよい。 このようなアルキルの好ましい例は、 炭素数 1〜 3 0の非置換のアルキル、 炭素 数 2〜2 9のアルコキシアルキル、 1つの一 C H 2 —がシクロアルキレンで置き 換えられる炭素数 1〜 8のアルキル、 炭素数 2〜 2 0のァルケ-ル、 炭素数 2〜 2 0のアルケニルォキシアルキル、 炭素数 2〜 2 0のアルキルォキシァルケニル、 1つの一C H 2 —がシクロアルケ二レンで置き換えられる炭素数 1〜8のアルキ ル、 およびここに挙げたそれぞれの基において任意の水素がフッ素で置き換えら れる基である。 シクロアルキレンおよびシクロアルケ二レンにおいて、 好ましい 炭素数は 3〜 8であり、 隣り合わない 2つの炭素が架橋されてもよい。
炭素数 1〜3 0の非置換のアルキルの例は、 メチル、 ェチル、 プロピル、 1— メチルェチル、 プチル、 2—メチルプロピル、 1 , 1ージメチノレエチル、 ペンチ ル、 へキシル、 1, 1 , 2—トリメチルプロピル、 ヘプチル、 ォクチル、 2 , 4 , 4一トリメチルペンチル、 ノエル、 デシル、 ゥンデシル、 ドデシル、 テトラデ シル、 へキサデシル、 ォクタデシル、 エイコシル、 ドコシル、 およびトリアコン チルである。
炭素数 1〜3 0のフッ素化アルキルの例は、 トリフルォロメチル、 3 , 3, 3 一トリフルォロプロピル、 ノナフルオロー 1, 1, 2, 2—テトラヒドロへキシ ル、 トリデカフルオロー 1 , 1, 2 , 2—テトラヒドロオタチル、 ヘプタデカフ ルオロー 1, 1, 2 , 2—テトラヒドロデシル、 パーフルオロー 1 H, 1 H, 2 H, 2 H—ドデシル、 およびパーフルオロー 1 H, 1 H, 2 H, 2 H—テトラデ
シルである。
炭素数 2〜 2 9のアルコキシアルキルの例は、 3—メ トキシプロピル、 メ トキ シェトキシゥンデシルぉょぴ 3—へプタフルォ口イソプロポキシプロピルである。
1つの一 C H 2 —がシクロアルキレンで置き換えられる炭素数 1〜 8のアルキ ルの例は、 シク口へキシルメチル、 ァダマンタンェチル、 シク口ペンチル、 シク 口へキシル、 2—ビシクロへプチルおよびシクロオタチルである。 シクロへキシ ルは、 メチルの一 C H 2 —がシクロへキシレンで置き換えられる例である。 シク 口へキシルメチルは、 ェチルの一 C H 2 —がシクロへキシレンで置き換えられる 例である。
炭素数 2〜 2 0のァルケ-ルの例は、 ビュル、 2—プロべ-ル、 3—ブテエル、 5一へキセニル、 7—ォクテニル、 1 0—ゥンデセニルおよび 2 1一ドコセ-ル である。
炭素数 2〜2 0のアルケニルォキシアルキルの例は、 ァリルォキシゥンデシル である。
1つの一 C H 2 —がシク口アルケニレンで置き換えられる炭素数 1〜 8のアル キルの例は、 2— (3—シクロへキセニル) ェチル、 5— (ビシクロヘプテュル ) ェチル、 2—シクロペンテ二ノレ、 3—シクロへキセ二/レ、 5—ノノレポ/レネンー 2—ィルおよび 4ーシクロォクテエルである。 式 (1 ) における Rが置換もしくは非置換のァリールである場合の好ましい例 は、 任意の水素がハロゲンまたは 1〜1 0の炭素原子を有するアルキルで置き換 えられてもよいフエニル、 およびナフチルである。 ハロゲンの好ましい例は、 フ ッ素、 塩素および臭素である。 この 1〜1 0の炭素原子を有するアルキルにおい ては、 任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、 任意の一 C H 2 —は一 O—、 一 C H= C H_またはフエ二レンで置き換えられてもよい。 即ち、 Rが置換もし くは非置換のァリールである場合の好ましい例は、 フエニル、 ナフチル、 アルキ ルフエニル、 アルキルォキシフエェノレ、 ァノレケユルフェ二ノレ、 少なくとも 1つの 一 C H 2 —がフエ二レンで置き換えられるアルキルを置換基として有するフエ-
ル、 およびここに挙げたそれぞれの基において任意の水素がハロゲンで置き換え られる基である。 なお、 本発明においては、 特に断らずに単にフエエルと称する ときは、 非置換のフエニルを意味する。 ナフチルは非置換のナフチルを意味する。 ハロゲンィヒフエニノレの例は、 ペンタフノレオロフェニノレ、 4一クロ口フエ二ノレお よび 4一プロモフエ-ルである。
ァノレキノレフェニノレの例は、 4一メチルフエ二ノレ、 4一ェチルフエ-ル、 4ープ 口ピノレフェニノレ、 4 _プチノレフエ二ノレ、 4一ペンチノレフエ二ノレ、 4一へプチ/レフ ェニル、 4一才クチノレフエ二ノレ、 4一ノエノレフエェノレ、 4一デシルフエ二ノレ、 2 , 4ージメチノレフェニル、 2 , 4, 6—トリメチノレフエ-ノレ、 2 , 4, 6—トリ ェチノレフェェノレ、 4一 ( 1ーメチルェチル) フエ二ノレ、 4一 ( 1 , 1一ジメチノレ ェチル) フエエル、 4一 (2—ェチルへキシル) フエエルおよび 2 , 4, 6—ト リス ( 1ーメチルェチル) フエニルである。
アルキルォキシフエ二ルの例は、 4ーメ トキシフエニル、 4一エトキシフエェ ノレ、 4一プロポキシフエュノレ、 4ープトキシフエ二ノレ、 4一ペンチノレォキシフエ ニル、 4一へプチルォキシフエ-ル、 4一デシルォキシフエニル、 4ーォクタデ シルォキシフエニル、 4— ( 1ーメチルェトキシ) フエニル、 4一 ( 2—メチル プロポキシ) フエニルおよび 4一 ( 1, 1ージメチルェトキシ) フエェノレである。 ァルケユルフェ二ルの例は、 4一ビニルフエニル、 4一 ( 1一メチルビュル) フエ-ノレおよぴ 4— ( 3—プテ-ノレ) フエェノレである。
少なくとも 1つの水素が 1〜 1 0の炭素原子を有するアルキルで置き換えられ、 このアルキルの少なくとも 1つの一 C H 2 —がフエ二レンで置き換えられるフエ エルの例は、 4一 ( 2—フエニノレビ二ノレ) フエ二ノレ、 4一フエニノレオキシフエ二 ル、 3—フエュルメチルフエニル、 ビフエニルぉよびターフェニルである。 4 - ( 2 _フエニノレビ二ノレ) フエニルは、 ェチルフエニルのェチル基において、 1つ の一 C H 2 _がフエ二レンで置き換えられ、 もう 1つの一 C H 2 —が一 C H- C H—で置き換えられる例である。
水素の一部がハロゲンで置き換えられ、 他の水素がアルキル、 アルキルォキシ またはアルケニルで置き換えられるフエ-ルの例は、 3—クロロー 4—メチルフ
ェニノレ、 2 , 5―ジクロロ一 4ーメチノレフェ二ノレ、 3 , 5ージクロロ一 4ーメチ ルフエ二ノレ、 2 , 3 , 5—トリクロロー 4ーメチノレフエニル、 2, 3, 6—トリ クロロー 4—メチノレフエニル、 3—ブロモー 4ーメチノレフエ-ノレ、 2 , 5—ジブ ロモ一 4ーメチノレフエ二/レ、 3 , 5—ジブ口モー 4ーメチレフェニノレ、 2 , 3— ジフルオロー 4一メチルフエニル、 3—クロロー 4ーメ トキシフエエル、 3—プ 口モー 4—メ トキシフヱニル、 3, 5—ジブ口モー 4ーメ トキシフエュノレ、 2 , 3—ジフノレオロー 4—メ トキシフエ二ノレ、 2, 3—ジフルオロー 4—ェトキシフ ェニル、 2 , 3—ジフルオロー 4一プロポキシフエニルおよび 4一ビエル 2, 3 , 5, 6—テトラフルオロフヱ-ルである。 次に、 式 (1 ) における Rが置換もしくは非置換のァリールアルキルである場 合の例を挙げる。 了リールアルキルのアルキレン基において、 任意の水素はフッ 素で置き換えられてもよく、 任意の一 C H 2 —は一 O—、 一 C H= C H―、 また はシクロアルキレンで置き換えられてもよい。 ァリールアルキルの好ましい例は フエ-ルアルキルである。 このとき、 フエニル基の任意の水素はハロゲンまたは 1〜1 0の炭素原子を有するアルキルで置き換えられてもよい。 この 1〜1 0の 炭素原子を有するアルキルにおいて、 任意の水素はフッ素で置き換えられてもよ く、 任意の一 C H 2 一は一 O—、 —C H= C H―、 シクロアルキレンまたはフエ 二レンで置き換えられてもよい。 そして、 アルキレン基の好ましい炭素数は 1〜 1 2であり、 より好ましい炭素数は 1〜8である。 .
非置換のフエニルアルキルの例は、 フエ二ルメチノレ、 2—フエニルェチル、 3 一フエ二/レブ口ピル、 4一フエニノレブチノレ、 5—フエ -ルぺンチル、 6—フエ- ルへキシル、 1 1一フエ二ルゥンデシル、 1一フエニルェチル、 2—フエニルプ 口ピル、 1ーメチノレー 2—フエ-ノレェチノレ、 1一フエ二ノレプロピノレ、 3—フエ二 ルプチル、 1ーメチルー 3—フエ -ルプロピル、 2—フエニルブチル、 2—メチ ルー 2—フエエルプ口ピル、 および 1—フエ二ルへキシルである。
フエニル基の少なくとも 1つの水素がフッ素で置き換えられるフエ-ルアルキ ルの例は、 4一フルオロフェニルメチル、 2, 3 , 4 , 5, 6—ペンタフルォロ
フエニノレメチノレ、 2一 (2, 3, 4, 5, 6—ペンタフノレ才ロフエ二ノレ) ェチノレ、 3― (2, 3, 4, 5, 6一ペンタフルオロフェニル) プロピル、 2一 (2—フ ルオロフェニノレ) プロピル、 および 2— (4ーフノレオロフェニル) プロピルであ る。
フエニル基の少なくとも 1つの水素が塩素で置き換えられるフエニルアルキル の例は、 4 _クロ口フエ二ルメチノレ、 2—クロ口フエニノレメチル、 2, 6ージク ロロフエニルメチル、 2, 4ージクロ口フエニルメチル、 2, 3, 6—トリクロ 口フエニノレメチノレ、 2, 4, 6—トリクロ口フエニノレメチノレ、 2, 4, 5—トリ クロ口フエニノレメチノレ、 2, 3, 4, 6ーテトラクロ口フエエルメチノレ、 2, 3 , 4, 5, 6一ペンタクロ口フエエノレメチノレ、 2 - (2—クロ口フエ二ノレ) ェチ ル、 2一 (4一クロ口フエ二ノレ) ェチル、 2一 (2, 4, 5—クロ口フエ二ノレ) ェチノレ、 2 - (2, 3 , 6—クロ口フエ二ノレ) ェチノレ、 3 -- (3—クロ口フエ二 ル) プロピル、 3— (4一クロ口フエ-ル) プロピル、 3— (2, 4, 5—トリ クロ口フエェノレ) プロピノレ、 3— (2, 3, 6—トリクロ口フエ二/レ) プロピノレ、 4一 ( 2—クロ口フエニル) プチノレ、 4一 (3—クロ口フエ-ノレ) プチノレ、 4一 (4一クロ口フエェノレ) プチノレ、 4一 (2, 3, 6—トリクロ口フエ二ノレ) プチ ル、 4 - (2, 4, 5— トリクロロフェェノレ) プチ/レ、 1 - (3—クロ口フエ- ル) ェチル、 1一 (4一クロ口フエ二ノレ) ェチノレ、 2一 (4—クロ口フエニル) プロピル、 2— (2—クロ口フエニル) プロピノレ、 および 1— (4一クロ口フエ ニル) ブチルである。
フエニル基の少なくとも 1つの水素が臭素で置き換えられるフヱニルアルキル の例は、 2一プロモフエ-ノレメチノレ、 4一プロモフエ-ノレメチ /レ、 2, 4—ジブ ロモフエニルメチル、 2, 4, 6—トリブロモフエニルメチル、 2, 3, 4, 5 ーテトラブロモフエニノレメチノレ、 2, 3, 4, 5, 6—ペンタブロモフエニノレメ チル、 2一 (4一ブロモフエニル) ェチル、 3一 (4一ブロモフエ二ノレ) プロピ ル、 3一 (3—プロモフエニル) プロピル、 4一 (4一ブロモフエ二ノレ) プチノレ、 1一 (4一ブロモフエ二ノレ) ェチノレ、 2— (2—プロモフエ二ノレ) プロピノレ、 お ょぴ 2— (4一ブロモフエニル) プ tiピルである。
フヱ-ル基の少なくとも 1つの水素が 1〜 10の炭素原子を有するアルキルで 置き換えられるフエエルアルキルの例は、 2—メチルフエュルメチル、 3—メチ ルフエエルメチル、 4一メチルフエ-ルメチル、 4—デシルフエ-ルメチル、 3 , 5—ジメチルフエエノレメチル、 2一 (4—メチルフエニル) ェチル、 2— (3 一メチルフエェノレ) ェチノレ、 2— (2, 5ジメチノレフェェノレ) ェチル、 2— (4 一ェチルフエ-ル) ェチル、 2— (3—ェチルフエニル) ェチル、 1一 (4ーメ チルフエ二ノレ) ェチノレ、 1一 (3—メチノレフエ二ノレ) ェチノレ、 1― (2—メチノレ フエニル) ェチル、 2一 (4一メチルフエニル) プロピル、 2一 (2—メチルフ ェニノレ) プロピノレ、 2— (4ーェチノレフエ-ノレ) プロピノレ、 2— (2—ェチノレフ ェニル) プロピル、 2 - (2, 3—ジメチノレフエ二ノレ) プロピル、 2 - (2, 5 一ジメチノレフエ二ノレ) プロピル、 2— (3, 5—ジメチルフエニル) プロピル、 2— (2, 4—ジメチノレフエ二ノレ) プロピノレ、 2— (3, 4—ジメチルフエ二ノレ ) プロピル、 2— (2, 5—ジメチルフエエル) プチル、 4一 (1ーメチルェチ ノレ) フエニノレメチノレ、 2― (4 - (1, 1—ジメチノレエチル) フエニル) ェチル、 2— (4- (1ーメチルェチル) フエニル) プロピル、 および 2— (3— (1一 メチルェチル) フエエル) プロピルである。
フエ-ル基の少なくとも 1つの水素が 1〜 10の炭素原子を有するアルキルで 置き換えられ、 このアルキルの水素がフッ素で置き換えられるフエニルアルキル の例は、 3—トリフルォロメチルフエニルメチル、 2一 (4一トリフルォロメチ ルフエュル) ェチル、 2一 (4ーノナフルォロプチルフエ二ル) ェチル、 2一 ( 4—トリデカフルォ口へキシルフェニル) ェチル、 2— (4一へプタデカフルォ ロォクチルフエ二ル) ェチル、 1一 (3—トリフルォロメチルフエニル) ェチル、 1― (4一トリフルォロメチルフエニル) ェチル、 1— (4ーノナフルォロブチ ルフエ-ル) ェチル、 1一 (4一トリデカフルォ口へキシルフエ-ル) ェチノレ、 1一 (4一ヘプタデカフルォロォクチルフエニル) ェチル、 2— (4—ノナフル ォロブチノレフ工ニノレ) プロピル、 1ーメチノレー 1一 (4ーノナフルォロブチルフ ェニル) ェチル、 2一 (4一トリデカフルォ口へキシルフヱニル) プロピル、 1 —メチルー 1一 (4一トリデカフルォ口へキシルフエニル) ェチル、 2— (4—
ヘプタデカフルォロォクチルフエニル) プロピル、 および 1ーメチルー 1一 ( 4 —ヘプタデカフルォロォクチルフエニル) ェチルである。
フエエル基の少なくとも 1つの水素が 1〜1 0の炭素原子を有するアルキルで 置き換えられ、 このアルキノレの一 C H 2 —が一 C H- C H—で置き換えられるフ ェニルアルキルの例は、 2— (4一ビニルフエ-ル) ェチル、 1— ( 4一ビュル フエ-ル) ェチル、 および 1一 (2— (2—プロぺニル) フエ-ル) ェチルであ る。
フエニル基の少なくとも 1つの水素が 1〜 1 0の炭素原子を有するアルキルで 置き換えられ、 このアルキルの一 C H 2 —が一 O—で置き換えられるフエニルァ ルキルの例は、 4ーメ トキシフエ二ルメチル、 3—メ トキシフエエルメチル、 4 一エトキシフエニルメチル、 2一 ( 4ーメ トキシフエニル) ェチル、 3 - ( 4 - メ トキシフエニル) プロピル、 3— (2—メ トキシフエ-ル) プロピル、 3 - ( 3, 4ージメ トキシフエニル) プロピル、 1 1 - ( 4ーメ トキシフエニル) ゥン デシル、 1一 (4ーメ トキシフエ-ル) ェチル、 (3—メ トキシメチルフエ-ノレ ) ェチル、 および 3— ( 2—ノナデカフルォロデセニルォキシフエニル) プロピ ルである。
フエエル基の少なくとも 1つの水素が 1〜 1 0の炭素原子を有するアルキルで 置き換えられ、 このアルキルの一 C H 2 —がシクロアルキレン (および一 O—) で置き換えられるフエニルアルキルの例は、 シクロペンチルフュエルメチル、 シ ク口ペンチルォキシフヱニノレメチル、 シクロへキシルフェニノレメチル、 シクロへ キシルフェュルェチル、 シクロへキシルフェニルプロピル、 およびシクロへキシ ルォキシフエニルメチルである。
フエニル基の少なくとも 1つの水素が 1〜 1 0の炭素原子を有するアルキルで 置き換えられ、 このアルキルの一C H2 —がフエ二レン (および一 O—) で置き 換えられるフエニルアルキルの例は、 2— (4一フエノキシフエエル) ェチル、 2— (4—フエノキシフエ-ル) プロピル、 2— (2—フエノキシフエエル) プ 口ピル、 4ービフエユリノレメチノレ、 3—ビフエユリ/レエチノレ、 4ービフエ二リグレ ェチル、 4ービフエ二リルプロピル、 2— (2—ビフエ二リル) プロピル、 およ
び 2— (4—ビフエ二リル) プロピルである。
フエニル基の少なくとも 2つの水素が異なる基で置き換えられるフエ-ルアル キルの例は、 3— (2, 5—ジメ トキシー 3, 4 , 6—トリメチルフエ-ル) プ 口ピル、 3—クロロー 2—メチルフエニルメチル、 4—クロロー 2—メチルフエ エノレメチノレ、 5—クロロー 2—メチノレフェニノレメチノレ、 6—クロロー 2—メチノレ フエュノレメチノレ、 2—クロロー 4ーメチノレフェニノレメチノレ、 3—クロ口 _ 4ーメ チルフエニルメチル、 2, 3—ジクロロー 4ーメチノレフェ二ノレメチノレ、 2, 5— ジクロロ一 4ーメチノレフェュノレメチノレ、 3, 5 -ジクロロ一 4ーメチノレフェニノレ メチノレ、 2 , 3 , 5—トリクロロー 4ーメチノレフエ二/レメチ /レ、 2, 3, 5, 6 ーテトラクロロー 4—メチノレフエュルメチル、 2 , 3, 4, 6—テトラクロロー 5一メチルフエニルメチル、 2 , 3 , 4, 5—テトラクロロー 6—メチノレフエ二 ノレメチル、 4ークロロ一 3 , 5—ジメチルフエ-ノレメチノレ、 2—クロロー 3 , 5 ージメチルフエニルメチル、 2, 4—ジクロ口 _ 3, 5—ジメチルフエエルメチ ノレ、 2 , 6—ジクロロー 3, 5—ジメチルフエニルメチル、 2, 4 , 6—トリク ロロ一 3, 5—ジメチルフエニルメチル、 3—ブロモー 2—メチノレフエエルメチ ノレ、 4ーブロモー 2—メチノレフエ-ノレメチノレ、 5ーブロモ一 2—メチノレフエ二ノレ メチ /レ、 6—ブロモー 2—メチノレフエ二ルメチ /レ、 3—プロモー 4一メチルフエ ニノレメチル、 2 , 3一ジブ口モー 4ーメチルフェニノレメチノレ、 2 , 3, 5—トリ ブロモー 4—メチノレフエニノレメチノレ、 2, 3 , 5 , 6ーテトラブロモー 4ーメチ ルフエュルメチル、 および 1 1一 ( 3—クロロー 4ーメ トキシフエニル) ゥンデ シルである。
そして、 フエニルアルキルにおけるフエ-ル基の最も好ましい例は、 非置換の フエ-ル基、 並びに置換基としてフッ素、 1〜4の炭素原子を有するアルキル、 ビニルおよぴメ トキシの少なくとも 1つを有するフエニル基である。 アルキレン 基の一C H 2 —がー O—、 一C H= C H—またはシクロアルキレンで置き換えら れるフエニルアルキルの例は、 3—フエノキシプロピル、 1一フエニノレビ二ノレ、 2—フエニノレビ二ノレ、 3—フエ二ノレ一 2—プロぺェノレ、 4一フエ二/レー 4一ペン テュル、 1 3—フエ二ルー 1 2—トリデセニル、 フエエルシクロへキシル、 およ
びフエノキシシク口へキシルである。
フエ-ル基の水素がフッ素またはメチルで置き換えられるフエニルアルケュル の例は、 4ーフルォ口フエエルビュル、 2, 3—ジフルオロフェニルビュル、 2 , 3, 4 , 5 , 6—ペンタフルォロフエ-ルビニル、 および 4一メチルフエュル ビュルである。 これらの基のうち Rの好ましい例は、 炭素原子の数が 1〜 8であり、 任意の水 素がフッ素で置き換えられてもよく、 そして任意の一 C H 2 —がー O—、 一 C H = C H—、 シクロアルキレンまたはシクロアルケエレンで置き換えられてもよレ、 アルキル、 任意の水素がハロゲン、 メチルまたはメ トキシで置き換えられてもよ いフエ-ル、 任意の水素がフッ素、 1〜4の炭素原子を有するアルキル、 ビュル またはメ トキシで置き換えられてもよいフエニル基と炭素原子の数が 1〜 8であ り、 そして任意の _ C H 2 —がー O—、 _ C H = C H—またはシクロアルキレン で置き換えられてもよいアルキレン基とで構成されるフエニルアルキルおよびナ フチルから選択される基である。 そして、 Rのより好ましい例は、 ここに挙げた フエ-ルの群、 フエニルアルキルの群おょぴナフチルから選択される基である。 そして、 フエニルまたはフエニルアルキルにおけるフエ -ル基が複数の置換基を 有するときは、 それらの置換基は同一の基であってもよいし、 異なる基であって もよい。 そして、 式 (1 ) におけるすべての Rが、 これらの好ましい例から選択 される同一の基であることが好ましい。
Rの更に好ましい具体例は、 フエニル、 ノヽロゲン化フエニル、 少なくとも 1つ のメチノレを有するフエ二ノレ、 メ トキシフエ二ノレ、 ナフチノレ、 フエ二/レメチ /レ、 フ ェニルェチル、 フエ-ノレプチノレ、 2—フエ二/レブ口ピノレ、 1—メチノレ一 2—フエ 二ルェチノレ、 ペンタフノレオロフェニノレプロピル、 4ーェチノレフエニノレエチノレ、 3 ーェチノレフエニノレエチノレ、 4― ( 1 , 1ージメチノレエチノレ) フエニノレエチノレ、 4 ―ビュルフェ二ルェチノレ、 1一 ( 4一ビュルフェ -ル) ェチル、 4ーメ トキシフ 工-ルプロピルおょぴフエノキシプロピルである。 これらの例のうちフエニルが 最も好ましい。
次に、 式 (1) における Yについて説明する。 Υの少なくとも 1つは式 (2) で示される基から選択される基であり、 Υの残りは水素である。 Υの少なくとも 2つが式 (2) で示される基であるとき、 複数の Υは同一の基であってもよく、 少なくとも 2つの異なる基で構成されてもよい。
1
R
Si- (2)
I
R2 式 (2) において、 R1 および R2 は独立して式 (1) における Rと同様に定義 される基である。 R1 または R2 の好ましい例は、 メチル、 イソプロピル、 t e r t—ブチルおよびフエ-ルである。
式 (2) における Zは、 式 (1) における Rと同様に定義される基、 官能基ま たは官能基を有する基である。 Rと同様に定義される基のうち、 炭素数 1〜45 のアルキル、 ベンゼン環の任意の水素がハロゲンまたは 1〜 10の炭素原子を有 するアルキルで置き換えられてもよいフエニルおよびナフチルから選択される基 が好ましい。 これらの基の好ましい例は、 Rについて示したものと同じである。
Zのより好ましい例は、 官能基または官能基を有する基である。 官能基の好ま しい例は、 水素 (S i原子に直接結合する) 、 ハロゲン、 一 OH、 フッ素化アル キル、 アルコキシ、 カルボキシル、 2—ォキサプロパンジオイル、 —COO—、 一 OCO—、 ポリアノレキレン才キシ、 才キシラニノレ、 3 , 4一エポキシシクロへ キシノレ、 ォキセタエノレ、 才キセタニレン、 アルケ -ル、 シクロアルケニル、 一 N H2、 一 NH―、 _CN、 一NCO、 一 SHおよび一 PH2 である。
ハロゲン、 — OH、 アルコキシ、 アルケニルおよびフッ素化アルキルのうちの トリフルォロメチルは、 S i原子に直接結合してもよいし、 後述の 2価の基を介 して S i原子に結合してもよい。 水素、 ハロゲン、 一 OH、 トリフルォロメチル、 アルコキシおよぴァルケニルを除く他の基は、 アルキレン、 アルキルシクロアル
キレン、 ァノレキルフエ二レン、 ァノレキノレシクロアルキレンまたはァノレキノレフェニ ルアルキレンなどの 2価の基を介して S ί原子に結合することが好ましレ、。 ハロ ゲンの例はフッ素、 塩素および臭素である。 アルケニルの例はビエルおよぴァリ ノレである。 シクロアルケ-ノレの例はシク口ペンタジェ -ル、 シクロへキセ二/レぉ よびノルボルネニルである。
官能基のより好ましい例は、 水素 (S iに直接結合する) 、 ハロゲン、 一 O H、 カルボキシル、 2一ォキサプロパンジオイル、 才キシラニノレ、 3 , 4—エポキシ シク口へキシル、 ォキセタニル、 ォキセタニレン、 アルケニルおよび一 NH 2であ る。 ハロゲンを有する基は、 ノヽロゲン化アルキル、 ハロゲン化フエニル、 ハロゲ ン化アルキルフエ-ル、 および S i原子に直接結合するハロゲンである。 これら のより好ましい官能基は、 更に別の官能基に導くために利用することができ、 ィ匕 合物 (1 ) を重合体の原料とするときにも利用することができる。
次に、 Zの好ましい例を具体的に示す。
-H 一 CF3 — CH=CH2 -CH2~CH=CH2
— cH2) ~ X -CH2 ~~ NH2 -CH2 -CN
'm 'm
\ 'm
CH2
-CH2—— OH
m CH2). O- tCqH2qO — f-CH2) ~ C— OH
m 、 'm II
これらの式において、 kは 0または 1であり、 mは 1 4の整数であり、 nは 0 15の整数である。 Xはハロゲンであり、 pは 1 5の整数である。 qは 2ま たは 3であり、 rは 2 200の整数である。 tは 1 3の整数である。 そして、 Eは水素または 1 4の炭素原子を有するアルキルである。 上記の例において、 ベンゼン環への一 X -CH2 一 X OH COOH CF3 および一 O
CF3 の結合位置はそれぞれ任意である。 好ましいハロゲンはフッ素おょぴ塩素 である。 rの好ましい範囲は 2 00であり、 より好ましい範囲は 2〜 20で める。 次に化合物 (1) の製造方法について説明する。 化合物 (1) は、 化合物 (3 ) を用いることによって容易に製造することができる。 化合物 (3) は、 加水分 角科生の基を 3つ有するケィ素化合物を、 アルカリ金属水酸化物の存在下、 テトラ ヒドロフラン (以下、 THFで表記する。 ) やアルコールのような含酸素有機溶 剤中で加水分解し重縮合させることにより、 容易にしかも収率よく製造すること ができる。 加水分解性の基を 3つ有するケィ素化合物の多くは市販されている。 市販されていない化合物は、 公知の技術 (例えば、 ハロゲン化シランとグリニャ ール試薬との反応等) により合成することができる。 そして、 化合物 (3) を合 成するに際し、 加水分解性の基を 3つ有するケィ素化合物を少なくとも 2つ用い れぱ、 式 (3) における 8個の Rが少なくとも 2つの異なる基で構成された化合 物 (3) が得られる。
式 (3) において、 Rは式 (1) における Rと同じ意味を有し、 Mは 1価のアル カリ金属原子である。 アルカリ金属原子の例は、 リチウム、 カリウム、 ナトリウ ム、 セシウムなどであり、 ナトリウムが好ましい。
ィ匕合物 (3) から化合物 (1) を製造する方法の 1つは、 まず化合物 (3) に 化合物 (4) を反応させて化合物 (5) とし、 これに官能基と不飽和炭化水素基
を有すfR RI.る化合物をヒドロシリル化反応させる方法である。
式 (4) における R
1 および R
2 は、 式 (2) におけるこれらの記号と同じ意味 を有する。 式 (5) において、 Tの少なくとも一つは式 (4) から C 1を除いた 次に示す基であり、 残りの Tは水素である。
1
-H
2 化合物 (4) はクロロシランであるが、 他のハロゲン化シランであっても同じ ように使用できる。 化合物 (4) は市販品として入手できる。 市販されていない 化合物 (4) は、 公知の技術、 例えばハロゲン化シランをダリ-ヤール試薬と反 応させる方法により容易に得ることができる。 入手のし易さを考慮すると、 化合 物 (4) の好ましい例は、 ジメチノレクロロシラン、 ジェチルクロロシラン、 メチ ノレェチノレクロロシラン、 メチノレへキシノレク口口シラン、 ジイソプロピノレクロロシ ラン、 ジ t e r tーブチノレク口口シラン、 ジシク口ペンチノレク口口シラン、 ジシ クロへキシルクロロシラン、 ジノノレマルォクチルクロロシラン、 メチルフエ二ノレ
クロロシランおょぴジフエユルクロロシランである。
化合物 (3) と化合物 (4) の反応では、 有機溶剤を用いることが好ましい。 即ち、 化合物 (3) を有機溶剤に混合し、 この混合物に化合物 (4) を滴下する。 反応終了後、 必要に応じて化合物 (4) を蒸留により除去したのち、 水を加えて、 副成したアルカリ金属の塩化物を溶解する。 そして有機層を水洗し、 脱水剤で乾 燥して力 ら、 蒸留によりこの有機層から溶剤を除去することにより化合物 (5) を得ることが出来る。 また、 化合物 (5) は必要に応じて再結晶させるか、 また は有機溶剤で不純物を抽出することにより、 純度を向上させることができる。 反応時に用いる前記の溶剤は、 反応の進行を阻害しないことを条件に選択され、 それ以外には特に制限はない。 好ましい溶剤は、 脂肪族炭化水素 (へキサン、 へ ブタンなど) 、 芳香族炭化水素 (ベンゼン、 トルエン、 キシレンなど) 、 エーテ ル (ジェチルエーテル、 THF、 1, 4一ジォキサンなど) 、 ハロゲン化炭化水 素 (塩化メチレン、 四塩化炭素など) およびエステル (酢酸ェチルなど) である。 これらの溶剤は単独で用いても、 その複数を組み合わせて用いてもよい。 より好 ましレ、溶剤は芳香族炭化水素およびエーテルであり、 さらに好まし 、溶剤はトル ェンおよび THFである。 そして、 化合物 (4) と容易に反応する不純物 (例: 水) の含有量が極めて少ない溶剤が好ましい。
溶剤に混合するときの化合物 (1) の好ましい割合は、 溶剤の重量に基づいて 0. 05-50重量 °/0である。 反応の進行を阻害するほど副成塩の濃度が高くな らないようにするためには、 この割合が 50重量%以下であることが好ましい。 コストに悪影響を与えるほど容積効率を悪くしないためには、 この割合が 0. 0 5重量%以上であることが好ましい。 そして、 より好ましい割合は、 1〜10重 量%である。 化合物 (4) の使用量は、 化合物 (1) に対してモル比 4以上とす ること以外に制限はないが、 後処理工程を考慮すると、 大過剰に用いることは望 ましくない。 なお、 この化合物 (1) に対する化合物 (4) の使用割合は、 丁の 一部を一 Hで残す場合にはモル比 4より小さくてもよい。 また、 化合物 (4) の 反応性が低い場合には、 その使用割合がモル比 4以上であっても、 Tの一部が水 素である化合物 (5) が得られることがある。 反応温度は室温でもよく、 反応を
促進させるために必要に応じて加熱してもよい。 反応による発熱または好ましく なレ、反応等を制御する必要がある場合には冷却してもよい。
この反応は、 トリェチルァミン等のアミノ基を有する化合物または塩基 1"生を示 す有機化合物を添加することによって、 容易に促進させることができる。 トリエ チルァミン等の好ましい添加割合は、 トリェチルァミンを用いる場合には、 溶剤 の重量に基づいて 0 . 0 0 5〜1 0重量0 /0であり、 より好ましい割合は 0 . 0 1 〜3重量%である。 しかしながら、 トリェチルアミン等は反応を容易に進行させ ることができればよいので、 その添加割合に特別な制限はない。 得られた化合物 ( 5 ) に官能基と不飽和炭化水素基とを有する化合物をヒドロ シリル化反応させることにより、 化合物 (1 ) を合成することができる。 不飽和 炭化水素基の例は、 2〜 3 0の炭素原子を有するアルケニル、 2〜 3 0の炭素原 子を有するアルキニル、 6〜1 0の炭素原子を有するァリールァルケエル、 およ ぴ 6〜1 0の炭素原子を有するァリールアルキ-ルである。 具体的には、 ビエル、 ァリル、 ィ ソプロぺニル、 3一ブテニノレ、 2, 4—ペンタジェェノレ、 ブタジェェ ノレ、 5—へキセニル、 ゥンデセニノレ、 ェチニル、 プロピ-ノレ、 へキシュノレ、 シク 口ペンテ二ノレ、 シクロへキセニノレ、 3—シクロへキセニルェチレ、 5—ビシクロ ヘプテニノレ、 ノルボルネニル、 4ーシクロォクテ二ノレ、 シクロォクタジェニノレ、 スチリル、 スチリルェチル、 スチリルォキシ、 ァリルォキシプロピル、 1ーメ ト キシビ二ノレ、 シクロペンテ-/レオキシ、 3ーシク口へキセニノレオキシ、 アタリ口 ィル、 アタリロイルォキシ、 メタタリロイル、 メタクリロイルォキシなどが挙げ られる。
エポキシ基と不飽和炭化水素基とを有する化合物の例は、 ァリルグリシジルェ 一テル、 2—メチルァリルグリシジルエーテル、 ビニルダリシジルエーテル、 グ リシジルマレエ一ト、 グリシジノレイタコネート、 グリシジノレアクリレート、 グリ シジ/レメタタリレート、 2, 6—ジメチノレー 2, 3—エポキシ一 7—ォクテン、 1 , 2—エポキシ一 6—ヘプテン、 1 , 2—エポキシ一 3—プテン、 2-シクロへ キセン- 1-グリシジルエーテル、 シク口へキセンー 4, 5 -ジグリシジルカルポキ
シレート、 シクロへキセン一 4ーグリシジルカルポキシレート、 5—ノルポルネ ンー 2—メチルー 2—グリシジルカルボキシレート、 ェンドシス一ビシク口 [ 2 . 2 . 1 ] 一 5—ヘプテン— 2 , 3—ジグリシジルジカルポキシレート、 1ーメ チノレー 4一イソプロペニ^^ンクロへキセンォキシド、 1, 4一ジメチノレ一 4ービ ニノレシクロへキセンォキシド、 4—ビニノレシクロへキセンォキシド、 ビュノレノノレ ボルネンモノォキシドおよびジシク口ペンタジェンモノォキシドである。 入手し 易さを考慮すると、 4一ビュルシク口へキセンォキシドおよぴァリルグリシジル エーテルが好ましい。
一 OHと不飽和炭化水素基とを有する化合物の例は、 ァリルアルコール、 3 _ ブテン一 1一オール、 3ーブテン一 2—オール、 エチレングリコールモノビニル エーテル、 エチレングリコールモノアリルエーテル、 ジエチレングリコールモノ アリ^ n テ /レ、 グリセリンモノアリルエーテノレ、 トリメチロールエタンモノア リルエーテル、 トリメチロールプロパンモノアリルエーテル、 ポリエチレングリ コーノレモノアリルエーテル、 ポリプロピレングリコールモノアリルエーテル、 1 ービニノレシクロブタノール、 2—ビュルシクロブタノール、 3—ビニノレシクロブ タノ一ノレ、 ビュルフエノール、 2—ァリノレフエノール、 4ーァリルフエノーノレ、 4ーァリル一 2—メ トキシフエノール、 4—ァリル一 2, 6—ジメ トキシフエノ 一ノレ、 4一 ( 2—プロぺニル) 一 1, 2—ベンゼンジオール、 および 4一 (2 , 4ージヒドロキシフエニル) 一 3—ブテン一 2—オンである。 これらの化合物の 一 O Hは、 エステル化、 ァセタール化、 ケタール化、 またはシリルエーテル化に よって保護されていてもよい。 また入手し易さを考慮すると、 これらのうち好ま しい化合物は、 ァリルアルコール、 エチレングリコールモノアリルエーテル、 グ リセリンモノァリルエーテル、 トリメチロールプロパンモノアリルエーテル、 2 ーァリルフエノール、 および 4—ァリルフエノールである。
メルカプト基と不飽和炭化水素基とを有する化合物の例は、 ァリルメルカプタ ンおよび 2—メチルー 2—プロペン一 1ーチオールである。
力ルポキシル基と不飽和炭化水素基とを有する化合物の例は、 (メタ) アタリ ル酸、 クロトン酸、 イソクロトン酸、 3—ブテン酸、 2 _メチル一 3—ブテン酸、
2, 2—ジメチルー 3—ブテン酸、 2— n—プロピル一 3—ペンテン酸、 4ーぺ ンテン酸、 3—メチルー 4—ペンテン酸、 2, 2—ジメチルー 4一ペンテン酸、
3, 3—ジメチルー 4一ペンテン酸、 4—へキセン酸、 5—へキセン酸、 2, 6 —へブタジエン酸、 7—オタテン酸、 8_ノネン酸、 9ーデセン酸、 10—ゥン デセン酸、 11ードデセン酸、 プロピオル酸、 2—ブチン酸、 マレイン酸、 フマ ル酸、 アセチレンカルポン酸、 2—ビュル安息香酸、 3—ビュル安息香酸、 4一 ビュル安息香酸、 および 4ーァリル一 2, 3, 5, 6—テトラフルォロ安息香酸 である。 なお、 (メタ) アクリル酸はアクリル酸とメタクリル酸とを示す。 これ らの化合物におけるカルボキシル基は、 エステル化または 1、リアルキルシリル化 によって保護されていてもよい。 そして、 これらのうち好ましい化合物は、 入手 し易さを考慮すると、 (メタ) アクリル酸、 4一ペンテン酸、 10—ゥンデセン 酸および 4一ビュル安息香酸である。
2一ォキサプロパンジオイル基と不飽和炭化水素基とを有する化合物の例は、 ァリルこはく酸無水物、 ィソプチルこはく酸無水物、 ィソプテニルこはく酸無水 物、 ビシクロ [2. 2. 2] オタトー 7—ェンー 2, 3, 5, 6—テトラカノレポ ン酸ニ無水物、 および 5—ノルポルネンー 2, 3—ジカルポン酸無水物である。 入手し易さを考慮すると、 これらのうち好ましい化合物は、 ァリルこはく酸およ ぴ 5—ノルボルネンー 2, 3—ジカルボン酸無水物である。
パーフルォロアルキル基と不飽和炭化水素基とを有する化合物の例は、 C2 F 5 CH=CH2、 n-C4 F9 CH=CH2、 n-C6 Fi 3 CH=CH2、 n— C8 Fx マ CH=CH2、 n— C10F2 ! CH=CH2、 n— C12F2 5 CH=CH2、 n— C14F2 9 CH=CH2、 n— C6Fi 3 CH2 CH2 CH=CH2、 ペンタフノレ ォロプロピルメタタリレート、 テトラフルォロプロピルメタクリレート、 ヘプタ フルォロプチルメタタリレート、 ォクタフルォロペンチルメタタリレート、 およ びへキサデカフルォロノニルメタクリレートである。
(メタ) アタリロイル基と不飽和炭化水素基とを有する化合物の例は、 ァリル (メタ) アタリレート、 2—ブテュ/レ (メタ) アタリレート、 3—メチノレー 3— プテュル (メタ) アタリレート、 3一メチル—2ープテュル (メタ) アタリレー
ト、 、ンク口へキセニルメチル (メタ) アタリレート、 2—メチルー 2—プロぺェ ル (メタ) アタリレート、 3一へプテニノレ (メタ) アタリレート、 4一へキセ- ル (メタ) アタリレート、 およぴメタクリル酸 2—ヒ ドロキシェチルとビュルシ クロへキセンモノエポキシドとの 1 : 1の付加物である。 なお、 (メタ) アタリ ロイルはァクリロイルまたはメタクリロイルを示す。 (メタ) ァクリレートはァ タリレートまたはメタタリレートを示す。 このようなアクリル系化合物は、 例え ば (メタ) アクリル酸クロライドとァルケエルアルコールとの反応、 (メタ) 了 クリル酸アルキルとァルケ-ルアルコールとのエステル交換反応、 イソシァネー ト基含有ァクリル系モノマーとァルケエルアルコールとの付加反応などによって 合成することができる。
シァノ基と不飽和炭化水素基とを有する化合物の例は、 アクリロニトリル、 ァ リルシアニド、 メタクリロエトリル、 クロトノ-トリル、 3—メチルクロトノ- トリル、 ェチルァクリロエトリル、 2—ブテン-トリル、 2—メチルー 3—プテ ンニトリル、 4ーメチルー 3—ペンテンュトリル、 および 5—へキセン二トリル である。 そして、 これらのうち好ましい化合物は、 入手し易さを考慮するとァク リロ-卜リル、 ァリルシア二ドおよびメタタリロニトリノレである。
ィソシアナ一ト基と不飽和炭化水素基とを有する化合物の例は、 ビ二/レイソシ アナート、 ァリルイソシアナート、 3—イソシアナ一トー 2—メチルー 1一プロ ペン、 メタクリロイルイソシアナート、 イソシアナートェチルメタタリレート、 ビュルべンジルイソシアナート、 3—^ f ソシアナート一 1ープテン、 3—イソシ アナ一トー 3—メチルー 1—ブテン、 4一イソシアナ一トー 2—メチルー 1ーブ テン、 4ーィソシアナ一トー 3 , 3—ジメチルー 1ーブテン、 4一イソシアナ一 ト一4ーメチノレー 1一ペンテン、 および 5—ィソシアナ一トー 1—ペンテンであ る。 入手し易さを考慮すると、 これらのうちの好ましい化合物は、 ビュルイソシ アナート、 ァリルイソシアナートおよびメタクリロイルイソシアナートである。 アルキレンォキシと不飽和炭化水素基を有する化合物は、 日本油脂株式会社等 によって一般に市販されている。 例えば、 ポリエチレングリコールモノアリルェ ーテノレの例は、 P K A— 5 0 0 1、 P K A— 5 0 0 2、 P KA— 5 0 0 3、 P K
A— 5004、 および PKA— 5005である。 メトキシポリエチレングリコー ルァリルエーテルの例は、 PK A— 5006、 PK A— 5007、 PKA— 50 08、 PKA- 5009, および PKA— 5010である。 ポリプロピレングリ コールモノアリルエーテルの例は、 PKA—5014である。 ポリエチレングリ コール一ポリプロピレングリコールァリルエーテルの例は、 PKA—501 1、 PKA—5012、 および PKA— 5013である。 市販品がない場合は、 ポリ アルキレンダリコールまたはそのモノエーテルィ匕合物に水素化ナトリゥムを反応 させてナトリウムアルコラートとし、 次いでこれにァリルプロマイドを作用させ ることにより、 アルキレンォキシ基を有するァリルエーテルを得ることができる。 上記の官能基と不飽和炭化水素基とを有する化合物から 1つを選んで化合物 ( 5) にヒドロシリルイ匕反応させれば、 同一の官能基を有する化合物 (1) が得ら れる。 少なくとも 2つの異なる官能基を有する化合物 (1) を合成するには、 官 能基と不飽和炭化水素基とを有する化合物を少なくとも 2つ用いて化合物 (5) と反応させればよい。 官能基を有する基である Zと Rである Zが混在している化 合物 (1) を得るためには、 官能基と不飽和炭化水素基と有する化合物と、 官能 基を持たない Rと不飽和炭化水素基とを有する化合物との混合物を、 この化合物 (5) に反応させればよい。 その際には、 それらを混合物として 1度に反応させ る力 \ または 1つずつ逐次的に反応させる。 逐次的に反応させるときには、 官能 基の反応性が邪魔になる場合があるが、 そのときにはトリメチルシリルなどの保 護基を用いてあらかじめ官能基を保護すればよい。
化合物 (1) における官能基の数を 1〜3にしたいとき、 化合物 (3) に対し てモル比 1〜3の化合物 (4) を反応させると、 官能基として S i— H基と S i — OH基とを有する化合物 (5) が得られる。 従って、 この方法は 1種類の官能 基のみを 1〜 3個有する化合物 (1) を得る目的のためには都合が悪い。 この目 的を達成するためには、 式 (4) で表される化合物と式 (4) において Hの替わ りに Rが結合している化合物を混合して化合物 (3) に反応させればよい。 もう 1つの方法は、 化合物 (4) を S i— OH基が残らないように化合物 (3) に反
応させる方法である。 この場合は 4つの S i— H基を有する化合物 (5 ) が得ら れるので、 官能基と不飽和炭化水素基とを有する化合物と官能基を持たず不飽和 炭化水素基のみを有する化合物との混合物を、 この化合物 (5 ) に反応させれば よい。
ヒドロシリル化反応に用いる溶剤は、 反応の進行を阻害しないことを条件に選 択され、 その他には特に制限はない。 好ましい溶剤の例は、 化合物 (3 ) と化合 物 (4 ) との反応の際に用いられる溶剤の例と同じであり、 それらを単独で使用 しても、 2つ以上を組合わせて使用してもよい。 より好ましい溶剤は芳香族炭化 水素類であり、 その中でもトルエンが最も好ましい。
化合物 (5 ) に官能基と不飽和炭化水素基とを有する化合物を反応させるとき、 溶剤に対する化合物 (5 ) の好ましい割合は、 溶剤の重量に基づいて 0 . 0 5〜 8 0重量%でぁる。 より好ましい割合は 3 0〜 7 0重量%である。 化合物 ( 5 ) に対する官能基と不飽和炭化水素基とを有する化合物の使用割合は、 目的によつ て異なる。 4個の S i— H基のすべてに反応させる場合には、 収率を高めるため に好ましい割合は、 化合物 (5 ) に対してモル比 4以上である。 異なる官能基を 導入する場合、 または官能基と不飽和炭化水素基とを有する化合物と官能基を持 たず Rと不飽和炭化水素基とを有する化合物との混合物を化合物 ( 5 ) に反応さ せる場合でも、 S i—H基を残さないようにするには、 その合計使用量の割合を モル比 4以上にしなければならない。 そして、 一部の S i _H基を残すときには、 不飽和炭化水素基を有する化合物の合計の使用割合を、 化合物 (5 ) に対してモ ル比 4より小さくすればよ!/、。 化合物 ( 5 ) における S i— H基が 4個に満たな い場合には、 その個数に合わせて上記と同様に配慮すればよい。
反応温度は室温でもよい。 反応を促進させるために必要に応じて加熱してもよ い。 反応による発熱または好ましくない反応等を制御するために必要であれば、 冷却してもよい。 必要であれば、 ヒドロシリルイ匕触媒を添加することによって、 反応をより容易に進行させることができる。 好ましいヒドロシリルィヒ触媒の例は、 カールステッド (Karstedt) 触媒、 スパイヤー (Spier) 触媒、 ウィルキンソン触 媒 (Wilkinson) などであり、 これらは一般的によく知られた触媒である。
これらのヒドロシリルイヒ触媒は、 反応性が高レヽので少量添加すれば十分反応を 進めることができる。 通常、 含有する遷移金属がヒドロシリル基に対して 10_ 9 〜1モル0 /0となる範囲で使用すればよレ、。 好ましい添加量は 10— 7 〜10—
3 モル%である。 反応を進行させ、 容認できる時間内で終了させるために必要な 触媒添加量は、 含有遷移金属がヒドロシリル基に対して 10— 9 モル%以上とな る量である。 製造コストを低く抑えることを考慮すると、 添加触媒量を含有遷移 金属がヒドロシリル基に対して 1モル%以下となる量にする必要がある。 化合物 (3) を用いて化合物 (1) を製造する別の方法は、 化合物 (3) と化 合物 (6) とを反応させる方法である。 化合物 (6) には、 市販されているもの がある。 市販されていない場合でも、 ハロゲン化シランをグリニャール試薬と反 応させる方法ゃハ口ゲン化ヒドロシランと官能基を有する不飽和炭化水素類をヒ ドロシリルイ匕反応を行う等の公知技術により、 化合物 (6) を合成することがで さる。
CI- -Si- -Z (6)
化合物 (6) が市販品として入手可能の場合にはこの方法も有効である。
この反応は、 基本的には、 化合物 (3) と化合物 (4) の反応と全く同じよう にして実施することができる。 化合物 (6) の好ましい使用量も、 反応の収率を 高めるためには、 化合物 (3) に対してモル比 4以上である。 化合物 (3) に対 して 1つの化合物 (6) を反応させれば、 同一の官能基を有する化合物 (1) が 得られる。 少なくとも 2つの異なる官能基を有する化合物 (1) を合成するには、 少なくとも 2つの化合物 (6) を反応させればよい。 官能基を有する基である Z と Rである Zが混在している化合物 (1) を得るためには、 化合物 (6) と式 ( 6) において Zが Rである化合物との混合物を反応させればよい。 このとき、 ィ匕 合物 (6) の反応性の違いを考慮して、 それらを混合物として 1度に反応させる
力、 または 1つずつ逐次的に反応させる。 逐次的に反応させるときには、 官能基 の反応性が邪魔になる場合があるが、 そのときにはトリメチルシリルなどの保護 基を用いてあらかじめ官能基を保護すればよい。 少なくとも 2つ化合物 ( 6 ) を 用いる場合には、 その合計使用量を化合物 ( 3 ) に対してモル比 4以上とする。 このモル比が 4より小さいとき、 または化合物 ( 6 ) の反応性が低いときは、 Y の一部が水素の化合物 (1 ) が得られる。
化合物 ( 6 ) の例は、 ァセトキシェチルジメチルク口口シラン、 3—ァセトキ シプロピルジメチルクロロシラン、 3 - (トリメチルシ口キシ) プロピルジメチ ルクロロシラン、 1 0— (カルボメ トキシ) デシノレジメチノレクロロシラン、 クロ ロメチノレジメチノレク口口シラン、 クロロメチノレメチノレク口口シラン、 ジク口ロメ チルジメチノレクロロシラン、 ビス (クロロメチノレ) メチノレクロロシラン、 プロモ メチノレジメチノレクロロシラン、 3—クロ口プロピノレジメチノレクロロシラン、 4一 クロ口プチノレジメチノレクロロシラン、 1 1ーブロモウンデシノレジメチノレクロロシ ラン、 ( (クロロメチル) フエエルェチル) ジメチルクロロシラン、 3—シァノ プロピノレジメチノレクロロシラン、 3—シァノプロピノレジイソプロピノレクロロシラ ン、 ビ二/レジメチルクロロシラン、 ァリルジメチルシラン、 5—へキセニルジメ チ^/クロロシラン、 7—才クテ -/レジメチ /レクロロシラン、 1 0—ゥンデセ-ノレ ジメチ /レクロロシラン、 ビエノレフエ二/レメチノレクロロシラン、 ビ二/レジフエ二ノレ クロロシラン、 フエ-ノレェチニノレジイソプロピノレクロロシラン、 トリビニゾレクロ ロシラン、 メターァリルフエニルプロピルジメチルクロロシラン、 [ 2— (3— シクロへキセニノレ) ェチノレ] ジメチノレクロロシラン、 5—ノルポレネン一 2—ィ ル (ェチル) ジメチルクロロシラン、 3—イソシアナートプロピルジメチルクロ ロシラン、 3—メタクリロキシプロピノレジメチノレクロロシラン、 (3 , 3 , 3— トリフルォロプロピル) ジメチルクロロシラン、 3, 5—ビス (トリフルォロメ チル) フエニルジメチルクロロシラン、 ペンタフルォロフエ-ルジメチルクロ口 シラン、 ペンタフルオロフェニルプロピルジメチルクロロシラン、 1 H, 1 H, 2 H, 2 H—パーフルォロデシルジメチルクロロシラン、 および 1 H, 1 H, 2 H, 2 H—パーフルォロォクチルジメチルクロロシランである。
化合物 (1) の官能基が付加重合性または縮重合性の基であるとき、 化合物 ( 1) を重合体にすることができる。 採用できる重合方法は、 ラジカル重合法、 ァ ユオン重合法、 カチオン重合法、 メタルイユシェ一ティッド重合法、 縮重合法な どの一般的な方法である。 このとき他のモノマーと共重合させてもよい。 共重合 体においては、 化合物 (1) を示唆する構成単位の配置形態は、 ランダム、 ブロ ック、 交互などのいずれであってもよい。 他のポリマーに化合物 (1) をグラフ ト重合させることもできる。 重合性の基の例は、 ァルケニル、 一 OH、 カルボキ シル、 2—ォキサプロパンジオイノレ、 ォキシラニノレ、 3, 4—エポキシシクロへ キシル、 ォキセタニル、 ォキセタニレンおよびァミノである。
[発明を実施するための最良の形態]
以下、 実施例により本発明を詳細に説明するが、 本発明はこれらの実施例に制 限されない。 実施例における化学式では、 Phはフエニルであり、 Meはメチル であり、 TMSはトリメチルシリルであり、 Acはァセチルである。 なお、 実施 例における平均分子量は、 THFを溶離液とするゲルパーミエーションクロマト グラフィー (GPC) によってを測定し、 標準ポリスチレンを用いて作製した校 正曲線から算出した値であり、 未捕正である。 すべての核磁気共鳴スぺクトルは 、 重クロ口ホルムを溶媒、 テトラメチルシランを内部標準物質として 「J EOL GSX—400」 を用いて測定した。 赤外線吸収スペクトル分析 ( I R) は 「J ASCO FT/I R— 7000」 を用いて測定した。 実施例 1
<化合物 (3— 1) の合成 >
還流冷却器、 温度計、 撹拌装置を備えた内容積 50リットルの反応容器に、 フ ェ-ルトリメ トキシシラン (6. 54k g) 、 2—プロピルアルコール (26. 3リットル) 、 純水 ( 0. 66 k g) 、 および水酸化ナトリウム (0. 88 k g
) を仕込み、 乾燥窒素でシールした。 撹拌しながら加熱し、 還流状態で 5時間反 応させた。 反応終了後室温で 1 5時間放置し、 得られた反応混合物からデカンテ ーシヨンによって上澄み液を除去した。 得られた残渣から、 孔径 0. 1 μΐχιのメ ンブランフィルターを備えた加圧濾過器を用いて白色固体を分離し、 この白色固 体を 2—プロピルアルコール (9. 8 7 k g) で 1回洗浄した。 この物質をポリ テトラフルォロエチレンシートで内張したステンレス製トレーに移し、 減圧乾燥 機を用いて、 庫内温度 8 0° (、 圧力 6. 7 X 1 0— 4 MP aで 24時間乾燥して、 白色粉末状の固体 2. 2 2 k gを得た。 実施例 2
<化合物 (3— 1) の構造確認 >
滴下漏斗、 還流冷却器、 温度計を備えた内容積 5 Om lの反応容器に、 上記の 白色粉末状の固体 (1. 2 g) 、 THF (1 0 g) 、 およびトリェチルァミン ( 1. 6 g) を仕込み、 乾燥窒素にてシールした。 マグネチックスターラーによる 撹拌下で、 溶液温度を 1 5 °C〜 20 °Cに保ちながらクロロトリメチルシラン ( 2 . 2 g) を約 1分間で滴下漏斗から滴下した。 滴下終了後、 1 5°Cで 3. 5時間 撹拌を続けた。 その後、 脱イオン水 (1 0 g) を加えて、 副成した塩ィ匕ナトリウ ムを溶解、 未反応のクロロトリメチルシランを加水分解した。 このようにして得 られた反応混合物は有機層と水層に分液漏斗で分離した。 得られた有機層は脱ィ オン水を用いて洗浄し、 洗浄液の p Hが中性になるまで水洗を繰り返した。 そし て有機層を、 無水硫酸マグネシウムで乾燥、 減圧濃縮して、 1. 2 gの白色固形 物を得た。
得られた白色固形物を、 GPC、 1 H— NMR、 および2 9 S i一 NMRによ つて分析し、 構造解析を行った。 GP Cチャートから、 白色固形物が単分散性を 示し、 ポリスチレン換算での数平均分子量が 9 70、 重量平均分子量が 9 9 0で あることが確認された。 1 H— NMR分析の結果、 フエエル基とトリメチルシリ ル基が 8 : 4 の積分比で存在することが確認された。 2 9 S i -NMR 分析結 果から、 フエニルを有する T構造を示唆するシグナルが 一 7 6. 1 2 p pm と
-78. 95 p pmに 1 : 1の積分比で 2本、 トリメチルシリル基を示唆するシ グナルが 10. 62 p pm に 1本存在することが確認された。 T構造は、 ケィ素 原子が 3個の酸素原子と結合している構造である。 以上の分析結果は式 (a) の 構造を支持していた。 従って、 トリメチルシリル化される前の化合物は、 式 (3 一 1) で示される化学構造を有すると判断される。
実施例 3
くヒドロシリル基を有するシルセスキォキサン誘導体の合成 >
滴下漏斗、 温度計、 および還流冷却器を備えた内容積 1000ミリリットルの 反応容器に、 実施例 1で得られた化合物 (3— 1) (69 g) 、 およびトルエン (520 g) を仕込み、 乾燥窒素にてシールした。 マグネチックスターラーによ る撹拌下で、 溶液温度を 23〜 38 °Cに保ちながら、 クロロジメチルシラン ( 8 0 g) を約 11分間で滴下漏斗から滴下した。 滴下終了後、 撹拌しながらオイル パスで加熱し、 還流状態で 3時間反応した。 反応終了後、 反応液温度が 50 °C以 下になるまで冷却した。 次いで単蒸留で未反応のクロロジメチルシランを除去し
たのち、 反応液の液量が約 1/2になるまで濃縮を行なった。 そして反応液温度 が 50°C以下になるまで冷却した後、 脱イオン水 (150 g) を滴下漏斗から滴 下した。 滴下終了後 10分間撹拌したのち分液漏斗で有機層と水層を分離した。 有機層は 1回あたり 10 Om 1の脱イオン水で 2回洗浄した。 得られた有機層は 無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、 濾過、 減圧濃縮して白色固体 71 gを得た。 この白色固体をノルマルヘプタン (355m l) で 1回抽出し不純物を除去した のち、 濾過、 減圧乾燥して、 白色粉末状固体 55 gを得た。
得られた白色粉末状固体は、 KB r錠剤法による I R分析の結果、 2142 c m一 1 に S i— Hの伸縮に基づく吸収を確認した。 2 9 S i一 NMR分析の結果、 一 3. 81 p pm にジメチルシリル基のシグナルを確認した。 1 H— NMR分析 の結果、 Ph基、 S iH基、 Me基に基づく積分比がそれぞれ 40 : 4 : 24で あることを確認した。 GPC分析の結果、 数平均分子量は 930、 重量平均分子 量は 980であった。 以上のデータは、 白色粉末状固体が式 (7) で示される化 学構造を有する化合物であることを示唆している。
(7)
実施例 4
くダリシジル基を有するシルセスキォキサン誘導体の製造 >
温度計、 滴下漏斗、 および還流冷却器を備えた内容積 50ミリリツトルの反応 容器に、 実施例 3で得られた化合物 (7) (2. 0 g) 、 ァリルグリシジルエー テル (1. 4 g) 、 およびトルエン (3. 4 g) を仕込み、 乾燥窒素でシールし た。 マグネチックスターラーで攪拌しながら、 反応液温度が 70°Cになるように 加熱した。 そしてマイクロシリンジでカルステッド触媒 (2. 0 ^ 1) を添加し
たのち、 1時間撹拌を継続した。 そして反応液をサンプリングし I R分析を行な つた結果、 S i一 H基を示唆する 2138 cm— 1 の吸収が消失していることを 確認した。 次いで、 反応液は減圧濃縮して粘稠な液体 2. 5 gを得た。
得られた粘稠な液体について、 2 9 S i一 NMR分析を行なった結果、 グリシ ドキシプロピルジメチルシリル基に相当する 1 1. 42 p p mのシグナルを確認 した。 G PC分析の結果、 数平均分子量は 1100、 重量平均分子量は 1 1 70 であった。 以上のデータは、 粘稠な液体が式 (8) で示される化学構造を有する 化合物であることを示唆している。
実施例 5
<ヒドロキシル基を有するシルセスキォキサン誘導体の製造 >
実施例 4で用いたものと同じ反応容器に、 化合物 (7) (5. 2 g) 、 2—ァ リルォキシエタノール (6. 6 g) 、 およびトルエン (5. 2 g) を仕込み、 乾 燥窒素でシールした。 マグネチックスターラーで攪拌しながら、 反応液温度が 4 2 °Cになるように加熱した。 そしてマイクロシリンジを用いてカルステツド触媒 (33 /z 1) を添加したのち、 反応液温度を 60°Cに加熱して 2時間撹拌を継続 した。 そして、 反応液をサンプリングし I R分析を行なった結果、 S i— H基を 示唆する 2138 cm— 1 の吸収が消失していることを確認した。 ついで反応液 を減圧濃縮したのち残渣を齚酸ェチル (28 g) で 20重量。 /0に希釈した。 そし て粉末活性炭 (0. 4 g) を加え 1. 5時間攪拌を継続した。 そして活性炭を濾 過により除去したのち減圧濃縮を行い粘稠で透明の液体 6. 6 gを得た。
得られた粘稠な液体について、 液膜法により I R分析を行なった結果、 345
0 cm— 1 にヒドロキシル基の O— H伸縮振動による吸収を確認した。 2 9 S i 一 NMR分析を行なった結果、 ( 3— ( 2—ヒドロキシェチルォキシ) プロピル ) ジメチルシリル基に相当する 11. 42 p pmのピークを確認した。 GPC分 析を行なった結果、 数平均分子量は 1180、 重量平均分子量は 1230であつ た。 以上のデータは、 粘稠な液体が式 (9) で示される化学構造を有する化合物 であることを示唆している。
実施例 6
くァセトキシ基を有するシルセスキォキサン誘導体の製造 >
実施例 4で用いたものと同じ反応容器に、 ィ匕合物 (7) (10. 4 g) 、 2— ァリルォキシエタノールと塩ィヒアセチルから調製した酢酸 2―ァリルォキシェチ ルエステル (6. 9 g) 、 およびトルエン (17. 3 g) を仕込み、 乾燥窒素で シールした。 マグネチックスターラーで攪拌しながら、 反応液温度が 56°Cにな るように加熱した。 そしてマイクロシリンジを用いてカルステッド触媒 (10 1) を添加したのち、 反応液温度を 80°Cにして 4時間撹拌を継続した。 そして、 反応液をサンプリングし I R分析を行なった結果、 S i—H基を示唆する 213 8 cm— 1 の吸収が消失していることを確認した。 ついで反応液を減圧濃縮行い 粘稠の液体 15. 3 gを得た。
得られた粘稠な液体について、 液膜法により I R分析を行なった結果、 173
9 cm- 1 に C = 0伸縮に基づく吸収を確認した。 2 9 S i一 NMR分析を行な つた結果、 (3— (2—ァセトキシエトキシ) プロピル) ジメチルシリル基に相 当する 11. 41 p pmのシグナルを確認した。 1 3 C— NMR分析を行なった
W
41 結果、 170. 83 p pmに C = 0基に由来するシグナルを確認、した。 GPC分 析を行なった結果、 数平均分子量は 1460、 重量平均分子量は 1510であつ た。 以上のデータは、 粘稠な液体が式 (10) で示される化学構造を有する化合 物であることを示唆している。
実施例 7
<カルボキシル基を有するシルセスキォキサン誘導体の製造 >
実施例 4で用いたものと同じ反応容器に、 化合物 (7) (5. 2 g) 、 4—ぺ ンテン酸トリメチルシリルエステル (3. 0 g) 、 およびトルエン (7. 5 g) を仕込み、 乾燥窒素でシールした。 マグネチックスターラーで攪拌しながら、 反 応液温度が 80°Cになるように加熱した。 そしてマイクロシリンジでカルステツ ド触媒 (4. 0 μ 1) を添加したのち 1時間撹拌を継続した。 そして、 反応液を サンプリングして I R分析を行なった結果、 S i—H基を示唆する 2138 cm 一 1 の吸収が消失していることを確認した。 そして減圧濃縮を行い、 粘稠な液体 7. 7 gを得た。 得られた粘稠な液体にメチルアルコール (6. 1 g) を添加し、 マグネチックスターラーを用いて溶液温度 27 °Cで 4時間撹拌を継続した。 つい で、 この溶液に粉末活性炭 (0. 23 g) を添カ卩して 1時間撹拌を継続した。 活 性炭を濾過により除去したのち減圧濃縮を行い、 白色固体 6. 2 gを得た。
得られた白色固体について、 1 3 C— NMR分析を行った結果、 180. 44 p pm にカルボキシル基を示唆するピークを確認した。 GPC分析を行なった結 果、 数平均分子量は 1490、 重量平均分子量は 1550であった。 以上のデー
タは、 白色固体が式 (1 1) で示される化学構造を有する化合物であることを示 唆している。
実施例 8
くメタタリルォキシ基含有シルセスキォキサン誘導体の製造 >
実施例 4で用いたものと同じ反応容器に、 実施例 1で製造した化合物 (3-1 ) (1. 2 g) 、 THF (20 g) 、 およぴトリエチルァミン (8. 1 g) を仕 込み、 乾燥窒素にてシーノレした。 マグネチックスターラーで撹拌しながら、 反応 液温度を 5〜 10 °Cに保ちながらメタクリロキシプロピルジメチルクロロシラン (18 g) を約 11分間で滴下漏斗から滴下したのち、 5時間撹拌を継続した。 反応終了後、 脱イオン水 (1 O g) を滴下漏斗から滴下したのち、 有機層と水層 を分液漏斗で分離した。 有機層は脱イオン水で繰り返し水洗して中性とした。 こ のようにして得られた有機層は無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、 減圧濃縮し て粘稠な液体 15 gを得た。 そして、 この粘稠な液体はノルマルへキサン一酢酸 ェチル混合溶剤 (容量比 5: 1) を用いて、 シリカゲルカラムクロマトグラフィ 一により精製し、 白色固体 1. 5 gを得た。
得られた白色固体について、 KB r錠剤法により I R分析を行なった結果、 1 718 cm-
1 に C = 0伸縮に基づく吸収を確認した。
2 9 S i— NMR分析を 行なった結果、 1 1. 02 p pmに 3—メタクリロキシプロピルジメチルシリル 基を示唆するピークを確認した。 GPC分析を行なった結果、 数平均分子量は 1 180、 重量平均分子量は 1
210であった。 以上のデータは、 白色固体が式 ( 12) で示される化学構造を有する化合物であることを示唆している。
実施例 9
< 3—クロ口プロピル基含有シルセスキォキサン誘導体の製造〉
実施例 4で用いたものと同じ反応容器に、 化合物 (3— 1) (5. 8 g) 、 T HF (50 g) 、 トリェチルァミン (5. 0 g) を仕込み乾燥窒素にてシールし た。 マグネチックスターラーで撹拌しながら、 反応液温度を 28〜41°Cに保ち ながら 3—クロ口プロピルジメチルクロロシラン (10. 3 g) を約 3分間で滴 下漏斗から滴下したのち、 4時間撹拌を ϋ続した。 次いで脱イオン水 (30 g) をゆつくりと滴下した。 反応終了後、 有機層と水層を分液漏斗で分離した。 そし て有機層を 0. 1規定の塩酸水溶液で 1回洗浄したのち、 脱イオン水で 3回水洗 した。 得られた有機層は無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、 減圧濃縮して 8. 0 gの粘稠な液体を得た。 この粘稠な液体はメチルアルコール (120 g) で再 結晶を行い、 白色固体 4. 2 gを得た。
得られた白色固体について、 KB r錠剤法により I R分析を行なった結果、 7
87 cm—
1 に C— C 1基の伸縮に基づく吸収を確認した。
1 H— NMR分析を 行なった結果、 3. 0 p pmに一 CH
2 C 1基に由来のトリプレットに分裂した シグナルを確認した。
1 3 C— NMR分析を行なった結果、 47. 36 p pmに -CH
2 C 1基に由来のシグナルを確認した。
2 9 S i— NMR分析を行なった 結果、 10. 84 p pmに 3—クロ口プロピルジメチルシリル基のシグナルを確 認した。 G PC分析を行なった結果、 数平均分子量が 1 130、 重量平均分子量 が 1 140であった。 以上のデータは、 白色固体が式 (13) で示される化学構 造を有する化合物であることを示唆している。
( 13 )
[産業上の利用可能性]
本発明により、 式 (1 ) で示される新規なシルセスキォキサン誘導体およびこ れを短時間で高収率に製造する方法が提供される。 本発明のシルセスキォキサン 誘導体は、 一般的な有機重合体との相溶性の改善が期待され、 更に官能基を有す る場合には、 一般的な有機重合体のための反応性改質剤として極めて利用価値の 高いものである。