WO2003067101A1

WO2003067101A1 - Attache

Info

Publication number: WO2003067101A1
Application number: PCT/JP2003/001173
Authority: WO
Inventors: Yoshinori Sato
Original assignee: Kabushiki Kaisha Zen Kenchiku Sekkei Jimusho
Priority date: 2002-02-08
Filing date: 2003-02-05
Publication date: 2003-08-14
Also published as: US20050123372A1; CN1628218A; EP1473470A4; EP1473470A1; JP2003232318A

Description

ファスナ一技術分野

本発明は、樹脂リベットあるいはプッシュリベット等とも称される工業用のファスナーの改良に関し、特に材質が何であるかにかかわらず例えば板状の二部品同士をきわめて容易に締結結合可能としたファスナーの構造に関する。背景技術

この種のファスナーとして従来から種々のものが提案されているが、例えば一回のプッシュ操作もしくは打撃操作にて締結結合可能ではあっても、その締結結合を解除して取り外す際に困難を伴うものが多い。特に電機製品や O A機器等の回路基板の固定あるいは自動車用内装材の取り付け等に用いた場合に、衝撃や振動を受けたとしても緩みを生じることなく耐衝撃性、耐振動性に優れていることはもちろんのこと、例えば使用済み製品の解体に際して特定部品を分別回収してリサイクルする際に、上記の締結結合状態をきわめて簡単に解除できることが解体作業の迅速化とリサイクル効率を高める上で重要な要素となる。本発明はこのような要請に応えるためになされたものである。発明の開示

上記目的を達成するため、本発明は特に一回のプッシュ操作もしくは打撃操作にてその締結結合が可能であって、しかも耐衝撃性および耐振動性に優れることはもちろんのこと、一旦締結結合した後に再度取り外す場合にあっても実質的にプッシュ操作もしくは打撃操作の 1アクションにてその取り外しをきわめて容易に行えるようにしたファスナーの構造を提供するものである。

請求項 1に記載の発明は、先端部側に拡張部を有するとともに他端に着座フランジ部を備えたスリーブと、スリーブに内挿されて先端部に上記拡張部を拡張させるためのテーパ部を有するとともに他端にへッド部を備えたプラグとから構成される樹脂製のファスナーであって、上記拡張部の未拡張状態ではスリーブとプラグの相互離脱を阻止するべくそのスリ一ブの内周面とプラグの外周面とが凹凸嵌合により相互に嵌合しているとともに、プラグはスリーブを貫通した状態でスリーブの先端面に係合する係止段部を有していることによりそのスリーブとプラグとの抜け止めが施されていて、上記スリーブを相手側固定部品の下孔に挿入した後にそのスリーブに対するプラグの押し込みに応じて上記凹 ώ嵌合を解除しつつ拡張部を所定量だけ拡張させた時には、その拡張部の内周面とプラグの外周面とが再度凹凸嵌合してその嵌合による節度感が得られるようになつていることを特徴とする。

ここで、相手側固定部品の厚み寸法が一定している場合には、請求項 2 に記載のように、スリーブの拡張部外周面には、その拡張状態で相手側固定部品の裏面側の下孔開口縁に係合する係止段部が形成されていることが締結結合状態の確実化の上で望ましい。

また、請求項 3に記載のように、プラグが中空状のものであると、締結結合後のファスナーを通線スリーブとしても使用することが可能となる。

したがって、これら請求項 1〜 3に記載の発明では、例えば電気製品や各種電子機器の回路基板の固定用として、あるいは自動車の内装材の取り付け用としてファスナーを用いる場合に、予めプラグとの凹凸嵌合状態にあるスリーブを相手側固定部品の下孔に揷入した上で、スリーブ対してプラグを押し込むべくプラグを 1プッシュ操作するかもしくは一撃を加える。これにより、先の凹凸嵌合が解除されながらスリーブの拡張部が拡張し、同時にその拡張部の内周面とプラグの外周面とが再度凹凸嵌合して相対位置決めがなされることから、施工後に振動等を受けたとしても拡張部とプラグとの間に緩みが生じにくく、その締結結合状態を長期にわたって維持できる。

ここで、ファスナーを形成しているスリーブとプラグとは、拡張部の未拡張状態にあっても凹凸嵌合に加えてそのプラグ側の係止段部とスリ一ブの先端面との係止によって抜け止めが施されており、二部品が互いに分離してしまうことがなく、その取り扱い性に優れたものとなっている。その一方、樹脂製ファスナーの特性として自己復元性にすぐれていることから、補修あるいはリサイクル等に際してファスナーによる締結結合状態を解除するには、プラグを拡張時とは逆方向にプッシュ操作もしくは打撃力にて押し込めばスリーブの拡張が解除され、ファスナー自体を容易に抜き取ることができるようになる。この場合においても、上記の抜け止め効果のためにスリーブとプラグが分離してしまうことがなく、ファスナーはスリーブとプラグとをセットとして相手側固定部品から抜き取ることができることになる。 '

すなわち、請求項 1〜 3に記載の発明によれば、拡張部の拡張の際にはスリーブとプラグとの凹凸嵌合による節度感が得られるため、施工後にその両者の間に緩みが発生することがなく耐振動性，耐衝撃性に優れるほか、個人差による施工状態のばらつきを解消でき、また樹脂自体の自己復元性のために締結固定状態の解除をもきわめて容易に行える。

その上、締結固定状態の解除の際にはプラグのプッシュ操作もしくは打撃操作の 1ァクションにてその解除を行えるため、その作業の迅速化が可能となり、相手側部品を解体した上で特定部品を分別回収してリサイクルする際の効率が飛躍的に向上するほか、スリーブとプラグは抜け止めが施されていて互いに分離することがないので、その取り扱い性も改善される' 特に、スリーブからのプラグの抜け止めを司っている係止段部がスリーブから突出していると、この部分に打撃力を加えるだけで容易に締結固定状態の解除操作を行うことができ、その操作性に優れたものとなる。

請求項 4に記載の発明は、拡張部を有するスリーブと、このスリーブに内挿されて上記拡張部を拡張させるためのテーパ部を有するプラグと、このプラグにねじ込まれるねじ部材とを備え、少なくともスリーブとプラグが樹脂にて形成されたファスナーであって、上記プラグにも拡張部が形成されていて、上記スリーブ側拡張部の未拡張状態ではスリーブとプラグの相互離脱を阻止するべくそのスリーブの内周面とプラグの外周面とが凹凸嵌合により相互に嵌合している一方、上記スリーブを相手側固定部品の下孔に挿入した後にそのスリーブに対するプラグの押し込みに応じて上記凹凸嵌合を解除しつつスリーブ側拡張部を所定量だけ拡張させた時には、そのスリーブ側拡張部の内周面とプラグの外周面とが再度凹凸嵌合してその嵌合による節度感が得られるようになっていて、さらに上記プラグにねじ部材をねじ込んだ時には、上記凹凸嵌合を維持したままプラグ側拡張部がスリ一ブ側拡張部とともに拡張するようになつていることを特徴とする。

この場合、請求項 5に記載のように、スリーブに対するプラグの押し込みに応じて上記凹凸嵌合を解除しつつスリーブ側拡張部を所定量だけ拡張させた時には、スリーブ側拡張部の先端からプラグ側拡張部の先端が突出するようになっていることが、取り外しの際の 1プッシュ操作もしくは打撃操作が可能になる点で好ましい。

したがって、この請求項 4， 5に記載の発明では、ファスナーを形成しているスリーブとプラグとの相対位置関係は基本的に請求項 1 に記載のものと同じであって、プラグの押し込み操作によりスリーブを拡張させることでそのスリーブがプラグとともにアンカー部材として相手側部品に固定される。その後、その相手側部品に締結固定しょうとする別の部品にねじ部材を挿入しつつそのねじ部材をプラグにねじ込むことで双方の部品同士が締結固定される。

すなわち、請求項 4， 5に記載の発明によれば、スリーブとプラグの構成要素に加えてこれらをアンカー部材とするねじ部材を併用したものであり、そのスリーブとプラグとの関係は基本的には請求項 1に記載のものと同様であるから、耐衝撃性，耐振動性に優れるほか、その締結固定状態の解除もねじ部材を先に抜き取ることを前提として 1アクションにて行える利点がある。

請求項 6に記載の発明は、拡張アンカー部とへッド部とが一体に形成された複数のファスナーエレメントと、それら複数のファスナーエレメント配列の中央部に配置されて先端部側には各拡張アンカー部を拡張させるためのテ一パ部を有するプラグとから構成され、上記各ァファスナーエレメントとプラグとがそのプラグの他端にて連続するようにそれらの各ファスナ一エレメントとプラグとがー体成形された樹脂製のファスナ一であって、上記各拡張アンカー部をすぼめてプラグとともに相手側固定部品の下孔に挿入した状態では、各拡張アンカー部の内周面とプラグの外周面とが凹凸嵌合により相互に嵌合していて、上記拡張アンカー部に対するプラグの押し込みに応じて上記凹凸嵌合を解除しつつ拡張アンカー部を所定量だけ拡張させた時には、その拡張アンカー部の内周面とプラグの外周面とが再度凹凸嵌合して両者の相対移動が阻止されるようになっているとともに、その凹凸嵌合による節度感が得られるようになっていることを特徴とする。この場合において、相手側部品の板厚寸法が一定している場合には、請求項 7に記載のように、各拡張アンカー部の先端部には、その拡張状態で相手側固定部品の裏面側の下孔開口縁に係合する係止段部が形成されていることが望ましい。

逆に、相手側部品の板厚寸法が特定されていない場合には、請求項 8に記載のように、各拡張アンカ一部には下孔の軸心方向に沿って複数の係止爪が形成されていて、拡張アンカ一部の拡張状態ではそれぞれの拡張アンカー部についていずれか一つの係止爪が相手側固定部品の裏面側の下孔開口縁に係合するようになっていることが望ましい。

また、請求項 5に記載のものと同様の理由から、請求項 9に記載のように、拡張アンカ一部の拡張とともにその拡張アンカー部の内周面とプラグの外周面とが再度凹凸嵌合した時には、拡張アンカー部の先端からプラグの先端が突出するようになっていることが望ましい。

さらに、ファスナー自体の小型化と省スペース化を図る上では、請求項 1 0に記載のように、平面視において上記プラグをはさんでその両側に細幅状のファスナーエレメントが互いに対向するように配置されていることが望ましい。

加えて、ファスナーそのものを例えば各種配線の結束ベルトのアンカ一部として機能させる場合には、請求項 1 1に記載のように、プラグの他端部に結束ベルトが一体に形成されていてもよい。

したがって、請求項 6〜 9に記載の発明では、基本的には請求項 1に記載のものと同様の機能を有しながらも、ファスナーエレメントとプラグとが不離一体の関係となるように予め一体成形されていることが最大の特徴であって、その取り扱い性が飛躍的に改善される。

すなわち、請求項 6〜 8に記載の発明によれば、基本的には請求項 1に記載のものと同様の機能を有するファスナーエレメントとプラグとが予め一体成形されているため、耐衝撃性，耐振動性に優れ、締結固定状態の解除も 1ァクションにて行えるほか、どのような状態にあってもファスナ一エレメントとプラグが分離することがなく、その取り扱い性に優れる利点がある。特に、請求項 9に記載のように、拡張アンカー部の拡張状態でその拡張アンカ一部からプラグが突出していると、上記締結固定状態の解除操作を 1ァクションにて行う際の操作性が一段と向上する。

請求項 1 0， 1 1に記載の発明によれば、実質的にファスナーエレメントの扁平化を図ったものであるから、耐衝撃性，耐振動性に優れ、締結固定状態の解除も 1アクションにて行えることはもちろんのこと、特に小型化と省スペース化を図ることができる利点がある。図面の簡単な説明

図 1は本発明の第 1の実施の形態を示す図で、（A ) はファスナーの平面図、（B ) は同じくファスナーの正面図、（C ) は同じくファスナーの下面図である。

図 2は図 1の（B ) に示したファスナーの断面説明図である。

図 3は図 2のファスナーの締結固定状態を示す断面説明図である。図 4は本発明の第 2の実施の形態としてファスナーの締結固定状態を示す断面説明図である。

図 5は本発明の第 3の実施の形態としてファスナーの締結前および締結後の状態を示す断面説明図である。

図 6は本発明の第 4の実施の形態としてファスナーの締結前および締結後の状態を示す断面説明図である。

図 7は本発明の第 5の実施の形態としてファスナーの締結固定状態を示す断面説明図である。

図 8は図 7のスリーブとプラグとの関係を示す説明図である。図 9は図 8のスリーブの詳細を示す図で、（A) はその平面図、（B) はその正面図、（C) はその下面図である。

図 1 0は図 8のプラグの詳細を示す図で、（A) はその平面図、（B) はその正面図、（C) はその下面図である。

図 1 1は相手側固定部品へのスリーブの挿入状態を示す断面説明図である。

図 1 2はスリーブの拡張による締結固定状態を示す断面説明図である。図 1 3は本発明の第 6の実施の形態を示す図で、（A) はファスナーの平面図、（B) はその正面図、（C) はその下面図である。

図 1 4は図 1 3の（B) の右側面図である。

図 1 5は図 1 3の（B) の d— d線に沿う断面図である。

図 1 6は図 1 4の e _ e線に沿う断面図である。

図 1 7は図 1 6の： f — f 線に沿う断面図である。

図 1 8は図 1 3のファスナーの挿入初期段階の状態を示す断面説明図である。

図 1 9は図 1 3のファスナーの挿入中間段階の状態を示す断面説明図である。

図 2 0は図 1 3のファスナーの挿入中間段階の状態を示す断面説明図である。

図 2 1は図 1 3のファスナーの締結完了状態を示す図で、（A) はその平面図、（B) はその断面説明図、（C) はその下面図である。

図 2 2は本発明の第 7の実施の形態としてファスナーの挿入初期段階の状態を示す断面説明図である。

図 2 3は図 2 2のファスナーの締結固定完了状態を示す断面説明図である。

図 2 4は本発明の第 8の実施の形態としてファスナーと一体化された結束バンドの展開説明図である。

図 2 5は図 2 4のファスナーの使用状態を示す説明図である。発明を実施するための最良の形態

図 1〜 3は本発明に係るファスナ一の好ましい実施の形態を示す図であって、特に図 1の（A ) , ( B ) , ( C ) はファスナーの単体状態での平面図、正面図および下面図をそれぞれ示しており、図 2は図 1の（B ) におけるスリーブの全断面図を、図 3は締結固定状態での全断面図をそれぞれ示している。ただし、図 3は右半部と左半部とでは異なる状態を合成して描いてあり、その右半部は締結固定されるべき相手側部品の厚み寸法が大きい場合を、左半部は締結固定されるべき相手側部品の厚み寸法が小さい場合をそれぞれ示している。

図 1に示すように、ファスナー 1は、円形の着座フランジ部 2を有する中空円筒状のスリーブ 3と、同じく円形のへッド部 4を有しつつスリーブ 3内に圧入される略段付軸状もしくは茸形状のプラグ 5 とから形成されていて、いずれもナイ口ン等の熱可塑性樹脂にて形成されている。

スリーブ 3の先端部側はおよそ半分程度程度の長さの放射状の四つのすり割り溝 6をもってコレット状にすり割られていて、これにより拡径可能な拡張部 7が形成されている。また、図 2 , 3に示すように、スリーブ 3の上部内周面が単純円筒面であるのに対して、拡張部 7の先端部内周面はその一般内周面に連続する図示のようなテ一パ面 8 aとそれに連続する円弧状面とをもって先端部側に向かって漸次縮径しつつつもそれらの最小径部からさらに先端部側では滑らかに漸次拡径するテーパ孔形状となっていて、これにより実質的に環状突起部 8が形成されている。また、拡張部 7の先端には段状凹部 8 9が有段形成されている。

一方、プラグ 5は、スリーブ 3の全長よりもその長さが大きい軸部 9を有していて、軸部 9の先端部側には上下二段にわたって環状溝のごときネック部 1 0， 1 1が形成されている。そして、図 2から明らかなように下側のネック部 1 1の形状は拡張前の拡張部 7内周の環状突起部 8 と合致する形状となっているとともに、図 3から明らかなように上側のネック部 1 0の形状は拡張後の拡張部 7内周の環状突起部 8 と合致する形状となつている。

さらに、軸部 9の先端にはスリーブ 3側の段状凹部 8 9よりも大径の係止段部としてフランジ部 1 2が形成されていて、スリーブ 3側の拡張部 7 が拡張していない状態ではフランジ部 1 2が段状凹部 8 9を乗り越えてその拡張部 7の先端面に係止されている。すなわち、図 2に示すようにスリーブ 3にプラグ 5を圧入して両者を組み合わせた状態では、プラグ 5側の軸部 9先端のフランジ部 1 2がスリーブ 3側の環状突起部 8を乗り越えた上で、環状突起部 8がプラグ 5側のネック部 1 1に凹凸嵌合しているとともに、フランジ部 1 2が拡張部 7の先端面に係止されており、これらによりスリーブ 3とプラグ 5との抜け止め効果が発揮され、施工前のファスナ一 1単体の状態ではそのスリーブ 3 とプラグ 5 とが相互に分離しないようになっている。

このように構成されたファスナー 1の施工手順としては、図 3に示すように、相互に締結結合すべき相手側固定部品 1 3または 1 4に予め形成された下孔 1 5に対してファスナ一 1のスリ一ブ 3を挿入し、スリーブ 3の拡張部 7が相手側固定部品 1 3または 1 4の裏面から所定量だけ突出し且つスリーブ 3の着座フランジ部 2が相手側固定部品 1 3または 1 4に着座している状態で、スリーブ 3側の着座フランジ部 2とプラグ 5側のへッド部 4とを相互に重合させるベく、スリーブ 3の拡張部 7側の端部からプラグ 5の先端部が突出するまでプラグ 5をスリーブ 3に対して押し込むか打ち込む。この時、図 3に示すように、プラグ 5の打ち込みに伴ってそれまでのプラグ 5側のネック部 1 1 とスリ一ブ 3側の環状突起部 8 との凹凸嵌合が解除されながら拡張部 7が下側から順にスカート状に拡張される。そして，拡張部 7が拡張すると環状突起部 8が今度はプラグ 5側の上側のネック部 1 0と凹凸嵌合し、その凹凸嵌合による節度感が得られることから、この節度感をもって拡張部 7が所定量だけ拡張したことを確認でき、その拡張部 7 とスリーブ 3の着座フランジ部 2もしくはプラグ 5のヘッド部 4 との間に相手側固定部品 1 3または 1 4が圧締され、これをもって相手側固定部品 1 3または 1 4が堅固に締結固定される。これは、図 3に示すように相手側固定部品 1 3， 1 4の厚み寸法が大きくても小さくても同様である。同時に、上記のようにスリーブ 3とプラグ 5とが凹凸嵌合するとそれによって両者の相対位置決めがなされることから、施工後（拡張後）のスリーブ 3とプラグ 5との間の緩み止め効果が発揮され、衝撃や振動等に対して十分に対抗できるようになる。

その一方、一旦施工した後に再度そのファスナー 1による締結結合を解除したい場合には、プラグ 5のフランジ部 1 2に例えば打撃力を加え、プラグ 5を施工時とは逆方向に打ち込んで拡張部 7の拡張を解除した上で、そのプラグ 5をスリーブ 3とともに下孔 1 5から抜き取ればよい。この場合、プラグ 5側のフランジ部 1 2が拡張部 7の先端面に当接した時点（図 2の状態）で両者の相対移動は阻止されることから、スリーブ 3とプラグ 5とが分離することがなく、両者を一体のものとして下孔 1 5から抜き取ることができる。

このように、施工時とは逆の分解が実質的に 1ァクションにて迅速に行えることが本実施の形態のファスナー 1の長所であり、例えば電気製品等の回路基板の固定あるいは自動車用内装材の取り付け等に用いた場合に、使用済み製品の解体に際して特定部品を分別回収してリサイクルする上できわめて作業性に優れたものとなる。

図 4〜 6には本発明の第 2〜 4の実施の形態を示し、第 1の実施の形態と共通する部分には同一符号を付してある。

図 4に示す第 2の実施の形態では、スリーブ 3とともにファスナー 2 1 を形成することになるプラグ 5について、その下側のネック部 1 1から係止段部たるフランジ部 1 2までの長さをより大きく確保したものである。

また、図 5に示す第 3の実施の形態では、締結固定の対象となる相手側固定部品 1 6の総厚み寸法が一定であることを前提とした上で、プラグ 1 7とともにファスナー 3 1を形成することになるスリーブ 1 8について、その拡張部 1 9の外周面に、拡張段階で相手側固定部品 1 6の裏側の下孔 1 5の開口縁に係合する係止段部 2 0を形成したものである。それ以外の構成については基本的に図 2， 3に示したものと同様である。この実施の形態の場合には、ファスナー 3 1自体の圧締力による相手側固定部品 1 6 'の締結固定がより確実に行われる利点がある。

図 6に示す第 4の実施の形態では、図 5に示した第 3の実施の形態を前提とした上でスリーブ 1 8 とともにファスナー 4 1を形成することになるプラグ 4 4に軸部 9を中空状に形成したもので、その内筒部 9 aに例えば各種配線を通すことが可能であり、いわゆる通線スリーブとして兼用できる利点がある。

図 7〜 1 2は本発明の第 5の実施の形態を示し、図 7に示すようにファスナ一 5 1 自体をアンカ一部として利用しつつねじ部材 2 2を併用するタイプの例を示している。そして、特に図 8は構成要素相互の関係を示す分解図を、図 9， 1 0はスリーブ 2 3およびプラグ 2 4単独での詳細をそれぞれ示している。ただし、図 7および図 1 1， 1 2は右半部と左半部とでは異なる状態を合成して描いてあり、その右半部は締結固定されるべき相手側部品の厚み寸法が大きい場合を、左半部は締結固定されるべき相手側部品の厚み寸法が小さい場合をそれぞれ示している。

図 7〜 1 0に示すように、ファスナー 5 1は、薄肉状の着座フランジ部 2 5を有する中空円筒状のスリーブ 2 3と、スリーブ 2 3内に圧入される中空段付軸状のプラグ 2 4と、このプラグ 2 4に後からねじ込まれることになるねじ部材としてのビス 2 2とから形成されていて、スリーブ 2 3およびプラグ 2 4はいずれもナイ口ン等の熱可塑性樹脂で形成されている。そして、スリーブ 2 3の上部内周には一対の割り出し溝 2 6が、プラグ 2 4の外周にはその割り出し溝 2 6に合致する突起部 2 7がそれぞれ形成されていて、これら割り出し溝 2 6と突起部 2 7との相互嵌合によりスリーブ 2 3とプラグ 2 4との間の回り止めが施されるようになつている。

図 7のほか図 9にも示すように、スリーブ 2 3の先端部側は放射状の四つのすり割り溝 2 8をもってコレツト状にすり割られていて、これにより拡径可能なスリーブ側拡張部 2 9が形成されているとともに、各すり割り溝 2 8の上方側にはリブ 3 0が突設されている。また、図 7にも示すように、スリーブ側拡張部 2 9の先端部内周面はテ一パ面 3 8 aとそれに連続する円弧状面をもつて先端部側に向かって漸次縮径しつつつもそれらの最小径部からさらに先端部側では滑らかに漸次拡径するテ一パ孔形状となっていて、これにより実質的に環状突起部 3 8が形成されている。また、スリーブ側拡張部 2 9の先端には段状凹部 3 2が有段形成されている。一方、プラグ 2 4はその長さがスリーブ 2 3よりも長く設定されているとともに、図 1 0に示すようにスリーブ 2 3と同様にして先端部側は放射状の四つのすり割り溝 3 3をもってコレツト状にすり割られていて、これにより拡径可能なプラグ側拡張部 3 4が形成されている。また、プラグ 2 4の先端部側には上下二段にわたって環状溝のごときネック部 3 5 , 3 6 が形成されている。そして、図 1 1から明らかなように下側のネック部 3 6の形状は拡張前のスリーブ側拡張部 2 9内周の環状突起部 3 8と合致する形状となっているとともに、図 1 2から明らかなように上側のネック部 3 5の形状は拡張後のスリーブ側拡張部 2 9の内周の環状突起部 3 8 と合致する形状となっている。

さらに、プラグ 2 4の先端にはスリーブ側 2 3の段状凹部 3 2に合致する係止段部としての大径のフランジ部 3 7が形成されていて、スリーブ側拡張部 2 9が拡張していない状態ではフランジ部 3 7が段状凹部 3 2に合致しつつ係止されていて、プラグ 2 4の先端面がスリーブ 2 3よりもわずかに突出している。すなわち、図 8， 1 1に示すようにスリーブ 2 3にプラグ 2 4を圧入して両者を組み合わせた状態では、スリーブ 2 3側の環状突起部 3 8 とプラグ 2 4側のネック部 3 6 とが凹凸嵌合しているとともに、プラグ 2 4先端のフランジ部 3 7がスリーブ 2 3側の段状凹部 3 2 に合致して係止されており、これらによりスリーブ 2 3とプラグ 2 4との抜け止め効果が発揮され、施工前のファスナー 5 1単体の状態ではそのスリーブ 2 3とプラグ 2 4とが相互に分離しないようになっている。

このようなファスナー 5 1の施工手順としては、図 1 1に示すように、相手側固定部品 3 9または 4 0に予め形成された下孔 4 2に対して予めプラグ 2 4と組み合わされたスリーブ 2 3 (図 8の状態のもの）を挿入して、スリーブ側拡張部 2 9が相手側固定部品 3 9または 4 0の裏面から所定量だけ突出し且つスリーブ 2 3の着座フランジ部 2 5が相手側固定部品 3 9または 4 0に着座している状態とする。この時、スリーブ 2 3に予め形成されているリブ 3 0が変形して下孔 4 2の内周面に圧接することにより、例えばスリーブ 2 3の挿入方向が上向き姿勢であっても相手側部品 3 9または 4 0からのスリーブ 2 3の抜け落ちが防止される。

この状態で、プラグ 2 4の上端面に打撃力もしくは押し込み力を付与して、プラグ 2 4の上端面をスリーブ 2 3側の着座フランジ部 2 5と面一状態とするべく、スリーブ側拡張部 2 9側の先端からプラグ 2 4の先端部が大きく突出するまでプラグ 2 4をスリーブ 2 3に対して押し込む。

この時、図 1 2に示すように、プラグ 2 4の打ち込みに伴ってプラグ 2 4側のネック部 3 6 とスリーブ 2 3側の環状突起部 3 8 との凹凸嵌合が解除されながらスリーブ側拡張部 2 9が下側から順にスカート状に拡張する。そして、スリーブ側拡張部 2 9が拡張すると環状突起部 3 8が今度はプラグ 2 4側の上側のネック部 3 5と凹凸嵌合し、その凹凸嵌合による節度感が得られることから、この節度感をもってスリーブ側拡張部 2 9が所定量だけ拡張したことを確認でき、これをもってスリ一ブ 2 3およびプラグ 2 4があたかもアンカ一の如き形態で相手側固定部品 3 9または 4 0に固定される。これは、図 1 1に示すように相手側固定部品 3 9または 4 0の厚み寸法が大きくても小さくても同様である。同時に、上記のようにスリーブ 2 3とプラグ 2 4とが凹凸嵌合するとそれによって両者の相対位置決めがなされることから、施工後（拡張後）のスリーブ 2 3とブラグ 2 4との間の緩み止め効果が発揮され、衝撃や振動等に対して十分に対抗できるようになる。

次いで、図 7に示すように、相手側固定部品 3 9または 4 0に締結固定すべきもう一方の固定部品 4 3にビス 2 2を通した上で、このビス 2 2をプラグ 2 4に対して締め込む。ビス 2 2の締め込みに伴いプラグ側拡張部 3 4が先のスリーブ 2 3側の拡張と同様にして外側に拡張し、同時に既に拡張状態にあるスリーブ側拡張部 2 9をさらに拡張させる。これにより、固定部品 4 3が相手側固定部品 3 9または 4 0にねじ締め固定されるのと同時に、スリーブ 2 3およびプラグ 2 4がー段と強固に相手側固定部品 3 0または 4 0に固定される。

この固定形態は、相手側固定部品 3 9または 4 0がコンクリートブロックである場合のほか中空壁を構成するプラスターボード、化粧合板、 A L C板、ベニヤ板等であっても適用可能であり、しかも下孔 4 2が未貫通孔であっても適用可能である。

他方、一旦施工した後に再度そのファスナー 5 1による締結結合を解除したい場合には、ビス 2 2を取り外して図 1 2の状態とする。この状態でプラグ 2 4のフランジ部 3 7側の先端面に例えば打撃力を付与して、ブラグ 2 4を施工時とは逆方向に打ち込んでスリーブ側拡張部 2 9の拡張を解除した上で、そのプラグ 2 4をスリーブ 2 3とともに下孔 1 4 2から抜き取ればよい。この場合、図 1 1に示すようにプラグ 2 4側のフランジ部

3 7がスリーブ 2 3側の係止凹部 3 2 と合致してこれに係止した時点で両者の相対移動は阻止されることから、スリーブ 2 3とプラグ 2 4とが分離することがなく、両者を一体のものとして下孔 4 2から抜き取ることができる。

このように、本実施の形態においても施工時とは逆の分解が実質的に 1 ァクションにて迅速に行えることになる。

図 1 3〜 2 1には本発明の第 6の実施の形態を示し、先のいくつかの実施の形態のものと比べた場合に、スリーブに相当する部分とプラグに相当する部分とがー体成形されていて実質的に 1 ピース構造となっている点で異なっている。

図 1 3のほか図 1 4〜 1 7に示すように、平面視にて略扁平状をなすファスナ一 6 1は、角柱状のプラグ 4 5と、そのプラグ 4 5の両側に対向配置された一対のファスナーエレメント 4 6とから構成され、これらの各要素はナイ口ン等の熱可塑性樹脂にて一体成形されている。ファスナーエレメント 4 6は略ヘアピン状をなして外側に張り出したへッド部 4 7 とこれと一体の拡張アンカ一部 4 8とを有しており、各ファスナーエレメント

4 6は一体成形法をもってへッド部 4 7の頂部がプラグ 4 5の上端と接続されていて、各ファスナーエレメント 4 6はプラグ 4 5に対して実質的に一点片持ち支持形態となっている。角柱状のプラグ 4 5の上半部のうちファスナーエレメント 4 6， 4 6同士の対向方向と直交する対向二辺部には、下方に向かってその厚みが漸次大きくなるゥエッジ状突部 4 9がプラグ 4 5と同じ幅寸法をもって形成されている。各ゥエツジ状突部 4 9にはすり割り溝 5 0が形成されていて, これによりゥエツジ状突部 4 9 自体にすり割り溝 5 0の溝幅を縮小もしくは拡大する方向の可撓性を具備させてあるとともに、各ゥエッジ状突部 4 9の最大直径部が相手側固定部品 6 5に形成される下孔 6 6に内接するように設定してある（図 2 1参照）。また、角柱状のプラグ 4 5の下半部のうち残る二辺部にはテーパ状もしくは円弧状の溝 5 2 a， 5 3 a , 5

4 aが対向するように各三箇所に形成されており、これをもってプラグ 4 5には上下三段にわたりネック部 5 2， 5 3， 5 4が形成されている。一方、各ファスナーエレメント 4 6を形成している略ヘアピン状のへッド部 4 7のうち上辺部側のショルダ一部 5 5および下辺部側の着座壁部

5 6にはいくつかのノッチ部 5 7が形成されていて、これによりヘッド部 4 7自体に可撓性を具備させてあるとともに、ショルダー部 5 5の内周面側にはショルダー突起部 5 8が形成されている。また、ファスナーエレメント 4 6のうち拡張アンカー部 4 8の根元部には首下突部 5 9と同じくノツチ部 6 0が形成されているとともに、拡張アンカー部 4 8の内側面には嵌合突起部 6 2が形成されていて、拡張アンカー部 4 8の内側面全体が後述するようにプラグ 4 5と完全密着可能な形状となっている。同時に、嵌合突起部 6 2の形状はプラグ 4 5側の二つのネック部 5 2 , 5 3のいずれにも嵌合可能な形状となっている。上記のように、拡張アンカー部 4 8 の根元部にノツチ部 6 0が形成されていることで拡張アンカー部 4 8が根元部から弹性変形可能となっているととともに、首下突部 5 9はプラグ 4 5側のゥエツジ状突部 4 9に対して 9 0度位相がずれた位置にあることで、そのゥエッジ状突部 4 9とともに下孔 6 6の内周面に内接するように設定してある。

さらに、各拡張アンカー部 4 8の先端は内側および外側のいずれにも突出していて、それぞれに嵌合突起部 6 3および係止段部としてのフック部 6 4を形成している。そして、嵌合突起部 6 3はプラグ 4 5側の最下段のネック部 5 4に嵌合可能な形状となっているとともに、フック部 6 4からへッド部 4 7の首下までの距離は図 2 0に示すように相手側固定部品 6 5の板厚寸法と同等の大きさに設定されている。

このようなファスナー 6 1の施工手順としては、図 1 8 , 1 9に示すように、ファスナー 6 1の拡張アンカー部 4 8の先端を相互に締結結合すベき相手側固定部品 6 5に予め形成された下孔 6 6の開口縁に当てがいながら、双方の拡張アンカ一部 4 8， 4 8同士をすぼめてプラグ 4 5に密着させた上で下孔 6 6に圧入し、へッド部 4 7の首下面を相手側固定部品 6 5に密着させる。この時、図 2 1の（A ) から明らかなように、ゥエッジ状突部 4 9および首下突部 5 9がそれぞれ下孔 6 6の内周面に内接して撓み変形する。同時に、プラグ 4 5と各拡張アンカー部 4 8， 4 8同士を密着させた状態では、拡張アンカー部 4 8側の嵌合突起部 6 2がプラグ 4 5側のネック部 5 3に密着嵌合することになる。なお、拡張アンカー部 4 8の先端のフック部 6 4 , 6 4同士のなす最大直径は上記下孔 6 6に入り得る大きさに予め設定されている。

続いて、図 1 9の状態からプラグ 4 5の頂部に例えば打撃力を付与して、図 2 0に示すようにファスナ一エレメント 4 6に対してプラグ 4 5を打ち込む。プラグ 4 5の打ち込みに伴い、それまでの嵌合突起部 6 2とネック部 5 3との凹凸嵌合が解除され、且つまたプラグ 4 5の先端が嵌合突起部 6 3に当接してこれを押し開くことから、双方のファスナーエレメント 4 6の拡張アンカ一部 4 8が左右に拡張されて、そのフック部 6 4が相手側固定部品 6 5の裏面において下孔 6 6の開口縁に係止されることになる。 .

そして、プラグ 4 5がなおも押し込まれると、図 2 1に示すように拡張アンカー部 4 8の内側面の嵌合突起部 6 2が最上段のネック部 5 2 と凹凸嵌合するとともに、拡張アンカ一部 4 8の先端の嵌合突起部 6 3がブラグ 4 5側の最下段のネック部 5 4と凹凸嵌合し、その凹凸嵌合による節度感が得られることから、この節度感をもって拡張アンカー部 4 8が所定量だけ拡張したことを確認できる。すなわち、嵌合突起部 6 2と最上段のネック部 5 2 との凹凸嵌合および拡張アンカー部 4 8の先端の嵌合突起部 6 3 と最下段のネック部 5 4との凹凸嵌合をもって各拡張アンカ一部 4 8がわずかにスプリングバックするものの、フック部 6 4と下孔 6 6の開口縁との係止状態は維持されたままであるから、上記の各凹凸嵌合をもつて双方のファスナ一エレメント 4 8 とプラグ 4 5 との相対位置決めがなされて、相手側固定部品 6 5が堅固に圧締固定されることになる。なお、この締結固定完了状態では、プラグ 4 5の先端は拡張アンカー部 4 8よりもわずかに下方に突出することになる。

ここで、上記のように嵌合突起部 6 2と最上段のネック部 5 2との凹凸嵌合および拡張アンカ一部 4 8の先端の嵌合突起部 6 3 と最下段のネック部 5 4との凹凸嵌合が完了した状態では、図 2 1に示すようにショルダ —突部 5 8がその下方の着座壁部 5 6に圧接してその状態を自己保持することから、各拡張アンカー部 4 8の先端のフック部 6 4と着座壁部 5 6 との間に相手側固定部品 6 5が圧締固定される。同時に、ゥエッジ状突部 4 9 と首下突部 5 9の先端エツジ部が共に下孔 6 6の内周面に圧接することでファスナー 6 1としての回り止めもなされることになる。また、上記の凹凸嵌合が不完全であったり施工後に万が一緩みを生じた場合には、図 1 9もしくは図 2 0に示すようにその自己復元力のためにへッド部 4 7が弾性変形して特に着座壁部 5 6が相手側固定部品 6 5から浮き上がることになるので、そのヘッド部 4 7の形状変化もしくは着座壁部 5 6の浮き上がりをもつて嵌合不完全もしくは緩みの発生を容易に認識もしくは発見することができるようになる。

一方、一旦施工した後に再度そのファスナー 6 1による締結結合を解除したい場合には、プラグ 4 5の先端面に例えば打撃力を付与して、プラグ 4 5を施工時とは逆方向に打ち込んで拡張アンカ一部 4 8の拡張を解除して図 1 9の状態に戻す。この状態で、プラグ 4 5を拡張アンカ一部 4 8 とともに下孔 6 6から抜き取ればよい。

このように本実施の形態によれば、プラグ 4 5と左右一対の拡張アンカ一部 4 8 とが予め一体成形されていて 1 ピース構造のものとなっているので、いかなる場合にも両者が分離することがなくその取り扱い性に優れるほか、ファスナー 6 1による締結結合を解除する際の操作も 1ァクションにて行える利点がある。

図 2 2， 2 3には本発明の第 7の実施の形態を示し、先の第 6の実施の形態では相手側固定部品の厚み寸法が一定であることを前提としているのに対して、この実施の形態では相手側固定部品の厚み寸法の違うものにも対応できるように汎用性を持たせたものである。

すなわち、図 2 2において先の第 6の実施の形態と共通する部分には同一符号を付して説明すると、プラグ 4 5とともにファスナー 7 1を形成している左右一対のファスナーエレメント 4 6の拡張アンカ一部 6 8について、その外側面に長手方向に沿って複数の係止爪 6 9が形成されている点で第 6の実施の形態のものと異なっており、それ以外の構成については基本的に第 6の実施の形態のものと同様である。

したがって、図 2 3の右半部と左半部とを比較すると明らかなように、相手側固定部品 6 5と 7 0とでの厚み寸法が異なっていたとしても、相手側固定部品 6 5または 7 0の裏面において下孔 6 6の開口縁に必ずいずれかの係止爪 6 9が係止されることから、相手側固定部品 6 5 , 7 0の厚み寸法の大小にかかわらずその相手側部品 6 0， 7 0を堅固に締結固定することができる。

図 2 4 , 2 5は本発明の第 8の実施の形態を示し、各種電線等を結束する結束バンド 7 2を壁部等に固定する場合に備えて、結束と固定とを同時に行えるようにするために、その結束バンド 7 2と取付クリップ（取付ァンカ一部）として機能することになる先の第 7の実施の形態のファスナー 7 1とを予め一体成形したものである。

図 2 4において、先の第 7の実施の形態と共通する部分に同一符号を付して説明すると、ファスナー 7 1のうちプラグ 4 5の頭部に相当する部分に結束バンド 7 2におけるベルト部 7 3の中間部が予め一体成形されている。結束バンド 7 2は、図 2 5にも示すようにベルト部 7 3のほか揷通へッド部 7 4およびスルーリング部 7 5を有しており、ベルト部 7 3の端末部を揷通へッド部 7 4内に揷通させた場合に、ベル卜部 7 3および揷通ヘッド部 7 4内の双方にに形成されたラチエツト面同士の係合によつて巻き締め方向へのベルト部 7 3の締め込みのみが可能となっている公知の構造のものである。

この実施の形態によれば、取付クリップとして機能することになるファスナ一 7 1の壁等への取付形態は先の実施の形態のものと全く同様であつて、結束バンド 7 2による電線等の結束と壁等への固定とを同時に行える利点がある。もちろん、必要に応じファスナーとして図 1 3に示したものを採用してもよい。

Claims

請求の範囲

1 . 先端部側に拡張部を有するとともに他端に着座フランジ部を備えたスリーブと、スリーブに内挿されて先端部に上記拡張部を拡張させるためのテ一パ部を有するとともに他端にへッド部を備えたプラグとから構成される樹脂製のファスナーであって、

上記拡張部の未拡張状態ではスリーブとプラグの相互離脱を阻止するベくそのスリーブの内周面とプラグの外周面とが凹凸嵌合により相互に嵌合しているとともに、プラグはスリーブを貫通した状態でスリーブの先端面に係合する係止段部を有していることによりそのスリーブとプラグとの抜け止めが施されていて、

上記スリーブを相手側固定部品の下孔に揷入した後にそのスリーブに対するプラグの押し込みに応じて上記凹凸嵌合を解除しつつ拡張部を所定量だけ拡張させた時には、その拡張部の内周面とプラグの外周面とが再度凹凸嵌合してその嵌合による節度感が得られるようになつていることを特徴とするファスナー。

2 . 上記スリーブの拡張部外周面には、その拡張状態で相手側固定部品の裏面側の下孔開口縁に係合する係止段部が形成されていることを特徴とする請求項 1に記載のファスナー。

3 . 上記プラグが中空状のものであることを特徵とする請求項 1または 2に記載のファスナ一。

4 . 拡張部を有するスリーブと、このスリーブに内挿されて上記拡張部を拡張させるためのテ一パ部を有するプラグと、このプラグにねじ込まれるねじ部材とを備え、少なくともスリーブとプラグが樹脂にて形成されたファスナ一であって、

上記プラグにも拡張部が形成されていて、

上記スリーブ側拡張部の未拡張状態ではスリーブとプラグの相互離脱を阻止するべくそのスリーブの内周面とプラグの外周面とが凹凸嵌合により相互に嵌合している一方、

上記スリーブを相手側固定部品の下孔に揷入した後にそのスリーブに対するプラグの押し込みに応じて上記凹凸嵌合を解除しつつスリーブ側拡張部を所定量だけ拡張させた時には、そのスリーブ側拡張部の内周面とプラグの外周面とが再度凹凸嵌合してその嵌合による節度感が得られるようになつていて、

さらに上記プラグにねじ部材をねじ込んだ時には、上記凹凸嵌合を維持したままブラグ側拡張部がスリ一ブ側拡張部とともに拡張するようになつていることを特徴とするファスナ一。

5 . スリーブに対するプラグの押し込みに応じて上記凹凸嵌合を解除しつつスリーブ側拡張部を所定量だけ拡張させた時には、スリーブ側拡張部の先端からプラグ側拡張部の先端が突出するようになっていることを特徴とする請求項 4に記載のファスナー。

6 . 拡張アンカ一部とヘッド部とがー体に形成された複数のファスナーエレメントと、それら複数のファスナ一エレメント配列の中央部に配置されて先端部側には各拡張アンカ一部を拡張させるためのテ一パ部を有するプラグとから構成され、上記各ァファスナーエレメン卜とプラグとがそのプラグの他端にて連続するようにそれらの各ファスナーエレメントとプラグとがー体成形された樹脂製のファスナーであって、

上記各拡張アンカー部をすぼめてプラグとともに相手側固定部品の下孔に揷入した状態では、各拡張アンカー部の内周面とプラグの外周面とが凹凸嵌合により相互に嵌合していて、

上記拡張アンカー部に対するプラグの押し込みに応じて上記凹凸嵌合を解除しつつ拡張アンカー部を所定量だけ拡張させた時には、その拡張ァンカ一部の内周面とプラグの外周面とが再度凹凸嵌合して両者の相対移動が阻止されるようになっているとともに、その凹凸嵌合による節度感が得られるようになつていることを特徴とするファスナー。

7 . 上記各拡張アンカ一部の先端部には、その拡張状態で相手側固定部品の裏面側の下孔開口縁に係合する係止段部が形成されていることを特徴とする請求項 6に記載のファスナー。

8 . 上記各拡張アンカー部には下孔の軸心方向に沿って複数の係止爪が形成されていて、拡張アンカー部の拡張状態ではそれぞれの拡張アンカー部についていずれか一つの係止爪が相手側固定部品の裏面側の下孔開口縁に係合するようになっていることを特徴とする請求項 6に記載のファスナ一。

9 . 上記拡張アンカー部の拡張とともにその拡張アンカ一部の内周面とプラグの外周面とが再度凹凸嵌合した時には、拡張アンカー部の先端からプラグの先端が突出するようになつていることを特徵とする請求項 6〜 8のいずれかに記載のファスナ一。

1 0 . 平面視において上記プラグをはさんでその両側に細幅状のファスナ一エレメントが互いに対向するように配置されていることを特徴とする請求項 6〜 9のいずれかに記載のファスナー。

1 1 . プラグの他端部に結束ベルトが一体に形成されていることを特徴とする請求項 6〜1 0のいずれかに記載のファスナー。