WO2002100730A1

WO2002100730A1 - Recipient avec poignee et son procede de fabrication

Info

Publication number: WO2002100730A1
Application number: PCT/JP2002/005220
Authority: WO
Inventors: Kou Taniguchi
Original assignee: Nissei Asb Machine Co., Ltd.
Priority date: 2001-06-08
Filing date: 2002-05-29
Publication date: 2002-12-19
Also published as: EP1413522A1; JP2003054565A; EP1413522B1; CN1463238A; CN1236970C; US6797349B2; EP1413522A4; BR0205524B1; JP4936614B2; US20030148050A1; ES2330729T3; BR0205524A

Description

明細書把手付容器及びその成形方法 [技術分野]

本発明は、把手付容器及びその成形方法に関し、特に、大型ミネラルウォーター容器等の把手付容器及びその成形方法に関する。

[背景技術]

一般に、合成樹脂製の大型ミネラルウォー夕一容器が知られている。この大型ミネラルウオーター容器は、通常、内容量が 1 2〜2 0リットルもある大容量のものである。

このような大型ミネラルウォー夕一容器は、北米、中南米で一般的に家庭や職場にデリバリーされて利用されている。デリバリ一されたミネラルウォーター容器は、家庭等に配置されたディスペンサーに倒立状態で取り付けて使用されている。最近では、日本においても、ミネラルウォーター需要の増加によって、このような大型容器による家庭等へのデリバリ一サービスが行われている。

しかし、ミネラルウォーターが満杯にされた大型ミネラルウォー夕一容器は、重くて持ちにくく、持ち運びに不便なものであった。特に、この容器をディスペンサーに設置する際には、大変な労力を必要とするものである。そのため、従来より、大型ミネラルウォー夕一容器の持ち運びを便利にするための道具や装置が種々提案されている。

また、ダイレクトブロー成形により大型容器に把手を一体に設けたものも種々提案されているが、容器本体と別体の把手を容器本体のブロー成形時に一体化させたものは存在しなかった。 [発明の開示]

本発明の目的は、容器本体と別体の把手を容器本体に一体化させて、容器本体そのものの持ち運びやディスペンサーへの設置を容易にすることのできる把手付容器及びその成形方法を提供することにある。

前記目的を達成するため、本発明の第一の態様に係る把手付容器は、ブロー成形金型内でプロ一成形によって底部に内方に凹む凹部が形成された容器本体と、

前記プロ一成形金型内の前記凹部対応位置にィンサートされ、前記ブロー成形時に前記凹部内方側に複数の指を挿入する指挿入空間を形成して前記凹部内に一体化された容器本体持上げ用の把手部材とを有することができる。

また、本発明の第二の態様に係る把手付容器の成形方法は、ブロー成形金型の底部位置に把手部材をィンサ一トする工程と、

前記プ口一成形金型を型締めして前記ブロー成形金型内でプリフォームをプロ一成形することで、前記底部に容器内方に凹む凹部を有する容器本体を成形する工程と、前記ブロー成形時に、前記容器本体の前記底部に前記ィンサートされた把手部材を一体化する工程と、

を含むことができる。

このような第一、第二の態様に係る発明によれば、ブロー成形金型内の凹部対応位置に把手部材をィンサートして容器本体をプロ一成形することで、容器本体と別体の把手部材を容器本体と確実に一体化させることができる。しかも、凹部内方側に指挿入空間を形成することで、指挿入空間に指を挿入し、把持部材を握って持ち上げることで、容器本体を倒立状態で持ち上げることができて、そのまま持ち運ぶこともできる。特に、容器本体を一般に使用されるデイスペンザへ設置する際も、容器を倒立状態で持ち上げられるため、容易に設置することができ、大型容器の使用に極めて便利なものとすることができる。

また、複数の指で把持部材を把持できるので、重い内容物の入った容器でも持ち運びできる。

本発明の第一の態様に係る把手付容器においては、前記容器本体は、前記底部の外周に円周方向に連続する接地部が形成され、

前記凹部は、前記接地部から前記容器本体内方に凹ませて形成され、

前記把手部材は、前記凹部内で前記接地部よりも前記容器本体内方に位置させて取り付けることができる。

また、本発明の第二の態様に係る把手付容器の成形方法においては、前記容器本体は、前記底部外周に円周方向に連続した接地部が形成され、前記凹部が前記接地部から前記容器本体内方に凹ませて形成され、

前記ブロー成形金型は、前記凹部に対応した上げ底型を有し、

前記把手部材は、前記上げ底型にィンサ一卜することができる。

このような構成とすることにより、上げ底型に把手部材をインサートして容器本体をプロ一成形することで、容器本体の底部外周に円周方向に連続する接地部を形成し、この接地部から容器本体内方に凹ませて凹部を形成することができる。把手部材を持つて容器本体を持ち上げた場合でも、円周方向に連続する接地部によって容器本体の底部が変形しにくい状態となるため、容器本体の底部から把手部材が外れるのを防止することができる。

また、把手部材は接地部よりも容器内方に位置するため、容器本体の接地に何ら影響が生じず、しかも、把手部材が接地部よりも容器内方にあることで、容器の落下時の衝撃が直接把手部材に伝わらないので、把手部材と容器本体の係合部分における破裂なども防止できる。

この場合の把手付容器においては、前記把手部材は、把持部と、前記把持部と実質的に平行に配置された補強板と、前記把持部の両端と前記補強板の両端を接続する一対の腕部とを有することができる。さらに、前記補強板は、前記プロ一成形時にプロ一成形金型によって支持される前記把持部よりも幅広の幅広部とを有することができる。

このような構成とすることにより、補強板と把持部との間に指挿入のための空間を確実に形成することができる。さらに、把持部よりも幅広の補強板をブロー成形金型によって支持させた状態でブロー成形を行うことによって、ブロー成形時に補強板が撓むのを防止することができる。

本発明の第一の態様に係る把手付容器においては、前記容器本体は、前記底部の外周に接地部が形成され、前記凹部は、前期底部の中央を水平方向に貫通して内方に凹んで形成され、前記接地部は、前記凹部によって 2分されていることができる。本発明の第 2の態様に係る把手付容器の成形方法においては、前記容器本体は、外周部に接地部が形成され、前記凹部は、前記接地部を横切って前記接地部を 2分し、前記ブロー成形金型は、前記凹部及び接地部に対応した底部形状を有する割型からなるブローキヤビティ型を有し、前記把手部材は、前記ブローキヤビティ型内にインサ —卜することができる。

このような構成とすることにより、容器本体の凹部及び接地部に対応した底部形状を有する割型からなるブローキヤピティ型内に把手部材をィンサートして、ブロー成形を行うことで、上げ底型を用いることなく把手付容器を成形することができ、プロ一成形金型を簡略化することができる。

この場合の把手付容器においては、前記把手部材は、棒状部材で、把持部と、前記把持部の両側の係合凸部とを有し、前記係合凸部は、前記凹部の壁に包み込まれるように係合して一体化させることができる。

このような構成とすることにより、把手部材をもって容器本体を持ち上げた際に、接地部が凹部によって 2分された底部が変形して把手部材 6 2が外れるのを防止することができる。

本発明の第一の態様に係る把手付容器においては、前記容器本体は、前記底部の外周に接地部が形成され、前記凹部は、前記底部の実質的に中央から前記接地部の一部にわたつて形成され、前記接地部が実質的に U字形とすることができる。

また、本発明の第二の態様に係る把手付容器の成形方法においては、前記容器本体は、前記底部の外周に接地部が形成され、前記凹部は、前記底部の実質的に中央から前記接地部の一部にわたって形成され、前記ブロー成形金型は、割型からなる一対のブローキヤビティ型と、前記凹部の中央部分を形成する底型とを有し、一方のブローキヤビティ型に前記把手部材のィンサート部を形成すると共に、前記一方のプロ一キャビティ型及び前記底型の一部で前記把手部材を保持することができる。

この様な構成とすることにより、把手部材を環状とすることなくィンサート成形でさる。

この場合の把手付容器においては、前記把手部材は、把持部と、前記把持部の両端力 ^突出する一対の腕部とを有し、前記腕部の先端には実質的に L字状の係合凸部が一体に形成されていることができる。

この様な構成とすることにより、一体化された把手部材の把持部を持って容器本体を持ち上げた場合、容器本体の底部が変形したとしても、把手部材の係合凸部が抜け止めとして機能するため、容器本体から抜け出すのを防止できる。

本発明の第二の態様に係る把手付容器の成形方法においては、前記ブロー成形時に前記プリフォームの容器底部対応部分の樹脂をプリフォームの縦軸延伸方向に対して逆向きに延伸させることなく前記把手部材の形状に沿って巻き込ませて前記把手部材を前記凹部内に一体化させる工程と、を含むことができる。

この様な構成とすることにより、容器本体の底部においては、胴部に把手部材を取り付ける場合のように、把手部材に対しプリフォームの縦軸延伸方向と逆行する方向に樹脂を巻き込ませなくても、十分な巻き込みを行わせることが可能で、このような巻き込みを行わせることで、容器本体に対する把手部材の一体化を確実に行い、把手部材を外れにくい状態とすることができる。

本発明の第二の態様に係る把手付容器の成形方法においては、前記ブロー成形時に比較的厚肉で保有熱量の高い状態となる前記プリフォームの容器底部対応部分の樹脂を前記把手部材の形状に沿って巻き込ませて前記把手部材を前記凹部内に一体化させる工程と、を含むことができる。

この様な構成とすることにより、容器本体の底部においては、胴部と異なり、ほとんど延伸されない状態でブロー成形されることとなるため、厚肉で保有熱量の高い状態となり、この状態で樹脂を把手部材の形状に沿って巻き込ませることで、容器本体に対して把手部材を確実に一体化することができ、把手部材を外れにくい状態とすることができる。 [図面の簡単な説明]

図 1は、本発明の第一の実施の形態に係る把手付容器の倒立状態斜視図である。図 2は、図 1の II— II線に沿う部分断面図である。

図 3は、把手部材を底型にィンサ一卜して二軸延伸プロ一成形を行う状態を示す部分断面図である。

図 4 Aは把手部材の正面図で、図 4 Bはその底面図で、図 4 Cはその側面図である。図 5は、把手付容器の運搬時の状態を示す概略説明図である。

図 6は、本発明の第二の実施の形態に係る把手付容器を示すブロー成形時の部分断面図である。

図 7は、本発明の第三の実施の形態に係る把手付容器を示すブロー成形時の部分断面図である。

図 8は、本発明の第四の実施の形態に係る把手付容器を示す倒立状態の斜視図である。

図 9は、図 8の把手付容器のブロー成形時の部分断面図である。

図 1 0は、本発明の第五の実施の形態に係る把手付容器の倒立状態の部分斜視図である。

図 1 1は、図 1 0の把手付容器を成形するブローキヤビティ型内に把手部材をインサ一トした状態を示す部分斜視図である。

図 1 2は、図 1 0の把手付容器を成形するブロー成形金型の部分断面図である。

[発明を実施するための最良の形態]

以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。

図 1〜図 5は、本発明の第一の実施の形態に係る把手付容器を示す図である。

この把手付容器 1 0は、二軸延伸ブロー成形により成形された合成樹脂製、例えば ? £丁製の内容量1 2から 2 0リツトル程度の大型ミネラルウォーター容器で、図 1 に示すように、容器本体 1 2と、把手部材 1 4とを有している。

容器本体 1 2は、開口を有するネック部 1 6と、このネック部 1 6に連なるショルダ一部 1 8と、このショルダー部 1 8に連なる胴部 2 0と、この胴部 2 0に連なる底部 2 2とを有している。

底部 2 2は、外周に円周方向に連続する環状の接地部 2 4を有し、この接地部 2 4 から容器本体 1 2の内方に凹むドーム状の凹部 2 6が形成されている。

把手部材 1 4は、図 2にも示すように、底部 2 2に形成した凹部 2 6内で、接地部 2 4よりも容器本体 1 2の内方に位置させて取り付けられている。

また、この把手部材 1 4は、図 4 A〜図 4 Cにも示すように、取扱者が把持するための把持部 2 8と、この把持部 2 8の両端部から交差方向に延びる一対の腕部 3 2と、この一対の腕部 3 2間にあって把持部 2 8と実質的に平行に配置された補強板 3 0 とを有する環状のものとされている。

また、補強板 3 0は、そのほぼ中央に把持部 2 8及び腕部 3 2よりも横方向に幅広の幅広部 3 4と、幅広部 3 4の両側に腕部 3 2と接続する一対の取付部 3 3が形成されている。

さらに、各腕部 3 2の中間位置から外方に向けて、容器本体 1 2に係合させるための係合凸部 3 6が突出形成されている。

把持部 2 8は、両端に開口部 2 9 (図 4 B、図 4 C参照）を有する筒状のもので、実質的に直線状とされ、かつ、複数、例えば 4本の指をかけることができる長さを有するものとされている。

また、この把持部 2 8は、筒状に限らず、板状の部材と多数の補強リブからなる構造のものとしてもよく、要は把持しやすく、しかも、内容物の重量によって簡単に折れ曲がらない構造のものであればよい。

さらに、係合凸部 3 6は、腕部 3 2の中間位置から外方に突出形成されているが、腕部 3 2の上端や下端、あるいは、把持部 2 8の両端から突出形成するようにしてもよい。

このような把手部材 1 4を容器本体 1 2の底部 2 2に取り付ける場合は、図 3に示すようなブロー成形金型 3 7を用いてプロ一成形を行うことで、容器本体 1 2と把手部材 1 4を一体化するようにしている。

このブロー成形金型 3 7は、 1組のブローキヤビティ型 3 8と、このブローキヤビティ型 3 8の底部に組み込まれる上げ底型 4 0とを有しており、この上げ底型 4 0には把手部材 1 4をインサートするためのインサート溝 4 2が形成されている。

そして、容器本体 1 2を二軸延伸ブロー成形する前、具体的には、ブロー成形金型 3 7が型開している間に、上げ底型 4 0のインサート溝 4 2内に把手部材 1 4の把持部 2 8及び腕部 3 2を挿入し、係合凸部 3 6及び取付部 3 3、幅広部 3 4を含む補強板 3 0を露出させた状態でィンサ一トする。

この場合、上げ底型 4 0の中央部には、図 3の右側に示すように、補強板 3 0の中央に形成した幅広部 3 4を支持する支持部 4 4を形成し、それ以外の部分では、同図左側に示すように、幅広部 3 4を含む補強板 3 0と上げ底型 4 0の表面との間に間隙を形成するようにしておく。

このような状態で、プリフォームを延伸ロッド 4 6で縦軸延伸を行うのと同時、もしくは遅れて高圧のブローエアをプリフォーム内に導入することによってブロー成形を行う。

この場合、延伸ロッド 4 6により把手部材 1 4の補強板 3 0の中央部分に延伸時の力が加わるが、中央部分の幅広部 3 4が上げ底型 4 0の支持部 4 4によって支持されているため、補強板 3 0のたわみが防止され、把持部 2 8と補強板 3 0との間に指揷入空間 4 8を確保することができる。

また、上げ底型 4 0の支持部 4 4がない位置では、ブローエアによる内圧によって底部 2 2の榭脂が、図 3左側に示すように、取付部 3 3もしくは幅広部 3 4あるいは取付部 3 3及び幅広部 3 4の内側に回り込んで巻込み部 5 0が形成され、取付部 3 3 を確実に保持する状態となり、容器本体 1 2に対して確実に一体化されることとなる。また、係合凸部 3 6も、同時に凹部 2 6の壁面が係合凸部 3 6を包み込むように係合することとなり、より確実な係合状態が確保できることとなる。

さらに、把持部 2 8の両端開口部 2 9内にも、凹部 2 6の壁面が喰い込むように挿入されて、さらに確実な係合状態が確保されることとなる。

この場合、ブロー成形時にプリフォームの容器底部対応部分の樹脂をプリフォームの縦軸延伸方向に対して逆向きに延伸させることなく、把手部材 1 4の形状に沿って巻き込ませて把手部材 1 4を凹部 2 6内に一体化させるとよい。

すなわち、容器本体 1 2の底部 2 2においては、胴部 2 0に把手部材を取り付ける場合のように、把手部材に対しプリフォームの縦軸延伸方向と逆行する方向に樹脂を巻き込ませなくても、十分な巻き込みを行わせることが可能で、このような巻き込みを行わせることで、容器本体 1 2に対する把手部材 1 4の一体化を確実に行い、把手部材を外れにくい状態とすることができる。

また、ブロー成形時に、比較的厚肉で、保有熱量の高い状態となるプリフォームの容器底部対応部分の樹脂を把手部材 1 4の形状に沿って巻き込ませて把手部材 1 4 を容器本体 1 2の凹部 2 6内に一体化させるとよい。

すなわち、容器本体 1 2の底部 2 2においては、胴部 2 0と異なり、プリフォームの下端とィンサ一トされた把手とのクリアランスは数ミリで、ほとんど延伸されることなくブロー成形されることとなるため、厚肉で保有熱量の高い状態となり、この状態で樹脂を把手部材 1 4の形状に沿って巻き込ませることで、より確実に把手部材 1

4を一体ィヒでき、外れにくい状態とすることができる。

また、把手部材 1 4の形状に沿って底部 2 2を巻き込ませ、係合凸部 3 6や把持部

2 8の開口部 2 9に底部 2 2を係合させることで、延伸されにくい底部 2 2をより多く延伸させて強度を高めることができる。

このように、容器本体 1 2の底部 2 2に把手部材 1 4を取り付けた状態であっても、把手部材 1 4は、図 2に示すように、容器本体 1 2の底部 2 2における接地部 2 4よりも容器本体 1 2の内方側に位置しているため、容器本体 1 2の安定した接地状態を確保することができる。

また、把手部材 1 4が接地部 2 4よりも容器本体 1 2の内方にあるため、容器落下時の衝撃が直接把手部材 1 4に伝わらないので、把手部材 1 4と容器本体 1 2の係合部分における破裂なども防止できる。そして、運搬時には、図 5に示すように、容器本体 1 2を倒立状態にし、容器本体 1 2の底部 2 2に取り付けた把手部材 1 4の把持部 2 8を取扱い者 5 2が把持し、容器本体 1 2を倒立状態にしたまま運ぶことができる。しかも、把持部 2 8は直線状で複数の指をかけることができ、また、凹部 2 6の深さも十分なので、 5本の指でしつかりと握ることができ、持ち運びが極めて容易である。特にディスペンサー等に設置する場合も、倒立状態のまま持ち上げて設置すればよく、設置を容易に行うことがでさる。

また、容器本体 1 2の底部 2 2においては、接地部 2 4が円周方向に連続した状態となっているため、把持部 2 8をもって持ち上げた場合でも、底部 2 2が変形しにくく、把手部材 1 4が容器本体 1 2から外れにくい状態となる。

図 6には、本発明の第二の実施の形態に係る把手付容器を示す。

この把手付容器 1 0は、前記実施の形態における把手部材と同様の形状を有する把手部材 1 4を用いているが、容器本体 1 2の底部 2 2の樹脂が把手部材 1 4の取付部 3 3や幅広部 3 4を巻き込む巻込み部 5 0を有していない点で前記実施の形態と相違している。

すなわち、この実施の形態では、上げ底型 4 0が、把手部材 1 4の把持部 2 8及び腕部 3 2をインサート溝 4 2内に挿入した状態で、取付部 3 3及び幅広部 3 4を含む補強板 3 0と上げ底型 4 0との間に隙間を形成しないようにされている。

従って、容器本体 1 2をブロー成形した状態で、取付部 3 3及び幅広部 3 4には凹部 2 6の壁部が巻き込んだ巻込み部は形成されない状態となり、その分指挿入空間 4 8を十分な大きさとして確保できるようになつている。また、係合凸部 3 6に凹部 2 6の壁部が係合し、把持部 2 8の両端開口部 2 9内に凹部 2 6の壁部が挿入されて一体化される点は、第一の実施例と同様である。

このように、容器本体 1 2と把手部材 1 4の係合は、把手部材 1 4に設けられた係合凸部 3 6が係合状態を視認できる点で優れてはいるが、凹部などを利用してもよく、係合の形態については、さまざまな形状を考えてることができる。

他の構成及び作用は、前記実施の形態と同様につき説明を省略する。図 7には、本発明の第三の実施の形態に係る把手付容器を示す。

この実施の形態では、容器本体 1 2の底部 2 2における凹部 2 6を形成する上げ底型 4 0のインサート溝 4 2の入口部分に蓋 5 4を取り付けた状態としている。

この蓋 5 4は、通常は図中二点鎖線で示す位置に付勢されてインサート溝 4 2を開放できるように上げ底型 4 0に取り付けられている。

そして、把手部材 1 4をインサートする際には、把持部 2 8 7を下にして進行させると、把持部 2 8が開放した蓋 5 4に当接せずに通過し、次いで、把持部 2 8よりも幅広の補強板 3 0が蓋 5 4の先端に当接して蓋 5 4を押し下げ、インサート終了状態で、蓋 5 4が完全に閉じ、その上に補強板 3 0が位置するようになっている。

この状態でプロ一成形を行うことで、蓋 5 4が延伸ロッドの圧力を受けることとなり、凹部 2 6内の指挿入空間を確実に確保した状態で把手部材 1 4を容器本体 1 2と一体化させることができる。

また、ブロー成形金型の型開時には、盖 5 4が上げ底型 4 0の駆動によって自動的に開放し、把手部材 1 4が上げ底型 4 0から取り出されることとなる。

このように、蓋 5 4を用いることで、補強板 3 0をそれほど大きくすることなく、しかも、強度の要求されない状態とすることができる。

なお、補強板 3 0を省略して、腕部 3 2に蓋 5 4との当接部を設けるようにすることでも、同様の効果が得られる。

他の構成及び作用は、前記実施の形態と同様につき説明を省略する。

図 8及び図 9には、本発明の第四の実施の形態に係る把手付容器を示す。

この把手付容器 1 0は、容器本体 1 2の底部 2 2の外周に形成された接地部 2 4を横切って底部 2 2の中央を水平方向に貫通して内方に凹む角形の凹部 6 0を形成し、この凹部 6 0によって接地部 2 4を 2分するようになっている。 '

そして、この凹部 6 0内に容器本体 1 2を持ち上げるための把持部 6 1を有する把手部材 6 2が掛け渡され、この把手部材 6 2よりも容器本体 1 2の内方側に指を挿入する指挿入空間 4 8が形成されるようになっている。

この把手部材 6 2は、実質的に直線の棒状部材で、把持部 6 1よりも長く形成されているので、両端が容器本体 1 2の内方に突出する係合凸部 6 4となり、その両端の係合凸部 6 4を容器本体 1 2の底部 2 2の一部（凹部 6 0の縦壁）によって包み込まれるように係合しているため、確実に係合状態を保つことができる。

特に、接地部 2 4が凹部 6 0によって 2分されているため、把手部材 6 2をもって容器本体 1 2を持ち上げると、底部 2 2が変形して把手部材 6 2が外れるのを防止するために、係合凸部 6 4を、図 9に示すように、膨出した形状にして抜け止めとすることが好ましい。

また、この実施の形態では、凹部 6 0がブローキヤビティ型 6 6の開閉方向に対してアンダーカツトのない状態であるので、容器本体 1 2の縦軸方向に昇降する底型を用いることなく、図 9に示すように、ブローキヤビティ型 6 6を凹部 6 0及び接地部 2 4に対応した底部形状を有するものとすることで、凹部 6 0及び接地部 2 4を形成することができる。

そして、このプロ一キヤビティ型 6 6に把手部材 6 2をインサートしておけば、容器本体 1 2のブロー成形時に把手部材 6 2を容器本体 1 2に対し容易に一体化することができ、しかも、プロ一成形金型も簡略化することができる。

この場合、把持部 6 1をブローキヤビティ型で覆うようにインサートすれば、係合凸部 6 4のみがブロー成形空間に突出した状態になり、この状態でプロ一成形することで係合凸部 6 4が容器本体 1 2の底部 2 2の一部に包み込まれるように一体することとなる。

さらに、インサート後、安定してブローキヤビティ金型 6 6に保持させるために、図示せぬが、把持部 6 1に設けた段差部などにブローキヤビティ型を係合させ、さらに吸引装置を設けて脱落を防止してもよい。

図 1 0〜図 1 2には、本発明の第五の実施の形態に係る把手付き容器を示す。この容器本体 1 2は、図 1 0に示すように、底部 2 2の外周に接地部 2 4が形成され、凹部 2 6が底部 2 2の実質的に中央から接地部 2 4の一部にわたって形成され、接地部 2 4が実質的に U字形とされている。

また、把手部材 7 0は、凹部 2 6内で接地部 2 4に連なる凹部 2 6の対向する縦壁に掛け渡して取り付けられている。

この把手部材 7 0は、把持部 7 2と、把持部 7 2の両端から突出する一対の腕部 7 4とを有する板状部材からなり、腕部 7 4の先端には実質的に L字状の係合凸部 7 6 がー体に形成された状態となっている。

また、このような把手付容器 1 0を形成するには、図 1 1及び図 1 2に示すようなブロー成形金型 7 8を用いるようにしている。

このブロー成形金型 7 8は、割型からなる一対のブローキヤビティ型 8 0、 8 2と、凹部 2 6の中央部分を形成する底型 8 4とを有し、一方のブローキヤビティ型 8 0に把手部材 7 0のインサート部 8 6を形成すると共に、ブローキヤビティ型 8 0及び底型 8 4の一部で把手部材 7 0の把持部 7 2を保持し得るようにされている。

この状態で、把手部材 7 0は係合凸部 7 6がブロー成形空間に突出した状態となる。そして、この係合凸部 7 6がブロー成形空間に突出した状態で、容器本体 1 2をプロー成形すると、凹部 2 6の縦壁が係合凸部 7 6に巻き込まれて、容器本体 1 2の凹部 2 6内に把手部材 7 0が一体化されるようになっている。

また、係合凸部 7 6には、図 1 1に示すように、係合孔 8 8が形成され、容器本体 1 2とより確実に係合できるようにされている。

このようにして一体化された把手部材 7 0の把持部 7 2を持って容器本体 1 2を持ち上げた場合、容器本体 1 2の底部 2 2が変形したとしても、把手部材 7 0の係合凸部 7 6が抜け止めとして機能するため、容器本体 1 2から抜け出すのを防止できることとなる。

例えば、図 1〜図 5の実施の形態では、把手部材の把持部を筒状としているが棒状又は板状としてもよい。

また、図 8及び図 9の実施の形態では、把手部材を棒状としているが、板状又は筒状としてもよい。

さらに、図 1 0〜図 1 2の実施の形態では、把手部材の把持部を板状としているが、筒状又は棒状としてもよい。

Claims

請求の範囲

1 . ブロー成形金型内でブロー成形によって底部に内方に凹む凹部が形成された容器本体と、

前記ブロー成形金型内の前記凹部対応位置にィンサー卜され、前記ブロー成形時に前記凹部内方側に複数の指を挿入する指挿入空間を形成して前記凹部内に一体化された容器本体持上げ用の把手部材とを有することを特徴とする把手付容器。

2 . 請求項 1において、

前記容器本体は、前記底部の外周に円周方向に連続する接地部が形成され、前記凹部は、前記接地部から前記容器本体内方に凹ませて形成され、

前記把手部材は、前記凹部内で前記接地部よりも前記容器本体内方に位置させて取り付けられていることを特徴とする把手付容器。

3 . 請求項 2において、

前記把手部材は、把持部と、前記把持部と実質的に平行に配置された補強板と、前記把持部の両端と前記補強板の両端を接続する一対の腕部とを有することを特徴とする把手付容器。

4 . 請求項 3において、

前記補強板は、前記ブロー成形時にプロ一成形金型によって支持される前記把持部よりも幅広の幅広部とを有することを特徴とする把手付容器。

5. 請求項 1において、

前記容器本体は、前記底部の外周に接地部が形成され、

前記凹部は、前記底部の中央を水平方向に貫通して内方に凹んで形成され、前記接地部は、前記凹部によって 2分されていることを特徴とする把手付容器。

6 . 請求項 5において、

前記把手部材は、棒状部材で、把持部と、前記把持部の両側の係合凸部を有し、前記係合凸部は、前記凹部の壁に包み込まれるように係合していることを特徴とする把手付容器。

7 . 請求項 1において、

前記容器本体は、前記底部の外周に接地部が形成され、

前記凹部は、前記底部の実質的に中央から前記接地部の一部にわたって形成され、前記接地部が実質的に U字形とされていることを特徴とする把手付容器。

8 . 請求項 7において、

前記把手部材は、把持部と、前記把持部の両端から突出する一対の腕部とを有し、前記腕部の先端には実質的に L字状の係合凸部が一体に形成されていることを特徴とする把手付容器。

9 . ブロー成形金型の底部位置に把手部材をインサートする工程と、

前記ブロー成形金型を型締めして前記プロ一成形金型内でプリフォームをブロー成形することで、前記底部に容器内方に凹む凹部を有する容器本体を成形する工程と、前記ブロー成形時に、前記容器本体の前記底部に前記ィンサー卜された把手部材を一体化する工程と、

を含むことを特徴とする把手付容器の成形方法。

1 0 . 請求項 9において、 '

前記容器本体は、前記底部外周に円周方向に連続した接地部が形成され、前記凹部が前記接地部から前記容器本体内方に凹ませて形成され、

前記把手部材は、前記上げ底型にィンサー卜されることを特徴とする把手付容器の成形方法。

1 1 . 請求項 9において、

前記容器本体は、外周部に接地部が形成され、

前記凹部は、前記接地部を横切つて前記接地部を 2分し、

前記ブロー成形金型は、前記凹部及び接地部に対応した底部形状を有する割型からなるブローキヤビティ型を有し、

前記把手部材は、前記ブローキヤビティ型内にインサートされることを特徴とする把手付容器の成形方法。

1 2 . 請求項 1 1において、

前記把手部材は、棒状部材で、把持部と、前記把持部の両側の係合凸部とを有し、前記係合凸部は、前記凹部の壁に包み込まれるように係合して一体化することを特徴とする把手付容器の成形方法。

1 3 . 請求項 9において、

前記容器本体は、前記底部の外周に接地部が形成され、

前記凹部は、前記底部の実質的に中央から前記接地部の一部にわたって形成され、前記ブロー成形金型は、割型からなる一対のブローキヤビティ型と、前記凹部の中央部分を形成する底型とを有し、

一方のブローキヤビティ型に前記把手部材のィンサ一卜部を形成すると共に、前記一方のブローキヤビティ型及び前記底型の一部で前記把手部材を保持することを特徵とする把手付容器の成形方法。

1 4. 請求項 1 3において、

前記把手部材は、把持部と、前記把持部の両端から突出する一対の腕部とを有し、前記腕部の先端には実質的に L字状の係合凸部が一体に形成されていることを特徴とする把手付容器の成形方法。

1 5 . 請求項 9において、

前記ブロー成形時に前記プリフォームの容器底部対応部分の樹脂をプリフォームの縦軸延伸方向に対して逆向きに延伸させることなく前記把手部材の形状に沿って巻き込ませて前記把手部材を前記凹部内に一体化させる工程と、

を含むことを特徴とする把手付容器の成形方法。

1 6 . 請求項 9において、

前記ブロー成形時に比較的厚肉で保有熱量の高い状態となる前記プリフォームの容器底部対応部分の樹脂を前記把手部材の形状に沿って巻き込ませて前記把手部材を前記凹部内に一体化させる工程と、

を含むことを特徴とする把手付容器の成形方法。