JPS6119070Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はグリツプ付プラスチツク容器に関し、
さらに詳しくは内容液を注ぎ出したりする場合等
に把持を容易にするため、グリツプが設けられた
プラスチツク容器に関する。

比較的大容積のプラスチツク容器、例えば細口
又は広口のプラスチツクボトルは、把持を容易に
するため把手を付けることが好ましいが、従来の
把手は容器本体と一体成形されたものが多かつ
た。そのため内容積を犠牲にするか、もしくは犠
牲にしない場合は、把手が大きく側方に突出して
容器を収納するための容積が増えるという問題が
あつた。また一体成形のために特殊の複雑な金型
と工程を必要とする問題があつた。

本考案は以上に述べた従来技術の問題点に鑑み
なされたものであつて、本考案はプラスチツク容
器に、またはプラスチツク容器に嵌着されたベー
スカツプおよびカバーカツプに、またはプラスチ
ツク容器および該ベースカツプ又は該カバーカツ
プに固設された上部グリツプホルダーおよび下部
グリツプホルダーの孔部に、短冊状のプラスチツ
クよりなるグリツプが挿入されたグリツプ付プラ
スチツク容器であつて、該グリツプは、上端部お
よび下端部にＵ字形の凹部が形成されており、該
凹部の両側部の外側に該グリツプホルダーの対応
する前壁部を挾持可能の鉤部が形成されていて、
該鉤部の基部の外端面はテーパ部となつて該側部
の中腹に接続しており、また中央部に肉厚部が形
成されていて、該肉厚部と該凹部近傍の間の上方
部および下方部は比較的薄肉で撓み易くなつてお
り、かつ該グリツプの長さは、該上部グリツプホ
ルダーの側壁部上端面と該下部グリツプホルダー
の側壁部下端面間の距離よりも若干大きく定めら
れており、かつ該グリツプの幅は、該鉤部を除い
て、該孔部の幅よりも僅かに小さく定められてい
ることを特徴とするグリツプ付プラスチツク容器
を提供するものである。

以下実施例である図面を参照しながら本考案に
ついて説明する。

第１図、第２図において、１はプラスチツクボ
トル、２はベースカツプ、３はカバーカツプであ
る。プラスチツクボトル１は比較的大容量（例え
ば約１〜10リツトル）であつて、例えばポリエチ
レンテレフタレートよりなる有底パリソンを２軸
延伸−吹込成形することによつて形成され、半球
状の底部１ａおよび載頭半球状の肩部１ｂを有
し、ビールや炭酸飲料等の正内圧性（すなわち大
気圧より高い内圧を生ずる）内容品を充填密封し
た場合にも変形し難い形状を有している。ベース
カツプ２はプラスチツクボトル１の正立安定性を
確保するため着設されたものであつて、プラスチ
ツクスよりなり、底部１ａの上端部１a′にベース
カツプ２の上端部２ａが嵌着されており、またベ
ースカツプ２の底部環状内側突出部２ｂは底部１
ａの対応する部分に接着剤層（図示されない）を
介して接合されている。カバーカツプ３は、プラ
スチツクスよりなり、その内側短円筒状部３ａに
おいて、プラスチツクボトル１のネツクリング１
ｃに嵌着されており、また下端部３ｂは肩部１ｂ
の下部と嵌合しており、ベースカツプ２と協同し
て、全体として樽形状の外観をプラスチツクボト
ル１に与えている。

カバーカツプ３の下端部３ｂ近傍には、上部グ
リツプホルダー４（以下上部ホルダーとよぶ）が
一体成形（例えば射出成形により）により形成さ
れており、またベースカツプ２の上端部２ａ近傍
には、下部グリツプホルダー５（以下下部ホルダ
ーとよぶ）が一体成形により形成されている。な
お上部ホルダー４と下部ホルダー５の夫々の中心
を結ぶ直線が、プラスチツクボトル１の軸線方向
に平行になるように、カバーカツプ３およびベー
スカツプ２はプラスチツクボトル１に対し組立て
られる。下部ホルダー５は孔部６を有し、断面長
方形状（円周方向に長い）であつて（第３図参
照）、側壁部５ａは前壁部５ｂを超えてその上方
に延びている。上部ホルダー４も、孔部７を有し
ており、側壁部４ａが前壁部４ｂを越えてその下
方に延びている点を除いては、下部ホルダー５と
同様の形状、寸法に形成されている。

上部ホルダー４と下部ホルダー５の各孔部７お
よび６には、短冊状のグリツプ８が摺動可能に挿
入されている。グリツプ８は可撓性のプラスチツ
クス、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、又
は軟質ポリ塩化ビニール等よりなり、第４図に示
すように、上端部８ａおよび下端部８ｂには、夫
夫Ｕ字形の凹部９および１０が形成されており、
凹部９の両側部９ａの外側中腹および凹部１０の
両側部１０ａの外側中腹に、夫れ夫れ対応する側
部と協同してほぼＵ字形を形成する鉤部１１およ
び１２が形成されている。鉤部１１および１２の
基部の外端面は、夫れ夫れテーパ部１１ｂおよび
１２ｂとなつており、側部９ａおよび１０ａのテ
ーパ部より端部側の部分は、夫れ夫れ長手方向に
延びる先端部９_a1および１０_a1となつている。上
部鉤部１１は下方が開放されており、一方下部鉤
部１２は上方が開放されている。

第１図に示されるように、上部鉤部１１は、上
部ホルダー４の側壁部４ａを挾持するように、側
壁部上端面４a′に乗接して、グリツプ８の落下を
防いでいる。また凹部の側部９ａの肉厚は、孔部
７の奥行より僅かに小さく定められていて、グリ
ツプ８を孔部７に挿入した状態において、大きな
がたつきが生じないようになつている。またグリ
ツプ８の幅は、鉤部１１および１２の側方突出部
１１ａおよび１２ａおよび基部を除いて、孔部７
および６の幅より僅かに小さく定められている。

グリツプ８の中央部８ｃ前面には複数の（図で
は５個）の突条部１３が形成されており、突条部
１３における肉厚は、凹部の側部９ａの肉厚とほ
ぼ等しく、また突条部１３の上下方向高さは、親
指を除く４指の幅の和にほぼ等しく（約８〜10
cm）定められている。

下部凹部１０および鉤部１２の形状、寸法は、
上部凹部９および鉤部１１のそれ等と等しく定め
られている。また上部凹部９および下部凹部１０
と突条部１３の間には、夫々比較的薄肉の上方部
１４および下方部１５が設けられており、下方部
１５の上端はほぼ下部ホルダー５内に位置してい
る。従つてグリツプ８の中央部８ｃを把持して半
径方向外側に引張つた場合、第５図に示すよう
に、主として比較的薄肉の上方部１４および下方
部１５が折曲り、鉤部１２が下部ホルダー５の側
壁部５ａを挾持して、手が主として接触する中央
部８ｃ（肉厚になつている）の曲りは僅かであつ
て、把持感が良く、把持が確実に行なえるように
なつている。下方部１５の上下方向高さは（本実
施例では下部ホルダー５の側壁部下端面５a′と鉤
部１２の内側底面１２ｃ間の距離にほぼ等し
い）、グリツプ８を把持して、前記のように半径
方向外側に引張つて、鉤部１２と下部ホルダー５
が係合してときできる空間５内に、手指がある程
度の余裕をもつて入ることができる程度に（例え
ば約４〜５cm）定められる。

グリツプ８の取付けは、先づ下端部８ｂの先端
部１０_a1を上部ホルダー４の孔部７に上側から挿
入するか、上端部８ａの先端部９_a1を下部ホルダ
ー５の孔部６に下側から挿入することによつて行
なわれるが、そのさい側部１０ａおよび９ａが内
側に（つまり凹部１０又は９内に）容易に曲るよ
うに、それらの幅ｘ（第４図ａ参照）が定められ
ていることと、鉤部１１および１２の基部にテー
パ部１１ｂおよび１２ｂが設けられていることに
よつて、上記挿入はスムースに行なわれる。

本考案は以上の実施例によつて制約されるもの
でなく、プラスチツク容器は広口のプラスチツク
ボトル又はカツプ状の容器であつてもよい。また
上部ホルダーと下部ホルダーはプラスチツク容器
に直接固設されたものであつてもよい。さらに上
部ホルダーがプラスチツク容器に固設され、下部
ホルダーがベースカツプに固設されたものであつ
てもよく、また反対に上部ホルダーがカバーカツ
プに固設され、下部ホルダーがベースカツプに固
設されたものであつてもよい。またカバーカツプ
およびベースカツプの形状も、任意形状をとりう
るものである。また凹部９，１０の何れか１方は
形成されなくてもよい。

本考案のグリツプ付プラスチツク容器は、グリ
ツプを把持しないときは、短冊状のグリツプがプ
ラスチツク容器に接近して、その軸線方向に延び
ているので、容器を収納するための容積が特に大
きく増大するおそれがなく、またグリツプを設け
たために容器の内容積を小さくしなければならな
いという問題もない。本考案において、グリツプ
をグリツプホルダーに取付けるさい、先端部をグ
リツプホルダーの孔部に容易に挿入することがで
き、かくして先端部の位置決めをした後、グリツ
プを押込むと、テーパー部がグリツプホルダーの
側壁部の端面に沿つてスムースに滑つて、側部が
内側に容易に曲ることにより、鉤部が孔部内を通
過して、グリツプが孔部に挿入される。

すなわち上端部又は下端部の鉤部を手で圧縮す
るという面倒な操作をしなくても、先端部を孔部
に挿入した後単に押込むだけで容易に鉤部を孔部
内を通過させて、グリツプを孔部に挿入できると
いう効果を奏する。

次にグリツプの中央部を把持して半径方向外側
に引張つた場合、第５図に示すように、主とし
て、比較的薄肉で撓み易い上方部および下方部が
折曲り、鉤部が下部ホルダーの側壁部を挾持し
て、手が主として接触する中央部（肉厚になつて
いる）の曲りは僅かであつて、把持感が良く、把
持が容易にかつ確実に行なえるという効果を奏し
ます。

さらに本願考案のグリツプは上端部と下端部の
構造が同一で上下対称となつている。そのためグ
リツプを上端部、下端部の区別なく、上下何れの
グリツプホルダーにも挿入できるので、作業性が
良いという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の１実施例であるグリツプ付プ
ラスチツク容器の正面図、第２図は第１図の−
線に沿う縦断面図、第３図は第１図のグリツプ
付プラスチツク容器に用いられるベースカツプの
底面図、第４図は第１図のグリツプ付プラスチツ
ク容器に用いられるグリツプを示す図面であつ
て、第４図ａは正面図、第４図ｂは背面図、第４
図ｃは側面図、第４図ｄは平面図、第４図ｅは第
４図ａのｅ−ｅ線に沿う横断面図、第４図ｆは第
４図ａのｆ−ｆ線に沿う縦断面図、第５図は第１
図のグリツプ付プラスチツク容器のグリツプを把
持した状態を示す側面図である。 １……プラスチツクボトル、２……ベースカツ
プ、３……カバーカツプ、４……上部（グリツ
プ）ホルダー、４a′……側壁部上端面、５……下
部（グリツプ）ホルダー、５a′……側壁部下端
面、６……孔部、７……孔部、８……グリツプ、
８ａ……上端部、８ｂ……下端部、８ｃ……中央
部、９，１０……凹部、９ａ，１０ａ……側部、
１１，１２……鉤部、１１ｂ，１２ｂ……テーパ
部、１３……突条部（肉厚部）１４……上方部、
１５……下方部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. プラスチツク容器に、またはプラスチツク容器
   に嵌着されたベースカツプおよびカバーカツプ
   に、またはプラスチツク容器および該ベースカツ
   プ又は該カバーカツプに固設された上部グリツプ
   ホルダーおよび下部グリツプホルダーの孔部に、
   短冊状のプラスチツクよりなるグリツプが挿入さ
   れたグリツプ付プラスチツク容器であつて、該グ
   リツプは、上端部および下端部にＵ字形の凹部が
   形成されており、該凹部の両側部の外側に該グリ
   ツプホルダーの対応する側壁部を挾持可能の鉤部
   が形成されていて、該鉤部の基部の外端面はテー
   パ部となつて該側部の中腹に接続しており、また
   中央部に肉厚部が形成されていて、該肉厚部と該
   凹部近傍の間の上方部および下方部は比較的薄肉
   で撓み易くなつており、かつ該グリツプの長さ
   は、該上部グリツプホルダーの側壁部上端面と該
   下部グリツプホルダーの側壁部下端面間の距離よ
   りも若干大きく定められており、かつ該グリツプ
   の幅は、該鉤部を除いて、該孔部の幅よりも僅か
   に小さく定められていることを特徴とするグリツ
   プ付プラスチツク容器。