JP3805582B2 - プラスチックボトル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、容易に押潰し可能とした大胴径のプラスチックボトル、とくに取手付プラスチックボトルに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、プラスチック廃棄物の処理が大きな問題となり、使用済みプラスチック容器のリサイクルも実施されるようになっている。
また、廃棄物の容量を少なくするため、廃棄容器の押潰しが奨励実施されるようになっている。
そのため、容易に押潰し可能とした各種のプラスチック容器が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ブラスチック容器は、内容液を収納して一定の外観形状を維持し破損しないようにするため、一定の強度をもたせなければならないので、使用済みの空プラスチック容器を押潰し、容器容積を減少させるためには相当の押潰し力を必要とする。
とくに、大胴径のプラスチックボトルでは、ボトル胴壁の肉厚が厚く押潰しが困難であるという問題点があった。
【0004】
さらに、取手付のプラスチックボトルの場合には、取手とともに取手を形成する取手形成用穴部の下の壁面の変形が困難であるため、上部胴部の減容率を高めることができないという問題があった。
したがって、一般の家庭では、大胴径のプラスチックボトル、とくに取手付プラスチックボトル等は押漬さないでそのまま廃棄しているのが現状である。
そのため、プラスチック廃棄物が嵩高となり、その運搬効率がよくないという問題が解決できないでいる。
【0005】
これを解決するため、ボトル胴部を押潰して扁平廃棄ボトルとすること、さらに底壁に掛留め片を設け、該掛留め片をボトル口部内周に係止させ、丸め込まれた廃棄ボトルにすることも提案されているが、改善の余地も多く残されている。
【0006】
本発明は、上記の事情を考慮して、大胴径のプラスチックボトル、とくに取手付プラスチックボトルにおいて小容量の丸め込まれた廃棄ボトルにするために、ボトルの口部と底部とを一層容易に係止できるようにすることを課題として、ボトル口部に取着されたキャップに係止片を設け、ボトル底部に設けられた掛留め片に係合させるようにした押潰し変形可能なプラスチックボトルを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決するため、丸め込み廃棄ボトルとすることを可能としたプラスチックボトルとして、口部と胴部、底部とを備え、口部に係止部材を設けたキャップを取着し、胴部の所要個所に折曲げリブを配設して、胴部を押潰し変形可能とし、底部に前記係止部材と係合する掛留め部材を設けたボトルであって、前記係止部材は、キャップの被せ蓋またはヒンジ式開閉蓋の頂壁の周縁に、蝶番となる連結部と切断可能な連結片を介して取り付けられた係止リングであり、前記掛留め部材は、底壁に突設された先端に鉤を具えた掛留め片であることを特徴とする構成を採用する。
上記ボトルの掛留め部材の変形実施例として、 掛留め部材が、その先端が底壁との間に間隙を残すようにして、底壁から突出した円弧状の掛留めリングであることを特徴とする構成、または、掛留め部材が、底端壁から外側に水平方向に延び、先端に係止杆を具えた掛留め杆であることを特徴とする構成を採用する。
【0008】
プラスチックボトルの別実施形態として、口部と胴部、底部とを備え、口部に係止部材を設けたキャップを取着し、胴部の所要個所に折曲げリブを配設して、胴部を押潰し変形可能とし、底部に前記係止部材と係合する掛留め部材を設けたボトルであって、前記係止部材は、キャップの被せ蓋の頂壁の周縁に突出するように形成された係止孔を具えた円弧状の係止板であり、前記掛留め部材は、底壁の左側から内方に突出し、先端に前記係止孔に嵌挿するようやや大きい直径を有する球状のヘッドを具えた掛留め杆であることを特徴とする構成を採用する。
上記ボトルの掛留め部材の変形実施例として、掛留め部材が、底端壁から外側に水平方向に延び、先端に直交方向に延び、前記係止孔の径よりやや長い係止部を具えた掛留め杆であることを特徴とする構成を採用する。
【0009】
プラスチックボトルの他の実施形態として、口部と胴部、底部とを備え、口部に係止部材を設けたヒンジ式キャップを取着し、胴部の所要個所に折曲げリブを配設して、胴部を押潰し変形可能とし、底部に前記係止部材と係合する掛留め部材を設けたボトルであって、前記係止部材は、ヒンジの押え板に側方上方に突出し、先端に球状のヘッドを具え、スリットにより上下に分割された係止片であり、前記掛留め部材は、底端壁に穿孔された係止孔であることを特徴とする構成を採用する。
上記係止片の変形実施例として、係止片が、キャップ基体に突設されていることを特徴とする構成を採用する。
【0010】
プラスチックボトルの他の実施形態として、口部と胴部、底部とを備え、口部に係止部材を設けたヒンジ式キャップを取着し、胴部の所要個所に折曲げリブを配設して、胴部を押潰し変形可能とし、底部に前記係止部材と係合する掛留め部材を設けたボトルであって、前記係止部材は、ヒンジの押え板またはキャップ基体の側方に突設され、相互の間に巾挟の係止部を設けた一対の挟持片であり、掛留め部材は、底壁の左側に設けられ、係止部の間隔よりも巾広とした円弧状の引っかかり部を有する掛留め片であることを特徴とする構成を採用する。
【0011】
プラスチックボトルの他の実施形態として、口部と胴部、底部とを備え、口部に係止部材を設けたヒンジ式キャップを取着し、胴部の所要個所に折曲げリブを配設して、胴部を押潰し変形可能とし、底部に前記係止部材と係合する掛留め部材を設けたボトルであって、前記係止部材は、ヒンジの押え板の上方に突設された一対の挟持片であり、前記掛留め部材は、底壁から下方に突出するように形成され、先端に挟持片の根本部の間隔より大きい径を有する円盤状のヘッドを有する掛留め片であることを特徴とする構成を採用する。
また、上記各実施形態と各実施例に付加して、ボトルが、取手を備え、取手の長手方向中央部に折り曲げ部を形成して、取手を屈曲可能としたことを特徴とする構成を付加する。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の第1実施形態について、図面を参照して説明する。
図1において、Aは、口部1と胴部2、底部3と胴部2をくり抜くように形成された取手4とを備えたボトル、Bは口部1に打栓により被嵌されるキャップ基体B1と被せ蓋B2とからなるキャップである。
ボトルAとキャップBは、ポリオレフィン系樹脂その他の合成樹脂が用いられ、ボトルAは、単層或いは積層としてブロー成形されている。
【0013】
口部1の外周には、キャップB取着のための嵌合環5と一定の間隔を設け対向するよう配設した一対の保持突条6が設けられている。
【0014】
胴部2は、取手4を形成した上部胴部7と円形の下部胴部8とからなっており、上部胴部7は、口部1に続く球帯状の肩壁9、換言すれば肩部と、該肩壁9に続く断面がほぼ角形の胴周壁10、および円形の膨出周壁11とからなっている。
【0015】
図1、3、5に示すように、胴周壁10は、正八角形の断面から取手形成用穴部12を取り除いた断面形状を有しており、肩壁9と膨出周壁11との間に連設された5つの側壁13と湾曲壁14とを備えている。
側壁13は、左側壁15aとそれに続く前後の傾斜壁15b,15c、および二つの前後壁16a,16bとからなり、ボトルの軸線を含む縦断面上において、肩壁9の下縁と膨出周壁11の上縁との間に延びる曲線を接続端縁17とする上下方向に僅かに湾曲した曲面によって形成されている。
なお、本明細書でいう左右前後は、ボトルの正面図、平面図におけるボトル中心線に対する位置、方向である。
【0016】
前後壁16a,bは、前記各側壁15a,b,cと同じ形状に湾曲した曲面を有し、傾斜壁15b,cと端縁17a,bで接続され、他方に円弧端縁18a,bを形成した曲面で形成されている。
湾曲壁14は、前後壁16a,bの円弧端縁18a,bに接続した曲面であって、該曲面の中央は、ボトルの軸線より所定間隔をおいて、上下方向にわずかに湾曲する曲線となっており、図5に示されるように、該曲線を中心に前後に延びる円弧を横断面形状とする湾曲面によって形成されている。
【0017】
湾曲壁14のほぼ中間に位置して、中央部を隔てて湾曲壁14と隣接する前後壁16a,bに延びる横リブ19が配設されている。
湾曲壁14の下方は、取手形成用穴部12の下面にまで延長しており、膨出周壁11に連設され、下部胴部8の右方部を被う壁面20となっている。
【0018】
図1、2、3に示すように、取手4は、前記湾曲壁14に対向して取手形成用穴部12を隔て、肩壁9と湾曲壁14の上端から膨出周壁11周縁の壁面20に接続するよう延設されており、その断面は、全体を通じて図5に示すように、内側と外側を径の異なる円弧とした断面弦月状に形成されている。
【0019】
取手4の長手方向中間部には、取手の両側に湾曲して膨出する中間膨出部21が形成されており、該中間膨出部21の表側には上方と下方との間で段が形成され、三日月状の段差壁22が設けられている。
取手4の上端内側には、湾曲壁14との接続部に沿って弧状の下リブ23が配設されている。
【0020】
図1、2に示すように、前記下部胴部8は、前記膨出周壁11に段差をもって続く円形の胴筒壁30と、該胴筒壁30より膨出するように形成された底部周壁31とからなっている。
胴筒壁30の前後面の中心部には、胴筒壁30上端から縦リブ32が下方に延びるよう配設され、その下端から一定の間隔を隔てた位置から左右に延びる傾斜リブ33a,bが配設され、底部周壁31の中間部まで延びている。
【0021】
胴筒壁30の右側周面30bには、前後の縦リブ32の上端を結んで右側周面中心線を最下点とする円弧の弧状リブ34が配設されており、縦リブ32の下端から一定の間隔を隔てて水平方向に横リブ35が配設されている。
胴筒壁30の左右の周面30a,bには、前後面の中心部を隔てて上下方向に等間隔に広巾の凹溝36が配設されている。
【0022】
横リブ19、35、縦リブ32、傾斜リブ33a,b、下リブ23および弧状リブ34は、図6に示すように、断面が円弧状の押潰し変形用折曲げリブ37であって、押潰し変形にあたって、横断方向にリブ断面が変形するとともに壁面との接続部38が屈曲し、折曲げリブ37を軸線として両側の壁面が内側または外側に容易に折り曲がるようになっている。
折り曲げ角度が大きくなると、折曲げリブ37の接続部38、あるいは円弧部39で弾性限界を越えて塑性変形が起こり、変形形状を維持することができるようになっている。
【0023】
図4、7に示すように、、底部3は、底壁40と、該底壁40周縁に形成され胴部2の底部周壁31に続く底端壁41とからなっており、底壁40は、パーティングライン上でその中心より左側に偏寄して最も深く凹んだ底面部40aを位置させており、該底面部40aから底端壁41になだらかに連続する湾曲面で形成されている。
【0024】
底壁40の左側には、先端に鉤部42を具え、ほぼ水平方向に延びる掛留め片43がパーティングラインに沿って設けられている。
該掛留め片43の根本部は、底端壁41に近接して位置し、鉤部42は前記底面部40aに対応して位置し、上方に突出するように形成されている。
【0025】
底壁40には、掛留め片43の根本部から右にパーティングライン上に沿って凸条44が形成され、底壁40を補強している。
底端壁41には、パーティングラインに対して前後に対向する位置に切欠部45が形成されており、パーティングラインに沿って対向する位置に凹部46が形成されている。
【0026】
図8、9に示すように、キャップBは、キャップ基体B1と被せ蓋B2とからなっており、キャップ基体B1は、嵌着部50と、引き裂き線に沿って開口される注出孔51を形成した注出筒52と係合リング53とを具えている。
被せ蓋B2は、前記係合リング53に嵌着する側筒壁54と、注出孔51を密封する密封リング55を垂設した頂壁56とを具えている。
頂壁56の上端周縁には、側筒壁54より膨出した突出環57が設けられており、突出環57の外周には、蝶番となる連結部58と容易に切断可能な連結片59によって係止リング60が連接されている。
【0027】
係止リング60は、連結部58の反対側を上方に引っ張り上げると、連結片59が切断され、図9(b)に示すように、連結部58を中心に廻動可能となる。
【0028】
キャップBは、内容液充填後に打栓によって口部1に嵌着され、使用にあたって周知のように引き裂き線に沿って隔壁の除去部を取り去ることによって注出孔51が形成される。
【0029】
次に、ボトルの押潰し方法について図面を参照して説明する。
使用後のボトルの押潰しにあたって、キャップBの被せ蓋B2をはずした状態で、ボトルの右側、取手を上にしてボトルを机上に置いて押潰す。(ボトルを机上に置いたときには、ボトル軸線の左右が上下、前後が左右となるが、前述した呼び方をそのまま使用する。)
一方、被せ蓋B2の係止リング60は、ボトルを丸め込み廃棄ボトルにするまでに連結片59を切断して、廻動可能な状態にしておく。
【0030】
押潰しは、まず、ボトル口部1または胴部2を押さえ、取手4の長手方向の中間部表側を押圧する。
取手4に折曲げ力が加えられると、取手4は下リブ23の部分で折り曲げられて傾斜し、中間膨出部21の段差壁22の下部分で胴部側に屈曲される。
【0031】
次に胴筒壁30上方の部分を押圧すると、膨出周壁11の右側部分と胴筒壁30の右側周面30bとの間に折曲げ力が働き、図10に示すように、右側周面30bは、弧状リブ34を折り目として折り曲げられ、膨出周壁11の右側部分が下方に傾斜するように折り曲げられる。
【0032】
次いで胴筒壁30下方の部分を押圧すると、右側周面30bの下方は横リブ35を折り目として折り曲げられ、それにつれて底部周壁31が傾斜する。
そして、胴筒壁30の左側周面30aと右側周面30bは、縦リブ32を軸にして屈曲されて胴筒壁30は扁平にされ、それに応じて縦リブ32が前後に張り出すことになる。
【0033】
胴筒壁30の扁平化は、上部胴部7の胴周壁10に影響を及ぼすことになる。
前後壁16は、湾曲壁14から延びる横リブ19によって横断方向には屈曲困難であるので、胴周壁10は、傾斜壁15b,cと前後壁16との接続端縁17a,bで屈曲して前後方向に膨出する。
【0034】
次に、底部3を上方に折り曲げるようにすると、底部3は右側周面30bの横リブ35によって屈曲され、右側周面30bと底部周壁31の右部分が連続した面となり底壁40がさらに傾斜する。
かくして、胴部2は扁平胴部2aとなり、図11に示すような扁平ボトルを得ることができる。
その際、屈曲、膨出された部分は勿論、その他の個所で塑性変形が起こされ、扁平状態が維持され、この状態で廃棄することもできる。
【0035】
次に、口部1と底部3を持って、ボトル全体を折り曲げ、口部1と底部3との間にモーメントを加えると、図12に示すように、底部3は、さらに押圧されて扁平になり、胴周壁10は、横リブ19を軸として屈曲され、それに応じて取手4も屈曲される。
取手4は、下リブ23と段差壁22の部分でさらに屈曲され、段差壁22の下端部が、中間膨出部21を巾方向に広げて塑性変形を生じさせ、取手4中間部の表裏面を平坦にして段差壁22背面部を胴周壁10の湾曲壁14に接圧させる。
【0036】
次いで、さらにモーメントMを加え、口部1と底部3とを丸め込むようにすると、扁平胴部2aの上部と下部はさらに折り曲げられ、底壁40がキャップBに接近するまで湾曲させることができる。
次いで、係止リング60を連結部58を中心に廻動させ、自由端部を底壁40の掛留め片43に係止させる。
それによって、キャップBの係止リング60を介して、ボトルの口部1と底部3との係合状態を維持することができる。
【0037】
扁平押潰しにあたっては、扁平胴部2aは塑性変形をし、外力を加えない限り復元しないが、扁平胴部2aの湾曲は塑性変形までに至らない場合もあるから、口部1と底部3を係止させることによって、廃棄時に湾曲され丸め込まれた扁平胴部2aが復元することを阻止する。
かくして、図13に示すような廃棄ボトルを、極めて小容量に丸め込まれた廃棄ボトルとすることができるのである。
【0038】
前記のようにボトルの右側、取手を上にして机上に置いて押潰す場合は、ボトルの上方(右側)から押圧するだけで、左側ではその反作用として押圧力が作用するので押潰しは能率良く行われるが、ボトルを両手で把持して、前記の押潰し方法にしたがい順次に左右から押圧することによって押潰すことも可能である。
【0039】
次に、第2実施形態について説明する。
前実施形態は、取手付プラスチックボトルに係わるものであるが、次に取手のない大胴径のプラスチックボトルについて説明する。
図14において、Aaはボトル、Bは前実施形態で説明したキャップと同一のものである。
以下相違点を中心に、主要な点について説明する。
【0040】
図14、15に示すように、ボトルAaは、口部70と肩部71、胴部72、底部73とを備えており、胴部72は、断面円形の胴周壁74と底部周壁75とから形成されている。
胴周壁74の前後面には、中心線上に縦リブ76が配設されており、縦リブ76の下端には、前実施形態と同様に、リブ下端との間に一定の間隔をおいて斜め下方に延び底部周壁75に至る傾斜リブ77と、胴周壁74の右側面で横方向に延びる下横リブ78が配設されている。
【0041】
胴周壁74には、縦リブ76との間に一定の間隔をおいて、胴周壁74の横方向に延びる上横リブ79と中横リブ80が配設されている。
上記各リブは前実施形態における折曲げリブに相当し、同一の作用効果を有するものである。
上記各リブの間には、補強のため横方向に延びる凹溝81が配設されている。
【0042】
底部73は、前実施形態と同一の構成であり、底壁82と底端壁83とからなり、底壁82の左側には先端に鉤部を設けた掛留め片84が設けられている。
【0043】
使用後のボトルの押潰しにあたっては、机上に置いて、まず胴周壁74の上部を左右から押圧すると、胴周壁74は、上横リブ79によって前後方向に押し広げられ、縦リブ76を軸に屈曲される。
次いで、胴周壁74の中間部を左右から押圧すると、胴部72の中間部は、中横リブ80によって前後方向に押し広げられ、縦リブ76を軸に屈曲され、それにつれて胴周壁74の上方部も変形され扁平にされていく。
【0044】
次いで、胴周壁74の下方を左右から押圧すると、胴周壁74は下横リブ78によって前後方向に押し広げられ、胴部72の左右の胴壁は縦リブ76を境に変形され、図16に示すように、胴部全体が扁平胴部72aとなる。
同時に、底部周壁75は、傾斜リブ77によって前後に拡げられるとともに、その左右の周壁は胴周壁74に連なり下横リブ78を軸として傾斜する。
次いで、底部73の右側面を上方に廻動すると、前記実施形態と同様に扁平化された廃棄ボトルを得ることができる。
【0045】
次に、口部70と底部73を持ってボトル全体を折り曲げ、口部70と底部73との間にモーメントを加えると、扁平胴部は、上横リブ79と中横リブ80とによって湾曲変形され、最後に、キャップBの係止リング60を底部73に設けた鉤部を有する掛留め片84に係止させることによって、図17に示すような丸め込まれた廃棄ボトルを得ることができる。
【0046】
前記各実施形態では、ボトルの胴部が断面円形のボトルであるが、胴部が断面楕円、または角形のボトルであってもよい。
【0047】
【実施例】
次に、前記各実施形態に適用されるキャップと底部との係合手段の各種変形実施例について説明する。
前記各実施形態では、キャップの係止部材として、被せ蓋の頂壁周縁に係止リングを設け、ボトル底部の掛留め部材として、底壁に先端に鉤を具えた掛留め片を設けたが、キャップの係止部材を変え、それに応じて底部の掛留め部材を変え組み合わせることができる。
【0048】
〔第1実施例〕
まず、キャップの変形例について、図面を参照して説明する。
キャップを、図18に示すように、ヒンジ式キャップBaとし、係止リング90をキャップBa頂壁に連接することができる。
図18において、B1aはキャップ基体、B2aはキャップ基体B1aに蝶番91によって開閉自在に取着された開閉蓋である。
開閉蓋B2aの頂壁92周縁には、蝶番91の押え板91aを挟んで係止リング90の連結部93a,bが設けられ、該係止リング90は、連結部93a,bと切断可能な連結片94によって頂壁92周縁に連接されている。
【0049】
次に、前記各実施形態及び第1実施例の係止リング60、係止リング90に適合する二つの掛留め部材について説明する。
図19(a)において、3Aはボトル底部で、底壁40Aと底端壁41Aとからなっており、図に示すように、底壁40Aの左側にはパーティングラインに沿って掛留め部材を構成する半円弧状の掛留めリング100が垂設されている。
該掛留めリング100の一端は底端壁41Aに接近して位置し、他端は底壁40Aの中央部に近く位置するように形成されている。
【0050】
丸め込まれた廃棄ボトルを得るにあたって、キャップB,Baの係止リング60,90を前記各実施形態の掛留め片43,84と同様に、掛留めリング100に係止させることによって、キッャプB,Baとボトル底部3Aとの係合状態を維持することができる。
【0051】
上記係止リング60,90に適合する掛留部材として、図19(b)(c)に示すような底部3Aの底端壁41Aの左端部から外方に突出する掛留め杆101が設けられている。
掛留め杆101は、パーティングラインの延長線上に位置して水平方向に延びる支杆102と、該支杆102の先端部で横方向に延びる係止バー103とからなっている。
【0052】
係止リング60または係止リング90内に掛留め杆101の支杆102を挿通すると、扁平胴部の復元力で支杆102が係止リング90内周に圧接され、係止バー103が係止リング90の側面に接合するので、図20に示すように、キャップの係止リング60または係止リング90と底部3Aの係止状態が維持される。
【0053】
〔第2実施例〕
次に、キャップの係止部材とボトル底部の掛留め部材に関する別実施例について説明する。
図21(a)(b)に示すように、キャップBbはキャップ基体B1bと被せ蓋B2bとからなり、被せ蓋B2bの頂壁110には、周縁から突出するように係止孔111を穿孔した係止部112が突設されている。
係止孔111の形状は、円形または半円形である。
【0054】
上記係止部材に適合するボトル底部の掛留め部材として、二つの実施例がある。
その一つは、図22(a)に示すような底壁40A左側に斜め下方に延びるように突設された、先端に円盤状のヘッド113を具えた掛留め杆114である。
【0055】
もう一つの実施例は、図22(b)に示すような底端壁41Aの外側に突出した先端に横方向に延びる掛留め部115を設けた支杆116とからなる掛留め杆117である。
円盤状のヘッド113の径、および掛留め部115の長さは、いずれもキッャプBbの係止孔111よりも大きくしており、キャップを嵌挿したときに抜け落ちないように支持できるようにしている。
【0056】
扁平ボトルの丸め込みにあたって、まず、キャップBbとボトル底部3Aの係合にあたっては、図23に示すように、扁平に押潰された扁平廃棄ボトルの掛留め部115に、キャップの被せ蓋B2bの係止部112を係合させ、次に、扁平胴部2aAを丸め込み、最後に被せ蓋B2bをキャップ基体B1bに被嵌する。
【0057】
〔第3実施例〕
次に、キャップの係止部材として球状のヘッドを具えた係止杆を用い、ボトル底部の掛留め部材として係止孔を具えた実施例について説明する。
図24(a)に示すように、Bcはヒンジ式キャップであり、キャップ基体B1cと蝶番120によって開閉自在に取着された開閉蓋B2cとからなり、蝶番120の押え板120aの表面には、先端に球状のヘッド121を具えた係止杆122がやや上方に延びるよう立設されている。
ヘッド121と係止杆122には、両者を上下に分別するようスリット123が設けられている。
【0058】
また、キャップが被せ蓋の場合には、図24(b)に示すように、中央にスリット123aを設け、球状のヘッド121aを具えた係止杆122aをキャップ基体B1cに突設することができる。
【0059】
キャップの打栓にあたっては、係止杆122,122aがボトル口部の右側、すなわち扁平化されたボトルの丸め込まれる方向の側に位置するようにして打栓される。
【0060】
上記二つの係止部材に対応する掛留め部材として、係止孔を設けたボトル底部について説明する。
図25に示すように、底部3Aの底端壁41Aには、パーティングラインに沿って対向する位置に凹部46Aが形成されており、左方または右方、あるいは左右両方の凹部46Aに近接する底端壁41Aには、前記キャップBcに設けた係止杆122に係合する底を球状の穴部124とした係止孔125が穿設されている。
【0061】
前記した押潰し方法によって丸め込まれた廃棄ボトルを得るにあたって、最後に、図26に示すように、キャップBcに設けた係止杆122を底部3Aの係止孔125に嵌挿することによって、口部1Aと底部3Aとの係止状態を維持させる。
【0062】
その後、係止杆122、122aには、スリット123、123aが設けられているので、ヘッド121、121aの挿入時には、上下部分が弾力で圧接され、挿入後は復元して容易に抜けないようになっている。
【0063】
〔第4実施例〕
次に、キャップの係止部材に挟持片を用い、掛留め部材として、引っかけ片を用いた実施例について説明する。
まず、挟持片について三つの例を図面を参照して説明する。
図27(a)に示すように、Bdはヒンジ式キャップであり、キャップ基体B1dと、該キャップ基体B1dに蝶番130によって取着された開閉蓋B2dとからなっている。
【0064】
蝶番130の押え板130aの側方には、挟持片131が立設されており、該挟持片131は左右一対となり、それぞれの挟持片131a,bには、先端部に、内方に突出して相互の間に巾狭部132を形成する突起133a,bが設けられている。
【0065】
第2例は、図27(b)に示すように、挟持片131を蝶番130の押え板130aの上側に立設したものである。
第3例は、被せ蓋式のキャップの場合で、図27(c)に示すように、挟持片131をキャップ基体B1dに突設することもできる。
【0066】
キャップの打栓にあたっては、三つのいずれの場合も、挟持片がボトル口部の右側、すなわち扁平化されたボトルの丸め込まれる方向の側に位置するようにして打栓される。
【0067】
次に、上記挟持片に対応して適用されるボトル底部に設ける掛留め部材について説明する。
まず、挟持片131が、キッャプの側方に突出されている場合に採用する掛留め部材は、図28(a)に示すように、底壁40Aの左側に、底端壁41Aに近接して突設される掛留め片134である。。
掛留め片134は、図28(b)に示すように、円弧状の引掛け部135と薄板部136とからなっている。
引掛け部135の張り出し巾は、挟持片131の巾狭部132よりは広巾となっており、両者の係合状態を維持できるようになっている。
【0068】
蝶番の押え板の上方に立設した挟持片に適用される掛留め部材は、図28(c)に示すように、底壁40Aの左側に、底端壁41Aに近接して設けられている掛留め杆140である。
掛留め杆140は、円盤状のヘッド141と細い支杆142とからなっており、ヘッド141の直径は、挟持片131の根本部の巾より大きくなっており、支杆142の径は巾狭部132よりやや大きい程度としている。
【0069】
図29に示すように、ボトルの丸め込みにあたって、挟持片131の巾狭部132は、支杆142を通して掛留め杆140に嵌挿される。
嵌挿後に手を離すと、扁平胴部の復元力によって、挟持片131はヘッド141と係合して抜けることが妨げられるので、そのまま係合状態が維持されることになる。
【0070】
【発明の効果】
本発明は、上記のように構成されているから、次の効果を奏する。
ボトル口部に取着したキャップに係止部材を設け、ボトル底部に掛留め部材を設けたので、胴部を押潰した扁平な廃棄ボトルをさらに丸め込み、係止部材と掛留め部材を係合させることによって、小容量の丸め込まれた廃棄ボトルを得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のボトルとキャップの正面図である。
【図2】ボトルの右側面図である。
【図3】ボトルの平面図である。
【図4】ボトルの底面図である。
【図5】上部胴部の説明図で、図2のA−A線におけるボトルの断面図である。
【図6】折曲げリブの説明図である。
【図7】ボトルの底部の縦断面図である。
【図8】キャップの説明図で、キャップ基体と被せ蓋を分離した一部断面正面図である。
【図9】キャップの説明図で、(a)は上面図、(b)は係止リングを廻動したときの斜視図である。
【図10】取手の折曲げ時の説明図である。
【図11】胴部の押圧時の説明図である。
【図12】扁平胴部の湾曲時の説明図である。
【図13】丸め込まれた廃棄ボトルの説明図である。
【図14】別実施形態ボトルの正面図である。
【図15】同上ボトルの側面図である。
【図16】扁平胴部の湾曲時の説明図である。
【図17】丸め込まれた廃棄ボトルを説明する側面図である。
【図18】第1実施例におけるヒンジ式キャップの説明図で、(a)はキャップの斜視図、(b)は係止リングを廻動したときの斜視図である。
【図19】第1実施例におけるボトル底部の説明図で、(a)は第1例の正面図、(b)は第2例の正面図、(c)は同底面図である。
【図20】第1実施例における丸め込み廃棄ボトルの一例を示す説明図である。
【図21】第2実施例におけるキャップの説明図である。
【図22】第2実施例におけるボトル底部の説明図で、(a)(b)はそれぞれ異なる例を示す底部の正面図、(c)は図(b)の掛留め片の底面図である。
【図23】第2実施例における押潰し変形時の説明図で、(a)はキャップの被せ蓋を掛留め片に引っかけたとき、(b)は丸め込み廃棄ボトルとする直前の説明図である。
【図24】第3実施例におけるキャップの説明図で、(a)はヒンジ式キャップの斜視図、(b)は被せ蓋式キャップの斜視図である。
【図25】第3実施例におけるボトル底部の断面正面図である。
【図26】第3実施例の丸め込み廃棄ボトルの説明図である。
【図27】第4実施例におけるキャップの説明図で、(a)(b)はヒンジ式キャップの斜視図、(c)は被せ蓋式キッャプの斜視図である。
【図28】第4実施例における掛留め部材を示す図で、(a)は底部の正面図、(b)は図(a)のA−A線における断面図、(c)は別例を説明する底部の正面図である。
【図29】第4実施例における丸め込み廃棄ボトルの説明図で、(a)(b)はそれぞれ異なる例を示す正面図である。
【符号の説明】
A、Aa ボトル
B、Bb キャップ
Ba、Bc、Bd ヒンジ式キャップ
B1、B1a、B1b、B1c、B1d キャップ基体
B2、B2b 被せ蓋
B2a、B2c、B2d 開閉蓋
1、1A、70 口部
2、72 胴部
2a、2a、2aA 扁平胴部
3、3A、73 底部
4 取手
7 上部胴部
8 下部胴部
9 肩壁
10、74 胴周壁
11 膨出周壁
19、35 横リブ
21 中間膨出部
22 段差壁
23 下リブ
37 折曲げリブ
40、40A、82 底壁
41、41A、83 底端壁
42 鉤部
43、74 掛留め片
58、93a,b 連結部
59、94 連結片
60、90 係止リング
71 肩部
84、134 掛留め片
91、120、130 蝶番
91a、120a、130a 押え板
100 掛留めリング
101、114、117、140 掛留め杆
111、125 係止孔
112 係止部
113、121、121a、141 ヘッド
122、122a 係止杆
123、123a スリット
124 穴部
131a,b 挟持片
132 巾狭部
133a,b 突起
135 引掛け部

Claims (10)

  1. 口部と胴部、底部とを備え、口部に係止部材を設けたキャップを取着し、胴部の所要個所に折曲げリブを配設して、胴部を押潰し変形可能とし、底部に前記係止部材と係合する掛留め部材を設けたボトルであって、
    前記係止部材は、キャップの被せ蓋またはヒンジ式開閉蓋の頂壁の周縁に、蝶番となる連結部と切断可能な連結片を介して取り付けられた係止リングであり、
    前記掛留め部材は、底壁に突設された先端に鉤を具えた掛留め片であることを特徴とする丸め込み廃棄ボトルとすることを可能としたプラスチックボトル。
  2. 掛留め部材が、請求項1記載の先端に鉤を具えた掛留め片に変え、その先端が底壁との間に間隙を残すようにして、底壁から突出した円弧状の掛留めリングであることを特徴とする請求項1記載のプラスチックボトル。
  3. 掛留め部材が、請求項1記載の先端に鉤を具えた掛留め片に変え、底端壁から外側に水平方向に延び、先端に係止杆を具えた掛留め杆であることを特徴とする請求項1記載のプラスチックボトル。
  4. 口部と胴部、底部とを備え、口部に係止部材を設けたキャップを取着し、胴部の所要個所に折曲げリブを配設して、胴部を押潰し変形可能とし、底部に前記係止部材と係合する掛留め部材を設けたボトルであって、
    前記係止部材は、キャップの被せ蓋の頂壁の周縁に突出するように形成された係止孔を具えた円弧状の係止板であり、
    前記掛留め部材は、底壁の左側から内方に突出し、先端に前記係止孔に嵌挿するようやや大きい直径を有する球状のヘッドを具えた掛留め杆であることを特徴とする丸め込み廃棄ボトルとすることを可能としたプラスチックボトル。
  5. 掛留め部材が、請求項4記載の球状のヘッドを具えた掛留め杆に換え、底端壁から外側に水平方向に延び、先端に直交方向に延び、前記係止孔の径よりやや長い係止部を具えた掛留め杆であることを特徴とする請求項4記載のプラスチックボトル。
  6. 口部と胴部、底部とを備え、口部に係止部材を設けたヒンジ式キャップを取着し、胴部の所要個所に折曲げリブを配設して、胴部を押潰し変形可能とし、底部に前記係止部材と係合する掛留め部材を設けたボトルであって、
    前記係止部材は、ヒンジの押え板に側方上方に突出し、先端に球状のヘッドを具え、スリットにより上下に分割された係止片であり、
    前記掛留め部材は、底端壁に穿孔された係止孔であることを特徴とする丸め込み廃棄ボトルとすることを可能としたプラスチックボトル。
  7. 係止片が、請求項6記載のヒンジの押え板に換え、キャップ基体に突設されていることを特徴とする請求項6記載のプラスチックボトル。
  8. 口部と胴部、底部とを備え、口部に係止部材を設けたヒンジ式キャップを取着し、胴部の所要個所に折曲げリブを配設して、胴部を押潰し変形可能とし、底部に前記係止部材と係合する掛留め部材を設けたボトルであって、
    前記係止部材は、ヒンジの押え板またはキャップ基体の側方に突設され、相互の間に巾挟の係止部を設けた一対の挟持片であり、
    掛留め部材は、底壁の左側に設けられ、係止部の間隔よりも巾広とした円弧状の引っかかり部を有する掛留め片であることを特徴とする丸め込み廃棄ボトルとすることを可能としたプラスチックボトル。
  9. 口部と胴部、底部とを備え、口部に係止部材を設けたヒンジ式キャップを取着し、胴部の所要個所に折曲げリブを配設して、胴部を押潰し変形可能とし、底部に前記係止部材と係合する掛留め部材を設けたボトルであって、
    前記係止部材は、ヒンジの押え板の上方に突設された一対の挟持片であり、
    前記掛留め部材は、底壁から下方に突出するように形成され、先端に挟持片の根本部の間隔より大きい径を有する円盤状のヘッドを有する掛留め片であることを特徴とする丸め込み廃棄ボトルとすることを可能としたプラスチックボトル。
  10. ボトルが、取手を備え、取手の長手方向中央部に折り曲げ部を形成して、取手を屈曲可能としたことを特徴とする請求項1〜9記載の丸め込み廃棄ボトルとすることを可能とした取手付のプラスチックボトル。
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