WO2001077721A1

WO2001077721A1 - Retroreflecting sheet having printed layer

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Publication number: WO2001077721A1
Application number: PCT/JP2001/002996
Authority: WO
Inventors: Ikuo Mimura; Akihiro Matsuda
Original assignee: Nippon Carbide Kogyo Kabushiki Kaisha
Priority date: 2000-04-10
Filing date: 2001-04-06
Publication date: 2001-10-18
Also published as: ATE499621T1; EP2157457A1; EP1193511B1; DE60144126D1; DE60125484C5; EP1193511A4; US6568817B1; JP4063472B2; CA2372421A1; ES2274875T3; DE60125484T2; CN1188714C; EP2157457B2; DE60142594D1; ES2349680T3; ES2361287T3; CN1366620A; ATE349717T1; EP1746444A3; CA2372421C

Description

明細書印刷層を有する再帰反射シート技術分野

本発明は、印刷層を有する再帰反射シート、特に、道路標識、工事標識等の標識類、自動車やオートバイ等の車両のナンバープレート類、衣料、救命具等の安全資材類、看板等のマーキング、可視光、レーザー光あるいは赤外光反射型センサ一類の反射板等において有用な三角錐型キューブコーナー再帰反射素子（以下単に、三角錐型反射素子ともいう）によって構成される三角錐型キューブコーナ一再帰反射シートの一部に色調改善用の印刷層を設けたことを特徴とする三角錐型キューブコーナ一再帰反射シートに関する。背景技術

従来より、入射した光を光源に向かって反射させる再帰反射シートはよく知られており、その再帰反射性を利用した該シ一トは上記のごとき利用分野で広く利用されている。中でも三角錐型反射素子等のキューブコーナー再帰反射素子の再帰反射原理を利用したキューブコーナ一再帰反射シートや上記三角錐型反射素子の反射側面に蒸着層が設置されている三角錐型キューブコーナー再帰反射シート (以下、蒸着型三角錐型キューブコーナー再帰反射シートという）は、従来のマイク口ガラス球を用いた再帰反射シートに比べ光の再帰反射効率が格段に優れており、その優れた再帰反射性能により年々用途が拡大しつつある。

このような再帰反射シート及びその製造方法は、例えば、三角錐型キューブコ

—ナ一再帰反射シートは、米国特許第 3 , 4 1 7 , 9 5 9号明細書、国際公開 W 0 9 8 / 1 8 0 2 8号公報等に記載されており、蒸着型三角錐型キューブコーナ一再帰反射シートは、特開昭 4 9— 1 0 6 8 3 9号公報（米国特許第 3 , 7 1 2 ， 7 0 6号明細書）等に記載されている。

蒸着型三角錐型キューブコーナー再帰反射シートは、その再帰反射素子の性質から金属の色の影響を受けて外観が暗くなってしまうという欠点を有している。これらの三角錐型キューブコーナー再帰反射シートや蒸着型三角錐型キューブコーナー再帰反射シートの色相を改善するために、該再帰反射シートの一部に連続した印刷層を設ける試みがなされている。

しかしながら、印刷層は、反射素子層とも表面保護層とも密着性がやや劣り、また、印刷層自体の耐候性が劣り耐候性試験においてフクレを生じたり、また、吸水しやすいという欠点を有しており、三角錐型キューブコーナー再帰反射シ一トゃ蒸着型三角錐型キューブコーナー再帰反射シートに連続した印刷層を設置した場合、該印刷層の周辺の密着性が劣り、耐候性や耐水性が劣るという問題が生じている。

なお、再帰反射シートの種類としては、上述の三角錐型キューブコーナー再帰反射シートや蒸着型三角錐型キューブコーナー再帰反射シートの他に、封入型再帰反射シートゃカプセルレンズ型再帰反射シート等のマイクロガラス球を用いた再帰反射シ一卜がある。

上記封入型再帰反射シートとは、光透過性支持体層、該光透過性支持体層の光入射側と反対側の面に実質的に一層に並ぶようにそのほぼ半球部分を埋設支持されている多数のマイクロガラス球の層、該マイクロガラス球の埋設されていない側のほぼ半球部分の表面に沿って形成されている層であり且つそのマイクロガラス球と接していない側の表面に該マイクロガラス球の実質的な焦点がくるような厚さを有するように設けられた光透過性の焦点層、並びに該焦点層のマイク口ガラス球と接していない側の表面に形成されている光反射性金属膜よりなるものをいい、必要に応じて上記支持体層の光入射側の表面上に、さらに光透過性の表面保護層を積層したものをいう。

また、上記カプセルレンズ型再帰反射シートは、光透過性被覆層、支持体層、該支持体層の該光透過性被覆層に面する側の表面に設けられた、多数のマイクロガラス球が実質的に一層に並ぶようにそのほぼ半球面を埋設支持されており且つその埋設されている半球面が光反射性金属膜で覆われているレンズ型再帰反射要素の層、並びに、光透過性被覆層と該レンズ型再帰反射要素の間の空気層よりなり、該空気層は該光透過性被覆層と該支持体層の間に間隙を残すようにしてこれら両層を結合部により部分的に連結することにより形成されており、そして該結合部によつて多数の密封小区画空室に分割されているものをいう。

このような封入型再帰反射シ一トゃカプセルレンズ型再帰反射シートは、三角錐型キューブコーナー再帰反射シートや蒸着型三角錐型キューブコーナー再帰反射シートに比べ元々の再帰反射性能が低く、そのため印刷層を設置した場合、再帰反射性能を満足できないという欠点を有している。発明の開示

本発明は、これら従来技術の欠点に鑑み、非常に簡単、且つ安価な方法により、色相の改善された再帰反射シ一トを提供するものである。

本発明者等は、三角錐型キューブコーナー再帰反射シートや蒸着型三角錐型キユーブコーナー再帰反射シートの色相について種々検討した結果、該再帰反射シ一卜の反射素子層または表面保護層に特定の印刷層を設置することで、耐候性、耐水性に優れ、色相の改善された、再帰反射シートが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。

即ち、本発明は、多数の反射素子と保持体層とからなる反射素子層および該反射素子層の上層に設置された表面保護層を少なくとも有する再帰反射シートにおいて、印刷層が、上記反射素子の反射側面上または、上記保持体層と上記表面保護層との間または、上記表面保護層上に設置されており、該印刷層は、印刷領域が、不連続に存在する印刷模様単位の繰り返しパターンで形成されており、該印刷模様単位の面積が 0 . 1 5 m m ² - 3 0 m m ² であることを特徴とする印刷層を有する再帰反射シートを提供するものである。図面の簡単な説明

図 1は、印刷層が保持体層と表面保護層との間に設置された本発明の三角錐型キューブコーナ一再帰反射シートの一例を示す断面図である。

図 2は、印刷層が保持体層と表面保護層との間に設置された本発明の蒸着型三角錐型キューブコーナー再帰反射シートの一例を示す断面図である。

図 3は、印刷層が反射素子の反射側面上に設置された本発明の蒸着型三角錐型キューブコーナー再帰反射シートの一例を示す断面図である。図 4は、本発明に用いられる印刷層の印刷模様単位およびその配置状態の一例を示す平面図である。

図 5は、本発明に用いられる印刷層の印刷模様単位およびその配置状態の他の例を示す平面図である。

図 6は、従来用いられている印刷領域が連続した印刷層の一例を示す平面図である。

図 7は、本発明に用いられる三角錐型キューブコーナー再帰反射素子対の一例を示す平面図である。

図 8は、図 7に示す反射素子対の側面図である。

図 9は、図 7に示す反射素子対からなる三角錐型キューブコーナー再帰反射素子群の平面図である。

図 1 0は、図 9に示す三角錐型キューブコーナー再帰反射素子群の側面図である。

図 1 1は、本発明に用いられる三角錐型キューブコーナー再帰反射素子群の一例を示す平面図である。

図 1 2は、図 1 1に示す三角錐型キューブコーナー再帰反射素子群の側面図である。

図 1 3は、図 1 1に示す三角錐型キューブコーナー再帰反射素子群から一対の反射素子を拡大して示す平面図である。

図 1 4は、図 1 3に示す反射素子対の側面図である。

図 1 5は、本発明に用いられる三角錐型キューブコーナー再帰反射素子群の別の例を示す平面図である。

図 1 6は、図 1 5に示す三角錐型キューブコーナ一再帰反射素子群から一対の反射素子を拡大して示す平面図である。

図 1 7は、図 1 6に示す反射素子対の側面図である。

図 1 8は、本発明に用いられる三角錐型キューブコーナー再帰反射素子群の別の例を示す平面図である。

図 1 9は、図 1 8に示す三角錐型キュ一ブコーナー再帰反射素子群から一対の反射素子を拡大して示す平面図である。図 2 0は、図 1 9に示す反射素子対の側面図である。

図 2 1は、本発明に用いられる三角錐型キューブコーナー再帰反射素子群のさらに別の例を示す平面図である。発明を実施するための最良の形態

以下、本発明の印刷層を有する再帰反射シートについて図を参照しつつさらに詳細に説明する。

本発明の再帰反射シートは、多数の反射素子と保持体層とからなる反射素子層および該反射素子層の上層に設置された表面保護層を少なくとも有する、三角錐型キューブコーナー再帰反射シートおよび蒸着型三角錐型キューブコーナー再帰反射シートであることが好ましい。このような再帰反射シートであれば、再帰反射性能が特に優れ、印刷層を設置したものも十分な再帰反射性能が得られやすいのである。

本発明に用いられる多数の反射素子と保持体層とからなる反射素子層は、三角錐型キューブコーナ一再帰反射シートや蒸着型三角錐型キューブコーナ一再帰反射シー卜の反射素子層として公知のものを利用することができる。

本発明の三角錐型キューブコーナ一再帰反射シートの一例を図 1を参照しながら説明する。

図 1は、印刷層が保持体層と表面保護層との間に設置された本発明の三角錐型キューブコーナー再帰反射シートの一例を示す断面図である。

図 1において、（ 1 ) は表面保護層であり、（ 2 ) は色相を調節する着色のための印刷層である。（ 5 ) は三角錐型反射素子（4 ) が最密充塡状に配置された反射素子層であり、（ 3 ) は該反射素子（ 4 ) を保持する保持体層であり、（ 1

1 ) の矢標は光の入射方向を示す。反射素子層（ 5 ) を構成する反射素子（ 4 ) および保持体層（ 3 ) は一体成形するのが普通であるが、別々に成形して積層しても良い。本発明の再帰反射シートの使用目的、使用環境に応じて、反射素子層

( 5 ) の裏面に水分が侵入するのを防止するための封入密封構造を達成するための結合剤層（ 7) 、該結合剤層（ 7) を支持するための支持体層（ 8 ) 、該再帰反射シートを他の構造体に貼りつけするために用いる接着剤層（ 9 ) および剝離基材層（ 1 0 ) を設けることができる。

図 1に示すように、三角錐型キューブコーナ一再帰反射シートにおいては、反射素子層（ 5 ) は内部全反射条件を満足する臨界角度を大きくする目的で三角錐型キューブコーナー再帰反射素子背面に空気層（ 6 ) を設置するのが一般的である。使用条件下において水分の侵入による臨界角の低下等の不具合を防止するために反射素子層（ 5 ) と支持体層（ 8 ) とは結合剤層（ 7) によって密封封入されるのが好ましい。

この密封封入の方法としては、米国特許第 3， 1 9 0 , 1 7 8号明細書、米国特許第 4， 0 2 5 , 1 5 9号明細書、実開昭 5 0— 2 8 6 6 9号公報等に示されている方法が採用できる。

印刷層（ 2 ) は、反射素子（ 4 ) の反射側面上または、保持体層（ 3 ) と表面保護層（ 1 ) との間または、表面保護層（ 1 ) 上に設置することができ、表面保護層（ 1 ) が 2層以上の場合には、表面保護層間に設置することもできる。印刷層（ 2 ) は通常、グラビァ印刷、スクリーン印刷およびインクジヱット印刷などの手段により設置することができる。

印刷層（ 2 ) は、印刷領域が不連続に存在する必要があり、例えば図 4及び図 5に示すような不連続に存在する印刷模様単位の繰り返しのパターンで形成されたものである。

上記印刷模様単位としては、図 4及び図 5に示すものに制限されるものではなく、例えば、楕円、正方形、長方形等の図形でもよく、また直線、曲線を組み合わせた幾何学模様でもかまわない。さらに、文字や記号を組み合わせたり、 2種以上の印刷模様単位を組み合わせてもよい。

上記印刷模様単位の面積は、 0. 1 5 mm² 〜 3 0 mm² であり、好ましくは 0. 2 mm² 〜 2 5 mm² であり、さらに好ましくは 0. 4 mm² 〜 1 5 mm² である。

上記印刷模様単位の面積が 0. 1 5 mm² 以上であれば、成形性に優れ、且つ色相の調整が容易であるので好ましく、 3 0mm² 以下であれば、印刷周囲における印刷層（ 2 ) を挟む 2層の層間密着強度を低下させることがないので好ましい o また、上記印刷模様単位の配置は、使用する印刷模様単位が互いに独立した領域をなすように配置されていれば、相互の間隔はどのように配置されていてもよいが、印刷模様単位間の非印刷部分の最小間隔が 0. 2 mm〜 2 0 0 mm. 特に 0. 5 mm~ 5 0mmとなるように配置されるのが好ましい。

また、印刷層（ 2 ) は、その印刷領域の全面積が、再帰反射シートの表面層の面積の 2 %~ 7 0%、特に 5 %〜 4 0 %とすることが好ましい。

印刷層（ 2 ) の厚みは、特に限定されるものではないが、好ましくは 0. 5〜 1 0〃m、さらに好ましくは 1〜 5ん m、さらにより好ましくは、 2〜4 〃mである。

印刷層（ 2 ) の厚みが 0. 5 ^ 111以上であれば、成形性に優れ、且つ色相の調整が容易であるので好ましく、 1 0 zm以下であれば、印刷周囲における印刷層 ( 2 ) を挟む 2層の層間密着強度を低下させることがないので好ましい。

印刷層（ 2 ) 形成用インキは、樹脂成分および着色剤の他に、必要に応じて、可塑剤、消泡剤、レペリング剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、架橋剤等の各種添加剤を配合しても良く、粘度調整等のために溶剤を配合しても良い。該インキに用いられる樹脂成分としては、特に限定されるものではないが、着色剤の分散性とその安定性、溶剤に対する溶解性、耐候性、印刷適性、フィルムとの密着性等の優れるメラミン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂等が好ましく、これらを単独または、 2種以上組み合わせて共重合したものを使用できる。

表面保護層（ 1 ) が塩化ビニル樹脂または（メタ）アクリル樹脂で形成されている場合、上記インキに用いられる樹脂成分は、上述の中でも、アクリル樹脂、ビニル樹脂を単独または共重合したものが好ましい。

上記インキに用いられる着色剤は、特に限定されるものではないが、色相を明るくすることができ、且つ、隠蔽性が得られるものが良く、シートの色相に合わせた明色系の色が好ましく、例えば、白色の有機顔料や白色や黄色の無機顔料、並びに蛍光染料や蛍光増白剤を挙げることができ、中でも、隠蔽性がより優れる白色や黄色の無機顔料が好ましい。

上記有機顔料としては、例えば、ファストエロー、ジスァゾエロー、パーマネントエロー、リオノールエロー、クロモフタリエロ一、ィルガジンエロー等を挙げることができ、これらを単独または併用して用いることができる。

上記無機顔料としては、例えば、白色として酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、硫化亜鉛等を挙げることができ、黄色としては、チタンイェロー、黄色酸化鉄等を挙げることができ、これらを単独または併用して用いることができ、前述の有機顔料とも併用することができる。

反射素子（ 4 ) および保持体層（ 3 ) を形成する材料としては、本発明の一つの目的である柔軟性を満足するものであれば特に限定されるものではないが、光学的透明性、均一性のあるものが好ましい。

反射素子（ 4 ) に使用しうる材料の例としては、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、（メタ）アクリル樹脂、エポキシ樹脂、スチレン樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂等のォレフィン樹脂、セルロース系樹脂およびウレタン樹脂等を挙げることができる。また、耐候性を向上する目的で紫外線吸収剤、光安定剤および酸化防止剤等をそれぞれ単独あるいは組み合わせて用いることができる。さらに着色剤として各種の有機顔料、無機顔料、蛍光顔料、染料および蛍光染料等を含有させることができる。表面保護層（ 1 ) を形成する材料としては、上記の反射素子（ 4 ) に使用しうる材料と同じ樹脂を用いることができるが、特に耐候性、耐溶剤性、印刷性等に優れた塩化ビニル樹脂、（メタ）アクリル樹脂が好ましい。

表面保護層（ 1 ) にも、耐候性を向上する目的で紫外線吸収剤、光安定剤および酸化防止剤等をそれぞれ単独あるいは組み合わせて用いることができる。さらに着色剤として各種の有機顔料、無機顔料、蛍光顔料、染料および蛍光染料等を含有させることができる。

表面保護層（ 1 ) に印刷層（ 2 ) を印刷する場合、該表面保護層（ 1 ) の表面の印刷特性を良好にするため、その表面張力が 3 2ダイン/ c m以上となるように調整するのが好ましい。

結合剤層（ 7 ) に用いる樹脂としては、（メタ）アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられ、接合の方法としては公知の熱融着性樹脂接合法、熱硬化性樹脂接合法、紫外線硬化性樹脂接合法、電子線硬化性樹脂接合法等が適宜採用可能である。

結合剤層（ 7) は支持体層（8) の全面にわたって塗布しうるし、反射素子（ 4 ) との接合部分に印刷法等の方法により選択的に設置することも可能である。支持体層（ 8) を形成する材料の例としては、上記の反射素子（4) に使用しうる材料と同じ樹脂や一般のフィルム成形可能な樹脂、繊維、布、ステンレスやアルミニウム等の金属箔または板をそれぞれ単独または複合して用いることができる。

本発明の再帰反射シートを金属板、木板、ガラス板、プラスチック板等に貼付するために用いる接着剤層（9) および該接着剤層（9) のための剝離基材層（ 1 0) は、適宜、公知のものを選択することができる。接着剤としては、感圧型接着剤、感熱型接着剤、架橋型接着剤等を適宜選択できる。感圧型接着剤としては、ブチルアタリレート、 2—ェチルへキシルァクリレー卜、イソォクチルァクリレート、ノニルァクリレー卜等のァクリル酸エステルをァクリル酸、酢酸ビニル等と共重合して得られるポリアタリル酸エステル粘着剤や、シリコン樹脂系粘着剤、ゴム系粘着剤等を用いることができる。感熱型接着剤としては、アクリル系、ポリエステル系、エポキシ系樹脂等を用いることができる。

次に、本発明の蒸着型三角錐型キューブコーナー再帰反射シートの一例を図 2 および図 3を参照しながら説明する。

図 3は、印刷層が反射素子の反射側面上に設置された本発明の蒸着型三角錐型キューブコーナー再帰反射シートの一例を示す断面図である。

蒸着型三角錐型キューブコーナー再帰反射シートの表面保護層（ 1) 、印刷層 ( 2 ) 、保持体層（ 3 ) 、反射素子（ 4 ) 、反射素子層（ 5 ) 、接着剤層（ 9 ) および剝離基材層（ 10) は、前述の三角錐型キューブコーナー再帰反射シートと同じものを用いることができる。

蒸着型三角錐型キューブコーナー再帰反射シートの反射素子（4) の反射側面には、金属の鏡面反射層（ 1 2) が設置されており、さらに接着剤層（9) が鏡面反射層（ 1 2) に直接接触されて積層されている。この態様における蒸着型三角錐型キューブコーナー再帰反射シートは、鏡面反射原理で再帰反射するために空気層を必要とせず、したがって、結合剤層と支持体層を必要としない。

本発明の蒸着型三角錐型キューブコーナー再帰反射シートは、反射素子（ 4 ) の反射側面上に、真空蒸着、化学メツキ、スパッタリング等の手段を用いて、ァルミユウム、銅、銀、ニッケル等の金属からなる鏡面反射層（ 1 2 ) を設けることができる。鏡面反射層（ 1 2 ) を設ける方法の内、アルミニウムを用いた真空蒸着法が、蒸着温度を低くすることができるため、蒸着工程における反射素子（ 4 ) の熱変形を最小に抑えることができ、また、得られる鏡面反射層（ 1 2 ) の色調も明るくなるので好ましい。

上記アルミニウム鏡面反射層（ 1 2 ) を形成するための連続蒸着処理装置は、真空度が 7〜 9 X 1 0 mm H g程度に維持できる真空容器、その中に設置された基体シ一トおよびその光入射側表面上に積層された表面保護層からなるプリズム原反シ一トを繰り出す卷き出し装置、蒸着処理されたプリズム原反シートを巻き取る卷き取り装置、並びにそれらの間にあって、黒鉛坩堝中で電熱ヒーターでアルミニウムを溶融させることが可能な加熱装置よりなっている。黒鉛坩堝中には純度が 9 9. 9 9重量％以上の純アルミニウムペレツ卜が投入され、例えば、交流電圧 3 5 0〜 3 6 0 V、電流が 1 1 5〜 1 2 0 A、処理速度が 3 0〜 7 0 m /分の条件で、溶融され蒸気化されたアルミニウム原子によって反射素子の表面に鏡面反射層（ 1 2 ) を例えば 8 0 0〜 2 0 0 0オングストロームの厚さで蒸着処理することができる。

上述の本発明の三角錐型キューブコーナー再帰反射シートおよび蒸着型三角錐型キューブコーナー再帰反射シートにおける反射素子（ 4 ) としては、下記①ぉよび②の三角錐型キューブコーナ一再帰反射素子が好ましい。

①図 1 1〜図 2 1に示すように、断面が実質的に対称型の V字状の溝が互いに交叉することにより、 3つの互いに略直角に交叉する側面（al面、 bl面、 cl面； a2面、 b2面、 c2面； · · · ）によって区切られた一対の三角錐型再帰反射素子であって、共通する一底面（S— S' ) 上に突出するように最密充塡状に配置されており、該一対の三角錐型再帰反射素子は、互いに向かい合った側面（cl面、 c2 面）がーつの底辺（X ) を共有して対をなしており、該底面（S— S' ) が、該一対の三角錐型再帰反射素子の一方の側面（al面、 a2面）の底辺（z、 z) および他方の側面（bl面、 b2面）の底辺（y、 y) を共に包含する共通の一平面であつて、該底辺（X ) を共有する該一対の三角錐型再帰反射素子は、互いに向かい合った側面（c]面、 c2面）が異なる形状を有し、かつ、該底面（ S— S' ) からの頂点までの高さが互いに異なることを特徴とする三角錐型キューブコーナ一再帰反射素子。

②図 7〜図 1 0に示すように、共通する一底面（ S X— S x' ) 上に突出し、互いに該底面（S x— S x' ) 上の一つの底辺を共有して、相対峙して該底面上に最密充塡状に配置されており、該底面（S x— S x' ) は、該三角錐型反射素子が共有する多数の底辺（x、 x、 · · ·）を包含する共通の一平面であり、相対峙する二つの該三角錐型反射素子は、該底面（S x— S x' ) に垂直な平面（ L - L ' 、 L - L ' 、 · · ·）に対してそれぞれ実質的に対称となるように向き合った実質的に同一形状の素子対をなしており、該三角錐型反射素子は、該共有する底辺（x、 x、 · · ·）を一辺とする実質的に同一の五角形状の傾斜面（cl面、 c2面）と、該三角錐型反射素子の頂点（Hl、 H2) を起点とする cl面または c2面の上部の 2辺をそれぞれ一辺とし、該三角錐型反射素子の一つの稜線を共有して、これを一辺とする該 cl面又は c2面と実質的に直角に交差する実質的に同一の四角形状の傾斜面（al面、 bl面； a2面、 b2面）とからなり、該三角錐型反射素子の頂点（Hl、 H2) から五角形状の傾斜面（cl面、 c2面）の底辺（x、 X 、 · · ·）を含む該底面（S x— S x' ) までの高さ（h' ) 、該三角錐型反射素子の頂点（Hl、 H2) から該三角錐型反射素子の他の傾斜面（al面、 bl面； a2 面、 b2面）の底辺（y、 z) を包含する実質的に水平の面（仮想面 S— S' ) までの高さ（h) よりも実質的に大である三角錐型キューブコーナー再帰反射素子。この三角錐型キューブコーナー再帰反射シートについては、国際公開 W09 8 / 1 8 0 2 8号公報に記載されており、ここでは、この文献の引用をもって、この具体的記述に代える。

図 1 1〜図 2 1に示す上記①の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子について、さらに詳細に説明する。

まず、図 1 1〜図 1 4に示す形態の三角錐型キューブコーナ一再帰反射素子について説明する。

本形態の三角錐型キューブコーナ一再帰反射素子は、図 1 1に示すように、断面が実質的に対称形の V字状の溝が互いに交叉することにより、 3つの互いに略直角に交叉する側面（a 面，面，面； a₂面， b₂面， c₂面； · · · ）によって区切られた一対の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子が共通する一底面（ S 一 S' ) 上の一方の側に突出するように最密充塡状に配置されており、該一対の三角錐型再帰反射素子は、互いに向かい合った側面（_Cl面， c₂面）がーつの底辺

( x) を共有して対をなしており、該底面（S— S ' ) は、該一対の三角錐型再帰反射素子の一方の側面（a_t面、 a₂面）の底辺（z， z ) および他方の側面（1^ 面， b₂面）の底辺（y, y) とを共に包含する共通の一平面であって、該底辺（ X ) を共有する該一対の三角錐型再帰反射素子は、互いに向かい合った側面（_Cl 面， c₂面）が異なる形状であり、且つ、該底面（S— S' ) からの頂点までの高さ（h_Xl, hx₂) が互いに異なるものである。

また、本形態の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子は、図 1 2に示すように、多数の一対の三角錐型再帰反射素子（Ri, R₂) の互いに向かい合った側面（ _Cl面， c₂面）が共有する底辺（X , x， · · ·）を含む底面（Sx— Sx' ) から該三角錐型再帰反射素子の頂点（）までの高さを h_Xl とし、該 2つの三角錐型再帰反射素子の一方の側面（at面， a₂面）の底辺（z， z ) および他方の側面（b_L 面， b₂面）の底辺（y, y) とを共に包含する共通の一底面（S— S' ) から該頂点（HJ までの高さを hy_Zlとした場合に、 hx^ が hy_Zlより大きく、且つ、該底面（Sx— Sx' ) から頂点までの高さ h_Xl が、該底面（Sx— Sx' ) から頂点

(H₂) までの高さ hx₂ より大きいものである。この場合、高さの比率 hxt hyz! が 1. 0 5〜し 5の範囲になるように、底辺（X ) を形成する V字状の溝は他の底辺（y, z) を形成する V字状の溝よりも深く形成するのが好ましい。

さらに本形態の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子は、図 1 3および図 1 4に示すように、断面が実質的に対称形の V字状の溝が互いに交叉することにより、 3つの互いに略直角に交叉する側面（a 面， t 面， _Cl面； a₂面， b₂面，面

： · · · ) によって区切られた一対の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子が実質的に光学的に相似形をなし、それによつて該一対の三角錐型キューブコーナ一再帰反射素子は、方向は互いに 1 8 0° 異なるが、実質的に同一の光学軸と垂線をなす角度（e) を有している。

図 1 3および図 1 4に示された一対の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子は、これらの図から明らかなように、特に、下記 (1)および (2)を特徴とするものである。

(1) 2つの再帰反射素子および R₂の at面および a₂面の各底辺（ζ， ζ， · · · ) 並びに面および b₂面の各底辺（y， y， · · ·）を含む底面（S— S ' ) と、該 2つの再帰反射素子の互いに向かい合った _Cl面および c₂面が共有する底辺（ x， x， · · ·）を含む底面（Sx— Sx' ) とが同一レベルではなく、底面（Sx— Sx' ) の方が、底面（ S— S ' ) よりも深いこと。

②該 2つの再帰反射素子および R₂の互いに向かい合った面および c₂面の面積が異なり、面の面積が c₂面の面積よりも大きくなるようにするために V字状の溝（X ) の位置んオフセットを与えたこと。

また、本形態の三角錐型キューブコーナ一再帰反射素子対（Ri， R₂) は、方向は互いに 1 8 0 ° 異なるカ、実質的に同一の光学軸の傾き（Θ ) を有しており、さらに、該三角錐型反射素子対の一方の素子（RL) の光学軸（）カ、該光学軸 (ti) と前記共通の一底面（S— S' ) との交点から該素子対が共有する底辺（X ) を包含して該共通底面（S— S ' ) に垂直な平面（Lx— Lx' ) までの距離（qt) と、該素子の頂点（F ) から該共通底面（S— S' ) に下された垂線と該底面（S— S' ) との交点（PJ から該垂直平面（Lx— Lx' ) までの距離（ Pi) との差（q — がプラス（+ ) となる方向に傾いている。また、高さが異なる他方の素子（R₂) も光学軸（t₂) が、該光学軸（t₂) と前記共通底面（S— S * ) との交点（Q₂) から該素子対が共有する底辺（X ) を包含して該共通底面 ( S - S * ) に垂直な平面（Lx— Lx' ) までの距離（q₂) と、該素子の頂点（H₂ ) から該共通底面（S— S' ) に下された垂線と該底面（S— S' ) との交点（ P₂) から該垂直平面（Lx_Lx' ) までの距離（p₂) との差（q₂— p₂) がプラス（ + ) となる方向に傾いている。これらの素子の光学軸の傾斜角は、方向は互いに 1 8 0 ° 異なるが、実質的に同一の光学軸の傾き（Θ ) を有している。

次に、図 1 5〜図 1 7に示す形態の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子について説明する。

図 1 5〜図 1 7に示す形態の三角錐型キューブコーナ一再帰反射素子においては、断面が実質的に対称形の V字状の溝が互いに交叉することにより、 3つの互いに略直角に交叉する側面（ai面，面，面； a₂面， b₂面， c₂面； · · ·）によって区切られた一対の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子が、互いに向かい合った側面（面， c₂面）が異なる形状であり、且つ、一対の再帰反射素子の一方の側面（ai面， a₂面）の底辺（z , z ) 、および他方の側面面， b₂面）の底辺 ( y， y) を含む共通の底面（S— S' ) からの頂点（^， H₂) までの高さ（h_Xl ,hx₂) が互いに異なるものである。

図 1 7に示すように、本形態の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子は、一対の三角錐型再帰反射素子（FU、 R₂) の互いに向かい合った側面（_Cl面， c₂面）が共有する底辺（_x， _x， · · ·）を含む底面（Sx— Sx' ) から該三角錐型再帰反射素子の頂点までの高さを h_Xl とし、該 2つの三角錐型再帰反射素子の一方の側面（a 面， a₂面）の底辺（z， z) および他方の側面（tn面， b₂面）の底辺（y, y) とを共に包含する共通の一底面（S— S ' ) から該頂点（）までの高さを hx_Ziとした場合に、 h_Xl が hy_Zlより小さく、且つ、該共通の底面（Sx — Sx' ) から頂点（HJ までの高さ h_Xl が他の頂点（H₂) の高さ hx₂ より大きいものである。この場合、高さの比率 h_Xl /hy_Zlは 0. 6 7〜0. 9 5の範囲になるように、底辺（X ) を形成する V字状の溝は他の底辺（y, z ) を形成する V 字状の溝よりも浅く形成するのが好ましい。

さらに本形態の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子は、図 1 6に示すように、断面が実質的に対称形の V字状の溝が互いに交叉することにより、 3つの互いに略直角に交叉する側面（a_t面，面，面； a₂面， b₂面，面； · · ·）によって区切られた一対の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子が実質的に光学的に相似形をなし、それによつて該一対の三角錐型キューブコーナ一再帰反射素子は、方向は互いに 1 8 0° 異なるが、実質的に同一の光学軸と垂線のなす角度 ( Θ ) を有している。

この際に一対の三角錐型再帰反射素子（， R₂) の互いに向かい合う 2つの面面， c₂面）の共通の底辺（X ) は他の二つの底辺（y， z ) により形成された菱形の底面（A。― d— B。— C₂) の一組の相似する交点（A。， Bo) を通らず、離れた位置（A₂， B₂) を通るように形作られており、線分（A。， Bo) と線分（A₂, B₂) との距離（オフセット量）は例えば、 2つの再帰反射素子（F ， R₂) の他の相似する交点（d, C₂) の距離の ± 2〜土 2 0 %の範囲で適宜選択しうる。その結果、該底面（Sx— Sx' ) からの頂点（H H₂) までの高さ（h_Xl , hx₂ ) が異なり、且つ、互いに向かい合った 2つの側面（； Jt— J₂— K₂— — と他の側面（c₂； J₂-H₂-K₂) は異なる形状をもち、再帰反射素子（）の _Cl面は、他の再帰反射素子（R₂) の c₂面より大となる。

さらに、本形態の三角錐型キューブコーナー型再帰反射素子対は、方向は互いに 1 8 0° 異なるが、実質的に同一の光学軸の傾き（Θ ) を有しており、該三角錐型反射素子対の一方の素子（）の光学軸（ ) 力該光学軸（tj と前記共通の一底面（S — S ' ) との交点（QL) から該素子対が共有する底辺（X ) を包含して該共通底面（S— S' ) に垂直な平面（Lx— Lx' ) までの距離（）と、該素子の頂点から該共通底面（ S — S ' ) に下された垂線と該共通底面（ S - S ' ) との交点（PJ から該垂直平面（Lx_Lx' ) までの距離（_Pl) との差

(qi-pi) がマイナス（一）となる方向に傾いてもよい（以下、この態様をマイナス傾斜（一）の三角錐型再帰反射素子という。）。また、高さが異なる他方の素子（R₂) も光学軸（t₂) 力該光学軸（t₂) と前記共通の一底面（S— S' ) との交点（Q₂) から該素子対の相対する面（面， c₂面）が共有する底辺（X ) を包含して該共通底面（S— S ' ) に垂直な平面（Lx— Lx' ) までの距離（q₂) と、該素子の頂点（H₂) から該共通底面（S— S' ) に下された垂線と該底面（ S— S ' ) との交点（P₂) から該垂直平面（Lx— Lx' ) までの距離（p₂) との差 (q₂-p₂) が同じくマイナス（一）となる方向に傾いてもよい。これらの素子の光学軸の傾斜角は、方向は互いに 1 8 0 ° 異なるが、実質的に同一の光学軸の傾き（Θ ) を有している。

次に、図 1 8〜図 2 0に示す形態の三角錐型キューブコーナ一再帰反射素子について説明する。

図 1 8〜図 2 0に示す形態の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子においては、断面が実質的に対称形の V字状の溝が互いに交叉することにより、 3つの互いに略直角に交叉する側面（a 面，面，面； a₂面， b₂面， c₂面； · · ·）によって区切られた一対の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子が、互いに向かい合った側面（_Cl面， c₂面）が異なる形状であり、且つ、一対の再帰反射素子（ RL R₂) の共通の該底面（S — S ' ) から該反射素子（， R₂) の頂点（H_t, H₂ ) までの高さ（hxi ,hx₂) が互いに異なるものである。

図 2 0に示すように、本形態の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子は、一対の三角錐型再帰反射素子（Ri、 R₂) の互いに向かい合った側面（_Cl面， c₂面）が共有する底辺（X , X ) を含む底面（Sx— Sx' ) から該三角錐型再帰反射素子の頂点（HJ までの高さを h_Xl とし、該 2つの三角錐型再帰反射素子の一方の側面（a!面， a₂面）の底辺（z , z ) および他方の側面（面， b₂面）の底辺（y , y) とを共に包含する共通の一底面（S— S' ) から該頂点（F ) までの高さを hx_Zlとした場合に、 h_Xl が hyztと等しく、且つ、該底面（Sx— Sx' ) から頂点

(Hi) までの高さ（h_Xl ) が、該底面（Sx— Sx' ) から他の頂点（H₂) までの高さ（hx₂ ) より大きいものである。

さらにには本形態の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子は、図 1 9に示すように、断面が実質的に対称形の V字状の溝が互いに交叉することにより、 3つの互いに略直角に交叉する側面（ai面，面， C!面； a₂面， b₂面， c₂面； · · · ) によって区切られた一対の三角錐型キューブコーナ一再帰反射素子が実質的に光学的に相似形をなし、それによつて該一対の三角錐型キューブコーナ一再帰反射素子（， R₂) は、方向は互いに 1 8 0° 異なるが、実質的に同一の光学軸と垂線のなす角度（Θ ) を有している。

本形態の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子においては、 2つの反射素子の 2つの互いに向かい合う面面， c₂面）の共通の底辺（X ) は、他の二つの底辺（y， z) により形成された菱形の底面（A。一 d— B。一 C₂) の一組の相似する交点（A。， Bo) を通らず、それより離れた位置（A₂, B₂) を通るように作られており、線分（A。， Bo) と線分 ( , B₂) との距離（オフセット量）は例えば、他の相対する 2つの交点（， C₂) の距離の土（ 2〜 2 0 ) %の範囲で適宜選択しうる。その結果、 2つの素子（R_t, R₂) の共通の底面（S— S' ) からの頂点

(Hi, H₂) までの高さ（hx_t , hx₂ ) が異なり、且つ、互いに向かい合った 2つの側面（d ； A₂ -B₂ -Hi) と他の側面（c₂ ; A₂— H₂— B₂) は異なる形状および面積をもつ。

図 1 9に示される本形態の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子対において、 2つの素子の互いに向かい合う面の共通底辺（X ) と他の底辺（y , z ) を形成する V字状の溝は高さ hxt と hx₂ とが等しくなるように形成されているために、素子（RL) の他の側面（_ai, bi) は、他の素子（R₂) の側面（a₂, b₂) を形成する V字状の溝（y , z ) により切り取られ再帰反射に寄与しない側面（A。一 A₂ 一 ^および B。一 B₂— が形成されることがある。

さらに、本形態の三角錐型キューブコーナ一再帰反射素子対は、方向は互いに 1 8 0 ° 異なるカ実質的に同一の光学軸の傾き（ 6 ) を有しており、さらに、該三角錐型反射素子対の一方の素子（RJ の光学軸（）、該光学軸（ ) と前記共通の一底面（ S— S' ) との交点（Q_t) から該素子対が共有する底辺（X ) を包含して該共通底面（S— S ' ) に垂直な平面（Lx— Lx' ) までの距離（_qi ) と、該素子の頂点から該共通底面（S _ S' ) に下された垂線と該底面 ( S - S* ) との交点（P から該垂直平面（Lx— Lx' ) までの距離（p!) との差（qi— がプラス（+ ) となる方向に傾いている。また、高さが異なる他方の素子（R₂) も光学軸（t₂) が、該光学軸（t₂) と前記共通の一底面（ S— S' ) との交点（Q₂) から該素子対が共有する底辺（X ) を包含して該共通底面（S - S" ) に垂直な平面（Lx— Lx' ) までの距離（q₂) と、該素子の頂点（H₂) から該共通底面（ S— S' ) に下された垂線と該平面との交点（P₂) から該垂直な平面（Lx_Lx' ) までの距離（p₂) との差（q₂— p₂) が同じくプラス（+ ) となる方向に傾いている。これらの素子の光学軸の傾斜角は、方向は互いに 1 8 0 ° 異なるが、実質的に同一の光学軸の傾き（Θ ) を有している。

次に、図 2 1に示す形態の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子について説明する。

図 2 1に示す形態の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子においても、断面が実質的に対称形の V字状の溝が互いに交叉することにより、 3つの互いに略直角に交叉する側面（ai面，面， CL面； a₂面， b₂面， c₂面； · · ·）によって区切られた一対の三角錐型キューブコーナ一再帰反射素子が共通する一底面（S— S' ) 上の一方の側に突出するように最密充塡状に配置されており、該一対の三角錐型再帰反射素子は、互いに向かい合った側面面， c₂面）がーつの底辺（ X) を共有して対をなしており、該共通する底面（ S— S' ) は、該一対の三角錐型再帰反射素子の一方の側面（ai面、 a₂面）の底辺（z， z) および他方の側面（面， b₂面）の底辺（y， y) とを共に包含する共通の一平面であって、該底辺（X) を共有する該一対の三角錐型再帰反射素子は、互いに向かい合った側面面， c₂面）が異なる形状であり、且つ、該共通の底面（S— S' ) からの頂点までの高さ（hx hx₂) が互いに異なるものである。

図 2 1に示す形態の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子においては、多数の V溝の底辺（x， x， X , · · · ) は、他の二つの底辺（y， z) により形成された菱形の底面の一組の相対する交点を通る多数の線（x。， Xo, xo, · · · ) に一致せず、離れた位置を通るように形作られ、多数の線（x。）と V溝の底辺（ X ) との距離（オフセット量）は V字状の溝（x， X , x， · · ·）の一本置きに多数の線（x。， x。， x。， · · ·）の左右になるように形作られている。この結果、左右同じ数だけ頂点までの高さが高い素子が形成されており、光学的に左右均等な三角錐型キューブコーナ一再帰反射シ一トが形成され得る。以下、実施例により、本発明の詳細を更に具体的に説明するが、本発明は実施例にのみ限定されるものではないことはいうまでもない。

実施例をはじめ本明細書及び請求の範囲に記載の数値は以下で述べる方法で測定されたものである。

( 1 ) 再帰反射性能

再帰反射性能測定器として、アドバンスト ' レトロ 'テクノロジ一社製「モデル 9 2 0」を用い 1 0 0 mmx 1 0 0 mmの再帰反射シートの再帰反射性能を J I S Z— 9 1 1 7に準じて、観測角 0. 2度、入射角 5度により適宜の 5点について測定し、その平均値をもって再帰反射シートの再帰反射性能とした。

( 2 ) 色相（明るさ）

色相測定器として、日本電色（株）製「S E— 2 0 0 0」を用い直径 5 0 mm の円の再帰反射シートの色相を J I S Z— 9 1 1 7に準じて適宜の 5点について測定し、 X Y Z表色系で表し、 Υ値の平均値をもって再帰反射シートの色相（明るさ）とした。

( 3 ) W - 0 - Μ耐候性

耐候性試験機として、アトラスエレクトリックデバイス C X W— Β— 8 1 2 5 0 1 5 0 0を用いて、暴露時間を 3 0 0 0時間とした以外は、 J I S Z - 9 1 1 7に準じて、耐候性試験を行った。

以上の結果は、まとめて表 1に示した。

〔実施例 1 〕

<金型の作成〉

表面を平坦に研削した 1 0 0 m m角の真鍮板の上に、第 1方向と第 2方向を、先端角度が 6 8 . 5 3度のダイャモンドバイトを用いて、第 1方向および第 2方向の繰り返しピッチが 2 1 0 . 8 8 w m、溝の深さが 1 0 0〃mであって、第 1 方向と第 2方向との交差角度が 5 8 . 7 6度となるように断面形状が V字の平衡溝を繰り返しのパターンでフライカッティング法によって切削した。

しかる後に、第 3方向を、先端角度が 7 1 . 5 2度のダイヤモンドバイトを用いて、繰り返しピッチが 2 1 4 . 9 2〃m、溝の深さが 1 0 0〃m、第 1方向および第 2方向と第 3方向との交差角度が 6 0 . 9 2度となるように V字平衡溝を切削して、真鍮板上に高さが 1 0 0 の凸型状の多数の三角錐型キューブコーナ一が最密充塡状に配置された母型を形成した。この三角錐型反射素子の光学軸傾斜角は + 1度であり、三角錐を構成する三面のプリズム面角はいずれも 9 0度であった。

この真鍮製母型を用いて電錡法により、材質がニッケルであって厚さがに 0 m mの形状が反転された凹型状のキューブコーナー成型用金型を作成した。

<印刷用ィンキの作成 >

下記のインキ配合をビーズミル中で 5時間撹拌混合して、固形分 1 9 %の白色インキを作成した。この時に使用したバインダーは、ブチルアタリレートアタリル酸、および酢酸ビュルをそれぞれ 9 9重量部配合し、溶剤をトルエンおよび酢酸ェチル 1 ： 1の混合溶剤とし、開始剤としてベンゾィルパーオキサイドを用いて数平均分子量が 9 9万、固形分が 5 0重量％となるように重合されたものを用いた。

ィンキバインダー 1 0 0

エポキシ化大豆油 0

酸化チタン 1

沈降性硫酸バリゥム 1 重量部

消泡剤 0 1重量部

メチルェチルケトン 8 0 重量部

トルェン 5 0

酢酸ェチル 4 5

く印刷フィルムの作成〉

厚さ 7 0 のアクリル樹脂フィルム（鐘淵化学工業株式会社製「サンデュレン」）に前記印刷インキを用いて、直径 2 m mの円形状の印刷パターンでピッチが 4 m mの図 4に示すような千鳥状にグラビア印刷を行った。

この際の印刷厚みは約 2 mであった。

さらに、この印刷アクリルフィルムを印刷面を内側に向けるようにして、厚さ 2 0 0〃 mのポリカーボネート樹脂シ―ト（三菱ェンジニァリングプラステイツクス株式会社製「ユーピロンシート H 3 0 0 0」）に一対のラミネ一トロールを用いて温度条件 2 0 0 °C、加圧力 3 0 K g / mの条件で熱圧着して印刷積層シ一トを得た。

<印刷反射シー卜の作成〉

前記の成型用金型を用いて、上記の印刷積層シートを成形温度 2 0 0 t . 成形圧力 5 0 K g Zmの条件で圧縮成型した後に、加圧下で 3 0 °Cまで冷却してから樹脂シートを取り出して、表面に保持体層の厚さが約 1 7 0〃mのキューブコーナーを最密充塡状に配置した印刷された三角錐型キューブコーナ一再帰反射シ一卜の中間製品（以下、単に中間製品という、図示しない）を作成した。

さらに、該中間製品を、 5 0 mの白色ポリエチレンテレフタレ一トフイルム上に 3 8〃mの厚さで積層された熱可塑性ポリエステル樹脂シートを用いて、凸型状のハニカム形状をした密封封入用金型を用いて、密封封入構造に形成した。

さらに、厚さ 6 0 mのアクリル感圧型粘着剤（日本カーバイドエ業株式会社製二ッセッ K P 1 8 1 8 ) と厚さ 1 0 0〃mのポリプロピレン製剝離シ一ト（大倉工業社製）を積層して図 1に示されるような印刷層を有する三角錐型キューブコーナ一再帰反射シートを作成した。

〔実施例 2〕

実施例 1で作成した中間製品を真空度が 9 X 1 0 - ⁴ m m H gに維持できる真空容器中に設置された黒鉛坩堝中で電熱ヒーターでアルミニウムを溶融させることが可能な加熱装置よりなる真空蒸着装置に設置した。黒鉛坩堝中には純度が 9 9 . 9 9 %以上の純アルミニウムペレツ卜と粒状の金属チタンが重量比 1. 0 0 : 1 の割合になるように投入され、交流電圧 3 5 0 0 V、電流が 1 1 5〜 1 2 0 A、バッチ処理時間が 5分の条件で真空蒸着処理され、蒸気化されたアルミニゥム原子が三角錐型キューブコーナー反射素子の三つの傾斜面を鏡面反射層として蒸着処理した。この時のアルミニウム蒸着膜の厚さは 1 1 0 0オングストロームであつた。

この蒸着処理プリズム原反シートの蒸着面に、実施例 1 と同様に粘着剤層と剝離シートを積層して、印刷層を有する蒸着型三角錐型キューブコーナー再帰反射シートを作成した。

〔実施例 3〕

厚さ 5 0 mのアクリル樹脂フィルム（鐘淵化学工業株式会社製「サンデュレン」）に厚さ 2 0 0〃mのポリカーボネート樹脂シート（三菱エンジニアリングプラスティックス株式会社製「ユーピロンシート H 3 0 0 0」）に一対のラミネートロールを用いて温度条件 2 0 0 °C . 加圧力 3 0 K g /mの条件で熱圧着して積層シー卜を得た。

実施例 1で作成した前記印刷ィンキを用いて、直径 1 m mの円形状の印刷バターンでピッチが 3 m mの図 4に示されたような千鳥状にグラビア印刷をポリカーボネート面に行った。この際の印刷厚みは約 2 mであった。

この印刷積層シートを印刷面を金型に接するようにして、実施例 1 と同じ条件で圧縮成型した。

さらに実施例 1 と同じ方法で密封封入構造と粘着剤層を設置してプリズム反射面の一部に白色印刷された蒸着型三角錐型キューブコーナー再帰反射シートを作成した。

〔比較例 1〕

印刷の図柄を図 6に示されるような模様にした以外は全て実施例 1と同様にして、印刷層を有する三角錐型キューブコーナ一再帰反射シートを作成した。

〔比較例 2〕

印刷の図柄を図 6に示されるような模様にした以外は全て実施例 2と同様にして、印刷層を有する三角錐型キューブコーナー再帰反射シートを作成した。〔表 1〕

産業上の利用可能性

本発明の印刷層を有する再帰反射シートは、耐候性、耐水性に優れ、色相の改善されたものであり、特に、道路標識、工事標識等の標識類、自動車やオートバィ等の車両のナンバープレート類、衣料、救命具等の安全資材類、看板等のマ一キング、可視光、レーザ一光あるいは赤外光反射型センサ一類の反射板等において有用なものである。

Claims

求の範囲

1 . 多数の反射素子と保持体層とからなる反射素子層および該反射素子層の上層に設置された表面保護層を少なくとも有する再帰反射シートにおいて、印刷層が、上記反射素子の反射側面上または、上記保持体層と上記表面保護層との間または、上記表面保護層上に設置されており、該印刷層は、印刷領域が、不連続に存在する印刷模様単位の繰二り主返しパターンで形成されており、該印刷模様単位の面積が 0 . 1 5 m m ² 〜 3 0 m m ² であることを特徴とする印刷層を有する再帰反射シ一ト。

2 . 上記反射素子が、三角錐型キューブコーナー再帰反射素子である請求の範囲第 1項記載の再帰反射シート。

3 . 上記三角錐型キューブコーナー再帰反射素子が、その反射側面に蒸着層が設置されているものである請求の範囲第 2項記載の再帰反射シート。

4 . 上記三角錐型キューブコーナー再帰反射素子が、断面が実質的に対称型の V字状の溝が互いに交叉することにより、 3つの互いに略直角に交叉する側面（ al面、 bl面、 cl面； a2面、 b2面、 c2面； · · ·）によって区切られた一対の三角錐型再帰反射素子であって、共通する一底面（S— S ' ) 上に突出するように最密充塡状に配置されており、該一対の三角錐型再帰反射素子は、互いに向かい合つた側面（cl面、 c2面）がーつの底辺（X ) を共有して対をなしており、該底面

( S— S ' ) 力該一対の三角錐型再帰反射素子の一方の側面（al面、 a2面）の底辺（z、 z ) および他方の側面（bl面、 b2面）の底辺（y、 y ) を共に包含する共通の一平面であって、該底辺（X ) を共有する該一対の三角錐型再帰反射素子は、互いに向かい合った側面（c l面、 c2面）が異なる形状を有し、かつ、該底面（S— S ' ) からの頂点までの高さが互いに異なることを特徴とする請求の範囲第 2項または第 3項記載の再帰反射シート。

5. 上記三角錐型キューブコーナ一再帰反射素子が、共通する一底面（S x— S χ' ) 上に突出し、互いに該底面（S X— S χ ' ) 上の一つの底辺を共有して、相対峙して該底面上に最密充塡状に配置されており、該底面（S x— S x ' ) は、該三角錐型反射素子が共有する多数の底辺（x、 x、 · · ·）を包含する共通の一平面であり、相対峙する二つの該三角錐型反射素子は、該底面（S x— S X ' ) に垂直な平面（L x— L x ' 、 L x -L χ ' 、 · · ·）に対してそれぞれ実質的に対称となるように向き合った実質的に同一形状の素子対をなしており、該三角錐型反射素子は、該共有する底辺（χ、 χ、 · · ·）を一辺とする実質的に同一の五角形状の傾斜面（cl面、 c2面）と、該三角錐型反射素子の頂点（Hl、 H2) を起点とする c]面または c2面の上部の 2辺をそれぞれ一辺とし、該三角錐型反射素子の一つの稜線を共有して、これを一辺とする該 cl面又は c2面と実質的に直角に交差する実質的に同一の四角形状の傾斜面（al面、 bl面； a2面、 b2面）とからなり、該三角錐型反射素子の頂点（Hl、 H2) から五角形状の傾斜面（cl面、 c2面）の底辺（x、 x、 · · ·）を含む該底面（ S X— S x' ) までの高さ（h ' ) 、該三角錐型反射素子の頂点（Hl、 H2) から該三角錐型反射素子の他の傾斜面（al面、 bl面； a2面、 b2面）の底辺（y、 z ) を包含する実質的に水平の面 (仮想面 S— S ' ) までの高さ（h) よりも実質的に大である請求の範囲第 2項または第 3項記載の再帰反射シート。