明細書 ディスプレイ測定方法、 及び、 プロファイル作成方法 技術分野
本発明は、 ディスプレイの測定方法及びプロファイル作成方法に関する。 背景技術
高機能パソコンの普及やスキャナ、 カラ一プリンタなどの画像入出力機器の 低価格化により、 個人でカラー画像を扱う機会が増えてきた。 個人でカラー画 像を扱える様になるにつれ、 色の再現性が問題になってきた。 すなわち、 原画 像とディスプレイの表示画像、 あるいはプリン夕の印刷画像など、 それぞれの 画像の色を同じように再現できないという問題である。 これは、 異なる入出力 機器では、 発色機構や色再現域などの色特性が異なるためである。 カラーマネ 一ジメントシステム (以下、 C M S ) は、 異なる入出力装置の色の見えを合わ せる技術である。 C M Sを用いることで、 スキャナで読み込んだ画像とデイス プレイに表示した画像、 更にプリン夕に出力した画像のそれぞれの見えを一致 させ、 画像に対する違和感をユーザに感じさせないシステムを構築できる。 今日では、 Windows95の ICM1.0 (Image Color Matching) や Macintosh の ColorSync2.0 のように〇 Sレベルで C M Sの枠組みが組み込まれている。 入出力機器メ一力は ICM1.0あるいは ColorSync2.0に合わせたデバイスプロ ファイルをユーザに提供することで、 ディスプレイの表示画像とプリン夕の印 刷画像など、 異なるデバイスが出力した画像でもユーザが違和感を感じない画 像を得ることができる。 ICM1.0や ColorSync2.0 のデバイスプロファイルは I C C (International Color Consortium:国際色彩コンソーシアム) が
提唱している I C Cプロファイルに準拠している。 入出力機器メーカは I C C プロファイルの仕様に準じたプロファイルを提供することで、 Windows環境 のユーザでも Macintosh環境のユーザでも同じように使ってもらうことがで さる。
図 1は、 C M Sの概念図を示す図である。
例えば、 スキャナ 1から読み込まれたデ一夕はスキャナプロファイル 2を用 いてデバイスに依存しない共通な色信号 (例えば、 CIELA B ) に変換される。 共通色信号を、 ディスプレイのプロファイル 3で変換した画像を表示すること で、 スキャナに入力した原稿とディスプレイ表示との色の見えを合わせること ができる。 プロファイル内にはデバイス固有の信号 (例えば、 R G B値) を共 通色信号に変換するための情報と、 共通色信号をデバイス固有の信号に逆変換 する情報と (すなわち、 各デバイスに対応して設けられるプロファイル) が格 納されている。
同様に、 スキャナ 1あるいはディスプレイ 4で生成された画像は、 スキャナ プロファイル 2やディスプレイプロファイル 3によって共通色信号 (L * a * b *信号) に変換され、 次に、 プリンタプロファイル 5によって C MY (K) 信号に変換されてプリン夕 6から出力される。
精度の高い色合わせを行うためには、 ディスプレイの表示特性を格納したプ 口ファイルを精度良く作成する必要がある。 そのためには、 ディスプレイの測 定を誤差なく行わなければならない。
図 2は、 I C Cプロファイルの構造を示す図である。
I C Cプロファイルでは、必要なデ一夕はすべて夕グにより記述されている。 I C Cプロファイルはプロファイルそのものの情報と対象機器の情報を表す Profile Header (l28Byte 固定長) と、 どのような情報がどこに格納されて いるかを示す Tag Tableと、 実際に情報が格納されている Tagged Element
Data とに分けられる。 I C Cプロファイルでは、 Tagged Element Data の中に入出力機器の機器特性を示す情報が保持される。
I CCプロファイルには、 主にディスプレイのプロファイルに用いられるマ トリックスプロファイルと、 プリン夕のプロファイルに用いられる LUTプロ ファイルがある。
マトリックスプロフアイルは、 入出力機器の加法混色性を利用したプロファ ィルである。 加法混色性とは、 ある RGB値!"、 g、 bからなる色 C (r、 g、 b) は rのみからなる色 R (r、 0、 0、) と gのみからなる色 G (0、 g、 0) と bのみからなる色 B (0、 0、 b) の和で表現されることを意味する。 すなわち、 以下の色が成り立つことを加法混色性を有すると言う。
C (r、 g、 b) 三 R (r、 0、 0) +G (0、 g、 0) +B (0、 0、 b) マトリックスプロファイル内には、 最大の赤、 緑、 青の測定値と、 赤、 緑、 青の階調特性が格納されている。階調特性とは、入力に対する出力値の関係で、 ァ特性とも呼ばれているものである。 ここでは、 階調値とはある入力値のとき の階調特性の出力値を意味する。 階調データは、 入力 0 (最小) 〜1 (最大) までの階調値の集合を意味する。 この特性を利用すると、 たとえば、 RGB値 が 8 b i tの場合の最大の赤 (255、 0、 0 )、 最大の緑 ( 0、 255、 0 )、 最大の青 (0、 0、 255) のときの出力値(C I EXYZ値) をそれぞれ(X
(255. 0, 0)、 〖 (255 0. 0)、 ^ " 55, 0, 0))、 (X (0. 255 0)、 ^ (0, 255. 0)、 Z (0, 255 0))、
(0 0 255)、 丄 (0 0 255)、 (0, 0 255)) <~し、 ΐヽ、 緑、 青の階調特性を f R (r)、 f G (g)、 f B (b) とすると、 任意の色 C (r、 g、 b) の C I EXYZ値は以下の計算式で算出できる。
V マトリックスプロファイルは、 入出力の関係を上記の計算式から算出するた めのプロファイルである。 従って、 プロファイル内には基準となる白の C I E
X f ( (255 255. 255)、 【 (255. 255 255)、 Z (2 55 255 255 )^ と 赤、 緑、 -の は( 255 0 0)、 Y (255 0 0)、 (255 0, 0) 、 (Λ (0, 255. 0) 【 (0 255, 0)、 (0 255 0 、 (0 0 255)、 (0, 0 255)、 (0. 0, 255)^ の値と赤、 緑、 青の階調特性を f R (r)、 f G (g)、 f B (b) を格納する (図 3参照)。 マトリックスプロフアイルは上記式が成り立つことを前提とし ているため、 加法混色性が高く、 かつ階調特性が関係式 fで近似できる度 ) ) )合い (近似特性) が高いデバイス (例えば CRT) では精度が良いが、 それ以外の デバイス (例えばプリンタ等) では精度が悪くなる。 ディスプレイでも種類や 機種によって加法混色性や階調特性の近似特性は異なる。 一般に CRTの加法 混色性や階調特性の近似特性は高いが、 LCD PDPは CRTよりも低い。 一方、 LUTプロファイルは、 入力値を出力値に変換する LUT (Look Up Table) を格納したプロファイルである。 入力値 (例えば RGB) の空間を n XnXnの格子デ一夕に分割し、 その格子点の出力値 (例えば CIELAB) を データとして格納する。 同様に、 逆変換用の LUTは、 出力値の空間を mXm xmの格子データに分割して、そのときの入力値をデ一夕として格納している。 このときの分割数 n及び mを "格子数" または "グリッド (Grid)" と呼ぶ。
格子数 n、 mは、 "8 b i t (256) の素数 + 1" の値である 9、 17、 3 3が一般的である。 I CCプロファイルでは、 LUTは 8 b i tあるいは 16 b i tの値で格納する。 入出力の全対応関係を LUTで格納するため、 マトリ ックスプロフアイルに比べてフアイルサイズが大きくなる。
CMSの色変換エンジン (CMM : Color Matching Module) は、 LU Tを利用して色変換を行う。 入力値が格子上の値であれば LUTの値を、 格子 上でない場合は周囲の値から補間演算して出力値を求める。 入力に対する出力 の対応が 1 : 1であることは、 あらゆるデバイスにおいて共通している。 LU Τプロファイルはディスプレイに限らない、 全てのカラ一入出力機器に使用で きるプロファイルである。
精度の高いディスプレイプロファイルを作成するためには、 以下の問題点が ある。
1. 表示直後の色の安定性
ディスプレイの場合、 表示した直後の色は、 しばらく過渡状態が続いた後に 定常状態に移行する。 過渡状態の測定値はディスプレイの特性値ではない特異 な値であるため、 測定は定常状態で行う必要がある。
2. 表示した色の焼き付き
ある色を表示した後に別の色を表示すると、 前の色の影響が次の色に残る場 合がある。 前の色の影響は測定値とディスプレイの特性との誤差を生じてしま う。
3. ディスプレイの立ち上がりの安定性
ディスプレイの電源投入直後は、 ディスプレイ上の色は過渡状態にあり、 数 分から数十分経過することで定常状態となる。 図 4に電源投入後の表示輝度の 変動の様子を示す。 図 4は、 I E C ( International Electrotechnical Comission:国際電気標準会議) が現在制定作業を進めている国際規格案 I E
C - 6 1 9 6 6一 3で示されている C R Tの電源投入直後の輝度の変動の例を 示したものである。 ディスプレイの測定は定常状態になった時に行う必要があ る。 定常状態になるまでの時間 (時定数) はディスプレイの機種や種類によつ て異なる。
4 . 表示輝度が変動するディスプレイ
ディスプレイによっては、 消費電力を抑えるなどの目的で、 表示する色ある いは表示面積によってディスプレイに加わる消費電力を変動させる機種がある。 図 5に表示面積と輝度の関係の例を示したグラフを示す。 このようなディスプ レイをそのまま測定すると、 青が白より明るいなどの矛盾した測定値となって しまう場合がある。 ディスプレイ特性の測定は、 常に同一条件で測定する必要 があるため、 このような測定結果から正確なプロフアイルを作成することはで きない。
5 . 測定ミス
測定中に測定器がはずれてしまった、 外光を測定してしまったなど、 予期せ しないミスが生じないか、 ユーザは常に測定状況を監視しなければならない。
6 . マトリックスプロファイル内の情報量
マトリックスプロファイルには、 R、 G、 B等の階調データを格納する。 階 調数が多いほどプロファイルの精度は向上するが、 その分プロフアイルサイズ は増大する。 プロファイル内に必要な情報量はディスプレイによって異なる。 7 . 階調特性の測定数
マトリックスプロファイルには、 R、 G、 B等の階調データを格納する。 格 納する階調数が多くなれば、 その分測定数は多くなり、 プロファイル作成に要 する時間は増加する。
8 . プロファイル内の情報の精度
I C Cが規定しているプロファイルでは、 測定値は白に対する比として格納
される。 その結果、 表示輝度が異なる測定値でも、 測定値と白に対する比が同 じであれば同じ色として格納される。 しかしながら、 ベツォルト =プリュッケ 現象などで知られているとおり、 光の強さが増大すると色の見えは変わってし まい、 人間は違う色と認識することが知られている。 測定値の白に対する相対 値が同じであっても光の強度が異なれば色の見えは変わるため、 精度の高い色 合わせが行えない。
9. ディスプレイ設定とプロファイル作成の手間
現在のディスプレイやディスプレイカードは、 色温度やァ特性が変えられる 機能を有しているものがある。 このような機種では、 ユーザ自身がこれらを設 定できる。ディスプレイの表示特性は、色温度設定や: 特性設定で変わるため、 それぞれの設定のプロファイルを作成する必要がある。
10. LUTプロファイルの格子数
LUTプロファイルには、 R、 G、 B等の格子データを Look Up Table (LUT) として格納する。 格子数が多いほどプロファイルの精度は向上する が、 その分プロファイルサイズは増大する。 プロファイル内に必要な情報量は ディスプレイによって異なる。
1 1. 格子デ一夕の測定数
LUTプロファイルには、 R、 G、 B等の LUTを格納する。 格納する格子 数が多くなれば、 その分測定数は多くなり、 プロファイル作成に必要な時間は 増加する。 マトリックスプロファイルは階調デ一夕を格 するため、 最大でも 759色 (R、 G、 Bそれぞれ 256階調と白 (255、 255、 255) 1 色) を測定すれば良い。 それに対して、 LUTプロファイルは最大 1677万 色 (2 5 6 X 2 5 6 X 2 5 6色) 測定する必要がある。 格子数 10の LUTで も 1000色測らなければならない。 格子数を多くして精度の高いプロフアイ ルを作るためには、 膨大は量の測定を行わなければならない。
1 2 . プロファイル形式の選択
プロファイルの形式は、 階調値と R、 G、 Bの色情報を格納したマトリック スプロファイルと、 色変換のためのテーブルを格納した L U Tプロファイルと がある。 マトリックスプロファイルは、 ディスプレイの表示特性が予め決まつ ているモデルに沿ったものでないと精度が低いが、 ファイルサイズは非常に小 さい (l k B程度) という長所がある。 一方、 L U Tプロファイルはファイル サイズは大きい(5 0 k B〜3 0 0 k Bなど)が、 どのようなディスプレイ (L C D、 P D Pなどの表示機器)に対しても使用できるという高い汎用性を持つ。 どちらの形式のプロファイルが良いかは、 ディスプレイの種類や機種によって 異なる。
1 3 . プロファイル精度の確認
プロファイルを作成しても、 ユーザはその場でプロファイルの正当性を確認 できない。 発明の開示
本発明の課題は、 色合わせを行うために必要な精度の高いプロファイル作成 方法及びディスプレイ特性の測定方法を提供する事である。
本発明によれば、 色票の表示直後のディスプレイの不安定な時間を避けて、 色票表示から一定時間後に色票の測定を開始する。 あるいは、 色票を複数回に 渡って測定し、 測定値が安定した後の測定値を正しい測定値として使用する。 測定しょうとする色票を表示する前に、 前の色票の消去から一定時間おいて 色票を表示して、 測定することにより、 前の色票の焼き付きによる測定値の誤 差が生じるのを避ける。
ディスプレイの立ち上がりの不安定性も、 立ち上がりから一定時間おいてか ら色票を表示し、 測定することにより問題を避けることができる。
輝度が消費電力を抑える目的で変化するディスプレイの場合には、 大きさの 異なる色票を順次表示 ·測定し、 測定値が安定したときの色票の大きさを用い て測定を行う。
外光を測定してしまつた場合などは、 測定値の値のずれなどを見ることによ り測定ミスを判断する。
マトリックスプロファイル内の情報量の適正化や、 階調特性の測定数、 はプ 口ファイルを異なる情報量や階調特性の数で生成して、 相互の精度を測ること により適正化を測る。
L U Tプロフアイルについても格子数がある程度以上多くなると、 精度がこ れ以上向上しない現象が生じるので、 この点を鑑みて格子数を決定する。
また、 装置によってマトリックスプロファイルと L U Tプロファイルのいず れが精度が良いかを誤差を算出し、 精度の良い方をプロファイルとして記憶す る。 図面の簡単な説明
図 1は、 C M Sの概念図を示す図である。
図 2は、 I C Cプロファイルの構造を示す図である。
図 3は、マトリックスプロファイルに格納される情報について示す図である。 図 4は、 電源投入後の表示輝度の変動の様子を示す図である。
図 5は、 表示面積と輝度の関係の例を示したグラフである。
図 6は、 第 1の問題点を解決するための処理の流れを示すフローチヤ一卜で ある。
図 7は、 測定ィンタ一バルを自動設定する場合の処理の流れを示すフローチ ヤー卜である。
図 8は、 色票表示インターバルをおいて、 焼き付きによる色票測定値の誤差
を低減する場合の処理の流れを示すフローチャートである。
図 9は、 色票表示ィン夕一バルを自動設定する場合の処理の流れを示すフロ —チヤ一トである。
図 1 0は、 ァ曲線の例を示す図である。
図 1 1は、 式 (2 ) のモデルに従ったァ曲線の様子を示す図である。
図 1 2は、 消費電力可変のディスプレイにおける色票の測定処理の流れを示 すフローチヤ一トである。
図 1 3は、 T R Cのノード数と精度の関係を表した図である。
図 1 4は、 T R Cあるいはァ係数値を格納したプロファイルの作成処理の流 れを示すフローチャートである。
図 1 5は、 ァ 1 . 8の階調特性の図である。
図 1 6は、 プロファイルを測定によって更新する処理の流れを示すフローチ ャ一卜である。
図 1 7は、 加法混色特性を利用して L U Tプロファイルを生成する処理の流 れを示すフローチャートである。
図 1 8は、本発明のディスプレイ測定装置の第 1の実施形態を示す図である。 図 1 9は、本発明のディスプレイ測定装置の第 2の実施形態を示す図である。 図 2 0は、本発明のディスプレイ測定装置の第 3の実施形態を示す図である。 図 2 1は、本発明のディスプレイ測定装置の第 4の実施形態を示す図である。 図 2 2は、本発明のディスプレイ測定装置の第 5の実施形態を示す図である。 図 2 3は、本発明のディスプレイ測定装置の第 6の実施形態を示す図である。 図 2 4は、本発明のディスプレイ測定装置の第 7の実施形態を示す図である。 図 2 5は、本発明のディスプレイ測定装置の第 8の実施形態を示す図である。 図 2 6に、 T R Cのノード数と T R Cによって生成されるプロファイルの精 度との関係を示す。
図 2 7は、 ディスプレイのァ特性の例を示す図である。
図 2 8は、マトリックス形式のプロファイルのダンプコードを示す図である。 図 2 9は、 図 2 5の構成のより詳細な構成図である。
図 3 0は、本発明のディスプレイ測定装置の第 9の実施形態を示す図である。 図 3 1は、 図 3 0の構成のより詳細な構成図である。
図 3 2は、 本発明のディスプレイ測定装置の第 1 0の実施形態を示す図であ る。
図 3 3は、 本発明のディスプレイ測定装置の第 1 1の実施形態を示す図であ る。
図 3 4は、 本発明のディスプレイ測定装置の第 1 2の実施形態を示す図であ る。
図 3 5は、 第 1 2の実施形態において、 比較制御部の行う判断を人間が行う 場合の変形例を示す図である。 発明を実施するための最良の形態
第 1の問題点については、 一個あるいは複数個の色票をディスプレイ上に表 示するステップと、 色票を表示してからの経過時間を計数するステップと、 デ イスプレイ上に表示された色票の色を測定するステップとを備えることを特徴 とするディスプレイ測定方法によって解決される。
第 2の問題点については、 一個あるいは複数個の色票をディスプレイ上に表 示するステップと、ディスプレイ上に表示した色票の色を測定するステップと、 測定後に予め定めた画像をディスプレイ上に表示するステップと、 画像を表示 してからの経過時間を計数するステップとを備えることを特徴とするディスプ レイ測定方法によって解決される。
第 3の問題点については、 全ての色票の測定を行う前に予め定めた特定の画
像 (色票) をディスプレイ上に表示するステップと、 画像を表示してからの経 過時間を計数するステップと、 一個あるいは複数個の色票をディスプレイ上に 表示するステップと、 ディスプレイ上に表示された色票の色を測定するステツ プとを備えることを特徴とするディスプレイ測定方法によって解決される。 第 4の問題点は、 同じ色からなる、 基準サイズの色票とそれよりも小さな比 較サイズからなる色票を表示するステップと、 前記各色票を測定するステップ と、 各色票の測定値が異なる場合は基準サイズの大きさをより小さくするステ ップと、 各色票の測定値が同じであった場合は該基準サイズを色票のサイズと して設定するステップとを備えることを特徴とするディスプレイ測定方法によ つて解決される。
第 5の問題点は、 一個あるいは複数個の色票をディスプレイ上に表示するス テツプと、 ディスプレイ上に表示された色票の色を測定するステップと、 以前 に測定した色票の R G B値と今回の色票の R G B値の増減を比較するステップ と、 前記色票 R G B値比較ステップと測定値比較ステップのそれぞれの結果を 比較するステップとを備えることを特徴とするディスプレイ測定方法によって 解決される。
第 6の問題点は、 ディスプレイの階調値を測定するステップと、 測定して得 た階調データを元に階調数の異なる複数の T R C (Tone Reproduction Curve (階調特性曲線 (ァ曲線)) の値を離散的な点について記録したもの) を作成 するステップと、 上記 T R C生成ステップで生成した T R Cを元にプロフアイ ルの精度を検証するステップと、 最も精度の高い T R Cを用いてプロファイル を作成するステップとを備えることを特徴とするプロファイル作成方法によつ て解決される。
第 7の問題点は、少なくとも 2つ以上の無彩色の色票を測定するステップと、 前記無彩色測定ステップの測定結果をもとに無彩色画像の測定値のバラツキを
検出するステップと、 前記バラツキ算出ステップで算出されたバラツキ値と予 め定めた閾値とを比較するステップと、 ディスプレイの階調値を測定するステ ップとを備えることを特徴とするプロファイル作成方法によって解決される。 第 8の問題点は、 測定データを変換する基準データを保持するステップと、 基準値を用いて測定値を変換するステップと、 測定値を変換した値を用いてプ 口ファイルを作成するステップとを備え、 作成するプロファイル内に測定デー 夕を変換する基準値を格納することを特徴とするプロファイル作成方法によつ て解決される。
第 9の問題点は、 ディスプレイ上に表示した色票を測定するステップと、 測 定して得た格子デ一夕を元に格子数の異なる複数の L U Tを生成するステップ と、 上記 L U T生成ステップで生成した L U Tを元にプロファイルの精度を検 証するステップと、 最も精度の高い L U Tを用いてプロファイルを作成するス テツプとを備えることを特徴とするプロフアイル作成方法によつて解決される。 第 1 0の問題点は、 ディスプレイ上に表示した色票を測定するステップと、 測定して得た格子デー夕を元に格子数の異なる複数の L U Tを作成するステツ プと、 上記 L U T生成ステップで生成した L U Tを元にプロファイルの精度を 検証するステップと、 最も精度の高い L U Tを用いてプロファイルを作成する ステップとを備えることを特徴とするプロフアイル作成方法によつて解決され る。
第 1 1の問題点については、 ディスプレイ上に階調デ一夕の色票を表示する ステップと、 ディスプレイ上に表示した色票を測定するステップと、 R、 G、 Bの階調デ一夕の測定値から加法混色により格子データを生成するステップと、 格子データからプロフアイルを作成するステツプとを備えることを特徴とする プロファイル作成方法によって解決される。
第 1 2の問題点については、 ディスプレイ上に表示した色票を測定するステ
ップと、 マトリックスプロファイルを作成するステップと、 L U Tプロフアイ ルを作成するステップと、 生成したマトリックスプロファイルの精度を算出す るステップと、 算出した精度を元にどちらか一方のプロファイルを選択するス テツプとを備えることを特徴とするプロファイル作成方法によって解決される。 第 1 3の問題点については、 プロファイルを指定するステップと、 精度検証 用の色票を表示するステップと、 精度検証用の色票を測定するステップと、 指 定プロファイルを用いて得た演算値と精度検証用色票の測定結果とを比較する ステップと、 比較結果を元にプロファイルの精度を検証するステップとを備え るプロフアイル精度検証方法によつて解決される。
ディスプレイの表示直後の色は安定していないため、 このときの測定値は、 正しくディスプレイ特性を表しているものではない。 (問題点 1 )。 表示直後の 色はある程度の過渡状態を経た後に定常状態に移行する。 過渡状態は測定せず に定常状態になった段階で測定を行うことで、 第 1の問題点を回避できる。 そ のためには、 色票表示後、 予め定めた一定時間が経過した後に測定を開始する よう、 色票表示後から測定開始前までの間に時間間隔 (測定インターバル) を 設定すると良い。
図 6は、 第 1の問題点を解決するための処理の流れを示すフローチヤ一卜で ある。
まず、 ステップ S 1において、 色票をディスプレイに表示する。 次に、 ステ ップ S 2において、 一定時間を計数する。 そして、 一定時間経過後、 色票を測 定し (ステップ S 3 )、 ステップ S 4で、 処理を終了するか否かを判断する。 処理を終了しない場合には、 ステップ S 1に戻って処理を繰り返し、 処理を終 了する場合には、 測定を終了する。 ここで、 一定時間 (測定インターバル) は、 各ディスプレイの機種などによって適切に設定されるべきものとする。
測定インターバルはユーザが指定できるようにすることで、 ユーザが使用す
る機種に応じた測定インターバルを個別に設定可能とする。
表示した色票の色が過渡状態から定常状態に移行するまでの時間 (時定数) は、 大まかに機種によって分けられる。 一般に C R Tは短く、 L C D、 P D P は長い。 使用しているディスプレイの機種に応じて、 予め機種毎に設定してい る測定イン夕一バルを用いても良い。 また、 この時定数は色票によっても異な る場合がある。 明るい色票ほど長く、 暗い色票ほど短い。 このようなディスプ レイでは、 色票毎に異なる測定インターバルをセットしたり、 色票に応じて測 定イン夕一バルを増減することで、 色票に適した測定インターバルを用いるこ とができる。 また、 測定イン夕一バルを予めテーブル化しておく等も可能であ る。
また、 測定インターバルを自動で算出するようにしても良い。
図 7は、 測定ィンターバルを自動設定する場合の処理の流れを示すフローチ ャ一卜である。
まず、 ステップ S 5で、 色票を表示し、 ステップ S 6で、 色票を測定する。 ステップ S 7で、 前回の色票の測定値と今回の色票の測定値とを比較し、 測定 値が安定したか否か (測定値の変化が一定のしきい値以下になったか) を判断 する。 測定値が安定していない場合には、 ステップ S 6に戻って、 色票を再度 測定する。測定値が安定した場合には、 ステップ S 8で、 測定終了判断を行い、 測定を有しない場合には、 ステップ S 5に戻って測定を続ける。
ここでは、 色票表示後に該色票を連続して測定する。 前回の測定結果と比較 して変動が激しいときは、 まだ過渡状態であり、 変動が収まったときは定常状 態になったとみなすことができる。 定常状態になったと判断したとき、 該色票 の測定値を保持する。 また、 第 1回目の測定において色票表示後から定常状態 になったと判断した時間までを測定インターバルとして格納し、 第 2回目以降 の測定インターバルは第 1回目の結果を用いることで、 第 2回目以降の定常状
態判断処理をスキップしてもよい。 定常状態になるまでの時間が色票によって 異なる場合は、 第 1回目の測定結果を基準にして、 色票の値に応じて測定イン 夕一バルを増減させればよい。
ディスプレイによっては、 例えば、 赤 (R、 G、 B) = (255、 0、 0) を表示した後、 青 (0、 0、 255) を表示すると、 Rの画素は " 0" (Rの 画素には電圧をかけていない) にも関わらず、 わずかに光る場合がある。 この ようなディスプレイでは、 例えば、 同じ青 (0、 0、 255) であっても、 黒 (0、 0、 0) の次に表示した青 (0、 0、 255) と、 赤 (255、 0、 0) の次に表示した青 (0、 0、 255) とでは測定値が異なってしまう。 すなわ ち、直前に表示した色によって次に表示する色が変わってしまう (問題点 2)。 直前に表示した色が表示終了後にもディスプレイ表面に残っている現象を、 こ こでは 「焼き付き」 と呼ぶ。 焼き付きが生じる場合は、 1つの色票を表示して 測定した後に、 特定の画像をある一定期間 (色票表示インターバル) 表示し、 焼き付きが無くなった段階で次の色票を表示すれば良い。 このときディスプレ ィに表示される特性画像は焼き付きが生じない色、 すなわち黒 (0、 0、 0) の色票とし、 一定時間が経過した後に次の色票を表示して測定することで、 焼 き付きの影響を除去した測定が可能となる。 また、 色票表示インターバルを前 回表示していた各色に個別に設定してもよい。 更に、 焼き付きが無くなるまで の時間は、 大まかに機種によって分けられる。 一般に CRTは短く、 PDPは 長い。 使用しているディスプレイの機種に応じて、 予め機種毎に設定している 色票表示インタ一バルを用いても良い。 また、 焼き付きの継続時間は色票によ つても異なる場合がある。 明るい色票ほど長く、 暗い色票ほど短い。 このよう なディスプレイでは、 色票毎に異なる色票表示インターバルをセットしたり、 色票に応じて色票表示ィン夕ーバルを増減することで、 色票に適した色票表示 インターバルを用いることができる。 また、 色票表示イン夕一バルを自動で算
出するようにしても良い。
図 8は、 色票表示インタ一バルをおいて、 焼き付きによる色票測定値の誤差 を低減する場合の処理の流れを示すフローチャートである。
まず、 ステップ S 1 0において、 色票を表示し、 表示が定常状態に落ち着い たところで、 ステップ S 1 1において色票を測定する。 そして、 ステップ S 1 2で、特定の画像を表示してから一定時間(色票表示インターバル) を計数し、 ステップ S 1 3で、 測定終了判断を行う。 測定を継続する場合には、 ステップ S 1 0に戻って、 他の色票を表示し、 続けて処理を行う。 その他の場合は、 処 理を終了する。
図 9は、 色票表示インターバルを自動設定する場合の処理の流れを示すフロ —チヤ一トである。
ステップ S 1 5において、 色票を表示し、 ステップ S 1 6で、 色票を測定す る。ステップ S 1 7で、前回の色票の測定値と今回の色票の測定値とを比較し、 測定値が安定したか否かを判断する。 安定した場合には、 焼き付きがおさまつ たことを意味するので、 ステップ S 1 8で、 測定終了判断を行う。 測定値が安 定していない場合には、焼き付きがおさまつていないことを意味しているので、 ステップ S 1 6に戻って色票を再度測定する。 そして、 ステップ S 1 8で、 測 定を終了しない旨の判断が行われた場合には、 ステップ S 1 5に戻って、 他の 色票を表示する。
前の測定結果と比較して変動が激しいときは、 まだ焼き付きが残っており、 変動が収まったときは焼き付きが無くなったとみなすことができる。 焼き付き が無くなつたと判断したとき次の色票を表示する。 変動の測定については、 は じめに基準となる黒の画像を測定して、 その測定結果を基準値として保持して おき、 色票として黒の色票を測定し、 基準値と比較することで変動の有無を確 認しても良い。 第 1回目の測定において色票測定後から焼き付きが無くなった
と判断した時間を色票表示インターバルとして格納し、 第 2回目以降の色票表 示インターバルは第 1回目の結果を用いることで、 第 2回目以降の焼き付きの 有無を判別する処理をスキップすることができる。 定常状態になるまでの時間 が色票によって異なる場合は、 第 1回目の測定結果を基準にして、 色票の値に 応じて増減させれば良い。
ディスプレイの表示は、 電源投入後しばらく経過した後に安定する (問題点 3)。 ディスプレイの電源投入後、 ある特定の画像を表示して一定時間 (測定 開始インターバル)経過した後に色票を表示し、色票の測定を開始することで、 ディスプレイ表示が安定した段階で測定を開始することができる。 測定開始ィ ンターバルは 1回の測定について、最初の 1回のみ考慮するだけでよい。また、 測定開始ィン夕一バルはユーザが指定できるようにすることで、 ユーザが使用 する機種に応じた測定開始インタ一バルを個別に設定できるようにしてもよい。 更に、 定常状態になるまでの時間は、 大まかに機種によって分けられる。 一般 に CRTは短く、 PDPは長い。 使用しているディスプレイの機種に応じて、 予め機種毎に設定している色票表示イン夕一バルを用いても良い。
ディスプレイの階調特性はァ曲線と呼ばれる波形に近似できることが知られ ている。 図 10にァ曲線の例を示す。 図 10の階調特性のディスプレイは、
(出力) = (入力) r (r=2. 2) (1)
のモデルで表すことができる。 このとき、 このディスプレイを 「ガンマ 2. 2 のディスプレイ」 と呼ぶ。 ディスプレイによっては背景が光っているものや、 入出力特性の立ち上がりが、 より急なものもある。 このようなディスプレイで は、 上記のモデル式で単純に表すことはできず、
(出力) =a(入力 + b) +c
( γ=2. 2、a =1. 5、b=1. 8 、 c=2. 3) ■ "(2)
といった、 より複雑なモデルで表現する必要がある。 式 (2) で示されるモデ
ルに従ったァ曲線の様子を図 1 1に示す。 マトリックスプロファイルは上記 ( 1 ) 式のモデルを対象にしており、 それ以外の複雑なモデルは対象にしてい ないため、 このようなモデルのディスプレイの測定値から生成したプロフアイ ルでは、 十分な色合わせ精度を期待できない。 上記 (1 ) 式以外にも複数のモ デル、 例えば、 出力 = (入力) r+c ( 3)
出力 =a (入力 y+c (4)
出力 =a (入力 + b +c ( 5) などのモデルを用意し、 測定した結果からどのモデルかを判定し、 それぞれの パラメ一夕を算出することで、該ディスプレイのモデルを把握する事ができる。 それらのパラメータをプロファイル内に格納することで、 上記 (3 ) 〜 (5 ) のモデルにも対応した C M Sでは、 従来のモデル (1 ) にしか対応していない C M Sよりも、 より高い精度の色合わせを行うことができる。
ディスプレイによっては、 消費電力を一定値以下に納めるなどの理由から、 表示する色あるいは表示する面積などによって、 ディスプレイパネルに印加す る電圧を制御するものがある (問題点 4 )。 現在のディスプレイでは、 特に電 力消費が大きい P D Pにおいて、 この方法が一般的に用いられている。 このよ うな機能は、 ディスプレイの消費電力がある一定値を越えたら動作するように 設計されている。 従って、 色票の表示面積が十分小さければ、 電力制御は動作 しない。
図 1 2は、 消費電力可変のディスプレイにおける色票の測定処理の流れを示 すフローチヤ一卜である。
まず、 ステップ S 2 0において、 色票を表示し、 ステップ S 2 1で、 色票を 測定する。 そして、 ステップ S 2 2で、 測定した色票よりも小さいサイズの色
票を表示し、 ステップ S 2 3で、 小さいサイズの色票を測定する。 ステップ S 2 4で、 ステップ S 2 1で、 測定した色票の測定値とステップ S 2 3で測定し た色票の測定値との差が閾値以下か否かを判断する。 閾値以下であると判断さ れた場合には、 電力制御が行われなかったと考えられるので、 ステップ S 2 5 で、 色票のサイズをステップ S 2 2で設定した色票のサイズに設定する。 ステ ップ S 2 4で、 測定値の差が閾値以下ではないと判断された場合には、 電力制 御が行われたと考え、 ステップ S 2 2に戻って、 更に小さいサイズの色票につ いて処理を行う。 ここで、 閾値は当業者によって適宜定められるべきものであ る。
このように、 予め定めたサイズの色票を測定し、 次にサイズを小さくして測 定する。 2つの測定結果が異なっていれば、 電力制御が動作していることが予 想される。 このとき、 更にサイズを小さくして測定を繰り返す。 測定結果が同 じになった段階で、 該サイズでは電力制御が行われないことが判明するので、 色票のサイズを該サイズに設定し、 色票として表示する。 白を表示したとき、 R、 G、 Bそれぞれの画素が最大値で発光している。 消費電力は、 白を表示し たときが最大になるため、 電力制御が働いていないサイズの検出に用いる色票 の色は白 (2 5 5、 2 5 5、 2 5 5 ) が望ましい。 電力制御が行われないサイ ズを決定したら、 これを保持し、 2回目以降はこの保持したサイズを使用する ようにしても良い。
ディスプレイを測定するときに、 何らかの原因でミスがあってもユーザには それがわかりにくい (問題点 5 )。 ミスを生じた測定結果から作成したプロフ アイルでは、 当然のことながら、 高い精度の色合わせは期待できない。 測定中 にミスの有無を検出する必要がある。 ディスプレイについては、 測定値につい て、 加法混色が成立しているかどうかを確認することで、 測定ミスを検出でき る。
あるいは、 測色値 (XYZ値) と色票値 (RGB値) には相関関係がある。 一般的に RGB値が増加すれば C I EXYZ値も増加する。 RGB値の増減に 対して、 XYZも増減しているかチェックすることで測定ミスを検出できる。 ディスプレイには加法混色が成り立つため、 白 (255、 255、 255) の測定値は、 他のどのような色の測定値よりも大きい。 白の測定値とその他の 色の測定値とを比較し、 白の結果が最も大きいかどうかを確認することで、 測 定ミスの有無を検出できる。 白の測定を一番最初に行って、 その測定値を保持 しておいて、 2番目以降の測定値と比較しても良いし、 測定終了後に白の測定 結果を用いて他の色の測定結果と比較しても良い。 このとき、 比較は測定値の 要素全て (例えば C I EXYZ値の場合は、 X値、 Y値、 Z値) で行っても良 いし、 いずれかの要素のみで行っても良い。 比較対象とする色は白に限らず、 任意の色を使用しても良い。
このような測定値のチェック段階において、 異常を発見した場合は WARN I NGメッセージを出す、 BEEP音を鳴らす等の手段で測定者に知らせるこ とが望ましい。 測定者はメッセージを受けて、 測定器がずれていないか、 外光 が漏れ込んでいないかなどの確認を行い、 直ちに測定ミスに対して対処するこ とができる。
マトリックスプロファイルでは、 階調データとして R、 G、 Bそれぞれの階 調値を TRCとして格納する。 TRCは最大値を 65535、 最小値を 0とし て、 0〜65535の範囲の値で表される。 TRCを表現するノードの数が増 えれば、 その分プロファイルサイズも増加するため、 TRCのノード数が少な くても高い精度が得られるプロファイルを作成することが望ましい (問題点 7)。 R、 G、 B値の測定結果をもとにノード数が異なる TRCをいくつか作成 し、 それぞれの TRCを用いた場合の色再現精度を算出して、 最も精度の高い TRCをプロファイル内に格納することで、 最も精度の良いプロファイルが作
成できる。 図 13に TRCのノード数と精度の関係を表した図を示す。 CRT の場合、 ある一定数以上は、 TRCのノード数が増えても精度は向上しない。 もちろん、 TRCのノード数を大きくすれば、 精度は高いが、 TRCのノード 数が多い分、 ファイルサイズも多くなる。 従って、 精度の向上が飽和すること を利用して、 このようなディスプレイでは TRCのノード数は 16個くらいに 設定するのが良い。 TRCのノード数に対応する精度とファイルサイズとを比 較して、 最も効率の良い TRCのノード数を選択することで、 少ないプロファ ィルサイズでも最大限の性能を引き出すことができる。 マトリックスプロファ ィルでは、 TRC (ァ曲線の各離散点における数値を記憶したもの) の代わり にァ係数値を格納する方法もある。 ディスプレイの階調特性を調べて、 入力と 出力の関係が (出力) = (入力) τで近似できる場合は、 TRCでなくァ係数 値を格納すれば良い。
図 14は、 TRCあるいはァ係数値を格納したプロファイルの作成処理の流 れを示すフローチヤ一トである。
まず、 ステップ S 30で、 特定の色の色票を表示する。 ステップ S 31で、 色票を測定し、 ステップ S 32で、 必要な全ての色の色票について測定が終わ つたか否かを判断する。 全ての測定が終わっていない場合には、 ステップ S 3 0に戻って、 測定を続ける。 全ての測定が終わった場合には、 ステップ S 33 に進んで、 TRCからァ係数値を算出する。 そして、 ステップ S 34で、 算出 されたァ係数に基づく入出力関係の精度を算出し、 ステップ S 35で、 算出さ れたァ係数値に基づく入出力関係と測定結果の誤差が閾値以下であるか否かを 判断する。 誤差が閾値以下である場合には、 7"係数値を使用したプロファイル の精度が良いことになるので、 ステップ S 37で、 ァ係数値を格納したプロフ アイルを作成する。ステップ S 35で、誤差が閾値以上と判断された場合には、 算出されたァ係数値による入出力関係が十分な精度を有していないので、 ステ
ップ S 36で、 TRCを格納したプロファイルを作成し、 処理を終了する。 最適な T R Cのノード数はディスプレイの種類によって異なる(問題点 6 )。 従って、 ディスプレイの種類 (または機種) 毎に最適な TRCのノード数を格 納したデータを用意し、 ディスプレイの種類 (または機種) に応じて選択する ようにしても良い。 I CCプロファイルには、 R、 G、 B個別に TRCを格納 するが、 必ずしも R、 G、 B個別に測定したものを格納する必要はない。 白の 階調データを測定して TRCを作成し、 それを R、 G、 Bの TRCとして格納 しても良い。 特に CRTにおいては、 赤、 緑、 青の階調特性はほとんど変わら ない。 赤、 緑、 青の階調特性が同じか否かは、 無彩色の中間調 (灰色) を測定 することで判定することができる。 すなわち、 赤、 緑、 青の階調特性が同じで あれば、 灰色の色度値はどの灰色でも変わらない。 一方、 階調にばらつきがあ るディスプレイでは、 例えば、 青のァ係数値が赤、 緑よりも小さい場合は、 暗 い灰色から明るくなるにつれて灰色は青つぼくなり、 ある点を超えると白っぽ くなる。 中間調のグレーと白の色度値を測定し、 変わらなければ白、 あるいは 赤、 緑、 青のいずれか 1つの階調データから TRCを作成し、 赤、 緑、 青の T RCとして格納することで、 必要な測定数を削減することができる。 中間調の グレーと白の色度値が変化する場合には各色に対し階調特性を調べて TRCを 作る必要がある。
I CCプロファイルでは、 色票の測定値は基準色 (D 50) との比の形で格 納されるが、 色は光の強度によっても見えが変わる (ベツォルト =プリュッケ 現象:問題点 8)。 予め基準となる色を設定し、 基準となる色の測定値を基に 測定データを変更して、 その結果をもとにプロファイルを作成し、 プロフアイ ル内に基準値も格納することで、 プロファイル内の数値を一意に決定すること ができる。 また、 測定値そのものを格納しても良い。 このようなプロファイル を用いれば、 ベツォルト =プリュッケ現象による色の見えの違いも考慮した C
MSが可能となる。
現在の表示装置は、 ディスプレイ、 ディスプレイカードまたは OSなどでデ イスプレイの表示特性を変更できるものがある。 ディスプレイのプロファイル は、 ディスプレイの表示特性毎に異なるため、 それぞれについてディスプレイ 特性を測定してプロファイルを作る必要がある (問題点 9)。 しかし、 例えば 階調特性が変わった場合、 R、 G、 B、 W値は変わらず TRCのみが変わる。 同様に、 色温度が変わったときは、 TRCは変わらず R、 G、 B、 Wの値のみ が変わる。 従って、 測定して作成したプロファイルを基準に、 測定を行わずに TRCのみ変更すれば階調特性のみ変化させたプロファイルが生成できる。 同 様に、 測定して作成したプロファイルを基準に、 測定を行わずに色温度を変化 させたときの R、 G、 B、 W値のみを変更すれば、 色温度の違うプロファイル を生成できる。 ディスプレイの表示特性は、 ディスプレイ単体だけではなく、 ディスプレイカードなどの組み合わせによって決まる。 従って、 ディスプレイ カードの設定がァ 2. 2であっても、 本当にァ 2. 2である保証はない。 ディ スプレイによっては、 ァ 1. 8であったり、 Ύ 2. 9である場合がある。 色温 度についても同様で、 ディスプレイ上で 9300Kと設定しても、 ディスプレ ィカードによっては 10000Kを越えていたり、 8000 K程度である場合 もある。 このようなときは、 実際に色温度を測定して測定結果を格納する必要 がある。 しかし、全ての測定を行う必要はない。ディスプレイの階調特性は(出 力) = (入力) τで近似できる。 従って、 階調特性上の N点 (N≥2) が判明 すれば 7"を算出することができる。
図 15にァ特性の図を、 図 16に処理の流れを示すフローチャートを示す。 図 16のステップ S 40において、 基本となるプロファイルを指定し、 ステ ップ S 41で、 階調特性上の中間点の色票を測定する。 そして、 ステップ S 4 2で、 TRC、 あるいは、 ァ係数値を算出し、 ステップ S 43で、 プロフアイ
ル内の TRC部分あるいはァ係数値部分を更新し、 処理を終了する。
白 (255、 255、 255) の測定値の輝度が 100 c d/m2, 灰色 ( 1 28、 128、 128) の輝度が 28. 7 c d Zm2であったとする。 このと き、 灰色の輝度は白の輝度に対して 0. 287である。 一方、 RGB値の比は (255、 255、 255) に対して (128、 128、 128) なので、 0. 502となる。 以上を (出力) = (入力) τの関係式に代入すると、 0. 28 7 = 0. 502rとなり、 ァ = 1. 8が求まる。 ァ 1. 8を基に TRCを生成 してプロファイルに格納することで、 少ない測定数で精度の高いプロファイル を作成できる。中間点は 1点だけでもよいが、 2点 3点と多く測定することで、 より精度の高い TRCあるいはァ係数値を算出することができる。 同様に色温 度に関しても白 1色のみを測定して、 その測定値を基にプロファイル内に格納 する R、 G、 B、 Wの値を算出できる。 算出した結果をプロファイルに格納す れば 1色の測定だけで正確な色温度のプロファイルを作成できる。
LUTプロファイルは入力に対する出力を LUT (Look Up Table) 形 式で格納したプロファイルである。 R、 G、 B値は 8 b i tなので、 256 X 256 X 256個の LUT (これを 256格子 LUTと称する)を保持すれば、 最も精度の高いプロファイルが生成できる。 しかし、 256格子のし11丁では 1600万個ものデータを格納することが必要となるため、現実的ではない(問 題点 10)。 実際は 8格子、 1 0格子といった少ない格子数を格納し、 データ の格納されていない部分は周囲の情報 (格子点) から補間する。 T.RCの場合 と同様、 測定デ一夕を基に格子数の異なる複数の LUTを作成し、 各 LUTの 精度をもとめ、最も精度の高い LUTを用いてプロファイルを作成することで、 精度の高いプロファイルが可能となる。また、 LUTプロファイルについても、 マトリックスプロファイル同様、 ある格子数以上はあまり精度が向上しなくな る。 一方、 プロファイルサイズは格子数の 3乗で大きくなる。 プロファイルサ
ィズと LUT精度を加味して LUTを選択することでより効率の良い LUTプ ロフアイル作成が可能となる。
LUT数と精度の関係は、 ディスプレイの種類(あるいは機種) に依存する。 例えば、 CRTでは少ない格子数でも高い精度が得られる。 ディスプレイ毎に 予め格子数を決めておき、 ディスプレイの種類に応じて格子数を選択しても良 い。
マトリックスプロファイルは階調データを格納するため、 最大でも 769色 (R、 G、 Bそれぞれ 256階調と白 (255、 255、 255) 1色) を測 定すればよい。 それに対して LUTプロファイルは最大 1677万色以上 (2 5 6 X 2 5 6 X 2 5 6色) 測定する必要がある (問題点 1 1)。 格子数 10の LUTでも 1000色測らなければならない。 格子数を多くして精度の高いプ 口ファイルを作るためには、 膨大な量の測定を行わなければならない。 デイス プレイには加法混色により格子デ一夕の測定値を算出することで、 少ない測定 数でも格子数の多い LUTプロファイルを作成できる。 例えば、 9格子の LU Tプロファイルを作成する場合でも、 729色 (93) の測定数が 28色 (3 X 9 + 1) に削減できる。 ところが、 ディスプレイによっては黒を表示してい るにも関わらず光っているなどの影響から、 加法混色精度が低く、 加法混色演 算値と測定値との誤差が大きいディスプレイがある。 そのようなディスプレイ では加法混色で測定値を算出した場合のプロファイル精度は劣化する。 そのよ うな場合は、 予め加法混色精度を確認し、 加法混色精度の高いディスプレイは 階調値を測定して加法混色により格子データを生成し、 加法混色精度の低いデ イスプレイでは、 格子データを測定するようにすれば良い。
図 17は、 加法混色特性を利用して LUTプロファイルを生成する処理の流 れを示すフローチヤ一トである。
まず、 ステップ S 45で、 1次色の色票を表示する。 そして、 ステップ S 4
6で、 色票を測定し、 ステップ S 4 7で、 全ての色票を測定したか否かを判断 する。全ての色票を測定し終わっていない場合には、ステップ S 4 5に戻って、 次の色票を測定する。 ステップ S 4 7で、 全ての色票について測定が終わった と判断された場合には、 ステップ S 4 8において、 加法混色により 2次、 3次 色を算出する。 そして、 ステップ S 4 7で L U T格子を生成し、 ステップ S 5 0で、 プロファイルを作成して処理を終了する。
加法混色精度によって測定するデータを切り替えることで、 加法混色精度の 高いディスプレイについてのみ少ない測定数で精度の高いプロファイルを作成 できる。 加法混色精度の低いディスプレイは格子データを測定するため、 プロ ファイル精度の劣化は生じない。 階調データの加法混色だけでなく、 階調デー 夕と格子デ一夕の両方を用いて格子データを生成しても良い。 例えば、 1 7階 調の階調データを用いて 1 7格子の測定データを生成する際に、 加法混色値に 対して 5格子の測定データの結果を用いて補正することで、 より精度の高い格 子データが生成できる。この場合でも格子データを測定値から作成する場合は、 4 9 1 3色の測定が必要なのに対して、 1 7 5色 (1 7階調 5 0色 + 5格子 1 2 5色) の測定だけで良い。
ディスプレイのプロファイル形式はマトリックスプロファイルと L U Tプロ ファイルがある。 ディスプレイによってはマトリックスプロファイルの方が精 度が良い場合もあるし、 逆に L U Tプロフアイルの方が精度が良い場合もある (問題点 1 2 )。 プロファイル作成時に L U Tプロファイル、 マトリックスプ 口ファイルの双方を作成し、 各プロファイルの精度を求め、 より精度が高いプ ロフアイルのみ選択することで、 ユーザがプロファイル形式を選択することな く、 常に精度の高い方のプロファイルを得ることができる。
ディスプレイの加法混色精度が高い場合は、 L U Tプロファイルよりもマト リックスプロファイルの方が精度が高い、 また、 ファイルサイズも小さい。 現
在のディスプレイ、 特に C R Tは加法混色精度が高いため、 L U Tプロフアイ ルよりもマトリックスプロファイルの方が精度が高い。作成に要する測定数も、 L U Tプロファイルはマトリックスプロファイルよりも多い。 従って、 まず最 初にマトリックスプロファイルを作成してその精度を確認し、 予め定めた精度 以下であれば、 加法混色精度の悪いディスプレイであるとみなして L U Tプロ ファイルを作成し、 改めて L U Tプロファイルの精度とマトリックスプロファ ィルの精度とを比較し、 より精度の高いプロファイルを選択するようにしても 良い。 各プロファイルの精度はディスプレイの種類 (あるいは機種) によって 異なる。 予めディスプレイの種類毎に作成するプロファイル形式を設定してお き、 ディスプレイの種類でプロファイル形式を選択しても良い。
プロファイルを作成しても、 ユーザはそのプロファイルの精度をその場で検 証することはできない (問題点 1 3 )。 ディスプレイを測定することで、 ディ スプレイプロファイルの精度を検証することができる。 精度検証用の色票を測 定して得た測定結果と、 検証用色票を入力値としてプロファイルを通して得た 出力値とを比較することで、 精度を確認することができる。
実際の画像を用いることで、 より直接的にプロファイルの精度を確認するこ とができる。 プロファイルを用いることで、 C M Sは入力値(例えば R G B値) を共通の色信号 (例えば C I E L A B値) に変換し、 また、 共通色信号から R G B値に逆変換することができる。 作成したプロファイルを用いて画像を共通 色信号に変換し、 更に同じプロファイルを用いて逆変換する。 このとき、 同じ プロファイルを用いて色変換しているため、 入力画像と出力画像は同じになる はずである。 実際は演算誤差や丸め誤差により、 値は変わってしまう。 入力画 像と出力画像とをディスプレイに表示(あるいはプリン夕印刷) して比較する。 プロファイルの精度が悪ければ、 入力画像と出力画像の色は変わってくる。 入 力画像と出力画像の違いが分からなければ、 プロファイルの精度は良いとみな
すことができる。 このようなプロフアイル精度の検証はプロフアイル作成と組 み合わせて行うことで、 精度の低いプロファイルを用いる危険性を少なくする ことができる。 また、 プロファイル作成後に評価用の測定を行って作成したプ 口ファイルの精度を確認したり、 プロフアイル作成後に作成したプロファイル で画像を変換し、 入力画像と出力画像の違いを確認することでプロファイルの 精度を検証する。
図 1 8は、本発明のディスプレイ測定装置の第 1の実施形態を示す図である。 色票保持部 1 0 0にはディスプレイの特性を測定するための色票を保持する。 色票表示部 1 0 1 (例えばフレームバッファ) は色票データを受け取り描画し てディスプレイ上に表示する。 色票表示終了後、 色票表示部 1 0 1は色票表示 信号を夕イマ 1 0 2に送る。 タイマは色票表示信号受信後一定時間をカウント し、 一定時間経過後、 トリガ信号を測定制御部 1 0 3に送る。 測定制御部 1 0 3はトリガ信号を受けた段階でセンサ 1 0 4を用いてディスプレイ上の色票を 測定する。 測定終了後、 測定値は出力され、 測定制御部は色票出力信号を色票 保持部 1 0 0に送る。 色票保持部 1 0 0は色票出力信号を受けて次の色票を色 票表示部 1 0 1に出力する。 夕イマ 1 0 2がカウントする時間はユーザが設定 しても良いし、 ディスプレイの機種あるいは種類毎にカウント時間を保持して いるファイルを参照しても良い。 また、 色票毎に異なるカウント時間を設定し ても良い。
図 1 9は、本発明のディスプレイ測定装置の第 2の実施形態を示す図である。 色票保持部 1 0 0にはディスプレイの特性を測定するための色票を保持する。 色票表示部 1 0 1は色票デ一夕を受け取り描画してディスプレイ上に表示する。 色票表示終了後、 色票表示部 1 0 1はトリガ信号を測定制御部 1 0 3に送る。 測定制御部 1 0 3はトリガ信号を受けた段階でセンサ 1 0 4を用いてディスプ レイ上の色票を測定する。 測定結果は測定値比較部 1 0 5に送られ、 同じ色票
を測定した結果と比較する。 比較した結果、 差が大きいときは測定値比較部 1 0 5はトリガ信号を測定制御部 1 0 3に送る。 測定制御部 1 0 3は測定値比較 部 1 0 5からのトリガ信号を受けて、 再度測定を行い測定値を測定値比較部に 送る。 測定値の差が小さいと判断した段階で、 測定値比較部 1 0 5は最新の測 定結果を出力し、 色票出力信号を測定制御部 1 0 3に送る際に、 夕イマを加え ても良い。 一定時間経過後に再測定を行うことで、 測定回数を少なくすること ができる。
図 2 0は、本発明のディスプレイ測定装置の第 3の実施形態を示す図である。 色票表示終了後、 色票表示部 1 0 1は色票表示信号を夕イマ 1 0 2に送る。 夕イマには最初は任意の値 (例えば、 " 0 ") が格納されている。 色票表示信号 受信後設定値までカウントし、 一定時間経過後、 トリガ信号を測定制御部 1 0 3に送る。 測定制御部 1 0 3はトリガ信号を受けた段階でセンサ 1 0 4を用い てディスプレイ上の色票を測定する。 最初、 M P X 1 0 7 (例えば、 バッファ やセレクタ) は測定結果を測定値比較部 1 0 5に送付する。 測定値比較部は、 測定結果と比較する。 比較した結果、 差が大きいときは測定値比較部 1 0 5は トリガ信号を測定制御部 1 0 3に送る。測定値比較部 1 0 5は該色票について、 最初の測定結果を受け取つたときは比較の代わりにカウント開始信号を力ゥン 夕 1 0 6に送る。 カウンタ 1 0 6はカウント開始信号を受け取って、 時間の計 数を開始する。 測定値の差が小さいと判断した段階で、 測定値比較部 1 0 5は 最新の測定結果を出力し、 色票出力信号を色票保持部 1 0 0に送り、 更にカウ ント終了信号をカウン夕 1 0 6に送る。 カウン夕 1 0 6ではカウント終了信号 を受け取ると時間の計数を止め、 計数結果をタイマ 1 0 2に送ると共に、 切り 替え信号を M P X 1 0 7に送る。 夕イマ 1 0 2は送られてきたタイマ値をセッ 卜する。 M P X 1 0 7は切り替え信号を受信後は、 測定値をそのまま端子へ出 力する。
図 2 1は、本発明のディスプレイ測定装置の第 4の実施形態を示す図である。 色票保持部 1 0 0にはディスプレイの特性を測定するための色票を保持する。 色票表示部 1 0 1は色票データを受け取り描画してディスプレイ上に表示する。 色票表示終了後、 色票表示部 1 0 1はトリガ信号を測定制御部 1 0 3に送る。 測定制御部 1 0 3はトリガ信号を受けた段階でセンサ 1 0 4を用いてディスプ レイ上の色票を測定する。 測定結果は端子から出力する。 また、 測定制御部 1 0 3は画像制御部 1 0 8に画像切り替え信号を送る。 画像制御部 1 0 8は画像 保持部 1 1 0に信号を送ると共にタイマ 1 0 9にもカウント開始信号を送る。 画像保持部 1 1 0は保持している画像 (例えば黒のみからなる画像) を表示部 1 0 1に送る。 表示部 1 0 1は画像を描画してディスプレイに送信する。 この とき表示部はトリガを測定制御部には送らない。 一方、 夕イマ 1 0 9はカウン ト開始信号を受けて時間の計数を開始する。 予め定めた一定時間経過後、 経過 信号を画王制御部 1 0 8に送る。 画像制御部 1 0 8は経過信号を受けると画像 切り替え信号を色票保持部 1 0 0に送り、 次の色票の表示を行う。 夕イマ 1 0 9がカウントする時間はユーザが設定しても良いし、 ディスプレイの機種ある いは種類毎にカウント時間を保持しているファイルを参照しても良い。 また、 色票毎に異なるカウント時間を設定しても良い。
また、 タイマを用いる代わりに画像を連続して測定して焼き付きの有無を検 出しても良い。
図 2 2は、本発明のディスプレイ測定装置の第 5の実施形態を示す図である。 色票保持部 1 0 0にはディスプレイの特性を測定するための色票を保持する。 色票表示部 1 0 1は色票データを受け取り描画してディスプレイ上に表示する。 色票表示終了後、 色票表示部 1 0 1はトリガ信号を測定制御部 1 0 3に送る。 測定制御部 1 0 3はトリガ信号を受けた段階でセンサ 1 0 4を用いてディスプ レイ上の色票を測定する。 M P X 1 1 1 (例えば、 セレクタなど) は測定結果
を端子へと出力する。 また、 測定制御部 1 0 3は画像制御部 1 0 8に画像切り 替え信号を送ると共に M P X 1 1 1に切り替え信号を送る。 画像制御部 1 0 8 は画像保持部 1 1 0に信号を送る。 画像保持部 1 1 0は保持している画像 (例 えば黒のみからなる画像) を表示部 1 0 1に送る。 表示部 1 0 1は画像を描画 してディスプレイに送信する。 このとき表示部は再度トリガを測定制御部に送 る。 測定結果は M P X 1 1 1により測定値比較部 1 1 2に送る。 測定値比較部 は該画像の測定結果を前回の測定結果と比較し、 測定値の誤差が大きいときは 測定値比較部はトリガ信号を測定制御部に送る。 測定制御部は測定値比較部か らのトリガ信号を受けて、再度測定を行い測定値を測定値比較部 1 0 8に送る。 画像制御部 1 0 8は画像切り替え信号を受け取ると画像切り替え信号を色票保 持部 1 0 0に送り、 次の色票の表示を行う。
図示はしないが、 測定に先立って画像 (例えば黒のみからなる画像) を測定 し、 その結果を保持して比較部 1 1 2で用いても良い。 現在測定している画像 の測定値が保持している測定結果に近くなつた段階で画像切り替え信号を送り、 次の色票の表示を行う。
図 2 3は、本発明のディスプレイ測定装置の第 6の実施形態を示す図である。 本発明では、 焼き付きが無くなつたと判断されるまでの時間をカウン夕 1 1 3で計数し、 その時間をインターバルとしてセットする。 それ以後は画像の測 定は行わずに、 カウンタでの時間計数結果がインターバルに達した段階で次の 色票を表示する。
ディスプレイの測定結果から、 ディスプレイのモデル化を行い、 モデルの各 パラメータを設定する方法について、 その例を述べる。
ディスプレイのモデルを
(出力) = (入力) ァ モデル 1
(出力) = a (入力) r モデル 2
(出力) =a (入力) r +b モデル 3 の 3種とみなす。 ここには変数が 3つ (a、 b、 r) あるため、 最低 2つの測 定値があれば、 連立方程式から、 それぞれのパラメ一夕を解くことができる。 例えば、 測定結果が、
表 1 _測定結果の例と各モデルの測定値との誤差
No 入力 出力 モデル 1 モデル 2 モデル 3
1 0 0.17 0 0 0.17
2 0.2 0.19 0.07373 0.11107 0.19406
3 0.4 0.278 0.22664 0.27348 0.28056
4 0.6 0.438 0.43712 0.46328 0.43978
5 0.8 0.677 0.69664 0.67338 0.67801
6 1 1 1 0.9 1 出力との平均誤差 ': 0.05969 0.06373 0.00157
であったとする。モデル 1のパラメ一夕を No 4の結果から算出するとァ= 1. 62となる。 また、 モデル 2のパラメ一夕を No 3、 No 5の結果から算出す ると a = 0. 9、 r=l. 3となる。 更にモデル 3のパラメータを No 1、 4、 6の結果から算出すると a = 0. 83、 b = 0. 17、 r = 2. 2となる。 そ れぞれのモデルで各パラメ一夕の値を用いて出力を算出した結果が上表右であ る。 誤差はモデル 3が最も小さい。 従って、 このディスプレイのモデルは、 出力 =a (入力) T+b (a = 0. 8、 b= 0. 17、 r = 2. 2) が最も近似できることが判明した。 このときの各パラメ一夕の値をプロフアイ ルに格納する。 I CCプロファイルでは、 ディスプレイのモデルは上記 (1) しか想定していない。 このような複数のモデルを設定し、 最も誤差の低いモデ ルのパラメータもプロファイルに格納することで、 これら複数のモデルにも対 応した CMSでは、 より精度の高い色合わせが実現できる。
図 24は、本発明のディスプレイ測定装置の第 7の実施形態を示す図である。 色票値保持部 114は色票の RGB値を保持する。 色票作成部 115はサイ
ズ保持部 1 1 6に保持された色票のサイズと色票値保持部 1 1 4に保持された R G B値に従って色票を作成する。 このとき、 まず白 (2 5 5、 2 5 5、 2 5 5 ) の画像を作成し、 ディスプレイに表示する。 色票作成部 1 1 5は測定開始 信号(トリガ) を測定制御部 1 1 8に送る。測定制御部はトリガ信号に従って、 センサ 1 1 9を制御してディスプレイ上に表示された画像の測定値を取り込む c 次に測定制御部 1 1 8はサイズ変更信号をサイズ保持部 1 1 6に送る。 サイズ 制御部はサイズ変更部 1 1 7にサイズ変更信号を送り、 ひとまわり小さな色票 サイズを保持し、 色票表示部に送る。 色票表示部はひとまわり小さな色票を表 示し、 測定制御部はその測定値を測定する。 両者の測定値を比較し、 後者の測 定値が前者の測定値よりも明るいものであれば、 電力制御が働いているとみな すことができる。 測定結果が同じ (誤差範囲内に収まるよう) になるまでサイ ズを少しずつ小さくして上記処理を繰り返す。 測定結果が同じになれば、 サイ ズ固定信号をサイズ保持部 1 1 6に送付する。 サイズ保持部はそのときのサイ ズか、 または 1つ前のサイズを保持し、 それ以後の色票では該サイズを使用す る。
加法混色を用いた測定ミスの検出方法について述べる。 ディスプレイには加 法混色が成り立つため、 ある色 C ( r、 g、 b ) の測定値は、 赤 R ( r、 0、 0 ) と緑 G ( 0、 g、 0 ) と青 B ( 0、 0、 b ) の和と等しい。 測定誤差や背 面発光などの影響で、多少の誤差は生じるものの、ある一定値以下には収まる。 表 2に富士通製 C R T (FMV-DP978) の測定結果を示す。
表 2 CRTの加法混色性能
(誤差は sqrt {(X 1 -X2) 2+ (Y l— Y2) 2+ (Z 1—Z 2) 2} で 算出)
この表では、 例えば (R、 G、 B) = (128、 128、 0) の加法混色値 は (R、 G、 B) = (128、 0、 0) の測定値と (R、 G、 B) = (0, 1 28、 0) の測定値の和で算出している。 この表で分かるように、 誤差は測定 値 (C I EXYZ値) で 5以下で、 X、 Y、 Ζ個々の差では 3以下となってい る。 測定した 2次色の色 (R、 G、 Bのうち 2画素以上が点灯している色)、
3次色の色 (R、 G、 Bの画素全てが点灯している色) について、 1次色 (R、
G、 Bいずれかの画素 1つが点灯している) の和と測定値との誤差を算出し、 閾値以下かどうかをチェックすることで、 測定ミスの有無を検出できる。
色票の RGB値の増減と XYZ値の増減から測定ミスをチェックする方法に ついて述べる。 表 3に富士通製 CRT (FMV-DP978) の測定結果を示す。
—表 3 測色値と色票値の相関
RGB値 測定値
R G B X Y Z
0 0 0 1.8858 1.4568 1.3481
0 0 64 3.6178 2.3585 11.2312
0 0 128 10.1569 5.6292 45.6539
0 0 191 20.5493 10.8486 101.304
0 0 255 38.4387 19.719 196.851
この表は青が増加したときの色測値を示している。 青の増加に伴って、 X、 Y、 Ζ値のいずれも増加している。 増加量は Ζ値が最も大きい。 同様に赤、 緑 の増加に対しても、 ΧΥΖいずれも増加するが、 赤では Xの増加が最も多く、
緑では Yの増加が最も多い。 このように、 色票値と測定値を比較することで、 例えば色票の RGB値は増加しているのに測定値は小さくなつている場合や、 青が増加しているのに X値が増加している場合、 何らかの測定ミスが発生して いることが考えられる。 前後の測定値を比較することで、 測定ミスを検出でき る。
加法混色で言えば、 白の C I EXYZ値は他のどの色よりも大きいはずであ る。 従って、 最初に白を測定し、 その C I EXYZ値を保持して、 それ以後の 測定値と比較することで、 測定ミスを検出することができる。 何らかの原因で 測定器に外光が入ってしまつた場合等は、 測定値が白よりも大きくなるときが ある。 このようなエラーを簡単に検出することができる。 このとき、 XYZ値 全てではなく、 どれか 1つの値、 例えば Y値 (輝度値) のみ比較しても良い。 図 25は、本発明のディスプレイ測定装置の第 8の実施形態を示す図である。 色票保持部 121は TRC作成に必要な色票あるいは色票の RGB値を保持 する。 色票表示部 121は色票を描画してディスプレイに表示すると共に、 測 定開始信号 (トリガ) を測定器制御部 123に送る。 測定器制御部はセンサ 1 24を制御して測定結果を TRC作成部 125に送る。 丁1 じ作成部125は 測定データを基に、 複数の TRCの評価を行う。 TRC選択部 126は精度算 出部の毛かに従って、 いずれか 1つの TRCを選択する。 TRCの選択は、 単 純に最も精度の良いものを選択しても良いし、 TRCのノード数が増えればフ アイルサイズも増えるので、 ファイルサイズを考慮して最も効率の良い TRC のノード数を選択しても良い。 例えば、 TRCのノード数と精度の関係が図 2 6の様であるとき、 TRCのノード数が 32 (TRC= 32) 以下の場合は T RCのノード数が多くなるにつれ急激に精度が良くなつている。 しかし、 TR C=32以降も徐々に精度は良くなつているが、 TRCのノード数の変化ほど の効果はない。 このとき、 TRC= 32を最適な TRCと選択することで、 フ
アイルサイズと比較してもっとも効果の高いプロファイルを作成することがで きる。 TRCは、 R、 G、 B個別に格納するため、 プロファイルサイズは、 T RCのノード数の 3倍になる。 マトリックスプロファイル内のタグ数を 7 (w t p t , rXYZ、 gXYZ、 bXYZ、 r TRC, gTRC、 bTRC) と するとプロフアイルサイズは、
128 Byte (プロファイルヘッダ) +88Byte (タグテーブル) +n (夕 となる (図 2参照)。 タグエレメントには 7つのタグが格納されている。 この うち、 rXYZ、 gXYZ、 bXYZ、 w t p tは赤、 緑、 青、 白の XYZ値 を格納するタグで、 それぞれサイズは固定長 20 Byte であり、 合計 80Byte である。 rTRC、 gTRC:、 bTRCは TRCを格納するタグで、 このサイ ズは TRCのノード数に依存する。 TRCのノード数を nとすると、 12 + 2 nである。 従って、 プロファイルサイズは (332 + 611) Byte となる。 こ のように、プロファイルサイズは TRCのノード数から推定することができる。 TRC=32であれば、 プロファイルサイズは 524Byte となり、 TRC = 256であれば、 1868 Byte となる。 ただし、 I CCプロファイルにはこ れらのタグ以外に、 文字列を格納できるタグ (c p r t、 d e sじなど) があ る。 これらを格納すると、 プロファイルサイズは更に増加する。
図 26に、 TRCのノード数と TRCによって生成されるプロファイルの精度 との関係を示す。
同図に示されるように、 TRCの数がある一定値以上になると、 精度はそれ以 上向上しなくなることが理解される。
図示しないが、 TRC作成部 10025では TRCを作成すると共に、 ァ係 数を算出し、 精度算出部 127は TRCを用いたときの精度とァ係数を用いた ときの精度とを比較し、 精度が高い方、 あるいはァを用いた場合でも TRCと
あまり性能の差がない場合などは、 7"係数を格納したプロファイルを作成する ことで、 よりファイルサイズの小さいプロファイルを生成できる。 なお、 測定 値からァ係数値を算出する方法については、 I EC— 61966— 3に記述さ れている以下の計算式を用いて算出できる。
P i = log lo x i
q i = lo io y i
D = « i l ^ ;2 - P i
ノ
r係数の算出式
図示しないが、 最適な TRCの数は、 ディスプレイの種類に依存する。 例え ば、 CRTの階調特性はなめらかな曲線であるため、 少ない測定点数で高い精 度が期待できる。例えば、測定するディスプレイが CRTならば TRC = 16、 し〇0ゃ?0?ならば丁尺じ=64とするなどすれば、 ディスプレイの種類毎 に最適な T R Cのノード数を簡単に決定することができる。 該ディスプレイが CRTか LCDかは、 ユーザが指定しても良いし、 Windows95Z98の場 合、 レジストリ情報内に使用しているディスプレイの機種名が格納されている ので、 そこを参照すればよい。
図 27 (a) に、 ディスプレイの?"特性の例を示す。
このディスプレイのァ特性は、 R、 G、 Bともにほぼ同じである。 このよう なディスプレイでは、 無彩色の xy色度値は変わらない。 一方、 図 27 (b) に示される場合の例のように RGBバランスがずれていると、 無彩色の X y色 度値は変わる。 図 27 (b) の傾きの小さい曲線 (口) が青の階調特性だとす ると、 中間の無彩色では、 白よりも青っぽい色になる。 白と中間の灰色の 2色 を測定し、 色度値を比較すれば、 このディスプレイの各色毎のァ特性が一致し ているのか、 バラツキがあるのかを判断できる。 xy色度値の差が予め定めた
閾値以上であれば、 R、 G、 B個別に測定して TRCを求め、 閾値以下であれ ば、 バラツキが少ないので、 いずれか 1色または白の階調を測定し、 その測定 結果を R、 G、 Bの TRCとしてコピーして格納することで、 測定数を 1Z3 に削減することができる。
I CCプロファイルは情報をタグ形式で格納している。 測定した XYZ値は 基準となる色 (D 50) と白の測定値の比の形式で格納される。 基準色の XY Z値を (XLS、 YLS、 ZLS)、 白の測定値を (Xwt p t、 Xwt p t、 Xwtp t) とすると、 格納値 (Χρ、 Υρ、 Ζρ) は、
Χρ = Χ · ^ L S/ Xwtpt
YP = Y · YLSZYwtP t
厶 p― Z ■ Z L S/ Zwtpt
で算出される。 このとき、 Χρ、 Υρ、 Ζρとともに測定値 X、 Υ、 Ζもプロフ ァィル内に格納することで、 色の絶対値を考慮した色合わせが可能な C M Sに も対応することができる。 これらの情報は、 新しいタグとしてプロファイル内 に格納しても良い。 新しいタグは I CCに申請することで、 取得する とがで きる。 また、 任意の文字列を格納するタグ (c p r tタグなど) もある。 新規 にタグを取得せずに、 このようなタグ内に格納しても良い。 以下に 1色の測定 値から R、 G、 B、 Wの異なるプロファイルの生成手順の例を示す。
同じディスプレイにおいて、色温度が異なるということは、色を構成する R、 G、 B各色の明るさの比が異なることを意味する。 一方、 色を表す情報である 色度値は、 XYZ値に対して、 以下の 2次元座標上の値 xyで表される。
X -,y ~~……式 (4)
X +Y + Z X +Y + Z
色温度が異なるディスプレイでも、 赤、 緑、 青では、 XYZ値は変わるが、 XYZそれぞれが同じ値 kで k倍されるため、 色度値 xyは変わらない。 例え ば、 色温度 D 50のときの赤 RD5。の XYZ値と色温度 9500 Kのときの赤
R96。。Kの XYZ値は以下のような関係になる。
kr> 50 Z) ― (XRD 50、 RD 5 0、 ん RD 5 0,
R 9600 K (X Y Z) ― (XR 9600K YR 9 6 0 0K R 9 6 00 K)
― (k · XRD5 O、 k · YRD5 O、 k · Z RD50) ここで、 kは比例定数
これは、 G、 Bでも同じである。 一方、 白 Wでは色度は大きく異なる。 R、 G、 Bの構成比率が変わるため、 D 50のときの白 WD 50の XYZ値と色温 度 9500 Kの時の白 W9500 Kの XYZ値は、 以下の関係になる。
WD50―
= 、 k R RD 50 + GXGD 50 + k Β X BD 50、
^RDS O "'" GDS O "'" kB BD 5 0 ¾ · · ( 0 ' k R Z RD 5 o + kGZGD50 + kBZBD50)
ここで、 kR、 kG, kBは、 R、 G、 Bそれぞれの比例定数である。
一方、 X、 Y、 Ζは Υ値を定義すれば式 (4) より
χν 7 l-x-y
X = -Υ,Ζ = "Υ ……式(6)
y y
で表すことができる。 ある色温度における色度値 xyは国際照明委員会 C I Eなどで定義されている。 各色温度での xy色度値と、 輝度 Y= l. 0 c d/ m
2としたときの XYZ値を下表に示す。
以上から、 同一ディスプレイで色温度が異なる場合は、 以下の関係式が成り 立つ。
(関係式 Α) 色度値 X y値は色温度で変わらないことから、
Rにおいて、 (X、 Y、 Ζ) のとき別の色温度では R2 (kRX、 kR
Y、 kRZ)
Gにおいて、 (X、 Y、 Z) のとき別の色温度では G2 (kGX, kG Y、 kGZ)
Bにおいて、 (X、 Y、 Z) のとき別の色温度では B2 (kBX、 kB Y、 kBZ)
(関係式 B) 白 Wの XYZ値は R、 G、 Bの和であることから (式 5)、 W= (kRXR+kGXG+kBXB、 kRYR+kGYG+kBYB、 kRZR+kG ZG+ kBZ B) = (Xc、 Yc、 Zc) (Xc、 Yc、 Zcは、 表 4の XYZ 値)
以上から、 上記定数 kR、 kG, kBを算出することによって、 色温度が異な る場合の R、 G、 Bの XYZ値を求めることができる。 kR、 kG、 kBを求め るためには、 下記 3元 1次方程式を解けばよい。
: k R + k G X G k BX B
Yc k RYR "· k。Y G +
れは行列式によって以下のように解くことができる <
から両辺に逆行列を乗算することによって、
IX x、 、
ΥΒ Yc
:こで、
YBZG) となる。 XR Y, z X, Ύい Z YB ZBはもとのディスプ レイの R G Bの XYZであり元プロファイルの r XYZ gXYZ bX YZタグから Xc Yc Zeは変更する色温度の XYZで表 4から得ることで、 式 (7) から kR kc kRを求めることができる。 kR kG, kRが分かれ ば、 R G Bの XYZ値が上記関係式 Aから求められる。 色温度プロフアイ
ル作成手順の例は以下のようになる。
[例]
プロファイル内の夕グ情報が
r XYZ = 0. 3647、 0. 1903、 0. 0101
gXYZ = 0. 3566、 0. 6912、 0. 0605
bXYZ = 0. 2428、 0. 1 185、 0. 7545
w t p t = 0. 9414、 1. 0000、 1. 3433
であるプロファイルを、 白の測定値の色度値 xyが
xy= (0. 3156、 0. 3361)
のプロファイルに変換する場合、
ステップ 1. 色度 xyから色温度 Xの XYZ値を算出
Yを 1. 0として Xと Zを算出
X色温度 χ_ 0. 3156/0. 3361 = 0. 939
色温度 χ=丄 · 0
Ζ色温度 X = ( 0. 3 1 56 - 0. 3361) /0. 3361 = 1. 0
363
ステップ 2. タグ情報から基準プロファイルの R、 G、 B各色の XYZ値を 算出
Χ
κ = Χ
Γχγζ -
0· 3647 X 0. 9414/0. 96
42 = 0. 3560
YR=Y XYZ " t p t 0. 1903 X 0/ 1. 0 = 0
903
Z R = ^ r XY Z " し /ZLS= 0. 0101 X 1. 3433/0. 82
51 = 0. 01644
Xc = XgXYZ * XwtptZXL: 3566 X 0. 9414/0. 96
42 = 0. 3482
Υο = Υ
8χγζ - Y
wt p
69 12 X 1. 0/1. 0 = 0. 6 912
ZG=ZgXYZ · Zwt p tZZLS=0. 0605 X 1. 3433/0. 82 51 = 0. 09850
X
B = XbXYz - wt p
2428 X 0. 9414/0. 96
42 = 0. 2371
Y
B
1 185 X 1. 0/1. 0 = 0. 1 185
ZB=ZbXYZ · Zwt p t/ZLS= 0. 7545 X 1. 3433/0. 82
51 = 1. 2284
ステップ 3. R、 G、 B各色の比例定数 kR、 kG、 kBを算出する。
色温度が変わるということは、 R、 G、 Bの比が変わるということを意味 する。 しかし、 1次色である R、 G、 Bでは、 色温度が変わっても色度値 xy は変わらない。 (関係式 A)
算出過程は省略する。
X R
k G
の行列式を解くと、 kR = 1. 1 63、 kG=0 . 998 、 kB = 0 748が 求ま 。
ステップ 4. 色温度変更後の R、 G、 B各色の XYZ値を算出する (
一一 ί z y,
z
x R = x f s ん = 0.3560 x 1 .163 = 0 .4140
= Y : ん - 0.1903 0 .2213
z « = Z x 1 .163
X = X = 0 .3482 x 0 .998 = 0.3475
Yo = YC ' < ん G = = 0.6912 x 0.998 = = 0 .6898
Z = Z o = 0.0985 x 0.998 = 0.0983
X = x t = 0.2371 x 0 .748 = 0.1774
Y = Y 0.1185 > : 0.748 = 0.0886
z „ = z R x k R = 1 .2284 x 0.748 = 0.9188 ステップ 5. Wt p t、 rXYZ、 gXYZ、 bXYZ、 wt p tを算出する,
X X色澳度 = 0.939
Y.色濃度 x 1.0
z色 s度 = 1.0363
X X 0.4140 x 0.9642 / 0.939 = 0.4251
0.2213 x 1.0/1.0 = 0.2213
zRzLS IZ = 0.0191 x 0.8251 / 1.0363 = 0.0152
X X. Mpt = 0.3475 x 0.9642 / 0.939 = 0.3568
YGYLS IYMpt = 0.6898 xl.0/1.0 = 0.6898
I Z = 0.0983 x 0.8251 / 1.0363 = 0.0783
Mp, = 0.1774 x 0.9642 / 0.939 = 0.1822
YBYLS IYMpl = 0.0886 xl.0/1.0 = 0.0866
ZBZLS /ZMpl = 0.9188 x 0.8251 / 1.0363 = 0.7315
ステップ 6. 保存する。
前のステップの wt p t、 rXYZ、 gXYZ、 bXYZを格納したプロフ アイルを保存することで、 色温度の異なるプロファイルを作成できる。
以上の手順により 1色の測定だけで色温度の異なるプロファイルを作成でき る。
図 28に、 マトリックス形式のプロファイルのダンプコードを示す。
図 28の 2重線の部分が、 TRCが格納されている領域である。 TRCは 2 Byte で格納されているので、 それぞれ 0、 5407、 18841、 3907 5、 65535という値が格納されている。 これを 65563で正規化すると、 0. 00825、 0. 2875、 0. 5963、 1. 0であり、 これが階調デ 一夕である。 TRCには入力を均等分割したときの出力値が格納される。 TR Cの数は 5であるため、 入出力の関係 (入力、 出力) = (0, 0)、 (0. 25、 0. 0825)、 (0. 5、 0. 2875)、 (075、 0. 5963)、 (1. 0、 1. 0) が格納されていることになる。 このプロファイルをァ 2. 2に変更す る場合は、 0. 252 2= 0. 0474、 0. 52 2= 0. 2176、 0. 7 52· 2=0. 5310を 65535倍した値を格納すれば良い。 従って、 上記 二重線の値を 0000、 0 c 22、 37 b 4, 87 e f 、 f f f f に書き換え るだけで良い (請求の範囲第 29項)。実際には、 プロファイル内には R、 G、 Bの TRCがあるため、 書き換える領域は 3力所になる。
LUTプロファイルについてもマトリックスプロファイル同様、 最も精度の 良いプロファイルを自動選択することで、 ユーザの負荷を軽減できる。
図 29は、 図 25の構成のより詳細な構成図である。
TRC作成部 125では、 一旦、 測定データの全てを測定データ保持部 12 5— 1に保持する。 ピーク値保持部 125— 2では、 測定データのうち、 最大 色 (例えば、 赤なら RGB値 (255、 0、 0)) の XYZ値を保持する。 T RC算出部 125— 3では、 各測定データの値を最大色の測定データの値で除 算することで、 最大色に対する比を求める。 I CCプロファイルの規約では、 TRCは 16 b i tで格納されるため、 最大値は 65535となる。 従って、 前記で算出した各階調データの最大色に対する比を 65535倍したものが T RCとなる。 TRC補間部 125— 4では、 作成した T R Cを補間して T R C
の数を増やす。 補間は、 単純な直線補間や、 ァ曲線 ((入力) = (出力) τ) に準じた補間などが考えられる。 TRC間引き部 125— 5では、 逆に TRC の一部を間引いて TRCのノード数を減らす。 これにより、 TRC作成部 12 5は、 TRCのノード数の異なる複数の TRCを作成する。
丁尺〇選択部126は、 作成された複数の TRCを一旦保持し、 それぞれを 精度算出部 127に送る。
精度算出部 127においては、 階調算出部 127— 1が、 ある RGB値の時 の階調値を送られてきた TRCを元に算出し、 算出結果を誤差算出部 127— 2に送る。 誤差算出部 127_2は、 RGB値の色票を測定したときの測定値 と、 階調算出部 127— 1の出力とを比較し、 もっとも誤差の少ない TRCを 判別し、 その結果を TRC選択部 126のセレクタ 126— 2に送る。
セレクタ 126— 2は、 精度算出部 127の判別結果を受けて、 最も精度の 高い TRCをプロファイル作成部に出力する。
図 30は、本発明のディスプレイ測定装置の第 9の実施形態を示す図である。 色票保持部 129は LUT作成に必要な色票あるいは色票の RGB値を保持 する。 色票表示部 130は色票を描画してディスプレイに表示すると共に、 測 定開始信号 (トリガ) を測定器制御部 131に送る。 測定器制御部はセンサ 1 32を制御して測定結果を LUT作成部 133に送る。 LUT作成部 133は 測定データをもとに、 異なる格子数からなる LUTを作成する。 精度算出部 1 35は、 LUT作成部が作成した複数の LUTの評価を行う。 精度の評価は、 単純に最も精度の良いものを選択しても良いし、 LUT数が増えればファイル サイズも増えるので、 ファイルサイズを考慮して最も効率の良い LUT数を選 択しても良い。 また、 マトリックスプロファイルと同様に、 最適な格子数はデ イスプレイの機種あるいは種類毎に、 ある程度定まっている。 図示しないが、 ディスプレイの機種または機種に応じて最適な格子数を格納したファイルを保
持し、 該ディスプレイの種類または機種に応じて格子数を設定しても良い。 図 31は、 図 30の構成のより詳細な構成図である。
LUT作成部 133では、 一旦、 測定データ全てを測定データ保持部 133 — 1に保持する。 測定器の出力は通常 XYZ値であり、 LUTプロファイル内 の値は L* a*b*値である。 L*a*b*値は XYZ値から計算式により算出す ることができる。 XYZ→L* a*b*変換部 133— 2は XYZ値を L*a*b *値に変換し、 L*a*b*値を LUT算出部 133— 3に送る。 LUT算出部 133— 3では L* a *b*値を元に、 入力 R G Bと出力 L * a * b *の対応関係 の LUTを生成する。 LUT補間部 133— 4では、 作成した LUTを補間し て LUTの数を増やす。 補間は、 単純な直線補間や、 ァ曲線 ((入力) = (出 力) に準じた補間等が考えられる。 LUT間引き部 133 _ 5では、 逆に LUTの一部を間引いて LUT数を減らす。 これにより、 し11丁作成部133 は、 LUT数の異なる複数の LUTを作成する。
LUT選択部 134は、 作成された複数の LUTを一旦保持し、 それぞれを 精度算出部 135に送る。
精度算出部 135において、 LUT出力値算出部 135— 1は、 ある RGB 値の時の階調値を送られてきた LUTを元に算出し、 算出結果を誤差算出部 1 35_2に送る。 誤差算出部 135— 2は、 RGB値の色票を測定したときの 測定値と、 LUT出力値算出部の出力値とを比較し、 もっとも誤差の少ない L UTを判別し、 その結果を LUT選択部 134のセレクタ 134— 2に送る。 セレクタ 134— 2は、 精度算出部 135の判別結果を受けて、 最も精度の 高い LUTをプロファイル作成部に出力する。
図 32は、 本発明のディスプレイ測定装置の第 10の実施形態を示す図であ る。
階調色票保持部 137は階調データの測定に必要な色票を保持する。 色票表
示部 1 3 8は色票をディスプレイ上に表示し、 測定器制御部 1 3 9に測定開始 信号 (トリガ) を送る。 測定器制御部 1 3 9はトリガをセンサ 1 4 0に送り、 ディスプレイ上の色票の色を測定する。 階調データ保持部 1 4 1は測定値を保 存する。 階調デ一夕の測定後、 格子データ算出部 1 4 2は保持している階調デ 一夕から、 格子データを作成する。 例えば、 階調データが、
であったとき、 加法混色により、 以下の 3格子のデ一夕を作成できる。
プロファイル作成部 143はこの格子デ一夕を元にプロファイルを生成する。 ここで作成した格子デー夕は、 C R Tのような加法混色性能が高いディスプ レイでは、 実際の測定値と余り変わらない値となるため、 精度の高いプロファ ィルが作成できるが、 一部の LCD等は加法混色性能が低いので、 加法混色値 から作成したプロファイルでは精度が低い場合がある。 このようなとき、 一部 の色、 例えば白 (255、 255、 255) を測定し、 測定値と加法混色値を
比較して、 差が予め定めた閾値より小さい場合は加法混色性能が高 i
レイと判断して加法混色値からプロファイルを作成し、 閾値より大きい場合は 加法混色性能が低いと判断して格子データの測定を行う。 加法混色性能を判断 することで、 精度の低いプロファイルの生成を妨げる。
図 33は、 本発明のディスプレイ測定装置の第 1 1の実施形態を示す図であ る。
本発明では測定結果を元に TR C作成部 149はマトリックスプロファイル 用の TRCを作成し、 LUT作成部 148は LUTプロファイル用の LUTを 作成する。 精度判定部 150は TRCと LUTの精度を比較し、 より精度の良 いほうを MPX160 (セレクタなど) からプロファイル作成部 161に出力 する。 本発明では、 精度の良いほうのプロファイルを自動選択して出力する。 マトリックスプロファイルに比べて LUTプロファイルの測定数は多い。 例 えば 9階調のマトリックスプロファイルは色票を 28色測定するだけで良いが、 9格子の LUTプロファイルは 729色の測定を必要とする。 一方、 ディスプ レイについても、 CRTはマトリックスプロファイルの方が精度が良く、 また 一部の L CD、 PDPでも LUTプロファイルよりもマトリックスプロフアイ ルの方が良いものもある。 したがって、 先にマトリックスプロファイル用の測 定を行って、 TRCの精度のみ検証し、 TRCの精度が予め定めた精度よりも 良ければ、 LUTプロファイル用の測定及びプロファイル作成は行わずに、 マ トリックスプロファイルを出力することで、 測定時間、 作成時間の短縮を図れ る。
どちらの形式のプロファイルが良いかは、 ディスプレイの機種あるいは種類 によって、 ある程度決まっている。 CRTはマトリックスプロファイルが、 L CD、 PDPは LUTプロファイルの方が精度が良い場合が多い。 図示しない が、 ディスプレイの機種あるいは種類毎にプロファイル形式を指定したフアイ
ルを保持し、該ディスプレイの種類または機種に応じて形式を選択しても良い。 図 34は、 本発明のディスプレイ測定装置の第 1 2の実施形態を示す図であ る。
尺&8値保持部162は色票の RGB値を保持している。 色票作成部 1 63 は RGB値を元に色票を作成し、 ディスプレイ上に表示する。 測定制御部 1 6 4はセンサ 1 65にトリガを送り、 ディスプレイ上の色を測定し、 測定結果を 比較判別部 1 67に送る。 一方、 評価するプロファイルはプロファイル演算部 166に送られ、 RGB値保持部 1 62の出力を計算し、 比較制御部 1 67に 送る。 比較制御部 167は両者の値を比較し、 差が予め定めた値より低ければ 「合格」、 閾値以上であれば 「不合格」 をユーザに通知する。 色合わせがあつ ているかを判断するのは人間であるので、 数値よりも人間の目でプロファイル の精度を判断した方が良い。 プロファイル内には RGB値を共通色信号に変換 する情報と、 共通色信号から RGB値に逆変換する情報を用いて画像に復元す る。 プロファイルが正しく生成できていれば、 元の画像と比べて差は分からな いはずである。 元画像と変換画像とをディスプレイ上に表示し、 違いが判別で きるかどうかをユーザに判断してもらうことで、 プロフアイルの精度が判定で きる。 プロファイルの評価は、 プロファイル作成直後に続けて行うのが望まし い。
図 35は、 第 1 2の実施形態において、 比較制御部の行う判断を人間が行う 場合の変形例を示す図である。
画像保持部 1 70は評価用の画像 (色票、 自然画など) を保持している。 画 像保持部 1 70は画像変換部 1 72に評価用画像を送付する。 画像変換部 1 Ί 2はプロファイル保持部 174に保持されているプロファイル内の情報に従つ て、 評価用画像を共通色信号 (例えば、 XYZや L*a*b*) に変換する。 画 像逆変換部 1 73はプロファイル内の情報に従って、 共通色信号を再度 RGB
値の画像データに逆変換する。 画像表示部 17 1は、 画像保持部 170に保持 されている基となる評価用画像と、 プロファイルにより色変換した変換画像と をディスプレイ上に表示する。 ユーザはディスプレイ上に表示された 2つの画 像を見比べて、 「色が不自然」 「違いが分かる」 「違いが分かるが気にならな い」 「違いが分からない」 などの判定を行い、 判定結果出力部 175に送る。 判定結果出力部では、 ユーザの評価結果に従って、 「作成したプロファイルを 出力する」 「作成したプロファイルを破棄して再度プロファイルを作成する」 などの制御信号を出力する。
以上述べたように、 本発明は従来のプロファィル作成の問題点
1. 表示直後の色の安定性
2. 表示した色の焼き付き
3. ディスプレイの立ち上がりの安定性
4. 表示輝度が変動するディスプレイ
5. 測定ミス
6. マトリックスプロファイル内の情報量
7. 階調特性の測定数
8. プロファイル内の情報の精度
9. ディスプレイ設定とプロフアイル作成の手間
10. LUTプロファイルの格子数
1 1. 格子データの測定数
12. プロファイル形式の選択
13. プロファイル精度の確認
を解決し、 精度の高いプロファイルを作成することを可能とする。 産業上の利用可能性
本発明は、 ディスプレイ等に画像を表示するための色変換用プロファイルを 精度良く作成する方法を提供し、 異なる機器間で表示される画像の見えを精度 良く一致させることができる。