JP4300780B2 - 色変換係数作成方法、色変換係数作成装置、プログラム、記憶媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、CRTやLCD(液晶)などのカラー画像表示装置における色再現性を向上させるための色変換係数を作成する方法および装置、並びにプログラムおよび当該プログラムを格納したコンピュータ読取り可能な記憶媒体に関する。より詳細には、カラー画像表示装置におけるカラーマッチング処理(カラーマネジメントシステム;CMS)に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶(LCD)表示装置やCRT(Cathode Ray Tube)を始めとする表示装置は、コントラストや彩度限界(色域)あるいは輝度特性などの違いによって、各表示方式ごとに色の見え方が異なる。また、表示装置が設置された環境における照明条件や表示装置を見るときの角度あるいは距離によって色の見え方や感じ方が変わる。さらに、経年変化によってデバイス特性が変化するため、出荷時の特性が同じであったとしても、その後の使われ方によって色再現特性が変化する。
【0003】
さらに、プリンタやスキャナなどの周辺機器とデータをやり取りする際には、入出力特性やそのデバイスの再現可能な色域(Gamut;色再現域)が異なるのが当然である。たとえば、インターネットなどを利用した情報処理システムでは、パソコンなどの各端末機器におけるモニター相互間の画像の色合わせあるいはモニターのカラー画像とプリンタによってプリントアウトされたカラー画像との色合わせは重要な課題である。
【0004】
またたとえば、DTP(Desk Top Publishing )などで使用されるシステムでは、通常CRTなどの画像表示装置上で画像の生成および編集を行ない、最終的なドキュメントを印刷するといった形で出力している。用いられる表示装置や出力機器は多種開発され、複数種、複数台の装置が利用されてきている。このような環境においては、表示装置および出力装置の各特性、デバイス間でのばらつき、環境光などにより同じ画像を表示させても色のばらつきが発生するという問題点があるので、前述同様、それぞれのデバイスにおけるカラー画像の色合わせは重要な課題である。
【0005】
近年、カラー画像を取り扱う分野においては、各装置において出力される色を統一的に管理するために、すなわち、デバイスが異なっても画像(特に色)の見え方が同じであるようにするために、デバイス特性をキャリブレーションして、その特性を記述したプロファイルをデバイスごとに作成することで、システム全体としてのカラーマッチング処理を実現する仕組みが考えられている。このような仕組みを設けたシステムを、カラーマネージメントシステム(CMS;Color Management System )という。DTPの分野でも、このカラーマネージメントシステムが導入され、印刷物やディスプレイなどの置かれる観察環境光をも考慮したシステム開発が進んでいる。
【0006】
ここで、カラーマネージメントシステムを構築する場合の信号処理モデルとしては、種々のものが提案されているが、代表的なものとして、変換テーブルを利用するものがある。この変換テーブルを利用するものとしては、たとえばICC(International Color Consortium)といわれる国際機関によって方式がまとめられ、ICCプロファイル仕様書として公開されているものがある。そして、この仕様に基づいた信号処理機能が、たとえば、米国マイクロソフト社のICM(Image Color Management)や米国アップル社のColorSync など、パソコン向けのOS(Operating Systems )レベルのソフトモジュールとして搭載されている。
【0007】
ここで、ICCで規定されているディスプレイプロファイルに関する定義は、業界標準となっているフォーマット形式(ICCプロファイル)に色変換係数を記述し、CIE (Commission International de I'Eclairage)で規定されるXYZ表色系あるいはL*a*b*などのデバイスに依存しない色空間であるデバイス非依存型色空間上の色信号に変換する変換テーブル、3×3のマトリクス、およびTRC(Tone Reproduction Curve )をプロファイル(規約)として持つ。
【0008】
そして、このプロファイルに沿ったマトリクス係数およびTRC係数の決定法が種々提案されており、カラーマネージメントシステムとして実用レベルになりつつあり、また広く利用できる環境が整いつつある。たとえば、CRTモニターのICCプロファイルは、RGB(赤緑青)3原色の色度、ガンマ曲線(TRCに相当)、白色色度点により規定されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のカラーマネージメントシステムでは、電子原稿およびハードコピーとディスプレイにおける色再現域の違いに起因する問題点がある。例をあげると、一般的にハードコピーに比べディスプレイの輝度レベルが低く、十分な色再現ができない。特に、観察する環境光の影響を考慮するシステムにおいて、この問題点は顕著となる。
【0010】
従来のカラーマネージメントシステムでは、表示装置であるディスプレイにおける色変換係数は、ターゲットとなる原稿のグレイバランス(環境光源のグレイバランスなどそれに準じるもの)を保つものとして導入してきた。そのため、カラーマネージメントシステムを適用した画像であるCMS適用再現画像において、色あせや色飛びが生じる再現画像となり問題となる。すなわち、画素の色飛びが発生すれば、全体的につぶれた(特に白点)印象の画像となってしまう。つまり、現行のICCの規格内で環境光対応の色温度変換を実現しようとしても、その精度に問題があり、特に高輝度領域における色再現性に問題がある。
【0011】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、カラー画像を表示する表示装置において、色飛びや色あせがなく、電子原稿の本来の色を好適に再現することのできる色変換係数決定方法および装置を提供することを目的とする。また本発明は、色変換係数決定方法や装置を、電子計算機を用いてソフトウェアで実現するために好適なプログラムおよび当該プログラムを格納したコンピュータ読取り可能な記憶媒体を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明に係る色変換係数作成方法は、電子原稿を表す画像表示装置に表示されるカラー画像の色情報を補正するために使用される色変換係数であって、画像表示装置に依存しない色空間であるデバイス非依存色空間上の座標で表わされる第1の色信号と、画像表示装置に依存した色空間であるデバイス依存色空間上の座標で表わされる第2の色信号との対応関係を表わす色変換係数を作成する色変換係数作成方法において、第1の色信号に対して画像表示装置の色再現域に左右されない測色的な一致で再現を行なうための色変換係数である忠実再現色変換係数を決定する忠実再現色変換係数決定工程と、画像表示装置の色再現域に基づいた再現を行なうための色変換係数である色域圧縮色変換係数を決定する色域圧縮色変換係数決定工程と、忠実再現色変換係数決定工程にて得られた忠実再現色変換係数と色域圧縮色変換係数決定工程にて得られた色域圧縮色変換係数とに基づいて、電子原稿の色と略等価な画像を画像表示装置に表示させるための色変換係数である好適色変換係数を決定する好適色再現係数決定工程とを有するものとした。
【0013】
本発明に係る色変換係数作成装置は、上記本発明に係る色変換係数作成方法を実施する装置であって、第1の色信号に対して画像表示装置の色再現域に左右されない測色的な一致で再現を行なうための色変換係数である忠実再現色変換係数を決定する忠実再現色変換係数決定部と、画像表示装置の色再現域に基づいた再現を行なうための色変換係数である色域圧縮色変換係数を決定する色域圧縮色変換係数決定部と、忠実再現色変換係数決定部が決定した忠実再現色変換係数と色域圧縮色変換係数決定部が決定した色域圧縮色変換係数とに基づいて、電子原稿の色と略等価な画像を画像表示装置に表示させるための色変換係数である好適色変換係数を決定する好適色再現係数決定部とを備えた。
【0014】
ここで、好適色再現係数決定部は、1つの変数で規定される関数である一変数重み関数を用いて、忠実再現色変換係数決定部が決定した忠実再現色変換係数と色域圧縮色変換係数決定部が決定した色域圧縮色変換係数とを比例演算することで好適色変換係数を決定する関数比例演算部を有するものとする。好適色再現係数決定工程では、1つの変数で規定される関数である一変数重み関数を用いて、忠実再現色変換係数と色域圧縮色変換係数とを比例演算することで好適色変換係数を決定するものとする。具体的には、忠実再現色変換係数を表す関数をf(x)とし、色域圧縮色変換係数を表す関数をg(x)とし、一変数重み関数をw(x)とし、色信号のビット数をNとしたとき、好適色変換係数を表す関数C(x)を下記式(A−1),(A−2),(A−3)に基づいて決定する。
C(x)=w(x)g(x)+(1−w(x))f(x)・・・(A−1)
w(x)=x/2 N −1・・・(A−2)
x=0,1,2,3,…,2 N −1・・・(A−3)
【0015】
【作用】
本発明に係る上記構成においては、デバイス非依存の色空間上の座標を表わす色信号に対して画像表示装置の色域に左右されない測色的な一致で再現を行なうための忠実再現色変換係数を決定し、さらに画像表示装置の色域に基づいた再現を行なうための色域圧縮色変換係数を決定し、それぞれ決定した忠実再現色変換係数と色域圧縮色変換係数とに基づいて電子原稿の色と略等価な画像を形成するための色変換係数である好適色変換係数を決定する。好適色再現係数を決定する際は、1つの変数で規定される関数である一変数重み関数を用いて、忠実再現色変換係数と色域圧縮色変換係数とを式(A−1),(A−2),(A−3)に基づき演算することで好適色変換係数を決定する。これにより、忠実再現色変換係数と色域圧縮色変換係数とを参照して、低中間調での色あせを抑えつつ、忠実再現色変換によって生じる高濃度側飽和状態を回避可能な好適色変換係数を決定することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明に係る色変換係数決定装置の一実施形態を備えた画像処理装置のブロック図である。図示するように画像処理装置1は、電子原稿データ取得部10と、本発明に係る色変換係数決定装置の一例であるCMS色変換係数決定部20と、色変換係数適用部30と、表示デバイス40とを備える。この基本的な装置構成は、従来のCMS(Color Manegement System)を適用した画像処理装置の構成と同様である。
【0018】
図1において、電子原稿色変換処理の流れは以下の通りである。先ず、電子原稿データ取得部10にて得られる電子原稿3の画像データは、CMS色変換係数決定部20で算出された色変換係数を基に、色変換係数適用部30にて色変換処理される。その色変換された電子画像は表示デバイス40へ送られ、出力原稿5が出力される。このとき、CMSの実現により、理想的には、電子原稿3(ひいてはその印刷物)の色と出力原稿5の色とが等価となることが期待される。しかしながら、実際には、電子原稿3およびその印刷物であるハードコピーにおける色域(色再現域)と表示デバイス40における色域(色再現域)の違いに起因して、CMS適用再現画像において、色あせや色飛びが生じる再現画像となることが懸念される。本実施形態のCMS色変換係数決定部20は、これを補整する仕組みが講じられている。以下具体的に説明する。
【0019】
図2は、CMS色変換係数決定部20の一構成例のブロック図とデータの流れを示す図である。このCMS色変換係数決定部20は、第1の最適ベースデータ算出部102と、マトリクス係数算出部104と、マトリクス変換部106と、第2の最適ベースデータ算出部108とを備える。なお“TRC”とは“Tone Reproduction Correction”であり、たとえば特開平6−101799号を参照するとよい。
【0020】
第1の最適ベースデータ算出部102は、ベースデータ対(デバイスRGBベースデータ、明室環境測定値XYZベースデータ)に基づいてマトリックス係数算出用ベースデータを算出する。マトリクス係数算出部104は、定数付きマトリックス係数を算出する。本実施形態では、3×3行列のマトリクス係数とコンスタント係数とを算出する、すなわち定数付きマトリックス係数を算出する。
【0021】
マトリクス変換部106は、マトリクス係数算出部104が算出した定数付きマトリックス係数のうちの3×3マトリックス係数部分のみを用いて、リニアRGBデータを算出する。第2の最適ベースデータ算出部108は、デバイスRGBベースデータとリニアRGBデータとに基づいてTRC算出用デバイスRGBデータを算出する。TRC算出部110は、TRC算出用デバイスRGBデータとリニアRGBデータとに基づいて、TRC処理用の色変換係数を算出する。
【0022】
さらに、上記構成のCMS色変換係数決定部20では、色に忠実な再現として3×3行列のマトリクス係数をマトリクス係数算出部104にて作成した後、3×3マトリクス係数に対して色域を考慮した補正を施す3×3マトリクス係数補正部120を備える。また、同じく色に忠実な再現としてTRC処理用の色変換係数をTRC算出部110にて作成した後、この色変換係数に対して色域を考慮した補正を施すTRCLUTデータ補正部180を備える。なお、“LUT”とは“Look Up Table(ルックアップテーブル)” である。
【0023】
このように、CMS色変換係数決定部20内に3×3マトリクス係数補正部120とTRC LUT データ補正部180とを設けたことで、たとえば忠実な色再現および線形的な圧縮が可能となり、またその双方の特徴を保持する係数を作成することで、従来のCMSで問題となっている色飛びや色あせなどを解消することができる。以下、より具体的なCMS色変換係数決定部20の構成を例示するとともに、その構成に従って、色飛びや色あせなどを解消する点について詳細に説明する。
【0024】
図3は、CMS色変換係数決定部20の具体的な構成例を示すブロック図である。また図4は、好適色再現係数決定部280にて使用する一変数重み関数w(x)の特性例を示す図である。なお、図3(A)はCMS色変換係数決定部20の全体構成のブロック図を示し、図3(B)は測色的CMSベース色変換係数決定部の詳細構成例のブロック図を示し、図3(C)は関数比例演算部の一構成例のブロック図を示す。
【0025】
図3(A)に示すように、CMS色変換係数決定部20は、素データからなるデータ対を用いてCMS色変換のベースとなる色変換係数を算出する測色的CMSベース色変換係数決定部200と、色温度変換補整部220と、色の見え変換補正部240と、デバイス補正部260と、好適色再現係数決定部280とを備える。ここで、色温度変換補整部220、色の見え変換補正部240、およびデバイス補正部260は、図2に示した3×3マトリクス係数補正部120に対応する。また好適色再現係数決定部280は、図2に示したTRCLUTデータ補正部180に対応する。
【0026】
測色的CMSベース色変換係数決定部200は、図3(B)にその詳細構成例を示すように、図2の第1の最適ベースデータ算出部102に対応する第1ベースデータ取得部202と、図2のマトリクス係数算出部104に対応するマトリクス係数算出部204と、図2のマトリクス変換部106に対応するマトリクス変換部206と、図2の第2の最適ベースデータ算出部108に対応する第2ベースデータ取得部208と、および外挿部分色予測部212を含む図2のTRC算出部110に対応するTRC算出部210とを有する。
【0027】
この測色的CMSベース色変換係数決定部200は、素データからなるデータ対を用いて、たとえばDTP(デスクトップパブリッシング)業界標準となっているD50観察環境下における標準表示装置での色管理をsRGBとしたCMS色変換のベースとなるCMS色変換係数を算出する。CMS色変換係数としては、たとえば3×3マトリクスの1次元LUT(ルックアップテーブル)の形式のものとする。
【0028】
たとえば利用者は、RGBの値を任意に指定し、その色を表示デバイス40で表示したときの分光放射輝度を分光放射輝度計などの色を計測する機器で測定する。第1ベースデータ取得部202は、このときの多数色(たとえば数10〜数100)に関するRGB値と測定値XYZのデータ対をベースデータとして取得する。それぞれベースデータデバイスRGB値、ベースデータデバイスXYZ値とし、以後単にデバイスRGB値、デバイスXYZ値という。なお、ここでは、表示装置で制御できるRGB値をデバイスRGB値といい、CIEXYZ、CIEL*a*b*など測定値に線形な特性を持つRGB値をリニアRGB値という。
【0029】
続いて、マトリクス係数算出部204は、たとえばRGBKそれぞれの単色ベタ4色を使用したマトリクス係数算出用のRGBを選定し、先の第1ベースデータ取得部202により得られたデバイスRGB値とデバイスXYZ値のデータ対を用いて、この選定したマトリクス係数算出用RGB値に対応するXYZ値を予測する。なおこの予測方法は、たとえば特開平10−262157号に記載の方法を用いるとよい。
【0030】
次にマトリクス係数算出部204は、このRGB値から予測されたXYZ値の対により、RGBデータとXYZデータとを線形的に結びつけるマトリクス係数を算出する。本実施形態では、下記式(1)のような3×3行列のマトリクス係数aij+定数項bi で色変換係数を求め、この定数項に環境光の映り込みやデバイス間誤差黒レベルといったバイアス成分を吸収させる。これにより、より線形性のよい変換マトリクスを得ることが期待できる。
【数1】
【0031】
次に、マトリクス変換部206は、デバイスXYZ値から、先に示したとおりデバイスXYZ値に線形な特性を持つRGB値であるリニアRGB値を算出する。第2ベースデータ取得部208は、デバイスRGB値とリニアRGB値とに基づいてTRC算出用のベースデータ(信号対)を取得する。なお、これらの処理は従来より広く行なわれている処理と同様であるので、詳細な説明は割愛する。
【0032】
TRC算出部210は、この第2ベースデータ取得部208によって得られた信号対を用いて、第1の色空間で表されるデバイス非依存の色信号であるXYZ値とそれを線形的に変換した第2の色空間で表される色信号であるリニアRGB値から、このリニアRGB値に対応する第2の色空間のデバイス依存型色信号であるデバイスRGB値を予測する。この際、外挿部分色予測部212は、対象としたディスプレイ色域の外側のデータ(外挿部分)についても予測値を算出し、すなわち外挿部分の色を予測し、十二分な色域の範囲を予測しておく。
【0033】
TRC算出部210にて予測した値を「忠実色再現予測値」(後述する図6の線分aを参照)という。なおこの予測方法は、マトリクス係数算出部204と同様に、たとえば特開平10−262157号に記載の方法を用いるとよい。
【0034】
たとえば、TRC算出部210の外挿部分色予測部212は、ディスプレイ(画像表示装置)の一例である表示デバイス40の色域では再現できない範囲であるが対象印刷物の環境光源下における色再現を仮想的な色域範囲まで含めて予測する。たとえば、ICCプロファイルで規定されている範囲と同様に、一般的な8ビットで示されるRGB値では、“0”から“255”の範囲に対して、RGB値で“−100”から“400”までとする。
【0035】
色温度変換補整部220は、図3(A)に示すように、対象画像表示装置の一例である表示デバイス40の周辺を照明する環境光源の情報を示す表示装置周辺環境光情報を取得する表示装置周辺環境光情報取得部の一例である観察環境光源データ取得部222と、電子原稿3に含まれる電子原稿取得条件情報から電子原稿色温度情報を取得する電子原稿色温度情報認識部の一例である電子原稿色温度データ取得部224とを有する。
【0036】
この色温度変換補整部220は、表示装置周辺環境光情報取得部の一例である観察環境光源データ取得部222によって得られた表示装置周辺環境光情報に基づいて、表示デバイス40で表示(形成)される電子原稿の色と略等価な画像を形成するための色変換係数である表示装置環境光補正色変換係数を決定する。すなわち色温度変換補整部220は、本発明に係る表示装置環境光補正色変換係数決定部の機能を有する。
【0037】
また、色温度変換補整部220は、電子原稿色温度情報認識部の一例である電子原稿色温度データ取得部224が取得した電子原稿色温度情報に基づいて、この電子原稿色温度情報が示す色温度の照明光源で電子原稿3に対応した画像を形成した記録物を観察したときの色と略等価な画像を形成するための色変換係数である電子画像色温度補正色変換係数を決定する。すなわち色温度変換補整部220は、本発明に係る電子画像色温度補正色変換係数決定部の機能も有する。
【0038】
たとえば、この色温度変換補整部220は、ターゲットとなる原稿の観察環境光の影響および電子原稿が取得された際の色温度データの影響を考慮して、実際に原稿を観察する際の光源特性の変化によって生じる色ずれを吸収させるため、実データに基づいて色変換係数を求め、色変換を行なう。続いて観察環境光の影響を加味するため、色温度変換補整部220は、観察環境光データ取得部210において印刷物の観察環境光データを取得し、また電子原稿色温度データ取得部224において電子原稿取得条件情報に含まれる電子原稿色温度情報を取得し、これら取得した観察環境光データおよび電子原稿色温度情報に基づいて、観察環境にあった色温度への変換係数を取得する。
【0039】
なお本実施形態では、印刷物の観察環境光データXYZ値を抽出し、そのXYZ値を上記マトリクス係数aijによりRGB値に変換したとき、入力側の値が“255”を越えないように定数倍することで、マトリクス係数を調整する。これはICCプロファイルの仕様にあわせるためである。ただし、本来ICCプロファイルの規約内では、ICCプロファイル内のホワイトポイントタグを利用してディスプレイの白色点にあたる色温度情報を書き入れることで、本調整は特別には不要である。
【0040】
しかしながらここでは環境光対応のシステム設計とするため、ディスプレイの一例である表示デバイス40側の白色点を表示デバイス40の色温度に関わらず、白色点を対象観察印刷物の白点、または環境光源色に類するものの色温度にあわせる必要がある。そこでICCで規定しているプロファイル構造における環境光に対応したCMS(カラーマネジメントシステム)を実現するため、ホワイトポイントタグには、前記対象観察印刷物の白点または環境光源色に類するものの色度情報を埋め込む。これによりディスプレイでは表示することのできない色の定義が含まれてしまう可能性があり、補正が必要となる。この補正をする機能部分が、後述する好適色再現係数決定部280である。
【0041】
また先のTRC算出部210で得られるTRC値も補正前のマトリクス係数で作られることから、マトリクス係数を補正したことによりTRCもまた再計算され、色温度変換補整部220にて、前記忠実色再現予測値を維持するための補整を施す。この補整後の忠実色再現予測値を忠実再現色変換係数という。また本実施形態での記述では、色温度変換補整部220において、白色点のみを基準とした変換方法を行なっているが、環境光の影響は色空間の箇所によって変化するものであり、白色点のみを基準とした色変換係数の補整方法に限らず、環境光の影響や色空間の箇所を考慮した変換係数の決定方法としてもよい。
【0042】
色の見え補正部240は、図3(A)に示すように、電子原稿色温度情報認識部の一例である電子原稿色温度データ取得部224によって取得された電子原稿色温度情報に基づいて、電子原稿取得条件情報を含む電子原稿3に対応する記録物を観察する光源の色温度情報を示す記録物周辺環境光情報を取得する記録物周辺環境光情報取得部の一例である主観評価実験結果取得部242を有する。
【0043】
そして、色の見え変換補正部240は、電子原稿色温度情報認識部の一例である電子原稿色温度データ取得部224によって取得された電子原稿色温度情報と、記録物周辺環境光情報取得部の一例である主観評価実験結果取得部242によって取得された記録物周辺環境光情報とに基づいて、記録物周辺環境光情報から取得した光源下での電子原稿取得条件情報を含む電子原稿に対応する記録物の色と略等価な画像を形成するための色変換係数である記録物環境光補正色変換係数を決定する。すなわち色の見え変換補正部240は、本発明に係る記録物色環境光補正色変換係数決定部の機能を有する。
【0044】
さらに色の見え補正部240は、物体色と光源色の色の見え補整を行なう、すなわち光源色と物体色の違いや周囲の色との対比効果に代表される視覚特性などの人間の視覚特性に起因による色の見えの違いを補整する。たとえば、色の見え変換補正部240は、主観評価実験結果取得部242により、反射色と光源色のカラーマッチング結果情報を取得するなどして、等色実験結果などの実データを求める。たとえば、主観評価実験結果取得部242により取得される色情報は、印刷物の白色点とディスプレイ上に表示させる色とのマッチングをとった場合における、そのマッチングしたときの色情報(デバイスXYZなど)である。色の見え変換補正部240は、この等色実験結果などの実データを用いて色変換係数を決め、印刷物のような反射色とディスプレイのような発光色における色の見えの違いを補整する。
【0045】
なお実際には、色温度変換補整部220と同様に、ディスプレイICCプロファイル内のホワイトポイントタグを使用して色温度変換におけるマッチング結果を反映させる。またこれに付随したTRCの補整も先の色温度変換補整部220と同様に行なう。
【0046】
また本実施形態での記述では、色の見え変換補整部240において、白色点のみを基準とした変換方法を行なっているが、環境光の影響は色空間の箇所によって変化するものであり、環境光の影響や色空間の箇所を考慮した変換係数の決定方法としてもよい。この点も、上記色温度変換補整部220と同様である。
【0047】
デバイス補正部260は、電子原稿色温度情報認識部の一例である電子原稿色温度データ取得部224によって取得された電子原稿色温度情報と、表示装置周辺環境光情報取得部の一例である観察環境光源データ取得部222によって取得された表示装置周辺環境光情報と、記録物周辺環境光情報取得部の一例である主観評価実験結果取得部242によって取得された記録物周辺環境光情報に基づいて、電子原稿取得条件情報を含む電子原稿に対応する記録物の記録物周辺環境光情報から取得される光源下での色と略等価な画像を表示デバイス40上に形成するための色変換係数である総合環境光補正色変換係数を決定する。すなわち、デバイス補正部260は、本発明に係る総合環境光補正色変換係数決定部の機能を有する。
【0048】
このデバイス補正部260は、表示デバイス40の色温度および機差を起因としたデバイス個々の特性を示す実データを取得する表示装置特性取得部262を備える。デバイス補正部260では、表示装置特性取得部262が取得した色温度などの実データに基づいて、表示デバイス40の色温度およびデバイス個々の特性を吸収するための補整色変換係数を求める。
【0049】
また、デバイス補正部260は、前述の色温度変換補整部220と同様に、忠実色再現予測値を維持するための補整を行なう。ここでは、その詳細な説明を割愛する。デバイス補正部260により得られた補整済みの色変換係数は、好適色再現係数決定部280に入力される。
【0050】
好適色再現係数決定部280は、電子原稿取得条件情報を含む電子原稿の色と略等価な画像を形成するための色変換係数である好適色変換係数を決定する。このため、好適色再現係数決定部280は、デバイス非依存の色空間上の座標を表わす第1の色信号(たとえばXYZ値)に対して表示デバイス40の色域に左右されない測色的な一致で再現を行なうための色変換係数である忠実再現色変換係数を決定する忠実再現色変換係数決定部282と、表示デバイス40の色域に基づいた再現を行なうための色変換係数である色域圧縮色変換係数の一例である線形圧縮色変換係数を決定する色域圧縮色変換係数決定部の一例としての線形圧縮色再現係数決定部284とを備える。また好適色再現係数決定部280は、一変数重み関数を用いて、忠実再現色変換係数決定部282により得られた忠実再現色変換係数と線形圧縮色再現係数決定部284により得られた線形圧縮色変換係数(色域圧縮色変換係数)とを比例演算することにより、電子原稿の色と略等価な画像を形成するための色変換係数である好適色変換係数を決定する関数比例演算部286を備える。
【0051】
前述のように、好適色再現係数決定部280に入力される色変換係数は種々の補整が施されているので、忠実再現色変換係数決定部282にて電子原稿取得条件情報を含む電子原稿の色と略等価な画像を形成するための色変換係数を決定すると、忠実色再現を維持した忠実再現色変換係数が取得される。よって、このようにして決定された忠実再現色変換係数を用いて、電子原稿取得条件情報を含む電子原稿3におけるデバイス非依存の色空間上の座標を表わす色信号に対して色変換処理を施すと、表示装置と電子原稿ひいてはハードコピーとのCMSが実現できる。
【0052】
しかしながら忠実再現色変換係数決定部282で決定された変換係数は、通常は最終出力側の値は表示装置の一例である表示デバイス40の色再現域を越え、ディスプレイ色域外の色域に導いてしまう(後述する図6の線分bを参照)。
【0053】
そこで本実施形態の好適色再現係数決定部280では、線形圧縮色再現係数決定部284にて、前例の8ビットRGBでは“0”〜“255”の範囲内というように、ディスプレイの色域内で収まるような圧縮を施す。本実施形態の線形圧縮色再現係数決定部284は、圧縮方法として線形圧縮を採用する。この線形圧縮された色変換係数を線形圧縮色再現係数(後述する図6の線分cを参照)という。
【0054】
この線形圧縮色再現係数により、図1内の電子原稿3は、ディスプレイの色域内で収まり、且つ印刷物の白色点の色の見えに沿った出力原稿5を提供することができる。しかしながらその再現は、圧縮(前例では線形圧縮)の影響により全体的に色あせた画像を提示することがある。そこで、本実施形態の好適色再現係数決定部280では、さらに、忠実再現色変換係数決定部282より得られる忠実再現色変換係数と線形圧縮色再現係数決定部284より得られる線形圧縮色変換係数のTRCデータを入力とした関数を用いて、関数比例演算部286により合成することで好適色再現係数(後述する図6の線分dを参照)を得、これにより、前記問題点を解消する。
【0055】
関数比例演算部286は、図3(C)に示すように、一変数重み関数格納部292、一変数重み関数定数項決定部294、および一変数重み関数定数項調整部296を含む一変数重み関数部290を有する。本実施形態の関数比例演算部286は、好適色再現係数を決定するための色変換係数の算出に際し、忠実再現色変換係数と線形圧縮色変換係数の合成関数としてC(x)を用いる。この合成関数C(x)は、一般的に、2つのTRC関数と一変数重み関数w(x)とを用いて表すことができる。
【0056】
また、一変数重み関数としては、忠実再現色変換係数と色域圧縮色変換係数とを入力としたものであるとともに、閾値内で1次微分可能であり且つ単調増加または単調減少を示す関数を用いる。たとえば、合成関数C(x)は、忠実再現色変換係数f(x)および線形圧縮色再現係数g(x)と一変数重み関数格納部292より取得する一変数重み関数w(x)を用いて、下記式(2)のように表すことができる。
【数2】
【0057】
より具体的な合成関数C1(x)の例としては、下記式(3)を用いることができる。この場合における、一変数重み関数格納部292により取得した一変数重み関数w(x)は、図4(A)のようになる。
【数3】
【0058】
またより柔軟に忠実再現色変換係数と線形圧縮色変換係数を合成するための一例としては、2つのTRC関数にかかる重みが1:1になる変極点xinfと収束速度を決定する勾配pを用いて、下記式(4)のような合成関数C2(x)および一変数重み関数w(x)として表すことができる。この場合における、一変数重み関数格納部292により取得した一変数重み関数w(x)は、図4(B)のようになる。
【数4】
【0059】
合成関数C2(x)の場合、変極点x inf と収束速度を決定する勾配pを一変数重み関数定数項調整部296により調整することで、より柔軟に好適再現色変換係数を作成することが期待できる。また、ここで用いた変極点xinfや勾配pなどのパラメータは、一変数重み関数定数項決定部294で自動的に算出してもよい。
【0060】
図5は、CMS色変換係数決定部20における上述の処理手順の概略を示したフローチャートである。先ずCMS色変換係数決定部20の第1ベースデータ取得部202は、任意のRGB値を表示デバイス40に入力して表示させたときの分光放射輝度計などのXYZ色座標の測色値(デバイスXYZ値)と入力RGB値であるデバイスRGB値とのデータ対をベースデータとして取得する(S100)。
【0061】
マトリクス係数算出部204は、デバイスRGB値とデバイスXYZ値のデータ対を用いて、マトリクス係数算出用RGB値に対応するXYZ値を予測した後(S102)、RGBデータとXYZデータとを線形的に結びつけるマトリクス係数を算出する(S104)。マトリクス変換部206は、デバイスXYZ値に線形な特性を持つリニアRGB値を算出する(S106)。第2ベースデータ取得部208は、デバイスRGB値とリニアRGB値とに基づいてTRC算出用のベースデータを取得する(S108)。
【0062】
次に、TRC算出部210は、デバイス非依存のXYZ値とリニアRGB値から、リニアRGB値に対応するデバイス依存のデバイスRGB値を予測する(S110)。外挿部分色予測部212は、ディスプレイ色域外(外挿部分)についても予測値を算出する(S112)。
【0063】
次に、色温度変換補整部220の観察環境光源データ取得部222は、表示デバイス40の周辺を照明する環境光源の情報を示す表示装置周辺環境光情報を取得する(S114)。電子原稿色温度データ取得部224は、電子原稿3に含まれる電子原稿取得条件情報から電子原稿色温度情報を取得する(S116)。色温度変換補整部220は、観察環境光源データ取得部222によって得られた表示装置周辺環境光情報に基づいて、表示デバイス40に表示される電子原稿の色と略等価な画像を形成するための表示装置環境光補正色変換係数を決定する(S118)。
【0064】
また、色温度変換補整部220は、電子原稿色温度データ取得部224が取得した電子原稿色温度情報に基づいて、その色温度の照明光源で電子原稿3に対応した画像を形成した記録物を観察したときの色と略等価な画像を形成するための電子画像色温度補正色変換係数を決定する(S120)。
【0065】
次に、色の見え補正部240の主観評価実験結果取得部242は、電子原稿色温度データ取得部224によって取得された電子原稿色温度情報に基づいて、電子原稿3に対応する記録物を観察する光源の色温度情報を示す記録物周辺環境光情報を取得する(S122)。色の見え変換補正部240は、電子原稿色温度データ取得部224によって取得された電子原稿色温度情報と主観評価実験結果取得部242によって取得された記録物周辺環境光情報とに基づいて、記録物周辺環境光情報から取得した光源下での電子原稿に対応する記録物の色と略等価な画像を形成するための記録物環境光補正色変換係数を決定する(S124)。そして、色の見え補正部240は、人間の視覚特性に起因による色の見えの違いを補整する(S126)。
【0066】
次にデバイス補正部260の表示装置特性取得部262は、表示デバイス40の色温度およびデバイス個々の特性を示す実データを取得する(S130)。そしてデバイス補正部260は、表示装置特性取得部262が取得した色温度などの実データに基づいて、表示デバイス40の色温度およびデバイス個々の特性を吸収するための補整色変換係数を取得する(S132)。
【0067】
次に、好適色再現係数決定部280の忠実再現色変換係数決定部282は、デバイス非依存の色信号(XYZ値)に対して表示デバイス40の色域に左右されない測色的な一致で再現を行なうための忠実再現色変換係数を決定する(S134)。
【0068】
線形圧縮色再現係数決定部284は、表示デバイス40の色域に基づいた再現を行なうための線形圧縮色変換係数を決定する(S136)。関数比例演算部286は、一変数重み関数を用いて、忠実再現色変換係数決定部282により得られた忠実再現色変換係数と線形圧縮色再現係数決定部284により得られた線形圧縮色変換係数とを比例演算することで、電子原稿の色と略等価な画像を形成するための色変換係数である好適色変換係数を決定する(S138)。
【0069】
図6は、CMS色変換係数決定部20にて求める各種の色変換係数を説明する図である。線分aはTRC算出部210にて予測した値である忠実色再現予測値を示し、線分bは好適色再現係数決定部282にて取得する忠実再現色変換係数を示す。また、線分cは線形圧縮色再現係数決定部284にて線形圧縮された後の色変換係数である線形圧縮色変換係数を示し、線分dは関数比例演算部286により算出された一変数重み関数を用いて補整した色変換係数である好適色再現係数を示す。
【0070】
先にも述べたように、TRC算出部210は、電子原稿におけるデバイス非依存の色空間上の座標を表わす第1の色信号の一例であるXYZ値とそれを線形的に変換した色空間上にあるリニアRGB値から、このリニアRGB値に対応する第2の色空間のデバイス依存型色信号であるデバイスRGBを予測している。そしてこの際、外挿部分色予測部212にて、対象としたディスプレイ色域の外側の外挿部分についても予測値を算出し、十二分な色域の範囲を予測しておく、すなわち第1の色信号に対して画像表示装置(前例では表示デバイス40)の色域に左右されない測色的な一致で再現を行なうための色変換係数を求めるので、線分aで示すように、当然のごとく、忠実色再現予測値は、表示装置の一例である表示デバイス40の色域を越え、ディスプレイ色域外の色域に導かれる。
【0071】
また、色温度変換補整部220や色の見え変換補正部240あるいはデバイス補正部260は、この線分aで示す忠実色再現予測値に対して環境光の影響やデバイス特性などを考慮して所定の補整を施す。このため、忠実色再現変換係数決定部282で取得された最終出力側の変換係数値である忠実色再現変換係数も、表示装置の一例である表示デバイス40の色域を越え、ディスプレイ色域外の色域に導いてしまう。
【0072】
線形圧縮色再現係数決定部284は、この再現変換係数決定部282で取得された線分bで示す忠実再現色変換係数をディスプレイ色域内に収まるように圧縮する。前例では、“0”〜“255”に範囲に収まるように線形圧縮することで、線分cで示す線形圧縮色変換係数を求める。たとえば、忠実再現色変換係数の最大値“350”がディスプレイ色域の最大値である“255”に対応するように、それぞれの忠実再現色変換係数に対して単純に比例係数“255/350”を掛けた値を線形圧縮色変換係数とする。ところが、図から明らかなように、線形圧縮の影響から、全体的に色あせた画像を提示することがある。特に、デジタル値“0”に近い低明度領域での濃度低下が大きい。
【0073】
これに対して、線分dで示す好適色再現係数によれば、デジタル値“0”に近い低明度領域では線分bで示す忠実再現色変換係数に依存度が高く、逆にデジタル値“255”に近い高明度領域では線分cで示す線形圧縮色変換係数に依存度が高くなるように、色変換係数が設定される。よって、この線分dで示す好適色再現係数を用いてデバイス非依存の色空間上の座標を表わす色信号に対して色変換処理を施すと、線形圧縮色変換によって生じる低中間調での色あせを抑えつつ、忠実再現色変換によって生じる高濃度側飽和状態を回避できる。
【0074】
以上説明したように、上記実施形態の画像処理装置1、特に本発明に係る色変換係数決定装置の一例であるCMS色変換係数決定部20によれば、デバイス非依存の色空間上の座標を表わす第1の色信号に対して画像表示装置の色域に左右されない測色的な一致で再現を行なうための色変換係数である忠実再現色変換係数を決定し、さらに画像表示装置の色域に基づいた再現を行なうための色変換係数である色域圧縮色変換係数(前例では線形圧縮色変換係数)を決定し、それぞれ決定した忠実再現色変換係数と色域圧縮色変換係数とに基づいて、電子原稿取得条件情報を含む電子原稿の色と略等価な画像を形成するための色変換係数である好適色変換係数を決定するようにした。
【0075】
たとえば、忠実再現色変換係数と色域圧縮色変換係数とを入力とした一変数重み関数で示される合成関数を用いて、色域に左右されない忠実な色再現変換係数と表示デバイスに依存した色再現変換係数を合成することによって、好適色変換係数を決定する。色変換係数適用部30は、このようにして決定された好適色変換係数を用いて、電子原稿取得条件情報を含む電子原稿3におけるデバイス非依存の色空間上の座標を表わす色信号に対して色変換処理を施す。これにより、線形圧縮色変換によって生じる低中間調での色あせを抑えつつ、忠実再現色変換によって生じる高濃度側飽和状態を回避できるので、ディスプレイ上にけるCMSとして非常に精度の高い好適な色再現画像の取得が可能となる。
【0076】
従来のICCプロファイルを用いたディスプレイCMS環境光対応においては、本来ディスプレイの色温度を入力されるべきホワイトポイントタグに環境光にあたるデータを入力することで実施する。しかしながら従来の色変換方法では、環境光の影響を受け、表示装置の色域に関して十分な検討がなされておらず、色飛びが発生したり、逆に色あせ(低明度でのコントラスト低下)が発生してしまう要素をはらんでいた。加えて、ディスプレイ個々でその特性は異なり、それぞれで最適な色域を設定する必要があった。さらに、一般的には原稿の反射輝度に比べ、表示装置の輝度が低いため、忠実な再現を目指すと色飛びの破綻が生じてしまう結果となる。これらのために、ディプレイ上では、相対的な印象として光った印象を受ける画像となり好ましくない結果となっていた。
【0077】
これに対して、上記実施形態によれば、電子原稿およびハードコピーとディスプレイ(画像表示装置)とにおける色再現域に違いがあっても、CMS適用再現画像において、色あせや色飛びが生じることなく、電子原稿の本来の色をディスプレイ上に好適に再現することができる。加えて、照明光などの影響分を補正すれば、表示装置や観察環境によらず原稿の色度を精度よくディスプレイ上に色再現することができる。
【0078】
白色ポイントXYZを上限値と定めそれにあわせてディスプレイの色域に左右されず測色的な観点から色一致が得られるような忠実再現色変換係数を決定するとともに、ディスプレイ色域内に収まるように単純に圧縮するのではなく、色域に左右されない忠実再現色変換係数とディスプレイ再現範囲を反映した色域圧縮色変換係数とを合成することでより好ましい色変換係数である好適再現色変換係数を求めれば、効率よく色域を使用することができ、色飛びや色あせあるいはコントラスト低下の影響を極力抑えるように色変換を実現することで、精度の高い再現画像を構築することができる。また忠実な色再現での色変換係数を用いて、低明度成分で忠実な再現、高明度成分ではたとえば線形圧縮的な再現を基本とした色再現を実現することもできる。これにより、高明度での色飛びや低明度でのコントラスト低下を極力抑えた色再現ができる。
【0079】
なお、上記の実施形態は、CMS色変換係数決定部20の機能部分をハードウェアにて構成するものとして説明したが、これに限らず、マイコンなどのCPU(中央演算処理装置)やパソコンなどの、いわゆる電子計算装置を利用し、ソフトウェアにて、上記の処理機能を実現することもできる。
【0080】
この場合、マイコンやパソコンなどの電子計算装置は、前述のCMSベース色変換係数決定部200、色温度変換補整部220、デバイス補正部260、あるいは好適色再現係数決定部280などの各機能部分をソフトウェアとして備える。すなわち、前述の測色的CMSベース色変換係数決定部200、色温度変換補整部220、デバイス補正部260、あるいは好適色再現係数決定部280などの各機能部分を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体(たとえば図示しないRAMなど)から、装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)がプログラムコードを読出し実行することによって、前述の実施形態で述べた効果が達成される。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述の実施形態の機能を実現することになる。なお、プログラムは、記憶媒体を介して提供されるものに限らず、有線あるいは無線による通信手段を介して配信されるプログラムデータをダウンロードしたものであってもよい。
【0081】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することで各機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によって各機能が実現される場合であってもよい。さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によって前述の実施形態の各機能が実現される場合であってもよい。
【0082】
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更または改良を加えることができ、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0083】
また、上記の実施形態は、クレーム(請求項)にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組合せの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜の組み合わせにより種々の発明を抽出できる。実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0084】
たとえば、上記実施形態で示したCMS色変換係数決定部20は、表示デバイス40などとともに一体化された画像表示装置として提供されてもよい。
【0085】
また、マトリクス係数算出部204やTRC算出部210では、特開平10−262157号に記載の予測方法を利用していたが、予測方法は、特開平10−262157号に記載の方法に限らず、その他の方法を利用してもよい。
【0086】
また、好適色再現係数決定部280は、圧縮方法として線形圧縮を採用する線形圧縮色再現係数決定部284を用いたが、圧縮方法は、線形圧縮に限らず、より高次元の変換式を利用したものであってもよい。
【0087】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、デバイス非依存の色空間上の座標を表わす色信号に対して画像表示装置の色域に左右されない測色的な一致で再現を行なうための忠実再現色変換係数を決定し、さらに画像表示装置の色域に基づいた再現を行なうための色域圧縮色変換係数を決定し、それぞれ決定した忠実再現色変換係数と色域圧縮色変換係数とに基づいて、電子原稿の色と略等価な画像を形成するための色変換係数である好適色変換係数を決定するようにした。
【0088】
これにより、たとえば線形圧縮色変換によって生じる低中間調での色あせを抑えつつ、忠実再現色変換によって生じる高濃度側飽和状態を回避できるので、画像表示装置上にけるカラーマネージメントシステムとして精度の高い好適な色再現画像の取得が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る色変換係数決定装置の一実施形態を備えた画像処理装置のブロック図である。
【図2】 CMS色変換係数決定部の一構成例のブロック図とデータの流れを示す図である。
【図3】 CMS色変換係数決定部の具体的な構成例を示すブロック図である。
【図4】 好適色再現係数決定部にて使用する一変数重み関数w(x)の特性例を示す図である。
【図5】 CMS色変換係数決定部における処理手順の概略を示したフローチャートである。
【図6】 CMS色変換係数決定部にて求める各色変換係数を説明する図である。
【符号の説明】
1…画像処理装置、3…電子原稿、5…出力原稿、10…電子原稿データ取得部、20…CMS色変換係数決定部、30…色変換係数適用部、40…表示デバイス、102…第1の最適ベースデータ算出部、104…マトリクス係数算出部、106…マトリクス変換部、110…TRC算出部、120…3×3マトリクス係数補正部、180…TRC LUT データ補正部、200…測色的CMSベース色変換係数決定部、202…第1ベースデータ取得部、204…マトリクス係数算出部、206…マトリクス変換部、208…第2ベースデータ取得部、210…TRC算出部、212…外挿部分色予測部、220…色温度変換補整部、222…観察環境光源データ取得部、224…電子原稿色温度データ取得部、240…色の見え変換補正部、242…主観評価実験結果取得部、260…デバイス補正部、262…表示装置特性取得部、280…好適色再現係数決定部、282…忠実色再現変換係数決定部、284…線形圧縮色再現係数決定部、286…関数比例演算部、290…一変数重み関数部、292…一変数重み関数格納部、294…一変数重み関数定数項決定部、296…一変数重み関数定数項調整部
Claims (9)
- 電子原稿を表す画像表示装置に表示されるカラー画像の色情報を補正するために使用される色変換係数であって、前記画像表示装置に依存しない色空間であるデバイス非依存色空間上の座標で表わされる第1の色信号と、前記画像表示装置に依存した色空間であるデバイス依存色空間上の座標で表わされる第2の色信号との対応関係を表わす色変換係数を作成する色変換係数作成方法において、
前記第1の色信号に対して前記画像表示装置の色再現域に左右されない測色的な一致で再現を行なうための前記色変換係数である忠実再現色変換係数を決定する忠実再現色変換係数決定工程と、
前記画像表示装置の色再現域に基づいた再現を行なうための前記色変換係数である色域圧縮色変換係数を決定する色域圧縮色変換係数決定工程と、
前記忠実再現色変換係数決定工程にて得られた前記忠実再現色変換係数と、前記色域圧縮色変換係数決定工程にて得られた前記色域圧縮色変換係数とに基づいて、前記電子原稿の色と略等価な画像を前記画像表示装置に表示させるための前記色変換係数である好適色変換係数を決定する好適色再現係数決定工程と、
を有し、
前記好適色再現係数決定工程は、前記忠実再現色変換係数を表す関数をf(x)とし、前記色域圧縮色変換係数を表す関数をg(x)とし、1つの変数で規定される関数である一変数重み関数をw(x)とし、前記色信号のビット数をNとしたとき、前記好適色変換係数を表す関数C(x)を下記式に基づいて決定する
ことを特徴とする色変換係数作成方法。
C(x)=w(x)g(x)+(1−w(x))f(x)
w(x)=x/2 N −1
x=0,1,2,3,…,2 N −1 - 電子原稿を表す画像表示装置に表示されるカラー画像の色情報を補正するために使用される色変換係数であって、前記画像表示装置に依存しない色空間であるデバイス非依存色空間上の座標で表わされる第1の色信号と、前記画像表示装置に依存した色空間であるデバイス依存色空間上の座標で表わされる第2の色信号との対応関係を表わす色変換係数を作成する色変換係数作成装置において、
前記第1の色信号に対して前記画像表示装置の色再現域に左右されない測色的な一致で再現を行なうための前記色変換係数である忠実再現色変換係数を決定する忠実再現色変換係数決定部と、
前記画像表示装置の色再現域に基づいた再現を行なうための前記色変換係数である色域圧縮色変換係数を決定する色域圧縮色変換係数決定部と、
前記忠実再現色変換係数決定部が決定した前記忠実再現色変換係数と前記色域圧縮色変換係数決定部が決定した前記色域圧縮色変換係数とに基づいて、前記電子原稿の色と略等価な画像を前記画像表示装置に表示させるための前記色変換係数である好適色変換係数を決定する好適色再現係数決定部と、
を備え、
前記好適色再現係数決定部は、1つの変数で規定される関数である一変数重み関数を用いて、前記忠実再現色変換係数決定部が決定した前記忠実再現色変換係数と前記色域圧縮色変換係数決定部が決定した前記色域圧縮色変換係数とを比例演算することで前記好適色変換係数を決定する関数比例演算部を有し、
前記関数比例演算部は、前記忠実再現色変換係数を表す関数をf(x)とし、前記色域圧縮色変換係数を表す関数をg(x)とし、前記一変数重み関数をw(x)とし、前記色信号のビット数をNとしたとき、前記好適色変換係数を表す関数C(x)を下記式に基づいて決定する
ことを特徴とする色変換係数作成装置。
C(x)=w(x)g(x)+(1−w(x))f(x)
w(x)=x/2 N −1
x=0,1,2,3,…,2 N −1 - 前記一変数重み関数w(x)は、当該一変数重み関数w(x)を規定する第1の定数である変極点x inf 、第2の定数である勾配pとしたとき、下記式で表されるものであることを特徴とする請求項2に記載の色変換係数作成装置。
w(x)=1−1/{(x/x inf ) p +1} - 前記一変数重み関数を規定する定数を調整する一変数重み関数定数項調整部を備えた
ことを特徴とする請求項3に記載の色変換係数作成装置。 - 前記画像表示装置の色再現域を越える領域である外挿部分の色を予測する外挿部分色予測部を備え、
前記忠実再現色変換係数決定部は、前記外挿部分色予測部が予測した前記外挿部分の色情報を参照して、前記忠実再現色変換係数を決定する
ことを特徴とする請求項2から4のうちの何れか1項に記載の色変換係数作成装置。 - 前記電子原稿に含まれる電子原稿取得条件情報に基づいて当該電子原稿の色温度に関する情報である電子原稿色温度情報を取得する電子原稿色温度情報認識部と、
前記電子原稿色温度情報認識部が取得した前記電子原稿色温度情報が示す色温度の照明光源で前記電子原稿に対応したカラー画像を形成した記録物を観察したときの色と略等価なカラー画像を前記画像表示装置に表示させるための前記色変換係数である電子画像色温度補正色変換係数を決定する電子画像色温度補正色変換係数決定部と
を備えたことを特徴とする請求項2から5のうちの何れか1項に記載の色変換係数作成装置。 - 前記画像表示装置の周辺を照明する環境光源の情報である表示装置周辺環境光情報を取得する表示装置周辺環境光情報取得部と、
前記表示装置周辺環境光情報取得部によって取得された前記表示装置周辺環境光情報に基づいて、前記画像表示装置に表示される前記電子原稿を表すカラー画像の色と略等価な画像を形成するための前記色変換係数である表示装置環境光補正色変換係数を決定する表示装置環境光補正色変換係数決定部と
を備えたことを特徴とする請求項2から6のうちの何れか1項に記載の色変換係数作成装置。 - 電子原稿取得条件情報を含む電子原稿を表す画像表示装置に表示されるカラー画像の色情報を補正するために使用される色変換係数であって、前記画像表示装置に依存しない色空間であるデバイス非依存色空間上の座標で表わされる第1の色信号と、前記画像表示装置に依存した色空間であるデバイス依存色空間上の座標で表わされる第2の色信号との対応関係を表わす色変換係数を作成する色変換係数作成処理をするためのプログラムであって、
コンピュータを、
前記第1の色信号に対して前記画像表示装置の色再現域に左右されない測色的な一致で再現を行なうための前記色変換係数である忠実再現色変換係数を決定する忠実再現色変換係数決定部と、
前記画像表示装置の色再現域に基づいた再現を行なうための前記色変換係数である色域圧縮色変換係数を決定する色域圧縮色変換係数決定部と、
前記忠実再現色変換係数決定部が決定した前記忠実再現色変換係数と、前記色域圧縮色変換係数決定部が決定した前記色域圧縮色変換係数とに基づいて、前記電子原稿の色と略等価な画像を前記画像表示装置に表示させるための前記色変換係数である好適色変換係数を決定する好適色再現係数決定部と
して機能させるとともに、
前記好適色再現係数決定部では、前記忠実再現色変換係数を表す関数をf(x)とし、前記色域圧縮色変換係数を表す関数をg(x)とし、1つの変数で規定される関数である一変数重み関数をw(x)とし、前記色信号のビット数をNとしたとき、前記好適色変換係数を表す関数C(x)を下記式に基づいて決定する
ことを特徴とするプログラム。
C(x)=w(x)g(x)+(1−w(x))f(x)
w(x)=x/2 N −1
x=0,1,2,3,…,2 N −1 - 電子原稿取得条件情報を含む電子原稿を表す画像表示装置に表示されるカラー画像の色情報を補正するために使用される色変換係数であって、前記画像表示装置に依存しない色空間であるデバイス非依存色空間上の座標で表わされる第1の色信号と、前記画像表示装置に依存した色空間であるデバイス依存色空間上の座標で表わされる第2の色信号との対応関係を表わす色変換係数を作成する色変換係数作成処理をするためのプログラムを格納したコンピュータ読取可能な記憶媒体であって、
コンピュータに、
前記第1の色信号に対して前記画像表示装置の色再現域に左右されない測色的な一致で再現を行なうための前記色変換係数である忠実再現色変換係数を決定する忠実再現色変換係数決定手順と、
前記画像表示装置の色再現域に基づいた再現を行なうための前記色変換係数である色域圧縮色変換係数を決定する色域圧縮色変換係数決定手順と、
前記忠実再現色変換係数決定手順にて得られた前記忠実再現色変換係数と、前記色域圧縮色変換係数決定手順にて得られた前記色域圧縮色変換係数とに基づいて、前記電子原稿の色と略等価な画像を前記画像表示装置に表示させるための前記色変換係数である好適色変換係数を決定する好適色再現係数決定手順と
を実行させるとともに、
前記好適色再現係数決定手順では、前記忠実再現色変換係数を表す関数をf(x)とし、前記色域圧縮色変換係数を表す関数をg(x)とし、1つの変数で規定される関数である一変数重み関数をw(x)とし、前記色信号のビット数をNとしたとき、前記好適色変換係数を表す関数C(x)を下記式に基づいて決定するプログラムを格納した
ことを特徴とする記憶媒体。
C(x)=w(x)g(x)+(1−w(x))f(x)
w(x)=x/2 N −1
x=0,1,2,3,…,2 N −1
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