WO2000079536A1 - Bobine de bande de cassette magnetique - Google Patents

Description

明細書 磁気テープカセッ トのテープリール 技術分野

本発明は、 ディジタルビデオカセッ ト （D V C ) 等の磁気テープカセッ トのテープリールに関し、 詳しくはテープリールの溶着用ボスの超音波溶 着を効率良く行うための構造、 及びテープリールに卷回する磁気テープの 巻き姿を良好にするための構造、 及び磁気テープカセッ トの非使用時の防 塵性確保及びテープリールの下フランジの変形防止を両立させるための構 造、 及びテープリールとの接触に伴う磁気テープの損傷等を防止するため の構造、 及びハブに特徴を有する構造に関する。

また、 本発明は、 磁気テープをテープリールに卷回させるための磁気テ —プ卷取装置に関し、 詳しくは磁気テープの卷き姿をテープリールの上フ ランジ内面を基準と して整えるための構造に関する。

背景技術

一般に、 オーディオ機器やビデオ機器等においては、 一対のテープリー ルに卷回した磁気テープを、 カセッ トハーフ内に走行可能に保持して記録 再生を行う磁気テープカセッ トが多用されている。

第 2 0図を参照すると、 従来、 例えば D V C (ディジタルビデオカセッ ト） として用いられる磁気テープカセッ ト 1 3 0と して、 磁気テープ tを 卷回した一対のテープリール 1 3 1を、 上カセッ トハーフ 1 3 2と対をな す下カセッ トハーフ 1 3 3内に、 回動自在に支持したものがある。

下カセッ トハーフ 1 3 3における第 2 0図中手前側の開口部 1 3 4両側 にはそれぞれ、 テープガイ ド 1 3 5が設けられる。 各テープガイ ド 1 3 5 はそれぞれ、 一方のテープリール 1 3 1から送出されて他方のテープリ一 ル 1 3 1に巻き取られる磁気テープ tを案内し、 磁気テープ tを前記開口 部 1 3 4における所定の位置を通過させる。

また、 下カセッ トハーフ 1 3 3における後方側には、 テープリール係止 用アーム 1 3 8を有するリールロック部材 1 3 9が設けられる。 リールロ ック部材 1 3 9は、 圧縮コイルパネ 1 4 0によって付勢されることにより . テ一プリ一ル係止用アーム 1 3 8を各テ一プリール 1 3 1の外周に形成さ れた係合歯 1 4 1に係合させ、 各テープリール 1 3 1の不用意な回転を阻 止する。 これにより磁気テープ tの卷き緩み等を防止する。

上カセッ トハーフ 1 3 2には、 下カセッ トハーフ 1 3 3の開口部 1 34 を覆うアウターリ ツ ド 1 5 0、 アッパーリ ツ ド 1 5 1及びィンナーリ ッ ド 1 5 2がそれぞれ、 開閉自在に取り付けられる。

アウターリ ツ ド 1 5 0の側板 1 5 3には、 ロ ックピン 1 5 4が突設され る。 ロ ック ピン 1 5 4は、 下カセッ トハーフ 1 3 3に回動自在に設けられ たリ ツ ドロック 1 5 5に係止される。 なお符号 1 5 6は、 アウターリ ツ ド 1 5 0の回転軸に装着されるリ ッ ドバネを示す。

各テープリール 1 3 1はそれぞれ、 対向する上フランジ 1 4 2及び下フ ランジ 1 4 3を、 所定の位置関係を以つて固定して構成される。

すなわち各テープリール 1 3 1においてはそれぞれ、 上フランジ 1 4 2 の中央部 1 4 4に設けられたピボッ ト孔 1 4 6に、 下フランジ 1 4 3のハ ブ 1 4 5に突設されたピボッ ト 1 4 7が嵌挿される。 また、 下フランジ 1 4 3のハブ 1 4 5におけるピボッ ト 1 4 7から放射方向に離れた位置に突 設された溶着用ボス 1 4 8力 S、 上フランジ 1 4 2の中央部 1 44における 溶着用ボス 1 4 8に対応する位置に設けられた溶着用ボス孔 1 4 9に嵌揷 される。 この状態で、 溶着用ボス 1 4 8の先端面 （第 2 0図中上端面） 略 中央に、 溶着ホーン （図示しない） が当接されることにより、 溶着用ボス 1 4 8が超音波溶着される。 これにより、 対向する上フランジ 1 4 2及び 下フランジ 1 4 3が、 所定の位置関係を以つて固定される。

第 2 0図及び第 2 1図を参照すると、 下フランジ 1 4 3のハブ 1 4 5 と 反対側の底面 1 4 3 aには、 金型加工の基準となる基準リング 1 5 7が設 けられる。 基準リング 1 5 7は、 溶着用ボス 1 4 8よりもピボッ ト 1 4 7 から放射方向に離れた位置にある。 基準リング 1 5 7の面 1 5 7 aは、 寸 法関係の把握のし易さ等の理由から、 溶着用ボス 1 4 8の超音波溶着時の 受面とされている。 すなわち基準リ ング 1 5 7の面 1 5 7 aは、 溶着用ボ ス 1 4 8が超音波溶着される際、 図示しない溶着受け台に当接されること により、 溶着ホーンからの押圧力及び超音波発振に伴う振動等を溶着受け 台に受けさせる。

上述した従来の磁気テープカセッ ト 1 3 0では、 基準リング 1 5 7の面 1 5 7 aを、 溶着用ボス 1 4 8の超音波溶着時の受面としている。 このた め、 溶着ホーンからの超音波の発振エネルギーが、 溶着用ボス 1 4 8から 基準リング 1 5 7までのテ一プリール 1 3 1の各部位の共振等によって一 部失われてしまい、 溶着ホーンから溶着用ボス 1 4 8への超音波の発振ェ ネルギ一の伝達効率が低いという問題があった。 超音波の発振エネルギー の伝達効率が低いと、 溶着に時間がかかるため、 超音波の発振時間を長く する必要があり、 量産適性及び溶着安定性に欠けるという問題があった。 更に溶着安定性に欠けると、 上フランジ 1 4 2及び下フランジ 1 4 3の対 向姿勢に歪みが生じるおそれがあり、 テープリール 1 3 1 の回転時、 面振 れの原因となってしまう。

本発明の第 1の目的は、 超音波の発振エネルギーの溶着用ボスへの伝達 効率を高めることができ、 これにより溶着用ボスの超音波溶着に要する時 間の短縮及び溶着安定性の向上を図ることができる磁気テープカセッ 卜の テープリールを提供することにある。

次に、 第 2 2図を参照すると、 上フランジ 1 4 2の内面 （下面） は、 ノヽ ブ 1 4 5の側壁 1 4 5 bの基端部 （第 2 2図中上端部 a ) から放射方向外 側 （第 2 2図中右側） に向けて、 徐々に上傾する勾配面 1 4 2 b と して形 成されている。 また、 下フランジ 1 4 3の内面 （上面） は、 側壁 1 4 5 b の基端部 （第 2 2図中下端部 b ) から放射方向外側 （第 2 2図中右側） に 向けて、 徐々に下傾する勾配面 1 4 3 b と して形成されている。

しかし、 このように上フランジの下面及び下フランジの上面の全域に勾 配が形成されていると、 磁気テープ巻回時にテープを巻回し易い反面、 磁 気テープが上下方向に振れる恐れがある。

磁気テープを卷回し始めて所定時間経過すれば、 リール駆動手段の回転 速度及びテープテンショ ンが一定になり、 磁気テープは安定に走行するの で、 上下方向に振れることはないが、 磁気テープの卷き始めにおいては、 リール駆動手段の回転速度が徐々に上昇し、 またテープテンショ ンも徐々 に上昇するので、 テープ走行が安定しない。

すると、 磁気テープが上下方向に振れてしまい、 卷回された磁気テープ 側縁が整列状態に重ならず、 側縁により形成される卷面が乱れて平坦にな らず、 良好な卷き姿が得られないという問題がある。

本発明の第 2の目的は、 上記問題を解消することにあり、 卷回される磁 気テープの巻き姿が良好となる磁気テープ用リールを提供することにある。 次に、 第 2 3図を参照すると、 下カセッ トハーフ 1 3 3の内面 （第 2 3 図中上面） におけるリール孔 1 3 3 aの縁部にはそれぞれ、 環状凸部 1 3 3 bが設けられる。 各環状凸部 1 3 3 bはそれぞれ、 磁気テープカセッ ト 1 3 0の非使用時 （第 2 3図に示す状態）、 各テープリール 1 3 1 の下フ ランジ 1 4 1の外面に当接する。 これにより各環状凸部 1 3 3 bはそれぞ れ、 磁気テープカセッ ト 1 3 0内部への粉塵等の侵入を極力排除するとと もに、 各テープリール 1 3 1及び各テープリール 1 3 1に卷回された磁気 テープ tの重みを支える。

上述した従来の磁気テープカセッ ト 1 3 0では、 各テープリール 1 3 1 のサイズ （外径） が大きくなると、 非使用時において、 各テープリール 1 3 1の下フランジ 1 4 1が磁気テープ t の重みを支えきれず、 下フランジ 1 4 1における環状凸部 5 3 b との当接部分より も放射方向外側部分が撓 む等の不具合を生じるという問題があった。

そのような場合、 各テープリール 1 3 1の下フランジ 1 4 1の肉厚を大 きくすることにより、 対応することができる。 しかし、 下フランジ 1 4 1 の肉厚を大きくすると、 磁気テープカセッ ト 1 3 0の非使用時における下 フランジ 1 4 1 と下カセッ トハーフ 1 3 3 とのク リァランスが確保できな いという問題があった。 ク リアランスが確保できないと、 例えば磁気テ一 プカセッ ト 1 3 0の搬送時の振動等によって、 下フランジ 1 4 1 と下カセ ッ トハーフ 1 3 3との間で摺れが生じてしまう等の不具合を生じる。 本発明の第 3の目的は、 非使用時における内部の高い防塵性を確保する ことができるとともに、 テープリールの下フランジの変形等を確実に防止 することができ、 下フランジと下カセッ トハーフとの十分なク リアランス を確保することができる磁気テープカセッ トを提供することにある。

次に、 第 2 4図を参照すると、 従来、 例えばベータカム用の磁気テープ カセッ ト 2 3 0として、 磁気テープ tを卷回した一対のテープリール 2 3 1を、 上カセッ トハーフ 2 3 2 と対をなす下カセッ トハーフ 2 3 3内に、 回動自在に支持したものがある。

下カセッ トハーフ 2 3 3における第 2 4図中手前側の開口部 2 3 4両側 にはそれぞれ、 テープガイ ド 2 3 5が設けられる。 各テープガイ ド 2 3 5 はそれぞれ、 一方のテープリール 2 3 1から送出されて他方のテープリ一 ル 2 3 1に巻き取られる磁気テープ tを案内し、 磁気テープ tを前記開口 部 2 3 4における所定の位置を通過させる。 一方、 上カセッ トハーフ 2 3 2には、 下カセッ トハーフ 2 3 3の開口部 2 3 4を覆う リ ツ ド 2 5 0力 開閉自在に取り付けられる。

各テープリール 2 3 1はそれぞれ、 対向する上フランジ 2 4 2及び下フ ランジ 2 4 3間に所定の間隙をあけた状態で、 上フランジ 2 4 2の中心部 2 4 4及び下フランジ 2 4 3のハブ 2 4 5を固定して構成される。

すなわち、 各テープリール 2 3 1においてはそれぞれ、 上フランジ 2 4 2の中心部 2 4 4に設けられたピボッ ト孔 2 4 6に、 下フランジ 2 4 3の ハブ 2 4 5上のピボッ ト 2 4 7が嵌揷される。 また、 下フランジ 2 4 3の ハブ 2 4 5におけるピボッ ト 2 4 7から放射方向に離れた位置に突設され た複数の溶着用ボス 2 4 8がそれぞれ、 上フランジ 2 4 2の中心部 2 4 4 における溶着用ボス 2 4 8に対応する位置に設けられた複数の溶着用ボス 孔 2 4 9に嵌挿される。

この状態で、 各溶着用ボス 2 4 8の先端面略中央にそれぞれ、 溶着ホー ン （図示しない） が当接されることにより、 各溶着用ボス 2 4 8がそれぞ れ超音波溶着される。 これにより、 対向する上フランジ 2 4 2及び下フラ ンジ 2 4 3が、 所定の間隙をあけた状態で固定される。

第 2 5図を参照すると、 下フランジ 2 4 3における上フランジ 2 4 2 と の対向面 2 4 3 a (第 2 5図中上面） には、 エア抜き用凹部 2 5 1 (第 2 4図においては省略） 、 周方向に所定の間隔をあけて複数、 下フランジ

2 4 3を金型成型する際に形成される。 各エア抜き用凹部 2 5 1はそれぞ れ、 磁気テープ卷取り時の同伴エアを外部に排出させ、 磁気テープ tの卷 乱れ等を防止する。

上述した従来のベータカム用磁気テープカセッ ト 2 3 0では、 下フラン ジ 2 4 3の各エア抜き用凹部 2 5 1 の縁部 2 5 2にそれぞれ略全周に渡つ て、 金型成型に伴ってエッジ 2 5 3を生じていた。 このため、 磁気テープ 卷取りの際、 エッジ 2 5 3が磁気テープ tに接触して損傷等を与えてしま う とレヽぅ問題があった。

このような問題は、 近年の磁気テープ記録の高密度化に伴って、 記録精 度等に深刻な悪影響を与えており、 ベータカム等の業務用磁気テープカセ ッ トにおいて、 特に問題とされていた。

本発明の第 4の目的は、 テープリールとの接触に伴う磁気テープの損傷 等を防止することができ、 これにより磁気テープ記録の高密度化に対応す ることができる磁気テープカセッ トを提供することにある。

また、 この種のテープリールでは、 ハブの高さがテープ幅よりわずかに 高いために、 テープが巻回中に上下動して軸方向に移動することがあり、 ハブに卷回される磁気テープが部分的に軸方向に突出することがある。 こ れを防止するために、 実開昭 5 8— 1 8 7 0 8 3号公報にはハブの周面が 軸方向に対して傾斜した構成のテープ用リールが開示されている。 第 2 6 図 （ a ) は前記公報に記載のテープ用リールの断面図であり、 第 2 6図 ( b ) はこのテープ用リールのハブの概略側面図である。

第 2 6図に示す従来のテープ用リールは、 ハブ 3 2 0の上下にフランジ

3 2 2 , 3 2 4を有し、 ノヽブ 3 2 0 と下フランジ 3 2 4とがー体に樹脂で 成型され、 ハブ 3 2 0の上端に別体の樹脂製上フランジ 3 2 2の中央部が 超音波溶着された構成である。 ハブ 3 2 0の外周面 3 2 0 aは円形である 力 その円形外周面 3 2 0 aの中心線 Aが軸方向 Bに対して一定の角度 Θ だけ傾斜している。 また、 上下フランジ 3 2 2， 3 2 4の対向する各内面 3 2 2 a， 3 2 4 aは、 半径方向外方に向かうに従って拡開する傾斜面に それぞれ形成されている。 ハブ 3 2 0は周面全域が傾斜しており、 平面視 で 1 8 0 ° 対向する位置にある周面どう しは軸方向の異なる方向に向かつ て傾斜している。

このテープ用リールによれば、 ハブ 3 2 0に卷回される磁気テープ 3 2 6は平面視で 1 8 0 ° ごとに上下何れかのフランジ 3 2 2 , 3 2 4に接触 して上下方向の動きが規制されるので、 磁気テープ 3 2 6が軸方向 Bに部 分的に突出することなく巻回される。

ところで、 一般に金型からのハブ成型品の抜き方向は、 ハブの軸方向に 等しい。 ところが、 第 2 6図に示すような平面視で 1 8 0 ° 対向する位置 にある周面どう しが異なる方向を向いて傾斜したハブ 3 2 0は、 射出成型 後にそのまま金型から軸方向 Bに沿って抜く ことができない。 したがって、 ハブ 3 2 0の製造に際しては、 スライ ドコア等を用いた金型が必要であり、 金型が複雑になるとともに、 製造が困難である。

本発明の第 5の目的は、 上記問題を解消することにあり、 製造が容易で あり、 卷回される磁気テープの巻き姿が良好となる磁気テープ用リール及 び該リールの製造方法を提供することにある。

次に、 従来、 特開平 1 一 2 1 7 7 8 2号公報には、 第 2 7図に示すよう に、 磁気テープ卷取装置 4 4 0として、 テープリール 4 4 1の下フランジ 4 4 2に対向して設けられた永久磁石 4 4 3により、 テープリール 4 4 1 に巻き込み中の磁気テープ 4 4 4を非接触で下フランジ 4 4 2寄り （第 2 7図中右側） に付勢し、 磁気テープ 4 4 4の巻き姿を下フランジ 4 4 2内 面を基準として整えるものが記載されている。

テープリール 4 4 1は、 駆動機構 4 4 5の回転軸 4 4 6上に取り付けら れており、 駆動機構 4 4 5によって回転駆動されることにより、 磁気テー プ 4 4 4をテープ原反 （図示しない） からテープ巻き面 4 4 7に卷き取る。 永久磁石 4 4 3は、 ドーナツ形状であり、 貫通孔 4 4 8に駆動機構 4 4 5 の回転軸 4 4 6を遊挿された状態で、 支持部 4 4 9を介して卷取装置本体 4 5 0に支持される。

上述した従来の磁気テープ巻取装置 4 4 0では、 永久磁石 4 4 3がテー プリール 4 4 1の下フランジ 4 4 2に対向して設けられており、 磁気テー プ 4 4 4の卷き姿を下フランジ 4 4 2内面を基準と して整える。

このため、 磁気テープカセッ トを記録再生装置にかけて磁気テープ 4 4 4を走行させた場合、 記録再生装置による初回のテープ走行と 2回目以降 のテープ走行とで、 磁気テープ 4 4 4の走行経路にズレを生じてしまう と いう問題があった。

すなわち、 例えば第 2 8図に示すような記録再生装置 4 6 0において、 初回のテープ走行では、 従来の磁気テープ卷取装置 4 4 0によってテープ リール 4 6 1に巻き込まれた磁気テープ 4 6 2は、 第 2 8図中二点鎖線で 示すような第 2 8図中下側に偏った経路で走行する。 これは、 テープリー ル 4 6 1の下フランジが、 放射方向に向けて下降傾斜するテーパ面を有し ていることから、 テ一プリール 4 6 1に卷回された磁気テープ 4 6 2は、 外周側程下方に下がるからである。 また、 記録再生装置 4 6 ◦によってテ 一プリール 4 6 1に卷き戻された磁気テープ 4 6 2を、 再び走行させる 2 回目以降のテープ走行では、 磁気テープ 4 6 2は、 第 2 8図中実線で示す 本来の走行経路で走行する。 したがって、 記録再生装置 4 6 0による初回 のテープ走行と 2回目以降のテープ走行とで、 磁気テープ 4 6 2の走行経 路にズレを生じる。

以下、 磁気テープ 4 6 2の走行経路にズレを生じる原因について詳述す る。

最初に、 記録再生装置 4 6 0における磁気テープ 6 2の走行経路を説明 すると、 磁気テープカセッ ト 4 6 3のテープリール 4 6 1から繰り出され た磁気テープ 4 6 2が、 テープガイ ド T G 0、 テープガイ ド T G 1、 テー プガイ ド T G 2、 及びテープガイ ド T G 3によって案内される。 これによ り、 磁気テープ 4 6 2と記録再生用ヘッ ド 4 6 4 (シリンダ） との相対位 置が規定される。

換言すると、 テープリール 4 6 1から繰り出された磁気テープ 4 6 2は テープガイ ド T G 0を介して、 テープガイ ド T G 1によって上限まで一旦 引き上げられ、 テープガイ ド T G 1による上限位置での位置規制を受けた 後、 テープガイ ド T G 2によってテープガイ ド T G 3との間で本来の位置 に位置規制され、 記録再生用へッ ド 4 6 4に所定の相対位置を以て接触す る。

しかし、 従来の磁気テープ卷取装置 4 4 0によってテープリール 4 6 1 に巻き込まれた磁気テープ 4 6 2では、 下フランジにテーパ面があること から、 テープリール 4 6 1からの送出位置が、 第 2 8図中二点鎖線で示す 低い （下フランジ 4 6 6寄りの） 位置となる。

このため、 テープリール 4 6 1から送出された磁気テープ 4 6 2は、 第 2 8図中二点鎖線で示すように、 テープガイ ド T G 1の案内による上限位 置まで達することができず、 テープガイ ド T G 1による上限位置での位置 規制を受けないまま、 テープガイ ド T G 2及びテープガイ ド T G 3によつ て位置規制される。 したがって、 テープガイ ド T G 2及びテープガイ ド T G 3間での磁気テープ 4 6 2の本来の走行経路にズレを生じる。 この現象 は、 卷回された磁気テープ 4 6 2が外周側である程顕著に現れる。

以上のように、 記録再生装置 4 6 0による初回のテープ走行と 2回目以 降のテープ走行とで、 磁気テープ 4 6 2の走行経路にズレを生じると、 初 回のテープ走行時における磁気テープ 4 6 2及び記録再生用へッ ド 4 6 4 の相対位置と、 2回目以降のテープ走行時における磁気テープ 4 6 2及び 記録再生用ヘッ ド 4 6 4の相対位置とが異なる。 その結果、 磁気テープ 4 6 2への記録再生状態に、 互換性不良の修復できない重大な欠陥を生じる という問題があった。

本発明の第 6の目的は、 磁気テープの巻き姿をテープリ一ルの上フラン ジを基準として整えることができ、 これにより記録再生装置における磁気 テープの走行安定化を図ることができる磁気テープ巻取装置を提供するこ とにある。 発明の開示

上記第 1の目的は、 第 1の発明である、 上フランジと、 該上フランジに 対向して配置され、 前記上フランジの中央部と対向する面にハブを有する 下フランジとからなり、 前記上フランジの前記中央部に設けられたピボッ ト孔に、 前記ハブに突設されたピボッ トを嵌挿させるとともに、 前記ハブ における前記ピボッ トから放射方向に離れた位置に突設された溶着用ボス を、 前記上フランジの前記中央部に設けられた溶着用ボス孔に嵌挿させ、 この状態で前記溶着用ボスを超音波溶着されることにより、 前記上フラン ジ及び前記下フランジを所定の位置関係を以て固定される磁気テープカセ ッ トのテープリールにおいて、 前記下フランジの前記ハブと反対側の面に は、 金型加工の基準となる基準リングが設けられるとともに、 該基準リン グょり放射方向内側に、 前記溶着用ボスを超音波溶着する際の受面が設け られることを特徴とする磁気テープカセッ トのテ一プリールにより達成さ れる。

第 1の発明に係る磁気テープカセッ 卜のテープリールにおいては、 上フ ランジの中央部に設けられたピボッ ト孔に、 下フランジと一体のハブに突 設されたピボッ トが嵌挿される。 また、 ハブにおけるピボッ トから放射方 向に離れた位置に突設された溶着用ボスが、 上フランジの中央部に設けら れた溶着用ボス孔に嵌挿される。 この状態で、 溶着用ボスを超音波溶着さ れる。 これにより、 上フランジ及び下フランジが所定の位置関係を以て固 定される。

下フランジのハブと反対側の面には、 金型加工の基準となる基準リング が設けられる。 また、 下フランジのハブと反対側の面における基準リング より放射方向内側には、 溶着用ボスを超音波溶着する際の受面が設けられ る。

受面は、 溶着用ボスを超音波溶着する際、 例えば溶着受け台に当接する ことにより、 溶着ホーンからの押圧力及び超音波発振に伴う振動等を、 例 えば溶着受け台に受けさせる。 この際、 受面が、 下フランジのハブと反対 側の面における基準リ ングょり放射方向内側に位置することにより、 溶着 ホーンからの超音波の発振エネルギーは、 例えば溶着用ボスから基準リン グまでのテープリールの各部位の共振等による損失を受けない。

また、 上記第 2の目的は、 第 2の発明である、 磁気テープを卷装するハ ブと、 該ハブの上下端に位置する上下フランジとからなり、 該上下フラン ジの内面には放射方向外側に向かうに従って勾配が形成された磁気テープ 用リールにおいて、 前記上下フランジの前記ハブとの隣接部に、 前記ハブ の側面と直交する放射方向の所定幅の平坦面が形成されていることを特徴 とする磁気テープ用リールによって達成される。

前記平坦面の放射方向の幅は、 テープ卷取時に、 テープ卷取開始時から モータ速度又はテープ張力が一定になるまで、 すなわちテープ巻取能力が 一定になるまでのテープ卷回厚以上であることが好ましい。 具体的には、 例えば、 前述の D V Cの場合、 S、 M、 Lの全サイズについて、 前記水平 部の放射方向の幅はハブにテープを固定するクランプの厚さ以上が好まし く、 0 . 5〜5 . O m mが好ましレヽ。

また、 上下の平坦面間の間隔は、 磁気テープの幅よりわずかに大きく、 磁気テープの走行に障害とならない範囲でできる限り狭く される。

第 2の発明によれば、 ハブの周囲のフランジ部に勾配がなくフランジ間 が平行であり、 磁気テープの卷き始め時に磁気テープが上下に変動する余 裕がないので、 磁気テープ側縁からなる巻面の揃った、 磁気テープの良好 な巻き姿が得られる。

また、 上記第 3の目的は、 第 3の発明である、 対向配置された上フラン ジ及び下フランジを、 所定の位置関係を以つて固定してなるテープリール と、 上カセッ トハーフと、 上カセッ トハーフに対向して設けられ、 上カセ ッ トハーフとの間の内部空間に前記テープリールを収容するとともに、 テ 一プリール駆動手段挿脱用のリ一ル孔を有する下カセッ トハーフとを備え た磁気テープカセッ トにおいて、 前記テープリールの下フランジは、 下力 セッ トハーフのリ一ル孔の縁部に対向する部分の厚みを所定値以上に設定 された、 外側環状リブから連続する肉厚段部を有することを特徴とする磁 気テープカセッ トにより達成される。

また、 上記第 3の目的は、 第 4の発明である、 対向配置された上フラン ジ及び下フランジを、 所定の位置関係を以つて固定してなるテープリール と、 上カセッ トハーフと、 上カセッ トハーフに対向して設けられ、 上カセ ッ トハーフとの間の内部空間に前記テープリールを収容するとともに、 テ ープリール駆動手段揷脱用のリ一ル孔を有する下カセッ トハーフとを備え た磁気テープカセッ トにおいて、 前記下カセッ トハーフ内面におけるリー ル孔の縁部に、 環状凸部が設けられるとともに、 環状凸部より放射方向外 側に環状凹部が設けられ、 かつ、 前記テープリールの下フランジ外面にお ける環状凹部に対向する位置に、 環状凹部に遊嵌される環状突起が設けら れることを特徴とする磁気テープカセッ トにより達成される。

第 3の発明に係る磁気テープカセッ トにおいては、 非使用時、 テープリ 一ルの下フランジにおける厚みを所定値以上に設定された、 外側環状リブ から連続する肉厚段部が、 下カセッ トハーフのリール孔の縁部に当接する。 この状態では、 内部への粉塵等の侵入が防止され、 高い防塵性が確保さ れる。

また、 テープリール及びテープリールに卷回された磁気テープが、 テー プリールの下フランジにおける厚みを所定値以上に設定された肉厚段部を 介して、 下カセッ トハーフに支持される。 下フランジにおける、 厚みを所 定値以上に設定された、 外側環状リブから連続する肉厚段部を介するテー プリールの支持、 及び厚みを所定値以上に設定された部分によるテープリ 一ルの下フランジの高い剛性により、 大径サイズのテープリールにおいて も、 磁気テープの重みによるテープリールの下フランジの変形等が確実に 防止される。 これにより、 非使用時におけるテープリールの下フランジと 下カセッ トハーフとの十分なクリァランスが確保される。

第 4の発明に係る磁気テープカセッ トにおいては、 非使用時、 下カセッ トハーフの環状凸部が、 テープリ一ルの下フランジの外面に当接するとと もに、 下フランジの環状突起が、 下カセッ トハーフの環状凹部に遊嵌され、 下カセッ トハーフに当接する。 この状態では、 内部への粉塵等の侵入が防止され、 高い防塵性が確保さ れる。

また、 テープリール及びテープリールに卷回された磁気テープが、 下力 セッ トハーフの環状凸部及び下フランジの環状突起を介して、 下カセッ ト ハーフに支持される。 下カセッ トハーフの環状凸部及び下フランジの環状 突起を介するテープリ一ルの支持により、 大径サイズのテープリールにお いても、 非使用時における磁気テープの重みによるテープリールの下フラ ンジの変形等が確実に防止される。 これにより、 下フランジと下カセッ ト ハーフとの十分なク リァランスが確保される。

また、 上記第 4の目的は、 第 5の発明である、 上フランジと、 前記上フ ランジに対向して所定の位置関係を以つて固定され、 磁気テープの巻き面 となるハブを有する下フランジとを備え、 前記上フランジにおける前記下 フランジとの対向面、 又は前記下フランジにおける前記上フランジとの対 向面の少なく ともいずれか一方には、 磁気テープ卷取り時の同伴エアを排 出させるエア抜き用凹部又はエア抜き用貫通孔が設けられており、 かつ、 前記エア抜き用凹部又は前記エア抜き用貫通孔における少なく ともフラン ジ半径方向に沿う 2辺の縁部にはそれぞれ、 R形状がつけられることを特 徴とするテープリールを備えた磁気テープカセッ トにより達成される。 第 5の発明に係る磁気テープカセッ トにおいては、 テープリールに磁気 テープを卷き取る際、 エア抜き用凹部又はエア抜き用貫通孔が、 同伴エア を排出させる流路として機能し、 磁気テープの卷乱れ等を防止する。 この 際、 テープリールにおけるエア抜き用凹部の縁部に、 磁気テープが接触し た場合でも、 縁部につけられた所要の R形状によって、 磁気テープの損傷 等が防止される。

また、 上記第 5の目的は、 第 6の発明である、 磁気テープを卷装するハ ブに形成された凹部との間にリーダ一テープを挟持するクランプ部材の外 面と、 平面視で前記凹部と 1 8 0 ° 対向する位置にあるハブの周面とが、 軸方向の互いに異なる方向に向けて傾斜したテ一パ面であることを特徴と する磁気テープ用リールにより達成される。 また、 上記第 5の目的は、 第 7の発明である、 磁気テープを卷装するハ ブに、 クランプ部材により リーダーテープを挟持するための凹部が形成さ れ、 平面視で前記凹部と 1 8 0 ° 対向する位置にあるハブの周面が、 軸方 向に向けて傾斜したテーパ面である磁気テープ用リールを、 射出成型し、 成型品を軸方向に沿って抜く ことを特徴とする磁気テープ用リールの製造 方法により達成される。

第 6及び第 7の発明によれば、 ハブは傾斜した周面が軸心の一方側にし かなく、 傾斜した周面の反対側であるクランプ部材が嵌合する凹部は傾斜 していないので、 成型後にハブを軸方向に沿ってそのまま抜く ことができ る。 したがって、 スライ ドコア等を用いた複雑な金型が必要なく、 簡単な 構成の金型で容易にハブを製造できる。

また、 クランプ部材は周面に傾斜面が形成されるが、 射出成型後に同様 に軸方向に沿ってそのまま抜く ことができるので、 クランプ部材を製造す るに際してもスライ ドコア等を用いた複雑な金型が必要なく、 簡単な構成 の金型で容易にクランプ部材を製造できる。

また、 上記第 6の目的は、 第 8の発明である、 テープリールを回転させ ることにより、 磁気テープをテープリールに、 巻き込み速度 2〜2 . 5 m / s及び巻き込みテンション 6 0〜 7 0 gで卷回させる駆動手段と、 ネオ ジゥムを材質とした磁束密度 1 2 8 0 0〜 1 3 3 0 0 Gの磁石を有し、 テ —プリールの上フランジに、 1 2〜 1 7 m mの間隔をあけて対向して設け られ、 テープリ一ルの上フランジ側から磁気テープに磁界を作用させる磁 界発生手段とを備えたことを特徴とする磁気テープ卷取装置により達成さ れる。

上記磁界発生手段におけるテープリールの上フランジに対向する面積は、 テープリールに卷回される磁気テープの側面側の面積の 1 . 3倍以上であ ることが好ましい。

第 8の発明に係る磁気テープ巻取装置において、 駆動手段は、 テープリ ールを回転させることにより、 テープ原反からの磁気テープをテープリー ルに、 巻き込み速度 2〜2 . 5 m / s及び巻き込みテンショ ン 6 0〜 7 0 gで卷回させる。 また、 ネオジゥムを材質とした磁束密度 1 2 8 0 0〜 1 3 3 0 0 Gの磁石を有する磁界発生手段は、 テープリールの上フランジに 1 2〜1 7 m mの間隔をあけて対向した位置から、 磁気テープに磁界を作 用させる。 これにより、 テープリールの上フランジ側から磁気テープに、 磁界発生手段による磁界をムラなく作用させる。

第 8の発明に係る磁気テープ卷取装置においては、 磁界発生手段におけ るテープリ一ルの上フランジに対向する面積が、 テープリールに卷回され る磁気テープの側面側の面積の 1 . 3倍以上であることが好ましい。 図面の簡単な説明

第 1図は第 1の発明の実施形態であるテープリールを適用した磁気テー プカセッ 卜の下カセッ トハーフを示す平面図である。

第 2図は Mカセッ ト用テープリールの断面図である。

第 3図は第 2図の Mカセッ ト用テープリールの A矢視底面図である。 第 4図は Lカセッ ト用テープリールの断面図である。

第 5図は第 4図の Lカセッ ト用テープリ一ルの B矢視底面図である。 第 6図は第 2の発明の実施形態に係る磁気テープ用リ一ルの要部半断面 図である。

第 7図は第 3の発明の第 1実施形態である磁気テープカセッ トの下カセ ッ トハーフを示す平面図である。

第 8図は第 7図の磁気テープカセッ トの要部断面図である。

第 9図は第 3の発明の第 2実施形態である磁気テープカセッ トの要部断 面図である。

第 1 0図は第 4の発明の実施形態である磁気テープカセッ トのテープリ 一ルの下フランジを示す平面図である。

第 1 1図は第 1 0図の下フランジの A矢視断面図である。

第 1 2図は第 1 1図の B部拡大断面図である。

第 1 3図は第 5の発明の実施形態に係る磁気テープ用リールのハブ及び クランプ部材の分解平面図である。 第 1 4図 （ a ) は第 5の発明の実施形態に係る磁気テープ用リールのハ ブ及びクランプ部材の組み合わせ状態の平面図であり、 第 1 4図 （b ) は その側面図である。

第 1 5図 （ a ) は第 5の発明の他の実施形態に係る磁気テープ用リール のハブ及びクランプ部材の組み合わせ状態の平面図であり、 第 1 5図 ( b ) はその側面図である。

第 1 6図は第 8の発明の実施形態である磁気テープ卷取装置を示す概略 平面図である。

第 1 7図は巻き込み速度とピボッ ト部温度との関係を表すグラフである。 第 1 8図は巻き込み速度と卷姿不良発生率との関係を表すグラフである。 第 1 9図は巻き込みテンションと卷姿不良発生率との関係を表すグラフ である。

第 2 0図は従来の磁気テープカセッ ト （D V C ) の分解斜視図である。 第 2 1図は従来の Lカセッ ト用テープリールの底面図である。

第 2 2図は従来の磁気テープ用リールの半断面図である。

第 2 3図は従来の磁気テープカセッ 卜の要部断面図である。

第 2 4図は従来の磁気テープカセッ ト （ベータカム） の分解斜視図であ る。

第 2 5図は第 2 4図の磁気テープカセッ トのテープリ一ルの下フランジ の要部拡大断面図である。

第 2 6図 （ a ) は従来の磁気テープ用リールの断面図、 第 2 6図 （b ) はハブの概略側面図である。

第 2 7図は従来の磁気テープ卷取装置の要部を示す概略断面図である。 第 2 8図は磁気テープカセッ トを記録再生する記録再生装置の要部を示 す概略側面図である。 発明を実施するための最良の形態

以下、 図面を参照して本発明の実施形態を説明する。

第 1図は、 第 1の発明の一実施形態に係るテープリールを適用した磁気 テープカセッ トの下カセッ トハーフを示す平面図である。 また第 2図は、 Mカセッ ト用テープリールの断面図、 第 3図は、 第 2図の Mカセッ ト用テ —プリールの A矢視底面図である。 更に第 4図は、 Lカセッ ト用テープリ ールの断面図、 第 5図は、 第 4図の Lカセッ ト用テープリールの B矢視底 面図である。

第 1図において、 Mサイズ又は Lサイズの磁気テープカセッ ト 6 1 0は, 磁気テープ t (第 2 0図参照） を卷回した一対のテープリール 6 1 2 a， 6 1 2 b (図中右側のテープリールは図示省略） を、 上カセッ トハーフ (図示しない） と対をなす下カセッ トハーフ 6 1 1に、 回動自在に支持し て構成される。 下カセッ トハーフ 6 1 1は、 A B S樹脂等の合成樹脂で一 体成形されている。

第 1図〜第 5図を参照すると、 Mサイズの磁気テープカセッ ト 6 1 0の テープリール 6 1 2 a (以下、 Mカセッ ト用テープリール 6 1 2 a とレヽ う） 、 又は Lサイズの磁気テープカセッ ト 6 1 0のテープリール 6 1 2 b (以下、 Lカセッ ト用テープリール 6 1 2 b とレ、う） はそれぞれ、 上フラ ンジ 6 1 4 と、 上フランジ 6 1 4に対向して配置され、 上フランジ 6 1 4 の中央部 6 1 3 と対向する面にハブ 6 1 5を有する下フランジ 6 1 6 とを 備える。

上フランジ 6 1 4及び下フランジ 6 1 6は、 所定の位置関係を以つて固 定される。 上フランジ 6 1 4は、 例えば透明な合成樹脂で一体成形されて おり、 下フランジ 6 1 6は、 例えば不透明な合成樹脂で一体成形されてい る。

上フランジ 6 1 4には、 ピボッ ト孔 6 1 7及び溶着用ボス孔 6 1 8が設 けられる。 ピボッ ト孔 6 1 7は、 上フランジ 6 1 4の中央部 6 1 3略中央 に貫通して設けられる。 溶着用ボス孔 6 1 8は、 上フランジ 6 1 4の中央 部 6 1 3における後述する溶着用ボス 6 2 0に対応する位置に貫通して、 溶着用ボス 6 2 0と同数設けられる。

第 1図、 第 2図及び第 4図を参照すると、 下フランジ 6 1 6には、 ピボ ッ ト 6 1 9及び溶着用ボス 6 2 0がそれぞれ、 ハブ 6 1 5の上面に突設さ れる。 すなわちハブ 6 1 5は、 ハブ中心部 6 2 1から放射方向に離れた周 囲に、 磁気テープ tの卷き面となる側壁 6 2 2を設けられ、 更にハブ中心 部 6 2 1及び側壁 6 2 2を、 ハブ 6 1 5の放射方向に沿う複数のリブ 6 2 3で連結して構成される。

ピボッ ト 6 1 9は、 ハブ中心部 6 2 1の上面略中央に突設される。 また 溶着用ボス 6 2 0は、 ハブ中心部 6 2 1の上面に、 周方向に所定の間隔を あけて複数 （第 1図では 3個） 突設される。

各テープリール 6 1 2 a , 6 1 2 bにおいてはそれぞれ、 上フランジ 6 1 4の中央部 6 1 3に設けられたピボッ ト孔 6 1 7に、 下フランジ 6 1 6 のハブ 6 1 5に突設されたピボッ ト 6 1 9が嵌挿される。 また、 下フラン ジ 6 1 6のハブ 6 1 5に突設された溶着用ボス 6 2 0力 、 上フランジ 6 1 4の中央部 6 1 3に設けられた溶着用ボス孔 6 1 8に嵌挿される。 この状 態で、 各溶着用ボス 6 2 0の先端面 （第 2図及び第 4図中上端面） 略中央 に、 溶着ホーン （図示しない） がそれぞれ当接されることにより、 各溶着 用ボス 6 2 0が超音波溶着される。 これにより、 上フランジ 6 1 4及び下 フランジ 6 1 6が所定の位置関係を以て固定される。

下フランジ 6 1 6のハブ 6 1 5 と反対側の面 6 1 6 a (以下、 底面 6 1 6 a という） には、 金型加工の基準となる基準リング 6 2 4が設けられる。 また、 下フランジ 6 1 6の底面 6 1 6 aにおける基準リング 6 2 4より放 射方向内側には、 溶着用ボス 6 2 0の超音波溶着時の受面 6 2 5が設けら れる。 受面 6 2 5は、 溶着用ボス 6 2 0が超音波溶着される際、 図示しな い溶着受け台に当接されることにより、 溶着ホーンからの押圧力及び超音 波発振に伴う振動等を溶着受け台に受けさせる。

すなわち第 2図及び第 3図を参照すると、 Mカセッ ト用テープリール 6 1 2 aの下フランジ 6 1 6において、 受面 6 2 5は、 下フランジ 6 1 6の 底面 6 1 6 aにおけるハブ中心部 6 2 1の基端に沿って環状に、 底面 6 1 6 aから第 2図中下方に所定量突出したリング部 6 2 6の第 2図中下面と して設けられる。 受面 6 2 5は、 溶着用ボス 6 2 0の真下より僅かに放射 方向外側に位置する。 底面 6 1 6 aにおける基準リ ング 6 2 4と受面 6 2 5 との間のスペースには、 キヤビティ番号等の凸部 6 2 7 a等が配置され る。

また第 4図及び第 5図を参照すると、 Lカセッ ト用テープリール 6 1 2 bの下フランジ 6 1 6において、 受面 6 2 5は、 下フランジ 6 1 6の底面 6 1 6 aにおけるハブ中心部 6 2 1の基端と、 基準リング 6 24の内周面 との間に、 周方向に等間隔の複数 （第 5図では 3つ） の領域として設けら れる。 すなわち受面 6 2 5は、 下フランジ 6 1 6の底面 6 1 6 aにおける ハブ中心部 6 2 1の基端と、 基準リング 6 24の内周面との間のスペース を、 面積比で 6等分した領域のうちの 1領域置きの 3つの領域で構成され ており、 他の 3つの領域 6 2 8より も第 4図中下方に所定量突出している。 受面 6 2 5 となる各領域の放射方向内側端は、 溶着用ボス 6 2 0のほぼ真 下に位置する。 受面 6 2 5を構成しない他の 3つの領域 6 2 8にはそれぞ れ、 キヤビティ番号の凸部 6 2 7 a、 突き出し跡 6 2 7 b、 ゲート凸部 6 2 7 c等が配置される。

第 2図及び第 4図を参照すると、 受面 6 2 5 と基準リング 6 24の基準 面 （第 2図及び第 4図中下面） との第 2図及び第 4図中垂直方向に沿う間 隔 C I , C 2は、 Mカセッ ト用テープリール 6 1 2 aの下フランジ 6 1 6 と、 Lカセッ ト用テープリール 6 1 2 bの下フランジ 6 1 6とで略等しい (C 1 =C 2) 。 したがって、 溶着用ボス 6 2 0が超音波溶着される際、 テープリール 6 1 2 a , 6 1 2 bの受面 6 2 5が当接される溶着受け台に 対するテープリール 6 1 2 a， 6 1 2 bの相対位置は、 Mカセッ ト用テ一 プリール 6 1 2 a と Lカセッ ト用テ一プリール 6 1 2 bとで変更する必要 がない。 これにより、 Mカセッ ト用テープリール 6 1 2 aの各溶着用ボス 6 2 0の超音波溶着と、 Lカセッ ト用テープリール 6 1 2 bの各溶着用ボ ス 6 2 0の超音波溶着とを、 同一設備で行うことができる。

本実施形態の作用を説明する。

各溶着用ボス 6 2 0が超音波溶着される際、 受面 6 2 5が、 溶着受け台 に当接されることにより、 溶着ホーンからの押圧力及び超音波発振に伴う 振動等を溶着受け台に受けさせる。 Mカセッ ト用テープリール 6 1 2 aの 受面 6 2 5は、 下フランジ 6 1 6の底面 6 1 6 aにおけるハブ中心部 6 2 1の基端に沿って環状に、 底面 6 1 6 aから第 2図中下方に所定量突出し たリング部 6 2 6の第 2図中下面として設けられる。 また Lカセッ ト用テ 一プリ一ノレ 6 1 2 bの受面 6 2 5は、 下フランジ 6 1 6の底面 6 1 6 aに おけるハブ中心部 6 2 1の基端と、 基準リング 6 24の内周面との間に、 周方向に等間隔の 3つの領域として設けられる。

受面 6 2 5 と基準リ ング 6 24 との上記位置関係によって、 溶着受け台 に当接された受面 6 2 5は、 溶着用ボス 6 4 8をほぼ真下で支持する。 し たがって、 溶着ホーンからの超音波の発振エネルギーが、 例えば溶着用ボ ス 6 2 0力 ら基準リ ング 6 24までのテープリール 6 1 2 a， 6 1 2 bの 各部位の共振等による損失を受けることなく、 溶着ホーンから溶着用ボス 6 2 0に有効に伝達される。

以上のように上記実施形態によれば、 Mカセッ ト用テープリール 6 1 2 aの受面 6 2 5を、 下フランジ 6 1 6の底面 6 1 6 aにおけるハブ中心部 6 2 1の基端に沿って環状に、 底面 6 1 6 aから第 2図中下方に所定量突 出したリング部 6 2 6の第 2図中下面として設け、 また Lカセッ ト用テ一 プリール 6 1 2 bの受面 6 2 5を、 下フランジ 6 1 6の底面 6 1 6 aにお けるハブ中心部 6 2 1の基端と、 基準リング 6 24の内周面との間に、 周 方向に等間隔の 3つの領域として設けた。 したがって、 溶着ホーンからの 超音波の発振エネルギーを、 溶着用ボス 6 2 0から基準リング 6 24まで のテープリール 6 1 2 a , 6 1 2 bの各部位の共振等による損失を受ける ことなく、 溶着ホーンから溶着用ボス 6 2 0に有効に伝達することができ る。 これにより、 溶着ホーンから溶着用ボス 6 2 0への超音波の発振エネ ルギ一の伝達効率を高めることができ、 溶着時間の短縮及び量産適性並び に溶着安定性の確保を図ることができる。

以上のように第 1の発明によれば、 溶着用ボスを超音波溶着する際の受 面を、 下フランジのハブと反対側の面における基準リングょり放射方向内 側に設けたので、 超音波の発振エネルギーの溶着用ボスへの伝達効率を高 めることができる。 これにより、 溶着用ボスの超音波溶着に要する時間の 短縮及び溶着安定性の向上を図ることができる。

また、 基準リングと受面との距離をリールのサイズに拘わらず一定にす ることにより、 溶着を同一設備で実施することができる。

次に、 第 2の発明の実施形態を説明する。 第 6図は第 2の発明の一実施 形態に係る磁気テープ用リールの要部半断面図である。 なお、 本実施形態 の構成は第 20図〜第 2 2図に示す従来の磁気テープ用リ一ルと、 一部の 構成が異なるのみであるので、 同じ構成については同符号を付してその説 明を省略或いは簡略化する。

第 6図に示す磁気テープ用リールはディジタルビデオカセッ ト （以下 「DVC」 という。） の放送局用で Mサイズのものである。 上フランジ 1

4 2の内面には、 ハブ 1 4 5の近傍から放射方向外側に向けて上傾する勾 配面 1 4 2 bが形成され、 下フランジ 1 4 3の内面には、 ハブ 1 4 5の近 傍から放射方向外側に向けて下傾する勾配面 1 4 3 bが形成されている。 なお、 第 6図においては理解を容易にするために、 勾配が誇張して表され ている。

また、 上下フランジ 1 4 2 , 1 4 3の内面には、 ハブ 1 4 5の側壁 1 4

5 bに隣接して、 側壁 1 4 5 b と直交する所定幅 Wの平坦面 1 4 2 c , 1 4 3 cカ^ 側壁 1 4 5 b と勾配面 1 4 2 b， 1 4 3 b との間に形成されて いる。 両平坦面 1 4 2 c , 1 4 3 cは側壁 1 4 5 bを囲繞したリング形状 になっている。

両平坦面 1 4 2 c , 1 4 3 cの幅 Wは等しく、 この幅 Wは、 磁気テープ を巻き始めてから磁気テープの走行速度及びテープテンションが一定にな り磁気テープの走行が安定するまでの卷回厚以上の長さに相当する。 また、 平坦面 1 4 2 c , 1 4 3 c間の間隔 Hは、 側壁 1 4 5 bの高さに等しく、 磁気テープの幅よりわずかに大きく、 磁気テープの走行に障害のない範囲 でできる限り狭く される。

本実施形態の場合、 Mサイズの DVCのリールであるので、 磁気テープ の幅 6. 3 5mmに対して、 平坦面 1 4 2 c， 1 4 3 cの幅 Wは 2. 3 m mであり、 平坦面間の間隔 Hは 6. 7 mmである。 上下の勾配面 1 4 2 b， 1 4 3 bは平坦面 1 4 2 c , 1 4 3 c との境界 部 c， dから傾斜が始まっており、 放射方向外側に向かうに従って、 上下 フランジの間隔は拡がり、 磁気テープの走行が容易になっている。

磁気テープは、 リーダーテープの一端に接合され、 リーダーテープの他 端がクランプピンによりハブ 1 4 5の側壁 1 4 5 bに固定されて卷回され る。

次に、 本実施形態の作用を説明する。

磁気テープカセッ 卜が記録再生装置等に装填されて、 磁気テープが卷回 され始めると、 卷回初期においては、 リール駆動手段の回転速度が徐々に 上昇するので磁気テープの走行速度も徐々に上昇する。 また、 走行速度の 上昇に伴いテープテンショ ンも徐々に上昇する。 したがって、 磁気テープ の卷回初期においては、 走行状態が安定しておらず、 上下方向の振れが発 生する恐れがある。

しかし、 磁気テープが平坦面 1 4 2 c , 1 4 3 c間に卷回される卷回初 期において、 磁気テープは上下フランジの平坦面 1 4 2 c， 1 4 3 cによ り、 上下の側縁を規制されているので、 走行が不安定でも上下方向の振れ が生じない。 その結果、 側縁が整列状態になり、 側縁により形成される卷 面が平坦になり、 良好な巻き姿が得られる。

また、 磁気テープが平坦面 1 4 2 c , 1 4 3 c間を越えて勾配面 1 4 2 b , 1 4 3 b間で卷回されるときには、 リール駆動手段は既に一定速度で 回転しており、 テープ速度及びテープテンショ ンも安定している。 したが つて、 磁気テープは、 勾配面 1 4 2 b , 1 4 3 b間で卷回されているとき は上下方向の振れが発生する恐れがなく、 卷き姿が乱れる恐れはない。 し たがって、 上下フランジ 1 4 2 , 1 4 3間の全域にわたって磁気テープの 良好な巻き姿が得られる。

また、 平坦面 1 4 2 c , 1 4 3 cの幅 Wが 0. 5〜 5. 0 mm, 平坦面 間の間隔 Hが 6. 6〜6. 8 mmであれば、 上記実施形態と同様に良好な 巻き姿が得られる。

なお、 第 2の発明は上述した実施形態に限定されることなく、 第 2の発 明の趣旨に基づいて適宜変更、 改良等が可能である。 例えば、 第 2の発明 は D V C用に限定されず、 どのような磁気テープカセッ トであっても適用 可能である。

以上のように第 2の発明によれば、 上下フランジのハブとの隣接部に、 ハブの側面と直交する放射方向の所定幅の平坦面が形成されていることか ら、 上下フランジの平坦面間で磁気テープが卷回されている卷回初期の間 は、 磁気テープは側縁を平坦面により記載されるので、 上下方向の振れを 発生する恐れがない。 したがって、 磁気テープの側縁で形成される巻面が 平坦になり、 磁気テープの良好な巻き姿が得られる。

次に、 第 3の発明の一実施形態を説明する。 第 7図は第 3の発明の実施 形態である磁気テープカセッ トの下カセッ トハーフを示す平面図であり、 第 8図は第 7図の磁気テープカセッ トの要部断面図である。

第 7図において、 磁気テープカセッ ト 7 1 0は、 磁気テープ t (第 2 0 図参照） を卷回した一対のテープリール 7 1 2 (第 7図中右側のテ一プリ ールは図示省略） を、 上カセッ トハーフ 7 1 0 a (第 8図参照） と対をな す下カセッ トハーフ 7 1 1に、 回動自在に支持して構成される。

下カセッ トハーフ 7 1 1は、 A B S樹脂等の合成樹脂で一体成形されて おり、 第 7図中左右一対のリール孔 7 1 1 aを有する。 各リール孔 7 1 1 aはそれぞれ、 磁気テープカセッ ト 7 1 0が駆動装置 （図示しない） に装 填された状態において、 駆動装置のテープリール駆動部 （図示しない） を 揷脱させるためのものである。

第 7図及び第 8図を参照すると、 磁気テープカセッ ト 7 1 0のテープリ —ル 7 1 2はそれぞれ、 上フランジ 7 1 4と、 上フランジ 7 1 4に対向し て配置され、 上フランジ 7 1 4の中央部 7 1 3と対向する面にハブ 7 1 5 を有する下フランジ 7 1 6とを備える。

上フランジ 7 1 4及び下フランジ 7 1 6は、 上フランジ 7 1 4の中央部 7 1 3下面に下フランジ 7 1 6のハブ 7 1 5上面を当接させた状態で固定 される。 上フランジ 7 1 4は、 例えば透明な合成樹脂で一体成形されてお り、 下フランジ 7 1 6は、 例えば不透明な合成樹脂で一体成形されている。 上フランジ 7 1 4には、 ピボッ ト孔 7 1 7及び溶着用ボス孔 7 1 8が設 けられる。 ピボッ ト孔 7 1 7は、 上フランジ 7 1 4の中央部 7 1 3略中央 に貫通して設けられる。 溶着用ボス孔 7 1 8は、 上フランジ 7 1 4の中央 部 7 1 3における後述する溶着用ボス 7 2 0に対応する位置に貫通して、 溶着用ボス 7 2 0と同数設けられる。

下フランジ 7 1 6には、 ピボッ ト 7 1 9及び溶着用ボス 7 2 0がそれぞ れ、 ハブ 7 1 5の上面に突設される。 ハブ 7 1 5は、 ハブ中心部 7 2 1か ら放射方向に離れた周囲に、 磁気テープ t の巻き面となる側壁 7 2 2を設 けられ、 更にハブ中心部 7 2 1及び側壁 7 2 2を複数のリブ 7 2 3で連結 して構成される。

ピボッ ト 7 1 9は、 ハブ中心部 7 2 1の上面略中央に突設される。 また 溶着用ボス 7 2 0は、 ハブ中心部 7 2 1の上面に、 所定の間隔をあけて複 数 （本実施形態ではピボッ ト 7 1 9を中心とした周方向に 1 2 0 ° 毎に 1 個ずつ計 3個） 突設される。

各テープリール 7 1 2においてはそれぞれ、 上フランジ 7 1 4のフラン ジ部 7 1 3に設けられたピボッ ト孔 7 1 7に、 下フランジ 7 1 6のハブ 7 1 5に突設されたピボッ ト 7 1 9が嵌挿される。 また、 下フランジ 7 1 6 のハブ 7 1 5に突設された溶着用ボス 7 2 0カ 、 上フランジ 7 1 4の中央 部 7 1 3に設けられた溶着用ボス孔 7 1 8に嵌挿される。

この状態で、 各溶着用ボス 7 2 0の先端面 （第 8図中上端面） 略中央に、 溶着ホーン （図示しない） がそれぞれ当接されることにより、 各溶着用ボ ス 7 2 0が超音波溶着される。 これにより、 上フランジ 7 1 4及び下フラ ンジ 7 1 6が所定の位置関係を以て固定される。

下フランジ 7 1 6のハブ 7 1 5と反対側の底面には、 外側環状リブ 7 2 4が設けられるとともに、 外側環状リブ 7 2 4よりも放射方向内側に、 内 側環状リブ 7 2 5が設けられる。 外側環状リブ 7 2 4及び内側環状リブ 7 2 5はそれぞれ、 溶着用ボス 7 2 0より もピボッ ト 7 1 9から放射方向に 所定量離れた位置にある。

外側環状リブ 7 2 4は、 下カセッ トハーフ 7 1 1のリール孔 7 1 1 aの 内径よりも所定量小さい外径を有しており、 各リール孔 7 1 1 aに遊挿さ れる。

下フランジ 7 1 6は、 下カセッ トハーフ 7 1 1のリール孔 7 1 1 aの縁 部に対向する、 外側環状リブ 7 2 4から連続する肉厚段部 7 1 6 aの厚み を所定値以上に設定されており、 他の部分に比較して、 第 8図中下側に僅 かに突出して形成されている。

下フランジ 7 1 6の肉厚部分 7 1 6 aは、 下フランジ 7 1 6に高い剛性 を持たせるとともに、 磁気テープカセッ ト 7 1 0が駆動装置 （図示しな レ、） に装填されない非使用時、 下カセッ トハーフ 7 1 1 のリール孔 7 1 1 aの縁部に当接し、 テープリール Ί 1 2を下カセッ トハーフ 7 1 1に支持 させる。

本実施形態の作用を説明する。

磁気テープカセッ ト 7 1 0が駆動装置に装填されない非使用時、 各テー プリ一ル 7 1 2の下フランジ 7 1 6の肉厚段部 7 1 6 aがそれぞれ、 下力 セッ トハーフ 7 1 1内面における各リール孔 7 1 1 aの縁部に当接する。

この状態では、 磁気テープカセッ ト 7 1 0内部への粉塵等の侵入が防止 され、 磁気テープカセッ ト 7 1 0の高い防塵性が確保される。

また、 各テープリール 7 1 2及び各テープリール 7 1 2に卷回された磁 気テープ t力 S、 下フランジ 7 1 6の肉厚段部 7 1 6 aを介して下カセッ ト ハーフ 7 1 1に支持される。 下カセッ トハーフ 7 1 1への各テープリール 7 1 2の肉厚段部 7 1 6 aを介する支持、 及び肉厚段部 7 1 6 aによる各 テープリール 7 1 2の下フランジ 7 1 6の高い剛性により、 大径サイズの テープリールにおいても、 非使用時における磁気テープ tの重みによる各 テープリール 7 1 2の下フランジ 7 1 6の変形等が確実に防止される。 こ れにより、 下フランジ 7 1 6 と下カセッ トハーフ 7 1 1 との十分なク リ了 ランス Aが確保される。

次に、 第 4の発明の実施形態を説明する。 第 9図は、 第 4の発明の実施 形態である磁気テープカセッ トの要部断面図である。

本実施形態の磁気テープカセッ ト 7 3 0において、 下カセッ トハーフ 7 3 1 の内面 （第 9図中上面） における各リール孔 7 3 1 a の縁部には、 環 状凸部 7 3 2がそれぞれ設けられる。 各環状凸部 7 3 2はそれぞれ、 磁気 テープカセッ ト 7 3 0の非使用時、 各テープリール 7 4 0の下フランジ 7 4 1 の外面に当接する。 これにより各環状凸部 7 3 2はそれぞれ、 磁気テ —プカセッ ト 7 3 0内部への粉塵等の侵入を防止するとともに、 各テープ リ一ル 7 4 0及び各テープリ一ル 7 4 0に卷回された磁気テープ t (第 2 0図参照） の重みを支える。

また、 各テープリール 7 4 0の下フランジ 7 4 1に、 肉厚部分 7 1 6 a (第 8図参照） は形成されない。 各テープリール 7 4 ◦の下フランジ 7 4 1の外面 （第 9図中下面） におけるリール孔 7 3 1 a の縁部より放射方向 内側 （第 9図中左側） 部分には、 環状リブ 7 4 2がそれぞれ設けられる。 各環状リブ 7 4 2はそれぞれ、 下カセッ トハーフ 7 3 1のリール孔 7 3 1 aの内径よりも所定量小さい外径を有しており、 各リール孔 7 3 1 aに遊 挿される。

更に、 各テープリール 7 4 0の下フランジ 7 4 1 の外面における環状リ ブ 7 4 2より放射方向外側 （第 9図中右側） には、 環状突起 7 4 3がそれ ぞれ設けられる。 各環状突起 7 4 3はそれぞれ、 磁気テープカセッ ト 7 3 0の非使用時、 下カセッ トハーフ 7 3 1內面に形成された環状凹部 7 3 3 に遊嵌され、 下カセッ トハーフ 7 3 1に当接する。 これにより各環状突起 7 4 3はそれぞれ、 各テープリール 7 4 0及び各テ一プリ一ル 7 4 0に卷 回された磁気テープ tの重みを支える。

その他の構成は、 上記第 3の発明の実施形態と同様である。

本実施形態の作用を説明する。

磁気テープカセッ ト 7 3 0の非使用時、 下カセッ トハーフ 7 3 1の各環 状凸部 7 3 2がそれぞれ、 各テープリール 7 4 0の下フランジ 7 4 1の対 向する外面に当接するとともに、 下フランジ 7 4 1 の各環状突起 7 4 3力 S それぞれ、 下カセッ トハーフ 7 3 1の環状凹部 7 3 3に遊嵌され、 下カセ ッ トハーフ 7 3 1に当接する。

この状態では、 磁気テープカセッ ト 7 3 0内部への粉塵等の侵入が防止 され、 磁気テープカセッ ト 7 3 0の高い防塵性が確保される。

また、 各テープリール 7 4 0及び各テープリール 7 4 0に卷回された磁 気テープ tカ 、 下カセッ トハーフ 7 3 1 の各環状凸部 7 3 2及び下フラン ジ 7 4 1の各環状突起 7 4 3を介して、 下カセッ トハーフ 7 3 1に支持さ れる。 下カセッ トハーフ 7 3 1の各環状凸部 7 3 2及び下フランジ 7 4 1 の各環状突起 7 4 3による各テープリール 7 4 0の下カセッ トハーフ 7 3 1への支持により、 大径サイズのテープリールにおいても、 非使用時にお ける磁気テープ tの重みによる各テープリール 7 4 0の下フランジ 7 4 1 の変形等が確実に防止される。 これにより、 下フランジ 7 4 1 と下カセッ トハーフ 7 3 1 との十分なク リアランス Bが確保される。

以上のように上記第 3の発明の実施形態によれば、 磁気テープカセッ ト 7 1 0の非使用時、 下カセッ トハーフ 7 1 1内面における各リール孔 7 1 1 aの縁部に当接する肉厚段部 7 1 6 aが、 下フランジ 7 1 6に設けられ る。 したがって、 磁気テープカセッ ト 7 1 0内部への粉塵等の侵入を防止 することができ、 磁気テープカセッ ト 7 1 0の高い防塵性を確保すること ができる。

また、 下カセッ トハーフ 7 1 1への各テープリール 7 1 2の肉厚段部 7 1 6 aを介する支持、 及び肉厚段部 7 1 6 aによる各テープリール 7 1 2 の下フランジ 7 1 6の高い剛性により、 大径サイズのテープリールにおい ても、 磁気テープ tの重みによる各テープリール 7 1 2の下フランジ 7 1 6の変形等を確実に防止することができる。 これにより、 非使用時におけ る下フランジ 7 1 6 と下カセッ トハーフ 7 1 1 との十分なク リアランス A を確保することができる。

上記第 4の発明の実施形態によれば、 磁気テープカセッ ト 7 3 0の非使 用時、 各テープリール 7 4 0の下フランジ 7 4 1の外面に当接する環状凸 部 7 3 2が、 下カセッ トハーフ 7 3 1の内面における各リール孔 7 3 1 a の縁部にそれぞれ設けられる。 したがって、 磁気テープカセッ ト 7 3 0内 部への粉塵等の侵入を防止することができ、 磁気テ一プカセッ ト 7 3 0の 高い防塵性を確保することができる。 また、 磁気テープカセッ ト 7 3 0の非使用時、 下カセッ トハーフ 7 3 1 内面に形成された環状凹部 7 3 3に遊嵌される環状突起 7 4 3が、 各テー プリール 7 4 0の下フランジ 7 4 1の外面における環状リブ 7 4 2より放 射方向外側にそれぞれ設けられる。

したがって、 磁気テープカセッ ト 7 3 0の非使用時、 各テープリール 7 4 0及び各テープリール 7 4 0に卷回された磁気テープ t の重みを、 下力 セッ トハーフ 7 3 1 の各環状凸部 7 3 2及び下フランジ 7 4 1 の各環状突 起 7 4 3を介して、 下カセッ トハーフ 7 3 1に支持させることができる。 これにより、 大径サイズのテープリールにおいても、 非使用時における磁 気テープ tの重みによる各テープリール 7 4 0の下フランジ 7 4 1の変形 等を確実に防止することができ、 下フランジ 7 4 1 と下カセッ トハーフ 7 3 1 との十分なクリァランス Bを確保することができる。

以上のように第 3の発明によれば、 テープリールの下フランジは、 下力 セッ トハーフのリ一ル孔の縁部に対向する部分の厚みを所定値以上に設定 された、 外側環状リブから連続する肉厚段部を有する。

したがって、 非使用時における内部の高い防塵性を確保することができ るとともに、 テープリールの下フランジの変形等を確実に防止することが でき、 下フランジと下カセッ トハーフとの十分なク リァランスを確保する ことができる。

また第 4の発明によれば、 下カセッ トハーフ内面におけるリール孔の縁 部に、 環状凸部が設けられるとともに、 環状凸部より放射方向外側に環状 凹部が設けられ、 かつ、 テープリールの下フランジ内面における環状凹部 に対向する位置に、 環状凹部に遊嵌される環状突起が設けられる。

したがって、 非使用時における内部の高い防塵性を確保することができ るとともに、 テープリールの下フランジの変形等を確実に防止することが でき、 下フランジと下カセッ トハーフとの十分なク リアランスを確保する ことができる。

次に、 第 5の発明の一実施形態を説明する。 第 1 0図は第 5の発明の一 実施形態である磁気テープカセッ トのテープリー， 面図であり、 第 1 1図は第 1 0図の下フランジの A矢視断面図、 第 1 2図 は第 1 0図の下フランジの B部拡大断面図である。

まず、 本実施形態の磁気テープカセッ トの全体構成を、 第 2 4図を参照 して説明する。 磁気テープカセッ トは、 磁気テープ tを卷回される一対の テープリール 8 1 0を、 上カセッ トハーフ 8 1 1 と対をなす下カセッ トハ ーフ 8 1 2に、 回動自在に支持して構成される。

第 1 0図及び第 1 1図を参照すると、 各テープリール 8 1 0はそれぞれ、 中心部 8 1 3 (第 2 4図参照） を有する上フランジ 8 1 4 (第 2 4図参 照） と、 上フランジ 8 1 4に対向して配置され、 上フランジ 8 1 4と対向 する面にハブ 8 1 5を有する下フランジ 8 1 6 とを備える。 上フランジ 8 1 4及び下フランジ 8 1 6は、 所定の間隙をあけた状態で固定される。 上 フランジ 8 1 4は、 例えば透明な合成榭脂で一体成形されており、 下フラ ンジ 8 1 6は、 例えば不透明な合成樹脂で一体成形されている。

上フランジ 8 1 4には、 ピボッ ト孔 8 1 7 (第 2 4図参照） 及び溶着用 ボス孔 8 1 8 (第 2 4図参照） が設けられる。 ピボッ ト孔 8 1 7は、 上フ ランジ 8 1 4の中心部 8 1 3略中央に貫通して設けられる。 溶着用ボス孔 8 1 8は、 上フランジ 8 1 4の中心部 8 1 3における後述する溶着用ボス 8 2 0に対応する位置に貫通して、 溶着用ボス 8 2 0と同数設けられる。 下フランジ 8 1 6には、 ピボッ ト 8 1 9及び溶着用ボス 8 2 0がそれぞ れ、 ハブ 8 1 5の上面に突設される。 すなわち、 ハブ 8 1 5は、 ハブ中心 部 8 2 1から放射方向に離れた周囲に、 内側側壁 8 2 2を設けられ、 更に 内側側壁 8 2 2から放射方向に離れた周囲に、 磁気テープ t (第 2 4図参 照） の巻き面となる外側側壁 8 2 3を設けられて構成されている。 内側側 壁 8 2 2及び外側側壁 8 2 3は、 ハブ 8 1 5の放射方向に沿って設けられ た複数のリブ 8 2 4で連結される。

ピボッ ト 8 1 9は、 ハブ中心部 8 2 1 の上面略中央に突設される。 また 溶着用ボス 8 2 0は、 内側側壁 8 2 2の上面におけるピボッ ト 8 1 9から 放射方向に離れた位置に、 内側側壁 8 2 2の周方向に所定の間隔をあけて 複数突設される。 各リブ 8 2 4はそれぞれ、 内側側壁 8 2 2の側面と、 ハ ブ 8 1 5の放射方向に対向する外側側壁 8 2 3の内面との間に設けられる ( 各テープリール 8 1 0においてはそれぞれ、 上フランジ 8 1 4の中心部 8 1 3に設けられたピボッ ト孔 8 1 7に、 下フランジ 8 1 6のハブ 8 1 5 に突設されたピボッ ト 8 1 9が嵌挿される。 また、 下フランジ 8 1 6のハ ブ 8 1 5に突設された溶着用ボス 8 2 0がそれぞれ、 上フランジ 8 1 4の 中心部 8 1 3に設けられた溶着用ボス孔 8 1 8に嵌揷される。

この状態で、 各溶着用ボス 8 2 0の先端面略中央 （第 1 1図中、 上端面 略中央） に、 溶着ホーン （図示しない） がそれぞれ当接されることにより、 各溶着用ボス 8 2 0が超音波溶着される。 これにより、 上フランジ 8 1 4 及び下フランジ 8 1 6が所定の位置関係を以て固定される。

第 1 0図〜第 1 2図を参照すると、 下フランジ 8 1 6における上フラン ジ 8 1 4との対向面 8 1 6 a (第 1 1図中上面） には、 エア抜き用凹部 8 2 5が、 周方向に所定の間隔をあけて複数、 下フランジ 8 1 6を金型成型 する際に形成される。 各エア抜き用凹部 8 2 5はそれぞれ、 下フランジ 8 1 6の放射方向外側に向けて末広がりの平面視略扇形状に形成されており、 例えば 0 . 2 m mの深さを有する。 各エア抜き用凹部 8 2 5はそれぞれ、 磁気テープ t巻取り時の同伴エアを排出させる。

各エア抜き用凹部 8 2 5の縁部 8 2 5 aにはそれぞれ、 各エア抜き用凹 部 8 2 5の底面 8 2 5 b と下フランジ 8 1 6の第 1 1図中上面 8 1 6 a と を繫ぐ傾斜面 8 2 5 cが形成される。 各エア抜き用凹部 8 2 5の底面 8 2 5 b と傾斜面 8 2 5 c との境界部分、 及び下フランジ 8 1 6の第 1 1図中 上面 8 1 6 a と傾斜面 8 2 5 c との境界部分にはそれぞれ、 各エア抜き用 凹部 8 2 5の全周に渡って所要の R形状 8 2 6がつけられており、 エッジ を生じない。 なお、 本実施形態で説明するベータカム用磁気テープカセッ トに限らず、 何れの磁気テープカセッ トにおいても、 R形状 8 2 6 として は半径 l m mから 4 m m ( R 1から R 4 ) の範囲が好ましい。

なお、 各エア抜き用凹部 8 2 5はそれぞれ、 下フランジ 8 1 6を貫通す るエア抜き用貫通孔 （図示しない） として形成してもよい。 また、 所要の R形状 8 2 6は、 各エア抜き用凹部 8 2 5の全周に渡ってつけることが好 ましいが、 各エア抜き用凹部 8 2 5における少なく ともフランジ半径方向 に沿う 2辺の縁部 （下フランジ 8 1 6の上面 8 1 6 a と傾斜面 8 2 5 c と の境界部分） による損傷が特に多いと考えられるので、 少なく とも該 2辺 につければよレ、。

本実施形態の作用を説明する。

磁気テープカセッ トのテープリールに磁気テープ tを巻き取る際、 下フ ランジ 8 1 6の各エア抜き用凹部 8 2 5はそれぞれ、 同伴エアを外部に排 出させる流路として機能し、 磁気テープ tの卷乱れ等を防止する。 この際, 下フランジ 8 1 6における各エア抜き用凹部 8 2 5の縁部 8 2 5 aに、 磁 気テープ tが接触した場合でも、 縁部 8 2 5 aにつけられた所要の R形状 8 2 6によって、 磁気テープ tが損傷するようなことはない。

以上のように上記実施形態によれば、 下フランジ 8 1 6の各エア抜き用 凹部 8 2 5の底面 8 2 5 b と傾斜面 8 2 5 c との境界部分、 及び下フラン ジ 8 1 6の第 1 1図中上面 8 1 6 a と傾斜面 8 2 5 c との境界部分にはそ れぞれ、 所要の R形状 8 2 6がつけられる。 したがって、 テープリールの 下フランジ 8 1 6 との接触に伴う磁気テープ tの損傷等を防止することが できる。 これにより、 磁気テープ記録の高密度化に対応することができる。 以上のように第 5の発明によれば、 上フランジ又は下フランジのエア抜 き用凹部又はエア抜き用貫通孔における少なく ともフランジ半径方向に沿 う 2辺の縁部にはそれぞれ、 所要の R形状がつけられる。

したがって、 テープリールとの接触に伴う磁気テープの損傷等を防止す ることができる。 これにより、 磁気テープ記録の高密度化に対応すること ができる。

次に、 第 6及び第 7の発明の一実施形態を詳細に説明する。 第 1 3図は 第 6の発明の一実施形態に係るベータカム Lカセッ トの磁気テープ用リ一 ルのハブ及びクランプ部材の分解平面図であり、 第 1 4図 （ a ) はハブ及 びクランプ部材の組み合わせ状態の平面図であり、 （b ) はその側面図で ある。 なお、 磁気テープ用リールはハブの上下にフランジを有するが、 第 1 3図及び第 1 4図においては、 フランジを省略してある。 ハブ 9 0 2の上面には、 カセッ ト内でリールホルダにより押圧されるリ ブ 9 0 4が中央に設けられ、 上フランジと超音波溶着される溶着用リブ 9 0 6が放射方向に複数設けられている。 また、 ハブ 9 0 2の周面には、 一 端が磁気テープと接合されたリーダ一テープ 9 1 2の他端を、 クランプ部 材 9 0 8により挟持固定するための凹部 9 1 0が形成されている。 クラン プ部材 9 0 8は凹部 9 1 0に嵌合することにより、 リーダ一テープ 9 1 2 を挟持固定する。

ハブ 9 0 2は、 図中左半分の周面 9 0 2 a力 S、 下部に向かうに従って、 かつ凹部と対向する部分 （図中左端） に向かうに従って、 拡径する傾斜面 に形成されている。 また、 ハブ 9 0 2は、 図中右半分の周面が半円柱形状 に形成されており、 周面が傾斜しておらず軸方向 Bと平行である。 傾斜面 下部の傾斜部上部との半径方向の差 dは 0 . 1〜 0 . 5 m mが好ましく、 本実施形態の場合、 傾斜面下部の傾斜部上部との半径方向の差 dは 0 . 4 m mである。 なお、 ハブの高さ Hは 1 3 . 5 m mであり、 傾斜面を除くハ ブの直径 Dは 3 6 m mである。

一方、 クランプ部材 9 0 8の周面 9 0 8 aは、 上部に向かうに従って、 かつ平面視で凹部 9 1 0の中央 （第 1 4図 （ a ) 中右端） に向かうに従つ て、 拡径する傾斜面に形成されている。 クランプ部材 9 0 8の内面は軸方 向 Bに平行に形成されている。 そして、 第 1 4図 （b ) に示すように、 ハ ブ 9 0 2の傾斜した周面 9 0 2 a とクランプ部材 9 0 8の傾斜した周面 9 0 8 a とは、 側面視で平行になっている。

この構成によれば、 前記実開昭 5 8 - 1 8 7 0 8 3号公報に記載のテー プ用リールと同様に、 ハブ 9 0 2に卷回される磁気テープは平面視で 1 8 0 ° ごとに上下何れかのフランジに接触して上下方向の移動を規制される ので、 卷回される磁気テープが軸方向 Bに部分的に突出することがない。 本実施形態によれば、 ハブ 9 0 2は左半分の周面 9 0 2 aが傾斜してい るだけなので、 成型後にそのまま軸方向 Bにハブ 9 0 2を抜く ことができ、 金型を複雑化せずにハブ 9 0 2を成型できる。 また、 クランプ部材 9 0 8 も同様に、 周面 9 0 8 aのみが傾斜しているので、 金型を複雑化せずにク ランプ部材 9 0 8を成型できる。

なお、 上記実施形態は、 ハブ 9 0 2の図中左半分の周面全域 9 0 2 aが 凹部と 1 8 0° 対向する部分に向かって拡径する傾斜面であるが、 第 1 5 図に示すように、 凹部と 1 8 0 ° 対向する部分近傍 9 0 2 bだけが、 下部 に向かうに従ってかつ半径方向に向かうに従って拡径する傾斜面であって もよい。

第 1 5図に示すハブ 9 0 2は、 凹部と 1 8 0° 対向する部分 9 0 2 bが、 平面視でクランプ部材 9 0 8 と略同形状に周面が拡径した形状である。 側 面視では下部に向かうに従って周面が拡径した形状である。 この拡径部 9 0 2 bはハブ 9 0 2 と一体に成型してもよレ、し、 ハブ 9 0 2と別体に成型 してハブ 9 0 2に固着してもよく、 何れの場合にも成型は容易である。 以上のように第 6及び第 7の発明によれば、 ハブは傾斜した部分が軸心 の一方側にしかなく、 傾斜した部分の反対側であるクランプ部材が嵌合す る凹部は傾斜していないので、 成型後にハブを軸方向に沿ってそのまま抜 く ことができる。 したがって、 スライ ドコア等を用いた複雑な金型が必要 なく、 簡単な構成の金型で容易にハブを製造できる。 更に、 ハブは 1 8 0° 対向する部分に傾斜面を有することから、 磁気テープは卷回時に上下 動せず、 磁気テープの良好な卷き姿が得られる。

次に、 第 8の発明の一実施形態を説明する。 第 1 6図は、 第 8の発明の 一実施形態である磁気テープ卷取装置を示す概略平面図である。

第 1 6図を参照すると、 磁気テープ卷取装置 1 0 1 0は、 ハーフ保持機 構 1 0 2 0によってカセッ トハーフ 1 0 1 2を保持された磁気テープカセ ッ ト 1 0 1 1のテープリール 1 0 1 3に、 図示しないリール駆動機構によ つてテープ原反 （図示しない） から巻き込み中の磁気テープ （図示しな い） を、 磁界発生機構 1 0 3 0によって非接触でテープリール 1 0 1 3の 上フランジ 1 0 1 4寄り （第 1 6図中上側） に付勢し、 磁気テープの巻き 姿をテ一プリール 1 0 1 3の上フランジ 1 0 1 4内面を基準と して整える。 磁気テープカセッ ト 1 0 1 1のテープリール 1 0 1 3は、 従来は AB S 樹脂製であつたが、 熱破損の発生率を極力低く抑えるため、 ポリ スチレン 製とした。

ハーフ保持機構 1 0 2 0は、 磁気テープカセッ ト 1 0 1 1のカセッ トハ ーフ 1 0 1 2下面を支持板 1 0 2 1に係合させた状態で、 一対のハーフバ ケッ ト 1 0 2 2を、 カセッ トハーフ 1 0 1 2の上面縁部に係合させること により、 カセッ トハーフ 1 0 1 2を所定の姿勢に保持する。 ハーフバケツ ト 1 0 2 2は、 ワインダーパネル 1 0 2 3に第 1 6図中上下動可能に支持 されており、 バケツ ト動作用エアシリンダ 1 0 24によって第 1 6図中上 下方向に移動される。

リール駆動機構は、 例えば電動モータ （図示しない） の回転軸を、 磁気 テープカセッ ト 1 0 1 1のテープリール 1 0 1 3に嵌挿されており、 電動 モータの正転又は逆転により、 テープリール 1 0 1 3を所定の回転方向に 回転させる。 これにより リール駆動機構は、 テープリール 1 0 1 3のテー プ卷き面 1 0 1 5に、 テープ原反からの磁気テープを、 卷き込み速度 2m Z s、 巻き込みテンショ ン 6 5 gで卷回させる。

磁界発生機構 1 0 3 0は、 磁石を磁石取付パネル 1 0 3 2内面 （第 1 6 図中下面） に固定されてなり、 磁気テープカセッ ト 1 0 1 1のカセッ トハ ーフ 1 0 1 2上面側に対向して設けられる。

磁石 1 0 3 1は、 略円形状に形成されるとともに、 略中央に貫通孔 1 0 3 3を穿設されてドーナツ型をしており、 ネオジゥムを材質とした厚さ 1 6 mm, 磁束密度 1 2 8 0 0〜： 1 3 3 0 0 Gの磁石である。 磁石 1 0 3 1 は、 裏面に厚さ 1 3mmのヨーク 1 0 34 (遮蔽板） を貼付される。

磁石 1 0 3 1における磁気テープカセッ ト 1 0 1 1のカセッ トハーフ 1 0 1 2の上面側に対向する面積 （第 1 6図中下面の面積） は、 テープリー ノレ 1 0 1 3のテープ卷き面 1 0 1 5に卷回される磁気テープの側面側の面 積 （第 1 6図中上面の面積） の 1. 3倍とした。 これにより、 テープリー ル 1 0 1 3の上フランジ 1 0 1 4側から磁気テープの側面に、 磁石 1 0 3 1による磁界をムラなく作用させる。 1. 3倍未満であると、 磁気テープ の巻き終わり部分に作用する磁界が弱くなり、 磁気テープの巻き終わり部 分で卷き乱れが生じる。 磁界発生機構 1 0 3 0は、 磁石取付パネル 1 0 3 2の第 1 6図中下方へ の移動に伴って、 磁石 1 0 3 1の貫通孔 1 0 3 3から突出されたリール押 さぇ部材 1 0 3 5によって、 テープリール 1 0 1 3を第 1 6図中下方に付 勢する。 そして磁界発生機構 1 0 3 ◦は、 磁石 1 0 3 1 の第 1 6図中下面 と、 磁気テープカセッ ト 1 ◦ 1 1のカセッ トハーフ 1 0 1 2の上面との間 隔 Lが 1 0 mmとなる位置 （以下、 テープ巻き込み位置という） で、 磁石 取付パネル 1 0 3 2の移動を停止させ、 テープリール 1 0 1 3の上フラン ジ 1 0 1 4側 （第 1 6図中上方） から磁気テープの側面側 （第 1 6図中上 側） に、 磁石 1 0 3 1によって磁界を作用させる。 なお、 カセッ トハーフ 1 0 1 2の上面と、 テープリール 1 0 1 3の上フランジ 1 0 1 4の上面と の間隔は 4 m mであり、 したがつて磁石 1 0 3 1の下面と、 上フランジ 1 0 1 4の上面との間隔は 1 4 mmである。

磁石取付パネル 1 0 3 2は、 ワインダーパネル 1 0 2 3に対して間隔を 狭める側 （第 1 6図中下側） 及び拡げる側 （第 1 6図中上側） に移動可能 に支持されており、 パネル動作用エアシリンダ 1 0 3 6によって移動され る。

すなわち磁石取付パネル 1 0 3 2は、 磁気テープカセッ ト 1 0 1 1の力 セッ トハーフ 1 0 1 2装填時、 パネル動作用エアシリンダ 1 0 3 6によつ てワインダーパネル 1 0 2 3との間隔を拡げる側 （第 1 6図中上側） に移 動される （第 1 6図に示す状態、 以下カセッ トハーフ装填位置という） 。 これによりカセッ トハーフ 1 0 1 2の装填を容易にする。

また磁石取付パネル 1 0 3 2は、 テープリール 1 0 1 3への磁気テープ の巻き込みに際して、 パネル動作用エアシリンダ 1 0 3 6によってワイン ダーパネル 1 0 2 3 との間隔を狭める側 （第 1 6図中下側） にテープ巻き 込み位置まで移動される。 これにより、 テープ巻き込み位置において、 リ —ル押さえ部材 1 0 3 5を介してテープリール 1 0 1 3を第 1 6図中下側 に付勢する。

本実施形態の作用を説明する。

磁気テープカセッ ト 1 0 1 1のテープリール 1 0 1 3への磁気テープの 巻き込みに際して、 最初に、 磁石取付パネル 1 ◦ 3 2をカセッ トハーフ装 填位置に位置させた状態で、 磁気テープカセッ ト 1 0 1 1のカセッ トハ一 フ 1 0 1 2を各ハーフバケツ ト 1 0 2 2及び支持板 1 0 2 1間に挿入する _c 次に、 バケツ ト動作用エアシリンダ 1 0 24を作動させることにより、 磁気テープカセッ ト 1 0 1 1のカセッ トハーフ 1 0 1 2を、 各ハーフバケ ッ ト 1 0 2 2及び支持板 1 0 2 1間に所定の姿勢で保持する。 同時に、 パ ネル動作用エアシリンダ 1 0 3 6を作動させることにより、 磁石取付パネ ル 1 0 3 2を移動させ、 磁石 1 0 3 1をテープ巻き込み位置に位置させる。

このとき、 磁石 1 0 3 1の第 1 6図中下面と磁気テープカセッ ト 1 0 1 1のカセッ トハーフ 1 0 1 2上面との間隔 Lは 1 0 mmに保たれており (磁石 1 0 3 1 と上フランジ 1 0 1 4 との間隔は 1 4 mmに保たれてい る） 、 磁石 1 0 3 1から巻き込み中の磁気テープに、 テ一プリール 1 0 1 3の上フランジ 1 0 1 4側 （第 1 6図中上方） から磁界が作用する。

この状態で、 リール駆動機構の電動モータを回転させる。 これにより、 テープリール 1 0 1 3を所定の回転方向に回転させ、 テープ原反からの磁 気テープをテープリール 1 0 1 3のテープ卷き面 1 0 1 5に、 巻き込み速 度 2 111ノ 3、 巻き込みテンショ ン 6 5 gで卷回させる。

したがって、 磁気テープの卷き姿は、 磁気テープカセッ ト 1 0 1 1のテ —プリール 1 0 1 3の上フランジ 1 0 1 4内面を基準として整えられる。 次に、 磁石 1 0 3 1 と磁気テープカセッ ト 1 0 1 1のカセッ トハーフ 1 0 1 2の上面との間隔 Lが、 テープリール 1 0 1 3及び磁気テープカセッ ト 1 0 1 1の卷き姿に与える影響を調べた。

上記間隔 Lを 8 mm未満、 例えば L = 5 m mとした場合 （磁石 1 0 3 1 と上フランジ 1 0 1 4との間隔は 9 mm) 、 磁石 1 0 3 1による磁界作用 が強すぎ、 磁気テープ巻き込み時におけるテープリール 1 0 1 3の上フラ ンジ 1 0 1 4 とカセッ トハーフ 1 0 1 2内面との接触による擦れが生じた。 一方、 上記間隔しが 1 3 mmを越えると、 例えば間隔 L = 1 5 mmとし た場合 （磁石 1 0 3 1 と上フランジ 1 0 1 4との間隔は 1 9 mm) 、 磁石 1 0 3 1による磁界作用が弱く、 全ての磁気テープの巻き姿に不良が生じ た。

本実施形態のように、 上記間隔 L = 1 O m mと した場合 （磁石 1 0 3 1 と上フランジ 1 0 1 4 との間隔は 1 4 m m ) 、 磁気テープ巻き込み時にお けるテープリール 1 0 1 3の上フランジ 1 0 1 4とカセッ トハーフ 1 0 1 2内面との接触による擦れを確実に防止することができた。 また、 磁気テ 一プの卷き姿の不良発生率を、 間隔 Lの最適化及び磁気テープの選別によ つて低下させることができる。

また、 リール駆動機構による磁気テープの巻き込み速度が、 テ一プリ一 ル 1 0 1 3に与える影響を、 巻き込みテンション 6 5 gとして調べた。 結 果を第 1 7図に示す。

第 1 7図から理解されるように、 巻き込み速度が本実施形態のように 2 m / sであると、 テープリール 1 0 1 3のピボッ ト部 （テープ巻き面 1 0 1 5の出っ張り） の温度が低く抑えられ （第 1 7図では約 3 6 °C ) 、 ピボ ッ ト部の熱破損を招く ことはない。

一方、 巻き込み速度が 3 mZ s以上となると、 テープリール 1 0 1 3の ピボッ ト部の温度が急激に上昇し （第 1 7図では約 4 0〜 7 0 °C ) 、 ピボ ッ ト部の温度 4 0 °C以上でピボッ ト部の熱破損を招く。

更に、 リール駆動機構による磁気テープの巻き込み速度が、 磁気テープ の卷き姿に与える影響を、 卷き込みテンション 6 5 g と して調べた。 結果 を第 1 8図に示す。

第 1 8図から理解されるように、 巻き込み速度が本実施形態のように 2 m / sであると、 磁気テープの巻き姿が不良となる率が低く抑えられる (第 1 8図では 3 0 %強） 。

一方、 巻き込み速度が 3 mZ s以上となると、 磁気テープの卷き姿が不 良となる率が急激に高くなる （第 1 8図では 6 0 %強〜 1 0 0 % ) 。

更に、 リール駆動機構による磁気テープの巻き込みテンショ ンが、 磁気 テープの卷き姿に与える影響を、 巻き込み速度 2 mZ s として調べた。 結 果を第 1 9図に示す。 なお、 このデータは磁気テープを選別した場合のも のである。 第 1 9図から理解されるように、 巻き込みテンションが本実施形態のよ うに 6 5 gであると、 磁気テープの卷き姿が不良となる率が 0%である。 一方、 巻き込みテンショ ンが 6 5 gを越えると、 磁気テープの卷き姿が 不良となる率が急激に高くなる （第 1 9図では〜 6 0 %強） 。

他方、 巻き込みテンションが 6 5 gより低いと、 磁気テープの卷き固さ を確保することが困難となる。

以上のように上記実施形態によれば、 リール駆動機構によって、 テープ 原反からの磁気テープを、 磁気テープカセッ ト 1 0 1 1のテープリール 1 0 1 3のテープ巻き面 1 0 1 5に、 巻き込み速度 2 mZ s、 巻き込みテン シヨン 6 5 gで巻き取らせる。 また、 リール駆動機構によってテープリー ル 1 0 1 3に巻き込み中の磁気テープには、 ネオジゥムを材質とした磁束 密度 1 2 8 0 0〜 1 3 3 0 0 Gの磁石 1 0 3 1によって、 テープリール 1 0 1 3の上フランジ 1 0 1 4側 （第 1 6図中上側） で、 かつ、 カセッ トハ ーフ 1 0 1 2上面との間隔 L= 1 0mmの位置から （磁石 1 0 3 1 と上フ ランジ 1 0 1 4との間隔は 1 4 mm) 、 磁界を作用させる。

したがって、 磁気テープの卷き姿をテープリール 1 0 1 3の上フランジ 1 0 1 4内面を基準として整えることができ、 記録再生装置における磁気 テープの走行安定化を図ることができるとともに、 磁気テープの走行経路 に大きなズレが生じることを確実に防止することができる。

すなわち、 例えば第 2 8図に示すような記録再生装置 4 6 0において、 本実施形態の磁気テープ卷取装置 1 0 1 0によってテープリール 4 6 1に 巻き込まれた磁気テープ 4 6 2は、 第 2 8図中実線で示す走行経路でズレ を生じることなく走行する。

換言すると、 テープリール 4 6 1カゝら繰り出された磁気テープ 4 6 2は、 テープガイ ド TG 0を介して、 テープガイ ド TG 1によって上限までー且 引き上げられ、 テープガイ ド TG 1による上限位置での位置規制を受けた 後、 テープガイ ド TG 2によってテープガイ ド TG 3との間で本来の位置 に位置規制され、 記録再生用へッ ド 4 6 4に所定の相対位置を以て接触す る。 これにより、 磁気テープ 4 6 2への記録再生状態に出力低下及び互換性 不良等の修復できない重大な欠陥を生じる等の不具合を、 確実に防止する ことができる。

以上のように第 8の発明によれば、 駆動手段が、 テープリールを回転さ せることにより、 磁気テープをテープリールに、 巻き込み速度 2〜 2. 5 m/ s及び巻き込みテンシヨン 6 0〜 7 0 gで卷回させるとともに、 ネオ ジゥムを材質とした磁束密度 1 2 8 0 0〜 1 3 3 0 0 Gの磁石を有する磁 界発生手段が、 テープリールの上フランジに 1 2〜 1 7 mmの間隔をあけ て対向した位置から、 磁気テープに磁界を作用させる。 したがって、 磁気 テープの巻き姿をテープリールの上フランジを基準として整えることがで き、 これにより記録再生装置における磁気テープの走行安定化を図ること ができる。

また、 磁界発生手段におけるテープリールの上フランジに対向する面積 が、 テープリールに卷回される磁気テープの側面側の面積の 1. 3倍以上 であることにより、 テープリールの上フランジ側から磁気テープに、 磁界 発生手段による磁界をムラなく作用させることができ、 巻き乱れ等を確実 に防止することができる。

以上、 本願発明の好適な実施形態を説明したが、 本願発明はこれらの実 施形態に限定されることなく適宜な変更、 改良等が可能である。 例えば、 各実施形態の構成を適宜組み合わせてもよい。 また、 DVC、 ベータカム 以外の磁気テープカセッ トにも適用可能である。

産業上の利用可能性

第 1の発明によれば、 溶着用ボスを超音波溶着する際の受面を、 リール の下フランジのハブと反対側の面における基準リングょり放射方向内側に 設けたので、 超音波の発振エネルギーの溶着用ボスへの伝達効率を高める ことができる。 これにより、 溶着用ボスの超音波溶着に要する時間の短縮 及び溶着安定性の向上を図ることができる。 また、 基準リングと受面との距離をリールのサイズに拘わらず一定にす ることにより、 溶着を同一設備で実施することができる。

第 2の発明によれば、 上下フランジのハブとの隣接部に、 ハブの側面と 直交する放射方向の所定幅の平坦面が形成されていることから、 上下フラ ンジの平坦面間で磁気テープが卷回されている卷回初期の間は、 磁気テー プは側縁を平坦面により記載されるので、 上下方向の振れを発生する恐れ がない。 したがって、 磁気テープの側縁で形成される卷面が平坦になり、 磁気テープの良好な卷き姿が得られる。

第 3の発明によれば、 テープリールの下フランジは、 下カセッ トハーフ のリール孔の縁部に対向する部分の厚みを所定値以上に設定された、 外側 環状リブから連続する肉厚段部を有する。

したがって、 非使用時における内部の高い防塵性を確保することができ るとともに、 テープリ一ルの下フランジの変形等を確実に防止することが でき、 下フランジと下カセッ トハーフとの十分なク リァランスを確保する ことができる。

第 4の発明によれば、 下カセッ トハーフ内面におけるリ一ル孔の縁部に、 環状凸部が設けられるとともに、 環状凸部より放射方向外側に環状凹部が 設けられ、 かつ、 テープリールの下フランジ内面における環状凹部に対向 する位置に、 環状凹部に遊嵌される環状突起が設けられる。

したがって、 非使用時における内部の高い防塵性を確保することができ るとともに、 テープリールの下フランジの変形等を確実に防止することが でき、 下フランジと下カセッ トハーフとの十分なク リァランスを確保する ことができる。

第 5の発明によれば、 上フランジ又は下フランジのエア抜き用凹部又は エア抜き用貫通孔における少なく ともフランジ半径方向に沿う 2辺の縁部 にはそれぞれ、 所要の R形状がつけられる。

したがって、 テープリールとの接触に伴う磁気テープの損傷等を防止す ることができる。 これにより、 磁気テープ記録の高密度化に対応すること ができる。 第 6及び第 7の発明によれば、 ハブは傾斜した部分が軸心の一方側にし かなく、 傾斜した部分の反対側であるクランプ部材が嵌合する凹部は傾斜 していないので、 成型後にハブを軸方向に沿ってそのまま抜く ことができ る。 したがって、 スライ ドコア等を用いた複雑な金型が必要なく、 簡単な 構成の金型で容易にハブを製造できる。 更に、 ハブは 1 8 0 ° 対向する部 分に傾斜面を有することから、 磁気テープは卷回時に上下動せず、 磁気テ ープの良好な巻き姿が得られる。

第 8の発明によれば、 駆動手段が、 テープリールを回転させることによ り、 磁気テープをテープリールに、 卷き込み速度 2〜2 . 5 m / s及び卷 き込みテンション 6 0〜 7 0 gで卷回させるとともに、 ネオジゥムを材質 とした磁束密度 1 2 8 0 0〜 1 3 3 0 0 Gの磁石を有する磁界発生手段が、 テ一プリ一ルの上フランジに 1 2〜 1 7 m mの間隔をあけて対向した位置 から、 磁気テープに磁界を作用させる。 したがって、 磁気テープの卷き姿 をテープリールの上フランジを基準と して整えることができ、 これにより 記録再生装置における磁気テープの走行安定化を図ることができる。

また、 磁界発生手段におけるテープリールの上フランジに対向する面積 が、 テープリールに卷回される磁気テープの側面側の面積の 1 . 3倍以上 であることにより、 テープリールの上フランジ側から磁気テープに、 磁界 発生手段による磁界をムラなく作用させることができ、 卷き乱れ等を確実 に防止することができる。

Claims

請求の範囲

1 . 上フランジと、

該上フランジに対向して配置され、 前記上フランジの中央部と対向する 面にハブを有する下フランジとからなり、

前記上フランジの前記中央部に設けられたピボッ ト孔に、 前記ハブに突 設されたピボッ トを嵌挿させるとともに、 前記ハブにおける前記ピボッ ト から放射方向に離れた位置に突設された溶着用ボスを、 前記上フランジの 前記中央部に設けられた溶着用ボス孔に嵌揷させ、 この状態で前記溶着用 ボスを超音波溶着されることにより、 前記上フランジ及び前記下フランジ を所定の位置関係を以て固定される磁気テープカセッ トのテープリールに おいて、

前記下フランジの前記ハブと反対側の面には、 金型加工の基準となる基 準リングが設けられるとともに、 該基準リ ングより放射方向内側に、 前記 溶着用ボスを超音波溶着する際の受面が設けられることを特徴とする磁気 テープカセッ トのテープリール。

2 . 磁気テープを卷装するハブと、 該ハブの上下端に位置する上下フラ ンジとからなり、 該上下フランジの内面には放射方向外側に向かうに従つ て勾配が形成された磁気テープ用リールにおいて、

前記上下フランジの前記ハブとの隣接部に、 前記ハブの側面と直交する 放射方向の所定幅の平坦面が形成されていることを特徴とする磁気テープ 用リール。

3 . 対向配置された上フランジ及び下フランジを、 所定の位置関係を以 つて固定してなるテープリールと、

上カセッ トハーフと、

上カセッ トハーフに対向して設けられ、 上カセッ トハーフとの間の内部 空間に前記テープリールを収容するとともに、 テープリール駆動手段挿脱 用のリ一ル孔を有する下カセッ トハーフとを備えた磁気テープカセッ トに おいて、

前記テープリ一ルの下フランジは、 下カセッ トハーフのリ一ル孔の縁部 に対向する部分の厚みを所定値以上に設定された、 外側環状リブから連続 する肉厚段部を有することを特徴とする磁気テープカセッ ト。

4 . 対向配置された上フランジ及び下フランジを、 所定の位置関係を以 つて固定してなるテープリールと、

上力セッ トノヽーフと、

上カセッ トハーフに対向して設けられ、 上カセッ トハーフとの間の内部 空間に前記テープリールを収容するとともに、 テープリール駆動手段揷脱 用のリ一ル孔を有する下カセッ トハーフとを備えた磁気テープカセッ トに おいて、

前記下カセッ トハーフ内面におけるリ一ル孔の縁部に、 環状凸部が設け られるとともに、 環状凸部より放射方向外側に環状凹部が設けられ、 かつ、 前記テープリールの下フランジ外面における環状凹部に対向する位置に、 環状凹部に遊嵌される環状突起が設けられることを特徴とする磁気テープ カセッ ト。

5 . 上フランジと、

前記上フランジに対向して所定の位置関係を以つて固定され、 磁気テー プの卷き面となるハブを有する下フランジとを備え、

前記上フランジにおける前記下フランジとの対向面、 又は前記下フラン ジにおける前記上フランジとの対向面の少なく ともいずれか一方には、 磁 気テープ卷取り時の同伴エアを排出させるエア抜き用凹部又はエア抜き用 貫通孔が設けられており、 かつ、

前記エア抜き用凹部又は前記エア抜き用貫通孔における少なく ともフラ ンジ半径方向に沿う 2辺の縁部にはそれぞれ、 R形状がつけられることを 特徴とするテープリールを備えた磁気テープカセッ ト。

6 . 磁気テープを卷装するハブに形成された凹部との間にリ一ダーテ一 プを挟持するクランプ部材の外面と、 平面視で前記凹部と 1 8 0 ° 対向す る位置にあるハブの周面とが、 軸方向の互いに異なる方向に向けて傾斜し たテーパ面であることを特徴とする磁気テープ用リール。

7. 磁気テープを卷装するハブに、 クランプ部材により リーダーテープ を挟持するための凹部が形成され、 平面視で前記凹部と 1 8 0 ° 対向する 位置にあるハブの周面が、 軸方向に向けて傾斜したテーパ面である磁気テ ープ用リールを、 射出成型し、 成型品を軸方向に沿って抜く ことを特徴と する磁気テープ用リールの製造方法。

8. テープリールを回転させることにより、 磁気テープをテープリール に、 巻き込み速度 2〜2. 5 m/ s及び巻き込みテンショ ン 6 0〜 7 0 g で卷回させる駆動手段と、

ネオジゥムを材質とした磁束密度 1 2 8 0 0〜 1 3 3 0 0 Gの磁石を有 し、 テープリールの上フランジに、 1 2〜1 7 mmの間隔をあけて対向し て設けられ、 テープリ一ルの上フランジ側から磁気テープに磁界を作用さ せる磁界発生手段とを備えたことを特徴とする磁気テープ巻取装置。

9. 上記磁界発生手段におけるテープリールの上フランジに対向する面 積が、 テープリールに卷回される磁気テープの側面側の面積の 1 . 3倍以 上であることを特徴とする請求の範囲第 8項記載の磁気テープ卷取装置。