明 糸田 書 含 フ ッ 素重合体 の 安定化方法 技術分野
本発 明 は溶融加工可能な含 フ ッ 素重合体 の安定化方法 に 関す る 。 さ ら に 詳 し く は 、 不安定末端基お よ び Zま た は主鎖 に 存在す る 不安定結合 を 短時間で効率 よ く 安定化 す る 方 法 に 関す る 。 背景技術
溶融加工可能 な含 フ ッ 素重合体 は、 た と え ばテ ト ラ フ ルォ ロ エ チ レ ン ( T F E ) と へ キサ フ ル ォ ロ プ ロ ピ レ ン ( H F P ) と の 共重合体 ( F E P ) や T F E と ノ\°— フ ル ォ ロ ( ア ルキル ビ ニルエー テル) ( P A V E ) と の 共重 合体 ( P F A ) 、 T F E と エチ レ ン と の共重合体 ( E T F E ) な ど数多 く 知 ら れて い る 。 こ う し た 溶融加工可能 な含 フ ッ 素重合体 のなか に は、 溶融加工 に よ り 製造 し た 成形品 中 に 気泡や空隙が生ず る も の があ る 。 こ れ は 、 含 フ ッ 素 重合体が有す る 不安定な 末端基が熱 に よ り 分解 し て生ず る 揮発性物質 に起 因す る と 考 え ら れて い る (米 国 特許第 3 , 0 8 5 , 0 8 3 号明細書) 。
溶融加工可能な含 フ ッ 素重合体 に存在す る 不安定末端 基 は重 合法や重合 開始剤 、 連鎖移動剤な ど の種類 に 依存 す る 。 た と え ば、 乳化重合法 に よ く 使用 さ れ る 過硫酸塩 (過硫酸 ア ン モ ニ ゥ ム 、 過硫酸 カ リ ウ ム な ど) を 重合 開 始剤 と す る 場合 カ ルボ ン酸末端基が生ず る 。 こ の カ ルボ ン酸末端基 は溶融条件 に も よ る が、 溶融混練 に よ り ビニ
ル 末端基 ( — C F = C F 2 ) や酸 フ ル オ ラ ィ ド 末端基 ( 一 C O F ) に 変化す る 。 こ れ ら の 末端基 は熱的 に 不安定で あ り 、 揮発性物質 を 生 じ て最終製 品 に気泡や空 隙 を 生ず る 原 因 と な る 。
米 国 特許第 3 , 0 8 5 , 0 8 3 号 明細書 で は こ う し た 不安定末端基 を 水 と 熱 の存在下で処理す る こ と に よ り 安 定 な — C F 2 H 基 に 変換 し てお り 、 特公昭 4 6 — 2 3 2 4 5 号公報記載 の方法で は、 フ ッ 素 ガス な ど の フ ッ 素化 剤 と 反 応 さ せて 一 C F 3 と い う 安 定 な 末端基 に 変換 し て い る 。
ま た含 フ ッ 素重合体 の 主鎖 中 に は繰返 し 単位 の 結合 の 仕方 に よ っ て は不安定 な結合が生ず る こ と が あ る 。 た と え ば T F E — H F P 系 の共重合体 で あ る F E P の 場合、 H F P 同士 の結合 は不安定で あ り 溶融混練時 に加わ る機 械 カ ( 剪断力 ) に よ り 切断 さ れ、 不安定な ビ ニル末端基 を 生ず る と い われて い る (米国特許第 4 , 6 7 5 , 3 8 0 号 明細書) 。
米 国特許第 4 , 6 7 5 , 3 8 0 号明細書で は溶融混練 時 に 二軸 ス ク リ ユ ー型押 出機 に よ り 大 き な 剪断力 を加 え て H F P — H F P 結合 を 切断 し て 不安定末端基 と し て い る 。 し か し こ の方法で は、 二軸 ス ク リ ユ ー 型押出機 と い う 短時 間で大 き な 剪断力 を加 え る こ と がで き る 混練機 を 使用 す る た め 、 主鎖 の 不安定結合 を 切断 し て不安定 ビニ ル末端 と す る に止 ま り 、 生 じ た 不安定末端基 の処理 を二 軸押 出機 内 で行な う こ と は予定 し て い な い 。 か え っ て 、 酸 素が存在す る と ビニル末端基が酸 フ ル オ ラ ィ ド 末端基 に 変化す る た め 、 含 フ ッ 素重合体お よ び押 出機内 か ら 実 質 的 に 酸 素が存在 し な い 雰囲気下で処理 し て ビニル末端
基 の ま ま 取 り 出 し 、 安 定化処理 を 二軸押 出機外で行 な つ て い る 。 ま た 、 二軸押 出機内で の 溶融混練時 に 発 生す る 揮発性物質 な ど を押 出機外 に 排気す る た め に押出機 内 を 減圧 (絶対圧力 で 0 . 1 M P a 未満) に し て い る が 、 そ れで も ビ 二ル末 基 の解重合 に よ り 生ず る 炭素 に起 因す る 着色が生 じ て い る
か か る 二軸ス ク リ ュ 一 型押 出機 の欠点 を解消す る た め
W O 9 8 / 0 9 7 8 4 号パ ン フ レ ツ ト 記載 の方法で は、 有効容積率 (容器 内有効空間 Z容器内空 間) が 0 . 3 よ り も 大 き い 、 い わ ゆ る 表面更新型混練機 を 使用 し 、 式 : K = P V / / n 2 ( 式 中 、 P v は単位体積 あ た り の 所 用 動 力 ( W / m 3 ) . は重合体 の 3 7 2 に お け る 溶 融粘度 ( P a • s ) 、 n は回転数 ( r p s ) で あ る ) で 表わ さ れ る 動力 係数 K が 8 0 0 0 未満 と い う マ イ ル ド な 混練条件でかつ ほ ぼ大気圧下 に 滞留時間 1 0 分間以上 と い う 長 い 時間 を カゝ け る こ と に よ っ て不安定基の安定化処 理 を行 な つ て い る 。
し か し 、 表面更新型混練機 を 使用 す る 長時間 の溶融混 練では 、 着色 の 問題 は解決 さ れて い る が、 処理効率 の低 下が避 け ら れな い だ けでな く 、 ビ ニル末端基の解重合 も 進行 し て樹脂の劣化が生 じ やす い 。 ま た 、 処理装置が大 型 にな り 、 さ ら に処理樹脂 の 切換 え 時 に お け る 残留物 の 置換 に 時 間がか る と レ う 問題 も 生 じ て い る 。
本発 明 の 目 的 は、 溶融加工可能な含 フ ッ 素重合体 の不 安定基 を 短時間 に効率 よ く 安定化 し 、 気泡や着色 の な い 成形物 を 提供す る こ と に あ る 。 発 明 の 開 示
すな わ ち 本発 明 は、 不安定基 を 有す る 溶融加 工可能な 含 フ ッ 素重合体 を つ ぎの い ずれか の 条件 を満た す安定化 処理領域 を含 む混練機 内 で溶融混練す る こ と を 特徴 と す る 含 フ ッ 素重合体 の安定化方法 に 関す る 。
条件 1
( 1 )安定化処理領域内 に酸素 を含むガ ス を存在 さ せ る 、 お よ び
( 2 ) 安定化処理 領域内 に 水 を存在 さ せ る 。
条件 2
( a ) 温度 7 7 K に お け る 電子ス ピ ン共鳴吸収分析 に よ る 安定化処理後 の含 フ ッ 素重合体 の炭素 ラ ジカ ル の ス ピ ン数が 5 X 1 0 13 s p n g 以下、好 ま し く は I X 0 1 3 spin
Z g 以下 と な る の に充分な 量 の酸素 を含む ガ ス を安定化 処理領域内 に存在 さ せ る 、 お よ び
( b ) 安定化処理領域内 に 水 を 存在 さ せ る 。
安定化処理領域 内 の圧力 は減圧状態であ っ て も よ い し 、 大気圧 ま た は加圧状態で あ っ て も よ い 。
安定化処理領域 内 を加圧状態 と す る 場合 は、 そ の 絶対 圧力 を 0 . 2 M P a 以上 、 好 ま し く は 0 . 3 M P a 以上 と す る 。
含 フ ッ 素重合体 の不安定基 は重合鎖 の 末端 に 存在 し て いて も よ く 、ま た主鎖 の不安定 な 結合部で あ っ て も よ い 。
安定化処理領域 に酸素 を含むガ ス お よ び水 を 存在 さ せ る 方法 と し て は 、 含 フ ッ 素重合体 に予 め 酸素 を 含む ガ ス お よ び / ま た は水 を混合 し てお い て も よ く 、 安定化処理 領域で初 め て酸 素 を含む ガ ス お よ び ま た は水 を 供給 し て も よ い 。 も ち ろ ん、 含 フ ッ 素重合体 に 予 め酸 素 を含む ガ ス お よ び Zま た は水 を 混合 し て お き 、 安定化処理領域
で さ ら に 酸 素 を含 む ガ ス お よ び Z ま た は水 を 供給 し て も よ い 。 酸 素 を含む ガ ス は空気で あ る の 力 S好 ま し レ 。
安定化処理領域 内 に は 、 カ ル ボ ン酸型 の不安定末端基 の安定化 を 促進す る ア ル力 リ 金属 、 ア ル カ リ 土類金属 も し く は ア ン モ ニ ゥ ム塩 を含む化合物 、 ア ル コ ー ル類、 ァ ミ ン類 ち し く はそ の ¾m / は ア ン モ ニ ア を 存在 さ せ る こ と が好 ま し い 。 こ れ ら の添加剤 は予 め重合体 中 に混入 さ せて い て も よ い し 、 処理領域で添加 し て も よ レ 。
溶融混練 に 用 い る 混練機 は、 ス ク リ ュ ー型押 出機 の よ う な比較的大 さなセ ン断カ を与 え る混練機であればよ く 、 多軸型 の 混練機、 特 に 二軸ス ク リ ュ ー型押 出機が好 ま し い
滞留時 間 は 1 0 分間未満 、 好 ま し く は 8 分 間未満で め る。 滞留時間が長す ぎ る と セ ン 断 に よ り 発 生す る 熱 を 除 < こ と が難 し く な り 体 を 劣化 さ せ る こ と があ る 。
本発 明 の安定化方法 は不安定基 を有す る 溶融加工可能 な含 フ ッ 素重合体で あ れ ば適用 で き る が、 特 に テ ト ラ フ ル ォ ロ ェ チ レ ン ( T F Ε ) 、 へ キ サ フ ル ォ ロ プ ロ ピ レ ン
( H F P に パ一 フ ル ォ ロ ( ァ ル キ レ ビニルェ一テル) ( P A V E ) 、 ェ チ レ ン ( E T ) 、 ビ二 リ デ ン フ レオ ラ ィ ド ( V d F ) お よ びク ロ □ 卜 U フ ルォ ロ ェ チ レ ン ( C T F E ) よ り な る 群か ら 選 ばれた 少な く と ち 2 種 の モ ノ マ ー か ら な る 共重合体、 ま た は ク ロ ロ 卜 リ フ ルォ ロ ェチ レ ン単独重合体 ( P C T F E ) や ビ二 リ デ ン フ ルォ ラ イ ド の単独重合体 ( P V d F ) の不安定基 の安定化処理 に 有効で あ る 。
かか る 含 フ ッ 素重合体 に は、た と え ばパ 一 フ リレオ 口( メ チ レ ビ ニル ェ— テル) ( P M V E ) 0 . 5 〜 : 1 3 重量 % 、
該 P M V E 以外 の P A V E O . 0 5 3 重量 % ぉ ょ び丁 F E 残部か ら な る 共重合体 、 ま た は T F E — H F P 系共 重合体、 特 に乳化重合 法 に よ り 製造 さ れた不安定基 を含 む T F E - H F P 系 共重合体な ど が あ げ ら れ る 。
ま た 、 安定化処理領域内 で の 処理 に よ り 発 生 し た 各種 の ガ ス 状物 を混練機外 に 排出す る た め に 、 安定化処理領 域の下流 に 絶対圧 力 が 0 . 1 M P a 以下 の脱気処理領域 を 設 けて も よ い 。
さ ら に 本発 明 は こ れ ら の方法で安定化 さ れた末端基 を 有す る 含 フ ッ 素重合体 を含む ペ レ ツ ト に も 関す る 。 発 明 を 実施す る た め の 最 良 の形態 ま ず、 本発 明 が対象 と す る 不安定基 を 有す る 溶融加工 可能な含 フ ッ 素重合体 に つ い て 説明す る 。
溶融加ェ可能な含 フ ッ 素重合体 と し て は 、 前記 の よ う に T F E H F P P A V E E T V d F C T F E と い っ た モ ノ マ ー を 2 種以上共重合 し て得 ら れ る 共重合 体、 C T F E の単独重合体 ( P C T F E ) V d F の単 独重合体 ( P V d F ) な どが知 ら れて い る 。 具体的な共 重合体 と し て は、 た と え ば T F E — H F P 共重合体 ( F
E P ) T F E - H F P - P A V E 共重合体な ど の F E P 系 重合体 ; T F E - P A V E 共重合体 ( P F A ) T F E - P M V E - P A V E ( P M V E 以外) 共重合体な ど の P F A 系重合体 ; T F E - E T 共重合体 ( E T F E ) な ど の E T F E 系 重合体 ; C T F E - E T 共重合体 ( E C T F E ) な ど の E C T F E 系 重合体 ; T F E - V d F 共重合体な どが あ げ ら れ る 。
P A V E と し て は 、 式 :
C F ? = C F O ( C F ? ) F
(式 中 、 m は 1 6 の 整数 で あ る ) で表わ さ れ る ビ ニル エ ー テル ( な お 、 mが 1 の 場合が P M V E で あ る ) 、 お よ び式 :
C F 2 = C F ( 0 - C F 2 C F ( C F 3 ) ) n 0 C 3 F 7 (式 中 、 n は ;! 〜 4 の 整数で あ る ) で表わ さ れ る ビ ニル エー テ ルが あ げ ら れ る 。
こ れ ら の 溶融加工可能な含 フ ッ 素重合体 は多かれ少な かれ不安定基 を 有 し て い る 。 特 に 不安定基 の安定化が望 ま れて い る 含 フ ッ 素重合体 の代表例 と し て は 、 F E P 系 重合体 、 そ れ も 不安定基 の原 因 と な る 過硫酸塩 を 開 始剤 と し て使用 す る 乳化重合法で製造 し た も のが あ げ ら れ、 そ の ほか重合体 の 末端が フ ッ 素原子 ま た は水素原子で飽 和 さ れてな い重合法で製造 さ れた含 フ ッ 素重合体な ど も 、 安定化処理 が強 く 要請 さ れて い る 重合体で あ る 。 な か に は、 使用 す る 重合法や 開始剤 の種類 に よ っ て 、 ま た は連 鎖移動剤 と し て メ タ ン な ど の ア ル カ ン類な ど を 使用 す る こ と に よ つ て不安定基 の 少な い重合体が得 ら れ、 従来 は 用 途 に よ つ て は安定化処理が不要 と さ れて い る も の も あ る が、 それ ら の 重合体 も 本発明 の安定化処理 に よ り 、 よ り 一層安定な も の と な る 。
本発 明 の安定化方法 は 、 前記 の特定 の 条件下で運転 さ れ る 安定化処理領域 を含 む混練機 に よ り 実施 さ れ る 。 こ の安定化処理領域で は 、 不安定基が迅速 に そ し て ほ ぼ完 全 に安定化 さ れ る 。
こ こ で不安定基 の種類お よ びそれ ら の安定化反応 に つ い て推定 も 含 め て 説明す る 。 不安定基 と し て は前記 の よ う に 、 重合 開 始剤 、 連鎖移動剤 な ど に起 因す る カ ルボ ン
σ 酸 基 ( ― C O 〇 H ) 、 こ の カ ル ボ ン 酸 基 が熱 に よ り 変 性 し て 生 ず る ビ ニ ル 基 ( — C F = C F 2 ) 、 こ の ビ ニ ル 基 か ら 派 生 す る 酸 フ ル オ ラ イ ド 基 ( 一 C O F ) な ど が知 ら れ て い る 。 こ れ ら の 不安 定 基 は通常 重 合 鎖 ( 主 鎖 ま た は 側鎖 ) の 末 端 に 位 置 し て い る 。 ま た 、 重 合体 の 種類や 製 造 法 に よ れ ば 、 重 合体 の 主鎖 中 の 結合部 分 に 不安 定 な 結 合 が 生 ず る こ と が あ る 。 た と え ば、 T F E _ H F P 系 重 合体 は T F E と H F P が ラ ン ダム に 重 合 し て レ る の で あ る が 、 そ の 重 合 鎖 中 に H F P — H F P 結 合 が繰 り 返 さ れ る と き が あ り 、 こ の H F P — H F P 結 合 は機械 力 ( 剪 断 力 ) に よ り 切 れや す い 不安 定 な 結 合 で あ り 、 不 安 定 な ビ ニ ル基 そ し て 酸 フ ル オ ラ ィ ド 基 を 発 生す る こ と が予 想 さ れ る 。
こ れ ら の 不安 定 基 を 安 定化 す る た め の 反 応 は つ ぎ の よ う に 考 え ら れ て い る 。
カ ル ボ ン 酸 末 端 基
H20
- C F 2 C O O H → - C F 2 H + C O 2 ( I ) こ の 反 応 は加 熱 、 通 常 2 0 0 〜 4 5 0 で 、 好 ま し く は 3 0 0 〜 4 0 0 °C に お い て 行 な わ れ る 。
ま た 、 こ の 反 応 を 促進 す る た め に は 、 ア ル カ リ 金属 、 ア ル カ リ 土類金 属 、 ア ン モ ニ ゥ ム 塩 を 含 む化 合 物 、 ま た は ア ン モ ニ ア 、 ア ル コ ー ル類 、 ァ ミ ン ま た はそ の 塩な ど の 反 応促進 剤 を 添加す る こ と が有効 で あ る 。具体的 に は 、 水 酸 化 カ リ ウ ム 、 水酸化 ナ ト リ ウ ム な ど の 水 酸化物 、 炭 酸 カ リ ウ ム 、 炭 酸 カ ル シ ウ ム な ど の 炭酸塩 、 硫酸 力 リ ウ ム な ど の 硫酸塩 、 硝酸 カ リ ウ ム な ど の 硝 酸 塩 、 水 酸化 ァ ン モ ニ ゥ ム な ど の ア ン モ ニ ゥ ム 塩 、 ア ン モ ニ ア 、 メ 夕 ノ
一 ル 、 ェ 夕 ノ — ル な ど の ア ル コ ー リレ 、 ァ ミ ン ま た はそ の 塩 な ど が あ げ ら れ る 。 ア ル カ リ 金 属 ま た は ア ル カ リ 土類 金 属 化 合 物 の 場 合 は 一 C F 2 H 末 端 と な り 、 ア ン モ ニ ゥ ム 塩 ゃ ア ン モ ニ ァ 、 ァ ミ ン の 場 合 は 酸 ア ミ ド 末端基 ( 一
C O N H 2 )と な り ( 高 温 で は 一 部 一 C F 2 H 末端 と な る ) ア ル コ ー ル の 場 合 は ア ル キ ル エ ス テ ル 末 端基 ( 一 C O O R ) と な る 。
反 応 促 進 剤 の 添 加 は 、 予 め 含 フ ッ 素 重 合体 に 配 合 し て い て も よ い が、 水 と い っ し ょ に 添 加す る 方 が重 合体 に 均 一 に 分 散 で き る 点 か ら 好 ま し い 。 添加 量 は処 理 す べ き 含 フ ッ 素 重 合体 の 種類 に も よ る が 、 ア ル カ リ 金属 お よ びァ ル 力 リ 土 類金属 化 合 物 の 場合 は ア ル 力 リ 金 属お よ びア ル カ リ 土 類 金 属 の 原子数 に 換算 し て 、 ア ン モ ニ ア の 場 合 は ア ン モ ニ ァ の 分子数 に 換算 し て 、 ア ン モ ニ ゥ ム 塩化 合物 の 場 合 は ア ン モ ニ ゥ ム 塩 の 数 に 換算 し て 、 含 フ ッ 素重合 体 中 の 不 安 定基 ( カ ル ボ ン 酸末 端基 ) 総 数 の 1 0 % 以下 、 好 ま し く は 0 . 1 〜 1 0 % 、 特 に 好 ま し く は 0 . 2 〜 5 % と す る 。 添加 量 が 多す ぎ る と 、 不安定 末 端 基 の 安定化速 度 は 増 大 す る が 、 重合体 の 着色 を 完全 に 排除 で き ず 、 ま た重合 体 自 体が劣化 し て溶融粘度 が低下す る 傾 向 があ る 。
な お 、 力 ルボ ン 酸 末端基 の 安 定化方 法 と し て は 、 フ ッ 素 ガ ス な ど に よ る フ ッ 素化処理 が あ る が 、 本発 明 に お け る 安 定 化 処理領域 で は フ ッ 素化 処 理 は行 な わ な い 。 も ち ろ ん 、 本 発 明 の 安 定化処 理後 に 、 必要 で あ れ ば さ ら に フ ッ 素 化 処 理 を 施 し て も よ レ 。
ビ 二 ル 末 _ W基
カ ル ボ ン 酸末 端基 お よ び不安 定 な 主鎖 の 結合 か ら 熱 ま た は剪 断 力 が加 わ る こ と に よ り 生 ず る と 推 定 さ れて い る 。
Δ
-CF2CF2COOH → -CF = CF2 +HF + C02 (II) 剪断力
H F P - H F P → 2 (- C F = C F 2) (III) こ の ビニル末端基 は フ ッ 素化処理 し て ト リ フ ルォ ロ メ チル基 に変換 さ れ る か 、 次 の 反応式 に し た が っ て酸 フ ル ォ ラ イ ド を介 し て カ ルボ ン酸基 に 変換 さ れ る 。
- C F = C F 2 + 02 → — C〇F + COF2 (IV) — C〇F + H20 → - COOH + HF (V) 生成 したカ ルボ ン酸末端基 は前記 の方法で処理 さ れる。 た だ し 、 前記 の米 国特許第 4 , 6 7 5 , 3 8 0 号 明細書 で は処理が複雑 に な る 酸 フ ル オ ラ イ ド に変化 さ せな い よ う に 、 酸素 を 実質的 に存在 さ せず に ビ ニル末端基で停止 さ せて い る 。
し か し 、 ビニル末端基 は加熱 さ れ る と 次式 に示す よ う に解重合 を起 こ し 炭素 を発 生す る の で 、 前記米国特許第 4 , 6 7 5 , 3 8 0 号明細書で は暗色 の溶融混練物 が得 ら れて い る 。
Δ
-CF = CF2 → 一 CF = CF2 + C F4 +C (VI) 酸 フ ル オ ラ ィ ド 末端基
前記式(V)に し たがっ てカ ルボ ン酸基 に一旦戻 し た のち 安定化処理 さ れて い る 。
こ の よ う に 、 含 フ ッ 素重合体の安定化処理 は多 く の場 合 、 最終的 に はカ ルボ ン酸末端基 を 水 と 熱 に よ り 安定化 す る 反 応が律速反 応 と な り 、 ま た 、 で き る だ け ビニル末
端基 の解重合 が生 じ な い 方法が と ら れて い る 。 た と え ば 前記 W 0 9 8 / 0 9 7 8 4 号 パ ン フ レ ツ 卜 記載 の方法で は、 カ ルボ ン酸末端基 の安定化反応 を優 先 さ せ 、 解重合 に よ り 着色 の 原 因 と な る 炭素 が発 生 し な い よ う に ビ ニル 末端基 の発 生がマ イ ル ド に 生ず る 条件、 すな わ ち 安定化 処理 を ほ ぼ大気圧下 ( W 〇 9 8 / 0 9 7 8 4 号パ ン フ レ ッ ト 記載 の実施例 1 および 2 で はいずれ も絶対圧力 約 0 . 1 M P a ) で行な い 、 さ ら に 混練 を 動 力 係数 K が 8 0 0 0 未満 、 好 ま し く は 7 0 0 0 以下 と い う 緩やか な条件で 行な う こ と を 特徴 と し て い る た め 、 安定化処理 に 要す る 時間が長 く な つ て い る 。
本発 明で は、 逆 に酸素お よ び水 を積極的か つ 均一 に 反 応系 に存在 さ せ る こ と に よ っ て ビ ニル末端基 を迅速 に酸 フ ルオ ラ イ ド に 変換 し (反応 ( I V ) ) 、 解重合 を低減 し て炭素 の発生 を 抑制 し 、 着色 を 防止す る と 共 に 、 力 ルポ ン酸末端基の安定化反応 ( I ) を 加圧状態 と す る こ と に よ り 促進す る も の で あ る 。 そ の た め に は混練機 の安定化 処理領域内 で の 運転 は前記 の特定 の 条件下で行な う こ と が好 ま し い 。 以下 、 各条件 に つ い て説明す る 。
( 1 ) 酸素 を含む ガ ス の存在下。
酸 素 は ビニル末端基 を酸 フ ルオ ラ ィ ド 末端基 に変換す る た め に必要な 反応成分で あ る 。 さ ら に 、 若干 は生ず る ビ ニル末端基 の解重合で生 じ た 炭素原子 を酸化 し 炭酸 ガ ス と す る 作用 も 期待で き る 。
酸 素 ( 0 2 )の 存在量 は反応時 の温度 、 安定化処理領域 で の滞留時間 、 押 出機 の型式 、 不安定末端基 の 種類 と 量 な ど に よ っ て 異 な る が 、 安定化 さ せ る べ き 不安定末端基 ( 一 C F = C F 。 )と 少 な く と も 同 モ ル量、 拡散 ロ ス や反
応 に 寄与せず排気 さ れ る 量 を考 え る と 過剰量、 た と え ば
1 0 倍 モ ル量以 上 、 特 に 5 0 倍 〜 5 0 0 倍 モ ル量 と す る の が好 ま し い 。
酸素 を 含 む ガ ス は 、 酸素 ガ ス を 窒素 ガ ス や ア ル ゴ ン ガ ス な ど の 不活性 ガ ス で適切な濃度 ( た と え ば 1 0 〜 3 0 容量 % ) に希釈 し て 供給 し て も よ い が、 空気 を そ の ま ま 用 い る こ と が経済面 か ら 好 ま し レ 。
素 は安定化処理領域内 に存在すれ ばよ く 、 混練機 投入す る 前 に含 フ ッ 素重合体 に含 ま せて お い て も よ く i 練機 に 投入後 に 供給 し て も よ い 。 も ち ろ ん両者 を併用 し て も よ い 。
( 2 ) 水 の存在下
水 は 力 ルボ ン 酸末端基 を安定化す る 反応 ( I ) お よ び 酸 フ ル ォ ラ イ ド を カ ルボ ン酸 に変換す る 反応 ( V ) で使 用 す る 。
水 の 添加量は 、 前記反応 に必要 な理論量 よ り も 過剰 で あ る 必要があ る が、 そ の量 は添加す る 圧 力 、 押出機内 の 状態 に 大 き く 左右 さ れ、 実機で確認 し つ つ決定す る 刖 記 の と お り 力 ル ポ ン 酸 末 端 基 を 安 定 化 さ せ る 反 応 ( I ) は ア ル力 リ 金属化合物な ど の 反応促進剤 を添加す る こ と に よ り 、 大 き く 促進 さ れ る ので 、 水 は促進剤 を溶 解 さ せ た 水溶液 の 形で添加す る こ と が好 ま し い 。 水溶液 の濃度 は前記の 促進剤 の必要量 を 基準 に 適宜選定すれば よ い
水 は安定化処理領域 内 に存在すればよ く 、 混練機 に投 入す る 前 に含 フ ッ 素重合体 に含 ま せて湿潤 状態 と し てお い て も よ く 、 乾燥 し た 重合体 を 混練機 に 投入 し た後 に 供
Wa し て も よ い 。 も ち ろ ん両者 を 併用 し て も よ い 。 た と え
ば、反応促進剤 の水溶液で重合体 を 処理 し た の ち 乾燥 し 、 混練機 に 投入後水 と 酸 素 (空気) を 供給 し て混練す る こ と も 好 ま し レ 。
供給す る 水分量 は混練機 (二軸押 出機) 中 で発 生す る 不安定 末端基 の 数 と 同 じ 分子数で あ れ ば理論的 に は安定 化で き る が、実際 に は過剰 の 、特 に 不安定末端基数 の 1 0 倍以上 の 分子数 の水 を 供給す る こ と が好 ま し い 。 上限 は 特 に 限定 さ れな い 。
な お 通常、 特段 の手立て を し な い と 混練機 に 供給 さ れ る重合体 には大気 と 同 様 の空気 と水分が含 まれて い る が、 こ の程度 の酸素 量お よ び水分量で は本発 明 が達成で き る 安定化効果 は奏 さ れな い 。 そ の 理 由 は、 おそ ら く 、 混練 機 の安 定化処理領域内 で は低分子量物や重合体 中 の 各種 添加剤 ( た と え ば重合 開始剤 な ど) が分解 し て ガ ス を発 生 さ せ る た め 、 安定化処理領域 内 の酸素 の分圧 を 下 げて し ま い 、 重合体 と 酸素 の接触が不充分 と な っ て し ま う た め で あ る と 考 え ら れ る 。
以上 の 条件 を 満たす限 り 、 すな わ ち 酸素 を含 む ガ ス と 水 を 積極的 に 重合体 中 に 含有 さ せて お く か 、 お よ び ま た は安定化処理領域内 に酸素 を含む ガ ス と 水 を 連続的 に 供給す る 限 り 、 安定化処理領域内 は加圧状態で も 減圧状 態で も 、大気圧下で も よ い 。好 ま し く は絶対圧力 を 0 . 2 M P a 以上 、 好 ま し く は 0 . 3 M P a 以上 の加圧状態 と す る 。 加圧す る こ と に よ り 、 た と え ば供給す る 水や酸素 の侵入 が促進 さ れ、 迅速な安定化処理が可能 に な る 。 圧 力 は混練機 に取 り 付 け ら れた圧 力 計 に よ り 測定で き る 。
上限 は メ ル ト シール部 の状態や押出機 の型式な ど に よ つ て異 な る が、 l O M P a 以下 、 好 ま し く は 5 M P a 以
下で あ る
加圧 は 、 た と え ば後述す る 酸 素 を含 む ガ ス お よ び Z ま た は水 を 圧入す る こ と に よ り 、 あ る い は酸素 を含む ガ ス お よ び / ま た は水 を 加熱 し てそ の 自 圧下 に 供給す る こ と に よ り 行な う こ と がで き る 。
以上 の 条件下 に 安定化処理領域で溶融混練す る こ と に よ り 、 不安定基 は末端基 と 主鎖 中 の 不安定結合 を 問 わず 短時間 でか つ効 率 よ く 安定化で き 、 し か も 着色 の原 因 と な る 灰素 の発 生 も 抑制で き る 。
本発 明 において は、混練機 と して動 力 係数 Kが 8 0 0 0 を 下 回 る 混練機 を 使用 し て も 前記 の 条件 を 満たす限 り 所 望 の結果が得 ら れ る が、 処理時 間 を さ ら に短縮す る た め に は動 力 係数 K が 8 0 0 0 以上 、 好 ま し く は 1 0 0 0 0 以上 と い う 強 い 混練条件 と す る の が好 ま し い 。
本発 明 に使用 で き る 混練機 と し て は多軸型混練機 、 た と え ば二軸ス ク リ ュ —型押出機 、 有効容積率が極 め て 小 さ い ニ ー ダ一な どがあ げ ら れ る 。 こ れ ら の う ち 滞留 時 間 分布が狭 く 連続操作が可能で メ ル ト シ一 ル に よ り 反応部 の圧 力 を 高 め る こ と がで き る 点か ら 二軸ス ク リ ユ ー 型押 出機が好ま し い
安定化処理領域は 、 た と え ば二軸ス ク リ ュ ー型押 出機 の ニー ディ ン グデ ィ ス ク で構成 さ れた溶融 ゾー ン 直後の ス ク リ ュ一部分 に設 けれ ばよ い 。 そ の ほ か溶融 ゾー ン を 長 く 設定 し 、 そ の後流部分 を安定化処理領域 と す る な ど と い う 変形 も 可能で あ る 。
安定化処理領域にお ける処理時間すなわち滞留時 間 は、 安定化処理領域で の混練機の構造 、水や空気 の 供給方法 、 処 理温度な ど に よ つ て 異な り 、 通常 1 0 分間未満で充分
で あ る が 、 好 ま し く は 0 . 2 〜 5 分 間で あ る 。 滞留時間 が長 く な る と 剪断 力 が多 く 加 え ら れて し ま い 重合体が劣 化す る 傾 向 が あ る 。
安定化処理領域 の温度 は、 通常 2 0 0 〜 4 5 0 、 好 ま し く は 3 0 0 〜 4 0 0 °C で あ る 。
本発 明 に お い て 、安定化処理反応で生 じ た ガ ス 状物質 、 た と え ば フ ッ 化水 素 、 炭酸ガ ス 、 分解 に よ り 発生す る 少 量の モ ノ マ ー な ど を安定化処理済みの含 フ ッ 素重合体内 部か ら 取 り 出 し 混練機 の外部 に 排出す る た め 、 絶対圧 力 が 0 . I M P a 以下 の 状態 に保持 さ れた脱気領域 を 安定 化処理領域 に引 き続 き混練機 内 に設 ける こ と が好 ま し い。 こ の脱気領域で の 絶対圧力 は重合体の溶融状態や押 出機 の ス ク リ ュ 一 の 回転数な ど の運転条件 に よ り 異な る が、 排気 ノ ズル に重合体が侵入 しな い程度 の減圧が好 ま し い。
本発 明 の安定化方法で得 ら れ混練機か ら 排出 さ れた含 フ ッ 素重合体 は通常ペ レ ッ ト の 形 を し て お り 、 か か る ぺ レ ツ ト を 溶融成形 に 供 し て も 得 ら れ る 成形 品 に 気泡や空 隙 は生 じ ず、 着色 も 生 じ な い 。
なお 、 要すれ ば混練機か ら 取 り 出 し た混練物 ( ペ レ ツ ト ) に 前記 フ ッ 素化処理 を施 し て も よ い 。
本発 明 は ま た 、 ( a ) 温度 7 7 K にお け る 電子ス ピ ン 共鳴吸 収 ( E S R ) 分析 に よ る 安定化処理後 の含 フ ッ 素 重合体 の 炭素 ラ ジ カ ル の ス ピ ン 数が 5 X I 0 13spin/ g 以下 、 好 ま し く は l X 1 0 13spinZ g 以下 と な る の に 充 分な量 の酸素 を含 むガ ス を安定化処理領域 内 に存在 さ せ る 、 お よ び
( b ) 安定化処理領域内 に水 を 存在 さ せ る
と い う 条件下 の安定化処理領域 を含む混練機 内 で不安定
基 を 有 す る 溶融加工可能 な含 フ ッ 素重合体 を 安定化す る 方法 に も 関す る 。
か か る 方法 に よ り 、 白 色度 の 高 い 安定化 さ れた含 フ ッ 口 体が得 ら れ る 。
温度 7 7 K に お け る E S R 分析 に よ る 安定化処理後 の 含 フ ッ 素重合体の炭素 ラ ジカ ルの ス ピ ン 数 が 5 X 1 0 13 spin/ g 以 下 、 好 ま し く は l X l O ^ 3s—pi—n ノ g 以 下 で あ る と さ は、 安定化処理後 に混練機か ら の 押 出物 ( た と え ばぺ レ ッ ト ) が 白 色度 の 高 レ も の であ る こ と を示 し て い る 。 な お 、 前記米国特許第 4 , 6 7 5 , 3 8 0 号明細書 で得 ら れて い る 押 出物 は灰色な い し 褐色 で あ り 、 炭素 ラ ジ 力 ル の ス ピ ン 数 は 8 . 0 X 1 0 13〜 1 . 0 X 1 0 14spin ノ g 程度で あ る 。
E S R 分析 は、 装置 と し て BRUKER 社製 の E S P 3 5 0 E を使用 し 、 ヘ リ ウ ム雰囲気下 にて つ ぎの測定条件 で行な Ό 。
磁場掃 引 範 囲 : 3 3 1 . 7 〜 3 4 1 . 7 m T
5 : 1 0 0 k H z
マ イ ク 口 波 : 0 . 0 6 3 m W、 9 . 4 4 G H z
なお 、 以下 に特 に説 明す る 事項以外 の 技術的事項、 た と え ば含 フ ッ 素重合体 、 混練機 、 フ ッ 素 化処理な ど につ い て は、前記 の発 明 につ い て説明 し た 技術が適用 で き る 。
安定化処理領域の酸 素量を コ ン ト ロ ー ルす る こ の発明 で は、 安定化処理領域 の圧力 状態 は減圧 状態で も 、 大気 圧で も 、 加圧状態で も よ い 。 加圧状態 で実施す る 場合 は、
0 . 1 M P a ( 1 気圧 ) よ り も 高 けれ ばよ い が、 前記 の 発 明 の よ う 〖こ 0 . 2 M P a 以上 、 特 に 0 . 3 M P a 以上 と す る こ と が安定化処 理時間 を 短縮で き 、 重合体の 無用
な 劣化 を 回避で き る 点 、 安定化処 理 領域 を 短縮で き る 点 な ど か ら 好 ま し い 。 加圧状態で実施す る と き は、 前記 の よ う に脱気処理領域 を 設 け る こ と が好 ま し い 。
減圧状態 で実施す る 場合 は安定化処理 に 多少時間 がか か る が、 加熱 に よ り 発 生す る 種 々 の 分解ガ ス や低分子量 物な ど を 容 易 に 系外 に取 り 出す こ と がで き る 点、 安定化 処理領域の下流での脱気が容 易 にな る点 では有利 であ る。
減圧状態で安定化処理 を 行な う と き は、 水分の供給 は 液体 の 状態で導入す る と 減圧状態 を 形成 し に く い た め 、 酸素含有 ガ ス に 水蒸気 を 加 え た加湿空気な ど の 形で供給 す る こ と が好 ま し い。
前記温度 7 7 K にお け る E S R 分析 に よ る 安定化処理 後の含 フ ッ 素重合体の炭素 ラ ジカ ルのス ピ ン数が 5 X 1013 spin/ g 以下 、 好 ま し く は 1 X 1 0 13spin/ g 以下 と な る の に 充分な酸 素量 を 決定す る に は 、 安定化すべ き 重合 体 の組成、 不安定末端基数、 添加 さ れた安定化助剤 の種 類や量な どが変動要因 と な る ため一概 に決定でき な いが、 実 際 は、 予備実験 に よ っ て適切 な酸 素量 を E S R 分析 に よ っ て測定 さ れ る 炭素 ラ ジ カ ル の ス ピ ン数 に よ り 決定 し て安定化処理 を 行な え ばよ い 。
つ ぎ に 本発 明 を実施例 に基づい て説明す る が、 本発 明 はか か る 実施例 の み に 限定 さ れ る も の で はな い 。
なお 、 実施例 お よ び比較例 で採用 し た評価方法お よ び 評価基準 はつ ぎの と お り で あ る 。 E S R 分析 に よ る 炭素 ラ ジ カ ル の ス ピ ン数 は前記 の方法で行な っ た 。
(揮発物質指数 : VI)
重合体 を 溶融成形 し た と き に 発 生す る 揮発物質 の 量 を 評価す る 方法 と し て、 つ ぎ に示す揮発物質指数 ( VI) が
知 ら れて い る ( W 0 9 8 ノ 0 9 7 8 4 号パ ン フ レ ッ ト な ど) 。
重合体の 試料 1 0 g を 耐熱性 の 容器 に 入れ 、 3 8 0 °C に保た れた 高温 ブ ロ ッ ク 中 に 入れて熱平衡 を 達成す る 。 そ の後 、 6 0 分 間 に わ た り 圧 力 変化 を 1 0 分 ご と に 記録 し 、 次式 に よ り 揮発物質指数 ( VI) 値 を 算 出す る 。
揮発物質指数 = ( P 4 。 — P 。 ) X V Z 1 0 Z W (式 中 、 P 。 お よ び P 4 。 はそれぞれ高温 ブ ロ ッ ク に 挿入 前 ( P Q ) お よ び挿入 4 0 分後 ( P 4 Q ) の圧 力 ( m m H g ) で あ り 、 V は容器 の体積 ( m l ) 、 Wは試料 の 質量 ( g ) で あ る 。
揮発物質指数 は 2 5 以下で あ る こ と が望 ま し く 、 2 5 を超 え る と 溶融加工時 に発 生す る 気泡や空隙が問題 と さ れ る 量 と な る 。
(末端基の定量)
米 国特許第 3 , 0 8 5 , 0 8 3 号、 米国特許第 4 , 6 7 5 , 3 8 0 号各 明細書、 特開 平 4 一 2 0 5 0 7 号公報 な ど に記載 の 赤外分光分析法 に よ り 、 末端基 ご と に 定量 す る 。 評価 は 、 各 末端基 の個 数 を 炭素原子 1 0 6 個 あ た り の個数で行な う 。
(着色 の程度)
溶融混練前 の未処理 の含 フ ッ 素重合体 を 基準 と し 、 溶 融混練後の含 フ ッ 素重合体 の 白 色度 を 目 視 に よ り つ ぎの 段階 に し た が っ て評価す る 。
A 差がな レ 。
B わずか に 黄変 し て い る 。
C 黄変 し て い る 。
D 茶褐色 と な っ て い る 。
実施例 1
過硫酸 ア ン モ ニ ゥ ム ( A P S ) を 重合 開始剤 と し て T
F E と H F P を 8 7 . 5 / 1 2 . 5 ( モ ル比) で乳化重 合 し て得 ら れた F E P ( 3 7 2 °C にお け る 溶融粘度 : 2 . 8 K P a · s ) を 用 い て安定化処理 を 行な っ た 。
軸径 5 0 m m , 全長 2 0 0 0 m m の混練 ブ ロ ッ ク (安 定化処理領域) を 有す る 二軸 ス ク リ ユ ー型押 出機 に 、 炭 酸カ リ ゥ ム を 2 0 P P m ( カ リ ウ ム 量 に 換算 し た値で あ り 、 総个 安 疋 禾 ¾基数 の 4 . 3 % に相 当 す る ) と な る よ う に添加 し た以外 は特別 な予備乾燥処理 を施 さ な か っ た Hu F E P 粉末 (空気 を 包含 し て い る ) を 2 0 K g Z h r の速度で供給 し た 。 F E P 粉末 の 供給 口 の 下流側で純 水お よ び空気 (酸 素濃度約 2 0 % ) を それぞれ 5 . 5 K g ノ h r お よ び 1 0 0 N L Z分 の流量で安定化処理領域 に供給 し た 。 安定化処理領域 (混練 ブ ロ ッ ク ) の設定温 度 は 3 5 0 で で あ り 、 絶対圧力 は 0 . 6 M P a 、 加熱溶 融時間 な ど を含む全処理 に 要 し た合計時間 は 5 分間 で あ つ た (安定化処理領域で の滞留時間 は約 2 分 間 と 推定 さ れ る )
原料 F E P お よ び安定化処理後の F E P に つ い て 、 揮 発物質指数 ( VI) 、 末端基 の個数お よ び着色 を 前記 の方 法で評価 し た 。 結果 を 表 1 に示す。
比較例
空気 を 供給 し な か っ た ほか は実施例 1 と 同 様 に し て安 定化処理 を行な い 、 同 様 に し て評価 し た 。 結果 を表 1 に 併せて 示す。
実施例 1 比較例 1
処理前 処理後 処理前 処理後 揮発物質指数 : V I 75 6. 5 75 8. 8 末端基数
(個 Z 1 06炭素原子数)
一 C O F 0 0 0 0
— C〇〇H (m) 120 0 1 0 0
- C OOH ( d) 450 0 450 0
- C F 2H 0 480 0 300
- C F = C F 2 0 0 0 150 押出し物の炭素ラジカルの
0. 5 8. 0 スピン数(X 1 01 3spin/ g)
着色 A D 実施例 2
実施例 1 と 同 じ F E P 、 押 出 機 を 用 い て 溶融混練 押 出 し を 行 な い な が ら 、 一 旦押 出 機 内 の 安定 化処 理領域 を 真 空 ボ ン プで ー 0 . 0 9 8 M P a G に ま で減圧 し 、 つ い で 湿潤 擬似 空 気 ( 窒 素 . / 酸 素 ( 体積) = 8 0 / 2 0 。 8 0 °C に お け る 飽和 湿 度 に 相 当 す る 湿 潤 処 理 が施 さ れ て い る ) を 減圧 状態 の 安 定化処 理領域 に 導 入 し て 安 定化処理 領域 の 内 圧 を 一 0 . 0 5 M P a G の 減圧状態 と な る よ う に 仕 込 ん だ 。 こ の 減圧 状態 を 保 ち な が ら F E P 粉末 を 5 K g
/ h r の 速度 で 供給 し 、 前記 擬似 空気 を 1 0 N L / 分 で 連続的 に 供給 し た 。 安 定化処理 領 域 の 設 定 温度 は実 施例 1 と 同 じ く 3 5 0 °C と し た 。 得 ら れ た 押 出 し 物 を 実 施例 1 と 同 様 に し て 評価 し た 。 結果 を 表 2 に 示す。
表 2
実施例 1 と 同 じ F E P 、 押 出機 を用 いて溶融混練押 出 し を 行な い な が ら 、 一旦押 出機 内 の安定化処理領域 を 真 空 ポ ン プで — 0 . 0 9 8 M P a G に ま で減圧 し て酸 素 を 除 き 、 つ い で微量 の水 (液状) を減圧状態 の安定化処理 領域 に 導入 し て安定化処理領域 の 内圧 を 一 0 . 0 9 M P a G の減圧状態 と な る よ う に仕込 ん だ。 こ の減圧状態 を 保 ち な が ら F E P 粉末 を 5 K g Z h r の速度で供給 し 、 水 を 0 . 1 K g Z h r で連続的 に 供給 し た 。 安定化処理 領域 の設定温度 は実施例 1 と 同 じ く 3 5 0 1: と し た 。 得 ら れた押出 し 物 を 実施例 1 と 同様 に し て評価 し た 。 結果 を表 3 に示す。
比較例 3
実施例 1 と 同 じ F E P 、 押出機 を 用 い て溶融混練押 出 し を行な い な が ら 、 一旦押 出機 内 の安定化処理領域 を 真
空 ポ ン プで — 0 . 0 9 8 M P a G に ま で 減 圧 し て 酸 素 を 除 き 、 つ い で 微 量 の 水 ( 液状 ) と 窒 素 ガ ス を 減 圧状 態 の 安 定 化 処 理領域 に 導 入 し て 安 定化 処 理 領域 の 内 圧 を 0 . 2 M P a G の 加 圧 状態 と な る よ う に 仕込 ん だ。 こ の 加 圧 状態 を 保 ち な が ら F E P 粉末 を S K g Z h r の 速度 で 供 給 し 、 水 を 0 . l K g Z h r で 、 窒 素 ガ ス を 1 0 N L Z 分で 連 続 的 に 供給 し た 。 安定 化処 理 領域 の 設定温度 は実 施例 1 と 同 じ く 3 5 0 °C と し た 。 得 ら れ た 押 出 し 物 を 実 施例 1 と 同 様 に し て 評価 し た 。 結 果 を 表 3 に 示す 。 表 3
本発 明 の安定化 方 法 に よ れ ば 、 迅速 に か つ 効 率 的 に 不 安定基 を 有す る 溶 融加 工 可 能 な 含 フ ッ 素 重合体 の 不安定 基 を 安 定化で き 、 得 ら れ る 安 定化 さ れ た 重 合体 を 溶 融成 形 し て も 成形 品 に 気 泡や 空 隙 が 生 じ ず 、 着色 も な い 。