JP6614385B2 - 精製フルオロポリマーの製造方法 - Google Patents

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Description

本開示は、精製フルオロポリマーの製造方法に関する。
重合直後のフルオロポリマーは、末端基として不安定な末端基を有しているため、フルオロポリマーが有する不安定な末端基を減少させることが提案されている。
例えば、特許文献1には、フルオロポリマーとの化学反応またはフルオロポリマー中の汚染物質との化学反応を実行する方法であって、(a)前記フルオロポリマーを溶融させる工程と、(b)前記溶融工程から隔離して、前記溶融フルオロポリマーを反応物質と接触させる工程であって、自由体積を有する反応領域において前記接触が実行される工程と、(c)前記反応物質と前記溶融フルオロポリマーとの間の前記化学反応を実行するために、前記反応領域において溶融フルオロポリマーを細分化して、前記反応物質が前記溶融フルオロポリマーと有効に接触することを可能にする工程と、(d)(b)および(c)から隔離して、得られた溶融フルオロポリマーの揮発分を除去する工程と、(e)揮発分の除去されたフルオロポリマーを冷却する工程とを含み、前記細分化工程が、前記反応領域における前記溶融フルオロポリマーを、前記反応領域内で複数回、少なくとも6つの溶融フルオロポリマーの流れへと分割する工程を含むことを特徴する方法が記載されている。
特許第4801353号公報
本開示は、フッ素化可能な末端基の数が低減された精製フルオロポリマーを製造する方法を提供することを目的とする。
本開示は、フルオロポリマーを溶融させて溶融フルオロポリマーにする工程(a)、溶融フルオロポリマーから反応阻害物質を低減させる工程(b)、工程(b)の後に、溶融フルオロポリマーと活性物質とを接触させる工程(c)、及び、工程(c)の後に、溶融フルオロポリマーから揮発分を除去する工程(d)、を含むことを特徴とする精製フルオロポリマーの製造方法に関する。
上記工程(b)は、溶融フルオロポリマーと不活性物質とを接触させる工程であることが好ましい。
上記活性物質は、フッ素化剤であることが好ましく、フッ素化剤は、Fであることが好ましい。
上記不活性物質は、窒素ガス、又は、二酸化炭素ガスであることが好ましい。
上記フルオロポリマーは、テトラフルオロエチレンに基づく重合単位を含む重合体であることが好ましい。
上記反応阻害物質は、揮発分、O又はHOであることが好ましい。
上記工程(d)は、溶融フルオロポリマーと不活性物質とを接触させるものであることが好ましい。
上記工程(b)は、溶融フルオロポリマーと不活性物質とを加圧状態で接触させるものであることが好ましい。
上記工程(c)は、溶融フルオロポリマーと活性物質とを加圧状態で接触させるものであることが好ましい。
本開示の製造方法は、上記構成を有することにより、フッ素化可能な末端基の数が低減された精製フルオロポリマーを得ることができる。
本開示の製造方法の1例を模式的に示す図面である。 本開示の製造方法の1例を模式的に示す図面である。 本開示の製造方法の1例を模式的に示す図面である。 本開示の製造方法の1例を模式的に示す図面である。
従来から不安定な末端基を安定化する試みがなされているが、従来から行われている方法では安定化の効率が悪く、未反応の末端基が残存しやすかった。本発明者等が鋭意検討したところ、溶融フルオロポマーと活性物質とを反応させる前に、反応阻害物質を低減させることによって、不安定末端基等のフッ素化可能な末端基を効率よく低減することができることを見出し、本開示の製造方法の開発に至った。
以下に、本開示の精製フルオロポリマーの製造方法を詳細に説明する。
本開示の製造方法は、フルオロポリマーを溶融させて溶融フルオロポリマーにする工程(a)、溶融フルオロポリマーから反応阻害物質を低減させる工程(b)、工程(b)の後に、溶融フルオロポリマーと活性物質とを接触させる工程(c)、及び、工程(c)の後に、溶融フルオロポリマーから揮発分を除去する工程(d)、を含む。
本開示の製造方法は、例えば、押出機を用いて実施することができる。具体的には、フルオロポリマーを投入する原料供給部、フルオロポリマーを加熱して溶融状態にする可塑化ゾーン、溶融フルオロポリマーから反応阻害物質を低減する反応阻害物質低減ゾーン、活性物質を導入して、溶融フルオロポリマーと活性物質とを接触させる活性物質添加ゾーン、及び、揮発分を除去する揮発分除去ゾーンを備える押出機を用い、原料供給部からフルオロポリマーを投入し、各ゾーンを順番に通過させることで実施できる。
上記押出機は、シリンダを複数結合することにより、原料供給部、可塑化ゾーン、反応阻害物質低減ゾーン、活性物質添加ゾーン、揮発分除去ゾーン及び押出部を構成することができ、押出機に投入したフルオロポリマーは、押出機の押出スクリュー(フライトスクリュー)によって移送される。
本開示の製造方法で使用できる押出機としては、溶融フルオロポリマーが流動性を有したまま移送できるものであればよく、1つの押出機を使用してもよいし、複数の押出機が連結されたものを用いてもよい。
上記押出機としては、二軸押出機等を採用できる。二軸押出機のスクリューは、各種のスクリューエレメントを適宜選択し、組み合わせることによって構成することができる。
上記スクリューエレメントとしては、例えば、送り側への搬送能力と分散・混合・混練の機能をもつニーディングディスク、送り側にも戻り側にも搬送能力を持たず、分散・混合・混練の機能をもつニーディングディスク(例えば、特開2002−120271号公報の実施例の図7,8に示される。)、戻し側への搬送能力と分散・混合・混練の機能をもつバックニーディングディスク(例えば、特開2002−120271号公報の実施例の図2、3、9、10に示される。)、樹脂をせき止める効果をもつシールリング(例えば、特開平7−124945号公報に記載されているシールリング。)、逆フライト(例えば、特開2002−120271号公報の実施例の図11、12に示される。)等が挙げられる。
上記押出機としては、セルフクリーニング性が高いものが好ましい。セルフクリーニング性が高いものとしては、スクリュー型押出機が好ましい。上記スクリュー型押出機としては、用途に応じた適切なスクリューを配置することによりメルトシールを形成させやすく、また、滞留時間分布が狭く連続操作が可能である点から、二軸スクリュー型押出機が好ましい。メルトシールを形成させることによって、加圧状態で不活性物質や活性物質を導入することができ、反応阻害物質の低減効率、フッ素化可能な末端基の低減効率をより向上させることができる。
上記フルオロポリマーとしては、溶融加工可能なフッ素樹脂を使用できる。溶融加工可能なフッ素樹脂としては、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体やテトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)等のTFE/HFP系共重合体(FEP);テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(メチルビニルエーテル)共重合体(MFA)、テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)共重合体等のテトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体(PFA);ビニリデンフルオライド単独重合体(PVdF);エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、クロロトリフルオロエチレン単独重合体(PCTFE)等が挙げられる。また、これらの重合体に更に他のモノマーを共重合させた重合体であってもよく、具体的にはテトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、エチレン/テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、クロロトリフルオロエチレン/テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体が挙げられる。
上記フルオロポリマーとしては、テトラフルオロエチレンに基づく重合単位を含む重合体が好ましく、主鎖を構成するモノマーがパーフルオロモノマーであるパーフルオロ重合体がより好ましく、FEP及びPFAからなる群より選択される少なくとも1種が更に好ましい。
上記フッ素樹脂を重合する方法としては特に限定されず、従来公知の方法を用いることができるが、例えば、溶液重合、乳化重合等が挙げられる。加熱溶融させるフルオロポリマーは、重合終了後の液状物に分散しているフッ素樹脂からなる粒子を凝集して濾取したのち乾燥して得られる。上記重合で用いる重合開始剤の種類や濃度、重合温度、重合圧力は特に限定されない。
重合して得られたフルオロポリマーは、通常、−COF基、−COOH基、−CHOH基、−CONH基、−COOCH基、−CFH基、−CF・=CF−基、−CF=CF基等のフッ素化が可能な末端基を有する。本開示の製造方法によれば、上記のようなフルオロポリマーが有する末端基を効率よく低減することができる。
以下、本開示の製造方法における各工程についてより詳細に説明する。
上記工程(a)は、フルオロポリマーを溶融させて溶融フルオロポリマーにするものである。フルオロポリマーは加熱により溶融させることができる。上記加熱溶融時の温度、時間等の条件は、フルオロポリマーが溶融状態になるものであれば特に限定されず、用いるフルオロポリマーの融点等に応じて適宜決定すればよい。例えば、フルオロポリマーの融点以上の温度であってよい。
例えば、50〜400℃の温度をフルオロポリマーの種類に応じて採用してもよい。工程(a)における温度は、100℃以上がより好ましく、150℃以上が更に好ましく、170℃以上であることが特に好ましい。また、380℃以下であることがより好ましく、350℃以下であることが更に好ましく、330℃以下であることが特に好ましい。
工程(a)は、上述したように、押出機が備える可塑化ゾーンで行うことができる。可塑化ゾーンは加熱機構を備えることが好ましい。可塑化ゾーンにおいて溶融させたフルオロポリマーは、反応阻害物質低減ゾーンに送られる。
上記工程(b)は、溶融フルオロポリマーから反応阻害物質を低減させる工程である。
上記反応阻害物質としては、フルオロポリマーに含まれる揮発分、酸素(O)、又は、水(HO)が挙げられる。
上記揮発分としては、フルオロポリマーに含まれるオリゴマー等の低分子量体、未反応モノマー、副生産物等の不純物、残存する重合溶媒、HFやCOFなどの熱分解で発生するガス等が挙げられる。
上記のような反応阻害物質が溶融フルオロポリマーに含まれていると、後述する工程(c)において、溶融フルオロポリマーと活性物質とを接触させることにより生じる反応の効率が低下する。本開示の製造方法では、工程(c)の前に工程(b)を実施することによって、溶融フルオロポリマー中に存在する反応阻害物質を低減することができ、これにより、工程(c)で生じる反応効率を高めることができる。
上記工程(b)における温度は、投入するフルオロポリマーの種類にもよるが、50〜400℃であることが好ましい。50℃未満であると、フルオロポリマーの流動性が不充分となり、不活性物質との混合が不充分となって、反応阻害物質の除去を促進しにくい。400℃を超えると、フルオロポリマーの劣化を招くおそれがある。工程(b)における温度は、100℃以上がより好ましく、150℃以上が更に好ましく、170℃以上であることが特に好ましい。また、380℃以下であることがより好ましく、350℃以下であることが更に好ましく、330℃以下であることが特に好ましい。
上記工程(b)における温度は、例えば、フルオロポリマーの融点以上の温度であってよい。
溶融フルオロポリマーから反応阻害物質を低減させる方法としては、不活性物質と溶融フルオロポリマーとを接触させる方法、溶融フルオロポリマーに対して減圧処理を施す方法等が挙げられる。
まず、不活性物質と溶融フルオロポリマーとを接触させる方法について説明する。
上記不活性物質としては、気体であってもよいし、液体であってもよいが、不活性ガスであることが好ましい。不活性ガスとしては、窒素ガス(N)、二酸化炭素ガス(CO)、ヘリウムガス又はアルゴンガスが好ましく、コストの観点から、N又はCOであることがより好ましい。
上記不活性ガスは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記不活性物質と溶融フルオロポリマーとを接触させる方法としては、例えば、溶融フルオロポリマーが含まれる押出機のシリンダ内に不活性物質を導入できる導入孔を設け、該導入孔から不活性物質をシリンダ内に導入する方法が挙げられる。
不活性物質が気体の場合、シリンダに設けられた導入孔から適切な圧力に調整した高圧ガスを注入できる手段を備えることが好ましい。
すなわち、上記工程(b)は、溶融フルオロポリマーと不活性物質とを加圧状態で接触させるものであることが好ましい。加圧状態で不活性物質を接触させることによって、反応阻害物質をより低減することができ、工程(c)で生じる反応をより効率的に行うことができる。これにより、得られる精製フルオロポリマーが有するフッ素化可能な末端基の数をより低減することができる。
上記圧力は、反応阻害物質低減の点で、0.1MPa以上であることが好ましく、0.2MPa以上がより好ましく、0.5MPa以上が更に好ましい。
圧力が高いと、反応阻害物質の分圧が下がるので、反応阻害物質低減の効率を高めることができる。上限は特に限定されないが、50MPaであることが好ましい。50MPaを超えると、圧力に見合った除去効率が得られにくい。より好ましい上限は、7MPaである。
上記圧力は、圧力計により測定することができる。
押出機を用いる場合、上記圧力は、反応阻害物質低減ゾーンを構成するシリンダに設けられた導入孔の入口に圧力計を設置して測定することができる。
上記不活性物質の投入量は特に限定されないが、反応阻害物質の除去効率を向上させることができる点で、不活性物質の添加によって圧力が上述の範囲内となる量が好ましい。
例えば、フルオロポリマー1kgに対して0.1質量%以上であることが好ましく、1.0質量%以上であることがより好ましい。また、20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましい。
上記のように不活性物質をシリンダ内に導入する方法を採用する場合、シリンダが不活性物質を排出するためのベント孔を更に備えることが好ましい。工程(b)は、溶融フルオロポリマーが含まれるシリンダ内に不活性物質を導入し、溶融フルオロポリマーと不活性物質とが接触した後、該不活性物質をシリンダ外に排出するものであることが好ましい形態の一つである。
不活性物質が液体の場合、シリンダに設けた導入孔から連続的に注入できるようにポンプ等の送液手段を備えることが好ましい。不活性物質が液体の場合も、ガスの場合と同様に、溶融フルオロポリマーに不活性物質が接触した後、該不活性物質をシリンダ外に排出することが好ましい。
本開示の精製フルオロポリマーの製造方法は、溶融フルオロポリマーと不活性物質とを接触させることによって反応阻害物質を低減させるに際して、不活性物質をフッ素樹脂中に分散させた状態、すなわち、フォーム状で接触させることが好ましい。フォーム状とすることで、不活性物質と溶融フルオロポリマーとの界面の面積が大きくなるため、反応阻害物質の低減効率を向上させることができ、処理設備の小型化を図ることができる。
上記不活性物質がフルオロポリマー中に分散した状態を形成するための方法としては、例えば、シリンダ中のスクリューの構成を選択することによって、樹脂の流れをコントロールする方法が挙げられる。
より具体的には、直列的に連結されたシリンダの一領域である反応阻害物質低減ゾーンにおいて、不活性物質を導入しない状態でフルオロポリマーを押し出したときにフルオロポリマーがシリンダ内に充満することとなるスクリュー構成、上記反応阻害物質低減ゾーンに接続された、不活性物質を導入する不活性物質導入部、及び、上記不活性物質と反応阻害物質とを排出する不活性物質排出部を有する押出機を使用し、上記不活性物質導入部から不活性物質を導入し、上記不活性物質排出部から不活性物質と反応阻害物質とを排出しながら溶融処理を行うことによって、不活性物質がフルオロポリマー中に分散した状態とすることができる。
なお、「フルオロポリマーがシリンダ内に充満する」とは、シリンダ内に自由空間が無い状態であることを意味し、気化した揮発分が一部に空間を作っている場合等、シリンダ内が完全にフルオロポリマーにより満たされていなくともよい。
反応阻害物質低減ゾーンの両端にシールリングを設置したり、上記バックニーディングディスクの上流に混練用のスクリューエレメントを設置したりすることで、フルオロポリマーを押し出したときに、フルオロポリマーがシリンダ内に充満することとなるスクリュー構成が実現できる。
上述したような押出機を使用すると、反応阻害物質低減ゾーンにおいて、フルオロポリマーが充満しているシリンダ内に不活性物質が注入され、不活性物質の注入箇所直後に分散混合の機能をもつスクリューエレメントを配置するとスクリューの回転による剪断を受けることによって、効率よく不活性物質が溶融フルオロポリマー中に分散されることとなる。上記方法では、フルオロポリマーの充満率を高くし、混練することにより加圧状態で不活性物質を注入し、分散、発泡状態を形成させることが好ましい。
工程(b)において、上記不活性物質導入部から導入された不活性物質とフルオロポリマーとを混合してもよい。押出機の反応阻害物質低減ゾーンのシリンダ内に充満したフルオロポリマーと不活性物質とを反応阻害物質低減ゾーンに設置されているニーディングディスク等の分散、混合、混練機能を有するスクリューで混合することにより、反応阻害物質低減ゾーンが気体の場合はフルオロポリマー中に高度に分散した状態で取り込まれ、いわゆるフォーム状となる。この場合、フルオロポリマー中の揮発分の拡散がフォーム/ポリマー界面を通じて始まる。
不活性物質が液体の場合は、不活性物質導入部のポリマー圧力が液体の蒸気圧以上の圧力になるようにスクリューエレメントを構成することで、不活性物質が液体のまま分散し、不活性物質の排出部で減圧された場合に急激に気化し、発泡する。この場合、フルオロポリマー中の揮発分は発泡現象が現れる時点から気泡/ポリマー界面を通じて気泡中への拡散が始まり、反応阻害物質低減ゾーンの急激な減圧で崩壊し気泡中に含まれる揮発分がベント孔を通じて外部に排出される。
工程(b)の時間、例えば、溶融フルオロポリマーが反応阻害物質低減ゾーン(例えば、不活性物質導入部及び不活性物質排出部を有するシリンダ内)を通過する時間としては特に限定されず、設定温度、不活性物質の存在量、押出機の構造等にもよるが、通常、10分未満である。10分以上であると、剪断力が多く加えられてしまいフルオロポリマーが劣化する傾向にある。上記通過時間は、上記範囲内であれば、0.2分以上が好ましく、好ましい上限は3分である。0.2分未満であると、除去効率が不充分となりやすい。
上記不活性物質導入部から導入した不活性物質は、溶融フルオロポリマーと接触させた後、不活性物質排出部から反応阻害物質と共に排出することが好ましい。
不活性物質排出部は、上述した反応阻害物質低減ゾーンのシリンダに接続することができる。上記反応阻害物質低減ゾーンは、複数のシリンダからなるものが好ましく、上記シリンダは2個以上が好ましく、2〜4個がより好ましい。複数のシリンダを使用すると、反応阻害物質低減ゾーンに温度勾配をもたせることができるので、反応阻害物質低減ゾーンの温度コントロールを安定させ、押出機から押し出されるフルオロポリマーの物性、排出速度を安定させることができる。
上記排出は、シリンダに設けたベント孔から自然排出してもよいし、ベント孔に排気ノズル及び真空ポンプをつなぎ減圧下にシリンダ内のフルオロポリマーから不活性物質、反応阻害物質を抜き出して押出機の外部に排出する方法(真空ベント)により行うことができる。
上記排出部の圧力(絶対圧力)は、フルオロポリマーの溶融状態や二軸押出機のスクリュー回転数等の運転条件により異なるが、不活性物質排出部の排気ノズルにフルオロポリマーが侵入しない程度に減圧することが好ましく、例えば、0.1MPa以下とすることができる。
押出機を用いる場合、上記圧力は、ベント孔出口に接続した配管部分で測定した値である。
上記工程(b)は、溶融フルオロポリマーに対して減圧処理を施すものであってもよい。
減圧処理を施す方法としては、例えば、上述した不活性物質の排出において記載したように、シリンダに設けたベント孔に排気ノズル及び真空ポンプをつなぎ減圧下にシリンダ内のフルオロポリマーから反応阻害物質を抜き出して押出機の外部に排出する方法(真空ベント)が挙げられる。
上記圧力は、フルオロポリマーの溶融状態や二軸押出機のスクリュー回転数等の運転条件により異なるが、ベント孔に接続した排気ノズルにフルオロポリマーが侵入しない程度に減圧することが好ましい。例えば、0.1MPa以下とすることができ、0.09MPa以下がより好ましく、0.07MPa以下が更に好ましい。
押出機を用いる場合、上記圧力は、ベント孔出口に接続した配管部分で測定した値である。
上記工程(c)は、工程(b)の後に、溶融フルオロポリマーと活性物質とを接触させるものである。活性物質としては、フルオロポリマーの末端に存在する可能性があるフッ素化が可能な末端基を変換できる物質であることが好ましい。
上記フッ素化が可能な末端基としては、−COF基、−COOH基(free及びbоnded)、−CHOH基、−CONH基、−COOCH基、−CFH基、−CF・=CF−基、−CF=CF基が挙げられる。
上記活性物質としては、フッ素化剤が好ましく、フッ素化剤としては、Fガス、CoF、AgF、UF、OF、N、CFOF、フッ化ハロゲン(例えばIF、ClF)等のフッ素含有化合物が挙げられる。フッ素化剤としては、Fガスが反応効率の観点で特に好ましい。
上記反応は、フッ素化が可能な末端基がフッ素化剤と反応して、−CF基に変換される反応が特に好ましい。
上記のような活性物質を用いることによって、フッ素化が可能な末端基をフッ素化することができる。
本開示の製造方法では、工程(b)の後に工程(c)を実施することによって、工程(c)で生じる反応効率が改善され、フッ素化が可能な末端基が低減された精製フルオロポリマーが得られる。
工程(c)ではフルオロポリマーが有する末端基と活性物質とが接触することによって、化学反応が生じることとなる。工程(b)を行わない場合には、フルオロポリマー中に反応阻害物質が多く含まれることになり、これらの反応阻害物質と活性物質とが反応して、フルオロポリマーが有するフッ素化が可能な末端基と活性物質との反応が抑制される。本開示の製造方法では、工程(c)の前に工程(b)を行うことによって、反応阻害物質を低減しているため、フルオロポリマーが有する末端基と活性物質との反応効率が改善することになると推測される。
工程(c)では、溶融フルオロポリマーに含まれる揮発分等と活性物質との反応も進行する場合がある。
上記溶融フルオロポリマーと活性物質との接触は、一括で行ってもよいし、分割して多段階で行ってもよい。多段階に分割することで、反応の程度を細かく調整をしやすくなる場合もある。
上記工程(c)における温度は、使用するフルオロポリマーの量、種類、活性物質の種類等によって適宜設定すればよいが、反応効率の観点から、20℃以上であることが好ましく、80℃以上であることがより好ましく、400℃以下であることが好ましく、380℃以下であることがより好ましい。
上記工程(c)は、溶融フルオロポリマーと活性物質とを加圧状態で接触させるものであることが好ましい。加圧状態で接触させることによって、反応効率がより改善する。
加圧状態で接触させる方法としては、例えば、押出機のシリンダに設けられた導入孔から適切な圧力に調整した活性物質を注入する方法が挙げられる。加圧状態で活性物質と溶融フルオロポリマーとを接触させることによって、得られる精製フルオロポリマーが有するフッ素化可能な末端基の数をより低減することができる。
上記圧力は、0.1MPa以上であることが好ましく、0.2MPa以上がより好ましく、0.5MPa以上が更に好ましい。
上限は特に限定されないが、50MPaであることが好ましい。より好ましい上限は、7MPaである。
押出機を用いる場合、上記圧力は、活性物質を導入するための導入孔入口の部分で測定した値である。
上記工程(c)で使用する活性物質の量は、使用するフルオロポリマーの種類、量等によって適宜設定すればよいが、例えば、フルオロポリマー1kgに対して100ppm以上であることが好ましく、1000ppm以上であることがより好ましい。また、20000ppm以下であることが好ましく、10000ppm以下であることがより好ましい。
上記工程(c)においては、活性物質と不活性物質とを混合して用いてもよい。例えば、活性物質(例えばフッ素化剤)10〜90体積%、不活性物質(例えばNガス)10%〜90%の混合物質を用いてもよい。
工程(d)は、工程(c)の後、溶融フルオロポリマーから揮発分を除去するものである。工程(c)の後に工程(d)を実施することによって、残存する揮発分に加えて、工程(c)により導入されたフッ素化剤等の活性物質、工程(c)により生成する化合物(例えばF、HF、COF等のフッ素含有化合物)や水などの除去を行うことができる。
工程(d)において、溶融フルオロポリマーから揮発分を除去する方法としては特に限定されず、押出機を用いる場合、押出機を構成するシリンダにベント孔を設ければ自然に揮発分や活性物質が排出される。
また、上述した工程(b)において記載した方法を採用できる。具体的には、不活性物質を溶融フルオロポリマーに接触させる方法、溶融フルオロポリマーに対して減圧処理を施す方法等が挙げられる。
上記のようにベント孔から揮発分等を自然排出した後に、不活性物質を溶融フルオロポリマーに接触させる方法、溶融フルオロポリマーに対して減圧処理を施す方法等を実施することも好ましい。
具体的には、工程(c)が実施された後、(i)溶融フルオロポリマーが通過するシリンダにベント孔を設けて揮発分を自然排出させる方法、(ii)溶融フルオロポリマーが通過するシリンダにベント孔を設け、減圧状態にして揮発分を排出させる方法、(iii)上記(i)又は(ii)により揮発分を排出させた後、更に、シリンダに設けた導入孔から不活性物質をシリンダ内に導入して溶融フルオロポリマーと不活性物質とを接触させ、その後、不活性物質を排出するためのベント孔から不活性物質を排出する方法等が挙げられる。また、(iv)上記(i)又は(ii)の排出を行わずに、シリンダに設けた導入孔から不活性物質をシリンダ内に導入して溶融フルオロポリマーと不活性物質とを接触させ、その後、不活性物質を排出するためのベント孔から不活性物質を排出する方法も採用できる。
工程(d)における温度は、フルオロポリマーが流動性を有する温度であれば特に限定されないが、例えば、上述した工程(b)と同じ温度範囲を採用できる。
工程(d)後のフルオロポリマーは、溶融状態でダイから押出されて冷却・固化し、所望の形状を有する精製フルオロポリマーとすることができる。
精製フルオロポリマーの形状は特に限定されず、例えば、押出機の押出口におけるダイの形状等により、所望の形状とすることができるが、汎用性等の点で、ペレットとすることが好ましい。得られたペレットは、別の成形機に投入して所望の成形物の作製に供することができる。
本開示の製造方法では、フッ素化可能な末端基の数が低減された精製フルオロポリマーを得ることができる。例えば、−COF基、−COOH基、−CHOH基、−CONH基、−COOCH基、−CFH基、及び、−CF=CF基の総数が主鎖炭素原子10個あたり50個以下である精製フルオロポリマーを得ることができる。
上記フッ素化可能な末端基の数は、FT−IR Spectrometer 1760X(Perkin Elmer社製)を用いて、赤外吸収分光測定を行うことにより、米国特許第3085083号明細書、特開2005−298659号公報に記載されている方法により測定したものである。
以下に、本開示の製造方法について好適な形態を例示する。
本開示の製造方法は、シリンダを備える押出機を用いて精製フルオロポリマーを製造する方法であって、フルオロポリマーをシリンダ中で加熱して溶融フルオロポリマーにする工程(a1)、溶融フルオロポリマーが含まれるシリンダ内に不活性物質を導入し、溶融フルオロポリマーと不活性物質とを接触させ、その後、接触させた不活性物質を排出する工程(b1)、工程(b1)の後に、シリンダ内に活性物質を導入して溶融フルオロポリマーと活性物質とを接触させる工程(c1)、及び、工程(c1)の後に、溶融フルオロポリマーが含まれるシリンダに備えられた揮発分排出部から揮発分を除去する工程(d1)、を含むものであることが好適な形態の一つである。
上記製造方法は、例えば、原料供給部、加熱機構を備える可塑化ゾーン、不活性物質供給孔及び不活性物質排出孔を備える反応阻害物質低減ゾーン、活性物質供給部を備える活性物質添加ゾーン、揮発分排出部を備える揮発分除去ゾーンをこの順に備える二軸押出機を用いて行うことができる。
工程(c)における活性物質の導入は、一括で行ってもよいし、分割して多段階で導入してもよい。多段階に分割することで、反応の程度を細かく調整をしやすくなる場合もある。
上記方法について、図面を参照してより詳細に説明する。
図1は、本開示の製造方法の1例を模式的に示す図面である。図1に示す押出機では、第1シリンダを原料供給部とし、第2〜3シリンダを可塑化ゾーンとして設けフルオロポリマーを溶融させる。第4シリンダに不活性物質導入部を設け、不活性物質をシリンダ内に導入し(5の矢印)、第5シリンダにベント孔を設け、導入した不活性物質及び反応阻害物質(揮発分等)を排出する(6の矢印)。この場合、第4及び第5シリンダにより構成される領域を反応阻害物質除去ゾーンとみなすことができる。
第6シリンダに活性物質導入部を設け、活性物質を導入し(7の矢印)、溶融フルオロポリマーと接触させて、溶融フルオロポリマーが有するフッ素化可能な末端基と反応させる。この場合、第6シリンダによる領域を活性物質添加ゾーンとみなすことができる。
また、第8シリンダにベント孔を設け、残存する揮発分や導入された活性物質、反応により生じた成分が排出される(8の矢印)。この場合、第8シリンダによる領域を揮発分除去ゾーンとみなすことができる。
このような構成にすることにより、活性物質と溶融フルオロポリマーとを反応させる前に反応阻害物質を低減することによって、活性物質と溶融フルオロポリマーとの反応を効率的に行うことができ、得られる精製フルオロポリマーが有するフッ素化可能な末端基の数を低減することができる。
また、図2に示すように、活性物質を導入して反応させ、残存する揮発分や導入された活性物質、反応により生じた成分を排出した後(8の矢印)、更に、第9シリンダに不活性物質導入部を設け、不活性物質をシリンダ内に導入し(10の矢印)、第10シリンダにベント孔を設け、導入した不活性物質を排出する(11の矢印)態様も好ましい。これによって、フルオロポリマーに残存する揮発分や、導入された活性物質を更に除去することができる。
また、図3に示すように、活性物質を導入して反応させた後、第8シリンダに不活性物質導入部を設け、不活性物質をシリンダ内に導入し(10の矢印)、第9シリンダにベント孔を設け、導入した不活性物質を排出する(11の矢印)こともできる。
本開示の製造方法は、シリンダを備える押出機を用いて精製フルオロポリマーを製造する方法であって、フルオロポリマーをシリンダ中で加熱して溶融フルオロポリマーにする工程(a2)、減圧状態にすることで溶融フルオロポリマーに含まれる反応阻害物質をシリンダの外部に排出する工程(b2)、工程(b2)の後に、シリンダ内に活性物質を導入して溶融フルオロポリマーと活性物質とを接触させる工程(c2)、及び、工程(c2)の後に、溶融フルオロポリマーが含まれるシリンダに備えられた揮発分排出部から揮発分を除去する工程(d2)、を含むものであることが好適な形態の一つである。
上記製造方法は、例えば、原料供給部、加熱機構を備える可塑化ゾーン、反応阻害物質排出部を備える反応阻害物質低減ゾーン、活性物質供給部を備える活性物質添加ゾーン、揮発分排出部を備える揮発分除去ゾーンをこの順に備える二軸押出機を用いて行うことができる。
上記方法について、図面を参照してより詳細に説明する。
図4は、本開示の製造方法の1例を模式的に示す図面である。図4に示す押出機では、第1シリンダを原料供給部とし、第2〜3シリンダを可塑化ゾーンとして設けフルオロポリマーを溶融させる。第4シリンダに反応阻害物質排出部を設け、反応阻害物質排出部に真空ポンプをつなぎ、溶融フルオロポリマーから揮発分又は反応阻害物質を抜き出す(9の矢印(真空ベント))。この場合、第4シリンダによる領域を反応阻害物質低減ゾーンとみなすことができる。第6シリンダに活性物質導入部を設け、活性物質を導入し、溶融フルオロポリマーと接触させて、溶融フルオロポリマーが有するフッ素化可能な末端基と反応させる(7の矢印)。この場合、第6シリンダによる領域を活性物質添加ゾーンとみなすことができる。また、第8シリンダに揮発分排出部を設け、残存する揮発分や導入された活性物質、反応により生じた成分が排出される(8の矢印)。このような構成にすることにより、活性物質と溶融フルオロポリマーとを反応させる前に反応阻害物質を低減することによって、活性物質と溶融フルオロポリマーとの反応を効率的に行うことができ、得られる精製フルオロポリマーが有するフッ素化可能な末端基の数を低減することができる。
また、残存する揮発分や導入された活性物質、反応により生じた成分を排出した後(8の矢印)、図2で示す態様と同様に、不活性物質の導入及び排出等を行ってもよい。また、図3で示す態様と同様に、活性物質と溶融フルオロポリマーとを反応させた後、8の矢印で示す排出を行わずに、不活性物質の導入及び排出等を行ってもよい。
本発明の精製フルオロポリマーの製造方法によれば、得られる精製フルオロポリマーが有するフッ素化可能な末端基の数を低減することができる。また、得られる精製フルオロポリマーに残存する揮発分の量を減じることもできる。
つぎに本開示のフルオロポリマーを実施例により説明するが、本開示のフルオロポリマーは下記実施例に限定されるものではない。
本明細書における各種の特性については、つぎの方法で測定した。
(フッ素化が可能な末端基の数)
下記方法により、−COF基、−COOH基(free及びbоnded)、−CHOH基、−CONH基、−COOCH基、−CFH基、及び、−CF=CF基の数を測定した。
実施例又は比較例で得られたフルオロポリマーを330〜340℃にて30分間溶融し、圧縮成形して、厚さ0.25〜0.3mmのフィルムを作製する。このフィルムをフーリエ変換赤外分光分析装置〔FT−IR(商品名:1760X型、パーキンエルマー社製)により40回スキャンし、分析して赤外吸収スペクトルを得、完全にフッ素化されて官能基が存在しないベーススペクトルとの差スペクトルを得る。この差スペクトルに現れる末端基の吸収ピークから、下記式(A)に従って試料における炭素原子1×10個あたりの官能基数Nを算出する。
N=I×K/t (A)
I:吸光度
K:補正係数
t:フィルムの厚さ(mm)
参考までに、本明細書における末端基について、吸収周波数、モル吸光係数及び補正係数を表1に示す。また、モル吸光係数は低分子モデル化合物のFT−IR測定データから決定したものである。
Figure 0006614385
(加熱質量減少量)
ターンテーブルを備えた電気炉を用い、サンプル(ペレット状のフルオロポリマー)を精密天秤(0.1mgまで測定できるもの)を使用し、あらかじめ372℃で1時間空焼きしておいたアルミカップ(質量をAとする)に20±0.1gの範囲内になるように精秤する。全体の質量をBとする。
1回の測定につき、2個のサンプルを準備する。
これらを372℃に温調しておいた電気炉のターンテーブル上に素早く乗せる。この時のターンテーブルの回転数は6rpmとする。
内温が372℃に復帰した時点から30分後に取り出し、すぐにデシケーター中に保管する。1時間以上放冷した後、先の精密天秤にてサンプル質量を精秤する。この質量をCとする。
以下の式により、2個のサンプルの372℃、30分間での質量減少をそれぞれ計算し、2個の平均を加熱質量減少量(質量%)とする。
加熱質量減少量(質量%)=〔(B−C)/(B−A)〕×100
実施例及び比較例で使用したフルオロポリマーは下記の通りである。
フッ素樹脂A:特許第5526506号公報の実施例2に記載の方法で作成したポリマー(TFE/PPVE共重合体、不安定末端基数;−CHOH146個、−COF16個、−COOH6個、−COOCH52個)の粉末
フッ素樹脂B:特許第5526506号公報の比較製造例3に記載の方法で作成したポリマー(TFE/PPVE共重合体、不安定末端基数;−CHOH57個、−COF45個、−COOH2個、−COOCH42個、)の粉末
フッ素樹脂C:国際公開第2006/123694号の実施例1に記載の方法で作成したパーフルオロポリマー(A)(PTFEを約0.1重量%含有するTFE/PPVE/HFP共重合体、不安定末端基数;−COOH600個程度)の白色粉末
フッ素樹脂D:特許第5314707号の実施例1の合成例1に記載の方法で作成したポリマー(TFE/PPVE/HFP共重合体、不安定末端基数;−CHOH10個、−COF3個、−COOH5個、−CFH570個)の粉末
実施例1
フッ素樹脂Aを、シリンダ径32mm、L/D=56の第1シリンダから第16シリンダが順番に連結したシリンダ数16の二軸押し出し機を用いて処理し、ペレットを得た。処理はフッ素樹脂Aを20kg/時間の速度で供給した。
第7シリンダーにおいて窒素を1MPa、樹脂の重量に対し4%相当を添加した。
第8シリンダーの真空度は80kPaとして、揮発分、O及びHOを除去した。
さらに第10シリンダーにおいて窒素とフッ素(F)からなるフッ素化剤との混合気体を1MPa、フッ素樹脂Aの重量に対しフッ素の量が2500ppm相当で添加した。
第11シリンダーの真空度は80kPaとして、導入したフッ素、残存する揮発分、O及びHOを除去した。処理時間は150秒であった。
処理に使用した二軸押し出し機は第1シリンダーを原料供給部とし、第2〜第6シリンダーを主に送り(右ねじ)で構成された可塑化ゾーン(第4シリンダーに戻り(左ねじ)のニーディングディスクを配置しメルトシールによる背圧を立て、粉末が完全に溶融するゾーン)を設け、その直後の第5シリンダーにベント孔を設け、溶融の際に出る揮発成分を除去するようにした。
第7シリンダーにニーディングディスクと戻り(左ねじ)フライトを設け、(L/D=0.5の戻りフライト1枚、L/D=0.5のニュートラルディスクを2枚、L/D=0.5の戻りのニーディングディスクを3枚、L/D=0.5の戻りフライト1枚で構成した。)、不活性物質導入部を接続した(不活性物質添加ゾーン)。第8シリンダーに真空ベントを設けた(不活性物質除去ゾーン)。
第9シリンダーは送り(右ねじ)で構成され、第10シリンダーはニーディングディスクと戻り(左ねじ)フライトを設け、(L/D=0.5の戻りフライト1枚、L/D=0.5のニュートラルディスクを2枚、L/D=0.5の戻りのニーディングディスクを3枚、L/D=0.5の戻りフライト1枚で構成した。)、フッ素化剤導入部を接続した(フッ素化剤添加ゾーン)。第11シリンダーに真空ベントを設けた(フッ素化剤除去ゾーン)。なお、実施例1〜8において、2軸スクリュー押出機は、260℃〜380℃の胴体温度で操作された。
実施例2〜8
表2に示すように各条件を変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行って精製フルオロポリマーを得た。
比較例1
第7シリンダーにおいて窒素を導入しなかったこと以外は実施例1と同様の操作を行ってフルオロポリマーを得た。
Figure 0006614385
本開示の製造方法は、フルオロポリマーの製造に採用することができる。
1:原料供給部
2:シリンダ
3:第1シリンダ
4:第9シリンダ
5:不活性物質導入
6:不活性物質及び反応阻害物質の排出
7:活性物質導入
8:揮発分等排出
9:揮発分及び反応阻害物質の排出(真空ベント)
10:不活性物質導入
11:不活性物質等排出

Claims (8)

  1. フルオロポリマーを溶融させて溶融フルオロポリマーにする工程(a)、
    溶融フルオロポリマーから反応阻害物質を低減させる工程(b)、
    工程(b)の後に、溶融フルオロポリマーと活性物質とを接触させる工程(c)、及び、
    工程(c)の後に、溶融フルオロポリマーから揮発分を除去する工程(d)、
    を含み、
    前記工程(a)の温度は、前記フルオロポリマーの融点以上の温度であり、
    前記反応阻害物質は、揮発分、O 又はH Oであり、
    前記活性物質が、フッ素化剤である
    ことを特徴とする精製フルオロポリマーの製造方法。
  2. 工程(b)は、溶融フルオロポリマーと不活性物質とを接触させる工程である請求項1記載の製造方法。
  3. フッ素化剤が、Fである請求項記載の製造方法。
  4. 不活性物質が、窒素ガス、又は、二酸化炭素ガスである請求項2又は3記載の製造方法。
  5. フルオロポリマーは、テトラフルオロエチレンに基づく重合単位を含む重合体である請求項1、2、3又は4記載の製造方法。
  6. 工程(d)は、溶融フルオロポリマーと不活性物質とを接触させるものである請求項1、2、3、4又は5記載の製造方法。
  7. 工程(b)は、溶融フルオロポリマーと不活性物質とを加圧状態で接触させるものである請求項1、2、3、4、5又は6記載の製造方法。
  8. 工程(c)は、溶融フルオロポリマーと活性物質とを加圧状態で接触させるものである請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の製造方法。
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