明細書 糖衣錠 技術分野
本発明は、 種々の生理効果を有するラクチュロース及びラフイ ノ ースの混合物を糖衣基剤として使用し、 中心錠を被覆してなる糖衣 錠に関する。
本明細書において中心錠は、 薬効を呈する組成物を打錠した錠剤 を意味し、 糖衣基剤は、 中心錠を被覆 (コーティ ング) するための 組成物を意味する。 背景技術
現在、 医薬品製剤の被覆は、 薬剤の味又は臭気をマスク して服用 を容易にすること、 薬塵の発生を防止して調剤者の安全性を確保す ること、 光、 水、 酸素から薬剤を保護して薬剤の安定性を向上させ るこ と、 及び腸溶化、 徐放化により薬剤の有効性、 安全性を向上さ せること、 を目的として実施されている。 また、 医薬品製剤の被覆 方法は、 ゼラチン ' コーティ ング、 ドライ · コーティ ング、 糖衣、 フ イ ルム . コーティ ング及び粉末コ一ティ ングが知られているが、 ゼラチン · コーティ ング及びドライ · コ一ティ ングは、 単にコ一テ ィ ングのみの目的にはほとんど使用されておらず、 粉末コーティ ン グは、 検討課題が多く あって今後の技術といわれており、 現時点で は糖衣及びフィルム · コーティ ングが主流となっている。
従来の糖衣基剤は、 白糖の水溶液 (シロップ) であり、 白糖の結 晶の緻密なプロッ ク状構造を形成させることにより、 滑らかな表面 及び気密性に優れた錠剤が得られるといわれている。 糖衣基剤とし て白糖以外に、 乳酸カルシウムが知られており、 その他糖衣用散布 剤としてタルク、 糖衣用懸濁剤として沈降炭酸カルシウム、 糖衣用
結合剤と してゼラチン、 アラ ビアゴム及びプルラ ン、 糖衣用光沢化 剤と してカルナゥバロウが知られている (以上、 一番ケ瀬尚、 上釜 兼人、 及び小田切優樹編、 「医薬品の開発 1 2巻 製剤素材 I 」 、 廣川書店、 平成 2年 Z 1 9 9 0 ) 。
また、 食品を被覆する素材と しては、 糖アルコール (特開平 9 一 3 1 3 1 0 9号公報/ 1 9 9 7 ) 、 腸溶性複粒造粒物の被覆する素 材と しては、 グラニュー糖及びコーンスターチ (特開平 5 — 1 8 6 3 3 7号公報ノ 1 9 9 3 ) 等が開示されている。
一方、 ラ クチュロ一スは、 ガラ ク ト一ス及びフラ ク トースからな る二糖類 ( 4 - 0 - /S - D - galactopyranosy 1 - - D - fructose ) の一種であり、 乳糖にロブリ ー · ドプリ ュイ ン転位を行って製造 される。 ラ クチュロースは、 ビフィ ズス菌の増殖因子 (診断と新薬 、 第 1 0巻、 第 5号、 第 7 5ぺ一ジ、 1 9 7 3年) と して知られて おり、 調製粉乳、 離乳期用粉乳等に使用されている。 また、 ラ クチ ュロースは、 肝性脳症及び肝性昏睡の症状を軽減する作用を有する こ とも知られており、 既にこれらの疾患の治療に使用されている ( 精神医学、 第 1 5巻、 第 1 0号、 第 1 1 0 1 ページ、 1 9 7 3年) 。 しかしながら、 ラクチュロース単独で糖衣基剤と して使用する場 合、 粘性が高すぎて中心錠に均一なコーティ ングをするこ とが不可 能である。
更に、 ラフ イ ノ 一スは D—グルコース及び D—フルク トースから なる三糖類の一種であり、 ビー ト糖蜜からクロマ トグラフィ ーによ つて分離して製造される。 ラフイ ノースは、 整腸作用を有する機能 性オ リ ゴ糖と して、 既に日本健康 · 栄養食品協会より、 特定保健用 食品素材と しての総合評価書を得ている。 また、 ラフイ ノ ースを 2 % (重量。 以下特に断りのない限り同じ。 ) 以下の極めて低濃度で 含有する蔗糖シロ ップをコーティ ングに使用する糖衣の製法が開示 されている (特公昭 5 8 — 5 0 9 6 8号公報 Z 1 9 8 3 ) 。
しかしながら、 前記従来の技術から明らかなとおり、 各種生理作
用を有するラクチュロースに、 ラフイ ノースを少なく とも等量混合 した混合物を有効成分とする糖衣基剤により被覆した糖衣錠は知ら れておらず、 文献も皆無である。 発明の要約
本発明は、 蔗糖を一切使用せず、 抗ぅ蝕性があり、 種々の生理効 果を有するラクチュロース及びラフイ ノースからなる混合物を糖衣 基剤とした糖衣錠を提供する。
本発明は、 ラグチュロース及びラフィ ノースの混合物を有効成分 として含有する糖衣基剤により中心錠を被覆してなる糖衣錠に関す o
本発明により、 摂取時の口腔内への付着、 舌への違和感がなく、 風味 (食感) が良好であり、 嗜好性にも優れた糖衣錠を提供するこ とができる。 発明の開示
本発明者らは、 前記従来技術に鑑みて、 各種生理効果を有するラ クチュロースを糖衣基剤として使用することを創出し、 ラクチュロ —ス単独、 ラクチュロースと蔗糖、 オリ ゴ糖、 糖アルコール等の糖 類との混合物からなる糖衣基剤により糖衣錠の製造を試みたが、 ラ クチュロース単独とラクチュロース主体の糖衣基剤を使用した場合 、 粘性が高く、 中心錠を均一にコーティ ングすることができず、 糖 衣錠としては不十分な品質であった。
本発明者らは、 前記問題を解決するために鋭意研究を行った結果 、 糖衣基剤としてラクチュロース 1部 (重量) に対してラフイ ノ一 スを少なく とも 1部 (重量) 混合することにより、 混合物水溶液の 粘性が著しく低下し、 中心錠を均一にコーティ ングした糖衣錠が得 られるこ とを見い出し、 本発明を完成した。
本発明は、 従来の糖衣基剤で主に使用されている蔗糖を一切使用
せず、 ラ クチュロース及びラフィ ノ ースを使用 しているので抗ぅ蝕 性があり、 種々 の生理効果を有するラ クチュロース及びラフイ ノ ー スからなる混合物を糖衣基剤と した糖衣錠を提供するこ とを目的と している。
前記課題を解決する本発明は、 ラ クチュロース及びラ フ イ ノ ース の混合物を有効成分と して含有する糖衣基剤によ り中心錠を被覆し てなる糖衣錠、 である。
また、 本発明は、 糖衣基剤が、 ラ クチュロース 1 部 (重量) に対 してラ フ イ ノ 一スを少な く と も 1 部 (重量。 以下特に断りのない限 り同じ。 ) の割合からなる混合物を含有するこ と、 を望ま しい態様 と しており、 更に中心錠が、 次の a ) 、 b ) ;
a ) ビフ イ ドパクテリ ゥム属に属する微生物、 ラ ク トバシラス属に 属する微生物、 ス ト レプ トコ ッカス属に属する微生物、 ぺディ ォコ ッ カス属に属する微生物及びリ ュウコノ ス ト ッ ク属に属する微生物 からなる群より選択される微生物の 1 種又は 2種以上の微生物 (以 下、 これらの微生物を一括して乳酸菌類と記載するこ とがある。 ) ¾末、
b ) ラ ク ト フ ヱ リ ン、 ペプチ ド、 及びラ クチュロースからなる群よ り選択される物質の 1 種又は 2種以上、
のいずれか一方又は双方を有効成分と して含有するこ と、 を望ま し い態様と してもいる。 次に本発明について説明する。
本発明において糖衣基材に使用するラ クチュロース及びラフィ ノ ースは、 市販品であり、 また公知の方法により製造するこ と もでき る。 例えば、 ラ クチュロースは、 特開平 3 — 1 6 9 8 8 8号公報 Z 1 9 9 1 及び特開平 6 — 2 2 8 1 7 9号公報 Z 1 9 9 4 に開示され た方法により、 次のとおり製造するこ とができる。 市販乳糖の 1 0 %水溶液に、 水酸化ナ ト リ ウムを添加し、 該混合液を 7 0 °Cの温度
で 3 0分間加熱し、 冷却し、 のち冷却した溶液をイオン交換樹脂に より精製し、 濃縮し、 冷却し、 結晶化し、 未反応の乳糖を除去し、 固形分含量約 6 8 % (固形分中ラクチュロースを約 7 9 %含有する 。 ) のラクチュロース水溶液を得る。 この水溶液を強酸性イオン交 換樹脂カラムに通液し、 ラクチュロースを含む画分を採取し、 濃縮 し、 固形分含量約 6 8 % (固形分中ラクチュロース約 8 6 %を含有 する。 ) の精製ラクチュロース水溶液を得る (特開平 3 — 1 6 9 8
8 8号公報 Z 1 9 9 1 記載の方法) 。
更に、 前記の方法により得たラクチュロース水溶液 (シロ ップ) を固形分含量約 7 2 %に濃縮し、 この濃縮液を 1 5 °Cに冷却し、 ラ クチュロース三水和物結晶を種晶として添加し、 攪拌しながら 7 日 間を要して 5 °Cまで徐々 に冷却し、 結晶を生成させ、 1 0 日後に上 澄液の固形分含量が約 6 1 %に低下した結晶を含む液から濾布式遠 心分離器により結晶を分離し、 5 °Cの冷水で洗浄し、 乾燥させ、 純 度 9 5 %以上のラクチュロースの結晶を得ることができる (特開平 6 - 2 2 8 1 7 9号公報 1 9 9 4記載の方法) 。 本発明に使用す るラ クチュロ一スは、 可及的に高純度であることが望ま しく、 特に
9 5 %以上の純度であることが望ましい。
本発明において糖衣基材に使用するラフイ ノ一スは市販品であり 、 一般に市販製品は、 ビー ト糖蜜から次の方法により製造される。 ビー ト糖蜜をクロマ トグラフィ一に通液してラフィ ノースを含む画 分を採取し、 濃縮し、 粗結晶化する。 この粗結晶を溶解し、 濾過し 、 精製した結晶を取得し、 精製結晶を乾燥し、 製品とする (食品新 素材有効利用技術シリーズ N 0 . 6、 「ラフィ ノース」 、 第 2ベー ジ、 社団法人菓子総合技術センタ一、 1 9 9 6年) 。
本発明においては、 以上のようにして製造されたラクチュロース 1 部に対してラフイ ノ一スを少なく とも 1部、 望ま しく は 1 . 5〜 1 0部、 の割合の混合物を有効成分とする糖衣基剤を使用する。 本発明の糖衣錠の中心錠は、 公知の各種医薬品錠剤の有効成分を
含有する中心錠のいずれでもよく、 また、 各種薬効を呈する医薬品 組成物を打錠したものであってもよい。
本発明の糖衣錠の中心錠として特に望ま しいのは、 乳酸菌類の菌 末を含有するものであり、 この乳酸菌類の菌末は、 生菌末又は死菌 末のいずれであってもよいが、 生体内で整腸作用を有するこ とから 、 生菌末が望ま しい。 乳酸菌類の菌末は、 市販品又は公知の方法 ( 例えば、 特開平 1 一 2 2 1 3 1 9号公報ノ 1 9 8 9 に記載の方法等 ) により調製するこ とができるが、 その一例を示せば、 次のとおり である。
ビフイ ドバクテリ ゥム属に属する微生物、 ラク トバシラス属に属 する微生物、 ス ト レプトコッカス属に属する微生物、 ぺディォコ ッ カス属に属する微生物及びリ ュウコノ ス ト ツ ク属に属する微生物か らなる群より選択される微生物の 1種又は 2種以上の微生物の前培 養を常法により大量培養し、 培養液から分離した菌に必要に応じて 各種の糖類、 ア ミ ノ酸、 デンプン、 ゼラチン、 脱脂粉乳等の保護作 用を有する分散媒を添加し、 凍結乾燥することにより、 乾燥菌体を 調製することができる。 尚、 乳酸菌類の菌末のより詳細な調製方法 については、 後記する参考例 1 乃至参考例 4のとおりである。
また、 中心錠に使用するラクチュロースは、 前記のとおり糖衣基 材に使用するものと同一のものである。
また、 中心錠に使用するラク トフエ リ ンは、 市販品又は公知の方 法により製造されてものであり、 例えば、 特公平 6 — 1 3 5 6 0号 公報 1 9 9 4 に開示された方法により、 次のとおり製造すること ができる。
イオン交換基としてカルボキシメチル基を有し、 ヘモグロビン吸 着能力が 3 . 9 g / 1 0 0 m 体積変化が 3 . 0 の C M—セフ ァ デッ クス C— 5 0 (フアルマシア製) を水に膨潤し、 N a形のィォ ン交換体とする。 これを生の脱脂乳に投入し、 4 °Cで 1 6時間撹拌 、 接触させた後、 イオン交換体を取り出し、 カラムに充填し、 水を
通液してイオン交換体に付着した脱脂乳分を除去した後、 1 . 6 % の塩化ナ ト リ ゥム溶液をカラムに通液し、 イオン交換体に吸着した 第 1 の画分 (ラク トフエ リ ン以外のタンパク質) を脱離 ' 除去する 。 その後、 5 %の塩化ナ ト リ ウム溶液をカラムに通液し、 回収液を 得る。 この回収液を分画分子量 2万の限外濾過膜 (D D S社製) を 用いて塩化ナ ト リ ゥムを除去し、 得られた濃縮液を凍結乾燥するこ とにより、 純度 9 8 %以上のラク トフヱ リ ンを得るこ とができる。 更に、 中心錠に使用するペプチ ドは、 市販品又は公知の方法によ り製造した食用蛋白質の加水分解物であり、 例えば、 カゼイ ン又は 乳清蛋白質を酵素分解して得たぺプチ ドであり (特公昭 5 4 - 3 6 2 3 5号公報 Z 1 9 7 9、 特開平 7 — 3 0 3 4 5 5号公報/ 1 9 9
5、 特開平 8 - 1 1 2 0 6 3号公報 1 9 9 6、 特開平 8 — 2 2 8
6 6 9 2号公報 Z 1 9 9 6等) 、 その分解率の大小により、 分子量 分布を適宜変更したペプチ ドを得るこ とができる。
本発明の糖衣錠の中心錠においては、 これらのラク トフヱ リ ン、 ペプチ ド及びラクチュロースを、 単独又は任意に組合わせて使用す ることができる。 例えば、 ラク トフヱ リ ン 1部に対してペプチ ド 0 . 5部及びラクチュロース 2部の割合で混合した混合物等である。
また、 本発明の糖衣錠の中心錠においては、 前記乳酸菌類の菌末 、 並びに前記ラク トフエ リ ン、 ペプチ ド及びラクチュロースを任意 に組合わせて使用することもできる。
また、 本発明の糖衣錠の中心錠において、 その他の成分として医 薬品製造に使用する公知の成分、 例えば、 ショ糖脂肪酸エステル、 グリセリ ン脂肪酸エステル等の滑沢剤、 風味及び食感を改善するた めに糖類、 甘味料、 香料、 増粘剤、 乳化剤等を所用量添加し、 中心 錠の原料を調製する。 また、 糖衣用素材として、 公知のセラッ ク等 の防水剤、 タルク、 粉末白糖等の散布剤 · 懸濁剤、 アラビアゴム、 ゼラチン等の結合剤、 着色料、 カルナゥバロウ、 ミ ツロウ等の光沢 化剤 (一番ケ瀬尚、 上釜兼人、 小田切優樹編、 「医薬品の開発 1 2
巻 製剤素材 I 」 、 第 2 0 5ページ、 廣川書店、 平成 2年) 等を使 用することもできる。
本発明の糖衣錠においては、 前記中心錠の原料を、 公知の粉砕機 [例えば、 回転型ピン ミ ル (ホソカワ ミ クロン社製) 等] により粉 砕するこ とも可能であり、 打錠の前に予め押出し造粒機 [例えば、 ェクス トルー ド . ォ一 . ミ ッ クス (ホソカワ ミ クロン社製) 等] 、 流動層造粒機 [例えば、 グラ ッ ド流動造粒乾燥機 (大川原製作所製 ) 等] 等の公知の造粒装置を用いて造粒して顆粒となし、 打錠する こ ともできる。 しかしながら、 滑沢剤、 香料、 前記乳酸菌類の生菌 末等は、 造粒しないことが望ま しい。
本発明の糖衣錠においては、 以上のとおり調製した中心錠の原料 を公知の方法及び装置により打錠し、 中心剤を製造する。 打錠に使 用する機械は、 粉粒体圧縮式の打錠機であり、 公知のロータ リー型 打錠機、 エキセン ト リ ッ ク型打锭機等のいずれも使用することもで きるが、 工業的規模での生産用としてはロータ リー型打錠機を用い るこ とが望ま しい。 具体的には、 例えば、 前記のとおり調製した中 心錠の原料をロータ リー型打錠機 [例えば、 H T - P A型小型高速 打錠機 (畑鐵ェ所製) 等] に供給し、 所望の錠形を有する上下の杵 の間で圧縮し、 成形することにより錠剤を得ることができる。 打錠 時の圧縮圧力は、 錠剤原料の組成、 錠形、 打錠速度、 打錠機の種類 等により異なるが、 通常 1 ト ン以上、 5 ト ン以下の範囲である。 ま た、 本打錠の直前に、 錠剤の原料を 1 トン程度の圧力で予備圧縮す ることもできる。
本発明の糖衣錠の錠形については、 極端な異形の場合、 強度が若 干低下することもあるが、 一般に錠形として用いられている丸型、 三角形、 多角形、 フッ トポール形、 バッカル形、 花形、 ハ ー ト形等 に打錠することができる。
本発明の糖衣錠は、 公知の p a n コーティ ング法 [例えば、 回転 型糖衣パン (富士薬品機械社製) 等] 、 流動層装置によるコーティ
ング法により製造することができる。 p a nコーティ ングでは、 p a nに中心錠を入れて回転させながら、 手作業又は自動操作によつ てコーティ ング液を錠剤の流動表面に注加又は噴霧し、 必要ならば 散布剤を散布し、 次に p a nの前面から送風用ダク トを通して、 錠 剤の表面に熱風を送り溶媒を除去乾燥し、 所定回数この操作を反復 し、 糖衣錠を製造 (仲井由宣編、 医薬品の開発 1 1 巻、 「製剤の単 位操作と機械」 、 第 9 4ページ、 廣川書店、 平成元年) するこ とが できる。 より具体的には、 次のとおりである。
本発明の糖衣錠の製造において、 糖衣液の注加によって p a n中 を流動する錠剤が濡れた場合にも錠剤表面の大きな粘性の増加は認 められず、 全体及び個々の錠剤は適当な流動状態を示し、 ほぼ均一 に糖衣液と接触するため、 糖衣液の付与は注加、 又は噴霧のいずれ の方法も採用し得る。 このとき層の形成、 乾燥速度は、 個々の錠剤 の回転数に依存するので、 P a n中にバッフル又はフロー トを配設 してこの回転を補助することもできる。 糖衣各層のラクチュロース 及びラフイ ノース混合物と添加剤 (タルク、 炭酸カルシウム、 リ ン 酸カルシウム、 硫酸カルシウム、 色素等) との組成比は、 サブコ — ティ ング層で 1 : 0 . 5〜 2 . 0、 スムーシング層で 1 : 0 . 5 〜 1 . 2、 カラー リ ング層ではラクチュロース及びラフイ ノ一ス混合 物のみを使用し、 外層に向かうほどラクチュロース及びラフイ ノ一 ス混合物比を多くする。 層の結合のために糖衣液に添加する結合剤 として、 古く はゼラチン、 ァラビアゴム、 現在ではこのほかポリ ビ ニルピロ リ ドンや多糖類の一種であるプルラン等も使用できる。 た だし、 アラビアゴムの添加はサブコーティ ング、 ス厶ーシング両層 に限定し、 他の結合剤は外層に向かうほど低濃度として全層に使用 する。 また、 着色のための色素は主としてカラ— リ ングに添加する o
更に、 製品化のために、 表面にラクチュロース及びラフイ ノ 一ス 混合物からなるフィ ニシング層を薄く形成して光沢を出し、 この上
層にカルナゥバロウ、 ミ ッロウ等をポリ シングすることもできる。 また、 被覆中の乾燥効率改善のため、 転動混合床の内部を加熱空 気が一様に通過する通気式乾燥コーティ ング装置 [例えば、 回転型 コーター (フロイ ン ト産業社製) 等] も、 本発明の糖衣錠の製造に 使用可能であり、 この装置では円柱状の P a nを二重構造とし、 内 側にパンチング孔をもうけ、 p a nの内側から外側へ、 転動混合床 を構成する錠剤間隙をぬつて乾燥空気を流通させるため、 通常の P a nに比較して、 乾燥効率は約 1 . 5倍から 2倍に増大する。 また 、 乾燥空気を内側だけでなく、 外側からも切り替えて流通させる リ ベース式の装置も、 本発明の糖衣錠の製造に使用することができる 以上のようにして製造された本発明の糖衣錠は、 ラクチュロース 単独では中心錠にコーティ ングするこ とが困難であるにもかかわら ず、 ラフイ ノースを所定量混合することによって糖衣基剤を中心錠 に、 均一にコーティ ングが可能となり、 外観が良好となるとともに 、 生理効果も、 風味 (食感) も非常に優れており、 従来の製品にな い特徴を有している。 次に、 試験例を示して本発明を説明する。
試験例 1
この試験は、 本発明の糖衣錠の製錠に与えるラフィ ノ ースの効果 を、 他の糖類であるオリゴ糖のラク トスクロース、 パラチノース、 糖アルコールのマルチ トール、 エリ ス リ トールとラ クチュロースの それとを比較するために行った。
1 ) 試料の調製
ビフ ィ ドバクテリ ゥム ' ロ ンガム(B i f i dobac t er i um l ongum) M― 8 2 0 1 (微ェ研研寄第 6 5 4 8号) の菌体粉末 (生菌数 : 1 0 0 X 1 0 8 Z g。 森永乳業社製) 1部に対してラクチュロース粉末 ( 森永乳業社製) を 1部の割合で配合した混合物 9 7部に、 滑沢剤と
してグリセリ ン脂肪酸エステル (理研ビタ ミ ン社製) 3部を添加し 、 均一に混合し、 中心錠の原料を調製した。 この中心錠の原料を直 径 5 m mの丸型錠剤用杵を装着した回転テーブル型打錠機 (畑鐵ェ 所製) により、 打錠圧力 1 トンでこの原料を打錠し、 直径 5 m m、 重量 0 . 2 gの丸型錠剤 1万錠を調製した。
糖衣基剤としてラクチュロース粉末 (森永乳業社製) 1部に対し てラフィ ノース粉末 (日本甜菜製糖社製) 3部の割合で配合した混 合物を 7 0 °Cの水で溶解し、 5 0 %の水溶液を調製した (試料 1 ) ο
これとは別に、 糖衣基剤としてラクチュロース粉末 (森永乳業社 製) 1 部に対してラク トスクロース粉末 (塩水港精糖社製。 試料 2 ) 、 パラチノ ース粉末 (三井製糖社製。 試料 3 ) 、 エリ スリ トール 粉末 (日研化学社製。 試料 4 ) 及びマルチ トール粉末 (東和化成ェ 業社製。 試料 5 ) を各 3部の割合で配合した混合物を 7 0での水に 溶解し、 5 0 %の水溶液を調製した。
次に、 p a n糖衣機 (富士薬品機械社製。 3 0 0 0 ) に前記中心 錠 1 k g (約 5 0 0 0錠) を投入し、 p a n回転数 3 0 r p m、 送 風温度 5 0 °C、 送風量 0 . 1 m 3 の条件で前記試料 1 の糖衣基剤を 少量ずつ散布して被覆を行い、 約 0 . 4 g Z錠の糖衣錠を調製した 。 尚、 前記試料 2乃至試料 5についても、 前記と同一の方法により 、 それぞれ糖衣錠を調製した。
2 ) 試験方法
得られた各試料から無作為に 1 0 0錠を採取し、 p a n コーティ ング法による製造状態、 外観 (コーティ ングの均一性) 、 風味 (食 感) の比較試験を次の方法により実施した。
① p a n コ一ティ ング法による製造状態
製造時、 回転 p a n内の糖衣錠の動く状態を観察し、 糖衣錠相互 の粘着、 付着状態を定期的に p a n回転を止めて手指により確認し 、 評価した。
②外観 (コーティ ングの均一性)
各試料から採取した糖衣錠 1 0 0錠の表面及び裏面の状態を肉眼 で観察し、 市販の糖衣錠と比較し、 同等であれば良好、 それ以下を やや良好、 やや不良、 不良の 4段階で評価した。
③風味 (食感)
採取した 1 0 0錠から適当に 2〜 3錠を口の中に入れ、 舌ざわり を確認し、 これを 4〜 5回反復して、 風味 (食感) を良好、 やや良 好、 やや不良、 不良の 4段階で評価した。
3 ) 試験結果
この試験の結果は表 1 に示すとおりである。 表 1 から明らかなと おり、 糖衣基剤としてラクチュロースにラク トスクロース及びパラ チノ ースを混合した糖衣錠 (試料 2及び試料 3 ) は混合水溶液の粘 度が高く、 製造時に錠剤が付着して塊状となり、 糖衣錠のコーティ ングが均一であり、 風味 (食感) も不良であった。 また、 エ リ ス リ トールを混合した糖衣錠 (試料 4 ) は、 混合水溶液の粘度は他の試 料に比較して低いが、 製造時に錠剤相互の粘着が生じ、 マルチ ト一 ルを混合した糖衣錠 (試料 5 ) は混合水溶液の粘度が高く、 製造時 に錠剤が相互に付着して塊状となり、 糖衣錠のコ一ティ ングが不均 一であり、 風味 (食感) も不良であった。 これに対して、 ラクチ ュロースにラフイ ノ一スを混合した糖衣錠 (試料 1 ) は、 混合水溶 液の粘度が低く、 製造時に錠剤の付着が無く、 糖衣錠のコーティ ン グが均一であり、 風味 (食感) も良好であった。
表 1 各種糖類 糖 衣 錠 の 伏態
5 0 %水溶 p a nコーティング
試 料
液の粘度 法による製造伏態 コ-ティングの
( π P a · s ) 均一性 食 感 試料 1 1 3. 2 捉剤の付着ほぼ無し 良 好 良 好 試料 2 2 0. 9 錠剤が塊伏となる 不 良 不 良 試料 3 1 6. 5 錠剤相互が付着する 不 良 不 良 試料 4 1 3. 7 錠剤の付着若干有り やや不良 やや不良 試料 5 1 8. 0 錠剤が塊状となる 不 良 不 良
(注)粘度は、 2 5でにおける値である c
試験例 2
この試験は、 製錠に適したラクチュロースとラフィ ノ ースとの混 合割合を調べるために行った。
1 ) 試料の調製
中心錠にコーティ ングする糖衣基剤としてラクチュロース粉末 ( 森永乳業社製) 1 部に対して、 表 2に示すとおりラフ イ ノ ース粉末
(日本甜菜製糖社製) 0〜 1 9部の割合で混合した混合物を 7 0 °C の水に溶解し、 5 0 %水溶液を調製して用いたこ とを除き、 試験例
1 と同一の方法により、 1 錠あたり約 0 . 4 gの丸型糖衣錠を調製 した。
2 ) 試験方法
前記試験例 1 と同一の方法により外観及び風味 (食感) 試験を行 つた。
3 ) 試験結果
この試験の結果は表 2に示すとおりである。 表 2から明らかなと おり、 ラフイ ノースの混合割合の増加に従って、 混合物水溶液の粘 度が低下し、 製造時の錠剤相互の付着が少なくなる傾向が認められ 、 得られた糖衣錠のコーティ ングが均一であり、 風味 (食感) も良 好であった。 従って、 ラクチュロース 1 部及び 1 部のラフイ ノ 一ス
からなる混合物の水溶液が、 p a nコ ーティ ング法による糖衣製造 状態及び得られた糖衣錠の状態を良好に維持し得る下限である こ と が判明した。
また、 表 2から明らかなとおり、 ラ クチュ π—ス 1 部及びラ フ ィ ノ ース 1 0部からなる混合物の水溶液が、 p a nコ ーティ ング法に よる糖衣製造においてラフィ ノース結晶粉末の発生が開始する限界 であり、 本発明の糖衣錠における糖衣基材と してのラ クチュロ ース 及びラ フ ィ ノ ース混合物の望ま しい上限であるこ とが認められた。 しかしながら、 この上限は望ま しい範囲であり、 ラフイ ノ 一ス結晶 粉末が発生しても、 糖衣錠を製造できないこ とはないのである。
表 2 ラクチュ α-ス及びラフイノ-スの S合! (合 50%水 糖 衣 錠 の 伏態
溶液の p a n 3—ティング
L u L a 粘 度 法による製造伏態 コ-ティングの
(X) (mPa-s) 均一性 食 感
良不不良良ややややや
50 0 20. 錠剤が塊状になる ややや 0 '>.
40 10 18. 锭剤が相互に付着
好好好 30 20 16. 乾燥時粘着性あり 良良 25 25 14. 少々粘着性あり
20 30 13. ほぼ粘着性な し
10 40 11. 乾燥時粘着性な-し
5 45 10. 乾燥時粘着性なし
4. 45. 5 10. ラフ ス gSfiSか C
4 46 10. ラフイノ-ス gS粉やや多〈¾生
2. 5 47. 5 10. ラフ -ス 多〈¾生
(注) Lu及び Laは、 それぞれラクチュロース及びラフイノースを示し、 その他は表 1の 注を参照。 参考例 1
グルコースを添加した A B CM培地 (栄研化学社製) を用いてビ フ イ ドパクテリ ゥ厶 ' ロ ンガム (Bifidobacterium longum) M - 8 2 0 1 (微ェ研研寄第 6 5 4 8号) を、 1 0代継代培養し、 のちグ ルコース、 酵母エキス、 ペプト ン及びリ ン酸塩からなる合成倍地 5
0 1 に接種し、 3 7 °Cの温度で 1 4時間培養した。 得られた培養物 を遠心分離して集菌し、 得られた菌液 1 1 にグルタ ミ ン酸 (和光純 薬社製) 1 0 0 g及び蔗糖 5 0を水に溶解した分散媒 5 0 0 m 1 を 添加し、 凍結乾燥した。
得られた粉末菌体 2 7 5 gに、 乳糖 (和光純薬社製) 2 k g及び 乾燥コー ンスターチ (松谷化学工業社製) 2. 5 k gを添加し、 混 合して分散し、 ビフ ィ ドバクテ リ ゥム · ロ ンガムの粉末菌体約 4. 7 k g (生菌数 : 1 1 0 X 1 0 8 /g ) を得た。 参考例 2
ス 卜 レプ 卜 コ ッ カス · フ エカー リ ス (Streptococcus faecal is) A T C C— 1 9 4 3 3を用いたことを除き、 参考例 1 と同様の方法 によ り、 ス ト レプ ト コ ッ カス ' フ ヱカ リ スの粉末菌体約 4. 0 k g (生菌数 : 2 3 0 X 1 0 8 Zg ) を得た。 参考例 3
ラ ク トノく シラス · ァシ ドフ イ ノレス (Lactobacillus acidophilus) A T C C— 4 3 5 6を用いたことを除き、 参考例 1 と同様の方法に よ り、 ラ ク トバシラス · ァシ ドフ ィ ラスの粉末菌体約 4. 5 k g ( 生菌数 : 3 4 0 X 1 0 8 /g) を得た。 参考例 4
リ ュ ウ コ ノ ス ト ッ ク · ク レモ リ ス (Leuconostoc cremoris) A T C C一 1 9 2 5 4を用いたことを除き、 参考例 1 と同様の方法によ り、 リ ュ ウ コ ノ ス ト ッ ク ' ク レモ リ スの粉末菌体約 3. 5 k g (生 : 5 0 X 1 0 8 /g ) を得た。 発明を実施するための最良の形態
次に実施例を示して本発明を更に具体的に説明するが、 本発明は
以下の実施例に限定されるものではない。
実施例 1
参考例 1 と同一の方法により製造したビフイ ドパクテリ ゥ厶 ' 口 ンガムの生菌末 5 0 k g、 ラクチュロース (森永乳業社製) 2 5 k g、 マルチ トール (東和化成工業社製) 2 1 . 6 k g, グリ セ リ ン 脂肪酸エステル (理研ビタ ミ ン社製) 3 k g及びヨーグル トフレー バー (長谷川香料社製) 0. 4 k gを均一に混合し、 回転テーブル 型打錠機 (畑鐵ェ所製) により打錠圧 1 ト ンで打錠し、 1 錠あたり 約 0. 2 gの三角形の中心錠 4 9万錠を得た。
得られ中心錠を p a n糖衣機 (富士薬品機械社製。 1 5 0 0 0 ) に投入し、 p a n回転数 6 r p m、 送風温度 6 0 °C、 送風量 1 0 m 3 Z分、 排風量 1 5 m3 Z分の条件で、 ラクチュロース 1 部及びラ フィ ノ ース 1 . 5部からなる混合物の 5 0 %水溶液を糖衣基剤とし て p a n内に導入し、 糖衣処理を実施し、 錠剤相互の付着が無く、 約 0. 4 gの三角形糖衣錠を得た。
得られた糖衣錠を試験例 1 と同一の方法により試験した結果、 コ 一ティ ングが均一であり、 風味 (食感) も良好であり、 生菌数は 2 5 1 0 8 / gであった。 実施例 2
参考例 2及び参考例 3 と同一の方法により製造した乳酸菌類菌末 各 2 5 k g、 ペプチ ド (森永乳業社製。 C U 2 5 0 0 ) 2 0 k g、 ラクチュロース (森永乳業社製) 1 0 k g、 マルチ トール (東和化 成工業社製) 1 7 k g、 シュガーエステル (第一工業製薬社製) 3 k gを均一に混合し、 回転テーブル型打錠機 (畑鐵ェ所製) により 打錠圧 1 . 5 ト ンで打錠したこと、 及びラクチュロース 1部及びラ フ ィ ノ ース 1部からなる混合物の 5 0 %水溶液を糖衣基材として使 用したことを除き、 実施例 1 と同一の方法により 1 錠あたり約 0. 2 gの三角形の糖衣錠 4 8. 8万錠を得た。
得られた糖衣錠を試験例 1 と同一の方法により試験した結果、 コ 一ティ ングが均一であり、 風味 (食感) も良好であり、 生菌数は 7 0 X 1 0 8 Z であった。 実施例 3
参考例 1 及び参考例 4 と同一の方法により製造した乳酸菌類菌末 各 2 5 k g、 ラ ク ト フ エ リ ン (森永乳業社製) 1 0 k g、 ぺプチ ド (森永乳業社製。 C U 2 5 0 0 ) 1 0 k g、 マルチ トール (東和化 成工業社製) 2 7 k g、 グリセ リ ン脂肪酸エステル (理研ビ夕 ミ ン 社製) 3 k gを均一に混合し、 回転テーブル型打錠機 (畑鐵ェ所製 ) により打錠圧 2 ト ンで打錠したこ と、 及びラ クチュロース 1 部及 びラ フ イ ノ ース 4部からなる混合物の 5 0 %水溶液を糖衣基材と し て使用 したこ とを除き、 実施例 1 と同一の方法により 1 錠あたり約 0. 2 gの三角形の糖衣錠 4 9. 2万錠を得た。
得られた糖衣錠を試験例 1 と同一の方法により試験した結果、 コ 一ティ ングが均一であり、 風味 (食感) も良好であり、 生菌数は 2 0 x l 0 8 /gであった。 実施例 4
ラ ク ト フ ヱ リ ン (森永乳業社製) 8 0 k g、 マルチ ト ール (東和 化成工業社製) 1 7 k g、 シュガーエステル (第一工業製薬社製) 3 k gを均一に混合し、 回転テーブル型打錠機 (畑鐵ェ所製) によ り打錠圧 1 ト ンで打錠したこ と、 及びラ クチュロース 1 部及びラフ ィ ノ ース 1 0部からなる混合物の 5 0 %水溶液を糖衣基材と して使 用 したこ とを除き、 実施例 1 と同一の方法により 1 錠あたり約 0. 2 gの三角形の糖衣錠 4 9. 1 万錠を得た。
得られた糖衣錠を試験例 1 と同一の方法によ り試験した結果、 コ 一ティ ングが均一であり、 風味 (食感) も良好であった。
実施例 5
ペプチ ド (森永乳業社製。 C U 2 5 0 0 ) 8 0 k g . マルチ トー ル (東和化成工業社製) 1 7 k g、 グリセ リ ン脂肪酸エステル (理 研ビタ ミ ン社製) 3 k gを均一に混合し、 回転テーブル型打錠機 ( 畑鐵ェ所製) により打錠圧 1 . 5 ト ンで打錠したこ と、 及びラ クチ ュロース 1 部及びラフィ ノ ース 8部からなる混合物の 5 0 %水溶液 を糖衣基材と して使用 したこ とを除き、 実施例 1 と同一の方法によ り 1 錠あたり約 0 . 2 gの三角形の糖衣錠 4 9 . 5万錠を得た。 得られた糖衣錠を試験例 1 と同一の方法により試験した結果、 コ 一ティ ングが均一であり、 風味 (食感) も良好であった。 実施例 6
ラ クチュ ロース (森永乳業社製) 9 7 k g、 グリセ リ ン脂肪酸ェ ステル (理研ビ夕 ミ ン社製) 3 k gを均一に混合し、 回転テーブル 型打錠機 (畑鐵ェ所製) により打錠圧 1 ト ンで打錠したこ と、 及び ラ クチュ ロース 1 部及びラフィ ノ ース 1 . 2部からなる混合物の 5 0 %水溶液を糖衣基材と して使用したこ とを除き、 実施例 1 と同一 の方法により 1 錠あたり約 0 . 2 gの三角形の糖衣錠 4 9 . 7万錠 を得た。
得られた糖衣錠を試験例 1 と同一の方法により試験した結果、 コ 一ティ ングが均一であり、 風味 (食感) も良好であった。 産業上の利用可能性
以上、 詳記したとおり、 本発明は、 ラ クチュロース及びラフイ ノ ースの混合物を有効成分と して含有する糖衣基剤により中心錠を被 覆してなる糖衣錠であり、 本発明によ り奏せられる効果は、 次のと おりである。
( 1 ) 従来糖衣基剤と して用いられておらず、 各種生理効果を有す るラ クチュロース及びラフィ ノースを使用した糖衣錠が提供される
( 2 ) ショ糖を使用した糖衣錠と同等の品質を有し、 杭う蝕性の糖 衣錠が提供される。
( 3 ) 摂取時の口腔内への付着、 舌への違和感がなく、 風味 (食感 ) が良好であり、 嗜好性にも優れた糖衣錠が提供される。