JP2019129776A - 打錠物及び造粒物 - Google Patents

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啓介 本間
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Abstract

【課題】保存時における異風味の発生が抑えられ、かつアスパルテームが所望の甘味を呈し得る打錠物又は造粒物に好適に用いられ得る粒子等の提供。【解決手段】(A)アスパルテームを含有する核粒子、及び該核粒子をコーティングしている、(B)糖アルコールを含むコーティング材を含む粒子。【選択図】なし

Description

本発明は、打錠物及び造粒物、並びにそれらの製造方法、打錠物又は造粒物の製造に用いられ得る粒子及びその製造方法等に関する。
錠菓、錠剤等の打錠物、顆粒等の造粒物は、保存性や取扱性に優れ、また経口で簡便に摂取し得ることから、固形状の食品、医薬等の形態の一つとして、様々な製品に利用されている。例えば、近年、ペパーミント香料等の香料を含有する錠菓(タブレット等とも称される)が種々上市され、その爽やかなミント風味等によりもたらされる清涼感が、気分転換、眠気覚まし、口臭予防等に効果的であるとして、消費者に広く愛好されている。
一方、アスパルテームは、従来、種々の食品、医薬等の甘味料として利用されている(例えば、特許文献1〜3等)。
特表2017−500019号公報 特表2014−516995号公報 特表2013−520968号公報
アスパルテームを含有する打錠物(例、錠菓、錠剤等)及び造粒物(例、顆粒等)は、保存時に異風味が発生し、所望の風味が損なわれる場合がある。本発明が解決しようとする課題は、保存時における異風味の発生が抑えられ、かつアスパルテーム本来の甘味が損なわれることなく、アスパルテームが所望の甘味を呈し得る打錠物及び造粒物、並びにそれらの製造方法を提供すること、当該打錠物又は造粒物の製造に好適に用いられ得る粒子及びその製造方法を提供することにある。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1](A)アスパルテームを含有する核粒子、及び
該核粒子をコーティングしている、(B)糖アルコールを含むコーティング材
を含む粒子。
[2]糖アルコールが、ソルビトールを含む、[1]記載の粒子。
[3]核粒子におけるアスパルテームの含有量が、核粒子に対して50〜100重量%である、[1]又は[2]記載の粒子。
[4]粒子が、打錠物又は造粒物用粒子である、[1]〜[3]のいずれか一つに記載の粒子。
[5]打錠物が、錠菓である、[4]記載の粒子。
[6](A)アスパルテームを含有する核粒子を、(B)糖アルコールを含むコーティング材でコーティングすることを含む、粒子の製造方法。
[7]糖アルコールが、ソルビトールを含む、[6]記載の製造方法。
[8]核粒子におけるアスパルテームの含有量が、核粒子に対して50〜100重量%である、[6]又は[7]記載の製造方法。
[9]粒子が、打錠物又は造粒物用粒子である、[6]〜[8]のいずれか一つに記載の製造方法。
[10]打錠物が、錠菓である、[9]記載の製造方法。
[11](A)アスパルテームを含有する核粒子、及び
該核粒子をコーティングしている、(B)糖アルコールを含むコーティング材
を含む粒子を含有する打錠物又は造粒物。
[12]糖アルコールが、ソルビトールを含む、[11]記載の打錠物又は造粒物。
[13]核粒子におけるアスパルテームの含有量が、核粒子に対して50〜100重量%である、[11]又は[12]記載の打錠物又は造粒物。
[14]打錠物が、錠菓である、[11]〜[13]のいずれか一つに記載の打錠物又は造粒物。
[15](A)アスパルテームを含有する核粒子を、(B)糖アルコールを含むコーティング材でコーティングすることを含む、前記核粒子を含有する打錠物又は造粒物の製造方法。
[16]糖アルコールが、ソルビトールを含む、[15]記載の製造方法。
[17]核粒子におけるアスパルテームの含有量が、核粒子に対して50〜100重量%である、[15]又は[16]記載の製造方法。
[18]打錠物が、錠菓である、[15]〜[17]のいずれか一つに記載の製造方法。
[19](A)アスパルテームを含有する核粒子を、(B)糖アルコールを含むコーティング材でコーティングすることを含む、前記核粒子を含有する打錠物又は造粒物の異風味抑制方法。
[20]糖アルコールが、ソルビトールを含む、[19]記載の抑制方法。
[21]核粒子におけるアスパルテームの含有量が、核粒子に対して50〜100重量%である、[19]又は[20]記載の抑制方法。
[22]打錠物が、錠菓である、[19]〜[21]のいずれか一つに記載の抑制方法。
[23]異風味が、アスパルテームに起因するものである、[19]〜[22]のいずれか一つに記載の抑制方法。
本発明によれば、保存時における異風味の発生が抑えられ、かつアスパルテームが所望の甘味を呈し得る打錠物及び造粒物、並びにそれらの製造方法を提供し得る。
また本発明によれば、保存時における異風味の発生が抑えられ、かつアスパルテームが所望の甘味を呈し得る打錠物又は造粒物の製造に好適に用いられ得る粒子及びその製造方法を提供し得る。
また本発明によれば、アスパルテームを含有する打錠物又は造粒物の異風味抑制方法を提供し得る。
図1は、粒子状の(B)コーティング材が、(A)核粒子の表面に付着している本発明の粒子の一例の、模式断面図である。 図2は、フィルム状の(B)コーティング材が、(A)核粒子の表面に付着している本発明の粒子の一例の、模式断面図である。
<本発明の粒子>
本発明の粒子は、(A)アスパルテームを含有する核粒子(本明細書中、単に「(A)核粒子」と称する場合がある)、及び該核粒子をコーティングしている、(B)糖アルコールを含むコーティング材(本明細書中、単に「(B)コーティング材」と称する場合がある)を含むこと、すなわち、少なくとも(A)核粒子、及び該核粒子をコーティングしている(B)コーティング材により構成されることを、主たる特徴とする。
[(A)核粒子]
本発明において用いられる(A)核粒子は、アスパルテーム(化学名:α−L−アスパルチル−L−フェニルアラニン メチルエステル、CAS登録番号:22839−47−0)を含有する。本発明において用いられるアスパルテームの製造方法は特に制限されず、自体公知の方法(例えば、化学合成法、酵素法、発酵法、それらの組み合わせ等)又はこれに準ずる方法によって製造されるものを用いてよい。また本発明において用いられるアスパルテームには市販品も利用でき、簡便であることから好ましい。
(A)核粒子は、アスパルテームのみからなるものであってよいが、アスパルテームに加えて、それ以外の成分を任意で含有してもよい。(A)核粒子が含有し得る、アスパルテーム以外の成分は、本発明の目的を損なわない限り特に制限されないが、例えば、無機塩類、有機酸類及びその塩、アミノ酸類及びその塩、核酸類及びその塩、澱粉、デキストリン、糖類、甘味料、乳化剤、食物繊維、pH緩衝剤、賦形剤、増量剤、油脂等が挙げられる。これらの成分は単独で用いてよく、又は二種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A)核粒子におけるアスパルテームの含有量は特に制限されないが、(A)核粒子に対して、好ましくは1重量%以上であり、より好ましくは10重量%以上であり、更に好ましくは50重量%以上であり、特に好ましくは70重量%以上であり、最も好ましくは90重量%以上である。また(A)核粒子におけるアスパルテームの含有量は、(A)核粒子に対して、好ましくは100重量%以下であるが、本発明の目的を損なわない限り99重量%以下であってもよい。
(A)核粒子の形状は特に制限されないが、例えば、球状、立方体状、直方体状、多面体状、角柱状、円柱状、角錐状、円錐状、針状等が挙げられる。
(A)核粒子のサイズは特に制限されず、本発明の粒子のサイズ等に応じて適宜設定すればよいが、(A)核粒子の平均粒子径D50は、好ましくは0.1μm以上であり、より好ましくは1μm以上であり、更に好ましくは5μm以上であり、特に好ましくは10μm以上である。また(A)核粒子の平均粒子径D50は、好ましくは500μm以下であり、より好ましくは200μm以下であり、更に好ましくは100μm以下であり、特に好ましくは80μm以下である。本発明において、(A)核粒子の「平均粒子径D50」とは、レーザー回折・散乱法によって得られる体積基準累積粒度分布における50%粒子径(メジアン径)をいい、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置(日機装株式会社製、MICROTRAC HRA)を使用して測定される。
本発明において用いられる(A)核粒子の製造方法は特に制限されず、(A)核粒子は自体公知の方法又はこれに準ずる方法によって製造できる。(A)核粒子は、本発明の目的を損なわない限り、打錠物及び造粒物の原料に慣用の加工処理を適宜施されていてよい。
[(B)コーティング材]
本発明において用いられる(B)コーティング材は、糖アルコールを含む。(B)コーティング材に含まれる糖アルコールの具体例としては、ソルビトール、エリスリトール、キシリトール、マンニトール、マルチトール、ラクチトール、還元水飴、還元パラチノース等が挙げられ、好ましくはソルビトールである。これらの糖アルコールは単独で用いてよく、又は二種以上を組み合わせて用いてもよい。本発明において用いられる糖アルコールの製造方法は特に制限されず、自体公知の方法(例えば、化学合成法、酵素法、発酵法、抽出法、それらの組み合わせ等)又はこれに準ずる方法によって製造されるものを用いてよい。また本発明において用いられる糖アルコールには市販品も利用でき、簡便であることから好ましい。
(B)コーティング材は、糖アルコールのみからなるものであってよいが、糖アルコールに加えて、それ以外の成分を任意で含んでもよい。(B)コーティング材が含み得る、糖アルコール以外の成分は、本発明の目的を損なわない限り特に制限されないが、例えば、乳化剤、セルロース、食物繊維、アミノ酸等が挙げられる。これらの成分は単独で用いてよく、又は二種以上を組み合わせて用いてもよい。
(B)コーティング材に含まれる糖アルコールの量は特に制限されないが、(B)コーティング材に対して、好ましくは1重量%以上であり、より好ましくは10重量%以上であり、更に好ましくは50重量%以上であり、特に好ましくは70重量%以上であり、最も好ましくは90重量%以上である。また(B)コーティング材に含まれる糖アルコールの量は、(B)コーティング材に対して、好ましくは100重量%以下であるが、本発明の目的を損なわない限り99重量%以下であってもよい。
本発明の粒子において、(B)コーティング材は、(A)核粒子をコーティングしている。ここで(B)コーティング材が(A)核粒子を「コーティングしている」とは、(A)核粒子を(B)コーティング材でコーティング(例、乾式コーティング、湿式コーティング等)することにより、(A)核粒子の表面を覆うように(B)コーティング材が付着している状態を意味する。(A)核粒子の表面に付着している(B)コーティング材の形態は、本発明の目的を損なわない限り特に制限されず、例えば、図1に示されるように、粒子状の(B)コーティング材が(A)核粒子の表面に多数付着していてよく、又は、図2に示されるように、フィルム状の(B)コーティング材が(A)核粒子の表面に付着していてもよい。(A)核粒子の表面に付着している(B)コーティング材の形態は、例えば、電子顕微鏡等を用いて本発明の粒子の表面を観察することによって確認し得る。
尚、図1及び図2は、それぞれ本発明の粒子の一例の模式断面図であり、そのため構造やサイズ等が実際とは異なる場合がある。
本発明の粒子は、(A)核粒子及び(B)コーティング材に加えて、これら以外の構成を更に含むものであってよい。例えば、(B)コーティング材でコーティングされている(A)核粒子は、(B)コーティング材以外のコーティング材で更にコーティングされていてよい。
本発明の粒子のサイズは特に制限されず、本発明の粒子の用途等に応じて適宜設定すればよいが、本発明の粒子の平均粒子径D50は、好ましくは0.1μm以上であり、より好ましくは1μm以上であり、更に好ましくは5μm以上であり、特に好ましくは10μm以上である。また本発明の粒子の平均粒子径D50は、好ましくは1000μm以下であり、より好ましくは700μm以下であり、更に好ましくは500μm以下であり、特に好ましくは300μm以下である。本発明の粒子の「平均粒子径D50」は、(A)核粒子の平均粒子径D50(上述)と同様、レーザー回折・散乱法によって得られる体積基準累積粒度分布における50%粒子径(メジアン径)をいい、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置(日機装株式会社製、MICROTRAC HRA)を使用して測定される。
本発明の粒子の製造方法は、(A)核粒子を、(B)コーティング材でコーティングすることを含む。(B)コーティング材によるコーティングの方式は、(A)核粒子の表面を覆うように(B)コーティング材が付着すれば特に制限されず、乾式コーティング及び湿式コーティングのいずれであってもよい。
乾式コーティングは、(A)核粒子及び粒子状の(B)コーティング材を含み、かつ水分を実質的に含まない原料粒子(本明細書中、単に「原料粒子」と称する場合がある)を、加湿(例えば、バインダー液の微量添加等)し又は加湿せずに、撹拌することによって、(A)核粒子の表面に(B)コーティング材を付着させる方法である。乾式コーティングは、バッチ式で行われてよく、又は連続式で行われてもよい。
原料粒子に含まれる(A)核粒子及び粒子状の(B)コーティング材の量は、それぞれ(A)核粒子のサイズ、形状、(B)コーティング材に含まれる成分等に応じて適宜設定すればよく特に制限されないが、原料粒子に含まれる(A)核粒子の量は、原料粒子に含まれる(A)核粒子及び粒子状の(B)コーティング材の合計量に対して、好ましくは40重量%以上であり、より好ましくは45重量%以上であり、特に好ましくは47重量%以上である。また原料粒子に含まれる(A)核粒子の量は、原料粒子に含まれる(A)核粒子及び粒子状の(B)コーティング材の合計量に対して、好ましくは95重量%以下であり、より好ましくは90重量%以下であり、特に好ましくは87重量%以下である。
原料粒子に含まれる(A)核粒子のサイズは特に制限されず、例えば、本発明の粒子が有する(A)核粒子のサイズ(上述)と同様に設定してよい。
原料粒子に含まれる粒子状の(B)コーティング材のサイズは特に制限されず、(A)核粒子のサイズ等に応じて適宜設定すればよいが、粒子状の(B)コーティング材の平均粒子径D50は、好ましくは0.1μm以上であり、より好ましくは1μm以上であり、更に好ましくは5μm以上であり、特に好ましくは10μm以上である。また粒子状の(B)コーティング材の平均粒子径D50は、好ましくは1000μm以下であり、より好ましくは700μm以下であり、更に好ましくは500μm以下であり、特に好ましくは300μm以下である。尚、例えば、(B)コーティング材の態様によっては、乾式コーティングの過程で(B)コーティング材が粉砕等されることにより、乾式コーティング後の(B)コーティング材(実際に(A)核粒子の表面に付着した粒子状の(B)コーティング材)の平均粒子径D50は、上述した範囲よりも小さくなる場合があり得る。本発明において、粒子状の(B)コーティング材の「平均粒子径D50」は、(A)核粒子の平均粒子径D50(上述)と同様、レーザー回折・散乱法によって得られる体積基準累積粒度分布における50%粒子径(メジアン径)をいい、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置(日機装株式会社製、MICROTRAC HRA)を使用して測定される。
原料粒子は、(A)核粒子及び粒子状の(B)コーティング材に加えて、これら以外の成分を更に任意で含むものであってよい。そのような成分としては、例えば、滑沢剤(例、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム等)、流動化剤(例、二酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク等)、賦形剤(例、デキストリン、デンプン、糖、糖アルコール等)、結合剤(例、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース等)、崩壊剤(例、デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等)等が挙げられる。原料粒子における(A)核粒子及び粒子状の(B)コーティング材以外の成分の量は特に制限されないが、原料粒子に対して、通常10重量%以下であり、好ましくは5重量%以下であり、特に好ましくは1重量%以下である。
原料粒子は、水分を実質的に含まないことが好ましい。本発明において、原料粒子が水分を「実質的に含まない」とは、(1)原料粒子が水分を全く含まないか、又は(2)原料粒子に含まれる水分が、原料粒子に対して5重量%以下(好ましくは3.5重量%以下)であることを意味する。
原料粒子の撹拌方法は特に制限されず、慣用の撹拌装置を使用して、自体公知の方法又はこれに準ずる方法によって行い得る。使用し得る撹拌装置としては、例えば、各種バッチ式撹拌装置、各種連続式撹拌装置等が挙げられ、具体的には、例えば、高速撹拌型混合造粒機(NMG−5L等;株式会社奈良機械製作所製)、ハイブリダイゼーションシステム(NHSシリーズ等;株式会社奈良機械製作所製)、ニュースピードニーダー(NSKシリーズ等;岡田精工株式会社製)、フレキソミックス(FXD−250等;ホソカワミクロン製)、バーチカル・グラニュレーター(パウレック製)等が挙げられる。
原料粒子の撹拌は、例えば、原料粒子が投入された撹拌槽内で、撹拌子(撹拌羽根ともいう)を回転させること等により行い得る。また撹拌には、例えば、チョッパー等を利用してよく、チョッパーは撹拌子と併用してもよい。撹拌子、チョッパーの態様(例えば、形状、サイズ、設置数、設置位置、設置方向等)は特に制限されない。
原料粒子の撹拌速度は特に制限されず、例えば、撹拌子、チョッパーの周速は、それぞれ原料粒子の組成や形状、撹拌子、チョッパーの態様等に応じて適宜設定できる。
原料粒子の撹拌における各種条件(例えば、撹拌時間、撹拌回数及び撹拌温度(撹拌槽内の温度)等)は特に制限されず、適宜設定できる。
原料粒子の撹拌は、原料粒子の成分の全てを予め混合してから行ってよく、又は原料粒子の成分の一部を混合し、これを撹拌装置で撹拌しながら、残りの成分を当該撹拌装置に投入して撹拌を行ってもよい。あるいは、原料粒子の成分を予め混合せず、個別に撹拌装置に投入してもよい。
原料粒子は、撹拌の際、加湿してもよい。本発明において、原料粒子の「加湿」とは、原料粒子に微量の水分を加えることを意味し、原料粒子を撹拌の際に「加湿」することにより、均一なコーティングが達成され得る。加湿の方法は特に制限されないが、例えば、撹拌前乃至撹拌中の原料粒子にバインダー液を添加すること等により行い得る。本発明において「バインダー液」とは、液体媒体(liquid medium)を含有する液体を意味し、当該液体媒体としては、例えば、水、有機溶媒(例、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、アセトン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、ジエチルエーテル等)等が挙げられる。これらの液体媒体は単独で用いてよく、又は二種以上を組み合わせて用いてもよい。バインダー液は、液体媒体のみからなるものであってよいが、液体媒体に加えて、液体媒体以外の成分を含有してもよい。バインダー液に含有される液体媒体以外の成分は、本発明の目的を損なわない限り特に制限されないが、例えば、原料粒子に含まれ得る成分(例、アスパルテーム、糖アルコール等)等が挙げられる。バインダー液は、液体媒体以外の成分を一種のみ含有してよく、又は二種以上含有してもよい。バインダー液が、液体媒体以外の成分を含有する場合、その濃度は特に制限されず、液体媒体以外の成分の種類等に応じて適宜設定し得る。バインダー液の具体例としては、水、糖アルコール(例、ソルビトール等)の過飽和水溶液等が挙げられる。
バインダー液の添加方法は特に制限されず、自体公知の方法又はこれに準ずる方法によって行うことができ、例えば、注入、滴下、噴霧又はそれらの組み合わせにより添加できる。
バインダー液の添加量は、バインダー液の種類等に応じて適宜設定すればよいが、原料粒子に対して、通常0.5重量%以下であり、好ましくは0.3重量%以下である。またバインダー液の添加量は、原料粒子に対して、通常0.01重量%以上であり、好ましくは0.05重量%以上である。
湿式コーティングは、(A)核粒子及び(B)コーティング材を撹拌しながら、液体媒体(例、バインダー液)を添加し、得られた(A)核粒子、(B)コーティング材を含み、更に水分も含む原料混合物を乾燥すること、あるいは(B)コーティング材を液体媒体(例、水等)に溶解又は分散させて調製したコーティング液を、(A)核粒子の表面に塗布、噴霧した後、乾燥することによって、(A)核粒子の表面に(B)コーティング材を付着させる方法である。コーティング液における(B)コーティング材の濃度は、液体媒体の種類等に応じて適宜設定すればよく特に制限されない。
湿式コーティングは、慣用のドラムタイプコーティング装置、流動層コーティング装置、転動流動層コーティング装置等を使用して、自体公知の方法又はこれに準ずる方法によって行い得る。
本発明の粒子は、打錠物又は造粒物の製造に好適に用いられ得、本発明の粒子は、好ましくは打錠物又は造粒物用粒子である。本発明において「打錠物」とは、原料を打錠することを含む製造方法により得られる、経口で摂取し得る固形物をいう。打錠物の製造において原料の「打錠」は、原料に圧力をかけて所定の形状に成形できれば特に制限されず、慣用の打錠装置を用いて、自体公知の方法又はそれに準ずる方法で行うことができる。具体的には、例えば、打錠装置の臼(金型)に原料を充填し、当該臼の上下から杵で圧縮して成形すること等によって行うことができる。打錠装置は特に限定されず、例えば、単発打錠機、ロータリー打錠機、卓上錠剤成形機等を使用できる。打錠条件(例、打錠圧、打錠速度、打錠時間、打錠温度等)は特に制限されず、製造する打錠物のサイズ、重量、原料の種類等に応じて適宜設定すればよい。本発明において「造粒物」とは、原料を造粒することを含む製造方法により得られる、経口で摂取し得る固形物をいう。造粒物の製造において原料の「造粒」は、粉状、塊状、溶液又は溶融液等の形態の原料からほぼ均一な形状と大きさとをもつ粒子を成形できれば特に制限されず、慣用の造粒装置を用いて、自体公知の方法又はそれに準ずる方法で行うことができる。造粒方法の方式は特に限定されず、例えば、転動造粒法、押し出し造粒法、流動層造粒法、圧縮造粒法、溶融造粒法、撹拌造粒法等で行うことができる。造粒条件は特に限定されず、製造する造粒物のサイズ、重量、原料の種類等に応じて適宜設定すればよい。
本発明の粒子が用いられ得る打錠物及び造粒物は、経口で摂取できれば、食品及び医薬のいずれであってもよく、打錠物の具体例としては、錠菓、錠剤等が挙げられ、造粒物の具体例としては、顆粒等が挙げられるが、好ましくは錠菓である。
本発明の粒子が用いられ得る打錠物及び造粒物は、本発明の粒子に加えて、それ以外の成分を含有してよい。本発明の粒子以外の成分は、本発明の目的を損なうものでない限り特に制限されないが、例えば、賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、乳化剤、矯味剤(アスパルテームを除く)、香料、着色剤等が挙げられる。
賦形剤としては、例えば、糖アルコール(例、ソルビトール、マンニトール等)、糖(例、乳糖、白糖等)、デンプン(例、コーンスターチ等)、セルロース(例、結晶セルロース等)、デキストリン、タルク、酸化チタン等が挙げられる。これらの賦形剤は単独で用いてよく、又は二種以上を組み合わせて用いてもよい。
滑沢剤としては、例えば、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレングリコール、硬化油等が挙げられる。これらの滑沢剤は単独で用いてよく、又は二種以上を組み合わせて用いてもよい。
結合剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、結晶セルロース、α化デンプン、ポリビニルピロリドン、アラビアゴム末、ゼラチン、プルラン等が挙げられる。これらの結合剤は単独で用いてよく、又は二種以上を組み合わせて用いてもよい。
崩壊剤としては、例えば、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルスターチナトリウム、デンプン等が挙げられる。これらの崩壊剤は単独で用いてよく、又は二種以上を組み合わせて用いてもよい。
乳化剤としては、例えば、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等が挙げられる。これらの乳化剤は単独で用いてよく、又は二種以上を組み合わせて用いてもよい。
矯味剤としては、例えば、アセスルファムカリウム、サッカリンナトリウム、ステビア、ソーマチン、糖アルコール、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸等が挙げられる。これらの矯味剤は単独で用いてよく、又は二種以上を組み合わせて用いてもよい。
香料としては、ペパーミント香料、スペアミント香料、レモン香料、オレンジ香料、シナモン香料、バニラフレーバー、メントール等が挙げられる。これらの香料は単独で用いてよく、又は二種以上を組み合わせて用いてもよい。
着色剤としては、例えば、黄色三二酸化鉄、赤色三二酸化鉄、黒色酸化鉄、食用黄色4号、食用黄色5号、食用赤色3号、食用赤色102号、食用青色3号等が挙げられる。これらの着色剤は単独で用いてよく、又は二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の粒子が用いられ得る打錠物及び造粒物が医薬である場合、当該打錠物及び造粒物は各種薬効成分を含有してよい。
本発明の粒子が用いられ得る打錠物及び造粒物における、本発明の粒子の含有量は、特に制限されないが、打錠物及び造粒物に対して、通常0.1〜10重量%であり、好ましくは0.5〜5重量%である。
本発明の粒子が用いられ得る打錠物及び造粒物における、アスパルテームの含有量は、特に制限されないが、打錠物及び造粒物に対して、通常0.1〜5重量%であり、好ましくは0.3〜3重量%である。
本発明の粒子が用いられ得る打錠物及び造粒物は、異風味の発生を抑制するという本発明の効果が顕著に発揮され得ることから、香料(例、ペパーミント香料等)を含有することが好ましい。本発明の粒子が用いられ得る打錠物及び造粒物が香料を含有する場合、当該打錠物及び造粒物における香料の含有量は特に制限されないが、打錠物及び造粒物に対して、通常0.1〜10重量%であり、好ましくは1〜5重量%である。
本発明の粒子が用いられ得る打錠物及び造粒物が、(B)コーティング材に含まれる糖アルコール以外に、賦形剤等として糖アルコールを含有する場合、当該糖アルコールの種類は、(B)コーティング材に含まれる糖アルコールと同一であっても異なってもよいが、同一であることが好ましい。
本発明の粒子が用いられ得る打錠物及び造粒物のサイズ、重量は、特に制限されず、打錠物及び造粒物の種類、用途等に応じて適宜設定できる。
<本発明の打錠物又は造粒物>
本発明の打錠物又は造粒物は、(A)核粒子、及び該核粒子をコーティングしている(B)コーティング材を含む粒子を含有することを、主たる特徴とする。
本発明の打錠物又は造粒物が含有する、(A)核粒子、及び該核粒子をコーティングしている(B)コーティング材を含む粒子(すなわち、本発明の粒子)は、上述の本発明の粒子の原料を用い、上述の製造方法によって得られるものであり、好ましい態様も上述のものと同様である。
本発明の打錠物又は造粒物は、本発明の粒子に加えて、それ以外の成分を含有してよい。本発明の粒子以外の成分は、本発明の目的を損なうものでない限り特に制限されないが、例えば、本発明の粒子が用いられ得る打錠物又は造粒物が含有してよい本発明の粒子以外の成分として例示したもの(上述)と同様のものが挙げられ、好ましい成分も同様である。
本発明の打錠物又は造粒物における、本発明の粒子の含有量は特に制限されず、本発明の粒子が用いられ得る打錠物又は造粒物における、本発明の粒子の含有量(上述)と同様の範囲に設定でき、好ましい範囲も同様である。
本発明の打錠物又は造粒物における、アスパルテームの含有量は特に制限されず、本発明の粒子が用いられ得る打錠物又は造粒物における、アスパルテームの含有量(上述)と同様の範囲に設定でき、好ましい範囲も同様である。
本発明の打錠物又は造粒物は、異風味の発生を抑制するという本発明の効果が顕著に発揮され得ることから、香料(例、ペパーミント香料等)を含有することが好ましい。本発明の打錠物又は造粒物が香料を含有する場合、当該打錠物又は造粒物における香料の含有量は特に制限されず、本発明の粒子が用いられ得る打錠物又は造粒物における、香料の含有量(上述)と同様の範囲に設定でき、好ましい範囲も同様である。
本発明の打錠物又は造粒物が、(B)コーティング材に含まれる糖アルコール以外に、賦形剤等として糖アルコールを含有する場合、当該糖アルコールの種類は、(B)コーティング材に含まれる糖アルコールと同一であっても異なってもよいが、同一であることが好ましい。
本発明の打錠物又は造粒物のサイズ、重量は、特に制限されず、打錠物又は造粒物の種類、用途等に応じて適宜設定できる。
本発明の打錠物又は造粒物は、経口で摂取できれば、食品及び医薬のいずれであってもよく、具体的には、錠菓、錠剤、顆粒等が挙げられるが、好ましくは錠菓である。
本発明の打錠物又は造粒物の製造方法は、本発明の粒子を用いること以外は特に制限されず、例えば、本発明の打錠物の製造は、慣用の打錠装置(例、単発打錠機、ロータリー打錠機、卓上錠剤成形機等)を使用して自体公知の方法又はそれに準ずる方法で行うことができ、本発明の造粒物の製造は、自体公知の造粒方法(例、転動造粒法、押し出し造粒法、流動層造粒法、圧縮造粒法、溶融造粒法、撹拌造粒法等)又はそれに準ずる方法で行うことができる。
本発明の打錠物又は造粒物の製造方法は、本発明の粒子を含む原料を打錠又は造粒することを含んでよい。打錠条件(例、打錠圧、打錠速度、打錠時間、打錠温度等)、造粒条件は特に制限されず、製造する打錠物又は造粒物のサイズ、重量、原料の種類等に応じて適宜設定すればよい。
本発明の粒子を使用した打錠物又は造粒物は、保存時における異風味の発生が抑えられ得る。当該異風味は、好ましくはアスパルテームに起因するものであり、具体的には、一般に土埃臭、泥臭、かび臭等と表現される臭いである。本発明において、打錠物又は造粒物の保存時における異風味の有無や程度は、専門パネルによる官能評価(例えば、後述の実施例に示される官能評価等)によって評価できる。また本発明の打錠物又は造粒物は、含有されるアスパルテームが所望の甘味を呈し得る。本発明において、打錠物又は造粒物の甘味の有無や程度は、専門パネルによる官能評価(例えば、後述の実施例に示される官能評価等)によって評価できる。本発明の打錠物又は造粒物は、保存時における異風味の発生が抑えられ、かつ含有されるアスパルテームが所望の甘味を呈し得るものであることが好ましい。
本発明の打錠物又は造粒物の製造方法において用いられる本発明の粒子は、上述する通り、(A)核粒子を、(B)コーティング材でコーティングすることを含む製造方法により得られるものであってよく、本発明は、(A)核粒子を、(B)コーティング材でコーティングすることを含む、前記核粒子を含有する打錠物又は造粒物の製造方法も提供する。
<本発明の異風味抑制方法>
本発明は、(A)核粒子を、(B)コーティング材でコーティングすることを含む、前記核粒子を含有する打錠物又は造粒物の異風味抑制方法(本明細書中、単に「本発明の異風味抑制方法」と称する場合がある)も提供する。
本発明の異風味抑制方法において、(B)コーティング材によるコーティングの方式は、(A)核粒子の表面を覆うように(B)コーティング材が付着すれば特に制限されず、本発明の粒子のコーティングの方式と同様、乾式コーティング及び湿式コーティングのいずれであってもよく、またこれらのコーティングの好ましい態様も同様である。
本発明の異風味抑制方法は、(B)コーティング材でコーティングされている(A)核粒子を含む原料を打錠又は造粒することを含んでよい。打錠条件(例、打錠圧、打錠速度、打錠時間、打錠温度等)、造粒条件は特に制限されず、打錠物又は造粒物のサイズ、重量、原料の種類等に応じて適宜設定すればよい。
本発明の異風味抑制方法は、打錠物又は造粒物の保存時における異風味の発生が抑えられ得る。当該異風味は、好ましくはアスパルテームに起因するものであり、本発明の打錠物又は造粒物において発生が抑えられ得る異風味と同様である。本発明の異風味抑制方法は、打錠物又は造粒物の保存時における異風味の発生を抑え、かつ打錠物又は造粒物に含有されるアスパルテームの所望の甘味を呈し得るものであることが好ましい。
以下の実施例において本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。尚、本明細書において「%」と記載されている場合は、特に断りのない限り「重量%」を意味する。
(実施例1の粒子の作製)
粒子状のアスパルテーム(味の素株式会社製、PAL SWEET DIET(登録商標)、平均粒子径D50:約30μm)85重量部を、粒子状のソルビトール(三菱商事フードテック株式会社製、LTS50−M、平均粒子径D50:約170μm)15重量部で乾式コーティングして、実施例1の粒子を作製した。乾式コーティングは、原料粒子(粒子状のアスパルテーム及び粒子状のソルビトール)を、高速撹拌型混合造粒機NMG−5L(株式会社奈良機械製作所製)を用いて30分間撹拌(主軸の周速:600rpm、チョッパーの周速:1500rpm)することにより実施した(バッチサイズ:0.5kg/バッチ)。
尚、実施例1の粒子及び実施例2〜6の粒子(後述)の作製に用いたアスパルテーム及びソルビトールの平均粒子径D50は、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置(日機装株式会社製、MICROTRAC HRA)を使用して測定した。
(実施例2の粒子の作製)
粒子状のアスパルテーム(味の素株式会社製、PAL SWEET DIET(登録商標)、平均粒子径D50:約30μm)50重量部を、粒子状のソルビトール(三菱商事フードテック株式会社製、LTS50−M、平均粒子径D50:約170μm)50重量部で乾式コーティングして、実施例2の粒子を作製した。乾式コーティングは、実施例1と同様に行った。
(実施例3の粒子の作製)
粒子状のアスパルテーム(味の素株式会社製、PAL SWEET DIET(登録商標)、平均粒子径D50:約30μm)50重量部を、粒子状のソルビトール(三菱商事フードテック株式会社製、LTS50−M、平均粒子径D50:約170μm)50重量部で乾式コーティングして、実施例3の粒子を作製した。乾式コーティングは、原料粒子(粒子状のアスパルテーム及び粒子状のソルビトール)に、バインダー液として水を添加した後(添加量:原料粒子に対して0.1重量%)、高速撹拌型混合造粒機NMG−5L(株式会社奈良機械製作所製)を用いて30分間撹拌(主軸の周速:600rpm、チョッパーの周速:1500rpm)することにより実施した(バッチサイズ:0.5kg/バッチ)。
(実施例4の粒子の作製)
粒子状のアスパルテーム(味の素株式会社製、PAL SWEET DIET(登録商標)、平均粒子径D50:約30μm)50重量部を、粒子状のソルビトール(三菱商事フードテック株式会社製、LTS50−M、平均粒子径D50:約170μm)50重量部で乾式コーティングして、実施例4の粒子を作製した。乾式コーティングは、バインダー液(水)の添加量を、原料粒子に対して0.3重量%としたこと以外は、実施例3と同様に行った。
(実施例5の粒子の作製)
粒子状のアスパルテーム(味の素株式会社製、PAL SWEET DIET(登録商標)、平均粒子径D50:約30μm)50重量部を、粒子状のソルビトール(三菱商事フードテック株式会社製、LTS50−M、平均粒子径D50:約170μm)50重量部で乾式コーティングして、実施例5の粒子を作製した。乾式コーティングは、バインダー液(水)の添加量を、原料粒子に対して0.5重量%としたこと以外は、実施例3と同様に行った。
(実施例6の粒子の作製)
粒子状のアスパルテーム(味の素株式会社製、PAL SWEET DIET(登録商標)、平均粒子径D50:約30μm)50重量部を、粒子状のソルビトール(三菱商事フードテック株式会社製、LTS50−M、平均粒子径D50:約170μm)50重量部で乾式コーティングして、実施例6の粒子を作製した。乾式コーティングは、原料粒子(粒子状のアスパルテーム及び粒子状のソルビトール)を、高速撹拌型混合造粒機NMG−5L(株式会社奈良機械製作所製)を用いて5分間撹拌(主軸の周速:200rpm、チョッパーの周速:0rpm)した後、バインダー液としてソルビトール過飽和水溶液を添加した後(添加量:原料粒子に対して0.1重量%)、更に5分間撹拌(主軸の周速:600rpm、チョッパーの周速:1500rpm)することにより実施した(バッチサイズ:0.5kg/バッチ)。
(コントロールの打錠物の作製)
下表1に示す割合で、粉状のソルビトール(三菱商事フードテック株式会社製、LTS50−M)、ショ糖脂肪酸エステル(三菱ケミカルフーズ株式会社製、S−1170F)及びアスパルテーム(味の素株式会社製、PAL SWEET DIET(登録商標))をそれぞれ計量して袋に入れた後、更にペパーミント香料(高砂香料工業株式会社製、M−23019)を添加し、当該袋を3分間手混合した。得られた混合物を、卓上錠剤成形機HANDTAB−100CAJ−AT(市橋精機株式会社製)を用いて打錠し、コントロールの打錠物(ペパーミント風味錠菓)を作製した。打錠は、打錠圧を20kNに設定して実施した。コントロールの打錠物1個当たりの重量は、約0.14gであった。
(実施例1の打錠物の作製)
下表2に示す割合で、粉状のソルビトール(三菱商事フードテック株式会社製、LTS50−M)、ショ糖脂肪酸エステル(三菱ケミカルフーズ株式会社製、S−1170F)及び実施例1の粒子をそれぞれ計量して袋に入れた後、更にペパーミント香料(高砂香料工業株式会社製、M−23019)を添加し、当該袋を3分間手混合した。得られた混合物を、卓上錠剤成形機HANDTAB−100CAJ−AT(市橋精機株式会社製)を用いて打錠し、実施例1の打錠物(ペパーミント風味錠菓)を作製した。打錠は、打錠圧を20kNに設定して実施した。実施例1の打錠物1個当たりの重量は、約0.14gであった。
(実施例2の打錠物の作製)
下表3に示す割合で、粉状のソルビトール(三菱商事フードテック株式会社製、LTS50−M)、ショ糖脂肪酸エステル(三菱ケミカルフーズ株式会社製、S−1170F)及び実施例2の粒子をそれぞれ計量して袋に入れた後、更にペパーミント香料(高砂香料工業株式会社製、M−23019)を添加し、当該袋を3分間手混合した。得られた混合物を、卓上錠剤成形機HANDTAB−100CAJ−AT(市橋精機株式会社製)を用いて打錠し、実施例2の打錠物(ペパーミント風味錠菓)を作製した。打錠は、打錠圧を20kNに設定して実施した。実施例2の打錠物1個当たりの重量は、約0.14gであった。
(実施例3〜6の打錠物の作製)
実施例2の粒子に代えて、実施例3〜6の粒子をそれぞれ使用したこと以外は、実施例2の打錠物の作製方法と同様の方法で、実施例3〜6の打錠物(ペパーミント風味錠菓)を作製した。実施例3〜6の打錠物1個当たりの重量は、いずれも約0.14gであった。
<保存劣化試験>
コントロールの打錠物及び実施例1〜6の打錠物をそれぞれアルミパウチに入れて密封し、44℃で10日間保存した後、3名の専門パネルにより、各打錠物の異風味(一般に土埃臭、泥臭、かび臭等と表現される臭い)の強度及び甘味強度について、下記の基準に基づき官能評価を行った。
[異風味の強度]
+++:3名の専門パネル全員が、食品として許容し得ない異風味が感じられたと回答した
++:2名の専門パネルが、食品として許容し得ない異風味が感じられたと回答した
+:1名の専門パネルが、食品として許容し得ない異風味が感じられたと回答した
−:いずれの専門パネルも、食品として許容し得ない異風味が感じられたと回答しなかった
[甘味強度]
○:コントロールの打錠物と同等
×:コントロールの打錠物に比べて弱い
結果を表4に示す。
表4に示される結果から明らかなように、コントロールの打錠物は、保存劣化試験後、食品として許容し得ない強い異風味が発生した。一方、実施例1〜6の本発明の打錠物は、食品として許容し得ない異風味の発生が抑えられていた。また実施例1〜6の本発明の打錠物は、コントロールの打錠物と同等の強さの甘味を呈し得ることが確認された。
本発明によれば、保存時における異風味の発生が抑えられ、かつアスパルテームが所望の甘味を呈し得る打錠物及び造粒物、並びにそれらの製造方法を提供し得る。
また本発明によれば、保存時における異風味の発生が抑えられ、かつアスパルテームが所望の甘味を呈し得る打錠物及び造粒物の製造に好適に用いられ得る粒子及びその製造方法を提供し得る。
また本発明によれば、アスパルテームを含有する打錠物又は造粒物の異風味抑制方法を提供し得る。
1 (A)アスパルテームを含有する核粒子
2 (B)糖アルコールを含むコーティング材

Claims (23)

  1. (A)アスパルテームを含有する核粒子、及び
    該核粒子をコーティングしている、(B)糖アルコールを含むコーティング材
    を含む粒子。
  2. 糖アルコールが、ソルビトールを含む、請求項1記載の粒子。
  3. 核粒子におけるアスパルテームの含有量が、核粒子に対して50〜100重量%である、請求項1又は2記載の粒子。
  4. 粒子が、打錠物又は造粒物用粒子である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の粒子。
  5. 打錠物が、錠菓である、請求項4記載の粒子。
  6. (A)アスパルテームを含有する核粒子を、(B)糖アルコールを含むコーティング材でコーティングすることを含む、粒子の製造方法。
  7. 糖アルコールが、ソルビトールを含む、請求項6記載の製造方法。
  8. 核粒子におけるアスパルテームの含有量が、核粒子に対して50〜100重量%である、請求項6又は7記載の製造方法。
  9. 粒子が、打錠物又は造粒物用粒子である、請求項6〜8のいずれか一項に記載の製造方法。
  10. 打錠物が、錠菓である、請求項9記載の製造方法。
  11. (A)アスパルテームを含有する核粒子、及び
    該核粒子をコーティングしている、(B)糖アルコールを含むコーティング材
    を含む粒子を含有する打錠物又は造粒物。
  12. 糖アルコールが、ソルビトールを含む、請求項11記載の打錠物又は造粒物。
  13. 核粒子におけるアスパルテームの含有量が、核粒子に対して50〜100重量%である、請求項11又は12記載の打錠物又は造粒物。
  14. 打錠物が、錠菓である、請求項11〜13のいずれか一項に記載の打錠物又は造粒物。
  15. (A)アスパルテームを含有する核粒子を、(B)糖アルコールを含むコーティング材でコーティングすることを含む、前記核粒子を含有する打錠物又は造粒物の製造方法。
  16. 糖アルコールが、ソルビトールを含む、請求項15記載の製造方法。
  17. 核粒子におけるアスパルテームの含有量が、核粒子に対して50〜100重量%である、請求項15又は16記載の製造方法。
  18. 打錠物が、錠菓である、請求項15〜17のいずれか一項に記載の製造方法。
  19. (A)アスパルテームを含有する核粒子を、(B)糖アルコールを含むコーティング材でコーティングすることを含む、前記核粒子を含有する打錠物又は造粒物の異風味抑制方法。
  20. 糖アルコールが、ソルビトールを含む、請求項19記載の抑制方法。
  21. 核粒子におけるアスパルテームの含有量が、核粒子に対して50〜100重量%である、請求項19又は20記載の抑制方法。
  22. 打錠物が、錠菓である、請求項19〜21のいずれか一項に記載の抑制方法。
  23. 異風味が、アスパルテームに起因するものである、請求項19〜22のいずれか一項に記載の抑制方法。
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