JP5625262B2 - 固形製剤 - Google Patents
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Description
[1].ポリカルボフィルカルシウムと、炭酸マグネシウム3.0質量%以上、酸化マグネシウム6.0質量%以上、水酸化マグネシウム8.0質量%以上、ケイ酸マグネシウム17.6質量%以上及び水酸化アルミナマグネシウム9.1質量%以上から選ばれる制酸剤とを含有し、制酸剤の配合量が33質量%以下である固形製剤。
[2].制酸剤が、炭酸マグネシウムである[1]記載の固形製剤。
[3].ポリカルボフィルカルシウムと制酸剤とが共存する粒子を配合してなる[1]又は[2]記載の固形製剤。
[4].固形製剤が錠剤であって、制酸剤の配合量が25〜250mg/錠である[1]〜[3]のいずれかに記載の固形製剤。
[5].ポリカルボフィルカルシウム100質量部に対して、制酸剤5〜50質量部を含有する[1]〜[4]のいずれかに記載の固形製剤。
本発明の固形製剤は、ポリカルボフィルカルシウムと、フックス変法試験において、最大pHが6以上である制酸剤とを含有するものである。
ポリカルボフィルカルシウムは、腸内水分の調整を主作用とし、下痢や便秘等の症状を改善する成分である。ポリカルボフィルカルシウムはポリアクリル酸を3,4−ジヒドロキシ−1,5−ヘキサジエンにより架橋した合成高分子化合物である。ポリカルボフィルカルシウムを含有する製剤は、腸内において水で膨潤することで優れた薬効を発揮し、消化器疾患、例えば、便秘や下痢の治療剤として有用であり、一般的には、ポリカルボフィルカルシウムとして、成人・一日当り1〜8gを1〜4回に分けて経口投与する。ポリカルボフィルカルシウムの固形製剤に対する配合量は、上記有効量に合わせて適宜選定される。
(1)表面のポリカルボフィルカルシウムが、酸と接触する。
(2)酸との接触によりカルシウムが乖離し、ポリカルボフィルとして膨潤する。
(3)錠剤(粒子状製剤)表面が膨潤することで高粘度の高分子膜となり、水分(胃酸)の浸入を阻害する。
本発明の制酸剤は、フックス変法試験において、最大pHが6以上のものである。このような特定の制酸剤をポリカルボフィルカルシウムと併用することで、ポリカルボフィルカルシウム近傍の胃酸を制酸剤が中和し、近傍のpHを高く保つため、上記(2)酸との接触によりカルシウムが乖離することを妨害し、製剤表面に粘着性の高いポリカルボフィル層が形成されることがなく、ポリカルボフィルカルシウムのままの状態を崩壊するまで保つことができる。ポリカルボフィルカルシウムが分散した後は、胃内の胃酸による低pH(バルクpH)により、カルシウムが離脱しポリカルボフィルとなり、腸に移行後は、pHが上昇(中性〜弱アルカリ性)し腸内の水分で膨潤するため、腸での十分な便通調整効果が発揮できる。また、制酸剤自体が酸に溶けることにより、マトリックス内に導水路を作り出し、水分の浸透性が向上することで、特殊な賦形剤を使わなくても、分散がさらに容易になる。
人工胃液[希塩酸(日本薬局方規格):24.0mL、塩化ナトリウム:2.0g、ペ
プシン(1:10000):1.05g、精製水:適量/全量1000mL]75mLを200mL容ビーカーに正確に採った後、37±2℃に維持した恒温槽に浸し、次いでこの恒温槽をマグネチックスターラー上に固定し、ビーカー内にpHメーターの電極及び温度計を挿入した後、マグネチックスターラーを用いて上記ビーカー内の人工胃液を1分間に約300回転の割合になるように撹拌する。その後、人工胃液が37±2℃になった時点で、上記撹拌を行ったままで、任意量の制酸剤をビーカー内に添加すると共に、直ちにpHメーターの記録計のチャートをスタートさせる。10分経過後に別に用意しておいた新たな人工胃液を定量ポンプによって毎分2mLの割合で上記ビーカー内に適下する。この測定法による最大pHを測定する。
炭酸マグネシウム(軽質):制酸力209:好ましい配合量は3.0質量%以上であり、6.5質量%以上がより好ましく、13.0質量%以上がさらに好ましい。
酸化マグネシウム(高活性):制酸力450:好ましい配合量は1.4質量%以上であり、3.0質量%以上がより好ましく、6.0質量%以上がさらに好ましい。
水酸化マグネシウム:制酸力340:好ましい配合量は1.8質量%以上であり、4.0質量%以上がより好ましく、8.0質量%以上がさらに好ましい。
ケイ酸マグネシウム:制酸力154:好ましい配合量は4.1質量%以上であり、8.8質量%以上がより好ましく、17.6質量%以上がさらに好ましい。
水酸化アルミナマグネシウム(サナルミン):制酸力300:好ましい配合量は2.1質量%以上であり、4.5質量%以上がより好ましく、9.1質量%以上がさらに好ましい。
ポリカルボフィルカルシウム及びポリカルボフィルカルシウムを0.1mol/L塩塩酸溶液で脱カルシウム化処理したポリカルボフィルの各pHでの膨潤量で試験した。結果を図1に示す。
ポリカルボフィルカルシウム、制酸剤、乳糖(もしくはトウモロコシデンプン)、結晶セルロースの一部(ポリカルボフィルカルシウムに対して10%)を、組成表の比に量り(合計粉体量1.5kg)、ハイスピードミキサー(深江パウテック)を用いて、粉体重量の25%の水を加えつつ、アジデーター回転数400rpm、チョッパー回転数2000rpmで4分間、撹拌・混合造粒した。さらに、同条件で3分間造粒した。得られた造粒物を、50℃・12時間乾燥したのち、850μmのメッシュを用いて篩過した。得られた粉体に結晶セルロース残分及びステアリン酸マグネシウムを添加後、混合して打錠用粉体を得た。打錠用粉体を、クリーンプレスCLEC(菊水製作所)で、ポリカルボフィルカルシウムの配合量が1錠中500mgとなるように打錠した。錠剤径は、長径18mm、短径7mmの楕円形であった。
ポリカルボフィルカルシウム、結晶セルロースの一部(ポリカルボフィルカルシウムに対して10%)を、組成表の比に量り(合計粉体量1.5kg)、ハイスピードミキサー(深江パウテック)を用いて、粉体重量の20%の水を加えつつ、アジデーター回転数400rpm、チョッパー回転数2000rpmで4分間、撹拌・混合造粒した。さらに、同条件で3分間造粒した。得られた造粒物を、50℃・12時間乾燥したのち、850μmのメッシュを用いて篩過した。得られた粉体に、制酸剤、結晶セルロース残分及びステアリン酸マグネシウムを添加後、混合して打錠用粉体を得た。打錠用粉体を、クリーンプレスCLEC(菊水製作所)で、ポリカルボフィルカルシウムの配合量が1錠中500mgとなるように打錠した。錠剤径は、長径18mm、短径7mmの楕円形であった。
表3中のコーティング剤を、固形分が15%となるように精製水に溶解・分散し、コーティング液を調製した。別途、ハイコーター30型(菊水製作所)に、実施例1で得られた錠剤1kgを仕込み、給気温度70℃、回転数5rpmで、排気温度55℃まで予熱後、回転数を12rpm、噴霧液速度2.5g/minで7分間、回転数15rpm・噴霧液速度5g/minで残分を噴霧した。噴霧終了後、排気温度55℃まで乾燥し、コーティングを終了した。
[崩壊試験]
日本薬局方第15改正の崩壊試験法の操作法(1)即放性製剤に従い、崩壊試験第1液を用いて、試料6個について試験を行った。結果を下記評価基準で示す。
評価基準
◎:6個すべてが5分以内に崩壊
○:1個以上が5分を超えて崩壊し、6個すべてが10分以内に崩壊
△:1個以上が10分を超えて崩壊し、6個すべてが30分以内に崩壊
×:1個以上が30分を超えて崩壊
ポリカルボフィルカルシウム、炭酸マグネシウム、結晶セルロースの一部(ポリカルボフィルカルシウムに対して10%)を、組成表の比に量り(合計粉体量1.5kg)、ハイスピードミキサー(深江パウテック)を用いて、粉体重量の25%の水を加えつつ、アジデーター回転数400rpm、チョッパー回転数2000rpmで4分間、混合造粒した。さらに、同条件で3分間造粒した。得られた造粒物を、50℃・12時間乾燥したのち、850μmのメッシュを用いて篩過した。
別途、軽質無水ケイ酸0.8kgをハイスピードミキサーに投入し、アジデーター回転数300rpm、チョッパー回転数1500rpmで回転させつつ、1.2kgを投入し、均一になるまで4分間混合した。さらに、アカメガシワエキス1.6kgを投入し、アジデーター回転数200rpm、チョッパー回転数1500rpmで5分間混合造粒した。得られた造粒物を、105℃・3時間乾燥したのち、850μmのメッシュを用いて篩過した。
得られた両粉体に結晶セルロース残分、乳酸菌、ビフィズス菌、及び、ステアリン酸マグネシウムを添加後、混合し、打錠用粉体を得た。打錠用粉体を、LIBRA II(菊水製作所)で打錠し、ポリカルボフィルカルシウムの配合量が1錠中250mgとなる、錠剤径10.5mmの円形錠剤を得た。組成を表4に示す。
Claims (5)
- ポリカルボフィルカルシウムと、炭酸マグネシウム3.0質量%以上、酸化マグネシウム6.0質量%以上、水酸化マグネシウム8.0質量%以上、ケイ酸マグネシウム17.6質量%以上及び水酸化アルミナマグネシウム9.1質量%以上から選ばれる制酸剤とを含有し、制酸剤の配合量が33質量%以下である固形製剤。
- 制酸剤が、炭酸マグネシウムである請求項1記載の固形製剤。
- ポリカルボフィルカルシウムと制酸剤とが共存する粒子を配合してなる請求項1又は2記載の固形製剤。
- 固形製剤が錠剤であって、制酸剤の配合量が25〜250mg/錠である請求項1〜3のいずれか1項記載の固形製剤。
- ポリカルボフィルカルシウム100質量部に対して、制酸剤5〜50質量部を含有する請求項1〜4のいずれか1項記載の固形製剤。
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