JP2022102038A - ラクトフェリン含有固形製剤及びその用途 - Google Patents

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Abstract

【課題】ラクトフェリンと乳酸菌ラクトバチルスカゼイ(Lacticaseibacillus casei)菌体とを有していても、体内での崩壊性が低下しない固形製剤を提供する。【解決手段】(A)ラクトフェリンと、(B)ラクトバチルスカゼイ(Lacticaseibacillus casei)菌体と、(C)賦形剤と、を有する固形製剤であって、前記(C)賦形剤が、(C1)セルロース又は前記セルロースの誘導体と、(C2)糖アルコールとからそれぞれ1種以上を有することを特徴とする固形製剤。【選択図】なし

Description

本発明は、ラクトフェリン含有固形製剤、及びその用途に関する。
ラクトフェリンは様々な生理学的機能を有しており、機能性表示食品や健康食品等で既に様々な製品が市販されている。食品においては服用性や保存安定性が優れている点から、錠剤に代表される固形製剤が多く市販されている。また、乳酸菌ラクトバチルスカゼイ(Lacticaseibacillus casei)は、便秘を改善する整腸作用のほか、アトピー性皮膚炎や花粉症などのアレルギー症状の予防・緩和機能を有していることが知られており、ラクトフェリンと同様に様々な製品が市販されている。
ラクトフェリン粉体同士の結合力が弱いため、高濃度のラクトフェリンを含有する錠剤を作製するためには、錠剤の摩損度を小さくする観点から、高い圧力で打錠する必要がある。しかしながら、高い圧力で打錠した錠剤は、必然的に体内での崩壊性が悪くなってしまうという問題があった。
このような高濃度のラクトフェリンを含有する固形製剤には、ラクトフェリンの溶出性や崩壊性を向上させる観点から、賦形剤として糖アルコールや結晶セルロースが含まれている(特許文献1を参照)。
ラクトフェリンは、便秘を改善する機能や腸内フローラを改善する機能等を有することが知られており、乳酸菌ラクトバチルスカゼイ(Lacticaseibacillus casei)と組み合わせることで、便通改善機能がより一層向上すると共に、肌の潤いを維持する機能が発現する。一方、ラクトフェリンと乳酸菌ラクトバチルスカゼイ菌体を含有する固形製剤は、成型性や崩壊性に課題を有するため、前記課題の解決が強く望まれていた。
国際公開第2016/163460号
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、ラクトフェリンと乳酸菌ラクトバチルスカゼイ(Lacticaseibacillus casei)菌体とを有していても、成型性に優れ、崩壊性が低下しない固形製剤を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段として、本発明の固形製剤は
(A)ラクトフェリンと、
(B)ラクトバチルスカゼイ(Lacticaseibacillus casei)菌体と、
(C)賦形剤と、
を有する固形製剤であって、
前記(C)賦形剤が、(C1)セルロース又は前記セルロースの誘導体と、(C2)糖アルコールとを、それぞれ1種以上を有する。
本発明によると、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することができる。即ち、本発明は、ラクトフェリンと、乳酸菌ラクトバチルスカゼイ(Lacticaseibacillus casei)菌体とを有していても、成型性に優れ、崩壊性が低下しない固形製剤を提供することができる。
[固形製剤]
本発明の固形製剤は、(A)ラクトフェリンと、(B)ラクトバチルスカゼイ(Lacticaseibacillus casei)菌体と、(C)賦形剤と、を有する固形製剤であって、前記(C)賦形剤が、(C1)セルロース又は前記セルロースの誘導体と、(C2)糖アルコールとを、それぞれ1種以上を有する固形製剤であり、必要に応じて、その他の成分を含有する。
<(A)ラクトフェリン>
前記(A)ラクトフェリンは、脂質代謝を改善する機能、便秘を改善する機能、腸内フローラを改善する機能、睡眠を改善する機能、成長ホルモンの分泌を促進する機能、ドライアイ及び角膜上皮剥離並びにこれらから生じる目の障害を改善する機能、血圧を降下させる機能、アレルギーを改善する機能、免疫機能を維持、改善、向上する機能、肝機能を改善する機能を発現させるために含有される。特に、脂質代謝を改善する機能として内臓脂肪やBMIの低減、免疫機能の維持、改善、向上する機能の発現に有用である。
前記(A)ラクトフェリンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、哺乳類の初乳、移行乳、常乳、末期乳等、又は前記哺乳類における乳の処理物である脱脂乳、ホエー等から分離したラクトフェリン、植物から生産されたラクトフェリン、遺伝子組み換えによって得られたラクトフェリンなどが挙げられる。これらの中でも、ラクトフェリン単量体が50質量%以上含まれるラクトフェリン濃縮物が好ましい。
前記哺乳類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ヒト、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマなどが挙げられる。
前記植物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、トマト、イネ、タバコなどが挙げられる。
前記ラクトフェリンの分離方法として、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、イオン交換クロマトグラフィーが挙げられる。
なお、ラクトフェリンは、市販品を使用してもよく、公知の方法により調製して使用してもよい。ラクトフェリンは通常の製法にて製造された物を用いることができる。
前記(A)ラクトフェリンの1日あたり摂取量としては、生理機能の発現の観点から、50mg以上1000mg以下が好ましく、100mg以上500mg以下がより好ましく、200mg以上400mg以下が特に好ましい。
前記(A)ラクトフェリンの含有量は、生理機能の発現の観点から、素錠全質量に対して、4質量%以上50質量%以下が好ましく、10質量%以上40質量%以下がより好ましく、20質量%以上35質量%以下が特に好ましい。
前記(A)ラクトフェリンの含有量が、素錠全質量に対して、4質量%以上であると、生理機能が発現し、摂取錠数を適度な範囲に抑えることができるので、服用性が向上する。
前記(A)ラクトフェリンの含有量が、素錠全質量に対して、50質量%以下であると、前記ラクトフェリンの初期溶出性及び崩壊性と、崩壊性維持率と、素錠の成型性とを向上させることができる。なお、本発明における「崩壊性維持率」とは、製造直後の錠剤に対して経時後の錠剤の崩壊性がどの程度維持されているのかを示す。
前記ラクトフェリンの製造方法としては、特に制限はなく、通常の製法にて製造されたものを用いることができ、例えば、乾燥工程を有していてもよい。
前記ラクトフェリンの製造方法における乾燥工程としては、凍結乾燥、噴霧乾燥が挙げられる。前記乾燥工程によって得られたラクトフェリンは、乾燥物中に純度85%以上で含まれることが好ましい。また前記乾燥工程における乾燥減量は、6質量%以下であることが好ましい。
前記ラクトフェリンの製造方法は、造粒、微粒子コーティング、及び粉砕などの加工工程を有していてもよい。
前記(A)ラクトフェリンの平均粒子径は、20μm以上300μm以下が好ましく、20μm以上100μm以下がより好ましい。
なお、本発明において、平均粒子径は、レーザー回析散乱式粒度分布における50%径(メディアン径、体積基準)のことを示す。
<(B)ラクトバチルスカゼイ(Lacticaseibacillus casei)菌体>
前記(B)ラクトバチルスカゼイ(Lacticaseibacillus casei)菌体は、便通を改善する機能、腸内フローラを改善する機能、肌の潤いを維持する機能、肌を乾燥から守る機能、肌のバリア機能の維持、肌のキメを整える機能、肌荒れを防ぐ機能、肌をひきしめる機能、肌の柔軟性を保つ機能、肌を紫外線から保護する機能、肌を柔らげる機能、肌にハリを与える機能、肌につやを与える機能、肌を滑らかにする機能、睡眠の質を向上する機能、免疫を改善する機能、アトピー性皮膚炎や花粉症などアレルギー症状の予防、緩和機能、血流改善機能、血圧を降下させる機能、歯周病予防の機能、口臭予防の機能を発現させるために含有される。特に、便通を改善する機能や、肌の潤いを逃しにくくなるため、肌を乾燥から守る機能や肌のバリア機能の維持に有用である。
前記(B)ラクトバチルスカゼイ(Lacticaseibacillus casei)菌体は、Lactobacillus caseiに分類されていたが、2020年Zheng et al.によりLactobacillus属が合計25属に再分類がなされ、Lacticaseibacillus caseiに分類名が変更となった(Int.J.Sys.Evol.Microbiol.,2020;70:2782-2858)。
前記(B)ラクトバチルスカゼイ(Lacticaseibacillus casei)菌体は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、人の腸管、酪農製品、及び植物(味噌、醤油、漬物、糠、牧草、米、麦、麦芽など加工食品を含む植物由来のもの)に由来するものなどが挙げられる。これらの中でも、米又は米の加工食品から分離されたものであることが好ましい。
前記(B)ラクトバチルスカゼイ(Lacticaseibacillus casei)菌体は、生菌であってもよく、殺菌工程を経た殺菌体でもよい。
前記(B)ラクトバチルスカゼイ(Lacticaseibacillus casei)菌体は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、賦形剤との倍散物であることが好ましく、デキストリンとの倍散物であることがより好ましい。
前記賦形剤との倍散物は、菌体が10質量%以上90%質量%以下含まれることが好ましく、40質量%以上60%質量%以下含まれることがより好ましい。倍散物中に含まれる前記菌体を40質量%以上とすることで、生理機能が発現し易くなる。倍散物中に含まれる前記菌体を60質量%以下とすることで、十分な硬度が得られて、崩壊性が良好となる。
前記(B)ラクトバチルスカゼイ(Lacticaseibacillus casei)菌体の平均粒子径は、20μm以上100μm以下が好ましく、40μm以上80μm以下がより好ましい。なお、前記平均粒子径は、(A)ラクトフェリンと同様の方法で求めることができる。
前記(B)ラクトバチルスカゼイ(Lacticaseibacillus casei)菌体の1日あたり摂取量としては、50億個以上1兆個以下が好ましく、100億個以上8000億個以下がより好ましく、300億個以上7000億個以下が特に好ましい。
なお、原料粉末又は固形製剤中に含まれる、ラクトバチルスカゼイ(Lacticaseibacillus casei)菌体数は、血球計算盤測定法やDAPI染色法により測定が可能であり、DAPI染色法による測定が好ましい。DAPI染色法による菌数測定としては、以下の方法が挙げられる。
試料0.1gを15ml遠沈管に量り、リン酸緩衝生理食塩水(無水リン酸二水素カリウム34gを精製水に溶解後、1M水酸化ナトリウムを加えてpHを7.2に調整し、全量1000mLとする。)を100倍希釈となるように加えて混合する。ボルテックスミキサー及び超音波処理により均一化を行い、試料原液とする。さらに、前記試料原液を適宜希釈し、測定用試料液とする。
前記測定用試料液を孔径0.20μmのメンブレンフィルターで濾過した後、DAPI溶液(試薬)で約1分間反応させ、濾過する。メンブレンフィルター上に捕集された細胞を落射蛍光顕微鏡で撮影する。撮影画像上の細胞数を計測し、1画像当たりの平均細胞数を計測し、次式により、検体1g当たりの総菌数を算出する。
総菌数(個/g)=1画像当たりの平均細胞数×有効濾過面積÷1画像の面積÷濾過量
なお、有効濾過面積は、使用する濾過装置の規格を確認する。
前記(B)ラクトバチルスカゼイ(Lacticaseibacillus casei)菌体の含有量は、素錠全質量に対して、0.5質量%以上50質量%以下が好ましく、1質量%以上40質量%以下がより好ましく、1.5質量%以上25質量%以下が特に好ましい。
固形製剤に配合する際は、1日あたり50億個以上1兆個以下を摂取可能となる様に配合することが好ましく、100億個以上8000億個以下を摂取可能となる様に配合することがより好ましく、300億個以上7000億個以下を摂取可能となる様に配合することが特に好ましい。
前記(B)ラクトバチルスカゼイ(Lacticaseibacillus casei)菌体の含有量が、素錠全質量に対して、0.5質量%以上であると、生理機能が発現するため、好適である。
前記(B)ラクトバチルスカゼイ(Lacticaseibacillus casei)菌体の含有量が、素錠全質量に対して、50質量%以下であると、十分な硬度と良好な崩壊性を得ることができる。
前記(B)ラクトバチルスカゼイ(Lacticaseibacillus casei)菌体の製造方法としては、MRS培地などを用いて常法に従って培養して得られた培養物から菌体を回収し、水洗いをした後、必要に応じて賦形剤を添加し、噴霧乾燥や凍結乾燥することにより調製することができる。
前記菌体の回収方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、濾過、遠心分離などが挙げられる。
<(C)賦形剤>
前記(C)賦形剤は、(C1)セルロース又は前記セルロースの誘導体と(C2)糖アルコールとを、それぞれ1種以上を有する。
((C1)セルロース又は前記セルロースの誘導体)
前記(C1)セルロース又は前記セルロースの誘導体は、製造直後の錠剤物性(成型性、崩壊性)の向上、機能性成分の溶出性の促進、機能性成分の溶出性維持率の向上、保存安定性、打錠障害の抑制などの機能を発現させるために含有される。特に、製造直後の錠剤物性(成型性、崩壊性、溶出性)、保存安定性、機能性成分の溶出性維持率の向上、打錠障害の抑制に有用である。
前記(C1)セルロース又は前記セルロースの誘導体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、結晶セルロース、メチルセルロース、微小繊維状セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロースなどが挙げられる。これらの中でも、成型性及び崩壊性に優れるという点で、結晶セルロースが好ましい。
前記(C1)セルロース又は前記セルロースの誘導体が結晶セルロースである場合、前記結晶セルロースの嵩密度は、0.15g/cm以上0.40g/cm以下が好ましく、0.20g/cm以上0.35g/cm以下がより好ましい。なお、前記嵩密度は、第十七改正日本薬局方の「結晶セルロース」に記載の方法によって行われ、スコットボリュームメーターで測定できる。
前記(C1)セルロース又は前記セルロースの誘導体の平均粒子径は、20μm以上180μm以下が好ましく、40μm以上150μm以下がより好ましい。なお、前記平均粒子径は、(A)ラクトフェリンと同様の方法で求めることができる。
前記(C1)セルロース又は前記セルロースの誘導体の含有量は、素錠全質量に対して、15質量%以上80質量%以下が好ましく、20質量%以上65質量%以下がより好ましく、25質量%以上45質量%以下が特に好ましい。
前記(C1)セルロース又は前記セルロースの誘導体の含有量が、素錠全質量に対して、15質量%以上であると、成型性、錠剤の崩壊性、機能性成分の溶出性、及び崩壊性と溶出性の維持率が向上し、打錠障害が生じ難くなるため好適である。
前記(C1)セルロース又は前記セルロースの誘導体の含有量が、素錠全質量に対して、80質量%以下であると、十分な硬度と良好な崩壊性を得ることができる。また。厚みを抑えられることにより服用性が良好となり、混合粉体が打錠機に付着し難くなるため好適である。
((C2)糖アルコール)
前記(C2)糖アルコールは、錠剤の成型性、製造直後の錠剤物性(成型性、崩壊性)、保存安定性、機能性成分の溶出性の促進、機能性成分の溶出性維持率の向上などの機能を発現させるために含有される。特に、製造直後の錠剤物性(崩壊性)、保存安定性、機能性成分の溶出性の促進、機能性成分の溶出性維持率の向上に有用である。
前記(C2)糖アルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、マルチトール、エリスリトール、キシリトール、フルクトース、スクロース、グルコース、ソルビトール、ラクチトールなどが挙げられる。
前記(C2)糖アルコールの平均粒子径としては、50μm以上400μm以下が好ましく、200μm以上300μm以下がより好ましい。なお、前記平均粒子径は、(A)ラクトフェリンと同様の方法で求めることができる。
前記(C2)糖アルコールの含有量は、素錠全質量に対して、5質量%以上50質量%以下が好ましく、10質量%以上40質量%以下がより好ましく、12質量%以上30質量%以下が特に好ましい。
前記(C2)糖アルコールの含有量が、素錠全質量に対して、5質量%以上であると、成型性、錠剤の崩壊性、機能性成分の溶出性、及び崩壊性と溶出性の維持率が向上するため好適である。
前記(C2)糖アルコールの含有量が、素錠全質量に対して、50質量%以下であると、十分な硬度と良好な崩壊性を得ることができ、胃液耐性が担保できるため好適である。
<その他の成分>
前記その他の成分としては、(C)成分以外の崩壊剤、流動化剤、潤沢剤、(C)成分以外の結合剤、コーティング剤、腸溶コーティング剤などが挙げられる。
前記その他の成分は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
((C)成分以外の崩壊剤)
前記(C)成分以外の崩壊剤(以下、「崩壊剤」と称することがある)は、錠剤の崩壊性を促進するために含有される。
前記崩壊剤は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)又はそのアルカリ金属塩、部分α化デンプンなどが挙げられる。これらの中でも、錠剤の崩壊性及び機能性成分の溶出性の観点から、カルボキシメチルセルロース(CMC)又はそのアルカリ金属塩が好ましく、カルボキシメチルセルロースカルシウムがより好ましい。
前記崩壊剤の含有量は、素錠全質量に対して、0.1質量%以上5質量%以下が好ましく、1質量%以上2質量%以下がより好ましい。
前記崩壊剤の含有量が、素錠全質量に対して、0.1質量%以上であると、錠剤の崩壊性及び、機能性成分の溶出性が向上するため好適である。
前記崩壊剤の含有量が、素錠全質量に対して、5質量%以下であると、保存による錠剤の崩壊遅延が低減できるため好適である。
(流動化剤)
前記流動化剤は、粉体粒子間の付着を防止することで流動性を促進するために含有される。流動性が促進されることで、錠剤質量のばらつきが低減される。
前記流動化剤は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、微粒二酸化ケイ素(シリカ)、軽質無水ケイ酸、ケイ酸カルシウム、含水微粉ケイ酸、タルクなどが挙げられる。
前記二酸化ケイ素の平均粒子径としては、0.5μm以上10μm以下が好ましい。なお、前記平均粒子径は、(A)ラクトフェリンと同様の方法で求めることができる。
前記二酸化ケイ素としては、多孔性の微粒二酸化ケイ素であることが好ましい。
前記流動化剤の含有量は、錠剤質量のばらつき抑制の観点から、素錠全質量に対して、0.1質量%以上2.0質量%以下が好ましい。
前記流動化剤の含有量が、素錠全質量に対して、0.1質量%以上であると、混合粉体の流動性が向上するため、錠剤質量のばらつきが抑制され好適である。
前記流動化剤の含有量が、素錠全質量に対して、2.0質量%以下であると、錠剤の硬度が高くなりすぎないため好適である。
(潤沢剤)
前記潤沢剤は、金属機器と粉体粒子との摩擦を低減することにより金属付着を防止するために含有される。金属機器と粉体粒子との摩擦が低減されることで、打錠障害が抑制されるため好適である。
前記潤沢剤は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ステアリン酸金属塩、ショ糖脂肪酸エステルなどが挙げられる。これらの中でも、打錠障害(バインディング、スティッキング、ピッキング)の抑制の観点から、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムが好ましい。
前記潤沢剤の含有量は、打錠機への付着防止、打錠障害(バインディング、スティッキング、ピッキング)の抑制の観点から、素錠全質量に対して、0.01質量%以上10質量%以下が好ましい、0.05質量%以上5.0質量%以下がより好ましい、0.10質量%以上3.0質量%以下が特に好ましい。
前記潤沢剤の含有量が、素錠全質量に対して、0.01質量%以上であると、打錠機への付着が防止され、打錠障害(バインディング、スティッキング、ピッキング)が生じ難くなるため好適である。
前記潤沢剤の含有量が、素錠全質量に対して、10質量%以下であると、錠剤の成型性、崩壊性、及び溶出性が向上するため好適である。
((C)成分以外の結合剤)
前記(C)成分以外の結合剤(以下、「結合剤」と称することがある)は、錠剤の硬度の制御、及び錠剤の崩壊時間の制御のために含有される。
前記結合剤は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、打錠障害(キャッピング、ラミネーション)抑制、錠剤物性(硬度、崩壊時間)、及び錠剤物性の保存安定性の観点から、コーンスターチなどのデンプン、アラビアゴム、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(以下「HPMC」と称することがある)などが挙げられる。
前記結合剤の含有量は、錠剤成型性の向上、打錠障害抑制、及び錠剤物性の保存安定性の向上の観点から、素錠全質量に対して、0.01質量%以上30質量%以下が好ましい、0.1質量%以上10質量%以下がより好ましい。
前記結合剤の含有量が、素錠全質量に対して、0.01質量%以上であると、錠剤の成型性が向上し、打錠障害が生じ難くなるため好適である。
前記結合剤の含有量が、素錠全質量に対して、30質量%以下であると、混合粉体が打錠機に付着し難くなり、錠剤の崩壊性が向上するため好適である。
(コーティング剤)
本発明の固形製剤は、服用性の向上や素錠のマスキング(主に機能性成分に起因する苦味やにおい等)のために、コーティング剤を含有するコーティング層が設けられたコーティング錠としてもよい。
前記コーティング層は、前記コーティング剤の他に、可塑剤を含有してもよい。
本発明の固形製剤がコーティング錠である場合、素錠の表面に前記コーティング層を有する。
前記コーティング剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、セルロース、セルロース誘導体、メタクリル酸系高分子化合物、シェラック、ツェイン、ポリウロン酸及びその塩、フコダイン及びその塩、カラギーナン及びその塩などが挙げられる。これらの中でも、HPMC、シェラック、ツェイン、ポリウロン酸及びその塩(特にアルギン酸塩)、ペクチン及びその塩が好ましい。これらを1種又は2種以上用いてもよい。
前記セルロース誘導体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、HPMCを挙げることができる。
前記ポリウロン酸は、グルロン酸、マンヌロン酸、ガラクツロン酸、グルクロン酸等のウロン酸のポリマーであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルギン酸(グルロン酸とマンヌロン酸のポリマー)、ペクチン(ガラクツロン酸のポリマー)などが挙げられる。
前記コーティング剤と共に用いられる可塑剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グリセリン、ポリエチレングリコール、ショ糖脂肪酸エステルなどが挙げられる。これらの中でも、グリセリン、ショ糖脂肪酸エステルが好ましい。
本発明の固形製剤がコーティング錠である場合、前記コーティング剤の含有量は、錠剤の服用性の向上、及び機能性成分に由来する苦味やにおいがマスキングされる観点から、コーティング錠全質量に対して、0.5質量%以上15質量%以下が好ましく、1質量%以上10質量%以下がより好ましい。
前記コーティング剤の含有量が、コーティング錠全質量に対して、0.5質量%以上であると、服用性が向上し、機能性成分に由来する苦味やにおいがマスキングされるため好適である。
前記コーティング剤の含有量が、コーティング錠全質量に対して、15質量%以下であると、錠剤の崩壊性と溶出性が良好となる。
前記コーティング剤の含有量は、素錠全質量に対して、0.5質量%以上15質量%以下が好ましく、1質量%以上10質量%以下がより好ましい。
前記コーティング剤の含有量が、素錠全質量に対して、0.5質量%以上であると、服用性が向上し、機能性成分に由来する苦味やにおいがマスキングされるため好適である。
前記コーティング剤の含有量が、素錠全質量に対して、15質量%以下であると、錠剤の崩壊性と溶出性が良好となる。
前記可塑剤の含有量は、特に制限はないが、前記コーティング錠の崩壊性及び溶出性が向上するという点から、コーティング錠全質量に対して、0.05質量%以上が好ましい。また、前記可塑剤の含有量は、コーティング効果が発現するという点から、コーティング錠全質量に対して、10質量%以下が好ましく、0.1質量%以上5質量%以下がより好ましい。
前記可塑剤の含有量は、崩壊性及び溶出性向上の点から、素錠全質量に対して、0.05質量%以上が好ましい。また、前記可塑剤の含有量は、コーティング効果発現の点から、素錠全質量に対して、10質量%以下が好ましく、0.1質量%以上5質量%以下がより好ましい。
(腸溶コーティング剤)
本発明の固形製剤は、胃酸で変質を受けやすい成分等の分解を抑制するために、腸溶コーティング剤を含有するコーティング層が設けられた腸溶コーティング錠としてもよい。
前記腸溶コーティング層は、腸溶コーティング剤の他に、可塑剤を含有してもよい。
本発明の固形製剤が腸溶コーティング錠である場合、素錠の表面に腸溶コーティング層を有する。
前記腸溶コーティング剤は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタクリル酸系高分子化合物、シェラック、ツェイン、ポリウロン酸及びその塩、フコダイン及びその塩、カラギーナン及びその塩などが挙げられる。これらの中でも、シェラック、ツェイン、ポリウロン酸及びその塩(特にアルギン酸塩)、ペクチン及びその塩が好ましい。これらを1種又は2種以上用いてもよい。
前記ポリウロン酸は、グルロン酸、マンヌロン酸、ガラクツロン酸、グルクロン酸等のウロン酸のポリマーであり、例えば、アルギン酸(グルロン酸とマンヌロン酸のポリマー)、ペクチン(ガラクツロン酸のポリマー)などが挙げられる。
前記腸溶コーティング剤は、前記コーティング剤として例示されているセルロース誘導体(HPMC等)を併用してもよい。
前記腸溶コーティング剤は、前記コーティング剤と併用してもよい。
本発明の固形製剤が腸溶コーティング錠である場合、前記腸溶コーティング剤の含有量は、胃での機能性成分の分解を防ぐことができる観点から、腸溶コーティング錠全質量に対して、1質量%以上30質量%以下が好ましく、1質量%以上15質量%以下がより好ましい。
前記腸溶コーティング剤の含有量が、腸溶コーティング錠全質量に対して、1質量%以上であると、胃での機能性成分の分解を防ぐことができるため好適である。
前記腸溶コーティング剤の含有量が、腸溶コーティング錠全質量に対して、30質量%以下であると、腸環境での溶出性が良好となる。
前記腸溶コーティング剤の含有量は、素錠全質量に対して、0.1質量%以上30質量%以下が好ましく、0.1質量%以上15質量%以下がより好ましい。
前記腸溶コーティング剤の含有量が、素錠全質量に対して、0.1質量%以上であると、胃での機能性成分の分解を防ぐことができるため好適である。
前記腸溶コーティング剤の含有量が、素錠全質量に対して、30質量%以下であると、腸環境での溶出性が良好となる。
前記腸溶コーティング剤と、前記コーティング剤として例示されているセルロース誘導体(HPMC等)とを併用する場合、前記腸溶コーティング剤1質量部に対し、前記コーティング剤を0.1質量部以上5質量部以下とすることが好ましい。
前記腸溶コーティング剤と共に用いられる可塑剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グリセリン、ポリエチレングリコール、ショ糖脂肪酸エステルなどが挙げられる。これらの中でも、グリセリン、ショ糖脂肪酸エステルが好ましい。
前記可塑剤の含有量は、特に制限はないが、前記腸溶コーティング錠の崩壊性及び溶出性が向上するという点から、前記腸溶コーティング錠全質量に対して、0.05質量%以上が好ましい。また、前記可塑剤の含有量は、コーティング効果が発現するという点から、前記腸溶コーティング錠全質量に対して、10質量%以下が好ましく、0.1質量%以上5質量%以下がより好ましい。
前記可塑剤の含有量は、崩壊性及び溶出性向上の点から、素錠全質量に対して、0.05質量%以上が好ましい。また、前記可塑剤の含有量は、コーティング効果発現の点から、素錠全質量に対して、10質量%以下が好ましく、0.1質量%以上5質量%以下がより好ましい。
本発明の固形製剤が腸溶コーティング錠である場合、経時での耐酸性の低下抑制の観点から、素錠と腸溶コーティング層の間にプレコーティング層を設けることが好ましい。また、外観、口当たり、服用性向上のため、腸溶コーティング層の外側に最表層を設けてもよい。
前記プレコーティング層及び前記最表層に含有する成分としては、前記コーティング剤、前記可塑剤が挙げられ、好適に含有できる成分としては、前記コーティング剤と同様のものを用いることができる。
本発明の固形製剤が前記プレコーティング層を有する場合、前記コーティング剤の含有量は、素錠全質量に対して、0.1質量%以上5質量%以下が好ましい。
本発明の固形製剤が前記最表層を有する場合、前記コーティング剤の含有量は、素錠全質量に対して、0.1質量%以上5質量%以下が好ましい。
本発明の固形製剤の剤形としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、錠剤(素錠、糖衣錠、コーティング錠、腸溶錠、口腔内崩壊錠、チュアブル錠、発泡錠等)、丸剤、トローチ剤などが挙げられる。これらの中でも、本発明の効果をより享受しやすい点から、錠剤、コーティング錠、腸溶コーティング錠が好ましく、コーティング錠がより好ましい。
本発明の固形製剤が錠剤であった場合、前記錠剤の大きさは特に限定されないが、錠剤の取り扱いやすさと嚥下性の観点から、前記錠剤の径は、5mmφ以上15mmφ以下が好ましい。また前記錠剤の厚みは3mmφ以上10mmφ以下が好ましい。
本発明の固形製剤が錠剤であった場合、前記錠剤における1錠あたりの錠剤質量は、150mg以上500mg以下が好ましく、250mg以上400mg以下がより好ましい。前記錠剤質量が150mg以上であると機能性成分を必要量配合できるため好適である。前記錠剤質量が500mg以下であると、服用性が向上するため好適である。
本発明の固形製剤が錠剤であった場合、前記錠剤の形状としては、特に限定されないが、スミ角平錠、スミ丸平錠、丸みを帯びたR錠もしくは2段階R錠が好ましい。
本発明の固形製剤が錠剤であった場合、前記錠剤の構造としては、単層構造(単層錠)であってもよいし、積層構造(積層錠)であってもよい。本発明の効果をより享受しやすい点から、(A)成分、(B)成分及び(C)成分を併用する層を有する(すなわち、(A)成分、(B)成分及び(C)成分が同一層に存在する)ことが好ましい(以下、(A)成分、(B)成分及び(C)成分を併用する層を「有効成分含有層」と称することがある)。固形製剤が単層錠の場合、固形製剤は有効成分含有層で構成される。固形製剤が積層錠の場合、固形製剤は有効成分含有層と有効成分含有層以外の層(任意層)とで構成される。
本発明の固形製剤は、通常の経口、つまり飲み込むタイプの錠剤、口腔内崩壊錠等特に限定されないが、通常の飲み込むタイプの錠剤の場合は、腸溶製剤であることが好ましい。腸溶製剤とするためには、シェラック、水溶性シェラック、ツェイン、ヒドロキシメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、メタクリル酸コポリマー、エチルセルロース、アミノアルキルメタアクリレートコポリマー、ビール酵母細胞壁(例えば商品名イーストラップ等)、タピオカデンプン、ゼラチン、ペクチン、硬化油等の油脂類等の腸溶成分を配合するとよい。なお、本発明において、腸溶製剤であるか否かは第十七改正日本薬局方・崩壊試験法による。
[皮膚水分蒸散抑制剤、便通改善剤、脂肪蓄積抑制剤、免疫機能維持剤、及び免疫機能改善剤]
本発明における皮膚水分蒸散抑制剤は、(A)ラクトフェリンと、(B)ラクトバチルスカゼイ(Lacticaseibacillus casei)菌体とを有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
本発明における便通改善剤は、(A)ラクトフェリンと、(B)ラクトバチルスカゼイ(Lacticaseibacillus casei)菌体とを有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
本発明における脂肪蓄積抑制剤は、(A)ラクトフェリンと、(B)ラクトバチルスカゼイ(Lacticaseibacillus casei)菌体とを有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
本発明における免疫機能維持剤は、(A)ラクトフェリンと、(B)ラクトバチルスカゼイ(Lacticaseibacillus casei)菌体とを有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
本発明における免疫機能改善剤は、(A)ラクトフェリンと、(B)ラクトバチルスカゼイ(Lacticaseibacillus casei)菌体とを有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
なお、前記皮膚水分蒸散抑制剤、便通改善剤、脂肪蓄積抑制剤、免疫機能維持剤、及び免疫機能改善剤における(A)ラクトフェリンは、上記した固形製剤における(A)ラクトフェリンと同様である。
なお、前記皮膚水分蒸散抑制剤、便通改善剤、脂肪蓄積抑制剤、免疫機能維持剤、及び免疫機能改善剤における(B)ラクトバチルスカゼイ(Lacticaseibacillus casei)菌体は、上記した固形製剤における(B)ラクトバチルスカゼイ(Lacticaseibacillus casei)菌体と同様である。
なお、前記皮膚水分蒸散抑制剤、便通改善剤、脂肪蓄積抑制剤、免疫機能維持剤、及び免疫機能改善剤におけるその他の成分は、上記した固形製剤におけるその他の成分と同様である。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例及び比較例に記載の各成分の含有量は「質量%」で示し、全て純分換算した値である。
なお、本発明の実施例におけるラクトフェリンの素錠組成は、ラクトフェリン粉体(原料)の含有量であり、固形製剤中の含有割合は、ラクトフェリン純分としての含有割合である。ラクトフェリン粉体中のラクトフェリン純分は、日本食品添加物公定書第9版「ラクトフェリン濃縮物」のラクトフェリン(乾燥物中)定量法と乾燥減量(105℃、5時間)によって以下の通り算出される。
ラクトフェリン純分=ラクトフェリンの含量(乾燥物中)(%)×(100-乾燥減量(%))/100
(素錠の作製)
表1、表2及び表3の各素錠原料を、混合粉体の総質量が5kgとなるように、秤量、混合し、ロータリー式打錠機(LIBLA 2:菊水製作所製)を用いて、以下の条件で打錠した。
・臼杵:φ8.5mm 2段R形状(R1=3.mm、R2=1mm、ランド部(錠剤側面部からRの立上り部までの距離)=1.4mm)
・フィードシューの攪拌羽回転数:60rpm
・打錠圧:8kN以上11kN以下
(第1層コーティング液の作製)
以下の材料を混合することで、第1層コーティング液を得た。
・ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC):6質量%
・グリセリン:2質量%
・イオン交換水:92質量%
(第2層コーティング液の作製)
以下の材料を混合することで、第2層コーティング液を得た。
・ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC):2.1質量%
・グリセリン:1.1質量%
・アルギン酸ナトリウム:3.2質量%
・微粒二酸化ケイ素:0.5質量%
・イオン交換水:93.1質量%
(コーティング錠の作製)
パン回転式コーティング機(フロイント産業(株)製 ハイコーターFZ-Lab)を用いて、素錠670錠に対し、第1層コーティング液(20℃)33gを平均2g/minで噴霧し、品温約50℃でコーティングを施した。続けて第2層コーティング液(60℃)165gを平均2g/minで噴霧し、噴霧後約45℃で2分乾燥させ、コーティング錠(錠剤)を得た。1錠あたりの固形分を表1、表2及び表3に示した。
Figure 2022102038000001
Figure 2022102038000002
Figure 2022102038000003
実施例1~8及び比較例1~3の固形製剤について、「素錠の崩壊時間」と「成型性」を以下の方法で評価した。結果を下記表4及び表5に示した。
<素錠の崩壊時間の評価>
第17改正日本薬局方に収載される錠剤の腸液溶出試験法に準じて溶出試験第2液による試験を行い、錠剤が崩壊する時間を測定した。以下の評価基準に従って、素錠の崩壊時間を評価した。「△」以上が固形製剤として実用可能レベルである。
なお、崩壊時間は6錠の平均値とし、素錠の硬度は9.5kgfとした。
―判定基準―
崩壊時間が45分未満;◎
崩壊時間が45分以上50分未満;○
崩壊時間が50分以上60分未満;△
崩壊時間が60分以上;×
<成型性の評価>
打圧8kNで打錠した際の硬度を測定した。以下の評価基準に従って、コーティング剤の成型性を評価した。なお、「○」が固形製剤として実用可能レベルである。なお、錠剤硬度は、自動錠剤物性測定(Multicheck6、ERWEKA製)で水平硬度を測定した(錠剤10錠の平均値を算出)。
―判定基準―
硬度6kgf以上;○
硬度6kgf未満;×
Figure 2022102038000004
Figure 2022102038000005
実施例1~8及び比較例1~3で使用した使用原料は、下記表6に示す通りである。
Figure 2022102038000006
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1>(A)ラクトフェリンと、
(B)ラクトバチルスカゼイ(Lacticaseibacillus casei)菌体と、
(C)賦形剤と、
を有する固形製剤であって、
前記(C)賦形剤が、(C1)セルロース又は前記セルロースの誘導体と、(C2)糖アルコールとを、それぞれ1種以上を有することを特徴とする固形製剤である。
<2>前記(C1)セルロース及び前記セルロースの誘導体が、結晶セルロース、微小繊維状セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、及びヒドロキシプロピルセルロースからなる群から選択される少なくとも1種である、<1>に記載の固形製剤である。
<3>前記(C2)糖アルコールが、マルチトール、エリスリトール、キシリトール、フルクトース、スクロース、グルコース、ソルビトール、及びラクチトールからなる群から選択される少なくとも1種である、<1>から<2>のいずれかに記載の固形製剤である。
<4>コーティング錠である<1>から<3>のいずれかに記載の固形製剤である。
<5>(A)ラクトフェリンと、
(B)ラクトバチルスカゼイ(Lacticaseibacillus casei)菌体と、
を有することを特徴とする皮膚水分蒸散抑制剤、便通改善剤、脂肪蓄積抑制剤、免疫機能維持剤、及び免疫機能改善剤である。
前記<1>から<4>のいずれかに記載の固形製剤、前記<5>に記載の皮膚水分蒸散抑制剤、便通改善剤、脂肪蓄積抑制剤、免疫機能維持剤、及び免疫機能改善剤によれば、従来における諸問題を解決し、本発明の目的を達成することができる。

Claims (5)

  1. (A)ラクトフェリンと、
    (B)ラクトバチルスカゼイ(Lacticaseibacillus casei)菌体と、
    (C)賦形剤と、
    を有する固形製剤であって、
    前記(C)賦形剤が、(C1)セルロース又は前記セルロースの誘導体と、(C2)糖アルコールとを、それぞれ1種以上を有することを特徴とする固形製剤。
  2. 前記(C1)セルロース及び前記セルロースの誘導体が、結晶セルロース、微小繊維状セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、及びヒドロキシプロピルセルロースからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の固形製剤。
  3. 前記(C2)糖アルコールが、マルチトール、エリスリトール、キシリトール、フルクトース、スクロース、グルコース、ソルビトール、及びラクチトールからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1から2のいずれかに記載の固形製剤。
  4. コーティング錠である請求項1から3のいずれかに記載の固形製剤。
  5. (A)ラクトフェリンと、
    (B)ラクトバチルスカゼイ(Lacticaseibacillus casei)菌体と、
    を有することを特徴とする皮膚水分蒸散抑制剤、便通改善剤、脂肪蓄積抑制剤、免疫機能維持剤、及び免疫機能改善剤。

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