WO1997038240A1

WO1997038240A1 - Generateur de force d'amortissement

Info

Publication number: WO1997038240A1
Application number: PCT/JP1997/001218
Authority: WO
Inventors: Tatsuya Masamura; Kenji Kitamura
Original assignee: Kayaba Kogyo Kabushiki Kaisha
Priority date: 1996-04-10
Filing date: 1997-04-09
Publication date: 1997-10-16
Also published as: MY123836A; CN1092302C; ES2296308T3; EP0889258B1; DE69738321D1; KR20000005279A; KR100411535B1; EP0889258A4; DE69738321T2; CN1216092A; EP0889258A1; JPH09280294A

Description

明細書減衰力発生装置技術分野

この発明は、自動車の懸架装置等に用いられる油圧緩衝器において減衰力を発生する減衰力発生装置の改良に関する。技術背景

従来から、自動車の懸架装置等に用いられる油圧緩衝器の減衰力発生装置については、例えば実開平 1— 1 1 1 8 4 0号公報や、特開平 2 - 9 3 1 3 6号公報等に提案がなされている。

第 1 1図、第 1 2図には、実開平 1— 1 1 1 8 4 0号公報に開示された油圧緩衝器の減衰力発生装置を示す。

第 1 1図に示されるように、油圧緩衝器はァウタチューブ 1とこのァウタチューブ 1に同軸に収容されるインナチューブ 2を備えている。ィンナチューブ 2にはピストン 3が収容され、インナチューブ 2内部は、このピストン 3により、口ッド側油室 8とビストン側油室 9に画成され、これらの油室にはそれぞれ作動油が充填されている。また、インナチューブ 2外周とァウタチューブ 1内周の間にはタンク室 1 0が画成され、このタンク室 1 0には作動油とともに空気が充填されている。

ピストン 3には複数の外側連通孔 1 1および内側連通孔 1 2が貫通する。そして、ピストン 3に連結されたピストンロッド 4の収縮時には、外側連通孔 1 1上端に設けられたチユック弁 1 9が圧し開かれ、ピストン側油室 9からロッド側油室 8へと作動油が流入する。一方、ピストンロッド 4の伸長時には、内側連通孔 1 2下端に設けられたピストンバルブ 2 0が圧し開かれ、口ッド側油室 8からピストン側油室 9へと作動油が流通するとともに、この流通に対する抵抗により、伸側減衰力が発生する。

ィンナチューブ 2下端にはベースバルブュニット 1 5が装着される。ビストンロッド 4の圧縮時には、インナチューブ 2内へのピストンロッド 4の侵入体積分の作動油がタンク室 1 0に流れ込んで吸収されるが、この作動油の流通はベースバルブュニッ卜 1 5内のベースパリレブ 1 5 Aを介してなされ、ベースバルブ 1 5 Aはこの流通に伴つて圧側減衰力を発生する。

第 1 2図に示されるように、ピストンバルブ 2 0はメインリーフバルブ 2 1とサブリーフバルブ 2 2とを積層された状態で備え、 2段階に減衰力特性を変化させることができるようになつている。さらに詳しく説明すると、メインリーフバルブ 2 1は外周端をシート面 1 6に当接させて、ピストン 3の底面 3 Aに形成された内側連通孔 1 2のポー卜 1 7を閉鎖する一方、サブリーフバルブ 2 2はメインリーフバルブ 2 1の下方に密着して配設され、メインリーフバルブ 2 1に形成された開口 2 1 Aを閉鎖する。これにより、ピストンロッド 4の伸長速度が小さく、ロッド側油室 8とピストン側油室 9との圧力差の小さなときは、撓み剛性が小さなサブリーフバルブ 2 2のみが圧し開かれ、伸側減衰力として開口 2 1 Aによる立ち上がりのよい微小な減衰力が発生する。一方、ピストンロッド 4の伸長速度が高まり、ロッド側油室 8の油圧が高まると、メインリーフバルブ 2 1が圧し開かれ、メインリーフバルブ 2 1の外周端とシート面 1 6との間を作動油が流通し、伸側減衰力の以後の増大は抑制され、緩やかなものになる。

ところで、このような油圧緩衝器の減衰力発生装置において、ピストンロッド 4の伸長速度が大きくなつたとなったときに、ピストンバルブ 2 0により発生する伸側減衰力の増大を十分に緩やかなものとするには、メインリーフバルブ 2 1 の有効径（シート部 1 6の径）を十分に大きくして、撓みやすくする必要がある ₍ しかしながら、このように外径を大きくされたメインリーフバルブ 2 1は、ピストンロッド 4の収縮時にビストン側油室 9側から油圧がかかつたときに、ポ一ト 1 7側に大きく撓んでしまう。これにより、サブリーフバルブ 2 2との間に隙間ができてしまい、開口 2 1 Aから作動油を流通させてしまったり、撓み応力の増大によって疲労破壊等が生じてしまう恐れがあった。このような問題は、特に、ピストンロッド 4の収縮時に外側連通孔 1 1を流通する作動油を絞り、この絞りによって圧側減衰力の一部を発生させる、いわゆる背面絞りを実施するときに顕著となる。

本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、減衰力を発生するバルブを油圧緩衝器内の圧力上昇から保護し、耐久性および信頼性を向上させた油圧緩衝器の減衰力発生装置を提供することを目的としている。発明の開示

本発明は、メインリーフバルブと、このメインリーフバルブに形成した開口を閉鎖する前記メィンリーフバルブに比較して撓み剛性の小さなサブリーフバルブとを互いに積層し、ピストン口ッドの伸縮速度が小さな場合には前記サブリーフバルブのみを開弁して減衰力を発生する一方、ピストンロッドの伸縮速度が大きくなつたときには前記メインリーフバルブを開弁して減衰力の増大を抑制する油圧緩衝器の減衰力発生装置において、前記メィンリーフバルブの端部を支持するシート面と同じ側に形成され前記メィンリーフバルブの端部よりも内側部分を支持する中間シート面を備えている。これにより、ピストンロッドの伸縮により油圧緩衝器内に生じる油圧で、閉弁中のメィンリーフバルブがさらに閉弁方向に押圧されたとしても、メインリーフバルブの最も撓みやすい略中央は中間シート面により支持されているので撓んでしまうことはない。したがって、メインリーフバルブに作用する撓み応力は小さくなり、メインリ一フバルブが破損してしまうことはなく、また、メインリーフバルブとサブリーフバルブとの間に隙間が生じてしまうこともない。

また、本発明では、前記メインリーフバルブはピストンを貫通するピストン口 1 1

4 ッドに嵌合するとともに、ピストンを貫通する連通路のポートをピストン下面にピストンロッドを取り囲むように形成し、前記メインリーフバルブの外周端をこのポ一卜の外周側に形成された環状のシート面に支持し、かつ前記中間シー卜面として前記環状シー卜面とピストン口ッド外周の略中央付近に配設された複数の円弧状のシート面を備えている。

また、本発明では、前記メインリーフバルブはピストンを貫通するピストン口ッドに嵌合するとともに、ピストンを貫通する連通路のポー卜をピストン下面にピストンロッドを取り囲むように形成し、前記メインリーフバルブを支持するシ一卜面に前記メィンリーフバルブの外周端を支持する部分と前記メィンリーフバルブの略中央付近を支持する部分とを交互に連続して形成し、この前記メインリーフバルブの略中央付近を支持する部分を前記中間シ一ト面としている。

また、本発明では、メインリーフパ 'ルブと、このメインリーフバルブに形成した開口を閉鎖するとともに前記メインリーフバルブに比較して撓み剛性の小さなサブリーフバルブとを互いに積層し、ピストンロッドの伸縮速度が小さな場合には前記サブリーフバルブのみを開弁して減衰力を発生する一方、ピストン口ッドの伸縮速度が大きくなったときには前記メィンリーフバルブを開弁して減衰力の増大を抑制する油圧緩衝器の減衰力発生装置において、前記メィンリーフバルブの外周端を支持するシート面を備えるとともに、前記サブリーフバルブの外周端を前記メインリーフバルブの外周端と前記シート面とが重なり合う部分の手前まで及ばせている。これにより、ピストンロッドの伸縮により油圧緩衝器内に生じる油圧で、閉弁中のメィンリーフバルブがさらに閉弁方向に押圧されたとしても、メインリーフバルブには、シ一ト面に支持された外周付近までサブリーフバルブが及んでおり、このサブリーフバルブが荷重を分担して負担するので、メインリーフバルブの撓みは抑制される。したがって、メインリーフバルブに作用する撓み応力は小さくなり、メインリーフバルブが破損してしまうことはなく、また、メィンリーフバルブとサブリーフバルブとの間に隙間が生じてしまうこともない _c 図面の簡単な説明

第 1図は、本発明の実施の形態を示す断面図である。

第 2図は、同じくピストンバルブ周辺を拡大して示す断面図である。

第 3図は、同じくピストン底面を示す底面図である。

第 4図は、同じくベースバルブ周辺を拡大して示す断面図である。

第 5図は、同じくベースバルブ周辺を拡大して示す断面図である。

第 6図は、同じくベース <ルブ周辺を拡大して示す断面図である。

第 7図は、同じくベースバルブ周辺を拡大して示す断面図である。

第 8図は、本発明の他の実施の形態を示す断面図である。

第 9図は、同じくピストン底面を示す底面図である。

第 1 0図は、本発明のさらに他の実施の形態を示す断面図である。

第 1 1図は、従来例を示す断面図である。

第 1 2図は、同じくピストンバルブ周辺を示す断面図である。発明を実施するための最良の形態

以下、添付図面に基づいて、本発明の実施形態を詳細に説明する。

第 1図に示されるように、油圧緩衝器のァウタチューブ 1には同軸上にィンナチューブ（ピストンシリンダ） 2が収容され、このインナチューブ 2内にはビストン 3が摺動自在に収容されている。このビストン 3に連結するピストン口ッド 4は、ロッドガイド 5に案内されながら、インナチューブ 2上方に延び出している。また、ァウタチューブ 1上方は、ロッドガイド 5を収容するパッキンケース 6によって閉鎖され、シール 7によって外気と遮断されている。

インナチューブ 2内部は、ピストン 3によって、ピストンロッド 4側のロッド側油室 8と、ピストンロッド 4と反対側のビストン側油室 9とに画成される。これらロッド側油室 8とビス卜ン側油室 9は、作動油が充填されるとともに、ビストン 3を貫通して形成された複数の外側連通孔 1 1および内側連通孔 1 2を介して互いに連通している。なお、外周側連通孔 1 1および内周側連通孔 1 2は、それぞれ、ピストン 3の中心軸を中心とした同心円上に形成され、かつ外周側連通孔 1 1は内周側連通孔 1 2に対して外周側に配置されるようになっている。

この外側連通孔 1 1のロッド側油室 8側の端部には、チヱック弁 1 9が設けられる。このチェック弁 1 9は、外側連通孔 1 1を閉鎖する弁体 1 9 Aと、この弁体 1 9 Aを外側連通孔 1 1側に押し付けるスプリング 1 9 Bから構成され、ビストンロッド 4の収縮時におけるビストン側油室 9からロッド側油室 8への作動油の流通のみを許容するようになっている。

一方、内側連通孔 1 2のピストン側油室 9側の端部には、ビストンバルブ 2 0 が設けられる。このピストンバルブ 2 0は、ピストンロッド 4の伸長時における口ッド側油室 8からビス卜ン側油室 9への作動油の流通のみを許容するとともに、ピストンバルブ 2 0がこの流通に与える抵抗により、伸側減衰力を発生させるものである。

一方、ァウタチューブ 1内周とインナチューブ 2外周との間にはタンク室 1 0 が画成される。このタンク室 1 0は、インナチューブ 2の下端に装着されたべ一スバルブュニット 3 0を介して、ピストン側油室 9に連通している。後述するように、このベースバルブユニット 3 0は、ピストンロッド 4伸長時にはチ Lック弁 3 4を介してタンク室 1 0からピストン側油室 9へ減衰力を発生させないで作動油を流通させる一方、ビス卜ンロッド 4収縮時にはベースバルブ 4 2を介してピストン側油室 9からタンク室 1 0へと作動油を流通させ、この流通に与えられる抵抗により、圧側減衰力を発生するようになっている。なお、タンク室 1 0には作動油と空気が充填され、ピストンロッド 4の収縮時におけるインナチューブ 2内へのピストンロッド 4の侵入体積分は、このタンク室 1 0内の空気で吸収されるようになっている。

つぎに、第 2図にしたがって、ピストンバルブ 2 0の装着部分周辺の構成について詳しく説明する。

図示されるように、ピストンロッド 4は基端側に径の小さくされた小径部 4 A を備え、ピストン 3はこの小径部 4 Aの外周に装着される。このピストン 3の外側連通孔 1 1よりも内側部分は、突出して下方に延び出すとともに、外周方向に広がった底面 3 Aを形成している。小径部 4 Aの底面 3 Aからの突出部分には、底面図 3 A側から順にメインリーフバルブ 2 1、サブリ一フバルブ 2 2、ヮッシャ 2 3が積層状態に嵌合し、これらの内周が小径部 4 A外周において固定されている。ピストンバルブ 2 0は、このメインリーフパリレブ 2 1とサブリーフバルブ 2 2から構成される。

また、ヮッシャ 2 3の下方の小径部 4 Aの下端には、ビストンナット 2 4が螺着し、ヮッシャ 2 3を下方から支持している。このピストンナット 2 4外周には、スプリングシ一ト 2 5が嵌合する。このスプリングシ一ト 2 5は、ピストンナツト 2 4下端のフランジ部 2 4 Aとの間に介装されたスプリング 2 6により付勢される。これにより、メインリーフバルブ 2 1の外周端下方まで延び出したスプリングシート 2 5の当接部 2 5 Aは、メインリーフノ 'ノレブ 2 1の外周端部を、後述する外周側シー卜面 1 4側に押圧している。

一方、ピストン 3の底面 3 Aには、第 3図に示されるように、環状の溝であるポート 1 3力^ 環状の外周側シート面 1 4と、同じく環状の内周側シ一卜面 1 5 との間に形成される。このポート 1 3には複数の内側連通孔 1 2の端部 1 2 Aが開口するとともに、下方をメインリーフバルブ 2 1により覆われるようになつている。すなわち、メインリーフバルブ 2 1の外周端は、外周側シート面 1 4に当接し、内側連通孔 1 2側からピストン側油室 9側への作動油通路を閉鎖する。さらに、このポー卜 1 3の外周側と内周側との略中間地点には、本発明の特徴部分として、ポート 1 3と同心円に沿って、外周側シート面 1 4および内周側シ一ト面 1 5と同じ高さの複数の中間シ一ト面 1 6が設けられている。これにより、メインリーフバルブ 2 1の略中間地点は、この複数の中間シート面 1 6に当接して支持され、ピストン側油室 9から高圧がかかったときでも、メインリーフバルブ 2 1はポー卜 1 3側に撓んでしまわないようになつている。なお、これらの中間シート面 1 6は、ポート 1 3内を隔てる壁とはならないように、互いに作動油が流通できる間隔を開けて配設される。

第 2図に示すように、メインリーフバルブ 2 1には、複数の開口 2 1 Aが形成され、ポート 1 3に対向している。これらの開口 2 1 Aは、サブリーフバルブ 2 2により下方から閉鎖されている。

このサブリ一フバルブ 2 2は撓み剛性が小さ t、ので、ピストン口ッド 4の伸長速度が微低速域から低速域の範囲であり、内側連通孔 1 2側に発生する油圧は小さい段階でも、ヮッシャ 2 3の外径を支点として撓み、圧し開かれる。これにより、作動油は複数の開口 2 1 Aを通り、さらにサブリーフバルブ 2 2下方を覆うスプリングシ一ト 2 5に形成された複数の開口 2 5 Bを通って、ビストン側油室 9側に流通する。この場合、この作動油流通に対する抵抗は、サブリーフバルブ 2 2の撓み特性および開口 2 1 Aの開口面積により決定され、この抵抗に基づく減衰力として、ピストンロッド 4の伸長速度に対して立ち上がり良い、微小な減衰力が発生する。

一方、メインリーフバルブ 2 1は、ピストン口ッド 4の伸長速度が大きく、口ッド側油室 8の圧力とピストン側油室 9の圧力の差圧がメインリーフバルブ 2 1 の撓み剛性およびスプリング 2 6の付勢力から定まる設定圧力を超えて高まった場合に圧し開かれる。これにより、外周側シート面 1 4とメインリーフバルブ 2 1との間に生じた隙間を通って多くの作動油がビス卜ン側油室 9側に流通するので、減衰力の上昇は緩やかになり、伸側減衰力の急激な上昇が抑制される。なお、この場合、メインリーフバルブ 2 1の開弁後は開口 2 1 Aの前後の差圧はそれ以上には増えないので、サブリーフバルブ 2 2による減衰力は増大することはない c つぎに、第 4図にしたがって、ベースバルブュニッ卜 3 0の構成について詳細に説明する。ベースバルブュニット 3 0は、インナチューブ 2下端に装着される弁座 3 1を備える。この弁座 3 1には、複数の外周側連通孔 3 2および内周側連通孔 3 3が貫通し、作動油はこれらの外周側連通孔 3 2および內周側連通孔 3 3を通って、ピストン側油室 9とタンク室 1 0の間で流通する。なお、外周側連通孔 3 2および内周側連通孔 3 3は、弁座 3 1の中心軸に対してそれぞれ同心円上に形成され、外周側連通孔 3 2は内周側連通孔 3 3に対して外周側に配置されるようになっている。

この外側連通孔 3 2のピストン側油室 9側の端部には、チヱック弁 3 4のリーフ状の弁体 3 4 Aが配置される。弁体 3 4 Aは、弁体 3 4 Aとストッパ 3 5との間に設けられたリターンスプリング 3 4 Bにより弁座 3 1側に付勢されている。これにより、チェック弁 3 4は、ピストンロッド 4の伸長時におけるタンク室 1 0からビストン側油室 9への作動油の流れのみを許容するようになっている。なお、弁体 3 4 Aには、内側連通孔 3 3の位置に開口 3 4 Cが形成され、内側連通孔 3 3をピストン側油室 9に連通させている。

また、弁座 3 1の略中央には、円柱状のガイド 3 6が貫通する。上述のストツパ 3 5は、このガイド 3 6上端のかしめ部 3 6 Aと弁座 3 1との間に保持される。一方、このガイド 3 6の弁座 3 1下面側に突出した下端には、拡径した大径部 3 6 Bが設けられ、この大径部 3 6 Bの上端が弁座 3 1底面に当接するようになつている。この大径部 3 6 B外周に、メインリーフバルブ 4 1とサブリーフバルブ 4 2から構成されるベースバルブ 4 0が設けられる。

さらに詳しく説明すると、大径部 3 6 Aには、弁座 3 1底面から順に、メインリーフバルブ 4 1、サポート 4 3、サブリーフバルブ 4 2、スぺ一サ 4 4が嵌合し、スぺ一サ 4 4下方は、大径部 3 6 B先端のフランジ部 3 6 Cにより支持されている。メインリーフバルブ 4 1の外周端部は、弁座 3 1下面の外側連通孔 3 2 と内側連通孔 3 3との間に設けられた環状のシート面 4 5に当接する。この環状のシート面 4 5と大径部 3 6 B外周との間の弁座 3 6底面には、ポート 4 6が形成され、このポート 4 6に内側連通孔 3 3が連通する。このようにメインリーフバルブ 4 1は、サポート 4 3により所定の初期撓みを与えられながらシート面 4 5と当接してポート 4 6を閉鎖している一方、ピストンロッド 4の収縮時にビストン側油室 9側の圧力が設定圧力を超えて高まると圧し開かれ、シート面 4 5との間から作動油を流通させるようになつている。

また、このメインリーフバルブ 4 1には開口 4 1 Aが形成され、この開口 4 1 Aは下方からサブリーフバルブ 4 2により閉鎖される。このサブリーフバルブ 4 2は撓み剛性が弱 t、ので、ビストン側油室 9側の圧力がメインリーフバルブ 4 1 の設定圧力を超えて高まる前の、ピストンロッド 4の収縮速度が小さなときにもスぺーサ 4 4と支点として圧し開かれ、ピストン側油室 9側からタンク室 1 0側に作動油を流通させるとともに、この流通に与える抵抗により、圧側減衰力を発生する。すなわち、ピストンロッド 4の収縮速度の小さなときの圧側減衰力は、サブリーフバルブ 4 2の撓み特性および開口 4 1 Aの開口面積により決まり、立ち上がりが良く、線形に増大する微小な減衰力が発生する。

これに対して、ピストンロッド 4の収縮速度が大きくなり、ピストン側油室 9 側の圧力がメインリーフバルブ 4 1の設定圧力を超えて高まったときには、メインリーフバルブ 4 1が圧し開かれるので、開口 4 1 Aによる減衰力はそれ以降増大せず、圧側減衰力の増大は、シート面 4 5とメインリーフバルブ 4 1外周端の開口面積およびメインリーフバルブ 4 1の撓み特性により決定される緩やかなものとできる。

ところで、このような減衰力特性を所望のものとするために、サブリーフバルブ 4 1が複数枚重ねられた構成とし、このサブリーフバルブの枚数を変更することがある。この場合には、ガイド 3 6の大径部 3 6 Bの長さを変更しないで済むように、第 5図に示すように、スぺーサ 4 4を複数枚重ねる構成とし、このスぺ —サ 4 4の枚数をサブリーフバルブ 4 1の枚数に対応して調整することにより、サブリーフバルブ 4 2のトータルの厚み uとスぺーサ 4 4のトータルの厚み sとの和 u + sが一定になるようにする。これにより、大径部 3 6 Bの長さを変更する必要がなくなり、減衰力特性の変更に伴った部品変更が最小限で済み、コスト削減が図れる。

また、第 6図に示すように、大径部 3 6 Bの上端と弁座 3 1下面との間に新たなスぺーサ 4 8と介装し、このスぺ一サ 4 8のトータルの厚み tとサブリーフバルブ 4 2の卜一タルの厚み uとの和 u + tが一定となるようにしても、同様に、サブリーフバルブ 4 2の枚数の変更に伴う大径部 3 6 Bの長さを変更をなくすことができる。

また、第 7図に示すように、ガイド 3 6にそもそも大径部 3 6 Bを形成せず、サブリーフバルブ 4 2と弁座 3 1底面との間にスぺ一サ 4 9を設け、メインリーフバルブ 4 1はこのスぺ一サ 4 9の外周に取り付けるようにしてもよい。これにより、サブリーフバルブ 4 2の枚数を変更したときにはスぺーサ 4 9を変えるだけでよく、ガイド 3 6はそのままでよいので、減衰力特性の変更に伴った部品変更か最小限で済み、コスト削減が図れる。

つぎに作用を説明する。

油圧緩衝器のピストン口ッド 4が伸び出す伸長行程においては、口ッド側油室 8からビス卜ン側油室 9へと作動油が流通する。すなわち、ピストンロッド 4の伸長速度の小さい微低速から低速域においては、作動油はピストンバルブ 2 0のサブリーフバルブ 2 2のみを圧し開き、このサブリーフバルブ 2 2を通って流通するので、立ち上がりがよく、線形に増大する微小な伸側減衰力が得られる。これに対して、ピストンロッド 4の伸長速度が大きくなつた中速域以降においては、メインリーフバルブ 2 1が圧し開かれ、作動油は外周側シート面 1 4とメインリーフバルブ 2 1の外周端の間の隙間を通って流れるので、以後の伸側減衰力の増大が抑制される。

一方、油圧緩衝器のピストンロッド 4が収縮する圧縮行程においては、ピストン側油室 9からタンク室 1 0へと作動油が流通する。この場合、ピストンロッド 4の収縮速度の小さい微低速から低速域においては、作動油はベースバルブ 4 0 のサブリーフバルブ 4 2のみを圧し開き、このサブリーフバルブ 4 2を通って流通するので、立ち上がりがよく、線形に増大する微小な圧側減衰力が得られる。これに対して、ピストン口ッド 4の収縮速度が大きくなつた中速域以降においては、メインリーフバルブ 4 1が圧し開かれ、作動油はシート面 4 5とメインリ一フバルブ 4 1の間の隙間を通って流れるので、以後の圧側減衰力の増大が抑制される。

また、この圧縮行程においては、ピストン側油室 9の圧力の増大により、ビストンバルブ 2 0のメインリーフバルブ 2 1はポー卜 1 3側に押圧される。ところが、本発明では、メインリーフバルブ 2 1の略中央部は中間シー卜面 1 6に支持されているので、メインリーフバルブ 2 1はポート 1 3側に撓んでしまうことはない。したがって、メインリーフバルブ 2 1に作用する撓み応力は小さくなり、メインリーフバルブ 2 1が破損してしまうことはなく、また、メインリーフバルブ 2 1とサブリーフバルブ 2 2との間に隙間が生じることも防止できる。

第 8図、第 9図には本発明の他の実施の形態を示す。

この実施の形態は、第 1図〜第 4図に示す実施の形態に対して、ピストン 3の底面 3 Aの構成のみが変更され、他は共通であるので、以下、この相違点についてのみ説明する。

図示されるように、底面 3 Bに形成された外周側シート面 5 1には、数箇所において、内周側シート面 1 3との中間地点付近まで切り込まれた径の小さな部分が形成され、この径の小さな部分が中間シート面 5 2を構成している。外周側シ —ト面 5 1と中間シー卜面 5 2は連続して、ひとつのシート面 5 0を構成するとともに、内周側シート面 1 5との間に花弁状のポート 5 3を形成している。このポ一ト 5 3に複数の内側連通孔 1 2の端部 1 2 Aが開口している。

このような構成によっても、メインリーフバルブ 2 1の略中央部は中間シート面 5 2により支持されるので、ピストンロッド 4の収縮時にもピストン側油室 9 の圧力によってメインリーフバルブ 2 1が撓むことが防止できる。

なお、中間シート面の構成方法は、上記の実施の形態に限られるものではなく、例えばシート面を正弦波状、放射状、歯車状、ノコギリ歯状に構成してもよく、シー卜面がメインリーフバルブ 2 1の中間部分を支持する中間シート面を持っていればよい。

第 1 0図には本発明のさらに他の実施の形態を示す。

この実施の形態においては、第 1図〜第 4図に示した実施の形態に対して、ピストンバルブ 6 0およびピストン 3の底面 3 Aの構成のみ異なっているので、この相違点を中心に説明する。

具体的には、ピストン口ッド 4の小径部 4 Aにはガイド 6 1を嵌合し、このガイド 6 1の上端を、ピストン 3の底面 3 Aに当接させる。この底面 3 Aには外周側シート面 6 2が形成され、この外周側シート面 6 2とガイド 6 1外周との間の底面 3 Aにポ一ト 6 3が形成される。このポート 6 3に内側連通孔 1 2が連通する。

このポート 6 3下方のガイド 6 1外周にはメインリーフバルブ 6 4が嵌合し、このメインリーフバルブ 6 4の外周端がポー卜 6 3の外周側シート面 6 2と当接し、ポート 6 3を閉鎖する。さらに、このメインリーフバルブ 6 4には開口 6 4 Aが開口し、この開口 6 4 Aを下方から閉鎖するように、小径かつ撓み剛性の小さなサブリーフバルブ 6 5がメインリーフバルブ 6 4に積層されている。このサブリーフバルブ 6 5は、内周側はガイド 6 1に嵌合する一方、外周側はメインリ —フバルブ 6 4外周端と外周側シー卜面 6 2とが重なり合う部分のすぐ手前まで達するようになつている。このようにしてメインリーフバルブ 6 4の最も撓みやすい中央部付近を下方からサポー卜する形で、メインリーフバルブ 6 4の撓み剛性を補強することにより、ピストンロッド 4の圧縮時にも、ピストン側油室 9の圧力でメインリーフバルブ 6 4がポート 6 3側に撓んでしまわないようになっている。なお、サブリーフバルブ 6 5の下方は、スぺーサ 6 7を介してガイド 6 1のフランジ部 6 1 Aにより支持される。このフランジ部 6 1 Aの下方の小径部 4 A先端側にはナツ卜 6 8が螺合し、ガイド 6 1を支持している。

このように、この実施の形態のピストンバルブ 6 0は、第 1図〜第 4図に示した実施の形態のビストンバルブ 2 0と同様に、ピストン口ッド 4の伸長速度に対応して適切な減衰力特性が得られる一方、ピストンロッド 4の圧縮時にピストン側油室 9に大きな油圧が発生しても、メインリーフバルブ 6 4下方のサブリーフバルブ 6 5が荷重を分担して負担するので、メインリーフバルブ 6 4のポート 6 3側への撓みは抑制される。したがって、メインリーフバルブ 6 4が破損してしまうことはなく、また、メインリーフバルブ 6 4とサブリ一フバルブ 6 5との間に隙間が生じることも防止できる。産業上の利用可能性

以上のように、本発明にかかる油圧緩衝器の減衰力発生装置は、減衰力発生装置を構成するバルブを保護し、耐久性を高めるのに有用である。

Claims

請求の範囲

1 . メインリーフバルブと、このメインリーフバルブに形成した開口を閉鎖するとともに前記メィンリーフバルブに比較して撓み剛性の小さなサブリーフバルブとを互いに積層し、ピストンロッドの伸縮速度が小さな場合には前記サブリーフバルブのみを開弁して減衰力を発生する一方、ビス卜ンロッドの伸縮速度が大きくなったときには前記メィンリーフバルブを開弁して減衰力の増大を抑制する油圧緩衝器の減衰力発生装置にお、て、

前記メインリーフバルブの端部を支持するシート面と同じ側に形成され前記メインリーフバルブの端部よりも内側部分を支持する中間シ一卜面を備えたことを特徴とする油圧緩衝器の減衰力発生装置。

2 . 前記メインリーフバルブはピストンを貫通するピストンロッドに嵌合するとともに、ピストンを貫通する連通路のポートをピストン下面にピストンロッドを取り囲むように形成し、前記メインリーフバルブの外周端をこのポー卜の外周側に形成された環状のシート面に支持し、かつ前記中間シート面として前記環状シ一ト面とビストンロッド外周の略中央付近に配設された複数の円弧状のシ一ト面を備えたことを特徴とする請求の範囲第 1項記載の油圧緩衝器の減衰力発生装置。

3 . 前記メインリーフバルブはピストンを貫通するピストンロッドに嵌合するとともに、ピストンを貫通する連通路のポートをピストン下面にピストンロッドを取り囲むように形成し、前記メィンリーフバルブを支持するシー卜面に前記メィンリーフバルブの外周端を支持する部分と前記メィンリーフバルブの略中央付近を支持する部分とを交互に連続して形成し、この前記メインリーフバルブの略中央付近を支持する部分を前記中間シート面としたことを特徴とする請求の範囲第 1項記載の油圧緩衝器の減衰力発生装置。

4 . メインリーフバルブと、このメインリーフバルブに形成した開口を閉鎖するとともに前記メインリーフバルブに比較して撓み剛性の小さなサブリ一フバルブとを互いに積層し、ピストンロッドの伸縮速度が小さな場合には前記サブリーフバルブのみを開弁して減衰力を発生する一方、ピストンロッドの伸縮速度が大きくなつたときには前記メィンリーフバルブを開弁して減衰力の増大を抑制する油圧緩衝器の減衰力発生装置において、

前記メィンリーフバルブの外周端を支持するシート面を備えるとともに、前記サブリーフバルブの外周端を前記メィンリーフバルブの外周端と前記シー卜面とが重なり合う部分の手前まで及ばせたことを特徴とする油圧緩衝器の減衰力発生