JP2980744B2 - ショックアブソーバのバルブ構造 - Google Patents
ショックアブソーバのバルブ構造Info
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- JP2980744B2 JP2980744B2 JP24508091A JP24508091A JP2980744B2 JP 2980744 B2 JP2980744 B2 JP 2980744B2 JP 24508091 A JP24508091 A JP 24508091A JP 24508091 A JP24508091 A JP 24508091A JP 2980744 B2 JP2980744 B2 JP 2980744B2
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- leaf valve
- valve
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車輛用のショックア
ブソーバのバルブ構造に関し、さらに詳しくは、減衰力
発生バルブ等におけるキャビテイションによるスウィッ
シュ音を抑制するショックアブソーバのバルブ構造に関
する。
ブソーバのバルブ構造に関し、さらに詳しくは、減衰力
発生バルブ等におけるキャビテイションによるスウィッ
シュ音を抑制するショックアブソーバのバルブ構造に関
する。
【0002】
【従来の技術】車輛用ショックアブソーバは、作動油を
充填したシリンダ内に摺嵌したピストンのストローク移
動によって、加圧される側のシリンダ内容室の作動油を
室外に流出させ、この流出する作動油の流量および流路
抵抗を制御することにより、該ピストン移動、ななわち
加振動に対する減衰力を生じせしめる。
充填したシリンダ内に摺嵌したピストンのストローク移
動によって、加圧される側のシリンダ内容室の作動油を
室外に流出させ、この流出する作動油の流量および流路
抵抗を制御することにより、該ピストン移動、ななわち
加振動に対する減衰力を生じせしめる。
【0003】そして、この場合の制御手段として、減衰
力発生バルブ構造が用いられる。
力発生バルブ構造が用いられる。
【0004】一方、上記減衰力発生バルブ機構で採用さ
れるリーフバルブは、ピストンの移動によって変化する
上部室および下部室間の内圧差に応じて、それ等のベー
ス面に対して離反または当接する向きの高速運動を反復
する結果、これを通過する作動油の流れにキャビテイシ
ョンが発生し、これによってウィッシュ音が発生する。
れるリーフバルブは、ピストンの移動によって変化する
上部室および下部室間の内圧差に応じて、それ等のベー
ス面に対して離反または当接する向きの高速運動を反復
する結果、これを通過する作動油の流れにキャビテイシ
ョンが発生し、これによってウィッシュ音が発生する。
【0005】特に、このキャビテイションは、上記リー
フバルブの高速運動にピストン移動速度が加算されるピ
ストンの減衰力発生部において、より高速化される作動
油流れで発生し、ショックアブソーバの作動ノイズとな
る。
フバルブの高速運動にピストン移動速度が加算されるピ
ストンの減衰力発生部において、より高速化される作動
油流れで発生し、ショックアブソーバの作動ノイズとな
る。
【0006】そこで、かかる作動ノイズの発生を防止す
るため、従来から図4に示すようなショックアブソーバ
のバルブ構造が提案されている。
るため、従来から図4に示すようなショックアブソーバ
のバルブ構造が提案されている。
【0007】これについて、簡単に述べると、1はシリ
ンダ2内を摺動するピストン、3a,3bはピストン1
に設けられた上部室Aおよび下部室B貫に連通する作動
油通路、4aはピストン1の通路3aを開閉するノンリ
タンバルブ、4bは中速域の伸作動時に動作するリーフ
バルブ、Cはシリンダ2とアウターチューブとの間の容
室、7a,7bは容室Cと下部室Bとの間に連通する通
路6a,6b上に配置したノンリタンバルブ及びリーフ
バルブで、これらが圧側減衰力発生部8を形成してい
る。
ンダ2内を摺動するピストン、3a,3bはピストン1
に設けられた上部室Aおよび下部室B貫に連通する作動
油通路、4aはピストン1の通路3aを開閉するノンリ
タンバルブ、4bは中速域の伸作動時に動作するリーフ
バルブ、Cはシリンダ2とアウターチューブとの間の容
室、7a,7bは容室Cと下部室Bとの間に連通する通
路6a,6b上に配置したノンリタンバルブ及びリーフ
バルブで、これらが圧側減衰力発生部8を形成してい
る。
【0008】また、9,10はピストン1のシートおよ
び圧側減衰力発生部8のシートに形成した打刻オリフィ
スである。11aはピストン1の下部室側端に形成した
シート、12aはピストン1の締結ナット12の上方端
面に形成したシート、13は両シート11a,12a間
に組み付けた背圧用リーフバルブ、Dは背圧用リーフバ
ルブ13によって下部室B側とは隔成された背圧室、1
4はピストンロッドである。
び圧側減衰力発生部8のシートに形成した打刻オリフィ
スである。11aはピストン1の下部室側端に形成した
シート、12aはピストン1の締結ナット12の上方端
面に形成したシート、13は両シート11a,12a間
に組み付けた背圧用リーフバルブ、Dは背圧用リーフバ
ルブ13によって下部室B側とは隔成された背圧室、1
4はピストンロッドである。
【0009】次に動作について説明する。ピストン1の
伸作動時においては、上部室の油は打刻オリフィス9ま
たはリーフバルブ4bを押し開いて、背圧室Dに導か
れ、さらに、背用リーフバルブ13の外周を押し開いて
下部室Bへ流出する。
伸作動時においては、上部室の油は打刻オリフィス9ま
たはリーフバルブ4bを押し開いて、背圧室Dに導か
れ、さらに、背用リーフバルブ13の外周を押し開いて
下部室Bへ流出する。
【0010】この場合において、背圧室Dから下部室B
への流れには、常に、背圧用リーフバルブ13の撓み剛
性によって決まる流体抵抗が働くので、背圧室Dの圧力
は常に下部室Bより、この流体抵抗に相当する分だけ高
い。
への流れには、常に、背圧用リーフバルブ13の撓み剛
性によって決まる流体抵抗が働くので、背圧室Dの圧力
は常に下部室Bより、この流体抵抗に相当する分だけ高
い。
【0011】すなわち、ピストンロッド14が上方に移
動する伸び行程では、ピストン部を通過して背圧室内に
至る油は上記圧力を受けるため、キャビテイションが発
生しにくくなり、スウィッシュ音の発生を抑制できる。
動する伸び行程では、ピストン部を通過して背圧室内に
至る油は上記圧力を受けるため、キャビテイションが発
生しにくくなり、スウィッシュ音の発生を抑制できる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
バルブ構成においては、背圧用リーフバルブ13の内外
周はピストン1側のシート11aおよび締結ナット12
の締結ナットのシート12aによって支持され、これに
よって発生する減衰力は、背圧用リーフバルブ13の撓
み剛性と内外シート面間の段差によって決まる初期撓み
の2つの要因によって左右される。
バルブ構成においては、背圧用リーフバルブ13の内外
周はピストン1側のシート11aおよび締結ナット12
の締結ナットのシート12aによって支持され、これに
よって発生する減衰力は、背圧用リーフバルブ13の撓
み剛性と内外シート面間の段差によって決まる初期撓み
の2つの要因によって左右される。
【0013】この2つの要因のうち、後者は、(イ)ピ
ストン1の内外シート面間の製作誤差、(ロ)リーフバ
ルブ4bおよびスペーサ15のトータル厚さのばらつ
き、(ハ)締結ナット12の左面とシート12aとの間
の製作誤差など、多くの部品の製作誤差が集積されるた
め、制御するのは実際上難しく、背圧用リーフバルブに
より発生する減衰力のばらつきを縮小するには限界があ
った。
ストン1の内外シート面間の製作誤差、(ロ)リーフバ
ルブ4bおよびスペーサ15のトータル厚さのばらつ
き、(ハ)締結ナット12の左面とシート12aとの間
の製作誤差など、多くの部品の製作誤差が集積されるた
め、制御するのは実際上難しく、背圧用リーフバルブに
より発生する減衰力のばらつきを縮小するには限界があ
った。
【0014】この発明は上記のような従来の問題点に着
目してなされたものであり、ピストンの微低速域から中
速域以上で、作動油の流れに背圧を発生させて、キャビ
テイションの発生を抑えるとともに、背圧用リーフバル
ブの初期撓みを一定にして減衰力のばらつきを抑えるこ
とができるショックアブソーバのバルブ構造を得ること
を目的とする。
目してなされたものであり、ピストンの微低速域から中
速域以上で、作動油の流れに背圧を発生させて、キャビ
テイションの発生を抑えるとともに、背圧用リーフバル
ブの初期撓みを一定にして減衰力のばらつきを抑えるこ
とができるショックアブソーバのバルブ構造を得ること
を目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明にかかるショッ
クアブソーバのバルブ構造は、ピストンの速度に応じて
得られる減衰力を、外周部の撓みにより制御するリーフ
バルブと、該リーフバルブを閉じる方向に付勢するバル
プスプリングと、該バルブスプリングの下端を支持する
ようにピストンに取り付けられ、かつ下端面にシートを
有する締結ナットと、上記ピストンの下端部に上端が結
合され、かつ下端部に上向きのシートを有するキャップ
と、上記結合の過程で該キャップおよび上記締結ナット
の各シートのそれぞれに内外周が支持される背圧用リー
フバルブとを設け、上記ピストンの下部室側に上記背圧
用リーフバルブによって背圧室を隔成し、この背圧室内
部の圧力を、該背圧用リーフバルブの撓み剛性により制
御される圧力分だけ上記下部室より高くなるように設定
したものである。
クアブソーバのバルブ構造は、ピストンの速度に応じて
得られる減衰力を、外周部の撓みにより制御するリーフ
バルブと、該リーフバルブを閉じる方向に付勢するバル
プスプリングと、該バルブスプリングの下端を支持する
ようにピストンに取り付けられ、かつ下端面にシートを
有する締結ナットと、上記ピストンの下端部に上端が結
合され、かつ下端部に上向きのシートを有するキャップ
と、上記結合の過程で該キャップおよび上記締結ナット
の各シートのそれぞれに内外周が支持される背圧用リー
フバルブとを設け、上記ピストンの下部室側に上記背圧
用リーフバルブによって背圧室を隔成し、この背圧室内
部の圧力を、該背圧用リーフバルブの撓み剛性により制
御される圧力分だけ上記下部室より高くなるように設定
したものである。
【0016】
【作用】この発明における背圧室は、内部圧力が背圧用
リーフバルブの撓み剛性により制御される圧力分だけ、
その背圧用リーフバルブによって隔成された下部室より
高くすることにより、この背圧用リーフバルブを通過す
る油の流れに対しては、その圧力相当分のガスを封入し
たのと同一効果が得られ、従って、キャビテイションの
発生を抑制し、スウィッシュ音の発生を抑えるように機
能する。
リーフバルブの撓み剛性により制御される圧力分だけ、
その背圧用リーフバルブによって隔成された下部室より
高くすることにより、この背圧用リーフバルブを通過す
る油の流れに対しては、その圧力相当分のガスを封入し
たのと同一効果が得られ、従って、キャビテイションの
発生を抑制し、スウィッシュ音の発生を抑えるように機
能する。
【0017】また、キャップはピストンへの圧入等の機
械的結合により固定されているため、シートに対する背
圧用リーフバルブの接触圧が一定に保たれ、従って、初
期撓みが締結ナットの高さなどに影響されずに、正確に
一定に保たれ、背圧用リーフバルブにより発生する減衰
力のばらつきを防止可能にする。
械的結合により固定されているため、シートに対する背
圧用リーフバルブの接触圧が一定に保たれ、従って、初
期撓みが締結ナットの高さなどに影響されずに、正確に
一定に保たれ、背圧用リーフバルブにより発生する減衰
力のばらつきを防止可能にする。
【0018】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図について説明
する。図1において、1Aはピストンロッド14に取り
付けられたピストンで、このピストン1Aの下部外周に
はスカート状の小径部21が設けられている。
する。図1において、1Aはピストンロッド14に取り
付けられたピストンで、このピストン1Aの下部外周に
はスカート状の小径部21が設けられている。
【0019】22はこの小径部21に上端の開口部を円
筒状抑え治具23によって圧入された筒状のキャップ
で、このキャップ22の下端円周部は中心方向90度方
向に曲折されており、その上面部が背圧用リーフバルブ
外周のシート24となっている。
筒状抑え治具23によって圧入された筒状のキャップ
で、このキャップ22の下端円周部は中心方向90度方
向に曲折されており、その上面部が背圧用リーフバルブ
外周のシート24となっている。
【0020】12Aはピストン1Aをピストンロッド1
4に取り付ける締結ナットで、この締結ナット12Aは
リーフバルブ4bの内周部をピストン1Aとの間に介在
している。25は締結ナット12Aの下部外周に突設し
たばね座で、このばね座25に載せたバルブスプリング
26の上端部が、締結ナット12Aの軸方向に摺動自在
なバルブ押え用のリング27を介して、リーフバルブ4
bの外周をシート28に押し付けている。
4に取り付ける締結ナットで、この締結ナット12Aは
リーフバルブ4bの内周部をピストン1Aとの間に介在
している。25は締結ナット12Aの下部外周に突設し
たばね座で、このばね座25に載せたバルブスプリング
26の上端部が、締結ナット12Aの軸方向に摺動自在
なバルブ押え用のリング27を介して、リーフバルブ4
bの外周をシート28に押し付けている。
【0021】29は締結ナット12Aの下端面に突設し
たシートで、このシート29と上記キャップ22のシー
ト24との間に、内周上面および外周下面がそれぞれ接
するように、背圧室Dを隔成する上記背圧用リーフバル
ブ30が設けられている。
たシートで、このシート29と上記キャップ22のシー
ト24との間に、内周上面および外周下面がそれぞれ接
するように、背圧室Dを隔成する上記背圧用リーフバル
ブ30が設けられている。
【0022】ここで、締結ナット12A下端のシート2
9の高さは、リーフバルブ4bの厚さ、締結ナット12
Aの高さ、リーフバルブ4bと締結ナット12Aとの間
に挾持されるワッシャ31の厚さなどの寸法上のばらつ
きに影響されるが、これらをピストンロッド14に組み
付けた後、周面に段差δを設けた円筒状押え治具23に
よって、背圧用リーフバルブ30を挿入したキャップ2
2上端部を、徐々にピストン1Aの小径部21外周に圧
入する。
9の高さは、リーフバルブ4bの厚さ、締結ナット12
Aの高さ、リーフバルブ4bと締結ナット12Aとの間
に挾持されるワッシャ31の厚さなどの寸法上のばらつ
きに影響されるが、これらをピストンロッド14に組み
付けた後、周面に段差δを設けた円筒状押え治具23に
よって、背圧用リーフバルブ30を挿入したキャップ2
2上端部を、徐々にピストン1Aの小径部21外周に圧
入する。
【0023】これにより、押え治具23の上端内周部の
突起部32が背圧用リーフバルブ30の内周部を下面か
ら上方へ押圧するため、これがシート29に接触し、こ
の階段でキャップ22のピストン1Aに対する圧入も停
止する。
突起部32が背圧用リーフバルブ30の内周部を下面か
ら上方へ押圧するため、これがシート29に接触し、こ
の階段でキャップ22のピストン1Aに対する圧入も停
止する。
【0024】従って、押え治具23の段差δを適正に設
定しておけば、背圧用リーフバルブ30の初期撓みは、
上記のような締結ナット12Aの高さなどに影響される
ことなく正確に設定でき、背圧用リーフバルブ30によ
り発生させる減衰力のばらつきを防止することができ
る。
定しておけば、背圧用リーフバルブ30の初期撓みは、
上記のような締結ナット12Aの高さなどに影響される
ことなく正確に設定でき、背圧用リーフバルブ30によ
り発生させる減衰力のばらつきを防止することができ
る。
【0025】次に、このバルブ構造の動作について説明
する。まず、ピストンロッド14が上方に伸びる伸び行
程では、伸長速度が約0.1m/sの低速である場合に
は、ピストン1A上面の打刻オリフィス9を通過して、
低速減衰力を発生する油がピストン1Aの外周側の作動
油通路3aを経て、背圧室Dに流入する。
する。まず、ピストンロッド14が上方に伸びる伸び行
程では、伸長速度が約0.1m/sの低速である場合に
は、ピストン1A上面の打刻オリフィス9を通過して、
低速減衰力を発生する油がピストン1Aの外周側の作動
油通路3aを経て、背圧室Dに流入する。
【0026】また、伸長速度が約0.3m/sの中速以
上である場合には、上部室Aの油がピストン1Aの作動
油通路3bを経て環状溝33に導かれ、スプリング26
により付勢されたリーフバルブ4bの外周部を押し開い
て、背圧室Dに流入する。
上である場合には、上部室Aの油がピストン1Aの作動
油通路3bを経て環状溝33に導かれ、スプリング26
により付勢されたリーフバルブ4bの外周部を押し開い
て、背圧室Dに流入する。
【0027】すなわち、微低速域を含む全速度域に亘
り、ピストン部を通る油はすべて背圧室Dに流入する。
り、ピストン部を通る油はすべて背圧室Dに流入する。
【0028】背圧室Dは密閉された空間であるため、流
入した油は背圧用リーフバルブ30の内周部を押し開い
て下部室Bに流出し、この際の流体抵抗により、背圧室
Dの圧力は下部室BよりPdだけ高くなる。
入した油は背圧用リーフバルブ30の内周部を押し開い
て下部室Bに流出し、この際の流体抵抗により、背圧室
Dの圧力は下部室BよりPdだけ高くなる。
【0029】すなわち、ピストン部を通過した油はPd
の圧力を発生させる背圧室Dに全流量が流入するため、
油の流れに対しては、Pdの圧力のガスを封入したのと
同一の効果が得られる。従って、キャビテイションの発
生を押えることができ、スウィッシュ音の発生を抑制す
る。
の圧力を発生させる背圧室Dに全流量が流入するため、
油の流れに対しては、Pdの圧力のガスを封入したのと
同一の効果が得られる。従って、キャビテイションの発
生を押えることができ、スウィッシュ音の発生を抑制す
る。
【0030】背圧用リーフバルブ30がない通常のバル
ブ構造では、ピストン1Aの背面の打刻オリフィス9を
通過した油は、作動油通路3aを経て、直接下部室Bに
開放されるため、低速域以下の減衰力は図2に示すよう
に一定面積のオリフィス通路を通過する際の流体抵抗に
基づくピストン速度の2乗に比例する値Pとなるが、背
圧用リーフバルブ30を通過する際の流体抵抗が発生す
るこの発明の構造においては、低速域以下の微低速域で
も、背圧用リーフバルブ30の撓み剛性により制御され
る減衰力qが発生する。
ブ構造では、ピストン1Aの背面の打刻オリフィス9を
通過した油は、作動油通路3aを経て、直接下部室Bに
開放されるため、低速域以下の減衰力は図2に示すよう
に一定面積のオリフィス通路を通過する際の流体抵抗に
基づくピストン速度の2乗に比例する値Pとなるが、背
圧用リーフバルブ30を通過する際の流体抵抗が発生す
るこの発明の構造においては、低速域以下の微低速域で
も、背圧用リーフバルブ30の撓み剛性により制御され
る減衰力qが発生する。
【0031】すなわち、この発明は本質的に微低速バル
ブ構造となる。 ピストンロッド14が下方に縮む圧縮
行程では、下部室Bの作動油は、締結ナット12Aのシ
ート29により内周側を自由に支持された背圧用リーフ
バルブ30の外周部が上方に押し開かれて、背圧室Dに
流入する。
ブ構造となる。 ピストンロッド14が下方に縮む圧縮
行程では、下部室Bの作動油は、締結ナット12Aのシ
ート29により内周側を自由に支持された背圧用リーフ
バルブ30の外周部が上方に押し開かれて、背圧室Dに
流入する。
【0032】このときに発生する流体抵抗に相当する減
衰力は、ベースバルブ8により発生される圧縮側減衰力
に、全速度域に亘りプラスされるため、圧縮行程におい
ても微低速域の減衰力が制御できる。
衰力は、ベースバルブ8により発生される圧縮側減衰力
に、全速度域に亘りプラスされるため、圧縮行程におい
ても微低速域の減衰力が制御できる。
【0033】一般にスウィッシュ音は伸び側の方が大き
いので、背圧室Dの圧力は伸び側で高い方が良い。
いので、背圧室Dの圧力は伸び側で高い方が良い。
【0034】そこで、内径のみ異なる背圧用リーフバル
ブ30,30Aを図3に示すように重ねて使用すること
によって、伸び側では背圧用リーフバルブ30,30A
の合成された撓み剛性が効き、縮み側では背圧用リーフ
バルブ30の撓み剛性のみ効く様にして、伸び側および
縮み側の撓み剛性を調整することができる。
ブ30,30Aを図3に示すように重ねて使用すること
によって、伸び側では背圧用リーフバルブ30,30A
の合成された撓み剛性が効き、縮み側では背圧用リーフ
バルブ30の撓み剛性のみ効く様にして、伸び側および
縮み側の撓み剛性を調整することができる。
【0035】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、ピス
トンの速度に応じて得られる減衰力を、外周部の撓みに
より制御するリーフバルブと、該リーフバルブを閉じる
方向に付勢するバルブスプリングと、該バルブスプリン
グの下端を支持するようにピストンに取り付けられ、か
つ下端面にシートを有する締結ナットと、上記ピストン
の下端部に上端が圧入保持され、かつ下端部に上向きの
シートを有するキャップと、上記圧入の過程で該キャッ
プおよび締結ナットの各シートのそれぞれに内外周が支
持される背圧用リーフバルブとを設け、上記ピストンの
下部室側に上記背圧用リーフバルブによって背圧室を隔
成し、この背圧室内部の圧力を、該背圧用リーフバルブ
の撓み剛性により制御される圧力分だけ上記下部室より
高くなるように設定したので、背圧用リーフバルブを通
過する油の流れに対しては、その圧力相当分のガスを封
入したのと同一効果が得られ、従って、キャビテイショ
ンの発生を抑制でき、従って、スウィッシュ音の発生を
抑えることができるとともに、シートに対する背圧用リ
ーフバルブの接触圧が一定に保たれ、従って、初期撓み
が締結ナットの高さなどに影響されずに、正確に一定に
保たれ、背圧用リーフバルブにより発生する減衰力のば
らつきを防止できるものが得られる効果がある。
トンの速度に応じて得られる減衰力を、外周部の撓みに
より制御するリーフバルブと、該リーフバルブを閉じる
方向に付勢するバルブスプリングと、該バルブスプリン
グの下端を支持するようにピストンに取り付けられ、か
つ下端面にシートを有する締結ナットと、上記ピストン
の下端部に上端が圧入保持され、かつ下端部に上向きの
シートを有するキャップと、上記圧入の過程で該キャッ
プおよび締結ナットの各シートのそれぞれに内外周が支
持される背圧用リーフバルブとを設け、上記ピストンの
下部室側に上記背圧用リーフバルブによって背圧室を隔
成し、この背圧室内部の圧力を、該背圧用リーフバルブ
の撓み剛性により制御される圧力分だけ上記下部室より
高くなるように設定したので、背圧用リーフバルブを通
過する油の流れに対しては、その圧力相当分のガスを封
入したのと同一効果が得られ、従って、キャビテイショ
ンの発生を抑制でき、従って、スウィッシュ音の発生を
抑えることができるとともに、シートに対する背圧用リ
ーフバルブの接触圧が一定に保たれ、従って、初期撓み
が締結ナットの高さなどに影響されずに、正確に一定に
保たれ、背圧用リーフバルブにより発生する減衰力のば
らつきを防止できるものが得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例によるショックアブソーバ
のバルブ構造を示す断面図である。
のバルブ構造を示す断面図である。
【図2】この発明におけるピストン速度に対する減衰力
の大きさを示す特性図である。
の大きさを示す特性図である。
【図3】図1の他の応用例を示す断面図である。
【図4】従来のショックアブソーバのバルブ構造を示す
断面図である。
断面図である。
1A ピストン 4a ノンリタンバルブ 4b リーフバルブ 12A 締結ナット 14 ピストンロッド 22 キャップ 26 バルブスプリング 29 シート 30 背圧用リーフバルブ B 下部室 D 背圧室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16F 9/00 - 9/58
Claims (1)
- 【請求項1】ピストンの速度に応じて得られる減衰力
を、外周部の撓みにより制御するリーフバルブと、該リ
ーフバルブを閉じる方向に付勢するバルブスプリング
と、該バルブスプリングの下端を支持するようにピスト
ンに取り付けられ、かつ下端面にシートを有する締結ナ
ットと、上記ピストンの下端部に上端が結合され、かつ
下端部に上向きのシートを有するキャップと、上記結合
の過程で該キャップおよび上記締結ナットの各シートの
それぞれに内外周が支持される背圧用リーフバルブと、
上記ピストンの下部室側に上記背圧用リーフバルブによ
って隔成され、内部の圧力が該背圧用リーフバルブの撓
み剛性により制御される圧力分だけ上記下部室より高く
なるように設定された背圧室とを備えたショックアブソ
ーバのバルブ構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24508091A JP2980744B2 (ja) | 1991-08-30 | 1991-08-30 | ショックアブソーバのバルブ構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24508091A JP2980744B2 (ja) | 1991-08-30 | 1991-08-30 | ショックアブソーバのバルブ構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05126198A JPH05126198A (ja) | 1993-05-21 |
JP2980744B2 true JP2980744B2 (ja) | 1999-11-22 |
Family
ID=17128305
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24508091A Expired - Lifetime JP2980744B2 (ja) | 1991-08-30 | 1991-08-30 | ショックアブソーバのバルブ構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2980744B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP7329063B2 (ja) | 2019-10-30 | 2023-08-17 | Kyb株式会社 | 緩衝器 |
-
1991
- 1991-08-30 JP JP24508091A patent/JP2980744B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05126198A (ja) | 1993-05-21 |
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