JP4729110B2 - 減衰力可変ダンパ - Google Patents

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Description

本発明は、車両の懸架装置に用いられ、減衰力を可変させることができる減衰力可変ダンパに関する。
図9は、従来の減衰力可変ダンパにおける減衰力とピストン速度との関係を示すグラフである。
近年、車両の乗り心地を向上させるために、車両ダンパの減衰力特性を調整する機構が望まれている。
従来の車両用ダンパとしては、図9に示すように、シリンダ内を上下動するピストンのピストン速度が微低速の領域で減衰力を大きく変化させて、ピストン速度が低中速の領域で減衰力を小さく変化させる減衰特性を有する減衰力可変ダンパが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この減衰力可変ダンパは、微低速域で伸縮作動している際に、リーフバルブがスプリングを押し縮めることなくその外周部分のみが撓んで作動油が流れ、リーフバルブの開度に応じて減衰力を発生している。このため、図9に示すように、微低速域では、立ち上がりの傾きが大きくなっている。
低中速域以降では、スプリングを押し縮めつつリーフバルブの外周部分の撓みと併せて全体が開くことにより減衰力を発生している。このため、図9に示すように、低中速域以降は、減衰力発生時の立ち上がりの傾きが微低速時よりも小さくなり、減衰力の増加率も低下する減衰力特性となっている。
特開平9−291961号公報(請求項1及び図1)
図10は、特許文献1に記載された減衰力可変ダンパの減衰力特性を示すグラフであり、(a)はピストン速度と減衰力との関係を示し、(b)は時間と減衰力との関係を示す。
図10(a)に示すように、前記特許文献1に記載の減衰力可変ダンパは、ピストン速度が高くなるとき、ピストンにスプリングを設けない場合と比較して、減衰力を小さくすることによって、乗り心地が悪化するのを抑制している。
しかしながら、特許文献1の減衰力可変ダンパは、図10(b)に示すように、路面に大きな凹凸がある未整備の道路を走行する場合、大きな凸凹を乗り越えるときに、ピストン速度の増加に比例して減衰力が急激に上昇するため、乗り心地性能を悪化させるという問題点があった。
前記特許文献1の技術では、急激に減衰力が立ち上がる(つまり、大入力時にすぐに大きい減衰力を発生する)ので、ダンパに減衰力の大きさに由来するいわゆる「固さ感」が出てしまうため、乗り心地を悪化させる虞があるという問題点があった。
そこで、本発明は、前記課題を解消すべく発明されたものであり、未整備の道路等の走行中に、路面の大きな凹凸を乗り越える際等に、瞬間的に入る大入力を受けた場合に、減衰力が急激に上昇するのを低減させて、乗り心地を向上させることができる減衰力可変ダンパを提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の減衰力可変ダンパの発明は、車両の懸架装置に用いられ減衰力を可変にする減衰力可変ダンパであって、内部を流体で満たしたシリンダと、前記シリンダの一端を貫通するように設けられるピストンロッドと、前記シリンダの内部で前記ピストンロッドに対して相対移動可能に設けられると共に、前記シリンダの内部を第1作動室と第2作動室とに区画する摺動ピストンと、前記摺動ピストンに形成され、前記第1作動室と前記第2作動室との間を連通させる第1連通路と、前記第1連通路を開閉するバルブと、前記ピストンロッドの移動速度に応じて、前記摺動ピストンのピストン変位量を調整するピストン変位量調整手段と、を備え、前記ピストンロッドは、前記第1作動室と前記第2作動室との間を連通させる第2連通路を前記摺動ピストンの径方向内側の当該ピストンロッドの外周部に配置し、前記摺動ピストンは、当該摺動ピストンと前記バルブとを軸方向で挟持すると共に、径方向内側から両者を嵌合し、前記ピストンロッドの外周面を摺動して前記第2連通路を開閉させる摺動部を備え、前記ピストン変位量調整手段は、前記摺動ピストンまたは前記ピストンロッドに支持され、前記摺動ピストンを軸方向に付勢する付勢手段を備え、前記摺動ピストンの摺動状態に応じて前記第2連通路による前記第1作動室と前記第2作動室との間の連通状態を調整すると共に、前記ピストンロッドの移動速度に応じて、前記摺動ピストンが前記付勢手段による付勢力に抗して前記ピストンロッドに対して摺動し、前記第2連通路の前記第1作動室または第2作動室に面している開口部の面積を調整することを特徴とする。
かかる構成によれば、減衰力可変ダンパは、ピストンロッドの移動速度に応じて摺動ピストンのピストン変位量を調整することができるピストン変位量調整手段を備えたことによって、車両が路面の大きな凹凸等を乗り越える際に大きな入力荷重が入った場合に、摺動ピストンのピストン変位量をピストンロッドに対して遅く設定することが可能となる。このため、摺動ピストンが摺動する際に、第1連通路を通過する流体(作動油)の流量を減少させて、減衰力の立ち上がりをなだらかにすることができる。これにより、路面に大きな凹凸がある未整備の道路等を走行する場合に、減衰力が急激に上昇するのを低減させて、乗り心地を向上させることができる。
また、減衰力可変ダンパは、摺動ピストンの摺動状態に応じて第2連通路による第1作動室と第2作動室との間の連通状態を調整するピストン変位量調整手段を備えたことによって、車両が路面の大きな凹凸等を乗り越える際の大きな入力荷重が入った場合に、摺動ピストンが摺動して第2連通路が開放されるように調整することが可能となる。これにより、立ち上がった後の減衰力の大きさを低減させて、車両の乗り心地を向上させることができる。
また、ピストン変位量調整手段は、摺動ピストンまたはピストンロッドに支持され、摺動ピストンを軸方向に付勢する付勢手段を備えている。このため、外部からの入力荷重でピストンロッドが加速度を持って移動すると、摺動ピストンが今までの位置に留まろうとするので、その加速度に応じて付勢手段が伸縮する。その結果、付勢手段の伸縮量に応じて、摺動ピストンとピストンロッドとの位置関係、さらには、摺動ピストンと開口部との位置関係が定まり、第2連通路の第1作動室または第2作動室に面している開口部の面積を調整することができる。このため、減衰力可変ダンパの減衰力の変位をなだらかにして固さ感がでるのを抑制させることができ、快適な乗り心地にすることができる。
また、減衰力可変ダンパは、摺動ピストンとバルブとを組み付けた状態で、両者を一度にピストンロッドに組み付けることができるので、組付工数を削減して、組み付け性を向上させることができる。
また、摺動ピストンは、摺動部が、摺動ピストンとピストンロッドとが摺接する摺動面の機能と、第2連通路を開閉させる弁体の機能と、第2連通路の開口部の面積を調整できる機能とを備えているので、部品点数を削減してダンパ全体の構造を簡素化することができる。
請求項2に記載の減衰力可変ダンパの発明は、請求項1に記載の減衰力可変ダンパであって、前記ピストン変位量調整手段は、前記ピストンロッドに前記第2連通路の前記開口部が開弁するバルブ開放ポイントを超える入力荷重が入ったときに、前記第1作動室または前記第2作動室内の液体が、前記摺動ピストンを前記付勢手段に抗して押圧して前記第2連通路の前記開口部を開弁させることを特徴とする。
かかる構成によれば、減衰力可変ダンパは、前記ピストン変位調整手段を備えたことによって、ダンパの減衰力を段付き感のない減衰力に変化させることができる。その結果、減衰力可変ダンパ1の減衰力の変位をなだらかにして固さ感が出るのを抑制して、快適な乗り心地にすることができる。
請求項3に記載の減衰力可変ダンパの発明は、請求項1または請求項2に記載の減衰力可変ダンパであって、前記摺動ピストンは、前記第1作動室と前記第2作動室との間を連通させる第3連通孔と、この第3連通孔を開閉する第2バルブと、前記摺動ピストンの中心部に穿設された貫通孔の内壁面に内嵌されたボビン形状のバルブ保持部材と、を有し、前記バルブ保持部材は、軸方向の両端を外側に向けて折曲してフランジ状に形成された加締部によって、前記バルブ及び第2バルブの軸心側を前記摺動ピストンに固定していることを特徴とする。
かかる構成によれば、ピストン変位量調整手段は、バルブ保持部材が、軸方向の両端を外側に向けて折曲してフランジ状に形成された加締部によって、バルブ及び第2バルブの軸心側を摺動ピストンに固定していることにより、1つの部材からなるバルブ保持部材により、2つのバルブ部材を固定することができ、部品点数を削減してコストダウンを図ることができる。
本発明に係る減衰力可変ダンパによれば、未整備の道路等の走行中に、路面の大きな凹凸を乗り越える際等に、瞬間的に入る大入力を受けた場合に、減衰力が急激に上昇するのを低減させて、乗り心地を向上させることができる。
本発明の実施形態に係る減衰力可変ダンパを示す要部断面図である。 本発明の実施形態に係る減衰力可変ダンパを示す要部拡大断面図である。 本発明の実施形態に係る減衰力可変ダンパを示す断面を有する要部拡大斜視図である。 減衰力可変ダンパに取り付ける前の第1リーフバルブの形状を示す拡大図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A分割断面図である。 本発明の実施形態に係る減衰力可変ダンパの作動を示す図であり、(a)はピストンロッドの入力荷重が小さいときの状態を示す要部拡大断面図、(b)はピストンロッドの入力荷重が大きいときの状態を示す要部拡大断面図である。 本発明の実施形態に係る減衰力可変ダンパにおける減衰力及びピストン速度と時間の関係を示すグラフである。 本発明の実施形態に係る減衰力可変ダンパにおける減衰力と時間の関係を示すグラフである。 本発明の実施形態に係る減衰力可変ダンパの変形例を示す作動図であり、(a)はピストンロッドの入力荷重が小さいときの状態を示す要部拡大断面図、(b)はピストンロッドの入力荷重が大きいときの状態を示す要部拡大断面図である。 従来の減衰力可変ダンパにおける減衰力とピストン速度との関係を示すグラフである。 特許文献1に記載された減衰力可変ダンパの減衰力特性を示すグラフであり、(a)はピストン速度と減衰力との関係を示し、(b)は時間と減衰力との関係を示す。
まず、図1〜図7を参照して、本発明の実施形態に係る減衰力可変ダンパを説明する。
なお、本発明の実施形態に係る減衰力可変ダンパ1は、設置状態によって上下方向等の向きが変化する。以下、その一例としてピストンロッド3を上側、シリンダ2を下側に配置した場合を例に挙げて説明する。
≪減衰力可変ダンパの構成≫
図1に示す減衰力可変ダンパ1は、バイクや四輪車等の車両の懸架装置に用いられ、車両走行中に路面の凹凸等によって車両に加わった上下方向の衝撃や振動を迅速に減衰させるための緩衝装置であり、減衰力を可変にすることができるようになっている。
図2及び図3に示すように、この減衰力可変ダンパ1は、それぞれ後記するシリンダ2と、ピストンロッド3と、摺動ピストン4と、第1連通路4aと、第2連通路3fと、第3連通路4bと、第1リーフバルブ41と、第2リーフバルブ42と、摺動部43と、バルブ保持部材44と、ピストン変位量調整手段5と、付勢手段51と、スプリングシート6と、締結部材7と、を備えている。減衰力可変ダンパ1は、シリンダ2に挿入したピストンロッド3の上端部の車体側取付部3a(図1参照)が車体に取り付けられ、シリンダ2の下端部の車軸側取付部2a(図1参照)が車軸側に取り付けられている。
≪シリンダの構成≫
前記シリンダ2は、内部をオイル等の液体や、空気等の気体からなる流体で満たし、上
下端部が閉塞された円筒体からなる(図1参照)。シリンダ2内は、このシリンダ2に摺動可能に内設された摺動ピストン4によって第1作動室21と第2作動室22との2つの部屋に区画されている。
<第1作動室及び第2作動室の構成>
図2及び図3に示すように、第1作動室21及び第2作動室22は、摺動ピストン4を間に介在して、第1作動室21がシリンダ2内の上側に形成され、第2作動室22が摺動ピストン4の下側に形成されている。流体は、摺動ピストン4が変位することによって、第1リーフバルブ41が開弁した場合に、第2作動室22から後記する第1連通路4aを介して第1作動室21へ流動する。また、流体は、バルブ機能を有するスライドブッシュ45(摺動部43)が上昇して開弁状態になった場合に、第2作動室22から第2連通路3fを介して第1作動室21へ流動する。さらにまた、流体は、第2リーフバルブ42が開弁した場合に、第1作動室21から摺動ピストン4に形成された第3連通路4bを介して第2作動室22へ流動するようになっている。
≪ピストンロッドの構成≫
ピストンロッド3は、車体側取付部3a(図1参照)がある上側がシリンダ2から露出した状態に配置され、下端部側がシリンダ2の上端を貫通してシリンダ2内に配置されて、このシリンダ2に対して上下動可能な状態に内設されている。そのピストンロッド3の下端部には、それぞれ後記する段差部3bと、小径部3cと、雄ねじ部3dと、外周面3eと、第2連通路3fと、開口部3g,3h(図5(b)参照)と、が形成されている。
段差部3bは、小径部3cに外嵌されたスプリングシート6が当接して係止される部位であり、小径部3cの上端に形成されている。
小径部3cは、スプリングシート6、スライドブッシュ45及び付勢手段51が摺動自在に外嵌される部位である。
雄ねじ部3dは、締結部材7の雌ねじ部が螺合する部位であり、ピストンロッド3の最下端部に形成されている。
<外周面、第2連通路及び開口部の構成>
外周面3eは、ピストンロッド3の側面全体であり、前記小径部3c等を含む。
第2連通路3fは、ピストンロッド3の小径部3cに形成され、流体が流動する流路である。第2連通路3fは、例えば、ピストンロッド3の外周面3eに軸方向に形成された複数の溝からなる。この第2連通路3fは、第1作動室21と第2作動室22との間を連通させるための溝状の流路であり、摺動ピストン4の径方向内側に形成されている。
開口部3g,3h(図5(b)参照)は、小径部3cに外嵌された摺動ピストン4のスライドブッシュ45によって開閉される第2連通路3fの露出部分である。開口部3g(図5(b)参照)は、第2作動室22に連通する第2連通路3fの下側開口部分である。開口部3hは、第1作動室21に連通する第2連通路3fの上側開口部分である。
≪摺動ピストンの構成≫
図2及び図3に示すように、摺動ピストン4は、シリンダ2の内部でピストンロッド3に対してガイドされながら上下方向に相対移動可能に設けられて摺動するピストンである。この摺動ピストン4は、厚い略円盤状に形成され、複数の第1連通路4aと、複数の第3連通路4bと、1つの貫通孔4cとが穿設されている。摺動ピストン4には、第1作動室21側に前記第1連通路4aを開閉する第1リーフバルブ41が設けられ、第2作動室22側に前記第3連通路4bを開閉する第2リーフバルブ42が設けられ、中心部に穿設された貫通孔4cの内壁面に摺動部43が内嵌され、外周面にピストンリング46が外嵌されている。この摺動ピストン4は、シリンダ2内を第1作動室21と第2作動室22とに分離して区画している。
摺動ピストン4は、車輪がバウンドしたときに、下側の第2作動室22内の流体が、この摺動ピストン4に押圧されて第1連通路4a及び第2連通路3fを通って上側の第1作動室21に移動する際のオリフィス絞り効果と、後記する付勢手段51が圧縮する弾性とで、衝撃を吸収するようになっている。そして、摺動ピストン4は、車輪がリバウンドしたときに、シリンダ2内の上側の第1作動室21内の流体が、この摺動ピストン4に押圧されて第3連通路4bを通って下側の第2作動室22に移動する際のオリフィス絞り効果で、入力を減衰するように構成されている。
前記摺動ピストン4は、バルブ保持部材44及びスライドブッシュ45を介在してピストンロッド3の小径部3cに軸方向へ移動可能に嵌入されている。摺動ピストン4は、その小径部3cの上端に形成された段差部3bに係止されたスプリングシート6と、小径部3cの下端部に固定された締結部材7との間において、第1作動室21に面する上側が付勢手段51によって常時押圧され、第2作動室22に面する下側が前記付勢手段51のばね力の反力により常時押圧されて、上下方向の動きが弾性的に規制されている。
<第1連通路の構成>
第1連通路4a(連通路)は、摺動ピストン4の外周寄りに軸方向に穿設された流路であり、平常時に、上側の開口端が第1リーフバルブ41によって閉塞されている。そして、第1連通路4aは、第1リーフバルブ41が開弁することによって、第2作動室22と第1作動室21とが連通して、第2作動室22内の流体が、この第1連通路4aを通って第1作動室21側に流動するようになっている。
<第3連通路の構成>
第3連通路4b(連通路)は、摺動ピストン4の中心側寄りに軸方向に穿設された流路であり、平常時に、下側の開口端が第2リーフバルブ42によって閉塞されている。そして、第3連通路4bは、第2リーフバルブ42が開弁することによって、第1作動室21と第2作動室22とが連通して、第1作動室21内の流体が、この第3連通路4bを通って第2作動室22側に流動するようになっている。
図4は、減衰力可変ダンパに取り付ける前の第1リーフバルブの形状を示す拡大図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A分解断面図である。
≪第1リーフバルブの構成≫
図2及び図3に示すように、第1リーフバルブ41(バルブ)は、この第1リーフバルブ41が有するばね力に対して、第2作動室22側から第1連通路4aを通過する流体の圧力によって第1リーフバルブ41を開弁させる方向の力が大きくなると開弁する弁体である。第1リーフバルブ41は、開弁すると、第2作動室22内の液体が第1連通路4aを通って第1作動室21側に流動するのを許容するチェックバルブである。第1連通路4aの第1作動室21側の開口端が第1リーフバルブ41の弁座となっている。
図4(a)、(b)に示すように、この第1リーフバルブ41には、中央部に配置されバルブ保持部材44が嵌入される嵌入孔41bと、この嵌入孔41bの周辺に複数配置され第3連通路4bに連通する流体流動孔41aと、が穿設されたリング状の金属製薄板部材からなる。第1リーフバルブ41は、例えば、外径が摺動ピストン4(図2及び図3参照)の外径と略同じ大きさで平坦な形状に形成された2枚の大径弁体41c,41dと、この大径弁体41cより小径で平坦な形状に形成された中径弁体41eと、この中径弁体41eより小径で裾広がりのスカート状(皿座金状)に形成された小径弁体41fと、を重ねてなる。
図2及び図3に示すように、第1リーフバルブ41は、大径弁体41c,41dの上に重ねた中径弁体41eの上に、閉弁する方向にばね性を有する小径弁体41fを重ねて配置し、バルブ保持部材44の加締部44a,44bによって摺動ピストン4の弁座面4dに押し付けて平らな状態になるように弾性変形した状態に挟持して組み付けられている。このため、摺動ピストン4に組み付けられた第1リーフバルブ41は、小径弁体41fによって第1連通路4aを閉塞する側へ押圧する適宜な弾性力を備えている。
第1リーフバルブ41は、さらに、液体の流れに適宜な弾性力(抵抗力)を発生させるために、金属製薄板部材を複数重ねて組み付けられて、閉弁する方向へ自動戻りする弾性を有している(図4(b)参照)。第1リーフバルブ41は、平常時、その弾性力によって摺動ピストン4の弁座面4dに圧接して第1連通路4aを閉塞する閉弁状態になっている。第1リーフバルブ41には、第3連通路4bに合致させて連通する状態に配置された流体流動孔41aが穿設されている。第1リーフバルブ41及び後記する第2リーフバルブ42は、軸心側に嵌入されたバルブ保持部材44の両端の加締部44a,44bを加締めることによって、第1リーフバルブ41が摺動ピストン4の上面(弁座面4d)に固定され、第2リーフバルブ42が摺動ピストン4の下面に固定されている。
≪第2リーフバルブの構造≫
第2リーフバルブ42(バルブ)は、この第2リーフバルブ42が有する弾性力に対して、第3連通路4bを通過する第1作動室21側からの流体の圧力によって第2リーフバルブ42に働く力が大きくなると開弁して、第1作動室21内の液体が、第3連通路4bを通って第2作動室22側に流動するのを許容する弁体である。第3連通路4bの第2作動室22側の開口端が第2リーフバルブ42の弁座となっている。
この第2リーフバルブ42は、中央部にバルブ保持部材44が嵌入する孔が穿設された金属製薄板部材を、前記第1リーフバルブ41と同様に、液体の流れに適宜な弾性力(抵抗力)を発生させるために、複数重ねて組み付けられる。
第2リーフバルブ42は、例えば、外径が第3連通路4bの開口端を閉塞する大きさで平坦な形状に形成された3枚の中径弁体42a,42b,42cと、これらの中径弁体42a,42b,42cより小径で裾広がりのスカート状(皿座金状)に形成された小径弁体42dと、を重ねてなる。
第2リーフバルブ42は、中径弁体42a,42b,42cの下に、閉弁する方向にばね性を有する小径弁体42dを重ねて配置し、バルブ保持部材44の加締部44a,44bによって摺動ピストン4の下面に押し付けて平らな状態になるように弾性変形した状態に挟持して組み付けられている。このため、摺動ピストン4に組み付けられた第2リーフバルブ42は、小径弁体42dによって第3連通路4bを閉塞する方向へ自動戻りする適宜な弾性力を有し、平常時、その弾性力によって閉弁状態になっている。
≪摺動部の構成≫
図2及び図3に示すように、前記摺動部43は、摺動ピストン4の貫通孔4cに内設されて摺動ピストン4と第1リーフバルブ41と第2リーフバルブ42とを軸方向で挟持するためのバルブ保持部材44と、ピストンロッド3の外周面3eを摺動して第2連通路3fを開閉させる弁体の機能を果たすスライドブッシュ45と、を一体形成してなる。
<バルブ保持部材の構成>
バルブ保持部材44は、第1リーフバルブ41及び第2リーフバルブ42を第1連通路4a及び第3連通路4bに対して開閉可能に摺動ピストン4に固定するための部材である。バルブ保持部材44は、両端部に、それぞれ加締部44a,44bを有するボビン形状の金属製部材からなる。このバルブ保持部材44は、径方向内側から摺動ピストン4、第1リーフバルブ41及び第2リーフバルブ42内に嵌入されて、両端を外側に向けて折曲してフランジ状に形成された加締部44a,44bによって、第1リーフバルブ41及び第2リーフバルブ42の軸心側を摺動ピストン4に固定している。このため、バルブ保持部材44は、摺動ピストン4の軸方向の全体の長さを短くして小型化することができる。
上側の加締部44aには、第3連通路4b及び第1リーフバルブ41の流体流動孔41aに連通する連通孔44cと、第1リーフバルブ41が流体に押圧されて開弁した際に湾曲する度合いを適宜に規制すると共に、第1連通路4a内を流動する液体の流動抵抗を調整するための規制部44dと、付勢手段51の下端を支持するばね受け面44eと、が形成されている。
下側の加締部44bには、第2リーフバルブ42が流体に押圧されて開弁した際に湾曲する度合いを適宜に規制すると共に、第3連通路4b内を流動する液体の流動抵抗を調整するための規制部44fが形成されている。その規制部44fは、第3連通路4bの下側開口端に僅かな隙間を介して離間して形成されている。
<スライドブッシュの構成>
スライドブッシュ45は、バルブ保持部材44に内嵌されてピストンロッド3の外周面3eに摺接して摺動する内周面を有する滑動部材としての機能も果たす円筒状の部材である。このスライドブッシュ45は、例えば、4フッ化エチレン樹脂等の摺動抵抗が小さく、滑動性のよい材料によって形成されている。スライドブッシュ45は、摺動ピストン4と一体に動くバルブ保持部材44とピストンロッド3の小径部3cとの間に介在されて、両者間の摺動抵抗を低減させることができるようになっている。スライドブッシュ45は、摺動ピストン4に対して上下動した際に、第2連通路3fの開口部3g,3hの開度を可変させて開閉させる弁体の役目も果たす。なお、バルブ保持部材44とスライドブッシュ45とは、1つの部材で形成してもよい。
<ピストンリングの構成>
ピストンリング46は、摺動ピストン4の外周面に固着されて、シリンダ2の内周面に摺接する略円柱状の部材である。ピストンリング46は、摺動ピストン4が車両の振動に伴ってシリンダ2内を上下方向に摺動する際に、気密性を保つと共に、摩擦抵抗を低減させるための部材である。
≪ピストン変位量調整手段の構成≫
図2及び図3に示すように、ピストン変位量調整手段5は、ピストンロッド3の移動速度に応じて摺動ピストン4のピストン変位量を調整して減衰力を連続的に変化させるための装置である。ピストン変位量調整手段5は、後記する付勢手段51と、第1リーフバルブ41、第1連通路4a、前記摺動部43等を有する摺動ピストン4と、前記第2連通路3f、小径部3c等を有するピストンロッド3と、を備えて構成され、第1作動室21と第2作動室22との間に配置されている。
このピストン変位量調整手段5は、摺動ピストン4の摺動状態に応じて第2連通路3fによる第1作動室21と第2作動室22との間の連通状態を調整することができるようになっている。また、ピストン変位量調整手段5は、ピストンロッド3の移動速度に応じて、摺動ピストン4が付勢手段51による付勢力に抗して摺動し、第2連通路3fの第1作動室21または第2作動室22に面している開口部3g,3hの面積(開度)を調整することができるようになっている。
<付勢手段の構成>
図2及び図3に示すように、付勢手段51は、摺動ピストン4を摺動方向と反対の方向へピストンロッド3の軸方向に押圧する弾性部材であり、例えば、円筒コイルばねからなる。付勢手段51は、ピストンロッド3の小径部3cに伸縮自在に遊嵌されて、上端部が、ピストンロッド3の段差部3bに係止されたスプリングシート6を上側方向へばね力で押圧した状態に設けられて、下端側が、バルブ保持部材44の上側の加締部44aを下方向へ押圧した状態に組み付けられている。この付勢手段51は、摺動ピストン4の上側のスプリングシート6とバルブ保持部材44との間に圧縮された状態に介在されているので、ピストンロッド3に、この付勢手段51を圧縮させる方向の入力荷重がかかった際の減衰力を可変可能にしている。
<スプリングシートの構成>
前記スプリングシート6は、付勢手段51の上端部を支持するばね受けであり、ピストンロッド3の小径部3c及び段差部3bに当接するように外嵌される略円板状の金属製部材からなる。スプリングシート6には、小径部3cに摺動可能に外嵌される筒部6aと、段差部3bに当接して付勢手段51の上端を受け止めるフランジ部6bとが形成されている。
<締結部材の構成>
前記締結部材7は、前記小径部3cに移動可能に外嵌したスプリングシート6、付勢手段51及び摺動ピストン4を、段差部3bとで挟持するための部材である。この締結部材7は、第2連通路3fの開口部3gを開閉するバルブ機能を果たす摺動ピストン4の下方への移動を抑制するストッパの機能も備えている。締結部材7は、ピストンロッド3の雄ねじ部3dに螺合されるナットからなる。
≪減衰力可変ダンパの作用≫
次に、図2及び図3を主に参照しながら本発明の実施形態に係る減衰力可変ダンパの組付け及び作用を説明する。
図2及び図3に示すように、減衰力可変ダンパ1を組み付ける場合、バルブ保持部材44は、予め、スライドブッシュ45を内嵌させておくと共に、上側の加締部44aをフランジ状に折曲加工しておく。このバルブ保持部材44に下側から第1リーフバルブ41、ピストンリング46を一体成形した摺動ピストン4、第2リーフバルブ42を順に嵌入して下側の加締部44bを加締める。これにより、摺動ピストン4には、上面に第1リーフバルブ41が固定され、下面に第2リーフバルブ42が固定される。
次に、ピストンロッド3の小径部3cに下側からスプリングシート6、付勢手段51、前記摺動ピストン4を順に外嵌させ、締結部材7の雌ねじ部をピストンロッド3の雄ねじ部3dに螺着する。これにより、減衰力可変ダンパ1のピストン部位の組み付けが完了する。
このように、減衰力可変ダンパ1は、ピストンロッド3に対して摺動ピストン4等の各部品を同じ軸方向に向けて組み付けて、1つの締結部材7で締結する構造になっているため、自動組付機械によって容易に自動組み付けすることが可能である。
また、減衰力可変ダンパ1は、減衰力可変ダンパ1用のピストンが1つの摺動ピストン4のみからなるので、部品点数及び組付工数が少なく、摺動ピストン4の軸方向の長さを短くすることができる。
さらに、第1リーフバルブ41及び第2リーフバルブ42は、金属製板部材を折曲して形成したバルブ保持部材44の加締部44a,44bで固定されているため、摺動ピストン4の厚さを薄くして、軸方向の長さを短くすることができる。
≪減衰力可変ダンパの動作≫
次に、図5〜図7を主に参照しながら本発明の実施形態に係る減衰力可変ダンパ1の動作に関して、圧縮状態を例に挙げて説明する。
図5は本発明の実施形態に係る減衰力可変ダンパの作動を示す図であり、(a)はピストンロッドの入力荷重が小さいときの状態を示す要部拡大断面図、(b)はピストンロッドの入力荷重が大きいときの状態を示す要部拡大断面図である。図6は、本発明の実施形態に係る減衰力可変ダンパにおける減衰力及びピストン速度と時間の関係を示すグラフである。図7は、本発明の実施形態に係る減衰力可変ダンパにおける減衰力と時間の関係を示すグラフである。
≪ピストンロッドの入力荷重が小さい場合のピストン速度≫
始めに、図5(a)及び図6を参照して、減衰力可変ダンパ1のピストンロッド3の下方向への入力荷重(変位速度)が小さいときの状態について説明する。
図5(a)に示すように、ピストンロッド3の下方向への入力荷重が小さい場合、ピストンロッド3が、スプリングシート6を介在して付勢手段51を圧縮する押圧力が小さいため、付勢手段51が圧縮されてピストン変位量調整手段5の第2連通路3fの開口部3gを開放させるバルブ開放ポイントに達していない。
このため、第2作動室22内の流体が摺動ピストン4を上方向へ向けて押圧する押圧力(反力)も小さく、摺動ピストン4はピストンロッド3に対して停止したままの状態であり、第2連通路3fの第1作動室21側の開口部3gが閉塞された閉弁状態になっている。
このため、摺動ピストン4は、ピストンロッド3と共に僅かに下降して第2作動室22側の流体を押圧する。その第2作動室22側の流体は、摺動ピストン4の移動量に伴って反力が小さく、第1リーフバルブ41を開弁させる上方向へ弱い押圧力で押圧する。第1リーフバルブ41は、第2作動室22内の流体の反力で押圧されて開弁する。第2作動室22側の流体は、第1リーフバルブ41の開弁によって、この第1リーフバルブ41自体が備えている閉弁方向の弾性力に抗して、第1リーフバルブ41を上方向へ押圧して湾曲させて、第1作動室21側に流れる。
これにより、減衰力可変ダンパ1は、図6の減衰力特性曲線A1に示すように、流体が第1リーフバルブ41を通るときの流路抵抗によって、ピストンロッド3の入力荷重に応じた小さな減衰力が発生する。この場合、第1リーフバルブ41の弁座部分の開口面積(開度)が、規制部44fによって規制されて小さく、そこを流れる流体の流量が少ない。このため、摺動ピストン4の下側の第2作動室22側の流体が、上側の第1作動室21側へ流れて移動するのに時間がかかるため、摺動ピストン4のピストン速度は、図6のピストン速度特性曲線B1に示すように、流体の流動抵抗によって遅くなっている。
≪ピストンロッドの入力荷重が大きい場合のピストン速度≫
次に、図5(b)及び図6を参照して、減衰力可変ダンパ1のピストンロッド3の入力荷重(変位速度)が大きく、ピストン変位量調整手段5の第2連通路3fの開口部3gが開弁するバルブ開放ポイントに達したときの状態について説明する。
図5(b)に示すように、ピストンロッド3の下方向への入力荷重が大きい(移動速度が速い)場合、ピストンロッド3及びスプリングシート6が下方向へ移動することによって、付勢手段51を介して摺動ピストン4を下方向へ押圧し、第2作動室22内の流体が摺動ピストン4を上方向へ押圧する押圧力(反力)が大きくなる。このため、第2作動室22の流体が摺動ピストン4を上側へ押圧する反力が大きくなって、付勢手段51のばね力に打ち勝つと、付勢手段51が圧縮されて、摺動ピストン4がピストンロッド3に対して上昇する。
このように、ピストン変位量調整手段5の付勢手段51は、ピストンロッド3に対向する摺動ピストン4の摺動量に応じて圧縮されて、付勢力が連続的に変化する(図6の減衰力特性曲線A1,A2参照)。このため、減衰力特性変化時の固さ感が抑制されて、乗り心地を向上させることができる。
このとき、第1リーフバルブ41は、第1連通路4aを流動する流体によって押し曲げられて、前記した開弁状態が維持されている。そして、前記第2作動室22内の流体の上方向への押圧力(反力)は、付勢手段51に抗して摺動ピストン4をピストンロッド3に対して上昇させる。
すると、摺動ピストン4は、締結部材7から離間して、第2連通路3fの下側の開口部3gを閉塞していたスライドブッシュ45がその開口部3gを開口させて開弁させ、第2作動室22内の流体を、第2連通路3fを通って第1作動室21側に流動させる。
また、摺動ピストン4がピストンロッド3に対して摺動したことによって、摺動ピストン4のピストン速度は、その摺動した分だけ、ピストンロッド3の移動速度に対してピストン速度が遅くなる。
つまり、摺動ピストン4が流体の反力で上方向へ摺動しているときに、第2作動室22側の流体が第2連通路3fを通って第1作動室21側に流れることによって、摺動ピストン4の第1連通路4a内を上方向へ流動する流体のバルブ流量が瞬間的に減少する。これに伴って、ピストンロッド3の移動速度に対してピストン速度も遅くなる。
このため、減衰力の立ち上がりは、図6に示すように、減衰力特性曲線A3が緩やかなカーブを描くようになだらかに変化するため、乗り心地を向上させることができる。
車両が路面の大きな凹凸等を乗り越える際に、所定値(付勢手段51を圧縮させて開口部3gを開放させるバルブ開放ポイント)を超える大きな入力荷重が入って、摺動ピストン4が摺動する場合に、流体を第2連通路3fにも流れるようにさせることによって、第1連通路4aを通過する流体の流量を瞬間的に減少させることができる。このため、摺動ピストン4の摺動速度をピストンロッド3に対して遅くさせて、減衰力の立ち上がりをなだらかにすることができる。これにより、路面に大きな凹凸がある未整備の道路等を走行中に凹凸を乗り越えるときに、ピストン速度と減衰力とが急激に上昇するのを低減させて、乗り心地を向上させることができる。
このように、減衰力可変ダンパ1は、車両が路面の大きな凹凸等を乗り越える際の大きな入力荷重が入った場合に、摺動ピストン4の摺動状態に応じて第2連通路3fを開放させて、第1作動室21と第2作動室22との間の連通状態を調整するピストン変位量調整手段5を備えたことによって、立ち上りの傾きを低減させることができる。このため、図7に示すように、減衰力特性曲線Cは、前記特許文献1の示すような従来のダンパの減衰力特性曲線Dと比較して、緩やかなカーブを描く段付き感のない減衰力に変化させることができ、段付き感を低減させることができる。
また、減衰力可変ダンパ1は、摺動ピストン4を軸方向に付勢して摺動ピストン4の動きを規制する付勢手段51を備えたことによって、付勢手段51の伸縮量に応じて、摺動ピストン4とピストンロッド3との位置関係、さらには、摺動ピストン4と開口部3gとの位置関係が定まるようになっている。このため、第2連通路3fの第2作動室22に面している開口部3gの面積(開度)を調整して、開口部3gの開き具合によって、流体が開口部3gを流れる流量、流動抵抗及びピストン変位量を調整することができる。
その結果、減衰力可変ダンパ1の減衰力の変位をなだらかにして固さ感が出るのを抑制して、快適な乗り心地にすることができる。
以上のように減衰力可変ダンパ1の動作をピストンロッド3の圧縮状態を例に挙げて説明したが、引っ張り状態のときは、第2リーフバルブ42が作動して減衰力を調整する。
[変形例]
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で種々の改造及び変更が可能であり、本発明はこれら改造及び変更された発明にも及ぶことは勿論である。
図8は、本発明の実施形態に係る減衰力可変ダンパの変形例を示す作動図であり、(a)はピストンロッドの入力荷重が小さいときの状態を示す要部拡大断面図、(b)はピストンロッドの入力荷重が大きいときの状態を示す要部拡大断面図である。
前記実施形態では、図2及び図3に示すように、ピストンロッド3に形成された第2連通路3fの一例として、ピストンロッド3の小径部3cの外周面3eに形成した溝状の第2連通路3fを設けたことを説明したが、これに限定されるものではない。
図8(a)、(b)に示すように、例えば、第2連通路3iは、ピストンロッド3に断面エ字状に形成して、下側の横穴状の開口部3jと上側の横穴状の開口部3kとを縦穴状の連通孔3mで連通させてもよい。つまり、第2連通路3iは、下側の開口部3jと上側の開口部3kとがあればよく、ピストンロッド3の内部を通過するように形成しても構わない。
この場合、下側の開口部3jは、図8(a)に示すように、平常時及びピストンロッド3の入力荷重が小さいときに、摺動ピストン4の摺動部43のスライドブッシュ45で閉塞され、図7(b)に示すように、ピストンロッド3の入力荷重が大きいときに、開放されるようにすればよい。
また、第1リーフバルブ41及び第2リーフバルブ42は、第1連通路4a及び第2連通路4bを適宜な押圧力で押圧して閉塞させる適宜な弾性を有するものであればよく、その形状及び材質等は特に限定されるものではない。
1 減衰力可変ダンパ
2 シリンダ
3 ピストンロッド
3e 外周面
3f,3i 第2連通路
3g,3h,3j,3k 開口部
4 摺動ピストン
4a 第1連通路
4b 第3連通路
5 ピストン変位量調整手段
21 第1作動室
22 第2作動室
41 第1リーフバルブ(バルブ)
42 第2リーフバルブ(バルブ)
43 摺動部
44 バルブ保持部材(摺動部)
45 スライドブッシュ(摺動部)
51 付勢手段

Claims (3)

  1. 車両の懸架装置に用いられ減衰力を可変にする減衰力可変ダンパであって、
    内部を流体で満たしたシリンダと、
    前記シリンダの一端を貫通するように設けられるピストンロッドと、
    前記シリンダの内部で前記ピストンロッドに対して相対移動可能に設けられると共に、前記シリンダの内部を第1作動室と第2作動室とに区画する摺動ピストンと、
    前記摺動ピストンに形成され、前記第1作動室と前記第2作動室との間を連通させる第1連通路と、
    前記第1連通路を開閉するバルブと、
    前記ピストンロッドの移動速度に応じて、前記摺動ピストンのピストン変位量を調整するピストン変位量調整手段と、を備え
    前記ピストンロッドは、前記第1作動室と前記第2作動室との間を連通させる第2連通路を前記摺動ピストンの径方向内側の当該ピストンロッドの外周部に配置し、
    前記摺動ピストンは、当該摺動ピストンと前記バルブとを軸方向で挟持すると共に、径方向内側から両者を嵌合し、前記ピストンロッドの外周面を摺動して前記第2連通路を開閉させる摺動部を備え、
    前記ピストン変位量調整手段は、前記摺動ピストンまたは前記ピストンロッドに支持され、前記摺動ピストンを軸方向に付勢する付勢手段を備え、前記摺動ピストンの摺動状態に応じて前記第2連通路による前記第1作動室と前記第2作動室との間の連通状態を調整すると共に、
    前記ピストンロッドの移動速度に応じて、前記摺動ピストンが前記付勢手段による付勢力に抗して前記ピストンロッドに対して摺動し、前記第2連通路の前記第1作動室または第2作動室に面している開口部の面積を調整することを特徴とする減衰力可変ダンパ。
  2. 前記ピストン変位量調整手段は、前記ピストンロッドに前記第2連通路の前記開口部が開弁するバルブ開放ポイントを超える入力荷重が入ったときに、前記第1作動室または前記第2作動室内の液体が、前記摺動ピストンを前記付勢手段に抗して押圧して前記第2連通路の前記開口部を開弁させることを特徴とする請求項1に記載の減衰力可変ダンパ。
  3. 前記摺動ピストンは、前記第1作動室と前記第2作動室との間を連通させる第3連通孔と、
    この第3連通孔を開閉する第2バルブと、
    前記摺動ピストンの中心部に穿設された貫通孔の内壁面に内嵌されたボビン形状のバルブ保持部材と、を有し、
    前記バルブ保持部材は、軸方向の両端を外側に向けて折曲してフランジ状に形成された加締部によって、前記バルブ及び第2バルブの軸心側を前記摺動ピストンに固定していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の減衰力可変ダンパ。
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