JPH09177860A - 油圧緩衝器のバルブ構造 - Google Patents

油圧緩衝器のバルブ構造

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JPH09177860A
JPH09177860A JP35029395A JP35029395A JPH09177860A JP H09177860 A JPH09177860 A JP H09177860A JP 35029395 A JP35029395 A JP 35029395A JP 35029395 A JP35029395 A JP 35029395A JP H09177860 A JPH09177860 A JP H09177860A
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valve
piston
diameter
leaf valve
peripheral side
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JP35029395A
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English (en)
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Tatsuya Masamura
辰也 政村
Kenji Kitamura
健司 北村
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KYB Corp
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Kayaba Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 微低速域と中速域以上の減衰力を独立設定し
微低速域の減衰力を発生するリーフバルブの応力を低減
し、ピストン又はベースバルブケースのシート面の段差
管理を必要としないバルブを提供する。 【解決手段】 内径がサポート108によって案内され
且つ内周側下面が撓みの支持点となるディスク110に
よって支持される大径リーフバルブ109の外周側を、
円環状シート面107Cに当接させて第1の圧力室10
7Dを形成する一方、オリフィス110A及びそれに連
なる円環状開口窓110Bを有するディスク110と、
カンザ112によって内周側下面が支持される小径リー
フバルブ111を案内部材113に順次同芯状に組み付
け、ディスクの円環状開口窓110Bをその下面に対向
して積層配置された小径リーフバルブ111に当接させ
て第2の圧力室110Bを形成し、これら第1及び第2
の圧力室が下部室Cに並列に解放されるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車の懸架装置な
ど車体の振動を抑制する油圧緩衝器の減衰力を発生する
バルブ構造の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の油圧緩衝器としては、例えば図
5に示す特開平2−93136に開示されたものが開発
されている。まず構造の概要を図5に基づいて説明す
る。車体と車輪との間に結合部材を介して取付けられる
油圧緩衝器は、ピストンロッド8にピストンバルブ5を
組み付け、それを摺動自在に収容するとともに下端部に
ベースバルブ4を装着したシリンダ1を外筒6に収容
し、外気を遮断するシール3とロッドガイド2を外筒6
の上部から嵌挿した後、外筒6の上端部を全周カシメ等
により密封して形成されている。そして、シリンダ1と
外筒6の間にはタンク室7が形成される。
【0003】作動油の充満したシリンダ1内をピストン
ロッド8が上昇する際には、密閉されたピストン上部室
1aの作動油は、ピストンバルブ5を介して、ピストン
下部室1bに流出し、この際の通路抵抗が伸長側減衰力
となる。ピストンロッド8の上昇によって不足するピス
トンロッド退出体積分の作動油は、前記シリンダ1の下
端部に配設されたベースバルブ4に取付けられている吸
い込み弁4gを介してタンク室7より吸入される。
【0004】次に、この油圧緩衝器の作動を、主にピス
トン部について説明する。ピストンロッド8の下端部に
は上部よりも小径のインロー部8bが設けられ、ここに
リテーナ5a,チェックプレート5b,ピストン5c,
1段目リーフバルブ5d,ワッシャ5e,ストッパプレ
ート5f,2段目リーフバルブ5g,ワッシャ5h,カ
ラー5j,スプリングシート5k,アシストスプリング
5mを順次挿入し、最後に締付けナット5nにより締結
されてピストンバルブ5が構成されている。
【0005】シリンダ1内をピストン上部室1aとピス
トン下部室1bに区画するピストン5cには、外周側に
第1連通路502及び内周側に第2連通路503が形成
されている。上記第2連通路503の下端部外周には第
1シート面505が形成され、内周が固定された1段目
リーフバルブ5dの外周側が当接し、第2連通路503
を開閉可能にしている。1段目リーフバルブ5dは小径
のワッシャ5eの外径が撓みの支持点とされ且つこのワ
ッシャ5eの厚み分だけ撓むとストッパプレート5fに
当接して、開弁変位が制限されるようになっている。
【0006】更にその下流側には第2シート面506が
形成され、アシストスプリング5mに付勢された2段目
リーフバルブ5gが当接している。そして、この第2シ
ート面506には、オリフィス508が形成され、内外
部を連通している。 なお、前記1段目リーフバルブ5
dの開弁時の上流側と下流側との差圧は、1段目リーフ
バルブ5dの撓み剛性に対応するとともに、ピストンロ
ッドの伸長速度が微低速であっても開弁するように構成
されている。
【0007】ピストンロッド8が伸長する伸び行程にお
けるピストン速度の微低速〜低速域では1段目リーフバ
ルブ5dが押し開かれ、第2シート面に形成されたオリ
フィス508を通過する流れとすることで、特に微低速
域で立上りの良いリニアな減衰力特性を得ることができ
る。又、中速域を越えるピストン速度域では、2段目リ
ーフバルブ5gの上流側と下流側の差圧が増大し、アシ
ストスプリング5mによる付勢力に打ち勝って、2段目
リーフバルブ5gが開弁し、1段目と2段目のリーフバ
ルブ5d,5gが直列になって作動する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術で説明した
特開平2−93136にあっては、1段目と2段目のリ
ーフバルブ5d,5gが直列に構成されているため、微
低速〜低速域にあっては1段目のリーフバルブ5dが開
弁し、第2シート面に形成されたオリフィス508を作
動油が通過するが、中速域以降は1段目と2段目のリー
フバルブ5d,5gが双方とも開弁する。
【0009】このため、中速域を越えるピストン速度域
では、1段目と2段目のリーフバルブ5d,5gの通過
抵抗の和に相当する減衰力となり、微低速域と中速域の
減衰力を独立して設定できない(例えば、微低速域の減
衰力のピストン速度に対する増加率を急にして、中速域
以降の減衰力のピストン速度に対する増加率を緩やかに
することはできない)という問題があった。次に1段目
と2段目のリーフバルブ5d,5gが直列に構成されて
いるため、油圧緩衝器の作動時には作動油の全流量が常
に1段目のリーフバルブ5dを通過するのであるが、1
段目のリーフバルブ5dは、構造上の制約から2段目の
リーフバルブ5gよりも外径が小さく、板厚を薄くして
撓み剛性を小さくしなければならないため、リーフバル
ブに加わる応力が高くなり強度的に不利となる。
【0010】更にピストンのシート面が505及び50
6の2段となり、双方のシート面間には1段目のリーフ
バルブ5dとその外径部の開弁リフト量を保証するワッ
シャ5e及びストッパプレート5fを収容するための段
差が必要であるが、これらの部材のうち特に1段目リー
フバルブ5dのトータル厚さについては、微低速の減衰
力仕様により異なるものとなるため、ピストン5cの段
差違いを何種類か用意し、減衰力仕様に合わせて使用す
る所謂段差管理が必要となる。
【0011】本発明は以上の様な実情に鑑みてなされた
ものであり、その目的とするところは、微低速域と中速
域以上の減衰力を独立して設定できるようにするととも
に、微低速域の減衰力を発生するリーフバルブの応力を
低減し、且つピストンシート面の段差管理を必要としな
い油圧緩衝器のバルブ構造を提供することである。
【0012】
【問題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めに本発明の採った手段は、「ピストンロッドの下端部
に組付けられシリンダ内をピストン上部室とピストン下
部室に区画するとともに、シリンダ内を伸縮自在に案内
されて伸長側減衰力を発生するピストンバルブと、前記
シリンダのピストン下部室の開口端に設けられ圧縮側の
減衰力を発生するベースバルブとを有してなる油圧緩衝
器において、当該減衰力発生バルブの主要部材であるピ
ストン又はベースバルブケースの下面に一条の円環状シ
ート面を設け、内径がサポートによって案内され且つ内
周側下面が撓みの支持点となるディスクによって支持さ
れる大径リーフバルブの外周側を、前記一条の円環状シ
ート面に当接させて第1の圧力室を形成する一方、その
下面にオリフィス及びそれに連なる円環状開口窓を有す
るディスクと、カンザによって内周側下面が支持される
小径リーフバルブを案内部材に順次同芯状に組み付け、
当該案内部材を介して前記ピストン又はベースバルブケ
ースに締結することにより、前記ディスクの円環状開口
窓をその下面に対向して積層配置された小径リーフバル
ブに当接させて第2の圧力室を形成するとともに、これ
ら第1及び第2の圧力室が大径リーフバルブ及び小径リ
ーフバルブを介して下部室に並列に解放されるように構
成したこと」である。
【0013】
【発明の実施の形態】次に本発明に係る油圧緩衝器のバ
ルブ構造を図1(A)に示す実施形態について説明する。
ピストンロッド101がシリンダ104に対して伸長す
る所謂伸び行程の場合に、ピストン上部室Aの作動油が
ピストンバルブPVを通ってピストン下部室Bに移動す
る際の通路抵抗が伸長側減衰力となるのに対し、ピスト
ンロッド101が下降する所謂収縮行程の場合には、ピ
ストンロッド101のピストン下部室Bへの侵入体積分
の作動油は、シリンダ104の下部に装着されたベース
バルブBVを通って下部室Cに移動し、その際の通路抵
抗が圧縮側減衰力となる。本願の場合はピストンバルブ
PVとベースバルブBVの減衰力を発生するバルブ部分
はほぼ同一であるので、主にベースバルブBVについて
説明する。
【0014】ガイド113の上端がカシメられていない
部品状態において、ガイド113のバルブ案内部にカン
ザ112,小径リーフバルブ111,ディスク110,
サポート108,大径リーフバルブ109を順次組み付
けた後、ベースバルブケース107,ノンリタンバルブ
114,ノンリタンスプリング115,ストッパ116
を組み付け、ガイドの下面をカシメ加工機の基台に固定
したうえでストッパ116を上面から一定荷重で押えな
がらガイド113の先端を113Aに示す形状にカシメ
加工することによりベースバルブBVが形成される。サ
ポート108は、図1(B)に示すように突出部108B
で大径リーフバルブ109の内径を支持するとともに、
その厚さで大径リーフバルブ109に所定の初期撓みを
与える。またサポートの切欠き108Aをディスクのオ
リフィス110Aに位置合わせして組み付けることによ
り作動油の通路を確保する。ディスク110は、その外
径がピストン速度の中速域以降における大径リーフバル
ブの撓みの支持点となってベースバルブケースの下面に
第1の圧力室107Dを形成する一方、下面の円環状開
口窓110Bを小径リーフバルブ111と対向させて第
2の圧力室を形成している。ガイド先端のカシメ113
Aは締結の一手段であるので、例えばガイド先端の小径
部にに加工した雄ネジにナットを螺合する所謂ネジ結合
に置き換えることも自由である。
【0015】パッキンケース102の大径部に嵌挿され
たロッドガイド103に出没自在に案内されるピストン
ロッド101の下降によるピストン下部室Bへのピスト
ンロッド侵入体積分の作動油は、ノンリタンバルブの連
通孔114Aを通り、ベースバルブケースの内周ポート
107Aを経て、第1の圧力室107Dに導かれる。ピ
ストンロッドの下降速度即ちピストン速度の遅い微低速
〜低速域では第1の圧力室107Dと下部室Cの圧力差
は小さいので、第1の圧力室107Dの作動油はディス
クのオリフィス110Aを通り、小径リーフバルブ11
1に対向する円環状開口窓110Bに導かれ撓み剛性を
小さく設定された小径リーフバルブ111を押し開いて
下部室Cに流れ、この際の通路抵抗により微低速〜低速
域減衰力を発生する。ピストンロッド101の下降によ
り負圧となるピストン上部室Aには、ピストンの外周通
路106Bを経てピストン下部室Bから作動油が補充さ
れる。
【0016】微低速域では、前記ディスクに設けたオリ
フィス110Aを通過する作動油の流量も少ないため、
オリフィス110A前後の圧力差は殆ど発生しないので
あるが、オリフィス下流の小径リーフバルブ111を押
し開く際には、少流量であっても撓み剛性に見合った通
路抵抗が発生するので、立上りの良いリニアな減衰力を
得ることができる。
【0017】ピストン速度が増大するに伴いとオリフィ
ス110Aを通過する流量も増え、中速域に近づくにつ
れ第1の圧力室107Dと下部室Cの圧力差が大きくな
るので、第1の圧力室107Dの作動油は、初期撓みを
与えられた大径リーフバルブ109の撓み剛性に打ち勝
ち、ベースバルブケース下面のシート面107Cから大
径リーフバルブ109の外周部を押し開いて下部室Cに
流出し、この際の通路抵抗により中速域以降の減衰力を
発生する。即ち上流側の大径リーフバルブ109と下流
側の小径リーフバルブ111は構造的には直列に積層さ
れているが、ピストン速度が増大しディスクに設けたオ
リフィス110Aの前後の圧力差が設定圧力を越える
と、大径リーフバルブ109自体がベースバルブケース
下面のシート面107Cから押し開かれて減衰力発生弁
として作動するため、オリフィス110Aの前後の圧力
差はそれ以上には増えず、ピストン速度が更に増大して
も、小径リーフバルブ111へ流れる流量は一定とな
る。そこで、まず微低速〜低速域の減衰力をオリフィス
110Aの面積及び小径リーフバルブ111の板厚と枚
数により設定し、次に大径リーフバルブ109の板厚及
びベースバルブケースの内周ポート107Aの面積によ
り中速域以降の減衰力を設定することができる。即ち両
者は機能的には並列構成であるため減衰力を独立して設
定することが可能となるのである。
【0018】前記従来技術で説明した特開平2−931
36のバルブ構造では、1段目、2段目のリーフバルブ
5d,5gが直列に構成されているために1段目のリー
フバルブ5dには微低速域から高速域の全流量が流れる
が、上記の実施形態においては、小径バルブ111に全
流量が流れるのは微低速〜低速域に限られ、しかも前述
の如く、オリフィス110Aにより制限された一定流量
を超えないため、全速度域に亘り全流量が通過する従来
技術の場合に比べ小径リーフバルブ111の応力を低減
することができる。更にベースバルブケース107の下
面には一条の円環状シート面107Cのみを設け、従来
技術でみられた第一シート面を廃止したために、当然の
ことながら、シート面間の段差管理は不要となり、製造
コストを低減することができる。
【0019】ピストンロッド101が伸長する伸び行程
においては、ピストンロッドの退出体積分の作動油が、
ベースバルブケースの外周通路107Bを経てノンリタ
ンスプリング115に付勢されたノンリタンバルブ11
4を押し開いて、下部室Cから負圧となるピストン下部
室Bに補充される。ピストンの内周通路106Aを通っ
て、作動油がピストン上部室Aからピストン下部室Bに
移動する際の通路抵抗に基づいて伸長側減衰力を発生す
るピストンバルブPVについては、前述のベースバルブ
BVの場合と同様に大径リーフバルブ120,サポート
121,ディスク122,小径リーフバルブ123,カ
ンザ124,ストッパ125等の部品で構成され、各部
品の作用効果ともに同一であるので説明は省略する。ベ
ースバルブBVがガイド先端のカシメ加工により締結さ
れているのに対し、ピストンバルブPVはピストンナッ
ト126によりネジ結合されているが、これは締結の一
手段であるので、例えばカシメ加工に置き換えることも
自由である。
【0020】図1(A)に示す実施形態の場合は、サポー
トの切欠き108Aとディスクのオリフィス110Aと
の位置合わせが必要であったが、図2(A)に示す実施形
態は、この点に配慮して上記位置合わせを廃止するとと
もにディスクの組み付け性を改善したものである。即ち
図1(B)に示すサポート108の突出部108Bを廃止
して円筒状のスペーサ201とする一方、図2(B)に示
す様に大径リーフバルブ203の内周側に少なくとも3
個の支持脚203Aを設けて当該支持脚をスペーサ20
1の外径で案内するとともに、支持脚間の開口部203
Bをディスク202への連通路としたものである。ディ
スク202には小径リーフバルブ111と対向させて第
2の圧力室を形成する円環状開口窓202Bが上下両面
に設けられて、上下の誤組み付けを防止するとともに、
上下の円環状開口窓の間にはオリフィス202Aが設け
られ小径リーフバルブ111への流量を制限している。
ピストンバルブについてもスペーサ211とディスク2
12及び大径リーフバルブ213を用いて同じ目的を達
成することができる。
【0021】図1(A)に示す実施形態の場合は、サポー
ト108とディスク110は別部品であるのと、大径リ
ーフバルブ109がガイド113に直接支持されていな
いため、組み付け途上で大径リーフバルブ109の内径
部がガイド113に対して芯ずれして、サポート108
とディスク110の間に噛み込まれたままガイド113
の上端がカシメられた場合には、減衰力発生弁として機
能しなくなる可能性があったが、図3(A)に示す実施形
態は、この点に配慮して大径リーフバルブ109の組み
付け性を改善したものである。即ち図1(A)に示すサポ
ート108とディスク110を一体化したディスク30
1とすることにより、上述した大径リーフバルブの噛み
込みを防止するとともに、図3(B)に示すようにディス
クの切欠き部301Aに対してオリフィス301Bを部
品の段階で位置合わせ加工することにより、組み付け時
の位置合わせを不要としたものである。ピストンバルブ
についても一体化したディスク302を用いて同じ目的
を達成することができる。
【0022】図1(A)に示す実施形態の場合は、ディス
ク110には小径リーフバルブ111への流量を制限す
るオリフィス110Aと第2の圧力室となる円環状開口
窓110Bとが設けられていたが、図4に示す実施形態
はオリフィスと第2の圧力室となる開口窓を形成する他
の実施形態を示すものである。まずオリフィスについて
は図4(B)に示すごとくスペーサ401により内径部が
案内される大径リーフバルブ403の内周側に形成した
切欠きオリフィス403Aとしたものである。切欠きオ
リフィス403Aにより流量が制限されるのと、初期撓
みによって形成される大径リーフバルブ403の内周側
下面とディスク402間の隙間が開口窓への通路となる
ため、切欠きオリフィス403Aと開口窓との位置合わ
せは必ずしも必要ではない。上記の開口窓については、
ディスクに同心円上に等分して配置した図4(C)に示す
円形開口窓402Aのほか図4(D)に示すような円弧状
開口窓402Bとしてもよく、いづれの場合も小径リー
フバルブ111と対向させて第2の圧力室とするもので
ある。このディスク形状によれば、表裏とも同一形状で
あるためプレス成形が容易になるほか、誤組み付けを無
くすることができる。また図示はしていないがスペーサ
とディスクを一体化すれば、図3に示す実施形態と同様
に大径リーフバルブの噛み込みを防止することができ
る。ピストンバルブについてもスペーサ411と大径リ
ーフバルブ413及びディスク412を用いて同じ目的
を達成することができる。
【0023】
【発明の効果】本案の効果を図1に示す実施形態により
説明すれば、外周側が一条の円環状シート面107Cに
当接し内周側がサポート108及びディスク110で初
期撓みを与えられて、中速域以降の減衰力を発生する大
径リーフバルブ109の下流側に、微低速〜低速域の減
衰力を発生する小径リーフバルブ111を同芯状に組み
付けることにより、大径リーフバルブ109と小径リー
フバルブ111を機能的に並列に構成したため、微低速
域と中速域以降の減衰力を独立して設定することができ
る。また、上記の如く小径リーフバルブ111と大径リ
ーフバルブ109とを機能的に並列に構成し、小径リー
フバルブ111を通過する流量を制限したために、全速
度域に亘り全流量が通過する従来技術に比べ、応力を低
減することができる。 更に、上記の如く大径リーフバ
ルブの外周側のみが一条の円環状シート面に当接する構
成としたために、ピストン,ベースバルブケースとも基
本的に1種類の段差を用意すれば良く段差管理が不要と
なる。加えて、図2,図3,図4の各実施形態によれ
ば、組立時における小径リーフバルブ110への通路を
確保するための部品間の位置合わせを簡略化できるた
め、組み付けが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A) 発明の実施形態に係る油圧緩衝器の断面
図である。 (B) サポートの形状を示す平面図である。
【図2】(A) ディスクの組み付け性改善に係る油圧緩
衝器の断面図である。 (B) 大径リーフバ
ルブの形状を示す平面図である。
【図3】(A) 大径リーフバルブの噛み込み防止に係る
油圧緩衝器の断面図である。 (B) 一体化ディスクの形状を示す平面図である。
【図4】(A) 発明の他の実施形態に係る油圧緩衝器の
断面図である。 (B) 大径リーフバルブのオリフィス形状を示す平面図
である。 (C) ディスクの開口窓の形状を示す平面図である。 (D) ディスクの開口窓の他の形状を示す平面図であ
る。
【図5】(A) 従来技術に係る油圧緩衝器の断面図であ
る。 (B) 従来技術に係る油圧緩衝器のピストン部の詳細図
である。
【符号の説明】
A ピストン上部室 B ピストン下部室 C 下部室 D タンク室 PV ピストンバルブ BV ベースバルブ 101 ピストンロッド 104 シリンダ 106 ピストン 107 ベースバルブケース 107C 一条の円環状シート面 107D 第1の圧力室 108,121 サポート 109,120 大径リーフバルブ 110,122,202,212,402,412 デ
ィスク 110A,202A,301B,403A オリフィス 111 小径リーフバルブ 110B,202B 円環状開口窓 112 カンザ 113 案内部材(ガイド) 201,211,401,411 スペーサ 301,302 一体化ディスク

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ピストンロッドの下端部に組付けられシリ
    ンダ内をピストン上部室とピストン下部室に区画すると
    ともに、シリンダ内を伸縮自在に案内されて伸長側減衰
    力を発生するピストンバルブと、前記シリンダのピスト
    ン下部室の開口端に設けられ圧縮側の減衰力を発生する
    ベースバルブとを有してなる油圧緩衝器において、当該
    減衰力発生バルブの主要部材であるピストン又はベース
    バルブケースの下面に一条の円環状シート面を設け、内
    径がサポートによって案内され且つ内周側下面が撓みの
    支持点となるディスクによって支持される大径リーフバ
    ルブの外周側を、前記一条の円環状シート面に当接させ
    て第1の圧力室を形成する一方、その下面にオリフィス
    及びそれに連なる円環状開口窓を有するディスクと、カ
    ンザによって内周側下面が支持される小径リーフバルブ
    を案内部材に順次同芯状に組み付け、当該案内部材を介
    して前記ピストン又はベースバルブケースに締結するこ
    とにより、前記ディスクの円環状開口窓をその下面に対
    向して積層配置された小径リーフバルブに当接させて第
    2の圧力室を形成するとともに、これら第1及び第2の
    圧力室が大径リーフバルブ及び小径リーフバルブを介し
    て下部室に並列に解放されるように構成したことを特徴
    とする油圧緩衝器のバルブ構造。
  2. 【請求項2】大径リーフバルブの内周側に少なくとも3
    個の支持脚を設けて当該支持脚をスペーサで案内すると
    ともに、支持脚間の開口部が上記第1の圧力室とディス
    ク間の連通路を形成していることを特徴とする請求項1
    記載の油圧緩衝器のバルブ構造。
  3. 【請求項3】サポートとディスクを一体化することによ
    り、組み付け時における大径リーフバルブのサポートと
    ディスク間への噛み込みを防止したことを特徴とする請
    求項1記載の油圧緩衝器のバルブ構造。
  4. 【請求項4】ピストンロッドの下端部に組み付けられシ
    リンダ内をピストン上部室とピストン下部室に区画する
    とともに、シリンダ内を伸縮自在に案内されて伸長側減
    衰力を発生するピストンバルブと、前記シリンダのピス
    トン下部室の開口端に設けられ圧縮側の減衰力を発生す
    るベースバルブとを有してなる油圧緩衝器において、当
    該減衰力発生バルブの主要部材であるピストン又はベー
    スバルブケースの内径側下面に配設されるスペーサによ
    って内径部が案内されるとともに、当該スペーサの下面
    に配設されて撓みの支持点となるサポートとによって内
    周側下面が支持され、且つ内周側所定の位置に切欠きオ
    リフィスを設けた大径リーフバルブの外周側を、前記ピ
    ストン又はベースバルブケースの下面外周側に設けた一
    条の円環状シート面に当接させて第1の圧力室を形成す
    る一方、その下側に撓みの支持点となるカンザによって
    内周側下面が支持される小径リーフバルブを案内部材に
    順次同芯状に組み付け、当該案内部材を介して前記ピス
    トン又はベースバルブケースに締結することにより、前
    記サポートを介して大径リーフバルブに初期撓みを与
    え、且つ前記切欠きオリフィスの下流側に配設され内周
    が固定された小径リーフバルブを前記サポートに設けた
    開口窓に対向させて第2の圧力室を形成するとともに、
    これら第1及び第2の圧力室が大径リーフバルブ及び小
    径リーフバルブを介して下部室に並列に解放されるよう
    に構成したことを特徴とする油圧緩衝器のバルブ構造。
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Cited By (4)

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