明 細 書
( 1 → 3 ) 一 /5 — D—グルカ ン結合性タ ンパク質、 それを 認識する抗体及びその利用
¾ g
本発明は、 カブ トガ二の血球から得られる ( 1 → 3 ) — ) 5 — D—グルカ ン結合性タ ンパク質またはその変異体およびその抗 体に関する。
さ らに本発明は、 これらのタ ンパク質からなる ( 1 → 3 ) ― /5 — D—グルカ ンの測定剤、 これらのタ ンパク質と該測定剤と からなるキ ッ ト、 これらのタ ンパク質と該抗体とをからなるキ ッ トおよびこれらのタ ンパク質を使用する ( 1 → 3 ) - 0 - Ώ ーグルカ ンの測定法に関する。
また、 さ らに本発明は、 これらのタ ンパク質またはそれを結 合した担体からなる ( 1 → 3 ) — /? — D—グルカ ンの除去剤お よび該除去剤を使用する ( 1 → 3 ) — — D—グルカ ンの除去 法に関する。
またさ らに本発明は、 これらのタ ンパク質を使用する力ブ ト ガニ . ァメ ボサイ ト . ライ セー ト中に存在するこ とがある G因 子の活性化を阻害する方法に関する。
またさ らに本発明は、 これらのタ ンパク質を使用するエ ン ド トキ シ ンの測定法に関する。 背 景 技 術
1964年にカブ トガニ血球抽出液 (ァメ ボサイ ト · ラ イ セー ト . 以下 L A L という こ とがある) が極微量のグラム陰性菌内毒素 (以下、 エ ン ド トキ シ ン ( E t ) またはリ ポボリ サ ッ カ ラ イ ド
( L P S ) という こ と もある) によつて凝固 (ゲル化) するこ とが発見され、 現在まで E t ( L P S ) 感受性因子 ( C因子) を初めとするゲル化に関与する複数の因子 (セ リ ンブ口テア一 ゼ前駆体) が明らかにされてきた。 こ の反応は、 哺乳類の血液 凝固系と類似したカ スケー ド機構より なり、 他の無脊椎動物で も同様のメ カ ニズムが存在する こ とが報告されている。
一方、 L A L は E t 以外にも極微量の ( 1 → 3 ) - β - Ό - グルカ ン (以下 9 —グルカ ンという こ ともある) とも反応し、 ゲル化を引き起こすこ とが知られており、 ^—グルカ ンを認識 する感受性因子 ( G因子) の存在も見出されている。 そ して、 C因子を介する経路 ( C因子系) とは全く 別経路 ( G因子系) の凝固力スケー ドにより、 E t 同様のゲル化が誘導されること も明らかにされてきている。 さ らに、 )5 —グルカ ンは真菌細胞 壁の構成多糖でもあるこ とから、 この経路は C因子系同様、 生 体防御に密接な関わりを有している と推測される。
従来、 9 —グルカ ン結合性タ ンパク質と しては、 カブ トガニ の血液凝固 G因子 [FEBS Lett. , 129, 318-321 (1981) ] . カ イ コ の /5 —グルカ ン認識タ ンバク (プロフエノ 一ルォキ シダ一ゼ) [J. Biol . Chem. , 263, 12056- 12062 (1988) ] . ヒ ト単球の /?— グルカ ンレセプター [J. Exp. Med. , 173, 1511-1520 (1991)] 、 局所的ォプソ ニン化に伴う 補体受容体 [J. Immunol . , 124, 3307-3315 (1985)] , 植物細胞に対する ^ ーグルカ ンエ リ シタ一
[J. Cel l Biol . , 78, 627 (1978) ] 、 ス ト レプ ト コ ッ カ ス - ソ ブリ ヌ ス ( Streptococcus sobrinus) 由来のグルカ ン結合性タ ンパク質 [Infect. Immun. , 60 (12) 5291 - 5293 (1992) ]、 ッヅ リ ガ由来の — グルカ ン特異的レク チ ン [Matha V. , 64, 35-42 (1990) ] などが報告されている。
発明の開示
本発明者らは、 L A L中のゲル化因子について研究を進めて いたところ、 L A L中に 9 ー グルカ ンと特異的に結合し、 β — グルカ ンによる G因子の活性化を阻害するタ ンパク質が存在す る こ とを見出し、 こ のタ ンパク質を単離した。 さ らに、 本発明 者らは、 このタ ンパク質を選択的に認識する抗体を見出した。
そして、 これらのタ ンパク質あるいは抗体の性質を検討し、 その用途を見出した。
すなわち、 本発明の課題は、 このよう な ^ ーグルカ ンに特異 的に結合する新規なタ ンパク質およびその抗体を提供し、 これ を /? ーグルカ ンやエ ン ド トキ シ ンの検出、 9 ーグルカ ンの除去 あるいは真菌感染治療薬に応用しょう とするものである。
すなわち本発明は、 カブ トガ二の血球から得られ、 ドデシル 硫酸ナ ト リ ウム —ボリ アク リ ルア ミ ドゲル電気泳動(SDS- PAGE) で単一バン ドを示すように精製された、 次の理化学的性質を示 す ^ ーグルカ ン結合性タ ンパク質である。
(1) 分子量 : 約 580 k ダル ト ン (非還元条件下におけるゲルろ 過法)
約 170 k ダル ト ン (還元条件下における SDS-PAGE 法)
(2) 等電点 : 約 9.2
(3) 紫外部吸収スペク ト ル : 280nm に吸収極大を持つ
(4) 溶解性 : 水に易溶
(5) 物質の色 : 白色 また、 N末端ア ミ ノ 酸配列は次に示す通りである。
Lys-Ser-Gly-Phe- IIe-Leu-Thr-Ala-Pro- Lys-Ser-し eu-Thr-Leu -Gly-Arg-Asn-Asn-Arg-Leu-Asn-Leu-His-Leu-Phe-Asp-Ile-Asn
-Thr-Asn-Gly-Phe-Xaa-Arg-Ile-Gly-Va卜し ys-Asp-Gln-Asn-Asp - Phe- Asn-
(式中、 Xaa は自然界に存在するア ミ ノ酸のいずれかを示す) 。 また、 本発明では前記タ ンパク質の変異体をも包含する。 本発明における変異体は、 前記タ ンパク質と機能的に同等な 物質であって、 こ の機能に実質的に影響を与えない該タ ンパク 質のア ミ ノ酸を置換、 欠失または追加させたものをいう。
さ らに、 好ま し く は、 本発明における変異体とは、 ア ミ ノ酸 配列が高度の相同性を有し、 目的とする効果が該タ ンパク質と 実質的に同等であるタ ンパク質を意味する (以下、 これらの変 異体をも含めてタ ンパク質という ) 。
さ らに本発明は、 次のとおり の抗体、 これらを使用するグル カ ン測定剤、 測定キ ッ ト及びダルカ ン測定法に関する。
(1) 上記タ ンパク質を選択的に認識する抗体。
(2) 上記タ ンパク質または標識された上記タ ンパク質からなる ( 1 → 3 ) — ^ — D —グルカ ンの測定剤。
(3) 上記タ ンパク質と上記抗体又は標識された上記抗体とから なる ( 1 → 3 ) _ 5 — D —グルカ ンの測定キ ッ ト。
(4) 上記タ ンパク質と上記測定剤とからなる ( 1 → 3 ) 一 β — D —グルカ ンの測定キ ッ ト。
(5) 上記タ ンパク質と検体中の ( 1 → 3 ) 一 β — Ό ー グルカ ン とを反応させて複合体を形成させ、 該複合体を検出するこ と を特徴とする、 ( 1 → 3 ) — /? — D —グルカ ンの測定法。
(6) 上記複合体の検出が上記抗体又は標識されているかもし く は標識されう る抗体を用いて行なう方法である上記 (5)記載の 測定法。
(7) 検体中の ( 1 → 3 ) — /5 — D —グルカ ンを、 固相に固着し ているかあるいは固相しう る上記タ ンパク質と該標識された
タ ンパク質とで挟んだ、 サン ドイ ッチ状複合体を形成させ、 上記タ ンパクが固相に固着しう るものである ときは、 該複合 体を固相に固着させ、 固相と液相とを分離した後、 いずれか の相の標識物質を測定する こ とを特徴とする ( 1 → 3 ) - β — D—グルカ ンを測定する方法。
またさ らに、 本発明は、 このようなグルカ ンを舍有する試 料からそれを除去するグルカ ン除去剤及び除去法に関する。
(8) 上記タ ンパク質あるいはそれを固着した担体からなる ( 1 - 3 ) ー 一 D—グルカ ンの除去剤。
(9) 上記タ ンパク質又は担体に固着された上記タ ンパク質と試 料中の ( 1 → 3 ) — β — D—グルカ ンとを反応させて複合体 を形成させ、 試料から該複合体を分離除去するこ とを特徴と する、 ( 1 → 3 ) — ^一 D—グルカ ンの除ま法。
またさ らに、 本発明は G因子の活性化阻害方法に閲する。
00) 上記タ ンパク質と力ブ トガニ ' ァメ ボサイ ト · ライ セー ト とを混合するか、 または試料と上記タ ンパク質とを混合して から、 該試料と力ブ トガニ ' ァメ ボサイ ト · ラ イ セー ト とを 混合する こ とからなる該カブ トガニ · ァメ ボサイ ト · ライ セ 一ト中に存在する こ とがある G因子の活性化を阻害する方法, またさ らに、 本発明は、 エ ン ド トキ シ ンの測定法に関する ,
01) ( 1 → 3 ) 一 ー D—グルカ ンを舍む試料中に舍まれるェ ン ド トキシンを、 力ブ トガニ ' ァメ ボサイ ト · ラ イ セー トを 用いた リ ムルス反応によって測定する際に、 リ ムルス反応に 先立って、 試料と上記タ ンパク質とを混合するか、 または該 ラ イ セー ト と上記タ ンパク質とを混合する こ とを特徴とする エ ン ド トキ シ ンの測定法。
本発明のこれらの /? ーグルカ ン結合性タ ンパク質 (以下、 G Β Ρ ともいう ) は、 カブ トガニ (タキプレウス ' ト リ デンタツ
ス (Tachypleus tr i den ta tus ) 、 タ キプレウ ス . ギガス (Tachyp lens g l gas)、 リ ムクレス · ホ リ フ エムス (L i mu 1 us DO l^phemus) カ ノレシノ ス コ ノレピウ ス · ロ ッ ンデ ィ カ ウ ダ (Carci noscorpi us rotundlcauda)等 ) の血球 (ァメ ボサイ ト) から、 通常のカブ トガニ · ァメ ボサイ ト · ラ イ セ一 トの調製に用いられる低張液 抽出法 [例えば、 J. Biochem. , 80, 110卜 1021 ( 1976)参照〗 を 応用して抽出するこ とができる。
具体的には、 力ブ トガ二の血球に、 0〜 4 てに冷却した 0.02M ト リ ス ー塩酸緩衝液(PH 8.0)を加え、 0 〜 4 てで欖拌し、 抽出 する。 抽出液を冷却遠心し、 上澄液 (ラ イ セー ト ) を得る。 こ の ラ イ セ一 ト 中には、 プロ ク ロ ッ テ ィ ングェ ンザィ ム、 コ アギ ュ ローゲン、 G因子、 B因子、 C因子、 G B P、 抗 L P S因子 等種々 の凝固系因子が舍有されている。 このライ セ一トを 0.02 〜0.05M ト リ ス—塩酸緩衝液、 PH 7.0〜8.5( 0〜0.2M NaCl 舍 有) で平衡化したデキス ト ラ ン硫酸一セ フ ァ ロース CL- 6B ァ フ ィ ニ テ ィ ーカ ラ ム (デキ ス ト ラ ン硫酸、 セ フ ァ ロ ー ス Cい 6B (Pharmacia製)を用いて、 既知の方法(Anal . Biochem. 60, 149 - 152 (1974))で調製) にかけ、 0.2〜0.5M NaCl 舍有の前記緩 衝液で溶出させる。 こ の溶出画分のう ち G B P活性を示す画分 を採取する。 このよう にする と B因子、 C因子および G B P と が混在した画分を得る。 こ の画分を凍結乾燥し、 こ の凍結乾燥 物をゲルろ過ク ロマ ト グラフ ィ ーを用いて精製する。
ゲルろ過ク ロマ ト グラ フ ィ 一は、 0.02〜 0.0811 ト リ ス—塩酸 緩衝液、 PH 6.5〜8.5 (0.4〜1M NaCl 含有) で平衡化したセ フ ア ク リ ル 300 HR(High Resolution) カ ラ ム (Pharmacia製) あ るいはセルロ フ ア イ ン G C L - 2000m カ ラ ム(生化学工業(株) 販壳) などで行う。 溶出は平衡化に用いた緩衝液で行い、 好ま し く は同様のク ロマ トグラ フ ィ ーを少な く とも 2 回繰り返して
行 c
ゲルろ過ク ロマ トグラフ ィ 一の溶出面分を分画し、 それぞれ の画分について G B P活性を測定し、 こ の活性を示す画分を採 取する。 第 1 回のク ロマ トグラフ ィ 一で B因子および C因子と G B P とはほぼ完全に分離され、 さ らに同様のカ ラ ムによる リ ク ロマ ト グラフ ィ 一によつて精製された G B Pを得る。 この画 分を集め凍結乾燥する こ とによ って、 本発明の G B Pを得る。 これは白色粉末で水に易溶性を示す。 こ の G B P はボリ ァク リ ルア ミ ドゲル電気泳動(PAGE)で単一のバン ドを示し、 前記した 理化学的性質を示す。
また本発明の G B P は、 N末端ア ミ ノ酸配列が判っているの で公知の遺伝子工学的手法 (例えば該配列から D N Aプライ マ 一を作成し、 これを用いてカブ トガニ血球より得られる c D N Aライ ブラ リ ーから G B Pをコー ドする D N Aを得、 こ の D N Aをベクターに組み込んで組換え体を作成し、 これを常法によ つて発現させる方法等) によって得る こ とができ る。
本発明における G B P活性は、 ーグルカ ン (ブク リ ヨ ゥ菌 よ り Saito らの方法(Agrし Biol . Chem. , 32, 1261- 1269 (1968)) で調製したバキマ ン(Pachyman)の SOpg/mL 0.01M NaOH 水溶液) (0.05niL)に上記ク ロマ トグラフ ィ 一の各フラ ク シ ョ ン 0.05mLを 加え、 37て、 10分間加温し、 タ キブレウ ス ' ト リ デンタ ツスの ァ メ ボサイ ト · ラ イ セー ト よ り Obay as hi らの方法(Clin. Chim. Acta, 149, 55-65 (1985))で調製した G因子(0.04mいおよびブ 口 ク ロ ッ テ ィ ングェ ンザィ ム (0.02mい, さ らに 1M MgS04 (0.01 « ) , 2M ト リ ス —塩酸緩衝液、 pH8.0(0.01mい 及びク ロ ッ テ ィ ン グェ ンザィ ムの基質と して 5mM t—ブ ト キ シカ ルボ二ルーし - 口 イ シ ル一 グ リ シ ノレ一し 一 ア ルギニ ン 一 p — 二 ト ロ ア ニ リ ド (Boc-Leu-Gly-Arg-pNA) (0.02mL) を加え、 37'C: 、 20分間反応さ
せ、 遊離した P—二 ト ロ ア 二 リ ンをジァゾカ ッ プリ ングによ つ て発色させた後、 545nm の吸光度を測定する こ とによって行な われる。 そして、 試料の代わりに水を用いたときの G因子活性 化能 (コ ン ト ロール) を 100 %と した場合の相対活性により阻 害活性を測定する。 G因子活性化能の阻害は、 G B P と ?ーグ ルカ ンとの結合による ものである (後の実施例参照) 。 よって こ の G因子阻害活性を G B P活性とする。
また、 本発明の G B P純度の検定は、 ボリ ア ク リ ルア ミ ドゲ ル電気泳動(PAGE) (pH7.0〜8.0、 5〜7.5 %ゲルまたは pH4〜5、 5〜7. 5 %ゲル) 、 SDS-PAGE(pH7.0〜8.0 、 6〜7. 5 %ゲル、 0. 1 〜0. 2 % S D S ) あるいは等電点電気泳動(IEF) を用いて 行う こ とができ る。
G B P の分子量測定は、 SDS-PAGE、 セフ ア ク リ ル S — 300 HR あるいはセル口フ ァ イ ン G C L - 2000mなどによるゲルろ過、 千 涉光学系による沈降平衡、 超遠心による沈降測定、 粘度、 光散 乱、 コ ロ ジオ ン膜等を用いる浸透圧測定、 ア ミ ノ酸分折、 レー ザ一イ オ ン化質量分折等により行う こ とができる。
ただし、 本発明の G B Pは、 特定の構造を有する ^ —グルカ ンに親和性を有する物質であり、 さ らに通常のタ ンパク に比べ 分子量も非常に大きいことからダルコ シ ド結合を有する不溶性 担体によるゲルろ過や質量分折等の物理的測定の場合、 真の値 を得る こ とが困難である場合がある。 そのため、 このような干 涉作用のない担体および条件を選択する必要がある。
また、 本発明の G B Pの紫外部吸収スぺク ト ルを第 7図に示 す。 図に示されるよう に 280nm に吸収極大を示した。
また、 本発明の G B Pの N末端ア ミ ノ酸配列は配列表配列番 号 1 に示される とおり である。
さ らに、 本発明は、 前記したよう な変異体をも包含する。
本発明の G B Pは、 ( 1 → 3 ) — ? — D—ボリ ダルコ シ ド構 造を有する /? ーグルカ ンに特異的に結合し、 カブ トガニ G因子 の活性化能も舍めた ^ ーグルカ ンの生物化学的性質および免疫 薬理学的性質を中和する。 さ らに、 直鎖の ( 1 → 3 ) - β - Ό —グルカ ン以外に ( 1 → 6 ) — ^ 一 D—あるいは ( 1 → 4 ) 一 /3 — D —等の分子内側鎮を有する分岐 ( 1 → 3 ) — ^ 一 D—グ ルカ ンを も同様に中和する。
(抗体)
本発明の G Β Ρを選択的に認識する抗体 (以下、 抗 G Β Ρ抗 体という こ とがある) は、 精製した G Β Ρを抗原と して得られ る、 この抗原に対する抗血清、 ボ リ ク ローナル抗体およびモ ノ ク ローナル抗体である。
本発明で使用するボリ ク ローナル抗体の製造方法と しては、 該抗原をゥサギ、 ャギ等の被免疫動物に投与し、 得られた抗血 清を、 さ らに精製する方法等を挙げる こ とができ る。 被免疫動 物に投与する際に、 補助剤 (ア ジュバン ト ) を併用するこ とは 抗体産生細胞を賦活するので望ま しい。
本発明で使用するモノ ク ローナル抗体の製造方法と しては、 該抗原をマウスまたはラ ッ トの腹腔内に投与した後に脾臓など を摘出し、 該脾臓などから採取した細胞と腫瘍細胞株である ミ エローマ細胞とを細胞融合させて、 ハイ プリ ドーマを樹立し、 得られたハイ プリ ドーマを試験管内にて連続増殖させ、 さ らに 得られたハイ プリ ドーマから上記抗原に対する特異抗体を継続 的に産生する細胞株を選別し、 こ の選別株を試験管内培養また はマウスの腹腔などの生体内にて培養する こ とによ って、 モ ノ ク ローナル抗体を大量に製造する方法等を挙げる こ とができ る。 細胞融合で用いる細胞と しては、 脾細胞以外に リ ンパ節細胞お よび末梢血中のリ ンパ細胞等を用いる こ とができ る。 また、 ミ
エローマ細胞株は、 異種細胞種由来のものに比べ同種細胞株由 来のものが望ま し く 、 安定な抗体産生ハイ プリ ドー マを得るこ とができ る。
得られたポリ ク ローナル抗体およびモ ノ ク ロ一ナル抗体の精 製法と しては、 硫酸ナ ト リ ウ ム、 硫酸ア ンモニゥム等の中性塩 による塩折、 低温アルコール沈殺およびボリ エチ レ ングリ コ一 ルまたは等電点による選択的沈殺分別法、 ないしは電気泳動、
D E A E—担体、 C M—担体等のイ オ ン交換体やプロ テイ ン A ならびにハイ ドロキ シアバタイ ト吸着体による脱吸着法、 ゲル ろ過および超遠心法等を挙げる こ とができ る。
(測定法)
本発明の G B P は、 ( 1 → 3 ) — /9 — D—ボリ ダルコ シ ド構 造を有する ーグルカ ン (以下、 ( 1 → 3 ) — 一 D—グルカ ンという こ とがある) に特異的に結合する こ とから、 該 G B P と検体中の ( 1 → 3 ) — 9 — D—グルカ ンとを反応させて複合 体を形成させ、 該複合体を検出するこ とで ( 1 "→ 3 ) — β - Ό —グルカ ンを測定するこ とができ る。
本発明の ( 1 → 3 ) — 9 一 D—グルカ ンの測定法と して、 例 えば以下の方法を挙げる こ とができ る。
検体中の ( 1 → 3 ) — / S — D—グルカ ンを、 固相に固着して いるかあるいは固着しう る G B P と標識された G B P とで挟ん だサン ドイ ッチ状複合休を形成させ、 タ ンパク質またはその変 異体が固相に固着しう る ものである ときは、 該複合体を固相に 固着させ、 固相と液相とを分離した後、 いずれかの相の標識物 質を該標識物質に応じた方法で測定する こ とで ( 1 → 3 ) — β — D—グルカ ンを測定する方法が挙げられる。
この ( 1 → 3 ) — 一 D—グルカ ンを測定する方法と しては 例えば、 固相に固着された G Β Ρに、 ( 1 — 3 ) — β — Ώ ー グ
ルカ ンを舍む検体を添加して、 該 G B P と ( 〗 → 3 ) — ー D ーグルカ ン とを結合させ、 同時または次いで予め標識物質で標 識された G B Pを添加して、 該 ( 1 → 3 ) — β — Ό ー グルカ ン を、 該 G B P と標識された G B P とで挟み、 サ ン ドイ ッ チ状複 合体を形成させるか又は予め標識物質で標識された G B P と ( 1 → 3 ) 一 ^ 一 D—グルカ ンを舍む検体とを混合して、 該標 識された G B P と ( 1 → 3 ) — / S — D—グルカ ンとを結合させ て結合体を形成し、 こ の結合体を、 固相に固着された G B Pに 添加して、 上記のサ ン ドイ ッ チ状複合体を形成させるかした後、 該複合体が固着した固相と液相とを分離し、 いずれかの相の標 識物質 (例えば固相に固着した該複合体の標識物質) を該標識 物質に適した方法で検出して測定する方法等を挙げる こ とがで きる。
本発明で使用する標識された G Β Ρは、 G Β Ρを既知法に従 い標識物質 (酵素 (ペルォキ シダーゼ、 アルカ リ ホスフ ァ タ一 ゼ、 9 一ガラ ク ト シダ一ゼなど) 、 放射性同位元素 ( 1 ζ 5 I , 1311 , 3 Ηなど)、 蛍光物質 (フルォ レセ イ ンイ ソ チオ シァ ネー ト、 ゥ ンベリ フ ヱ ロ ンなど)、 化学発光物質(ル ミ ノ ールなど)、 または他の物質 (ピオチ ン、 ア ビジ ン (好ま し く はス ト レブ ト ア ビジ ン) など) 等の標識物質で直接標識して得ることができ る。
G B Pの標識方法は、 標識物質に適した公知の方法、 例えば. 酵素を標識する際にはグルタルアルデヒ ド法、 過ヨウ素酸架橋 法、 マ レイ ミ ド架撟法、 カルボジィ ミ ド法など、 放射性同位元 素で標識する際にはク ロ ラ ミ ン Τ法、 ラ ク トペルォキ シダーゼ 法など (続生化学実験講座 5 免疫生化学研究法、 東京化学 同人、 1986年発行、 欧州特許第 0163041号明細書参照) から適 宜選択できる。
本発明の G B Pをマイ ク ロプレー ト、 ビーズ、 チューブ、 メ ンブレ ン、 ラテ ッ クス、 試験管、 濾紙ならびにァガロース、 ボ リ アク リ ルア ミ ド、 セルロース及びデキス ト ラ ンなどの不瑢性 担体等の固相に固着する方法と しては、 物理的吸着法、 共有結 合法、 包括法など固定化酵素の調製法と して一般的な方法
(固定化酵素、 1975年、 講談社発行、 第 9 〜75頁参照) を応用 することができる。 特に物理的吸着法は簡便な点で好ま しい。 なお、 G B Pが結合していない部分は、 血清アルブ ミ ン、 ゼラ チン、 乳タ ンパクなどによってブロ ッキ ングするこ とが好ま し い。
本発明の測定法をさ らに詳細に説明する。
先ず、 固相に G B Pを固着する。 固着方法としては、 例えば G B Pを pH 9〜10のリ ン酸緩衝液又は炭酸緩衝液に溶解して固 相に加え、 4 てで 6 〜14時間保存して固着させる方法等を挙げ る こ とができる。 上記固着後、 ブロ ッ ク体を添加して、 該 G B Pが固着していない部分をあらかじめ被覆しておく 必要がある, ブロ ッ ク体と しては、 例えば牛等から採取できる、 血清アルブ ミ ン、 血清又はミ ルク蛋白等が挙げられる。
次いで、 上記 G B Pが固着した固相に、 (1→ 3 ) — β — Ό 一 グルカ ンを舍む検体を添加し、 上記 G B Pに ( 1 → 3 ) — β — D —グルカ ンを結合させる。 ( 1 → 3 ) 一 0— Ό —グルカ ンを 含む検体と しては、 人、 牛、 ラ ッ ト、 マウ ス等の血液や体液の 他、 後述の検体をそのまま試料と して使用するこ とができる。
( 1 → 3 ) — ^ 一 D —グルカ ンを結合させた後、 一般的には固 相をツイ 一ン(Tween) 系界面活性剤等を添加した リ ン酸緩衝液 等で洗浄する こ とが推奨される。
さ らに、 上記の ( 1 → 3 ) — /9 — D —グルカ ンが結合した固 相に、 標識された G B Pを添加して、 ( 1 → 3 ) — — D —グ
ルカ ンに該標識された G B Pを結合させる。 この操作によって、 ( 1 — 3 ) — 9 — D—グルカ ンを上記 G B P と該標識された G B P とで挟みサ ン ドィ ツチ状複合体を形成させる。
次に、 該サ ン ドイ ッ チ状複合体の標識物質を測定して ( 1 — 3 ) — /9 — D—グルカ ンを定量する。 標識物質の測定方法と し ては、 標識物質により異なるが、 例えば標識物質にピオチンを 使用する場合は、 例えばアビジンまたはス ト レブ トァビジンを 結合させた酵素を、 上記サ ン ドィ ツチ状複合体を形成させた固 相または不溶性担体に添加し、 酵素をアジビンを介して複合体 に結合させ、 該酵素の酵素反応による基質の変化を測定する方 法を挙げる こ とができ る。
次いで、 ( 1 → 3 ) — ) 5 — D—グルカ ン濃度と標識物質の測 定結果との関係について検量線を作成し、 未知試料についての 測定結果と該検量線とを用いて、 未知検体中の ( 1 → 3 ) 一 β — D—グルカ ンを定量する。
また、 本発明の測定法と しては、 固定された ( 1 → 3 ) — β — D—グルカ ン (例えば細胞や組織中に存在する ( 1 → 3 ) — 9一 D—グルカ ン、 物理的または化学的に不溶性担体等に結合 された ( 1 → 3 ) — — D—グルカ ンなど) に標識物質で標識 された G B Pを添加して、 該 ( 1 → 3 ) — /9 — D— グルカ ンと 該 G Β Ρ との複合体を形成させて、 複合体の標識物質によ り ( 1 → 3 ) — ^ 一 D—グルカ ンを検出あるいは定量する方法を 挙げる こ とができ る。
さ らに、 本発明の測定法と して、 上記の固定された ( 1 → 3 ) — /9 一 D—グルカ ンに G B Pを添加して、 該 ( 1 → 3 ) — β — D—グルカ ン と該 G B P との複合体を形成させて、 ついで G B Pを選択的に認識する抗体を添加して、 さ らに該抗体を特異的 に認識する物質で標識して、 該物質により ( 1 — 3 ) - β ~ Ό
ーグルカ ンを検出あるいは定量する方法、 又は該複合体を形成 させた後、 予め標識物質で標識した該抗体を添加して、 該標識 物質により ( 1 → 3 ) — 一 D—グルカ ンを検出あるいは定量 する方法等を挙げる こ とができる。
該抗体を特異的に認識する物質と しては、 例えば抗免疫グロ ブリ ン抗体を既知法に従い標識物質 (たとえばピオチン、 アビ ジ ン、 酵素、 ァイ ソ トーブ、 蛍光色素、 化学発光物質等) で標 識した化合物等を挙げるこ とができる。
本発明のキ ッ ト は、 G B P と標識された G B P とで構成され る。 本発明のキ ッ トを使用するに当り、 該 G B Pを固相に固着 させる工程が必要となる力 あらかじめ該 G B Pを固相に固着 させてお く こ とにより、 該工程を省略するこ とができる。
また本発明のキ ッ ト は、 G B P と G B Pを選択的に認識する 抗体とから構成されが、 さ らに標識された抗免疫グロブリ ン抗 体を加えてもよい。
さ らにまた本発明のキ ッ ト は、 G B P と標識された抗 G B P 抗体とから構成される。
本発明の上記キ ッ トに、 さ らに上記固相、 標識物質を検知す るための試薬、 緩衝液、 標準物質などを加えてキ ッ ト と しても よい。
(除ま)
本発明の G B P と試料中の ( 1 → 3 ) — ^ 一 D—グルカ ンと を反応させて複合体を形成させ、 試料から該複合体を分離除去 する こ とで、 ( 1 → 3 ) — /? — D—グルカ ンを除去する こ とが できる。 該複合体の分離除去法と しては、 公知のタ ンパク質分 離法を使用できる。 しかし好ま し く は、 G B Pを固着した担体 さ らに好ま し く は不溶性担体に、 検体中の ( 1 → 3 ) — β _ Ό —グルカ ンを接触させて、 該 G B P と ( 1 → 3 ) 一 0 — Ό— グ
ルカ ン とで複合体を形成させ、 該複合体を分離除去する方法が 好ま しい。
このとき使用する担体の形状と しては、 膜状 (フ ィ ルタ一形、 中空糸形、 チューブ形、 平膜形等) 、 粒状、 ラテ ッ ク ス、 チ ッ プ状、 粉末形、 マイ ク ロプレー ト状等の形態を有する ものを举 げるこ とができ る。 担体は ( 1→ 3 ) — /? 一 D —グルカ ンフ リ 一である こ とが好ま しい。
担体に G B Pを結合させるには、 ボリ スチ レ ン系およびボリ プロ ピレ ン系等の担体に物理的に G B Pを結合させるかあるい は、 ポ リ ア ミ ド系、 セルロース系、 ァガロース系、 ポ リ ア ク リ ルア ミ ド系、 デキス ト ラ ン系、 ビュルポ リ マー系 (グ リ シジル メ タ ク リ レー ト とエチ レ ング リ コ ールジメ タ ク リ レー ト との多 孔性共重合体) 等の担体に G B Pを化学的に結合させる こ とが できる。 化学的な結合法と しては、 担体の芳香族ア ミ ノ基を利 用してジァゾカ ップリ ングさせる ジァゾ化法、 担体の水酸基を C N B r で活性化してペプチ ド結合させる C N B r法、 担体の ヒ ドラジ ン誘導体等を用いてぺプチ ド結合させる酸ア ジ ド法、 ハロゲン等の反応性に富む担体の官能基を利用して蛋白質をァ ルキル化するアルキル化法、 グルタ ルアルデヒ ドのよ うな遊離 のァ ミ ノ基と反応する架橋試薬によって担体と蛋白質の遊離の ァ ミ ノ 基の間を架橋する方法、 カ ルポジイ ミ ド法、 エポキ シ活 性化法、 さ らにこれらの方法を用いてスぺーサーを介して結合 させる方法等の公知の結合法から担体の種類に応じて適宜に選 択して G B Pの結合に利用する こ とができ る。
G B Pを結合した担体と ( 1 → 3 ) — /? 一 D — グルカ ンを舍 む試料との接触方法は、 公知の固液接触手段によればよ く 、 例 えば、 フ ィ ルタ ー状の担体に試料を通液させる方法 ; 粒状の担 体を充塡したカ ラ ムに試料を通液させる方法 ; マイ ク 口プレー
ト状の担体のゥ ュルに試料を入れ、 一定時間放置した後、 試料 を分離する方法 ; 任意の形状の担体を試料に添加し、 一定時間 振盪するか、 静置し、 通常の固液分離手段 (濾過、 遠心分離、 吸引、 デカ ンテーシ ヨ ン等) によ って ( 1 → 3 ) — β — Ό — グ ルカ ンの除去された試料を得る方法等を一例と して挙げる こ と ができる。
さ らにカブ トガ二 . ァメ ボサイ ト · ラ イ セ一 トを用いたリ ム ノレス反応による E t 測定において、 L A Lまたは試料に該 G B Pを加える こ とによって、 β — グ)レカ ンに該 G B Ρが結合して 複合体を形成し、 これにより —グルカ ン感受性因子 ( G因子) の活性化を阻害する こ とを利用して、 L A L中の C因子系反応 により /9 ーグルカ ンを舍む試料中の E t を、 9 ーグルカ ンの影 響を受けるこ とな く 特異的に測定する こ とができ る。
このようにして本発明の G B Pは /9 ーグルカ ンや E t の検出 及び測定試薬と して用いる こ とができ る力く、 さ らに、 ^ 一グル カ ンは真菌細胞壁の構成多糖であり、 G B Pはこの多糖と結合 し、 真菌等の増殖に影響を与える可能性があるため、 医薬、 特 に抗真菌剤と しての開発が期待される。
本発明の ( 1 → 3 ) — ^ 一 D—グルカ ンの測定あるいは除去 法は、 血清、 血漿、 尿、 髄液等の体液、 非経口医薬品、 輸液、 注射用水、 生物学的製剤等の検体試料中に舍有される ( 1 → 3 ) — 5 — D—グルカ ンの検出あるいは除去に用いる こ とができ る。 また本発明のエ ン ド トキシ ンの測定については、 上記と同じ 試料中に舍有されるェ ン ド トキ シ ンの検出に用いる こ とができ る。 図面の簡単な説明
第 1 図は、 実施例 1 によるカブ トガニ血球抽出物のデキス ト
ラ ン硫酸一セ フ ァ ロース Cい 6B カ ラ ム ク ロマ ト グラ フ ィ ーの溶 出パター ンを示す。
第 2図は、 第 1 図の G B P活性画分のセ フ ア ク リ ル S-300 HR ク ロマ トグラ フ イ ーバターンを示す。
第 3図は、 第 2図の G B P活性画分のセ フ ア ク リ ル S- 300 HR による リ ク 口マ トグラムを示す。
第 4図は、 セフ ア ク リ ル S- 300 HR を用いたゲル濾過法によ る本発明の G B Pの推定分子量を示す。
第 5図は、 SDS-PAGEによる本発明の G B Pの推定分子量を示 す。
レー ン Aは、 分子量マーカーを、 レー ン Bは、 還元条件下に おける G B Pの分子量をそれぞれ示す。
第 6図は、 等電点電気泳動分析法による本発明の G B Pの等 電点を示す。
レー ン Aは、 G B P の等電点を、 レー ン Bは、 マーカーの等 電点をそれぞれ示す。
第 7図は、 本発明の G B Pの紫外部吸収スぺク ト ルを示す。 第 8図は、 本発明の G B Pの G因子活性化阻害能と G B P用 量を示す。
第 9図は、 本発明の測定法による ( 1 → 3 ) — ー D — グル カ ンの濃度と吸光度との関係を示す検量線である。 発明を実施するための最良の形態
次に、 実施例を挙げて本発明を実施するための最良の形態を 示す。
なお、 本実施例において用いる全てのガラ ス器具類は、 乾熱 滅菌(250て、 2時間) 等により ^ -グルカ ンフ リ ーにして使用 した。 また試薬類の一部は、 活性炭処理後、 121 てて' 20〜90分
間ォ一 ト ク レーブ処理するこ とにより /5 —グルカ ンフ リ ーと し た。 以下の操作はすべて 5 —グルカ ンフ リ ーで行った。
実施例 1
G B Pの精製および理化学的性質
〈 1 〉 G B Pの精製
日本産のカ ブ ト ガニ (タキブレウス · ト リ デ ンタツス) 血リ ンバ液 2.5L を 4 て、 l,500rpmで 10分間遠心し、 その沈殺部分 (血球; ァ メ ボサイ ト) 約 50 g に 0.02M ト リ ス ー塩酸緩衝液 (pH 8.0) 500mLを加えホモゲナイ ザー (ボリ ト ロ ン!? RT 10 (商 品名) 、 Kinematica社製) にて均一に破砕および抽出し、 4 て . 10.000 XG で 30分問冷却遠心し、 上澄液 (ライ セー ト) 450mLを 得た。
この全量を 0.02M ト リ ス ー塩酸緩衝液(PH8.0) で平衡化した デキス ト ラ ン硫酸一セ フ ァ ロ一ス Cい 6Bカ ラム ( 5 X23cm) に 添加し、 同一の缓衝液 1.0Lで洗浄後、 0.2M NaCl を舍む 0.02M ト リ ス ー塩酸緩衝液(PH 8.0) 1.5Lで溶出させ、 次いで 0.45M NaClを含む 0.02M ト リ ス —塩酸緩衝液(pH 8.0)、 1.5Lを用いて 溶出させた。 これらの溶出液は lOraLずつの分画と して採取した < こ のよ う に して溶出された画分の活性を、 Obayashi らの方法 (Clin. Chini. Acta, 149, 55- 65 (1985) )に従って測定した。 す なわち、 プロ ク ロ ッティ ングェ ンザィ ム、 B因子、 C因子およ び G因子の活性測定は 405nmの吸光度、 コアギュ ローゲンの活 性測定は 360nmの吸光度で行なった。 また、 G B P活性は後述 の方法 (実施例 2- (4) 実験 3参照、 なおコ ン ト ロールは G B P の代わり に水を用いた) で測定した。 結果を第 1 図に示した。
G B Pは、 0.45M NaC 1溶出画分に存在し、 9 —グルカ ンによる G因子の活性化を強く 阻害した。 こ の画分 310mL をナ ス型フ ラ スコに集め凍結乾燥した。
こ の凍結乾燥物を水 25mLに溶解し、 その全量を、 0.05M ト リ ス ー塩酸緩衝液、 PH8.0 (0.5M NaCl 、 4mM CaCl 2 舍有) で平衡 化したセフ ァ ク リ ノレ S-300 HR カ ラ ム(2.2 X 95cm) に添加し、 18mL/ r の流速で溶出させ、 2.5 mLずつ分画した。 G B P活性 は、 上述の方法で測定し、 G因子活性化能の 50%阻害量を 100 単位と した。 なお、 以下 G B P活性の単位は uni ts あるいは単 に u で表す。 また、 B因子と C因子活性は Obayashi らの方法 (Cl in. Chim. Acta, 149, 55- 65 (1985) )に従い、 545nm の吸光 度を測定して求めた。 この結果を第 2図に示す。 第 2図に示す よ う に G B P活性がフ ラ ク シ ョ ン 70〜 88 (47.5niL) にみられた < こ の画分を凍結乾燥し、 水 8mLで溶解し、 前記と同様の緩衝 液で平衡化したセ フ ア ク リ ル S-300 HR カ ラ ム (1.4 X 95cm) に 再度添加し、 4.5mL/hrの流速で 0.93mLずつ分画し、 G B P活性 を測定した。 その結果を 3図に示す。 第 3図に示すよ うにフ ラ ク シ ョ ン 81〜84に G B P活性がみられた。
こ のよ う に G B P は、 デキ ス ト ラ ン硫酸一セ フ ァ ロ一スによ るァフ ィ 二テ ィ ーク ロマ トグラフ ィ ー (第 1 図) の後、 セファ ク リ ル S-300 H によるゲルろ過により、 B因子及び C因子と ほぼ完全に分離する こ とが可能であり (第 2図) 、 さ らに同様 の担体による リ ク ロマ ト グラフ ィ 一によつて高純度の精製品を 得る こ とができる。 この精製工程の比活性を第 1 表に示した。 なお、 ラ イ セー ト (粗抽出液) 中では大量の G因子が存在して いるため、 G B P活性を測定する こ とが不可能で、 こ のよ う な ク ロマ トグラ フ ィ ーを行ない、 G因子と相互分離したこ とによ り、 はじめて G B P活性および G B Pの存在を知り得たもので ある。 なお、 該 G B P は他の種のカブ トガニ (例えばリ ムルス ' ポ リ フ エムス、 タ キプレウ ス ' ギガス、 カ ルシノ ス コ ノレピオ ス . ロ ッ ンディ 力 ウダ等) のラ イ セー トからも同様にして調製
する こ とができる
第 1 表
精製工程 全タン ク質 全活性 比活性 収 率 精製度
ing) ) (u/mg) (%) (-倍) 粗抽出液 4502.0
キス卜ラン硫酸- 60.8 2.13 X 10: 3.5 X 103 100 セファ π—ス Cし- 6B
セファク^ I S-300 11.9 6.31 X 10' 5.3 X 103 29.6 1.5 (第 1 回)
セフ 7ク ) I S-300 3.5 5.95 X 10' 1.7 X 104 27.9 4.9 (第 2 回)
( 2 ) G B P の理化学的性質
( 1 ) 分子量の測定
前記のセ フ ア ク リ ル S- 300 HR カ ラ ム (1.4 X 95cm、 ベッ ド体 積(Vt) = 146.2mいによるク ロマ トグラフ ィ ーで、 G B P活性の みられる画分の溶出位置(Ve)を箕出し、 High Molecular Weigh t Gel Filtration K i t (Pharmac i a製) の各タ ンパク質における 見かけの分配係数((Ve-V。/Vt-V。)、 Kavと表す) を分子量の対 数に対してプロ ッ ト した検量線により、 G B P の分子量を推定 した。 その結果、 第 4図にみられるように、 この G B P活性画 分における G B Pの分子量は約 580 k ダル ト ンであった。
また、 前記方法により精製した G B P (1.9 X 103 uni ts/mL. タ ンパク質濃度 : 245.2 g /mい 0,3mLを、 分子量 5, 000カ ツ トの遠心濾過チ ューブ(0.3mし容量、 ウ ル ト ラ フ リ ー C3LCC、 ミ リ ポア製) に入れ、 4 'C下で遠心 U, 500 X g , 50分) 後、 濃縮 液(0.03mいに水を加え、 0.3mLと した後、 再度同様の条件で 0.03 mLになるまで遠心濾過濃縮を行った。 このサ ンプルを、 Laemm 1 i の方法 〔Nature, 227, 680-685 (1970) 〕 に従い、 2 — メ ルカ プ トエタノ ールによる還元条件下で SDS- PAGEを行ない、 ク マ シ 一 ' ブ リ リ ア ン ト ' ブルー R — 2 5 0 によ って染色し、 分子
量を測定したとこ ろ、 第 5図にみられるように約 170 k ダル ト ンを示した。
なお、 マーカー と して次の 6 種類のタ ンパク (Boehringer Mannheim GmbH 製) を使用した。
a 2 一マ ク ロ グ ロ ブ リ ン (170 k) 、 |9 — ガ ラ ク ト シダ一ゼ (116.4 k) 、 フルク トース _ 6—リ ン酸キナーゼ(85.2 k)、 グ ルタ ミ ン酸デヒ ドロゲナーゼ(55.6 k)、 アル ドラーゼ(39.2 k)、 ト リ オ一ス リ ン酸ィ ソ メ ラーゼ(26.6 k)。
( 2 ) 等電点の測定
さ らに、 PhastGel IEF gradient 3-9 (Pharmacia製) を使用 し、 常法 ( In Gel Electrophoresis and Isoelectric Focusing of Proteins 236- 240 (1984) ) iこ従 ヽ、 PhastSystem ™ (Pharmacia 製) を用いて等電点電気泳動を行った。 泳動後のゲルは、 クマ シ一 ' ブ リ リ ア ン ト ' ブルー R — 2 5 0 で染色した。 その結 果を第 6図に示した。 第 6図に示されるように単一のバン ドで、 等電点(Pi)は、 約 9.2 であった。
なお、 マーカ一と して次に示す 1 0種のタ ンパク (Pharmacia 製) を用いた。 ト リ ブシノ ーゲン (Pi 9.30)、 レ ンズ豆レ ク チ ン一塩基性側バン ド(pi 8.65) 、 レ ンズ豆レク チ ン一中間バン ド(pi 8.45) 、 レ ンズ豆レク チ ン一酸性側バン ド(Pi 8.15) 、 ミ オグロ ビ ン —塩基性側バン ド (pi 7.35) 、 ミ オグロ ビ ン —酸 性側バン ド(P I 6.85) 、 ゥ シカーボニ ッ ク ア ン ヒ ド ラ一ゼ B (p I 5.85)、 /9 一 ラ ク ト グロブ リ ン(P I 5.20) 、 大豆 ト リ プシ ンィ ン ヒ ビター(pi 4.55) 及びア ミ ロ グルコ シダーゼ(pi 3.50) 。 ( 3 ) G B Pの N末端ア ミ ノ酸部分配列の決定
G B Pの N末端ァ ミ ノ酸配列の決定を、 Matsudairaの方法
[J. Biol . Chem. , 262, 10035〜10038 (1987)] によって行なつ た。 7.5 %のス ラブゲルに G Β Ρ (1 · 7 X 104 uni ts/mL) を、 1
レーンあたり O.OlmL負荷し、 30mAの定電流で泳動した。 泳動後 のゲルを切り出し、 水で 5分間洗浄後、 ト ラ ンスフ ァ 一 ' バッ フ ァ ー 〔 0.01 M 3 - (シク ロ へキ シルァ ミ ノ ) - 1 -プロノ、 ·ンスルホ ン酸(CAPSi ZlO^メ タノ ール〕 に 15分間浸した。 その後 ト ラ ン スブロ ッティ ングサン ドィ ツチ装置を用いて、 ゲルからボリ ビ ユリ デンジフルオ リ ド(PVDF)膜(Bio-Rad Labora tor i es .製) に, 4 , 18時間(20V、 定電圧) でタ ンパク質を転写した。 PVDF膜 を取り出し、 5分間水洗し、 0.1 %クマシ一ブリ リ ア ン トブル 一 R-250/50%メ タ ノ ールで 5分間染色後、 水洗を 3度操り返 し、 ク リ ー ンルームで 1 時間乾燥させた後一 35てで保存した。 目的のバン ドを滅菌力 ッタ ーナイ フで切り取り、 常法に従って. 気相ア ミ ノ酸シークェ ンサ一 (島津製作所, PPSQ-10)により分 折した。
その結果、 次の N末端のア ミ ノ酸配列が得られた。
Lys-Ser-Gly-Phe-Ile-Leu-Thr-Ala-Pro— Lys-Ser-し eu-Thr-し eu -Gly-Arg-Asn-Asn-Arg-Leu-Asn-Leu-His-Leu-Phe-Asp-Ile-Asn -Thr-Asn-Gly-Phe-Xaa-Arg- Ile-Gly-Val-Lys-Asp-Gln-Asn-Asp -Phe- Asn-
(式中、 Xaa は自然界に存在するア ミ ノ酸のいずれかを示す) ( 4 ) G B Pの紫外部吸収スペク トルおよび物質の性状
この画分の紫外部吸収スぺク ト ルを測定したとこ ろ、 第 7図 に示すとおり 280nm に最大吸収をもつ固有のスぺク ト ルが得ら れた。 また、 この画分を凍結乾燥したとこ ろ白色粉末が得られ た。 こ の白色粉末は水に易溶であった。
実施例 2
G B Pの作用の検討
( 1 ) G因子に対する阻害活性
実施例 1 で得られた精製 G B P (10, 20, 40, 60, 80 u g/mL)
をそれぞれ 0.05mL とり、 前記の方法に従って G因子に対する 阻害活性 (G B P活性) を求めた。 その結果を第 8図に示す。 第 8図に示す通り、 G B P活性は用量依存性である こ とが明ら かになった。
( 2 ) G B Pの加熱処理による活性変化
実施例 1 で得られた精製 G B Pを、 100 てで 3分間処理した 後の遠心(1.000 X g , 15分間) 上清を、 水で 10倍に希釈し、 そ の 0.05mLを取り、 前記の方法に従って、 処理前後における G因 子に対する阻害活性を比較した。 その結果を第 2表に示す。
第 2 表
方 法 全活性(U) 残存活性 (%) 対照 (無処理) 42.8 100
加熱 (100 'C、 3 分) 4.1 9.6 第 2表から G B P は易熱性 (熱不安定性) タ ンパク質である こ とが判明した。
( 3 ) G B Pの結合特異性
G B P (1.6 X 104 uni ts/niL) 0.05mLに、 直鎖 ( 1 → 3 ) 一 β — D—グルカ ンおよび分岐 ( 1 → 3 ) — /ff — D—グルカ ンを加 え、 前記した方法で G B P活性を測定し、 残存活性を測定し阻 害率を算出した。 その結果を第 3表に示す。 なお、 こ こで用い た直鎖 ( 1 → 3 ) — 一 D—グルカ ンおよび分岐 ( 1 → 3 ) — β — ϋ ー グルカ ンの入手先を以下に示す。
直鎖(1→3)— /? 一 D—グルカ ン :
ノ、'キ マ ン (PachymanHAgri Biol . Chem. , 32, 1261 - 1269 (1968)に従い調製)
カー ト' ラ ン (Curdlan) (Alcaligenes faecalis var . my xogenes 由来、 和光純薬工業 (株) 販壳)
カノレボキ シメ チノレカー ド ラ ン(Carboxymethylated Curdlan;
CMPS) (Phytochemistry, 1, 175- 188 (1962)に従い調製。 置換度 0.63)
ノヾラ ミ ロ ン (Paramylon) (Eug 1 ena grac i 11 i s 由来、 Biochim. Biophys. Acta, 44, 16レ 163 (1960) に従い調製)
分岐(1→3) _ 9 — D—グルカ ン :
(1→6) , (1→3)— β — ϋ — グルカ ン : シゾフ ィ ラ ン(Shizoph ylla) (Sonifilan;科研製薬(株)販壳) 、 レ ンチナ ン(Len t i nan) (味の素(株)販壳) 、 ラ ミ ナ ラ ン (Laminaran) (Laminaria digi tata由来、 シグマ社販売)、 ラ ミ ナラ ン(Lam i naran)
araborea由来、 ナカ ラ イ テス ク (株) 販壳)
(1→4) , (1→3)— /? — D— グルカ ン : リ ケナ ン(Lichenan) ( Cetraria islandica由来、 シグマ社販売) 、 大麦 /? — D—グ ルカ ン(Barley β -D-glucan) ( シグマ社製)
ラ ミ ナ ラ ン、 カ スレボキ シ メ チノレカ ー ド ラ ン、 シゾフ ィ ラ ン (2 X 10"6£ Ζηιしのもの) 、 レ ンチナ ン(2X10—8 gZroLのもの) 、 リ ケナ ン、 大麦 9 一 D— グルカ ンは蒸留水、 ノ、'キマ ン、 カー ド ラ ンは 0.1M NaOH水溶液、 ノ、'ラ ミ ロ ン、 シゾフ ィ ラ ン(1 X 10— ' g/mLの もの) 、 レ ンチナ ン(2X 10—'° g/mLの もの) は 0.3M NaOH水溶液にそれぞれ溶解し、 蒸留水あるいは 0.01M NaOH水溶 液で適宜希釈して使用した。
第 3表
グノレ力 ン 結合様式 数平均 グルカ ン 阻害度 ノ J ネ量 港 } f又
(kD) (g mL) (%) パキ (J →3)- β -D 80 5X 10" 1 ' 99.0
(0.1M NaOH) 万 t →3)- β - V 丄 D X 1丄 Π U - 1 i y o . D
U*丄 Π N aUH
35 ¾ ί - π u 0 QQ
(] .→3) - β
ート n u、 パラ ϋ (] →3) - β -D >118 2.5X 10'1 1 99.2
^ u . π IM a u n /
K L . d l l t a 13 →6) , 0 ς · β 00 1 X丄 u ΰ, 0 由来) (1→3) - β -D (DW)
(E . ara bor ea に— 6), 16.8 1 X 10—7 95.2 田米 ) ri→ u ¾■) P - u Uri)
[→6)5 7 C 0 9
7 c
( D .0 丄 X 1U Do . D , o ) β -D (0.3M NaOH)
[→6), 2X 10'6 60.6
(1→3) n
一 - D (DW;、 レンチナン (] 1→6), 94.7 2 X 10- ' 0 59.4
(1→3) a
P - U (.U . or! NaUH
(] 1→6), 2 X 10"8 57.5
(1→3) β -D (DW) リケナン ί→4) , 22 7.5 X 10-7 40.7
(1→3) β - D (DW)
L→4), >23.1 1.25x10 36.2
(1→3) 0 -D (DW)
DW NaOHは、 試料の溶解液を示す。 DWは蒸留水、 NaOHは水酸 化ナ ト リ ゥム水溶液を意味する。
また、 G B P (1.6 X 102 uni ts/mL) 0.025 mL に、 β — グ)レカ ン以外の各種多糖の試料 0.025mL を添加し 37' (: 、 10分間加温後 lOOpg ZmLのバキマ ン 0.025mLを加え、 さ らに 37てで 10分間放
置した。 その後、 G因子(0.04mL)、 プロク ロ ッ ティ ングェ ンザ ィ ム(Pro CE) (0.02mい、 1(1 MgS04 (0.01mい、 2Mト リ ス —塩酸 緩衝液(PH8.0) (0.01mい 、 5mM Boc-Leu-Gly- Arg-pNA (0.02mL) を加え、 37'Cで 20分間反応させ、 残存活性を測定し、 阻害率を 算出した。 その結果を第 4 表に示した。 なお、 こ こで用いた多 糖の入手先を以下に示す。
(1→4)— /? — D—グルカ ン : カ ルボキ シメ チルセルロース
(Carboxymethy 1 eel lulose) (ナ ト リ ウ ム塩、 ナ ラ カ イ テス ク
(株) 販売)
(1→6) — /9 一 D — グルカ ン : ジ ロ フ ォ ラ ン (Gyrophoran) (G^roghora esculent a ; ¾ J. Ferment. Techno 1. , 50, 388-396 (1971)に従い調製)
( 1 → 6 ) — or — D — グルカ ン : デキ ス ト ラ ン (Dextran) (Leuconostoc sp.由来、 分子量〜 40, 000、 生化学工業 (株) 販 壳)
(1→4) , (1→6) - ct - D — グルカ ン : ブルラ ン (Pullulan) (Pullularia pullulans由来、 林原生物化学研究所販壳)
(1→2) , (1-→3) , (1→6) — or — D—マ ンナ ン : 酵母 α — D — マ ンナ ン ( シグマ社販壳)
(1— 3)— 5 — D—キ シ ラ ン(Xylan): (キ シロースのボ リ ダ リ コ シ ド。 Caulerpa brachypus由来、 Nature, 187, 82-83 (1960) の方法に従い調製)
カルボキ シメ チルセルロース、 デキ ス ト ラ ンおよびプルラ ン は蒸留水で溶解、 ジ ロ フ ォ ラ ンは 0. NaOH 水溶液で溶解、 a -D- マ ンナ ンおよび キ シラ ンは 0.3M NaOH 水溶液で溶解 し、 それぞれ蒸留水で適宜希釈して使用した。
第 4表 グルカ ン 結合様式 タ
力 ftiキシメチ Aセ ΛΠ—ス (1→4) - β -D 1 X 10-7 1.5
(DW)
ジ Πフォラン (1→6) - β -D 2 Χ 10- " 1.1
(0.1M NaOH)
テキストラン (1→6) - or -D 1 X 10- 7 1.0
(DW)
ブルラン (1→4) , 1 X 10-7 1.0
(1→6) - ar -D (DW)
酵母 a -D-マンナン (1→2), (1→3) , 1 X 10"B 1.2
(1→6) - a -D (0.3M NaOH)
キシラン (1→3) - 9 -D 1 X 10—7 1.1
(0.3M NaOH)
DW. NaOHは、 試料の溶解液を示す。 DWは蒸留水、 NaOHは水酸 化ナ ト リ ウム水溶液を意味する。 第 3表に示すよう に、 直鎮(1—3) — )9 — D —グルカ ン以外に も、 (1→6) , (1→3) — ? — D—及び(1→4) , (1→3) - β - Ώ - グルカ ンのよ う な分技(1→3) — /9 — D —グルカ ンな らびにカル ボキ シメ チル化(1→3) — — D —グルカ ンに対する阻害活性が 認められた。
また、 (1→3) — 9 _ D—グルカ ン以外の構造を有する多糖の 場合、 上記したようにあらかじめ G Β Ρ と混合加温後、 さ らに (1→3) ー /9 — D —グルカ ンを添加し、 どの程度(1—3) - β - Ό ーグルカ ン結合能、 すなわち G因子に対する阻害活性が抑制さ れるかによって判定した。 第 4表から明らかなよう に、 カ ルボ キ シメ チルセルロ ー ス ((1→4) — — D —) 、 ジ ロ フ ォ ラ ン
((1→6) - β - Ό - ) 、 デキス ト ラ ン ((1→6) — cr — D —) 、 プルラ ン ((1→4) , (1→6) - a - Ό - ) 、 酵母 or — マ ンナ ン
( (1→2) , (1→3) , (1→6) - a - Ό - ) 、 キ シ ラ ン (キ シ ロ ー
2
スのボリ グリ コ シ ド。 (1→3)— 9 — D —) には全く 阻害活性の 抑制が認められなかつた。
( 4 ) G B Pによる G因子阻害作用の詳細な検討
実験 1 : G因子 0.04mし、 プロ ク ロ ッ テ ィ ングェ ンザィ ム(pro CE) 0.02raL、 1M MgS04 0.01mし、 2M ト リ ス—塩酸緩衝液(pH8.0) O.OlraLs 50pg/niL パキマ ン (以下 BGという こ ともある) 0.05mL を混合し、 37'Cで 20分間加温後、 G B P (1.6 X 104 uni ts/mL) を 0.05mし、 5mM 基質(Boc-Leu-Gly-Arg-pNA ; 以下 Subとよぶこ ともある) を 0.02mLそれぞれ加え、 37てで 3分間反応させ、 遊 離 p —二 ト ロアニリ ンを既知の方法(Tamura,H.ら, Thromb. Res. 27, 51-57 (1982)) に従い、 ジァゾカ ッ プリ ングによ って発色 させた後、 545nm の吸光度を測定した。
実験 2 : G因子 0.04ml に G B Pを 0.05mL加え、 37'C 10分間 ¾Π ¾ ¾ . 50pg/mし BG 0·05πιし、 ProCE (K02mし、 1M MgS04 0.01 mL、 2M ト リ ス一塩酸緩衝液(pH8.0) O.OlrnL. 5mM Sub を 0.02mL それぞれ加え、 37'Cで 20分間反応させ、 (1) と同様にジァゾ力 ッブリ ングによ って発色させた後、 545ntn の吸光度を測定した。 実験 3 : BG 0.05ml に、 G B Pを 0.05m 1加え、 37て 10分間加 温後、 G因子 0.04mL 、 ProCE 0.02mし、 1M MgS04 0.01mL、 2H ト リ ス一塩酸緩衝液(PH8.0) O.OlraL. 5mM Sub を 0.02mLそれぞ れ加え、 37てで 20分間反応させ、 (1) と同様に、 ジァゾカ ップ リ ングによ って発色させた後、 545nm の吸光度を測定した。
実験 4 : G因子 0.04mL に、 ProCE 0.02mL、 50pg/mL BG 0.05 mL、 1M MgSO* 0.01mし 2M ト リ ス ー塩酸緩衝液(pH8.0) O.OlmL. 5mM Sub 0.02mLの混合液に、 G B Pを 0.05mL加え、 37てで 20分 間反応させ、 遊離 P —二 ト ロア二リ ンを(1) と同様にジァゾ力 ップリ ングによ って発色させた後、 545ηηι の吸光度を測定した。
(1) 〜(4) のそれぞれについて、 G B Pの代わり に水を用い
たものをコ ン ト ロールと して、 G因子活性化阻害率 (% ) を算 出した。 結果を第 5表に示す。
第 5表 実験 手 順 阻害度 (%)
FG + BG + ProCE(37*C、 20分)
→ + GBP + Sub(37'C、 3 分)
FG + GBP(37*C、 10分) 37.5
→ + BG + ProCE + Sub(37*C、 20分)
BG + GBP(37'C、 10分) 100
→ + FG + ProCE 十 Sub(37'C、 20分)
4 FG + BG + GBP + ProCE +Sub(37*C . 20分) 33.4
FGは G因子、 BGはバキマ ン ((1— 3) - |? グルカ ン) 、 Pro CEはプロ ク ロ ッ テ ィ ングェ ンザィ ム、 GBP はデキス ト ラ ン硫酸 ーセフ ァ ロース Cい 6B の 0.45M NaCl 溶出画分 (本発明のタ ン パク質を含んでいる) 、 S ubは基質(Boc-Leu- Gly-Arg-pNA) を それぞれ示す。 第 5表より 、 本発明のタ ンパク質 ( G B P ) を、 あらかじめ ( 1 → 3 ) 一 )5 — D —グルカ ン と混合し、 加温 ( 37て ) するこ とにより、 著し く G因子活性化阻害能が高められる こ とが示さ れた。 従って、 これは従来より知られている低分子の水溶性ボ リ ダルコ シ ド ( G因子活性化阻害剤 ; 国際公開 W090/02951 参 照) 、 例えばラ ミ ナラ ンオ リ ゴ糖ゃカー ドラ ンのギ酸水解物に δめられるよう な、 G因子活性化阻害剤が直接 G因子と結合す とによる ( 1 → 3 ) — ^ — D—グルカ ン(BG)との拮抗阻害 ではな く 、 ( 1 → 3 ) — /9 一 D —グルカ ン と G B P との直接結 合、 すなわちレクチン様相互作用による G因子の活性化阻害と 考えられ、 本発明のタ ンパク質 ( G B P ) の ( 1 — 3 ) — /? 一
D —グルカ ンへの直接結合が支持された。
これらの こ とより、 G B P は、 ( 1 → 3 ) — 一 D —グルカ ンを引き金とする G因子系の制御及び調節、 生体内における
( 1 — 3 ) — ^ 一 D—グルカ ンの輪送、 真菌増殖の抑制等に重 要な役割を担っている と考えられる。
実施例 3
G B Pに対する抗血清の調製及び精製
400 μ s /ml の精製 G B P水溶液 500 1 と等容量のフ ロ イ ン トの完全ア ジュバン ト (ャ ト ロ ン (株))と混合した。 これをゥ サギ ( J W、 雄、 体重 1.8kg) 2匹に皮下注射した。 2週間毎に 4 回同様の感作を行った後、 追加免疫と して 100 g/mlの G B P水溶液 0.2mlを静脈注射した。 最後の注射から 1 週間後、 該 ゥサギから全採血した。 ひきつづき室温で 1 時間、 4 てで一晩 放置後、 2000rPm で、 5分間遠心分離を行い、 得られた血清 60 mlを 56てで 30分間加熱処理を行い非働化した後、 防腐剤と して 0.06 g のア ジ化ナ ト リ ゥムを添加し(0.1% (W/V)) 、 抗血清を 得た。 抗血清の抗体価はォクタ ロニ一二重拡散法で調べた。
さ らに、 該抗血清を硫酸ァ ンモニゥムによる塩折とプロティ ン A によるァフ ィ 二ティ 一ク ロマ トグラフ ィ ーとによって常法 に準じて精製し、 精製免疫グロプリ ンを得た。
実施例 4
G B Pを用いた ( 1 → 3 ) — /? — D —グルカ ンの定量 精製 G B P水溶液(400 g/ml) を 0.1M炭酸水素ナ ト リ ウム緩 衝液(PH9.6) で 103 倍希釈した溶液 50 1 を /9 —グルカ ンフ リ 一 96穴マ イ ク ロプレー ト ( トキ シぺ ッ トプレー ト、 生化学工業 (株) 販売) に分注し、 4 てで 12時間放置する こ とにより、 該 G B Pをプレー ト固相に吸着 (固着) させた。 該溶液を吸い取 り、 P B S緩衝液 (以下、 P B S ) で 3 回洗浄した後、 全ての ゥ エルを 5 %ゥ シ血清アルブ ミ ン ( B S A ) をふ く む P B S で ブロ ッキ ングし、 37てで 2時間加温した。 引き続き、 0.1 %ッ ィ ー ン— 20 (Tween-20) を舍む P B S (以下、 P B S — T W)
で 3 回洗浄し、 ( 1 — 3 ) — /9 一 D —グルカ ン溶液 (0.1, 1, 10, 100, 1000ng/ml) 100 u 1 を加え、 37てで 2時間反応させ た。 次に P B S — T Wで 3 回洗浄し、 ピオチン標識 G B P水溶 液(0.2 / g/ml) 100 1 を添加し、 37· (:、 2時間反応させた後、 ペルォキ シダーゼ ( H R P ) 標識ス ト レブ トァビジン(1〃 g/ml) 100 1を添加し、 37て、 2時間放置した。 さ らに、 発色基質 溶液 [( テ ト ラメ チルベンジジン 10mgおよび 30% H20z 2 μ】 を舍む 50mM酢酸緩衝液、 pH5.0(10ml)〗 100 u 1 を加え、 室温で 10分間加温後、 2M硫酸 50 μ 1 を加えて反応を止め、 450nm の 吸光度 (対照 : 630nm) をマイ ク ロブレー ト リ ーダー (ゥエル リ ーダー SK601 、 生化学工業 (株) 販売) で測定した。
( 1 → 3 ) 一 /9 一 D —グルカ ンの用量依存性 ( G B P との反応 性、 検量線) を第 9図に示す。
実施例 5
G B Pを用いた ( 1 → 3 ) — /? — D —グルカ ンの検出
抗原と して ( 1 → 3 ) — /9 — D —グルカ ンとゥ シ血清アルブ ミ ン ( B S A ) とのコ ンジュゲー ト (Agric. Biol. Chem. , 54. 1953- 1959 (1990) によって調製した) 1.5 g を舍む抗原溶液 100 U 1 を 96穴の /5 —グルカ ンフ リ ーマイ ク ロプレー ト ( トキ シぺ ッ トプレー ト 96 F、 生化学工業 (株) 販壳) のゥエルに加え、 4 てで 1 2時間放置して抗原をプレー トにコー ト した。 抗原溶 液を吸い取り、 リ ン酸緩衝溶液 ( P B S ) で 3 回洗浄後、 すべ てのゥエルを 5 % B S Aを舍む P B S (以下、 ブロ ッキ ング榕 液) で満たし、 37てで 2時間加温した。 ゥエル中のブロ ッキ ン グ溶液を除き、 0.1 %ツイ ーンー 20 (Tween-20) を舍む P B S (以下、 PBS-Tween-20と略す)で 3 回洗浄した。 次いで、 1 mlの G B P水溶液 100 1 をゥエルに加え、 37てで 2時間イ ン キュべ一 卜 した。 ゥエルを PBS-Tween- 20で洗浄後、 1 :5000、 1 :
10000 および 1:50000の割合で P B Sで希釈した抗 G B P血清 または正常ゥサギ血清をゥエルに加え、 37てで 2時間加温した。
PBS-Tween-20で洗浄後、 1:1000の割合で P B S で希釈したペル ォキ シダーゼ標識ヒ ッジ抗ゥサギ I g G血清を加え、 37てで 2 時間イ ンキュベー ト した。 ゥエルを PBS-Tween-20で洗浄後、 発 色基質溶液 (テ ト ラ メ チルベ ンジジ ン 1 Omgおよび 30 % H 2 02 2 μ 1 を舍む 50mmol/l酢酸緩衝液、 PH5.0 ( 10m 1 ) ) 100 u 1 を加 え、 室温で 10分間イ ンキュベー ト した。 2 M硫酸 50 1 を加 えて反応を止め、 660nm を対照と して 450nra の吸光度をマイ ク 口プレー ト リ ーダ一 ( ゥ エルリ ーダー SK601、 生化学工業(株) 販売) で測定した。
抗 G B P血清を用いて上記のようにして、 G B P と ( 1 → 3 ) 一 9 一 D —グルカ ン とが直接結合する こ とが実験的に証明され
( 1 → 3 ) — /9 — D —グルカ ンと G B Pの複合体に対するゥ サギ抗 G B P血清の反応性の結果を第 6表に示す。
第 6表 抗血清 抗体の希釈率 450ηηιの吸光度 抗 G B P血清 1 : 5000 2.856
1 : 10000 2.632
1 : 50000 0.752
ゥサギ血清 1 : 5000
(対照) 1 : 10000 0.074
1 : 50000 0.016 実施例 6
G B Pを用いた ( 1 → 3 ) — /5 — D —グルカ ンの除去
jS — D —グルカ ンフ リ 一の Sepharose 4B (フ ア ルマ シア製)
100ml をガラ スフ ィ ルター ( # 2 ) に移し、 2 リ ッ ト ルの注射 用蒸留水 (以下、 DW) で吸引洗浄した後、 1 リ ッ ト ル容量のビ 一力一に入れ、 DW200 mlを加えた。 マグネチ ッ クスターラーで 攪拌しながら、 ION NaOHによって ρΗ11〜12に調整し、 次に DW500 m 1に溶解した臭化シア ン ( C N B r ) 25 g を徐々 に添加し、 pH が変化しな く なった時点で反応を終了させた。 該 C N B r活性 化 Sepharose 4B をガラ スフ ィ ルターで濾過し、 冷水 2 リ ッ ト ル, 0.1M NaHC03 1リ ッ ト ルで洗浄した。 こ の活性化 Sepharose 4B 10mlに 0.2 mg/ml になるよう に涑結粉末 G B P 2mgを加え、 ローテ一ターで攬拌しながら 4 てで、 24時問処理した。 反応後、 残存する不純物 (ィ ミ ドカーボネー ト体) を不活化するために、 0.2M ト リ ス一塩酸緩衝液 PH8.0中で 5時間放置した。 G B P 固定化 Sepharose 4B 0.5g に ( 1 → 3 ) — ー D —グルカ ン溶 液 (0.1, 1.0, 10, 100 μ g/ml) を加え、 マルチ シエ イ カーで 8時間連続攬拌した。 引き続き、 3000rpm 、 10分間の遠心後、 上清 50 / I に ( 1 → 3 ) — ー D —グルカ ン特異的合成基質試 m (グルスぺ シ一、 生化学工業 (株) 販壳) 1 を加え、 溶 液に残存する ( 1 → 3 ) — ー D —グルカ ン量を測定した。 担 体フ リ ーで同様の操作を行った場合を 100%と して、 本担体に よる ( 1 — 3 ) — 5 — D —グルカ ン除去率を算出した。 G B P固定化担体による ( 1 → 3 ) — 9 — D —グルカ ン除去試験と して、 結果を第 7 表に示す。
第 Ί表
以上、 述べたとおり、 本発明の ( 1 → 3 ) — )9 — D—グルカ ン結合性タ ンパク質及びそれを認識する抗体は、 検体中のェ ン ド トキ シ ン、 ( 1 → 3 ) — /9 — D—グルカ ン等を特異的に検出 したりあるいは試料中の ( 1 → 3 ) — 9 — D—グルカ ンを効率 的に除去したりする こ とができ るのでこれらの物質の検出試薬 あるいは除去剤と して用いる こ とができる。 従って、 検体や試 料中のこれらの物質を検出し、 それを無毒化するのに用いる こ とができる。
さ らに、 本発明の ( 1 → 3 ) — — D—グルカ ン結合性タ ン パク質は、 真菌細胞壁の主要構成多糖である ( 1 → 3 ) - β - D—グルカ ン と結合し、 真菌の増殖を抑制する可能性が有り、 医薬、 特に抗真菌剤と して開発が期待される。
配 列 表
配列番号 : 1
配列の長さ : 44
配列の型 : ア ミ ノ酸
トボロ ジー 直鎮状
配列の種類 タ ンパク
起 カブ トガニ血球
配列
し ys Ser Gly Phe lie Leu Thr Ala Pro し ys 1 5 10
Ser Leu Thr し eu Gly Arg Asn Asn Arg し eu
15 20 Asn Leu His し eu Phe Asp lie Asn Thr Asn
25 30 Gly Phe Xaa Arg lie Gly Val し ys Asp Gin
35 40
Asn Asp Phe Asn