JP2011102323A - 非誘導化水溶性ベータ−(1,3)−グルカンのレセプター - Google Patents
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Abstract
【解決手段】β(1,3)-グルカンが蛋白様レセプターに結合して、レセプターに結合したβ(1,3)-グルカンの一次複合体を生成するために好適な条件下で、β(1,3)-グルカンを含有する試料を該レセプターと接触させ、前記一次複合体を単離し、さらに、前記一次複合体からβ(1,3)-グルカンを単離する。
【選択図】なし
Description
本出願は、1998年8月26に出願された米国特許出願第09/140,196号の一部継続出願である、1998年9月25日に出願された米国特許出願第09/160,922号に基づき、優先権を主張するものであり、その全教示を、参照のためここに取り込むこととする。
β-グルカンの生物学的活性は、標的細胞上に位置する特異的レセプターを通して仲介される。研究者の幾つかのグループが、結合して、粒状β-グルカン調製物(例えば、Zymosan様粒子;Goldman(Immunology 63(2):319-324(1988);Exp. Cell. Res. 174(2):481-490(1988); Engstad and Robertsen, Dev. Comp. Immunol. 18(5):397-408(1994); Muller et al., Res. Immunol. 145:267-275 (1994));Czop, Advances in Immunol. 38:361, 398(1986); の食菌作用を仲介するレセプターを記載し、これらのレセプター(Czop and Kay, J. Exp. Med. 173:1511-1520(1991); Szabo et al., J. Biol. Chem. 270:2145-2151(1995))を部分的に特徴付けしている。白血球相補レセプター3(CR3、MAC 1またはCD11b/CD18としても既知)は、粒状と可溶性との両方のβ-グルカン、並びに他の多糖類(Thornton et al., J. Immunol. 156:1235-1246(1996))に結合することが報告されている。可溶性アミノ化β-グルカン調製物は、マウスの腹膜マクロファージに結合することが示され(Konopski et al., Biochem. Biophys. Acta 1221:61-65(1994))、リン酸化β-グルカン誘導体は、単核細胞細胞系列に結合することが報告されている(Muller et al., J. Immunol. 156:3418-3425(1996))。
本発明は、非誘導化水溶性ベータ-(1,3)-グルカン(1992年8月21日に出願された米国特許出願第07/934,015号を参照のこと。その教示は、ここに参照のため取り込むこととする。)がラットのNR8383マクロファージに位置する新規なレセプターに特異的に結合するとの発見に関連する。非誘導化水溶性ベータ-(1,3)-グルカンはまた、米国特許出願第08/400,488号、同08/432,303号、同07/934,015号及び同08/469,233号並びに、米国特許公報第5,322,841号、同5,488,040号、同5,532,223号及び同5,783,569号にも記載されている(これら全ての教示を、参照のためここに取り込むこととする)。ここに記載の研究結果は、この、非誘導化水溶性ベータ-(1,3)-グルカン(TH-グルカンとしても既知)のレセプターを特徴付け、周知のβ-グルカンレセプターと明確に区別する一方で、非誘導化水溶性β(1,3)-グルカンの生物学的活性の機構についての、重要な情報を明らかにするものである。
ここに記載した全ての参考文献の教示は、参照のためここに取り込むこととする。
A.材料
Ham's F-12組織培養培地は、Life Technologies (Grand Island, NY)より購入し;ウシ胎児の血清(fcs)及びリポ多糖類(LPS、血清型0128:B12)は、Sigma (St. Louis, MO)より購入し;TH-グルカン、低分子量グルカン(LMW-グルカン、約8,000−120,000ダルトン)、高分子量グルカン(HMW-グルカン、およそ210,000より大、1,000,000より小)、極高分子量グルカン、(VHMW-グルカン、およそ1,000,000ダルトンより大)は、米国特許第5,622,939号公報、同5,783,569号公報、及び同5,817,643号公報に記載の方法によりAlpha-Beta Technology, Inc.において調製し;スクレログルカン(ACTIGUM(商標))は、Sanofi Bio-Industries (Paris, France)より入手した。この報告書のアッセイに使用したスクレログルカンは、穏やかな蟻酸加水分解、中和、及びゲル浸透クロマトグラフィーにおけるサイズフラクションによって変性し、TH-グルカンと同等の流体力学的体積とした。全てのβ-グルカン試料は、Limulus amoebocyte lysateアッセイにより、内毒素汚染について陰性と判定された。他の全ての試薬等級の材料は、SigmaもしくはBoehringer Mamheim (Indianapolis, IN)から購入した。GST融合タンパク質ATF-2、ELK-1、c-junは、New England Biolabs (Beverly, MA)より入手し;アンチ-ERK1/2、-p38、-JNK、及び-IKKα抗体、並びにGST融合タンパク質IκBαは、Santa Cruz Biotechnology, Inc.(Santa Cruz, CA)より入手した。NR8383細胞については、例えば、Helmke, R. J. et al., In Vitro Cell Develop. Biol. 23;567-574 (1987); Helmke, R. J. et al., In Vitro Cell Develop. Biol. 25;44-48 (1989)をを参照のこと。分子量は、MALLSによって決定した。
TH-グルカン(Alpha-Beta Technology, Worcester, MA)を、NaIO4(10mg/ml;Sigma)と共に、化膿素を含まない滅菌(SPF)水中で、室温にて72時間インキュベートした。0.5mlのエチレングリコールの添加により過ヨウ素酸塩をクエンチした。酸化TH-グルカンを、SPF水に対して透析した後、100mCiのNaB3H4(New England Nuclear, Boston, MA)で還元的に標識した。3H-TH-グルカンを、透析及び限外濾過によってトリチウム原子を含む低分子量分解生成物から分離した。標識生成物の純度を、ゲル浸透クロマトグラフィーによって検定した。
NR8383細胞を、標準組織培養技術を用いて、15%のウシの胎児の血清を含有するHam's F-12培地(F-12/fcs)中で成長させた。細胞を、掻爬及び遠心分離(400×g、5分間、室温)によって、およそ3×105細胞/mlの細胞密度で採取した。細胞をPBS中に再懸濁させ、3H-TH-グルカン(最終的に1μg/ml)及び、図に示したとおり食塩水もしくは競合物のいずれかと混合した。細胞濃度は、0.25−1.0×106細胞/ウェル/200μlであった。結合反応を、60分間、37℃にて進行させた。インキュベート時間の終点で、細胞を、遠心分離により2×250μlのPBS洗浄し、0.1NのNaOHで溶解させ、液体シンチレーション計数により放射能を測定した。
Bt=Σ{Bmax1L/(L+Kd1)]+Bmax2[L/(L+Kd2)]
[Btは、標識リガンド結合の全量を表し、Lは、標識リガンドの濃度を表し、Bmaxは、部位nの最大結合能を表し、Kdnは、部位nに得られた解離定数である]
により、非線形回帰分析(Kaleidagraph, Synergy, Reading, PA)による二部位/二親和性モデルに当てはめた。
細胞を上述の通り採取し、5mMのEDTAを含有する滅菌PBS中に再懸濁させた。細胞を、別々の試験管に分け入れ、再度遠心分離にかけた後、0.25%のトリプシン(w/v)含有もしくは非含有の1mlのPBS/EDTA中に再懸濁させた。細胞を、35℃にて45分間インキュベートした。インキュベート時間の終点において、0.5mlの大豆トリプシン抑制剤(0.25%、w/v)を添加し、次いで10mlのF-12/fcsを添加した。細胞を、上記の通り遠心分離にかけ、0.7mlのPBS中に再懸濁させるか、または結合活性のアッセイに即座にかけるため、シクロヘキシミド(1μg/ml)を含有もしくは非含有の10mlのF-12/fcs中に再懸濁させ、さらに24時間インキュベートした。結合活性のアッセイのために、細胞を血球計にて計数し、細胞数を均等にした。その後細胞を、結合反応が100μg/mlの非標識TH-グルカンの存在下もしくは非存在下、4℃にて行われたこと以外は、上述の通り検定した。細胞を処理し、上述の通り放射能を測定した。
ラクトシルセラミドへの、3H-TH-グルカン結合を、上述(米国特許出願第08/990,125号、代理人事件整理番号(attorney docket no.)ABY97-04、1997年12月12日出願;その教示は、参照のため、ここにその全体を取り込むこととする)の通り測定した。端的には、ラクトシルアミド(Sigma Chemical Co.)を1mg/mlにてエタノールに溶解させた。3例のアリコート(20μl)を、96-ウェルのポリスチレンプレート(Coster)に塗布し、空気乾燥させた。プレートを、PBS中1%のゼラチン(w/v)300μlと共に37℃にて1−2時間インキュベートすることでブロックした。その後プレートを、PBSで濯いだ(2×200μl)。PBSもしくは非標識多糖類のいずれかを、各ウェルに50ミクロリットル添加し、プレートを37℃にて平衡させた後、3H-TH-グルカンを添加した(1μ/ml、最終的に100μl)。プレートを1−2時間、37℃にてインキュベートし、200μlのPBSで二度濯いだ。放射能を、150μlのSolvable(商標)(Du Pont NEN Wilmington, DE)に溶解させて計測した。
NR8383細胞の、F-12+0.1%fcs中、5×106細胞/ml×2mlの6ウェルプレート分を、一晩インキュベートした。その後細胞をLPS(1μg/ml)もしくはTH-グルカン(3μg/ml)のいずれかと共に、規定時間、37℃にてインキュベートした。細胞を氷上におき、ウェルから掻爬して10mlの氷温PBSに加えた。細胞を400×gにて5分間、4℃にて遠心分離にかけ、その後1mlのPBS中に4℃で再懸濁させた。細胞を再度遠心分離させ、1μg/mlのロイペプチン、アプロチニン、ペプスタチン、1mMのNaVO4、1mMのPMSFを含有し、10分間4℃にてインキュベートした後、15,000×gにて20分間遠心分離したリーシス緩衝液(20mMのTris pH7.4、137mMのNaCl、2mMのEDTA、25mMのb-グリセロホスファート、2mMのNaピロホスファート、10%のグリセリン、1%のTriton X-100)中に再度懸濁させた。タンパク質含量を、Bradfordアッセイ(Pierce)によって測定した。同等のタンパク質負荷(100−500μg)を、予め下記の通りキナーゼ特異的抗体(図参照)と結合させたタンパク質Aセファロースビーズ(Pierce)に加えた。免疫沈降反応混合物を、2−4時間、回転させつつ4℃にてインキュベートした。その後ビーズを1mlのリーシス緩衝液で3回、1mlのキナーゼ反応緩衝液(25mM HEPES pH7.4、25mM b-グリセロリン酸塩、25mM MgCl2、2mM NaVO4)で1回洗浄し、最後に2mMのDTTを含有する50μlのキナーゼ反応緩衝液中に再懸濁させた。その後、20μlのビーズ、22μlの反応混合物(20μlキナーゼ反応緩衝液、1μl 1mM ATP、1μl/10μCi g-32P-ATP)、0.5μlの2μg/mlキナーゼ基質を混合することにより、キナーゼ反応が開始された。反応を、15−20分間室温にて進行させた後、10μlのLaemmli緩衝液を4回添加し、5分間煮沸することによって終了させた。試料を遠心分離し、反応混合物のアリコートを10% SDS-PAGE上に流し、次いでオートラジオグラフィーを行った。
EMSAを、主にAdams, et al., J. Leuk. Biol. 62(6):865-873(1997)に記載の通り行った。端的には、下記の通り。
・細胞刺激
LPS(1μg/ml)、TH-グルカン(3μg/ml)、低分子量グルカン(LMW-グルカン;3もしくは30μg/ml)、高分子量グルカン(VHMW-グルカン;3μg/ml)、もしくはスクレログルカン(3μg/ml)を培地に添加し、37℃インキュベートを0.5−1.0時間継続した。刺激の後、細胞を氷温のPBS中に掻爬し、一度PBSで濯いだ後、核抽出に用いた。
PMNを、酸シトレートデキストロースで凝固防止したドナー血液から調製した。1.5%のデキストラン(w/v)中に沈殿させた後、細胞を遠心分離し(400×g、7分間)、自己由来血漿中に再懸濁させた。その後、細胞をFicoll勾配(リンパ球分離培地;Organon Teknika, Durham, NC)上に積層させ、遠心分離した(400×g、30分間)。ペレットから回収された細胞を、低張状態で溶解させ、残りのRBCを除去した。残留細胞は、形態学的基準により判断して95%より多くが好中球であり、この後これらを、核抽出物の調製の前に上述の通り刺激した。
EMSAのための核抽出物を、各資料に1.0−2.0×107細胞を使用して、既述の通り調製した(Adams, et al., 1997)。全ての緩衝液に、新たにDTT(0.5mM)、プロテアーゼインヒビターカクテル、及びホスファターゼインヒビターカクテルを補填した。タンパク質濃度を、Bradfordアッセイ(Pierce)により、BSA基準に対して決定した。
活性化した転写因子を、既述の(Adams, et al., 1997)EMSAを使用して検定した。NF-κBコンセンサス合成二重プローブ(consensus synthetic duplex probe)は、既述の通りとした(Adams, et al., 1997; Lenardo, M. J. and Baltimore, D., Cell 58:227-229(1989)も参照のこと)。32P-標識二重プローブを、ポリヌクレオチドキナーゼで調製した。標識プローブ(0.5pmol)を、3μgの核抽出タンパク質と、10mMのTris-HCl pH7.5、50mMのNaCl,1mMのEDTA、1mMのDTT、5%のグリセリン、0.02%のβ-メルカプトエタノール、0.1−1.0μgのポリ(dI/dC)を含有する溶液(Pharmacia)中で混合した。反応物を25℃にて20分間インキュベートした後、0.5X TBE緩衝液中4%のポリアクリルアミドゲルに通す非変性条件下で電気泳動させた。バンドが、オートラジオグラフィーによって映像化された。
A.NR8383細胞を、/mlを、1000倍過剰の非標識TH-グルカンを用いて(非特異的)もしくは用いずに(全)、3H-TH-グルカンの濃度を徐々に増加させて、60分間、4℃にてインキュベートした。インキュベートの終点で、非結合放射能を洗浄により取り除き、細胞関連放射能の量を、上述のように測定した。特異的結合を、全放射能から非特異的なものを減算することにより決定した。結果を図1に示した。特異的結合曲線は、上述のように二部位モデルの非線形回帰分析に適合した。図1のデータは、NR8383細胞への3H-TH-グルカン結合が、用量依存型、特異的且つ飽和可能であることを示している。リガンドの濃度が増大するほど、NR8383細胞は、ますます多量の3H-TH-グルカンと結合した(全)。インキュベート混合物への非標識TH-グルカンの添加により、細胞と連合する3H-TH-グルカンの量が抑制された(非特異的)。全結合から、非特異的結合を減算した後、特異的結合が約30fm/106細胞にて飽和可能であることが判明した。特異的結合曲線の非線形回帰分析は、明かな解離定数Kd1及びKd2がそれぞれ45pM及び170pMである二部位結合モデルに適合する。結合部位の数は、高親和性及び低親和性の部位についてそれぞれ3,200/細胞及び18,000/細胞であった。NR8383細胞について4℃にて観察された結合活性は、ラクトシルセラミドについて観察されたものと対象を成し、4℃においては結合活性のないことを示した(データ示さず)。
NR8383細胞上での、3H-TH-グルカン結合部位へのβ-グルカン結合の選択性を、競争結合アッセイによって測定した。これらのアッセイでは、NR8383細胞は、3H-TH-グルカン及び様々な濃度の非標識競争β-グルカン(LMW-グルカン、VHMW-グルカン;もしくはスクレログルカン)と共に、共インキュベートされる。非結合放射能を取り除き、細胞関連放射能の量を、上述のように測定した。このタイプの実験の結果を、図2A−図2Cに示す(図2A:LMW-グルカン;図2B:VHMW-グルカン;図2C:スクレログルカン)。データの点は、平均%コントロール結合±変形の%係数を表し、TH-グルカンは、各実験にポジティブコントロールとして含めた。非標識TH-グルカン、LMW-グルカン、及びVHMW-グルカンもまた、3H-TH-グルカン結合に向けて競争可能であるが、スクレログルカンは、試験した濃度範囲においては有効な競争対象ではなかった。
NR8383細胞上では、3H-TH-グルカンレセプターがトリプシン化に感受性であることが判明した。NR8383細胞を、3H-TH-グルカン結合活性の測定前に
トリプシンと共にインキュベートするという実験が行われた。表1には、該実験の結果が示されている。細胞数を、結合アッセイのために標準化し、特異的結合(全結合−非特異的結合)は、0及び24時間の時点でのそれぞれのコントロール値に標準化した。トリプシン予備処理は、非処理コントロール細胞に対して、96%の特異的結合を排除した。細胞を、トリプシン化の後に通常培地中で24時間インキュベートした場合、結合活性は、コントロールレベルを越えてほとんど50%回復した。この回復は、タンパク質合成インヒビターシクロヘキシミド(1μ/ml)によって抑制された。興味深いことに、シクロヘキシミドが非処理のコントロール細胞に加えられる場合、結合活性が94%減少した。これは、3H-TH-グルカン結合活性の継続した発現のためには、不安定なタンパク質が必要であることを示唆している。これはレセプター自体、またはタンパク質もしくはそのmRNAのいずれかを安定化するタンパク質を表していた。それにもかかわらず、これらの結果は、NR8383レセプターがタンパク質であって、グリコスフィンゴ脂質ではないことを、強力に示している。
表1:NR8383細胞への3H-TH-グルカン結合に対する、トリプシン及びシクロヘキシミドの作用
A.NF-κB様転写因子の活性化
ヒトPMN及びネズミのBMC2.3マクロファージ上での、ラクトシルセラミドを経るTH-グルカン誘発シグナル伝達は、NF-κB様核転写因子を活性化することが示されている(米国特許出願第08/990,125号、代理人事件整理番号(attorney docket no.)ABY97-04、1997年12月12日出願;その教示は、参照のため、ここにその全体を取り込むこととする)。NR8383細胞及びヒトPMNにおけるNF-κB様DNA結合活性を活性化する、TH-グルカン、LMW-グルカン、VHMW-グルカン、及びスクレログルカンの能力を、電気泳動移動度転移アッセイ(EMSA)を用いて比較した。細胞を、β-グルカン(コントロール;LPS、1μg/ml;TH-グルカン、3μg/ml;スクレログルカン、3μg/ml;LMW-グルカン、3μg/mlもしくは30μg/ml;VHMW-グルカン、3μg/ml )と共にインキュベートした。核抽出物を、NF-κB活性の測定のため、上述の通りEMSAによって調製した。NR8383細胞中では、TH-グルカン、VHMW−グルカン、及びLMW-グルカンがNF-κB様DNA結合活性を誘発するが、スクレログルカンはそうではない(データ示さず)。PMN中では、TH-グルカン及びスクレログルカンがNF-κB様DNA結合活性を誘発する一方で、LMW-グルカンはそうではない(データ示さず:VHMW-グルカンは、これらの細胞では試験しなかった)。このように、ラットのNR8383細胞及びヒトのPMNにおけるこれらの多様なβ-グルカンによって開始されるシグナル伝達は、3H-TH-グルカン結合を競うこれらの能力と相関する。
最後に、NR8383細胞においてTH-グルカンによって誘発される初期シグナル伝達現象を調査した。とりわけ、プロテインキナーゼアッセイにつながる免疫沈降を利用して、TH-グルカンシグナリングにいずれのプロテインキナーゼカスケードが関わるのかを決定した。NR8383細胞を、LPS(1μg/ml、ポジティブコントロール)、TH-グルカン(3μg/ml)と共に、または添加物無しで、30分間37℃にてインキュベートした。細胞を溶解させ、キナーゼ特異的抗体で免疫沈降させ、上述の通りキナーゼアッセイを行った。等量の蛋白質を各実験において免疫沈降に用いた。TH-グルカンはMAPキナーゼ細胞外ミトゲン制御キナーゼ(ERK1/2)(キナーゼ基質はATF−2−GSTであった)を活性化せず;p38(キナーゼ基質はELK−1−GST)を活性化しなかった(データ示さず)。対照的に、TH-グルカンは迅速且つ一時的にMAPキナーゼc−Jun N-末端キナーゼ(JNK、ストレス活性化プロテインキナーゼもしくはSAPKとしても既知;キナーゼ基質はc−Jun−GSTであった)を活性化した(データ示さず)。TH−グルカンもまた、迅速且つ一時的にIκBキナーゼα(IKKa;キナーゼ基質は、IκBα-GSTであった)、IκBaをリン酸化するキナーゼを活性化し、NF-κB様転写因子の活性化を引き起こした(データ示さず)。
A.材料及び方法
・TH-グルカン及びコンフォーマー
TH−グルカン(Alpha-Beta Technology)及び所定のコンフォーマーを、感染モデルにおけるその効果の研究に使用した。表2は、この研究に使用したTH-グルカンとそのコンフォーマーの分子量を示す。コンフォーマーの分子量が、GPCカラム中の温度と共に変化しうるため、室温(25℃)及び高温(37℃)にて分離したコンフォーマーを試験した。
表2:TH-グルカン及びコンフォーマーの分子量
ウィルス抗体のないWistarラットを、Charles River Breeding Laboratories (Wilmington, MA)から購入した。動物を、National Institutes of Health guidelinesに従って飼育し、任意に食餌及び水を与えた。ラットを、実験投入前に7日間隔離した。ラットの体重は、実験時に160gから210gの範囲であった。
TH-グルカン及びコンフォーマー、並びに全グルカン粒子(WGP)を、25-ゲージの針を使用し、細菌負荷前48時間、24時間及び4時間の時点及び細菌負荷後4時間の時点で、1mg/kgにて筋内投与した。さらに、ポジティブコントロールとして、WGPもまた、腹膜内(IP)から5mg/kgの用量にて、細菌負荷前24時間及び4時間の時点で与えた。WGPは、滅菌食塩水で懸濁液とし、各注入前に激しく攪拌した。
S. aureusの複数抗生物質耐性の臨床分離物を、これらの研究において使用するために選択した。Onderdonk, A. B., et al., Infect. Immun. 60: 1642-1647(1992).細菌を、Nutrient Broth(NB; Bifco Laboratories, Detroit, MI)中で、8時間37℃にて拡張させた。滅菌グリセリンを添加して最終濃度を20%とし、ストックアリコートを使用するまで−80℃にて冷凍した。ストック細菌の生存能力を測定するために、凍結ストック試料を解凍し、順次希釈して40μlの試料をNutrient Agar(NA; Bifco Laboratories, Detroit, MI)プレート上で平板培養した。プレートを37℃にて24時間培養し、細菌コロニーを計数し、ストック1ml毎の細菌コロニー形成ユニット(CFU)数を算出した。in vitro研究のための細菌接種材料の調製のために、ストック培地を、1%硫酸デキストラン及び最終濃度5%の硫酸バリウム(wt/vol)を含有するリン酸緩衝食塩水(PBS; Gibco Life Technologies, Grand Island, NY)のmlあたり、所望のCFU数となるまで希釈した。適当に希釈した細菌の0.5mlアリコートを、長さ2cm×直径0.5cmのゼラチンカプセル(Eli-Lilly Inc., Indianapolis, IN)中に無菌状態で入れ、カプセルを、上述の通り、ラットの腹膜腔に移植した。
ラットは、ケタミン(Fort Dodge Laboratores Inc., Fort Dodge, IA)、PromAce(Ayerst Laboratores Inc., Rouses Point, MY)、キシラジン(Phoenix Scientific Inc., St. Joseph, MO)、及び食塩水(750mg、10mg、100mg及び20mlとする食塩水)から成る混合麻酔カクテルを、25ゲージ針を使用した内科学注射(im injection)により麻酔にかけた。麻酔剤は、体重に基づいて各ラットに適合させ、体重1g当たり0.0019mlを投与した。麻酔剤を投与した後、各ラットの腹を剃り、ヨウ素溶液で洗浄し、腹壁及び腹膜に1.5cmの前側正中切開を行った。108のS. aureus CFUを含有するゼラチンカプセルを、腹膜腔内に即座におき、切開を、断続3−0絹縫合で閉じた。手術の全継続時間は、2分間未満であった。手術に次いで、動物を各檻に5匹ずつ飼育し、最初の2時間は15分毎、次の1時間には30分毎、その後実験の継続時間中は1日に3回モニターした。
動物を、O2:CO2(1:1)で麻酔にかけ、2mlの血液を20ゲージの針を付けた3mlのシリンジを使用して心臓穿刺によって2mlの血液を採取した。血液を採取した直後に、約1.5mlが、ヘパリン(Elkins-Sinns Inc., Cherry Hill, NJ)5ユニットを収容した1.7mlのEppendofr遠心分離管内に排出された。その後各動物をCO2を用いて人間的に安楽死させた。正確に計数可能な血液CFUレベルを得るためには、各動物からの二種類の濃度の血液、1:10希釈及び非希釈の血液を培養した。20mlの50℃Tryptic Soy Agar(Becton Dickinson Microbiology Systems, Cockeysvillw, MD)を、滅菌ペトリ皿に入れ、即座にこの皿に希釈血液もしくは非希釈血液の0.5mlアリコートを加え、プレートを回転させることによって寒天中に完全に混合させた。寒天が固形化したところで、プレートを37℃にて48時間インキュベートし、その後20−200コロニーを含有するプレートを、コロニー列挙のために選択した。血液CFUデータを、血液のlog CFU/mlとして表した。各試料からの残りの血液は、血液細胞計数に使用した。全白血球細胞(9WBC)、赤血球細胞(RBC)、及び血小板(PLT)計数を、System 9010+Hematology Analyzer (Biochem Immunosystems Inc., Allentown, PA)にて行った。
結果を、複数回の実験(2−6の実験、20−80の動物を含む)から得られたデータの平均±平均の標準誤差(SEM)で表した。非対性t検定(治療グループ対食塩水)を、EXCEL 5.0ソフトウェア(Microsoft Corporation, Redmond, WA)を用いて行ったところ、差異は、p<0.05において顕著であった。
・血液CFUレベルにおけるTH-グルカン及びコンフォーマーの効果
ラットに、TH-グルカン、コンフォーマー、もしくはWGPを投与し、血液CFUをS. aureusによる負荷の48時間後に測定した。結果を以下の表3に示す。
表3:血液CFUレベルにおけるTH-グルカン及びコンフォーマーの効果
血液細胞計数を、S. aureus負荷の48時間後に行った。全WBC数量は、TH-グルカン及び全てのコンフォーマー、並びにWGPで処置したラットにおいて上昇したが、統計上の有意性は、TH-グルカン、HTH25℃、LTH25℃及びLTH37℃で処置したラットにおいてのみ観察された。TH-グルカンは、PLT計数に何の効果も与えなかったが、VHMW、HTH25℃、もしくはHTH37℃(すなわち、190,000より大なる分子量をもつコンフォーマー)、またはWGP(IM)もしくはWGP(IP)で処置したラットは、著しく増大した末梢PLT計数を示した。RBC値は、HTH25℃、LMW及びWGP(IP)で処置したラットにおいて僅かに上昇したことを除いて変化しなかった。これらの結果を表4にまとめる。
表4:末梢血液細胞計数におけるTH-グルカン及びコンフォーマーの効果
**t検定、p<0.05、対食塩水
これらの研究において使用したS. aureus用量は、致死感染量の50%であった。全ての動物は、CFU及び血液細胞評価のために第2日目に安楽死させられたが、WGP(IP)(p<0.01)及びLMW(p<0.05)で処置したラットには、食塩水処置ラットに比べて著しく低下した死亡率が観察された。WGP(IM)(31%、対食塩水48%)及びLTH25℃(31%、対食塩水48%)で処置したラットにも僅かに死亡率の低下が見られた。LTH37℃処置グループにおいては、僅かに高い死亡率(63%、対食塩水48%)が観察された。しかしながら、これらの差異は、統計上の有意性には至らなかった。
本発明が、特にその好ましい実施態様について例示及び説明されている一方で、添付の請求の範囲に定義されるように、本発明の思想及び範囲から逸脱することなく、形態及び細部における様々な変形が可能であることは、当業者によって理解されるであろう。
Claims (45)
- a)β(1,3)-グルカンが、NR8383マクロファージに由来する非誘導化水溶性β(1,3)-グルカンの蛋白様レセプターであって、非誘導化水溶性β(1,3)-グルカンよりも高い親和性で低分子量可溶性β(1,3)-グルカンに結合し且つ極高分子量可溶性β(1,3)-グルカンよりも高い親和性で非誘導化水溶性β(1,3)-グルカンに結合する蛋白様レセプターに結合して、レセプターに結合したβ(1,3)-グルカンの一次複合体を生成するために好適な条件下で、β(1,3)-グルカンを含有する試料を該レセプターと接触させる工程;
b)前記一次複合体を単離する工程;及び
c)前記一次複合体からβ(1,3)-グルカンを得る工程;
を含む、試料から、β(1,3)-グルカンを単離する方法。 - 蛋白様レセプターが、固相に連結されてなる、請求項1の方法。
- 固相が、フィルター、膜、ビーズ、粒子、有機樹脂、マイクロタイタプレート及びスライドからなる群より選択される、請求項2の方法。
- a)β(1,3)-グルカンが、NR8383マクロファージに由来する非誘導化水溶性β(1,3)-グルカンの蛋白様レセプターであって、非誘導化水溶性β(1,3)-グルカンよりも高い親和性で低分子量可溶性β(1,3)-グルカンに結合し且つ極高分子量可溶性β(1,3)-グルカンよりも高い親和性で非誘導化水溶性β(1,3)-グルカンに結合する蛋白様レセプターに結合して、レセプターに結合したβ(1,3)-グルカンの一次複合体を生成するために好適な条件下で、β(1,3)-グルカン含有生物を含有する試料を該レセプターと接触させる工程;
b)前記一次複合体を単離する工程;及び
c)前記一次複合体からβ(1,3)-グルカン含有生物を得る工程;
を含む、試料から、β(1,3)-グルカンを単離する方法。 - a)β(1,3)-グルカンが、NR8383マクロファージに由来する非誘導化水溶性β(1,3)-グルカンの蛋白様レセプターであって、非誘導化水溶性β(1,3)-グルカンよりも高い親和性で低分子量可溶性β(1,3)-グルカンに結合し且つ極高分子量可溶性β(1,3)-グルカンよりも高い親和性で非誘導化水溶性β(1,3)-グルカンに結合する蛋白様レセプターに結合して、レセプターに結合したβ(1,3)-グルカンの一次複合体を生成するために好適な条件下で、β(1,3)-グルカンの存在を探査しようとする試料を、該レセプターと接触させる工程;及び
b)工程a)において生成した一次複合体を検出する工程;
を含み、一次複合体の存在が、試料中のβ(1,3)-グルカンの存在を示す、試料中のβ(1,3)-グルカンの存在を検出する方法。 - 蛋白様レセプターが、固相に結合してなる、請求項5の方法。
- 固相が、フィルター、膜、ビーズ、粒子、有機樹脂、マイクロタイタプレート及びスライドからなる群より選択される、請求項6の方法。
- 試料が、固相に結合してなる、請求項5の方法。
- 固相が、フィルター、膜、ビーズ、粒子、有機樹脂、マイクロタイタプレート及びスライドからなる群より選択される、請求項8の方法。
- 試料が、動物由来である、請求項5の方法。
- 試料が、生物学的流体である、請求項10の方法。
- 試料が、植物由来である、請求項5の方法。
- 試料が、環境由来である、請求項5の方法。
- 試料が、食物由来である、請求項5の方法。
- 試料が、発酵由来である、請求項5の方法。
- 一次複合体が、検出可能な標識で検出される、請求項5の方法。
- 検出可能な標識が、放射性ヌクレオチド、染料、蛍光化合物、ビオチン及びストレプタヴィジンからなる群より選択される請求項16の方法。
- 一次複合体が、抗体で検出される、請求項5の方法。
- 前記抗体が、β(1,3)-グルカンに対する抗体である、請求項18の方法。
- 前記抗体が、レセプターに対する抗体である、請求項18の方法。
- a)β(1,3)-グルカンが、NR8383マクロファージに由来する非誘導化水溶性β(1,3)-グルカンの蛋白様レセプターであって、非誘導化水溶性β(1,3)-グルカンよりも高い親和性で低分子量可溶性β(1,3)-グルカンに結合し且つ極高分子量可溶性β(1,3)-グルカンよりも高い親和性で非誘導化水溶性β(1,3)-グルカンに結合する蛋白様レセプターに結合して、レセプターに結合したβ(1,3)-グルカン含有生物の一次複合体を生成するために好適な条件下で、β(1,3)-グルカン含有生物の存在を探査しようとする試料を、該レセプターと接触させる工程;及び
b)工程a)において生成した一次複合体を検出する工程;
を含み、一次複合体の存在が、試料中のβ(1,3)-グルカン含有生物の存在を示す、試料中のβ(1,3)-グルカン含有生物の存在を検出する方法。 - a)β(1,3)-グルカンが、NR8383マクロファージに由来する非誘導化水溶性β(1,3)-グルカンの蛋白様レセプターであって、非誘導化水溶性β(1,3)-グルカンよりも高い親和性で低分子量可溶性β(1,3)-グルカンに結合し且つ極高分子量可溶性β(1,3)-グルカンよりも高い親和性で非誘導化水溶性β(1,3)-グルカンに結合する蛋白様レセプターに結合して、レセプターに結合したβ(1,3)-グルカンの一次複合体を生成するために好適な条件下で、被験試料を、該レセプターと接触させる工程;
b)工程a)において生成した一次複合体を単離する工程;及び
c)前記一次複合体を定量する工程;
を含み、試料中のβ(1,3)-グルカンの量が、一次複合体の量と相関する、試料中のβ(1,3)-グルカンの量を定量する方法。 - a)β(1,3)-グルカンが、NR8383マクロファージに由来する非誘導化水溶性β(1,3)-グルカンの蛋白様レセプターであって、非誘導化水溶性β(1,3)-グルカンよりも高い親和性で低分子量可溶性β(1,3)-グルカンに結合し且つ極高分子量可溶性β(1,3)-グルカンよりも高い親和性で非誘導化水溶性β(1,3)-グルカンに結合する蛋白様レセプターに結合して、レセプターに結合した、非誘導化水溶性β(1,3)-グルカンの一次複合体を生成するために好適な条件下で、被験試料を、該レセプター及び標識され、非誘導化水溶性β(1,3)-グルカンと接触させる工程;及び
b)工程a)において生成した一次複合体の量を測定する工程;
を含み、試料中のβ(1,3)-グルカンの量が、一次複合体の量と反比例する、試料中のβ(1,3)-グルカンの量を定量する方法。 - a)β(1,3)-グルカンが、NR8383マクロファージに由来する非誘導化水溶性β(1,3)-グルカンの蛋白様レセプターであって、非誘導化水溶性β(1,3)-グルカンよりも高い親和性で低分子量可溶性β(1,3)-グルカンに結合し且つ極高分子量可溶性β(1,3)-グルカンよりも高い親和性で非誘導化水溶性β(1,3)-グルカンに結合する蛋白様レセプターに結合して、レセプターに結合したβ(1,3)-グルカンの一次複合体を生成するために好適な条件下で、個体由来の試料を、該レセプターと接触させる工程;及び
b)工程a)において生成した一次複合体を検出する工程;
を含み、一次複合体の存在が、β(1,3)-グルカン含有生物による感染を示す、β(1,3)-グルカン含有生物による感染を診断する方法。 - NR8383マクロファージに由来する非誘導化水溶性β(1,3)-グルカンの蛋白様レセプターであって、非誘導化水溶性β(1,3)-グルカンよりも高い親和性で低分子量可溶性β(1,3)-グルカンに結合し且つ極高分子量可溶性β(1,3)-グルカンよりも高い親和性で非誘導化水溶性β(1,3)-グルカンに結合する蛋白様レセプターと、非誘導化水溶性β(1,3)-グルカンに対する抗体とを含む、β(1,3)-グルカンの存在の検出に有用なキット。
- a)非誘導化水溶性β(1,3)-グルカンが、NR8383マクロファージに由来する非誘導化水溶性β(1,3)-グルカンの蛋白様レセプターであって、非誘導化水溶性β(1,3)-グルカンよりも高い親和性で低分子量可溶性β(1,3)-グルカンに結合し且つ極高分子量可溶性β(1,3)-グルカンよりも高い親和性で非誘導化水溶性β(1,3)-グルカンに結合する蛋白様レセプターに結合するために好適な条件下で、放射性同位元素標識された、非誘導化水溶性β(1,3)-グルカンと、該レセプターと、及び被験物質とを混合する工程;
b)該レセプターへの、非誘導化水溶性β(1,3)-グルカンの結合の程度を測定する工程;及び
c)工程(b)で測定した結合程度と、非誘導化水溶性β(1,3)-グルカンが、該レセプターに結合するために好適な条件下における、被験物質の非存在下での結合程度とを比較する工程;
を含み、非誘導化水溶性β(1,3)-グルカンの、該蛋白様レセプターへの結合の程度の低減により、前記物質が、該レセプターに対して親和性を有することを示す、該蛋白様レセプターに対して親和性を有する物質を同定するためのアッセイ。 - 前記レセプターが、非誘導化水溶性β(1,3)-グルカンに対する親和性を有する化合物である、請求項26のアッセイ。
- 前記化合物が、レセプターアナログまたはレセプター偽剤である、請求項27のアッセイ。
- a)非誘導化水溶性β(1,3)-グルカンが、NR8383マクロファージに由来する非誘導化水溶性β(1,3)-グルカンのレセプターであって、非誘導化水溶性β(1,3)-グルカンよりも高い親和性で低分子量可溶性β(1,3)-グルカンに結合し且つ極高分子量可溶性β(1,3)-グルカンよりも高い親和性で非誘導化水溶性β(1,3)-グルカンに結合する蛋白様レセプターに結合するために好適な条件下で、非誘導化水溶性β(1,3)-グルカンと、該蛋白様レセプターと、及び被験物質とを混合する工程;
b)シグナル伝達経路の活性化の程度を測定する工程;及び
c)工程(b)で測定した活性化の程度と、非誘導化水溶性β(1,3)-グルカンが、該レセプターに結合するために好適な条件下における、被験物質の非存在下での活性化の程度とを比較する工程;
を含み、シグナル伝達経路の活性化の程度における相違により、前記物質が、非誘導化水溶性β(1,3)-グルカンの、シグナル伝達経路の活性化に及ぼす作用を変化させることを示す、非誘導化水溶性β(1,3)-グルカンのシグナル伝達経路に対する作用を変化させる物質を同定するためのアッセイ。 - 活性化の程度が、前記物質のない場合よりも該物質の存在下において高いならば、該物質が、単一の導入経路の活性化における非誘導化水溶性β(1,3)-グルカンの作用を増強する、請求項29のアッセイ。
- 活性化の程度が、前記物質のない場合よりも該物質の存在下において低いならば、該物質が、単一の導入経路の活性化における非誘導化水溶性β(1,3)-グルカンの作用を低減する、請求項29のアッセイ。
- シグナル伝達経路の活性化が、少なくとも一の転写制御因子のモジュレーションによって測定される、請求項29のアッセイ。
- 転写制御因子が、NF-κB、NF-IL-6及び/またはAP-1ファミリーの構成員からなる群より選択される、請求項32のアッセイ。
- 工程(b)が、前記転写制御因子に対して特異的な32P標識DNAオリゴヌクレオチドによって行われる、請求項29のアッセイ。
- 前記レセプターが、非誘導化水溶性β(1,3)-グルカンに対して親和性を有する化合物である、請求項29のアッセイ。
- 前記化合物が、レセプターアナログまたはレセプター偽剤である、請求項35のアッセイ。
- NR8383マクロファージに由来する非誘導化水溶性β(1,3)-グルカンの蛋白様レセプターであって、非誘導化水溶性β(1,3)-グルカンよりも高い親和性で低分子量可溶性β(1,3)-グルカンに結合し且つ極高分子量可溶性β(1,3)-グルカンよりも高い親和性で非誘導化水溶性β(1,3)-グルカンに結合する蛋白様レセプターを含有する細胞を、該蛋白様レセプターと結合し、活性化する物質と接触させることを含み、該蛋白様レセプターが活性化され、これによってシグナル伝達経路が活性化される、該蛋白様レセプターを含有する細胞中のシグナル伝達経路を活性化する方法。
- シグナル伝達経路の活性化が、少なくとも一の転写制御因子のモジュレーションによって測定される、請求項37の方法。
- 転写制御因子が、NF-κB、NF-IL-6及び/またはAP-1ファミリーの構成員からなる群より選択される、請求項38の方法。
- 前記物質が、非誘導化水溶性β(1,3)-グルカンである、請求項37の方法。
- 前記レセプターが、非誘導化水溶性β(1,3)-グルカンに対して親和性を有する化合物である、請求項37の方法。
- 前記化合物が、レセプターアナログまたはレセプター偽剤である、請求項41の方法。
- 非誘導化水溶性β(1,3)-グルカンであるリガンドに結合するNR8383マクロファージに由来する蛋白様レセプターであって、非誘導化水溶性β(1,3)-グルカンよりも高い親和性で低分子量可溶性β(1,3)-グルカンに結合し且つ極高分子量可溶性β(1,3)-グルカンよりも高い親和性で非誘導化水溶性β(1,3)-グルカンに結合する蛋白様レセプターを含有する、単離調製物。
- 前記レセプターが、特異的且つ選択的にリガンドを結合する、請求項43の調製物。
- 非誘導化水溶性β(1,3)-グルカンが、三重螺旋構造をとる、請求項43の調製物。
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