JPWO2020138419A1 - チーズ様食品及びそれを含む食品 - Google Patents

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大輝 尼岡
忠博 阿部
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    • A23C19/00Cheese; Cheese preparations; Making thereof

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Abstract

このチーズ様食品は、チーズ原料と、タピオカデンプンと、単糖類、二糖類、三糖類、オリゴ糖類、DE値14以上のデンプン分解物、及び糖アルコールからなる群から選ばれる1種以上の糖類と、溶融塩を含み、良好な伸び性を示す。

Description

本発明はチーズ様食品、及び前記チーズ様食品を含む食品に関する。
本願は、2018年12月27日に、日本に出願された特願2018−245484号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
特許文献1には、製菓や製パンの材料として使用しても、焼成時にチーズが噴出することなく、製品にした後にチーズらしい伸び性を有するチーズ類が記載されている。このチーズ類は、クリームチーズにタピオカデンプン、デキストリン、溶融塩、及び水を加えて加熱乳化して得られる。
日本国特許第6162395号公報
しかし特許文献1のチーズ類は、10〜25℃程度の低温及び中温では伸びるものの、60℃程度の高温になると急激に伸びが弱くなるため、使用できる製品が限られる。
本発明は、低温、中温及び高温のいずれの温度でも良好な伸び性を示すチーズ様食品、及び前記チーズ様食品を含む食品を提供する。
本発明は以下の態様を有する。
[1] チーズ原料と、タピオカデンプンと、単糖類、二糖類、三糖類、オリゴ糖類、DE値14以上のデンプン分解物、及び糖アルコールからなる群から選ばれる1種以上の糖類と、溶融塩を含むチーズ様食品。
[2] チーズ様食品の総質量に対して、固形分が35.0〜50.0質量%、前記チーズ原料の含有量が1〜55質量%、前記タピオカデンプンの含有量が2〜15質量%、前記糖類の含有量が1〜35質量%である、[1]のチーズ様食品。
[3] 前記糖類に対する前記タピオカデンプンの質量比を表すタピオカデンプン/糖類が0.2〜10.0である、[1]または[2]のチーズ様食品。
[4] 10℃においてペースト状である、[1]〜[3]のいずれかのチーズ様食品。
[5]前記[1]〜[4]のいずれかのチーズ様食品を含む食品。
上記態様のチーズ様食品は、低温、中温及び高温のいずれの温度でも良好な伸び性を示す。
上記態様の食品は、低温、中温及び高温のいずれの温度でも良好な伸び性を示すチーズ様食品を含む。
<測定方法>
チーズ様食品の固形分は、チーズ様食品の総質量から水分含有量を差し引いた値である。
水分含有量の値は、乾燥助剤法(「食品表示基準について」(平成29年9月1日消食表第407号)「別添 栄養成分等の分析方法等」、第29ページ)により測定した値である。
例えば、下記の手順で水分含有量を測定する。
アルミ製の秤量皿に、乾燥助剤としてケイ砂を約30g入れ、135℃で1〜2時間乾燥した後、室温まで放冷し、秤量皿及び乾燥助剤の恒量W0(単位:g)を求める。秤量皿に適量の試料(通常2〜3g)を採取し、秤量して質量W1(単位:g)を得る。次いで、秤量皿内の試料と乾燥助剤とを混和させる。これを定温乾燥器内に入れ、ふたをずらし、試料を135℃で2時間加熱乾燥する。乾燥後、定温乾燥器内で素早く秤量皿にふたをし、デシケーター内に移し放冷する。室温に達したら直ちに秤量して質量W2(単位:g)を得る。質量W2が恒量に達するまで、前記加熱乾燥及び放冷の操作を繰り返す。下記式により水分含有量(単位:質量%)を算出する。
水分含有量=(W1−W2)/(W1−W0)×100
チーズ様食品は、好ましくはペースト状である。本明細書において、ペースト状とは適度に伸びる性質を意味する。例えば、下記の測定方法で得られる伸び値が2cm以上であれば、ペースト状である。
具体的には、ペースト状の程度としては、チーズ様食品の10℃における伸び値が2cm以上が好ましく、5cmがより好ましく、10cm以上がより好ましく、15cm以上がさらに好ましく、20cm以上が特に好ましい。また、21cm以上であれば理想的である。
また、チーズ様食品の固形分が50%以下であると、良好なペースト状が得られやすい。
[伸び値の測定方法]
品温が10℃であるチーズ様食品200gをカップに採取し、水平面上に置く。幅8.0mmのステンレス製スパチュラを、カップ内のチーズ様食品中に、水平面に対して45°の角度で先端から4cmまで挿入し、垂直方向上方に4cm/秒の速度で引き上げる。チーズ様食品の糸が切れた時点での、カップ内のチーズ様食品表面からスパチュラ先端までの距離を測定する。得られた測定値を、品温10℃における伸び値とする。
<チーズ様食品>
本実施形態のチーズ様食品は、チーズ原料と、タピオカデンプンと、糖類と、溶融塩を含む。チーズ様食品の総質量に対して、タピオカデンプンを1.5質量%より多く含み、糖類を0.5質量%より多く含むことが好ましい。
[チーズ原料]
チーズ原料としては、乳等省令及び公正競争規約で定められる「ナチュラルチーズ」、「プロセスチーズ」、「チーズフード」、及び「乳等を主要原料とする食品」に分類されるものを、特に制限なく使用できる。チーズ原料は水分を含んでもよい。
ナチュラルチーズは、乳、バターミルク(バターを製造する際に生じた脂肪粒以外の部分をいう。以下同じ。)、クリーム又はこれらを混合したもののほとんどすべて又は一部のたんぱく質を酵素その他の凝固剤により凝固させた凝乳から乳清の一部を除去したもの又はこれらを熟成したものである。そのほか、乳等を原料として、たんぱく質の凝固作用を含む製造技術を用いて製造したものであつて、同様の化学的、物理的及び官能的特性を有するものも含む。
ナチュラルチーズの原料である乳は、乳等省令で定義される乳(生乳、牛乳、特別牛乳、生やぎ乳、生めん羊乳、殺菌やぎ乳、成分調整牛乳、低脂肪牛乳、無脂肪牛乳及び加工乳)のほかに、水牛の乳、ラクダの乳など、チーズの原料として公知の動物一般の乳も含まれるものとする。
ナチュラルチーズの種類としては、クリームチーズ、チェダーチーズ、モッツァレラチーズ、サムソーチーズ、ゴーダチーズ、エダムチーズ、エメンタールチーズ、パルメザンチーズなどが挙げられる。
プロセスチーズは、1種以上のナチュラルチーズを用いて食品衛生法で認められている添加物を添加するか又は添加せず粉砕し、混合し、加熱溶融し、乳化してつくられるもので乳固形分が40質量%以上のものである。乳固形分が40質量%未満のものはチーズフードに分類される。
チーズフードは、1種又はそれ以上のナチュラルチーズ又はプロセスチーズを用いて、食品衛生法で認められている添加物を添加するか又は添加せず粉砕し、混合し、加熱溶融してつくられるもので、製品中にチーズ分51%以上を含むものである。
チーズ様食品に含まれるチーズ原料は、1種でもよく、2種以上でもよい。
チーズ原料の一部又は全部としてナチュラルチーズを用いることが特に好ましい。
[タピオカデンプン]
タピオカデンプンとしては、エーテル化処理、エステル化処理、酸化処理、架橋処理等の加工処理を施したタピオカ加工デンプンを用いることができる。
具体例としては、ヒドロキシプロピルデンプンなどのエーテル化デンプン、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン、酢酸デンプン、リン酸化デンプン、リン酸架橋デンプンなどのエステル化デンプン、エーテル化リン酸架橋デンプンが挙げられる。伸び性の点でヒドロキシプロピルデンプンが好ましい。
チーズ様食品に含まれるタピオカデンプンは、1種でもよく、2種以上でもよい。
[糖類]
糖類としては、単糖類、二糖類、三糖類、オリゴ糖類、DE値14以上のデンプン分解物、及び糖アルコールからなる群から選ばれる1種以上を用いる。DE値とはデキストロース当量(Dextrose Equvalent)である。
単糖類としては、ブドウ糖、果糖、異性化糖(ブドウ糖果糖液糖、果糖ブドウ糖液糖、高果糖液糖)などが挙げられる。
二糖類としては、麦芽糖、乳糖、ショ糖、トレハロースなどが挙げられる。ショ糖として砂糖を用いてもよい。砂糖としては上白糖、三温糖、グラニュー糖、白双糖、粉砂糖、顆粒状糖、糖液などが挙げられる。
三糖類としては、マルトトリオースなどが挙げられる。
オリゴ糖類としては、マルトシルトレハロースなどの四糖類、ゲンチオオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、ミルクオリゴ糖などが挙げられる。
DE値14以上のデンプン分解物としては、水あめ、粉あめなどが挙げられる。
糖アルコールとしては、前記単糖類、二糖類、三糖類、四糖類に代表されるオリゴ糖類、又はDE値14以上のデンプン分解物から誘導される糖アルコールが挙げられる。
伸び性及び風味の点で、糖類として、単糖類、二糖類、三糖類、オリゴ糖類、水あめ、及び粉あめからなる群から選ばれる1種以上を用いることが好ましい。
チーズ様食品に含まれる糖類は、1種でもよく、2種以上でもよい。
[溶融塩]
溶融塩は、チーズ製造分野において公知の溶融塩を用いることができる。クエン酸塩またはリン酸塩を用いることが好ましい。クエン酸塩とリン酸塩を併用してもよい。
クエン酸塩としては、例えばクエン酸ナトリウム、クエン酸カリウムなどが挙げられる。
リン酸塩としては、モノリン酸塩(オルトリン酸ナトリウム等)、ジリン酸塩(ピロリン酸ナトリウム等)、ポリリン酸塩が挙げられる。
チーズ様食品に含まれる溶融塩は、1種でもよく、2種以上でもよい。
[水・添加剤等]
チーズ様食品は水分を含む。
チーズ様食品は上記チーズ原料、タピオカデンプン、糖類、溶融塩、水分以外のその他の添加成分を、本発明の効果を損なわない範囲で添加してもよい。
その他の添加成分の例として、油脂、タピオカデンプン以外のデンプン類、DE値14未満のデンプン分解物、調味素材、酸味付与素材、保存料、増粘安定剤(またはゲル化剤)、溶融塩以外の乳化剤、pH調整剤、香料、着色料などが挙げられる。
油脂は、常温(25℃)で固体である油脂が好ましい。植物性油脂でもよく、動物性油脂でもよく、それらに水素添加、エステル交換等の加工処理を施した食用精製加工油脂でもよい。パーム油、ヤシ油、牛脂、豚脂、乳脂、およびこれらの食用精製加工油脂などが挙げられる。チーズ様食品に用いる油脂は1種でもよく、2種以上でもよい。
[含有量]
チーズ原料の含有量は、チーズ様食品の総質量に対して、1〜55質量%が好ましく、20〜52質量%がより好ましく、24〜33質量%がさらに好ましい。上記範囲の下限値以上であると、チーズの風味がより感じられやすい。上限値以下であると、より十分な伸び性が得られる。
タピオカデンプンの含有量は、チーズ様食品の総質量に対して、2〜15質量%が好ましく、3〜15質量%よりが好ましく、6〜15質量%がさらに好ましい。上記範囲の下限値以上であると、より十分な伸び性が得られる。上限値以下であると、他の成分とのバランスに優れる。
糖類の含有量は、チーズ様食品の総質量に対して、1〜35質量%が好ましく、1.1〜35質量%がより好ましく、2〜25質量%がさらに好ましく、3〜11質量%が特に好ましい。上記範囲の下限値以上であると、伸び性がより良くなる。上限値以下であると風味がより適切になる。
チーズ様食品の固形分は、チーズ様食品の総質量に対して、35.0〜50.0質量%が好ましく、40.7〜45.0質量%がより好ましく、41.0〜43.5質量%がさらに好ましい。上記範囲内であると、伸び性がより適切になる。
チーズ原料と糖類の合計は、チーズ様食品の総質量に対して、22〜54質量%が好ましく、35〜44質量%がより好ましい。上記範囲の下限値以上であると、風味がより適性になる。上限値以下であると伸び性がより適切になる。
糖類に対するタピオカデンプンの質量比を表すタピオカデンプン/糖類は、0.2〜10.0が好ましく、0.5〜6.0がより好ましく、0.55〜1.40がさらに好ましい。上記範囲内であると、伸び性がより適切となる。
溶融塩の含有量は、チーズ様食品の総質量に対して0.5〜3.0質量%が好ましく、0.5〜2.0質量%がより好ましく、1.0〜2.0質量%がさらに好ましい。上記範囲の下限値以上であると伸び性がより適切となり、上限値以下であると乳化状態がより適切となる。
その他の添加成分として油脂を用いる場合、油脂の含有量はチーズ様食品の総質量に対して1〜40質量%が好ましく、1〜19質量%がより好ましく、2〜11質量%がさらに好ましく、3〜5質量%が特に好ましい。油脂を適度に含有させると風味(舌触り)がより向上する。
油脂以外のその他の添加成分の含有量は、チーズ様食品の総質量に対して10.0質量%以下が好ましく、6.0質量%以下がより好ましく、4.5質量%以下がさらに好ましい。ゼロでもよい。
チーズ様食品の総質量に対する、チーズ原料、タピオカデンプン、糖類、及び溶融塩の各含有量の合計は100質量%を超えない。
その他の添加成分(油脂を含む)を含む場合、チーズ様食品の総質量に対する、チーズ原料、タピオカデンプン、糖類、溶融塩、及びその他の添加成分の各含有量の合計は100質量%を超えない。
本実施形態のチーズ様食品は、低温、中温及び高温のいずれの温度においてもペースト状であり、良好な伸び性を示す。また冷凍耐性を有し、冷凍後に解凍された状態でも良好な伸び性を示す。
また本実施形態のチーズ様食品は、前述の[伸び値の測定方法]で得られる伸び値が、品温10℃、25℃、60℃のいずれにおいても、21cm以上、好ましくは46cm以上となる伸び性を示す。
<好ましい態様>
本実施形態のチーズ様食品の好ましい態様として、下記(1)〜(3)が挙げられる。
(1)チーズ様食品の総質量に対して、固形分が35.0〜50.0質量%であり、チーズ原料の含有量が1〜55質量%、タピオカデンプンの含有量が2〜15質量%、糖類の含有量が1〜35質量%、溶融塩の含有量が0.5〜3.0質量%、油脂の含有量が1〜40質量%、油脂以外のその他の添加成分の含有量が0〜10質量%であり、タピオカデンプン/糖類の質量比が0.2〜10.0であり、チーズ原料と糖類の合計が22〜54質量%であるチーズ様食品。
本態様においてチーズ原料、タピオカデンプン、糖類、溶融塩、油脂、及び油脂以外のその他の添加成分の各含有量の合計(以下、「全原料の含有量の合計」ともいう。)は30〜65質量%が好ましく、30〜60質量%がより好ましく、30〜55質量%がさらに好ましく、35〜50質量%が特に好ましい。
(2)チーズ様食品の総質量に対して、固形分が40.7〜45.0質量%であり、チーズ原料の含有量が20〜52質量%、タピオカデンプンの含有量が3〜15質量%、糖類の含有量が1.1〜35質量%、溶融塩の含有量が0.5〜3.0質量%、油脂の含有量が1〜19質量%、油脂以外のその他の添加成分の含有量が0〜6質量%であり、タピオカデンプン/糖類の質量比が0.5〜6.0であり、チーズ原料と糖類の合計が32〜53質量%である、チーズ様食品。
本態様において全原料の含有量の合計は45〜70質量%が好ましく、45〜65質量%がより好ましく、45〜60質量%がさらに好ましく、50〜60質量%が特に好ましい。
(3)チーズ様食品の総質量に対して、固形分が41.0〜43.5質量%であり、チーズ原料の含有量が24〜33質量%、タピオカデンプンの含有量が6〜15質量%、糖類の含有量が3〜11質量%、溶融塩の含有量が0.5〜2.0質量%、油脂の含有量が3〜5質量%、油脂以外のその他の添加成分の含有量が0〜4.5質量%であり、タピオカデンプン/糖類の質量比が0.55〜1.40であり、チーズ原料と糖類の合計が35〜44質量%である、チーズ様食品。
本態様において全原料の含有量の合計は45〜60質量%が好ましく、50〜60質量%がより好ましく、55〜60質量%がさらに好ましい。
<チーズ様食品の製造方法>
本発明のチーズ様食品は、上記チーズ原料、タピオカデンプン、糖類及び溶融塩を含む全原料を加熱溶融し、得られた加熱乳化物を成形し、得られた成形物を冷却する方法で製造できる。
具体的には、まず、全部の原料を乳化機に投入して加熱溶融する。加熱溶融は、原料を撹拌しながら、加熱処理を行う工程であり殺菌工程も兼ねる。加熱処理は、好ましくは直接または間接蒸気を用いて行われる。乳化機は、例えば、ケトル型、2軸スクリューをもつクッカー型、サーモシリンダー型等の乳化機を使用できる。
加熱溶融の条件は特に限定されない。例えば、回転数120〜1500rpmで撹拌しながら、加熱して溶融するとともに、所定の加熱殺菌条件を満たしたら、溶融を終了させる。
加熱温度は63℃以上が好ましく、85〜95℃がより好ましい。
次いで、得られた加熱乳化物を冷却することによりチーズ様食品が得られる。こうして得られるチーズ様食品は、組成が均一な乳化物である。
冷却方法としては、例えば1〜10℃の冷水に浸漬して急冷する方法、冷蔵庫内で保管し冷却する方法などが挙げられる。
<食品>
本実施形態のチーズ様食品は、低温、中温及び高温のいずれの温度でも良好な伸び性を示し、冷凍耐性も有するため、様々な食品の一部として用いることができる。
例えば、フィリング(詰め物)を外皮で包んだ形態の生菓子、焼き菓子、パン類、冷菓におけるフィリングとして本実施形態のチーズ様食品を用いることができる。具体例として、モナカ、饅頭、菓子パン、アイスクリームなどが挙げられる。
また、積層構造を有する生菓子、焼き菓子、パン類、冷菓を構成するチーズ様層として本実施形態のチーズ様食品を用いることができる。具体例として、ミルフィーユ、多層デザートなどが挙げられる。
特に、常温以上に温めた状態で食べる食品には好適である。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<原料>
表に示す原料は以下の通りである。
・チーズ原料(1):クリームチーズ(クラフト社製ナチュラルチーズ)とチェダーチーズ(フォンテラ社製ナチュラルチーズ)の混合物。
・タピオカデンプン:ヒドロキシプロピルデンプン(イングレディオン・ジャパン社製)。
・溶融塩(1):クエン酸三ナトリウム。
・溶融塩(2):モノリン酸塩、ピロリン酸塩及びポリリン酸塩の混合物。
・植物油脂:ヤシ油及びパーム油の混合油脂。
・その他の成分:卵白粉末、乳酸(酸味付与素材)、加工デンプン(サナス社製、デンプンの種類:コーン)、及びグリシン。
[糖類]
・上白糖:大日本明治製糖社製。
・粉末粉あめ:大日本明治製糖社製、DE25〜29のデンプン分解物。
・ハローデックス(商標):林原社製、DE14のデンプン分解物、マルトシルトレハロース50質量%以上(固形分に対する含有量)。
・ゲンチオリゴ糖:日本食品化工社製、DE77のデンプン分解物。
[比較成分]
・デキストリン:DE10以下のデンプン分解物。
・水溶性食物繊維:DE10以下のデンプン分解物。
<評価方法>
[伸び性の評価方法]
10℃に冷却したチーズ様食品200gをカップに採取し、水平面上に置いた。幅8.0mmのスパチュラ(清水アキラ株式会社製、規格180、材質SUS304製)を、カップ内のチーズ様食品中に、水平面に対して45°の角度で先端から4cmまで挿入し、垂直方向上方に4cm/秒の速度で引き上げた。
チーズ様食品の糸が切れた時点での、カップ内のチーズ様食品表面からスパチュラ先端までの距離を測定し、伸び値(10℃)とした。
同様にして、25℃に温度調節したチーズ様食品の伸び値(25℃)と、60℃に温度調節したチーズ様食品の伸び値(60℃)を測定した。
また、60℃に温度調節した後、10℃に冷却し、その後25℃に温度調節したチーズ様食品について、同様にして伸び値(60℃→10℃→25℃)を測定した。
下記の評価基準に基づいて伸び性を評価した。
A:伸び値が46cm以上。
B:伸び値が21cm以上46cm未満。
C:伸び値が21cm未満。
[冷凍耐性の評価方法]
10℃に冷却したチーズ様食品200gをカップに採取し、冷凍庫(−25℃)で一晩保管して冷凍した。翌日、冷凍したチーズ様食品を冷蔵庫に移し、10℃になるまで冷蔵庫内で解凍した。解凍したチーズ様食品(10℃)について、上記[伸び性の評価方法]と同じ方法で伸び値(冷蔵解凍)を測定し、伸び性を評価した。
解凍方法を、電子レンジで10℃になるまで加熱する方法に変更し、同様にして伸び値(電子レンジ解凍)を測定し、伸び性を評価した。
解凍方法を、常温(25℃)下で10℃になるまで自然解凍する方法に変更し、同様にして伸び値(常温解凍)を測定し、伸び性を評価した。
<例1〜20>
例1、2、4〜9、12、14〜17は実施例、例3、10、11、13、18〜20は比較例である。
表1、2に示す全原料を、試験溶融乳化釜(ステファン社製、万能高速カッター・ミキサーUMSK5型、ミキシングアタッチメント使用)に投入した。なお前記乳化機ではスチームを吹き込んで加熱するため、前記スチームによって添加される水分に相当する水量を添加水量から予め差し引いておく。表に示す水の配合量は、スチームによって添加される水分も含んでいる。
次いで、回転数750rpmで撹拌しながら、92℃に達するように加熱溶融を行った。92℃に達したら、スチームの吹き込みを停止し、60秒間撹拌することにより加熱殺菌して、乳化物を得た。
得られた乳化物を庫内温度5℃の冷蔵庫内に入れて品温が10℃に達するまで冷却し、ペースト状のチーズ様食品を得た。
上記の方法で伸び性を評価した。伸び値の測定結果と評価結果を表に示す。
なお、例1〜20で得られたチーズ様食品はいずれも、10℃における伸び値が2cm以上であり、10℃においてペースト状であった。
例1で得られたチーズ様食品について、上記の方法で冷凍耐性を評価した。
その結果、伸び値(冷蔵解凍)は60cm、伸び値(電子レンジ解凍)及び伸び値(常温解凍)は65cmであり、いずれも伸び性の評価はAであった。
Figure 2020138419
Figure 2020138419
表1、2の結果に示されるように、実施例のチーズ様食品は伸び性に優れていた。加熱と冷却を繰り返しても良好な伸び性を示した。また、冷凍し解凍した後も、良好な伸び性を示した。
タピオカデンプンの含有量が少ない例3は、60℃に加熱すると液状に溶けて伸びを示さなかった。
糖類としてDE値14未満のデンプン分解物(デキストリン、水溶性食物繊維)を用いた例10、11は、60℃に加熱したときの伸びが不充分であった。
タピオカデンプンを含むが、糖類を含まない例18〜20は、60℃に加熱したときの伸びが不充分であった。
例12と例13とを比べると、糖類の含有量を増加させることで伸び性を改善できることがわかる。
本実施形態によれば、低温、中温及び高温のいずれの温度でも良好な伸び性を示すチーズ様食品、及び前記チーズ様食品を含む食品が得られる。

Claims (5)

  1. チーズ原料と、タピオカデンプンと、単糖類、二糖類、三糖類、オリゴ糖類、DE値14以上のデンプン分解物、及び糖アルコールからなる群から選ばれる1種以上の糖類と、溶融塩を含むチーズ様食品。
  2. チーズ様食品の総質量に対して、固形分が35.0〜50.0質量%、前記チーズ原料の含有量が1〜55質量%、前記タピオカデンプンの含有量が2〜15質量%、前記糖類の含有量が1〜35質量%である、請求項1に記載のチーズ様食品。
  3. 前記糖類に対する前記タピオカデンプンの質量比を表すタピオカデンプン/糖類が0.2〜10.0である、請求項1または請求項2に記載のチーズ様食品。
  4. 10℃においてペースト状である、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のチーズ様食品。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のチーズ様食品を含む食品。
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Citations (8)

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