JPWO2020063676A5 - - Google Patents

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本開示は、新規構造を有するエキサテカン類似体のリガンド-薬物コンジュゲートに関する。具体的には、本開示は、構造ユニットYを有するエキサテカン類似体のリガンド-薬物コンジュゲート、それを調製するための方法、前記コンジュゲートを含む医薬組成物、および前記コンジュゲートまたは前記医薬組成物の使用に関する。
化学療法は、外科手術、放射線療法および標的療法と並んで、依然として最も重要な抗癌療法の1つである。多くの種類の非常に効率的な細胞毒素が存在するが、腫瘍細胞と正常細胞の違いは非常に小さく、毒性副作用のためにこれらの抗癌化合物の広範な臨床応用は制限されている。腫瘍細胞表面抗原に対する抗腫瘍モノクローナル抗体の特異性のために、抗体薬物は抗腫瘍療法の第一選択薬物となっている。しかしながら、抗体を抗腫瘍薬物として単独で使用する場合、有効性はしばしば不十分である。
抗体薬物コンジュゲート(ADC)は、化学的に安定なリンカーを介して、モノクローナル抗体または抗体フラグメントと生物学的に活性な細胞毒素との組み合わせを可能にし、抗体の低い有効性と細胞毒素の毒性副作用を回避しながら、正常細胞または腫瘍細胞の表面抗原への抗体結合の特異性と細胞毒素の高効率を最大限に利用する。つまり、従来の化学療法薬物と比較して、抗体薬物コンジュゲートは腫瘍細胞に正確に結合し、正常細胞への影響を低減することができる(Mullard A,(2013年)Nature Reviews Drug Discovery,12:329-332頁;DiJoseph JF, Armellino DC,(2004年)Blood,103:1807-1814頁)。
2000年に、最初の抗体薬物コンジュゲートであるマイロターグ(Mylotarg)(ゲムツズマブオゾガマイシン(gemtuzumab ozogamicin)、Wyeth Pharmaceuticals)が、急性骨髄性白血病の処置のために米国食品医薬品局(FDA)によって承認された(Drugs of the Future(2000年)25(7):686;US4970198;US5079233;US5585089;US5606040;US5693762;US5739116;US5767285;US5773001)。
2011年8月に、アドセトリス(Adcetris)(ブレンツキシマブベドチン(brentuximab vedotin)、Seattle Genetics Inc.)が、ホジキンリンパ腫および再発した未分化大細胞リンパ腫の処置のために米国FDAのファストトラックを通して承認された(Nat. Biotechnol(2003年)21(7):778-784頁;WO2004010957;WO2005001038;US7090843A;US7659241;WO2008025020)。アドセトリス(Adcetris(登録商標))は新規な標的ADC薬物であり、薬物がリンパ腫細胞の標的CD30に直接作用し、エンドサイトーシスを引き起こし、その結果、腫瘍細胞のアポトーシスを誘発することを可能にする。
マイロターグとアドセトリスはどちらも血液腫瘍の標的療法であり、血液腫瘍の組織構造は固形腫瘍のそれに比べて比較的単純である。2013年2月に、カドサイラ(Kadcyla)(アド-トラスツズマブエムタンシン(ado-trastuzumab emtansine)、T-DM1)が、トラスツズマブ(商品名:ハーセプチン)耐性かつパクリタキセル耐性のHER2陽性の進行性または転移性乳癌患者の処置のためにFDAによって承認された(WO2005037992;US8088387)。カドサイラは、固形腫瘍の処置のためにFDAによって承認された最初のADC薬物である。
抗体薬物コンジュゲートで使用される細胞毒性小分子にはいくつかの種類があり、そのうちの1つがカンプトテシン誘導体であり、トポイソメラーゼIを阻害することによって抗腫瘍効果を示す。抗体薬物コンジュゲート(ADC)におけるカンプトテシン誘導体であるエキサテカン(化学名:(1S,9S)-1-アミノ-9-エチル-5-フルオロ-2,3-ジヒドロ-9-ヒドロキシ-4-メチル-1H,12H-ベンゾ[デ]ピラノ[3’,4’:6,7]イミダゾ[1,2-b]キノリン-10,13(9H,15H)-ジオン)の使用を報告する文献は、WO2014057687、Clinical Cancer Research(2016年)22(20):5097-5108頁、およびCancer Sci(2016年)107:1039-1046頁を含む。しかし、より優れた有効性を備えたADC薬物のさらなる開発が依然として必要である。
リガンド、特に抗体と薬物との間のカップリング効果を改善するために、本開示は、リガンド-薬物コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物であって、前記リガンド-薬物コンジュゲートは、式(-D):
Figure 2020063676000001
(式中、
Yは、-O-(CR-CR-C(O)-、-O-CR-(CR-、-O-CR-、-NH-(CR-CR-C(O)-および-S-(CR-CR-C(O)-からなる群から選択される;
およびRは同一または異なり、水素原子、重水素原子、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、重水素化アルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシアルキル、シクロアルキルおよびヘテロシクリルからなる群からそれぞれ独立して選択される;
または、RとRは、それらが結合している炭素原子と一緒になってシクロアルキルまたはヘテロシクリルを形成する;
は、ハロゲン、重水素化アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択される;
は、水素原子、ハロゲン、ハロアルキル、重水素化アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルコキシアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択される;
または、RとRは、それらが結合している炭素原子と一緒になってシクロアルキルまたはヘテロシクリルを形成する;
または、RとRは、それらが結合している炭素原子と一緒になってシクロアルキルまたはヘテロシクリルを形成する;
式-D中の波線は、水素原子、またはリンカーユニットもしくは抗体への共有結合を表し、当該抗体は標的細胞によって発現される抗原に結合する;
mは0~4の整数である)
の構造を含む、リガンド-薬物コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を提供する。
本開示のいくつかの実施形態では、提供されるリガンド-薬物コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物は、式(-D)を有する化合物またはそのリガンド-薬物コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物:
Figure 2020063676000002
(式中、
はシクロアルキルアルキルまたはシクロアルキルであり、好ましくはC3-6シクロアルキルアルキルまたはC3-6シクロアルキルである;
は、水素原子、ハロアルキルおよびC3-6シクロアルキルからなる群から選択され、好ましくは水素原子である;
または、RとRは、それらが結合している炭素原子と一緒になってC3-6シクロアルキルを形成する;
式-D中の波線は、水素原子、またはリンカーユニットもしくは抗体への共有結合を表し、当該抗体は標的細胞によって発現される抗原に結合する;
mは0または1である)
である。
本開示のいくつかの実施形態では、提供されるリガンド-薬物コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物は、式(Pc-L-Y-Dr)のリガンド-薬物コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物:
Figure 2020063676000003
(式中、
Yは、-O-(CR-CR-C(O)-、-O-CR-(CR-、-O-CR-、-NH-(CR-CR-C(O)-および-S-(CR-CR-C(O)-からなる群から選択される;
およびRは同一または異なり、水素原子、重水素原子、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、重水素化アルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシアルキル、シクロアルキルおよびヘテロシクリルからなる群からそれぞれ独立して選択される;
または、RとRは、それらが結合している炭素原子と一緒になってシクロアルキルまたはヘテロシクリルを形成する;
は、ハロゲン、ハロアルキル、重水素化アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルコキシアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択される;
は、水素原子、ハロゲン、ハロアルキル、重水素化アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルコキシアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択される;
または、RとRは、それらが結合している炭素原子と一緒になってシクロアルキルまたはヘテロシクリルを形成する;
または、RとRは、それらが結合している炭素原子と一緒になってシクロアルキルまたはヘテロシクリルを形成する;
mは0~4の整数である;
nは1~10であり、整数または小数であり得る;
Pcはリガンドである;
Lはリンカーユニットである)
である。
本開示のいくつかの実施形態では、提供されるリガンド-薬物コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物において、
-Y-は、-O-(CR)m-CR-C(O)-である;
およびRは同一または異なり、水素原子、重水素原子、ハロゲンおよびアルキルからなる群からそれぞれ独立して選択される;
は、C3-6シクロアルキルアルキルまたはC3-6シクロアルキルである;
は、水素原子、ハロアルキルおよびC3-6シクロアルキルからなる群から選択され、好ましくは水素原子である;
または、RとRは、それらが結合している炭素原子と一緒になってC3-6シクロアルキルを形成する;
mは0または1である。
本開示のいくつかの実施形態では、提供されるリガンド-薬物コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物において、
前記構造ユニット-Y-は、-O-(CH)m-CR-C(O)-である;
は、C3-6シクロアルキルアルキルまたはC3-6シクロアルキルである;
は、水素原子、ハロアルキルおよびC3-6シクロアルキルからなる群から選択される;
または、RとRは、それらが結合している炭素原子と一緒になってC3-6シクロアルキルを形成する;
mは0または1である。
本開示のいくつかの実施形態では、提供されるリガンド-薬物コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物において、
前記構造ユニット-Y-は、-O-(CH)m-CR-C(O)-である;
は、C3-6シクロアルキルアルキルまたはC3-6シクロアルキルである;
は水素原子である;
または、RとRは、それらが結合している炭素原子と一緒になってC3-6シクロアルキルを形成する;
mは0または1である。
本開示のいくつかの実施形態では、提供されるリガンド-薬物コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物において、
前記構造ユニット-Y-は、-O-(CH)m-CR-C(O)-である;
は、C3-6シクロアルキルアルキルまたはC3-6シクロアルキルである;
は水素原子である;
または、RとRは、それらが結合している炭素原子と一緒になってC3-6シクロアルキルを形成する;
mは0である。
本開示のいくつかの他の実施形態では、提供されるリガンド-薬物コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物において、前記構造ユニット-Y-は、以下からなる群から選択される:
Figure 2020063676000004
本開示のいくつかの他の実施形態では、提供されるリガンド-薬物コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物において、前記-Y-のO末端は、前記リンカーユニットLに接続される。
本開示のいくつかの他の実施形態では、提供されるリガンド-薬物コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物は、式(Pc-L-D1)のリガンド-薬物コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物:
Figure 2020063676000005
(式中、
はシクロアルキルアルキルまたはシクロアルキルであり、好ましくはC3-6シクロアルキルアルキルまたはC3-6シクロアルキルである;
は、水素原子、ハロアルキルおよびC3-6シクロアルキルからなる群から選択され、好ましくは水素原子である;
または、RとRは、それらが結合している炭素原子と一緒になってC3-6シクロアルキルを形成する;
mは0または1である;
nは1~10であり、整数または小数であり得る;
Pcはリガンドである;
Lはリンカーユニットである)
である。
本開示の別の好ましい実施形態では、本発明によるリガンド-薬物コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物において、nが2~8であり、整数または小数であり得、好ましくはnは3~8であり、整数または小数であり得る。
本開示の別の好ましい実施形態では、本発明によるリガンド-薬物コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩または溶媒和物において、
前記リンカーユニット-L-は、-L-L-L-L-であって、
は、-(スクシンイミド-3-イル-N)-W-C(O)-、-CH-C(O)-NR-W-C(O)-および-C(O)-W-C(O)-からなる群から選択され、ここでWは、C1-8アルキル、C1-8アルキル-シクロアルキルおよび1~8個の原子を含む直鎖ヘテロアルキルからなる群から選択され、当該ヘテロアルキルは、N、OおよびSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を含み、当該C1-8アルキル、シクロアルキルおよび直鎖ヘテロアルキルは、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、アルキル、クロロアルキル、重水素化アルキル、アルコキシおよびシクロアルキルからなる群から選択される1個以上の置換基によって任意にさらに置換される;
は、-NR(CHCHO)pCHCHC(O)-、-NR(CHCHO)pCHC(O)-、-S(CH)pC(O)-および化学結合からなる群から選択され、ここでpは1~20の整数である;Lは好ましくは化学結合である;
は、2~7個のアミノ酸から構成されるペプチド残基であり、当該アミノ酸は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、アルキル、クロロアルキル、重水素化アルキル、アルコキシおよびシクロアルキルからなる群から選択される1個以上の置換基によって任意にさらに置換される;
は、-NR(CR-、-C(O)NR、-C(O)NR(CH-および化学結合からなる群から選択され、ここでtは1~6の整数である;Lは好ましくは-NR(CR)t-である;
、RおよびRは同一または異なり、水素原子、アルキル、ハロアルキル、重水素化アルキルおよびヒドロキシアルキルからなる群からそれぞれ独立して選択される;
およびRは同一または異なり、水素原子、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、重水素化アルキルおよびヒドロキシアルキルからなる群からそれぞれ独立して選択される。
本開示のいくつかの他の実施形態では、前記リガンド-薬物コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物において、前記リンカーユニットLは、-(スクシンイミド-3-イル-N)-(CH)s-C(O)-、-(スクシンイミド-3-イル-N)-CH-シクロヘキシル-C(O)-、-(スクシンイミド-3-イル-N)-(CHCHO)s-CHCH-C(O)-、-CH-C(O)-NR-(CH)s-C(O)-、および-C(O)-(CH)sC(O)-からなる群から選択され、ここで、sは2~8の整数であり、sは1~3の整数であり、sは1~8の整数であり、sは1~8の整数である;sは好ましくは5である。
本開示のいくつかの他の実施形態では、前記リガンド-薬物コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物において、前記リンカーユニットLは、-NR(CHCHO)pCHC(O)-および化学結合からなる群から選択され、pは6~12の整数である。
本開示のいくつかの他の実施形態では、提供されるリガンド-薬物コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物において、Lは-NR(CR-から選択され、Rは水素原子およびアルキルからなる群から選択され、RおよびRは同一または異なり、水素原子およびアルキルからなる群からそれぞれ独立して選択され、tは1または2であり、好ましくは2である;Lは好ましくは-NRCR-である;Lはより好ましくは-NHCH-である。
本開示のいくつかの他の実施形態では、提供されるリガンド-薬物コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物において、前記リンカーユニット-L-は、-L-L-L-L-であって、
は、
Figure 2020063676000006
であり、sは2~8の整数である;
は化学結合である;
はテトラペプチド残基である;
は-NR(CR-であり、Rは水素原子およびアルキルからなる群から選択され、RおよびRは同一または異なり、水素原子およびアルキルからなる群からそれぞれ独立して選択され、tは1または2である。
本開示のいくつかの他の実施形態では、提供されるリガンド-薬物コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物において、前記リンカーユニット-L-は、-L-L-L-L-であって、
は-(スクシンイミド-3-イル-N)-CH-シクロヘキシル-C(O)-である;
は-NR(CHCHO)CHC(O)-である;
はテトラペプチド残基である;
は-NR(CR)t-であり、Rは水素原子およびアルキルからなる群から選択され、RおよびRは同一または異なり、水素原子およびアルキルからなる群からそれぞれ独立して選択され、tは1または2である。
本開示のいくつかの他の実施形態では、提供されるリガンド-薬物コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物において、Lのペプチド残基は、フェニルアラニン(E)、グリシン(G)、バリン(V)、リジン(K)、シトルリン、セリン(S)、グルタミン酸(E)およびアスパラギン酸(N)からなる群から選択される1個、2個またはそれ以上のアミノ酸から構成されるアミノ酸残基であり、好ましくはフェニルアラニンおよびグリシンからなる群から選択される1個、2個またはそれ以上のアミノ酸から構成されるアミノ酸残基であり、より好ましくはテトラペプチド残基であり、最も好ましくはGGFG(グリシン-グリシン-フェニルアラニン-グリシン)のテトラペプチド残基である。
本開示のいくつかの他の実施形態では、提供されるリガンド-薬物コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物において、前記リンカーユニット-L-の前記L末端は前記リガンドに接続され、前記リンカーユニット-L-の前記L末端はYに接続される。
本開示のいくつかの他の実施形態では、提供されるリガンド-薬物コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物において、-L-Y-は、
Figure 2020063676000007
(式中、
は、-(スクシンイミド-3-イル-N)-(CH)s-C(O)-および-(スクシンイミド-3-イル-N)-CH-シクロヘキシル-C(O)-からなる群から選択される;
は、-NR(CHCHO)pCHC(O)-または化学結合であり、pは6~12の整数である;
は、GGFGのテトラペプチド残基である;
はシクロアルキルアルキルまたはシクロアルキルであり、好ましくはC3-6シクロアルキルアルキルまたはC3-6シクロアルキルである;
は、水素原子、ハロアルキルおよびC3-6シクロアルキルからなる群から選択され、好ましくは水素原子である;
または、RとRは、それらが結合している炭素原子と一緒にC3-6シクロアルキルを形成する;
は、水素原子およびアルキルからなる群から選択され、RおよびRは同一または異なり、それぞれ独立して、水素原子およびアルキルからなる群から選択される;
は2~8の整数であり、好ましくは5である;
mは0~4の整数である)
である。
本開示のいくつかの他の実施形態において、提供されるリガンド-薬物コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物において、-L-Y-は、
Figure 2020063676000008
であり、好ましくは
Figure 2020063676000009
(式中、
は、-NR(CHCHO)CHC(O)-である;
は、GGFGのテトラペプチド残基である;
はシクロアルキルアルキルまたはシクロアルキルであり、好ましくはC3-6シクロアルキルアルキルまたはC3-6シクロアルキルである;
は、水素原子、ハロアルキルおよびC3-6シクロアルキルからなる群から選択され、好ましくは水素原子である;
または、RとRは、それらが結合している炭素原子と一緒になってC3-6シクロアルキルを形成する;
は水素原子およびアルキルからなる群から選択され、RおよびRは同一または異なり、水素原子およびアルキルからなる群からそれぞれ独立して選択される;
mは0~4の整数である)
である。
本開示のいくつかの他の実施形態において、提供される式(Pc-L-Y-Dr)のリガンド-薬物コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物において、-L-Y-は、
Figure 2020063676000010
(式中、
は化学結合である;
は、GGFGのテトラペプチド残基である;
はシクロアルキルアルキルまたはシクロアルキルであり、好ましくはC3-6シクロアルキルアルキルまたはC3-6シクロアルキルである;
は、水素原子、ハロアルキルおよびC3-6シクロアルキルからなる群から選択され、好ましくは水素原子である;
または、RとRは、それらが結合している炭素原子と一緒になってC3-6シクロアルキルを形成する;
は水素原子およびアルキルからなる群から選択され、RおよびRは同一または異なり、水素原子およびアルキルからなる群からそれぞれ独立して選択される;
は2~8の整数であり、好ましくは5である;
mは0~4の整数である)
である。
本開示の別の態様は、リガンド-薬物コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物であって、前記リガンド-薬物コンジュゲートは、式(-L-Y-):
Figure 2020063676000011
(式中、
これは、リンカーフラグメントを介して薬物とリガンドとを連結することによってリガンド-薬物コンジュゲートを形成するために使用することができる;
(式中、
は、-(スクシンイミド-3-イル-N)-(CH)s-C(O)-および-(スクシンイミド-3-イル-N)-CH-シクロヘキシル-C(O)-からなる群から選択される;
は、-NR(CHCHO)pCHC(O)-または化学結合であり、pは1~20の整数である;
は、GGFGのテトラペプチド残基である;
はシクロアルキルアルキルまたはシクロアルキルであり、好ましくはC3-6シクロアルキルアルキルまたはC3-6シクロアルキルである;
は、水素原子、ハロアルキルおよびC3-6シクロアルキルからなる群から選択され、好ましくは水素原子である;
または、RとRは、それらが結合している炭素原子と一緒になってC3-6シクロアルキルを形成する;
、RおよびRは同一または異なり、水素原子およびアルキルからなる群からそれぞれ独立して選択される;
は2~8の整数である;
mは0~4の整数である)
の構造を含み、
当該式(-L-Y-)の構造は、リンカーフラグメントを介して前記薬物を前記リガンドに接続することによって、リガンド-薬物コンジュゲートを形成するために使用され得る、リガンド-薬物コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を提供する。
本開示の別の態様は、リガンド-薬物コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物であって、前記リガンド-薬物コンジュゲートは、式(-L-Y-):
Figure 2020063676000012
(式中、
は化学結合である;
は、GGFGのテトラペプチド残基である;
はシクロアルキルアルキルまたはシクロアルキルであり、好ましくはC3-6シクロアルキルアルキルまたはC3-6シクロアルキルである;
は、水素原子、ハロアルキルおよびC3-6シクロアルキルからなる群から選択され、好ましくは水素原子である;
または、RとRは、それらが結合している炭素原子と一緒になってC3-6シクロアルキルを形成する;
は水素原子およびアルキルからなる群から選択され、RおよびRは同一または異なり、水素原子およびアルキルからなる群からそれぞれ独立して選択される;
は2~8の整数である;
mは0~4の整数である)
の構造を含む、リガンド-薬物コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を提供する。
本開示のいくつかの他の実施形態では、提供される式(Pc-L-Y-Dr)のリガンド-薬物コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物は、式(Pc-L-Y-Dr)のリガンド-薬物コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物:
Figure 2020063676000013
(式中、
Wは、C1-8アルキル、C1-8アルキル-シクロアルキルおよび1~8個の原子を含む直鎖ヘテロアルキルからなる群から選択され、当該ヘテロアルキルは、N、OおよびSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を含み、当該C1-8アルキル、シクロアルキルおよび直鎖ヘテロアルキルは、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、アルキル、クロロアルキル、重水素化アルキル、アルコキシおよびシクロアルキルからなる群から選択される1個以上の置換基によって任意にさらに置換される;
は、-NR(CHCHO)pCHCHC(O)-、-NR(CHCHO)pCHC(O)-、-S(CH)pC(O)-および化学結合からなる群から選択され、ここでpは1~20の整数である;
は、2~7個のアミノ酸から構成されるペプチド残基であり、当該アミノ酸は置換されていても無置換であってもよく、置換される場合、当該置換基は任意の利用可能な接続点で置換され得、当該置換基は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、アルキル、クロロアルキル、重水素化アルキル、アルコキシおよびシクロアルキルからなる群から独立して選択される1個以上の基である;
は、ハロゲン、シクロアルキルアルキル、重水素化アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、好ましくはシクロアルキルアルキルまたはシクロアルキルであり、より好ましくはC3-6シクロアルキルアルキルまたはC3-6シクロアルキルである;
は、水素原子、ハロゲン、ハロアルキル、重水素化アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、好ましくは水素原子である;または、RとRは、それらが結合している炭素原子と一緒になってシクロアルキルまたはヘテロシクリルを形成する;
およびRは同一または異なり、水素原子、アルキル、ハロアルキル、重水素化アルキルおよびヒドロキシアルキルからなる群からそれぞれ独立して選択される;
およびRは同一または異なり、水素原子、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、重水素化アルキルおよびヒドロキシアルキルからなる群からそれぞれ独立して選択される;
mは0~4の整数である;
nは、0~10の0以外の整数または小数であり、好ましくは1~10の整数または小数である;
Pcはリガンドである)
である。
本開示のいくつかの他の実施形態では、提供される式(Pc-L-Y-Dr)のリガンド-薬物コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物は、式(Pc-L-Y-Dr)のリガンド-薬物コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物:
Figure 2020063676000014
(式中、
は2~8の整数であって、好ましくは5であり、
Pc、R、R、R~R、mおよびnは、式(Pc-L-Y-Dr)で定義されるとおりである)
である。
本開示のリガンド-薬物コンジュゲートのリンカーユニット-L-Y-は、限定されるものではないが、以下を含む:
Figure 2020063676000015
Figure 2020063676000016
本開示の式(Pc-L-Y-Dr)のリガンド-薬物コンジュゲートは、限定されるものではないが、以下を含む:
Figure 2020063676000017
Figure 2020063676000018
Figure 2020063676000019
Figure 2020063676000020
式中、Pcおよびnは、式(Pc-L-Y-Dr)で定義されるとおりである。
本開示のいくつかの他の実施形態では、前記リガンド-薬物コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物において、Pcは抗体またはその抗原結合フラグメントであり、前記抗体はキメラ抗体、ヒト化抗体および完全ヒト化抗体からなる群から選択され、好ましくはモノクローナル抗体である。
本開示のいくつかの他の実施形態では、前記リガンド-薬物コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物において、前記抗体またはその抗原結合フラグメントは、抗HER2(ErbB2)抗体、抗EGFR抗体、抗B7-H3抗体、抗c-Met抗体、抗HER3(ErbB3)抗体、抗HER4(ErbB4)抗体、抗CD20抗体、抗CD22抗体、抗CD30抗体、抗CD33抗体、抗CD44抗体、抗CD56抗体、抗CD70抗体、抗CD73抗体、抗CD105抗体、抗CEA抗体、抗A33抗体、抗Cripto抗体、抗EphA2抗体、抗G250抗体、抗MUCl抗体、抗ルイスY抗体(anti-Lewis Y antibody)、抗VEGFR抗体、抗GPNMB抗体、抗インテグリン抗体、抗PSMA抗体、抗テネイシン-C抗体(anti-Tenascin-C antibody)、抗SLC44A4抗体および抗メソテリン抗体(anti-Mesothelin antibody)、ならびにそれらの抗原結合フラグメントからなる群から選択される。
本開示のいくつかの他の実施形態では、前記リガンド-薬物コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物において、前記抗体またはその抗原結合フラグメントは、トラスツズマブ(Trastuzumab)、ペルツズマブ(Pertuzumab)、ニモツズマブ(Nimotuzumab)、エノブリツズマブ(Enoblituzumab)、エミベツズマブ(Emibetuzumab)、イノツズマブ(Inotuzumab)、ピナツズマブ(Pinatuzumab)、ブレンツキシマブ(Brentuximab)、ゲムツズマブ(Gemtuzumab)、ビバツズマブ(Bivatuzumab)、ロルボツズマブ(Lorvotuzumab)、cBR96およびグレマツムマブ(Glematumamab)、ならびにそれらの抗原結合フラグメントからなる群から選択される。
本開示の式(Pc-L-Y-Dr)のリガンド-薬物コンジュゲートは、限定されるものではないが、以下の式を含む:
Figure 2020063676000021
Figure 2020063676000022
Figure 2020063676000023
Figure 2020063676000024
Figure 2020063676000025
式中、nは0~10の0でない整数または小数であり、好ましくはnは1~10の整数または小数である;より好ましくは、nは2~8であり、整数または小数であり得る;最も好ましくは、nは3~8であり、整数または小数であり得る。
本開示の別の態様は、式(D)の化合物またはその互変異性体、メソマー、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、またはその混合物、またはその薬学的に許容される塩:
Figure 2020063676000026
(式中、
Yは、-O-(CR-CR-C(O)-、-O-CR-(CR-、-O-CR-、-NH-(CR-CR-C(O)-および-S-(CR-CR-C(O)-からなる群から選択される;
およびRは同一または異なり、水素原子、重水素原子、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、重水素化アルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシアルキル、シクロアルキルおよびヘテロシクリルからなる群からそれぞれ独立して選択される;
または、RとRは、それらが結合している炭素原子と一緒になってシクロアルキルまたはヘテロシクリルを形成する;
は、ハロゲン、シクロアルキルアルキル、重水素化アルキル、シクロアルキル、アルコキシアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択される;
は、水素原子、ハロゲン、ハロアルキル、重水素化アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルコキシアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択される;
または、RとRは、それらが結合している炭素原子と一緒になってシクロアルキルまたはヘテロシクリルを形成する;
または、RとRは、それらが結合している炭素原子と一緒になってシクロアルキルまたはヘテロシクリルを形成する;
mは0~4の整数である)
を提供する。
本開示の別の態様の好ましい態様では、提供される式(D)の化合物またはその互変異性体、メソマー、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、またはその混合物、またはその薬学的に許容される塩は、式(D)の化合物またはその互変異性体、メソマー、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、またはその混合物、またはその薬学的に許容される塩:
Figure 2020063676000027
(式中、
は、C3-6シクロアルキルアルキルまたはC3-6シクロアルキルである;
は、水素原子、ハロアルキルおよびC3-6シクロアルキルからなる群から選択される;
または、RとRは、それらが結合している炭素原子と一緒になってC3-6シクロアルキルを形成する;
mは0または1である)
である。
本開示の式(D)の化合物は、限定されるものではないが、次の表のものまたはその互変異性体、メソマー、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、またはその混合物、またはその薬学的に許容される塩を含む。
Figure 2020063676000028
Figure 2020063676000029
Figure 2020063676000030
Figure 2020063676000031
本開示の別の態様の好ましい実施形態は、式(L-Y-Dr)の化合物またはその互変異性体、メソマー、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、またはその混合物、またはその薬学的に許容される塩:
Figure 2020063676000032
(式中、
Wは、C1-8アルキル、C1-8アルキル-シクロアルキルおよび1~8個の原子を含む直鎖ヘテロアルキルからなる群から選択され、当該ヘテロアルキルは、N、OおよびSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を含み、当該C1-8アルキル、シクロアルキルおよび直鎖ヘテロアルキルは、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、アルキル、クロロアルキル、重水素化アルキル、アルコキシおよびシクロアルキルからなる群から選択される1個以上の置換基によって任意にさらに置換される;
は、-NR(CHCHO)pCHCHC(O)-、-NR(CHCHO)pCHC(O)-、-S(CH)pC(O)-および化学結合からなる群から選択され、ここでpは1~20の整数である;
は、2~7個のアミノ酸から構成されるペプチド残基であり、当該アミノ酸は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、アルキル、クロロアルキル、重水素化アルキル、アルコキシおよびシクロアルキルからなる群から選択される1個以上の置換基によって任意にさらに置換され、置換される場合、当該置換基は任意の利用可能な接続点で置換され得、当該置換基は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、アルキル、クロロアルキル、重水素化アルキル、アルコキシおよびシクロアルキルからなる群から独立して選択される1個以上の基である;
は、ハロゲン、シクロアルキルアルキル、重水素化アルキル、シクロアルキル、アルコキシアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択される;
は、水素原子、ハロゲン、ハロアルキル、重水素化アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルコキシアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択される;または、RとRは、それらが結合している炭素原子と一緒になってシクロアルキルまたはヘテロシクリルを形成する;
およびRは同一または異なり、水素原子、アルキル、ハロアルキル、重水素化アルキルおよびヒドロキシアルキルからなる群からそれぞれ独立して選択される;
およびRは同一または異なり、水素原子、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、重水素化アルキルおよびヒドロキシアルキルからなる群からそれぞれ独立して選択される;
mは0~4の整数である)
を提供する。
本発明の別の態様の好ましい実施形態では、提供される式(L-Y-Dr)の化合物またはその互変異性体、メソマー、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、またはその混合物、またはその薬学的に許容される塩は、式(L-Y-Dr)の化合物またはその互変異性体、メソマー、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、またはその混合物、またはその薬学的に許容される塩:
Figure 2020063676000033
(式中、R、R、R~R、sおよびmは、式(L-Y-Dr)で定義されるとおりである)
である。
本開示の式(L-Y-Dr)の化合物は、限定されるものではないが、次の表のものまたはその互変異性体、メソマー、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、またはその混合物、またはその薬学的に許容される塩を含む。
Figure 2020063676000034
Figure 2020063676000035
Figure 2020063676000036
Figure 2020063676000037
本開示の別の態様は、式(D)の化合物またはその互変異性体、メソマー、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、またはその混合物、またはその薬学的に許容される塩を調製する方法であって、以下のステップ:
Figure 2020063676000038
前記式(Y)の化合物と前記式(Dr)の化合物を縮合させて、前記式(D)の化合物を得るステップ
(式中、R、Rおよびmは、式(D)で定義されるとおりである)
を含む、方法を提供する。
本開示の別の態様は、式(L-Y-Dr)の化合物またはその互変異性体、メソマー、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、またはその混合物、またはその薬学的に許容される塩を調製する方法であって、以下のステップ:
Figure 2020063676000039
前記式(IA)の化合物と前記式(IB)の化合物を縮合させて、前記式(L-Y-Dr)の化合物を得るステップ
(式中、R、R、R~R、sおよびmは、式(L-Y-Dr)で定義されるとおりである)
を含む、方法を提供する。
本開示の別の態様は、式(L-Y-Dr)の化合物またはその互変異性体、メソマー、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、またはその混合物、またはその薬学的に許容される塩を調製する方法であって、以下のステップ:
Figure 2020063676000040
前記式(IA)の化合物と前記式(IB)の化合物を縮合させて、前記式(L-Y-Dr)の化合物を得るステップ
(式中、R、R、R~R、sおよびmは、式(L-Y-Dr)で定義されるとおりである)
を含む、方法を提供する。
本開示の別の態様は、式(Pc-L-Y-Dr)のリガンド-薬物コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を調製する方法であって、以下のステップ:
Figure 2020063676000041
Pcを還元後に前記式(L-Y-Dr)の化合物と結合させて、前記式(Pc-L-Y-Dr)の化合物を得るステップ;還元剤は好ましくはTCEPである;
(式中、
Pcはリガンドである;
W、L、L、R、R、R~R、mおよびnは、式(Pc-L-Y-Dr)で定義されるとおりである)
を含む、方法を提供する。
さらに、本開示の別の態様は、本開示による治療有効量のリガンド-薬物コンジュゲートもしくは化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物と、1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤とを含む、医薬組成物に関する。
さらに、本開示の別の態様は、本開示による式(D)の化合物またはその互変異性体、メソマー、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、またはその混合物、またはその薬学的に許容される塩と、1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤とを含む、医薬組成物に関する。
さらに、本開示の別の態様は、リガンドおよび前記リガンドに連結された薬物を含むリガンド-薬物コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物であって、前記薬物は、本開示による式(D)の化合物、式(L-Y-Dr)の化合物、またはその互変異性体、メソマー、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、またはその混合物、またはその薬学的に許容される塩からなる群から選択され、前記薬物は好ましくはリンカーを介して前記リガンドに連結され、前記リガンドは好ましくはモノクローナル抗体である、リガンド-薬物コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物に関する。
さらに、本開示の別の態様は、リガンド-薬物コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を調製するための方法であって、本開示による式(D)の化合物、式(L-Y-Dr)の化合物、またはその互変異性体、メソマー、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、またはその混合物、またはその薬学的に許容される塩を前記リガンドに、好ましくはリンカーを介して、連結するステップを含み、前記リガンドは好ましくはモノクローナル抗体である、方法に関する。
さらに、本開示の別の態様は、薬物として使用するための、本開示によるリガンド-薬物コンジュゲートもしくは化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物に関する。
さらに、本開示の別の態様は、腫瘍を処置または予防するための薬剤の調製における、本開示によるリガンド-薬物コンジュゲートもしくは化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、またはそれらを含む医薬組成物の使用であって、好ましくは、前記腫瘍は、HER2、HER3またはEGFRの発現に関連する癌である、使用に関する。
さらに、本開示の別の態様は、癌を処置または予防するための薬剤の調製における、本開示によるリガンド-薬物コンジュゲートもしくは化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、またはそれらを含む医薬組成物の使用であって、前記癌は好ましくは、乳癌、卵巣癌、子宮頸癌、子宮癌、前立腺癌、腎臓癌、尿道癌、膀胱癌、肝臓癌、胃癌、子宮内膜癌、唾液腺癌、食道癌、黒色腫、神経膠腫、神経芽細胞腫、肉腫、肺癌(例えば、小細胞肺癌および非小細胞肺癌)、結腸癌、直腸癌、結腸直腸癌、白血病(例えば、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、急性前骨髄球性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病)、骨癌、皮膚癌、甲状腺癌、膵臓癌、前立腺癌およびリンパ腫(例えば、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、または再発性未分化大細胞リンパ腫)からなる群から選択される、使用に関する。
さらに本開示の別の態様は、腫瘍を処置および/または予防するための方法であって、それを必要とする患者に、本開示による治療有効量のリガンド-薬物コンジュゲートもしくは化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、またはそれらを含む医薬組成物を投与することを含み、好ましくは、前記腫瘍は、HER2、HER3またはEGFRの発現に関連する癌である、方法に関する。
さらに、本開示の別の態様は、癌を処置または予防するための方法であって、それを必要とする患者に、本開示による治療有効量のリガンド-薬物コンジュゲートもしくは化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、またはそれらを含む医薬組成物を投与することを含み、前記癌は好ましくは、乳癌、卵巣癌、子宮頸癌、子宮癌、前立腺癌、腎臓癌、尿道癌、膀胱癌、肝臓癌、胃癌、子宮内膜癌、唾液腺癌、食道癌、黒色腫、神経膠腫、神経芽細胞腫、肉腫、肺癌(例えば、小細胞肺癌および非小細胞肺癌)、結腸癌、直腸癌、結腸直腸癌、白血病(例えば、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、急性前骨髄球性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病)、骨癌、皮膚癌、甲状腺癌、膵臓癌およびリンパ腫(例えば、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、または再発性未分化大細胞リンパ腫)からなる群から選択される、方法に関する。
活性化合物は、任意の適切な経路による投与に適した形態に処方され得、活性化合物は、好ましくは、単位用量の形態、または患者が単回用量で自己投与できる形態である。本発明の化合物または組成物の単位用量の形態は、錠剤、カプセル、カシェ、瓶詰めポーション、粉末、顆粒、ロゼンジ、坐剤、再生粉末または液体製剤であり得る。
本発明の処置方法で使用される化合物または組成物の投与量は、一般に、疾患の重症度、患者の体重、および化合物の相対的な有効性に応じて変化する。しかしながら、一般的な指針として、適切な単位用量は0.1~1000mgであり得る。
活性化合物に加えて、本発明の医薬組成物はまた、充填剤(希釈剤)、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、賦形剤などを含む1つ以上の助剤を含むことができる。投与様式に応じて、組成物は、0.1~99重量%の活性化合物を含むことができる。
活性成分を含む医薬組成物は、経口投与に適した形態、例えば、錠剤、トローチ、ロゼンジ、水性もしくは油性懸濁液、分散性粉末もしくは顆粒、エマルジョン、硬質もしくは軟質カプセル、シロップまたはエリキシルであり得る。経口組成物は、医薬組成物を調製するための当技術分野における任意の既知の方法に従って調製することができる。そのような組成物は、結合剤、充填剤、潤滑剤、崩壊剤または薬学的に許容される湿潤剤などを含むことができる。そのような組成物はまた、心地よくて口当たりの良い医薬製剤を提供するために、甘味料、香味料、着色剤および防腐剤からなる群から選択される1つ以上の成分を含むことができる。
水性懸濁液は、水性懸濁液の製造に適した賦形剤と混合された活性成分を含む。水性懸濁液はまた、1つ以上の防腐剤、1つ以上の着色剤、1つ以上の香味料、および1つ以上の甘味料を含むことができる。
油懸濁液は、活性成分を植物油中に懸濁させることによって処方することができる。油懸濁液は増粘剤を含むことができる。上述の甘味料および香味料を添加して、口当たりの良い製剤を提供することができる。
医薬組成物はまた、水性懸濁液を調製するための分散性粉末および顆粒であり得、これらは、水を添加して1つ以上の分散剤、湿潤剤、懸濁剤または防腐剤と混合することによって活性成分を提供する。甘味料、香味料および着色剤などの他の賦形剤を添加することもできる。これらの組成物は、アスコルビン酸などの酸化防止剤を添加することによって保存することができる。
本開示の医薬組成物はまた、水中油型エマルジョンの形態であり得る。
医薬組成物は、無菌の注射可能な水溶液の形態であり得る。使用され得る許容可能なビヒクルまたは溶媒は、水、リンゲル液または等張塩化ナトリウム溶液である。無菌の注射可能な製剤は、活性成分が油相に溶解している無菌の注射可能な水中油型マイクロエマルジョンであり得る。例えば、活性成分は大豆油とレシチンの混合物に溶解される。次に、油溶液を水とグリセリンの混合物に加え、処理してマイクロエマルジョンを形成する。注射可能な溶液またはマイクロエマルジョンは、局所ボーラス注射によって患者の血流に導入され得る。あるいは、溶液およびマイクロエマルジョンは、好ましくは、本開示の化合物の一定の循環濃度を維持する方法で投与される。この一定の濃度を維持するために、連続的静脈内送達デバイスが使用され得る。そのようなデバイスの例は、Deltec CADD-PLUS.TM.5400静脈内注入ポンプである。
医薬組成物は、筋肉内および皮下投与用の無菌の注射可能な水性または油性懸濁液の形態であり得る。そのような懸濁液は、既知の技術に従って、上記のような適切な分散剤または湿潤剤および懸濁剤を配合され得る。無菌の注射可能な製剤はまた、非毒性で非経口的に許容される希釈剤または溶媒で調製された無菌の注射可能な溶液または懸濁液であり得る。さらに、滅菌固定油を溶媒または懸濁媒体として容易に使用することができる。
本開示の化合物は、直腸投与用の坐剤の形態で投与することができる。これらの医薬組成物は、常温では固体であるが直腸内では液体であり、それにより直腸内で溶融して薬物を放出する適切な非刺激性賦形剤と薬物を混合することによって調製することができる。このような材料には、カカオバター、グリセリンゼラチン、硬化植物油、さまざまな分子量のポリエチレングリコールの混合物およびそれらの脂肪酸エステルが含まれる。
薬物の投与量が、限定されるものではないが、以下の因子:特定の化合物の活性、患者の年齢、患者の体重、患者の一般的な健康状態、患者の行動、患者の食事、投与時間、投与経路、排泄率、薬物の組み合わせなど、を含むさまざまな因子に依存することは当業者に周知である。さらに、最適な処置、例えば、処置モード、式(I)の化合物の1日用量またはその薬学的に許容される塩のタイプは、従来の治療レジメンに従って検証することができる。
:本開示のADC-19の血漿安定性試験の結果(図1A)。本開示のADC-18の血漿安定性試験の結果(図1B)。本開示のADC-20の血漿安定性試験の結果(図1C)。 JIMT-1腫瘍ベアリングマウス(tumor-bearing mice)に対する本開示のADC-21およびADC-24の有効性の評価。 ヌードマウスにおけるヒト乳癌細胞SK-BR-3異種移植腫瘍に対する本開示のADCの有効性の評価。 本開示のADC-25の血漿安定性試験の結果。 ヌードマウスにおけるヒト脳アストロブラストーマU87MG異種移植腫瘍に対する本開示のADCの有効性。 ヌードマウスにおけるヒト咽頭癌胸水転移細胞デトロイト562異種移植腫瘍に対する本開示のADCの有効性。 ヌードマウスにおけるヒト神経膠腫U87MG異種移植腫瘍に対する本開示のADCの有効性。
発明の詳細な説明
定義
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者の一般的な理解と一致する。本明細書に記載されているものと類似または同等の任意の方法および材料を、本開示の実施または試験において使用することができるが、好ましい方法および材料が本明細書に記載されている。本開示を説明および保護する場合、以下の用語は、以下の定義に従って使用される。
本開示において商品名が使用される場合、出願人は、その製品の製剤、ジェネリック薬物および活性成分を当該商品名の下に含めることを意図している。
特に明記しない限り、本明細書および特許請求の範囲において使用される用語は、以下に記載される意味を有する。
「リガンド」とは、標的細胞に関連する抗原または受容体を認識して結合することができる高分子化合物を指す。リガンドの役割は、リガンドに結合する標的細胞集団に薬物を送達することである。そのようなリガンドには、限定されるものではないが、タンパク質ホルモン、レクチン、成長因子、抗体、または細胞に結合できる他の分子が含まれる。本開示の一実施形態では、リガンドはPcによって表される。リガンドは、リガンド上のヘテロ原子を介して連結ユニットと結合を形成することができる。リガンドは、好ましくは、抗体またはその抗原結合フラグメントである。抗体は、キメラ抗体、ヒト化抗体、完全ヒト化抗体およびマウス抗体からなる群から選択され、好ましくはモノクローナル抗体である。
「薬物」という用語は、腫瘍細胞の正常な成長を強力に妨害することができる化学分子であり、Drによって表される細胞毒性薬物を指す。原則として、すべての細胞毒性薬物は、十分に高い濃度で腫瘍細胞を殺すことができる。しかし、特異性の欠如のために、腫瘍細胞を殺しながら、正常細胞のアポトーシスと深刻な副作用を引き起こす可能性がある。この用語は、細菌、真菌、植物または動物由来の小分子毒素または酵素的に活性な毒素などの毒素、放射性同位体(例えば、At211、I131、I125、Y90、Re186、Re188、Sm153、Bi212、P32およびLuの放射性同位体)、毒性薬物、化学療法薬物、抗生物質および核酸分解酵素、好ましくは毒性薬物を含む。
「リンカーユニット(linker unit)」、「連結フラグメント(linking fragment)」または「連結ユニット(linking unit)」という用語は、一方の末端でリガンドに連結され、別の末端で薬物に連結されるか、または他のリンカーに連結されてから薬物に連結される、化学構造フラグメントまたは結合を指す。本開示の好ましい実施形態は、LおよびL~Lによって表され、ここで、L末端はリガンドに連結され、L末端は構造ユニットYを介して薬物(Dr)に連結される。
延長ユニット、スペーサーユニット、およびアミノ酸ユニットを含むリンカーは、US2005-0238649A1に記載されているものなど、当技術分野で既知の方法によって合成することができる。リンカーは、細胞内での薬物の放出を促進する「切断可能なリンカー」であり得る。例えば、酸不安定性リンカー(例えば、ヒドラゾン)、プロテアーゼ感受性(例えば、ペプチダーゼ感受性)リンカー、光不安定性リンカー、ジメチルリンカーまたはジスルフィド含有リンカーを使用することができる(Chari et al, Cancer Research 52:127-131頁(1992年);米国特許番号第5,208,020号)。
「リガンド-薬物コンジュゲート」という用語は、リガンドが安定な連結ユニットを介して生物学的に活性な薬物に連結されることを意味する。本開示において、「リガンド-薬物コンジュゲート」は、好ましくは抗体-薬物コンジュゲート(ADC)であり、これは、モノクローナル抗体または抗体フラグメントが安定な連結ユニットを介して生物学的活性を有する毒性薬物に連結されることを意味する。
本開示で使用されるアミノ酸の3文字コードおよび1文字コードは、J. biol. chem,243,3558頁(1968年)に記載されているとおりである。
「抗体」という用語は、免疫グロブリン、すなわち2つの同一の重鎖と2つの同一の軽鎖の間の鎖間ジスルフィド結合によって一緒に接続された4ペプチド鎖構造を指す。異なる免疫グロブリン重鎖定常領域は、異なるアミノ酸組成および配列を示し、したがって、異なる抗原性を示す。したがって、免疫グロブリンは、免疫グログリンアイソタイプと呼ばれる5つのタイプ、すなわちIgM、IgD、IgG、IgAおよびIgEに分類することができ、それぞれ対応する重鎖μ、δ、γ、αおよびεを有する。ヒンジ領域のアミノ酸組成と重鎖ジスルフィド結合の数および位置に応じて、同じタイプのIgをさらに異なるサブタイプに分類することができ、例えば、IgGはIgG1、IgG2、IgG3およびIgG4に分類することができる。軽鎖は、異なる定常領域に基づいてκ鎖またはλ鎖に分類することができる。5つのタイプのIgはそれぞれκ鎖またはλ鎖を有することができる。本開示に記載される抗体は、好ましくは標的細胞上の細胞表面抗原に対する特異的抗体であり、非限定的な例は、以下の抗体のうちの1つ以上である:抗HER2(ErbB2)抗体、抗EGFR抗体、抗B7-H3抗体、抗c-Met抗体、抗HER3(ErbB3)抗体、抗HER4(ErbB4)抗体、抗CD20抗体、抗CD22抗体、抗CD30抗体、抗CD33抗体、抗CD44抗体、抗CD56抗体、抗CD70抗体、抗CD73抗体、抗CD105抗体、抗CEA抗体、抗A33抗体、抗Cripto抗体、抗EphA2抗体、抗G250抗体、抗MUCl抗体、抗ルイスY抗体(anti-Lewis Y antibody)、抗VEGFR抗体、抗GPNMB抗体、抗インテグリン抗体、抗PSMA抗体、抗テネイシン-C抗体、抗SLC44A4抗体または抗メソテリン抗体、好ましくはトラスツズマブ(Trastuzumab)(商品名:ハーセプチン(Herceptin))、ペルツズマブ(Pertuzumab)(2C4としても知られる、商品名:パージェタ(Perjeta))、ニモツズマブ(Nimotuzumab)(商品名:Taixinsheng)、エノブリツズマブ(Enoblituzumab)、エミベツズマブ(Emibetuzumab)、イノツズマブ(Inotuzumab)、ピナツズマブ(Pinatuzumab)、ブレンツキシマブ(Brentuximab)、ゲムツズマブ(Gemtuzumab)、ビバツズマブ(Bivatuzumab)、ロルボツズマブ(Lorvotuzumab)、cBR96およびグレマツムマブ(Glematumamab)。
抗体の重鎖または軽鎖のN末端に隣接する約110アミノ酸の配列は、非常に可変であり、可変領域(Fv領域)として知られる;C末端に隣接する残りのアミノ酸配列は、比較的安定であり、定常領域として知られる。可変領域は、3つの超可変領域(HVR)と4つの比較的保存的なフレームワーク領域(FR)を含む。抗体の特異性を決定する3つの超可変領域は、相補性決定領域(CDR)としても知られている。各軽鎖可変領域(LCVR)または各重鎖可変領域(HCVR)は、3つのCDR領域および4つのFR領域からなり、アミノ末端からカルボキシル末端への順序は、以下のとおりである:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4。軽鎖の3つのCDR領域はLCDR1、LCDR2、およびLCDR3を指し、重鎖の3つのCDR領域はHCDR1、HCDR2、およびHCDR3を指す。
本開示の抗体は、マウス抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体および完全ヒト化抗体、好ましくはヒト化抗体および完全ヒト化抗体を含む。
本開示における「マウス抗体」という用語は、当技術分野の知識および技術に従ってマウスから調製される抗体を指す。調製中に、試験対象に特定の抗原を注射し、次いで、所望の配列または機能的特徴を有する抗体を発現するハイブリドーマを単離する。
「キメラ抗体」という用語は、マウス抗体の可変領域をヒト抗体の定常領域と融合させることによって得られる抗体であり、キメラ抗体は、マウス抗体によって誘導される免疫応答を軽減することができる。キメラ抗体を確立するために、マウス特異的モノクローナル抗体を分泌するハイブリドーマを確立し、可変領域遺伝子をマウスハイブリドーマ細胞からクローニングする;次いで、ヒト抗体の定常領域遺伝子を必要に応じてクローニングする;そして、ヒトの定常領域遺伝子をマウスの可変領域遺伝子と接続してキメラ遺伝子を形成し、これを続いて発現ベクターに挿入する;最後に、キメラ抗体分子を真核または原核システムで発現させる。
「ヒト化抗体」という用語は、CDR移植抗体としても知られており、マウスCDR配列をヒト抗体可変領域フレームワークに移植することによって生成される抗体、すなわち、異なるタイプのヒト生殖細胞系列抗体フレームワーク配列において産生される抗体を指す。ヒト化抗体は、キメラ抗体によって運ばれる多数のマウスタンパク質成分によって誘発される異種応答を克服することができる。このようなフレームワーク配列は、生殖細胞系列抗体遺伝子配列をカバーする公開DNAデータベースまたは公開された参考文献から取得することができる。例えば、ヒト重鎖および軽鎖可変領域遺伝子の生殖細胞系列DNA配列は、「VBase」ヒト生殖細胞系列配列データベース(www.mrccpe.com.ac.uk/vbaseで利用可能)、ならびにKabat, E A, et al. 1991年 Sequences of Proteins of Immunological Interest,第5版に見出すことができる。免疫原性の低下によって引き起こされる活性の低下を回避するために、ヒト抗体の可変領域のフレームワーク配列を最小限の逆変異または復帰変異に供して、活性を維持することができる。本開示のヒト化抗体はまた、ファージディスプレイによってCDR親和性成熟が行われるヒト化抗体を含む。ヒト化に関与するマウス抗体を使用する方法をさらに記載した文献としては、例えば、Queen et al., Proc., Natl.Acad.Sci.USA,88,2869頁,1991年、およびWinterらの方法[Jones et al.,Nature,321,522頁(1986年)、Riechmann et al.,Nature,332,323-327頁(1988年)、Verhoeyen et al.,Science,239,1534頁(1988年)]が挙げられる。
「完全ヒト化抗体」という用語は、「完全ヒト化モノクローナル抗体」としても知られており、ここで、抗体の可変領域および定常領域は両方ともヒト由来であり、免疫原性および副作用を排除している。モノクローナル抗体の開発は、4つの段階、すなわち、マウスモノクローナル抗体、キメラモノクローナル抗体、ヒト化モノクローナル抗体および完全ヒト化モノクローナル抗体を経てきた。本開示の抗体は、完全ヒト化モノクローナル抗体である。完全ヒト化抗体調製の関連技術には、主に、ヒトハイブリドーマ技術、EBV形質転換Bリンパ球技術、ファージディスプレイ技術、トランスジェニックマウス抗体調製技術、単一B細胞抗体調製技術などが含まれる。
「抗原結合フラグメント」という用語は、抗原への特異的結合能力を保持する抗体の1つ以上のフラグメントを指す。全長抗体のフラグメントを使用して、抗原との結合機能を達成できることが示されている。用語「抗原結合フラグメント」における結合フラグメントの例には、(i)VL、VH、CLおよびCH1ドメインから構成される一価フラグメントである、Fabフラグメント;(ii)ヒンジ領域でジスルフィド結合によって接続された2つのFabフラグメントを含む二価フラグメントである、F(ab’)フラグメント;(iii)VHおよびCH1ドメインからなるFdフラグメント;(iv)片腕抗体(one-arm antibody)のVHおよびVLドメインからなるFvフラグメント;(v)VHドメインから構成される単一ドメインまたはdAbフラグメント(Ward et al.(1989年)Nature 341:544-546頁);および(vi)単離された相補性決定領域(CDR)または(vii)任意に合成リンカーによって接続された2つ以上の単離されたCDRの組合せが含まれる。さらに、FvフラグメントのVLドメインおよびVHドメインは2つの別個の遺伝子によってコードされるが、組換え方法を使用することによりそれらを合成リンカーによって接続して、一本のタンパク質鎖を生成することができ、該一本のタンパク質鎖では、VLドメインとVHドメインをペアにすることによって一価分子が形成されている(一本鎖Fv(scFv)と呼ばれる;例えば、Bird et al.(1988年)Science:242:423-426頁、およびHuston et al.(1988年)Proc. Natl. Acad. Sci USA 85:5879-5883頁を参照)。この一本鎖抗体は、抗体の「抗原結合フラグメント」という用語に含まれることも意図されている。そのような抗体フラグメントは、当業者に既知の従来の技術を使用して得られ、インタクト抗体の場合と同じ方法を使用することによって機能的フラグメントについてスクリーニングされる。抗原結合部位は、組換えDNA技術によって、またはインタクト免疫グロブリンの酵素的もしくは化学的破壊によって産生され得る。抗体は、異なるアイソタイプの抗体、例えば、IgG(例:IgG1、IgG2、IgG3またはIgG4サブタイプ)、IgA1、IgA2、IgD、IgEまたはIgM抗体であり得る。
Fabは、IgG抗体分子をパパイン(H鎖の224位のアミノ酸残基を切断する)で処理することによって得られる抗体フラグメントである。Fabフラグメントは、約50,000の分子量を有し、抗原結合活性を有し、H鎖のN末端側の約半分とL鎖全体がジスルフィド結合を介して結合している。
F(ab’)2は、IgGのヒンジ領域にある2つのジスルフィド結合の下流部分をペプシンで消化することによって得られる抗体フラグメントであり、約100,000の分子量を有し、抗原結合活性を有し、ヒンジ位置で結合した2つのFab領域を含む。
Fab’は、上記のF(ab’)2のヒンジ領域でジスルフィド結合を切断することによって得られる抗体フラグメントであり、約50,000の分子量を有し、抗原結合活性を有する。
さらに、Fab’は、抗体のFab’フラグメントをコードするDNAを原核生物発現ベクターまたは真核生物発現ベクターに挿入し、次いでこれを原核生物または真核生物に導入してFab’を発現させることによって産生され得る。
「一本鎖抗体」、「一本鎖Fv」または「scFv」という用語は、リンカーによって接続された抗体重鎖可変ドメイン(または領域;VH)および抗体軽鎖可変ドメイン(または領域;VL)を含む分子を指す。このようなscFv分子は、NH-VL-リンカー-VH-COOHまたはNH-VH-リンカー-VL-COOHの一般的な構造を有し得る。先行技術における適切なリンカーは、繰り返しGGGGSアミノ酸配列またはそのバリアントからなり、例えば1~4回の繰り返しを有するバリアントを使用する(Holliger et al. (1993年), Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:6444-6448頁)。本開示のために使用することができる他のリンカーは、Alfthan et al.(1995年), Protein Eng. 8:725-731頁、Choi et al.(2001年), Eur. J. Immunol. 31:94-106頁、Hu et al.(1996年), Cancer Res. 56:3055-3061頁、Kipriyanov et al.(1999年), J. Mol. Biol. 293:41-56頁、およびRoovers et al.(2001年), Cancer Immunolによって記載されている。
「CDR」という用語は、主に抗原結合に寄与する抗体の可変ドメイン内の6つの超可変領域の1つを指す。6つのCDRについて最も一般的に使用される定義の1つは、Kabat E. A. et al.(1991年)Sequences of proteins of immunological interest. NIH Publication 91-3242頁によって与えられる。本明細書で使用される場合、CDRのKabat定義は、軽鎖可変ドメインのCDR1、CDR2およびCDR3(CDR L1、CDR L2、CDR L3またはL1、L2、L3)、ならびに重鎖可変ドメインのCDR2およびCDR3(CDR H2、CDR H3またはH2、H3)にのみ適用される。
「抗体フレームワーク」という用語は、可変ドメインの抗原結合ループ(CDR)のスキャフォールド(scaffold)として機能する可変ドメインVLまたはVHの一部を指す。本質的に、それはCDRのない可変ドメインである。
「エピトープ」または「抗原決定基」という用語は、免疫グロブリンまたは抗体が特異的に結合する抗原の部位を指す。エピトープは、典型的には、少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15個の連続または非連続アミノ酸を固有の空間コンフォメーション中に含む。例えば、Epitope Mapping Protocols in Methods in Molecular Biology、第66巻、G. E. Morris編(1996年)を参照されたい。
「特異的結合」、「選択的結合」、「選択的に結合する」および「特異的に結合する」という用語は、所定の抗原上のエピトープへの抗体の結合を指す。典型的には、抗体は、約10-7M未満(例えば、約10-8M、10-9Mもしくは10-10M未満またはそれ以下)の親和性(KD)で結合する。
「核酸分子」という用語は、DNA分子およびRNA分子を指す。核酸分子は一本鎖でも二本鎖でもよいが、好ましくは二本鎖DNAである。核酸は、別の核酸配列と機能的な関係に置かれると、「効果的に連結」される。例えば、プロモーターまたはエンハンサーがコード配列の転写に影響を与える場合、当該プロモーターまたはエンハンサーはそのコード配列に効果的に連結されている。
「ベクター」という用語は、それが連結されている別の核酸を輸送することができる核酸分子を指す。一実施形態では、ベクターは「プラスミド」であり、プラスミドとは、追加のDNAセグメントをライゲーションすることができる環状二本鎖DNAループを指す。別の実施形態では、ベクターはウイルスベクターであり、追加のDNAセグメントをウイルスゲノムにライゲーションすることができる。本明細書に開示されるベクターは、それらが導入された宿主細胞において自己複製することができる(例えば、細菌複製起点を有する細菌ベクターおよびエピソーム哺乳動物ベクター)か、または宿主細胞への導入時に宿主細胞のゲノムに組み込まれ得、それによって宿主ゲノムと共に複製される(例えば、非エピソーム哺乳動物ベクター)。
抗体および抗原結合フラグメントを産生および精製するための方法は、当技術分野において周知であり、例えば、Cold Spring Harbor Antibody Technical Guide、第5~8章および第15章が挙げられる。抗原結合フラグメントはまた、従来の方法によって調製することができる。本発明の抗体または抗原結合フラグメントは、非ヒトCDR領域に1つ以上のヒトFR領域を付加するように遺伝子操作される。ヒトFR生殖細胞系列配列は、ImMunoGeneTics(IMGT)Webサイト(http://imgt.cines.fr)またはJournal of Immunoglobulins 20011SBN012441351からのIMGTヒト抗体可変生殖細胞系列遺伝子データベースおよびMOEソフトウェアをアラインメントすることによって取得することができる。
「宿主細胞」という用語は、発現ベクターが導入された細胞を指す。宿主細胞には、細菌、微生物、植物または動物細胞が含まれ得る。形質転換されやすい細菌には、大腸菌やサルモネラ菌株などの腸内細菌科;枯草菌などのバチルス科;肺炎球菌;連鎖球菌およびインフルエンザ菌のメンバーが含まれる。適切な微生物には、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)およびピキア・パストリス(Pichia pastoris)が含まれる。適切な動物宿主細胞株には、CHO(チャイニーズハムスター卵巣細胞株)およびNS0細胞が含まれる。
本開示の操作された抗体または抗原結合フラグメントは、従来の方法によって調製および精製され得る。例えば、重鎖および軽鎖をコードするcDNA配列をクローニングし、GS発現ベクターに組込むことができる。組換え免疫グロブリン発現ベクターは、CHO細胞に安定的にトランスフェクトすることができる。より推奨される既存の技術として、哺乳動物発現系は、特にFc領域の高度に保存されたN末端部位において、抗体のグリコシル化をもたらすことができる。陽性クローンを、バイオリアクタ内の無血清培地で増殖させて、抗体を産生する。分泌された抗体を含む培養培地は、従来の技術によって精製することができる。例えば、精製は、調整された緩衝液を含むAまたはGセファロースFFカラムを使用して行われる。非特異的に結合した成分は、溶出によって除去される。結合した抗体をpHグラジエント法により溶出し、抗体フラグメントをSDS-PAGEにより検出して回収する。抗体は、従来の方法によってろ過および濃縮することができる。可溶性の凝集体および多量体も、サイズ排除またはイオン交換などの従来の方法によって除去することができる。得られた生成物は、-70℃などで直ちに凍結するか、または凍結乾燥する必要がある。
「ペプチド」という用語は、ペプチド結合を介して互いに接続された2つ以上のアミノ酸分子からなる、アミノ酸とタンパク質の間の化合物フラグメントを指す。ペプチドは、タンパク質の構造的および機能的フラグメントである。ホルモン、酵素などは本質的にペプチドである。
「糖類」という用語は、C、H、およびOの3つの元素から構成される生体高分子を指し、単糖類、二糖類および多糖類に分類され得る。
「蛍光プローブ」という用語は、紫外-可視-近赤外領域に特徴的な蛍光を有する一種の蛍光分子を指す。蛍光プローブの蛍光特性(励起および発光波長、強度、寿命および偏光など)は、極性、屈折率、粘度などの環境の特性に応じて敏感に変化し得る。蛍光プローブと核酸(DNAまたはRNA)、タンパク質または他の高分子構造との間の非共有結合的相互作用は、1つ以上の蛍光特性の変化を可能にし、このことは、高分子物質の特性および挙動を研究するために使用され得る。
「毒性薬物」という用語は、細胞の機能を阻害または停止し、かつ/または細胞死もしくは破壊を引き起こす物質を指す。毒性薬物には、腫瘍の処置に使用され得る毒素および他の化合物が含まれる。
「毒素」という用語は、細胞の成長または増殖に有害な影響を与え得る任意の物質を指す。毒素は、細菌、真菌、植物または動物由来の小分子毒素およびそれらの誘導体であり得、エキサテカンなどのカンプトテシン誘導体、メイタンシノイドおよびDM1、DM3、DM4などのその誘導体(CN101573384)、アウリスタチンF(AF)およびMMAF、MMAE、3024(WO2016/127790A1、化合物7)などのその誘導体、ジフテリア毒素、外毒素(exotoxin)、リシンA鎖、アブリンA鎖、モデシン(modeccin)、α-サルシン(α-sarcin)、シナアブラギリ毒性タンパク質(Aleutites fordii toxic protein)、ジアンチン毒性タンパク質(dianthin toxic protein)、ヨウシュヤマゴボウ毒性タンパク質(Phytolaca americana toxic protein)(PAPI、PAPIIおよびPAP-S)、ツルレイシ阻害剤(Momordica charantia inhibitor)、クルシン(curcin)、クロチン(crotin)、サボンソウ阻害剤(sapaonaria officinalis inhibitor)、ゲロニン(gelonin)、ミトゲリン(mitogellin)、レストリクトシン(restrictocin)、フェノマイシン(phenomycin)、エノマイシン(enomycin)およびトリコテシン(trichothecenes)を含む。
「化学療法薬物」という用語は、腫瘍を処置するために使用され得る化合物を指す。この定義には、癌の成長を促進するホルモンの効果を調節、低減、ブロック、または阻害するように作用する抗ホルモン剤も含まれ、これらはしばしば全身療法または全体療法の形態である。それらはホルモンであり得る。化学療法薬物の例には、チオテパなどのアルキル化剤;シクロスファミド(cyclosphamide)(CYTOXAN(商標));ブスルファン(busulfan)、インプロスルファン(improsulfan)およびピポスルファン(piposulfan)などのアルキルスルホネート;benaodopa、カルボコン(carboquone)、meturedopaおよびuredopaなどのアジリジン(aziridine);アルトレタミン(altretamine)、トリエチレンメラミン(triethylenemelamine)、トリエチレンホスホルアミド(triethylenephosphoramide)、トリエチレンチオホスホルアミド(triethylenethiophosphoramide)、トリメチルオロメラミン(trimethylolomelamine)を含むアジリジン(aziridine)およびメチルアメラミン(methylamelamine);クロラムブシル(chlorambucil)、クロルナファジン(chlornaphazine)、コロホスファミド(cholophosphamide)、エストラムスチン(estramustine)、イホスファミド(ifosfamide)、メクロレタミン(mechlorethamine)、ニトロビン塩酸塩(nitrobin hydrochloride)などのナイトロジェンマスタード;メルファラン(melphalan)、ノベンビチン(novembichin)、フェネステリン(phenesterine)、プレドニムスチン(prednimustine)、トロホスファミド(trofosfamide)、ウラムスチン(uramustine);カルムスチン(carmustine)、クロロゾトシン(chlorozotocin)、フォテムスチン(fotemustine)、ロムスチン(lomustine)、ニムスチン(nimustine)、ラニムスチン(ranimustine)などのニトロソウレア;アクラシノマイシン(aclacinomycin)、アクチノマイシン(actinomycin)、アントラマイシン、アザセリン、ブレオマイシン、アクチノマイシンC(cactinomycin C)、カリケアミシン、カルビシン、クロモマイシン(chromomycin)、カルジノフィリン(carzinophilin)、クロモマイシン(chromomycin)、アクチノマイシンD、ダウノルビシン、デトルビシン(detorubicin)、6-ジアゾ-5-オキシ-L-ノルロイシン、ドキソルビシン、エピルビシン、エソルビシン(esorubicin)、イダルビシン(idarubicin)、マルセロマイシン(marcellomycin)、マイトマイシン、ミコフェノール酸、ノガラマイシン(nogalamycin)、オリボマイシン(olivomycin)、ペプロマイシン(peplomycin)、ポトフィロマイシン(potfiromycin)、ピューロマイシン、クエラマイシン(quelamycin)、ロドルビシン(rodorubicin)、ストレプトニグリンなどの抗生物質;ストレプトゾシン、ツベルクロシジン(tuberculocidin)、ウベニメクス、ジノスタチン(zinostatin)、ゾルビシン(zorubicin);メトトレキサート、5-フルオロウラシル(5-FU)などの代謝拮抗剤;デノプテリン(denopterin)、メトトレキサート、プテロプテリン(pteropterin)、トリメトレキサートなどの葉酸アナログ;フルダラビン、6-メルカプトプテリン(6-mercaptopterin)、チオメトプテリン(thiomethopterin)、チオグアノプテリン(thioguanopterin)などのプテリンアナログ;アンシタビン(ancitabine)、アザシチジン、6-アジリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクスウリジン、5-FUなどのピリミジンアナログ;カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン(dromostanolong propionate)、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストトラクトン(testolactone)などのアンドロゲン;アミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタンなどの抗アドレナリン;フロリン酸(frolinic acid)などの葉酸サプリメント;アセグラトン(aceglatone);アルドホスファミドグリコシド;アミノレブリン酸;アムサクリン;ベストラブシル(bestrabucil);バイアスントレン(biasntrene);エダトレキサート(edatraxate);デフォファミン(defofamine);デメコルシン;ジアジクオン(diaziquone);エルフォミチン(elfomithine);酢酸エリプチニウム;エトグルシド;硝酸ガリウム;ヒドロキシ尿素;レンチナン;ロニダミン;ミトグアゾン(mitoguazone);ミトキサントロン;モピダモール(mopidamol);ニトラクリン;ピントスタチン(pintostatin);フェナメット(phenamet);ピラルビシン(pirarubicin);ポドフィリン酸(podophyllinic acid);2-エチルヒドラジド;プロカルバジン;PSK(登録商標);ラゾキサン;シゾフィラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジクオン;2,2’,2’’-トリクロロトリエチルアミン;ウレタン;ビンデシン;ダカルバジン;マンノムスチン(mannomustine);ミトブロニトール;ジブロモジュルシトール(dibromodulcitol);ピポブロマン;ガシトシン(gacytosine);アラビノシド(“Ara-C”);シクロホスファミド;チオテパ;パクリタキセル(TAXOL(登録商標)、Bristol-Myers Squibb Oncology、プリンストン、ニュージャージー州)およびドセタキセル(TAXOTERE(登録商標)、Rhone-Poulenc Rorer、アントニー、フランス)などのタキサン;クロラムブシル;ゲムシタビン;6-チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキサート;シスプラチンおよびカルボプラチンなどのプラチナアナログ;ビンブラスチン;プラチナ;エトポシド(VP-16);イホスファミド;マイトマイシンC;ミトキサントロン;ビンクリスチン;ビノレルビン;ナベルビン;ノバントロン;テニポシド;ダウノルビシン;アミノプテリン;ゼローダ;イバンドロン酸;CPT-11;トポイソメラーゼ阻害剤RFS2000;ジフルオロメチルオルニチン(DMFO);レチノイン酸エスペラミシン;カペシタビン;および上記の物質のいずれかの薬学的に許容される塩、酸または誘導体が含まれる。この定義には、腫瘍に対するホルモンの効果を調節または阻害できる抗ホルモン剤、例えば、タモキシフェン、ラロキシフェン、アロマターゼ阻害剤4(5)-イミダゾール、4-ヒドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン、ケオキシフェン(keoxifene)、LY117018、オナプリストンおよびフェアストン(Fareston)を含む抗エストロゲン;ならびにフルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、リュープロリドおよびゴセレリンなどの抗アンドロゲン;ならびに上記の物質のいずれかの薬学的に許容される塩、酸または誘導体も含まれる。
「アルキル」という用語は、1~20個の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖基である飽和脂肪族炭化水素基、好ましくは1~12個の炭素原子を有するアルキル、より好ましくは1~10個の炭素原子を有するアルキル、最も好ましくは1~6個の炭素原子を有するアルキルを指す。非限定的な例には、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、n-ペンチル、1,1-ジメチルプロピル、1,2-ジメチルプロピル、2,2-ジメチルプロピル、1-エチルプロピル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、n-ヘキシル、1-エチル-2-メチルプロピル、1,1,2-トリメチルプロピル、1,1-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2-エチルブチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、2,3-ジメチルブチル、n-ヘプチル、2-メチルヘキシル、3-メチルヘキシル、4-メチルヘキシル、5-メチルヘキシル、2,3-ジメチルペンチル、2,4-ジメチルペンチル、2,2-ジメチルペンチル、3,3-ジメチルペンチル、2-エチルペンチル、3-エチルペンチル、n-オクチル、2,3-ジメチルヘキシル、2,4-ジメチルヘキシル、2,5-ジメチルヘキシル、2,2-ジメチルヘキシル、3,3-ジメチルヘキシル、4,4-ジメチルヘキシル、2-エチルヘキシル、3-エチルヘキシル、4-エチルヘキシル、2-メチル-2-エチルペンチル、2-メチル-3-エチルペンチル、n-ノニル、2-メチル-2-エチルヘキシル、2-メチル-3-エチルヘキシル、2,2-ジエチルペンチル、n-デシル、3,3-ジエチルヘキシル、2,2-ジエチルヘキシル、およびそれらのさまざまな分岐異性体が含まれる。より好ましくは、アルキル基は1~6個の炭素原子を有する低級アルキルであり、非限定的な例には、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、n-ペンチル、1,1-ジメチルプロピル、1,2-ジメチルプロピル、2,2-ジメチルプロピル、1-エチルプロピル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、n-ヘキシル、1-エチル-2-メチルプロピル、1,1,2-トリメチルプロピル、1,1-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2-エチルブチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、2,3-ジメチルブチルなどが含まれる。アルキルは、置換されていても無置換であってもよい。置換される場合、置換基は、任意の利用可能な接続点で置換され得る。置換基は、好ましくは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ハロゲン、チオール、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルコキシ、ヘテロシクロアルコキシ、シクロアルキルチオ、ヘテロシクリルチオおよびオキソからなる群から独立して選択される1つ以上の基である。
「ヘテロアルキル」という用語は、N、OおよびSからなる群から選択される1つ以上のヘテロ原子を含有するアルキルを指し、ここでアルキルは上記で定義されたとおりである。
「アルキレン」という用語は、親アルカンの同じ炭素原子または2個の異なる炭素原子から2個の水素原子を除去することから誘導される2個の残基を有する、飽和直鎖または分岐脂肪族炭化水素基を指す。アルキレンは、1~20個の炭素原子、好ましくは1~12個の炭素原子、より好ましくは1~6個の炭素原子を有する直鎖または分岐基である。アルキレンの非限定的な例には、限定されるものではないが、メチレン(-CH-)、1,1-エチレン(-CH(CH)-)、1,2-エチレン(-CHCH)-、1,1-プロピレン(-CH(CHCH)-)、1,2-プロピレン(-CHCH(CH)-)、1,3-プロピレン(-CHCHCH-)、1,4-ブチレン(-CHCHCHCH-)、1,5-ペンチレン(-CHCHCHCHCH-)などが含まれる。アルキレンは、置換されていても無置換であってもよい。置換される場合、置換基は、任意の利用可能な接続点で置換され得る。置換基は、好ましくは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ハロゲン、チオール、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルコキシ、ヘテロアルコキシ、シクロアルキルチオ、ヘテロシクリルチオおよびオキソからなる群から独立して任意に選択される1つ以上の基である。
「アルコキシ」という用語は、-O-(アルキル)または-O-(無置換シクロアルキル)基を指し、ここで、アルキルおよびシクロアルキルは上記で定義したとおりである。アルコキシの非限定的な例には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシが含まれる。アルコキシは、任意に置換されていても無置換であってもよい。置換される場合、置換基は、好ましくは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ハロゲン、チオール、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルコキシ、ヘテロシクロアルコキシ、シクロアルキルチオおよびヘテロシクリルチオからなる群から独立して選択される1つ以上の基である。
「シクロアルキル」という用語は、3~20個の炭素原子、好ましくは3~12個の炭素原子、より好ましくは3~10個の炭素原子、最も好ましくは3~8個の炭素原子を有する飽和または部分的に非飽和の単環式または多環式炭化水素置換基を指す。単環式シクロアルキルの非限定的な例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプチル、シクロヘプタトリエニル、シクロオクチルなどが含まれる。多環式シクロアルキルには、スピロ環、縮合環または架橋環を有するシクロアルキルが含まれる。
「ヘテロシクリル」という用語は、3~20員の飽和または部分的に非飽和の単環式または多環式炭化水素基であって、1つ以上の環原子はN、OおよびS(O)(式中、mは0~2の整数である)からなる群から選択されるヘテロ原子であるが、環内の-O-O-、-O-S-または-S-S-を除外し、残りの環原子は炭素原子であるものを指す。好ましくは、ヘテロシクリルは、3~12個の環原子を有し、ここで1~4個の原子がヘテロ原子であり、より好ましくは3~10個の環原子を有する。単環式ヘテロシクリルの非限定的な例には、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ホモピペラジニルなどが含まれる。多環式ヘテロシクリルには、スピロ環、縮合環または架橋環を有するヘテロシクリルが含まれる。
「スピロヘテロシクリル」という用語は、1つの共有原子(スピロ原子と呼ばれる)を介して接続された個々の環を有する5~20員の多環式ヘテロシクリル基であって、1つ以上の環原子はN、OおよびS(O)(式中、mは0~2の整数である)からなる群から選択されるヘテロ原子であり、残りの環原子は炭素原子であり、環は1つ以上の二重結合を含むことができるが、完全に共役したπ電子系を有する環はないものを指す。スピロヘテロシクリルは、好ましくは6~14員のスピロヘテロシクリルであり、より好ましくは7~10員のスピロヘテロシクリルである。環間で共有されるスピロ原子の数に応じて、スピロヘテロシクリルは、モノスピロヘテロシクリル、ジスピロヘテロシクリル、またはポリスピロヘテロシクリルに分けることができ、スピロヘテロシクリルは、好ましくはモノスピロヘテロシクリルまたはジスピロヘテロシクリルであり、より好ましくは4員/4員、4員/5員、4員/6員、5員/5員、または5員/6員のモノスピロヘテロシクリルである。スピロヘテロシクリルの非限定的な例には、以下が含まれる:
Figure 2020063676000042
「縮合ヘテロシクリル」という用語は、5~20員の多環式ヘテロシクリル基であって、系内の各環は隣り合う原子対を別の環と共有しており、1つ以上の環は1つ以上の二重結合を含み得るが、完全に共役したπ電子系を有する環はなく、1つ以上の環原子はN、OおよびS(O)(ここで、mは0~2の整数である)からなる群から選択されるヘテロ原子であり、残りの環原子は炭素原子であるものを指す。縮合ヘテロシクリルは、好ましくは6~14員の縮合ヘテロシクリルであり、より好ましくは7~10員の縮合ヘテロシクリルである。員環の数に応じて、縮合ヘテロシクリルは、二環式、三環式、四環式または多環式の縮合ヘテロシクリルに分けることができ、縮合ヘテロシクリルは、好ましくは二環式または三環式縮合ヘテロシクリルであり、より好ましくは5員/5員または5員/6員の二環式縮合ヘテロシクリルである。縮合ヘテロシクリルの非限定的な例には、以下が含まれる:
Figure 2020063676000043
「架橋ヘテロシクリル」という用語は、5~14員の多環式ヘテロシクリル基であって、系内の2つの環ごとに2つの連結していない原子を共有しており、環は1つ以上の二重結合を有し得るが、完全に共役したπ電子系は有する環はなく、1つ以上の環原子はN、OおよびS(O)(式中、mは、0~2の整数である)からなる群から選択されるヘテロ原子であり、残りの環原子は炭素原子であるものを指す。架橋ヘテロシクリルは、好ましくは6~14員の架橋ヘテロシクリルであり、より好ましくは7~10員の架橋ヘテロシクリルである。員環の数に応じて、架橋ヘテロシクリルは、二環式、三環式、四環式または多環式の架橋ヘテロシクリルに分けることができ、架橋ヘテロシクリルは、好ましくは二環式、三環式または四環式の架橋ヘテロシクリルであり、より好ましくは二環式または三環式の架橋ヘテロシクリルである。架橋ヘテロシクリルの非限定的な例には、以下が含まれる:
Figure 2020063676000044
ヘテロシクリル環は、アリール、ヘテロアリールまたはシクロアルキルの環に縮合することができ、ここで、親構造に結合した環はヘテロシクリルである。その非限定的な例には、以下が含まれる:
Figure 2020063676000045
ヘテロシクリルは、任意に置換されていても無置換であってもよい。置換される場合、置換基は、好ましくは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ハロゲン、チオール、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルコキシ、ヘテロシクロアルコキシ、シクロアルキルチオ、ヘテロシクリルチオおよびオキソからなる群から独立して選択される1つ以上の基である。
「アリール」という用語は、共役π電子系を有する6~14員の全炭素単環式環または多環式縮合環(すなわち、系内の各環が隣り合った炭素原子対を系内の別の環と共有する)、好ましくは6~10員のアリール(例えば、フェニルおよびナフチル)、好ましくはフェニルを指す。アリール環は、ヘテロアリール、ヘテロシクリルまたはシクロアルキルの環に縮合することができ、ここで、親構造に結合した環はアリール環である。その非限定的な例には、以下が含まれる:
Figure 2020063676000046
アリールは、置換されていても無置換であってもよい。置換される場合、置換基は、好ましくは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ハロゲン、チオール、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルコキシ、ヘテロシクロアルコキシ、シクロアルキルチオおよびヘテロシクリルチオからなる群から独立して選択される1つ以上の基である。
「ヘテロアリール」という用語は、O、SおよびNからなる群から選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~14員のヘテロ芳香族系を指す。ヘテロアリールは、好ましくは5~10員のヘテロアリールであり、より好ましくは5員または6員のヘテロアリール、例えば、フリル、チエニル、ピリジル、ピロリル、N-アルキルピロリル、ピリミジニル、ピラジニル、イミダゾリル、テトラゾリルなどである。ヘテロアリール環は、アリール、ヘテロシクリルまたはシクロアルキルの環に縮合することができ、ここで、親構造に結合した環はヘテロアリール環である。その非限定的な例には、以下が含まれる:
Figure 2020063676000047
ヘテロアリールは、任意に置換されていても無置換であってもよい。置換される場合、置換基は、好ましくは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ハロゲン、チオール、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルコキシ、ヘテロシクロアルコキシ、シクロアルキルチオおよびヘテロシクリルチオからなる群から独立して選択される1つ以上の基である。
「アミノ保護基」という用語は、分子の他の部分が反応を受けたときにアミノ基が反応するのを防ぎ、容易に除去することができる基を指す。非限定的な例には、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル、アセチル、ベンジル、アリル、p-メトキシベンジルなどが含まれる。これらの基は、ハロゲン、アルコキシおよびニトロからなる群から選択される1~3個の置換基で任意に置換され得る。アミノ保護基は、好ましくは9-フルオレニルメチルオキシカルボニルである。
「シクロアルキルアルキル」という用語は、1つ以上、好ましくは1つのシクロアルキルで置換されたアルキル基を指し、ここで、アルキルおよびシクロアルキルは上記で定義したとおりである。
「ハロアルキル」という用語は、1つ以上のハロゲンで置換されたアルキル基を指し、ここで、アルキルは上記で定義したとおりである。
「重水素化アルキル」という用語は、1つ以上の重水素原子で置換されたアルキル基を指し、ここで、アルキルは上記で定義したとおりである。
「ヒドロキシ」という用語は、-OH基を指す。
「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を指す。
「アミノ」という用語は、-NH基を指す。
「ニトロ」という用語は、-NO基を指す。
「アミド」という用語は、-C(O)N(アルキル)または-C(O)N(シクロアルキル)基を指し、ここで、アルキルおよびシクロアルキルは上記で定義したとおりである。
「アルコキシカルボニル」という用語は、-C(O)O(アルキル)または-C(O)O(シクロアルキル)基を指し、ここで、アルキルおよびシクロアルキルは上記で定義したとおりである。
本開示はまた、さまざまな重水素化形態の式(I)の化合物を含む。炭素原子に結合した利用可能な水素原子の各々は、重水素原子によって独立して置換され得る。当業者は、関連文献を参照して、重水素化形態の式(I)の化合物を合成することができる。重水素化形態の式(I)の化合物は、市販の重水素化原料を使用することによって調製され得るか、または限定されるものではないが重水素化ボラン、テトラヒドロフラン中の三重水素化ボラン(trideuterated borane in tetrahydrofuran)、重水素化された水素化アルミニウムリチウム(deuterated lithium aluminum hydride)、重水素化ヨードエタン、重水素化ヨードメタンなどを含む重水素化試薬を用いた従来の技術によって合成され得る。
「任意の」または「任意に」とは、それに続いて記載される出来事または状況が発生し得るが、発生する必要はないことを意味し、そのような記載は、出来事または状況が発生する状態と、出来事または状況が発生しない状態とを含む。例えば、「任意にアルキルで置換されたヘテロシクリル」とは、アルキル基が存在し得るが、存在する必要はないことを意味し、そのような記載は、ヘテロシクリルがアルキルで置換される状態と、ヘテロシクリルがアルキルで置換されない状態とを含む。
「置換された」とは、対応する数の置換基によって独立して置換された、基中の1個以上の水素原子、好ましくは最大5個、より好ましくは1~3個の水素原子を指す。置換基は可能な化学的位置にのみ存在することは言うまでもない。当業者は、過度の努力なしに、実験または理論によって、置換が可能であるか不可能であるかを決定することができる。例えば、遊離水素を有するアミノまたはヒドロキシと、不飽和結合を有する炭素原子(例えば、オレフィン)との組み合わせは、不安定である可能性がある。
「医薬組成物」という用語は、本明細書に記載の1つ以上の化合物またはその生理学的/薬学的に許容される塩もしくはプロドラッグと、生理学的/薬学的に許容される担体および賦形剤などの他の化学成分との混合物を指す。医薬組成物の目的は、生物への化合物の投与を容易にすることであり、これは、生物学的活性を示すように活性成分の吸収を助長する。
「薬学的に許容される塩」または「医薬塩」という用語は、哺乳動物において安全かつ有効であり、所望の生物学的活性を有する、本開示のリガンド-薬物コンジュゲートの塩または本開示の化合物の塩を指す。本開示のリガンド-薬物コンジュゲートは少なくとも1つのアミノを含有するので、酸と塩を形成することができる。薬学的に許容される塩の非限定的な例には、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、コハク酸塩、アスコルビン酸塩、シュウ酸塩、硝酸塩、ソルビン酸塩、リン酸水素塩、リン酸二水素塩、サリチル酸塩、クエン酸水素塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩が含まれる。
「溶媒和物」という用語は、本開示のリガンド-薬物コンジュゲートと1つ以上の溶媒分子とによって形成される薬学的に許容される溶媒和物を指す。溶媒分子の非限定的な例には、水、エタノール、アセトニトリル、イソプロパノール、DMSO、酢酸エチルが含まれる。
「薬物負荷」という用語は、式(I)の化合物中の各リガンドに負荷された細胞毒性薬物の平均数を指し、抗体の数に対する薬物の数の比として表すこともできる。薬物負荷は、リガンド(Pc)あたり、0~12、好ましくは1~10の細胞毒性薬物(D)の範囲であり得る。本発明の一実施形態では、薬物負荷はnとして表され、例示的な値は1、2、3、4、5、6、7、8、9、10の平均であり得る。カップリング反応後のADC分子あたりの薬物の平均数は、UV/可視分光法、質量分析、ELISA試験およびHPLC特性評価などの従来の方法によって決定することができる。
本発明の一実施形態では、細胞毒性薬物は、連結ユニットを介してリガンドのN末端アミノおよび/またはリジン残基のε-アミノにコンジュゲートされる。典型的には、カップリング反応で抗体にコンジュゲートされる薬物分子の数は、理論上の最大値よりも少なくなる。
以下の非限定的な方法を使用して、リガンド-細胞毒性薬物コンジュゲートの負荷を制御することができる:
(1)モノクローナル抗体に対する連結試薬(linking reagent)のモル比の制御、
(2)反応時間および温度の制御、
(3)異なる反応試薬の選択。
従来の医薬組成物の調製は、中国の薬局方(Chinese Pharmacopoeia)に見出すことができる。
本開示の組成物において使用される「担体」という用語は、薬物が人体に入る方法および分布を変更し、薬物放出速度を制御し、薬物を標的臓器に送達することができるシステムを指す。薬物担体の放出および標的化システムは、薬物の分解および損失を減少させ、副作用を低減し、バイオアベイラビリティを改善することができる。例えば、担体として使用され得るポリマー界面活性剤は、それらのユニークな両親媒性構造のために、自己集合してさまざまな形態の凝集体を形成することができる。好ましい例としては、ミセル、マイクロエマルジョン、ゲル、液晶、ベシクル(vesicles)などが挙げられる。これらの凝集体は、膜に対する良好な透過性を有する一方で、薬物分子をカプセル化する能力を有し、優れた薬物担体として使用され得る。
「賦形剤」という用語は、主薬以外の医薬製剤中の補助剤であり、アジュバントとも呼ばれることがあり、例えば、錠剤における接着剤、充填剤、崩壊剤、潤滑剤;半固形製剤軟膏およびクリームにおけるマトリックス部分;液体製剤における防腐剤、酸化防止剤、香味料、芳香剤、共溶媒、乳化剤、可溶化剤、浸透圧調節剤、着色剤などである。
「希釈剤」という用語は、充填剤としても知られており、主に錠剤の重量および体積を増やすことを目的としている。希釈剤を加えることにより、一定の体積が確保され、主成分の用量のばらつきが減少し、薬物の圧縮プロファイルが改善される。錠剤が油性成分を含む場合、吸収剤を添加して油性物質を吸収し、それによって「乾燥」状態を維持して錠剤の形成を促進する。例えば、希釈剤としては、澱粉、ラクトース、カルシウムの無機塩、微結晶性セルロースなどが挙げられる。
医薬組成物は、無菌の注射可能な水溶液の形態であり得る。使用され得る許容可能なビヒクルまたは溶媒は、水、リンゲル液または等張塩化ナトリウム溶液である。無菌の注射可能な製剤は、活性成分が油相に溶解している無菌の注射可能な水中油型マイクロエマルジョンであり得る。例えば、活性成分は大豆油とレシチンの混合物に溶解される。次に、油溶液を水とグリセリンの混合物に加え、処理してマイクロエマルジョンを形成する。注射可能な溶液またはマイクロエマルジョンは、局所ボーラス注射によって患者の血流に導入され得る。あるいは、溶液およびマイクロエマルジョンは、好ましくは、本開示の化合物の一定の循環濃度を維持する方法で投与される。この一定の濃度を維持するために、連続的静脈内送達デバイスが使用され得る。そのようなデバイスの例は、Deltec CADD-PLUS.TM.5400静脈内注入ポンプである。
医薬組成物は、筋肉内および皮下投与用の無菌の注射可能な水性または油性懸濁液の形態であり得る。そのような懸濁液は、既知の技術に従って、上記のような適切な分散剤または湿潤剤および懸濁剤を配合され得る。無菌の注射可能な製剤はまた、非毒性で非経口的に許容される希釈剤または溶媒で調製された無菌の注射可能な溶液または懸濁液、例えば、1,3-ブタンジオールで調製された溶液であり得る。さらに、滅菌固定油を溶媒または懸濁媒体として容易に使用することができる。この目的のために、合成モノグリセリドまたはジグリセリドを含む任意の混合固定油を使用することができる。さらに、オレイン酸などの脂肪酸も注射剤の調製に使用することができる。
本開示は、特定の構造を有する切断可能なリンカーアームおよび特定の構造を有する活性物質、ならびにリンカーアーム、活性物質および抗体から構成される抗体-薬物コンジュゲート(ADC)に関する。このADCは、スペーサーを介して毒性物質を抗体に連結することによって形成される複合体である。抗体-薬物コンジュゲート(ADC)は、体内で分解されて活性分子を放出し、それによって抗腫瘍効果を示す。
本開示の合成方法
本開示の目的を達成するために、本開示は、以下の技術的解決策を適用する:
スキームI:
本開示の式(D1)の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を調製するための方法は、以下のステップを含む:
Figure 2020063676000048
縮合剤の存在下、任意にアルカリ性条件下で、式(Y1)の化合物と式(Dr)の化合物を反応させて、式(D1)の化合物を得るステップ
(式中:R、Rおよびmは、式(D1)で定義されるとおりである)。
アルカリ性条件をもたらす試薬には、有機塩基および無機塩基が含まれる。有機塩基には、限定されるものではないが、トリエチルアミン、ジエチルアミン、N-メチルモルホリン、ピリジン、ヘキサヒドロピリジン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、n-ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、酢酸カリウム、ナトリウムtert-ブトキシドおよびカリウムtert-ブトキシドが含まれる。無機塩基には、限定されるものではないが、水素化ナトリウム、リン酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化リチウムが含まれる。
縮合剤は、4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウムクロリド、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩、N,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N’-ジイソプロピルカルボジイミド、O-ベンゾトリアゾール-N,N,N’,N’-テトラメチル尿素テトラフルオロボレート、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール、1-ヒドロキシ-7-アゾベンゾトリアゾール、O-ベンゾトリアゾール-N,N,N’,N’-テトラメチル尿素ヘキサフルオロホスフェート、2-(7-アゾベンゾトリアゾール)-N,N,N’,N’-テトラメチル尿素ヘキサフルオロホスフェート、ベンゾトリアゾール-1-イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェートおよびベンゾトリアゾール-1-イル-オキシトリピロリジニルリンヘキサフルオロホスフェート(benzotriazol-1-yl-oxytripyrrolidinyl phosphorus hexafluorophosphate)からなる群から選択され得、好ましくは4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウムクロリド、1-ヒドロキシベンゾトリアゾールおよび1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩からなる群から選択され得る。
スキームII:
本開示の式(L-Y-Dr)の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を調製するための方法は、以下のステップを含む:
Figure 2020063676000049
ステップ1:縮合剤の存在下、任意にアルカリ条件下で、式(IB-1)の化合物とエキサテカンメタンスルホネート(1b)を反応させて、式(IB-2)の化合物を得る;
ステップ2:式(IB-2)の化合物を脱保護して、式(IB)の化合物を得る;
ステップ3:縮合剤の存在下、任意にアルカリ性条件下で、式(IA)の化合物と式(IB)の化合物を反応させて、式(L-Y-Dr)の化合物を得る
(式中:
はアミノ保護基であり、好ましくは9-フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)である;
、R、R~R、sおよびmは、式(L-Y-Dr)で定義されるとおりである)。
アルカリ性条件をもたらす試薬には、有機塩基および無機塩基が含まれる。有機塩基には、限定されるものではないが、トリエチルアミン、ジエチルアミン、N-メチルモルホリン、ピリジン、ヘキサヒドロピリジン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、n-ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、酢酸カリウム、ナトリウムtert-ブトキシドおよびカリウムtert-ブトキシドが含まれる。無機塩基には、限定されるものではないが、水素化ナトリウム、リン酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化リチウムが含まれる。
縮合剤は、4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウムクロリド、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩、N,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N’-ジイソプロピルカルボジイミド、O-ベンゾトリアゾール-N,N,N’,N’-テトラメチル尿素テトラフルオロボレート、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール、1-ヒドロキシ-7-アゾベンゾトリアゾール、O-ベンゾトリアゾール-N,N,N’,N’-テトラメチル尿素ヘキサフルオロホスフェート、2-(7-アゾベンゾトリアゾール)-N,N,N’,N’-テトラメチル尿素ヘキサフルオロホスフェート、ベンゾトリアゾール-1-イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェートおよびベンゾトリアゾール-1-イル-オキシトリピロリジニルリンヘキサフルオロホスフェート(benzotriazol-1-yl-oxytripyrrolidinyl phosphorus hexafluorophosphate)からなる群から選択され、好ましくは4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウムクロリド、1-ヒドロキシベンゾトリアゾールおよび1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩からなる群から選択される。
スキームIII:
本開示の式(Pc-L-Y-Dr)の化合物を調製するための方法は、以下のステップを含む:
Figure 2020063676000050
Pcは、還元後に式(L-Y-Dr)の化合物と反応して、式(Pc-L-Y-Dr)の化合物を得る;還元剤は好ましくはTCEPであり、特に、抗体のジスルフィド結合を還元することが好ましい;
(式中:
Pcはリガンドである;
W、L、L、R、R、R~R、mおよびnは、式(Pc-L-Y-Dr)で定義されるとおりである)。
本開示は以下の実施例を参照してさらに説明されるが、これらの実施例は本開示の範囲を限定するものとみなされるべきではない。
特定の条件が示されていない本開示の実施例における実験方法は、従来の条件、または材料もしくは製品の製造業者によって推奨される条件に従って実施された。特定の供給元が示されていない試薬は、市販の従来の試薬である。
化合物の構造は、核磁気共鳴(NMR)または質量分析(MS)によって同定される。NMRは、Bruker AVANCE-400装置によって測定される。測定用の溶媒は、重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO-d)、重水素化クロロホルム(CDCl)および重水素化メタノール(CDOD)であり、内部標準はテトラメチルシラン(TMS)である。化学シフトは10-6(ppm)で示される。
MSは、FINNIGAN LCQAd(ESI)質量分析計(製造元:Thermo、タイプ:Finnigan LCQ advant MAX)によって測定される。
UPLCは、Waters Acquity UPLC SQD液体クロマトグラフ/質量分析計によって測定される。
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)は、Agilent 1200DAD高圧液体クロマトグラフ(Sunfire C18 150×4.6mmクロマトグラフィーカラム)およびWaters 2695-2996高圧液体クロマトグラフ(Gimini C18 150×4.6mmクロマトグラフィーカラム)で測定される。
UV-HPLCは、Thermo nanodrop2000 UV分光光度計で測定される。
増殖抑制率(proliferation inhibition rates)およびIC50値は、PHERA starFSマイクロプレートリーダー(BMG社、ドイツ)によって決定される。
薄層シリカゲルクロマトグラフィー(TLC)プレートとして、Yantai Huanghai HSGF254またはQingdao GF254シリカゲルプレートが使用される。TLCで使用するシリカゲルプレートの寸法は0.15mm~0.2mmであり、生成物の精製に使用するシリカゲルプレートの寸法は0.4mm~0.5mmである。
Yantai Huanghaiの200~300メッシュのシリカゲルが、一般的に、カラムクロマトグラフィーの担体として使用される。
本開示の既知の出発物質は、当技術分野で既知の方法によって調製され得るか、またはABCR GmbH & Co. KG、Acros Organnics、Aldrich Chemical Company、Accela ChemBio Inc.、Dari chemical Companyなどから購入され得る。
特に明記しない限り、反応はアルゴン雰囲気または窒素雰囲気下で行われる。
「アルゴン雰囲気」または「窒素雰囲気」とは、反応フラスコがアルゴンまたは窒素バルーン(約1L)を備えていることを意味する。
「水素雰囲気」とは、反応フラスコが水素バルーン(約1L)を備えていることを意味する。
加圧水素化反応は、Parr 3916EKX水素化装置およびQinglan QL-500水素発生器またはHC2-SS水素化装置で行われる。
水素化反応では、反応系は一般的に真空にされて水素で満たされ、上記の操作が3回繰り返される。
CEM Discover-S 908860タイプのマイクロ波リアクタが、マイクロ波反応に使用される。
特に明記しない限り、反応の溶液は水溶液を指す。
特に明記しない限り、反応の反応温度は室温である。
20℃~30℃の室温が最も好適な反応温度である。
実施例におけるPBS緩衝液(pH=6.5)の調製:フラスコ内で8.5gのKHPO、8.56gのKHPO.3HO、5.85gのNaClおよび1.5gのEDTAを2Lにセットし、混合物を超音波処理して完全に溶解させ、よく振って該緩衝液を得る。
化合物の精製のためのカラムクロマトグラフィーにおける溶離液系および薄層クロマトグラフィーにおける展開溶媒系には、A:ジクロロメタンおよびイソプロパノール系、B:ジクロロメタンおよびメタノール系、C:石油エーテルおよび酢酸エチル系が含まれる。溶媒の体積比は化合物の極性に応じて調整され、少量の酸性試薬またはトリエチルアミンなどのアルカリ性試薬を調整のために添加することもできる。
本開示の化合物のいくつかは、Q-TOF LC/MSによって特徴付けられる。Q-TOF LC/MSに関しては、Agilent 6530 Accurate-Mass Quadrupole-Time of Flight Mass SpectrometerおよびAgilent 1290-Infinity UHPLC(Agilent Poroshell 300SB-C8 5μm、2.1×75mmカラム)が使用される。
・実施例1
N-((1S,9S)-9-エチル-5-フルオロ-9-ヒドロキシ-4-メチル-10,13-ジオキソ-2,3,9,10,13,15-ヘキサヒドロ-1H,12H-ベンゾ[デ]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-1-イル)-1-ヒドロキシシクロプロパン-1-カルボキサミド 1
Figure 2020063676000051
1mLのN,N-ジメチルホルムアミドを、エキサテカンメタンスルホネート1b(2.0mg、3.76μmol、特許出願「EP0737686A1」に開示された方法に従って調製)に添加し、溶液を氷水浴中で0~5℃に冷却した。トリエチルアミンを1滴滴下し、反応溶液を透明になるまで撹拌した。1-ヒドロキシシクロプロピルカルボン酸1a(1.4mg、3.7μmol、「Tetrahedron Letters,25(12),1269-72頁;1984年」に開示された既知の方法に従って調製)および4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウムクロリド(3.8mg、13.7μmol)を反応溶液に連続して添加した。添加終了後、反応溶液を0~5℃で2時間撹拌した。反応溶液に5mLの水を加えて反応を停止させ、反応溶液を酢酸エチル(8mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム溶液(5mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を減圧濃縮し、得られた残留物を、展開溶媒系Bを用いた薄層クロマトグラフィーによって精製して、表題生成物1(1.6mg、収率82.1%)を得た。
MS m/z (ESI): 520.2 [M+1]。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.90-7.84 (m, 1H), 7.80-7.68(m, 1H), 5.80-5.70 (m, 1H), 5.62-5.54(m, 2H), 5.44-5.32 (m, 2H), 5.28-5.10(m, 2H), 3.40-3.15 (m, 3H), 2.44 (s, 3H), 2.23(t, 1H), 2.06-1.75 (m, 2H), 1.68-1.56 (m, 1H), 1.22-1.18 (m, 2H), 1.04-0.98 (m, 2H), 0.89 (t, 3H)。
・実施例2
(S)-2-シクロプロピル-N-((1S,9S)-9-エチル-5-フルオロ-9-ヒドロキシ-4-メチル-10,13-ジオキソ-2,3,9,10,13,15-ヘキサヒドロ-1H,12H-ベンゾ[デ]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-1-イル)-2-ヒドロキシアセトアミド 2-A
(R)-2-シクロプロピル-N-((1S,9S)-9-エチル-5-フルオロ-9-ヒドロキシ-4-メチル-10,13-ジオキソ-2,3,9,10,13,15-ヘキサヒドロ-1H,12H-ベンゾ[デ]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-1-イル)-2-ヒドロキシアセトアミド 2-B
Figure 2020063676000052
2mLのエタノールと0.4mLのN,N-ジメチルホルムアミドを1b(4mg、7.53μmol)に添加した。溶液をアルゴンで3回パージし、氷水浴中で0~5℃に冷却した。0.3mLのN-メチルモルホリンを滴下し、反応溶液を透明になるまで撹拌した。2-シクロプロピル-2-ヒドロキシ酢酸2a(2.3mg、19.8μmol、特許出願「WO2013106717」に開示された方法に従って調製)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(3mg、22.4μmol)および1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(4.3mg、22.4μmol)を反応溶液に連続して添加した。添加終了後、反応液を0~5℃で1時間撹拌した。氷水浴を取り除き、反応溶液を30℃に加熱し、2時間撹拌した。反応溶液を減圧濃縮し、得られた粗化合物2を高速液体クロマトグラフィー(分離条件:カラム:XBridge Prep C18 OBD 5μm 19×250mm;移動層:A-水(10mmol NHOAc)、B-アセトニトリル、グラジエント溶出、流速:18mL/分)によって精製した。対応する画分を集め、減圧濃縮して、表題生成物(2-A:1.5mg、2-
B:1.5mg)を得た。
MS m/z (ESI): 534.0 [M+1]。
単一の立体配置を有する(より短い保持時間を有する)化合物2-B
UPLC分析:保持時間:1.06分、純度:88%(カラム:ACQUITY UPLC BEHC18 1.7μm 2.1×50mm、移動相:A-水(5mmol NHOAc)、B-アセトニトリル)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.37 (d, 1H), 7.76 (d, 1H), 7.30 (s, 1H), 6.51 (s, 1H), 5.58-5.56 (m, 1H), 5.48 (d, 1H), 5.41 (s, 2H), 5.32-5.29 (m, 2H), 3.60 (t, 1H), 3.19-3.13 (m, 1H), 2.38 (s, 3H), 2.20-2.14 (m, 1H), 1.98 (q, 2H), 1.87-1.83 (m, 1H), 1.50-1.40 (m, 1H), 1.34-1.28 (m, 1H), 0.86 (t, 3H), 0.50-0.39 (m, 4H)。
単一の立体配置を有する(より長い保持時間を有する)化合物2-A
UPLC分析:保持時間:1.10分、純度:86%(カラム:ACQUITY UPLC BEHC18 1.7μm 2.1×50mm、移動相:A-水(5mmol NHOAc)、B-アセトニトリル)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.35 (d, 1H), 7.78 (d, 1H), 7.31 (s, 1H), 6.52 (s, 1H), 5.58-5.53 (m, 1H), 5.42 (s, 2H), 5.37 (d, 1H), 5.32 (t, 1H), 3.62 (t, 1H), 3.20-3.15 (m, 2H), 2.40 (s, 3H), 2.25-2.16 (m, 1H), 1.98 (q, 2H), 1.87-1.82 (m, 1H), 1.50-1.40 (m, 1H), 1.21-1.14 (m, 1H), 0.87 (t, 3H), 0.47-0.35 (m, 4H)。
・実施例3
(S)-N-((1S,9S)-9-エチル-5-フルオロ-9-ヒドロキシ-4-メチル-10,13-ジオキソ-2,3,9,10,13,15-ヘキサヒドロ-1H,12H-ベンゾ[デ]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-1-イル)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシプロパンアミド 3-A
(R)-N-((1S,9S)-9-エチル-5-フルオロ-9-ヒドロキシ-4-メチル-10,13-ジオキソ-2,3,9,10,13,15-ヘキサヒドロ-1H,12H-ベンゾ[デ]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-1-イル)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシプロパンアミド 3-B
Figure 2020063676000053
2mLのエタノールと0.4mLのN,N-ジメチルホルムアミドを1b(5.0mg、9.41μmol)に添加し、溶液を氷水浴中で0~5℃に冷却した。0.3mLのN-メチルモルホリンを滴下し、反応溶液を透明になるまで撹拌した。3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシプロピオン酸3a(4.1mg、28.4μmol、供給元:Alfa)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(3.8mg、28.1μmol)および1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(5.4mg、28.2μmol)を反応溶液に連続して添加した。添加終了後、反応液を0~5℃で10分間撹拌した。氷水浴を取り除き、反応溶液を30℃に加熱し、8時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、得られた粗化合物3を高速液体クロマトグラフィー(分離条件:カラム:XBridge Prep C18 OBD 5μm 19×250mm;移動層:A-水(10mmol NHOAc)、B-アセトニトリル、グラジエント溶出、流速:18mL/分)によって精製した。対応する画分を集め、減圧濃縮して、表題生成物(1.5mg、1.5mg)を得た。
MS m/z (ESI): 561.9 [M+1]。
単一の立体配置を有する(より短い保持時間を有する)化合物
UPLC分析:保持時間:1.11分、純度:88%(カラム:ACQUITY UPLC BEHC18 1.7μm 2.1×50mm、移動相:A-水(5mmol NHOAc)、B-アセトニトリル)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.94 (d, 1H), 7.80 (d, 1H), 7.32 (s, 1H), 7.20 (d, 1H), 6.53 (s, 1H), 5.61-5.55 (m, 1H), 5.45-5.23 (m, 3H), 5.15-5.06 (m, 1H), 4.66-4.57 (m, 1H), 3.18-3.12 (m, 1H), 2.40 (s, 3H), 2.26-2.20 (m, 1H), 2.16-2.08 (m, 1H), 2.02-1.94 (m, 1H), 1.89-1.82 (m, 1H), 1.50-1.40 (m, 1H), 0.87 (t, 3H)。
単一の立体配置を有する(より長い保持時間を有する)化合物
UPLC分析:保持時間:1.19分、純度:90%(カラム:ACQUITY UPLC BEHC18 1.7μm 2.1×50mm、移動相:A-水(5mmol NHOAc)、B-アセトニトリル)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.97 (d, 1H), 7.80 (d, 1H), 7.31 (s, 1H), 7.16 (d, 1H), 6.53 (s, 1H), 5.63-5.55 (m, 1H), 5.45-5.20 (m, 3H), 5.16-5.07 (m, 1H), 4.66-4.57 (m, 1H), 3.18-3.12 (m, 1H), 2.40 (s, 3H), 2.22-2.14 (m, 1H), 2.04-1.95 (m, 2H), 1.89-1.82 (m, 1H), 1.50-1.40 (m, 1H), 0.87 (t, 3H)。
・実施例4
N-((1S,9S)-9-エチル-5-フルオロ-9-ヒドロキシ-4-メチル-10,13-ジオキソ-2,3,9,10,13,15-ヘキサヒドロ-1H,12H-ベンゾ[デ]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-1-イル)-1-ヒドロキシシクロペンタン-1-カルボキサミド 4
Figure 2020063676000054
1mLのN,N-ジメチルホルムアミドを1b(3.0mg、5.64μmol)に添加し、溶液を氷水浴中で0~5℃に冷却した。トリエチルアミンを1滴滴下し、反応溶液を透明になるまで撹拌した。1-ヒドロキシ-シクロペンタンカルボン酸4a(2.2mg、16.9μmol、特許出願「WO2013106717」に開示された方法に従って調製)および4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウムクロリド(4.7mg、16.9μmol)を反応溶液に連続して添加した。添加終了後、反応溶液を0~5℃で1時間撹拌した。反応溶液に5mLの水を加えて反応を停止させ、反応溶液を酢酸エチル(10mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム溶液(5mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を減圧濃縮し、得られた残留物を、展開溶媒系Bを用いた薄層クロマトグラフィーによって精製して、表題生成物4(2.5mg、収率80.9%)を得た。
MS m/z (ESI): 548.0 [M+1]。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.73-7.62 (m, 2H), 5.75-5.62 (m, 1H), 5.46-5.32 (m, 2H), 5.26-5.10 (m, 1H), 3.30-3.10 (m, 1H), 2.43 (s, 3H), 2.28-2.20 (m, 2H), 2.08-1.84 (m, 8H), 1.69-1.58 (m, 2H), 1.04-1.00 (m, 2H), 0.89 (t, 3H)。
・実施例5
N-((1S,9S)-9-エチル-5-フルオロ-9-ヒドロキシ-4-メチル-10,13-ジオキソ-2,3,9,10,13,15-ヘキサヒドロ-1H,12H-ベンゾ[デ]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-1-イル)-1-(ヒドロキシメチル)シクロプロパン-1-カルボキサミド 5
Figure 2020063676000055
1mLのN,N-ジメチルホルムアミドを1b(2.0mg、3.76μmol)に添加し、溶液を氷水浴中で0~5℃に冷却した。トリエチルアミンを1滴滴下し、反応溶液を透明になるまで撹拌した。1-(ヒドロキシメチル)-シクロペンタンカルボン酸5a(0.87mg、7.5μmol、特許出願「WO201396771」に開示された方法に従って調製)および4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウムクロリド(2mg、7.24μmol)を反応溶液に連続して添加した。添加終了後、反応溶液を0~5℃で2時間撹拌した。反応溶液に5mLの水を加えて反応を停止させ、反応溶液を酢酸エチル(8mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム溶液(5mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を減圧濃縮し、得られた残留物を、展開溶媒系Bを用いた薄層クロマトグラフィーによって精製して、表題生成物5(1.0mg、収率50%)を得た。
MS m/z (ESI): 533.9 [M+1]。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.07 (s, 1H), 7.23-7.18 (m, 2H), 6.71-6.64 (m, 1H), 6.55-6.51 (m, 1H), 5.36-5.27 (m, 2H), 4.67-4.61 (m, 2H), 3.53-3.48 (m, 1H), 3.30-3.22 (m, 2H), 3.18-3.13 (m, 1H), 2.71-2.61 (m, 2H), 2.35-2.28 (m, 1H), 2.04-1.91 (m, 4H), 1.53-1.40 (m, 3H), 0.91-0.75 (m, 4H)。
・実施例6
N-((1S,9S)-9-エチル-5-フルオロ-9-ヒドロキシ-4-メチル-10,13-ジオキソ-2,3,9,10,13,15-ヘキサヒドロ-1H,12H-ベンゾ[デ]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-1-イル)-1-(ヒドロキシメチル)シクロブタン-1-カルボキサミド 6
Figure 2020063676000056
Figure 2020063676000057
1mLのN,N-ジメチルホルムアミドを1b(3.0mg、5.64μmol)に添加し、溶液を氷水浴中で0~5℃に冷却した。トリエチルアミンを1滴滴下し、反応溶液を透明になるまで撹拌した。1-(ヒドロキシメチル)シクロブタン-1-カルボン酸6a(2.2mg、16.9μmol、「Journal of American Chemical Society、2014年、第136巻、#22、8138-8142頁」に開示されている既知の方法に従って調製)および4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウムクロリド(4.7mg、16.9μmol)を反応溶液に連続して添加した。添加終了後、反応溶液を0~5℃で1時間撹拌した。反応溶液に5mLの水を加えて反応を停止させ、反応溶液を酢酸エチル(10mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム溶液(5mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を減圧濃縮し、得られた残留物を、展開溶媒系Bを用いた薄層クロマトグラフィーによって精製して、表題生成物6(2.1mg、収率67.9%)を得た。
MS m/z (ESI): 548.0 [M+1]。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 7.85-7.62 (m, 1H), 6.88 (br,1H), 5.87-5.48 (m,2H), 5.47-5.33 (m,1H), 5.31-5.06 (m,1H), 4.25-3.91 (m, 2H), 3.25 (br, 1H), 2.60-2.32 (m, 3H), 2.23 (t, 1H), 2.15-1.95 (m, 3H), 1.70-1.56 (m, 2H), 1.41-1.17 (m, 9H), 1.03 (s, 1H), 0.95-0.80 (m, 2H)。
・実施例7
N-((1S,9S)-9-エチル-5-フルオロ-9-ヒドロキシ-4-メチル-10,13-ジオキソ-2,3,9,10,13,15-ヘキサヒドロ-1H,12H-ベンゾ[デ]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-1-イル)-1-ヒドロキシシクロブタン-1-カルボキサミド 7
Figure 2020063676000058
Figure 2020063676000059
2mLのエタノールと0.4mLのN,N-ジメチルホルムアミドを1b(3.0mg、5.64μmol)に添加し、溶液を氷水浴中で0~5℃に冷却した。0.3mLのN-メチルモルホリンを滴下し、反応溶液を透明になるまで撹拌した。1-ヒドロキシシクロブタンカルボン酸7a(2.0mg、17.22μmol、供給元:PharmaBlock Sciences)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(2.3mg、17.0μmol)および1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(3.2mg、16.7μmol)を反応溶液に連続して添加した。添加終了後、反応溶液を0~5℃で10分間撹拌した。氷水浴を取り除き、反応溶液を室温で2時間撹拌した。反応溶液を減圧濃縮し、得られた残留物を、展開溶媒系Bを用いた薄層クロマトグラフィーによって精製して、表題生成物7(2.5mg、収率83.1%)を得た。
MS m/z (ESI): 534.0 [M+1]。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.28 (d, 1H), 7.75 (d, 1H), 7.29 (s, 1H), 6.51 (s, 1H), 6.12 (s, 1H), 5.59-5.51 (m, 1H), 5.41 (s, 2H), 5.20-5.01 (m, 2H), 3.27-3.17 (m, 1H), 3.15-3.05 (m, 1H), 2.71-2.63 (m, 1H), 2.37 (s, 3H), 2.12-2.05 (m, 1H), 2.03-1.94 (m, 2H), 1.92-1.78 (m, 4H), 1.50-1.42 (m, 1H), 0.90-0.83 (m, 4H)。
・実施例8
1-(((S)-7-ベンジル-20-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)-3,6,9,12,15-ペンタオキソ-2,5,8,11,14-ペンタアザイコシル)オキシ)-N-(((1S,9S)-9-エチル-5-フルオロ-9-ヒドロキシ-4-メチル-10,13-ジオキソ-2,3,9,10,13,15-ヘキサヒドロ-1H,12H-ベンゾ[デ]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-1-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド 8
Figure 2020063676000060
ステップ1
ベンジル1-((2-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)アセトアミド)メトキシ)シクロプロパン-1-カルボキシレート 8c
ベンジル1-ヒドロキシシクロプロパン-1-カルボキシレート8a(104mg、0.54mmol、特許出願「US2005/20645」に開示された方法に従って調製)および(2-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)アセトアミド)酢酸メチル8b(100mg、0.27mmol、特許出願「CN105829346A」に開示された方法に従って調製)を反応フラスコに加え、続いて5mLのテトラヒドロフランを加えた。反応溶液をアルゴンで3回パージし、氷水浴中で0~5℃に冷却し、続いてカリウムtert-ブトキシド(61mg、0.54mmol)を添加した。氷水浴を取り除き、反応溶液を室温まで温め、10分間撹拌した。反応溶液に氷水20mLを加え、酢酸エチル(5mL×2)とクロロホルム(5mL×5)で抽出した。有機相を合わせて濃縮した。得られた残留物を3mLの1,4-ジオキサンに溶解した。0.6mLの水、重炭酸ナトリウム(27mg、0.32mmol)および9-フルオレンメチルクロロホルメート(70mg、0.27mmol)を加え、反応溶液を室温で1時間撹拌した。水20mLを加え、反応溶液を酢酸エチル(8mL×3)で抽出した。有機相を飽和塩化ナトリウム溶液(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を減圧濃縮し、得られた残留物を、展開溶媒系Bを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題生成物8c(100mg、収率73.6%)を得た。
MS m/z (ESI): 501.0 [M+1]。
ステップ2
1-((2-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)アセトアミド)メトキシ)シクロプロパン-1-カルボン酸 8d
8c(50mg、0.10mmol)をテトラヒドロフランと酢酸エチルの混合溶媒(V:V=2:1)3mLに溶解した後、パラジウム炭素(25mg、含有量:10%)を添加した。反応溶液を水素で3回パージし、室温で1時間撹拌した。反応溶液をセライトでろ過し、ろ過ケークをテトラヒドロフランですすいだ。ろ液を濃縮して、表題生成物8d(41mg、収率:100%)を得た。
MS m/z (ESI): 411.0 [M+1]。
ステップ3
(9H-フルオレン-9-イル)メチル(2-(((1-(((1S,9S)-9-エチル-5-フルオロ-9-ヒドロキシ-4-メチル-10,13-ジオキソ-2,3,9,10,13,15-ヘキサヒドロ-1H,12H-ベンゾ[デ]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-1-イル)カルバモイル)シクロプロポキシ)メチル)アミノ)-2-オキソエチル)カルバメート 8e
1b(7mg、0.013mmol)を反応フラスコに加え、続いて1mLのN,N-ジメチルホルムアミドを加えた。溶液をアルゴンで3回パージし、氷水浴中で0~5℃に冷却した。トリエチルアミン1滴、0.5mLのN,N-ジメチルホルムアミド中の8d(7mg、0.017mmol)、および4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウムクロリド(7mg、0.026mmol)を添加し、反応溶液を氷浴中で35分間撹拌した。水10mLを加え、反応溶液を酢酸エチル(5mL×3)で抽出した。有機相を飽和塩化ナトリウム溶液(10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を減圧濃縮し、得られた残留物を、展開溶媒系Bを用いた薄層クロマトグラフィーによって精製して、表題生成物8e(8.5mg、収率78.0%)を得た。
MS m/z (ESI): 828.0 [M+1]。
ステップ4
1-((2-アミノアセトアミド)-メトキシ)-N-((1S,9S)-9-エチル-5-フルオロ-9-ヒドロキシ-4-メチル-10,13-ジオキソ-2,3,9,10,13,15-ヘキサヒドロ-1H,12H-ベンゾ[デ]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-1-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド 8f
8e(4mg、4.84μmol)を0.2mLのジクロロメタンに溶解し、続いて0.1mLのジエチルアミンを添加した。反応溶液を室温で2時間撹拌した。反応溶液を減圧濃縮した。2mLのトルエンを加え、溶液を減圧濃縮し、これを2回繰り返した。3mLのn-ヘキサンをパルプに加え、ヘキサンの上層を注ぎ、これを3回繰り返した。溶液を減圧濃縮して、粗表題生成物8f(2.9mg)を得て、これを精製せずに次のステップで直接使用した。
MS m/z (ESI): 606.0 [M+1]。
ステップ5
1-(((S)-7-ベンジル-20-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)-3,6,9,12,15-ペンタオキソ-2,5,8,11,14-ペンタアザイコシル)-オキシ)-N-((1S,9S)-9-エチル-5-フルオロ-9-ヒドロキシ-4-メチル-10,13-ジオキソ-2,3,9,10,13,15-ヘキサヒドロ-1H,12H-ベンゾ[デ]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-1-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド 8
粗化合物8f(2.9mg、4.84μmol)を0.5mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解した。溶液をアルゴンで3回パージし、氷水浴中で0~5℃に冷却した。0.3mLのN,N-ジメチルホルムアミド中の(S)-2(-2-(-2-(6-(2,5-ジオキソ-1H-ピロール-1-イル)ヘキサンアミド)アセトアミド)アセトアミド)-3-フェニルプロピオン酸8g(2.7mg、5.80μmol、特許出願「EP2907824」に開示されている方法に従って調製)、および4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウムクロリド(2.7mg、9.67μmol)を加え、反応溶液を氷浴中で30分間撹拌した。氷浴を取り除き、反応溶液を室温まで温め、15分間撹拌した。反応溶液を高速液体クロマトグラフィー(分離条件:カラム:XBridge Prep C18 OBD 5μm 19×250mm;移動層:A-水(10mmol NHOAc)、B-アセトニトリル、グラジエント溶出、流速:18mL/分)によって精製した。対応する画分を集め、減圧濃縮して、表題生成物8(2mg、収率39.0%)を得た。
MS m/z (ESI): 1060.0 [M+1]。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 9.01 (d, 1H), 8.77 (t, 1H), 8.21 (t, 1H), 8.08-7.92 (m, 2H), 7.73 (d, 1H), 7.28 (s, 1H), 7.24-7.07 (m, 4H), 6.98 (s, 1H), 6.50 (s, 1H), 5.61 (q, 1H), 5.40 (s, 2H), 5.32 (t, 1H), 5.12 (q, 2H), 4.62 (t, 1H), 4.52 (t, 1H), 4.40-4.32 (m, 1H), 3.73-3.47 (m, 8H), 3.16-3.04 (m, 2H), 2.89 (dd, 1H), 2.69-2.55 (m, 2H), 2.37-2.23 (m, 4H), 2.12-1.93 (m, 4H), 1.90-1.74 (m, 2H), 1.52-1.38 (m, 4H), 1.33-1.11 (m, 5H), 0.91-0.81 (m, 4H)。
・実施例9
N-((2R,10S)-10-ベンジル-2-シクロプロピル-1-(((1S,9S)-9-エチル-5-フルオロ-9-ヒドロキシ-4-メチル-10,13-ジオキソ-2,3,9,10,13,15-ヘキサヒドロ-1H,12H-ベンゾ[デ]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-1-イル)アミノ)-1,6,9,12,15-ペンタオキソ-3-オキサ-5,8,11,14-テトラアザヘキサデカン-16-イル)-6-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)ヘキサンアミド 9-A
N-((2S,10S)-10-ベンジル-2-シクロプロピル-1-(((1S,9S)-9-エチル-5-フルオロ-9-ヒドロキシ-4-メチル-10,13-ジオキソ-2,3,9,10,13,15-ヘキサヒドロ-1H,12H-ベンゾ[デ]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-1-イル)アミノ)-1,6,9,12,15-ペンタオキソ-3-オキサ-5,8,11,14-テトラアザヘキサデカン-16-イル)-6-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)ヘキサンアミド 9-B
Figure 2020063676000061
ステップ1
ベンジル2-シクロプロピル-2-ヒドロキシアセテート 9a
2a(1.3g、11.2mmol、特許出願「WO2013/106717」に開示される方法に従って調製)を50mLのアセトニトリルに溶解し、次いで、炭酸カリウム(6.18g、44.8mmol)、臭化ベンジル(1.33mL、11.2mmol)およびヨウ化テトラブチルアンモニウム(413mg、1.1mmol)を連続して添加した。反応溶液を室温で48時間撹拌し、セライトを通してろ過した。ろ過ケークを酢酸エチル(10mL)ですすぎ、ろ液を合わせて、減圧濃縮した。得られた残留物を、展開溶媒系Cを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題生成物9a(2g、収率86.9%)を得た。
ステップ2
ベンジル10-シクロプロピル-1-(9H-フルオレン-9-イル)-3,6-ジオキソ-2,9-ジオキサ-4,7-ジアザウンデカン-11-オエート 9b
9a(120.9mg、0.586mmol)および8b(180mg、0.489mmol)を反応フラスコに添加し、続いて4mLのテトラヒドロフランを添加した。反応溶液をアルゴンで3回パージし、氷水浴中で0~5℃に冷却した。カリウムtert-ブトキシド(109mg、0.98mmol)を添加し、氷水浴を取り除いた。反応溶液を室温まで温め、40分間撹拌した。反応溶液に氷水10mLを加えた後、これを酢酸エチル(20mL×2)およびクロロホルム(10mL×5)で抽出した。有機相を合わせて濃縮した。得られた残留物をジオキサン4mLに溶解した。水2mL、重炭酸ナトリウム(49.2mg、0.586mmol)および9-フルオレンメチルクロロホルメート(126mg、0.49mmol)を加え、反応溶液を室温で2時間撹拌した。水20mLを加え、反応溶液を酢酸エチル(10mL×3)で抽出した。有機相を飽和塩化ナトリウム溶液(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を減圧濃縮した。得られた残留物を、展開溶媒系Cを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題生成物9b(48mg、収率19%)を得た。
MS m/z (ESI):515.0[M+1]。
ステップ3
10-シクロプロピル-1-(9H-フルオレン-9-イル)-3,6-ジオキソ-2,9-ジオキサ-4,7-ジアザウンデカン-11-酸 9c
9b(20mg、0.038mmol)をテトラヒドロフランと酢酸エチルの混合溶媒(V:V=2:1)4.5mLに溶解し、続いてパラジウム炭素(12mg、含有量:10%、乾燥)を添加した。反応溶液を水素で3回パージし、室温で1時間撹拌した。反応溶液をセライトでろ過し、ろ過ケークを酢酸エチルですすいだ。ろ液を濃縮して、粗表題生成物9c(13mg)を得、これを精製せずに次のステップで直接使用した。
MS m/z (ESI):424.9[M+1]。
ステップ4
(9H-フルオレン-9-イル)メチル(2-(((1-シクロプロピル-2-(((1S,9S)-9-エチル-5-フルオロ-9-ヒドロキシ-4-メチル-10,13-ジオキソ-2,3,9,10,13,15-ヘキサヒドロ-1H,12H-ベンゾ[デ]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-1-イル)アミノ)-2-オキソエトキシ)メチル)アミノ)-2-オキソエチル)カルバメート 9d
1b(10mg、18.8μmol)を反応フラスコに添加し、続いて1mLのN,N-ジメチルホルムアミドを添加した。溶液をアルゴンで3回パージし、氷水浴中で0~5℃に冷却した。トリエチルアミン1滴、粗化合物9c(13mg、30.6μmol)および4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウムクロリド(16.9mg、61.2μmol)を添加し、反応溶液を氷浴中で40分間撹拌した。水10mLを加え、反応溶液を酢酸エチル(10mL×3)で抽出した。有機相を合わせた。有機相を飽和塩化ナトリウム溶液(10mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を減圧濃縮した。得られた残留物を、展開溶媒系Bを用いた薄層クロマトグラフィーによって精製して、表題生成物9d(19mg、収率73.6%)を得た。
MS m/z (ESI):842.1[M+1]。
ステップ5
2-((2-アミノアセトアミド)メトキシ)-2-シクロプロピル-N-((1S,9S)-9-エチル-5-フルオロ-9-ヒドロキシ-4-メチル-10,13-ジオキソ-2,3,9,10,13,15-ヘキサヒドロ-1H,12H-ベンゾ[デ]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-1-イル)アセトアミド 9e
9d(19mg、22.6μmol)を2mLのジクロロメタンに溶解し、続いて1mLのジエチルアミンを添加した。反応溶液を室温で2時間撹拌した。反応溶液を減圧濃縮した。1mLのトルエンを添加し、溶液を減圧濃縮し、これを2回繰り返した。残留物に3mLのn-ヘキサンを加えてパルプにし、静置した後、固形物を保持するために上清を注ぎ出した。固体残留物をオイルポンプにより乾固するまで減圧濃縮して、粗表題生成物9e(17mg)を得、これを精製せずに次のステップで直接使用した。
MS m/z (ESI):638.0[M+18]。
ステップ6
N-((2R,10S)-10-ベンジル-2-シクロプロピル-1-(((1S,9S)-9-エチル-5-フルオロ-9-ヒドロキシ-4-メチル-10,13-ジオキソ-2,3,9,10,13,15-ヘキサヒドロ-1H,12H-ベンゾ[デ]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-1-イル)アミノ)-1,6,9,12,15-ペンタオキソ-3-オキサ-5,8,11,14-テトラアザヘキサデカン-16-イル)-6-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)ヘキサンアミド 9-A
N-((2S,10S)-10-ベンジル-2-シクロプロピル-1-(((1S,9S)-9-エチル-5-フルオロ-9-ヒドロキシ-4-メチル-10,13-ジオキソ-2,3,9,10,13,15-ヘキサヒドロ-1H,12H-ベンゾ[デ]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-1-イル)アミノ)-1,6,9,12,15-ペンタオキソ-3-オキサ-5,8,11,14-テトラアザヘキサデカン-16-イル)-6-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)ヘキサンアミド 9-B
粗化合物9e(13.9mg、22.4μmol)を0.6mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解した。溶液をアルゴンで3回パージし、氷水浴中で0~5℃に冷却した。0.3mLのN,N-ジメチルホルムアミド中の8g(21.2mg,44.8μmol)、および4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウムクロリド(18.5mg,67.3μmol)を加え、反応溶液を氷浴中で10分間撹拌した。氷浴を取り除き、反応溶液を室温まで温め、1時間撹拌して化合物9を得た。反応溶液を高速液体クロマトグラフィー(分離条件:カラム:XBridge Prep C18 OBD 5μm 19×250mm;移動層:A-水(10mmol NHOAc)、B-アセトニトリル、グラジエント溶出、流速:18mL/分)によって精製した。対応する画分を集め、減圧濃縮して、表題生成物(9-A:2.4mg、9-B:1.7mg)を得た。
MS m/z (ESI): 1074.4 [M+1]。
単一の立体配置を有する(より短い保持時間を有する)化合物9-A:
UPLC分析:保持時間:1.14分、純度:85%(カラム:ACQUITY UPLC BEHC18 1.7μm 2.1×50mm、移動相:A-水(5mmol NHOAc)、B-アセトニトリル)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.60 (t, 1H), 8.51-8.49 (d, 1H), 8.32-8.24 (m, 1H), 8.13-8.02 (m, 2H), 8.02-7.96 (m, 1H), 7.82-7.75 (m, 1H), 7.31 (s, 1H), 7.26-7.15 (m, 4H), 6.99 (s, 1H), 6.55-6.48 (m, 1H), 5.65-5.54 (m, 1H), 5.41 (s, 2H), 5.35-5.15 (m, 3H), 4.74-4.62 (m, 1H), 4.54-4.40 (m, 2H), 3.76-3.64 (m,4H), 3.62-3.48 (m, 2H), 3.20-3.07 (m, 2H), 3.04-2.94 (m, 1H), 2.80-2.62 (m, 1H), 2.45-2.30 (m, 3H), 2.25-2.15 (m, 2H), 2.15-2.04 (m, 2H), 1.93-1.78 (m, 2H), 1.52-1.39 (m, 3H), 1.34-1.12 (m, 5H), 0.87 (t, 3H), 0.64-0.38 (m, 4H)。
単一の立体配置を有する(より長い保持時間を有する)化合物9-B:
UPLC分析:保持時間:1.16分、純度:89%(カラム:ACQUITY UPLC BEHC18 1.7μm 2.1×50mm、移動相:A-水(5mmol NHOAc)、B-アセトニトリル)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.68-8.60 (m, 1H), 8.58-8.50 (m, 1H), 8.32-8.24 (m, 1H), 8.13-8.02 (m, 2H), 8.02-7.94 (m, 1H), 7.82-7.75 (m, 1H), 7.31 (s, 1H), 7.26-7.13 (m, 3H), 6.99 (s, 1H), 6.55-6.48 (m, 1H), 5.60-5.50 (m, 1H), 5.41 (s, 2H), 5.35-5.15 (m, 2H), 4.78-4.68 (m, 1H), 4.60-4.40 (m, 2H), 3.76-3.58 (m, 4H), 3.58-3.48 (m, 1H), 3.20-3.10 (m, 2H), 3.08-2.97 (m, 2H), 2.80-2.72 (m, 2H), 2.45-2.30 (m, 3H), 2.25-2.13 (m, 2H), 2.13-2.04 (m, 2H), 2.03-1.94 (m, 2H), 1.91-1.78 (m, 2H), 1.52-1.39 (m, 3H), 1.34-1.12 (m, 4H), 0.91-0.79 (m, 3H), 0.53-0.34 (m, 4H)。
・実施例10
N-((2S,10S)-10-ベンジル-2-(((1S,9S)-9-エチル-5-フルオロ-9-ヒドロキシ-4-メチル-10,13-ジオキソ-2,3,9,10,13,15-ヘキサヒドロ-1H,12H-ベンゾ[デ]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-1-イル)カルバモイル)-1,1,1-トリフルオロ-6,9,12,15-テトラオキソ-3-オキサ-5,8,11,14-テトラアザヘキサデカン-16-イル)-6-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)ヘキサンアミド 10-A
N-((2R,10S)-10-ベンジル-2-(((1S,9S)-9-エチル-5-フルオロ-9-ヒドロキシ-4-メチル-10,13-ジオキソ-2,3,9,10,13,15-ヘキサヒドロ-1H,12H-ベンゾ[デ]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-1-イル)カルバモイル)-1,1,1-トリフルオロ-6,9,12,15-テトラオキソ-3-オキサ-5,8,11,14-テトラアザヘキサデカン-16-イル)-6-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)ヘキサンアミド 10-B
Figure 2020063676000062
ステップ1
ベンジル3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシプロパノエート 10a
3a(1.80g、12.5mmol)を100mLのアセトニトリルに溶解し、次いで炭酸カリウム(5.17g、37.5mmol)、臭化ベンジル(4.48mL、37.5mmol)およびヨウ化テトラブチルアンモニウム(231mg、0.63mmol)を連続して添加した。反応溶液を60℃に加熱し、5時間撹拌した。反応溶液を室温に冷却し、ろ過した。ろ液を減圧濃縮し、得られた残留物を、展開溶媒系Cを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題生成物10a(980mg、収率33.5%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.43-7.36 (m, 5H), 5.34 (s, 2H), 4.53 (s, 1H), 3.44 (s, 1H)。
ステップ2
ベンジル1-(9H-フルオレン-9-イル)-3,6-ジオキソ-10-(トリフルオロメチル)-2,9-ジオキサ-4,7-ジアザウンデカン-11-オエート 10b
8b(63mg、0.17mmol)および10a(80mg、0.34mmol)を反応フラスコに添加し、続いて3mLのテトラヒドロフランを添加した。反応溶液をアルゴンで3回パージし、氷水浴中で0~5℃に冷却した。カリウムtert-ブトキシド(38mg、0.34mmol)を添加し、氷水浴を取り除いた。反応溶液を室温まで温め、20分間撹拌した。反応溶液に氷水10mLを加え、これを酢酸エチル(20mL×2)およびクロロホルム(10mL×5)で抽出した。有機相を合わせ、濃縮して、得られた残留物を2mLのジオキサンに溶解した。水0.4mL、重炭酸ナトリウム(19mg、0.23mmol)および9-フルオレンメチルクロロホルメート(49mg、0.19mmol)を加え、反応溶液を室温で1時間撹拌した。水20mLを加え、反応溶液を酢酸エチル(10mL×3)で抽出した。有機相を飽和塩化ナトリウム溶液(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を減圧濃縮した。得られた残留物を、展開溶媒系Cを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題生成物10b(51mg、収率55.3%)を得た。
MS m/z (ESI): 559.9 [M+18]。
ステップ3
1-(9H-フルオレン-9-イル)-3,6-ジオキソ-10-(トリフルオロメチル)-2,9-ジオキサ-4,7-ジアザウンデカン-11-酸 10c
10b(15mg、0.28mmol)をテトラヒドロフランと酢酸エチルの混合溶媒(V:V=2:1)3mLに溶解した後、パラジウム炭素(15mg、含有量:10%)を添加した。反応溶液を水素で3回パージし、室温で1時間撹拌した。反応溶液をセライトでろ過し、ろ過ケークをテトラヒドロフランですすいだ。ろ液を濃縮して、粗表題生成物10c(13mg)を得た。
MS m/z (ESI): 452.9 [M+1]。
ステップ4
(9H-フルオレン-9-イル)メチル(2-((((3-(((1S,9S)-9-エチル-5-フルオロ-9-ヒドロキシ-4-メチル-10,13-ジオキソ-2,3,9,10,13,15-ヘキサヒドロ-1H,12H-ベンゾ[デ]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-1-イル)アミノ)-1,1,1-トリフルオロ-3-オキソプロパン-2-イル)オキシ)メチル)アミノ)-2-オキソエチル)カルバメート 10d
1b(10mg、18.8μmol)を反応フラスコに添加し、続いて1mLのN,N-ジメチルホルムアミドを添加した。溶液をアルゴンで3回パージし、氷水浴中で0~5℃に冷却した。トリエチルアミン1滴、0.5mLのN,N-ジメチルホルムアミド中の10c(13mg、28.7μmol)、および4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウムクロリド(11mg、39.7μmol)を加え、反応溶液を氷浴中で30分間撹拌した。水10mLを加え、反応溶液を酢酸エチル(10mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム溶液(10mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を減圧濃縮し、得られた残留物を、展開溶媒系Bを用いた薄層クロマトグラフィーによって精製して、表題生成物10d(16mg、収率97.8%)を得た。
MS m/z (ESI): 870.0[M+1]。
ステップ5
2-((2-アミノアセトアミド)メトキシ)-N-((1S,9S)-9-エチル-5-フルオロ-9-ヒドロキシ-10,13-ジオキソ-2,3,9,10,13,15-ヘキサヒドロ-1H,12H-ベンゾ[デ]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-1-イル)-3,3,3-トリフルオロプロパンアミド 10e
10d(16mg、18.4μmol)を0.6mLのジクロロメタンに溶解し、続いて0.3mLのジエチルアミンを添加した。反応溶液を室温で2時間撹拌した。反応溶液を減圧濃縮した。2mLのトルエンを添加し、溶液を減圧濃縮し、これを2回繰り返した。残留物に3mLのn-ヘキサンを加えてパルプにし、しばらく放置した後、固形物を保持するために上清を注ぎ出し、これを3回繰り返した。固体残留物をオイルポンプにより乾固するまで減圧濃縮して、粗表題生成物10e(12mg)を得、これを精製せずに次のステップで直接使用した。
MS m/z (ESI): 647.9 [M+1]。
ステップ6
N-((2S,10S)-10-ベンジル-2-(((1S,9S)-9-エチル-5-フルオロ-9-ヒドロキシ-4-メチル-10,13-ジオキソ-2,3,9,10,13,15-ヘキサヒドロ-1H,12H-ベンゾ[デ]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-1-イル)カルバモイル)-1,1,1-トリフルオロ-6,9,12,15-テトラオキソ-3-オキサ-5,8,11,14-テトラアザヘキサデカン-16-イル)-6-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)ヘキサンアミド 10-A
N-((2R,10S)-10-ベンジル-2-(((1S,9S)-9-エチル-5-フルオロ-9-ヒドロキシ-4-メチル-10,13-ジオキソ-2,3,9,10,13,15-ヘキサヒドロ-1H,12H-ベンゾ[デ]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-1-イル)カルバモイル)-1,1,1-トリフルオロ-6,9,12,15-テトラオキソ-3-オキサ-5,8,11,14-テトラアザヘキサデカン-16-イル)-6-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)ヘキサンアミド 10-B
粗化合物10e(12mg、18.5μmol)を1.0mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解した。溶液をアルゴンで3回パージし、氷水浴中で0~5℃に冷却した。0.3mLのN,N-ジメチルホルムアミド中の8g(14mg、29.6μmol)、および4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウムクロリド(15mg,54.2μmol)を加え、反応溶液を氷浴中で30分間撹拌した。氷浴を取り除き、反応溶液を室温まで温め、1時間撹拌して化合物10を得た。反応溶液を高速液体クロマトグラフィー(分離条件:カラム:XBridge Prep C18 OBD 5μm 19×250mm;移動層:A-水(10mmol NHOAc)、B-アセトニトリル、グラジエント溶出、流速:18mL/分)によって精製した。対応する画分を集め、減圧濃縮して、表題生成物(2.7mg、2.6mg)を得た。
MS m/z (ESI): 1102.0 [M+1]。
単一の立体配置を有する(より短い保持時間を有する)化合物:
UPLC分析:保持時間:1.18分、純度:91%(カラム:ACQUITY UPLC BEHC18 1.7μm 2.1×50mm、移動相:A-水(5mmol NHOAc)、B-アセトニトリル)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.97 (d, 1H), 8.85-8.76 (m, 1H), 8.37-8.27 (m, 1H), 8.12-8.02 (m, 1H), 8.02-7.95 (m, 1H), 7.80 (d, 1H), 7.31 (s, 1H), 7.26-7.10 (m, 4H), 6.99 (s, 1H), 6.66 (br, 1H), 6.52 (s, 1H), 5.65-5.54 (m, 1H), 5.41 (s, 1H), 5.37-5.25 (m, 3H), 5.23-5.13 (m, 1H), 4.81-4.68 (m, 2H), 4.51-4.41 (m, 1H), 3.78-3.45 (m, 6H), 3.21-3.13 (m, 1H), 3.02-2.93 (m, 1H), 2.77-2.63 (m, 2H), 2.45-2.29 (m, 3H), 2.24-2.05 (m, 3H), 2.04-1.93 (m, 5H), 1.90-1.75 (m, 2H), 1.52-1.38 (m, 4H), 0.90-0.78 (m, 5H)。
単一の立体配置を有する(より長い保持時間を有する)化合物:
UPLC分析:保持時間:1.23分、純度:90%(カラム:ACQUITY UPLC BEHC18 1.7μm 2.1×50mm、移動相:A-水(5mmol NHOAc)、B-アセトニトリル)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 9.05 (d, 1H), 8.97-8.88 (m, 1H), 8.35-8.27 (m, 1H), 8.11-8.03 (m, 1H), 8.02-7.95 (m, 1H), 7.80 (d, 1H), 7.34 (s, 1H), 7.29-7.13 (m, 4H), 6.99 (s, 1H), 6.66 (br, 1H), 6.54 (s, 1H), 5.64-5.55 (m, 1H), 5.43 (s, 1H), 5.36-5.20 (m, 3H), 4.92-4.85 (m, 1H), 4.82-4.72 (m, 2H), 4.52-4.42 (m, 1H), 3.77-3.48 (m, 6H), 3.21-3.14 (m, 1H), 3.03-2.95 (m, 1H), 2.79-2.65 (m, 2H), 2.47-2.28 (m, 3H), 2.25-2.05 (m, 3H), 2.05-1.94 (m, 5H), 1.91-1.76 (m, 2H), 1.52-1.37 (m, 4H), 0.92-0.77 (m, 5H)。
・実施例11
1-(((S)-7-ベンジル-20-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)-3,6,9,12,15-ペンタオキソ-2,5,8,11,14-ペンタアザイコシル)オキシ)-N-((1S,9S)-9-エチル-5-フルオロ-9-ヒドロキシ-4-メチル-10,13-ジオキソ-2,3,9,10,13,15-ヘキサヒドロ-1H,12H-ベンゾ[デ]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-1-イル)シクロブタン-1-カルボキサミド 11
Figure 2020063676000063
ステップ1
1-((2-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)アセトアミド)メトキシ)シクロブタン-1-カルボキシレート 11b
ベンジル1-ヒドロキシシクロブタン-カルボキシレート11a(167mg、0.81mmol、「Journal of Medicinal Chemistry、2013年、第56巻、#13、5541-5552頁」に開示されている既知の方法に従って調製)および8b(150mg、0.41mmol)を反応フラスコに添加し、続いて5mLのテトラヒドロフランを添加した。反応溶液をアルゴンで3回パージし、氷水浴中で0~5℃に冷却し、続いてカリウムtert-ブトキシド(92mg、0.82mmol)を添加した。氷水浴を取り除き、反応溶液を室温まで温め、10分間撹拌した。反応溶液に氷水20mLを加え、これを酢酸エチル(5mL×2)およびクロロホルム(5mL×5)で抽出した。有機相を合わせ、濃縮して、得られた残留物を3mLのジオキサンに溶解した。水0.6mL、重炭酸ナトリウム(41mg、0.48mmol)および9-フルオレンメチルクロロホルメート(105mg、0.41mmol)を加え、反応溶液を室温で1時間撹拌した。水20mLを加え、反応溶液を酢酸エチル(8mL×3)で抽出した。有機相を飽和塩化ナトリウム溶液(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を減圧濃縮した。得られた残留物を、展開溶媒系Cを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題生成物11b(37mg、収率17.6%)を得た。
MS m/z (ESI): 514.6 [M+1]。
ステップ2
1-((2-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)アセトアミド)メトキシ)シクロブタン-1-カルボン酸 11c
11b(37mg、71.9μmol)をテトラヒドロフランと酢酸エチルの混合溶媒(V:V=2:1)3mLに溶解し、続いてパラジウム炭素(15mg、含有量:10%)を添加した。反応溶液を水素で3回パージし、室温で2時間撹拌した。反応溶液をセライトでろ過し、ろ過ケークをテトラヒドロフランですすいだ。ろ液を濃縮して、表題生成物11c(35mg、収率:82%)を得、これを次のステップで直接使用した。
ステップ3
(9H-フルオレン-9-イル)メチル(2-(((1-(((1S,9S)-9-エチル-5-フルオロ-9-ヒドロキシ-4-メチル-10,13-ジオキソ-2,3,9,10,13,15-ヘキサヒドロ-1H,12H-ベンゾ[デ]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-1-イル)カルバモイル)シクロブトキシ)メチル)アミノ)-2-オキソエチル)カルバメート 11d
1b(10mg、0.018mmol)を反応フラスコに添加し、続いて1mLのN,N-ジメチルホルムアミドを添加した。溶液をアルゴンで3回パージし、氷水浴中で0~5℃に冷却した。トリエチルアミン1滴、0.5mLのN,N-ジメチルホルムアミド中の11c(13mg、0.031mmol)、および4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウムクロリド(25mg、0.091mmol)を添加し、反応溶液を氷浴中で40分間撹拌した。水8mLを加え、反応溶液を酢酸エチル(5mL×3)で抽出した。有機相を飽和塩化ナトリウム溶液(8mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を減圧濃縮し、得られた残留物を、展開溶媒系Aを用いた薄層クロマトグラフィーによって精製して、表題生成物11d(19mg、収率73.9%)を得た。
MS m/z (ESI): 842.3 [M+1]。
ステップ4
1-((2-アミノアセトアミド)メトキシ)-N-((1S,9S)-9-エチル-5-フルオロ-9-ヒドロキシ-4-メチル-10,13-ジオキソ-2,3,9,10,13,15-ヘキサヒドロ-1H,12H-ベンゾ[デ]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-1-イル)シクロブタン-1-カルボキサミド 11e
11d(19mg、22.6μmol)を2mLのジクロロメタンに溶解し、続いて1mLのジエチルアミンを添加した。反応溶液を室温で1.5時間撹拌した。反応溶液を減圧濃縮した。1mLのトルエンを添加し、溶液を減圧濃縮し、これを2回繰り返した。パルプに4mLのn-ヘキサンを加え、ヘキサンの上層を注ぎ、これを3回繰り返した。溶液を減圧濃縮して、粗表題生成物11e(15mg)を得、これを精製せずに次のステップで直接使用した。
ステップ5
1-(((S)-7-ベンジル-20-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)-3,6,9,12,15-ペンタオキソ-2,5,8,11,14-ペンタアザイコシル)オキシ)-N-((1S,9S)-9-エチル-5-フルオロ-9-ヒドロキシ-4-メチル-10,13-ジオキソ-2,3,9,10,13,15-ヘキサヒドロ-1H,12H-ベンゾ[デ]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-1-イル)シクロブタン-1-カルボキサミド 11
粗化合物11e(2mg、3.22μmol)を0.5mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解した。溶液をアルゴンで3回パージし、氷水浴中で0~5℃に冷却した。0.3mLのN,N-ジメチルホルムアミド中の8g(1.5mg、3.17μmol)、および4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウムクロリド(2.7mg、9.67μmol)を加え、反応溶液を室温で30分間撹拌した。反応溶液をオイルポンプによるロータリーエバポレーションにより濃縮乾固し、DMFを除去した。残留物をDCMに溶解し、薄層クロマトグラフィー(展開溶媒極性:DCM/MeOH=10/1)によって2回精製し、表題生成物11(1mg、収率28.8%)を得た。
MS m/z (ESI): 1073.6 [M+1]。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.70-8.60 (m, 1H), 8.28-8.19 (m, 1H), 8.13-7.91 (m, 3H), 7.79-7.71 (d, 1H), 7.29 (s, 1H), 7.25-7.09 (m, 4H), 6.98 (s, 1H), 6.71-6.62 (m, 1H), 6.55-6.47 (m, 1H), 5.64-5.54 (m, 2H), 5.40 (s, 1H), 5.35-5.27 (t, 2H), 5.17-5.10 (m, 2H), 4.60-4.51 (m, 1H), 4.51-4.35 (m, 2H), 3.93-3.78 (m, 3H), 3.71-3.59 (m, 3H), 3.01-2.88 (m, 3H), 2.70-2.64 (m, 2H), 2.44-2.30 (m, 3H), 2.28-2.14 (m, 3H), 2.11-1.92 (m, 6H), 1.90-1.76 (m, 3H), 1.51-1.39 (m, 4H), 0.92-0.75 (m, 6H)。
・実施例12
(S)-3-シクロプロピル-N-((1S,9S)-9-エチル-5-フルオロ-9-ヒドロキシ-4-メチル-10,13-ジオキソ-2,3,9,10,13,15-ヘキサヒドロ-1H,12H-ベンゾ[デ]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-1-イル)-2-ヒドロキシプロパンアミド 12-A
(R)-3-シクロプロピル-N-((1S,9S)-9-エチル-5-フルオロ-9-ヒドロキシ-4-メチル-10,13-ジオキソ-2,3,9,10,13,15-ヘキサヒドロ-1H,12H-ベンゾ[デ]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-1-イル)-2-ヒドロキシプロパンアミド 12-B
Figure 2020063676000064
ステップ1
3-シクロプロピル-2-ヒドロキシプロパン酸 12b
12a(0.5g、3.87mmol、供給元:Adamas)を水と酢酸の混合溶媒(V:V=4:1)35mLに溶解し、該溶液を氷水浴中で0~5℃に冷却した。亜硝酸ナトリウムの2M水溶液(0.53g、7.74mmol)を滴下し、反応溶液を室温まで温め、3時間撹拌した。固体の塩化ナトリウムを反応溶液に加えて水相を飽和させた。溶液を酢酸エチル(8mL×8)で抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を濃縮して、表題生成物12b(0.45g、収率89.3%)を得た。
ステップ2
(S)-3-シクロプロピル-N-((1S,9S)-9-エチル-5-フルオロ-9-ヒドロキシ-4-メチル-10,13-ジオキソ-2,3,9,10,13,15-ヘキサヒドロ-1H,12H-ベンゾ[デ]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-1-イル)-2-ヒドロキシプロパンアミド 12-A
(R)-3-シクロプロピル-N-((1S,9S)-9-エチル-5-フルオロ-9-ヒドロキシ-4-メチル-10,13-ジオキソ-2,3,9,10,13,15-ヘキサヒドロ-1H,12H-ベンゾ[デ]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-1-イル)-2-ヒドロキシプロパンアミド 12-B
1.5mLのエタノールと1.5mLのN,N-ジメチルホルムアミドを1b(45mg、0.085mmol)に添加した。溶液をアルゴンで3回パージした。0.1mLのN-メチルモルホリンを滴下し、反応溶液を透明になるまで撹拌した。12b(90mg、0.691mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(34mg、0.251mmol)および1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(49mg、0.256mmol)を反応溶液に連続して添加した。添加終了後、反応溶液を室温で3時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、得られた粗化合物12を高速液体クロマトグラフィー(分離条件:カラム:Sharpsil-T C18 5μm 21.2×250mm;移動層:A-水(10mmol NHOAc)、B-アセトニトリル、グラジエント溶出、流速:18mL/分)によって精製して、表題生成物(7mg、15mg)を得た。
MS m/z (ESI): 547.9 [M+1]。
単一の立体配置を有する(より短い保持時間を有する)化合物
UPLC分析:保持時間:1.345分、純度:72%(カラム:ZORBAX Ecliphase Plus C18 1.8μm 2.1×50mm、移動相:A-水(5mmol NHOAc)、B-アセトニトリル)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.42 (d, 1H), 7.78 (d, 1H), 7.30 (s, 1H), 6.51 (s, 1H), 5.60-5.50 (m, 2H), 5.42 (s, 1H), 5.19 (q, 2H), 4.02-4.00 (m, 1H), 3.21-3.11 (m, 2H), 2.39 (s, 3H), 2.21-2.07 (m, 2H), 2.05-1.95 (m, 1H), 1.92-1.68 (m, 4H), 1.53-1.41 (m, 1H),0.87 (t, 3H), 0.48-0.34 (m, 2H) , 0.14-0.01 (m, 2H)。
単一の立体配置を有する(より長い保持時間を有する)化合物
UPLC分析:保持時間:1.399分、純度:88%(カラム:ZORBAX Ecliphase Plus C18 1.8μm 2.1×50mm、移動相:A-水(5mmol NHOAc)、B-アセトニトリル)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.36 (d, 1H), 7.77 (d, 1H), 7.31 (s, 1H), 6.51 (s, 1H), 5.58-5.51 (m, 1H), 5.48 (d, 1H), 5.42 (s, 1H),5.20 (q, 2H), 4.09-4.02 (m, 1H), 3.22-3.11 (m, 2H), 2.39 (s, 3H), 2.27-2.06 (m, 2H), 2.05-1.95 (m, 1H), 1.93-1.81 (m, 2H), 1.65-1.43 (m, 2H), 1.32-1.21 (m, 1H), 0.87 (t, 3H), 0.48-0.33 (m, 2H) , 0.14-0.01 (m, 2H)。
・実施例13(参照例)
N-((1S,9S)-9-エチル-5-フルオロ-9-ヒドロキシ-4-メチル-10,13-ジオキソ-2,3,9,10,13,15-ヘキサヒドロ-1H,12H-ベンゾ[デ]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-1-イル)-2-ヒドロキシアセトアミド
Figure 2020063676000065
表題化合物13は、特許出願EP2907824A1の記載の147頁の実施例76に開示された方法に従って調製された。
・実施例14
N-((2R,10S)-10-ベンジル-2-(シクロプロピルメチル)-1-(((1S,9S)-9-エチル-5-フルオロ-9-ヒドロキシ-4-メチル-10,13-ジオキソ-2,3,9,10,13,15-ヘキサヒドロ-1H,12H-ベンゾ[デ]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-1-イル)アミノ)-1,6,9,12,15-ペンタオキソ-3-オキサ-5,8,11,14-テトラアザヘキサデカン-16-イル)-6-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)ヘキサンアミド 14-A
N-((2S,10S)-10-ベンジル-2-(シクロプロピルメチル)-1-(((1S,9S)-9-エチル-5-フルオロ-9-ヒドロキシ-4-メチル-10,13-ジオキソ-2,3,9,10,13,15-ヘキサヒドロ-1H,12H-ベンゾ[デ]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-1-イル)アミノ)-1,6,9,12,15-ペンタオキソ-3-オキサ-5,8,11,14-テトラアザヘキサデカン-16-イル)-6-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)ヘキサンアミド 14-B
Figure 2020063676000066
ステップ1
ベンジル3-シクロプロピル-2-ヒドロキシプロパノエート 14a
12b(200mg、1.54mmol)を20mLのアセトニトリルに溶解し、次いで、炭酸カリウム(1.06g、7.68mmol)、臭化ベンジル(0.16mL、1.34mmol)およびヨウ化テトラブチルアンモニウム(28mg、0.07mmol)を連続して加えた。反応溶液を室温で48時間撹拌し、セライトを通してろ過した。ろ過ケークを酢酸エチル(10mL)ですすぎ、ろ液を合わせ、減圧濃縮した。得られた残留物を、展開溶媒系Cを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題生成物14a(140mg、収率41.3%)を得た。
ステップ2
ベンジル10-(シクロプロピルメチル)-1-(9H-フルオレン-9-イル)-3,6-ジオキソ-2,9-ジオキサ-4,7-ジアザウンデカン-11-オエート 14b
14a(94mg、0.427mmol)および8b(130mg、0.353mmol)を反応フラスコに添加し、続いて10mLのテトラヒドロフランを添加した。反応溶液をアルゴンで3回パージし、氷水浴中で0~5℃に冷却し、続いてカリウムtert-ブトキシド(79mg、0.704mmol)を添加した。氷水浴を取り除き、反応溶液を室温まで温め、10分間撹拌した。反応溶液に氷水20mLを加えた後、これを酢酸エチル(10mL×4)で抽出した。有機相を飽和塩化ナトリウム溶液(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を減圧濃縮した。得られた残留物を、展開溶媒系Cを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題生成物14b(50mg、収率26.8%)を得た。
MS m/z (ESI): 529.2 [M+1]。
ステップ3
10-(シクロプロピルメチル)-1-(9H-フルオレン-9-イル)-3,6-ジオキソ-2,9-ジオキサ-4,7-ジアザウンデカン-11-酸 14c
14b(27mg、0.051mmol)を3mLの酢酸エチルに溶解し、続いてパラジウム炭素(7mg、含有量:10%、乾燥)を添加した。反応溶液を水素で3回パージし、室温で1時間撹拌した。反応溶液をセライトでろ過し、ろ過ケークを酢酸エチルですすいだ。ろ液を濃縮して、粗表題生成物14c(23mg)を得て、これを精製せずに次のステップで直接使用した。
MS m/z (ESI): 439.1 [M+1]。
ステップ4
(9H-フルオレン-9-イル)メチル(2-((((3-シクロプロピル-1-(((1S,9S)-9-エチル-5-フルオロ-9-ヒドロキシ-4-メチル-10,13-ジオキソ-2,3,9,10,13,15-ヘキサヒドロ-1H,12H-ベンゾ[デ]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-1-イル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)オキシ)メチル)アミノ)-2-オキソエチル)カルバメート 14d
1b(22mg、42.38μmol)を反応フラスコに添加し、続いて3mLのN,N-ジメチルホルムアミドを添加した。溶液をアルゴンで3回パージし、氷水浴中で0~5℃に冷却した。トリエチルアミン(4.3mg、42.49μmol)を滴下し、次いで粗化合物14c(23mg、51.1μmol)および4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウムクロリド(17.6mg、63.6μmol)を加えた。反応溶液を氷浴中で40分間撹拌した。水15mLを加え、反応溶液を酢酸エチル(8mL×3)で抽出した。有機相を合わせた。有機相を飽和塩化ナトリウム溶液(15mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を減圧濃縮した。得られた残留物を、展開溶媒系Bを用いた薄層クロマトグラフィーによって精製して、表題生成物14d(29mg、収率79.9%)を得た。
MS m/z (ESI): 856.1[M+1]。
ステップ5
2-((2-アミノアセトアミド)メトキシ)-3-シクロプロピル-N-((1S,9S)-9-エチル-5-フルオロ-9-ヒドロキシ-4-メチル-10,13-ジオキソ-2,3,9,10,13,15-ヘキサヒドロ-1H,12H-ベンゾ[デ]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-1-イル)プロパンアミド 14e
14d(29mg、33.9μmol)を0.8mLのジクロロメタンに溶解し、続いて0.4mLのジエチルアミンを添加した。反応溶液を室温で1.5時間撹拌した。反応溶液を減圧濃縮した。1mLのトルエンを添加し、溶液を減圧濃縮し、これを2回繰り返した。残留物に3mLのn-ヘキサンを加えてパルプにし、しばらく放置した後、上清を注ぎ出し、これを3回繰り返した。残留物をオイルポンプにより乾固するまで減圧濃縮して、粗表題生成物14e(22mg)を得、これを精製せずに次のステップで直接使用した。
MS m/z (ESI): 634.1[M+1]。
ステップ6
N-((2R,10S)-10-ベンジル-2-(シクロプロピルメチル)-1-(((1S,9S)-9-エチル-5-フルオロ-9-ヒドロキシ-4-メチル-10,13-ジオキソ-2,3,9,10,13,15-ヘキサヒドロ-1H,12H-ベンゾ[デ]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-1-イル)アミノ)-1,6,9,12,15-ペンタオキソ-3-オキサ-5,8,11,14-テトラアザヘキサデカン-16-イル)-6-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)ヘキサンアミド 14-A
N-((2S,10S)-10-ベンジル-2-(シクロプロピルメチル)-1-(((1S,9S)-9-エチル-5-フルオロ-9-ヒドロキシ-4-メチル-10,13-ジオキソ-2,3,9,10,13,15-ヘキサヒドロ-1H,12H-ベンゾ[デ]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-1-イル)アミノ)-1,6,9,12,15-ペンタオキソ-3-オキサ-5,8,11,14-テトラアザヘキサデカン-16-イル)-6-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)ヘキサンアミド 14-B
粗化合物14e(22mg、33.9μmol)を2.5mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解した。溶液をアルゴンで3回パージし、氷水浴中で0~5℃に冷却した。8g(24mg、50.8μmol)および4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウムクロリド(14mg、50.6μmol)を連続して添加した。氷水浴を取り除き、反応溶液を室温まで温め、1時間撹拌して化合物14を得た。反応溶液を高速液体クロマトグラフィー(分離条件:カラム:XBridge Prep C18 OBD 5μm 19×250mm;移動層:A-水(10mmol NHOAc)、B-アセトニトリル、グラジエント溶出、流速:18mL/分)によって精製して、表題生成物(2mg、2mg)を得た。
MS m/z (ESI): 1088.4 [M+1]。
単一の立体配置を有する(より短い保持時間を有する)化合物:
UPLC分析:保持時間:1.18分、純度:88%(カラム:ACQUITY UPLC BEHC18 1.7μm 2.1×50mm、移動相:A-水(5mmol NHOAc)、B-アセトニトリル)。
単一の立体配置を有する(より長い保持時間を有する)化合物:
UPLC分析:保持時間:1.23分、純度:96%(カラム:ACQUITY UPLC BEHC18 1.7μm 2.1×50mm、移動相:A-水(5mmol NHOAc)、B-アセトニトリル)。
・実施例15
1-((S)-9-ベンジル-22-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)-5,8,11,14,17-ペンタオキソ-2-オキサ-4,7,10,13,16-ペンタアザドコシル)-N-((1S,9S)-9-エチル-5-フルオロ-9-ヒドロキシ-4-メチル-10,13-ジオキソ-2,3,9,10,13,15-ヘキサヒドロ-1H,12H-ベンゾ[デ]ピラノ[3,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-1-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド 15
Figure 2020063676000067
ステップ1
ベンジル1-(10-(9H-フルオレン-9-イル)-5,8-ジオキソ-2,9-ジオキサ-4,7-ジアザデシル)シクロプロパン-1-カルボキシレート 15b
8b(500mg、1.35mmol)を反応フラスコに添加し、続いて6mLのテトラヒドロフランを添加した。ベンジル1-ヒドロキシメチルシクロプロパン-1-カルボキシルレート15a(233mg、1.13mmol;特許出願「EP2862856A1」の記載の262頁の実施例22-2に開示された方法に従って調製)を反応フラスコに添加した。反応溶液をアルゴンで3回パージし、氷水浴中で0~5℃に冷却し、続いて水素化ナトリウム(54mg、1.35mmol)を添加した。氷水浴を取り除き、反応溶液を室温まで温め、40分間撹拌した。反応溶液を0℃に冷却し、これに20mLの氷水を加えた。溶液を酢酸エチル(5mL×2)およびクロロホルム(5mL×5)で抽出した。有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム溶液(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を減圧濃縮し、得られた残留物を、展開溶媒系Bを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題生成物15b(15mg、収率2.5%)を得た。
MS m/z (ESI): 515.2 [M+1]。
ステップ2
1-(10-(9H-フルオレン-9-イル)-5,8-ジオキソ-2,9-ジオキサ-4,7-ジアザデシル)シクロプロパン-1-カルボン酸 15c
15b(15mg、0.029mmol)を2mLの酢酸エチルに溶解し、続いてパラジウム炭素(3mg、含有量:10%、乾燥)を添加した。反応溶液を水素で3回パージし、室温で4.5時間撹拌した。反応溶液をセライトでろ過し、ろ過ケークを酢酸エチルですすいだ。ろ液を濃縮して、表題生成物15c(11mg、収率89%)を得た。
MS m/z (ESI): 425.2 [M+1]。
ステップ3
(9H-フルオレン-9-イル)メチル(2-((((1-(((1S,9S)-9-エチル-5-フルオロ-9-ヒドロキシ-4-メチル-10,13-ジオキソ-2,3,9,10,13,15-ヘキサヒドロ-1H,12H-ベンゾ[デ]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-1-イル)カルバモイル)シクロプロピル)メトキシ)メチル)アミノ)-2-オキソエチル)カルバメート 15d
1b(10mg、0.021mmol)を反応フラスコに添加し、続いて1mLのN,N-ジメチルホルムアミドを添加した。溶液をアルゴンで3回パージし、氷水浴中で0~5℃に冷却した。トリエチルアミン1滴、15c(11mg、0.026mmol)および4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウムクロリド(10.7mg、0.039mmol)を添加した。添加終了後、反応溶液を室温で60分間撹拌した。水10mLを加え、反応溶液を酢酸エチル(5mL×3)で抽出した。有機相を飽和塩化ナトリウム溶液(10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を減圧濃縮し、得られた残留物を、展開溶媒系Bを用いた薄層クロマトグラフィーによって精製して、表題生成物15d(19mg、収率87.0%)を得た。
MS m/z (ESI): 842.2 [M+1]。
ステップ4
1-(((2-アミノアセトアミド)メトキシ)メチル)-N-((1S,9S)-9-エチル-5-フルオロ-9-ヒドロキシ-4-メチル-10,13-ジオキソ-2,3,9,10,13,15-ヘキサヒドロ-1H,12H-ベンゾ[デ]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-1-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド 15e
15d(19mg、22.56μmol)を2mLのジクロロメタンに溶解し、続いて1mLのジエチルアミンを添加した。反応溶液を室温で1.5時間撹拌した。反応溶液を0℃で減圧濃縮した。トルエン1mLを加え、溶液を減圧濃縮し、これを2回繰り返した。3mLのn-ヘキサンをパルプに添加し、ヘキサンの上層を注ぎ、これを3回繰り返した。溶液を減圧濃縮して、粗表題生成物15e(13.9mg)を得、これを精製せずに次のステップで直接使用した。
MS m/z (ESI): 620.1 [M+1]。
ステップ5
1-((S)-9-ベンジル-22-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)-5,8,11,14,17-ペンタオキソ-2-オキサ-4,7,10,13,16-ペンタアザドコシル)-N-((1S,9S)-9-エチル-5-フルオロ-9-ヒドロキシ-4-メチル-10,13-ジオキソ-2,3,9,10,13,15-ヘキサヒドロ-1H,12H-ベンゾ[デ]ピラノ[3,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-1-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド 15
粗化合物15e(13.9mg、22.4μmol)を1mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解した。溶液をアルゴンで3回パージし、氷水浴中で0~5℃に冷却した。8g(15.8mg、33.4μmol)および4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウムクロリド(9.3mg、33.6μmol)を加えた。反応溶液を室温まで温め、60分間撹拌した。反応溶液を高速液体クロマトグラフィー(分離条件:カラム:XBridge Prep C18 OBD 5μm 19×250mm;移動層:A-水(10mmol NHOAc)、B-アセトニトリル、グラジエント溶出、流速:18mL/分)によって精製した。対応する画分を集め、減圧濃縮して、表題生成物15(2.5mg、収率10.3%)を得た。
MS m/z (ESI): 1074.2 [M+1]。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.51-8.37 (m, 1H), 8.22 (t, 1H), 8.14-8.02 (m, 2H), 8.011-7.94 (m, 1H), 7.82-7.73 (m, 1H), 7.29 (s, 1H), 7.26-7.10 (m, 3H), 6.98 (s, 1H), 6.53-6.47 (m, 1H), 5.62-5.50 (m, 1H), 5.45-5.36 (m, 1H), 5.35-5.23 (m, 2H), 5.13-5.02 (m, 2H), 4.61-4.50 (m, 2H), 4.42-4.28 (m, 2H), 3.76-3.61 (m, 3H), 3.60-3.45 (m, 3H), 3.27-3.23 (m, 1H), 3.20-2.81 (m,7H), 2.75-2.61 (m, 3H), 241-2.28 (m, 3H), 2.23-2.13 (m, 2H), 2.11-2.01 (m, 1H), 2.03-1.94 (m, 1H), 1.90 (s, 1H), 1.87-1.74 (m, 2H), 1.53-1.36 (m, 3H), 1.29-1.08 (m, 4H), 0.90-0.68 (m, 4H)。
・実施例16
1-((S)-9-ベンジル-22-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)-5,8,11,14,17-ペンタオキソ-2-オキサ-4,7,10,13,16-ペンタアザドコシル)-N-((1S,9S)-9-エチル-5-フルオロ-9-ヒドロキシ-4-メチル-10,13-ジオキソ-2,3,9,10,13,15-ヘキサヒドロ-1H,12H-ベンゾ[デ]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-1-イル)シクロブタン-1-カルボキサミド 16
Figure 2020063676000068
ステップ1
1-(ヒドロキシメチル)シクロブタン-1-カルボン酸 16b
エチル1-(ヒドロキシメチル)シクロブタンカルボキシレート16a(250mg、1.58mmol、供給元:Alfa)をメタノール(2mL)および水(1mL)に溶解し、続いて水酸化ナトリウム(126mg、3.15mmol)を加えた。反応溶液を40℃まで温め、3時間撹拌した。反応溶液を室温まで冷却し、減圧濃縮して有機溶媒を除去した。溶液をエーテル(10mL)で抽出し、水相を集めた。水相を6N塩酸水溶液でpH3~4に調整し、減圧濃縮して固体を得た。トルエン3mLを加え、溶液を減圧下で濃縮乾固し、これを3回繰り返した。残留物をオイルポンプで乾燥させて、粗表題生成物16b(206mg)を得、これを精製せずに次のステップで直接使用した。
MS m/z (ESI,NEG):129.2 [M-1]。
ステップ2
ベンジル1-(ヒドロキシメチル)シクロブタン-1-カルボキシレート 16c
粗化合物16b(206mg、1.58mmol)をアセトニトリル(15mL)に溶解し、続いて無水炭酸カリウム(1.09g、7.90mmol)、ヨウ化テトラブチルアンモニウム(29mg、78.51μmol)および臭化ベンジル(216mg、1.26mmol)を添加した。反応溶液を室温で一晩撹拌した。反応溶液をろ過し、ろ液を減圧濃縮した。得られた残留物を、展開溶媒系Cを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題生成物16c(112mg、収率32.1%)を得た。
MS m/z (ESI): 221.1 [M+1]。
ステップ3
ベンジル1-(10-(9H-フルオレン-9-イル)-5,8-ジオキソ-2,9-ジオキサ-4,7-ジアザデシル)シクロブタン-1-カルボキシレート 16d
16c(77mg、0.35mmol)および8b(100mg、0.27mmol)を反応フラスコに添加し、続いて3mLのテトラヒドロフランを添加した。反応溶液をアルゴンで3回パージし、氷水浴中で0~5℃に冷却し、続いてカリウムtert-ブトキシド(61mg、0.54mmol)を添加した。反応溶液を氷水浴中で10分間撹拌した。反応溶液に氷水20mLを加えた後、これを酢酸エチル(5mL)およびクロロホルム(5mL×5)で抽出した。有機相を合わせ、濃縮した。得られた残留物を3mLの1,4-ジオキサンに溶解した。水0.5mL、重炭酸ナトリウム(27mg、0.32mmol)および9-フルオレンメチルクロロホルメート(70mg、0.27mmol)を加え、反応溶液を室温で1時間撹拌した。水20mLを加え、反応溶液を酢酸エチル(10mL×3)で抽出した。有機相を飽和塩化ナトリウム溶液(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を減圧濃縮した。得られた残留物を、展開溶媒系Cを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題生成物16d(24mg、収率16.7%)を得た。
MS m/z (ESI): 551.3 [M+23]。
ステップ4
1-(10-(9H-フルオレン-9-イル)-5,8-ジオキソ-2,9-ジオキサ-4,7-ジアザデシル)シクロブタン-1-カルボン酸 16e
16d(12mg、22.7μmol)をテトラヒドロフランと酢酸エチルの混合溶媒(V:V=2:1)1.5mLに溶解した後、パラジウム炭素(5mg、含有量:10%)を添加した。反応溶液を水素で3回パージし、室温で2時間撹拌した。反応溶液をセライトでろ過し、ろ過ケークを酢酸エチルですすいだ。ろ液を減圧濃縮して、粗表題生成物16e(10mg)を得、これを精製せずに次のステップで直接使用した。
ステップ5
(9H-フルオレン-9-イル)メチル(2-((((1-(((1S,9S)-9-エチル-5-フルオロ-9-ヒドロキシ-4-メチル-10,13-ジオキソ-2,3,9,10,13,15-ヘキサヒドロ-1H,12H-ベンゾ[デ]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-1-イル)カルバモイル)シクロブチル)メトキシ)メチル)アミノ)-2-オキソエチル)カルバメート 16f
1b(7.5mg、0.014mmol)を反応フラスコに添加し、続いて1mLのN,N-ジメチルホルムアミドを添加した。溶液をアルゴンで3回パージし、氷水浴中で0~5℃に冷却した。トリエチルアミン1滴、0.5mLのN,N-ジメチルホルムアミド中の粗化合物16e(10mg)、および4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウムクロリド(6mg、0.026mmol)を添加し、反応溶液を氷浴中で30分間撹拌した。水10mLを加え、反応溶液を酢酸エチル(10mL×3)で抽出した。有機相を飽和塩化ナトリウム溶液(10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を減圧濃縮し、得られた残留物を、展開溶媒系Bを用いた薄層クロマトグラフィによって精製して、表題生成物16f(10.6mg、収率87.8%)を得た。
MS m/z (ESI): 856.2 [M+1]。
ステップ6
1-(((2-アミノアセトアミド)メトキシ)メチル)-N-((1S,9S)-9-エチル-5-フルオロ-9-ヒドロキシ-4-メチル-10,13-ジオキソ-2,3,9,10,13,15-ヘキサヒドロ-1H,12H-ベンゾ[デ]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-1-イル)シクロブタン-1-カルボキサミド 16g
16f(10.6mg、12.4μmol)を0.6mLのジクロロメタンに溶解し、続いて0.3mLのジエチルアミンを添加した。反応溶液を室温で2時間撹拌した。反応溶液を減圧濃縮した。2mLのトルエンを添加し、溶液を減圧濃縮し、これを2回繰り返した。3mLのn-ヘキサンをパルプに添加し、ヘキサンの上層を注ぎ、これを3回繰り返した。溶液を減圧濃縮して粗表題生成物16g(8mg)を得、これを精製せずに次のステップで直接使用した。
MS m/z (ESI): 634.1 [M+1]。
ステップ7
1-((S)-9-ベンジル-22-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)-5,8,11,14,17-ペンタオキソ-2-オキサ-4,7,10,13,16-ペンタアザドコシル)-N-((1S,9S)-9-エチル-5-フルオロ-9-ヒドロキシ-4-メチル-10,13-ジオキソ-2,3,9,10,13,15-ヘキサヒドロ-1H,12H-ベンゾ[デ]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-1-イル)シクロブタン-1-カルボキサミド 16
粗化合物16g(8mg)を1mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解した。8g(8.8mg、18.6μmol)および4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウムクロリド(5.2mg、18.8μmol)を加えた。反応溶液を室温で30分間撹拌した。反応液を高速液体クロマトグラフィー(分離条件:カラム:XBridge Prep C18 OBD 5μm 19×250mm;移動層:A-水(10mmol NHOAc)、B-アセトニトリル、グラジエント溶出、流速:18mL/分)によって精製して、表題生成物16(1.0mg、収率7.2%)を得た。
MS m/z (ESI): 1088.0 [M+1]。
・実施例17
(1r,4r)-N-((S)-7-ベンジル-1-(1-(((1S,9S)-9-エチル-5-フルオロ-9-ヒドロキシ-4-メチル-10,13-ジオキソ-2,3,9,10,13,15-ヘキサヒドロ-1H,12H-ベンゾ[デ]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-1-イル)カルバモイル)シクロプロポキシ)-3,6,9,12,15-ペンタオキソ-17,20,23,26,29,32,35,38,41-ノナオキサ-2,5,8,11,14-ペンタアザトリテトラコンタン-43-イル)-4-((2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)メチル)シクロヘキサン-1-カルボキサミド 17
Figure 2020063676000069
ステップ1
Tert-ブチル1-フェニル-2,5,8,11,14,17,20,23,26,29-デカオキサヘントリアコンタン-31-オエート 17b
1-フェニル-2,5,8,11,14,17,20,23,26-ノナオキサオクタコサン-28-オール 17a(0.34g、0.67mmol、供給元:Bide Pharmatech Ltd.)を10mLのジクロロメタンに溶解した後、酸化銀(0.24g、1.01mmol)、tert-ブチルブロモアセテート(0.16g、0.81mmol)およびヨウ化カリウム(0.07g、0.40mmol)を連続して加えた。反応溶液を室温で3時間撹拌した。反応溶液をろ過し、ろ液を減圧濃縮した。得られた残留物を、展開溶媒系Bを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題生成物17b(0.42g、収率100%)を得た。
MS m/z (ESI): 636.3 [M+18]。
ステップ2
Tert-ブチル29-ヒドロキシ-3,6,9,12,15,18,21,24,27-ノナオキサノナコサン-1-オエート 17c
17b(417mg、0.67mmol)を15mLのテトラヒドロフランに溶解し、続いてパラジウム炭素(110mg、含有量:10%、乾燥)を添加した。反応溶液を水素で3回パージし、60℃まで温め、3時間撹拌した。反応溶液をセライトでろ過し、ろ過ケークをテトラヒドロフランですすいだ。ろ液を濃縮して粗表題生成物17c(357mg)を得、これを精製せずに次のステップで直接使用した。
MS m/z (ESI): 546.2 [M+18]。
ステップ3
Tert-ブチル29-アジド-3,6,9,12,15,18,21,24,27-ノナオキサノナコサン-1-オエート 17d
17c(357mg、0.675mmol)を10mLのトルエンに溶解し、続いてジフェニルアジドホスフェート(279mg、1.014mmol)および1,8-ジアザビシクロウンデカ-7-エン(206mg、1.353mmol)を添加した。反応溶液をアルゴンで3回パージし、室温で2時間撹拌した後、105℃で19時間撹拌した。反応溶液を室温に冷却し、濃縮した。水20mLを加え、溶液を酢酸エチル(10mL×4)で抽出した。有機相を飽和塩化ナトリウム溶液(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を減圧濃縮した。得られた残留物を、展開溶媒系Bを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、粗表題生成物17d(412mg)を得た。
MS m/z (ESI): 571.3 [M+18]。
ステップ4
Tert-ブチル29-アミノ-3,6,9,12,15,18,21,24,27-ノナオキサノナコサン-1-オエート 17e
17d(230mg、0.415mmol)を8mLのテトラヒドロフランに溶解し、続いてパラジウム炭素(58mg、含有量:10%、乾燥)を添加した。反応溶液を水素で3回パージし、室温で2時間撹拌した。反応溶液をセライトでろ過し、ろ過ケークをテトラヒドロフランですすいだ。ろ液を濃縮して粗表題生成物17e(220mg)を得、これを精製せずに次のステップで直接使用した。
MS m/z (ESI): 528.2 [M+1]。
ステップ5
Tert-ブチル1-((1r,4r)-4-((2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)メチル)シクロヘキシル)-1-オキソ-5,8,11,14,17,20,23,26,29-ノナオキサ-2-アザヘントリアコンタン-31-オエート 17f
(1r,4r)-4-((2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)メチル)シクロヘキサン-1-カルボン酸(98.5mg、0.415mmol)をジクロロメタン10mLに溶解し、続いて2-(7-オキサベンゾトリアゾール)-N,N,N’,N’-テトラメチル尿素ヘキサフルオロホスフェート(190mg、0.500mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(162mg、1.253mmol)を添加した。反応溶液をアルゴンで3回パージした後、粗化合物17e(220mg、0.417mmol)を加えた。反応溶液を室温で1時間撹拌した。水15mLを加え、反応溶液をジクロロメタン(8mL×3)で抽出した。有機相を合わせた。有機相を飽和塩化ナトリウム溶液(15mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を減圧濃縮した。得られた残留物を、展開溶媒系Bを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題生成物17f(122mg、収率39.2%)を得た。
MS m/z (ESI): 747.2[M+1]。
ステップ6
1-((1r,4r)-4-((2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)メチル)シクロヘキシル)-1-オキソ-5,8,11,14,17,20,23,26,29-ノナオキサ-2-アザヘントリアコンタン-31-酸 17g
17f(122mg、0.163mmol)を0.8mLのジクロロメタンに溶解し、続いて0.4mLのトリフルオロ酢酸を添加した。反応溶液を室温で1時間撹拌した。ジクロロメタン15mLを加えて反応溶液を希釈した後、減圧濃縮した。10mLのn-ヘキサンを添加し、溶液を減圧濃縮し、これを2回繰り返した。10mLのトルエンを添加し、溶液を減圧濃縮した。n-ヘキサン:エーテル=5:1の混合溶媒10mLをパルプに添加し、これをpHが7に近づくまで3回繰り返した。溶液をオイルポンプにより乾固するまで濃縮して、表題生成物17g(98mg、収率86.8%)を得た。
MS m/z (ESI): 691.2[M+1]。
ステップ7
2,4-ジメトキシベンジル1-((2-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)アセトアミド)メトキシ)シクロプロパン-1-カルボキシレート 17h
8d(164mg、0.40mmol)をジクロロメタン(5mL)に溶解し、次いで、2,4-ジメトキシベンジルアルコール(81mg、0.48mmol)、1-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(115mg、0.60mmol)および4-ジメチルアミノピリジン(5mg、0.041mmol)を添加した。添加終了後、反応溶液を室温で1時間撹拌した。水20mLを加え、振とうした後、溶液を分配した。水相をジクロロメタン(8mL×3)で抽出し、有機相を合わせた。有機相を飽和塩化ナトリウム溶液(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を減圧濃縮した。得られた残留物を、展開溶媒系Cを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題生成物17h(124mg、収率55.4%)を得た。
MS m/z (ESI): 583.1[M+23]。
ステップ8
2,4-ジメトキシベンジル(S)-1-((11-ベンジル-1-(9H-フルオレン-9-イル)-3,6,9,12,15-ペンタオキソ-2-オキサ-4,7,10,13,16-ペンタアザヘプタデカン-17-イル)オキシ)シクロプロパン-1-カルボキシレート 17j
17h(39mg、69.6μmol)を0.6mLのジクロロメタンに溶解し、続いて0.3mLのジエチルアミンを添加した。反応溶液を室温で1時間撹拌した。反応溶液を減圧濃縮した。2mLのトルエンを添加し、溶液を減圧濃縮し、これを2回繰り返した。3mLのn-ヘキサンをパルプに添加し、ヘキサンの上層を注ぎ、これを3回繰り返した。溶液を減圧濃縮した。得られた粗生成物を2mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解し、続いて(((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)グリシルグリシル-L-フェニルアラニン17i(35mg、69.8μmol、特許出願「CN108853514A」の記載の13頁の実施例7-12に開示された方法に従って調製)および4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウムクロリド(23mg、83.1μmol)を添加した。反応溶液を室温で1時間撹拌した。水10mLを加え、溶液を酢酸エチル(10mL×3)で抽出した。有機相を合わせた。有機相を飽和塩化ナトリウム溶液(10mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を減圧濃縮した。得られた残留物を、展開溶媒系Bを用いた薄層クロマトグラフィーによって精製して、表題生成物17j(48mg、収率83.9%)を得た。
MS m/z (ESI): 822.0[M+1]。
ステップ9
(S)-1-((11-ベンジル-1-(9H-フルオレン-9-イル)-3,6,9,12,15-ペンタオキソ-2-オキサ-4,7,10,13,16-ペンタアザヘプタデカン-17-イル)オキシ)シクロプロパン-1-カルボン酸 17k
17j(48mg、58.4μmol)をジクロロメタン中の3%(v/v)ジクロロ酢酸1.4mLに溶解し、溶液を氷水浴中で0~5℃に冷却した。トリエチルシラン(21mg、180.6μmol)を加え、反応溶液を氷浴中で3時間撹拌した。反応溶液を氷浴中で減圧濃縮し、有機溶媒の半分を除去した。5mLのエーテルを加え、溶液を自然に室温まで温め、パルプ化した。白色の固体を沈殿させ、ろ過した。ろ過ケークを集め、オイルポンプで乾燥させて、表題生成物17k(33mg、収率84.1%)を得た。
ステップ10
(9H-フルオレン-9-イル)メチル((S)-7-ベンジル-1-(1-(((1S,9S)-9-エチル-5-フルオロ-9-ヒドロキシ-4-メチル-10,13-ジオキソ-2,3,9,10,13,15-ヘキサヒドロ-1H,12H-ベンゾ[デ]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-1-イル)カルバモイル)シクロプロポキシ)-3,6,9,12-テトラオキソ-2,5,8,11-テトラアザトリデカン-13-イル)カルバメート 17l
1b(20mg、42.4μmol)を反応フラスコに添加し、続いてジクロロメタン中の10%(v/v)メタノール1mLを添加した。溶液をアルゴンで3回パージし、氷水浴中で0~5℃に冷却した。トリエチルアミン1滴を加え、反応溶液を1bが溶解するまで撹拌した。17k(33mg、49.1μmol)をジクロロメタン中の10%(v/v)メタノール1mLに溶解した。得られた溶液を上記の反応溶液に滴下し、続いて4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウムクロリド(17.6mg、63.6μmol)を添加した。反応溶液を室温まで温め、1時間撹拌した。10mLのジクロロメタンと5mLの水を加え、溶液を5分間撹拌し、分配するために放置した。有機相を集めた。水相をジクロロメタン(10mL×3)で抽出し、有機相を合わせた。有機相を飽和塩化ナトリウム溶液(10mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を減圧濃縮した。得られた残留物を、展開溶媒系Bを用いた薄層クロマトグラフィーによって精製して、表題生成物17l(37mg、収率80.2%)を得た。
MS m/z (ESI): 1090.1[M+1]。
ステップ11
(1r,4r)-N-((S)-7-ベンジル-1-(1-(((1S,9S)-9-エチル-5-フルオロ-9-ヒドロキシ-4-メチル-10,13-ジオキソ-2,3,9,10,13,15-ヘキサヒドロ-1H,12H-ベンゾ[デ]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-1-イル)カルバモイル)シクロプロポキシ)-3,6,9,12,15-ペンタオキソ-17,20,23,26,29,32,35,38,41-ノナオキサ-2,5,8,11,14-ペンタアザトリテトラコンタン-43-イル)-4-((2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)メチル)シクロヘキサン-1-カルボキサミド 17
17l(15.5mg、14.23μmol)を0.6mLのジクロロメタンに溶解し、続いて0.3mLのジエチルアミンを添加した。反応溶液を室温で1.5時間撹拌した。反応溶液を減圧濃縮した。2mLのトルエンを添加し、溶液を減圧濃縮し、これを2回繰り返した。3mLのn-ヘキサンをパルプに添加し、ヘキサンの上層を注ぎ、これを3回繰り返した。溶液を減圧濃縮し、オイルポンプにより乾燥させた。得られた粗生成物を1mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解した。17g(11mg、15.92μmol)および4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウムクロリド(6.0mg、21.68μmol)を加えた。反応溶液をアルゴンで3回パージし、室温で30分間撹拌した。反応溶液を高速液体クロマトグラフィー(分離条件:カラム:XBridge Prep C18 OBD 5μm 19×250mm;移動層:A-水(10mmol NHOAc)、B-アセトニトリル、グラジエント溶出、流速:18mL/分)によって精製した。対応する画分を集め、減圧濃縮して、表題生成物17(16mg、収率27.4%)を得た。
MS m/z (ESI): 1556.4 [M+18]。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.98 (d, 1H), 8.76 (s, 1H), 8.20 (br, 1H), 8.12-7.95 (m, 3H), 7.93-7.76 (m, 2H), 7.75-7.66 (m, 2H), 7.24 (s, 1H), 7.20-7.05 (m, 6H), 6.97 (s, 1H), 6.64 (br, 1H), 6.55 (d, 1H), 6.47 (s, 1H), 5.61-5.52 (m, 2H), 5.37 (s, 1H), 5.33-5.23 (m, 2H), 5.18 (s, 1H), 5.13 (s, 1H), 5.05 (s, 1H), 5.00 (s, 1H), 4.65-4.55 (m, 2H), 4.53-4.45 (m, 1H), 4.38-4.28 (m, 2H), 3.84 (s, 2H), 3.67 (d, 3H), 3.60-3.40 (m, 33H), 3.18 (d, 1H), 3.15-3.08 (m, 3H), 2.28 (s, 3H), 2.00-1.92 (m, 3H), 1.85 (s, 2H), 1.82-1.73 (m, 2H), 1.68-1.52 (m, 4H), 1.29-1.15 (m, 3H), 0.86-0.76 (m, 5H)。
・実施例18
(1r,4r)-N-((2R,10S)-10-ベンジル-2-シクロプロピル-1-(((1S,9S)-9-エチル-5-フルオロ-9-ヒドロキシ-4-メチル-10,13-ジオキソ-2,3,9,10,13,15-ヘキサヒドロ-1H,12H-ベンゾ[デ]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-1-イル)アミノ)-1,6,9,12,15,18-ヘキサオキソ-3,20,23,26,29,32,35,38,41,44-デカオキサ-5,8,11,14,17-ペンタアザヘキサテトラコンタン-46-イル)-4-((2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)メチル)シクロヘキサン-1-カルボキサミド 18
Figure 2020063676000070
ステップ1
ベンジル(R)-2-シクロプロピル-2-ヒドロキシアセテート 18a
ベンジル(S)-2-シクロプロピル-2-ヒドロキシアセテート 18b
2a(7.4g、63.7mmol)を200mLのアセトニトリルに溶解し、次いで炭酸カリウム(35g、253.6mmol)、臭化ベンジル(9.3g、54.4mmol)およびヨウ化テトラブチルアンモニウム(500mg、1.36mmol)を連続して添加した。反応溶液を室温で16時間撹拌し、セライトを通してろ過した。ろ過ケークを酢酸エチル(10mL)ですすぎ、ろ液を合わせ、減圧濃縮した。得られた残留物4.1gを、展開溶媒系Cを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製した。キラル分離をさらに行い、表題生成物18a(1.1g)および18b(1.2g)を得た。
ステップ2
ベンジル(R)-10-シクロプロピル-1-(9H-フルオレン-9-イル)-3,6-ジオキソ-2,9-ジオキサ-4,7-ジアザウンデカン-11-オエート 18c
8b(3.1g、8.41mmol)をテトラヒドロフラン(55mL)に溶解し、続いて18a(2.0g、9.70mmol)を添加した。反応溶液を氷水浴中で0~5℃に冷却し、続いてカリウムtert-ブトキシド(1.89g、16.84mmol)を添加した。反応溶液を氷水浴中で10分間撹拌した。酢酸エチル(30mL)および水(20mL)を加え、溶液を分配するために放置した。水相をクロロホルム(30mL×5)で抽出し、有機相を合わせた。有機相を減圧濃縮し、得られた残留物を1,4-ジオキサン(32mL)および水(8mL)に溶解した。炭酸ナトリウム(1.78g、16.79mmol)および9-フルオレンメチルクロロホルメート(2.18g、8.42mmol)を加え、反応溶液を室温で2時間撹拌した。反応溶液に水(30mL)を加え、これを酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。有機相を合わせた。有機相を飽和塩化ナトリウム溶液(30mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を減圧濃縮した。得られた残留物を、展開溶媒系Cを用いたカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題生成物18c(1.3g、収率30.0%)を得た。
MS m/z (ESI): 515.2[M+1]。
ステップ3
(R)-10-シクロプロピル-1-(9H-フルオレン-9-イル)-3,6-ジオキソ-2,9-ジオキサ-4,7-ジアザウンデカン-11-酸 18d
18c(1.29g、2.51mmol)を酢酸エチル(15mL)に溶解し、続いてパラジウム炭素(260mg、含有量:10%、乾燥)を添加した。反応溶液を水素で3回パージし、室温で5時間撹拌した。反応溶液をセライトでろ過し、ろ過ケークを酢酸エチル(20mL)およびメタノール(20mL)ですすいだ。ろ液を濃縮して粗表題生成物18d(980mg)を得、これを精製せずに次のステップで直接使用した。
MS m/z (ESI): 425.1 [M+1]。
ステップ4
2,4-ジメトキシベンジル(R)-10-シクロプロピル-1-(9H-フルオレン-9-イル)-3,6-ジオキソ-2,9-ジオキサ-4,7-ジアザウンデカン-11-オエート 18e
粗化合物18d(980mg、2.31mmol)をジクロロメタン(15mL)に溶解し、次いで2,4-ジメトキシベンジルアルコール(777mg、4.62mmol)、1-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(664mg、3.46mmol)および4-ジメチルアミノピリジン(28mg、0.23mmol)を加えた。反応溶液を室温で1時間撹拌した。反応溶液を減圧濃縮し、有機溶媒を除去した。水20mLを加え、溶液を酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。有機相を合わせた。有機相を飽和塩化ナトリウム溶液(30mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を減圧濃縮した。得られた残留物を、展開溶媒系Cを用いたカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題生成物18e(810mg、収率61.1%)を得た。
MS m/z (ESI): 575.0[M+1]。
ステップ5
2,4-ジメトキシベンジル(R)-2-((2-アミノアセトアミド)メトキシ)-2-シクロプロピルアセテート 18f
18e(33mg、57.4μmol)を0.6mLのジクロロメタンに溶解し、続いて0.3mLのジエチルアミンを添加した。反応溶液を室温で1時間撹拌した。反応溶液を減圧濃縮した。2mLのトルエンを添加し、溶液を減圧濃縮し、これを2回繰り返した。3mLのn-ヘキサンをパルプに添加し、ヘキサンの上層を注ぎ、これを3回繰り返した。溶液を減圧濃縮して粗表題生成物18f(21mg)を得、これを精製せずに次のステップで直接使用した。
ステップ6
2,4-ジメトキシベンジル(11S,19R)-11-ベンジル-19-シクロプロピル-1-(9H-フルオレン-9-イル)-3,6,9,12,15-ペンタオキソ-2,18-ジオキサ-4,7,10,13,16-ペンタアザイコサン-20-オエート 18g
粗化合物18f(21mg、57.4μmol)を3mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解した。17i(29mg、57.8μmol)および4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウムクロリド(19mg、68.7μmol)を加えた。反応溶液を室温で1時間撹拌した。水10mLを加え、反応溶液を酢酸エチル(10mL×3)で抽出した。有機相を合わせた。有機相を飽和塩化ナトリウム溶液(10mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を減圧濃縮した。得られた残留物を、展開溶媒系Bを用いた薄層クロマトグラフィーによって精製して、表題生成物18g(37mg、収率77.1%)を得た。
MS m/z (ESI): 853.0[M+18]。
ステップ7
(11S,19R)-11-ベンジル-19-シクロプロピル-1-(9H-フルオレン-9-イル)-3,6,9,12,15-ペンタオキソ-2,18-ジオキサ-4,7,10,13,16-ペンタアザイコサン-20-酸 18h
18g(37mg、44.3μmol)をジクロロメタン中の3%(v/v)ジクロロ酢酸1.4mLに溶解し、溶液を氷水浴中で0~5℃に冷却した。トリエチルシラン(15.4mg、132.4μmol)を加え、反応溶液を氷浴中で3時間撹拌した。反応溶液を氷浴中で減圧濃縮し、有機溶媒の半分を除去した。5mLのエーテルを加え、溶液を自然に室温まで温め、パルプ化した。白色の固体を沈殿させ、ろ過した。ろ過ケークを集め、オイルポンプで乾燥させて、表題生成物18h(24mg、収率79.1%)を得た。
MS m/z (ESI): 708.2[M+23]。
ステップ8
(9H-フルオレン-9-イル)メチル((2R,10S)-10-ベンジル-2-シクロプロピル-1-(((1S,9S)-9-エチル-5-フルオロ-9-ヒドロキシ-4-メチル-10,13-ジオキソ-2,3,9,10,13,15-ヘキサヒドロ-1H,12H-ベンゾ[デ]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-1-イル)アミノ)-1,6,9,12,15-ペンタオキソ-3-オキサ-5,8,11,14-テトラアザヘキサデカン-16-イル)カルバメート 18i
1b(30mg、63.6μmol)を反応フラスコに添加し、続いてジクロロメタン中の10%(v/v)メタノール1mLを添加した。溶液をアルゴンで3回パージし、氷水浴中で0~5℃に冷却した。トリエチルアミン1滴を加え、反応溶液を1bが溶解するまで撹拌した。18h(65mg、94.8μmol)をジクロロメタン中の10%(v/v)メタノール1mLに溶解し、得られた溶液を上記の反応溶液に滴下した後、4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウムクロリド(27mg、97.6μmol)を添加した。反応溶液を室温まで温め、1時間撹拌した。10mLのジクロロメタンと5mLの水を加え、溶液を5分間撹拌し、分配するために放置した。有機相を集めた。水相をジクロロメタン(10mL×3)で抽出し、有機相を合わせた。有機相を飽和塩化ナトリウム溶液(10mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を減圧濃縮した。得られた残留物を、展開溶媒系Bを用いた薄層クロマトグラフィーによって精製して、表題生成物18i(25mg、収率35.6%)を得た。
MS m/z (ESI): 1104.4[M+1]。
ステップ9
(S)-2-(2-(2-アミノアセトアミド)アセトアミド)-N-(2-((((R)-1-シクロプロピル-2-(((1S,9S)-9-エチル-5-フルオロ-9-ヒドロキシ-4-メチル-10,13-ジオキソ-2,3,9,10,13,15-ヘキサヒドロ-1H,12H-ベンゾ[デ]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-1-イル)アミノ)-2-オキソエトキシ)メチル)アミノ)-2-オキソエチル)-3-フェニルプロパンアミド 18j
18i(12mg、10.9μmol)を0.6mLのジクロロメタンに溶解し、続いて0.3mLのジエチルアミンを添加した。反応溶液を室温で1.5時間撹拌した。反応溶液を減圧濃縮した。2mLのトルエンを添加し、溶液を減圧濃縮し、これを2回繰り返した。3mLのn-ヘキサンをパルプに添加し、ヘキサンの上層を注ぎ、これを3回繰り返した。溶液を減圧濃縮して、粗表題生成物18j(10mg)を得、これを精製せずに次のステップで直接使用した。
MS m/z (ESI): 881.0 [M+1]。
ステップ10
(1r,4r)-N-((2R,10S)-10-ベンジル-2-シクロプロピル-1-(((1S,9S)-9-エチル-5-フルオロ-9-ヒドロキシ-4-メチル-10,13-ジオキソ-2,3,9,10,13,15-ヘキサヒドロ-1H,12H-ベンゾ[デ]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-1-イル)アミノ)-1,6,9,12,15,18-ヘキサオキソ-3,20,23,26,29,32,35,38,41,44-デカオキサ-5,8,11,14,17-ペンタアザヘキサテトラコンタン-46-イル)-4-((2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)メチル)シクロヘキサン-1-カルボキサミド 18
粗化合物18j(10mg)を1mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解した。17g(8.5mg、12.3μmol)および4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウムクロリド(4.6mg、16.6μmol)を加えた。反応溶液を室温で30分間撹拌した。反応溶液をろ過し、高速液体クロマトグラフィー(分離条件:カラム:XBridge Prep C18 OBD 5μm 19×250mm;移動層:A-水(10mmol NHOAc)、B-アセトニトリル、グラジエント溶出、流速:18mL/分)によって精製した。対応する画分を集め、減圧濃縮して、表題生成物18(9.5mg、収率56.2%)を得た。
MS m/z (ESI): 1570.2 [M+18]。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.77 (d, 1H), 8.59-8.55 (m, 1H), 8.42 (d, 1H), 8.37-8.28 (m, 1H), 8.25-8.06 (m, 2H), 7.96-7.86 (m, 1H), 7.86-7.70 (m, 2H), 7.32-7.28 (m, 1H), 7.25-7.14 (m, 3H), 6.67 (m, 1H), 5.96 (s, 1H), 5.80-5.72 (m, 1H), 5.62-5.52 (m, 2H), 5.43-5.30 (m, 3H), 5.28-5.17 (m, 2H), 5.12-5.08 (m, 1H), 4.72-4.35 (m, 8H), 3.95-3.70 (m, 13H), 3.35-3.22 (m, 14H), 2.42-2.32 (m, 3H), 2.05-1.98 (m, 4H), 1.88-1.82 (m, 12H), 1.47-1.39 (m, 3H), 1.32-1.18 (m, 11H), 0.90-0.80 (m, 4H), 0.52-0.37 (m, 3H), 0.32-0.18 (m, 2H)。
・実施例19
(1r,4r)-N-((2S,10S)-10-ベンジル-2-シクロプロピル-1-(((1S,9S)-9-エチル-5-フルオロ-9-ヒドロキシ-4-メチル-10,13-ジオキソ-2,3,9,10,13,15-ヘキサヒドロ-1H,12H-ベンゾ[デ]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-1-イル)アミノ)-1,6,9,12,15,18-ヘキサオキソ-3,20,23,26,29,32,35,38,41,44-デカオキサ-5,8,11,14,17-ペンタアザヘキサテトラコンタン-46-イル)-4-((2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)メチル)シクロヘキサン-1-カルボキサミド 19
Figure 2020063676000071
ステップ1
ベンジル(S)-10-シクロプロピル-1-(9H-フルオレン-9-イル)-3,6-ジオキソ-2,9-ジオキサ-4,7-ジアザウンデカン-11-オエート 19a
18b(252mg、1.22mmol)を反応フラスコに添加し、続いて4mLのジクロロメタンを添加した。反応溶液をアルゴンで3回パージし、氷水浴中で0~5℃に冷却し、続いてリチウムtert-ブトキシド(98mg、1.22mmol)を添加した。反応溶液を氷水浴中で15分間撹拌したところ透明になった。8b(300mg、814.3μmol)を加え、反応溶液を氷水浴中で2.5時間撹拌した。水(10mL)を加え、溶液を分配させた。水相をジクロロメタン(8mL×2)で抽出した。有機相を合わせ、水(10mL×1)および飽和ブライン(10mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を濃縮して、粗生成物を得た。得られた残留物を、展開溶媒系Cを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題生成物19a(282mg、収率67.2%)を得た。
ステップ2
(S)-10-シクロプロピル-1-(9H-フルオレン-9-イル)-3,6-ジオキソ-2,9-ジオキサ-4,7-ジアザウンデカン-11-酸 19b
19a(280mg、0.554mmol)を8mLの酢酸エチルに溶解し、続いてパラジウム炭素(84mg、含有量:10%、乾燥)を添加した。反応溶液を水素で3回パージし、室温で3時間撹拌した。反応溶液をセライトでろ過し、ろ過ケークを酢酸エチルですすいだ。ろ液を濃縮して粗表題生成物19b(230mg)を得、これを精製せずに次のステップで直接使用した。
ステップ3
2,4-ジメトキシベンジル(S)-10-シクロプロピル-1-(9H-フルオレン-9-イル)-3,6-ジオキソ-2,9-ジオキサ-4,7-ジアザウンデカン-11-オエート 19c
粗化合物19b(230mg、541.8μmol)を7mLのジクロロメタンに溶解し、次いで、2,4-ジメトキシベンジルアルコール(136.7mg、812.7μmol)、1-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(155mg、808.5μmol)および4-ジメチルアミノピリジン(6.6mg、53.5μmol)を連続して添加した。反応溶液を室温で16時間撹拌した。反応溶液を10mLのジクロロメタンで希釈し、水(10mL×1)および飽和ブライン(10mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を濃縮して、粗生成物を得た。得られた残留物を、展開溶媒系Bを用いた薄層クロマトグラフィによって精製して、表題生成物19c(159mg、収率51.0%)を得た。
ステップ4
2,4-ジメトキシベンジル(S)-2-((2-アミノアセトアミド)メトキシ)-2-シクロプロピルアセテート 19d
19c(60mg、104.4μmol)を1mLのジクロロメタンに溶解し、続いて0.5mLのジエチルアミンを添加した。反応溶液を室温で1時間撹拌した。反応溶液を減圧濃縮した。2mLのトルエンを添加し、溶液を減圧濃縮し、これを2回繰り返した。3mLのn-ヘキサンをパルプに添加し、ヘキサンの上層を注ぎ、これを3回繰り返した。溶液を減圧濃縮して粗表題生成物19d(21mg)を得、これを精製せずに次のステップで直接使用した。
ステップ5
2,4-ジメトキシベンジル(11S,19S)-11-ベンジル-19-シクロプロピル-1-(9H-フルオレン-9-イル)-3,6,9,12,15-ペンタオキソ-2,18-ジオキサ-4,7,10,13,16-ペンタアザイコサン-20-オエート 19e
粗化合物19d(36mg、102.2μmol)を4mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解した。17i(52mg、103.6μmol)および4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウムクロリド(34.6mg、125.0μmol)を加えた。反応溶液を室温で1時間撹拌した。水10mLを加え、反応溶液を酢酸エチル(10mL×3)で抽出した。有機相を合わせた。有機相を飽和塩化ナトリウム溶液(10mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を減圧濃縮した。得られた残留物を、展開溶媒系Bを用いた薄層クロマトグラフィーによって精製して、表題生成物19e(70mg、収率80.2%)を得た。
ステップ6
(11S,19S)-11-ベンジル-19-シクロプロピル-1-(9H-フルオレン-9-イル)-3,6,9,12,15-ペンタオキソ-2,18-ジオキサ-4,7,10,13,16-ペンタアザイコサン-20-酸 19f
19e(70mg、83.7μmol)をジクロロメタン中の3%(v/v)ジクロロ酢酸2.5mLに溶解し、溶液を氷水浴中で0~5℃に冷却した。トリエチルシラン(29mg、249.4μmol)を加え、反応溶液を氷浴中で3時間撹拌した。反応溶液を氷浴中で減圧濃縮し、有機溶媒の半分を除去した。エーテル5mLを加え、溶液を自然に室温まで温め、パルプ化した。白色の固体を沈殿させ、ろ過した。ろ過ケークを集め、オイルポンプで乾燥させて、表題生成物19f(57mg、収率99.2%)を得た。
ステップ7
(9H-フルオレン-9-イル)メチル((2S,10S)-10-ベンジル-2-シクロプロピル-1-(((1S,9S)-9-エチル-5-フルオロ-9-ヒドロキシ-4-メチル-10,13-ジオキソ-2,3,9,10,13,15-ヘキサヒドロ-1H,12H-ベンゾ[デ]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-1-イル)アミノ)-1,6,9,12,15-ペンタオキソ-3-オキサ-5,8,11,14-テトラアザヘキサデカン-16-イル)カルバメート 19g
1b(30mg、63.6μmol)を反応フラスコに添加し、続いてジクロロメタン中の10%(v/v)メタノール1mLを添加した。溶液をアルゴンで3回パージし、氷水浴中で0~5℃に冷却した。トリエチルアミン1滴を加え、反応溶液を1bが溶解するまで撹拌した。19f(57mg、83.1μmol)をジクロロメタン中の10%(v/v)メタノール1mLに溶解し、得られた溶液を上記の反応溶液に滴下した後、4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウムクロリド(26mg、93.9μmol)を添加した。反応溶液を室温まで温め、1時間撹拌した。10mLのジクロロメタンと5mLの水を加え、溶液を5分間撹拌し、分配するために放置した。有機相を集めた。水相をジクロロメタン(10mL×3)で抽出し、有機相を合わせた。有機相を飽和塩化ナトリウム溶液(10mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を減圧濃縮した。得られた残留物を、展開溶媒系Bを用いた薄層クロマトグラフィーによって精製して、表題生成物19g(56mg、収率79.8%)を得た。
MS m/z (ESI): 1103.1[M+1]。
ステップ8
(S)-2-(2-(2-アミノアセトアミド)アセトアミド)-N-(2-((((S)-1-シクロプロピル-2-(((1S,9S)-9-エチル-5-フルオロ-9-ヒドロキシ-4-メチル-10,13-ジオキソ-2,3,9,10,13,15-ヘキサヒドロ-1H,12H-ベンゾ[デ]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-1-イル)アミノ)-2-オキソエトキシ)メチル)アミノ)-2-オキソエチル)-3-フェニルプロパンアミド 19h
19g(4.6mg、4.16μmol)を1.5mLのジクロロメタンに溶解し、続いて0.75mLのジエチルアミンを添加した。反応溶液を室温で1.6時間撹拌した。反応溶液を減圧濃縮した。2mLのトルエンを添加し、溶液を減圧濃縮し、これを2回繰り返した。3mLのn-ヘキサンをパルプに添加し、ヘキサンの上層を注ぎ、これを3回繰り返した。溶液を減圧濃縮して、粗表題生成物19h(4.0mg)を得、これを精製せずに次のステップで直接使用した。
ステップ9
(1r,4r)-N-((2S,10S)-10-ベンジル-2-シクロプロピル-1-(((1S,9S)-9-エチル-5-フルオロ-9-ヒドロキシ-4-メチル-10,13-ジオキソ-2,3,9,10,13,15-ヘキサヒドロ-1H、12H-ベンゾ[デ]ピラノ[3’,4’:6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-1-イル)アミノ)-1,6,9,12,15,18-ヘキサオキソ-3,20,23,26,29,32,35,38,41,44-デカオキサ-5,8,11,14,17-ペンタアザヘキサテトラコンタン-46-イル)-4-((2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)メチル)シクロヘキサン-1-カルボキサミド 19
粗化合物19h(4.0mg)を1mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解した。17g(2.9mg、4.2μmol)および4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウムクロリド(1.5mg、5.4μmol)を加えた。反応溶液を室温で40分間撹拌した。反応溶液をろ過し、高速液体クロマトグラフィー(分離条件:カラム:XBridge Prep C18 OBD 5μm 19×250mm;移動層:A-水(10mmol NHOAc)、B-アセトニトリル、グラジエント溶出、流速:18mL/分)によって精製した。対応する画分を集め、減圧濃縮して、表題生成物19(2.1mg、収率32.4%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.71-8.62 (m, 1H), 8.59-8.51 (m, 1H), 8.34-8.26 (m, 1H), 8.14-8.02 (m, 2H), 7.95-7.86 (m, 1H), 7.83-7.69 (m, 2H), 7.35-7.31 (m, 1H), 7.29-7.11 (m, 3H), 7.01 (s, 1H), 6.72-6.50 (m, 3H), 5.59-5.50 (m, 2H), 5.42 (s, 2H), 5.38-5.18 (m, 3H), 4.79-4.69 (m, 2H), 4.61-4.42 (m, 3H), 3.91 (s, 2H), 3.79-3.65 (m, 4H), 3.63-3.44 (m, 13H), 3.41-3.30 (m, 2H), 3.26-3.09 (m, 5H), 3.08-2.84 (m, 4H), 2.81-2.64 (m, 3H), 2.42-2.28 (m, 3H), 2.24-2.12 (m, 2H), 2.05-1.93 (m, 4H), 1.89-1.77 (m, 2H), 1.72-1.56 (m, 3H), 1.53-1.38 (m, 3H), 1.34-1.10 (m, 11H), 0.94-0.78 (m, 5H), 0.52-0.35 (m, 3H)。
・実施例20(参照例)
Figure 2020063676000072
表題化合物20は、特許出願CN104755494Aの記載の163頁の実施例58に開示された方法に基づいて調製された。
以下の抗体は、従来の方法(例えば、ベクター構築、HEK293細胞(Life Technologies、カタログ番号11625019)トランスフェクションなどの真核細胞トランスフェクション、精製および発現)に従って調製された。
以下が、トラスツズマブ(Trastuzumab)の配列である:
Figure 2020063676000073

Figure 2020063676000074
以下が、ペルツズマブ(Pertuzumab)の配列である:
Figure 2020063676000075
Figure 2020063676000076
以下が、B7H3抗体1F9DSの配列である:
Figure 2020063676000077
Figure 2020063676000078
・実施例21 ADC-1
Figure 2020063676000079
トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィンの配合水溶液(10mM、0.082mL、0.82μmol)を、抗体トラスツズマブのPBS緩衝水溶液(pH=6.5の0.05M PBS緩衝水溶液;2.5ml、9.96mg/ml、0.168μmol)に37℃で加えた。反応溶液を水浴振とう機に入れ、37℃で3時間振とうした後、反応を停止させた。反応溶液を水浴中で25℃に冷却し、5.0mg/mlに希釈した。次の反応のために2.0mlの溶液を採取した。
化合物10(より短い保持時間を有する化合物)(2.1mg,2.02μmol)を0.10mLのDMSOに溶解し、次いで、2.0mLの上記溶液に加えた。反応溶液を水浴振とう機に入れ、25℃で3時間振とうした後、反応を停止させた。反応溶液をSephadex G25ゲルカラム(溶出相:0.001M EDTAを含有するpH=6.5の0.05M PBS緩衝水溶液)で脱塩および精製して、式FADC-1の例示的生成物ADC-1のPBS緩衝溶液(5.0mg/mL、1.1mL)を得、これを4℃で保存した。
UV-HPLCにより計算した平均値:n=5.09。
・実施例22 ADC-2
Figure 2020063676000080
トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィンの配合水溶液(10mM、0.082mL、0.82μmol)を、抗体トラスツズマブのPBS緩衝水溶液(pH=6.5の0.05M PBS緩衝水溶液;2.5ml、9.96mg/ml、0.168μmol)に37℃で加えた。反応溶液を水浴振とう機に入れ、37℃で3時間振とうした後、反応を停止させた。反応溶液を水浴中で25℃に冷却し、5.0mg/mlに希釈した。次の反応のために2.0mlの溶液を採取した。
化合物10(より長い保持時間を有する化合物)(2.1mg,2.02μmol)を0.10mLのDMSOに溶解し、次いで、2.0mLの上記溶液に加えた。反応溶液を水浴振とう機に入れ、25℃で3時間振とうした後、反応を停止させた。反応溶液をSephadex G25ゲルカラム(溶出相:0.001M EDTAを含有するpH=6.5の0.05M PBS緩衝水溶液)で脱塩および精製して、式FADC-1の例示的生成物ADC-2のPBS緩衝溶液(4.95mg/mL、1.1mL)を得、これを4℃で保存した。
UV-HPLCにより計算した平均値:n=7.39。
・実施例23 ADC-3
Figure 2020063676000081
トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィンの配合水溶液(10mM、0.082mL、0.82μmol)を、抗体トラスツズマブのPBS緩衝水溶液(pH=6.5の0.05M PBS緩衝水溶液;2.5ml、9.96mg/ml、0.168μmol)に37℃で加えた。反応溶液を水浴振とう機に入れ、37℃で3時間振とうした後、反応を停止させた。反応溶液を水浴中で25℃に冷却し、5.0mg/mlに希釈した。次の反応のために2.0mlの溶液を採取した。
化合物8(2.1mg、2.02μmol)を0.10mLのDMSOに溶解し、次いで、2.0mLの上記溶液に加えた。反応溶液を水浴振とう機に入れ、25℃で3時間振とうした後、反応を停止させた。反応溶液をSephadex G25ゲルカラム(溶出相:0.001M EDTAを含有するpH=6.5の0.05M PBS緩衝水溶液)で脱塩および精製して、式FADC-3の例示的生成物ADC-3のPBS緩衝溶液(5.24mg/mL、1.1mL)を得、これを4℃で保存した。
UV-HPLCにより計算した平均値:n=7.36。
・実施例24 ADC-4
Figure 2020063676000082
トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィンの配合水溶液(10mM、0.173mL、1.73μmol)を、抗体トラスツズマブのPBS緩衝水溶液(pH=6.5の0.05M PBS緩衝水溶液;3.74mL、13.38mg/mL、0.338μmol)に37℃で加えた。反応溶液を水浴振とう機に入れ、37℃で3時間振とうした後、反応を停止させた。反応溶液を水浴中で25℃に冷却し、6.7mg/mlに希釈した。次の反応のために1.3mlの溶液を採取した。
化合物9-A(より短い保持時間を有する化合物9)(1.0mg、0.93μmol)を0.10mLのDMSOに溶解し、次いで、1.3mLの上記溶液に加えた。反応溶液を水浴振とう機に入れ、25℃で3時間振とうした後、反応を停止させた。反応溶液をSephadex G25ゲルカラム(溶出相:0.001M EDTAを含有するpH=6.5の0.05M PBS緩衝水溶液)で脱塩および精製して、式FADC-4Aの例示的生成物ADC-4のPBS緩衝溶液(1.72mg/mL、2.36mL)を得、これを4℃で保存した。
UV-HPLCにより計算した平均値:n=7.39。
・実施例25 ADC-5
Figure 2020063676000083
トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィンの配合水溶液(10mM、0.067mL、0.67μmol)を、抗体トラスツズマブのPBS緩衝水溶液(pH=6.5の0.05M PBS緩衝水溶液;3.0ml、6.70mg/ml、0.136μmol)に37℃で加えた。反応溶液を水浴振とう機に入れ、37℃で3時間振とうした後、反応を停止させた。反応溶液を水浴中で25℃に冷却し、次の反応のために0.614mlの溶液を採取した。
化合物9-A(より短い保持時間を有する化合物9)(0.5mg、0.42μmol)を0.031mlのDMSOに溶解し、次いで、0.614mlの上記溶液に加えた。反応溶液を水浴振とう機に入れ、25℃で3時間振とうした後、反応を停止させた。反応溶液をSephadex G25ゲルカラム(溶出相:0.001M EDTAを含有するpH=6.5の0.05M PBS緩衝水溶液)で脱塩および精製して、式FADC-4Aの例示的生成物ADC-5のPBS緩衝溶液(3.08mg/mL、0.82mL)を得、これを4℃で保存した。
UV-HPLCにより計算した平均値:n=3.16。
・実施例26 ADC-6
Figure 2020063676000084
トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィンの配合水溶液(10mM、0.173mL、1.73μmol)を、抗体トラスツズマブのPBS緩衝水溶液(pH=6.5の0.05M PBS緩衝水溶液;3.74mL、13.38mg/mL、0.338μmol)に37℃で加えた。反応溶液を水浴振とう機に入れ、37℃で3時間振とうした後、反応を停止させた。反応溶液を水浴中で25℃に冷却し、6.7mg/mlに希釈した。次の反応のために0.75mlの溶液を採取した。
化合物9-B(より長い保持時間を有する化合物9)(0.68mg、0.63μmol)を0.10mlのDMSOに溶解し、次いで、0.75mlの上記溶液に加えた。反応溶液を水浴振とう機に入れ、25℃で3時間振とうした後、反応を停止させた。反応溶液をSephadex G25ゲルカラム(溶出相:0.001M EDTAを含有するpH=6.5の0.05M PBS緩衝水溶液)で脱塩および精製して、式FADC-4Bの例示的生成物ADC-6のPBS緩衝溶液(1.78mg/mL、1.78mL)を得、これを4℃で保存した。
UV-HPLCにより計算した平均値:n=3.94。
・実施例27 ADC-7
Figure 2020063676000085
トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィンの配合水溶液(10mM、0.173mL、1.73μmol)を、抗体ペルツズマブのPBS緩衝水溶液(pH=6.5の0.05M PBS緩衝水溶液;5.0ml、10mg/ml、0.338μmol)に37℃で加えた。反応溶液を水浴振とう機に入れ、37℃で3時間振とうした後、反応を停止させた。反応溶液を水浴中で25℃に冷却し、5.0mg/mlに希釈した。次の反応のために1.0mlの溶液を採取した。
化合物8(0.65mg、0.6μmol)を0.1mLのDMSOに溶解し、次いで1.0mLの上記溶液に加えた。反応溶液を水浴振とう機に入れ、25℃で3時間振とうした後、反応を停止させた。反応溶液をSephadex G25ゲルカラム(溶出相:0.001M EDTAを含有するpH=6.5の0.05M PBS緩衝水溶液)で脱塩および精製して、式FADC-7の例示的生成物ADC-7のPBS緩衝溶液(1.42mg/mL、2.15mL)を得、これを4℃で保存した。
UV-HPLCにより計算した平均値:n=6.91。
・実施例28 ADC-8
Figure 2020063676000086
トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィンの配合水溶液(10mM、0.173mL、1.73μmol)を、抗体ペルツズマブのPBS緩衝水溶液(pH=6.5の0.05M PBS緩衝水溶液;5.0ml、10mg/ml、0.338μmol)に37℃で加えた。反応溶液を水浴振とう機に入れ、37℃で3時間振とうした後、反応を停止させた。反応溶液を水浴中で25℃に冷却し、5.0mg/mlに希釈した。次の反応のために1.6mlの溶液を採取した。
化合物10(より短い保持時間を有する化合物)(1.04mg、1.0μmol)を0.1mLのDMSOに溶解し、次いで、1.6mLの上記溶液に加えた。反応溶液を水浴振とう機に入れ、25℃で3時間振とうした後、反応を停止させた。反応溶液をSephadex G25ゲルカラム(溶出相:0.001M EDTAを含有するpH=6.5の0.05M PBS緩衝水溶液)で脱塩および精製して、式FADC-8の例示的生成物ADC-8のPBS緩衝溶液(2.14mg/mL、2.31mL)を得、これを4℃で保存した。
UV-HPLCにより計算した平均値:n=6.58。
・実施例29 ADC-9
Figure 2020063676000087
トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィンの配合水溶液(10mM、0.173mL、1.73μmol)を、抗体ペルツズマブのPBS緩衝水溶液(pH=6.5の0.05M PBS緩衝水溶液;5.0ml、10mg/ml、0.338μmol)に37℃で加えた。反応溶液を水浴振とう機に入れ、37℃で3時間振とうした後、反応を停止させた。反応溶液を水浴中で25℃に冷却し、5.0mg/mlに希釈した。次の反応のために0.8mlの溶液を採取した。
化合物9-A(より短い保持時間を有する化合物9)(0.55mg、0.5μmol)を0.1mLのDMSOに溶解し、次いで、0.8mLの上記溶液に加えた。反応溶液を水浴振とう機に入れ、25℃で3時間振とうした後、反応を停止させた。反応溶液をSephadex G25ゲルカラム(溶出相:0.001M EDTAを含有するpH=6.5の0.05M PBS緩衝水溶液)で脱塩および精製して、式FADC-9Aの例示的生成物ADC-9のPBS緩衝溶液(2.27mg/mL、1.11mL)を得、これを4℃で保存した。
UV-HPLCにより計算した平均値:n=3.16。
・実施例30 ADC-10
Figure 2020063676000088
トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)の配合水溶液(10mM、19.76μL、197.6μmol)を、抗体トラスツズマブのPBS緩衝水溶液(pH=6.5の0.05M PBS緩衝水溶液;10.0mg/mL、0.574mL、38.78nmol)に37℃で加えた。反応溶液を水浴振とう機に入れ、37℃で3時間振とうした後、反応を停止させた。反応溶液を水浴中で25℃に冷却した。
化合物14(より短い保持時間を有する化合物)(0.64mg、588nmol)を40μlのDMSOに溶解し、次いで、上記の反応溶液に加えた。反応溶液を水浴振とう機に入れ、25℃で3時間振とうした後、反応を停止させた。反応溶液をSephadex G25ゲルカラム(溶出相:0.001M EDTAを含有するpH=6.5の0.05M PBS緩衝水溶液)で脱塩および精製して、式FADC-10の例示的生成物ADC-10のPBS緩衝溶液(5.48mg/mL、1.03mL)を得、これを4℃で保存した。
UV-Visにより計算された平均値:n=6.25。
(実施例31) ADC-11
Figure 2020063676000089
トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)の配合水溶液(10mM、22.24μL、222.4nmol)を、抗体トラスツズマブのPBS緩衝水溶液(pH=6.5の0.05M PBS緩衝水溶液;10.0mg/mL、0.646mL、43.64nmol)に37℃で加えた。反応溶液を水浴振とう機に入れ、37℃で3時間振とうとうした後、反応を停止させた。反応溶液を水浴中で25℃に冷却した。
化合物14(より長い保持時間を有する化合物)(0.72mg、662nmol)を40μlのDMSOに溶解し、次いで、上記の反応溶液に加えた。反応溶液を水浴振とう機に入れ、25℃で3時間振とうした後、反応を停止させた。反応溶液をSephadex G25ゲルカラム(溶出相:0.001M EDTAを含有するpH=6.5の0.05M PBS緩衝水溶液)で脱塩および精製して、式FADC-10の例示的生成物ADC-11のPBS緩衝溶液(2.13mg/mL、1.87mL)を得、これを4℃で保存した。
UV-Visにより計算された平均値:n=7.03。
・実施例32 ADC-12
Figure 2020063676000090
トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)の配合水溶液(10mM、25.0μL、250.0nmol)を、抗体トラスツズマブのPBS緩衝水溶液(pH=6.5の0.05M PBS緩衝水溶液;10.0mg/mL、0.726mL、49.05nmol)に37℃で加えた。反応溶液を水浴振とう機に入れ、37℃で3時間振とうした後、反応を停止させた。反応溶液を水浴中で25℃に冷却した。
化合物15(0.81mg、754nmol)を40μlのDMSOに溶解し、次いで、上記の反応溶液に加えた。反応溶液を水浴振とう機に入れ、25℃で3時間振とうした後、反応を停止させた。反応溶液をSephadex G25ゲルカラム(溶出相:0.001M EDTAを含有するpH=6.5の0.05M PBS緩衝水溶液)で脱塩および精製して、式FADC-12の例示的生成物ADC-12のPBS緩衝溶液(3.34mg/mL、1.45mL)を得、これを4℃で保存した。
UV-Visにより計算された平均値:n=6.93。
・実施例33 ADC-13
Figure 2020063676000091
トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)の配合水溶液(10mM、9.88μL、98.8nmol)を、抗体トラスツズマブのPBS緩衝水溶液(pH=6.5の0.05M PBS緩衝水溶液;10.0mg/mL、0.287mL、19.39nmol)に37℃で加えた。反応溶液を水浴振とう機に入れ、37℃で3時間振とうした後、反応を停止させた。反応溶液を水浴中で25℃に冷却した。
化合物16(0.32mg、294nmol)を20μlのDMSOに溶解し、次いで、上記の反応溶液に加えた。反応溶液を水浴振とう機に入れ、25℃で3時間振とうした後、反応を停止させた。反応溶液をSephadex G25ゲルカラム(溶出相:0.001M EDTAを含有するpH=6.5の0.05M PBS緩衝水溶液)で脱塩および精製して、式FADC-13の例示的生成物ADC-13のPBS緩衝溶液(2.37mg/mL、0.88mL)を得、これを4℃で保存した。
UV-Visにより計算された平均値:n=6.53。
・実施例34 ADC-14
Figure 2020063676000092
トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)の配合水溶液(10mM、20.38μL、203.8nmol)を、抗体トラスツズマブのPBS緩衝水溶液(pH=6.5の0.05M PBS緩衝水溶液;10.0mg/mL、0.592mL、40.0nmol)に37℃加えた。反応溶液を水浴振とう機に入れ、37℃で3時間振とうした後、反応を停止させた。反応溶液を水浴中で25℃に冷却した。
化合物17(0.92mg、598nmol)を40μlのDMSOに溶解し、次いで、上記の反応溶液に加えた。反応溶液を水浴振とう機に入れ、25℃で3時間振とうした後、反応を停止させた。反応溶液をSephadex G25ゲルカラム(溶出相:0.001M EDTAを含有するpH=6.5の0.05M PBS緩衝水溶液)で脱塩および精製して、式FADC-14の例示的生成物ADC-14のPBS緩衝溶液(0.30mg/mL、12.0mL)を得、これを4℃で保存した。
UV-Visにより計算された平均値:n=7.61。
・実施例35 ADC-15
Figure 2020063676000093
トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)の配合水溶液(10mM、20.38μL、203.8nmol)を、抗体トラスツズマブのPBS緩衝水溶液(pH=6.5の0.05M PBS緩衝水溶液;10.0mg/mL、0.592mL、40.0nmol)に37℃で加えた。反応溶液を水浴振とう機に入れ、37℃で3時間振とうした後、反応を停止させた。反応溶液を水浴中で25℃に冷却した。
化合物18(0.93mg、599nmol)を40μlのDMSOに溶解し、次いで、上記の反応溶液に加えた。反応溶液を水浴振とう機に入れ、25℃で3時間振とうした後、反応を停止させた。反応溶液をSephadex G25ゲルカラム(溶出相:0.001M EDTAを含有するpH=6.5の0.05M PBS緩衝水溶液)で脱塩および精製して、式FADC-15の例示的生成物ADC-15のPBS緩衝溶液(0.32mg/mL、11.8mL)を得、これを4℃で保存した。
UV-Visにより計算された平均値:n=7.89。
・実施例36 ADC-16
Figure 2020063676000094
トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)の配合水溶液(10mM、18.25μL、182.5nmol)を、抗体トラスツズマブのPBS緩衝水溶液(pH=6.5の0.05M PBS緩衝水溶液;10.0mg/mL、0.53mL、35.8nmol)に37℃で加えた。反応溶液を水浴振とう機に入れ、37℃で3時間振とうした後、反応を停止させた。反応溶液を水浴中で25℃に冷却した。
化合物19(0.83mg、534nmol)を35μlのDMSOに溶解し、次いで、上記の反応溶液に加えた。反応溶液を水浴振とう機に入れ、25℃で3時間振とうした後、反応を停止させた。反応溶液をSephadex G25ゲルカラム(溶出相:0.001M EDTAを含有するpH=6.5の0.05M PBS緩衝水溶液)で脱塩および精製して、式FADC-16の例示的生成物ADC-16のPBS緩衝溶液(0.32mg/mL、12.0mL)を得、これを4℃で保存した。
UV-Visにより計算された平均値:n=7.43。
・実施例37 ADC-17
Figure 2020063676000095
トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)の配合水溶液(10mM、43.2μL、432nmol)を、抗体トラスツズマブのPBS緩衝水溶液(pH=6.5の0.05M PBS緩衝水溶液;10.0mg/mL、2.0mL、135.12nmol)に37℃で加えた。反応溶液を水浴振とう機に入れ、37℃で3時間振とうした後、反応を停止させた。反応溶液を水浴中で25℃に冷却した。
化合物9-A(より短い保持時間を有する化合物9)(2.22mg,2067nmol)を175μlのDMSOに溶解し、次いで、上記の反応溶液に加えた。反応溶液を水浴振とう機に入れ、25℃で3時間振とうした後、反応を停止させた。反応溶液をSephadex G25ゲルカラム(溶出相:0.001M EDTAを含有するpH=6.5の0.05M PBS緩衝水溶液)で脱塩および精製して、式FADC-4Aの例示的生成物ADC-17のPBS緩衝溶液(1.32mg/mL、12.0mL)を得、これを4℃で保存した。
UV-Visにより計算された平均値:n=5.42。
・実施例38 ADC-18(参照例)
Figure 2020063676000096
トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)の配合水溶液(10mM、51.7μL、517nmol)を、抗体トラスツズマブのPBS緩衝水溶液(pH=6.5の0.05M PBS緩衝水溶液;10.0mg/mL、1.5mL、101.3nmol)に37℃で加えた。反応溶液を水浴振とう機に入れ、37℃で3時間振とうした後、反応を停止させた。反応溶液を水浴中で25℃に冷却した。
化合物20(2.0mg、1934nmol)を100μlのDMSOに溶解し、次いで、上記の反応溶液に加えた。反応溶液を水浴振とう機に入れ、25℃で3時間振とうした後、反応を停止させた。反応溶液をSephadex G25ゲルカラム(溶出相:0.001M EDTAを含有するpH=6.5の0.05M PBS緩衝水溶液)で脱塩および精製して、式FADC-18の例示的生成物ADC-18のPBS緩衝溶液(0.79mg/mL、13.0mL)を得、これを4℃で保存した。
UV-Visにより計算された平均値:n=7.23。
・実施例39 ADC-19
Figure 2020063676000097
トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)の配合水溶液(10mM、46.9μL、469nmol)を、抗体トラスツズマブのPBS緩衝水溶液(pH=6.5の0.05M PBS緩衝水溶液;10.0mg/mL、1.36mL、91.9nmol)に37℃で加えた。反応溶液を水浴振とう機に入れ、37℃で3時間振とうした後、反応を停止させた。反応溶液を水浴中で25℃に冷却した。
化合物9-A(より短い保持時間を有する化合物9)(2.0mg、1862nmol)を100μlのDMSOに溶解し、次いで、上記の反応溶液に加えた。反応溶液を水浴振とう機に入れ、25℃で3時間振とうした後、反応を停止させた。反応溶液をSephadex G25ゲルカラム(溶出相:0.001M EDTAを含有するpH=6.5の0.05M PBS緩衝水溶液)で脱塩および精製して、式FADC-4Aの例示的生成物ADC-19のPBS緩衝溶液(0.73mg/mL、13.0mL)を得、これを4℃で保存した。
UV-Visによって計算された平均値:n=6.26。
・実施例40 ADC-20
Figure 2020063676000098
トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)の配合水溶液(10mM、51.7μL、517nmol)を、抗体トラスツズマブのPBS緩衝水溶液(pH=6.5の0.05M PBS緩衝水溶液;10.0mg/mL、1.5mL、101.3nmol)に37℃で加えた。反応溶液を水浴振とう機に入れ、37℃で3時間振とうした後、反応を停止させた。反応溶液を水浴中で25℃に冷却した。
化合物10(より長い保持時間を有する化合物)(2.0mg、1815nmol)を100μlのDMSOに溶解し、次いで、上記の反応溶液に加えた。反応溶液を水浴振とう機に入れ、25℃で3時間振とうした後、反応を停止させた。反応溶液をSephadex G25ゲルカラム(溶出相:0.001M EDTAを含有するpH=6.5の0.05M PBS緩衝水溶液)で脱塩および精製して、式FADC-1の例示的生成物ADC-20のPBS緩衝溶液(0.73mg/mL、13.0mL)を得、これを4℃で保存した。
UV-Visにより計算された平均値:n=7.43。
(実施例41) ADC-21(参照例)
Figure 2020063676000099
トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)の配合水溶液(10mM、63.9μL、639nmol)を、抗体トラスツズマブのPBS緩衝水溶液(pH=6.5の0.05M PBS緩衝水溶液;10.0mg/mL、1.86mL、125.4nmol)に37℃で加えた。反応溶液を水浴振とう機に入れ、37℃で3時間振とうした後、反応を停止させた。反応溶液を水浴中で25℃に冷却した。
化合物20(2.07mg、2001nmol)を150μlのDMSOに溶解し、次いで、上記の反応溶液に加えた。反応溶液を水浴振とう機に入れ、25℃で3時間振とうした後、反応を停止させた。反応溶液をSephadex G25ゲルカラム(溶出相:0.001M EDTAを含有するpH=6.5の0.05M PBS緩衝水溶液)で脱塩および精製して、式FADC-18の例示的生成物ADC-21のPBS緩衝溶液(2.91mg/mL、4.44mL)を得、これを4℃で保存した。
UV-Visにより計算された平均値:n=7.23。
・実施例42 ADC-22
Figure 2020063676000100
トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)の配合水溶液(10mM、64.9μL、649nmol)を、抗体トラスツズマブのPBS緩衝水溶液(pH=6.5の0.05M PBS緩衝水溶液;10.0mg/mL、1.88mL、127.2nmol)に37℃で加えた。反応溶液を水浴振とう機に入れ、37℃で3時間振とうした後、反応を停止させた。反応溶液を水浴中で25℃に冷却した。
化合物9-A(より短い保持時間を有する化合物9)(2.1mg、1955nmol)を150μlのDMSOに溶解し、次いで、上記の反応溶液に加えた。反応溶液を水浴振とう機に入れ、25℃で3時間振とうした後、反応を停止させた。反応溶液をSephadex G25ゲルカラム(溶出相:0.001M EDTAを含有するpH=6.5の0.05M PBS緩衝水溶液)で脱塩および精製して、式FADC-4Aの例示的生成物ADC-22のPBS緩衝溶液(3.56mg/mL、3.98mL)を得、これを4℃で保存した。
UV-Visにより計算された平均値:n=6.79。
・実施例43 ADC-23(参照例)
Figure 2020063676000101
トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)の配合水溶液(10mM、11.89mL、118.9μmol)を、抗体トラスツズマブのPBS緩衝水溶液(pH=6.5の0.05M PBS緩衝水溶液;10.0mg/mL、345mL、23.31μmol)に37℃で加えた。反応溶液を水浴振とう機に入れ、37℃で3.5時間振とうした後、反応を停止させた。反応溶液を水浴中で25℃に冷却した。
化合物20(362mg、350μmol)を、MeCN7.12mlおよびDMSO3.56mlに溶解し、次いで、上記の反応溶液に加えた。反応溶液を水浴振とう機に入れ、25℃で3時間振とうした後、反応を停止させた。反応溶液を、2%(v/v)MeCNおよび1%(v/v)DMSOを含有するPBS緩衝水溶液(pH=6.5の0.05M PBS緩衝水溶液)とコハク酸緩衝水溶液(pH=5.3の0.01Mコハク酸緩衝水溶液)を含む限外ろ過パックによって脱塩および精製した。スクロースを60mg/mLに加え、Tween20を0.2mg/mLに加えた。溶液を瓶詰めし、凍結乾燥して、式FADC-18の例示的な生成物ADC-23の凍結乾燥粉末サンプルを得、これを4℃で保存した。
UV-Visにより計算された平均値:n=7.05。
・実施例44 ADC-24
Figure 2020063676000102
トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)の配合水溶液(10mM、11.44mL、114.4μmol)を、抗体トラスツズマブのPBS緩衝水溶液(pH=6.5の0.05M PBS緩衝水溶液;10.0mg/mL、332mL、22.43μmol)に37℃で加えた。反応溶液を水浴振とう機に入れ、37℃で3.5時間振とうした後、反応を停止させた。反応溶液を水浴中で25℃に冷却した。
化合物9-A(より短い保持時間を有する化合物9)(241mg,224μmol)をMeCN13.76mlおよびDMSO6.88mlに溶解し、次いで、上記の反応溶液に加えた。反応溶液を水浴振とう機に入れ、25℃で3時間振とうした後、反応を停止させた。反応溶液を、4%(v/v)MeCNおよび2%(v/v)DMSOを含有するPBS緩衝水溶液(pH=6.5の0.05M PBS緩衝水溶液)とコハク酸緩衝水溶液(pH=5.3の0.01Mコハク酸緩衝水溶液)を含む限外ろ過パックによって脱塩および精製した。スクロースを60mg/mLに加え、Tween20を0.2mg/mLに加えた。溶液を瓶詰めし、凍結乾燥して、式FADC-4Aの例示的生成物ADC-24の凍結乾燥粉末サンプルを得、これを4℃で保存した。
UV-Visにより計算された平均値:n=7.07。
・実施例45 ADC-25
Figure 2020063676000103
トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)の配合水溶液(10mM、73.7μL、740nmol)を、抗体B7H3抗体1F9DSのPBS緩衝水溶液(pH=6.5の0.05M PBS緩衝水溶液;10.0mg/mL、2.14mL、144.60nmol)に37℃で加えた。反応溶液を水浴振とう機に入れ、37℃で3時間振とうした後、反応を停止させた。反応溶液を水浴中で25℃に冷却した。
化合物9-A(より短い保持時間を有する化合物9)(3.0mg、2793nmol)を150μlのDMSOに溶解し、次いで、上記の反応溶液に加えた。反応溶液を水浴振とう機に入れ、25℃で3時間振とうした後、反応を停止させた。反応溶液をSephadex G25ゲルカラム(溶出相:0.001M EDTAを含有するpH=6.5の0.05M PBS緩衝水溶液)で脱塩および精製して、式FADC-25の例示的生成物ADC-25のPBS緩衝溶液(1.28mg/mL、13.0mL)を得、これを4℃で保存した。
UV-Visにより計算された平均値:n=6.87。
・実施例46 ADC-26(参照例)
Figure 2020063676000104
トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)の配合水溶液(10mM、30.1μL、300nmol)を、抗体B7H3抗体1F9DSのPBS緩衝水溶液(pH=6.5の0.05M PBS緩衝水溶液;10.0mg/mL、0.89mL、60.14nmol)に37℃で加えた。反応溶液を水浴振とう機に入れ、37℃で3時間振とうした後、反応を停止させた。反応溶液を水浴中で25℃に冷却した。
化合物20(1.0mg、967nmol)を100μlのDMSOに溶解し、次いで、上記の反応溶液に加えた。反応溶液を水浴振とう機に入れ、25℃で3時間振とうした後、反応を停止させた。反応溶液をSephadex G25ゲルカラム(溶出相:0.001M EDTAを含有するpH=6.5の0.05M PBS緩衝水溶液)で脱塩および精製して、式FADC-26の例示的生成物ADC-26のPBS緩衝溶液(1.61mg/mL、4.0mL)を得、これを4℃で保存した。
UV-Visにより計算された平均値:n=6.15。
・実施例47 ADC-27
Figure 2020063676000105
トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)の配合水溶液(10mM、30.1μL、300nmol)を、抗体B7H3抗体1F9DSのPBS緩衝水溶液(pH=6.5の0.05M PBS緩衝水溶液;10.0mg/mL、0.89mL、60.14nmol)に37℃で加えた。反応溶液を水浴振とう機に入れ、37℃で3時間振とうした後、反応を停止させた。反応溶液を水浴中で25℃に冷却した。
化合物9-A(より短い保持時間を有する化合物9)(1.02mg、950nmol)を100μlのDMSOに溶解し、次いで、上記の反応溶液に加えた。反応溶液を水浴振とう機に入れ、25℃で3時間振とうした後、反応を停止させた。反応溶液をSephadex G25ゲルカラム(溶出相:0.001M EDTAを含有するpH=6.5の0.05M PBS緩衝水溶液)で脱塩および精製して、式FADC-25の例示的生成物ADC-27のPBS緩衝溶液(1.94mg/mL、3.5mL)を得、これを4℃で保存した。
UV-Visにより計算された平均値:n=6.11。
・実施例48 ADC-28(参照例)
Figure 2020063676000106
トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)の配合水溶液(10mM、81.3μL、810nmol)を、抗体B7H3抗体1F9DSのPBS緩衝水溶液(pH=6.5の0.05M PBS緩衝水溶液;10.0mg/mL、2.36mL、159.47nmol)に37℃で加えた。反応溶液を水浴振とう機に入れ、37℃で3時間振とうした後、反応を停止させた。反応溶液を水浴中で25℃に冷却した。
化合物20(3.0mg、2901nmol)を150μlのDMSOに溶解し、次いで、上記の反応溶液に加えた。反応溶液を水浴振とう機に入れ、25℃で3時間振とうした後、反応を停止させた。反応溶液をSephadex G25ゲルカラム(溶出相:0.001M EDTAを含有するpH=6.5の0.05M PBS緩衝水溶液)で脱塩および精製して、式FADC-26の例示的生成物ADC-28のPBS緩衝溶液(1.29mg/mL、13.0mL)を得、これを4℃で保存した。
UV-Visによって計算された平均値:n=7.46。
・実施例49 ADC-29
Figure 2020063676000107
トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)の配合水溶液(10mM、28.6μL、290nmol)を、抗体B7H3抗体1F9DSのPBS緩衝水溶液(pH=6.5の0.05M PBS緩衝水溶液;10.0mg/mL、0.80mL、50.06nmol)に37℃で加えた。反応溶液を水浴振とう機に入れ、37℃で3時間振とうした後、反応を停止させた。反応溶液を水浴中で25℃に冷却した。
化合物9-A(より短い保持時間を有する化合物9)(1.29mg、1201nmol)を100μlのDMSOに溶解し、次いで、上記の反応溶液に加えた。反応溶液を水浴振とう機に入れ、25℃で3時間振とうした後、反応を停止させた。反応溶液をSephadex G25ゲルカラム(溶出相:0.001M EDTAを含有するpH=6.5の0.05M PBS緩衝水溶液)で脱塩および精製して、式FADC-25の例示的生成物ADC-29のPBS緩衝溶液(2.63mg/mL、2.4mL)を得、これを4℃で保存した。
UV-Visにより計算された平均値:n=7.24。
・実施例50 ADC-30(参照例)
Figure 2020063676000108
トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)の配合水溶液(10mM、29.1μL、290nmol)を、抗体B7H3抗体1F9DSのPBS緩衝水溶液(pH=6.5の0.05M PBS緩衝水溶液;10.0mg/mL、0.86mL、58.4nmol)に37℃で加えた。反応溶液を水浴振とう機に入れ、37℃で3時間振とうした後、反応を停止させた。反応溶液を水浴中で25℃に冷却した。
化合物20(1.0mg、967nmol)を100μlのDMSOに溶解し、次いで、上記の反応溶液に加えた。反応溶液を水浴振とう機に入れ、25℃で3時間振とうした後、反応を停止させた。反応溶液をSephadex G25ゲルカラム(溶出相:0.001M EDTAを含有するpH=6.5の0.05M PBS緩衝水溶液)で脱塩および精製して、式FADC-26の例示的生成物ADC-30のPBS緩衝溶液(1.61mg/mL、4.0mL)を得、これを4℃で保存した。
UV-Visにより計算された平均値:n=6.15。
・実施例51 ADC-31
Figure 2020063676000109
トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)の配合水溶液(10mM、30.1μL、300nmol)を、抗体B7H3抗体1F9DSのPBS緩衝水溶液(pH=6.5の0.05M PBS緩衝水溶液;10.0mg/mL、0.89mL、60.14nmol)に37℃で加えた。反応溶液を水浴振とう機に入れ、37℃で3時間振とうした後、反応を停止させた。反応溶液を水浴中で25℃に冷却した。
化合物8(1.0mg、943nmol)を100μlのDMSOに溶解し、次いで、上記の反応溶液に加えた。反応溶液を水浴振とう機に入れ、25℃で3時間振とうした後、反応を停止させた。反応溶液をSephadex G25ゲルカラム(溶出相:0.001M EDTAを含有するpH=6.5の0.05M PBS緩衝水溶液)で脱塩および精製して、式FADC-31の例示的生成物ADC-31のPBS緩衝溶液(1.47mg/mL、4.5mL)を得、これを4℃で保存した。
UV-Visにより計算された平均値:n=6.33。
ADCストック溶液の薬物負荷の分析
実験の目的および原理
ADCストック溶液は、抗体コンジュゲート薬物の一種である。疾患を処置するためのその機構メカニズムは、抗体ターゲティングによって毒素分子を細胞内に送達し、それによって細胞を死滅させることである。薬物負荷は、薬物の有効性において決定的な役割を果たす。ADCストック溶液の薬物負荷は紫外線法によって決定された。
実験方法
コハク酸ナトリウム緩衝液を含むキュベットを、レファレンス吸収セルおよびサンプル測定吸収セルにそれぞれ配置した。溶媒ブランクを差し引いた後、試験溶液を含有するキュベットをサンプル測定吸収セルに入れ、280nmおよび370nmにおける吸光度を測定した。
結果の算出:ADCストック溶液の薬物負荷は、紫外分光光度法(装置:Thermo nanodrop2000紫外分光光度計)によって決定された。その原理は、特定の波長におけるADCストック溶液の総吸光度が、その波長における細胞毒性薬物の吸光度とモノクローナル抗体の吸光度の合計に等しいということである:
(1)A280nm=εmab-280bCmab+εDrug-280bCDrug
εDrug-280:280nmにおける薬物のモル吸光係数の平均値は5100である;
Drug:薬物の濃度;
εmab-280:トラスツズマブストック溶液またはペルツズマブストック溶液の280nmにおけるモル吸光係数の平均値は214600である;
mab:トラスツズマブストック溶液またはペルツズマブストック溶液の濃度;
b:光路長は1cmである。
同様にして、370nmにおけるサンプルの総吸光度の式を得ることができる:
(2)A370nm=εmab-370bCmab+εDrug-370bCDrug
εDrug-370:370nmにおける薬物のモル吸光係数の平均値は19000である;
Drug:薬物の濃度;
εmab-370:トラスツズマブストック溶液またはペルツズマブストック溶液の370nmにおけるモル吸光係数の平均値は0である;
mab:トラスツズマブストック溶液の濃度;
b:光路長は1cmである。
薬物負荷は、2つの検出波長におけるモノクローナル抗体および薬物の吸光係数および濃度データと組み合わせて、2つの式(1)および(2)によって計算することができる。
薬物負荷=CDrug/Cmab
生物学的アッセイ
試験例1:腫瘍細胞増殖に対する式(D)の化合物の阻害のin vitro試験
I.試験目的
この試験の目的は、U87MG細胞(中国科学院細胞バンク、カタログ番号TCHu138)およびSK-BR-3腫瘍細胞(ヒト乳癌細胞、ATCC、物品番号HTB-30)の増殖に対する、本発明の式(D)の薬物化合物のin vitro阻害効果を試験することである。細胞を異なる濃度の化合物でin vitroで処理した。6日間培養した後、細胞増殖をCTG試薬(CellTiter-Glo(登録商標)Luminescent Cell Viability Assay、Promega、商品番号:G7573)により測定し、化合物のin vitro活性をIC50値に従って評価した。
II.試験方法
本発明の化合物の腫瘍細胞に対するin vitro増殖阻害試験の試験方法を、U87MG細胞に対するin vitro増殖阻害試験方法を例として以下に説明する。この方法は、限定されるものではないが、他の腫瘍細胞に対するin vitro増殖阻害試験にも適用可能である。
1.細胞培養:U87MG細胞およびSK-BR-3細胞を、それぞれ、10%FBSを含有するEMEM培地(GE、品番SH30024.01)および10%FBSを含有するマッコイ5A培地(McCoy’s 5A medium)(Gibco、品番16600-108)で培養した。
2.細胞調製:対数増殖期のU87MG細胞およびSK-BR-3細胞をPBS(リン酸緩衝液、Shanghai Basal Media Technologies Co., Ltd.)で1回洗浄した後、2~3mlのトリプシン(0.25%トリプシン-EDTA(1×)、Gibico, Life Technologies)を加えて2~3分間消化した。細胞が完全に消化された後、10~15mlの細胞培養培地を加えた。消化された細胞を溶出し、1000rpmで5分間遠心分離した。上清を捨て、10~20mlの細胞培養培地を加えて細胞を再懸濁し、単細胞懸濁液を得た。
3.細胞プレーティング:U87MGおよびSK-BR-3単細胞懸濁液を十分に混合し、細胞密度を細胞培養培地でそれぞれ2.75×10細胞/mlおよび8.25×10細胞/mlに調整した。密度調整した細胞懸濁液を十分に混合し、96ウェル細胞培養プレートに180μl/ウェルで添加した。200μlの培養培地を96ウェルプレートの周辺ウェル(peripheral wells)に添加した。プレートをインキュベーター内で24時間インキュベートした(37℃、5%CO)。
4.化合物の配合:化合物をDMSO(ジメチルスルホキシド、Shanghai Titan Technology Co., Ltd.)で溶解して、初期濃度10mMのストック溶液を得た。
小分子化合物の初期濃度は500nMであり、配合方法は以下のとおりである。
30μlの異なる試験サンプルをそれぞれ、100μMのサンプル濃度で96ウェルU字型底部配合プレートの1列目に加えた。20μlのDMSOを2列目から11列目までの各ウェルに加えた。1列目からのサンプル10μlを2列目のDMSO20μlに加えて十分に混合し、そこから10μlを取り出して3列目に加えた。以下、10列目まで同様の操作を行った。配合プレートの各ウェルからの薬物5μlを95μlのEMEM培養培地に加え、後で使用するために十分に混合した。
ADCの初期濃度は10nMまたは500nMであり、配合方法は以下のとおりである。
100μlの異なる試験サンプルをそれぞれ、100nMまたは5μMのサンプル濃度で96ウェルプレートの1列目に加えた。100μlのPBSを2列目から11列目までの各ウェルに加えた。1列目からのサンプル50μlを2列目のPBS100μlに加えて十分に混合し、そこから50μlを取り出して3列目に加えた。以下、10列目まで3倍希釈で同様の操作を行った。
5.サンプルローディング:異なる濃度の配合された試験サンプル20μlを培養プレートに加えた。各サンプルを2回ずつ試験した。プレートをインキュベーター内で6日間インキュベートした(37℃、5%CO)。
6.着色操作:96ウェル細胞培養プレートを取り出し、90μlのCTG溶液を各ウェルに加え、室温で10分間インキュベートした。
7.プレートの読み取り:96ウェル細胞培養プレートを取り出し、マイクロプレートリーダー(BMG labtech, PHERAstar FS)に入れて、化学発光を測定した。
III.データ分析
データはMicrosoft ExcelおよびGraphpad Prism 5で分析された。結果を次の表に示す。
表1 SK-BR-3細胞およびU87細胞の増殖に対する本開示の小分子フラグメントのin vitro阻害のIC50
Figure 2020063676000110
結論:本開示の小分子フラグメントはSK-BR-3細胞およびU87細胞の増殖に対して明らかな阻害活性を有し、キラル中心は化合物の阻害活性に対して一定の影響を有する。
試験例2:腫瘍細胞増殖に対する本発明のHER2標的化抗体-薬物コンジュゲートの阻害のin vitro試験
この試験の目的は、SK-BR-3細胞(ヒト乳癌細胞、ATCC、物品番号HTB-30)およびMDA-MB-468細胞(ヒト乳癌細胞、ATCC、物品番号HTB-132)の増殖に対する、本発明のHER2標的化抗体-薬物コンジュゲートのin vitro阻害効果を試験することである。細胞を異なる濃度の化合物でin vitroで処理した。6日間培養した後、細胞増殖をCTG試薬により測定し、化合物のin vitro活性をIC50値に従って評価した。
試験例1の試験方法によれば、試験細胞はSK-BR-3細胞およびMDA-MB-468細胞であり、細胞培養培地は、10%FBSを含有するマッコイ5A培地(McCoy’s 5A medium)(Gibco、品番16600-108)、10%FBSを含有するEMEM培地(GE、品番SH30024.01)、および10%FBSを含有するL-15培地(ThermoFisher、品番11415-114)であった。3つの細胞株の生細胞密度は、細胞培養培地でそれぞれ8.33×10細胞/ml、8.33×10細胞/mlおよび1.39×10細胞/mlに調整された。密度調整した細胞懸濁液を十分に混合し、96ウェル細胞培養プレートに180μl/ウェルで添加した。関連する化合物を試験し、その結果を以下の表に示す。
表2 腫瘍細胞増殖に対する本発明のHER2標的化抗体-薬物コンジュゲートのin vitro阻害のIC50
Figure 2020063676000111
結論:本開示のHER2標的化抗体-薬物コンジュゲートは、HER2陽性細胞SK-BR-3の増殖に対して明らかな阻害活性を有する。一方、HER2陰性細胞MDA-MB-468の増殖に対する阻害活性は低い。したがって、本開示のHER2標的化抗体-薬物コンジュゲートは良好な選択性を有する。
試験例3:Her2-ADCの血漿安定性試験
ADC-19サンプル、ADC-18サンプル、ADC-20サンプル、ヒト血漿、サル血漿(Shanghai Medicilon Inc.)および1% BSA(Sigma)PBS溶液(Sangon Biotech (Shanghai) Co., Ltd.)を、それぞれ滅菌のために0.22μmフィルターでろ過した。ADC-19、ADC-18およびADC-20を、それぞれ最終濃度200μg/mlで上記の滅菌血漿または1%BSA PBS溶液に添加し、次いでこれらを37℃の細胞インキュベーター内でインキュベートし、インキュベーションの開始日を0日目として記録した。遊離毒素検出のために、7日目、14日目および21日目にサンプルを収集した。
25μlのサンプルを96ウェルプレートに加えた。50μLの内部標準作業溶液(アセトニトリル中の100ng/mLカンプトテシン)と150μLのアセトニトリルを加えた。溶液を5分間ボルテックスし、10分間遠心分離した(4000rpm)。LC/MS/MS(Applied Biosystems, Inc., USA)分析のために5μlの溶液を取り出した。
結果は、ADC-19がヒト血漿、サル血漿および1%BSA PBS溶液中で非常に安定であることを示している。遊離毒素の放出率は2.1%を超えず、14日目に安定になった。結果を図1Aに示す。
ADC-18は、ヒト血漿およびサル血漿中での安定性が低く、遊離毒素の最高放出率はそれぞれ14.5%および8.10%であった。ADC-18は、1%BSA PBS溶液中で安定である。結果を図1Bに示す。
ADC-20は、ヒト血漿、サル血漿および1%BSA PBS溶液中での安定性が低く、遊離毒素の最高放出率はそれぞれ21.7%、29.7%および21.7%であった。ADC-20は、1%BSA PBS溶液中では常に劣化状態にあった。結果を図1Cに示す。
試験例4:JIMT-1腫瘍ベアリングマウス(tumor-bearing mice)における有効性評価
I.試験目的
Nunuヌードマウスを試験動物として使用して、トラスツズマブ(ハーセプチン)耐性ヒト乳癌細胞株JIMT-1移植腫瘍ヌードマウスに対するHer2-ADC抗体T-DM1、ADC-21およびADC-24の腹腔内注射後の有効性を評価した。
II.試験薬物および材料
1.試験薬物
T-DM1(特許出願US20050169933を参照して調製)
ADC-21:3mg/kg
ADC-21:10mg/kg
ADC-24:3mg/kg
ADC-24:10mg/kg
ブランク:PBS
2.配合方法:薬物はすべてPBSで希釈および配合された。
3.試験動物
Nunuヌードマウス(Beijing Vital River Laboratory Animal Technology Co., Ltd.より購入)。
III.試験方法
JIMT-1細胞(Nanjing Cobioer Biosciences Co.,Ltd.)(5×10細胞/マウス、50%マトリゲルを有する)をマウスの右肋骨に皮下接種した。腫瘍が8日間成長し、203.09±11.94mmに達した後、動物を、1群あたり8匹の動物を有する6群にランダムに群分けした(d1)。
薬物を腹腔内注射により合計2回投与した。腫瘍体積および体重を週に2回測定し、データを記録した。
データ統計にはExcel2003統計ソフトウェアを使用した:平均値はavgとして計算された;SD値はSTDEVとして計算された;SEM値はSTDEV/SQRTとして計算された;異なる群間のP値はTTESTとして計算された。
腫瘍体積(V)は、次のように計算された:V=1/2×Llength×Lshort
相対体積(RTV)=V/V
腫瘍抑制率(%)=(CRTV-TRTV)/CRTV(%)
式中、VおよびVは、それぞれ試験開始時および試験終了時の腫瘍体積を表す。CRTVおよびTRTVは、それぞれ、試験終了時のブランクコントロール群(ビヒクル、PBS)および試験群の相対腫瘍体積を表す。
IV.試験結果
試験結果を図2に示す。薬物を腹腔内注射により2回投与し、観察34日目に試験を終了した。T-DM1(10mg/kg)は、腫瘍に対する抑制効果を示さない;ADC-21(3mg/kg)は、46.22%の腫瘍抑制率を示す(P<0.01);ADC-21(10mg/kg)は、56.77%の腫瘍抑制率を示す(P<0.001);ADC-24(3mg/kg)は、62.77%の腫瘍抑制率を示す(P<0.001);ADC-24(10mg/kg)は、76.32%の腫瘍抑制率を示す(P<0.001)。同一用量で、ADC-24の腫瘍抑制効果はADC-21のそれよりも有意に優れている。
試験例5:SK-BR-3腫瘍ベアリングマウスにおける有効性評価
I.試験目的
Nunuヌードマウスを試験動物として使用して、ヒト乳癌細胞株SK-BR-3移植腫瘍ヌードマウスに対するHer2-ADC抗体ADC-21およびADC-22の腹腔内注射後の有効性を評価した。
II.試験薬物および材料
1.試験薬物
ADC-21:1mg/kg
ADC-21:6mg/kg
ADC-22:1mg/kg
ADC-22:6mg/kg
ブランク:PBS
2.配合方法:薬物はすべてPBSで希釈および配合された。
3.試験動物
Nunuヌードマウス(Beijing Vital River Laboratory Animal Technology Co., Ltd.より購入)。
III.試験方法
SK-BR-3細胞(ATCC)(5×10細胞/マウス、50%マトリゲルを有する)をマウスの右肋骨に皮下接種した。腫瘍が20日間成長し、153.34±11.73mmに達した後、動物を、1群あたり8匹の動物を有する5群にランダムに群分けした(d0)。
薬物を腹腔内注射により1回投与した。腫瘍体積および体重を週に2回測定し、データを記録した。
データ統計にはExcel2003統計ソフトウェアを使用した:平均値はavgとして計算された;SD値はSTDEVとして計算された;SEM値はSTDEV/SQRTとして計算された;異なる群間のP値はTTESTとして計算された。
腫瘍体積(V)は、次のように計算された:V=1/2×Llength×Lshort
相対体積(RTV)=V/V
腫瘍抑制率(%)=(CRTV-TRTV)/CRTV(%)
式中、VおよびVは、それぞれ試験開始時および試験終了時の腫瘍体積を表す。CRTVおよびTRTVは、それぞれ、実験終了時のブランクコントロール群および試験群の相対腫瘍体積を表す。
IV.試験結果
試験結果を図3に示す。薬物を腹腔内注射により1回投与し、観察28日目に試験を終了した。ADC-21(1mg/kg)は15.01%の腫瘍抑制率を示し、ADC-21(6mg/kg)は77.4%の腫瘍抑制率を示し、これはブランクコントロールの腫瘍抑制率とは有意に異なる(P<0.001)。ADC-22(1mg/kg)は19.82%の腫瘍抑制率を示し、ADC-22(6mg/kg)は98.38%の腫瘍抑制率を示す(P<0.001)。6mg/kgの同一用量で、ADC-22の腫瘍抑制効果はADC-21のそれよりも有意に優れている。
試験例6:血漿安定性試験
ADC-25サンプルを、ヒト血漿、サル血漿および1%BSA PBS溶液とそれぞれ最終濃度100μg/mlで十分に混合し、滅菌のためにろ過した。混合物を37℃の水浴中でインキュベートし、インキュベーションの開始日を0日目として記録した。遊離毒素検出のために、7日目、14日目および21日目にサンプルを収集した。
さまざまな時点で収集したサンプルを室温に冷却し、ボルテックスで十分に混合した。25μlのサンプルを96ウェルプレートに加えた。50μLの内部標準作業溶液(アセトニトリル中の100ng/mLカンプトテシン)と150μLのアセトニトリルを加えた。溶液を5分間ボルテックスし、10分間遠心分離した(4000rpm)。LC/MS/MS分析のために5μlの溶液を取り出した。
結果を図4に示す。ADC-25は、ヒト血漿、サル血漿および1%BSA PBS溶液中で非常に安定である。遊離毒素の放出率は2%を超えず、14日目に安定になった。
試験例7:ヌードマウスにおけるヒト脳アストロブラストーマU87MG異種移植腫瘍に対するADCの有効性評価
I.試験目的
BALB/cA-ヌードヌードマウスを試験動物として使用して、ヌードマウスにおけるヒト脳アストロブラストーマU87MG異種移植腫瘍に対する本開示のADC化合物の有効性を評価した。
II.試験薬物および材料
1.試験薬物
ADC-27(3mg/kg)
ADC-26(3mg/kg)
ブランク:PBS緩衝液(pH7.4)
2.配合方法:PBS緩衝液(pH7.4)。
3.試験動物
BALB/cA-ヌードヌードマウス(Shanghai JieSiJie Laboratory Animal Co.,Ltd.より購入)。
III.試験方法
試験にはBALB/cA-ヌードヌードマウス(雌、6~7週齢)を使用した。ヒト脳アストロブラストーマU87MG細胞(ヒト脳アストロブラストーマ、中国科学院細胞バンク、カタログ番号TCHu138)を皮下接種した。接種後10日目に、動物をランダムに1群あたり8匹の動物に群分けし(D0)、薬物を腹腔内注射により3回(週に1回)投与した。腫瘍体積および体重を週に2~3回測定し、データを記録した。腫瘍体積(V)の計算式は、以下のとおりである:
V=1/2×a×b
式中、aおよびbは、それぞれ長さおよび幅を表す。
相対体積(RTV)=V/V
腫瘍抑制率(%)=(CRTV-TRTV)/CRTV(%)
式中、VおよびVは、それぞれ試験開始時および試験終了時の腫瘍体積を表す。CRTVおよびTRTVは、それぞれ、試験終了時のコントロール群(ブランク)および試験群の相対腫瘍体積を表す。
IV.試験結果
腹腔内注射(i.p.)投与は3回(週に1回)行った。観察22日目に、ADC-27(3mg/kg)の腫瘍抑制率は63.3%に達し(P<0.0001)、ADC-26(3mg/kg)の腫瘍抑制率は49.1%に達した。ADC-27はADC-26よりも強い抗腫瘍効果を示す。
投与中、各群の動物は正常な体重を示し、ADCには明らかな副作用がないことが示唆された。試験結果を表3および図5に示す。試験した抗体は、腫瘍ベアリングヌードマウスにおけるU87MG異種移植腫瘍の成長を効果的に抑制することができ、用量依存的な様式を示す。
表3 ヌードマウスにおけるヒト脳アストロブラストーマU87MG異種移植腫瘍に対する投与された抗体の有効性(D22)
Figure 2020063676000112
試験例8:ヌードマウスにおけるヒト咽頭癌胸水転移細胞デトロイト562異種移植腫瘍に対するADCの有効性評価
I.試験目的
BALB/cA-ヌードヌードマウスを試験動物として使用して、ヌードマウスにおけるヒト咽頭癌胸水転移細胞デトロイト562異種移植腫瘍に対する本開示のADC化合物の有効性を評価した。
II.試験薬物および材料
1.試験薬物
ADC-29(3mg/kg)
ADC-28(3mg/kg)
ネガティブコントロールADC(3mg/kg):非B7H3標的と化合物20とのカップリングによって形成されたリガンド-毒素コンジュゲート。
2.配合方法:薬物はすべてPBSで希釈および配合された。
3.試験動物
BALB/cA-ヌードヌードマウス(Changzhou Cavens Laboratory Animal Co.,Ltd.より購入)。
III.試験方法
試験にはBALB/cA-ヌードヌードマウス(雌、6~7週齢)を使用した。ヒト咽頭癌胸水転移細胞デトロイト562細胞(ATCC、カタログ番号ATCC(登録商標)CCL-138(商標))を皮下接種した。接種後10日目に、動物をランダムに1群あたり8匹の動物に群分けし(D0)、薬物を腹腔内注射により3回(週に1)投与した。腫瘍体積および体重を週に2~3回測定し、データを記録した。腫瘍体積(V)の計算式は、以下のとおりである:
V=1/2×a×b
式中、aおよびbは、それぞれ長さおよび幅を表す。
相対体積(RTV)=V/V
腫瘍抑制率(%)=(CRTV-TRTV)/CRTV(%)
式中、VおよびVは、それぞれ試験開始時および試験終了時の腫瘍体積を表す。CRTVおよびTRTVは、それぞれ、試験終了時のコントロール群(ネガティブコントロール)および試験群の相対腫瘍体積を表す。
IV.試験結果
腹腔内注射投与は3回(週に1回)行った。観察28日目に、ADC-29(3mg/kg、3mpk)の腫瘍抑制率は72.27%に達し(P<0.001)、ADC-28(3mg/kg、3mpk)の腫瘍抑制率は56.2%に達した(P<0.001)。ADC-29はADC-28よりも強い抗腫瘍効果を示す。
投与中、各群の動物は正常な体重を示し、ADCには明らかな副作用がないことが示唆された。試験結果を表4および図6に示す。試験した抗体は、腫瘍ベアリングヌードマウスにおけるデトロイト562異種移植腫瘍の成長を効果的に抑制することができ、用量依存的な様式を示す。
表4 腫瘍ベアリングヌードマウスにおけるデトロイト562異種移植腫瘍に対する投与された抗体の有効性(D28)
Figure 2020063676000113
試験例9:U87-MG腫瘍ベアリングマウスにおける有効性評価
I.試験目的
BALB/cヌードマウスを試験動物として使用して、ヒト神経膠腫細胞U87MG異種移植腫瘍モデルにおいて腹腔内注射によって投与されたB7H3抗体-薬物コンジュゲートの有効性を評価した。
II.試験薬物および材料
1.試験薬物
ADC-30 1mg/kg
ADC-30 3mg/kg
ADC-31 1mg/kg
ADC-31 3mg/kg
ブランク:PBS
2.配合方法:薬物はすべてPBSで希釈および配合された。
3.試験動物
BALB/cA-ヌードヌードマウス(Shanghai Slac Laboratory Animal Co. Ltd.より購入)。
III.試験方法
U87MG細胞(ヒト脳アストロブラストーマ、中国科学院細胞バンク、カタログ番号TCHu138)(2.5×10細胞/マウス)をマウスの右肋骨に皮下接種した。腫瘍が14日間成長し、167.49mmに達した後、動物を、1群あたり8匹の動物を有する5群にランダムに群分けした(d1)。
薬物を腹腔内注射により週に1回、合計3回投与した。腫瘍体積および体重を週に2回測定し、データを記録した。
データ統計にはExcel2003統計ソフトウェアを使用した:平均値はavgとして計算された;SD値はSTDEVとして計算された;SEM値はSTDEV/SQRTとして計算された;異なる群間のP値はTTESTとして計算された。
腫瘍体積(V)は、次のように計算された:V=1/2×Llength×Lshort
相対体積(RTV)=V/V
腫瘍抑制率(%)=(CRTV-TRTV)/CRTV(%)
式中、VおよびVは、それぞれ試験開始時および試験終了時の腫瘍体積を表す。CRTVおよびTRTVは、それぞれ、試験終了時のブランクコントロール群(ビヒクル)および試験群の相対腫瘍体積を表す。
IV.試験結果
試験結果を図7に示す。腹腔内注射投与は、週に1回、合計3回行った。観察18日目に、ADC-30(1mg/kg)の腫瘍抑制率は0.31%に達し、ADC-30(3mg/kg)の腫瘍抑制率は45.23%に達し(P<0.0001)、ADC-31(1mg/kg)の腫瘍抑制率は39.22%に達し(P<0.01)、ADC-31(3mg/kg)の腫瘍抑制率は80.24%に達した(P<0.0001)。同一用量で、ADC-31の腫瘍抑制効果はADC-30のそれよりも有意に優れている。

Claims (28)

  1. リガンド-薬物コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物であって、前記リガンド-薬物コンジュゲートは、式(-D):
    Figure 2020063676000001

    (式中、
    Yは、-O-(CR-CR-C(O)-、-O-CR-(CR-、-O-CR-、-NH-(CR-CR-C(O)-および-S-(CR-CR-C(O)-からなる群から選択される;
    およびRは同一または異なり、水素原子、重水素原子、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、重水素化アルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシアルキル、シクロアルキルおよびヘテロシクリルからなる群からそれぞれ独立して選択される;
    または、RとRは、それらが結合している炭素原子と一緒になってシクロアルキルまたはヘテロシクリルを形成する;
    は、ハロゲン、重水素化アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルコキシアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択される;
    は、水素原子、ハロゲン、ハロアルキル、重水素化アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルコキシアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択される;
    または、RとRは、それらが結合している炭素原子と一緒になってシクロアルキルまたはヘテロシクリルを形成する;
    または、RとRは、それらが結合している炭素原子と一緒になってシクロアルキルまたはヘテロシクリルを形成する;
    式-D中の波線は、水素原子、またはリンカーユニットもしくは抗体への共有結合を表し、当該抗体は標的細胞によって発現される抗原に結合する;
    mは0~4の整数である)
    の構造を含む、リガンド-薬物コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物。
  2. 前記リガンド-薬物コンジュゲートは、式(-D):
    Figure 2020063676000002

    (式中、
    はシクロアルキルアルキルまたはシクロアルキルであり、好ましくはC3-6シクロアルキルアルキルまたはC3-6シクロアルキルである;
    は、水素原子、ハロアルキルおよびC3-6シクロアルキルからなる群から選択され、好ましくは水素原子である;
    または、RとRは、それらが結合している炭素原子と一緒になってC3-6シクロアルキルを形成する;
    波線は、水素原子、またはリンカーユニットもしくは抗体への共有結合を表し、当該抗体は標的細胞によって発現される抗原に結合する;
    mは0または1である)
    の構造を含む、請求項1に記載のリガンド-薬物コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物。
  3. 式(Pc-L-Y-Dr)のリガンド-薬物コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物:
    Figure 2020063676000003

    (式中、
    Yは、-O-(CR-CR-C(O)-、-O-CR-(CR-、-O-CR-、-NH-(CR-CR-C(O)-および-S-(CR-CR-C(O)-からなる群から選択される;
    およびRは同一または異なり、水素原子、重水素原子、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、重水素化アルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシアルキル、シクロアルキルおよびヘテロシクリルからなる群からそれぞれ独立して選択される;
    または、RとRは、それらが結合している炭素原子と一緒になってシクロアルキルまたはヘテロシクリルを形成する;
    は、ハロゲン、ハロアルキル、重水素化アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルコキシアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択される;
    は、水素原子、ハロゲン、ハロアルキル、重水素化アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルコキシアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択される;
    または、RとRは、それらが結合している炭素原子と一緒になってシクロアルキルまたはヘテロシクリルを形成する;
    または、RとRは、それらが結合している炭素原子と一緒になってシクロアルキルまたはヘテロシクリルを形成する;
    mは0~4の整数である;
    nは1~10であり、整数または小数であり得る;
    Pcはリガンドである;
    Lはリンカーユニットである)
    である、請求項1に記載のリガンド-薬物コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物。
  4. Yは、-O-(CR)m-CR-C(O)-である;
    およびRは同一または異なり、水素原子、重水素原子、ハロゲンおよびアルキルからなる群からそれぞれ独立して選択される;
    は、C3-6シクロアルキルアルキルまたはC3-6シクロアルキルである;
    は、水素原子、ハロアルキルおよびC3-6シクロアルキルからなる群から選択され、好ましくは水素原子である;
    または、RとRは、それらが結合している炭素原子と一緒になってC3-6シクロアルキルを形成する;
    mは0または1である
    好ましくは、Yは、以下:
    Figure 2020063676000004

    からなる群から選択される;
    前記YのO末端は、前記リンカーユニットLに接続される
    請求項3に記載のリガンド-薬物コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物。
  5. 式(Pc-L-D1)のリガンド-薬物コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物:
    Figure 2020063676000005

    (式中、
    は、C3-6シクロアルキルアルキルまたはC3-6シクロアルキルである;
    は、水素原子、ハロアルキルおよびC3-6シクロアルキルからなる群から選択され、好ましくは水素原子である;
    または、RとRは、それらが結合している炭素原子と一緒になってC3-6シクロアルキルを形成する;
    mは0または1である;
    nは1~10であり、整数または小数であり得る;
    Pcはリガンドである;Lはリンカーユニットである)
    である、請求項1に記載のリガンド-薬物コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物。
  6. nが2~8であり、整数または小数であり得、好ましくはnは3~8であり、整数または小数であり得る、請求項3~のいずれか1項に記載のリガンド-薬物コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物。
  7. 前記リンカーユニット-L-は、-L-L-L-L-であって、
    は、-(スクシンイミド-3-イル-N)-W-C(O)-、-CH-C(O)-NR-W-C(O)-および-C(O)-W-C(O)-からなる群から選択され、ここでWは、C1-8アルキル、C1-8アルキル-シクロアルキルおよび1~8個の原子を含む直鎖ヘテロアルキルからなる群から選択され、当該ヘテロアルキルは、N、OおよびSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を含み、当該C1-8アルキル、シクロアルキルおよび直鎖ヘテロアルキルは、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、アルキル、クロロアルキル、重水素化アルキル、アルコキシおよびシクロアルキルからなる群から選択される1個以上の置換基によって任意にさらに置換される;
    は、-NR(CHCHO)pCHCHC(O)-、-NR(CHCHO)pCHC(O)-、-S(CH)pC(O)-および化学結合からなる群から選択され、ここでpは1~20の整数である;Lは好ましくは化学結合である;
    は、2~7個のアミノ酸から構成されるペプチド残基であり、当該アミノ酸は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、アルキル、クロロアルキル、重水素化アルキル、アルコキシおよびシクロアルキルからなる群から選択される1個以上の置換基によって任意にさらに置換される;
    は、-NR(CR-、-C(O)NR、-C(O)NR(CH-および化学結合からなる群から選択され、ここでtは1~6の整数である;Lは好ましくは-NR(CR)t-である;
    、RおよびRは同一または異なり、水素原子、アルキル、ハロアルキル、重水素化アルキルおよびヒドロキシアルキルからなる群からそれぞれ独立して選択される;
    およびRは同一または異なり、水素原子、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、重水素化アルキルおよびヒドロキシアルキルからなる群からそれぞれ独立して選択される
    前記リンカーユニット-L-の前記L 末端は前記リガンドに接続され、前記リンカーユニット-L-の前記L 末端はYに接続される
    請求項3~のいずれか1項に記載のリガンド-薬物コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物。
  8. は、-(スクシンイミド-3-イル-N)-(CH)s-C(O)-、-(スクシンイミド-3-イル-N)-CH-シクロヘキシル-C(O)-、-(スクシンイミド-3-イル-N)-(CHCHO)s-CHCH-C(O)-、-CH-C(O)-NR-(CH)s-C(O)-、および-C(O)-(CH)sC(O)-からなる群から選択され、ここで、sは2~8の整数であり、sは1~3の整数であり、sは1~8の整数であり、sは1~8の整数である、請求項に記載のリガンド-薬物コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物。
  9. は、-NR(CHCHO)pCHC(O)-および化学結合からなる群から選択され、pは6~12の整数である、請求項またはに記載のリガンド-薬物コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物。
  10. は-NR(CR-から選択され、Rは水素原子およびアルキルからなる群から選択され、RおよびRは同一または異なり、水素原子およびアルキルからなる群からそれぞれ独立して選択され、tは1または2であり、好ましくは2である、請求項のいずれか1項に記載のリガンド-薬物コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物。
  11. は、フェニルアラニン、グリシン、バリン、リジン、シトルリン、セリン、グルタミン酸およびアスパラギン酸からなる群から選択される2~7個のアミノ酸から構成されるペプチド残基であり、好ましくはテトラペプチド残基であり、より好ましくはグリシン-グリシン-フェニルアラニン-グリシンのテトラペプチド残基である、請求項10のいずれか1項に記載のリガンド-薬物コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物。
  12. 前記リンカーユニット-L-は、-L-L-L-L-であって、
    は、
    Figure 2020063676000006

    であり、sは2~8の整数である;
    は化学結合である;
    はテトラペプチド残基である;
    は-NR(CR-であり、Rは水素原子およびアルキルからなる群から選択され、RおよびRは同一または異なり、水素原子およびアルキルからなる群からそれぞれ独立して選択され、tは1または2である;または
    前記リンカーユニット-L-は、-L -L -L -L -であって、
    は-(スクシンイミド-3-イル-N)-CH -シクロヘキシル-C(O)-である;
    は-NR (CH CH O) CH C(O)-である;
    はテトラペプチド残基である;
    は-NR (CR )t-であり、R は水素原子およびアルキルからなる群から選択され、R およびR は同一または異なり、水素原子およびアルキルからなる群からそれぞれ独立して選択され、tは1または2である
    請求項3~11のいずれか1項に記載のリガンド-薬物コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物。
  13. 式(Pc-L-Y-Dr)のリガンド-薬物コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物:
    Figure 2020063676000007

    (式中、
    Wは、C1-8アルキル、C1-8アルキル-シクロアルキルおよび1~8個の原子を含む直鎖ヘテロアルキルからなる群から選択され、当該ヘテロアルキルは、N、OおよびSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を含み、当該C1-8アルキル、シクロアルキルおよび直鎖ヘテロアルキルは、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、アルキル、クロロアルキル、重水素化アルキル、アルコキシおよびシクロアルキルからなる群から選択される1個以上の置換基によって任意にさらに置換される;
    は、-NR(CHCHO)pCHCHC(O)-、-NR(CHCHO)pCHC(O)-、-S(CH)pC(O)-および化学結合からなる群から選択され、ここでpは1~20の整数である;
    は、2~7個のアミノ酸から構成されるペプチド残基であり、当該アミノ酸は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、アルキル、クロロアルキル、重水素化アルキル、アルコキシおよびシクロアルキルからなる群から選択される1個以上の置換基によって任意にさらに置換される;
    は、ハロゲン、シクロアルキルアルキル、重水素化アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択される;
    は、水素原子、ハロゲン、ハロアルキル、重水素化アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択される;
    または、RとRは、それらが結合している炭素原子と一緒になってシクロアルキルまたはヘテロシクリルを形成する;
    およびRは同一または異なり、水素原子、アルキル、ハロアルキル、重水素化アルキルおよびヒドロキシアルキルからなる群からそれぞれ独立して選択される;
    およびRは同一または異なり、水素原子、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、重水素化アルキルおよびヒドロキシアルキルからなる群からそれぞれ独立して選択される;
    mは0~4の整数である;
    nは1~10であって、整数または小数であり得る;
    Pcはリガンドである)
    である、請求項1~4のいずれか1項に記載のリガンド-薬物コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物。
  14. 式(Pc-L-Y-Dr)のリガンド-薬物コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物:
    Figure 2020063676000008

    (式中、
    は2~8の整数であって、好ましくは5である;
    Pc、R、R、R~R、mおよびnは、請求項13で定義されるとおりである)
    である、請求項13に記載のリガンド-薬物コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物。
  15. 以下:
    Figure 2020063676000009

    Figure 2020063676000010

    Figure 2020063676000011

    (式中、
    nは1~10であって、整数または小数であり得る;
    Pcはリガンドである)
    からなる群から選択される、請求項1~14のいずれか1項に記載のリガンド-薬物コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物。
  16. Pcは抗体またはその抗原結合フラグメントであり、前記抗体はキメラ抗体、ヒト化抗体および完全ヒト化抗体からなる群から選択される
    好ましくは、前記抗体またはその抗原結合フラグメントは、抗HER2(ErbB2)抗体、抗EGFR抗体、抗B7-H3抗体、抗c-Met抗体、抗HER3(ErbB3)抗体、抗HER4(ErbB4)抗体、抗CD20抗体、抗CD22抗体、抗CD30抗体、抗CD33抗体、抗CD44抗体、抗CD56抗体、抗CD70抗体、抗CD73抗体、抗CD105抗体、抗CEA抗体、抗A33抗体、抗Cripto抗体、抗EphA2抗体、抗G250抗体、抗MUCl抗体、抗ルイスY抗体(anti-Lewis Y antibody)、抗VEGFR抗体、抗GPNMB抗体、抗インテグリン抗体、抗PSMA抗体、抗テネイシン-C抗体(anti-Tenascin-C antibody)、抗SLC44A4抗体、抗メソテリン抗体(anti-Mesothelin antibody)およびそれらの抗原結合フラグメントからなる群から選択される;
    より好ましくは、前記抗体またはその抗原結合フラグメントは、トラスツズマブ(Trastuzumab)、ペルツズマブ(Pertuzumab)、ニモツズマブ(Nimotuzumab)、エノブリツズマブ(Enoblituzumab)、エミベツズマブ(Emibetuzumab)、イノツズマブ(Inotuzumab)、ピナツズマブ(Pinatuzumab)、ブレンツキシマブ(Brentuximab)、ゲムツズマブ(Gemtuzumab)、ビバツズマブ(Bivatuzumab)、ロルボツズマブ(Lorvotuzumab)、cBR96およびグレマツムマブ(Glematumamab)、またはそれらの抗原結合フラグメントからなる群から選択される、
    請求項3~15のいずれか1項に記載のリガンド-薬物コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物。
  17. 以下:
    Figure 2020063676000012

    Figure 2020063676000013

    Figure 2020063676000014

    Figure 2020063676000015

    (式中、nは請求項3で定義されるとおりである)
    からなる群から選択される、請求項3~16のいずれか1項に記載のリガンド-薬物コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物。
  18. 式(D)の化合物:
    Figure 2020063676000016

    またはその互変異性体、メソマー、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、またはその混合物、またはその薬学的に許容される
    式中、
    は、C3-6シクロアルキルアルキルまたはC3-6シクロアルキルである;
    は、水素原子、ハロアルキルおよびC3-6シクロアルキルからなる群から選択される;
    または、RとRは、それらが結合している炭素原子と一緒になってC3-6シクロアルキルを形成する;
    mは0または1である)。
  19. 以下:
    Figure 2020063676000017

    Figure 2020063676000018

    からなる群から選択される、請求項18に記載の式( )の化合物。
  20. 式(L-Y-Dr)の化合物:
    Figure 2020063676000019

    またはその互変異性体、メソマー、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、またはその混合物、またはその薬学的に許容される塩
    (式中、
    Wは、C1-8アルキル、C1-8アルキル-シクロアルキルおよび1~8個の原子を含む直鎖ヘテロアルキルからなる群から選択され、当該ヘテロアルキルは、N、OおよびSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を含み、当該C1-8アルキル、シクロアルキルおよび直鎖ヘテロアルキルは、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、アルキル、クロロアルキル、重水素化アルキル、アルコキシおよびシクロアルキルからなる群から選択される1個以上の置換基によって任意にさらに置換される;
    は、-NR(CHCHO)pCHCHC(O)-、-NR(CHCHO)pCHC(O)-、-S(CH)pC(O)-および化学結合からなる群から選択され、ここでpは1~20の整数である;
    は、2~7個のアミノ酸から構成されるペプチド残基であり、当該アミノ酸は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、アルキル、クロロアルキル、重水素化アルキル、アルコキシおよびシクロアルキルからなる群から選択される1個以上の置換基によって任意にさらに置換される;
    は、ハロゲン、重水素化アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルコキシアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択される;
    は、水素原子、ハロゲン、ハロアルキル、重水素化アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルコキシアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択される;または、RとRは、それらが結合している炭素原子と一緒になってシクロアルキルまたはヘテロシクリルを形成する;
    およびRは同一または異なり、水素原子、アルキル、ハロアルキル、重水素化アルキルおよびヒドロキシアルキルからなる群からそれぞれ独立して選択される;
    およびRは同一または異なり、水素原子、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、重水素化アルキルおよびヒドロキシアルキルからなる群からそれぞれ独立して選択される;
    mは0~4の整数である)。
  21. 式(L-Y-Dr)の化合物:
    Figure 2020063676000020

    (式中、R、R、R~R、sおよびmは、請求項20で定義されるとおりである)
    またはその互変異性体、メソマー、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、またはその混合物、またはその薬学的に許容される塩である、請求項20に記載の式(L-Y-Dr)の化合物。
  22. 以下:
    Figure 2020063676000021

    Figure 2020063676000022

    からなる群から選択される、請求項20または21に記載の式(L-Y-Dr)の化合物。
  23. 式(D)の化合物またはその互変異性体、メソマー、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、またはその混合物、またはその薬学的に許容される塩を調製する方法であって、以下のステップ:
    Figure 2020063676000023

    前記式(Y)の化合物と前記式(Dr)の化合物を縮合させて、前記式(D)の化合物を得るステップ
    (式中、R、Rおよびmは、請求項18で定義されるとおりである)
    を含む、方法。
  24. 式(L-Y-Dr)の化合物またはその互変異性体、メソマー、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、またはその混合物、またはその薬学的に許容される塩を調製する方法であって、以下のステップ:
    Figure 2020063676000024

    前記式(IA)の化合物と前記式(IB)の化合物を縮合させて、前記式(L-Y-Dr)の化合物を得るステップ
    (式中、R、R、R~R、sおよびmは、請求項21で定義されるとおりである)
    を含む、方法。
  25. リガンドおよび前記リガンドに連結された薬物を含むリガンド-薬物コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物であって、前記薬物は請求項1819のいずれか1項に記載の化合物から選択され、前記薬物は好ましくはリンカーを介して前記リガンドに連結されている;および、前記リガンドは好ましくはモノクローナル抗体である、リガンド-薬物コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物。
  26. 治療有効量の請求項1~17のいずれか1項に記載のリガンド-薬物コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物あるいは請求項1819のいずれか1項に記載の式(D)の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物と、薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤とを含む、医薬組成物。
  27. 薬剤として使用するため、好ましくは腫瘍の処置または予防のための薬剤として使用するための、請求項1~17のいずれか1項に記載のリガンド-薬物コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、請求項1819のいずれか1項に記載の式(D)の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、または請求項26に記載の医薬組成物;
    より好ましくは、前記腫瘍は、HER2、HER3、B7H3またはEGFRの発現に関連する癌である。
  28. 癌の処置および/または予防のための薬剤として使用するための、請求項1~17のいずれか1項に記載のリガンド-薬物コンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、請求項1819のいずれか1項に記載の式(D)の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、または請求項26に記載の医薬組成物;前記癌は好ましくは、乳癌、卵巣癌、子宮頸癌、子宮癌、前立腺癌、腎臓癌、尿道癌、膀胱癌、肝臓癌、胃癌、子宮内膜癌、唾液腺癌、食道癌、黒色腫、神経膠腫、神経芽細胞腫、肉腫、肺癌、結腸癌、直腸癌、結腸直腸癌、白血病、骨癌、皮膚癌、甲状腺癌、膵臓癌およびリンパ腫からなる群から選択される。
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