JPWO2020027123A1 - 止血器具 - Google Patents

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Abstract

【課題】拡張部材が拡張した状態で患者が手を動かした場合であっても、手の止血すべき部位に対する拡張部材の位置ずれを抑制し、手の止血すべき部位に対する拡張部材による圧迫力を適切に維持できる止血器具を提供する。【解決手段】止血器具100が備える被覆部材110は、拡張部材160が接続された本体部120と、本体部から突出する第1アーム部130と、第1アーム部の長手方向との間で鈍角をなしつつ、本体部から突出する第2アーム140部と、を有しており、第1アーム部は、第1アーム部の端部133で、第1アーム部の幅方向に突出する凸部133aを有しており、第2アーム部は、第1アーム部よりも長く、第2アーム部が患者の肢体に巻き付けられた状態で、凸部に固定され、かつ、患者の指f1、f2同士の間を通って第2アーム部に固定される。【選択図】図1

Description

本発明は、止血器具に関する。
カテーテル手技の1つとして、患者の腕の血管(例えば、橈骨動脈)を穿刺し、患者の腕の血管に形成した穿刺部位を介して各種の医療用長尺体を血管内に導入し、病変部位に対する処置や治療を行う手技が知られている(下記特許文献1を参照)。橈骨動脈を利用するカテーテル手技は、経橈骨動脈アプローチと呼ばれており、例えば、冠動脈アクセスや下肢動脈アクセスのための有用な技術として考えられている。
人体の腕に位置する橈骨動脈は、手側を迂回する手掌動脈とつながっている。そのため、現在、経橈骨動脈アプローチの新しい手法として、手の甲側に位置する解剖学上のスナッフボックス、又は、スナッフボックス周辺の位置から手掌動脈(遠位橈骨動脈を含む)にアクセスし、その血管アクセス部位を介して治療を行うdTRA(distal transradial approach)によるカテーテル手技が試みられている。
特開2008−119517号公報
手に位置する手掌動脈等の血管は、指等の可動部位が多い箇所に位置する。そのため、手の穿刺部位の周囲の形状は、手の動きにより変化する。したがって、穿刺部位を止血する際、手に配置される押圧部材は、手の動きに追従し、穿刺部位への圧迫力の調整が簡単な拡張部材であることが好ましい。
しかしながら、押圧部材が拡張部材である場合、拡張部材は、拡張した状態において、拡張部材の内側から外側に向けて拡張する力が働く。そのため、拡張部材を有する止血器具は、手の動きにより止血部位の周囲の形状が変化し、拡張部材が穿刺部位からずれてしまい、穿刺部位に対する拡張部材による圧迫力を適切に維持できない場合がある。したがって、手の穿刺部位を止血する場合、拡張部材を有する止血器具は、穿刺部位から離れる方向に働く力による拡張部材の位置ずれを抑制することにより、穿刺部位に対して適切に拡張部材を固定する必要がある。これにより、拡張部材を有する止血器具は、手の動きにより穿刺部位の周囲の形状が変化した場合でも、穿刺部位に対する拡張部材による圧迫力を適切に維持できると考えられる。
本発明は、上記課題を鑑み、拡張部材が拡張した状態で患者が手を動かした場合であっても、手の止血すべき部位に対する拡張部材の位置ずれを抑制し、手の止血すべき部位に対する拡張部材による圧迫力を適切に維持できる止血器具を提供することを目的とする。
本発明の一の形態に係る止血器具は、患者の手の止血すべき部位を覆うように配置される被覆部材と、前記被覆部材が前記止血すべき部位を覆った状態で前記被覆部材を固定する固定部材と、前記被覆部材に接続され、流体の注入により拡張する拡張部材と、を備え、前記被覆部材は、前記拡張部材が接続された本体部と、前記本体部から突出する第1アーム部と、前記第1アーム部の長手方向との間で鈍角をなしつつ、前記本体部から突出する第2アーム部と、を有し、前記第1アーム部は、前記第1アーム部の端部で、前記第1アーム部の幅方向に突出する凸部を有し、前記第2アーム部は、前記第1アーム部よりも長く、前記第2アーム部が前記患者の肢体に巻き付けられた状態で、前記凸部に固定され、かつ、前記患者の指同士の間を通って前記第2アーム部に固定される。
本発明の他の形態に係る止血器具は、患者の手の止血すべき部位を覆うように配置される被覆部材と、前記被覆部材が前記止血すべき部位を覆った状態で前記被覆部材を固定する固定部材と、前記被覆部材に接続され、流体の注入により拡張する拡張部材と、を備え、前記被覆部材は、前記拡張部材が接続された本体部と、前記本体部から突出する第1アーム部と、前記第1アーム部の長手方向との間で鈍角をなしつつ、前記本体部から突出する第2アーム部と、を有し、前記拡張部材は、第1拡張部と、前記第1拡張部よりも外形が小さく、かつ、前記第1拡張部の一端側に偏って位置する変形可能な補助部材と、を有し、前記被覆部材は、前記被覆部材が前記患者の肢体に巻き付けられた状態で、前記固定部材により、前記第1アーム部と前記第2アーム部が連結可能であり、前記補助部材は、前記第1アーム部と前記第2アーム部との間に配置される。
本発明の一の形態に係る止血器具は、第1アーム部及び第2アーム部を患者の肢体に巻き付けつつ、第2アーム部の一部を患者の隣り合う指同士の間に配置し、凸部及び第2アーム部を連結することにより、拡張部材が配置された本体部を肢体に対して固定することができる。第1アーム部及び第2アーム部は、凸部及び第2アーム部が連結されることにより、肢体に対して締め付けられつつ、本体部を肢体に対して固定する。また、第2アーム部は、患者の隣り合う指同士の間に配置されることにより、本体部に配置された拡張部材の止血すべき部位に対する位置ずれを抑制できる。また、上記の止血器具は、本体部から突出した二つのアーム部同士を連結させることにより、患者の手に対して拡張部材を締め付けることが可能な簡便な固定構造を備える。そのため、上記の止血器具は、拡張部材を固定するためのアーム部の設置数の低減を図ることができる。それにより、上記の止血器具は、止血器具を患者の手に装着した状態においてイントロデューサー等の医療器具に対して干渉し得るアーム部の増設を抑制することが可能になるため、止血器具の装着後においても医療器具を止血すべき部位から容易に抜去することができる。また、手は、手の手首側から指先側に向けて可動範囲が大きくなる。上記の止血器具は、第1アーム部及び第2アーム部が鈍角を形成しつつ手の指先側から手首側に延在することにより、第1アーム部及び第2アーム部を患者の手の手首側で連結できる。そのため、上記の止血器具は、第1アーム部及び第2アーム部を可動範囲が少ない手首側で固定できるため、手の指先側の可動範囲を維持しつつ、本体部を肢体に対して固定できる。なお、手は、手が広げられた状態において、手の手首側から指先側に向けて外周が大きくなる。そのため、第1アーム部及び第2アーム部が手の外周が大きくなる方向と逆方向に向かって延在するため、第1アーム部及び第2アーム部は、上記の止血器具を装着した状態で、手の手首側で確実に連結できる。さらに、上記の止血器具は、拡張部材が拡張された状態で患者が手を動かした場合であっても、第1アーム部と第2アーム部が患者の肢体に締め付けられた状態で固定されることにより、拡張部材が接続された本体部の先端側(指先側)の浮き上がりを抑制し、患者の手の甲に形成された止血すべき部位に対する拡張部材による圧迫力を適切に維持できる。
本発明の他の形態に係る止血器具は、第1アーム部と第2アーム部が鈍角をなすように本体部から突出しているため、止血器具を患者の肢体に装着した際、被覆部材により患者の指全体が覆われないように各アーム部を連結することができる。そのため、患者は、止血器具を装着した状態でも手の動きが制限されにくいため、指先側の自由度を高めることができる。また、上記の止血器具は、第1拡張部の先端側に位置する変形可能な補助部材を有するため、第1拡張部が拡張した際、補助部材により第1拡張部を患者の肢体に押さえ付け、第1拡張部が患者の手の穿刺部位から離れる方向に浮き上がることを抑制する。それにより、止血器具は、指先側の自由度を高めつつ、止血すべき部位への適切な圧迫力を維持できる。さらに、上記の止血器具は、第1アーム部及び第2アーム部が鈍角を形成しつつ手の指先側から手首側に延在しているため、第1アーム部及び第2アーム部を可動範囲が少ない手首側で固定できる。そのため、手の指先側の可動範囲を維持しつつ、本体部を肢体に対して適切に固定できる。また、上記の止血器具は、第1アーム部と第2アーム部からなる二つのアーム部と補助部材により止血すべき部位に第1拡張部を固定できるため、第1アーム部と第2アーム部との間に異なるアーム部を増設する必要がない。そのため、術者等は、止血器具の装着後にイントロデューサーシース等の医療器具の抜去を容易に行うことができる。また、第1アーム部及び第2アーム部は患者の肢体に巻き付けた状態で連結されるため、第1アーム部と第2アーム部は、その間に位置する本体部を本体部の両側部側に引っ張りつつ、患者の手に対して押さえ付ける。補助部材は、第1アーム部と第2アーム部の間に位置するため、第1アーム部と第2アーム部の連結により、拡張部材を患者の手の体表面に対して確実に押さえ付けることができる。そのため、上記の止血器具は、補助部材により第1拡張部を患者の肢体に押さえ付け、第1拡張部が患者の手の止血すべき部位から離れる方向に浮き上がることを確実に抑制できる。これにより、上記の止血器具は、止血器具の装着時における指先側の自由度を高めつつ、第1拡張部を患者の手に確実に押さえ付けることができ、穿刺部位への適切な圧迫力を維持できる。
第1実施形態に係る止血器具を示す図であって、被覆部材の本体部の外面側から見た平面図である。 第1実施形態に係る止血器具を示す図であって、被覆部材の本体部の内面側から見た平面図である。 止血器具の一部を拡大して示す図である。 図3に示す矢印4−4に沿う止血器具の断面図であって、拡張部材が拡張した状態を示す図である。 第1実施形態に係る止血器具の使用例を簡略的に示す図である。 第1実施形態に係る止血器具の使用例を簡略的に示す図である。 第1実施形態に係る止血器具の使用例を簡略的に示す図である。 第1実施形態に係る止血器具の使用例を簡略的に示す図である。 第1実施形態に係る止血器具の使用例を簡略的に示す図である。 図5Eに示す矢印6−6に沿う断面の一部を模式的に示す図である。 第1実施形態に係る止血器具の他の使用例を簡略的に示す図である。 第1実施形態に係る止血器具の他の使用例を簡略的に示す図である。 第1実施形態に係る止血器具の他の使用例を簡略的に示す図である。 第1実施形態に係る止血器具の他の使用例を簡略的に示す図である。 第1実施形態の変形例に係る止血器具の平面図である。 図8に示す矢印9−9に沿う止血器具の断面図である。 第2実施形態に係る止血器具を示す図であって、被覆部材の本体部の外面側から見た平面図である。 第2実施形態に係る止血器具を示す図であって、被覆部材の本体部の内面側から見た平面図である。 第2実施形態に係る止血器具の使用例を簡略的に示す図である。 第2実施形態に係る止血器具の使用例を簡略的に示す図である。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、以下の記載は特許請求の範囲に記載される技術的範囲や用語の意義を限定するものではない。また、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
(第1実施形態)
図1〜図4は、第1実施形態に係る止血器具100を説明するための図、図5A〜図6は、止血器具100の使用例を説明するための図、図7A〜図7Dは、止血器具100の他の使用例を説明するための図である。
止血器具100は、例えば、図5E、図6、図7Dに示すように、患者の前腕部Aよりも手指側に位置する右手H1(又は左手H2)の甲Hb側を走行する手掌動脈(深掌動脈)B1の橈骨動脈側(例えば、解剖学上のスナッフボックス周辺の動脈、又は、スナッフボックスよりも指先側を走行する遠位橈骨動脈)に形成された穿刺部位t1(止血すべき部位に相当する)に留置していたイントロデューサー200のシースチューブを抜去する際、その穿刺部位t1を止血するために使用することができる。なお、解剖学上のスナッフボックスは、患者が右手H1又は左手H2の親指f1を広げた際に前腕部Aの橈骨側に位置する手の空洞である。
止血器具100は、概説すると、図1、図2、図6に示すように、患者の右手H1の穿刺部位t1を覆うように配置される被覆部材110と、被覆部材110が穿刺部位t1を覆った状態で被覆部材110を固定する複数の固定部材151、152、153、154、155、156と、被覆部材110に接続され、流体の注入により拡張する拡張部材160と、を備えている。
図1は、被覆部材110の本体部120の外面側から見た止血器具100の平面図を示しており、図2は、被覆部材110の本体部120の内面側から見た止血器具100の平面図を示している。本体部120の内面は、止血器具100を患者に装着した際、患者の体表面に向い合うように配置される拡張部材160が接続された側の面であり、本体部120の外面は、内面の反対側の面(本実施形態では支持部材125が配置された側の面)である。また、以下の説明で用いられる「先端側」とは、止血器具100を患者の右手H1に装着した状態において、右手H1の指先が配置される側(図1、図5Eの左側)である。
<被覆部材>
図1、図2に示すように、被覆部材110は、拡張部材160が接続された本体部120と、本体部120から突出する第1アーム部130と、第1アーム部130の長手方向との間で鈍角をなしつつ、本体部120から突出する第2アーム部140と、を有している。
第1アーム部130は、本体部120の第1領域121aと接続された端部側に位置する傾斜部131と、傾斜部131が配置された側と反対側の端部133で、第1アーム部130の幅方向に突出する凸部133aと、を有している。
第1アーム部130の長手方向は、図1、図2に示すように止血器具100を患者の右手H1に装着せずに第1アーム部130を延ばした状態において、第1アーム部130が延在する図1、図2の上下方向である。また、第1アーム部130の幅方向は、図1、図2に示す平面図上において第1アーム部130の長手方向と交差する方向であり、図1、図2の左右方向である。同様に、第2アーム部140の長手方向は、止血器具100を患者の右手H1に装着せずに第2アーム部140を延ばした状態において、第2アーム部140が延在する図1、図2の上下方向であり、第2アーム部140の幅方向は、図1、図2に示す平面図上において第2アーム部140の長手方向と交差する図1、図2の左右方向である。
第1アーム部130の傾斜部131及び凸部133aは、第1アーム部130を患者の右手H1に巻き付けることが可能な可撓性を備える帯状の部材で形成している。
傾斜部131は、図1に示すように、本体部120の先端側から離間する方向へ向けて傾斜している。凸部113aは、本体部120の先端側に向かって、第1アーム部130の長手方向と交差する方向に突出している。また、凸部113aは、本体部120側に向けて近付く方向に傾斜している。凸部133aの幅W3は、例えば、25mm〜40mmに形成することができる。
第2アーム部140は、図1、図2に示すように、第1アーム部130よりも長く形成されている。また、第2アーム部140は、図5B、図5C、図5Dに示すように、第2アーム部140が患者の肢体に巻き付けられた状態で第1アーム部130の凸部133aに固定され、かつ、患者の指f1、f2同士の間を通って第2アーム部140に固定される。
第2アーム部140は、患者の肢体に巻き付けることが可能な可撓性を備える帯状の部材で形成している。なお、第2アーム部140が巻き付けられる肢体には、例えば、患者の右手H1の一部、前腕部Aの一部、及び手首の一部が少なくとも含まれる。また、第2アーム部140が通る指の間(指間部)は、例えば、患者の右手H1の親指f1と人差し指f2の間である。ただし、第2アーム部140が巻き付けられる肢体の位置や、第2アーム部140が通される指間部の位置は特に限定されない。なお、本実施形態に係る止血器具100は、上記の右手H1の各部位と同様に左手H2に装着することも可能である(図7Dを参照)。
第1アーム部130の長さL1と第2アーム部140の長さL2の大小関係は、図1に示すように、患者の右手H1に止血器具100を装着せずに各アーム部130、140を延ばした状態における各アーム部130、140の直線距離L1、L2により定義することができる。なお、第1アーム部130の長さL1は、例えば、80mm〜400mmに形成することができる。また、第2アーム部140の長さL2は、例えば、350mm〜400mmに形成することができる。
本実施形態では、第1アーム部130の長手方向と第2アーム部140の長手方向の間で形成される鈍角θ1は、図3に示すように、第1アーム部130の傾斜部131の長手方向と略平行に延びる直線d1と、第2アーム部140の第1傾斜部141aの長手方向と略平行に延びる直線d2とが、本体部120上で交わることにより形成される角度で定義することができる。鈍角θ1は、例えば、120°〜170°に形成することができる。
上記のように止血器具100は、図1、図3に示す平面図上において第1アーム部130と第2アーム部140とが鈍角を形成する。そのため、第1アーム部130は、本体部120の先端側から離間する方向へ向けて傾斜して延びている。同様に、第2アーム部140は、本体部120の先端側から離間する方向へ傾斜して延びている。したがって、第1アーム部130と第2アーム部140は、本体部120の先端側から基端側へ向けて互いに交差することなく八の字状に広がるように延びている。
なお、本体部120の中心位置を通る直線(第1拡張部170の中央線に相当する)d3と第1アーム部130の長手方向に沿う直線d1が形成する角度と、本体部120の中心部を通る直線d3と第2アーム部140の長手方向に沿う直線d2が形成する角度は、同一であってもよいし、同一でなくてもよい。
図1、図2に示すように、第2アーム部140は、傾斜部141と、傾斜部141と連続的に形成され、第2アーム部140の端部を形成する第2アーム端部143と、を有している。
第2アーム部140の傾斜部141は、本体部120の第1領域121aと接続された第1傾斜部141aと、第1傾斜部141aと第2アーム端部143との間に延びる第2傾斜部141bと、を有している。
第1傾斜部141aは、本体部120の先端側から離間する方向へ向けて傾斜している。第2傾斜部141bは、第1傾斜部141aと同様に、本体部120の先端側から離間する方向へ向けて傾斜している。
第1傾斜部141aは、本体部120の第1領域121b側から第2傾斜部141b側へ向けて幅が漸減している。第2傾斜部141bは、第1傾斜部141a側から第2アーム端部143側へ向けて幅が漸減している。
第2アーム端部143は、略一定の幅で第2アーム部140の延在方向に沿って直線状に延びている。なお、第2アーム端部143は、第2アーム部140の端部(終端)から第2アーム部140の延在方向の所定の範囲を含む部分である。
図1に示すように、傾斜部141の幅W1は、第2アーム端部143の幅W2よりも大きい。上記の幅W1は、傾斜部(第1傾斜部141a、第2傾斜部141b)140の任意の箇所における幅である。
傾斜部141の幅W1は、例えば、15mm〜45mmに形成することができる。また、第2アーム端部143の幅W2は、例えば、10mm〜20mmに形成することができる。上記に例示した傾斜部141の幅W1の最大値は、第1傾斜部141aの最大値であり、傾斜部141の幅W1の最小値は、第2傾斜部141bの最小値である。なお、傾斜部141は、本体部120の第1領域121b側から第2アーム端部143に延びる一つの傾斜部で形成することも可能である。このように構成する場合においても、上記に例示した傾斜部141の幅W1を採用することができる。
第1アーム部130及び第2アーム部140には、例えば、止血器具100を使用した手技において術者等が拡張部材160に注入した空気量や止血時間等を記入することが可能な記入部を設けることが可能である。記入部は、例えば、公知のペンに備えられるインク等により文字等を書き込むことが可能な材料で構成することができる。
図3に示すように、被覆部材110の本体部120は、第1領域121a、121bと、第1領域121a、121bとは異なり、拡張部材160が配置される第2領域122と、を有している。
第1領域121aは、第2領域122と第1アーム部130との間に配置されている。第1領域121bは、第2領域122と第2アーム部140との間に配置されている。
図4に示すように、本体部120の第2領域122は、本体部120の第1領域121a、121bよりも大きな剛性を備える支持部材125を有している。支持部材125は、図3に示す平面図上において、左右方向に位置する両側部側が第1領域121a、121bと隣接している。
図4に示すように、支持部材125は、第2領域122の外面側(第2領域122において各拡張部170、180が配置された側と反対側の面であり、図4の上側の面)に配置された挿入部128aに挿入されている。
挿入部128aは、本体部120の外面の一部を覆うように配置されたカバー部材128と本体部120との間に形成された空間である。
本体部120の基端側(図3の下側、図4の左側)には、挿入部128aに連通する挿入口128bが形成されている。支持部材125は、挿入口128bを介して挿入部128a内に挿入することができる。
カバー部材128は、例えば、接着や融着によって被覆部材110に接続することができる。本実施形態では、カバー部材128は、挿入口128bが形成された部分以外の三辺が被覆部材110と接続されている。
図4に示すように、支持部材125は、本体部120の先端側に形成された湾曲部125aを有している。湾曲部125aは、図4に示す断面図上において本体部120から離間するように上方側に突出した断面形状を有している。なお、本体部120の先端側とは、図3に示す拡張部材160の平面図上における中心位置(本実施形態ではマーカー部105が配置された位置)を基準とし、上記中心位置よりも上側を意味する。
支持部材125の湾曲部125aは、拡張部材160が拡張した際、拡張部材160の先端側の端部(第1拡張部170の端部173、第2拡張部180の端部183)付近を包み込むことにより、拡張部材160の圧迫力を支持部材125の中央側(図4の左右方向の中心側)へ方向付けるため、拡張部材160による圧迫力が支持部材125の外側に逃げることを抑制する。それにより、止血器具100は、拡張部材160による穿刺部位t1への圧迫力の低下を抑制することができるため、穿刺部位t1に対して拡張部材160による圧迫力を適切に維持できる。
なお、支持部材125の湾曲部125aの頂点125c(湾曲部125aの拡張部材160から最も離間した部分)は、例えば、拡張部材160の中心位置よりも本体部120の先端側に配置することができる。支持部材125は、上記のような位置に湾曲部125aの頂点125cが配置されることにより、拡張部材160が拡張した際、拡張部材160の先端側の端部付近をより確実に包み込むことができるため、拡張部材160による圧迫力が支持部材125の外側に逃げることを効果的に抑制すること可能になる。
図4に示すように、支持部材125は、湾曲部125aから本体部120の基端側へ延びる傾斜部125bを有している。傾斜部125bは、本体部120の基端側へ向けて略直線状に延在している。
支持部材125の幅方向の寸法(図3の上下方向の寸法)は特に限定されないが、例えば、図4に示すように支持部材125の先端を補助部材180の先端付近に配置した状態において、支持部材125の基端を本体部120の基端付近に配置することが可能な寸法であることが好ましい。また、支持部材125の長手方向の寸法(図3の左右方向の寸法)は特に限定されないが、例えば、本体部120に第1領域121a、121bを形成する場合、本体部120の両側部側に所望の大きさの第1領域121a、121bを形成することが可能な寸法であることが好ましい。
なお、支持部材125は、例えば、被覆部材110の本体部120の内面側(各拡張部170、180が配置された側の面であり、図4の下側の面)に配置してもよい。このように支持部材125を配置する場合、本体部120へのカバー部材128の接続を省略して、各拡張部170、180を支持部材125に固定することができる。
本実施形態では、本体部120の第1領域121a、121b及び第2領域122は、一つの部材で一体的に構成している。ただし、第1領域121a、121b及び第2領域122は異なる部材を接続して構成してもよい。
本体部120の第2領域122、カバー部材128、支持部材125、第1拡張部170、及び第2拡張部180においてマーカー部105と図1、図3に示す平面視上において重なる部分及びその周囲は、透明(有色透明、無色透明、及び半透明を含む)であることが好ましい。上記のように構成することにより、術者は、マーカー部105を穿刺部位t1に重ね合わせた状態においても、本体部120の外面側から穿刺部位t1を視認することが可能になる。
なお、本体部120の第1領域121a、121bは、第1アーム部130及び第2アーム部140よりも伸縮性が高い材料で形成されていることが好ましい。それにより、止血器具100を患者の右手H1に装着する際、各アーム部130、140を患者の肢体に巻き付けることにより、第1領域121aが第1アーム部130側へ引っ張られて伸長し、第1領域121bが第2アーム部140側へ引っ張られて伸長する。それにより、本体部120は、第1アーム部130と第2アーム部140との間の各々の境界部で物性が変化して変形し易くなるため、患者の右手H1に形成した穿刺部位t1に本体部120を配置した状態で、患者の右手H1に第1アーム部130及び第2アーム部140を簡便に配置することができる。
さらに、支持部材125の材料は、第1アーム部130及び第2アーム部140の各々の材料よりも剛性を有することが好ましい。それにより、支持部材125は、拡張部材160が拡張した際、支持部材125の剛性により、拡張部材160による本体部120の浮き上がりを抑制することができる。また、第1アーム部130及び第2アーム部140は、支持部材125よりも柔軟性を有するように構成されることにより、止血器具100を患者に装着する際、患者の肢体に沿って容易に装着することができる。
なお、本実施形態では、被覆部材110は、本体部120、第1アーム部130、第2アーム部140の各々が別々の部材で構成されている。このように被覆部材110の各部を別々の部材で構成する場合、本体部120、第1アーム部130、第2アーム部140の各々は、例えば、接着や融着等で接続することができる。ただし、被覆部材110は、本体部120、第1アーム部130、第2アーム部140のうちの任意の部分が一つの部材で一体的に構成されていてもよい。
被覆部材110の本体部120に用いる材料は、特に限定されないが、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)のようなポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル、ポリ塩化ビニリデン、シリコーン、ポリウレタン、ポリアミドエラストマー、ポリウレタンエラストマー、ポリエステルエラストマー等の各種熱可塑性エラストマー、ナイロン、ナイロンエラストマー、あるいはこれらを任意に組み合わせたもの(ブレンド樹脂、ポリマーアロイ、積層体等)が挙げられる。
カバー部材128に用いられる材料も特に限定されないが、例えば、被覆部材110の材料として例示したものと同様のものを挙げることができる。
支持部材125に用いられる材料は、被覆部材110の本体部120の第1領域121a、121bに用いられる材料よりも剛性が大きなものであることが好ましい。そのような材料として、例えば、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル(特に硬質ポリ塩化ビニル)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエンのようなポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、ポリカーボネート、ABS樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアセタール、ポリアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、アイオノマー、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル、ブタジエン−スチレン共重合体、芳香族又は脂肪族ポリアミド、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂等を挙げることができる。
被覆部材110の第1アーム部130及び第2アーム部140に用いる材料は、特に限定されないが、例えば、被覆部材110の本体部120として例示した材料と同一の材料、織布、不織布、フェルト、織物、編物、紙を挙げることができる。
<固定部材>
図1、図2に示すように、止血器具100は、第1固定部材151、第2固定部材152、第3固定部材153、第4固定部材154、第5固定部材155、及び第6固定部材156の6つの固定部材を有している。
図1に示すように、第1アーム部130の外面には、第1固定部材151が配置されている。第1固定部材151は、傾斜部131の先端側の一部及び端部133全体に配置している。
図1に示すように、第2アーム部140の外面には、第2固定部材152及び第3固定部材153が配置されている。第2固定部材152は、第1傾斜部141aの先端側の一部及び第2傾斜部141bの先端側の一部に配置している。第3固定部材153は、第2アーム端部143全体に配置している。
図2に示すように、第1アーム部130の内面には、第4固定部材154が配置されている。第4固定部材154は、傾斜部131の先端側の一部及び端部133全体に配置している。
図2に示すように、第2アーム部140の外面には、第5固定部材155及び第6固定部材156が配置されている。第5固定部材155は、第1傾斜部141aの先端側の一部及び第2傾斜部141bの先端側の一部に配置している。第6固定部材156は、第2アーム端部143全体に配置している。
第1固定部材151、第2固定部材152は、面ファスナーの雄側で構成している。第3固定部材153、第4固定部材154、第5固定部材155、第6固定部材156は、面ファスナーの雌側で構成している。面ファスナーは、面的に着脱可能なファスナーであり、例えば、Magic Tape(登録商標)やVelcro(登録商標)である。
なお、各固定部材151、152、153、154、155、156は、患者の肢体に巻き付けた第2アーム部140を凸部133aに対して固定でき、かつ、親指f1と人差し指f2との間を通した第2アーム部140の一部を第2アーム部140に対して固定することが可能な限り、具体的な構成は限定されない。例えば、一部の固定部材151、152、153、154、155、156の省略、各アーム部130、140上において固定部材が配置される位置の変更等は適宜行い得る。また、各固定部材151、152、153、154、155、156を面ファスナーで構成する場合、面ファスナーの雄側と雌側を入れ替えた構成としてもよい。また、例えば、各固定部材151、152、153、154、155、156は、スナップ、ボタン、クリップ、孔部が形成された枠部材等であってもよい。
<拡張部材>
図3、図4に示すように、拡張部材160は、第1拡張部170と、第1拡張部170よりも外形(図3の平面図上での外形)が小さく、かつ、変形可能な補助部材180と、を有している。
補助部材180は、本体部120の先端側において第1拡張部170と重なるように配置されている。
第1拡張部170は、流体が注入可能な内腔171と、補助部材180に対向する位置に形成された連通孔172と、を有している。
本実施形態において、補助部材180は、流体の注入により拡張する第2拡張部である。以下、補助部材180は第2拡張部とする。
第2拡張部180は、流体が注入可能な内腔181と、第1拡張部170の連通孔172と対向する位置に配置された連通孔182と、を有している。
第2拡張部180の内腔181は、第2拡張部180の連通孔182及び第1拡張部170の連通孔172を介して、第1拡張部170の内腔171と連通している。
図3に示すように、第2拡張部180は、第1拡張部170(拡張部材160)の中央線d3に対して左右対称に配置されている。また、本体部120を挟んで対向する第1アーム部130の外面及び第2アーム部140の外面には、前述した第1固定部材151、第2固定部材152、第3固定部材153が配置されている。
本実施形態では、第2拡張部180は、略正方形の形状を有する。そのため、第2拡張部180は、正方形の左右方向の中心位置が本体部120の中心位置に配置されている。また、第2拡張部180の中心位置には、後述するマーカー部105を配置している。
第2拡張部180は、被覆部材110の内面(被覆部材110の本体部120の内面)に固定している。具体的には、第2拡張部180の先端側に位置する端部183が被覆部材110の内面に固定されている。
第1拡張部170は、第1拡張部170の連通孔172の周囲が第2拡張部180の連通孔182の周囲と固定されている。具体的には、第1拡張部170は、第2拡張部180の中心部付近に位置する各連通孔172、182の周囲の一定の範囲のみが第2拡張部180に固定されている。このように、第1拡張部170は、被覆部材110には直接接続されておらず、第2拡張部180を介して間接的に被覆部材110と接続されている。これにより、第2拡張部180は、第2拡張部180の周縁部が第1拡張部170に対して固定されていないため、第2拡張部180の外形が自由に変形する。そのため、止血器具100は、患者が指(例えば、親指f1)や手首を上側(手の甲Hb側)に曲げる動作を行った際でも、第2拡張部180が第1拡張部170を圧迫する面積を広い状態で維持することができる。したがって、止血器具100は、拡張部材160から穿刺部位t1に対して効果的に圧迫力を付与することができる。なお、第1拡張部170及び第2拡張部180は、例えば、第1拡張部170と第2拡張部180を接続した状態で、第2拡張部180の端部183を被覆部材110に固定することにより、第1拡張部170及び第2拡張部180を被覆部材110に一体的に接続してもよい。
拡張部材160は、支持部材125の湾曲部125a側で被覆部材110に固定されていれば、図3と異なる位置で被覆部材110の内面に固定されていてもよい。具体的には、第2拡張部180の外面側の一部又は全体が、支持部材125の湾曲部125a側で、被覆部材110の内面に固定されてもよい。このような構成でも、止血器具100は、支持部材125の湾曲部125aにより、拡張部材160の圧迫方向が第1拡張部170の中心側(図4の左右方向の中心側)に方向付けられる。そのため、止血器具100は、患者の指の動きや手首の曲げにより、本体部120と手Hの体表面との間に隙間が生じたとしても、拡張部材160による圧迫力の低下を抑制することができる。
また、第2拡張部180は、支持部材125の湾曲部125aの内側に位置しつつ、第1拡張部170と重なるように配置されていることが好ましい。これにより、第2拡張部180が支持部材125の湾曲部125aの内側に位置するため、第2拡張部180による圧迫力は、湾曲部125aにより支持部材125の中央側に向けて圧迫力が方向付けられ、支持部材125の外側に逃げることが抑制される。さらに、第2拡張部180が支持部材125の湾曲部125a側で第1拡張部170に重なるように配置されることにより、第2拡張部180は、第1拡張部170が位置ずれすることを防止しつつ、右手H1又は左手H2の先端側で第1拡張部170が浮き上がることを防止できる。そのため、止血器具100は、拡張部材160の浮き上がりをより確実に防止でき、拡張部材160が穿刺部位t1に対して付与する圧迫力が低下することを抑制できる。
第1拡張部170は、図2に示す平面図上において略正方形の形状を有している。第2拡張部180は、第1拡張部170の一辺と略同一の長さを有する一組の長辺と、第1拡張部170の一辺の略半分の長さを有する一組の短辺とを備える略長方形の形状を有している。
第1拡張部170の内腔171は、第1拡張部170へ空気等の流体を供給するためのチューブ193の内腔と連通している。チューブ193は、図1、図3に示すように、第1拡張部170の基端側で第1拡張部170と接続されている。チューブ193は、被覆部材110の本体部120の内面側を通って本体部120の外側へ引き出されている。チューブ193を第1拡張部170から引き出す位置は特に限定されないが、図3に示すようにチューブ193が本体部120の基端側へ引き出されていることにより、止血器具100を患者に装着した際、チューブ193が右手H1の側方(右手H1の指が延在する方向と交差する方向)側に配置される(図5Bを参照)。そのため、止血器具100を患者に装着した際、チューブ193がイントロデューサー200と干渉することを防止できる。
なお、チューブ193は、第2拡張部180に接続してもよい。また、チューブ193を本体部120の外側へ引き出す位置等は適宜変更することが可能である。
止血器具100は、図3、図4に示すように、拡張部材160を穿刺部位t1に対して位置合わせするためのマーカー部105を有している。
マーカー部105は、第1拡張部170の略中心位置(図2に示す平面図上における中心位置)に対応した位置に配置している。
図4に示すように、マーカー部105は、例えば、第1拡張部170の体表面に向い合せて配置される側の面(内面)の内表面に配置することができる。ただし、マーカー部105は、例えば、第1拡張部170の体表面に向い合せて配置される側の面と反対側の面(外面)の内表面やその外表面、被覆部材110の本体部120の内表面や外表面、支持部材125の内表面や外表面、カバー部材128の内表面や外表面等に配置することも可能である。また、図4に示す断面図上において第1拡張部170の中心位置と第2拡張部180の端部(基端側の端部であり、図4の左側の端部)とが重なるように配置される場合、マーカー部105は、第2拡張部180の上記端部の外表面に配置してもよい。
マーカー部105は、例えば、透明な中心部と、その中心部を囲む有色の線状の枠部と、から構成されることが好ましい。これにより、術者は、マーカー部105の透明な中心部を介して穿刺部位t1を確認しつつ、穿刺部位t1にマーカー部105を配置することができる。そのため、術者は、マーカー部105を利用し、穿刺部位t1に第1拡張部170の中心位置を簡単に配置することができる。なお、マーカー部105は、例えば、枠部を有さず、有色な中心部のみで形成してもよい。また、マーカー部105の具体的な形状、色、止血器具100の各部への形成方法等は特に限定されない。
本実施形態では、第1拡張部170は、二つのシート状の部材で形成している。第1拡張部170は、例えば、略矩形形状に形成された二つのシート状の部材の間に内腔171を形成した状態で、二つのシート状の部材の外周縁を接合することにより形成することができる。第2拡張部180も第1拡張部170と同様に、接合された略矩形形状の二つのシート状の部材で形成することができる。
第1拡張部170を形成するシート状の部材の接合方法や第2拡張部180を形成するシート状の部材の接合方法は特に限定されないが、例えば、接着や融着を採用することができる。また、第2拡張部180と被覆部材110の本体部120を接続する方法も特に限定されないが、例えば、接着や融着を採用することができる。また、第1拡張部170と第2拡張部180を固定する方法も特に限定されないが、例えば、接着や融着を採用することができる。
なお、第1拡張部170及び第2拡張部180は、複数のシート状の部材を接合した構造に限定されることはない。第1拡張部170及び第2拡張部180は、例えば、流体が流入可能な空間が内部に形成された一つの袋状の部材で形成してもよい。
第1拡張部170及び第2拡張部180に用いられる材料は、特に限定されないが、例えば、被覆部材110の材料として例示したものと同様のものを挙げることができる。
<注入部>
図1に示すように、止血器具100は、拡張部材160(第1拡張部170、第2拡張部180)に流体を注入するための注入部191を有している。
注入部191は、逆止弁(図示せず)を内蔵するコネクタで構成している。注入部191には、シリンジ(図示せず)を接続することができる。
注入部191と拡張部材160との間には、拡張可能な空間を有する緩衝部材192を配置している。緩衝部材192は、内部に空間が形成された可撓性を備える袋状の部材で構成している。なお、緩衝部材192には、注入部191へのシリンジの挿入方向を示す矢印状のマーカーを設けてもよい。
緩衝部材192の一端側には、注入部191が接続されている。注入部191の内腔は、緩衝部材192の空間と連通している。ただし、注入部191に内蔵された逆止弁が閉じている間は、注入部191の内腔と緩衝部材192の空間との連通は遮断されている。
緩衝部材192の他端側には、可撓性を備えるチューブ193が接続されている。チューブ193の内腔は、緩衝部材192の空間と連通している。また、チューブ193は、緩衝部材192と接続された一端部と反対側の他端部が第1拡張部170に接続されている。チューブ193の内腔は、第1拡張部170の内腔171と連通している。
チューブ193の他端部は、例えば、第1拡張部170を形成する二つのシート状の部材の間に挟み込まれた状態で接着材等により第1拡張部170に接続することができる。なお、第1拡張部170を形成するシート状の部材には、例えば、チューブ193を挟み込む部分に、シート状の部材の外方側へ部分的に突出する凸部が形成されていてもよい。
術者は、第1拡張部170及び第2拡張部180を拡張させる際、注入部191にシリンジ(図示せず)の先筒部を挿入して逆止弁を開く。術者は、注入部191の逆止弁を開いた状態で、シリンジの押し子を押すことにより、シリンジ内の空気を第1拡張部170の内腔171に注入する。
第1拡張部170の内腔171に空気が注入されると、第1拡張部170が拡張する。また、第1拡張部170の内腔171に注入された空気は、第1拡張部170の連通孔172及び第2拡張部180の連通孔182を介して、第2拡張部180の内腔181に流入する。第2拡張部180の内腔181に空気が流入すると、第2拡張部180が拡張する。第1拡張部170及び第2拡張部180が拡張すると、チューブ193を介して第1拡張部170の内腔171と連通している緩衝部材192が膨張する。
緩衝部材192の空間と第1拡張部170の内腔171は、チューブ193を介して常時連通する。注入部191は、注入部191にシリンジが挿入されていない状態では、注入部191に内蔵された逆止弁を閉じた状態に維持し、注入部191から空気が漏れることを防止する。そのため、患者の右手Hの動き等により拡張部材160の内圧が増加した際、第1拡張部170の内腔171及び第2拡張部180の内腔181の空気は、被覆部材110によって穿刺部位t1に押さえ付けられていない緩衝部材192側へ移動する。それにより、拡張部材160が穿刺部位t1に対して付与する圧迫力が調整されるため、拡張部材160による穿刺部位t1への圧迫力を適切に維持できる。
術者は、第1拡張部170及び第2拡張部180を収縮させる際、注入部191にシリンジの先筒部を挿入して、シリンジの押し子を引く。術者は、上記の操作を行うことにより、第1拡張部170内の空気及び第2拡張部180内の空気をシリンジへ排出させることができる。
なお、術者等は、術者等が拡張部材160を拡張させる際、緩衝部材192の膨張を確認することにより、空気が漏れずに、第1拡張部170及び第2拡張部180を加圧できていることを目視で確認することにも使用できる。
次に、図5A〜図5Eを参照して、止血器具100の使用例を説明する。以下では、穿刺部位t1が形成された患者の右手H1への止血器具100の装着手順例を説明する。
図5Aには、患者の右手H1の甲Hbに形成した穿刺部位t1(図6を参照)を介して手掌動脈B1の遠位橈骨動脈側にイントロデューサー200のシースチューブを挿入して各種の手技を実施し終えた状態を示している。また、図5Aでは、上記の手技を終えた後、穿刺部位t1からイントロデューサー200のシースチューブの一部を引き抜いた状態を示している。
術者等は、止血の開始に際し、図5Aに示すように、右手H1の甲Hb側に被覆部材110の本体部120を重ねるように配置する。この際、第1拡張部170の略中心位置に配置されたマーカー部105を穿刺部位t1に配置する。
次に、術者等は、図5B、図5Cに示すように、第1アーム部130の凸部133aを患者の右手H1に巻き付けつつ、第2アーム部140の傾斜部(第1傾斜部141a、第2傾斜部141b)141を患者の右手H1に沿って巻き付ける。この際、術者等は、患者の右手H1の掌Hp側で、第1アーム部130の凸部133aの外面に配置された第1固定部材151(面ファスナーの雄側)に対して、傾斜部141の内面に配置された第5固定部材155(面ファスナーの雌側)を接触させることにより、各固定部材151、155を介して、凸部133aと第2アーム部140とを固定する。
術者等は、第2アーム部140を凸部133aに固定する際、手指の感触で凸部133aの位置及び凸部133aの形状を確認することができる。そのため、術者等は、患者の右手H1の掌Hp側に配置した凸部133aへ第2アーム部140を誘導することができ、かつ、凸部133aに第2アーム部140を配置する方向を認識できるため、凸部133aに対する第2アーム部140の固定を容易に行うことができる。
次に、術者等は、図5Dに示すように、第2アーム部140を患者の右手H1の親指f1と人差し指f2の間に通し、第2アーム端部143を患者の手Hの甲Hb側に配置する。次に、術者等は、患者の右手H1の甲Hb側で、第1傾斜部141aの外面に配置された第2固定部材152(面ファスナーの雄側)に対して、第2アーム端部143の内面に配置された第6固定部材156(面ファスナーの雌側)を接触させることにより、各固定部材152、156を介して、第1傾斜部141aと第2アーム端部143とを固定する。
次に、術者等は、第2アーム端部143において第1傾斜部141aに対して固定されていない部分(余剰部分)を患者の右手H1の周方向に沿って巻き付けることにより、第2アーム端部143を凸部133aに対してさらに固定させる。これにより、止血器具100は、術者等が止血器具100を装着した状態で、第2アーム端部143が周囲の物品等に引っ掛かることを防止することができる。
術者等は、以上の手順により、止血器具100を患者の右手H1に対して固定することができる。止血器具100を患者の右手H1に装着した状態を図5Eに示す。なお、図5Eでは、イントロデューサー200を穿刺部位t1から抜去した状態を示している。
次に、術者等は、注入部191にシリンジを接続し、第1拡張部170に空気を注入することにより、第1拡張部170及び第2拡張部180を拡張させる。止血器具100は、第1拡張部170及び第2拡張部180が拡張すると、第1拡張部170が穿刺部位t1に対して圧迫力を付与する。術者等は、各拡張部170、180を拡張させた後、図5Eに示すように、イントロデューサー200のシースチューブを穿刺部位t1から抜去する。この際、止血器具100は、図5Dに示すように、第2アーム部140が患者の右手H1の親指f1と人差し指f2の間に配置されるため、本体部120において支持部材125の湾曲部125aや第2拡張部180が位置する領域に本体部120から突出するアーム部を有さない。そのため、術者等は、各拡張部170、180を拡張させた後、図5Eに示すように、イントロデューサー200のシースチューブを穿刺部位t1から抜去できる。
術者等は、止血器具100を使用して止血を行っている最中、穿刺部位t1からの出血がないことを確認する。術者等は、穿刺部位t1からの出血がある場合、各拡張部170、180への空気の注入量を調整する。
術者等は、止血を開始して一定時間が経過した後、各拡張部170、180を徐々に減圧し、穿刺部位t1の止血が適切になされていることを確認する。術者等は、穿刺部位t1の止血が終了した後、各拡張部170、180を十分に減圧する。そして、術者等は、第1アーム部130及び第2アーム部140による止血器具100の固定を解除し、止血器具100を患者の手Hから取り外す。
止血器具100は、図5Eに示すように、止血が行われている間、患者の肢体に巻かれつつ、患者の右手H1の親指f1と人差し指f2との間に通された第2アーム部140により患者の右手H1に対してしっかりと固定される。そのため、患者は、止血器具100を右手H1に装着した状態で、各指が被覆部材110により覆われないため、止血が行われている間、手指を自由に可動させることができる。
術者等は、図5A〜図5Eにより説明した手順に沿って装着作業を進めることで、第1アーム部130と第2アーム部140を使用し、短時間で、患者に対して簡単に止血器具100を装着させることができる。また、止血器具100は、各アーム部130、140に配置された固定部材151、152、153、154、155、156を利用して被覆部材110を患者の右手H1に固定することができる。そのため、止血器具100は、粘着材が設けられたシール部材などを利用して患者の右手H1や前腕部Aに対して固定される止血器具と比較して、装着時に患者の皮膚に掛かる負担を軽減することができる。
また、止血器具100は、穿刺部位t1に対して圧迫力を付与する部材として第1拡張部170を備えているため、第1拡張部170の内圧を調整することにより、圧迫力を容易に調整することができる。また、止血器具100は、患者が右手H1を動かした際に右手H1の動きに追従して内圧を変化させるように第1拡張部170が変形しても、変形可能な第2拡張部180が第1拡張部170の内圧の変化を緩和する。そのため、第1拡張部170は、患者の右手H1の動きに対する追従性が高く、第1拡張部170による穿刺部位t1への圧迫を適切に維持できる。
また、止血器具100は、被覆部材110により患者の右手H1の一部のみを覆うように構成されており、右手H1の全体を覆うようには構成されていない。そのため、止血器具100を患者の右手H1に装着した状態において、患者が右手H1を動作させた際、患者の右手H1の動作が止血器具100全体に伝達されることを防止できる。したがって、止血器具100は、止血器具100を患者の右手H1に装着した状態で患者が右手H1を動作させた際に、患者の右手H1から位置ずれすることを抑制できる。
止血器具100は、例えば、止血器具100の構成自体を変更することなく、患者の左手H2に装着することも可能である。以下、穿刺部位t1が形成された患者の左手H2への止血器具100の装着手順例を説明する。なお、前述した右手H1への止血器具100の装着手順例と重複する内容については説明を省略する。
術者等は、図7Aに示すように、左手H2の甲Hb側に被覆部材110の本体部120を重ねるように配置する。
次に、術者等は、図7Bに示すように、第1アーム部130の凸部133aを患者の左手H2に巻き付けつつ、第2アーム部140の傾斜部(第1傾斜部141a、第2傾斜部141b)141を患者の左手H2に沿って巻き付ける。この際、術者等は、患者の左手H2の掌Hp側で、第1アーム部130の凸部133aの外面に配置された第1固定部材151(面ファスナーの雄側)に対して、傾斜部141の内面に配置された第5固定部材155(面ファスナーの雌側)を接触させることにより、各固定部材151、155を介して、凸部133aと第2アーム部140とを固定する。
次に、術者等は、図7Cに示すように、第2アーム部140を患者の左手H2の甲Hb側に配置する。この際、術者等は、患者の左手H2の甲Hb側で、第1アーム部130の傾斜部131の外面に配置された第1固定部材151(面ファスナーの雄側)に対して、傾斜部141の内面に配置された第5固定部材155(面ファスナーの雌側)を接触させることにより、各固定部材151、155を介して、第1アーム部130と第2アーム部140とを左手H2の甲Hb側で固定する。
次に、術者等は、図7Dに示すように、患者の左手H2の親指f1と人差し指f2の間に第2アーム部140を通し、第2アーム端部143を患者の左手H2の掌Hp側に配置する。この際、術者等は、患者の左手H2の掌Hp側で、傾斜部141の外面に配置された第2固定部材152(面ファスナーの雄側)に対して、第2アーム端部143の内面に配置された第6固定部材156(面ファスナーの雌側)を接触させることにより、各固定部材152、156を介して、第1傾斜部141aと第2アーム端部143とを固定する。
術者等は、以上の手順により、止血器具100を患者の左手H2に対して固定することができる。
以下、本実施形態の作用効果を説明する。
本実施形態に係る止血器具100は、患者の右手H1(又は左手H2)の穿刺部位t1を覆うように配置される被覆部材110と、被覆部材110が穿刺部位t1を覆った状態で被覆部材110を固定する複数の固定部材151、152、153、154、155、156と、被覆部材110に接続され、流体の注入により拡張する拡張部材160と、を備えている。被覆部材110は、拡張部材160が接続された本体部120と、本体部120から突出する第1アーム部130と、第1アーム部130の長手方向との間で鈍角をなしつつ、本体部120から突出する第2アーム部140と、を有している。また、第1アーム部130は、第1アーム部130の端部133で、第1アーム部130の幅方向に突出する凸部133aを有している。さらに、第2アーム部140は、第1アーム部130よりも長く、第2アーム部140が患者の肢体に巻き付けられた状態で、凸部133aに固定され、かつ、患者の指f1、f2同士の間を通って第2アーム部140に固定される。
上記のように構成された止血器具100は、第1アーム部130及び第2アーム部140を患者の肢体に巻き付けつつ、第2アーム部140の一部を患者の隣り合う指f1、f2同士の間に配置し、凸部133a及び第2アーム部140を連結することにより、拡張部材160が配置された本体部120を肢体に対して固定することができる。第1アーム部130及び第2アーム部140は、凸部133a及び第2アーム部140が連結されることにより、肢体に対して締め付けられつつ、本体部120を肢体に対して固定する。また、第2アーム部140は、患者の隣り合う指f1、f2同士の間に配置されることにより、本体部120に配置された拡張部材160の穿刺部位t1に対する位置ずれを抑制できる。また、止血器具100は、本体部120から突出した二つのアーム部130、140同士を連結させることにより、患者の手H1に対して拡張部材160を締め付けることが可能な簡便な固定構造を備える。そのため、止血器具100は、拡張部材160を固定するためのアーム部の設置数の低減を図ることができる。したがって、止血器具100は、止血器具100を患者の手H1に装着した状態においてイントロデューサー200等の医療器具に対して干渉し得るアーム部の増設を抑制することが可能であり、止血器具100の装着後においても医療器具を穿刺部位t1から容易に抜去することができる。また、右手H1(又は左手H2)は、右手H1の手首側から指先側に向けて可動範囲が大きくなる。上記の止血器具100は、第1アーム部130及び第2アーム部140が鈍角を形成しつつ右手H1の指先側から手首側に延在することにより、第1アーム部130及び第2アーム部140を患者の右手H1の手首側で連結できる。そのため、上記の止血器具100は、第1アーム部130及び第2アーム部140を可動範囲が少ない手首側で固定できるため、右手H1の指先側の可動範囲を維持しつつ、本体部120を肢体に対して固定できる。なお、右手H1は、右手H1が広げられた状態において、右手H1の手首側から指先側に向けて外周が大きくなる。そのため、第1アーム部130及び第2アーム部140が右手H1の外周が大きくなる方向と逆方向に向かって延在するため、第1アーム部130及び第2アーム部140は、上記の止血器具100を装着した状態で、右手H1の手首側で確実に連結できる。さらに、上記の止血器具100は、拡張部材160が拡張された状態で患者が手Hを動かした場合であっても、第1アーム部130と第2アーム部140が患者の肢体に締め付けられた状態で固定されることにより、拡張部材160が接続された本体部120の先端側(指先側)の浮き上がりを防止し、患者の手H1の甲Hbに形成された穿刺部位t1に対する拡張部材160による圧迫力を適切に維持できる。
また、本体部120は、第1領域121a、121bと、第1領域121a、121bとは異なり、拡張部材160が配置される第2領域122と、を有している。第1領域121aは、第2領域122と第1アーム部130との間に配置されており、第1領域121bは、第2領域122と第2アーム部140との間に配置されている。また、第2領域122は、第1領域121a、121bよりも大きな剛性を備える支持部材125を有している。そのため、止血器具100は、止血が行われている間、支持部材125により拡張部材160が患者の手Hの甲Hbから浮き上がるのを防止できる。それにより、止血器具100は、患者の右手H1に装着した状態で、拡張部材160から穿刺部位t1に対して好適に圧迫力を付与することができる。
また、支持部材125は、本体部120の先端側に形成された湾曲部125aを有する。そのため、支持部材125は、拡張部材160が拡張した際、拡張部材160が患者の右手H1に対して圧迫力を付与する方向が、穿刺部位t1に向かう斜め方向に方向付けされる。そのため、止血器具100は、穿刺部位t1に対してより効果的に圧迫力を付与することが可能になる。また、支持部材125の湾曲部125aは、拡張部材160が拡張した際、拡張部材160の先端側の端部を包み込むことで、拡張部材160の圧迫力を支持部材125の中央側へ方向付けるため、拡張部材160による圧迫力が支持部材125の外側に逃げることを抑制する。そのため、止血器具100は、拡張部材160による穿刺部位t1への圧迫力の低下を抑制することができるため、穿刺部位t1に対して拡張部材160による圧迫力を適切に維持できる。
また、拡張部材160は、第1拡張部170と、第1拡張部170よりも外形が小さく、かつ、変形可能な補助部材180と、を有しており、補助部材180は、本体部120の先端側において第1拡張部170と重なるように配置されている。上記のように構成された止血器具100において、第2拡張部180は、第1拡張部170が拡張した際、第1拡張部170が患者の体表面から浮き上がるのを抑制する。そのため、第1拡張部170は、第1拡張部170が拡張した際、穿刺部位t1に対して効果的に圧迫力を付与することができる。また、止血器具100は、患者が指(例えば、親指f1)や手首を下側(手の掌Hp側)に曲げる動作を行った際、補助部材180が指や手首の動作に追従して変形し、補助部材180が穿刺部位t1に対して圧迫力を付与した状態を維持する。
また、補助部材は、流体の注入により拡張する第2拡張部180であり、第2拡張部180の内腔181は、第1拡張部170の内腔171と連通している。補助部材180が拡張可能な第2拡張部180で構成されているため、右手H1の動作への第2拡張部180の追従性を高めることができる。また、第1拡張部170の内腔171と第2拡張部180の内腔181が連通しているため、第1拡張部170と第2拡張部180の拡張を容易に行うことができる。
また、補助部材180は、第1拡張部170の中央線d3に対して左右対称に配置されており、本体部120を挟んで対向する第1アーム部130及び第2アーム部140の外面には、第2アーム部140を固定する固定部材151、152が配置されている。そのため、術者等は、患者の右手H1に対して止血器具100を装着する際、補助部材180の中央線d3上に穿刺部位t1が位置するように第1拡張部170を穿刺部位t1に配置しつつ、各固定部材151、152を介して第2アーム部140を凸部133aに対して固定することができる。同様に、術者等は、患者の左手H2に対して止血器具100を装着する際、補助部材180の中央線d3上に穿刺部位t1が位置するように第1拡張部170を穿刺部位t1に配置しつつ、各固定部材151、152を介して第2アーム部140を凸部133aに対して固定することができる。したがって、術者等は、止血器具100を患者の右手H1及び左手H2の両方に対して装着することができる。
また、凸部133aは、本体部120の先端側に向かって、第1アーム部130の延在方向と交差する方向に突出する。そのため、術者等は、凸部133aに第2アーム部140を固定する際、手Hの掌Hp側に配置した凸部133aの位置及び凸部133aの形状を手の感触等により確認することができるため、凸部133aに対して第2アーム部140を容易に固定することができる。
また、第2アーム部140は、傾斜部141と、傾斜部141と連続的に形成され、第2アーム部140の端部を形成する第2アーム端部143と、を有しており、傾斜部141の幅は、第2アーム端部143の幅よりも大きい。そのため、術者等は、凸部133aに第2アーム部140を固定する際、傾斜部141を患者の手Hに巻き付けることにより、凸部133aに対して傾斜部141をより確実に配置することができ、第2アーム部140を容易に固定することができる。
また、止血器具100は、拡張部材160に流体を注入するための注入部191を有している。注入部191と拡張部材160との間には、拡張可能な空間を有する緩衝部材192が配置されている。止血器具100は、患者に止血器具100を装着した状態において、患者が右手H1を動かすと、右手H1の穿刺部位t1を圧迫する拡張部材160(第1拡張部170、第2拡張部180)が変形する。拡張部材160が変形する際、拡張部材160の内腔(第1拡張部170の内腔171、第2拡張部180の内腔181)にある空気の逃げ場がないと、拡張部材160の変形が妨げられる。そのため、患者は、右手H1の可動範囲が制限される。止血器具100が備える緩衝部材192は、患者が右手H1を動かした際、拡張部材160の内腔から緩衝部材192への空気の移動を可能にする。そのため、患者は、右手H1を動作させた際、拡張部材160により可動範囲が制限されることを防止できる。なお、患者が右手H1を変形させた状態から元の状態に戻すと、緩衝部材192から拡張部材160へ空気が移動するため、拡張部材160から穿刺部位t1に対して効果的に圧迫力を付与することができる。
(変形例)
次に、前述した第1実施形態に係る止血器具の変形例を説明する。変形例の説明では、第1実施形態で既に説明した構成等についての詳細な説明は省略する。また、変形例の説明で特に説明がない内容については、第1実施形態と同一のものとすることができる。
図8は、被覆部材110の本体部120の外面側から見た止血器具100Aの平面図であり、図9は、図8に示す矢印9−9に沿う止血器具100Aの断面図である。
変形例に係る止血器具100Aは、拡張部材160が第1拡張部170のみで構成されている。つまり、拡張部材160は、第2拡張部180を備えていない。また、止血器具100Aは、図9に示すように、拡張部材160を構成する第1拡張部170の先端側の端部173が被覆部材110の内面に直接固定されている。止血器具100Aのその他の構成は、前述した止血器具100と実質的に同一である。
変形例に係る止血器具100Aは、前述した止血器具100と同様に、患者の肢体に巻き付けた凸部133aと第2アーム部140とを連結し、患者の指f1、f2の間に通した第2アーム部140の一部を第2アーム部140に対して固定することにより、本体部120に配置された拡張部材160の穿刺部位t1に対する位置ずれを抑制できる。また、止血器具100Aは、本体部120から突出した二つのアーム部130、140同士を連結させることにより、患者の右手H1に対して拡張部材160を締め付けることが可能な簡便な固定構造を備えるため、止血器具100Aは、拡張部材160を固定するためのアーム部の設置数の低減を図ることができる。したがって、止血器具100Aは、止血器具100Aを患者の手H1に装着した状態においてイントロデューサー200等の医療器具に対して干渉し得るアーム部の増設を抑制することが可能であり、止血器具100Aの装着後においても医療器具を穿刺部位t1から容易に抜去することができる。また、患者の右手H1(又は左手H2)は、右手H1の手首側から指先側に向けて可動範囲が大きくなる。上記の止血器具100Aは、第1アーム部130及び第2アーム部140が鈍角を形成しつつ右手H1の指先側から手首側に延在することにより、第1アーム部130及び第2アーム部140を患者の右手H1の手首側で連結できる。そのため、上記の止血器具100Aは、第1アーム部130及び第2アーム部140を可動範囲が少ない手首側で固定できるため、右手H1の指先側の可動範囲を維持しつつ、本体部120を肢体に対して固定できる。なお、右手H1は、右手H1が広げられた状態において、右手H1の手首側から指先側に向けて外周が大きくなる。そのため、第1アーム部130及び第2アーム部140が右手H1の外周が大きくなる方向と逆方向に向かって延在するため、第1アーム部130及び第2アーム部140は、上記の止血器具100Aを装着した状態で、右手H1の手首側で確実に連結できる。さらに、上記の止血器具100Aは、拡張部材160が拡張された状態で患者が右手H1を動かした場合であっても、第1アーム部130と第2アーム部140が患者の肢体に締め付けられた状態で固定されることにより、拡張部材160が接続された本体部120の先端側(指先側)の浮き上がりを防止し、患者の右手H1の甲Hbに形成された穿刺部位t1に対する拡張部材160による圧迫力を適切に維持できる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る止血器具を説明する。第2実施形態の説明では、第1実施形態で既に説明した構成等についての詳細な説明は省略する。また、第2実施形態の説明で特に説明がない内容については、第1実施形態と同一のものとすることができる。
図10は、被覆部材110の本体部120の外面側から見た止血器具100Bの平面図であり、図11は、被覆部材110の本体部120の内面側から見た止血器具100Bの平面図である。図12A及び図12Bは、止血器具100Bの使用例を簡略的に示す図である。
図10、図11に示すように、第2実施形態に係る止血器具100Bは、第1アーム部130が凸部133a(図1、図2を参照)を備えていない。そのような点において第1実施形態に係る止血器具100と相違する。
止血器具100Bの第1アーム部130の端部133は、傾斜部131と連続的に繋がっており、傾斜部131の延在方向と略同一の方向に沿って直線状に延びている。
図10に示すように、第1アーム部130の外面の先端側の一部には、第1固定部材151が配置されている。また、図11に示すように、第1アーム部130の内面の先端側の一部には、第4固定部材154が配置されている。
図12Aには、患者の肢体に止血器具100Bを装着する前の状態を示しており、図12Bには、患者の肢体に止血器具100Bを装着した状態を示している。止血器具100Bは、前述した第1実施形態に係る止血器具100の装着手順と略同一の手順により、穿刺部位t1が形成された患者の右手H1又は左手H2に装着することが可能である。以下、止血器具100Bを患者の右手H1に装着する際の装着手順を概説する。
術者等は、図12Aに示すように、右手H1の甲Hb側に被覆部材110の本体部120を重ねるように配置する。次に、術者等は、第1アーム部130の端部133を患者の右手H1に巻き付けつつ、第2アーム部140の傾斜部(第1傾斜部141a、第2傾斜部141b)141を患者の右手H1に沿って巻き付ける。この際、術者等は、患者の右手H1の掌Hp側で、第1アーム部130の端部133の外面に配置された第1固定部材151(面ファスナーの雄側)に対して、傾斜部141の内面に配置された第5固定部材155(面ファスナーの雌側)を接触させることにより、各固定部材151、155を介して、端部133と第2アーム部140とを固定する。
次に、術者等は、患者の右手H1の親指f1と人差し指f2の間に第2アーム部140を通し、第2アーム端部143を患者の右手H1の甲Hb側に配置する。この際、術者等は、患者の右手H1の甲Hb側で、傾斜部141の外面に配置された第2固定部材152(面ファスナーの雄側)に対して、第2アーム端部143の内面に配置された第6固定部材156(面ファスナーの雌側)を接触させることにより、各固定部材152、156を介して、第1傾斜部141aと第2アーム端部143とを固定する。
術者等は、以上の手順により、図12Bに示すように、止血器具100を患者の右手H1に対して固定することができる。
以上、第2実施形態に係る止血器具100Bは、患者の右手H1(又は左手H2)の穿刺部位t1を覆うように配置される被覆部材110と、被覆部材110が穿刺部位t1を覆った状態で被覆部材110を固定する複数の固定部材151、152、153、154、155、156と、被覆部材110に接続され、流体の注入により拡張する拡張部材160と、を備えている。また、被覆部材110は、拡張部材160が接続された本体部120と、本体部120から突出する第1アーム部130と、第1アーム部130の長手方向との間で鈍角をなしつつ、本体部120から突出する第2アーム部140と、を有している。また、拡張部材160は、第1拡張部170と、第1拡張部170よりも外形が小さく、かつ、第1拡張部170の先端側(一端側)に偏って位置する変形可能な補助部材180と、を有している。被覆部材110は、被覆部材110が患者の肢体に巻き付けられた状態で、固定部材151、155により、第1アーム部130と第2アーム部140が連結可能であり、補助部材180は、第1アーム部130と第2アーム部140との間に配置される。
上記のように構成された止血器具100Bは、第1アーム部130と第2アーム部140が鈍角をなすように本体部120から突出しているため、止血器具100Bを患者の右手H1に装着した際、被覆部材110により患者の指全体が覆われないように各アーム部130、140を連結することができる。そのため、患者は、止血器具100Bを装着した状態でも右手H1の動きが制限されにくいため、指先側の自由度を高めることができる。また、止血器具100Bは、第1拡張部170の先端側に位置する変形可能な補助部材180を有するため、第1拡張部170が拡張した際、補助部材180により第1拡張部170を患者の肢体に押さえ付け、第1拡張部170が患者の右手H1の穿刺部位t1から離れる方向に浮き上がることを抑制する。それにより、止血器具100Bは、指先側の自由度を高めつつ、穿刺部位t1への適切な圧迫力を維持できる。さらに、止血器具100Bは、第1アーム部130及び第2アーム部140が鈍角を形成しつつ右手H1の指先側から手首側に延在しているため、第1アーム部130及び第2アーム部140を可動範囲が少ない手首側で固定できる。そのため、右手H1の指先側の可動範囲を維持しつつ、本体部120を肢体に対して適切に固定できる。また、止血器具100Bは、第1アーム部130と第2アーム部140からなる二つのアーム部と補助部材180により穿刺部位t1に第1拡張部170を固定できるため、第1アーム部130と第2アーム部140との間に異なるアーム部を増設する必要がない。そのため、術者等は、止血器具100Bの装着後にイントロデューサー200等の医療器具の抜去を容易に行うことができる。また、第1アーム部130及び第2アーム部140は患者の右手H1に巻き付けた状態で連結されるため、第1アーム部130と第2アーム部140は、その間に位置する本体部120をその両側部側(図10の上下方向)に引っ張りつつ、患者の右手H1に対して押さえ付ける。補助部材180は、第1アーム部130と第2アーム部140の間に位置するため、第1アーム部130と第2アーム部140の連結により、拡張部材160を右手H1の体表面に対して確実に押さえ付けることができる。そのため、止血器具100Bは、補助部材180により第1拡張部170を患者の肢体に押さえ付け、第1拡張部170が患者の右手H1の穿刺部位t1から離れる方向に浮き上がることを確実に抑制できる。これにより、止血器具100Bは、止血器具100Bの装着時における指先側の自由度を高めつつ、第1拡張部170を患者の右手H1に確実に押さえ付けることができ、穿刺部位t1への適切な圧迫力を維持できる。
また、本体部120は、第1領域121a、121bと、第1領域121a、121bとは異なり、拡張部材160が配置される第2領域122と、を有している。第1領域121aは、第2領域122と第1アーム部130との間に配置されており、第1領域121bは、第2領域122と第2アーム部140との間に配置されている。また、第2領域122は、第1領域121a、121bよりも大きな剛性を備える支持部材125を有している。そのため、止血器具100Bは、止血が行われている間、支持部材125により拡張部材160が患者の手Hの甲Hbから浮き上がるのを防止できる。それにより、止血器具100は、患者の手Hに装着した状態で、拡張部材160から穿刺部位t1に対して好適に圧迫力を付与することができる。
また、支持部材125は、本体部120の先端側に形成された湾曲部125aを有する。そのため、支持部材125は、拡張部材160が拡張した際、拡張部材160が患者の右手H1に対して圧迫力を付与する方向が、穿刺部位t1に向かう斜め方向に方向付けされる。そのため、止血器具100は、穿刺部位t1に対してより効果的に圧迫力を付与することが可能になる。また、支持部材125の湾曲部125aは、拡張部材160の先端側の端部を包みこむことで、拡張部材160が支持部材125の中央側に向けて圧迫力を方向付けるため、第2拡張部180による圧迫力が支持部材125の外側に逃げることを抑制する。これにより、第1アーム部130と患者の右手H1の間に隙間が生じた場合であっても、湾曲部125aが第2拡張部180を患者の右手H1の皮膚に対して押さえ付けることで、第1拡張部170の浮き上がりを防止でき、拡張部材160が穿刺部位t1に対して付与する圧迫力が低下することを抑制できる。
補助部材は、流体の注入により拡張する第2拡張部180であり、第2拡張部180の内腔181は、第1拡張部170の内腔171と連通している。このように補助部材180が拡張可能な第2拡張部180で構成されているため、右手H1の動作への第2拡張部180の追従性を高めることができる。また、第1拡張部170の内腔171と第2拡張部180の内腔181が連通しているため、第1拡張部170と第2拡張部180の拡張を容易に行うことができる。
また、第2アーム部140は、第1アーム部130よりも長く、第2アーム部140が患者の肢体に巻き付けられた状態で、患者の指f1、f2同士の間を通って第2アーム部140に固定される。そのため、止血器具100Bは、第1アーム部130及び第2アーム部140を患者の肢体に巻き付けつつ、第2アーム部140の一部を患者の隣り合う指f1、f2同士の間に配置し、第2アーム部140同士を連結することにより、拡張部材160が配置された本体部120を肢体に対して固定することができる。第1アーム部130及び第2アーム部140は、第2アーム部140同士が連結されることにより、肢体に対して締め付けられつつ、本体部120を肢体に対して固定する。第2アーム部140は、患者の隣り合う指f1、f2同士の間に配置されることにより、本体部120に配置された拡張部材160の穿刺部位t1に対する位置ずれを効果的に抑制することができる。
また、補助部材180は、第1拡張部170の中央線d3に対して左右対称に配置されており、本体部120を挟んで対向する第1アーム部130及び第2アーム部140の外面には、第2アーム部140を固定する固定部材151、152が配置されている。そのため、術者等は、患者の右手H1に対して止血器具100を装着する際、補助部材180の中央線d3上に穿刺部位t1が位置するように第1拡張部170を穿刺部位t1に配置しつつ、各固定部材151、152を介して各アーム部130、140を固定することができる。同様に、術者等は、患者の左手H2に対して止血器具100を装着する際、補助部材180の中央線d3上に穿刺部位t1が位置するように第1拡張部170を穿刺部位t1に配置しつつ、各固定部材151、152を介して各アーム部130、140を固定することができる。したがって、術者等は、止血器具100を患者の右手H1及び左手H2の両方に対して装着することができる。
また、第2アーム部140は、傾斜部141と、傾斜部141と連続的に形成され、第2アーム部140の端部を形成する第2アーム端部143と、を有しており、傾斜部141の幅は、第2アーム端部143の幅よりも大きい。そのため、術者等は、傾斜部141を患者の手Hに巻き付けた際、第2アーム端部143に傾斜部141をより確実に配置することができ、第2アーム部140を容易に固定することができる。
また、止血器具100Bは、拡張部材160に流体を注入するための注入部191を有している。注入部191と拡張部材160との間には、拡張可能な空間を有する緩衝部材192が配置されている。止血器具100Bは、患者に止血器具100Bを装着した状態において、患者が右手H1を動かすと、右手H1の穿刺部位t1を圧迫する拡張部材160(第1拡張部170、第2拡張部180)が変形する。拡張部材160が変形する際、拡張部材160の内腔(第1拡張部170の内腔171、第2拡張部180の内腔181)にある空気の逃げ場がないと、拡張部材160の変形が妨げられる。そのため、患者は、右手H1の可動範囲が制限される。止血器具100Bが備える緩衝部材192は、患者が右手H1を動かした際、拡張部材160の内腔から緩衝部材192への空気の移動を可能にする。そのため、患者は、右手H1を動作させた際、拡張部材160により可動範囲が制限されることを防止できる。なお、患者が右手H1を変形させた状態から元の状態に戻すと、緩衝部材192から拡張部材160へ空気が移動するため、拡張部材160から穿刺部位t1に対して効果的に圧迫力を付与することができる。
以上、実施形態を通じて本発明に係る止血器具を説明したが、本発明は明細書において説明した内容のみに限定されるものでなく、特許請求の範囲の記載に基づいて適宜変更することが可能である。
補助部材は、各実施形態において説明した拡張可能な部材に限定されることはない。補助部材は、例えば、プラスチック等の樹脂材料やゲル等で構成された部材、時間経過に応じて含水率が低下して圧迫力を徐々に減少させるゲルを含む部材、スポンジ状の物質等の弾性材料、綿(わた)のような繊維の集合体、金属、所定の立体形状を備える部材(球状、楕円体、三角錐等)、これらを適宜組み合わせたもの等で構成することも可能である。
また、止血器具の各部の形状や寸法等は、肢体に対して第1アーム部及び第2アーム部を巻き付けつつ、穿刺部位に拡張部材を配置可能な限り、特に限定されることはなく、適宜変更することが可能である。
本出願は、2018年8月1日に出願された日本国特許出願第2018−145366号に基づいており、その開示内容は、参照により全体として引用されている。
100、100A、100B 止血器具、
105 マーカー部、
110 被覆部材、
120 本体部、
121a、121b 第1領域、
122 第2領域、
125 支持部材、
125a 湾曲部、
128 カバー部材、
128a 挿入部、
130 第1アーム部、
131 傾斜部、
133 端部、
133a 凸部、
140 第2アーム部、
141 傾斜部、
141a 第1傾斜部、
141b 第2傾斜部、
143 第2アーム端部、
151 第1固定部材(固定部材)、
152 第2固定部材(固定部材)、
153 第3固定部材(固定部材)、
154 第4固定部材(固定部材)、
155 第5固定部材(固定部材)、
156 第6固定部材(固定部材)、
160 拡張部材、
170 第1拡張部、
171 第1拡張部の内腔、
180 第2拡張部(補助部材)、
181 第2拡張部の内腔、
191 注入部、
192 緩衝部材、
200 イントロデューサー、
A 前腕部、
B1 手掌動脈、
H1 右手(手)、
H2 左手(手)、
Hb 手の甲、
Hp 手の掌、
f1 親指(指)、
f2 人差し指(指)、
t1 穿刺部位(止血すべき部位)。

Claims (17)

  1. 患者の手の止血すべき部位を覆うように配置される被覆部材と、
    前記被覆部材が前記止血すべき部位を覆った状態で前記被覆部材を固定する固定部材と、
    前記被覆部材に接続され、流体の注入により拡張する拡張部材と、を備え、
    前記被覆部材は、前記拡張部材が接続された本体部と、前記本体部から突出する第1アーム部と、前記第1アーム部の長手方向との間で鈍角をなしつつ、前記本体部から突出する第2アーム部と、を有し、
    前記第1アーム部は、前記第1アーム部の端部で、前記第1アーム部の幅方向に突出する凸部を有し、
    前記第2アーム部は、前記第1アーム部よりも長く、前記第2アーム部が前記患者の肢体に巻き付けられた状態で、前記凸部に固定され、かつ、前記患者の指同士の間を通って前記第2アーム部に固定される、止血器具。
  2. 前記本体部は、第1領域と、前記第1領域とは異なり、前記拡張部材が配置される第2領域と、を有し、
    前記第1領域は、前記第2領域と前記第1アーム部との間及び前記第2領域と前記第2アーム部との間に配置されており、
    前記第2領域は、前記第1領域よりも大きな剛性を備える支持部材を有する、請求項1に記載の止血器具。
  3. 前記支持部材は、前記本体部の先端側に形成された湾曲部を有する、請求項2に記載の止血器具。
  4. 前記拡張部材は、第1拡張部と、前記第1拡張部よりも外形が小さく、かつ、変形可能な補助部材と、を有し、
    前記補助部材は、前記本体部の先端側において前記第1拡張部と重なるように配置されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の止血器具。
  5. 前記補助部材は、流体の注入により拡張する第2拡張部であり、
    前記第2拡張部の内腔は、前記第1拡張部の内腔と連通している、請求項4に記載の止血器具。
  6. 前記補助部材は、前記第1拡張部の中央線に対して左右対称に配置されており、
    前記本体部を挟んで対向する前記第1アーム部及び前記第2アーム部の外面には、前記第2アーム部を固定する前記固定部材が配置されている、請求項4または請求項5に記載の止血器具。
  7. 前記凸部は、前記本体部の先端側に向かって、前記第1アーム部の延在方向と交差する方向に突出する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の止血器具。
  8. 前記第2アーム部は、傾斜部と、前記傾斜部と連続的に形成され、前記第2アーム部の端部を形成する第2アーム端部と、を有し、
    前記傾斜部の幅は、前記第2アーム端部の幅よりも大きい、請求項1〜7のいずれか1項に記載の止血器具。
  9. 前記拡張部材に流体を注入するための注入部を有し、
    前記注入部と前記拡張部材との間には、拡張可能な空間を有する緩衝部材が配置される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の止血器具。
  10. 患者の手の止血すべき部位を覆うように配置される被覆部材と、
    前記被覆部材が前記止血すべき部位を覆った状態で前記被覆部材を固定する固定部材と、
    前記被覆部材に接続され、流体の注入により拡張する拡張部材と、を備え、
    前記被覆部材は、前記拡張部材が接続された本体部と、前記本体部から突出する第1アーム部と、前記第1アーム部の長手方向との間で鈍角をなしつつ、前記本体部から突出する第2アーム部と、を有し、
    前記拡張部材は、第1拡張部と、前記第1拡張部よりも外形が小さく、かつ、前記第1拡張部の一端側に偏って位置する変形可能な補助部材と、を有し、
    前記被覆部材は、前記被覆部材が前記患者の肢体に巻き付けられた状態で、前記固定部材により、前記第1アーム部と前記第2アーム部が連結可能であり、
    前記補助部材は、前記第1アーム部と前記第2アーム部との間に配置される、止血器具。
  11. 前記本体部は、第1領域と、前記第1領域とは異なり、前記拡張部材が配置される第2領域と、を有し、
    前記第1領域は、前記第2領域と前記第1アーム部との間及び前記第2領域と前記第2アーム部との間に配置されており、
    前記第2領域は、前記第1領域よりも大きな剛性を備える支持部材を有する、請求項10に記載の止血器具。
  12. 前記支持部材は、前記本体部の先端側に形成された湾曲部を有する、請求項11に記載の止血器具。
  13. 前記補助部材は、流体の注入により拡張する第2拡張部であり、
    前記第2拡張部の内腔は、前記第1拡張部の内腔と連通している、請求項10〜12のいずれか1項に記載の止血器具。
  14. 前記第2アーム部は、前記第1アーム部よりも長く、前記第2アーム部が前記患者の肢体に巻き付けられた状態で、前記患者の指同士の間を通って前記第2アーム部に固定される、請求項10〜13のいずれか1項に記載の止血器具。
  15. 前記補助部材は、前記第1拡張部の中央線に対して左右対称に配置されており、
    前記本体部を挟んで対向する前記第1アーム部及び前記第2アーム部の外面には、前記第2アーム部を固定する前記固定部材が配置されている、請求項10〜14のいずれか1項に記載の止血器具。
  16. 前記第2アーム部は、傾斜部と、前記傾斜部と連続的に形成され、前記第2アーム部の端部を形成する第2アーム端部と、を有し、
    前記傾斜部の幅は、前記第2アーム端部の幅よりも大きい、請求項10〜15のいずれか1項に記載の止血器具。
  17. 前記拡張部材に流体を注入するための注入部を有し、
    前記注入部と前記拡張部材との間には、拡張可能な空間を有する緩衝部材が配置される、請求項10〜16のいずれか1項に記載の止血器具。
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