JPWO2020027014A1 - 重合体及びその利用 - Google Patents

重合体及びその利用 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2020027014A1
JPWO2020027014A1 JP2020533514A JP2020533514A JPWO2020027014A1 JP WO2020027014 A1 JPWO2020027014 A1 JP WO2020027014A1 JP 2020533514 A JP2020533514 A JP 2020533514A JP 2020533514 A JP2020533514 A JP 2020533514A JP WO2020027014 A1 JPWO2020027014 A1 JP WO2020027014A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
substituted
carbon atoms
charge
fluorine atom
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2020533514A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7322884B2 (ja
Inventor
博史 太田
博史 太田
倉田 陽介
陽介 倉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Chemical Corp
Original Assignee
Nissan Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Chemical Corp filed Critical Nissan Chemical Corp
Publication of JPWO2020027014A1 publication Critical patent/JPWO2020027014A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7322884B2 publication Critical patent/JP7322884B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G73/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing nitrogen with or without oxygen or carbon in the main chain of the macromolecule, not provided for in groups C08G12/00 - C08G71/00
    • C08G73/02Polyamines
    • C08G73/0206Polyalkylene(poly)amines
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G73/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing nitrogen with or without oxygen or carbon in the main chain of the macromolecule, not provided for in groups C08G12/00 - C08G71/00
    • C08G73/02Polyamines
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K50/00Organic light-emitting devices
    • H10K50/10OLEDs or polymer light-emitting diodes [PLED]
    • H10K50/11OLEDs or polymer light-emitting diodes [PLED] characterised by the electroluminescent [EL] layers
    • H10K50/12OLEDs or polymer light-emitting diodes [PLED] characterised by the electroluminescent [EL] layers comprising dopants

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Abstract

例えば下記の繰り返し単位を含む重合体は、優れた電荷輸送性と有機溶媒への優れた溶解性とを兼ね備え、当該重合体を単独でまたはドーパント物質とともに有機溶媒に溶解させることで、有機EL素子をはじめとした電子素子に適用した場合に優れた特性を実現できる。

Description

本発明は、重合体及びその利用に関する。
電荷輸送性を有する低分子化合物や高分子化合物は、有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子や有機太陽電池など、様々な電子素子で用いられている。
中でも、高電荷輸送性に寄与するトリフェニルアミンのようなトリアリールアミンを繰り返し単位に持つポリマー(以下、トリアリールアミンポリマーという。)は、その高電荷輸送性のため、関連する報告例が多数ある(例えば特許文献1〜3)。
一方、ディスプレイなどの分野で実用化されている有機EL素子は、正孔注入層、正孔輸送層等の有機機能層を含み、この有機機能層は、素子の駆動電圧の低減や寿命の向上等といった高性能化を実現するために重要な役割を担う。
有機EL素子の有機機能層の形成方法は、蒸着法に代表されるドライプロセスと、スピンコート法に代表されるウェットプロセスに大別できるが、昨今のディスプレイの大面積化に伴い、より大面積の有機機能層を形成する必要が生じている。この事情の下、有機機能層をウェットプロセスで形成する有機EL素子の開発が進められてきている(例えば特許文献4〜6)。
このような背景から、正孔注入層、正孔輸送層等の有機機能層を形成するためのウェットプロセス用材料の開発が精力的に進められてきているが、より高性能の有機ELディスプレイを実現するために、より高機能の新規材料は常に求められている。
そして、高機能に寄与し得る高電荷輸送性を期待できるトリアリールアミンポリマーを用いた新しいウェットプロセス用材料は、有望な候補材料の一つであるものの、トリフェニルアミンのみを繰り返し単位に持つポリマーは、溶媒の種類によっては溶解性が低いことから、当該ポリマーを用いた組成物の調製に用い得る溶媒の選択肢の幅が狭いという問題があった。
特開2011−105790号公報 特開2012−102286号公報 特開2014−001399号公報 国際公開第2015/050253号 国際公開第2017/047644号 国際公開第2018/110535号
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、有機溶媒への溶解性が良好な重合体及びその製造方法、並びに当該重合体からなる電荷輸送性物質を含む電荷輸送性組成物、当該電荷輸送性組成物から得られる電荷輸送性薄膜及び当該電荷輸送性薄膜を有する有機EL素子を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、所定のトリフェニルアミン構造とともに、−NH−構造を繰り返し単位に含む重合体が、有機溶媒への溶解性が良好であることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、
1. 式(P1)で表される繰り返し単位を含む重合体、
Figure 2020027014
〔式中、Phは、1,4−フェニレン基を表し、Gは、式(A01)〜(A18)のいずれかで表される1価の基を表す。
Figure 2020027014
Figure 2020027014
Figure 2020027014
Figure 2020027014
(式中、L01は、−S−、−O−、−CO−、−CH2−、−(CH22−、−C(CH32−、−CF2−、−(CF22−、−C(CF32−又はフルオレン−9,9−ジイル基を表し、
02は、互いに独立して、水素原子、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数2〜20のアルケニル基、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数2〜20のアルキニル基又はRで置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基を表し、
03及びL04は、互いに独立して、水素原子、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数2〜20のアルケニル基、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数2〜20のアルキニル基又はRで置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基を表し、
01〜Z18は、芳香環に置換する置換基を表し、互いに独立して、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数2〜20のアルケニル基又は炭素数2〜20のアルキニル基を表し、
Rは、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数2〜20のアルケニル基又はフッ素原子で置換されていてもよい炭素数2〜20のアルキニル基を表し、
Arは、式(S1)〜(S6)のいずれかで表される基を表し、
Figure 2020027014
011〜a183は、互いに独立に、芳香環に置換する置換基の数を示す整数であり、
071、a081、a091、a101及びa111は、0〜3であり、
051、a061、a072、a082、a092、a102、a112、a113、a114、a121、a131、a141、a151、a161、a171、a181、a182及びa183は、0〜4であり、
011、a052、a062、a122、a123及びa132は、0〜5であり、
021、a133、a142、a143、a152、a153、a162及びa163は、0〜7であり、
031及びa041は、0〜9である。)〕
2. 前記Gが、式(A01−1)〜(A01−3)のいずれかで表される基である1の重合体、
Figure 2020027014
(式中、Z01は、前記と同じ意味を示す。)
3. 式(E1)で表される繰り返し単位を含む重合体、
Figure 2020027014
4. 1〜3のいずれかの重合体からなる電荷輸送性物質と、有機溶媒とを含む電荷輸送性組成物、
5. 更に電荷受容性物質又は電荷受容性物質前駆体を含む4の電荷輸送性組成物、
6. 4又は5の電荷輸送性組成物から得られる電荷輸送性薄膜、
7. 6の電荷輸送性薄膜を有する有機エレクトロルミネッセンス素子、
8. 式(A1)で表されるトリフェニルアミン誘導体と、式(H1)で表されるトリフェニルアミン誘導体とを反応させることを特徴とする1の重合体の製造方法
Figure 2020027014
(式中、Xは、互いに独立して、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子又は擬ハロゲン基を表し、Ph及びGは、前記と同じ意味を示す。)
を提供する。
本発明の重合体は、その繰り返し単位に所定のトリフェニルアミン構造とともに、−NH−構造を含むことから、優れた電荷輸送性と有機溶媒への優れた溶解性とを兼ね備え、当該重合体を単独で又はドーパント物質やドーパント物質前駆体とともに有機溶媒に溶解させることで、有機EL素子をはじめとした電子素子に適用した場合に優れた特性を実現できる電荷輸送性薄膜を与える電荷輸送性組成物を容易に調製できる。
特に、本発明の電荷輸送性薄膜を、有機EL素子の正孔注入層として用いることで、優れた特性の有機EL素子を得ることができる。
以下、本発明についてさらに詳しく説明する。
本発明の重合体は、式(P1)で表される繰り返し単位を含む。
Figure 2020027014
Phは、1,4−フェニレン基を表し、Gは、式(A01)〜(A18)のいずれかで表される1価の基を表す。
Figure 2020027014
Figure 2020027014
Figure 2020027014
Figure 2020027014
01は、−S−、−O−、−CO−、−CH2−、−(CH22−、−C(CH32−、−CF2−、−(CF22−、−C(CF32−又はフルオレン−9,9−ジイル基を表す。
02は、互いに独立して、水素原子、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数2〜20のアルケニル基、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数2〜20のアルキニル基又はRで置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基を表す。
炭素数1〜20のアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよく、その具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ペンタン−2−イル基、n−ペンタン−3−イル基、n−ヘキシル基、n−ヘキサン−2−イル基、n−ヘキサン−3−イル基、n−ヘプチル基、n−ヘプタン−2−イル基、n−ヘプタン−3−イル基、n−ヘプタン−4−イル基、n−オクチル基、n−オクタン−2−イル基、n−オクタン−3−イル基、n−オクタン−4−イル基、n−ノニル基、n−デシル基等の炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状アルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基等の炭素数3〜20の環状アルキル基が挙げられる。
炭素数2〜20のアルケニル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよく、その具体例としては、エテニル基、n−1−プロペニル基、n−2−プロペニル基、1−メチルエテニル基、n−1−ブテニル基、n−2−ブテニル基、n−3−ブテニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−エチルエテニル基、1−メチル−1−プロペニル基、1−メチル−2−プロペニル基、n−1−ペンテニル基、n−1−デセニル基等が挙げられる。
炭素数2〜20のアルキニル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよく、その具体例としては、エチニル基、n−1−プロピニル基、n−2−プロピニル基、n−1−ブチニル基、n−2−ブチニル基、n−3−ブチニル基、1−メチル−2−プロピニル基、n−1−ペンチニル基、n−2−ペンチニル基、n−3−ペンチニル基、n−4−ペンチニル基、1−メチル−n−ブチニル基、2−メチル−n−ブチニル基、3−メチル−n−ブチニル基、1,1−ジメチル−n−プロピニル基、n−1−ヘキシニル基、n−1−デシニル基等が挙げられる。
炭素数6〜20のアリール基の具体例としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントリル基、2−アントリル基、9−アントリル基、1−フェナントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、4−フェナントリル基、9−フェナントリル基等が挙げられる。
03及びL04は、互いに独立して、水素原子、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数2〜20のアルケニル基、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数2〜20のアルキニル基又はRで置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基を表す。
01〜Z18は、芳香環に置換する置換基を表し、互いに独立して、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数2〜20のアルケニル基又はフッ素原子で置換されていてもよい炭素数2〜20のアルキニル基を表す。
Rは、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数2〜20のアルケニル基又はフッ素原子で置換されていてもよい炭素数2〜20のアルキニル基を表す。
03及びL04、Z01〜Z18及びRにおける炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基及び炭素数2〜20のアルキニル基並びにL03及びL04における炭素数6〜20のアリール基の具体例は、前記と同じものが挙げられる。
式(A01)で表される基の好ましい例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない。
Figure 2020027014
(式中、Z01は、前記と同じ意味を示す。)
式(A01−1)〜(A01−3)において、得られる重合体の溶解性と電荷輸送性の観点から、Z01は、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数2〜20のアルケニル基、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数2〜20のアルキニル基が好ましく、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基がより好ましく、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基がより一層好ましく、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基がさらに好ましい。
また、式(A01−1)〜(A01−3)における置換基Z01が、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基である場合、当該アルキル基が芳香環に結合する結合手は、当該アルキル基の2級又は3級炭素原子上にあることが好ましく、2級炭素原子上にあることがより好ましい。
具体的には、式(A01−1)〜(A01−3)において、Z01は、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンタン−2−イル基、n−ペンタン−3−イル基、n−ヘキサン−2−イル基、n−ヘキサン−3−イル基、n−ヘプタン−2−イル基、n−ヘプタン−3−イル基、n−ヘプタン−4−イル基、n−オクタン−2−イル基、n−オクタン−3−イル基、n−オクタン−4−イル基等が好ましいが、これらに限定されない。
本発明において、式(P1)におけるアルキル基、アルケニル基およびアルキニル基の炭素数は、有機溶媒への溶解性の観点から、好ましくは15以下、より好ましくは10以下、より一層好ましくは8以下、更に好ましくは5以下であり、アリール基の炭素数は、好ましくは15以下、より好ましくは10以下である。
Arは、式(S1)〜(S6)のいずれかで表される基を表す。
Figure 2020027014
011〜a183は、互いに独立に、芳香環に置換する置換基の数を示す整数である。
071、a081、a091、a101及びa111は、0〜3である。
051、a061、a072、a082、a092、a102、a112、a113、a114、a121、a131、a141、a151、a161、a171、a181、a182及びa183は、0〜4である。
011、a052、a062、a122、a123及びa132は、0〜5である。
021、a133、a142、a143、a152、a153、a162及びa163は、0〜7である。
031及びa041は、0〜9である。
原料化合物の入手性や合成容易性、得られる重合体の溶解性、得られる電荷輸送性薄膜の電荷輸送性等のバランスを考慮すると、a011は、0〜3が好ましく、1又は2がより好ましく、a021〜a183は、0又は1が好ましく、0がより好ましい。
本発明の重合体は、必ずしも全ての繰り返し単位が同一の構造を有している必要はなく、式(P1)に包含される異なる構造の繰り返し単位を含むものであってもよい。また、各単位はランダムに結合していても、ブロック重合体として結合していてもよい。
本発明の重合体における式(P1)で表される繰り返し単位の含有量は、電荷輸送性と溶解性に優れる重合体を得る観点から、重合体に含まれる全繰り返し単位中、好ましくは50モル%以上、より好ましくは70モル%以上、より一層好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは95モル%以上であり、100モル%が最適である。
本発明の重合体の重量平均分子量は、通常1,000〜100,000であるが、有機溶媒への溶解性の観点から、好ましくは20,000以下、より好ましくは10,000以下であり、電荷輸送性の観点から、好ましくは3,000以上、より好ましくは5,000以上である。なお、本発明における重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(以下、GPCという)分析による標準ポリスチレン換算で得られる平均分子量である。
本発明の重合体は、式(A1)で表されるトリフェニルアミン誘導体と、式(H1)で表されるトリフェニルアミン誘導体とを反応させることで製造できる。
Figure 2020027014
(式中、Xは、互いに独立して、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子又は擬ハロゲン基を表し、Ph及びGは、前記と同じ意味を示す。)
擬ハロゲン基としては、メタンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、ノナフルオロブタンスルホニルオキシ基等の(フルオロ)アルキルスルホニルオキシ基;ベンゼンスルホニルオキシ基、トルエンスルホニルオキシ基等の芳香族スルホニルオキシ基などが挙げられる。
式(A1)で表されるトリフェニルアミン誘導体と式(H1)で表されるトリフェニルアミン誘導体との仕込み比は、式(H1)で表されるトリフェニルアミン誘導体に対し、式(A1)で表されるトリフェニルアミン誘導体を1当量以上とすることができるが、1〜1.5当量程度が好適である。
上記反応に用いられる触媒としては、例えば、塩化銅、臭化銅、ヨウ化銅等の銅触媒;Pd(PPh34(テトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム)、Pd(PPh32Cl2(ビス(トリフェニルフォスフィン)ジクロロパラジウム)、Pd(dba)2(ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム)、Pd2(dba)3(トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム)、Pd(P−t−Bu32(ビス(トリ(t−ブチルフォスフィン))パラジウム)、Pd(OAc)2(酢酸パラジウム)等のパラジウム触媒などが挙げられる。これらの触媒は、単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。また、これらの触媒は、公知の適切な配位子とともに使用してもよい。
このような配位子としては、トリフェニルフォスフィン、トリ−o−トリルフォスフィン、ジフェニルメチルフォスフィン、フェニルジメチルフォスフィン、トリメチルフォスフィン、トリエチルフォスフィン、トリブチルフォスフィン、トリ−t−ブチルフォスフィン、ジ−t−ブチル(フェニル)フォスフィン、ジ−t−ブチル(4−ジメチルアミノフェニル)フォスフィン、1,2−ビス(ジフェニルフォスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルフォスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジフェニルフォスフィノ)ブタン、1,1’−ビス(ジフェニルフォスフィノ)フェロセン等の3級フォスフィン、トリメチルフォスファイト、トリエチルフォスファイト、トリフェニルフォスファイト等の3級フォスファイトなどが挙げられる。
触媒の使用量は、式(H1)で表されるトリフェニルアミン誘導体1molに対して、0.01〜0.2mol程度とすることができるが、0.1mol程度が好適である。
また、配位子を用いる場合、その使用量は、使用する金属錯体(触媒)に対し0.1〜5当量とすることができるが、1〜2当量が好適である。
原料化合物が全て固体である場合あるいは目的とする重合体を効率よく得る観点から、上記各反応は溶媒中で行う。溶媒を使用する場合、その種類は、反応に悪影響を及ぼさないものであれば特に制限はない。具体例としては、脂肪族炭化水素類(ペンタン、n−ヘキサン、n−オクタン、n−デカン、デカリン等)、ハロゲン化脂肪族炭化水素類(クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素等)、芳香族炭化水素類(ベンゼン、ニトロベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、メシチレン等)、ハロゲン化芳香族炭化水素類(クロロベンゼン、ブロモベンゼン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、p−ジクロロベンゼン等)、エーテル類(ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジ−n−ブチルケトン、シクロヘキサノン等)、アミド類(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、ラクタム及びラクトン類(N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトン等)、尿素類(N,N−ジメチルイミダゾリジノン、テトラメチルウレア等)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシド、スルホラン等)、ニトリル類(アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル等)などが挙げられ、これらの溶媒は単独で用いても、2種以上混合して用いてもよい。
反応温度は、用いる溶媒の融点から沸点までの範囲で適宜設定すればよいが、特に、0〜200℃程度が好ましく、20〜150℃がより好ましい。
反応終了後は、常法にしたがって後処理をし、目的とする重合体を得ることができる。
本発明の重合体の製造で用いる式(A1)で表されるトリフェニルアミン誘導体は、市販品を用いてもよく、下記の示すスキームに従い、次の方法で製造することもできる。
公知の方法により、下記の所定のアニリン誘導体を、例えば4−フルオロニトロベンゼンと反応させて対応するジニトロ化合物を得る。そして、得られたジニトロ化合物のニトロ基を、例えばPd/Cを用いた水素添加反応によって、アミノ基へと変換する。
Figure 2020027014
(式中、Ph及びGは、前記と同じ意味を示す。)
本発明の重合体の製造で用いる式(H1)で表されるトリフェニルアミン誘導体は、市販品を用いてもよく、下記の示すスキームに従い、対応するトリフェニルアミン誘導体をハロゲン化又は擬ハロゲン化してもよい。ハロゲン化又は擬ハロゲン化は、定法に従い、ハロゲン化試薬又は擬ハロゲン化試薬を用いておこなうことができる。
Figure 2020027014
(式中、Ph、G及びXは、前記と同じ意味を示す。)
本発明の重合体の好ましい一例を以下に挙げるが、本発明はこれに限定されない。
Figure 2020027014
(kは、繰り返し単位を示す整数であり、重合体の分子量に応じて定まる。)
本発明の重合体は、有機溶媒への良好な溶解性を示し、本発明の重合体を電荷輸送性物質として有機溶媒に溶解させることで、電荷輸送性組成物を製造できる。
このような有機溶媒としては、本発明の重合体を良好に溶解し得る高溶解性有機溶媒を用いることができる。
その具体例としては、クロロホルム、クロロベンゼン等の塩素系溶媒、トルエン、キシレン、テトラリン、シクロヘキシルベンゼン、3−フェノキシトルエン等の芳香族炭化水素系溶媒等の低極性高溶解性有機溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルイソブチルアミド、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等のアミド系溶媒、イソホロン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、安息香酸メチル等のエステル系溶媒、エチレングリコール、ジエチレングリコール等の多価アルコール系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソール等のエーテル系溶媒、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒等の極性高溶解性有機溶媒が挙げられる。
これらの有機溶媒は、1種単独で又は2種以上混合して用いることができ、その使用量は、電荷輸送性組成物に使用する全溶媒中5〜100質量%とすることができる。
また、前記有機溶媒は、25℃で10〜200mPa・s、特に35〜150mPa・sの粘度を有し、常圧(大気圧)で沸点50〜300℃、特に150〜250℃の高粘度有機溶媒を少なくとも1種含んでもよい。このような溶媒を加えることで、電荷輸送性組成物の粘度の調整が容易になり、平坦性の高い薄膜を再現性よく与える、用いる塗布方法に応じた組成物の調製が可能となる。
高粘度有機溶媒としては、例えば、シクロヘキサノール、エチレングリコール、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,3−オクチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、プロピレングリコール、へキシレングリコール等が挙げられるが、これらに限定されない。高粘度有機溶媒は高溶解性有機溶媒を兼ねてもよく、それは電荷輸送性物質である重合体の構造に応じて定まる。
高粘度有機溶媒を添加する場合、その添加割合は、固体が析出しない範囲内であることが好ましく、固体が析出しない限りにおいて、電荷輸送性組成物に使用する全溶媒中5〜90質量%が好ましい。
更に、基板に対する濡れ性の向上、溶媒の表面張力の調整、極性の調整、沸点の調整等の目的で、その他の溶媒を、電荷輸送性組成物に使用する全溶媒中1〜90質量%、好ましくは1〜50質量%の割合で混合することもできる。
このような溶媒としては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジアセトンアルコール、γ−ブチロラクトン、エチルラクテート、n−ヘキシルアセテート等が挙げられるが、これらに限定されない。これらの溶媒は、1種単独で又は2種以上混合して用いることができる。なお、同目的で使用される溶媒は、高溶解性有機溶媒の機能を兼ねることがある。
本発明の電荷輸送性組成物は、得られる電荷輸送性薄膜の電荷輸送性向上等の目的で、ドーパント物質(電荷受容性物質)やドーパント物質前駆体(電荷受容性物質前駆体)を含んでもよい。
ドーパント物質としては、電荷輸送性組成物に使用する少なくとも一種の溶媒に溶解するものであれば特に限定されず、有機系の電荷受容性物質としては、アリールスルホン酸、アニオンとその対カチオンとからなるイオン化合物、テトラシアノキノジメタン誘導体やベンゾキノン誘導体等の有機系のドーパント物質;アリールスルホン酸エステル等の有機系のドーパント物質前駆体;リンタングステン酸、リンモリブデン酸等の無機系のドーパント物質のいずれも用いることができる。
本発明における好ましい一例の電荷輸送性組成物は、式(1)で表されるスルホン酸エステル化合物からなるドーパント物質前駆体を含む。
Figure 2020027014
1及びR2は、互いに独立して、水素原子、又は直鎖状若しくは分岐状の1価脂肪族炭化水素基を表し、R3は、直鎖状若しくは分岐状の1価脂肪族炭化水素基を表す。ただし、R1、R2及びR3の炭素数の合計は6以上である。R1、R2及びR3の炭素数の合計の上限は、特に限定されないが、20以下が好ましく、10以下がより好ましい。
前記直鎖状若しくは分岐状の1価脂肪族炭化水素基としては、特に限定されないが、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基等の炭素数1〜18のアルキル基;ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、イソプロペニル基、1−メチル−2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、ヘキセニル基等の炭素数2〜18のアルケニル基等が挙げられる。
1としては、水素原子が好ましく、R2及びR3としては、炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。この場合、R2及びR3は、同一であっても異なっていてもよい。
1は、−O−又は−S−を表すが、−O−が好ましい。A2は、(n+1)価の芳香族炭化水素基を表す。A3は、1つ以上の芳香環を含む置換又は非置換のm価の炭化水素基を表す。
2で表される(n+1)価の芳香族炭化水素基は、芳香族炭化水素化合物の芳香環上から(n+1)個の水素原子を取り除いて得られる基である。前記芳香族炭化水素化合物としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等が挙げられる。これらのうち、A2としては、ナフタレン又はアントラセンから誘導される基であることが好ましく、ナフタレンから誘導される基であることがより好ましい。
3で表される1つ以上の芳香環を含む置換又は非置換のm価の炭化水素基は、1つ以上の芳香環を含む置換又は非置換の炭化水素化合物から炭素骨格に結合する原子又は原子団をm個取り除いて得られる基である。前記炭化水素化合物としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ビフェニル、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等や、これらの基の水素原子の一部又は全部が、更にヒドロキシ基、アミノ基、シラノール基、チオール基、カルボキシル基、スルホン酸エステル基、リン酸基、リン酸エステル基、エステル基、チオエステル基、アミド基、ニトロ基、1価炭化水素基、オルガノオキシ基、オルガノアミノ基、オルガノシリル基、オルガノチオ基、アシル基、スルホン基、ハロゲン原子等で置換されたものが挙げられる。
式(1)で表されるスルホン酸エステル化合物の耐久性向上及び電荷輸送性向上を図ることを考慮すると、A3としては、1,3,5−トリアジンから誘導される2価又は3価の基、置換又は非置換のベンゼンから誘導される2価又は3価の基、置換又は非置換のトルエンから誘導される2価又は3価の基、置換又は非置換のp−キシレンから誘導される2価の基、置換又は非置換のナフタレンから誘導される2価又は3価の基、パーフルオロビフェニルから誘導される2〜4価の基等が好ましく、2価のパーフルオロビフェニル基がより一層好ましい。
mは、2≦m≦4を満たす整数を表すが、2が好ましい。nは、1≦n≦4を満たす整数を表すが、2が好ましい。
式(1)で表されるスルホン酸エステル化合物は、国際公開第2017/217457号に記載の方法でも合成することができる。
本発明の電荷輸送性組成物がドーパント物質やドーパント物質前駆体を含む場合、その含有量は、それらの種類や所望の電荷輸送性等に応じて適宜決定されるために一概に規定できないが、質量比で、本発明の重合体1に対して、ドーパント物質とドーパント物質前駆体の合計で0.01〜10の範囲内である。
本発明で好適なドーパント物質又はドーパント物質前駆体の具体例を以下に挙げるが、これらに限定されない。
Figure 2020027014
Figure 2020027014
Figure 2020027014
なお、電荷輸送性物質並びにドーパント物質及びドーパント物質前駆体は、前記溶媒に完全に溶解しているか、均一に分散している状態となっていることが好ましく、完全に溶解していることが最適である。
本発明の電荷輸送性組成物は、溶媒として水も含み得るが、組成物から得られる電荷輸送性薄膜を有機EL素子の正孔注入層として用いた場合に高耐久性の素子を再現性よく得る観点から、水の含有量は、溶媒全体の10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、溶媒として有機溶媒のみを用いることが最適である。
なお、この場合における「有機溶媒のみ」とは、溶媒として用いるものが有機溶媒だけであることを意味し、使用する有機溶媒や固形分等に微量に含まれる「水」の存在までをも否定するものではない。
なお、本発明において、固形分とは、電荷輸送性組成物に含まれる溶媒以外の成分を意味する。
本発明においては、電荷輸送性組成物は、より平坦性の高い薄膜を再現性よく得る観点から、電荷輸送性物質を有機溶媒に溶解させた後、サブマイクロメートルオーダーのフィルター等を用いてろ過することが望ましい。
本発明の電荷輸送性組成物中の固形分濃度は、電荷輸送性物質の析出を抑制しつつ十分な膜厚を確保する観点から、通常0.1〜20質量%程度、好ましくは0.5〜15質量%である。
本発明の電荷輸送性組成物の粘度は、通常、25℃で1〜50mPa・sであり、表面張力は、通常、25℃で20〜50mN/mである。
本発明の電荷輸送性組成物の粘度と表面張力は、用いる塗布方法、所望の膜厚等の各種要素を考慮して、用いる有機溶媒の種類やそれらの比率、固形分濃度等を変更することで調整可能である。
本発明の電荷輸送性組成物は、本発明の重合体を有機溶媒に溶解させることで製造できる。予め有機溶媒に本発明の重合体を溶解させ、そこにその他の有機溶媒を順次加えてもよく、用いる全溶媒の混合溶媒を予め作り、そこへ本発明の重合体を溶解させてもよい。本発明の電荷輸送性組成物が、本発明の重合体と溶媒以外の成分を含む場合も同様の手順に従う。
また、必要があれば、組成物に含まれる成分が分解や変質しないように注意し、加熱して重合体等の溶解を促進してもよい。
本発明の電荷輸送性組成物を基材上に塗布して焼成することで、基材上に本発明の電荷輸送性薄膜を形成することができる。
電荷輸送性組成物の塗布方法としては、ディップ法、スピンコート法、転写印刷法、ロールコート法、刷毛塗り、インクジェット法、スプレー法、スリットコート法等が挙げられるが、これらに限定されない。塗布方法に応じて、電荷輸送性組成物の粘度及び表面張力を調節することが好ましい。
また、焼成条件も特に限定されるものではないが、例えばホットプレートを用いて加熱焼成する。通常、焼成温度は100〜260℃の範囲内で、焼成時間は1分間〜1時間の範囲内である。焼成雰囲気も特に限定されないが、好ましくは空気下である。
更に、必要に応じて、異なる2以上の温度で多段階の焼成をしてもよい。
電荷輸送性薄膜の膜厚は、特に限定されないが、有機EL素子の機能層として用いる場合、5〜300nmが好ましい。膜厚を変化させる方法としては、電荷輸送性組成物中の固形分濃度を変化させたり、塗布時の液量を変化させたりする等の方法がある。
本発明の有機EL素子は、一対の電極を有し、これら電極の間に、上述の本発明の電荷輸送性薄膜を有するものである。
有機EL素子の代表的な構成としては、以下(a)〜(f)が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。なお、下記構成において、必要に応じて、発光層と陽極の間に電子ブロック層等を、発光層と陰極の間にホール(正孔)ブロック層等を設けることもできる。また、正孔注入層、正孔輸送層あるいは正孔注入輸送層が電子ブロック層等としての機能を兼ね備えていてもよく、電子注入層、電子輸送層あるいは電子注入輸送層がホール(正孔)ブロック層等としての機能を兼ね備えていてもよい。更に、必要に応じて各層の間に任意の機能層を設けることも可能である。
(a)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(b)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子注入輸送層/陰極
(c)陽極/正孔注入輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(d)陽極/正孔注入輸送層/発光層/電子注入輸送層/陰極
(e)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/陰極
(f)陽極/正孔注入輸送層/発光層/陰極
「正孔注入層」、「正孔輸送層」及び「正孔注入輸送層」とは、発光層と陽極との間に形成される層であって、正孔を陽極から発光層へ輸送する機能を有するものであり、発光層と陽極の間に、正孔輸送性材料の層が1層のみ設けられる場合、それが「正孔注入輸送層」であり、発光層と陽極の間に、正孔輸送性材料の層が2層以上設けられる場合、陽極に近い層が「正孔注入層」であり、それ以外の層が「正孔輸送層」である。特に、正孔注入(輸送)層は、陽極からの正孔受容性だけでなく、正孔輸送(発光)層への正孔注入性にも優れる薄膜が用いられる。
「電子注入層」、「電子輸送層」及び「電子注入輸送層」とは、発光層と陰極との間に形成される層であって、電子を陰極から発光層へ輸送する機能を有するものであり、発光層と陰極の間に、電子輸送性材料の層が1層のみ設けられる場合、それが「電子注入輸送層」であり、発光層と陰極の間に、電子輸送性材料の層が2層以上設けられる場合、陰極に近い層が「電子注入層」であり、それ以外の層が「電子輸送層」である。
「発光層」とは、発光機能を有する有機層であって、ドーピングシステムを採用する場合、ホスト材料とドーパント材料を含んでいる。このとき、ホスト材料は、主に電子と正孔の再結合を促し、励起子を発光層内に閉じ込める機能を有し、ドーパント材料は、再結合で得られた励起子を効率的に発光させる機能を有する。燐光素子の場合、ホスト材料は主にドーパントで生成された励起子を発光層内に閉じ込める機能を有する。
本発明の電荷輸送性薄膜は、有機EL素子における陽極と発光層との間に設けられる有機機能膜として好適に用いることができるが、正孔注入層、正孔輸送層、正孔注入輸送層としてより好適に用いることができ、正孔注入層としてより一層好適に用いることができる。
本発明の電荷輸送性組成物を用いて有機EL素子を作製する場合の使用材料や、作製方法としては、下記のようなものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の電荷輸送性組成物から得られる薄膜からなる正孔注入層を有するOLED素子の作製方法の一例は、以下のとおりである。なお、電極は、電極に悪影響を与えない範囲で、アルコール、純水等による洗浄や、UVオゾン処理、酸素−プラズマ処理等による表面処理を予め行うことが好ましい。
陽極基板上に、上記の方法により、本発明の電荷輸送性薄膜からなる正孔注入層を形成する。これを真空蒸着装置内に導入し、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子輸送層/ホールブロック層、陰極金属を順次蒸着する。あるいは、当該方法において蒸着で正孔輸送層と発光層を形成する代わりに、正孔輸送性高分子を含む正孔輸送層形成用組成物と発光性高分子を含む発光層形成用組成物を用いてウェットプロセスによってこれらの層を形成する。なお、必要に応じて、発光層と正孔輸送層との間に電子ブロック層を設けてよい。
陽極材料としては、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)に代表される透明電極や、アルミニウムに代表される金属やこれらの合金等から構成される金属陽極が挙げられ、平坦化処理を行ったものが好ましい。高電荷輸送性を有するポリチオフェン誘導体やポリアニリン誘導体を用いることもできる。
なお、金属陽極を構成するその他の金属としては、金、銀、銅、インジウムやこれらの合金等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
正孔輸送層を形成する材料としては、(トリフェニルアミン)ダイマー誘導体、[(トリフェニルアミン)ダイマー]スピロダイマー、N,N’−ビス(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ビス(フェニル)−ベンジジン(α−NPD)、4,4’,4”−トリス[3−メチルフェニル(フェニル)アミノ]トリフェニルアミン(m−MTDATA)、4,4’,4”−トリス[1−ナフチル(フェニル)アミノ]トリフェニルアミン(1−TNATA)等のトリアリールアミン類、5,5”−ビス−{4−[ビス(4−メチルフェニル)アミノ]フェニル}−2,2’:5’,2”−ターチオフェン(BMA−3T)等のオリゴチオフェン類などが挙げられる。
発光層を形成する材料としては、8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体等の金属錯体、10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリンの金属錯体、ビススチリルベンゼン誘導体、ビススチリルアリーレン誘導体、(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾールの金属錯体、シロール誘導体等の低分子発光材料;ポリ(p−フェニレンビニレン)、ポリ[2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン]、ポリ(3−アルキルチオフェン)、ポリビニルカルバゾール等の高分子化合物に発光材料と電子移動材料を混合した系等が挙げられるが、これらに限定されない。
また、蒸着で発光層を形成する場合、発光性ドーパントと共蒸着してもよく、発光性ドーパントとしては、トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(III)(Ir(ppy)3)等の金属錯体や、ルブレン等のナフタセン誘導体、キナクリドン誘導体、ペリレン等の縮合多環芳香族環等が挙げられるが、これらに限定されない。
電子輸送層/ホールブロック層を形成する材料としては、オキシジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体、フェニルキノキサリン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、ピリミジン誘導体等が挙げられるが、これらに限定されない。
電子注入層を形成する材料としては、酸化リチウム(Li2O)、酸化マグネシウム(MgO)、アルミナ(Al23)等の金属酸化物、フッ化リチウム(LiF)、フッ化ナトリウム(NaF)の金属フッ化物が挙げられるが、これらに限定されない。
陰極材料としては、アルミニウム、マグネシウム−銀合金、アルミニウム−リチウム合金等が挙げられるが、これらに限定されない。
電子ブロック層を形成する材料としては、トリス(フェニルピラゾール)イリジウム等が挙げられるが、これに限定されない。
正孔輸送性高分子としては、ポリ[(9,9−ジヘキシルフルオレニル−2,7−ジイル)−co−(N,N’−ビス{p−ブチルフェニル}−1,4−ジアミノフェニレン)]、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−co−(N,N’−ビス{p−ブチルフェニル}−1,1’−ビフェニレン−4,4−ジアミン)]、ポリ[(9,9−ビス{1’−ペンテン−5’−イル}フルオレニル−2,7−ジイル)−co−(N,N’−ビス{p−ブチルフェニル}−1,4−ジアミノフェニレン)]、ポリ[N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)−ベンジジン]−エンドキャップド ウィズ ポリシルシスキノキサン、ポリ[(9,9−ジジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−co−(4,4’−(N−(p−ブチルフェニル))ジフェニルアミン)]等が挙げられる。
発光性高分子としては、ポリ(9,9−ジアルキルフルオレン)(PDAF)等のポリフルオレン誘導体、ポリ(2−メトキシ−5−(2’−エチルヘキソキシ)−1,4−フェニレンビニレン)(MEH−PPV)等のポリフェニレンビニレン誘導体、ポリ(3−アルキルチオフェン)(PAT)等のポリチオフェン誘導体、ポリビニルカルバゾール(PVCz)等が挙げられる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。なお、使用した装置は以下のとおりである。
(1)基板洗浄:長州産業(株)製 基板洗浄装置(減圧プラズマ方式)
(2)組成物の塗布:ミカサ(株)製 スピンコーターMS−A100
(3)素子の作製:長州産業(株)製 多機能蒸着装置システムC−E2L1G1−N
(4)電流密度等の測定:(株)イーエッチシー製 多チャンネルIVL測定装置
(5)EL素子の寿命測定(半減期の測定):(株)イーエッチシー製 有機EL輝度寿命評価システムPEL−105S
(6)重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)測定:(株)島津製作所製(カラム:SHODEX GPC KF−803L+GPC KF−804L、カラム温度:40℃、検出器:UV検出器(254nm)及びRI検出器、溶離液:0.5%Et3N/THF、カラム流速:1.0mL/min.)
(7)1H−NMR:Bruker社製 Ascend500
(8)LC/MS:ウォーターズ社製 ZQ2000
[1]原料化合物の合成
[合成例1]
Figure 2020027014
三口フラスコ内に4−s−ブチルアニリン(4.48g,30mmol)と4−フルオロニトロベンゼン(8.51g,60.3mmol)を入れ、更にそこへジメチルスルホキシド(45mL)とフッ化セシウム(9.16g,60.3mmol)を加え、110℃で48時間加熱還流した。
反応液を室温まで冷却した後、冷却した反応液をエタノール(750mL)に滴下し、析出した固体をろ取し、得られたろ物を水(100mL)で洗浄し乾燥することで、化合物1を得た(8.60g,73%)。
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ 0.87(t,J= 7.5Hz,3H), 1.27(d,J= 7.0Hz,3H), 1.62(quin,J= 7.5Hz,2H), 2.65(sext,J= 7.0Hz,1H), 7.08(d,J= 8.5Hz,2H), 7.14(d,J= 9.0Hz,4H), 7.23(d,J= 8.5Hz,2H), 8.14(d,J= 9.0Hz,4H).
[合成例2]
Figure 2020027014
三口フラスコ内に化合物1(4.3g,11mmol)のエタノール懸濁液(65mL)を入れ、そこへパラジウム炭素(0.21g)とヒドラジン一水和物(6.5mL)を加え、5時間加熱還流した。
反応液を室温まで冷却した後、冷却した反応液をセライトろ過し、ろ物をエタノール(30mL)で洗浄し、このエタノールを含めたろ液を回収した。
回収したろ液に水(400mL)を加えて0℃で30分間撹拌し、析出した固体をろ取し、乾燥することで、化合物2を得た(3.00g,82%)。
1H−NMR(500MHz、CDCl3):δ 0.83(t,J= 7.5Hz,3H), 1.19(d,J= 6.5Hz,3H), 1.54(quin,J= 7.5Hz,2H), 2.49(sext,J= 7.0Hz,1H), 3.52(brs, 4H), 6.60(d,J= 8.5Hz,4H), 6.83(d,J= 8.5Hz,2H), 6.91−6.95(m, 6H).
LC/MS(ESI+)m/z;332[M+1]+
[2]重合体(ポリマー)の合成
[実施例1]
Figure 2020027014
三口フラスコ内に化合物2(1.50g,4.5mmol)、化合物3(1.72g,3.75mmol)、Pd(PPh34(0.43g,0.38mmol)及びt−BuONa(0.86g,9mmol)を入れ、そこへキシレン(34mL)を加え、4時間加熱還流した後、4−s−ブチルアニリン(0.20g,1.35mmol)を加え、さらに3時間加熱還流した。
反応液を室温まで冷却した後、冷却した反応液を水(34mL)と混合し、得られた混合物とトルエン(17mL×2)とを用いて分液処理を行い、有機層を回収して硫酸ナトリウムで乾燥した。
次いで、乾燥した有機層を濃縮し、得られた濃縮物にテトラヒドロフラン(17mL)を加えて希釈し、得られた希釈物をメタノール(340mL)に滴下して1時間撹拌した。
その後、析出した粉末を吸引ろ過で回収し、得られたろ物をテトラヒドロフラン(17mL)に溶解させ、この溶液をメタノール(340mL)に滴下して1時間撹拌し、析出した粉末を吸引ろ過で回収し減圧乾燥することで、ポリマーAを得た(2.20g)。
なお、化合物3は、J.Mater.Chem.,2011,21,11800に記載の方法に従い合成した。
Mw=3,871 Mn(GPC)=7,455 Mw/Mn=1.93
[比較例1]
Figure 2020027014
フラスコ内に4−s−ブチルアニリン(1.51g,10.1mmol)、1,4−ジブロモベンゼン(2.36g,10mmol)、Pd(dba)4(0.43g,0.38mmol)、[(t−Bu)3Ph]BF4(0.58g,2mmol)及びt−BuONa(2.88g,30mmol)を入れ、そこへトルエン(47mL)を加え、3時間加熱還流した後、ジフェニルアミン(0.34g,2mmol)を加え、さらに2時間加熱還流した。
反応液を室温まで冷却した後、冷却した反応液を水(50mL)と混合し、得られた混合物とクロロホルム(50mL×2)とを用いて分液処理を行い、有機層を回収して硫酸ナトリウムで乾燥した。
次いで、乾燥した有機層を濃縮し、得られた濃縮物にクロロホルム(50mL)を加えて希釈し、得られた希釈物をメタノール(470mL)に滴下して1時間撹拌した。
その後、析出した粉末を吸引ろ過で回収し、得られたろ物をクロロホルム(50mL)に溶解させ、この溶液をメタノール(470mL)に低下して1時間撹拌し、析出した粉末を吸引ろ過で回収し減圧乾燥することで、ポリマーXを得た(1.88g)。
Mw=2,043 Mn=3,608 Mw/Mn=1.77
[3]電荷輸送性組成物の調製
[実施例2]
ポリマーA0.167gと、下記のアリールスルホン酸エステル化合物0.333gとを、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル4.75g、安息香酸ブチル2.85gおよびフタル酸ジメチル1.90gの混合溶媒に溶解させ、電荷輸送性組成物を得た。なお、下記のアリールスルホン酸エステル化合物は、国際公開第2017/217457号に記載の方法に従って合成した。
Figure 2020027014
[比較例2]
ポリマーAの代わりにポリマーXを用いた以外は、実施例2と同様の方法で、組成物の調製を試みたが、固体が溶け残り、電荷輸送性薄膜を作製するのに十分に均一な組成物を得ることができなかった。
[4]単層素子の作製と特性評価
[実施例3]
実施例2で得られた電荷輸送性組成物を、スピンコーターを用いてITO基板に塗布した後、大気下、120℃で1分間乾燥し、次いで230℃で15分間焼成し、ITO基板上に40nmの均一な薄膜を形成した。ITO基板としては、パターニングされた厚さ50nmのインジウム錫酸化物(ITO)膜が表面に形成された、25mm×25mm×0.7tのガラス基板を用い、使用前にO2プラズマ洗浄装置(150W、30秒間)によって表面上の不純物を除去した。
次いで、その上に、蒸着装置(真空度1.0×10-5Pa)を用いて、アルミニウムを0.2nm/秒の条件で80nm成膜し、単層素子を得た。なお、空気中の酸素、水等の影響による特性劣化を防止するため、単層素子は封止基板により封止した後、その特性を評価した。封止は、以下の手順で行った。酸素濃度2ppm以下、露点−76℃以下の窒素雰囲気中で、素子を封止基板の間に収め、封止基板を接着剤((株)MORESCO製、モレスコモイスチャーカット WB90US(P))により貼り合わせた。この際、捕水剤(ダイニック(株)製,HD−071010W−40)を素子と共に封止基板内に収めた。貼り合わせた封止基板に対し、UV光を照射(波長:365nm、照射量:6,000mJ/cm2)した後、80℃で1時間、アニーリング処理して接着剤を硬化させた。
得られた素子に5Vの電圧を印加した際の電流密度を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2020027014
表1に示されるように、本発明の電荷輸送性組成物から得られた薄膜は、優れた電荷輸送性を示した。
[5]有機EL素子の作製と特性評価
[実施例4]
膜厚を50nmとした以外は、実施例3と同様の方法で、実施例2で得られた電荷輸送性組成物を用いてITO基板上に薄膜を形成した。
次いで、この形成した薄膜の上に、蒸着装置(真空度1.0×10-5Pa)を用いて、α−NPDを0.2nm/秒にて30nm成膜し、その上に、関東化学社製の電子ブロック材料HTEB−01を10nm成膜した。更にその上に、新日鉄住金化学社製の発光層ホスト材料NS60と発光層ドーパント材料Ir(PPy)3を共蒸着した。共蒸着は、Ir(PPy)3の濃度が6%になるように蒸着レートをコントロールし、40nm積層させた。最後に、Alq3、フッ化リチウム及びアルミニウムの薄膜を順次積層して、有機EL素子を得た。この際、蒸着レートは、Alq3及びアルミニウムについては0.2nm/秒、フッ化リチウムについては0.02nm/秒の条件でそれぞれ行い、膜厚は、それぞれ20nm、0.5nm及び80nmとした。
なお、空気中の酸素、水等の影響による特性劣化を防止するため、実施例3と同様の方法で素子を封止した後、その特性を評価した。
得られた素子を輝度10,000cd/m2で駆動した場合における駆動電圧、電流密度、発光効率及び外部量子収率並びに輝度の半減期を測定した。結果を表2に示す。
Figure 2020027014
表2に示されるように、本発明の電荷輸送性組成物から得られた電荷輸送性薄膜を備える有機EL素子は、好適に駆動し、耐久性にも優れていた。

Claims (8)

  1. 式(P1)で表される繰り返し単位を含む重合体。
    Figure 2020027014
    〔式中、Phは、1,4−フェニレン基を表し、Gは、式(A01)〜(A18)のいずれかで表される1価の基を表す。
    Figure 2020027014
    Figure 2020027014
    Figure 2020027014
    Figure 2020027014
    (式中、L01は、−S−、−O−、−CO−、−CH2−、−(CH22−、−C(CH32−、−CF2−、−(CF22−、−C(CF32−又はフルオレン−9,9−ジイル基を表し、
    02は、互いに独立して、水素原子、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数2〜20のアルケニル基、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数2〜20のアルキニル基又はRで置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基を表し、
    03及びL04は、互いに独立して、水素原子、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数2〜20のアルケニル基、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数2〜20のアルキニル基又はRで置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基を表し、
    01〜Z18は、芳香環に置換する置換基を表し、互いに独立して、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数2〜20のアルケニル基又は炭素数2〜20のアルキニル基を表し、
    Rは、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数2〜20のアルケニル基又はフッ素原子で置換されていてもよい炭素数2〜20のアルキニル基を表し、
    Arは、式(S1)〜(S6)のいずれかで表される基を表し、
    Figure 2020027014
    011〜a183は、互いに独立に、芳香環に置換する置換基の数を示す整数であり、
    071、a081、a091、a101及びa111は、0〜3であり、
    051、a061、a072、a082、a092、a102、a112、a113、a114、a121、a131、a141、a151、a161、a171、a181、a182及びa183は、0〜4であり、
    011、a052、a062、a122、a123及びa132は、0〜5であり、
    021、a133、a142、a143、a152、a153、a162及びa163は、0〜7であり、
    031及びa041は、0〜9である。)〕
  2. 前記Gが、式(A01−1)〜(A01−3)のいずれかで表される基である請求項1記載の重合体。
    Figure 2020027014
    (式中、Z01は、前記と同じ意味を示す。)
  3. 式(E1)で表される繰り返し単位を含む重合体。
    Figure 2020027014
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載の重合体からなる電荷輸送性物質と、有機溶媒とを含む電荷輸送性組成物。
  5. 更に電荷受容性物質又は電荷受容性物質前駆体を含む請求項4記載の電荷輸送性組成物。
  6. 請求項4又は5記載の電荷輸送性組成物から得られる電荷輸送性薄膜。
  7. 請求項6記載の電荷輸送性薄膜を有する有機エレクトロルミネッセンス素子。
  8. 式(A1)で表されるトリフェニルアミン誘導体と、式(H1)で表されるトリフェニルアミン誘導体とを反応させることを特徴とする請求項1記載の重合体の製造方法。
    Figure 2020027014
    (式中、Xは、互いに独立して、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子又は擬ハロゲン基を表し、Ph及びGは、前記と同じ意味を示す。)
JP2020533514A 2018-08-01 2019-07-29 重合体及びその利用 Active JP7322884B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018145213 2018-08-01
JP2018145213 2018-08-01
PCT/JP2019/029571 WO2020027014A1 (ja) 2018-08-01 2019-07-29 重合体及びその利用

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2020027014A1 true JPWO2020027014A1 (ja) 2021-08-10
JP7322884B2 JP7322884B2 (ja) 2023-08-08

Family

ID=69232461

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020533514A Active JP7322884B2 (ja) 2018-08-01 2019-07-29 重合体及びその利用

Country Status (5)

Country Link
JP (1) JP7322884B2 (ja)
KR (1) KR20210037688A (ja)
CN (1) CN112513140B (ja)
TW (1) TWI828732B (ja)
WO (1) WO2020027014A1 (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010123845A (ja) * 2008-11-21 2010-06-03 Konica Minolta Medical & Graphic Inc 有機圧電体、有機圧電材料、超音波振動子および超音波探触子
JP2010225950A (ja) * 2009-03-25 2010-10-07 Toyo Ink Mfg Co Ltd 重合体を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子
JP2012126813A (ja) * 2010-12-15 2012-07-05 Tosoh Corp 新規アリールアミンデンドリマー状化合物、その製造方法およびその用途
WO2014148415A1 (ja) * 2013-03-18 2014-09-25 日産化学工業株式会社 電荷輸送性ワニス
WO2014203882A1 (ja) * 2013-06-21 2014-12-24 日産化学工業株式会社 アニリン誘導体、電荷輸送性ワニス及び有機エレクトロルミネッセンス素子
WO2015141585A1 (ja) * 2014-03-17 2015-09-24 日産化学工業株式会社 オリゴアニリン誘導体、電荷輸送性ワニス及び有機エレクトロルミネッセンス素子

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5343832B2 (ja) 2008-12-04 2013-11-13 三菱化学株式会社 アリールアミンポリマー、有機電界発光素子材料、有機電界発光素子用組成物、有機電界発光素子、有機elディスプレイ及び有機el照明
JP5343818B2 (ja) 2009-11-12 2013-11-13 三菱化学株式会社 アリールアミンポリマー、有機電界発光素子材料、有機電界発光素子用組成物、有機電界発光素子、有機el表示装置及び有機el照明
JP5720191B2 (ja) 2010-11-12 2015-05-20 三菱化学株式会社 アリールアミンポリマー、電荷輸送材料、有機電界発光素子用組成物、有機電界発光素子、有機el表示装置及び有機el照明
CN105009318B (zh) * 2013-02-28 2017-04-12 日产化学工业株式会社 电荷传输性清漆
EP3053910B1 (en) 2013-10-04 2021-04-28 Nissan Chemical Corporation Aniline derivatives and uses thereof
CN116193960A (zh) * 2014-03-14 2023-05-30 日产化学工业株式会社 苯胺衍生物及其利用
US10654967B2 (en) 2015-09-18 2020-05-19 Sumitomo Chemical Company, Limited Polymer compound and light-emitting element using same
WO2018110535A1 (ja) 2016-12-12 2018-06-21 三菱ケミカル株式会社 有機電界発光素子形成用組成物、有機電界発光素子及び有機膜の製造方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010123845A (ja) * 2008-11-21 2010-06-03 Konica Minolta Medical & Graphic Inc 有機圧電体、有機圧電材料、超音波振動子および超音波探触子
JP2010225950A (ja) * 2009-03-25 2010-10-07 Toyo Ink Mfg Co Ltd 重合体を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子
JP2012126813A (ja) * 2010-12-15 2012-07-05 Tosoh Corp 新規アリールアミンデンドリマー状化合物、その製造方法およびその用途
WO2014148415A1 (ja) * 2013-03-18 2014-09-25 日産化学工業株式会社 電荷輸送性ワニス
WO2014203882A1 (ja) * 2013-06-21 2014-12-24 日産化学工業株式会社 アニリン誘導体、電荷輸送性ワニス及び有機エレクトロルミネッセンス素子
WO2015141585A1 (ja) * 2014-03-17 2015-09-24 日産化学工業株式会社 オリゴアニリン誘導体、電荷輸送性ワニス及び有機エレクトロルミネッセンス素子

Also Published As

Publication number Publication date
CN112513140B (zh) 2023-07-11
TWI828732B (zh) 2024-01-11
CN112513140A (zh) 2021-03-16
TW202017970A (zh) 2020-05-16
JP7322884B2 (ja) 2023-08-08
KR20210037688A (ko) 2021-04-06
WO2020027014A1 (ja) 2020-02-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10069075B2 (en) Charge-transporting varnish
JP6004083B2 (ja) 電荷輸送性ワニス
JP2019135774A (ja) 正孔注入層形成用電荷輸送性ワニス
JP6760455B2 (ja) アニリン誘導体およびその製造方法
TWI620732B (zh) Electrode transport varnish for metal anode and composite metal anode
JP2023126469A (ja) 電荷輸送性ワニス
JP7491302B2 (ja) アリールアミン化合物およびその利用
JP7298611B2 (ja) 電荷輸送性薄膜形成用組成物
JP7414001B2 (ja) 電荷輸送性組成物
JP7322884B2 (ja) 重合体及びその利用
JP7420073B2 (ja) アニリン誘導体
WO2020203594A1 (ja) フルオレン誘導体及びその利用
TWI839495B (zh) 芳基胺化合物及其利用
TWI840380B (zh) 電荷輸送性薄膜形成用組成物
JPWO2020027264A1 (ja) アニリン誘導体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220623

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230314

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230420

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230627

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230710

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7322884

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151