JP5720191B2 - アリールアミンポリマー、電荷輸送材料、有機電界発光素子用組成物、有機電界発光素子、有機el表示装置及び有機el照明 - Google Patents
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そこで、素子の特性を向上させるために、電荷輸送能を有するポリマー材料の開発が行われている。例えば、特許文献1及び2には、アリールアミンポリマーを含有し、湿式成膜法で形成される正孔注入輸送層を有する有機電界発光素子が開示されている。しかしながら、これらの素子は、駆動電圧が高いという問題点があった。
本発明はまた、駆動電圧が低く、また駆動寿命が長い有機電界発光素子、並びに高品質の有機EL表示装置及び有機EL照明を提供することを課題とする。
即ち、本発明は、ポリマーの繰り返し単位が下記式(1)で表される繰り返し単位のみからなることを特徴とする、アリールアミンポリマー、電荷輸送材料、有機電界発光素子用組成物、有機電界発光素子、有機EL表示装置及び有機EL照明に存する。
Ar1は、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環及び/又は置換基を有していてもよい芳香族複素環を2〜5個連結してなる基を表し、
Ar2〜Ar4は、各々独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環基、置換
基を有していてもよい芳香族複素環基、並びに該芳香族炭化水素環及び/又は該芳香族複素環を2〜5個連結してなる基を表す。
その為、本発明のアリールアミンポリマーを用いて形成された素子は、駆動電圧が低く、駆動安定性に優れ、また駆動寿命が長い。
また、本発明のアリールアミンポリマーは、電気化学的安定性に優れる為、該アリールアミンポリマーを用いて形成された層を含む素子は、フラットパネル・ディスプレイ(例えばOAコンピュータ用や壁掛けテレビ)、車載表示素子、携帯電話表示や面発光体としての特徴を生かした光源(例えば、複写機の光源、液晶ディスプレイや計器類のバックライト光源)、表示板、標識灯への応用が考えられ、その技術的価値は大きいものである。
[アリールアミンポリマー]
本発明のアリールアミンポリマーは、下記式(1)で表される繰り返し単位を含むポリマーである。
Ar1は、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環及び/又は置換基を有していてもよい芳香族複素環を2〜5個連結してなる基を表し、
Ar2〜Ar4は、各々独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環基、置換
基を有していてもよい芳香族複素環基、並びに該芳香族炭化水素環及び/又は該芳香族複素環を2〜5個連結してなる基を表す。
[Ar1〜Ar4]
式(1)中、Ar1は、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環及び/又は置換基を有していてもよい芳香族複素環を2〜5個連結してなる基を表す。
置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環などの、ベンゼン環の単環又は2〜5縮合環が挙げられる。
例えば、フルオレン基は、ビフェニレン基において、2つのベンゼン環が有する置換基同士が結合してメチレン基を形成した構造とする。
Ar1は、正孔の注入性が高くなり、得られる素子の駆動電圧が低くなる点で、前記芳香族炭化水素環及び/又は芳香族複素環を、通常2〜5個、また2〜3個連結してなる基であることが好ましい。
また、Ar2〜Ar4は、各々独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基、並びに該芳香族炭化水素環及び芳香族複素環を2〜5個連結してなる基である。
アリールアミンポリマーの有機溶剤に対する溶解性、及び耐熱性の点から、Ar2〜Ar4における芳香族炭化水素環及び芳香族複素環は、各々独立に、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、トリフェニレン環、ピレン環、チオフェン環、ピリジン環からなる群より選ばれる環由来の基が好ましい。
基がさらに好ましい。
Ar1〜Ar4における芳香族炭化水素環及び芳香族複素環基が有していてもよい置換基としては、特に制限はないが、例えば、下記[置換基群Z]から選ばれる基が挙げられる。
メチル基、エチル基等の好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは炭素数1〜6のアルキル基;
ビニル基等の好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜6のアルケニル基;
エチニル基等の好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜6のアルキニル基;
メトキシ基、エトキシ基等の好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは炭素数1〜6のアルコキシ基;
フェノキシ基、ナフトキシ基、ピリジルオキシ基等の好ましくは炭素数4〜16、更に好ましくは炭素数5〜10のアリールオキシ基;
メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基;
ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等の好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜6のジアルキルアミノ基;
ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、N−カルバゾリル基等の好ましくは炭素数10〜24、更に好ましくは炭素数12〜24のジアリールアミノ基;
フェニルメチルアミノ基等の好ましくは炭素数7〜36、更に好ましくは炭素数7〜24のアリールアルキルアミノ基;
アセチル基、ベンゾイル基等の好ましくは炭素数2〜24、好ましくは炭素数2〜12のアシル基;
フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子;
トリフルオロメチル基等の好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは炭素数1〜6のハロアルキル基;
メチルチオ基、エチルチオ基等の好ましくは炭素数1〜24、更に好ましくは炭素数1〜12のアルキルチオ基;
フェニルチオ基、ナフチルチオ基、ピリジルチオ基等の好ましくは炭素数4〜36、更に好ましくは炭素数5〜24のアリールチオ基;
トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基等の好ましくは炭素数2〜36、更に好ましくは炭素数3〜24のシリル基;
トリメチルシロキシ基、トリフェニルシロキシ基等の好ましくは炭素数2〜36、更に好ましくは炭素数3〜24のシロキシ基;
シアノ基;
フェニル基、ナフチル基等の好ましくは炭素数6〜36、更に好ましくは炭素数6〜24の芳香族炭化水素環基;
チエニル基、ピリジル基等の好ましくは炭素数3〜36、更に好ましくは炭素数4〜24の芳香族複素環基。
Ar1〜Ar4における芳香族炭化水素基及び芳香族複素環基が有してもよい置換基の分子量としては、さらに置換した基を含めて500以下が好ましく、250以下がさらに好ましい。
12のアルコキシ基が好ましい。
なお、前記式(1)で表される繰り返し単位中は、2又は3個以上のAr2を有することになる。その場合、2又は3個以上のAr2は、各々、同じでもよく、異なっていてもよい。
前記式(1)中、nは、2又は3の整数を表す。
隣接する、正孔輸送層や発光層への正孔の注入性が高くなり、得られる素子の駆動電圧が低くなる点で、nは2であることが好ましい。
また ラジカルカチオンを安定に生成し、電極からの正孔注入性が高く、得られる素子の駆動電圧が低くなる点で、nは3であることが好ましい。
本発明のアリールアミンポリマーは、前記式(1)で表される繰り返し単位中、置換基として、架橋性基を含むことが好ましい。
ここで、架橋性基とは、熱及び/又は活性エネルギー線の照射により近傍に位置するほかの分子の同一又は異なる基と反応して、新規な化学結合を生成する基のことをいう。
<架橋性基群T>
尚、ベンゾシクロブテン環は、置換基を有していてもよく、また置換基同士が互いに結合して環を形成してもよい。)
架橋性基としては、例えばエポキシ基、オキセタン基等の環状エーテル基、ビニルエーテル基等のカチオン重合によって架橋する基が好ましい。反応性が高く、溶剤に対する溶解性を容易に低下できるためである。中でも、カチオン重合の速度を制御しやすい点ではオキセタン基が特に好ましく、カチオン重合の際に素子の劣化を招く可能性のあるヒドロキシル基が生成しにくい点では、酸素原子を介してビニル基が結合するビニルエーテル基が特に好ましい。
架橋性基として、電気化学的安定性に優れる点から、下記式で表される基が特に好ましい。
尚、本発明のアリールアミンポリマーが有する架橋性基の種類は、1種類であってもよく、2種類以上が任意の組み合わせ及び任意の比率で併用されていてもよい。
式(1)で表される繰り返し単位中、成膜した後の未反応架橋性基が少なく、得られる素子の駆動寿命に影響を及ぼし難いという点で、Ar2〜Ar4のうち少なくとも一つに置換基として架橋性基を含む基を有することが好ましい。
本発明のアリールアミンポリマーが有する架橋性基の数は、分子量1000あたりの数で表すことができる。
本発明のアリールアミンポリマーが有する架橋性基の数を、分子量1000あたりの数で表した場合、分子量1000あたり、通常3.0個以下、好ましくは2.0個以下、さらに好ましくは1.0以下、また通常0.01以上、好ましくは0.05以上である。
更に、架橋した後の膜において、溶剤に対する溶解性の低下が十分で、湿式成膜による多層積層構造の形成がし易い点で好ましい。
例えば、後述の合成例1で合成した目的ポリマー1の場合で説明する。
(式(1)で表される繰り返し単位を含む割合)
本発明のアリールアミンポリマーは、前記式(1)で表される繰り返し単位以外の繰り返し単位(以下、「その他の繰り返し単位」と称する)を含んでいてもよい。
)で表される繰り返し単位を含む割合{前記式(1)で表される繰り返し単位/その他の繰り返し単位}は、仕込みモル比で、通常0.01倍モル以上、好ましくは50モル倍以上、さらに好ましくは80モル倍以上である。
上記範囲内であると、本発明の効果が良好に得られる点で好ましい。
以下に、本発明のアリールアミンポリマーの好ましい具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<具体例>
前記式(1)で表される繰り返し単位を含むアリールアミンを用いることで、得られる素子の駆動電圧が低く、また駆動寿命が長いとの効果を奏する理由について、以下の通り推測する。
前記式(1)で表される繰り返し単位中、フェニレンジアミンの部分構造を複数含むことで、繰り返し単位中のラジカルカチオンが発生し易くなる。
また、フェニレンジアミンの部分構造からなるポリマーは、ラジカルカチオンが安定化してしまい、取り込んだ正孔を離し難い。一方、前記式(1)中のAr1として置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環及び/又は置換基を有していてもよい芳香族複素環を2〜5個連結してなる基とすることで、部分的にイオン化ポテンシャルを深くして、ラジカルカチオンを不安定化することで、アリールアミンポリマーから正孔を離し易くしている。
この為、本発明のアリールアミンポリマーを用いて形成された層を有する有機電界発光素子は、駆動電圧が低く、駆動安定性に優れ、また駆動寿命が長い、との効果を奏するものである。
本発明のアリールアミンポリマーの重量平均分子量(Mw)は、通常3,000,000以下、好ましくは1,000,000以下、より好ましくは500,000以下、さらに好ましくは200,000以下であり、また通常1,000以上、好ましくは2,50
0以上、より好ましくは5,000以上、さらに好ましくは20,000以上である。
また、数平均分子量(Mn)は、通常3,000,000以下、好ましくは1,000,000以下、より好ましくは500,000以下、さらに好ましくは2,00,000以下であり、また通常15,000以上、好ましくは、20,000以上である。
また、本発明のアリールアミンポリマーの分散度(Mw/Mn:Mwは重量平均分子量を表し、Mnは数平均分子量を表す)は、通常2.4以下、好ましくは2.0以下である。また、分散度は小さければ小さいほどよいため、下限値については、理想的には1.0以上である。
以下に、重量平均分子量及び数平均分子量の測定方法を示す。
重量平均分子量は、SEC(サイズ排除クロマトグラフィー)測定によって決定される。
カラムは、TSKgel(東ソー社製)GMHXL×2本又は同等以上の分離能を示すもの、即ち、
粒子径:9mm
カラムサイズ:7.8mm内径×30cm長さ×2本
保証理論段数:14000TP/30cm程度
のものを用い、カラム温度は40℃とする。
製作所製)を用いる。
SEC測定では高分子量成分ほど溶出時間が短く、低分子量成分ほど溶出時間が長くなるが、分子量既知のポリスチレン(標準試料)の溶出時間から算出した校正曲線を用いて、サンプルの溶出時間を分子量に換算することで分子量分布が決定され、これより数平均分子量が算出される。
[物性]
本発明のアリールアミンポリマーのガラス転移温度は、通常70℃以上、好ましくは100℃以上、さらに好ましくは120℃以上、また通常400℃以下、好ましくは300℃以下、更に好ましくは250℃以下である。
また、本発明のアリールアミンポリマーは、有機溶剤に対する溶解度が高い方が、膜を
均一に成膜できる点で好ましい。
本発明のアリールアミンポリマーのイオン化ポテンシャルは、通常4.50〜5.70eV、好ましくは4.90〜5.50eV、さらに好ましくは5.00〜5.40eVである。上記範囲内であると、正孔を生成しやすく、電極からの正孔注入性が優れるため、素子とした場合の駆動電圧が低い点で好ましい。
本発明のアリールアミンポリマーは、目的とするポリマーの構造に応じて原料を選択し、公知の手法を用いて合成することができる。例えば、Ullmann反応による重合方法、Buchwald−Hartwig反応による重合方法等などによって製造できる。
本発明のアリールアミンポリマーの合成に用いるジハロゲン化アリールモノマーは、ジフェニルフェニレンジアミン化合物などを出発材料としてC-Nカップリング反応、又はハ
ロゲン化反応することで合成できる。
ジフェニルフェニレンジアミンなどの反応基質と炭化水素芳香族基を有するハロゲン化物又はトリフルオロメタンスルホン酸エステル試薬を、遷移金属元素触媒を用いて、塩基存在下で反応させることにより基質のカップリングした混合物を得ることができる。混合物からの精製は、蒸留、濾過、抽出、再結晶、再沈殿、懸濁洗浄、クロマトグラフィーの操作を組み合わせることにより精製することができる。
塩基は、特に限定しないが、例えば炭酸カリウム、炭酸セシウム、tert−ブトキシナトリウム、トリエチルアミン等の塩基存在下で行う。
溶剤としては、パラジウム触媒を用いる場合には、トルエンが好ましく、銅触媒を用いる場合には、ピリジンやN,N―ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどが好ましい。
反応基質とハロゲン化試薬を、反応させることによりジハロゲン化アリールモノマーを得ることができる。混合物からの精製は、蒸留、濾過、抽出、再結晶、再沈殿、懸濁洗浄、クロマトグラフィーの操作を組み合わせることにより精製することができる。
ハロゲン化試薬としては、特に限定しないが、例えばハロゲン、ハロゲンピリジニウム塩、ハロゲンアンモニウム塩、ハロゲン金属塩、ハロゲン置換イミド等を用いる。
また、重合したポリマーは、精製操作によっても分子量分布を小さくすることができる。GPCやサイズ排除クロマトグラフィーにおいては、ポリマーの分子量によってカラムへの保持時間が異なるため、これらの精製法によっても分子量分布を小さくすることができる。また、分子量が大きなポリマーは、有機溶剤に対して溶けにくく、分子量の小さなポリマーは、有機溶剤に対して高い溶解性を示すため、ポリマーの溶解性差を利用し、再沈殿操作などによっても分子量分布を制御できる。
本発明のアリールアミンポリマーは、電荷輸送材料として用いられることが好ましく、特に有機電界発光素子材料として用いられることが好ましい。有機電界発光素子材料として用いられる場合は、有機電界発素子における正孔注入層及び/又は正孔輸送層を形成する材料として用いることが好ましい。
<有機電界発光素子用組成物>
本発明の有機電界発光素子用組成物は、本発明のアリールアミンポリマーを少なくとも1種含有する。なお、本発明の有機電界発光素子用組成物は、本発明のアリールアミンポリマーを1種類含有するものであってもよく、2種類以上を任意の組み合わせ及び任意の比率で含有するものであってもよい。
.5〜50重量%である。
上記範囲内であると、形成した有機層に欠陥が生じ難く、また膜厚ムラが生じ難いため好ましい。
本発明の有機電界発光素子用組成物は、通常、溶剤を含有する。この溶剤は、本発明のアリールアミンポリマーを溶解するものが好ましい。具体的には、本発明のアリールアミンポリマーを、通常0.05重量%以上、好ましくは0.5重量%以上、さらに好ましくは1重量%以上溶解する溶剤が好適である。
本発明の有機電界発光素子用組成物を塗布後、アリールアミンポリマーを架橋して層を形成する場合、下地との親和性が高いことが好ましい。膜質の均一性は有機電界発光素子の発光の均一性及び安定性に大きく影響するためである。したがって、湿式成膜法に用いる有機電界発光素子用組成物には、よりレベリング性が高く均一な塗膜を形成しうるように表面張力が低いことが求められる。そこで前記のような低い表面張力を有する溶剤を使用することにより、本発明のアリールアミンポリマーを含有する均一な層を形成することができ、ひいては均一な架橋層を形成できるようにすることが好ましいのである。
ところで、水分は有機電界発光素子の性能劣化を引き起こす可能性があり、中でも特に連続駆動時の輝度低下を促進する可能性がある。そこで、湿式成膜中に残留する水分をで
きる限り低減するために、前記の溶剤の中でも、25℃における水の溶解度が1重量%以下であるものが好ましく、0.1重量%以下である溶剤がより好ましい。
さらに、本発明の有機電界発光素子用組成物は、形成しようとする有機層の種類等に応じて、本発明のアリールアミンポリマー以外のポリマー、発光材料、正孔輸送性化合物、電子輸送性化合物、電子受容性化合物などを含有していてもよい。
<有機電界発光素子>
本発明の有機電界発光素子は、陽極及び陰極、及び該陽極と該陰極の間に有機層を有するものであり、該有機層が、本発明の有機電界発光素子用組成物を用いて、湿式成膜法で形成された層を有する有機電界発光素子である。
また、本発明においては、特に有機層の中でも正孔注入層、正孔輸送層、又は発光層を、湿式成膜により形成することが好ましい。
<有機電界発光素子の構成>
以下に、本発明の有機電界発光素子の層構成及びその形成方法等について、図1を参照して説明する。
(基板)
基板は有機電界発光素子の支持体となるものであり、例えば石英やガラスの板、金属板や金属箔、プラスチックフィルムやシート等が用いられる。これらは1種類のみ用いてもよく、また2種類以上を任意の組み合わせで用いてもよい。上記の中でも特にガラス板や、ポリエステル、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスルホン等の透明な合成樹脂の板が好ましい。合成樹脂基板を使用する場合にはガスバリア性に留意する必要がある。基板のガスバリア性が小さすぎると、基板を通過した外気により有機電界発光素子が劣化する可能性があるので好ましくない。このため、合成樹脂基板の少なくとも片面に緻密なシリコン酸化膜等を設けてガスバリア性を確保する方法も好ましい方法の一つである。
陽極は発光層側の層への正孔注入の役割を果たすものである。
この陽極は、通常、アルミニウム、金、銀、ニッケル、パラジウム、白金等の金属、インジウム及び/又はスズの酸化物等の金属酸化物、ヨウ化銅等のハロゲン化金属、カーボンブラック、或いは、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性高分子等により構成される。これらは1種類のみ用いてもよく、また2種類以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。
に分散させて、基板上に塗布することにより陽極を形成することもできる。さらに、導電性高分子の場合は、電解重合により直接基板上に薄膜を形成したり、基板上に導電性高分子を塗布して陽極を形成することもできる(Appl.Phys.Lett.,60巻,2711頁,1992年)。
陽極の厚みは、必要とする透明性により異なる。透明性が必要とされる場合は、可視光の透過率を、通常60%以上、好ましくは80%以上とすることが好ましい。この場合、陽極の厚みは通常5nm以上、好ましくは10nm以上であり、また、通常1000nm以下、好ましくは500nm以下程度である。不透明でよい場合は陽極の厚みは任意であり、陽極は基板と同一でもよい。また、さらには、上記の陽極の上に異なる導電材料を積層することも可能である。
(正孔注入層)
正孔注入層は、陽極から発光層へ正孔を輸送する層であり、通常、陽極上に形成される。
本発明における正孔注入層の形成方法は真空蒸着法でも、湿式成膜法でもよく、特に制限はないが、ダークスポット低減の観点から正孔注入層を湿式成膜法により形成することが好ましい。
<湿式成膜法による正孔注入層の形成>
湿式成膜により正孔注入層を形成する場合、通常は、正孔注入層を構成する材料を適切な溶剤(正孔注入層用溶剤)と混合して成膜用の組成物(正孔注入層形成用組成物)を調製し、この正孔注入層形成用組成物を適切な手法により、正孔注入層の下層に該当する層(通常は、陽極)上に塗布して成膜し、乾燥することにより正孔注入層を形成する。
正孔注入層形成用組成物は通常、正孔注入層の構成材料として正孔輸送性化合物及び溶剤を含有する。
正孔輸送性化合物は、通常、有機電界発光素子の正孔注入層に使用される、正孔輸送性を有する化合物であれば、高分子化合物であっても、低分子化合物であってもよい。本発明においては、正孔輸送性化合物として前述の本発明のアリールアミンポリマーを用いることが好ましいが、その他の正孔輸送性化合物を用いることができる。
より具体的には、芳香族アミン誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ベンジルフェニル誘導体、フルオレン基で3級アミンを連結した化合物、ヒドラゾン誘導体、シラザン誘導体、シラナミン誘導体、ホスファミン誘導体、キナクリドン誘導体、ポリアニリン誘導体、ポリピロール誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリチエニレンビニレン誘導体、ポリキノリン誘導
体、ポリキノキサリン誘導体、カーボン等が挙げられる。
正孔注入層の材料として用いられる正孔輸送性化合物は、このような化合物のうち何れか1種を単独で含有していてもよく、2種以上を含有していてもよい。2種以上の正孔輸送性化合物を含有する場合、その組み合わせは任意であるが、芳香族三級アミン高分子化合物1種又は2種以上と、その他の正孔輸送性化合物1種又は2種以上とを併用することが好ましい。
芳香族三級アミン化合物の種類は特に制限されないが、表面平滑化効果による均一な発光の点から、重量平均分子量が1000以上、1000000以下の高分子化合物(繰り返し単位が連なる重合型化合物)がさらに好ましい。芳香族三級アミン高分子化合物の好ましい例として、下記式(I)で表される繰り返し単位を有する高分子化合物が挙げられる。
Ar1a〜Ar16aの芳香族炭化水素環基及び芳香族複素環基としては、高分子化合物の溶解性、耐熱性、正孔注入・輸送性の点から、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナントレン環、チオフェン環、ピリジン環由来の基が好ましく、ベンゼン環、ナフタレン環由来の基がさらに好ましい。
R1及びR2が任意の置換基である場合、該置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、シリル基、シロキシ基、芳香族炭化水素環基、芳香族複素環基などが挙げられる。
また、正孔輸送性化合物としては、ポリチオフェンの誘導体である3,4-ethylenedioxythiophene(3,4-エチレンジオキシチオフェン)を高分子量ポリスチレンスルホン酸中で重合してなる導電性ポリマー(PEDOT/PSS)もまた好ましい。また、このポリマーの末端を
メタクリレート等でキャップしたものであってもよい。
正孔注入層形成用組成物は正孔注入層の構成材料として、電子受容性化合物を含有していることが好ましい。
電子受容性化合物とは、酸化力を有し、上述の正孔輸送性化合物から一電子受容する能力を有する化合物が好ましく、具体的には、電子親和力が4eV以上である化合物が好ましく、5eV以上の化合物である化合物がさらに好ましい。
ンモニウム等の高原子価の無機化合物;テトラシアノエチレン等のシアノ化合物、トリス(ペンダフルオロフェニル)ボラン(特開2003−31365号公報)等の芳香族ホウ素化合物;フラーレン誘導体;ヨウ素等が挙げられる。
正孔注入層或いは正孔注入層形成用組成物中の電子受容性化合物の正孔輸送性化合物に対する含有量は、通常0.1モル%以上、好ましくは1モル%以上である。但し、通常100モル%以下、好ましくは40モル%以下である。
正孔注入層の材料としては、本発明の効果を著しく損なわない限り、上述の正孔輸送性化合物や電子受容性化合物に加えて、さらに、その他の成分を含有させてもよい。その他の成分の例としては、各種の発光材料、電子輸送性化合物、バインダー樹脂、塗布性改良剤などが挙げられる。なお、その他の成分は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
湿式成膜法に用いる正孔注入層形成用組成物の溶剤のうち少なくとも1種は、上述の正孔注入層の構成材料を溶解しうる化合物であることが好ましい。また、この溶剤の沸点は通常110℃以上、好ましくは140℃以上、中でも200℃以上、通常400℃以下、中でも300℃以下であることが好ましい。溶剤の沸点が低すぎると、乾燥速度が速すぎ、膜質が悪化する可能性がある。また、溶剤の沸点が高すぎると乾燥工程の温度を高くする必要があり、他の層や基板に悪影響を与える可能性がある。
エーテル系溶剤としては、例えば、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテルアセタート(PGMEA)等の脂肪族エーテル;1,2−ジメトキシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、アニソール、フェネトール、2−メトキシトルエン、3−メトキシトルエン、4−メトキシトルエン、2,3−ジメチルアニソール、2,4−ジメチルアニソール等の芳香族エーテル、等が挙げられる。
芳香族炭化水素系溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、シクロヘキシルベンゼン、3−イロプロピルビフェニル、1,2,3,4−テトラメチルベンゼン、1,4−ジ
イソプロピルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、メチルナフタレン等が挙げられる。
アミド系溶剤としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、等が挙げられる。
これらの溶剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で用いてもよい。
(成膜方法)
正孔注入層形成用組成物を調製後、この組成物を湿式成膜により、正孔注入層の下層に該当する層(通常は、陽極)上に塗布し、乾燥することにより正孔注入層を形成する。
成膜工程における相対湿度は、本発明の効果を著しく損なわない限り限定されないが、通常0.01ppm以上、通常相対湿度80%以下である。
塗布後、通常加熱等により正孔注入層形成用組成物の膜を乾燥させる。乾燥させる方法としては、通常、加熱工程が行なわれる。加熱工程において使用する加熱手段の例を挙げると、クリーンオーブン、ホットプレート、赤外線、ハロゲンヒーター、マイクロ波照射などが挙げられる。中でも、膜全体に均等に熱を与えるためには、クリーンオーブン及びホットプレートが好ましい。
真空蒸着により正孔注入層を形成する場合には、正孔注入層の構成材料(前述の正孔輸送性化合物、電子受容性化合物等)の1種又は2種以上を真空容器内に設置されたるつぼに入れ(2種以上の材料を用いる場合は各々のるつぼに入れ)、真空容器内を適当な真空ポンプで10−4Pa程度まで排気した後、るつぼを加熱して(2種以上の材料を用いる場合は各々のるつぼを加熱して)、蒸発量を制御して蒸発させ(2種以上の材料を用いる場合は各々独立に蒸発量を制御して蒸発させ)、るつぼと向き合って置かれた基板の陽極上に正孔注入層を形成させる。なお、2種以上の材料を用いる場合は、それらの混合物をるつぼに入れ、加熱、蒸発させて正孔注入層を形成することもできる。
、好ましくは50℃以下で行われる。
本発明に係る正孔輸送層の形成方法は真空蒸着法でも、湿式成膜法でもよく、特に制限はないが、ダークスポット低減の観点から正孔輸送層を湿式成膜法により形成することが好ましい。
正孔輸送層は、正孔注入層がある場合には正孔注入層3の上に、正孔注入層3が無い場合には陽極2の上に形成することができる。 また、本発明の有機電界発光素子は、正孔
輸送層を省いた構成であってもよい。
ポリアリールアミン誘導体としては、下記式(II)で表される繰り返し単位を含む重合体であることが好ましい。特に、下記式(II)で表される繰り返し単位からなる重合体であることが好ましく、この場合、繰り返し単位それぞれにおいて、Ara又はArbが異なっているものであってもよい。
置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベン
ズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環などの、6員環の単環又は2〜5縮合環由来の基及びこれらの環が2環以上直接結合で連結してなる基が挙げられる。
Ara及びArbにおける芳香族炭化水素基及び芳香族複素環基が有していてもよい置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、ジアルキルアミノ基、ジアリールアミノ基、アシル基、ハロゲン原子、ハロアルキル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、シリル基、シロキシ基、シアノ基、芳香族炭化水素環基、芳香族複素環基などが挙げられる。
ポリアリーレン誘導体としては、下記式(III−1)及び/又は下記式(III−2)からなる繰り返し単位を有する重合体が好ましい。
く、隣接するRa又はRbどうしで環を形成していてもよい。)
Xの具体例としては、酸素原子、置換基を有していてもよいホウ素原子、置換基を有していてもよい窒素原子、置換基を有していてもよいケイ素原子、置換基を有していてもよいリン原子、置換基を有していてもよいイオウ原子、置換基を有していてもよい炭素原子又はこれらが結合してなる基である。
上記式(III−1)〜(III−3)の具体例及びポリアリーレン誘導体の具体例等は、特開2008―98619号公報に記載のものなどが挙げられる。
正孔輸送層形成用組成物には、上述の正孔輸送性化合物の他、溶剤を含有する。用いる溶剤は上記正孔注入層形成用組成物に用いたものと同様である。また、成膜条件、加熱乾燥条件等も正孔注入層3の形成の場合と同様である。
3の形成の場合と同様である。
正孔輸送層は、上記正孔輸送性化合物の他、各種の発光材料、電子輸送性化合物、バインダー樹脂、塗布性改良剤などを含有していてもよい。
正孔輸送層はまた、架橋性化合物を架橋して形成される層であってもよい。架橋性化合物は、架橋性基を有する化合物であって、架橋することにより網目状高分子化合物を形成する。
架橋性化合物は、モノマー、オリゴマー、ポリマーのいずれであってもよい。 架橋性
化合物は1種のみを有していてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で有していてもよい。
正孔輸送層形成用組成物は、架橋性化合物を通常0.01重量%以上、好ましくは0.05重量%以上、さらに好ましくは0.1重量%以上、通常50重量%以下、好ましくは20重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下含有する。
成膜時の温度、湿度などの条件は、前記正孔注入層3の湿式成膜時と同様である。
成膜後の加熱の手法は特に限定されない。加熱温度条件としては、通常120℃以上、好ましくは400℃以下である。
光などの電磁エネルギー照射による場合には、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、ハロゲンランプ、赤外ランプ等の紫外・可視・赤外光源を直接用いて照射する方法、あるい
は前述の光源を内蔵するマスクアライナ、コンベア型光照射装置を用いて照射する方法などが挙げられる。光以外の電磁エネルギー照射では、例えばマグネトロンにより発生させたマイクロ波を照射する装置、いわゆる電子レンジを用いて照射する方法が挙げられる。照射時間としては、膜の溶解性を低下させるために必要な条件を設定することが好ましいが、通常、0.1秒以上、好ましくは10時間以下照射される。
このようにして形成される正孔輸送層の膜厚は、通常5nm以上、好ましくは10nm以上であり、また通常300nm以下、好ましくは100nm以下である。
[発光層]
正孔注入層の上、又は正孔輸送層を設けた場合には正孔輸送層の上には発光層が設けられる。発光層は、電界を与えられた電極間において、陽極から注入された正孔と、陰極から注入された電子との再結合により励起されて、主たる発光源となる層である。
発光層は、その構成材料として、少なくとも、発光の性質を有する材料(発光材料)を含有するとともに、好ましくは、正孔輸送の性質を有する化合物(正孔輸送性化合物)、あるいは、電子輸送の性質を有する化合物(電子輸送性化合物)を含有する。発光材料をドーパント材料として使用し、正孔輸送性化合物や電子輸送性化合物などをホスト材料として使用してもよい。発光材料については特に限定はなく、所望の発光波長で発光し、発光効率が良好である物質を用いればよい。更に、発光層は、本発明の効果を著しく損なわない範囲で、その他の成分を含有していてもよい。なお、湿式成膜法で発光層を形成する場合は、何れも低分子量の材料を使用することが好ましい。
発光材料としては、任意の公知の材料を適用可能である。例えば、蛍光発光材料であってもよく、燐光発光材料であってもよいが、内部量子効率の観点から、好ましくは燐光発光材料である。また本発明の有機電界発光素子材料を発光材料として用いてもよい。また、青色は蛍光発光材料を用い、緑色や赤色は燐光発光材料を用いるなど、組み合わせて用いてもよい。
以下、発光材料のうち蛍光色素の例を挙げるが、蛍光色素は以下の例示物に限定されるものではない。
青色発光を与える蛍光色素(青色蛍光色素)としては、例えば、ナフタレン、クリセン、ペリレン、ピレン、アントラセン、クマリン、p−ビス(2−フェニルエテニル)ベンゼン及びそれらの誘導体等が挙げられる。
黄色発光を与える蛍光色素(黄色蛍光色素)としては、例えば、ルブレン、ペリミドン誘導体等が挙げられる。
赤色発光を与える蛍光色素(赤色蛍光色素)としては、例えば、DCM(4−(dicyanomethylene)−2−methyl−6−(p−dimethylaminostyryl)−4H−pyran)系化合物、ベンゾピラン誘導体、ローダミン誘導体、ベンゾチオキサンテン誘導体、アザベンゾチオキサンテン等が挙げられる。
燐光発光材料としては、例えば、長周期型周期表(以下、特に断り書きの無い限り「周期表」という場合には、長周期型周期表を指すものとする。)第7〜11族から選ばれる金属を含む有機金属錯体が挙げられる。
錯体の配位子としては、(ヘテロ)アリールピリジン配位子、(ヘテロ)アリールピラゾール配位子などの(ヘテロ)アリール基とピリジン、ピラゾール、フェナントロリンなどが連結した配位子が好ましく、特にフェニルピリジン配位子、フェニルピラゾール配位子が好ましい。ここで、(ヘテロ)アリールとは、アリール基又はヘテロアリール基を表す。
発光層における発光材料の割合は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常0.05重量%以上、通常35重量%以下である。発光材料が少なすぎると発光ムラを生じる可能性があり、多すぎると発光効率が低下する可能性がある。なお、2種以上の発光材料を併用する場合には、これらの合計の含有量が上記範囲に含まれるようにする。
発光層には、その構成材料として、正孔輸送性化合物を含有させてもよい。ここで、正孔輸送性化合物のうち、低分子量の正孔輸送性化合物の例としては、前述の本発明の有機電界発光素子材料や、正孔注入層における(低分子量の正孔輸送性化合物)として例示した各種の化合物のほか、例えば、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル
アミノ]ビフェニルに代表される、2個以上の3級アミンを含み2個以上の縮合芳香族環が窒素原子に置換した芳香族ジアミン(特開平5−234681号公報)、4,4’,4”−トリス(1−ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン等のスターバースト構造を有する芳香族アミン化合物(Journal of Luminescence,1997年,Vol.72−74, pp.985)、トリフェニルアミンの四量体から成る芳香族アミン化合物(Chemical Communications,1996年,pp.2175)、2,2’,7,7’−テトラキス−(ジフェニルアミノ)−9,9’−スピロビフルオレン等のスピロ化合物(Synthetic Metals,1997年,Vol.91,pp.209)等が挙げられる。
発光層における正孔輸送性化合物の割合は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常0.1重量%以上、通常65重量%以下である。正孔輸送性化合物が少なすぎると短絡の影響を受けやすくなる可能性があり、多すぎると膜厚ムラを生じる可能性がある。なお、2種以上の正孔輸送性化合物を併用する場合には、これらの合計の含有量が上記範囲に含まれるようにする。
発光層には、その構成材料として、電子輸送性化合物を含有させてもよい。ここで、電子輸送性化合物のうち、低分子量の電子輸送性化合物の例としては、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール(BND)や、2,5−ビス(6’−(2’,2”−ビピリジル))−1,1−ジメチル−3,4−ジフェニルシロール(PyPySPyPy)や、バソフェナントロリン(BPhen)や、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP、バソクプロイン)、2−(4−ビフェニリル)−5−(p−ターシャルブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(tBu−PBD)や、4,4’−ビス(9−カルバゾール)−ビフェニル(CBP)等が挙げられる。なお、発光層において、電子輸送性化合物は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
本発明に係る湿式成膜法により発光層を形成する場合は、上記材料を適切な溶剤に溶解させて発光層形成用組成物を調製し、それを用いて成膜することにより形成する。この際、本発明の有機電界発光素子用組成物を用いてもよい。
発光層を本発明に係る湿式成膜法で形成するための発光層形成用組成物に含有させる発光層用溶剤としては、発光層の形成が可能である限り任意のものを用いることができる。発光層用溶剤の好適な例は、上記正孔注入層形成用組成物で説明した溶剤と同様である。
また、発光層形成用組成物中の発光材料、正孔輸送性化合物、電子輸送性化合物等の固
形分濃度としては、通常0.01重量%以上、通常70重量%以下である。この濃度が大きすぎると膜厚ムラが生じる可能性があり、また、小さすぎると膜に欠陥が生じる可能性がある。
発光層の膜厚は本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常3nm以上、好ましくは5nm以上、また、通常200nm以下、好ましくは100nm以下の範囲である。発光層の膜厚が、薄すぎると膜に欠陥が生じる可能性があり、厚すぎると駆動電圧が上昇する可能性がある。
発光層と後述の電子注入層との間に、正孔阻止層を設けてもよい。正孔阻止層は、発光層の上に、発光層の陰極側の界面に接するように積層される層である。
この正孔阻止層は、陽極から移動してくる正孔を陰極に到達するのを阻止する役割と、陰極から注入された電子を効率よく発光層の方向に輸送する役割とを有する。
正孔阻止層の形成方法に制限はない。従って、湿式成膜法、蒸着法や、その他の方法で形成できる。
正孔阻止層の膜厚は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常0.3nm以上、好ましくは0.5nm以上、また、通常100nm以下、好ましくは50nm以下である。
発光層と後述の電子注入層の間に、電子輸送層を設けてもよい。
電子輸送層は、素子の発光効率を更に向上させることを目的として設けられるもので、電界を与えられた電極間において陰極から注入された電子を効率よく発光層の方向に輸送することができる化合物より形成される。
ロキシキノリンのアルミニウム錯体などの金属錯体(特開昭59−194393号公報)、10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリンの金属錯体、オキサジアゾール誘導体、ジスチリルビフェニル誘導体、シロール誘導体、3−ヒドロキシフラボン金属錯体、5−ヒドロキシフラボン金属錯体、ベンズオキサゾール金属錯体、ベンゾチアゾール金属錯体、トリスベンズイミダゾリルベンゼン(米国特許第5645948号明細書)、キノキサリン化合物(特開平6−207169号公報)、フェナントロリン誘導体(特開平5−331459号公報)、2−t−ブチル−9,10−N,N’−ジシアノアントラキノンジイミン、n型水素化非晶質炭化シリコン、n型硫化亜鉛、n型セレン化亜鉛などが挙げられる。
電子輸送層の形成方法に制限はない。従って、湿式成膜法、蒸着法や、その他の方法で形成することができる。
電子輸送層の膜厚は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常1nm以上、好ましくは5nm以上、また、通常300nm以下、好ましくは100nm以下の範囲である。
電子注入層は、陰極から注入された電子を効率よく発光層へ注入する役割を果たす。電子注入を効率よく行なうには、電子注入層を形成する材料は、仕事関数の低い金属が好ましい。例としては、ナトリウムやセシウム等のアルカリ金属、バリウムやカルシウムなどのアルカリ土類金属等が用いられ、その膜厚は通常0.1nm以上、5nm以下が好ましい。
電子注入層の形成方法に制限はない。従って、湿式成膜法、蒸着法や、その他の方法で形成することができる。
[陰極]
陰極は、発光層側の層(電子注入層又は発光層など)に電子を注入する役割を果たすものである。
陰極の膜厚は、通常、陽極と同様である。
さらに、低仕事関数金属から成る陰極を保護する目的で、この上に更に、仕事関数が高
く大気に対して安定な金属層を積層すると、素子の安定性が増すので好ましい。この目的のために、例えば、アルミニウム、銀、銅、ニッケル、クロム、金、白金等の金属が使われる。なお、これらの材料は、1種のみで用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
本発明に係る有機電界発光素子は、その趣旨を逸脱しない範囲において、別の構成を有していてもよい。例えば、その性能を損なわない限り、陽極と陰極との間に、上記説明にある層の他に任意の層を有していてもよく、また、任意の層が省略されていてもよい。例えば、後述の実施例で作製した有機電界発光素子は、図1の有機電界発光素子に対して、正孔阻止層、及び電子輸送層が省略されている。
上記各層以外に有機電界発光素子が有していてもよい層としては、例えば、電子阻止層が挙げられる。
電子阻止層は、正孔注入層又は正孔輸送層と発光層との間に設けられ、発光層から移動してくる電子が正孔注入層に到達するのを阻止することで、発光層内で正孔と電子との再結合確率を増やし、生成した励起子を発光層内に閉じこめる役割と、正孔注入層から注入された正孔を効率よく発光層の方向に輸送する役割とがある。特に、発光材料として燐光材料を用いたり、青色発光材料を用いたりする場合は電子阻止層を設けることが効果的である。
電子阻止層の形成方法に制限はない。従って、湿式成膜法、蒸着法や、その他の方法で形成することができる。
[その他]
さらに陰極と発光層又は電子輸送層との界面に、例えばフッ化リチウム(LiF)、フッ化マグネシウム(MgF2)、酸化リチウム(Li2O)、炭酸セシウム(II)(CsCO3)等で形成された極薄絶縁膜(0.1〜5nm)を挿入することも、素子 の効率を向上させる有効な方法である(Applied Physics Letters, 1997年, Vol.70, pp.152;特開平10−74586号公報;IEEE
Transactions on Electron Devices, 1997年,Vol.44, pp.1245;SID 04 Digest, pp.154等参照)。
更には、少なくとも一方が透明性を有する2枚の基板の間に、基板以外の構成要素を積層することにより、本発明に係る有機電界発光素子を構成することも可能である。
また、上述した各層には、本発明の効果を著しく損なわない限り、材料として説明した以外の成分が含まれていてもよい。
本発明の有機EL表示装置は、上述の本発明の有機電界発光素子を用いたものである。本発明の有機EL表示装置の型式や構造については特に制限はなく、本発明の有機電界発光素子を用いて常法に従って組み立てることができる。
例えば、「有機ELディスプレイ」(オーム社、平成16年8月20日発行、時任静士、安達千波矢、村田英幸著)に記載されているような方法で、本発明の有機EL表示装置を形成することができる。
本発明の有機EL照明は、上述の本発明の有機電界発光素子を用いたものである。本発明の有機EL照明の型式や構造については特に制限はなく、本発明の有機電界発光素子を用いて常法に従って組み立てることができる。
[モノマーの合成]
(参考合成例1)
を加え、系内を十分に窒素置換して、65℃まで加温した(溶液A)。
一方、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムクロロホルム錯体(159mg)のトルエン溶液(5ml)に、トリ−t−ブチルホスフィン(248mg)を加え、6
5℃まで加温した(溶液B)。窒素気流中、溶液Aに溶液Bを添加し、1.5時間、加熱還流反応した。反応溶液に、活性白土を加え、濾過したのち、エバポレータにより濃縮した。得られた祖生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにて精製し、化合物1(5.3g)を
得た。
(参考合成例2)
、氷浴中で攪拌した。溶液にNBS (1.77g,2MR) のDMF溶液 30mLを加え0℃で1時間、室
温で2時間反応した。次いで、反応溶液にクロロホルム(100ml)を加え、炭酸ナトリ
ウム水溶液で3回、水で2回洗浄した。クロロホルム層を硫酸マグネシウムで乾燥したのち、エバポレートした。
得られた固体を、シリカゲルカラムにて精製し、化合物2 (4.8g)を得た。
(合成例3)
(10.47g、3.2MR) 、ナトリウム-tert-ブトキシド(9.45 g、3.4MR)、トルエ
ン(60ml)を加え、系内を十分に窒素置換して、65℃まで加温した(溶液A)。
一方、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムクロロホルム錯体(318mg)のトルエン溶液(7ml)に、トリ−t−ブチルホスフィン(497mg)を加え、65℃まで加温した(溶液B)。
晶し、化合物3(7.5g)を得た。
(合成例4)
氷浴中で攪拌した。溶液にNBS (5.08g,2MR) のDMF溶液 30mLを加え0℃で1時間、室温
で2時間反応した。
反応溶液にクロロホルム(120ml)を加え、炭酸水素ナトリウム水溶液で3回、水で2回洗浄した。クロロホルム層を硫酸マグネシウムで乾燥したのち、エバポレートした。
[ポリマーの合成]
(合成例1)
して、65℃まで加温した(溶液A)。
一方、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムクロロホルム錯体(40mg)のトルエン溶液(3ml)に、トリ−t−ブチルホスフィン60mgを加え、65℃まで加温
した(溶液B)。
反応液を放冷して、反応液をエタノール500mL中に滴下し、粗ポリマー1を晶出させた。
得られた粗ポリマー1をトルエン40mLに溶解させ、ブロモベンゼン0.12g、tert−ブトキシナトリウム1.21gを仕込み、系内を十分に窒素置換して、65℃まで加温した(溶液C)。
窒素気流中、溶液Cに溶液Dを添加し、2時間、加熱還流反応した。この反応液に、N,N−ジフェニルアミン0.62gを添加し、さらに、4時間、加熱還流反応した。反応液を放冷し、エタノール(500ml)に滴下し、エンドキャップした粗ポリマー3を得た。
られたポリマーをアセトンに再沈殿し、析出したポリマーを濾別した。濾取したポリマーをカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的ポリマー1(1.1g)を得た。なお、
化合物の重量平均分子量及び数平均分子量を測定したところ、以下の通りであった。
分散度(Mw/Mn)=1.57
(合成例2)
65g)、tert−ブトキシナトリウム(1.8g)、及びトルエン(12mL)を仕込み
、系内を十分に窒素置換して、65℃まで加温した(溶液A)。
一方、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムクロロホルム錯体(58mg)のトルエン溶液(4ml)に、トリ−t−ブチルホスフィン89.7mgを加え、65℃まで加温した(溶液B)。
反応液を放冷して、反応液をエタノール500mL中に滴下し、粗ポリマー2を晶出させた。
得られた粗ポリマー2をトルエン50mLに溶解させ、ブロモベンゼン0.17g、tert−ブトキシナトリウム1.44gを仕込み、系内を十分に窒素置換して、65℃まで加温した(溶液C)。
窒素気流中、溶液Cに溶液Dを添加し、2時間、加熱還流反応した。この反応液に、N,N−ジフェニルアミン0.94gを添加し、さらに、4時間、加熱還流反応した。反応液を放冷し、エタノール(500ml)に滴下し、エンドキャップした粗ポリマー2を得た。
て再沈殿した。得られたポリマーをアセトンに再沈殿し、析出したポリマーを濾別した。濾取したポリマーをカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的ポリマー2(2.2g)を得た。なお、化合物の重量平均分子量及び数平均分子量を測定したところ、以下の通りであった。
分散度(Mw/Mn)=1.70
(合成例3)
キシナトリウム(2.87 g)、及びトルエン(30ml)を仕込み、系内を十分に窒素置
換して、65℃まで加温した(溶液A)。
一方、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムクロロホルム錯体(90mg)のトルエン溶液(3ml)に、トリ−t−ブチルホスフィン142mgを加え、65℃まで加温した(溶液B)。
反応液を放冷して、反応液をエタノール(1000mL)中に滴下し、粗ポリマー3を晶出させた。
得られた粗ポリマー3をトルエン(150mL)に溶解させ、ブロモベンゼン(0.276g)、tert−ブトキシナトリウム(2.87g)を仕込み、系内を十分に窒素置換して、65℃まで加温した(溶液C)。
窒素気流中、溶液Cに溶液Dを添加し、2時間、加熱還流反応した。この反応液に、N,N−ジフェニルアミン(0.744g)を添加し、さらに、4時間、加熱還流反応した。反応液を放冷し、エタノール(1000ml)に滴下し、エンドキャップした粗ポリマー3を得た。
て再沈殿した。得られたポリマーをアセトンに再沈殿し、析出したポリマーを濾別した。濾取したポリマーをカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的ポリマー3(1.4g)を得た。なお、化合物の重量平均分子量及び分散度を測定したところ、以下の通りであった。
分散度(Mw/Mn)=1.69
(合成例4)
換して、65℃まで加温した(溶液A)。
一方、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムクロロホルム錯体(90mg)のトルエン溶液(4ml)に、トリ−t−ブチルホスフィン142mgを加え、65℃まで加温した(溶液B)。
反応液を放冷して、反応液をエタノール(1000mL)中に滴下し、粗ポリマー4を晶出させた。
得られた粗ポリマー4をトルエン180mLに溶解させ、ブロモベンゼン(0.276g)、tert−ブトキシナトリウム(2.87g)を仕込み、系内を十分に窒素置換して、65℃まで加温した(溶液C)。
窒素気流中、溶液Cに溶液Dを添加し、2時間、加熱還流反応した。この反応液に、N,N−ジフェニルアミン0.744gを添加し、さらに、4時間、加熱還流反応した。反応液を放冷し、エタノール(1000ml)に滴下し、エンドキャップした粗ポリマー4を得た。
)にて再沈殿した。得られたポリマーをアセトンに再沈殿し、析出したポリマーを濾別した。濾取したポリマーをカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的ポリマー4(0.6g)を得た。
重量平均分子量(Mw)=66000
分散度(Mw/Mn)=1.99
<実施例1〜4:アリールアミンポリマーの電気化学特性>
目的ポリマー1〜4について、下記の測定方法で、アリールアミンポリマーの電気化学特性を測定した(実施例1〜4)。結果を表1に示す。
目的ポリマー・1wt%トルエンの溶液をスピンコーティングにより成膜し、それぞれの有機膜が230℃で加熱乾燥を行った。その後、蛍光分光光度計F4500(日立製作所
社製)、分光光度計U−3500(日立製作所社製)、光電子分光装置(PCR−101、Optel製)によりイオン化ポテンシャル(IP)の測定を行った。
この結果を、表1に纏めた。
スピナ回転数 1500rpm
スピナ回転時間 30秒
スピンコート雰囲気 窒素中
加熱条件 窒素中 230℃ 1時間
<実施例5〜8:吸収スペクトル測定>
各目的ポリマー(10mg)にTHF(4g)を加え、溶液Aを調製した。溶液Aに酸化剤
であるトリス(4−ブロモフェニル)アンモニウム ヘキサクロロアンチモネー(3mg
)を加えた。
調製したサンプル組成物を用いて、分光光度計U-3500(日立社製)にて吸収スペクトル測定を行った(実施例5〜8)。この結果を表2に示す。
つまり、組成物中でも、安定してラジカルカチオン種が存在していることが分かる。
以上より、本発明のアリールアミンポリマーは、イオン化ポテンシャルが適度に小さいことからラジカチオンを発生させ易く(表1)、また極大吸収波長から、発生したカチオンラジカルが安定に存在しているため(表2)、正孔注入輸送能に優れる。
2 陽極
3 正孔注入層
4 正孔輸送層
5 発光層
6 正孔阻止層
7 電子輸送層
8 電子注入層
9 陰極
Claims (13)
- 下記式(Va)で表されるジハロゲン化アリールモノマーに
Ar1は、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環を2〜5個連結してなる基を表し、Ar2〜Ar4は、各々独立に、置換
基を有していてもよい芳香族炭化水素環基、又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基、並びに該芳香族炭化水素環及び/又は該芳香族複素環を2〜5個連結してなる基を表す。また、Xはハロゲン基を表す。
尚、上記式中のベンゼン環は、置換基を有していてもよい。) - 前記Ar1が、ビフェニレン基、ターフェニレン基及びフルオレン基のいずれかであることを特徴とする、請求項1又は2に記載のアリールアミンポリマー。
- 分散度(Mw/Mn)が2.4以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のアリールアミンポリマー。
(但し、Mwは重量平均分子量、Mnは数平均分子量を表す。) - 前記Ar2〜Ar4のうち少なくとも一つは、置換基として架橋性基を含む基を有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のアリールアミンポリマー。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載のアリールアミンポリマーからなることを特徴とする、電荷輸送材料。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載のアリールアミンポリマー及び溶剤を含有することを特徴とする、有機電界発光素子用組成物。
- 基板上に、陽極、陰極、及び該陽極と該陰極の間に有機層を有する有機電界発光素子において、
該有機層が、請求項8に記載の有機電界発光素子用組成物を用いて、湿式成膜法で形成された層を含むことを特徴とする、有機電界発光素子。 - 前記湿式成膜で形成された層が、正孔注入層及び/又は正孔輸送層であることを特徴とする、請求項9に記載の有機電界発光素子。
- 前記有機層として、正孔注入層、正孔輸送層及び発光層を有し、
該正孔注入層、該正孔輸送層、及び該発光層のいずれもが湿式成膜法で形成されることを特徴とする、請求項9又は10に記載の有機電界発光素子。 - 請求項9〜11のいずれか一項に記載の有機電界発光素子を含むことを特徴とする、有機EL表示装置。
- 請求項9〜11のいずれか一項に記載の有機電界発光素子を含むことを特徴とする、有機EL照明。
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