JP6996240B2 - アリールアミンポリマー、および電荷輸送材料 - Google Patents

アリールアミンポリマー、および電荷輸送材料 Download PDF

Info

Publication number
JP6996240B2
JP6996240B2 JP2017217335A JP2017217335A JP6996240B2 JP 6996240 B2 JP6996240 B2 JP 6996240B2 JP 2017217335 A JP2017217335 A JP 2017217335A JP 2017217335 A JP2017217335 A JP 2017217335A JP 6996240 B2 JP6996240 B2 JP 6996240B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
arylamine polymer
carbon atoms
polymer
htp
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017217335A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019085538A (ja
Inventor
華奈 尾池
貴弘 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tosoh Corp
Original Assignee
Tosoh Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tosoh Corp filed Critical Tosoh Corp
Priority to JP2017217335A priority Critical patent/JP6996240B2/ja
Publication of JP2019085538A publication Critical patent/JP2019085538A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6996240B2 publication Critical patent/JP6996240B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T90/00Enabling technologies or technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02T90/10Technologies relating to charging of electric vehicles
    • Y02T90/16Information or communication technologies improving the operation of electric vehicles
    • Y02T90/167Systems integrating technologies related to power network operation and communication or information technologies for supporting the interoperability of electric or hybrid vehicles, i.e. smartgrids as interface for battery charging of electric vehicles [EV] or hybrid vehicles [HEV]
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y04INFORMATION OR COMMUNICATION TECHNOLOGIES HAVING AN IMPACT ON OTHER TECHNOLOGY AREAS
    • Y04SSYSTEMS INTEGRATING TECHNOLOGIES RELATED TO POWER NETWORK OPERATION, COMMUNICATION OR INFORMATION TECHNOLOGIES FOR IMPROVING THE ELECTRICAL POWER GENERATION, TRANSMISSION, DISTRIBUTION, MANAGEMENT OR USAGE, i.e. SMART GRIDS
    • Y04S30/00Systems supporting specific end-user applications in the sector of transportation
    • Y04S30/10Systems supporting the interoperability of electric or hybrid vehicles
    • Y04S30/12Remote or cooperative charging

Description

本発明は、アリールアミンポリマー、および電荷輸送材料、および電荷輸送材料含有塗布液に関する。
有機エレクトロルミネッセンス素子(Organic Light-Emitting Diode;OLED)の有機薄膜層に用いる材料としては、低分子系化合物が現在の主流である。しかしながら、当該低分子系化合物の有機薄膜層の形成は一般的に真空蒸着で行われているため、製造コストが高いという問題があった。そのため、製造コストの安価な塗布成膜が可能な高分子系の材料の開発が求められている。
高分子塗布系材料としては、アリールアミンポリマーが知られている。アリールアミンポリマーとしては、側鎖にアリールアミノ基を有する非共役ポリマー、主鎖にアリールアミン構造を有する共役ポリマーがある。例えば特許文献1は、主鎖にアリールアミン構造を有するアリールアミンポリマーを開示している。
有機エレクトロルミネッセンス素子の発光効率・寿命の面で、正孔移動は重要なファクターである。非共役アリールアミンポリマーの正孔移動は、分子間のホッピング輸送経由で進むのに対し、共役アリールアミンポリマーでは、分子間のホッピング輸送経由に加えて、正孔が主鎖構造に沿って移動できることから有利である。そのため、共役アリールアミンポリマーは、特に有機エレクトロルミネッセンス素子の発光効率の面で好ましい。
また、特許文献2および3は、ポリマー末端がフェニル基やジフェニルアミノ基で保護されて、素子寿命および発光効率が向上したアリールアミンポリマーを開示している。
さらに、特許文献4は、主鎖繰り返し構造とは異なる構造でポリマー末端が保護されて、発光効率および素子寿命がさらに向上したアリールアミンポリマーを開示している。
特表2001-527102号公報 特開2004-292782号公報 特許第4956896号公報 特許第5685838号公報
しかしながら、特許文献4にかかるアリールアミンポリマーについて本発明者等がさらなる検討を重ねたところ、塗布溶媒に対する溶解性、ガラス転移点(Tg)などの諸物性に改善の余地があった。
本発明の一実施形態は上記背景技術に鑑みてなされたものであり、溶解性、耐久性および電流効率に優れたアリールアミンポリマーを提供することを目的とする。
また、本発明の他の実施形態は、該アリールアミンポリマーを含む電子輸送材料、該電子輸送材料を含む電子輸送材料含有塗布液を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、主鎖に複数種の繰り返し構造を有し、主鎖の繰り返し構造とは異なる構造で末端が保護されたアリールアミンポリマーが、有機電界発光素子の優れた耐久性および発光効率に資することを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の一実施形態にかかるアリールアミンポリマーは、下記一般式(1)で表されるランダムまたは交互共重合体である:
Figure 0006996240000001
式中、
Ar11、Ar12、Ar13、Ar14、Ar15、およびArは、各々独立して、連結もしくは縮環していてもよい炭素数6~48の二価の芳香族炭化水素基または連結もしくは縮環していてもよい炭素数4~48の二価のヘテロ芳香族基(これらの基は、各々独立して、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1~18のアルキル基、及びフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1~18のアルコキシ基からなる群より選ばれる1種以上の置換基を有していてもよい)を表す;
Arは、互いに同一であってもよく、異なっていてもよく、かつ、Ar11、Ar12、Ar13、Ar14およびAr15とは異なる;
Ar21、Ar22、Ar23、Ar24、Ar25、ArおよびArは、各々独立して、連結もしくは縮環していてもよい炭素数6~30の一価の芳香族炭化水素基または連結もしくは縮環していてもよい炭素数4~30の一価のヘテロ芳香族基(これらの基は、各々独立して、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1~18のアルキル基、及びフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1~18のアルコキシ基からなる群より選ばれる1種以上の置換基を有していてもよい)を表す;
Arは、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい;
a、bおよびcは、各々独立して0または1の整数を表す;
nは3以上の整数を表す;
ただし、前記アリールアミンポリマーは、分子内の任意の位置に1つ以上の熱架橋基を有していてもよい。
また、本発明の他の実施形態にかかる電荷輸送材料は、上記アリールアミンポリマーを含む。
さらに、本発明の他の実施形態にかかる電荷輸送材料含有塗布液は、有機溶媒と、上記電荷輸送材料と、を含む。
本発明の一実施形態によれば、溶解性、耐久性および電流効率に優れたアリールアミンポリマーを提供することができる。
また、本発明の他の実施形態によれば、該アリールアミンポリマーを含む電荷輸送材料、該電荷輸送材料を含む電子輸送材料含有塗布液を提供することができる。
本発明の一実施形態にかかる有機エレクトロルミネッセンス素子の積層構成の一例を示す概略断面図である。
以下、本発明を実施形態に基づき詳細に説明する。
<アリールアミンポリマー>
本発明の一実施形態にかかるアリールアミンポリマー(以下、適宜「アリールアミンポリマー(1)」とも称する)は、下記一般式(1)で表されるランダムまたは交互共重合体である:
Figure 0006996240000002
式中、
Ar11、Ar12、Ar13、Ar14、Ar15、およびArは、各々独立して、連結もしくは縮環していてもよい炭素数6~48の二価の芳香族炭化水素基または連結もしくは縮環していてもよい炭素数4~48の二価のヘテロ芳香族基(これらの基は、各々独立して、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1~18のアルキル基、及びフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1~18のアルコキシ基からなる群より選ばれる1種以上の置換基を有していてもよい)を表す;
Arは、互いに同一であってもよく、異なっていてもよく、かつ、Ar11、Ar12、Ar13、Ar14およびAr15とは異なる;
Ar21、Ar22、Ar23、Ar24、Ar25、ArおよびArは、各々独立して、連結もしくは縮環していてもよい炭素数6~30の一価の芳香族炭化水素基または連結もしくは縮環していてもよい炭素数4~30の一価のヘテロ芳香族基(これらの基は、各々独立して、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1~18のアルキル基、及びフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1~18のアルコキシ基からなる群より選ばれる1種以上の置換基を有していてもよい)を表す;
Arは、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい;
a、bおよびcは、各々独立して0または1の整数を表す;
nは3以上の整数を表す;
ただし、前記アリールアミンポリマーは、分子内の任意の位置に1つ以上の熱架橋基を有していてもよい。
アリールアミンポリマー(1)は、従来公知の高分子系化合物に比べて、励起三重項準位が同等以上である上、励起状態での安定性も高い。また、アリールアミンポリマー(1)は、従来公知の高分子系化合物に比べて、電荷に対する安定性も優れている。このため、本実施形態にかかるアリールアミンポリマーを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子は発光効率、寿命に優れると本発明者等は推測している。
以下、アリールアミンポリマー(1)の具体的な構成についてより詳細に説明する。
アリールアミンポリマー(1)において、Ar11、Ar12、Ar13、Ar14、Ar15、およびArは、各々独立して、連結もしくは縮環していてもよい炭素数6~48の二価の芳香族炭化水素基または連結もしくは縮環していてもよい炭素数4~48の二価のヘテロ芳香族基(これらの基は、各々独立して、炭素数1~18のアルキル基、及び炭素数1~18のアルコキシ基からなる群より選ばれる1種以上の置換基を有していてもよい)を表す。該二価の芳香族炭化水素基の炭素数は、好ましくは6~40、より好ましくは6~36である。該二価のヘテロ芳香族基の炭素数は、好ましくは6~40、より好ましくは6~36である。
連結または縮環していてもよい炭素数6~48の二価の芳香族炭化水素基としては、特に限定されるものではないが、例えば、ベンゼンジイル基、ビフェニルジイル基、ターフェニルジイル基、トリフェニレンジイル基、フルオレンジイル基、フェナントレンジイル基、ナフタレンジイル基、アントラセンジイル基、ピレンジイル基、9,9-ジフェニルフルオレンジイル基、ベンゼンジイル-トリフェニレンジイル-ベンゼンジイル基、ベンゼンジイル-フルオレンジイル-ベンゼンジイル基、ベンゼンジイル-9,9-ジフェニルフルオレンジイル-ベンゼンジイル基、ベンゼンジイル-フェナントレンジイル-ベンゼンジイル基、ベンゼンジイル-アントラセンジイル-ベンゼンジイル基等が挙げられる。
連結または縮環していてもよい炭素数4~48の二価のヘテロ芳香族基としては、少なくとも一つのヘテロ芳香環を含有するものであり、特に限定されるものではないが、例えば、フランジイル基、ベンゾフランジイル基、ジベンゾフランジイル基、チオフェンジイル基、ベンゾチオフェンジイル基、ジベンゾチオフェンジイル基、ピリジンジイル基、ピリミジンジイル基、ピラジンジイル基、キノリンジイル基、イソキノリンジイル基、カルバゾールジイル基、9-フェニルカルバゾールジイル基、9-ビフェニルカルバゾールジイル基、9-(フェナントリルフェニル)カルバゾールジイル基、ビスカルバゾールジイル基、9,9’-ジフェニルビスカルバゾールジイル基、ベンゼンジイル-カルバゾールジイル-ベンゼンジイル基、ベンゼンジイル-9-フェニルカルバゾールジイル-ベンゼンジイル基、ベンゼンジイル-9-ビフェニルカルバゾールジイル-ベンゼンジイル基等が挙げられる。
炭素数1~18のアルキル基は、炭素数1~18の直鎖、分岐、または環状のアルキル基と書き換えることができ、フッ素置換されていてもよい。これらとしては、特に限定されるものではないが、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、i-ブチル基、n-ヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロヘキサジエニル基、オクチル基、トリフルオロメチル基等が挙げられる。これらのうち、メチル基、エチル基、またはn-ブチル基が好ましい。
炭素数1~18のアルコキシ基は、炭素数1~18の直鎖、分岐、または環状のアルコキシ基と書き換えることができ、フッ素置換されていてもよい。これらとしては、特に限定されるものではないが、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、i-プロポキシ基、n-ブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、i-ブトキシ基、n-ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロヘキサジエニルオキシ基、オクチルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。これらのうち、メトキシ基、エトキシ基、またはn-ブトキシ基が好ましい。
Ar11、Ar12、Ar13、Ar14、およびAr15としては、ポリマーの耐久性に優れるという点で、下記式(A1)~(A14)のいずれか1つで表される二価基であることが好ましい。
Figure 0006996240000003
式中、dは0または1を表す。これらの基は、各々独立して、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1~18のアルキル基、及びフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1~18のアルコキシ基からなる群より選ばれる1種以上の置換基を有していてもよい。
Ar11、Ar12、Ar13、Ar14、およびAr15は、これらの中でも、上記(A3)~(A6)、および(A8)~(A14)のいずれか1つで表される二価基(これらの基は、各々独立して、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1~18のアルキル基、及びフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1~18のアルコキシ基からなる群より選ばれる1種以上の置換基を有していてもよい)であることがより好ましく、上記(A3)、(A4)、(A6)、(A8)、(A10)、または(A14)で表される二価基(これらの基は、各々独立して、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1~18のアルキル基を有していてもよい)であることが特に好ましい。
Arとしては、ポリマーの耐久性に優れるという点で、フェニル基もしくは炭素数4~5のヘテロ芳香族基(これらの基は、各々独立して、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1~18のアルキル基、及びフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1~18のアルコキシ基からなる群より選ばれる1種以上の置換基を有していてもよい)であることが好ましく、炭素数1~18のアルキル基を有していてもよいフェニル基であることがより好ましい。
Arは、互いに同一であってもよく、異なっていてもよいが、互いに同一であることが好ましい。また、Arは、Ar11、Ar12、Ar13、Ar14およびAr15とは異なっている。
Ar21、Ar22、Ar23、Ar24、Ar25、ArおよびArは、各々独立して、連結もしくは縮環していてもよい炭素数6~30の一価の芳香族炭化水素基または連結もしくは縮環していてもよい炭素数4~30の一価のヘテロ芳香族基(これらの基は、各々独立して、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1~18のアルキル基、及びフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1~18のアルコキシ基からなる群より選ばれる1種以上の置換基を有していてもよい)を表す。該一価の芳香族炭化水素基の炭素数は、好ましくは6~20である。該一価のヘテロ芳香族基の炭素数は、好ましくは4~20である。
炭素数6~30の一価の芳香族炭化水素基としては、特に限定されるものではないが、例えば、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニル基、ナフタレニル基、フェニルナフチル基、ナフチルフェニル基、アントラセニル基、ピレニル基、フェナントレニル基、フェナントレニルフェニル基、ペリレニル基、トリフェニレニル基、トリフェニレニルフェニル基、フルオレニル基、9,9-ジフェニルフルオレニル基等が挙げられる。
炭素数4~30の一価のヘテロ芳香族基としては、少なくとも一つのヘテロ芳香環を含有するものであり、特に限定されるものではないが、例えば、フラニル基、ベンゾフラニル基、ジベンゾフラニル基、チエニル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾチエニル基、ピリジレニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、カルバゾリル基、ピリジル-フェニル基、フェニル-ピリジル基、ピリジル-ビフェニリル基、ピリミジル-フェニル基、フェニル-ピリミジル基、フェニル-カルバゾリル基、ジフェニル-カルバゾリル基、ビフェニル-カルバゾリル基、カルバゾリル-フェニル基、フェニル-カルバゾリル-フェニル基等が挙げられる。
フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1~18のアルキル基、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1~18のアルコキシ基としては、特に限定されるものではないが、Ar11、Ar12、Ar13、Ar14、Ar15、およびArで示した置換基と同じ置換基を例示することができる。
Ar21、Ar22、Ar23、Ar24、Ar25およびArとしては、正孔輸送特性と溶解性に優れる点で、独立して、フェニル基、ビフェニル基、9,9-ジメチルフルオレニル基、9,9-ジエチルフルオレニル基、9,9-ジブチルフルオレニル基、9,9-ジフェニルフルオレニル基、9-フェニルカルバゾリル基、9-(メチルフェニル)カルバゾリル基、9-(エチルフェニル)カルバゾリル基、9-(ブチルフェニル)カルバゾリル基、または9-(9,9-ジメチルフルオレニル)カルバゾリル基(これらの基は、各々独立して、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1~18のアルキル基、及びフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1~18のアルコキシ基からなる群より選ばれる1種以上の置換基を有していてもよい)が好ましい。
また、Ar21、Ar22、Ar23、Ar24、Ar25およびArとしては、正孔輸送特性と溶解性に優れる点で、下記一般式(3)で表される基が好ましい。
Figure 0006996240000004
式中、
Arは、各々独立して、連結もしくは縮環していてもよい炭素数6~24の一価の芳香族炭水素基、連結もしくは縮環していてもよい炭素数4~24の一価のヘテロ芳香族基(これらの基は、各々独立して、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1~18のアルキル基、及びフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1~18のアルコキシ基からなる群より選ばれる1種以上の置換基を有していてもよい)、水素原子、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1~18のアルキル基またはフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1~18のアルコキシ基を表す。
ArおよびArが結合するフェニル基は互いに縮環して環を形成してもよい。
dは、0以上3以下の整数を表す。該一価の芳香族炭水素基の炭素数は、好ましくは6~14である。該一価のヘテロ芳香族基の炭素数は、好ましくは2~20である。
炭素数1~18のアルキル基、炭素数1~18のアルコキシ基としては、特に限定されるものではないが、Ar11、Ar12、Ar13、Ar14、Ar15、およびArで示した置換基と同じ置換基を例示することができる。
炭素数6~24の一価の芳香族炭化水素基としては、特に限定されるものではないが、例えば、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニル基、ナフチル基、フェニルナフチル基、ナフチルフェニル基、ビナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、ピレニル基、フェナントレニル基、フェナントレニルフェニル基、トリフェニレニル基、フルオレニル基、9,9-ジフェニルフルオレニル基等が挙げられる。
炭素数4~24の一価のヘテロ芳香族基としては、特に限定されるものではないが、フラニル基、ベンゾフラニル基、ジベンゾフラニル基、チエニル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾチエニル基、ピリジレニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、カルバゾリル基、ピリジル-フェニル基、フェニル-ピリジル基、ピリジル-ビフェニリル基、ピリミジル-フェニル基、フェニル-ピリミジル基、フェニル-カルバゾリル基、ジフェニル-カルバゾリル基、ビフェニル-カルバゾリル基、フェニル-カルバゾリル-フェニル基を例示することができる。
Arとしては、正孔輸送特性と溶解性に優れる点で、水素原子、メチル基、ブチル基、フェニル基、ビフェニリル基が好ましい。
また、ArはArが結合するフェニル基と縮環して環を形成してもよく、特に限定されるものではないが、フルオレン基、カルバゾリル基、ジベンゾチオニル基などを形成することができる。
dは、0以上3以下の整数を表す。
Arとしては、ポリマーの耐久性に優れるという点で、フェニル基、ビフェニル基、カルバゾリル基、またはフェニル-カルバゾリル基(これらの基は、各々独立して、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1~18のアルキル基、及びフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1~18のアルコキシ基からなる群より選ばれる1種以上の置換基を有していてもよい)であることが好ましく、フェニル基、ビフェニル基(フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1~18のアルキル基を有していてもよい)であることがより好ましい。
また、Arは、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
なお、Ar11、Ar12、Ar13、Ar14、Ar15、Ar21、Ar22、Ar23、Ar24、Ar25、Ar、Ar、およびArにおいて「炭素数1~18のアルキル基」、「炭素数1~18のアルコキシ基」については、本実施形態にかかるアリールアミンポリマーの効果を損なわない範囲で、各置換基に複数結合していてもよい。このうち、「炭素数1~18のアルキル基」、「炭素数1~18のアルコキシ基」の数としては、0~3個の範囲が好ましく、置換基の種類は同一であっても異なっていてもよい。
アリールアミンポリマー(1)において、a、bおよびcは、各々独立して0または1の整数を表す。
アリールアミンポリマー(1)において、nは3以上の整数を表す。また、nは3以上10000以下の整数であることが好ましく、3以上5000以下の整数であることがより好ましい。
アリールアミンポリマー(1)は、分子内の任意の位置に1つ以上の熱架橋基を有していてもよい。熱架橋基としては特に限定されるものではないが、下記一般式(K1)~(K17)が挙げられる。
Figure 0006996240000005

(kは1~9の整数を表す。)
アリールアミンポリマー(1)の構成単位である一般式(10)で表される化合物としては、前述の定義に該当すれば特に限定されるものではないが、下記一般式(B1)~(B189)が挙げられる。
Figure 0006996240000006

(式中、Ar11、Ar12、Ar13、Ar14、Ar15、Ar21、Ar22、Ar23、Ar24、およびAr25は、上記一般式(1)と同じ定義である。)
Figure 0006996240000007
Figure 0006996240000008
Figure 0006996240000009
Figure 0006996240000010
Figure 0006996240000011
Figure 0006996240000012
(式中、Rは、各々独立して、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1~18のアルキル基を表す。)
アリールアミンポリマー(1)としては、前述の定義に該当すれば特に限定されるものではないが、下記化合物(C1)~(C123)のいずれかで表されるランダムまたは交互共重合体であることが好ましい。式中、Rは、各々独立して、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1~18のアルキル基を表す。nは3以上の整数を表す。
Figure 0006996240000013
Figure 0006996240000014
Figure 0006996240000015
Figure 0006996240000016
Figure 0006996240000017
Figure 0006996240000018
Figure 0006996240000019
Figure 0006996240000020
Figure 0006996240000021
Figure 0006996240000022
Figure 0006996240000023
Figure 0006996240000024
Figure 0006996240000025
Figure 0006996240000026
Figure 0006996240000027
Figure 0006996240000028
<アリールアミンポリマーの製造方法>
次に、アリールアミンポリマー(1)の製造方法について説明する。
アリールアミンポリマー(1)は特に限定されるものではないが、例えば、下記反応式で示されるように種々の一般式(3)で表されるアリーレンジハライド化合物と一般式(4)で表されるビフェニレンジアミン化合物とを、必要であれば一般式(3)’、(3)’ ’、 (3)’ ’ ’で表されるアリーレンジハライド化合物と一般式(4)’、(4)’ ’、 (4)’ ’ ’で表されるビフェニレンジアミン化合物を加えて、トリアルキルホスフィン及び/またはパラジウム化合物からなる触媒並びに塩基の存在下、重合させ、更に一般式(6)で表される芳香族ハロゲン化合物と一般式(7)で表される芳香族アミン化合物の両方を反応させることによって合成できる。
Figure 0006996240000029
Figure 0006996240000030
(式中、ArおよびArは、上記一般式(1)と同じ定義である。Xは、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子を表す。)
Figure 0006996240000031
(式中、Ar、ArおよびArは、上記一般式(1)と同じ定義である。)
反応式1の反応(以下、「重合工程」という)により得られる一般式(5)で表される構造を有する化合物は、通常、末端が二級アミノ基もしくはハロゲン基、または二級アミノ基およびハロゲン基の両方である。
また、パラジウム触媒及び塩基の存在下、重合工程で得られた一般式(5)で表される構造を有する化合物と一般式(6)で表される芳香族ハロゲン化合物もしくは一般式(7)で表される芳香族アミン化合物、またはその両方とを反応させることによって、末端二級アミノ基、及び/またはハロゲン基の末端保護(以下、「保護化工程」という)が行われる。保護化工程の生成物としてアリールアミンポリマー(1)を得ることができる。
重合工程において、一般式(3)、(3)’、(3)’ ’、 (3)’ ’ ’で表されるアリーレンジハライド化合物と一般式(4)、(4)’、(4)’ ’、 (4)’ ’ ’で表されるビフェニレンジアミン化合物とは、一工程で重合してもよいし、各化合物を順次反応させてもよい。後者の反応はワンポットで行ってもよいし、各反応の後にその都度反応生成物を単離して別バッチで行ってもよい。また、一般式(3)、(3)’、(3)’ ’、 (3)’ ’ ’で表されるアリーレンジハライド化合物と一般式(4)、(4)’、(4)’ ’、 (4)’ ’ ’で表されるビフェニレンジアミン化合物とを反応させたモノマーを合成し、該モノマーを重合させてよい。
保護化工程は、重合工程に引き続きワンポットで行なってもよいし、一旦、重合工程の生成物である一般式(5)のアリールアミンポリマーを単離した後、別途、パラジウム触媒及び塩基の存在下で行なってもよい。
保護化工程において、一般式(6)で表される芳香族ハロゲン化合物と一般式(7)で表される芳香族アミン化合物とを同時に用いて反応を行うことも可能である。しかしながら、保護化工程の反応効率の点においては、芳香族ハロゲン化合物による反応と、芳香族アミン化合物による反応とは、それぞれ別々に行うことが好ましい。また、別々に反応を行う場合、芳香族ハロゲン化合物を用いる反応と芳香族アミン化合物を用いる反応とはどちらを先に行ってもよい。
また、保護化工程は下記一般式(8)を反応させた後、一般式(6)で表される芳香族ハロゲン化合物を反応させてもよい。
Figure 0006996240000032
(式中、Arは上記一般式(1)と同じ定義である。)
したがって、保護化工程の反応としては、以下の(A)および(B)に示す2パターンの反応が挙げられる。
(A):一般式(6)で表される芳香族ハロゲン化合物を用いた反応、および、一般式(7)で表される芳香族アミン化合物を用いた反応;
(B):一般式(8)で表される化合物を用いた反応の後、一般式(6)で表される芳香族ハロゲン化合物を用いた反応。
ここで、(A)および(B)に記載のパターンの反応は、いずれも、ワンポットで連続的に行うこともできるし、一方の反応後、反応生成物を単離して別バッチで他方の反応を行うこともできる。
重合工程及び保護化工程は、いずれも、パラジウム触媒及び塩基存在下に行われる。重合工程及び保護化工程における反応条件、触媒・塩基の種類などについては、特に限定されるものではない。
パラジウム触媒としては、例えば、以下に示すものを用いることができる。なお、パラジウム触媒は、通常、パラジウム化合物及び配位子を含んでなる。
パラジウム触媒の構成成分であるパラジウム化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、4価のパラジウム化合物類[具体的には、ヘキサクロロパラジウム(IV)酸ナトリウム四水和物、ヘキサクロロパラジウム(IV)酸カリウム等]、2価のパラジウム化合物類[具体的には、塩化パラジウム(II)、臭化パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、パラジウム(II)アセチルアセトナート、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)、ジクロロビス(アセトニトリル)パラジウム(II)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロテトラアンミンパラジウム(II)、ジクロロ(シクロオクタ-1,5-ジエン)パラジウム(II)、パラジウム(II)トリフルオロアセテート等]、及び0価のパラジウム化合物類[具体的には、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)クロロホルム錯体、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)等]が挙げられる。
パラジウム触媒の構成成分である配位子としては、特に限定されるものではないが、パラジウムに配位可能なものであればよく、例えば、トリアルキルホスフィン類、アリールホスフィン類、カルベン系配位子等が挙げられる。
トリアルキルホスフィン類としては、特に限定されるものではないが、例えば、トリエチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリ-n-ブチルホスフィン、トリイソブチルホスフィン、トリ-sec-ブチルホスフィン、トリ-tert-ブチルホスフィン等が挙げられる。これらのうち触媒として特に高い反応活性を有することから、トリ-tert-ブチルホスフィンを使用することが好ましい。
アリールホスフィン類としては、特に限定されるものではないが、例えば、トリフェニルホスフィン、トリ(o-トリル)ホスフィン、トリ(m-トリル)ホスフィン、トリ(p-トリル)ホスフィン、2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフチル(BINAP)、トリメシチルホスフィン、ジフェニルホスフィノエタン、ジフェニルホスフィノプロパン、ジフェニルホスフィノフェロセン等が挙げられる。
カルベン系配位子としては、例えば、1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)イミダゾール-2-イリデン塩酸塩等が挙げられる。
パラジウム触媒における配位子の使用量は、特に限定されるものではないが、パラジウム化合物中のパラジウム原子1モルに対して通常0.01倍モル以上10000倍モル以下の範囲であればよい。高価なトリアルキルホスフィン類、アリールホスフィン類、カルベン系配位子を使用することから、配位子の使用量は、パラジウム化合物中のパラジウム原子1モルに対して0.1倍モル以上10倍モル以下の範囲であることが好ましい。
重合工程におけるパラジウム触媒の使用量は、特に限定されるものではないが、例えば、反応式1の重合工程において、原料のハロゲン原子1モルに対し、パラジウム原子換算で通常0.0000001倍モル以上0.20倍モル以下の範囲であることが好ましい。このうち、触媒活性の点、及び高価なパラジウム化合物を使用する点から、パラジウム触媒の使用量は、通常0.00001倍モル以上0.05倍モル以下の範囲であることがより好ましい。
保護化工程におけるパラジウム触媒の使用量は、特に限定されるものではないが、例えば、一般式(6)で表される芳香族ハロゲン化合物、または一般式(5)で表される重合物のハロゲン原子1モルに対し、パラジウム原子換算で通常0.0000001倍モル以上0.20倍モル以下の範囲であることが好ましい。このうち、触媒活性の点、及び高価なパラジウム化合物を使用する点から、パラジウム触媒の使用量は、通常0.00001倍モル以上0.10倍モル以下の範囲であることがより好ましい。
重合工程及び保護化工程におけるパラジウム触媒の添加方法としては、特に限定されるものではないが、重合工程または保護化工程の反応系にパラジウム化合物及び配位子、並びにその他成分をそれぞれ単独で添加してもよいし、予めこれら触媒構成成分を混合してパラジウム錯体の形態に調製したものを添加してもよい。
重合工程及び保護化工程に用いる塩基としては、特に限定されるものではないが、例えば、アルカリ金属(具体的には、ナトリウム、カリウム等)の水酸化物、炭酸塩、アルコキシド等の無機塩基、3級アミン等の有機塩基が挙げられる。これらのうち、好ましくはナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、リチウム-tert-ブトキシド、ナトリウム-tert-ブトキシド、カリウム-tert-ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシドである。これらの塩基の添加方法としては、反応系にそのまま加えることもできるし、アルカリ金属、水素化アルカリ金属または水酸化アルカリ金属とアルコールとを反応系に供して、その場で調製することもできる。より好ましくは、リチウム-tert-ブトキシド、ナトリウム-tert-ブトキシド、カリウム-tert-ブトキシド等のアルカリ金属3級アルコキシドを反応系にそのまま加える方法である。
重合工程における塩基の使用量は、特に限定されるものではないが、例えば、反応式1で表されるアリーレンジハライドとアリールアミンとの反応において、原料のアリーレンジハライドのハロゲン原子1モルに対して1倍モル以上1000倍モル以下の範囲から選ばれる。このうち、反応終了後の後処理操作を考慮すれば、使用量は1倍モル以上20倍モル以下の範囲であることがより好ましい。
保護化工程における塩基の使用量は、特に限定されるものではないが、通常、一般式(6)表される芳香族ハロゲン化合物のハロゲン原子1モルに対して1倍モル以上1000倍モル以下の範囲、好ましくは1倍モル以上20倍モル以下の範囲、または一般式(5)で表される構造を有する重合物のハロゲン原子1モルに対して1倍モル以上100000倍モル以下の範囲、好ましくは1倍モル以上1000倍モル以下の範囲から選ばれる。
重合工程及び保護化工程は、いずれも通常は不活性溶媒存在下で実施することが好ましい。使用する溶媒としては、本反応を著しく阻害しない溶媒であればよく、特に限定されるものではないが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル溶媒、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホトリアミド等を挙げることができる。これらのうち、好ましくはベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒である。
重合工程及び保護化工程は、いずれも好ましくは常圧下、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で実施するが、加圧条件であっても実施することは可能である。
重合工程及び保護化工程における反応温度は、いずれも経済的に許容できる速度で反応が進行する温度であれば特に限定されるものではないが、通常20℃以上300℃以下、好ましくは50℃以上200℃以下、より好ましくは100℃以上150℃以下の範囲である。
重合工程及び保護化工程における反応時間は、いずれも製造するアリールアミンポリマー、パラジウム触媒、反応温度等により一定ではないため特に限定されるものではないが、多くの場合、数分~72時間の範囲から選択すればよい。反応時間は、好ましくは24時間未満である。
重合工程及び保護化工程によって製造されたアリールアミンポリマー(1)は、再沈殿等により未反応の低分子量化合物等から分離し、精製することが好ましい。また、パラジウム触媒等の不純物の除去のためにシリカゲルや活性アルミナ、ゼオライト等による吸着処理を行うことが好ましい。
以上の本実施形態にかかるアリールアミンポリマー(1)は、電界効果トランジスタ、光機能素子、色素増感太陽電池、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子と称する)等の電子素子における導電性高分子材料(電荷輸送材料)として使用される。特に、有機EL素子の正孔輸送材料、正孔注入材料、発光ホスト材料及びバッファー材料として極めて有用である。
<電荷輸送材料、電荷輸送材料含有塗布液>
本発明の一実施形態にかかる電荷輸送材料は、上述したアリールアミンポリマーを含む。電荷輸送材料は、正孔輸送層に含有される正孔輸送材料、正孔注入層に含有される正孔注入材料、バッファー層に含有されるバッファー材料、または発光層に含有される発光ホスト材料であることが好ましい。
アリールアミンポリマー(1)は、溶解性に優れることから、例えば、その溶液、混合液、または溶融液を使用して、スピンコーティング法、キャスティング法、ディッピング法、バーコート法、ロールコート法等の従来公知の塗布方法によって、後述する有機層(有機エレクトロルミネッセンス素子)を簡便に作製することができる。また、インクジェット法、ラングミュアーブロジェット法等によっても容易に有機層を作製することができる。
したがって、本発明の一実施形態にかかる電荷輸送材料含有塗布液は、有機溶媒と、上述した電荷輸送材料と、を含む。電荷輸送材料含有塗布液中において、温度25℃の条件下では、電荷輸送材料は有機溶媒に溶解していることが好ましい。
有機溶媒としては特に制限はなく公知のものを用いることができ、例えば、クロロホルム、クロロベンゼン、クロロトルエン、クロロキシレン、クロロアニソール、ジクロロメタン、ジクロロベンゼン、ジクロロトルエン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、トリクロロベンゼン、トリクロロトルエン、ブロモベンゼン、ジブロモベンゼン、ブロモアニソールなどのハロゲン系溶媒;ジエチルエーテル、エチルプロピルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、メチル-tert-ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メチルジオキサン、フェニルジオキサン、ジオキソラン、オキサゾール、メチルベンゾオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、フラン、ジヒドロフラン、フラザン、ベンゾフラン、ジヒドロベンゾフラン、テトラヒドロピランなどのエーテル系溶媒;エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、トリメチルベンゼン、トリエチルベンゼン、テトラメチルベンゼン、トリメトキシベンゼン、プロピルベンゼン、イソプロピルベンゼン、ジイソプロピルベンゼン、ブチルベンゼン、ジブチルベンゼン、アミルベンゼン、ヘキシルベンゼン、ジヘキシルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、ヘプチルベンゼン、オクチルベンゼン、ノニルベンゼン、デカチルベンゼン、ドデシルベンゼン、ベンゾニトリル、トルエン、エチルトルエン、メトキシトルエン、ジメトキシトルエン、トリメトキシトルエン、プロピルトルエン、イソプロピルトルエン、キシレン、イソプロピルキシレン、ブチルキシレン、アニソール、メチルアニソール、エチルアニソール、ジメチルアニソール、トリメチルアニソール、プロピルアニソール、イソプロピルアニソール、ブチルアニソール、メチルエチルアニソール、アネトールアニシルアルコール、ジフェニルエーテル、フェノキシトルエン、フェノキシキシレン、ジトリルエーテル、ブチルフェニルエーテル、ベンジルメチルエーテル、ベンジルエチルエーテル、メチレンジオキシベンゼン、メチルナフタレン、テトラヒドロナフタレン、アニリン、メチルアニリン、エチルアニリン、ブチルアニリン、ビフェニル、メチルビフェニル、イソプロピルビフェニル、テトラリンなどの芳香族炭化水素系溶媒;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、テトラデカン、デカリン、イソプロピルシクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素系溶媒;アセトン、ベンジルアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソプロピルケトン、ペンタノン、シクロペンタノン、ヘキサノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、ブチルシクロヘキサノン、ヘプタノン、シクロヘプタノン、オクタノン、アセトフェノン、メチルアセトフェノン、メトキシアセトフェノンなどのケトン系溶媒;アセトニトリル、アクリロニトリル、プロピオニトリル、ピバロニトリル、イソブチロニトリル、ブチロニトリル、メトキシアセトニトリル、メチルブチロニトリル、イソバレロニトリル、バレロニトリル、カプロニトリル、メトキシプロピオニトリル、エトキシプロピオニトリル、オキシジプロピオニトリル、ヘプタンニトリル、グリコロニトリル、エチレンシアノニトリル、スクシノニトリル、アセトシアノヒドリンなどのニトリル系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸フェニルエチルセロソルブアセテート、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、トルイル酸エチルエステルなどのエステル系溶媒;エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール、グリセリン、1,2-ヘキサンジオールなどの多価アルコールおよびその誘導体;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、シクロペンタノール、ヘプタノール、メチルシクロヘキサノールなどのアルコール系溶媒;ジメチルスルホキシド、ジブチルスルホキシド、テトラメチレンスルホキシド、メチルフェニルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒;N-メチル-2-ピロリドン、N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジエチルホルムアミド、N,N-ジイソプロピルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジエチルアセトアミド、N-tert-ブチルホルムアミド、ホルムアミド、アセトアミド、ピバルアミド、N-ブチルアミド、アシルアミド、アセトアミドエタノール、N,N-ジメチル-m-トルアミド、1-ホルミルピペリジン、N-メチルホルムアニリドなどのアミド系溶媒;などが挙げられる。有機溶媒はこれらの2種以上を組み合わせたものであってもよい。所望の塗工性能を発揮するべく有機溶媒が選択されて、電荷輸送材料含有塗布液の粘度および濃度が調整されていることが好ましい。また、必要に応じて粘度の調整材、表面張力の調整剤を添加することもできる。
<有機エレクトロクロミック素子>
本発明の一実施形態にかかる有機EL素子は、上述したアリールアミンポリマー(1)を含有する有機層を備えていれば、素子構造は特に限定されない。
図1は、本発明の一実施形態にかかる有機エレクトロルミネッセンス素子の積層構成の一例を示す概略断面図である。以下、図1を参照しながら本実施形態にかかる有機EL素子について説明する。
有機EL素子100の基本的な構造としては、基板1、陽極2、正孔注入層3、正孔輸送層4、発光層5、バッファー層6、電子輸送層7、電子注入層8、及び陰極9をこの順で含む。ただし、これらの層のうちの一部の層が省略されていてもよく、また逆に他の層が追加されていてもよい。例えば、(第1の)バッファー層6が省略されていてもよく、正孔輸送層4と発光層5との間に第2のバッファー層(不図示)が設けられていてもよい。また、例えば正孔注入層の機能と正孔輸送層の機能とを単一の層で併せ持つ正孔注入・輸送層のような、複数の層が有する機能を併せ持った単一の層を、当該複数の層の代わりに備えた構成であってもよい。
有機EL素子100の陽極2及び陰極9は、電気的な導体を介して電源に接続されている。陽極2と陰極9との間に電位を加えることにより、有機EL素子100は作動(発光)する。
正孔は陽極2から有機EL素子100内に注入され、電子は陰極9で有機EL素子100内に注入される。
なお、本実施形態にかかる有機EL素子100は、陽極2が基板1に接して設けられている。基板と接触する電極は便宜上、下側電極と呼ばれる。ただし、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、陽極に代えて陰極が基板に接して設けられて下側電極となっていてもよく、基板と陽極または陰極とが接しておらず、陽極または陰極が他の層を介して基板上に積層されていてもよい。
<<基板1>>
基板は、意図される有機EL素子の発光方向(光が取り出される方向)に応じて光透過性を適宜選択すればよい。すなわち、基板は光透過性を有していてもよく、有していなくても(所定の波長を有する光に対して不透明であっても)よい。基板が光透過性を有するか否かは、例えば、当該基板から有機EL素子の発光に由来する光が所望の量以上観察されるか否かにより確認できる。
光透過性を有する基板として、透明ガラスまたはプラスチックが一般的に採用される。ただし、基板はこれらに何ら限定されるものではない。基板は、多重の材料層を含む複合構造であってもよい。
<<陽極2>>
基板1上には陽極2が設けられている。
エレクトロルミネッセンス発光が陽極を通過して取り出される構成の有機EL素子の場合、陽極は当該発光を通すかまたは実質的に通すもので形成される。
陽極に用いられる透明材料としては、特に限定されるものではないが、例えば、インジウム-錫酸化物(ITO;Indium Tin Oxide)、インジウム-亜鉛酸化物(IZO;Indium Zinc Oxide)、酸化錫、アルミニウム・ドープ型酸化錫、マグネシウム-インジウム酸化物、ニッケル-タングステン酸化物、その他の金属酸化物、窒化ガリウム等の金属窒化物、セレン化亜鉛等の金属セレン化物、および硫化亜鉛等の金属硫化物が挙げられる。
陽極は、プラズマ蒸着されたフルオロカーボンで改質することができる。
なお、陰極側のみから光を取り出す構成の有機EL素子の場合、陽極の透過特性は重要ではなく、透明、不透明または反射性の任意の導電性材料を使用することができる。したがって、この場合の陽極に用いられる材料の一例としては、金、イリジウム、モリブデン、パラジウム、白金等が挙げられる。
<<正孔注入層3>>
陽極2と正孔輸送層4との間には、正孔注入層3が設けられている。
正孔注入層は、正孔注入材料を含む。正孔注入材料は、正孔注入層の上に積層形成される層、すなわち、正孔輸送層の膜形成特性を改善し、正孔輸送層内への正孔の注入を容易にすることができる。
正孔注入層の材料としては、例えば、ポリチオフェン誘導体、ポリアニリン誘導体、ポリピロール誘導体、上述したアリールアミンポリマーが挙げられる。これらの中でも、ポリチオフェン誘導体が好ましい。なお、正孔注入材料はこれらの2種以上を組み合わせたものであってもよい。
<<正孔輸送層4>>
正孔注入層3もしくは詳細を後述する電荷発生層(不図示)と発光層5との間には、正孔輸送層4が設けられている。
正孔輸送層は、正孔輸送材料を含む。正孔輸送材料としては特に制限はないが、上述したアリールアミンポリマーが好ましく用いられる。
なお、正孔輸送材料として上述したアリールアミンポリマーが用いられる場合、正孔輸送層は、上述したアリールアミンポリマー以外に1種以上の正孔輸送化合物、例えば芳香族第三アミンを含有していてもよい。芳香族第三アミンとは、1つ以上の三価の窒素原子を含有する化合物であることを意味し、この三価の窒素原子は炭素原子だけに結合しており、これらの炭素原子の1つ以上は芳香族環を形成している。具体的には、芳香族第三アミンは、アリールアミン、モノアリールアミン、ジアリールアミン、トリアリールアミン、高分子アリールアミンが挙げられ、より具体的には、例えば、ポリ(N-ビニルカルバゾール)(PVK)、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、NPD(N,N’-ビス(ナフタレン-1-イル)-N,N’-ジフェニル-1,1’-ビフェニル-4,4’-ジアミン)、α-NPD(N,N’-ジ(1-ナフチル)-N,N’-ジフェニル-1,1’-ビフェニル-4,4’-ジアミン)、TPBi(1,3,5-トリス(1-フェニル-1H-ベンズイミダゾール-2-イル)ベンゼン)、TPD(N,N’-ビス(3-メチルフェニル)-N,N’-ジフェニル-1,1’-ビフェニル-4,4’-ジアミン)等が挙げられる。
<<電荷発生層(不図示)>>
正孔注入層3と正孔輸送層4との間には、電荷発生層(不図示)が設けられていてもよい。
電荷発生層の材料としては特に制限はないが、例えば、ジピラジノ[2,3-f:2’,3’-h]キノキサリン-2,3,6,7,10,11-ヘキサカルボニトリル(HAT-CN)が挙げられる。
<<発光層5>>
正孔輸送層4とバッファー層6との間には、発光層5が設けられている。
発光層は、燐光材料または蛍光材料を含み、この領域で電子・正孔対が再結合された結果として発光を生ずる。
発光層は、低分子及びポリマー双方を含む単一材料からなっていてもよいが、より一般的には、ゲスト化合物でドーピングされたホスト材料からなっている。発光は主としてドーパントから生じ、任意の色を有することができる。
発光層の発光ホスト材料としては、例えば、ビフェニル基、フルオレニル基、トリフェニルシリル基、カルバゾール基、ピレニル基、アントラニル基を有する化合物が挙げられる。より具体的には、DPVBi(4,4’-ビス(2,2-ジフェニルビニル)-1,1’-ビフェニル)、BCzVBi(4,4’-ビス(9-エチル-3-カルバゾビニレン)1,1’-ビフェニル)、TBADN(2-ターシャルブチル-9,10-ジ(2-ナフチル)アントラセン)、ADN(9,10-ジ(2-ナフチル)アントラセン)、CBP(4,4’-ビス(カルバゾール-9-イル)ビフェニル)、CDBP(4,4’-ビス(カルバゾール-9-イル)-2,2’-ジメチルビフェニル)、9,10-ビス(ビフェニル)アントラセン等が挙げられる。
発光層の発光ホスト材料としては、後述する電子輸送材料、前述した正孔注入層に用いられる正孔注入材料、および前述した正孔輸送層に用いられる正孔輸送材料、正孔・電子再結合を助ける(サポート)別の材料、上述したアリールアミンポリマー、またはこれら材料の組み合わせであってもよい。
蛍光ドーパントとしては、例えば、アントラセン、テトラセン、キサンテン、ペリレン、ルブレン、クマリン、ローダミン、キナクリドン、ジシアノメチレンピラン化合物、チオピラン化合物、ポリメチン化合物、ピリリウム化合物、チアピリリウム化合物、フルオレン誘導体、ペリフランテン誘導体、インデノペリレン誘導体、ビス(アジニル)アミンホウ素化合物、ビス(アジニル)メタン化合物、カルボスチリル化合物等が挙げられる。
燐光ドーパントとしては、例えば、イリジウム、白金、パラジウム、オスミウム等の遷移金属の有機金属錯体が挙げられる。
ドーパントとしては、例えば、Alq(トリス(8-ヒドロキシキノリン)アルミニウム)、DPAVBi(4,4’-ビス[4-(ジ-パラ-トリルアミノ)スチリル]ビフェニル)、ペリレン、Ir(PPy)(トリス(2-フェニルピリジン)イリジウム(III)、FIrPic(ビス(3,5-ジフルオロ-2-(2-ピリジル)フェニル-(2-カルボキシピリジル)イリジウム(III)等が挙げられる。
発光層は単層構造であってもよく、同一組成または異種組成の複数層からなる積層構造であってもよい。
<<バッファー層6>>
発光層5と電子輸送層7との間には、(第1の)バッファー層6が設けられている。また、正孔輸送層4と発光層5との間に、バッファー層(第2のバッファー層;不図示)を設けてもよい。前者は正孔ブロック層(正孔阻止層)、後者は電子ブロック層(電子阻止層)とも呼ばれることもある。
正孔ブロック層は正孔ブロック材料を含む。正孔ブロック材料としては、後述する電子輸送層7に例示した化合物の他、BCP(2,9-ジメチル-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン)、Bphen(4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン)、BAlq(ビス(2-メチル-8-キノリノラート)-4-(フェニルフェノラート)アルミニウム)、ビス(10-ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)ベリリウム)等が挙げられる。
電子ブロック層は電子ブロック材料を含む。電子ブロック材料としては、前述した正孔輸送層4に例示した化合物が挙げられる。したがって、正孔輸送層4と発光層5との間に第2のバッファー層を設ける場合、第2のバッファー層は、前述したアリールアミンポリマーを含んでいてもよい。
<<電子輸送層7>>
電子輸送層7は、電子注入層8と、バッファー層6との間に設けられている。
電子輸送層は、電子注入層より注入された電子を発光層に伝達する機能を有する。電子輸送層を電子注入層と発光層との間に介在させることにより、電子がより低い電界で発光層に注入される。
電子輸送層は電子輸送性材料を含む。電子輸送性材料としては、アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体、土類金属錯体等が挙げられる。アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体、土類金属錯体としては、例えば、8-ヒドロキシキノリナートリチウム(Liq)、ビス(8-ヒドロキシキノリナート)亜鉛、ビス(8-ヒドロキシキノリナート)銅、ビス(8-ヒドロキシキノリナート)マンガン、トリス(8-ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、トリス(2-メチル-8-ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、トリス(8-ヒドロキシキノリナート)ガリウム、ビス(10-ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)ベリリウム、ビス(10-ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)亜鉛、ビス(2-メチル-8-キノリナート)クロロガリウム、ビス(2-メチル-8-キノリナート)(o-クレゾラート)ガリウム、ビス(2-メチル-8-キノリナート)-1-ナフトラートアルミニウム、ビス(2-メチル-8-キノリナート)-2-ナフトラートガリウム等が挙げられる。
<<電子注入層8>>
電子注入層8は、電子輸送層7と、陰極9との間に設けられる。
電子注入層は、電子注入性を向上させ、素子特性(例えば、発光効率、定電圧駆動、高耐久性)を向上させることができる。
電子注入層として望ましい化合物としては、フルオレノン、アントラキノジメタン、ジフェノキノン、チオピランジオキシド、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、イミダゾール、ペリレンテトラカルボン酸、フレオレニリデンメタン、アントラキノジメタン、アントロン等が挙げられる。また、上記に記した金属錯体やアルカリ金属酸化物、アルカリ土類酸化物、希土類酸化物、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類ハロゲン化物、希土類ハロゲン化物、SiO、AlO、SiN、SiON、AlON、GeO、LiO、LiON、TiO、TiON、TaO、TaON、TaN、Cなどの各種酸化物、窒化物、または酸化窒化物のような無機化合物等も使用できる。
<<陰極9>>
電子注入層8上には陰極9が設けられている。
陽極を通過した発光のみが取り出される構成の有機EL素子の場合、前述したように陰極は、任意の導電性材料から形成することができる。望ましい陰極材料としては、ナトリウム、ナトリウム-カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。
本発明の一実施形態にかかるアリールアミンポリマーは、輝度が高く、長寿命の燐光発光性または蛍光発光性の有機エレクトロルミネッセンス素子を提供できる。
更に、本発明の一実施形態にかかるアリールアミンポリマーの高分子量であるということも、耐久性が高いことに寄与する。従って、本発明の一実施形態にかかるアリールアミンポリマーによれば、長寿命の有機エレクトロルミネッセンス素子を提供できる。
また、本発明の一実施形態にかかるアリールアミンポリマーは特定の溶媒への選択的溶解性に優れるため、良溶媒を用いた塗布プロセスに適する。また、本発明の一実施形態にかかるアリールアミンポリマーは、貧溶媒を用いて発光層を塗布プロセスで上塗りしてもアリールアミンポリマー層を侵食しない。したがって、本発明の一実施形態にかかるアリールアミンポリマーは、有機エレクトロルミネッセンス素子の連続塗布成膜プロセスに必要な材料を提供できる。
さらに、本発明の一実施形態にかかるアリールアミンポリマーはハロゲン系溶媒のみならず、トルエンやキシレンなどの非ハロゲン系溶媒への溶解性も高い。ハロゲン系溶媒は毒性や環境負荷の観点から、大量に使用することは望ましくなく、製造プロセスにおいても本発明の一実施形態にかかるアリールアミンポリマーは優れている。
また、本発明の一実施形態にかかるアリールアミンポリマーは、優れた電気的耐久性、溶解性を有することから、有機エレクトロルミネッセンス素子に限らず、電子写真感光体、光電変換素子、有機太陽電池、有機TFT(Thin Film Transistor)素子等にも有効に利用することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されて解釈されるものではない。
実施例および参考例における各種物性の測定方法は以下のとおりである。
ポリマー分子量:THF系GPC(HLC-8220(東ソー社製)、カラムはTSKgel-SuperH3000、TSKgel-SuperH2000、TSKgel-SuperH1000(いずれも東ソー社製)を連結した。)にて、合成したポリマーの分子量測定を行った。分子量は標準ポリスチレン換算で示した。
ガラス転移温度:示差走査熱量計 DSC200F3(ネッチ社製)を用いて測定した。
HOMO準位:大気中光電子分光装置 AC-3(理研計器株式会社製)を用いて測定した。
LUMO準位:UV-vis吸収スペクトルの吸収端からエネルギーギャップ(Eg)を算出し、HOMOから差し引くことで求めた。
元素分析:全自動元素分析装置 2400II(パーキンエルマー社製)を用いて分析した。
燐光スペクトル測定:分光蛍光光度計 F-2500(日立ハイテクサイエンス社製)を用いて測定した。
参考例1 アリールアミンポリマー(HTP-0)の合成
冷却管、温度計を装着した50mL三つ口丸底フラスコに、室温(15℃以上30℃以下)、窒素雰囲気下において、4,4’-ジヨードビフェニル 1.50g(3.69mmol)、4-ブチルアニリン 0.55g(3.69mmol)、ナトリウム-tert-ブトキシド 1.42g(14.76mmol)及びo-キシレン 14.7gを仕込んだ。この混合液に、予め窒素雰囲気下で調製したトリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0) 16.9mg(0.0185mmol)及びトリ-tert-ブチルホスフィン 15.0mg(0.074mmol)のo-キシレン(59.9mg)溶液を添加した。次いで、窒素雰囲気下、温度を120℃まで昇温し、120℃で加熱攪拌しながら3時間熟成した。
次いで、4-ブチルアニリン 0.11g(0.74mmol)を添加し、さらに120℃で3時間反応を行った。反応終了後、約80℃まで放冷した反応混合物を、90%アセトン水溶液(200mL)の攪拌溶液中へゆっくり加え、固体を析出させた。ろ過により固体をろ別回収し、アセトン、水、アセトンの順番で洗浄した後、減圧乾燥して淡黄色固体1を0.98g得た。
冷却管、温度計を装着した50mL三つ口丸底フラスコに、室温、窒素雰囲気下において、上記の淡黄色固体 0.93g、4-ブロモトリフェニルアミン 0.24g(0.74mmol)、ナトリウム-tert-ブトキシド 1.42g(14.76mmol)及びo-キシレン 19.4gを仕込んだ。この混合液に、予め窒素雰囲気下で調製したトリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0) 16.9mg(0.0185mmol)及びトリ-tert-ブチルホスフィン 15.0mg(0.074mmol)のo-キシレン(59.9mg)溶液を添加した。次いで、窒素雰囲気下、温度を120℃まで昇温し、120℃で加熱攪拌しながら3時間熟成した。反応終了後、約80℃まで放冷した反応混合物を、90%アセトン水溶液(200mL)の攪拌溶液中へゆっくり加え、固体を析出させた。ろ過により固体をろ別回収し、アセトン、水、アセトンの順番で洗浄した後、減圧乾燥して淡黄色固体2を0.91g得た。
更に、ポリマーをクロロベンゼンに溶解させ、アルミナ、シリカゲルのカラムに通液した。ポリマーを含む溶出クロロベンゼン溶液を回収し、アセトンに注いでポリマーを沈殿させた。ろ別回収したポリマーを80℃で減圧乾燥し、アリールアミンポリマー(HTP-0)を0.68g(収率62%)得た。
以上の反応スキームを以下に示す。
Figure 0006996240000033
得られたアリールアミンポリマー(HTP-0)は、ポリスチレン換算で重量平均分子量40,000及び数平均分子16,000(分散度2.5)であった。
実施例1 アリールアミンポリマー(HTP-1)の合成
冷却管、温度計を装着した50mL三つ口丸底フラスコに、室温、窒素雰囲気下において、N,N’-ビス(4-ブチルフェニル)ベンジジン 1.00g(2.22mmol)、2,7-ジブロモ-9,9-ジメチルフルオレン 0.78g(2.22mmol)、ナトリウム-tert-ブトキシド 0.85g(8.88mmol)及びo-キシレン 18.9gを仕込んだ。この混合液に、予め窒素雰囲気下で調製したトリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0) 10.2mg(0.0111mmol)及びトリ-tert-ブチルホスフィン 9.0mg(0.0444mmol)のo-キシレン(35.9mg)溶液を添加した。次いで、窒素雰囲気下、温度を120℃まで昇温し、120℃で加熱攪拌しながら3時間熟成した。
次いで、4-ブチルアニリン 0.11g(0.74mmol)を添加し、さらに120℃で3時間反応を行った。反応終了後、約80℃まで放冷した反応混合物を、90%アセトン水溶液(200mL)の攪拌溶液中へゆっくり加え、固体を析出させた。ろ過により固体をろ別回収し、アセトン、水、アセトンの順番で洗浄した後、減圧乾燥して淡黄色固体3を1.35g得た。
冷却管、温度計を装着した50mL三つ口丸底フラスコに、室温、窒素雰囲気下において、上記の淡黄色固体3 0.98g、4-ブロモトリフェニルアミン 0.24g(0.74mmol)、ナトリウム-tert-ブトキシド 0.14g(1.48mmol)及びo-キシレン 19.4gを仕込んだ。この混合液に、予め窒素雰囲気下で調製したトリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0) 16.9mg(0.0185mmol)及びトリ-tert-ブチルホスフィン 15.0mg(0.074mmol)のo-キシレン(59.9mg)溶液を添加した。次いで、窒素雰囲気下、温度を120℃まで昇温し、120℃で加熱攪拌しながら3時間熟成した。反応終了後、約80℃まで放冷した反応混合物を、90%アセトン水溶液(200mL)の攪拌溶液中へゆっくり加え、固体を析出させた。ろ過により固体をろ別回収し、アセトン、水、アセトンの順番で洗浄した後、減圧乾燥して淡黄色固体4を1.28g得た。
更に、ポリマーをクロロベンゼンに溶解させ、アルミナ、シリカゲルのカラムに通液した。ポリマーを含む溶出クロロベンゼン溶液を回収し、アセトンに注いでポリマーを沈殿させた。ろ別回収したポリマーを80℃で減圧乾燥し、アリールアミンポリマー(HTP-1)を0.88g(収率62%)得た。
以上の反応スキームを以下に示す。
Figure 0006996240000034
得られたアリールアミンポリマー(HTP-1)は、ポリスチレン換算で重量平均分子量100,000及び数平均分子32,000(分散度3.1)であった。
HOMO準位は5.24eV、LUMO準位は2.37eVであった。また、ガラス転移温度は300℃までに検出されなかった。
UV-Visスペクトル測定用サンプルチューブ内でアリールアミンポリマー(HTP-1) 1mgと2-メチルテトラヒドロフラン 1mLとをよく混合し、均一な溶液を調製した。この溶液を窒素ガスで10分間バブリングすることによって脱気した後、このサンプルチューブを密栓し、燐光スペクトルを測定した。燐光スペクトルから算出されたアリールアミンポリマー(HTP-1)の励起三重項準位は、2.33eVであった。
実施例2 アリールアミンポリマー(HTP-2)の合成
実施例1において、4-ブロモトリフェニルアミンの代わりに、4-ブロモ-4’-フェニルトリフェニルアミン 0.30g(0.74mmol)を使用した以外は、実施例1と同様に行い、アリールアミンポリマー(HTP-2)を収率72%で得た。
以上の反応スキームを以下に示す。
Figure 0006996240000035
得られたアリールアミンポリマー(HTP-2)は、ポリスチレン換算で重量平均分子量100,000及び数平均分子33,000(分散度3.0)であった。
HOMO準位は5.26eV、LUMO準位は2.35eVであった。また、ガラス転移温度は300℃までに検出されなかった。
実施例1と同様にして測定されたアリールアミンポリマー(HTP-2)の励起三重項準位は2.33eVであった。
実施例3 アリールアミンポリマー(HTP-3)の合成
実施例1において、4-ブロモトリフェニルアミンの代わりに、4-ブロモ-4’、4’’-ジメチルトリフェニルアミン 0.26g(0.74mmol)を使用した以外は、実施例1と同様に行い、アリールアミンポリマー(HTP-3)を収率75%で得た。
以上の反応スキームを以下に示す。
Figure 0006996240000036

得られたアリールアミンポリマー(HTP-3)は、ポリスチレン換算で重量平均分子量98,000及び数平均分子26,000(分散度3.8)であった。
HOMO準位は5.23eV、LUMO準位は2.36eVであった。また、ガラス転移温度は300℃までに検出されなかった。
実施例1と同様にして測定されたアリールアミンポリマー(HTP-3)の励起三重項準位は2.33eVであった。
実施例4 アリールアミンポリマー(HTP-4)の合成
実施例1において、4-ブロモトリフェニルアミンの代わりに、3-アミノ-N-4-ブロモフェニル-N-フェニル-9-フェニルカルバゾール 0.36g(0.74mmol)を使用した以外は、実施例1と同様に行い、アリールアミンポリマー(HTP-4)を収率55%で得た。
以上の反応スキームを以下に示す。
Figure 0006996240000037

得られたアリールアミンポリマー(HTP-4)は、ポリスチレン換算で重量平均分子量92,000及び数平均分子26,000(分散度3.5)であった。
HOMO準位は5.23eV、LUMO準位は2.35eVであった。また、ガラス転移温度は300℃までに検出されなかった。
実施例1と同様にして測定されたアリールアミンポリマー(HTP-4)の励起三重項準位は2.33eVであった。
実施例5 アリールアミンポリマー(HTP-5)の合成
実施例1において、4-ブロモトリフェニルアミンの代わりに、3-アミノ-N-4-ブロモフェニル-N-フェニル-9-フェニルカルバゾール 0.38g(0.74mmol)を使用した以外は、実施例1と同様に行い、アリールアミンポリマー(HTP-5)を収率51%で得た。
以上の反応スキームを以下に示す。
Figure 0006996240000038

得られたアリールアミンポリマー(HTP-5)は、ポリスチレン換算で重量平均分子量11,000及び数平均分子33,000(分散度3.3)であった。
HOMO準位は5.25eV、LUMO準位は2.34eVであった。また、ガラス転移温度は300℃までに検出されなかった。
実施例1と同様にして測定されたアリールアミンポリマー(HTP-5)の励起三重項準位は2.32eVであった。
実施例6 アリールアミンポリマー(HTP-6)の合成
実施例1において、4-ブロモトリフェニルアミンの代わりに、N-[5-ブロモチオフェン-2-イル]-N,N-ジフェニルアミン 0.24g(0.74mmol)を使用した以外は、実施例1と同様に行い、アリールアミンポリマー(HTP-6)を収率61%で得た。
以上の反応スキームを以下に示す。
Figure 0006996240000039
得られたアリールアミンポリマー(HTP-6)は、ポリスチレン換算で重量平均分子量97,000及び数平均分子26,000(分散度3.7)であった。
HOMO準位は5.24eV、LUMO準位は2.34eVであった。また、ガラス転移温度は300℃までに検出されなかった。
実施例1と同様にして測定されたアリールアミンポリマー(HTP-6)の励起三重項準位は2.32eVであった。
実施例7 アリールアミンポリマー(HTP-7)の合成
実施例1において、4-ブロモトリフェニルアミンの代わりに、N-[5-ブロモ-3、4-エチレンジオキシチオフェン-2-イル]-N,N-ジフェニルアミン 0.29g(0.74mmol)を使用した以外は、実施例1と同様に行い、アリールアミンポリマー(HTP-7)を収率61%で得た。
以上の反応スキームを以下に示す。
Figure 0006996240000040
得られたアリールアミンポリマー(HTP-7)は、ポリスチレン換算で重量平均分子量95,000及び数平均分子24,000(分散度4.0)であった。
HOMO準位は5.24eV、LUMO準位は2.35eVであった。また、ガラス転移温度は300℃までに検出されなかった。
実施例1と同様にして測定されたアリールアミンポリマー(HTP-7)の励起三重項準位は2.31eVであった。
実施例8 アリールアミンポリマー(HTP-8)の合成
冷却管、温度計を装着した50mL三つ口丸底フラスコに、室温、窒素雰囲気下において、N,N’-ビス(4-メチルフェニル)ベンジジン 0.40g(1.11mmol)とN,N’-ビス(2,4-ジメチルフェニル)ベンジジン 0.44g(1.11mmol)、2,7-ジブロモ-9,9-ジメチルフルオレン 0.78g(2.22mmol)、ナトリウム-tert-ブトキシド 0.85g(8.88mmol)及びo-キシレン 18.9gを仕込んだ。この混合液に、予め窒素雰囲気下で調製したトリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0) 10.2mg(0.0111mmol)及びトリ-tert-ブチルホスフィン 9.0mg(0.0444mmol)のo-キシレン(35.9mg)溶液を添加した。次いで、窒素雰囲気下、温度を120℃まで昇温し、120℃で加熱攪拌しながら3時間熟成した。
次いで、4-ブロモトリフェニルアミン 0.24g(0.74mmol)を添加し、さらに120℃で3時間反応を行った。次いで、N、N-ジフェニル-N’-4-メチルフェニル-p-フェニレンジアミン 0.52g(1.48mmol)を添加し、さらに120℃で3時間反応を行なった。
反応終了後、約80℃まで放冷した反応混合物を、90%アセトン水溶液(200mL)の攪拌溶液中へゆっくり加え、固体を析出させた。ろ過により固体をろ別回収し、アセトン、水、アセトンの順番で洗浄した後、減圧乾燥して淡黄色固体を1.20g得た。
更に、ポリマーをクロロベンゼンに溶解させ、アルミナ、シリカゲルのカラムに通液した。ポリマーを含む溶出クロロベンゼン溶液を回収し、アセトンに注いでポリマーを沈殿させた。ろ別回収したポリマーを80℃で減圧乾燥し、アリールアミンポリマー(HTP-8)を0.89g(収率71%)得た。
以上の反応スキームを以下に示す。
Figure 0006996240000041
式中の括弧内で表される繰り返し構造が、ランダムに出現するランダム重合体である。
ポリマー中の繰り返し構造のモル分率を示すnとmの比率は、0.52:0.48である。
得られたアリールアミンポリマー(HTP-8)は、ポリスチレン換算で重量平均分子量52,000及び数平均分子27,000(分散度1.9)であった。
HOMO準位は5.18eV、LUMO準位は2.29eVであった。また、ガラス転移温度は274℃であった。
実施例1と同様にして測定されたアリールアミンポリマー(HTP-8)の励起三重項準位は2.33eVであった。
実施例9(素子の作製と評価)
厚さ200nmのITO透明電極(陽極)を積層したガラス基板をアセトンおよび純水による超音波洗浄、イソプロピルアルコールによる沸騰洗浄を行った。さらに紫外線オゾン洗浄を行った。
この基板上に、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)-ポリスチレンスルホン酸(H.C.Starck GmbH製、Baytron P CH8000)の懸濁液を、スピンコート法により塗布し、200℃にて1時間乾燥した。その結果、80nmの厚みの正孔注入層が製膜された。
次に、実施例1で取得したアリールアミンポリマー(HTP-1)の0.5mass%クロロベンゼン溶液をスピンコート法によって塗布し、160℃で3時間乾燥した。その結果、アリールアミンポリマー(HTP-1)の20nmの正孔輸送層が製膜された。
次に、真空蒸着装置へ設置後、5×10-4Pa以下になるまで真空ポンプにて排気した。続いて、燐光ドーパント材料であるトリス(2-フェニルピリジン)イリジウム(Ir(ppy))とホスト材料である4,4’-ビス(N-カルバゾリル)ビフェニル(CBP)とを重量比が1:11.5になるように蒸着速度0.25nm/秒で共蒸着し、30nmの発光層とした。
次に、BAlq(ビス(2-メチル-8-キノリノラト)(p-フェニルフェノラト)アルミニウム)を蒸着速度0.3nm/秒で蒸着し、5nmのバッファー層とした後、さらにAlq(トリス(8-キノリノラト)アルミニウム)を0.3nm/秒で蒸着し、45nmの電子輸送層とした。引き続き、電子注入層として沸化リチウムを蒸着速度0.01nm/秒で0.5nm蒸着し、さらにアルミニウムを蒸着速度0.25nm/秒で100nm蒸着して陰極を形成した。窒素雰囲気下、封止用のガラス板をUV硬化樹脂で接着し、評価用の有機EL素子とした。
このように作製した素子に20mA/cmの電流を印加し、駆動電圧および電流効率(発光効率)を測定した。また、初期輝度を2000cd/mとした際の輝度半減寿命を調べた。評価結果を表1に示した。
実施例10(素子の作製と評価)
実施例9において、アリールアミンポリマー(HTP-1)の代わりに実施例2で合成したアリールアミンポリマー(HTP-2)を用いた他は、実施例9と同様に素子を作製して駆動電圧、電流効率および輝度半減寿命を測定した。評価結果を表1に示した。
実施例11(素子の作製と評価)
実施例9において、アリールアミンポリマー(HTP-1)の代わりに実施例3で合成したアリールアミンポリマー(HTP-3)を用いた他は、実施例9と同様に素子を作製して駆動電圧、電流効率および輝度半減寿命を測定した。評価結果を表1に示した。
実施例12(素子の作製と評価)
実施例9において、アリールアミンポリマー(HTP-1)の代わりに実施例4で合成したアリールアミンポリマー(HTP-4)を用いた他は、実施例9と同様に素子を作製して駆動電圧、電流効率および輝度半減寿命を測定した。評価結果を表1に示した。
実施例13(素子の作製と評価)
実施例9において、アリールアミンポリマー(HTP-1)の代わりに実施例5で合成したアリールアミンポリマー(HTP-5)を用いた他は、実施例9と同様に素子を作製して駆動電圧、電流効率および輝度半減寿命を測定した。評価結果を表1に示した。
実施例14(素子の作製と評価)
実施例9において、アリールアミンポリマー(HTP-1)の代わりに実施例6で合成したアリールアミンポリマー(HTP-6)を用いた他は、実施例9と同様に素子を作製して駆動電圧、電流効率および輝度半減寿命を測定した。評価結果を表1に示した。
実施例15(素子の作製と評価)
実施例9において、アリールアミンポリマー(HTP-1)の代わりに実施例7で合成したアリールアミンポリマー(HTP-7)を用いた他は、実施例9と同様に素子を作製して駆動電圧、電流効率および輝度半減寿命を測定した。評価結果を表1に示した。
実施例16(素子の作製と評価)
実施例9において、アリールアミンポリマー(HTP-1)の代わりに実施例8で合成したアリールアミンポリマー(HTP-8)を用いた他は、実施例9と同様に素子を作製して駆動電圧、電流効率および輝度半減寿命を測定した。評価結果を表1に示した。
参考例2(素子の作製と評価)
実施例9において、アリールアミンポリマー(HTP-1)の代わりに参考例1で三重項準位を測定したアリールアミンポリマー(HTP-0)を用いた他は、実施例9と同様に素子を作製して駆動電圧、電流効率および輝度半減寿命を測定した。評価結果を表1に示した。なお、実施例9~実施例16の測定値を参考例2の測定値を100として規格化して表示した。
Figure 0006996240000042
実施例17(溶解性評価)
アリールアミンポリマー(HTP-1) 1mgをo―キシレン 1.0g中に投入し、25℃環境下で撹拌すると、容易に溶解した。
アリールアミンポリマー(HTP-2) 1mgをo―キシレン 1.0g中に投入し、25℃環境下で撹拌すると、容易に溶解した。
アリールアミンポリマー(HTP-3) 1mgをo―キシレン 1.0g中に投入し、25℃環境下で撹拌すると、容易に溶解した。
アリールアミンポリマー(HTP-4) 1mgをo―キシレン 1.0g中に投入し、25℃環境下で撹拌すると、容易に溶解した。
アリールアミンポリマー(HTP-5) 1mgをo―キシレン 1.0g中に投入し、25℃環境下で撹拌すると、容易に溶解した。
アリールアミンポリマー(HTP-6) 1mgをo―キシレン 1.0g中に投入し、25℃環境下で撹拌すると、容易に溶解した。
アリールアミンポリマー(HTP-7) 1mgをo―キシレン 1.0g中に投入し、25℃環境下で撹拌すると、容易に溶解した。
アリールアミンポリマー(HTP-8) 10mgをo―キシレン 1.0g中に投入し、25℃環境下で撹拌すると、容易に溶解した。
また、(HTP-1)~(HTP-8)は、室温(15℃~30℃)環境下で放置しても析出することがなく、取扱い性に優れるものであった。
参考例3(溶解性評価)
アリールアミンポリマー(HTP-0) 1mgをo―キシレン 1.0g中において100℃30分加熱しても完全には溶解しなかった。
したがって、本発明の一実施形態にかかるアリールアミンポリマーは、溶解性が高く、取扱い性に優れ、消費電力が少なく、電流効率に優れることで輝度が高く、耐久性の高い燐光発光性または蛍光発光性の有機EL素子を提供できる。
本発明の一実施形態にかかるアリールアミンポリマーは、従来公知の高分子系化合物と励起三重項準位が同等以上であり、且つ耐久性も高く、また電荷に対する耐久性も高い。
そのため、本発明の一実施形態にかかるアリールアミンポリマーを用いれば、寿命に優れる有機EL素子を提供することが可能となる。したがって、本発明の一実施形態にかかるアリールアミンポリマーは、電流効率に優れることで輝度が高く、消費電力の少ない燐光発光性または蛍光発光性の有機EL素子を提供できる。
1 基板
2 陽極
3 正孔注入層
4 正孔輸送層
5 発光層
6 バッファー層
7 電子輸送層
8 電子注入層
9 陰極
100 有機エレクトロルミネッセンス素子

Claims (4)

  1. 下記式
    Figure 0006996240000043
    のいずれかで表される、アリールアミンポリマー。
  2. 請求項1に記載のアリールアミンポリマーを含むことを特徴とする電荷輸送材料。
  3. 正孔輸送材料、正孔注入材料、バッファー材料、または発光ホスト材料であることを特徴とする請求項2に記載の電荷輸送材料。
  4. 有機溶媒と、請求項に記載の電荷輸送材料と、を含むことを特徴とする電荷輸送材料含有塗布液。
JP2017217335A 2017-11-10 2017-11-10 アリールアミンポリマー、および電荷輸送材料 Active JP6996240B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017217335A JP6996240B2 (ja) 2017-11-10 2017-11-10 アリールアミンポリマー、および電荷輸送材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017217335A JP6996240B2 (ja) 2017-11-10 2017-11-10 アリールアミンポリマー、および電荷輸送材料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019085538A JP2019085538A (ja) 2019-06-06
JP6996240B2 true JP6996240B2 (ja) 2022-01-17

Family

ID=66762467

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017217335A Active JP6996240B2 (ja) 2017-11-10 2017-11-10 アリールアミンポリマー、および電荷輸送材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6996240B2 (ja)

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004292782A (ja) 2003-02-06 2004-10-21 Tosoh Corp 新規トリアリールアミンポリマー、その製造方法及びその用途
JP2011105790A (ja) 2009-11-12 2011-06-02 Mitsubishi Chemicals Corp アリールアミンポリマー、有機電界発光素子材料、有機電界発光素子用組成物、有機電界発光素子、有機el表示装置及び有機el照明
JP2012007021A (ja) 2010-06-22 2012-01-12 Tosoh Corp 新規トリアリールアミンポリマー、その製造方法及びその用途
JP2012092181A (ja) 2010-10-25 2012-05-17 Tosoh Corp ランダム共重合体
JP2012102286A (ja) 2010-11-12 2012-05-31 Mitsubishi Chemicals Corp アリールアミンポリマー、電荷輸送材料、有機電界発光素子用組成物、有機電界発光素子、有機el表示装置及び有機el照明
JP2014065885A (ja) 2012-09-06 2014-04-17 Tosoh Corp アリールアミンポリマー、その製造方法及びその用途
WO2015050232A1 (ja) 2013-10-04 2015-04-09 三菱化学株式会社 重合体、有機電界発光素子用組成物、有機電界発光素子、有機el表示装置及び有機el照明
JP2017155208A (ja) 2015-10-14 2017-09-07 東ソー株式会社 アリールアミンポリマー、その製造方法及びその用途

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004292782A (ja) 2003-02-06 2004-10-21 Tosoh Corp 新規トリアリールアミンポリマー、その製造方法及びその用途
JP2011105790A (ja) 2009-11-12 2011-06-02 Mitsubishi Chemicals Corp アリールアミンポリマー、有機電界発光素子材料、有機電界発光素子用組成物、有機電界発光素子、有機el表示装置及び有機el照明
JP2012007021A (ja) 2010-06-22 2012-01-12 Tosoh Corp 新規トリアリールアミンポリマー、その製造方法及びその用途
JP2012092181A (ja) 2010-10-25 2012-05-17 Tosoh Corp ランダム共重合体
JP2012102286A (ja) 2010-11-12 2012-05-31 Mitsubishi Chemicals Corp アリールアミンポリマー、電荷輸送材料、有機電界発光素子用組成物、有機電界発光素子、有機el表示装置及び有機el照明
JP2014065885A (ja) 2012-09-06 2014-04-17 Tosoh Corp アリールアミンポリマー、その製造方法及びその用途
WO2015050232A1 (ja) 2013-10-04 2015-04-09 三菱化学株式会社 重合体、有機電界発光素子用組成物、有機電界発光素子、有機el表示装置及び有機el照明
JP2017155208A (ja) 2015-10-14 2017-09-07 東ソー株式会社 アリールアミンポリマー、その製造方法及びその用途

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019085538A (ja) 2019-06-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101599563B1 (ko) 전기활성 재료
KR101817808B1 (ko) 전기활성 재료
JP5567656B2 (ja) 電気活性材料
KR101564129B1 (ko) 전기활성 재료
KR101616149B1 (ko) 전기활성 재료
TW200818566A (en) Organic electronic devices
US10879467B2 (en) Hole transport materials
JP6922734B2 (ja) イリジウム錯体化合物、該化合物を含有する有機電界発光素子、表示装置及び照明装置
JP6835133B2 (ja) アリールアミンポリマー、その製造方法及びその用途
JP5453249B2 (ja) 発光用途のための電荷輸送材料
US20240147833A1 (en) Iridium Complex Compound, Iridium Complex Compound-Containing Composition, Organic Electroluminescent Element, and Method for Manufacturing the Same
JP7251065B2 (ja) 共役高分子化合物、およびその用途
KR102253688B1 (ko) 전기 활성 물질
JP6413371B2 (ja) アリールアミン共重合体、その製造方法及びその用途
JP6379705B2 (ja) アリールアミンポリマー、その製造方法及びその用途
JP6996240B2 (ja) アリールアミンポリマー、および電荷輸送材料
TW202110997A (zh) 有機電場發光元件用組成物、有機電場發光元件及其製造方法、顯示裝置及照明裝置
JP2011148725A (ja) 発光性組成物、有機電界発光素子、及びベンゾジフラン誘導体
JP6379712B2 (ja) アリールアミンポリマー、その製造方法及びその用途
JP6705194B2 (ja) アリールアミンポリマー、その製造方法及びその用途
JP6890882B2 (ja) トリアジン化合物とそれを用いた有機電界発光素子
JP6451092B2 (ja) アリールアミンポリマーおよびその用途
JP2016000773A (ja) アリールアミンポリマー及びそれを用いた電子素子

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201016

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210817

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210831

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211026

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211116

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211129

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6996240

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151