JPWO2020004624A1 - 配線基板及びその製造方法、並びに電子部品及びその製造方法 - Google Patents

配線基板及びその製造方法、並びに電子部品及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

有機物絶縁層に由来する柔軟性を有しながらも、金属配線と有機物絶縁層との密着性が高い配線基板を提供するとともに、そのような配線基板を、フォトリソグラフィー法を用いることなく製造する方法を提供すること。
本発明の配線基板は、金属配線配置部と、金属配線非配置部とを備え、金属配線配置部においては、金属配線と、第1の拡散層と、第1の有機物絶縁層とが積層されており、金属配線非配置部においては、金属酸化物層と、第2の拡散層と、第2の有機物絶縁層とが積層されており、金属配線は、第1の金属元素からなり、第1の拡散層は、第1の金属元素及び第2の金属元素を含み、金属酸化物層は、第2の金属元素の酸化物からなり、第2の拡散層は、第2の金属元素を含み、第2の金属元素は、第1の金属元素より酸化物形成傾向が強いことを特徴とする。

Description

本発明は、配線基板及びその製造方法、並びに電子部品及びその製造方法に関する。
フレキシブル配線基板は、可撓性のある有機物絶縁フィルムを基板として、このフィルム上に金属配線を形成したものである。
金属配線の形成方法としては、サブトラクティブ法、セミアディティブ法及びアディティブ法の3種類が挙げられる。具体的に、サブトラクティブ法では、金属箔を基板に張り付けて、フォトリソグラフィー工程によって配線を形成させる。また、セミアディティブ法では、シード層となる薄膜をスパッタ法等で基板上に被着した後に、電解めっきを行って配線を形成させる(例えば、特許文献1、2)。さらに、アディティブ法では、インクジェットやスクリーン印刷によって金属配線を基板上に直接描画する。
サブトラクティブ法とセミアディティブ法はいずれもフォトリソグラフィー工程が必要であり、工程数が多いことに加えて、廃液処理が必要となる等、コストと環境に対する負荷が大きい。これに対して、アディティブ法はフォトリソグラフィー工程が不要であるという利点がある。しかし、基板上に金属配線を形成しただけでは、金属配線の密着強度が弱いため金属配線が容易に剥離するという問題がある。金属配線と基板の密着強度を高めるには、基板上に予めNi−Cr合金薄膜を密着層として形成し、その後に金属配線を形成する方法がある(例えば、非特許文献1参照)。しかし、この方法を用いればNi−Cr合金薄膜を配線形状にエッチングする必要が生じ、フォトリソグラフィー工程が必要となる。
アディティブ法によって金属配線を形成するフレキシブル配線基板は、金属配線と有機物絶縁層との界面での密着性が十分でなく、フォトリソグラフィー法を用いて金属合金のシード層を形成することが要求される。この方法は工程数が多く、廃液処理が必要となるため、高価且つ環境負荷が大きいという課題がある。
特開昭62−72200号公報 特開平5−136547号公報
Y.Cao,J.Tian,and X.Hu,This Solid Films,Vol.365(1),pp.49−52(2000)
本発明は、以上のような実情に鑑みてなされたものであり、有機物絶縁層に由来する柔軟性を有しながらも、金属配線と有機物絶縁層との密着性が高い配線基板を提供するとともに、そのような配線基板を、フォトリソグラフィー法を用いることなく製造するできる方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上述した課題を解決するために、鋭意検討を重ねた。その結果、金属配線配置部と、金属配線非配置部とを備える配線基板において、金属配線配置部に、金属配線と、第1の拡散層と、第1の有機物絶縁層とが積層されており、金属配線非配置部において、金属酸化物層と、第2の拡散層と、第2の有機物絶縁層とが積層された構造を備え、金属配線、第1の拡散層、酸化物層及び第2の拡散層に所定の関係を有する金属元素を含むものを構成することにより、金属配線と有機物絶縁層との密着性を高めた配線基板を得ることができること、並びにそのような配線基板は、有機物絶縁層の表面に金属層を形成し、さらにその表面に金属層に含まれる金属元素と所定の関係を有する焼結前配線を形成した焼結前基板を、酸化雰囲気下及び還元雰囲気下で順に加熱することにより得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。具体的に、本発明は以下のものを提供する。
(1)金属配線配置部と、金属配線非配置部とを備え、
前記金属配線配置部においては、金属配線と、第1の拡散層と、第1の有機物絶縁層とが積層されており、
前記金属配線非配置部においては、金属酸化物層と、第2の拡散層と、第2の有機物絶縁層とが積層されており、
前記金属配線は、第1の金属元素からなり、
前記第1の拡散層は、第1の金属元素及び第2の金属元素を含み、
前記金属酸化物層は、第2の金属元素の酸化物からなり、
前記第2の拡散層は、第2の金属元素を含み、
前記第2の金属元素は、前記第1の金属元素より酸化物形成傾向が強い、配線基板。
(2)金属配線配置部と、金属配線非配置部とを備え、
前記金属配線配置部においては、金属配線と、第1の拡散層と、第1の有機物絶縁層とが積層されており、
前記金属配線非配置部においては、金属酸化物層と、第2の拡散層と、第2の有機物絶縁層とが積層されており、
前記金属配線は、第1の金属元素からなり、
前記第1の拡散層は、第1の金属元素及び第2の金属元素を含み、
前記金属酸化物層は、第2の金属元素の酸化物からなり、
前記第2の拡散層は、第2の金属元素を含み、
前記第1の金属元素は、Cu、Ag及びNiからなる群から選択される1種以上であり、
前記第2の金属元素は、Mn、Cr、V、Nb、Ta、Ti及びZrからなる群から選択される1種以上である、配線基板。
(3)金属配線配置部と、金属配線非配置部とを備え、
前記金属配線配置部においては、金属配線と、第1の拡散層と、第1の有機物絶縁層とが積層されており、
前記金属配線非配置部においては、金属酸化物層と、第2の拡散層と、第2の有機物絶縁層とが積層されており、
前記第1の拡散層の平均厚さは、前記第2の拡散層の平均厚さより厚く、
前記金属配線は、第1の金属元素からなり、
前記第1の拡散層は、第1の金属元素及び第2の金属元素を含み、
前記金属酸化物層は、第2の金属元素の酸化物からなり、
前記第2の拡散層は、第2の金属元素を含み、
前記第2の金属元素は、前記第1の金属元素より酸化物形成傾向が強い、配線基板。
(4)前記第1の金属元素は、Cu、Ag及びNiからなる群から選択される1種以上であり、
前記第2の金属元素は、Mn、Cr、V、Nb、Ta、Ti及びZrからなる群から選択される1種以上である、(3)に記載の配線基板。
(5)前記第2の拡散層の平均厚さに対する前記第1の拡散層の平均厚さ(第1の拡散層の平均厚さ/第2の拡散層の平均厚さ)は、5倍以上500倍以下である、(1)又は(2)に記載の配線基板。
(6)前記金属配線は、多孔質構造を有する、(1)〜(5)のいずれかに記載の配線基板。
(7)前記金属配線は、前記多孔質構造の間隙に、Cu、Ag及びNiからなる群から選択される1種以上からなる金属のめっきを含む、(6)に記載の配線基板。
(8)前記金属配線は、前記多孔質構造の間隙に、熱硬化樹脂を含む、(6)に記載の配線基板。
(9)金属配線配置部と、金属配線非配置部と、受動素子又は能動素子である1種以上からなる素子とを備え、
前記金属配線配置部においては、金属配線と、第1の拡散層と、第1の有機物絶縁層とが積層されており、
前記金属配線非配置部においては、金属酸化物層と、第2の拡散層と、第2の有機物絶縁層とが積層されており、
前記金属配線は、第1の金属元素からなり、
前記第1の拡散層は、第1の金属元素及び第2の金属元素を含み、
前記金属酸化物層は、第2の金属元素の酸化物からなり、
前記第2の拡散層は、第2の金属元素を含み、
前記第2の金属元素は、前記第1の金属元素より酸化物形成傾向が強く、
前記金属配線に、前記素子が接続されて構成される、電子デバイス。
(10)金属配線配置部と、金属配線非配置部と、受動素子又は能動素子である1種以上からなる素子とを備え、
前記金属配線配置部においては、金属配線と、第1の拡散層と、第1の有機物絶縁層とが積層されており、
前記金属配線非配置部においては、金属酸化物層と、第2の拡散層と、第2の有機物絶縁層とが積層されており、
前記金属配線は、第1の金属元素からなり、
前記第1の拡散層は、第1の金属元素及び第2の金属元素を含み、
前記金属酸化物層は、第2の金属元素の酸化物からなり、
前記第2の拡散層は、第2の金属元素を含み、
前記第1の金属元素は、Cu、Ag及びNiからなる群から選択される1種以上であり、
前記第2の金属元素は、Mn、Cr、V、Nb、Ta、Ti及びZrからなる群から選択される1種以上であり、
前記金属配線に、前記素子が接続されて構成される、電子デバイス。
(11)金属配線配置部と、金属配線非配置部と、受動素子又は能動素子である1種以上からなる素子とを備え、
前記金属配線配置部においては、金属配線と、第1の拡散層と、第1の有機物絶縁層とが積層されており、
前記金属配線非配置部においては、金属酸化物層と、第2の拡散層と、第2の有機物絶縁層とが積層されており、
前記第1の拡散層の平均厚さは、前記第2の拡散層の平均厚さより厚く、
前記金属配線は、第1の金属元素からなり、
前記第1の拡散層は、第1の金属元素及び第2の金属元素を含み、
前記金属酸化物層は、第2の金属元素の酸化物からなり、
前記第2の拡散層は、第2の金属元素を含み、
前記第2の金属元素は、前記第1の金属元素より酸化物形成傾向が強く、
前記金属配線に、前記素子が接続されて構成される、電子デバイス。
(12)前記金属配線と前記素子は、はんだ合金により接合されており、
前記はんだ合金は、前記金属配線の前記間隙に存在する、(9)〜(11)のいずれかに記載の電子デバイス。
(13)有機物絶縁層の表面に、第1の金属元素より酸化物形成傾向が強い第2の金属元素により金属層を形成する金属層形成工程と、
前記金属層の表面に、前記第1の金属元素を含む焼結前配線を備える焼結前基板を構成する焼結前基板形成工程と、
前記焼結前基板を、酸化雰囲気下で150℃以上450℃以下に加熱した後、還元雰囲気下で加熱焼結する焼結工程とを含む、配線基板の製造方法。
(14)有機物絶縁層の表面に、Mn、Cr、V、Nb、Ta、Ti及びZrからなる群から選択される1種以上である第2の金属元素により金属層を形成する金属層形成工程と、
前記金属層の表面に、Cu、Ag及びNiからなる群から選択される1種以上である第1の金属元素を含む焼結前配線を備える焼結前基板を構成する焼結前基板形成工程と、
前記焼結前基板を、酸化雰囲気下で150℃以上450℃以下に加熱した後、還元雰囲気下で加熱焼結する焼結工程とを含む、配線基板の製造方法。
(15)有機物絶縁層の表面に、第1の金属元素より酸化物形成傾向が強い第2の金属元素により金属層を形成する金属層形成工程と、
前記金属層の表面に、前記第1の金属元素を含む焼結前配線を備える焼結前基板を構成する焼結前配線形成工程と、
前記焼結前基板を、酸化雰囲気下で150℃以上450℃以下に加熱した後、還元雰囲気下で加熱焼結する焼結工程と、
受動素子又は能動素子である群から選択される1種以上からなる素子を、pH4以上7以下のはんだフラックスを用いて塗布する前記金属配線に接合する素子接合工程と、を含む、電子デバイスの製造方法。
(16)有機物絶縁層の表面に、Mn、Cr、V、Nb、Ta、Ti及びZrからなる群から選択される1種以上である第2の金属元素により金属層を形成する金属層形成工程と、
前記金属層の表面に、Cu、Ag及びNiからなる群から選択される1種以上である第1の金属元素を含む焼結前配線を備える焼結前基板を構成する焼結前配線形成工程と、
前記焼結前基板を、酸化雰囲気下で150℃以上450℃以下に加熱した後、還元雰囲気下で加熱焼結する焼結工程と、
受動素子又は能動素子である群から選択される1種以上からなる素子を、pH4以上7以下のはんだフラックスを用いて塗布する前記金属配線に接合する素子接合工程と、を含む、電子デバイスの製造方法。
本発明によれば、金属配線と有機物絶縁層との密着性が高い配線基板を提供することができるとともに、そのような配線基板を、フォトリソグラフィー法を用いることなく製造する方法を提供することができる。
金属配線配置部の縦断面模式図である。 金属配線非配置部の縦断面模式図である。 ポリイミドフィルム上にMnを成膜したサンプルのSEM−EDX分析結果であり、(a)Cu配線断面の全体像、(b)界面部分の拡大像、(c)Cu配線とポリイミドフィルムを含む領域(金属配線配置部)でEDXによる線分析を行った結果、(d)(b)の拡大図に番号を附した領域におけるEDXの点分析の結果である。 ポリイミドフィルム上にMnを成膜したサンプルのCu配線が形成されていない部分(金属配線非配置部)のXPS分析結果である。 Cu配線の間隙をエポキシで埋めたサンプル(Cu+Epoxy)、電界Cuめっきで埋めたサンプル(Cu+Cu Plating)、間隙に何も埋めなかったサンプル(Cu)の3種類の電気抵抗変化の測定結果である。 実施例6のサンプルA〜Eの電気抵抗変化の測定結果である。
以下、本発明の具体的な実施形態について、詳細に説明する。本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
<配線基板>
本実施形態に係る配線基板は、金属配線配置部と、金属配線非配置部とを備えるものである。以下、それぞれの部位について図を用いて詳細に説明する。なお、「金属配線配置部」とは、金属配線と第1の有機物絶縁層とを、その積層方向におけるそれぞれの両端とする積層構造を有する部位をいう。また、「金属配線非配置部」とは、金属酸化物層と第2の有機物絶縁層とを、その積層方向におけるそれぞれの両端とする積層構造を有する部位をいう。
〔金属配線配置部〕
図1は、金属配線配置部の縦断面模式図である。この金属配線配置部1においては、金属配線11と、第1の拡散層12と、第1の有機物絶縁層13とが積層されている。ここで金属配線11は、第1の金属元素からなるものである。また、第1の拡散層12は、第1の金属元素及び第2の金属元素を含むものである。
[第1の金属元素]
上述したとおり、第1の金属元素は、金属配線11を構成するものである。したがって、第1の金属元素は、充分な導電性を有している必要がある。具体的に、20℃におけるバルク材料の比抵抗が10×10−8Ωm以下である金属元素を用いることが好ましく、7×10−8Ωm以下である金属元素を用いることがより好ましく、3×10−8Ωm以下である金属元素を用いることがさらに好ましい。また、第1の金属元素は、第2の金属元素より導電率が高いことが好ましい。これにより、第1の金属元素が金属配線11の充分な導電性を担保できるとともに、金属配線間の絶縁性を維持することができる。
[第2の金属元素]
また、第2の金属元素は、金属配線非配置部における金属酸化物層を構成するものであるから、酸化物を形成しやすい金属であることが好ましい。特に後述する製造方法を用いて製造する場合には、熱処理後に容易に酸化して金属配線間の絶縁性を維持する必要がある。このため、第2の金属元素は、上述した第1の金属元素と比較して、酸化物形成傾向が強い金属元素である必要がある。ここで、「酸化物形成傾向」に関し、酸化物形成におけるギッブス自由エネルギーを温度に対してプロットしたエリンガム図において、二つの元素を比較したとき、一方の金属元素(元素X)がもう一方の金属元素(元素Y)より下側にあるとき、すなわち大きい負の自由エネルギーにあるとき、その一方の金属元素(元素X)は、もう一方の金属元素(元素Y)に対し酸化物形成傾向が強いものとする。
このような条件を満足する金属元素としては、例えば、第1の金属元素としてCu、Ag及びNiからなる群から選択される1種以上を用いることができ、第2の金属元素としてMn、Cr、V、Nb、Ta、Ti及びZrからなる群から選択される1種以上を用いることができる。「第1の金属元素」及び「第2の金属元素」の定義については、以下においても同様とする。
[金属配線]
金属配線11は、第1の金属元素からなるものである。この金属配線11は、配線基板において導電経路として作用する。
このような金属元素としては、例えばCu(銅)、Ag(銀)及びNi(ニッケル)が挙げられる。金属配線11として銅を用いることにより、低抵抗を示す配線を低コストで提供できる。また、銀を用いることにより、高温焼成時においても配線が酸化しない。さらに、ニッケルを用いることにより、高電流密度の負荷状態で発生するエレクトロマイグレーション不良を抑制できる。
金属配線11としては、配線としての導電性が担保できるのであれば、第1の金属元素を含む金属元素から構成される合金であってもよい。
金属配線11としては、特に限定されないが、多孔質構造を有するものであることが好ましい。このように、金属配線が多孔質構造を有することにより、金属配線の弾性率がバルク純金属の値より小さくなり、また、第1の有機物絶縁層13を構成する有機物材料の値に近くなる。このため、弾性変形時に金属配線11と第1の有機物絶縁層13との間に生じる集中応力が低減し、繰り返し曲げ等の耐久性に優れるフレキシブルな配線基板を提供することができる。
このような多孔質構造の金属配線11としては、例えば上述した金属元素を含む金属粒子の焼結体を用いることができる。金属粒子を焼結させることにより、金属粒子が部分的に溶融接合し、多孔質構造となる。金属配線11中の空隙の体積分率としては、2体積%以上であることが好ましく、5体積%以上であることがより好ましく、10体積%以上であることがさらに好ましく、20体積%以上であることが特に好ましい。また、空隙の体積分率としては、50体積%以下であることが好ましく、45体積%以下であることがより好ましく、40体積%以下であることがさらに好ましく、35体積%以下であることが特に好ましい。
このような金属配線11の多孔質構造においては、その内部に間隙が存在するため、機械的強度が低い部分が存在する。例えば、金属配線11が焼結体である場合、粒子同士が焼結した箇所が細く形成される「ネック」と呼ばれる部位が挙げられる。配線基板の変形に伴って金属配線11が変形すると、このような部分に変形に起因して力が集中し、局所破壊を起こしやすくなる。
そこで、金属配線11が多孔質構造を有する場合には、金属配線11がその多孔質構造の間隙に、導電性を有する金属元素、特に金属配線11を構成する第1の金属元素と同じCu、Ag及びNiからなる群から選択される1種以上からなる金属のめっきを含むことが好ましい。このようにして多孔質構造の間隙に、Cu、Ag及びNiからなる群から選択される1種以上からなる金属のめっきが存在することで、変形によりネックに集中する力を分散することができ、屈曲や伸縮等の変形に対する耐久性が向上する。さらに、導電性を有する金属によって空隙が充填されることから、電気抵抗率が低下する。
めっきによる空隙の充填率は、めっき前後の金属配線断面を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて組織観察し、((めっき前の空隙率)−(めっき後の空隙率))/(めっき前の空隙率)の式を用いて導出できる。また、金属配線断面はクロスセクションポリッシャを用いて作製することによって、正確な測定が可能となる。めっきによる空隙の充填率は特に限定されないが、30体積%以上であることが好ましく、40体積%以上であることがより好ましく、50体積%以上であることがさらに好ましく、60体積%以上であることが特に好ましい。めっきによる空隙の充填率が所要量以上であることにより、変形に対する耐久性を高めることができる。また、金属のめっきによる空隙の充填率としては、90体積%以下であることが好ましく、80体積%以下であることがより好ましく、70体積%以下であることがさらに好ましい。金属のめっきによる空隙の充填率が所要量以下であることにより、空隙以外の金属電極表面に過剰にめっきが形成されて配線形状が歪になることを防ぐことができる。
同様に、金属配線11の多孔質構造の間隙に熱硬化性樹脂を充填することで変形に対する耐久性を向上することができる。熱硬化性樹脂による充填は、めっき法での金属充填に比べて耐久性は劣るが、簡易的に形成できるという利点がある。樹脂の充填の具体的な方法としては、例えば室温において金属配線表面に樹脂を塗布し、圧力が10Pa以下の減圧容器に入れて10分程度放置し、空隙外部の減圧雰囲気と、空隙部の大気圧雰囲気を置換し、空隙部に樹脂を浸透させる方法が挙げられる。または、樹脂若しくはその溶液・分散液に浸漬させ、乾燥(必要に応じて加熱)するか、又はモノマー若しくはその溶液・分散液に浸漬させた後、そのモノマーの重合を行う方法が挙げられる。以上のような操作で樹脂が空隙内部に導入された後、樹脂を高温で熱硬化して、多孔質構造の間隙に熱硬化性樹脂が充填された金属配線11を得る。
熱硬化性樹脂としては、特に限定されないが、例えばフェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン、熱硬化性ポリイミド等を用いることが好ましい。
熱硬化樹脂による空隙の充填率としては、特に限定されないが、例えば30体積%以上であることが好ましく、40体積%以上であることがより好ましく、50体積%以上であることがさらに好ましく、60体積%以上であることが特に好ましい。熱硬化樹脂による空隙の充填率が所要量以上であることにより、変形に対する耐久性を高めることができる。また、熱硬化樹脂による空隙の充填率としては、90体積%以下であることが好ましく、80体積%以下であることがより好ましく、70体積%以下であることがさらに好ましい。熱硬化樹脂による空隙の充填率が所要量以下であることにより、樹脂と金属との熱膨張差に起因する熱応力の発生を抑制し、柔軟性(可とう性)を高めることができる。
[第1の拡散層]
第1の拡散層12は、上述した第1の金属元素及び第2の金属元素を含むものである。このような第1の拡散層12を有することにより、金属配線11と第1の有機物絶縁層13との密着性を高めることができる。なお、第1の拡散層12と金属配線11との界面は、配線基板の図1に示すような縦断面形状をEDX測定した場合において、金属配線11から第1の拡散層12の方向に電子線を走査して、第1の金属元素に由来する強度が、金属配線11における第1の金属元素に由来する強度のうちの最高強度に対して80%となる位置と定義する。また、第1の拡散層12と第1の有機物絶縁層13との界面は、配線基板の図1に示すような縦断面形状をEDX測定した場合において、有機物絶縁層13から第1の拡散層12の方向に走査して、炭素原子の強度が、有機物絶縁層13における炭素原子に由来する強度のうちの最高強度に対して80%となる位置と定義する。このようにして定めた金属配線層11と第1の拡散層12との界面位置と、第1の拡散層12と有機物絶縁層13との界面位置の距離をもって第1の拡散層の厚さとする。同様のEDX測定を5か所の異なる断面で実施し、これらの平均値をもって第1の拡散層の平均厚さとする。
第1の拡散層12の一部は、有機物絶縁体を含むことができる。すなわち、この一部の領域においては、第1の金属元素、第2の金属元素及び有機物絶縁体が混在することができる。また、この一部の領域においては、有機物絶縁体中に第1の金属元素及び第2の金属元素が拡散していることが好ましい。このように有機物絶縁体中に第1の金属元素及び第2の金属元素が拡散していることにより、金属配線11と第1の有機物絶縁層13との密着性をより高めることができる。
第1の拡散層12の平均厚さとしては、特に限定されないが、3nm以上であることが好ましく、3.5nm以上であることがより好ましく、4nm以上であることがさらに好ましく、5nm以上であることが特に好ましい。第1の拡散層12の平均厚さが所要量以上であることにより、密着性をより高めることができる。また、第1の拡散層12の平均厚さとしては、4μm以下であることが好ましく、3μm以下であることがより好ましく、2μm以下であることがさらに好ましく、1μm以下であることが特に好ましい。
なお、金属配線11と第1の有機物絶縁層13との密着性を特に高める観点から、第2の金属元素がMn、Cr又はTaである場合には、第1の拡散層12の平均厚さとしては、7nm以上であることが好ましく、10nm以上であることがより好ましい。また、第2の金属元素がV、Nb又はTiである場合には、第1の拡散層12の平均厚さとしては、12nm以上であることが好ましく、15nm以上であることがより好ましく、20nm以上であることがさらに好ましい。さらに、第2の金属元素がZrである場合には、第1の拡散層12の平均厚さとしては、30nm以上であることが好ましく、40nm以上であることがより好ましく、50nm以上であることがさらに好ましい。
[第1の有機物絶縁層]
第1の有機物絶縁層13としては、例えばポリイミド、液晶性ポリマー、フッ素樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等の可撓性を有する樹脂である有機物絶縁体を用いて構成することができる。その中でも、優れた耐熱性と機械的強度の観点から、ポリイミドを用いることが好ましい。また、第1の有機物絶縁層13としては、単層であっても、2層以上に積層した層であってもよい。さらに、第1の有機物絶縁層13と、後述する第2の有機物絶縁層は同一の有機物絶縁層を共通して用いても(すなわち、第1の有機物絶縁層13と第2の有機物絶縁層とが、一つの有機物絶縁層を形成していることを意味する)、絶縁性を維持したまま2以上の有機物絶縁層を接合したものであってもよい。
第1の有機物絶縁層13としては、特に限定されないが、フィルム状又はシート状のものを用いることが好ましい。
〔金属配線非配置部〕
図2は、金属配線非配置部の縦断面模式図である。この金属配線非配置部2においては、金属酸化物層21と、第2の拡散層22と、第2の有機物絶縁層23とが積層されている。ここで金属酸化物層21は、第2の金属元素の酸化物からなるものである。また、第2の拡散層22は、第2の金属元素を含むものである。そして、この第2の金属元素は、上述したとおり、第1の金属元素より酸化物形成傾向が強い元素である。
[金属酸化物層]
金属酸化物層21は、上述した第2の金属元素の酸化物を含むものである。
このように、配線基板が金属酸化物層21を備えることにより、その配線基板が複数の金属配線配置部1を備え、金属配線11の線幅と複数の金属配線11間の線間隔が微細化されても配線間のイオンマイグレーションによる劣化を抑制することができる。特に、第2の金属元素の酸化物であることによって、絶縁性酸化物が形成され、金属配線間の電流リークを抑制することができる。
金属酸化物層21の平均厚さとしては、特に限定されないが、4nm以上であることが好ましく、8nm以上であることがより好ましく、16nm以上であることがさらに好ましい。金属酸化物層21の平均厚さが所要量以上であることにより、層の厚さが不均一になることを抑制して金属酸化物層21の連続性を維持し、イオンマイグレーションや配線間リークを抑制することができる。また、金属酸化物層21の平均厚さとしては、240nm以下であることが好ましく、160nm以下であることがより好ましく、80nm以下であることがさらに好ましい。厚みのある金属酸化物層21やその前駆物質である金属層を形成するためには、時間やコストを要するため、金属酸化物層21の平均厚さが所要量以下とする。
[第2の拡散層]
第2の拡散層22は、第2の金属元素を含むものである。配線基板がこのような第2の拡散層22を有することにより、金属酸化物層と有機物絶縁層との密着性を高く維持することができる。なお、第2の拡散層22と第2の有機物絶縁層23との界面は、配線基板の図2に示すような縦断面形状をEDX測定した場合において、有機物絶縁層23から第2の拡散層22の方向に走査して、炭素原子に由来する強度が、有機物絶縁層23における炭素原子に由来する強度のうちの最高強度に対して80%となる位置と定義する。このようにして定めた第2の拡散層22と第2の有機物絶縁層23との界面位置と、金属酸化物層の表面位置との距離をもって第2の拡散層の厚さとする。同様のEDX測定を5か所の異なる断面で実施し、これらの平均値をもって第2の拡散層の平均厚さとする。
なお、第2の拡散層22の一部は、有機物絶縁体を含むことができる。すなわち、この第2の拡散層22のうち一部の領域においては、第2の金属元素及び有機物絶縁体が混在することができる。また、この領域においては、有機物絶縁体中に第2の金属元素が拡散していることが好ましい。このように有機物絶縁体中に第2の金属元素が拡散していることにより、金属酸化物層21と有機物絶縁層23との密着性をより高めることができる。
第2の拡散層22の平均厚さとしては、特に限定されないが、5nm以上であることが好ましく、10nm以上であることがより好ましい。第2の拡散層22の平均厚さが所要量以上であることにより、金属酸化物層と有機物絶縁層との密着性を維持することができる。また、第2の拡散層22の平均厚さとしては、100nm以下であることが好ましく、70nm以下であることがより好ましく、50nm以下であることがさらに好ましい。第2の拡散層22の平均厚さが所要量以下であることにより、有機物絶縁層内部において金属配線間における電流リークの発生を抑制することができる。
なお、第2の拡散層22には、第1の金属元素を含んでいてもよい。後述する製造方法で製造された配線基板においては、特に、金属配線配置部1との境界の近傍において第1の金属元素が含まれ得る。
[第2の有機物絶縁層]
第2の有機物絶縁層23としては、第1の有機物絶縁層13と同様のものを用いることができる。
〔第1の拡散層と第2の拡散層との関係〕
このような配線基板においては、第1の拡散層12の平均厚さは、第2の拡散層22の平均厚さより厚いことが好ましい。このような配線基板は、第1の有機物絶縁層13及び第2の有機物絶縁層23を有することにより、それに由来した柔軟性が発現され得る。しかしながら、第1の拡散層12の平均厚さと第2の拡散層22の平均厚さが配線基板全体で一様に薄いと、第1の拡散層12による金属配線11と第1の有機物絶縁層13との密着性をより高める効果が得られないことがある。一方で、第1の拡散層12の平均厚さと第2の拡散層22の平均厚さが配線基板全体で一様に厚いと、第1の拡散層12と第1の有機物絶縁層13との界面、及び第2の拡散層22と第2の有機物絶縁層23との界面において応力が高くなり、配線基板の柔軟性が得られにくい傾向にある。そこで、第1の拡散層12の厚さを、第2の拡散層22の厚さより厚くする。これにより、第1の拡散層12と第1の有機物絶縁層13との界面、及び第2の拡散層22と第2の有機物絶縁層23との界面における応力を分散させ、第1の有機物絶縁層13及び第2の有機物絶縁層23に由来する柔軟性をより高く維持することができる。なお、第2の拡散層22の厚さを、第1の拡散層12の厚さより厚くすると、配線基板の柔軟性は担保されるが、金属配線11と第1の有機物絶縁層13の間の密着性が低下する傾向にある。
第2の拡散層の平均厚さに対する第1の拡散層の平均厚さ(第1の拡散層の平均厚さ/第2の拡散層の平均厚さ)としては、特に限定されないが、例えば2倍以上であることが好ましく、5倍以上であることがより好ましく、10倍以上であることがさらに好ましく、20倍以上であることが特に好ましい。第2の拡散層の平均厚さに対する第1の拡散層の平均厚さが所要量以上であることにより、第1の拡散層12と第1の有機物絶縁層13との界面、及び第2の拡散層22と第2の有機物絶縁層23との界面において応力の分散効果がより高くなり、第1の有機物絶縁層13及び第2の有機物絶縁層23に由来する高い柔軟性をより高く維持することができる。一方で、第2の拡散層の平均厚さに対する第1の拡散層の平均厚さとしては、500倍以下であることが好ましく、400倍以下であることがより好ましく、300倍以下であることがさらに好ましく、200倍以下であることが特に好ましい。第2の拡散層の平均厚さに対する第1の拡散層の平均厚さが所要量以下であることにより、第1の拡散層と第2の拡散層との遷移領域に拡散層の厚さが急峻に変化して応力集中が発生してクラックが形成されることを抑制することができる。
そして、このような配線基板によれば、高い柔軟性を有するとともに、金属配線は高い導電性を有し、しかも金属配線と有機物絶縁層との間の密着性が高く剥がれ等に強いことから、フレキシブル配線基板として用いることができる。また、以下に詳細に説明するが、このような配線に機能性素子を接合することにより、フレキシブルな電子デバイスを提供することができる。そして、このような電子デバイスにおいては、金属配線と有機物絶縁層との間の導電性及び密着性が高い。
<電子デバイス>
本発明のデバイスは、金属配線配置部と、金属配線非配置部と、受動素子及び能動素子からなる群から選択される1種以上からなる素子とを備えるものである。ここで、金属配線配置部及び金属配線非配置部は、上述の配線基板において説明した、金属配線配置部及び金属配線非配置部と同様のものを用いることができる。したがって、ここでは、素子のみについて詳細に説明する。
〔素子〕
素子は、受動素子及び能動素子からなる群から選択される1種以上であるものである。このような素子は、金属配線に接続されている。
受動素子としては、特に限定されないが、例えば抵抗器、積層コンデンサー、インダクター等を用いることが好ましい。
能動素子としては、特に限定されないが、例えばトランジスタ、ダイオード、LED(発光ダイオード)等を用いることが好ましい。
このような素子及び金属配線の間の接合は、例えばはんだ合金によりなされていることが好ましい。また、素子及び金属配線の間の接合は、はんだ合金又はその成分である金属元素が金属配線の多孔質構造の間隙には存在するが、第1の拡散層には存在しないことが好ましい。接合の際にはんだ合金を金属配線の表面から含侵させ、金属粒子の間隙を埋めることで素子と金属配線を接合することができるが、はんだ合金が金属配線を貫通して有機物絶縁層まで到達すると、はんだ合金を含侵した金属配線が有機物絶縁層から剥離して断線するおそれがある。
はんだ合金としては、特に限定されないが、Pb−Sn−Ag等の鉛合金はんだ、Sn−Ag−Cuなどの非鉛合金はんだを用いることが好ましい。
このような電子デバイスにおいては、金属配線に素子を接合することで、機能性を有するフレキシブルな電子デバイスを提供することができる。
<配線基板の製造方法>
上述したような配線基板を製造する方法の一例について説明する。本実施形態に係る配線基板の製造方法は、金属層形成工程と、焼結前基板形成工程と、焼結工程とを含むものである。以下、それぞれの工程について詳細に説明する。
〔金属層形成工程〕
金属層形成工程は、有機物絶縁層の表面に、第2の金属元素により金属層を形成する工程である。
具体的に、有機物絶縁層の表面に金属層を形成する方法としては、特に限定されないが、例えばスパッタ法、電子ビーム蒸着法、化学気相成長法、及び第2の金属元素を含有する有機金属錯体を塗布、乾燥、焼成する方法等が挙げられる。なお、このような方法においては、有機物絶縁層は、その後金属層表面に金属配線が形成されるか否かにより、それぞれ上述した配線基板における第1の拡散層及び第2の拡散層に区分される。
〔焼結前基板形成工程〕
焼結前基板形成工程は、金属層形成工程において形成した金属層の表面に、さらに第1の金属元素を含む焼結前配線を備える焼結前基板を構成する工程である。
なお、このとき、金属層−有機物絶縁層複合体に対して、酸化性ガスを含む雰囲気への曝露を極力少なくする必要がある。曝露の時間は酸化性ガスの種類及び濃度により適宜選択すればよく、一般に酸化性ガスの酸化力が強く、また、濃度が高い場合には曝露の時間が短くなる傾向にある。特にここに示す方法では、製造工程の便宜のため空気への曝露が必要となり得るが、空気への曝露は、24時間以下とすることが好ましい。金属層−有機物絶縁層複合体に対する、このような酸化性ガスへの曝露は、焼結前に金属層に配置される第2の金属元素の酸化が進み過ぎ、金属配線配置部1における第1の金属元素及び第2の元素の有機物絶縁層への拡散や、金属配線非配置部2における第2の金属元素の有機物絶縁層への拡散(これらのうち、特に前者の拡散)が生じないか、又はそれらの拡散が極めて小さいものとなるおそれがある。そして、これにより得られる配線基板において、第1の拡散層12の平均厚さが第2の拡散層22の平均厚さより厚くならないおそれがある。
なお、酸化性ガスとは、酸化力を有するガスをいい、具体的には、酸素、オゾン、亜酸化窒素、一酸化窒素、二酸化窒素、フッ素、塩素、二酸化塩素、三フッ化窒素、三フッ化塩素、四塩化ケイ素、二フッ化酸素、ペルクロリルフルオリド等のことをいう。例えば空気も酸化性ガスを含む雰囲気に該当する。
このような金属層−有機物絶縁層複合体に対して、この焼結前基板形成工程で金属層を形成し、さらに後述する焼結工程において焼結前基板に加熱処理を施すことにより、第1の拡散層12の平均厚さが、第2の拡散層22の平均厚さより厚い金属配線を得ることができる。そして、このような金属配線においては、上述したとおり、第1の拡散層12と第1の有機物絶縁層13との界面、及び第2の拡散層22と第2の有機物絶縁層23との界面における応力が分散され、第1の拡散層12及び第2の拡散層22に起因して生じ得る柔軟性の低下が抑制されており、高い柔軟性を有するものである。
具体的に、焼結前配線を形成する方法としては、第1の金属元素を含む導電性ペーストを作製し、スクリーン印刷法等で配線を形成すること等が挙げられる。導電性ペーストとしては、特に限定されないが、好ましい導電性ペーストの一例を以下に詳細に説明する。
[導電性ペースト]
本発明の導電性ペーストの一例としては、金属粒子と、バインダー樹脂と、溶剤とを含む。
(金属粒子)
金属粒子は、第1の金属元素を含むものである。
金属粒子としては、第1の金属元素を含むものであれば特に限定されないが、ガスアトマイズ法、水アトマイズ法、または液相還元析出法等の方法で製造された粒子であり、50%粒子径が70nm以上、10μm以下であることが好ましい。
(バインダー樹脂)
導電性ペーストに含有される有機ビヒクル中のバインダー樹脂の含有量としては、0.05質量%以上17.0質量%以下であることが好ましい。バインダー樹脂は焼結工程において分解される樹脂であれば特に限定されないが、例えばメチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース樹脂、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。その中でも、酸素や一酸化炭素と反応してペースト中から容易に消失する傾向があるセルロース系樹脂を用いることが好ましく、セルロース系樹脂の中でも、エチルセルロースを用いることがより好ましい。
大気焼成を行う場合には、バインダー樹脂が大気と反応することにより、焼成後の配線中に残留する樹脂量を極力低減し、樹脂の残留による配線抵抗の上昇を抑制することができる。ただし、バインダー樹脂成分が配線中に残留し、焼結性が悪化するとともに配線抵抗が上昇するおそれがあるため、有機ビヒクル中のバインダー樹脂の含有量を17%未満にすることによって、焼成後に配線中に残留するバインダー樹脂成分が配線抵抗に与える影響を無視できるようにすることができる。一方で、有機ビヒクル中のバインダー樹脂の質量%が0.05%未満であると、導電性ペーストの粘度が小さくなり、印刷性が悪化するおそれがある。
(溶剤)
導電性ペーストに含有される溶剤としては、適正な沸点、蒸気圧、粘性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば炭化水素系溶剤、塩素化炭化水素系溶剤、環状エーテル系溶剤、アミド系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、アルコール系化合物、多価アルコールのエステル系溶剤、多価アルコールのエーテル系溶剤、テルペン系溶剤及びこれらの混合物が挙げられる。これらの中で、沸点が200℃近傍にあるテキサノール、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、テルピネオール等を用いることが好ましい。
(その他の有機ビヒクル中の成分)
有機ビヒクルとは、バインダー樹脂、溶媒及びその他必要に応じて添加される有機物を全て混合した液体のことである。本発明に記載の雰囲気中で焼成する場合は、バインダー樹脂と溶剤を混合して作製した有機ビヒクルを用いることで十分であるが、必要に応じて金属塩とポリオールを混合して用いることができる。金属塩の例としては、例えば第1の金属元素としてCuを用いる場合には、酢酸銅(II)、安息香酸銅(II)、ビス(アセチルアセトナート)銅(II)等が挙げられる。Agを用いる場合には、酢酸銀(I)、安息香酸銀(I)等が挙げられる。Niを用いる場合には、酢酸ニッケル(II)、二安息香酸ニッケル(II)、ビス(アセチルアセトナート)ニッケル(II)等が挙げられる。また、ポリオールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、テトラエチレングリコール等が挙げられる。これらを添加することで、焼成時にポリオールが金属塩を還元して、還元された金属が粒子間の空隙に析出するので、粒子間の電気伝導性を高める作用をする。
導電性ペーストに含有される上記有機ビヒクルの含有量としては、特に限定されないが、例えば3質量%以上19質量%以下であることが好ましく、8質量%以上15質量%以下であることがより好ましい。
導電性ペーストに含有される有機ビヒクルの含有量を、3質量%以上19質量%以下とすることにより、配線形状を良好に保つことができる。有機ビヒクルの含有量19質量%超であると、導電性ペーストの粘性が小さくなるため、印刷した配線形状に垂れが生じるおそれがある。一方で、有機ビヒクルの含有量が3%未満であると、導電性ペーストの粘性が大きくなり過ぎるため、一様な形状の配線を形成することができなくなるおそれがある。
[導電性ペーストの製造方法]
導電性ペーストは、上述したバインダー樹脂と溶媒を混合し、さらに金属粒子を添加して、遊星ミキサー等の装置を用いて混練することができる。また、金属粒子に対して例えば10質量%以下の質量比のガラスフリットを添加することもできる。さらに、必要に応じて三本ロールミルを用いて粒子の分散性を高めることもできる。
〔焼結工程〕
焼結工程は、焼結前基板形成工程で形成した焼結前基板を、酸化雰囲気下で150℃以上450℃以下に加熱した後、還元雰囲気下で加熱焼結する工程である。
[酸化雰囲気下での加熱]
まず、焼結前基板を、酸化性ガスを含有する雰囲気中で加熱する。このような加熱により、溶媒の蒸発、樹脂の燃焼消滅、第1の金属元素を含む金属粒子の酸化焼結を行う。
金属層のうち、その上部に焼結前配線を有しない部分(すなわち、後述する焼結工程の後に、金属配線非配置部2の金属酸化物層21及び第2の拡散層22が形成される部分)では、焼結に伴う加熱により、金属層が一方の面では酸素気体に接触し酸化物を形成する気固反応が生じ、もう一方の面では有機物絶縁層に接触し金属層に含まれる第2の金属元素が有機物絶縁層に拡散する固相反応が起こる。これらの反応は競争反応であり、その反応速度は、気固反応である前者の反応が固相反応である後者の反応に比べて速い。すなわち、第2の金属元素が金属酸化物に変化する反応は、第2の金属元素が有機物絶縁層中に拡散する反応より速くなる。そして、第2の金属元素が金属酸化物に変化した場合、その第2の金属元素は有機物絶縁層中に拡散しなくなる。
一方で、その上部に焼結前配線を有する部分(すなわち、後述する焼結工程の後に、金属配線配置部1の第1の拡散層12が形成される部分)では、焼結前配線により金属層に配置される第2の金属元素が酸素に直接接触することが抑制されており、すなわち、酸化が抑制されている。焼結前配線を構成する第1の金属元素は、加熱にともない金属層及び有機物絶縁層に拡散するが、この拡散により金属層に含まれる第2の金属元素の有機物絶縁層への拡散を阻害しない。
したがって、以上で述べた酸化雰囲気下での加熱を含む、配線基板の製造方法によれば、焼結前配線を有する部分では、第2の金属元素の有機物絶縁層への拡散が進む一方、焼結前配線を有しない部分では、第2の金属元素の有機物絶縁層への拡散が抑制されることにより、得られる配線基板において第1の拡散層は、第2の拡散層よりも厚くなりやすい。
上述したように、このとき、その上部に焼結前配線を有する部分(すなわち、後述する焼結工程の後に、特に金属配線配置部1の第1の拡散層12が形成される部分)において、金属層が所定量以上酸化されると、第1の金属元素及び第2の金属元素の有機物絶縁層への拡散を阻害するおそれがあるので、金属層形成工程及び焼結前基板形成工程の工程間で、例えば空気等の酸化性ガスへの曝露をできる限り抑制して金属層の酸化を抑制することが好ましい。
酸化性ガスとしては、例えば酸素、又は大気等を用いることができる。また、酸化性ガス以外のガスと酸化性ガスを混合して用いることができる。酸化性ガス以外のガスとしては、不活性ガス(例えば窒素ガスやアルゴンガス)を用いることができる。
酸化雰囲気中の酸素の濃度としては、特に限定されないが、酸素分圧にして50Pa以上であることが好ましく、60Pa以上であることが好ましく、70Pa以上であることがさらに好ましい。雰囲気の圧力が大気圧(10Pa)である場合にこれらの酸素分圧を体積比の濃度に換算すると、500ppm以上であることが好ましく、600ppm以上であることが好ましく、700ppm以上であることがさらに好ましい。
酸化性ガスの濃度が500ppm未満であると樹脂の燃焼が充分に行われず、樹脂成分が残存して焼結性を悪化するおそれがある。8000ppmを超えると金属ペーストの表面近傍でのみ急速に反応が生じて緻密な焼結被膜層を形成し、内部の反応を阻害するおそれがある。酸化性ガスの濃度が所要量であることにより、ペースト全体で樹脂の燃焼消滅と金属粒子の酸化焼結をバランス良く進行させることができる。
酸化雰囲気下での加熱温度としては、150℃以上450℃以下であれば特に限定されないが、170℃以上であることが好ましく、180℃以上であることがより好ましく、200℃以上であることがさらに好ましい。また、加熱温度としては、440℃以下であることが好ましく、420℃以下であることがより好ましく、400℃以下であることがさらに好ましい。150℃未満では樹脂が残存するおそれがある一方で、450℃を超えると被覆層が形成され、内部の反応を阻害するおそれがある。さらに有機物絶縁層が結晶化することにより特性が劣化するおそれがある。
[還元雰囲気下での加熱]
次に、酸化雰囲気下で加熱した酸化後の基板に対し、還元雰囲気下で加熱焼結する。これにより酸化雰囲気下での加熱により形成された第1の金属元素の酸化物からなる焼結体に対して、還元性ガスを含有する窒素ガス雰囲気中で加熱して還元処理を行い、第1の金属元素からなる焼結体である金属配線を有する焼結後基板を得ることができる。
還元性ガスとしては、水素、一酸化炭素、ギ酸、アンモニア等を用いることができる。また、還元性ガス以外のガスとしては、不活性ガス、例えば窒素ガスやアルゴンガスを用いることができる。
還元性ガス濃度としては、特に限定されないが還元雰囲気の圧力が大気圧(10Pa)であるとすると、体積比で0.5%以上であることが好ましく、1%以上であることがより好ましく、2%以上であることがさらに好ましい。体積比で0.5%未満であると、焼結体における第1の金属元素の酸化物の還元が充分に行われず、金属酸化物が残存し、焼成後の金属配線は、高い電気抵抗率を呈するおそれがある。
還元雰囲気下での加熱温度としては、特に限定されないが、150℃以上であることが好ましく、170℃以上であることがより好ましく、180℃以上であることがさらに好ましく、200℃以上であることが特に好ましい。また、加熱温度としては、450℃以下であることが好ましく、440℃以下であることがより好ましく、420℃以下であることがさらに好ましく、400℃以下であることが特に好ましい。150℃未満であると第1の金属元素の酸化物が残存し、450℃を超えると有機物絶縁層が結晶化することにより特性が劣化するおそれがある。
このようにして酸化・還元雰囲気下での連続した焼結処理を行うことで、金属配線配置部では、金属配線と第1の有機物絶縁層との界面において、第1の金属元素及び第2の金属元素の一部が、有機物絶縁層の内部に拡散して密着性を高めることができる。一方で、金属配線非配置部では、第2有機物絶縁層の表面にある第2の金属元素が、酸素を含む雰囲気で導電性ペーストの熱処理を行うときに、絶縁性に優れた金属酸化物となる。また、第2の金属元素が、有機物絶縁層の内部に拡散して密着性を高めることができる。なお、このようにして形成される第2の金属元素の酸化物は、還元雰囲気下での加熱により還元されないため、酸化物として維持される。
〔焼結後の圧力印加〕
上述した焼結後基板は、そのままの状態で配線基板として用いることができる。したがって、必須の構成要素ではないが、上述した還元雰囲気下での加熱の後に、焼結後基板金属配線に圧力を印加してもよい。このようにして圧力を印加することで、還元熱処理後の金属配線内部に存在する空隙の体積率が減少し、電気抵抗率を減少するとともに、変形に対する耐久性が向上する。
付加する応力としては、特に限定されないが、例えば1MPa以上10MPa以下であることが好ましい。
圧力付加の方法の一例としては、室温(例えば、−10〜40℃、特に25℃程度)にて圧延することが可能である。圧延の際の圧下率((圧延前の厚さ−圧延後の厚さ)÷圧延前の厚さ)としては、特に限定されないが、5%以上50%以下であることが好ましい。
また、圧力付加の方法の一例としては、高温プレスを行うことが可能である。高温プレスは100℃以上400℃以下の温度範囲において、上述した還元雰囲気下での加熱の温度よりも低い温度で行うことが好ましい。
なお、抵抗増加の緩和の度合いは、圧延の場合は圧下率を制御することによって、高温プレスの場合は温度、圧力、時間を制御することによって変化することができる。
このような製造方法によれば、金属配線と有機物絶縁層との密着性を高めた配線基板を、フォトリソグラフィー法を用いることなく製造することができる。特に、焼結前基板に対して、酸化性ガスを含む雰囲気への曝露を24時間以下として製造することにより、第1の拡散層の平均厚さが第2の拡散層の平均厚さより厚いものが得られる。そして、このような構成を有する配線基板では、上述したとおり、第1の拡散層及び第2の拡散層に起因して生じ得る柔軟性の低下が抑制されており、高い柔軟性を有するものである。
<電子デバイスの製造方法>
本発明のデバイスの製造方法は、金属薄膜形成工程と、焼結前配線形成工程と、焼結工程と、素子接合工程とを含むものである。ここで、金属層形成工程、焼結前配線形成工程及び焼結工程は、上述の配線基板の製造方法において説明した、金属層形成工程、焼結前配線形成工程及び焼結工程と同様の操作を行うことができる。したがって、ここでは、素子接合工程のみについて詳細に説明する。
〔素子接合工程〕
素子接合工程は、素子をpH4以上7以下のはんだフラックスを塗布して、金属配線に接合する工程である。
pHが4以上7以下、すなわち弱酸性又は中性であるはんだフラックスを用いることにより、第2の金属元素からなる金属酸化物層が強酸性フラックスで溶解することを回避できる。
以下に実施例を挙げて、本発明についてさらに詳細に説明する。本発明は、これらの実施例により限定されるものではない。
(実施例1)
フレキシブル回路を以下のように作製した。有機物絶縁層として東レデュポン製のポリイミドフィルム(140EN、厚さ35μm)を用いた。ポリイミドフィルムは受入ままの状態で利用した。このフィルムの一方の表面に第2の金属元素であるマンガン(Mn)、クロム(Cr)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)の各金属層をスパッタ法によって成膜した。金属層の厚さは3〜300nmとした。第2の金属元素を成膜後、大気雰囲気での放置時間を24時間以内としてCuペーストによる配線形成を行った。24時間を超過すると第2の金属元素の表面が酸化して安定になり、第1の拡散層を形成し難くなり、焼成後の金属配線の密着強度が劣化し、テープテストによって基板から容易に剥離した。用いたCuペーストは、特開2013−258128の実施例1に記載したペーストを用いて、線幅が200μm、線間隔が1mmの配線形状をスクリーン印刷した。これらのサンプルを大気雰囲気、80℃において5分の乾燥を行い、350℃で30分の酸化熱処理を行った。その後、窒素+5%水素の混合ガス雰囲気で、酸化熱処理と同じ温度で30分の還元熱処理を行った。還元熱処理後にCu配線のテープテストを実施したところ、剥離は見られなかった。また、Cu配線の電気抵抗率は5〜7μΩ・cmであった。
第2の金属元素を形成後に大気中に放置した時間を1時間又は48時間とし、その後Cuペーストを印刷、酸化熱処理、還元熱処理を実施した。得られた試料に対して、粘着強度が4Nのスコッチテープを貼り付け、テープを引き剥がす際に、Cu配線がポリイミドフィルムに密着したままか、又は剥離するかを評価した。その結果を表1に示す。表1において、テープの貼り付けと引き剥がしを3回繰り返しても剥離しなかったサンプルをAと表記し、2回以降でCu配線の一部が剥離したサンプルをB、1回の評価でCu配線が完全に剥離したサンプル、又はCu配線が自然剥離したサンプルをCとした。表1に示すように、膜厚が10nmであり、待機放置時間が48時間の試料はC評価であった。一方で、待機放置時間が1時間の試料は、どの金属層においても、膜厚が5nm以上であれば1回のテープテストで剥離することはない。第2の金属元素がMn、Cr、Taの場合は膜厚が10nm以上、V、Nb、Tiの場合は膜厚が20nm以上、Zrの場合は膜厚が50nm以上であれば、A評価となった。熱処理温度を300℃、400℃としても同じ結果が得られた。
Figure 2020004624
次に、Cu配線間の電気抵抗を測定した。測定には2本の電流端子と2本の電圧端子を隣接するCu配線上に配置し、得られた電流と電圧の値から算出した。表1に示した全てのサンプルにおいて電気抵抗値は1MΩ以上であり、十分な絶縁性を示した。また、表1に示した金属層は、有機物絶縁層中に拡散して第2の拡散層を形成するために一部が消費される。一方で金属層が酸化される際には酸素イオンを取り込むため体積膨張が生じる。その結果、いずれのサンプルにおいても、金属酸化物層の厚さは、表1に示した金属層の厚さの0.8倍以上1.5倍以下の範囲に含まれるものとなった。また、いずれのサンプルにおいても、SEM−EDXで測定した第1の拡散層の平均厚さは、第2の拡散層の平均厚さより厚かった。
(実施例2)
実施例1と同じポリイミドフィルム表面にTa及びMnを15nmの厚さに成膜し、Cuペーストを配線形状にスクリーン印刷し、80℃で乾燥した後に、350℃で酸化熱処理、還元熱処理を行った。得られたサンプルを切断して断面を研磨し、走査型電子顕微鏡(SEM)とそれに付属するEDXを用いて、Cu配線とポリイミドフィルム界面の組織観察と界面近傍の組成分析を行った。
ポリイミドフィルム上にMnを成膜したサンプルのSEM−EDX分析結果を図3に示す。図3(a)はCu配線断面の全体像を示す。図3(b)は界面部分における拡大像を示す。なお、詳細は後述するが、図3(b)の番号1〜7を附した領域(以下「領域1〜7」という。)において、EDXの点分析を行った。図3(c)は、Cu配線とポリイミドフィルムを含む領域(金属配線配置部)でEDXによる線分析を行った結果である。CuのEDX強度が界面で急激に減少し、ポリイミドフィルムの内部に向かって弱い強度分布がある。このことは、Cuがポリイミドフィルムの内部に拡散していることを示している。図3(d)は、(b)の拡大図のうち領域1〜7においてEDXの点分析を行った結果である。領域2、3、4においてMnのEDXピークが検出され、Mnがポリイミドフィルムの内部に拡散していることを示している。第1の拡散層の厚さは約0.5μmであった。
同じサンプルにおいて、ポリイミドフィルムのCu配線が形成されていない部分の組成分布を、XPSを用いて行った。ポリイミドフィルム上にMnを成膜したサンプルのMn配線が形成されていない部分(金属配線非配置部)のXPS分析結果を図4に示す。図4において、横軸はサンプル表面をArイオンでスパッタエッチングを行ったときのエッチング時間を示す。エッチング速度は毎秒約0.1nmであった。ポリイミドフィルム表面に成膜したMnは、Mn酸化物になっており、その厚さは約20nmである。Mn酸化物層のポリイミドフィルム側にはMn、O、C及びNが検出され、ポリイミドフィルム内部にMnが拡散したことが分かった。第2の拡散層の厚さは約10nmであった。
ポリイミドフィルム上にTaを成膜したサンプルにおいても、Mnを成膜したサンプルの結果と同様に、拡散層が観察された。Taの場合の第1の拡散層の厚さは約0.1μmであり、第2の拡散層の厚さは約10nmであった。
(実施例3)
幅15mm、長さ8cmのポリイミドフィルム上にMnを15nmの厚さに成膜し、Cuペーストを印刷、熱処理をして線幅が1.2mmのCu配線を形成した。また、SEM−EDXで測定した第1の拡散層の平均厚さは、第2の拡散層の平均厚さより厚かった。その後、このサンプルを硫酸銅溶液に浸漬して電解Cuめっきを施し、Cu配線の間隙を電解Cuめっきで埋めた。別なサンプルでは、Cu配線表面にエポキシを塗布し真空内に放置することでCu配線の間隙にエポキシを浸透させた。このようにして作製したサンプルを引張試験機に装着し、変形時の電気抵抗変化を測定した。引張方向はフィルムの長手方向であり、初期ひずみ速度は10−3/秒とした。電気抵抗測定のために、サンプル中心部から1cmの位置に電圧端子を取り付け、2cmの位置に電流端子を取り付けた。電流端子に一定値の電流(100mA)を印加して変形途上の電圧を測定して電気抵抗変化を得た。
図5に、Cu配線の間隙をエポキシで埋めたサンプル(Cu+Epoxy)、電界Cuめっきで埋めたサンプル(Cu+Cu Plating)、間隙に何も埋めなかったサンプル(Cu)の3種類の電気抵抗変化の測定結果を示す。縦軸は各サンプルの変形中の抵抗値を初期抵抗値で除した値であり、横軸は変形中のサンプルの長さ増分を初期ゲージ長(6cm)で除した値(%)である。変形中の抵抗増加は、配線に形成されるクラック数の増加に対応しており、組織的に弱いネック部の断裂に起因する。図5によれば、焼結したCu配線の間隙をエポキシで埋めることによって抵抗増加が緩和される。電解Cuめっきで埋めることで、抵抗増加の緩和傾向はより顕著となる。また、ここで用いたエポキシ及び電解Cuめっきは、それぞれ一般的な熱硬化性樹脂、Niめっき、Auめっきで代替でき、図5で示した結果と同等の効果が期待できる。
(実施例4)
幅15mm、長さ8cmのポリイミドフィルム上にMnを15nmの厚さに成膜し、Cuペーストを印刷し、350℃で酸化熱処理、還元熱処理をして線幅が1.2mmのCu配線を形成した。SEM−EDXで測定した第1の拡散層の平均厚さは、第2の拡散層の平均厚さより厚かった。これをサンプルAとした。
サンプルAと同様の方法で製造したものについて、硫酸銅溶液に浸漬して電解Cuめっきを施し、Cu配線の間隙を電解Cuめっきで埋め、サンプルBとした。
また、サンプルAと同様の方法で製造したものについて、Cu配線表面にエポキシを塗布し真空内に放置することでCu配線の間隙にエポキシ樹脂を浸透させ、サンプルCとした。
さらに、サンプルAと同様の方法で製造したものについて、Cuペーストを印刷、熱処理したサンプルAと同様のサンプルを、室温で圧下率9%の圧延処理を行い、サンプルDとした。
サンプルAと同様に製造したものについて、高温プレス装置を用いて250℃で2MPaの応力を付加し、30分保持をしてサンプルEとした。
このようにして作製したサンプルを引張試験機に装着し、変形時の電気抵抗変化を測定した。引張方向はフィルムの長手方向であり、初期ひずみ速度は10−3/秒とした。電気抵抗測定のために、サンプル中心部から1cmの位置に電圧端子を取り付け、2cmの位置に電流端子を取り付けた。電流端子に一定値の電流(100mA)を印加して変形途上の電圧を測定して電気抵抗変化を得た。
図6は、サンプルA〜Eの電気抵抗変化の測定結果である。縦軸は各サンプルの変形中の抵抗値を初期抵抗値で除した値であり、横軸は変形中のサンプルの長さ増分を初期ゲージ長(6cm)で除した値(%)である。変形中の抵抗増加は、配線に形成されるクラック数の増加に対応しており、組織的に弱いネック部の断裂に起因する。図6によれば、焼結したCu配線の間隙をエポキシで埋めることによって抵抗増加が緩和される。電解Cuめっきで埋めることで、抵抗増加の緩和傾向はより顕著となる。高温プレス又は圧延を行うことによって抵抗増加が緩和される。
(実施例5)
実施例1で示した方法によって、ポリイミドフィルム上にMn酸化物とCu配線を有する基板を作製した。
この基板に機能性を付与するためにレジスター、キャパシター、インダクター、ダイオード、LED、マイクロプロセッサ等を実装することができるが、これらの素子をCu配線に接合するためには、はんだフラックスを塗布してCu配線表面の酸化物を除去する必要がある。
接合の際に、pHが2及び3の塩酸を含むフラックスを用いたところ、Cu配線が剥離した。pHが4、5及び6の酢酸水溶液、又はpHが7の中性フラックスを塗布したところCu配線が剥離することなくCu配線表面の酸化物を除去できた。次にpH5のフラックスを塗布したCu配線に素子のはんだ接合を実施した。接合に用いたはんだ合金はSn−Ag−Cu合金とした。はんだ合金の量、はんだごての温度、はんだ接合時間を変化して、最適接合条件を探索した。はんだ接合試験後にCu配線が剥離したサンプルの剥離部を分析したところ、はんだ合金がCu電極を貫通してポリイミドフィルムとの界面まで到達していた。Cu電極が剥離しなかったサンプルは、はんだ合金が界面に達していなかった。これらの結果から、素子実装にはpHが4以上7以下のはんだフラックスを用いること、はんだ合金がCu電極を貫通してポリイミドフィルムとの界面に到達しないことが必要である。
1 金属配線配置部
11 金属配線
12 第1の拡散層
13 第1の有機物絶縁層
2 金属配線非配置部
21 金属酸化物層
22 第2の拡散層
23 第2の有機物絶縁層

Claims (16)

  1. 金属配線配置部と、金属配線非配置部とを備え、
    前記金属配線配置部においては、金属配線と、第1の拡散層と、第1の有機物絶縁層とが積層されており、
    前記金属配線非配置部においては、金属酸化物層と、第2の拡散層と、第2の有機物絶縁層とが積層されており、
    前記金属配線は、第1の金属元素からなり、
    前記第1の拡散層は、第1の金属元素及び第2の金属元素を含み、
    前記金属酸化物層は、第2の金属元素の酸化物からなり、
    前記第2の拡散層は、第2の金属元素を含み、
    前記第2の金属元素は、前記第1の金属元素より酸化物形成傾向が強い、配線基板。
  2. 金属配線配置部と、金属配線非配置部とを備え、
    前記金属配線配置部においては、金属配線と、第1の拡散層と、第1の有機物絶縁層とが積層されており、
    前記金属配線非配置部においては、金属酸化物層と、第2の拡散層と、第2の有機物絶縁層とが積層されており、
    前記金属配線は、第1の金属元素からなり、
    前記第1の拡散層は、第1の金属元素及び第2の金属元素を含み、
    前記金属酸化物層は、第2の金属元素の酸化物からなり、
    前記第2の拡散層は、第2の金属元素を含み、
    前記第1の金属元素は、Cu、Ag及びNiからなる群から選択される1種以上であり、
    前記第2の金属元素は、Mn、Cr、V、Nb、Ta、Ti及びZrからなる群から選択される1種以上である、配線基板。
  3. 金属配線配置部と、金属配線非配置部とを備え、
    前記金属配線配置部においては、金属配線と、第1の拡散層と、第1の有機物絶縁層とが積層されており、
    前記金属配線非配置部においては、金属酸化物層と、第2の拡散層と、第2の有機物絶縁層とが積層されており、
    前記第1の拡散層の平均厚さは、前記第2の拡散層の平均厚さより厚く、
    前記金属配線は、第1の金属元素からなり、
    前記第1の拡散層は、第1の金属元素及び第2の金属元素を含み、
    前記金属酸化物層は、第2の金属元素の酸化物からなり、
    前記第2の拡散層は、第2の金属元素を含み、
    前記第2の金属元素は、前記第1の金属元素より酸化物形成傾向が強い、配線基板。
  4. 前記第1の金属元素は、Cu、Ag及びNiからなる群から選択される1種以上であり、
    前記第2の金属元素は、Mn、Cr、V、Nb、Ta、Ti及びZrからなる群から選択される1種以上である、請求項3に記載の配線基板。
  5. 前記第2の拡散層の平均厚さに対する前記第1の拡散層の平均厚さ(第1の拡散層の平均厚さ/第2の拡散層の平均厚さ)は、5倍以上500倍以下である、請求項1又は2に記載の配線基板。
  6. 前記金属配線は、多孔質構造を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の配線基板。
  7. 前記金属配線は、前記多孔質構造の間隙に、Cu、Ag及びNiからなる群から選択される1種以上からなる金属のめっきを含む、請求項6に記載の配線基板。
  8. 前記金属配線は、前記多孔質構造の間隙に、熱硬化樹脂を含む、請求項6に記載の配線基板。
  9. 金属配線配置部と、金属配線非配置部と、受動素子又は能動素子である1種以上からなる素子とを備え、
    前記金属配線配置部においては、金属配線と、第1の拡散層と、第1の有機物絶縁層とが積層されており、
    前記金属配線非配置部においては、金属酸化物層と、第2の拡散層と、第2の有機物絶縁層とが積層されており、
    前記金属配線は、第1の金属元素からなり、
    前記第1の拡散層は、第1の金属元素及び第2の金属元素を含み、
    前記金属酸化物層は、第2の金属元素の酸化物からなり、
    前記第2の拡散層は、第2の金属元素を含み、
    前記第2の金属元素は、前記第1の金属元素より酸化物形成傾向が強く、
    前記金属配線に、前記素子が接続されて構成される、電子デバイス。
  10. 金属配線配置部と、金属配線非配置部と、受動素子又は能動素子である1種以上からなる素子とを備え、
    前記金属配線配置部においては、金属配線と、第1の拡散層と、第1の有機物絶縁層とが積層されており、
    前記金属配線非配置部においては、金属酸化物層と、第2の拡散層と、第2の有機物絶縁層とが積層されており、
    前記金属配線は、第1の金属元素からなり、
    前記第1の拡散層は、第1の金属元素及び第2の金属元素を含み、
    前記金属酸化物層は、第2の金属元素の酸化物からなり、
    前記第2の拡散層は、第2の金属元素を含み、
    前記第1の金属元素は、Cu、Ag及びNiからなる群から選択される1種以上であり、
    前記第2の金属元素は、Mn、Cr、V、Nb、Ta、Ti及びZrからなる群から選択される1種以上であり、
    前記金属配線に、前記素子が接続されて構成される、電子デバイス。
  11. 金属配線配置部と、金属配線非配置部と、受動素子又は能動素子である1種以上からなる素子とを備え、
    前記金属配線配置部においては、金属配線と、第1の拡散層と、第1の有機物絶縁層とが積層されており、
    前記金属配線非配置部においては、金属酸化物層と、第2の拡散層と、第2の有機物絶縁層とが積層されており、
    前記第1の拡散層の平均厚さは、前記第2の拡散層の平均厚さより厚く、
    前記金属配線は、第1の金属元素からなり、
    前記第1の拡散層は、第1の金属元素及び第2の金属元素を含み、
    前記金属酸化物層は、第2の金属元素の酸化物からなり、
    前記第2の拡散層は、第2の金属元素を含み、
    前記第2の金属元素は、前記第1の金属元素より酸化物形成傾向が強く、
    前記金属配線に、前記素子が接続されて構成される、電子デバイス。
  12. 前記金属配線と前記素子は、はんだ合金により接合されており、
    前記はんだ合金は、前記金属配線の前記間隙に存在する、請求項9〜11のいずれか1項に記載の電子デバイス。
  13. 有機物絶縁層の表面に、第1の金属元素より酸化物形成傾向が強い第2の金属元素により金属層を形成する金属層形成工程と、
    前記金属層の表面に、前記第1の金属元素を含む焼結前配線を備える焼結前基板を構成する焼結前基板形成工程と、
    前記焼結前基板を、酸化雰囲気下で150℃以上450℃以下に加熱した後、還元雰囲気下で加熱焼結する焼結工程とを含む、配線基板の製造方法。
  14. 有機物絶縁層の表面に、Mn、Cr、V、Nb、Ta、Ti及びZrからなる群から選択される1種以上である第2の金属元素により金属層を形成する金属層形成工程と、
    前記金属層の表面に、Cu、Ag及びNiからなる群から選択される1種以上である第1の金属元素を含む焼結前配線を備える焼結前基板を構成する焼結前基板形成工程と、
    前記焼結前基板を、酸化雰囲気下で150℃以上450℃以下に加熱した後、還元雰囲気下で加熱焼結する焼結工程とを含む、配線基板の製造方法。
  15. 有機物絶縁層の表面に、第1の金属元素より酸化物形成傾向が強い第2の金属元素により金属層を形成する金属層形成工程と、
    前記金属層の表面に、前記第1の金属元素を含む焼結前配線を備える焼結前基板を構成する焼結前配線形成工程と、
    前記焼結前基板を、酸化雰囲気下で150℃以上450℃以下に加熱した後、還元雰囲気下で加熱焼結する焼結工程と、
    受動素子又は能動素子である群から選択される1種以上からなる素子を、pH4以上7以下のはんだフラックスを用いて塗布する前記金属配線に接合する素子接合工程と、を含む、電子デバイスの製造方法。
  16. 有機物絶縁層の表面に、Mn、Cr、V、Nb、Ta、Ti及びZrからなる群から選択される1種以上である第2の金属元素により金属層を形成する金属層形成工程と、
    前記金属層の表面に、Cu、Ag及びNiからなる群から選択される1種以上である第1の金属元素を含む焼結前配線を備える焼結前基板を構成する焼結前配線形成工程と、
    前記焼結前基板を、酸化雰囲気下で150℃以上450℃以下に加熱した後、還元雰囲気下で加熱焼結する焼結工程と、
    受動素子又は能動素子である群から選択される1種以上からなる素子を、pH4以上7以下のはんだフラックスを用いて塗布する前記金属配線に接合する素子接合工程と、を含む、電子デバイスの製造方法。
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