JP6393243B2 - 電子部品およびその製造方法 - Google Patents

電子部品およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6393243B2
JP6393243B2 JP2015135471A JP2015135471A JP6393243B2 JP 6393243 B2 JP6393243 B2 JP 6393243B2 JP 2015135471 A JP2015135471 A JP 2015135471A JP 2015135471 A JP2015135471 A JP 2015135471A JP 6393243 B2 JP6393243 B2 JP 6393243B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
interface layer
copper
substrate
electronic component
electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015135471A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016021569A (ja
Inventor
小池 淳一
淳一 小池
大輔 安藤
大輔 安藤
須藤 祐司
祐司 須藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
MATERIAL CONCEPT, INC.
Original Assignee
MATERIAL CONCEPT, INC.
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by MATERIAL CONCEPT, INC. filed Critical MATERIAL CONCEPT, INC.
Priority to JP2015135471A priority Critical patent/JP6393243B2/ja
Publication of JP2016021569A publication Critical patent/JP2016021569A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6393243B2 publication Critical patent/JP6393243B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、無機材料基板上に銅電極を有する電子部品とその製造方法に関する。
電子部品には、力学的耐久性と電気的絶縁性を保証するために、無機材料からなる基板が用いられている。代表的な無機材料基板としては、珪酸ガラス、アルミナ、クォーツなどの酸化物基板、シリコン窒化物、アルミニウム窒化物などの窒化物基板、シリコン炭化物、チタン炭化物などの炭化物基板、シリコン基板が用いられている。これらの基板を用いて電子部品を作製したり、これらの基板上に、半導体、コンデンサ、抵抗器などを実装するためには、基板上に導電性電極(配線)を形成する必要がある。
このような導電性電極には、銀、銅などの導電材料が使用される。銀は、導電性や耐酸化性に優れるが、高価であることに加えて、銀原子のマイグレーション不良が発生しやすいという欠点がある。それに対し、銅は、材料コストが銀より安価であり、マイグレーション耐性に優れており、銀と同等の電気抵抗率を有することから、導電性電極に銅を使用することが望まれている。
従来、ガラス基板のような無機材料基板上に銅電極を形成する方法としては、無電解めっき法によるもの、銅粉末が混合された銅ペーストを塗布して焼き付ける方法によるものが知られている。しかし、無機材料基板に対する銅の密着性が乏しく、無機材料基板上に銅電極を形成しても容易に剥離するという課題があった。
この密着性に関する課題に対して、例えば、無電解銅めっき膜を形成した後、プラス電位を印加するとともに基板を加熱すること(特許文献1)、銅粉末、酸化銅粉末、Pd化合物、およびガラスフリットを配合した銅ペースト組成物を使用すること(特許文献2)が提案されている。
また、無機材料基板と銅電極との間に界面層を形成することが提案されている。例えば、特許文献3には、酸素、Mn、Agを含有する銅合金膜からなる下地膜を形成すること、特許文献4には、酸化ケイ素膜と銅膜との間に、CuとCaと酸素とSiからなる成分凝集帯域を形成すること、特許文献5には、絶縁性樹脂基板と金属薄膜層との接触界面に、酸化第一銅、酸化ニッケル及び酸化コバルトの少なくとも1種を含む金属酸化物が存在することが提案されている。
特開2007−31741号公報 特開平8−45339号公報 特開2009−10089号公報 特開2010−103324号公報 特開2011−104815号公報
しかし、特許文献1の方法にはめっき後処理工程が必要であり、特許文献2のペースト組成物には複数の銅原料や高価なPd成分が必要とされるため、製造コストが高くなる。また、特許文献3〜5に提案された方法では、使用環境がより厳しくなる電子部品において力学的耐久性(密着性)を十分に確保することができない。そのため、無機材料基板と銅電極との密着性を一層向上させる界面層が求められていた。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、無機材料基板上に銅電極を有する電子部品において、基板と銅電極との密着強度が高く、銅電極の密着性が改善された電子部品とその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、無機材料基板と銅電極との界面において、銅、マンガン、シリコンおよび酸素を含有する界面層を形成し、当該界面層が銅を主体とする結晶粒子を分散して含むことにより、前記基板と前記銅電極との密着性が改善されることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明の以下のようなものを提供する。
(1) 無機材料基板上に銅電極を有する電子部品において、前記基板と前記銅電極との界面に銅、マンガン、シリコンおよび酸素を含有する界面層を備え、前記界面層は、銅を主体とする結晶粒子を分散して含む電子部品。
(2) 前記界面層は、その厚さの中央より前記銅電極側の第1の領域において、少なくともマンガンの平均濃度が銅の平均濃度より高い、上記(1)に記載の電子部品。
(3) 前記界面層は、その厚さの中央より前記基板側の第2の領域において、銅の平均濃度がマンガンの平均濃度およびシリコンの平均濃度より高い、上記(1)または(2)に記載の電子部品。
(4) 前記第1の領域は、マンガンを主体とする酸化物を有し、前記第2の領域は、マンガンおよびシリコンを主体とする酸化物を有する、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の電子部品。
(5) 前記第2の領域は、前記第1の領域よりも結晶粒子を多く含有する、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の電子部品。
(6) 前記界面層の厚さは、5nm以上150nm以下である、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の電子部品。
(7) 前記銅電極は、鉛ガラス成分を含有しない上記(1)〜(6)のいずれかに記載の電子部品。
(8) 無機材料基板上に銅電極を有する電子部品の製造方法において、前記基板上に界面層を形成する界面層形成工程と、前記界面層の上に前記銅電極を形成する電極形成工程とを含み、前記界面層は、銅、マンガン、シリコンおよび酸素を含有し、銅を主体とする結晶粒子を分散して含むことを特徴とする電子部品の製造方法。
(9) 前記界面層形成工程は、マンガン錯体とシランカップリング剤を含む界面層原料溶液を、前記基板上に塗布した後に、加熱処理を行って前記界面層を形成することを含む、上記(8)に記載の電子部品の製造方法。
(10) 前記界面層形成工程は、界面層原料溶液を前記基板上に塗布した後に、酸素を含有する雰囲気において、400℃以上600℃以下の温度で加熱処理を行って前記界面層を形成することを含む、上記(8)または(9)に記載の電子部品の製造方法。
(11) 前記界面層形成工程は、界面層原料溶液を前記基板上に塗布した後に、酸素を含有する雰囲気において、150℃以上225℃以下の温度で第1の加熱処理を行い、その後、400℃以上600℃以下の温度で第2の加熱処理を行って前記界面層を形成することを含む、上記(8)〜(10)のいずれかに記載の電子部品の製造方法。
(12) 前記電極形成工程は、ガラスフリットを含有しない銅ペーストを用いて前記銅電極を形成することを含む、上記(8)〜(11)のいずれかに記載の電子部品の製造方法。
(13) 前記電極形成工程は、前記界面層の上に銅ペーストを塗布する工程、その後、不活性ガス雰囲気で乾燥する工程、その後、酸素を含有する雰囲気で酸化焼成する工程、その後、一酸化炭素、アルコールまたは水素を含有する雰囲気で還元する工程により、前記銅電極を形成することを含む、上記(8)〜(12)のいずれかに記載の電子部品の製造方法。
本発明によれば、無機材料基板上に銅電極を有する電子部品において、前記基板と前記銅電極との界面に銅、マンガン、シリコンおよび酸素を含有する界面層を備え、当該界面層は、銅を主体とする結晶粒子を分散して含むことにより、前記基板と前記銅電極との密着性を向上させた電子部品が得られる。また、当該電子部品を安価に効率よく製造することができる。
本発明の実施例に関して界面層付近を走査電子顕微鏡で観察した組織を示す図である。 本発明の実施例に関して界面層付近の組成分析結果を示す図である。 本発明の実施例に関して界面層の断面組織の模式図である。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明は、これらの記載により限定されるものではない。
(電子部品)
本発明は、無機材料基板上に銅電極を有する電子部品であり、当該銅電極は、配線として形成された銅配線も含む。かかる電子部品としては、チップ抵抗器、チップコンデンサー、太陽電池などの電子部品が挙げられる。さらに、プリント基板、スルーホールが形成された基板などの電子実装品に配線された電子部品、ディスプレイの画素スィッチングを制御するトランジスタなどに配線された電子部品が含まれる。
(無機材料基板)
本発明の電子部品は、無機材料からなる基板を有する。当該基板としては、珪酸ガラス、アルミナ、クォーツなどの酸化物基板、シリコン窒化物、アルミニウム窒化物などの窒化物基板、シリコン炭化物、チタン炭化物などの炭化物基板、シリコン基板などを使用できる。
(界面層)
本発明の電子部品は、無機材料基板と銅電極との界面に銅、マンガン、シリコンおよび酸素を含有する界面層を備え、前記界面層は、銅を主体とする結晶粒子を分散して含んでいる。界面層中に銅が含まれるため、銅電極との密着性が向上する。また、シリコンと酸素が含まれるため、無機材料基板との密着性が向上する。マンガンが含まれることにより、銅マンガン酸化物およびマンガンシリコン酸化物のスピネル構造中間体を形成し、界面層を強固にすることができる。また、界面層内に分散して存在する前記結晶粒子は、その一部が基板に食い込んでアンカーの役割を果たすため、さらに密着性が向上する。
本発明における界面層は、その成分の濃度分布によると、銅電極側では銅と酸素の各濃度が等しくなる移行領域が存在し、また、無機材料基板側ではシリコンと銅の各濃度が等しくなる移行領域が存在する。そこで、本発明は、界面層の銅電極側において銅と酸素の各濃度が等しくなる領域を「銅電極側境界」とし、界面層の基板側においてシリコンと銅の各濃度が等しくなる領域を「基板側境界」とした。そのため、この両者の境界で挟まれた部分が本発明の界面層に相当する。
本発明は、界面層がその厚さの中央より前記銅電極側の第1の領域において、少なくともマンガンの平均濃度が銅の平均濃度より高いことが好ましく、当該マンガンの平均濃度は、銅の平均濃度の1.3倍以上であることが好ましい。このような濃度分布を有することによって、界面層に銅マンガン酸化物のスピネル構造中間体が形成され、銅電極側の界面層を強固にすることができる。
本発明は、界面層がその厚さの中央より基板側の第2の領域において、銅の平均濃度がマンガンの平均濃度およびシリコンの平均濃度より高いことが好ましく、銅の平均濃度は、マンガン濃度の1.4倍以上であること、またシリコン濃度の1.2倍以上であることが好ましい。このような濃度分布を有することによって、シリコンおよび銅を主体とする結晶粒子が析出分散することが容易となり、基板と銅電極との密着性の向上に寄与する。
本発明は、銅電極側の前記第1の領域にはマンガンを主体とする酸化物が形成され、基板側の前記第2の領域にはマンガンおよびシリコンを主体とする酸化物が形成されることが好ましい。当該マンガンを主体とする酸化物は、銅との密着性に優れ、当該マンガンおよびシリコンを主体とする酸化物は、無機材料基板との密着性に優れている。そのため、無機材料基板と銅電極との密着性を高めることができる。
本発明は、基板側の前記第2の領域において、銅電極側の前記第1の領域よりも前記結晶粒子が多く存在することが好ましい。これは、各領域において存在する結晶粒子の量が多いことを指しており、具体的には、当該結晶粒子は、第2領域における存在密度(面積率)が第1領域における存在密度(面積率)の1.2倍以上であることが好ましい。この結晶粒子は、その一部が基板に食い込んでアンカーの役割を果たして密着性を高める。そのため、基板側の第2の領域に、前記結晶粒子が多く存在することが好ましい。
本発明は、前記界面層の厚さが5nm以上150nm以下であることが好ましい。5nm未満であると、当該界面層による密着性が十分に得られない。150nmを超えると、界面層内部に相対的に強度が小さい弱化層が形成されるため、界面の面積4mmあたりの密着強度が10N未満に低下する傾向にある。
(銅電極)
本発明における銅電極は、銅を主体とする電極であり、配線として形成されたものを含む。銅含有量をほぼ100%からなる銅電極が好ましいが、必要な導電性を損なわない範囲で不純物の含有は許容される。また、密着性を強固にする観点でガラス成分を含有することができる。ただ、鉛ガラス成分は、500℃近傍で軟化し、無機材料基板と反応して強固に接合する傾向があるので、加熱処理により銅電極を形成した後の冷却過程で、当該基板に熱変形が加わった際に基板の割れを招き易くなる。そのため、銅電極には、鉛ガラス成分を含有しないものが好ましい。
(製造方法)
本発明の電子部品の製造方法は、無機材料基板上に界面層を形成する界面層形成工程と、前記界面層の上に銅電極を形成する電極形成工程とを含み、前記界面層として、銅、マンガン、シリコンおよび酸素を含有し、銅を主体とする結晶粒子を分散した組織を形成する。
(界面層形成工程)
本発明は、界面層形成工程において、マンガン錯体とシランカップリング剤を含む界面層原料溶液を、前記基板上に塗布した後に、加熱処理を行って前記界面層を形成することができる。
(界面層原料溶液)
界面層原料溶液は、マンガン錯体、シランカップリング剤を混合して調製される。マンガン錯体は、界面層中のマンガンの原料となり、シランカップリング剤はシリコンの原料となる。マンガン錯体のシランカップリング剤に対する濃度比は、モル比にして0.1以上3.0以下が好ましい。より好ましくは、0.3以上1.0以下である。
マンガン錯体は、次のものを使用できる。マンガン(II)アセテート、マンガン(II)ブチレート、マンガ(II)オクトエート、マンガン(II)ヘキサノエート、マンガン(II)エチルヘキサノエート、マンガン(II)アセチルアセトナート、マンガン(II)オレエート、マンガン(II)カルボニル、シクロペンタディエニルマンガントリカルボニル、シクロペンタディエニルマンガンジカルボニル、シクロペンタディエニルイソシアノシクロヘキサンマンガンジカルボニルなどがある。
シランカップリング剤は、次のものを使用できる。ビニル系の官能基を有するものとしては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなどがある。エポキシ系の官能基を有するものとしては、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリドキシプロピルメチルシメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどがある。スチリル系の官能基を有するものとしては、p−スチリルトリメトキシシランなどがある。メタクリル系の官能基を有するものとしては、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランなどがある。アクリル系の官能基を有するものとしては、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどがある。アミノ系の官能基を有するものとしては、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩などがある。ウレイド系の官能基を有するものとしては、3−ウレイドプロピルトリエトキシシランなどがある。メルカプト系の官能基を有するものとしては、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどがある。スルフィド系の官能基を有するものとしては、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドなどがある。イソシアネート系の官能基を有するものとしては、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどがある。
(塗布方法)
基板上に原料溶液を塗布する方法は、バーコティング、スリットコーティング、スピンコーティング、ディップコーティング法などを使用できる。ディップコーティングの際は、塗布膜の厚さを均一にするために、シリコン基板を原料溶液の浴から取り出しながら空気や窒素などのガスを吹きつけて余分に付着した溶液を除去すると良い。また、スプレーコーティング法によって基板表面に原料溶液を吹き付けても良い。ノズル形状とスプレー圧力を制御することによって膜厚を制御することができる。
(加熱処理)
本発明は、界面層原料溶液を基板上に塗布した後に、酸素を含有する雰囲気において400℃以上600℃以下の温度で加熱処理を行って前記界面層を形成することができる。加熱温度が400℃未満であると、原料溶液中の有機成分が残存して界面層の密着強度を低下させる。600℃を超えると、界面層の構成元素であるシリコンが他の元素より酸化されやすいため、シリコンが界面層表面に拡散して界面層表面でシリコン酸化物となり、その後に形成する銅配線との密着性が悪化する傾向がある。そのため、加熱温度は、400℃以上600℃以下が好ましい。
酸素を含有する雰囲気としては、酸素濃度100ppm以上を含有する窒素ガスまたは不活性ガスなどの酸化雰囲気が好適であり、大気中でもよい。全圧が大気圧であれば、100ppm以上の酸素濃度は、100Pa以上の酸素分圧に相当する。酸素濃度が100ppmより低いと、酸化が十分に進行しないので、上記の加熱温度の範囲であっても、溶液由来の炭素が残存して銅配線の密着性を損なう恐れがある。
本発明は、酸素を含有する雰囲気において、150℃以上225℃以下の温度で第1の加熱処理を行い、その後、400℃以上600℃以下の温度で第2の加熱処理を行って前記界面層を形成することができる。
第1の加熱処理は、界面層原料溶液中の有機溶媒を揮発除去して、乾燥させる処理である。加熱温度が150℃未満であると、有機溶媒が残存した状態で、次の第2の加熱処理で高温焼成される結果、高温焼成後の界面層中に炭素成分を含有した状態となり、界面層の強度低下を招く。また、第1の加熱処理時には、マンガン錯体とシランカップリング剤との反応が界面層内で局所的に開始するが、加熱温度が225℃を超えると、マンガン錯体とシランカップリング剤が界面層全体で均一に反応するため、高温焼成後の界面層において、第2の加熱処理により必要な濃度分布および組織を得ることが困難になり、密着性の低下を招く。そのため、第1の加熱処理の温度は、150℃以上225℃以下が好ましい。
次いで、第2の加熱処理は、基板上に付着する無機成分から酸化物を生成して、焼成する処理である。加熱温度が400℃未満であると、酸化物の生成が十分に行われず、密着性が低下する。加熱温度が600℃を超えると、基板と同様の安定した無機材料基板となり、また、界面層内のシリコンが界面層表面に拡散してシリコン酸化物層を形成するため、その後に形成する銅配線との密着強度の低下を招く。そのため、第2の加熱処理の温度は、400℃以上600℃以下が好ましい。
(銅ペースト)
銅ペーストは、銅粒子、バインダー樹脂、溶剤等を混合して調製されている。
(銅粒子)
銅ペーストに含まれる銅粒子は、粒子中の酸素濃度を0.05質量%以上、2.0質量%以下とする。より好ましくは、上限濃度が1.0質量%以下であれば良い。酸素濃度が2.0質量%を超えると金属粒子の酸化の程度が顕著となり、銅ペースト中において凝集する傾向が強くなり、印刷性が悪化する。また、その後の焼成によっても酸化金属が十分に還元されずに焼成後の配線抵抗が増加する。一方、酸素濃度は可能な限り低いことが望ましいが、アトマイズ法などで作製された金属粒子中の酸素濃度を0.05質量%未満とするためには、還元ガス中での処理が必要となるため、コスト高となり好ましくない。
粒子中に含有される銅以外の金属元素の総量濃度は、1.0質量%以下、より好ましく
は0.8質量%以下に抑制する。
銅粒子は、ガスアトマイズ法、または水アトマイズ法などの方法で製造された粒子が好ましい。粒子の最大直径(dmax)と最少直径(dmin)の比で定義されるアスペクト比(dmax/dmin)の平均値が1.0以上、2.2より小さければよく、1.0以上2.0以下であることが好ましい。銅粒子の平均アスペクト比が2.2を超える場合は、粒子形状が扁平なフレーク状や針状粒子となり、スクリーン印刷の際に目詰まりが発生する。また、印刷後の配線における銅粒子の充填率が悪化して配線形状の垂れを誘発するとともに、空隙率が増加することによって焼結性が悪化して焼成後の配線抵抗を上昇させる原因となる。
(バインダー樹脂)
導電性ペーストに含有される有機ビヒクル中のバインダー樹脂の質量%は、0.05%より大きく、17.0%より小さいことが好ましい。バインダー樹脂は、焼成によって分解される樹脂であれば良い。例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース樹脂、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などがある。これらの中で、焼成雰囲気に含まれる微量酸素あるいは微量一酸化炭素と反応してペースト中から容易に消失する傾向があるセルロース系樹脂を用いると良い。さらに好ましくは、セルロース系樹脂の中で、エチルセルロースを用いると良い。
(溶剤)
導電性ペーストに含有される溶剤は、適正な沸点、蒸気圧、粘性を有するものであれば、特に制限はない。例えば、炭化水素系溶剤、塩素化炭化水素系溶剤、環状エーテル系溶剤、アミド系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、アルコール系化合物、多価アルコールのエステル系溶剤、多価アルコールのエーテル系溶剤、テルペン系溶剤、およびこれらの混合物が挙げられる。これらの中で、沸点が200℃近傍にあるテキサノール、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、テルピネオールを用いることが好ましい。
(電極形成)
本発明は、界面層を備えた基板上に前記銅ペーストをスクリーン印刷法などによって印刷した後に、乾燥し、酸素を含有する雰囲気で酸化焼成し、アルコールまたは水素を含有する雰囲気で還元することにより、上記の界面層上に銅電極を形成することができる。銅ペーストの酸化、還元によって、銅ペーストと界面層とが反応し、望ましい濃度分布および組織を形成し、密着性の向上に寄与する。
銅ペーストを印刷した後、まず、不活性ガス雰囲気中で150℃〜250℃の温度で加熱して乾燥することが好ましい。この加熱により揮発性の高い溶媒が除去される。不活性ガスとして、窒素ガス、アルゴンガスなどを使用できる。
その後、第一段階の加熱処理として、酸素を含む酸化性雰囲気中で350℃〜600℃の温度で1分〜15分の焼成(焙焼)を行うことが好ましい。この加熱により樹脂成分を除去するとともに、銅粒子が酸化銅に変化する。酸素濃度が体積比で500ppm以上の酸化性雰囲気が好ましい。加熱が350℃未満または1分未満であると、樹脂の消失が十分でなく電極配線中に樹脂の残存を招く。600℃超または15分超であると、過度に酸化が進行し、針状形態の酸化第二銅の生成割合が高まることにより緻密な焼結体の生成を阻害する恐れがある。
次いで、第二段階の加熱処理として、一酸化炭素、アルコール、または水素を含む還元性雰囲気中で350℃〜600℃の温度で1分〜15分の焼成を行うことが好ましい。この加熱により酸化銅粒子が銅粒子に還元されて銅粒子の焼結が行われる。加熱が350℃未満または1分未満であると、酸化銅の還元が十分でなく電気抵抗率の増大を招く。600℃超または15分超であると、銅電極と界面層及び基板との反応が生じて電気抵抗率の増大を招く恐れがある。また、一酸化炭素、アルコール、または水素は、体積比で1〜15%を含む雰囲気が好ましい。
得られた電子部品用基板の銅電極上には、半導体トランジスタ、抵抗器、コンデンサなどの電子実装品をハンダ付けして電子部品とすることができる。
以下、本発明を実施例に基づく、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの説明に限定されるものではない。
<実施例1>
市販の硬質ガラス基板(長さ20mm×20mm、厚さ0.6mm)を用いた。基板表面をアセトンとアルコールで脱脂洗浄した。界面層の原料溶液は、マンガン錯体として酢酸マンガン(II)四水和物を、シランカップリング剤として3―アミノプロピルトリエトキシシランを、それぞれエチルアルコールと混合して作製した。マンガン錯体およびシランカップリング剤の総量は、体積比でエチルアルコールに対して90%とした。原料溶液をスピンコート法によってガラス基板上に塗布した。マンガン錯体のシランカップリング剤に対するモル濃度比(Mn/Si)を0.1以上3.0以下の範囲で種々変えて塗布した。
次に、上記の塗布されたガラス基板を焼成炉内に配置し、大気中で180℃、10分間の乾燥処理を施して、上記原料溶液中のエチルアルコールを主とする有機成分を除去した。その後、当該ガラス基板を、大気中で450℃、10分間の焼成処理を施して、マンガンとシリコンを含む界面層を12nmの厚みでガラス基板上に形成した。
その後、当該界面層の上で基板中央に、ガラスフリットを含まない銅ペーストを、スクリーン印刷法により一辺が2mmの正方形で厚みが約20μmの電極形状となるよう塗布し、複数の電極を形成した。そして、当該基板を焼成炉内に配置し、1000ppmの酸素を含む窒素ガス中で400℃、10分間の加熱による酸化処理を行い、次いで、5%の水素を含む窒素ガス中で550℃、10分間の加熱による還元処理を行い、当該基板上に銅電極を形成し、試験用基板を得た。
上記の銅ペーストには、エチルセルロース5質量%およびテキサノール95質量%からなる有機ビヒクルを、銅粒子が88質量%、当該有機ビヒクルが12質量%となるように混練して作製したものを使用した。上記の銅粒子の10%径は0.7μm、50%径は1.3μm、90%径は2.2μm、平均アスペクト比は1.2であった。
(密着強度)
試験用基板の密着性に関する評価試験を説明する。
密着強度の評価をJIS規格C60068−2−21に準拠して実施した。試験用基板の銅電極表面にクリームハンダを塗布し、その上に銅製の治具を取り付けた後、加熱して当該治具と銅電極とをハンダ接合し、試験体を作製した。当該試験体のガラス基板の部分を引張試験機に固定し、銅電極に取り付けられた治具に引張荷重を付加した。引張荷重が付加された銅電極の面積は、4mm(=2mm×2mm)であった。試験用基板から治具が引き剥がされた時の引張荷重(単位N(ニュートン))を測定し、4mm当たりの密着強度とした。密着性に関しては、10N以上を良好(合格)、10N未満を不良(不合格)と判定した。その試験結果を表1に示す。
表1に示すように、マンガン錯体のシランカップリング剤に対するモル濃度比(Mn/Si)が0.3以上、1.7以下の範囲において、密着強度が10N以上であった。当該モル濃度比が0.3未満の場合は、界面層中のマンガン濃度が充分でないため、界面層を強固にするために必要な銅マンガン酸化物ならびにマンガンシリコン酸化物のスピネル構造中間体の形成が阻害されると考えられる。また、当該モル濃度比が1.7を超えると、界面層中のシリコン濃度が充分でないため、無機材料基板との密着性を向上するために必要なシリコンを主体とする酸化物の形成が阻害されると考えられる。
<実施例2>
マンガン錯体のシランカップリング剤に対するモル濃度比(Mn/Si)を0.5としたこと、界面層の厚さを2〜300nmの範囲で種々変えたこと以外は、実施例1と同様の手順により試験用基板を作製し、4mm当たりの密着強度を測定した。スピンコート時の原料滴下量、回転数、塗布回数を変えることにより、界面層を種々の厚さで塗布した。表2に試験結果を示す。
表2に示すように、界面層の厚さは、5nm以上、150nm以下の範囲において、密着強度が10N以上であり、良好な密着性を示した。5nm未満では十分な密着作用が得られなかった。また、150nmを超えると密着強度が低下したが、これは、界面層内部に相対的に強度が小さい層が形成されたことによると考えられる。
<実施例3>
マンガン錯体のシランカップリング剤に対するモル濃度比(Mn/Si)を0.5とした点、乾燥温度を100〜250℃の範囲で種々変えた点を除いて、実施例1と同様の手順により、試験用基板を作製し、4mm当たりの密着強度を測定した。表3に試験結果を示す。
表3に示すように、界面層の乾燥温度は、150℃以上、225℃以下の範囲において、密着強度が10N以上であり、良好な密着性を示した。150℃未満では、有機溶媒が十分に除去できなかったため、高温焼成後の界面層中に炭素成分が含有されて界面層の強度が低下した。また、225℃を超えると密着強度が低下した。これは、マンガン錯体とシランカップリング剤が界面層全体で均一に反応しやすくなり、高温焼成後の界面層において密着性に寄与する濃度分布や組織が得られなかったことによる考えられる。
<実施例4>
マンガン錯体のシランカップリング剤に対するモル濃度比(Mn/Si)を0.5とした点、焼成温度を350〜650℃の範囲で種々変えた点を除いて、実施例1と同様の手順により、試験用基板を作製し、4mm当たりの密着強度を測定した。表4に試験結果を示す。
表4に示すように、界面層の焼成温度は、400℃以上、600℃以下の範囲において、密着強度が10N以上であり、良好な密着性を示した。400℃未満では、酸化物の形成が十分でなかったので、密着性が低下した。また、600℃を超えると密着強度が低下した。これは、高温焼成により界面層が基板と同様に安定化し、また、界面層表面にシリコン酸化物層を形成したことにより、銅配線との密着性が低減したことによると考えられる。
<実施例5>
マンガン錯体のシランカップリング剤に対するモル濃度比(Mn/Si)を0.5とした点を除いて、実施例1と同様の手順により、界面層を形成したガラス基板を作製した。その後、実施例1と同様のガラスフリットを含まない銅ペーストを用いてスクリーン印刷により塗布した。次いで、0.1%の酸素を含有する窒素雰囲気中において450℃、10分で加熱して酸化処理を行い、5%の水素を含有する窒素雰囲気中において550℃、10分で加熱して還元処理を行い、電極を形成し、試験用基板を得た。実施例1と同様の手順で引張試験を行ったところ、4mm当たりの密着強度が23Nであった。この試験用基板に対して、集束イオンビーム(FIB)装置を用いて薄片試料を作製し、透過電子顕微鏡で組織観察をした。また、X線エネルギー分散分光器を用いて組成分析をした。
透過電子顕微鏡により、銅電極/界面層/ガラス基板からなる断面組織を観察した。観察に用いた装置は日本電子製JEM−ARM200F型透過電子顕微鏡である。図1に組織画像を示す。銅電極と界面層との境界、界面層とガラス基板の境界を点線で示した。図1の界面層内部において濃いコントラストを有し、周期的な格子縞模様を示す領域が結晶粒子である。代表例として、そのうち2個の結晶粒子について領域を実線で囲んで示した。
図1に示すように、界面層には、結晶構造を有する結晶粒子が分布して存在していた。そこで、この結晶粒子の存在密度を求めるために、長さ方向に100nmの界面層を含むように低倍率で撮影し、界面層の厚さの中央部を境として銅電極側とガラス基板側との各領域に分けて観察を行い、長さ方向に100nmの界面層において各領域の面積に対する結晶粒子が占める面積の比率を算出した。その結果、結晶粒子の存在密度は、ガラス基板側が銅電極側より多く、約5.2倍であった。5か所の界面領域において同様の分析を行ったところ、ガラス基板側の結晶粒子の存在密度は、銅電極側と比較して、1.2倍以上7.8倍以下の範囲であった。
界面層近傍の元素濃度分布を分析するために、上記と同型の透過電子顕微鏡を用いた。また透過電子顕微鏡には、同社製のJED−2300T型エネルギー分散型X線分析装置が装着されており、それに付随する標準分析ソフトウェアを用いて構成元素の濃度を得た。いずれも標準的な装置である。分析に用いた電子線の直径は2nmとし、界面層近傍の代表的な領域において、銅電極部分からガラス基板に向けて一直線上に電子線を走査し、銅(Cu)、マンガン(Mn)、シリコン(Si)、酸素(O)の濃度分布を計測した。図2に計測結果を示す。図2の曲線は、測定位置における各元素の存在割合を原子%(at%)で示したものである。図2において、銅電極側におけるCuとOの濃度分布が交差する銅側境界(銅電極と界面層との境界)と、ガラス基板側におけるSiとCuの濃度分布が交差する基板側境界(ガラス基板と界面層の境界)とで挟まれた部分が界面層に相当する。その中央部より銅電極側の第1の領域、ガラス基板側の第2の領域における構成元素の平均濃度は、図2の線分析から得られた濃度分布曲線の総和を、各領域の長さで除することによって求めた。第1の領域(「Mn濃化層」と称する。)においては、Mnの平均濃度がCuの平均濃度より2.8倍高く、Siの平均濃度より2.7倍高かった。また、第2の領域(「Cu濃化層」と称する。)においては、Cuの平均濃度がMn平均濃度より3.1倍高く、Si平均濃度より3.7倍高くなっていた。
その他の5か所の界面領域において同様の組成分析をしたところ、第1の領域ではMn平均濃度のCu平均濃度に対する比率は1.3倍以上、4.7倍以下であった。第2の領域ではCu平均濃度のMn平均濃度に対する比率は1.4倍以上、10.2倍以下であった。また、同じ第2の領域でのCu平均濃度のSi平均濃度に対する比率は1.2倍以上、9.3倍以下であった。
図2の分析結果から界面層内には酸素が含まれており、界面層の銅電極側にあるMn濃化層には、Mnを主体とする酸化物が存在し、界面層の基板側のCu濃化層には、MnおよびSiを主体とする酸化物が存在することを確認できた。
また、界面層の基板側には多数の結晶粒子が存在している。図2に示した銅元素の濃度は、基板側の第2の領域で第1の領域よりも高い数値を示している。この組成分布の分析結果に加えて、高分解能格子像の高速フーリエ変換で得られた回折パターンの分析結果から、この結晶粒子は、主に銅から構成されている面心立方構造を有する粒子であることを確認できた。図3は、これらの計測結果から得られた界面層構造について模式的に示したものである。
<比較例>
比較のために界面層の焼成温度を650℃とした点を除いて、実施例5と同様の手順により、4mm当たりの密着強度が10N未満の試料を作製した。そして、この試料を用いて、実施例5と同様の手順で組織観察および組成分析を行ったところ、界面層中において結晶粒子の形成は観察されなかった。また、界面層のMnとSiの濃度分布はほぼ一様であった。このことから、本発明は、銅電極と基板との界面層において、結晶粒子の存在と、MnおよびSiの偏在した組成分布が形成されることにより、高い密着強度が得られ、良好な密着性を呈したと考えられる。
<実施例6>
マンガン錯体のシランカップリング剤に対するモル濃度比(Mn/Si)を0.5としたこと、ガラス基板をアルミナ(Al)、水晶(SiO)、炭化ケイ素(SiC)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化珪素(Si)の基板に変えたこと以外は、実施例1と同様の手順により試験用基板を作製し、密着性を評価した。それぞれの基板における4cm当たりの密着強度は、28N、26N、17N、14N、15N(誤差は±2.4N)であり、いずれの基板においても10N以上の密着強度が得られた。

Claims (6)

  1. 無機材料基板上に銅電極を有する電子部品の製造方法において、前記基板上に界面層を形成する界面層形成工程と、前記界面層の上に前記銅電極を形成する電極形成工程とを含み、前記界面層は、銅、マンガン、シリコンおよび酸素を含有し、銅を主体とする結晶粒子を分散して含み、
    前記界面層形成工程は、マンガン錯体とシランカップリング剤を含む界面層原料溶液(ただし、銅錯体を含む界面層原料溶液を除く)を、前記基板上に塗布した後に、酸素を含有する雰囲気において、150℃以上225℃以下の温度で第1の加熱処理を行い、その後、400℃以上600℃以下の温度で第2の加熱処理を行って前記界面層を形成することを含み、
    前記電極形成工程は、前記界面層の上に銅ペーストを塗布する工程、その後、不活性ガス雰囲気で乾燥する工程、その後、酸素を含有する雰囲気で酸化焼成する工程、その後、一酸化炭素、アルコールまたは水素を含有する雰囲気で還元する工程により、前記銅電極を形成することを含む、電子部品の製造方法。
  2. 前記マンガン錯体の前記シランカップリング剤に対するモル濃度比Mn/Siが0.3以上1.7以下である、請求項1に記載の電子部品の製造方法。
  3. 前記不活性ガス雰囲気で乾燥する工程における温度が、150℃以上250℃以下である、請求項1又は2に記載の電子部品の製造方法。
  4. 前記酸素を含有する雰囲気で酸化焼成する工程における温度が、350℃以上600℃以下である、請求項1〜のいずれか一項に記載の電子部品の製造方法。
  5. 前記一酸化炭素、アルコールまたは水素を含有する雰囲気で還元する工程における温度が、350℃以上600℃以下である、請求項1〜のいずれか一項に記載の電子部品の製造方法。
  6. 前記電極形成工程は、ガラスフリットを含有しない銅ペーストを用いて前記銅電極を形成することを含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の電子部品の製造方法。
JP2015135471A 2015-07-06 2015-07-06 電子部品およびその製造方法 Active JP6393243B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015135471A JP6393243B2 (ja) 2015-07-06 2015-07-06 電子部品およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015135471A JP6393243B2 (ja) 2015-07-06 2015-07-06 電子部品およびその製造方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014145342A Division JP5972317B2 (ja) 2014-07-15 2014-07-15 電子部品およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016021569A JP2016021569A (ja) 2016-02-04
JP6393243B2 true JP6393243B2 (ja) 2018-09-19

Family

ID=55266196

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015135471A Active JP6393243B2 (ja) 2015-07-06 2015-07-06 電子部品およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6393243B2 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2555770B2 (ja) * 1989-12-29 1996-11-20 住友金属工業株式会社 銅厚膜回路用基板及びその製造方法
JPH0657183A (ja) * 1992-08-05 1994-03-01 Murata Mfg Co Ltd 導電性ペースト
TWI265762B (en) * 2003-01-14 2006-11-01 Sharp Kk Wiring material, wiring substrate and manufacturing method thereof, display panel, fine particle thin film material, substrate including thin film layer and manufacturing method thereof
JP5374779B1 (ja) * 2013-02-12 2013-12-25 国立大学法人東北大学 太陽電池及び、この太陽電池における酸化物層の形成方法、積層酸化物層の形成方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016021569A (ja) 2016-02-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5972317B2 (ja) 電子部品およびその製造方法
KR101748112B1 (ko) 구리 페이스트의 소성 방법
KR102158290B1 (ko) 접합재료, 접합체, 및 접합방법
JP7010950B2 (ja) セラミックス回路基板及びその製造方法
JP6562196B2 (ja) 銅微粒子焼結体と導電性基板の製造方法
EP3506324B1 (en) Resistor, circuit board provided with same, and electronic device
JP7317397B2 (ja) 酸化銅ペースト及び電子部品の製造方法
JP6393243B2 (ja) 電子部品およびその製造方法
JP4248944B2 (ja) 導電性ペースト、回路パターンの形成方法、突起電極の形成方法
JP7070947B2 (ja) 配線基板及びその製造方法、並びに電子部品及びその製造方法
TWI789698B (zh) 氧化銅糊料及電子零件之製造方法
JP7332128B2 (ja) 電子部品及びその製造方法
WO2021132479A1 (ja) 配線基板及びその製造方法
JP5286037B2 (ja) バリスタ及びその製造方法
JP6381731B1 (ja) 銅電極を有する電子部品
CN111052879B (zh) 电路基板及具备该电路基板的电子装置
TW202232516A (zh) 配線基板及其製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170518

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180118

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180130

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180322

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180731

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180824

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6393243

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250