JPWO2019203034A1 - 壁式構造を有する建築物及び壁式構造の製造方法 - Google Patents

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Abstract

プレキャスト鉄筋コンクリート壁を使用する壁式構造を有する建築物であって、この建築物に用いられるシーリング材がシリコーンシーリング材以外のシーリング材であり、優れた伸び特性と復元性を有し、コンクリートに対する接着性に優れ、コンクリートへの汚染がないシーリング材である建築物及び壁式構造の製造方法を提供する。壁式構造を有する建築物及びその製造方法は、プレキャスト鉄筋コンクリート壁を使用し、壁間の目地に使用するシーリング材が下記のシーリング材である壁式構造を有する。(A)架橋性珪素基を有するオキシアルキレン系重合体、(B)水と反応して、アルコキシシリル基を有するアミン化合物を生成するアルコキシシラン化合物、(C)4価錫化合物、及び(D)(メタ)アクリル酸エステル系重合体可塑剤を含有する1成分型シーリング材。

Description

本発明はプレキャストコンクリートを使用した壁式構造を有する建築物及び壁式構造の製造方法に関する。
建築物における壁式構造は、ラーメン構造のように柱と梁を基本構造とするものとは異なり、耐力壁及びスラブ(床スラブ又は屋根スラブ等)を基礎的な構成部材として構築されるものである。特許文献1に記載されているように、壁式構造を有する建築物は、面で荷重を支持する箱形の構造であるため、頑丈で耐震性に優れ、気密性や断熱性等が高い。
壁式構造を有する鉄筋コンクリート建築物(RC造の建築物)も知られており、更に壁の構成部材としてプレキャスト鉄筋コンクリートを使用する壁式構造を有する鉄筋コンクリート建築物も知られている(特許文献2)。
図1は1枚のプレキャスト鉄筋コンクリート壁の例である。この例のプレキャスト鉄筋コンクリート壁1では端部に切欠部2を設け、壁本体から鉄筋3を延設している。図2にあるように1対のプレキャスト鉄筋コンクリート壁を延設した鉄筋部分が向き合うように相対させる。図3にあるように1対のプレキャスト鉄筋コンクリート壁の端部同士を接近させ鉄筋が重なり合うようにする。このとき壁同士を密着させずに、少しの隙間を設けておく。
次に壁の端部同士を接合するため、生コンクリートを流し込む。このため、図4にあるように鉄筋を囲むように壁の接合部分に型枠6を設け、また、隙間付近にはシート7等を貼り付けたり、材木等で密封したりしておく。この後、生コンクリートを流し込み、硬化させ壁同士を強固に接合する。なお、図4の例では追加の鉄筋5を使用し、最終的に壁同士の接合強度が大きくなるようにしている。図5に完成した耐力壁を示す。
プレキャスト鉄筋コンクリートを使用する場合、多くの工程を工業化することができるため、工期の短縮や建築物品質の均一化等を図ることが可能であるという長所を有する。
壁式構造に使用されるプレキャスト鉄筋コンクリート壁は幅が3mを超えるものもあり、気温の変化により収縮や膨張を繰り返す。このため、前記したようにプレキャスト鉄筋コンクリート壁の間に隙間(目地、上記例では符号4で示される)を設け、隣り合う壁が接触して破損するのを防いでいる。しかし、隙間のままであると風雨が建築物内部に侵入することがあり、また、建物の外観も損なわれる。このため、目地にはシーリング材が充填される。
シーリング材は目地の収縮に追随できるゴムとしての性質が必要である。具体的には伸長したときに破断しないように大きい伸び特性が必要である。例えば、破断時の伸びが300%程度の特性が必要である。また、特許文献3の背景技術の項に記載されているように、応力を加え伸長や圧縮等の変形させた後に、応力を除去した時にできるだけ元の長さに戻ること(復元性)が必要である。例えば、応力(圧縮)を除去した時、元の長さの80%以上の長さを保持することが求められている。更に、コンクリートに対する接着性が大きいことも必要である。
シーリング材として、湿気硬化型(室温硬化型)シーリング材、すなわち、目地に充填前は充填が可能な液状で、充填後は空気中の湿気により室温でゴム状物質に硬化するシーリング材が多用されている。湿気硬化型シーリング材にはシリコーン系、変成シリコーン系、ウレタン系あるいはポリサルファイド系のシーリング材が知られている。
シリコーン系シーリング材は優れた特性を有するが、特許文献4の背景技術の項に記載されているように、低分子量シリコーン化合物を含有しており、これがシーリング材から滲み出すため、コンクリート面等の外壁が汚染されるという問題がある。特に、プレキャスト鉄筋コンクリート壁が石版を貼り合わせたコンクリート壁である場合に石版の汚染が顕著である。また、コンクリートに対し通常の接着性に優れるが、水分が存在している状態での接着性(耐水接着性)が劣るという問題を有している。また、ウレタン系シーリング材は耐候性に劣り、原料に使用するイソシアネート化合物の毒性が懸念される。更に、ポリサルファイド系シーリング材はメルカプタン化合物による臭気による作業環境の悪化が懸念される。
これに対し、変成シリコーン系シーリング材は低分子量シリコーン化合物を含有せず、ウレタンシーリング材よりも耐候性に優れ、メルカプタン化合物を使用せず臭気問題はない。なお、変成シリコーン系シーリング材とは珪素原子に結合した水酸基又は加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋し得る珪素含有基(以後、この珪素含有基を架橋性珪素基ともいう)を有するオキシアルキレン系重合体を硬化性重合体成分とするシーリング材である。
しかしながら、変成シリコーン系シーリング材は硬化物の復元性が十分でない場合がある。特許文献3には硬化触媒として有機錫化合物(4価の錫化合物である)を使用したシーリング材は復元性が悪いと記載されている(特許文献3、背景技術の項)。しかし4価の錫化合物は非常に安定な化合物であり、1成分型シーリング材の硬化触媒として使用した場合、貯蔵安定性に優れるという利点を有する。
このように、壁式構造を有する建築物であって、プレキャスト鉄筋コンクリート壁を使用し、壁間の目地に使用するシーリング材において、架橋性珪素基を有するオキシアルキレン系重合体(変成シリコーン)を硬化性重合体成分とし、4価の錫化合物を硬化触媒として使用した1成分型シーリング材であって改善された復元性を有するシーリング材が求められる。
特開昭60−033960号公報 特開平07−217020号公報 国際公開WO2004−031300号公報 特開2006−117778号公報 特開2017−137744号公報
本発明が解決しようとする課題は、プレキャスト鉄筋コンクリート壁を使用する壁式構造を有する建築物及び壁式構造の製造方法であって、この建築物や壁式構造の製造方法に用いられるシーリング材が架橋性珪素基を有するオキシアルキレン系重合体(変成シリコーン)を硬化性重合体成分とし、4価の錫化合物を硬化触媒として使用した1成分型シーリング材であって改善された復元性を有するシーリング材である建築物及び壁式構造の製造方法を提供することである。
本発明者等は特許文献5の実施例に用いられている架橋性珪素基を有する特定のオキシアルキレン系重合体を使用し、特定の配合物を添加したシーリング材が上記課題を解決することを見出した。すなわち本発明は次のプレキャスト鉄筋コンクリート壁を使用する壁式構造を有する建築物及び壁式構造の製造方法に関する。
(1)壁式構造を有する建築物であって、プレキャスト鉄筋コンクリート壁を使用し、壁間の目地に使用するシーリング材が下記のシーリング材である壁式構造を有する建築物。
(A)(A−1)珪素原子に結合した水酸基又は加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋し得る珪素含有基を有し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算数平均分子量が20,000以上であるオキシアルキレン系重合体を必須成分とし、(A−2)珪素原子に結合した水酸基又は加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋し得る珪素含有基を有し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算数平均分子量が20,000未満であるオキシアルキレン系重合体を任意成分とし、(A−1)成分と(A−2)成分の質量比が100:0〜100:100である珪素原子に結合した水酸基又は加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋し得る珪素含有基を有するオキシアルキレン系重合体100質量部、(B)水と反応して、1分子中に少なくとも1個のアルコキシシリル基を有するアミン化合物を生成するアルコキシシラン化合物0.5〜20質量部、(C)4価錫化合物0.1〜10質量部、及び、(D)(メタ)アクリル酸エステル系重合体可塑剤10〜200質量部を含有する1成分型シーリング材。
(2)(A−1)成分である珪素原子に結合した水酸基又は加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋し得る珪素含有基を有し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算数平均分子量が20,000以上であるオキシアルキレン系重合体が、複合金属シアン化物錯体触媒を使用し、アルキレンオキシドを重合して得られる重合体である(1)に記載の壁式構造を有する建築物。
(3)(A−2)成分である珪素原子に結合した水酸基又は加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋し得る珪素含有基を有し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算数平均分子量が20,000未満であるオキシアルキレン系重合体が、複合金属シアン化物錯体触媒を使用し、アルキレンオキシドを重合して得られる重合体である(1)又は(2)に記載の壁式構造を有する建築物。
(4)(E)分子中にエポキシ基を有する化合物0.5〜20質量部を更に含有する(1)〜(3)いずれか1つに記載の壁式構造を有する建築物。
(5)(D)(メタ)アクリル酸エステル系重合体可塑剤が、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算重量平均分子量が20,000以下である、(1)〜(4)のいずれか1つに記載の壁式構造を有する建築物。
(6)(E)分子中にエポキシ基を有する化合物が、分子中に1個のエポキシ基を有する化合物である(1)〜(5)のいずれか1つに記載の壁式構造を有する建築物。
(7)壁式構造の製造方法であって、プレキャスト鉄筋コンクリート壁を使用し、壁間の目地に使用するシーリング材が下記のシーリング材である壁式構造の製造方法。
(A)(A−1)珪素原子に結合した水酸基又は加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋し得る珪素含有基を有し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算数平均分子量が20,000以上であるオキシアルキレン系重合体を必須成分とし、(A−2)珪素原子に結合した水酸基又は加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋し得る珪素含有基を有し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算数平均分子量が20,000未満であるオキシアルキレン系重合体を任意成分とし、(A−1)成分と(A−2)成分の質量比が100:0〜100:100である珪素原子に結合した水酸基又は加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋し得る珪素含有基を有するオキシアルキレン系重合体100質量部、
(B)水と反応して、1分子中に少なくとも1個のアルコキシシリル基を有するアミン化合物を生成するアルコキシシラン化合物0.5〜20質量部、
(C)4価錫化合物0.1〜10質量部、及び、
(D)(メタ)アクリル酸エステル系重合体可塑剤10〜200質量部
を含有する1成分型シーリング材。
本発明の壁式構造を有する建築物及び壁式構造の製造方法は使用されるシーリング材が優れた伸び特性と復元性を有し、コンクリートに対する接着性が優れるのでシーリングが確実になされ、コンクリート、特に石材が貼り合わされたコンクリートへの汚染がなく優れた外観の建築物及び壁式構造の製造方法を提供することができる。
壁式構造の製造方法に用いるプレキャスト鉄筋コンクリート壁の一例を示す斜視図である。 壁式構造の製造方法の工程の一例を示す平面図であり、2つのプレキャスト鉄筋コンクリート壁を並べた一例を示す。 壁式構造の製造方法の工程の一例を示す平面図であり、2つのプレキャスト鉄筋コンクリート壁を接近して並べた一例を示す。 壁式構造の製造方法の工程の一例を示す平面図であり、施工時の状態を示す。 壁式構造の製造方法によって製造された壁式構造の一例の斜視図である。
(A)本発明のシーリング材に使用する(A−1)成分である架橋性珪素基を有し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算数平均分子量が20,000以上であるオキシアルキレン系重合体は公知の重合体である。
(A−1)成分の重合体における架橋性珪素基は珪素原子に結合した水酸基又は加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋しうる基である。代表例としては、下記式(1)で表わされる基が挙げられる。
Figure 2019203034
式(1)中、Rは、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基又はR SiO−(Rは炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基)で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、Rが2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。Xは水酸基又は加水分解性基を示し、Xが2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。aは0、1、2又は3を、bは0、1又は2を、それぞれ示す。また、n個の下記式(2)におけるbは同一である必要はない。nは0〜19の整数を示す。但し、a+(bの和)≧1を満足するものとする。
Figure 2019203034
上記の加水分解性基や水酸基は1個の珪素原子に1〜3個の範囲で結合することができ、a+(bの和)は1〜5の範囲が好ましい。加水分解性基や水酸基が架橋性珪素基中に2個以上結合する場合には、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。
架橋性珪素基を形成する珪素原子は1個でもよく、2個以上であってもよいが、シロキサン結合等により連結された珪素原子の場合には、20個程度あってもよい。なお、下記式(3)(式(3)中、R,X,aは前記と同じ)で表わされる架橋性珪素基が、入手が容易である点から好ましい。また、式(3)の架橋性珪素基においてaが2又は3である場合が好ましい。aが3の場合、aが2の場合よりも硬化速度が大きくなる。
Figure 2019203034
上記Rの具体例としては、例えば、メチル基、エチル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基等のアリール基、ベンジル基等のアラルキル基や、R SiO−で示されるトリオルガノシロキシ基等が挙げられる。これらの中ではメチル基が好ましい。
上記Xで示される加水分解性基としては、特に限定されず、従来公知の加水分解性基であればよい。例えば、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基等が挙げられる。これらの中では、水素原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、及びアルケニルオキシ基が好ましく、アルコキシ基、アミド基、アミノオキシ基が更に好ましい。加水分解性が穏やかで取扱やすいという観点からアルコキシ基が特に好ましい。アルコキシ基の中では炭素数の少ないものの方が反応性が高く、メトキシ基>エトキシ基>プロポキシ基の順のように炭素数が多くなるほどに反応性が低くなる。目的や用途に応じて選択できるが、通常メトキシ基やエトキシ基が使用される。式(3)で示される架橋性珪素基の場合、硬化性を考慮するとaは2以上が好ましい。
架橋性珪素基の具体的な例としては、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基等のトリアルコキシシリル基、−Si(OR)、メチルジメトキシシリル基、メチルジエトキシシリル基等のジアルコキシシリル基、−SiR(OR)、が挙げられる。ここでRはメチル基やエチル基のようなアルキル基である。
架橋性珪素基は1種で使用しても良く、2種以上併用してもかまわない。架橋性珪素基は、主鎖又は側鎖あるいはいずれにも存在しうる。硬化物の引張特性等の硬化物の物性が優れる点で架橋性珪素基が分子鎖末端に存在するのが好ましい。
(A−1)成分のオキシアルキレン系重合体において架橋性珪素基は重合体1分子中に平均して1.0個以上5個以下、好ましくは1.1〜3個存在するのがよい。分子中に含まれる架橋性珪素基の数が1個未満になると、硬化性が不充分になり、また多すぎると網目構造があまりに密となるため良好な機械特性を示さなくなる。オキシアルキレン系重合体において架橋性珪素基の含有量を適度に低下させると、硬化物における架橋密度が低下するため、初期においてより柔軟な硬化物となってモジュラス特性が小さくなり、破断時伸び特性が大きくなる。
本発明に用いる(A−1)成分のオキシアルキレン系重合体は本質的に式(4)で示される繰り返し単位を有する重合体である。
−R−O− ・・・(4)
式(4)中、Rは2価の有機基であり、炭素数1〜14の、更には2〜4の、直鎖状若しくは分岐状アルキレン基が好ましい。
式(4)で示される繰り返し単位の具体例としては、下記の各式で表される単位が挙げられる。
Figure 2019203034
オキシアルキレン系重合体の主鎖骨格は、1種類だけの繰り返し単位からなってもよいし、2種類以上の繰り返し単位からなってもよい。特にオキシプロピレンを主成分とする重合体から成るのが好ましい。
架橋性珪素基を有するオキシアルキレン系重合体の分子量は、硬化物の引張特性である引張モジュラスを小さくし破断時伸びを大きくするため大きいほうが好ましい。本発明においては、(A−1)成分の数平均分子量の下限は20,000である。また、数平均分子量の上限は50,000、更には40,000が好ましい。なお、本発明でいう数平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算分子量をいう。数平均分子量が20,000未満の場合、引張モジュラスや破断時伸びが十分でない場合があり、50,000を超えるとシーリング材の粘度が大きくなり施工時の作業性が低下することがある。
架橋性珪素基を有するオキシアルキレン系重合体は直鎖状でも、分岐を有していてもよい。また、架橋性珪素基を有するオキシアルキレン系重合体の分子量分布は2以下、特には1.6以下が好ましい。
オキシアルキレン系重合体の合成法としては、例えば、KOHのようなアルカリ触媒による重合法、例えば、特開昭61−197631号、同61−215622号、同61−215623号、同61−215623号に示されるような有機アルミニウム化合物とポルフィリンとを反応させて得られる、有機アルミニウム−ポルフィリン錯体触媒による重合法、例えば、特公昭46−27250号及び特公昭59−15336号等に示される複金属シアン化物錯体触媒による重合法等が挙げられるが、特に限定されるものではない。複合金属シアン化物錯体触媒による重合法によれば数平均分子量6,000以上、Mw/Mnが1.6以下の高分子量で分子量分布が狭いオキシアルキレン系重合体を得ることができるので好ましい。
上記オキシアルキレン系重合体の主鎖骨格中にはウレタン結合成分等の他の成分を含んでいてもよい。ウレタン結合成分としては、例えばトルエン(トリレン)ジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族系ポリイソシアネート;イソフォロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族系ポリイソシアネートと水酸基を有するオキシアルキレン系重合体との反応から得られるものを挙げることができる。
オキシアルキレン系重合体への架橋性珪素基の導入は、分子中に不飽和基、水酸基、エポキシ基やイソシアネート基等の官能基を有するオキシアルキレン系重合体に、この官能基に対して反応性を示す官能基及び架橋性珪素基を有する化合物を反応させることにより行うことができる。この方法(以下、高分子反応法という)はポリエステル系重合体、ポリアミド系重合体、リビング重合により得られる不飽和単量体の重合体にも好適に使用される。これらの重合体は分子鎖末端に水酸基等の官能基を有しているので、末端に架橋性珪素基を導入しやすいためである。
高分子反応法の具体例として、不飽和基含有オキシアルキレン系重合体に架橋性珪素基を有するヒドロシランや架橋性珪素基を有するメルカプト化合物を作用させてヒドロシリル化やメルカプト化し、架橋性珪素基を有するオキシアルキレン系重合体を得る方法を挙げることができる。不飽和基含有オキシアルキレン系重合体は水酸基等の官能基を有するオキシアルキレン系重合体に、不飽和ハロゲン化合物のような、この官能基に対して反応性を示す活性基および不飽和基を有する有機化合物を反応させ、不飽和基を含有するオキシアルキレン系重合体を得ることができる。
また、高分子反応法の他の具体例として、末端に水酸基を有するオキシアルキレン系重合体とイソシアネート基および架橋性珪素基を有する化合物を反応させる方法や末端にイソシアネート基を有するオキシアルキレン系重合体と水酸基やアミノ基等の活性水素基および架橋性珪素基を有する化合物を反応させる方法をあげることができる。イソシアネート化合物を使用すると、容易に架橋性珪素基を有するオキシアルキレン系重合体を得ることができる。高分子反応法はオキシアルキレン系重合体以外の他の重合体にも適用することが可能である。
架橋性珪素基を有するオキシアルキレン系重合体の具体例としては、特公昭45−36319号、同46−12154号、特開昭50−156599号、同54−6096号、同55−13767号、同57−164123号、特公平3−2450号、特開2005−213446号、同2005−306891号、国際公開特許WO2007−040143号、米国特許3,632,557号、同4,345,053号、同4,960,844号等の各公報に提案されているものを挙げることができる。
本発明に使用するシーリング材には(A−1)成分の架橋性珪素基を有するオキシアルキレン系重合体に加えて、架橋性珪素基を有する他のオキシアルキレン系重合体を使用してもよい。このような重合体として(A−2)架橋性珪素基を有し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算数平均分子量が20,000未満であるオキシアルキレン系重合体を挙げることができる。この重合体を使用すると、シーリング材の粘度を低下させることができシーリング施工時の作業が容易になる。(A−2)成分における架橋性珪素基や主鎖の構造は上記した(A−1)成分のものと同じものを使用できる。また、(A−1)成分と(A−2)成分において異なるものを用いてもよい。(A−2)成分は必須ではないが、(A−2)成分を使用する場合、(A−1)成分と(A−2)成分の質量比が100:10〜100:100の範囲が好ましい。
また、硬化物の耐候性、基材への接着性あるいは耐薬品性を改善できるために架橋性珪素基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合体を使用することもできる。本発明にいう(メタ)アクリル酸エステル系重合体とはアクリル酸エステル系重合体あるいはメタクリル酸エステル系重合体である。特に分子中に平均して1.1個以上の架橋性珪素基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合体が(A)成分の重合体と有効な架橋ネットワークを構成できるので好ましい。架橋性珪素基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合体は本質的に式(6)で示される繰り返し単位を有する重合体である。
Figure 2019203034
式(6)中、Rは水素原子またはメチル基、Rはアルキル基を示す。式(6)におけるRはアルキル基であり、炭素数1〜30のアルキル基が好ましい。Rは直鎖状であってもよく、分岐状であってもよい。また、ハロゲン原子やフェニル基等を有する置換アルキル基でもよい。Rの例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、ラウリル基、トリデシル基、セチル基、ステアリル基、ベヘニル基等をあげることができる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合体の分子鎖は本質的に式(6)の単量体単位からなるが、ここでいう本質的にとは該重合体中に存在する式(6)の単量体単位の合計が50質量%を超えることを意味する。式(6)の単量体単位の合計は好ましくは70質量%以上である。
式(6)以外の単量体単位の例としては、アクリル酸、メタクリル酸等の(メタ)アクリル酸;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等のアミド基、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等のエポキシ基、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、アミノエチルビニルエーテル等のアミノ基を含む単量体;その他アクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン、アルキルビニルエーテル、塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、エチレン等に起因する単量体単位が挙げられる。
架橋性珪素基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合体をオキシアルキレン系重合体と混合して使用する場合、架橋性珪素基を有するオキシアルキレン系重合体との相溶性が大きい点で、架橋性珪素基を有し分子鎖が、下記式(7)(式(7)中、Rは前記に同じ、Rは炭素数1〜5のアルキル基を示す)で表される(メタ)アクリル酸エステル単量体単位と、下記式(8)(式(8)中、Rは前記に同じ、Rは炭素数6以上のアルキル基を示す)で表される(メタ)アクリル酸エステル単量体単位からなる共重合体が好ましい。
Figure 2019203034
Figure 2019203034
式(7)のRとしては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基等の炭素数1〜5、好ましくは1〜4、更に好ましくは1〜2のアルキル基があげられる。なお、Rは一種でもよく、2種以上混合していてもよい。
式(8)のRとしては、例えば、2−エチルヘキシル基、ラウリル基、トリデシル基、セチル基、ステアリル基、ベヘニル基等の炭素数6以上、通常は7〜30、好ましくは8〜20の長鎖のアルキル基が挙げられる。なお、Rは一種でもよく、2種以上混合したものであってもよい。また、式(7)の単量体単位と式(8)の単量体単位の存在比は、質量比で95:5〜40:60が好ましく、90:10〜60:40が更に好ましい。
架橋性珪素基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合体は通常、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと架橋性珪素基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルをラジカル共重合して得ることができる。また、架橋性珪素基を有する開始剤や架橋性珪素基を有する連鎖移動剤を使用すると分子鎖末端に架橋性珪素基を導入することができる。
特開2001−040037号公報、特開2003−048923号公報及び特開2003−048924号公報には架橋性珪素基を有するメルカプタン及びメタロセン化合物を使用して得られる架橋性珪素基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合体が記載されている。
特開2000−086999号公報等にあるように、架橋性珪素基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合体であって架橋性珪素基が分子鎖末端に高い割合で導入された重合体も知られている。このような重合体はリビングラジカル重合によって製造されているため、高い割合で架橋性珪素基を分子鎖末端に導入することができる。本発明では以上に述べたような(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合体を使用することができる。
架橋性珪素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体やこの重合体と架橋性珪素基を有するオキシアルキレン系重合体の混合物の具体例は、特開昭59−122541号、同63−112642号、特開平6−172631号等の各公報に記載されている。また、特開昭59−78223号、特開昭59−168014号、特開昭60−228516号、特開昭60−228517号等の各公報には、架橋性珪素基を有するオキシアルキレン系重合体の存在下で(メタ)アクリル酸エステル系単量体の重合を行い、架橋性珪素基を有するオキシアルキレン系重合体と架橋性珪素基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合体の混合物を得る方法が記載されている。
架橋性珪素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体を用いる場合、その使用量は(A)成分の架橋性珪素基を有するオキシアルキレン系重合体100質量部に対して10〜100質量部の範囲が好ましい。
また、主鎖骨格がオキシアルキレン系重合体や(メタ)アクリル酸アルキルエステル重合体以外の重合体であって架橋性珪素基を有する重合体を使用してもよい。特に分子中に平均して1.1個以上の架橋性珪素基を有する重合体が(A)成分の重合体と有効な架橋ネットワークを構成できるので好ましい。このような重合体の主鎖骨格としては次のような重合体を挙げることができる。
エチレン−プロピレン系共重合体、ポリイソブチレン、イソブチレンとイソプレン等との共重合体、ポリクロロプレン、ポリイソプレン、イソプレンあるいはブタジエンとアクリロニトリル及び/又はスチレン等との共重合体、ポリブタジエン、イソプレンあるいはブタジエンとアクリロニトリル、及び/又はスチレン等との共重合体、これらのポリオレフィン系重合体に水素添加して得られる水添ポリオレフィン系重合体等の炭化水素系重合体;アジピン酸、テレフタル酸、琥珀酸等の多塩基酸とビスフェノールA、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール等の多価アルコールとの縮合重合体やラクトン類の開環重合体等のポリエステル系重合体;ε−カプロラクタムの開環重合によるナイロン6、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の縮重合によるナイロン6・6、ヘキサメチレンジアミンとセバシン酸の縮重合によるナイロン6・10、ε−アミノウンデカン酸の縮重合によるナイロン11、ε−アミノラウロラクタムの開環重合によるナイロン12、上記のナイロンのうち2成分以上の成分を有する共重合ナイロン等のポリアミド系重合体;ポリサルファイド系重合体;例えばビスフェノールAと塩化カルボニルより縮重合して製造されるポリカーボネート系重合体、ジアリルフタレート系重合体。
主鎖骨格がオキシアルキレン系重合体や(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合体以外の重合体であって架橋性珪素基を有する重合体を使用する場合、このような重合体の使用量は(A)成分100質量部に対し、50質量部以下、更には20質量部以下、特には10質量部以下になるように使用するのが好ましい。
本発明で使用するシーリング材には(B)成分である、水と反応して、1分子中に少なくとも1個のアルコキシシリル基を有するアミン化合物を生成するアルコキシシラン化合物を使用する。アルコキシシリル基は珪素原子に加水分解性基としてアルコキシ基が結合した架橋性珪素基である。このような化合物の例としては、アルコキシシリル基を有するアミン化合物(以下、アミノシラン化合物ともいう)のアミノ基をカルボニル化合物でケチミン化等した化合物を挙げることができる。ケチミン化するアミノシラン化合物の例としては、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメチルジメトキシシラン等を挙げることができる。
また、カルボニル化合物としては、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、ジエチルアセトアルデヒド、グリオキサール、ベンズアルデヒド等のアルデヒド類;シクロペンタノン、トリメチルシクロペンタノン、シクロヘキサノン、トリメチルシクロヘキサノン等の環状ケトン類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソプロピルケトン、ジブチルケトン、ジイソブチルケトン等の脂肪族ケトン類;アセチルアセトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸メチルエチル、ジベンゾイルメタン等のβ−ジカルボニル化合物;等が使用できる。ケチミン中にイミノ基が存在する場合には、イミノ基をスチレンオキサイド;ブチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル;グリシジルエステル等と反応させてもよい。
アミノ基をケチミン化した化合物等の(B)成分を使用するとシーリング材の保存中に(B)成分は、例えば(E)成分である分子中にエポキシ基を有する化合物等と反応しない比較的反応性が低い化合物なので1成分型シーリング材を得ることができる。(B)成分はKBE−9103(信越化学工業株式会社製)やサイラエースS340(チッソ株式会社製)、Z−6860(東レ・ダウコーニング株式会社製)等として市販されている。(B)成分は接着性付与剤として作用する。
(B)成分の使用量は、(A)成分の架橋性珪素基を有するオキシアルキレン系重合体100質量部に基づいて0.1〜20質量部、好ましくは1〜10質量部である。(B)成分は、2種以上併用して使用しても差し支えがない。
本発明で使用するシーリング材には(C)成分である、4価錫化合物を使用する。4価錫化合物は(A)成分の架橋性珪素基を有するオキシアルキレン系重合体の硬化触媒(シラノール縮合触媒)として作用する。4価錫化合物は2価錫化合物や錫化合物以外の化合物等の他の硬化触媒に比較し安定であるため、貯蔵時に劣化せず1成分型シーリング材として使用できる。4価錫化合物は錫原子とアルキル基等の炭化水素基の炭素原子とのSnーC結合を有する化合物で有機錫化合物とも言われる。
4価錫化合物の例としては、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジエチルヘキサノエート、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジメチルマレート、ジブチル錫ジエチルマレート、ジブチル錫ジブチルマレート、ジブチル錫ジイソオクチルマレート、ジブチル錫ジトリデシルマレート、ジブチル錫ジベンジルマレート、ジブチル錫マレエート、ジオクチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジステアレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジエチルマレート、ジオクチル錫ジイソオクチルマレート等のジアルキル錫ジカルボキシレート類;ジブチル錫ジメトキシド、ジブチル錫ジフェノキシド等のジアルキル錫アルコキシド類;ジブチル錫ジアセチルアセトナート、ジブチル錫ジエチルアセトアセテート等のジアルキル錫の分子内配位性誘導体類;ジブチル錫オキシドやジオクチル錫オキシド等のジアルキル錫オキシドと例えば、ジオクチルフタレート、ジイソデシルフタレート、メチルマレエート等のエステル化合物との反応物;ジブチル錫ビストリエトキシシリケート、ジオクチル錫ビストリエトキシシリケート等のジアルキル錫オキシドとシリケート化合物との反応物、及びこれらジアルキル錫化合物のオキシ誘導体(スタノキサン化合物)等が挙げられる。
(C)成分の使用量は、(A)成分の架橋性珪素基を有するオキシアルキレン系重合体100質量部に基づいて0.1〜20質量部、好ましくは1〜10質量部である。(C)成分は、2種以上併用して使用しても差し支えがない。
本発明で使用するシーリング材には(D)成分である、(メタ)アクリル酸エステル系重合体可塑剤を使用する。本発明にいう(メタ)アクリル酸エステル系重合体とはアクリル酸エステル系重合体あるいはメタクリル酸エステル系重合体である。可塑剤としてジエチルヘキシルフタレート等の低分子量の可塑剤を使用すると、可塑剤の移行により硬化物の物性が経時的に変動する問題や、基材がコンクリートの場合コンクリート表面が汚染される問題や、コンクリート上に塗料が塗装されている場合には塗料が汚染される問題が生じる。高分子可塑剤を使用するとこのような問題が発生しない。更に、(D)成分である、(メタ)アクリル酸エステル系重合体可塑剤を使用すると、オキシアルキレン系重合体のような他の高分子可塑剤を使用する場合に比較し硬化物の復元率が大きくなるという効果が得られる。
(メタ)アクリル酸エステル系重合体可塑剤のガラス転移温度(Tg)は−20℃以下、さらには−40℃以下、特には−50℃以下が好ましい。また、(メタ)アクリル酸エステル系重合体可塑剤の重量平均分子量は500〜20,000、更には1,000〜10,000、特には1,000〜5,000が好ましい。重量平均分子量はゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算分子量である。
(メタ)アクリル酸エステル系重合体可塑剤を構成する単量体としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2一エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−フェノキシシエチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸4−メトキシブチルアクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トリオルガノシリル等の(メタ)アクリル酸エステルが好ましい。このような単量体を複数用いたり、このような単量体に他の単量体を混合してもよく、この場合共重合体が得られる。
これらの中では、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2一エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−メトキシエチル、アクリル酸2−エトキシエチル、アクリル酸2−エトキシエトキシエチル、アクリル酸2−フェノキシシエチル、アクリル酸2−メトキシプロピル、アクリル酸4−メトキシブチル、アクリル酸4−メトキシブチルアクリル酸ベンジル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステルがより好ましい。これら単量体は、単独又は2種以上を組み合わせて使用できる。また、他の単量体と組み合わせて使用できる。
(メタ)アクリル酸エステル系重合体可塑剤の具体例としてはポリイソプロピルアクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリイソプロピルメタクリレート、ポリ(メチルメタクリレート/ブチルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルメタクリレート)等を挙げることができる。これらのなかではアクリル酸エステル系重合体可塑剤が好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル系重合体可塑剤は、重合開始剤の存在下、前記単量体を重合させることにより得ることができる。重合反応において使用される重合開始剤の例としては、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2′−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、ジメチル−2,2′−アゾビスイソブチレート等のアゾ化合物、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、tert−ブチルパーオクトエート、等の過酸化物が挙げられる。これら重合開始剤は、単独又は2種以上を組み合わせて使用できる。
重合方法としては、簡便に、且つ、精度良く、前記高分子可塑剤を得ることができる点で、溶液重合又は塊状重合が好ましい。溶液重合の場合、必要に応じて、α−メチルスチレンダイマー等の重合調整剤を添加してもよい。溶液重合の場合、重合反応における反応温度は、重合開始剤の種類等に応じて適宜設定すればよく、通常70〜140℃であり、好ましくは80〜120℃である。反応時間は、反応温度等に応じて適宜設定すればよく、通常4〜8時間程度である。溶液重合における重合反応は、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気下で行われることが好ましい。
塊状重合の場合、原料単量体を150〜350℃の温度において高温連続重合させて得られる(メタ)アクリル酸エステル系重合体が好ましく、例えば特開2001−207157号記載のアクリル酸エステル系重合体等が好適に用いられる。
本発明に使用される(メタ)アクリル酸エステル系重合体可塑剤としては上記の高温連続塊状重合させて得られる(メタ)アクリル酸エステル系重合体が最も好ましい。高温連続塊状重合させて得られる(メタ)アクリル酸エステル系重合体は市販されており、無官能の重合体の例として東亞合成社のUPシリーズが挙げられ、水酸基含有重合体として東亞合成社のUHシリーズが挙げられ、エポキシ基含有重合体として東亞合成社のUGシリーズが挙げられ、アルコキシシリル基含有重合体として東亞合成社のUSシリーズが挙げられる。
高温連続塊状重合させて得られる(メタ)アクリル酸エステル系重合体の具体例としては東亞合成社製の次の重合体を挙げることができる。
UP1110(無官能アクリル系液状ポリマー、商品名:ARUFON UP1110、Mw=2,500、Tg=−64℃)
UP1170(無官能アクリル系液状ポリマー、商品名:ARUFON UP1170、Mw=8,000、Tg=−57℃)
UH2032(水酸基含有アクリル系液状ポリマー、商品名:ARUFON UH2032、Mw=2,000、Tg=−60℃、OHV=110mgKOH/g)
UH2000(水酸基含有アクリル系液状ポリマー、商品名:ARUFON UH2000、Mw=11,000、Tg=−55℃、OHV=20mgKOH/g)
UG4000(エポキシ基含有アクリル系液状ポリマー、商品名:ARUFON UG4000、Mw=3,000、Tg=−61℃、エポキシ価=0.7meq/g)
US6110(アルコキシシリル基含有アクリル系液状ポリマー、商品名:ARUFON US6110、Mw=3200、Tg=−57℃、Si基数=0.9個/Mn)
(D)成分である、(メタ)アクリル酸エステル系重合体可塑剤は架橋性珪素基等の官能基を有しないことが好ましいが、有してもよい。架橋性珪素基を有する場合、反応性可塑剤として作用する。分子中の架橋性珪素基の数が多いと可塑剤として作用し難くなるので架橋性珪素基の数は1分子中1個以下が好ましく、0.8個以下が好ましい。また、(D)成分である、(メタ)アクリル酸エステル系重合体可塑剤はエポキシ基を有してもよい。この場合、次に述べる(E)成分としても取り扱われる。
(D)成分の使用量は、(A)成分の架橋性珪素基を有するオキシアルキレン系重合体100質量部に基づいて20〜300質量部、好ましくは50〜200質量部、更に好ましくは70〜150質量部である。(D)成分は、2種以上併用して使用しても差し支えがない。
本発明のシーリング材には(E)成分である分子中にエポキシ基を有する化合物を使用してもよい。(E)成分はシーリング材硬化物の復元性を更に改善する効果を有する。分子中にエポキシ基を有する化合物としては分子中に1個のエポキシ基を有する化合物や分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物を挙げることができる。
分子中にエポキシ基を有する化合物としては分子中に1個のエポキシ基を有する化合物(以下単官能エポキシ化合物ともいう)が好ましい。
単官能エポキシ化合物の例としてはブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル等のアルキルモノグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル等のアリルグリシジルエーテル、p−t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、ノニルフェニルグリシジルエーテル、p−sec−ブチルフェニルグリシジルエーテル等のアルキルフェノールモノグリシジルエーテル、バーサティック酸モノグリシジルエステル、直鎖アルコールモノグリシジルエーテル、グリセロールモノグリシジルエーテル、ポリグリコールグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート等のグリシジルエーテル、グリシジルエステルあるいはこれらの混合物、1,2エポキシドデカン、1,2エポキシドコサン、スチレンオキシド等のエポキシ炭化水素あるいはこれらの混合物、シクロヘキサンオキサイド、4−ビニルエポキシシクロヘキサン、3,4−エポキシシクロヘキシルメタノール、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタアクリレート、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ2−エチルヘキシル、
Figure 2019203034
等の脂環式エポキシ化合物、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γーグリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γーグリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γーグリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等の架橋性珪素基を有するエポキシ化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物として、エピクロルヒドリン−ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エピクロルヒドリン−ビスフェノールF型エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールAのグリシジルエーテルなどの難燃型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAプロピレンオキシド付加物のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、p−オキシ安息香酸グリシジルエーテルエステル型エポキシ樹脂、m−アミノフェノール系エポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタン系エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、各種脂環式エポキシ樹脂、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジル−o−トルイジン、トリグリシジルイソシアヌレート、ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリン等の多価アルコールのグリシジルエーテル、ヒダントイン型エポキシ樹脂、石油樹脂等の不飽和重合体のエポキシ化物等が例示されるが、これらに限定されるものではなく、一般に使用されているエポキシ樹脂が使用され得る。好ましいエポキシ樹脂としてはビスフェノールA型エポキシ樹脂類又はビスフェノールF型エポキシ樹脂類、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂類、ノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。最も好ましくは、ビスフェノールA型エポキシ樹脂類が挙げられる。分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物は架橋性珪素基を有するオキシアルキレン系重合体の接着性を向上させる機能を有する。エポキシ樹脂は常温で液状であることが好ましい。また、エポキシ樹脂の分子量は500以下であることが好ましい。
(E)エポキシ化合物を使用する場合、その使用量は(A)成分の架橋性珪素基を有するオキシアルキレン系重合体100質量部に対して0.1〜50質量部の範囲である。0.1質量部未満になると、硬化物の復元性が不十分となる。好ましい範囲は0.2〜20質量部、特には0.5〜10質量部である。
本発明で使用するシーリング材には、更に(C)成分以外の硬化触媒、(D)成分以外の可塑剤、充填剤、脱水剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、溶剤、希釈剤、滑剤、顔料、発泡剤等を必要に応じて添加することができる。
(C)成分以外の硬化触媒の例としては、アルキルチタン酸塩、有機珪素チタン酸塩、ビスマストリス2−エチルヘキソエート、オクチル酸錫、ナフテン酸錫等のカルボン酸の金属塩:ジブチルアミン−2−エチルヘキソエート等のアミン塩:並びに他の酸性触媒及び塩基性触媒を挙げることができる。
(C)成分以外のシラノール縮合触媒を使用する場合、本発明の効果が達成される範囲で使用するのが好ましく、(A)成分の架橋性珪素基を有するオキシアルキレン系重合体100質量部に対し、通常0.1〜20質量部の範囲、好ましくは0.2〜10質量部の範囲で使用するのが良い。
(D)成分以外の高分子可塑剤の例としては、セバシン酸、アジピン酸、アゼライン酸、フタル酸等の2塩基酸とエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等の2価アルコールから得られるポリエステル系可塑剤;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルポリオールとこれらポリエーテルポリオールの水酸基をエステル基、エーテル基等に変換した誘導体等のポリエーテル類;ポリスチレンやポリ−α−メチルスチレン等のポリスチレン類;ポリブタジエン、ポリブテン、ポリイソブチレン、ブタジエン−アクリロニトリル、ポリクロロプレン、塩素化パラフィン類等が挙げられる。
低分子可塑剤の例としては、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート、ブチルベンジルフタレート等のフタル酸エステル類;ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート、ジブチルセバケート、コハク酸イソデシル等の非芳香族二塩基酸エステル類;オレイン酸ブチル、アセチルリシリノール酸メチル等の脂肪族エステル類;ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジベンゾエート、ペンタエリスリトールエステル等のポリアルキレングリコールのエステル類;トリクレジルホスフェート、トリブチルホスフェート等のリン酸エステル類;トリメリット酸エステル類を挙げることができる。
(D)成分以外の可塑剤を使用する場合、本発明の効果が達成される範囲で使用するのが好ましく、(A)成分の架橋性珪素基を有するオキシアルキレン系重合体100質量部に対し、通常10〜300質量部の範囲、好ましくは20〜250質量部の範囲で使用されるのが良い。
本発明で使用するシーリング材は、フタル酸エステル系可塑剤のような分子量800以下、更には分子量1,000以下、の低分子量の可塑剤を含有しない、いわゆる無可塑配合のシーリング材とするのが好ましい。
充填剤の例としては、フュームシリカ、沈降性シリカ、無水ケイ酸及びカーボンブラックの如き補強性充填剤;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイソウ土、焼成クレー、クレー、タルク、硬化チタン、ベントナイト、有機ベントナイト、酸化第二鉄、酸化亜鉛、活性亜鉛華、シラスバルーン等の充填剤;石綿、ガラス繊維及びフィラメントの繊維状充填剤等が挙げられる。
これらの充填剤の使用により強度の高い硬化物を得たい場合には、主にフュームシリカ、沈降性シリカ、無水ケイ酸、含水ケイ酸及びカーボンブラック、表面処理微細炭酸カルシウム、焼成クレー、クレー、及び活性亜鉛華等から選ばれる充填剤を使用すれば好ましい結果が得られる。また、低強度で伸びが大である硬化物を得たい場合には、主に酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、酸化第二鉄、酸化亜鉛、及びシラスバルーン等から選ばれる充填剤を使用すれば好ましい結果が得られる。もちろんこれらの充填剤は1種類のみで使用してもよいし、2種類以上混合使用してもよい。
充填剤を使用する場合、(A)成分の架橋性珪素基を有する重合体100質量部に対し、通常1〜300質量部の範囲、好ましくは5〜300質量部の範囲、更に好ましくは5〜250質量部で使用するのが良い。
脱水剤の例としてはビニルトリメトキシシラン、ジメトルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン等のシラン化合物が挙げられる。
溶剤の例としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸セロソルブ等のエステル系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤等が挙げられる。希釈剤の例としてはノルマルパラフィン、イソパラフィン等が挙げられる。
本発明で使用するシーリング材は1成分型シーリング材である。しかし、多成分型シーリング材とすることもできる。1成分型シーリング材の場合、使用時に混合作業の必要がないため、使用しやすい。(A)成分の架橋性珪素基を有するオキシアルキレン系重合体は水分が存在すると硬化反応が進行するので水分を除去し、脱水剤を添加して密閉容器に入れて保管するのが好ましい。多成分型シーリング材の場合、互いに反応する成分を別成分として使用することができるが、使用時に混合作業の必要がある。本発明で使用するシーリング材は常温で湿気により硬化する常温湿気硬化性シーリング材であるが、必要に応じて加熱し硬化を促進してもよい。
本発明で使用するシーリング材を充填前にコンクリート表面をプライマーで処理することができる。プライマー処理するとシーリング材の耐水接着性が改善され、シリコーン系シーリング材よりも優れた耐水接着性を有するようになる。プライマーとしてはウレタン系プライマーやアクリル系プライマーを使用することができるが、ウレタン系プライマーが好ましい。
図1は、本発明の壁式構造の製造方法に使用するプレキャスト鉄筋コンクリート壁の一例であり、施工前の状態を表す。このプレキャスト鉄筋コンクリート壁1は工場等で予め製造されたコンクリート構造であり、内部に鉄筋構造を有する。プレキャストコンクリートの寸法は建造物によって自由に選択できるが、例えば、図1において、幅は3.0m程度、高さは2.5m程度、厚さは200mm程度であり、切欠部2は壁の厚さの半分の100mm程度に切り欠き、長さは300mm程度に設定する。切欠部において鉄筋3は壁の端部を超えて延設される。
プレキャスト鉄筋コンクリート壁として発泡ポリスチレン等の断熱材の両側に鉄筋コンクリート板で挟み込んだ積層板(EPS Concrete Sandwich Panel)を使用することもできる。
プレキャストコンクリート壁に固定された鉄筋3は、内部の鉄筋構造の一部がプレキャストコンクリートの外部に延出したものであって、一定の間隔で格子点状に配置される。鉄筋3の形状、寸法、本数に制限はないが、壁式構造に求められる強度から決定することが好ましい。
図2は接合すべき一対のプレキャスト鉄筋コンクリート壁を並べた状態を示す。鉄筋3は、図2に示すように他方のプレキャストコンクリートに固定された鉄筋3の間隔に挿入することが可能になるように配置されることが好ましい。
図3は接合すべき一対のプレキャスト鉄筋コンクリート壁を近接して並べた状態を示す。近接して並べたとき、隙間(目地)4の幅は例えば20mm程度にする。鉄筋3の長さは、プレキャストコンクリート壁1同士を図3のように近接した状態で配置した際に、他方のプレキャストコンクリート壁に接触しない範囲であることが好ましい。
図4に示す実施形態では、追加の鉄筋5が設置されている。追加の鉄筋5は、プレキャストコンクリート壁の鉄筋3の水平方向に対し、垂直に交差するよう設置することが好ましい。また、図4に示すように切欠部の合計長さ以上の長さの鉄筋を、プレキャストコンクリート壁の外部に、鉄筋3に対し平行になるよう設置し、更に垂直に鉄筋を配置することがより好ましい。なお、図4において追加の鉄筋5がプレキャストコンクリートの下方に延出する縦方向の長さは、建築物に求められる強度及び意匠性を考慮して決定することが好ましい。
鉄筋3や5を覆うように型枠6が設置される。これは、生コンクリートを注入するために設けられる。また、型枠6は解体が容易である木製や鉄製であることが好ましい。型枠6は複数の板を用いて形成してもよく、形成にあたっては公知の施工技術を用いることができる。
隙間(目地)4に生コンクリートの漏出防止材7を設置する。7の幅は、隙間(目地)4の幅を超える範囲であることが好ましい。形状は、例えばゴムシート状であることが好ましく、プレキャストコンクリート表面に接着剤等を用いて固定することが好ましい。漏出防止材7の設置により、プレキャストコンクリート1及び型枠6で包囲される空間が形成される。この空間に生コンクリートが注入され硬化される。これにより、プレキャストコンクリート壁、鉄筋3、追加の鉄筋4を一体化させる。
コンクリートが硬化後、隙間(目地)4にシーリング材8を充填する。シーリング材の充填前に発泡ポリエチレンや発泡スチレン等のバックアップ材9を充填しておいてもよい。また、生コンクリートの注入前に隙間(目地)4に予めシーリング材を充填しておくことも可能である。この場合、硬化したシーリング材が生コンクリートの漏出防止材として作用する。シーリング材が硬化した後、表面に塗装をおこなってもよい。
プレキャスト鉄筋コンクリート壁として上記した発泡ポリスチレン等の断熱材の両側にコンクリート板で挟み込んだ積層板(EPS Concrete Sandwich Panel)を使用すると両側のコンクリート板は互いに独立し、一方のセメント板あるいはコンクリート板はより伸縮しやすくなる。このような積層板を使用する場合、本発明はより有用である。
上記例では図4のように生コンクリートによりプレキャスト鉄筋コンクリート壁を一体化している。一体化する他の方法として、ボルト穴等を有する接合金具が取り付けられたプレキャスト鉄筋コンクリート壁を用意し、複数のプレキャスト鉄筋コンクリート壁同士をボルト等で一体化してもよい。
(合成例1)
ポリプロピレントリオールを開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテート−グライム錯体触媒の存在下プロピレンオキサイドを反応させ数平均分子量26,000の水酸基末端ポリオキシプロピレンを得た。この水酸基末端ポリオキシプロピレン重合体にNaOCHのメタノール溶液を添加してメタノールを留去し、更に塩化アリルを添加して末端の水酸基をアリル基に変換した。脱塩精製処理後、ヒドロシリル化合物であるメチルジメトキシシランを白金触媒の存在下反応させ、末端にメチルジメトキシシリル基を持ち、平均して1分子中に2.1個の架橋性珪素基を有する数平均分子量26,000の重合体(1)を得た。
(合成例2)
ポリプロピレントリオールを開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテート−グライム錯体触媒の存在下プロピレンオキサイドを反応させ数平均分子量16,000の水酸基末端ポリオキシプロピレンを得た。この水酸基末端ポリオキシプロピレン重合体にNaOCHのメタノール溶液を添加してメタノールを留去し、更に塩化アリルを添加して末端の水酸基をアリル基に変換した。脱塩精製処理後、ヒドロシリル化合物であるメチルジメトキシシランを白金触媒の存在下反応させ、末端にメチルジメトキシシリル基を持ち、平均して1分子中に2.2個の架橋性珪素基を有する数平均分子量16,000の重合体(2)を得た。なお、数平均分子量は送液システムとして東ソー製HLC−8120GPCを用い、カラムは東ソー製TSK−GELHタイプを用い、溶媒はTHFを用いてゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定したポリスチレン換算分子量である。
(実施例1〜5、比較例1〜4)
表1に示す組成(使用量は質量部を示す)で1成分型シーリング材を調製し、このシーリング材を使用した試験サンプルを作成した。この試験サンプルを用いて、弾性復元率及び引張特性(50%引張モジュラス、150%引張モジュラス、破断強度、破断時伸び率、破壊状態)を測定した。シーリング材の調製方法及び物性の測定方法は次のとおりである。結果を表1に示す。
(シーリング材の調製方法)
表1に示した(A−1)成分の架橋性珪素基を有するオキシアルキレン系重合体として合成例1で得られた重合体(1)、(A−2)成分の架橋性珪素基を有するオキシアルキレン系重合体として合成例2で得られた重合体(2)、(D)成分の(メタ)アクリル酸エステル系重合体可塑剤あるいは(D)成分以外の高分子可塑剤、充填剤及び希釈剤を表1に示した量で仕込み、加熱減圧混合撹拌を110℃にて2時間行い、配合物質の脱水を行った。さらに、(E)成分のエポキシ基を有する化合物、(B)成分の水と反応して、アルコキシシリル基を有するアミン化合物を生成するアルコキシシラン化合物及び(C)成分の4価錫化合物を所定量添加し、撹拌配合してシーリング材を調製した。
(弾性復元率の測定方法)
得られた各シーリング材について、JIS A 1439:2016「建築用シーリング材の試験方法」で規定する「5.2 弾性復元性試験」を行った。
なお、被着体にはモルタルを用い、モルタル被着体とシーリング材が接触する部位にウレタン系プライマーを塗工した。また、養生条件として、上記JISの規定と異なり23℃、相対湿度50%で3日間置き、更に50℃、相対湿度40%で4日間置く条件で行った(簡略法)。これは試験の簡略化を行ったためである。
(引張特性の測定方法)
得られた各シーリング材について、JIS A 1439:2016「建築用シーリング材の試験方法」で規定する「5.3 引張特性試験」を行い、50%引張時のモジュラス、150%引張時のモジュラス、破断強度、破断時伸び率を測定し、シーリング材の破断後、破壊状態を目視にて確認した。表1における表記の説明は以下のとおりである。
M50:50%引張時のモジュラス(N/mm
M150:150%引張時のモジュラス(N/mm
Tmax:破断強度(N/mm
Emax:破壊時伸び率(%)
各破壊状態におけるCFはシーリング部の凝集破壊、AFは接着界面より剥離を表す。
なお、被着体にはモルタルを用い、モルタル被着体とシーリング材が接触する部位にウレタン系プライマーを塗工した。また、養生は上記簡略法に従って行った。
(実施例6、比較例5)
表1に示す組成で実施例1〜5、比較例1〜4と同様に1成分型シーリング材を調製し、このシーリング材を使用した試験サンプルを作成し、弾性復元率及び引張特性を測定した。但し、養生は上記JISのB養生の規定に従って行った。すなわち、23℃、相対湿度50%、28日間置き、更に次のサイクルを3回繰り返した。
1)空気循環式恒温器を使用して70℃で3日置く。
2)23℃の水中に1日置く。
3)空気循環式恒温器を使用して70℃で2日置く。
4)23℃の水中に1日置く。
結果を表1に示す。
表1から(メタ)アクリル酸エステル系重合体可塑剤の添加により改善された復元性を有するシーリング材が得られ、さらにエポキシ化合物の添加により更に改善された復元性を有するシーリング材を得ることができることが分かる。
(実施例7)
図1に示した構造と同様の構造のプレキャスト鉄筋コンクリート壁を使用し、図5に示した構造と同様の目地幅が20mmの壁式構造を製造し、隙間にウレタン系プライマーを塗布後、実施例1のシーリング材を充填、硬化させ本発明の建築物を製造した。このシーリング材は改善された復元率を有し、耐水接着性に優れていた。また、低分子量のシリコーン化合物を含有しないのでコンクリート面の汚染は発生しなかった。
Figure 2019203034
表1において各配合物質の配合量は質量部で示される。各配合物質の詳細は下記の通りである。
*1:合成例1で得られた重合体(1)
*2:合成例2で得られた重合体(2)
*3:γ―トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)、γ−アミノプロピルトリエトキシシランとメチルイソブチルケトンとの反応で得られるケチミン化合物、信越化学社製、KBE−9103P
*4:ジオクチル錫オキシドの反応物(特許6052061号の製造例2に記載の錫系硬化触媒)
*5:ジブチル錫ジアセチルアセトナート、日東化成社製、ネオスタンU220
*6:高温連続塊状重合で得られる重量平均分子量2500のアクリル酸エステル系重合体可塑剤、東亞合成社製、UP1110
*7:数平均分子量3,200のポリプロピレングリコール高分子可塑剤、旭硝子社製、エクセノール3020
*8:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、信越化学社製KBM−403
*9:脂肪酸処理コロイド炭酸カルシウム、丸尾カルシウム社製、カルファイン500
*10:表面処理重質炭酸カルシウム、備北粉化社製、ライトンA5
*11:ビニルトリメトキシシラン、信越化学工業(株)製、KBM1003
*12:C11パラフィン、ジャパンエナジー社製、カクタスノルマルパラフィンN−11
1 プレキャスト鉄筋コンクリート壁
2 切欠部
3 鉄筋
4 隙間(目地)
5 追加の鉄筋
6 型枠
7 漏出防止材
8 シーリング材
9 バックアップ材

Claims (7)

  1. 壁式構造を有する建築物であって、プレキャスト鉄筋コンクリート壁を使用し、壁間の目地に使用するシーリング材が下記のシーリング材である壁式構造を有する建築物。
    (A)(A−1)珪素原子に結合した水酸基又は加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋し得る珪素含有基を有し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算数平均分子量が20,000以上であるオキシアルキレン系重合体を必須成分とし、(A−2)珪素原子に結合した水酸基又は加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋し得る珪素含有基を有し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算数平均分子量が20,000未満であるオキシアルキレン系重合体を任意成分とし、(A−1)成分と(A−2)成分の質量比が100:0〜100:100である珪素原子に結合した水酸基又は加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋し得る珪素含有基を有するオキシアルキレン系重合体100質量部、
    (B)水と反応して、1分子中に少なくとも1個のアルコキシシリル基を有するアミン化合物を生成するアルコキシシラン化合物0.5〜20質量部、
    (C)4価錫化合物0.1〜10質量部、及び、
    (D)(メタ)アクリル酸エステル系重合体可塑剤10〜200質量部
    を含有する1成分型シーリング材。
  2. (A−1)成分である珪素原子に結合した水酸基又は加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋し得る珪素含有基を有し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算数平均分子量が20,000以上であるオキシアルキレン系重合体が、複合金属シアン化物錯体触媒を使用し、アルキレンオキシドを重合して得られる重合体である請求項1に記載の壁式構造を有する建築物。
  3. (A−2)成分である珪素原子に結合した水酸基又は加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋し得る珪素含有基を有し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算数平均分子量が20,000未満であるオキシアルキレン系重合体が、複合金属シアン化物錯体触媒を使用し、アルキレンオキシドを重合して得られる重合体である請求項1又は請求項2に記載の壁式構造を有する建築物。
  4. (E)分子中にエポキシ基を有する化合物0.5〜20質量部を更に含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の壁式構造を有する建築物。
  5. (D)(メタ)アクリル酸エステル系重合体可塑剤が、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算重量平均分子量が20,000以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の壁式構造を有する建築物。
  6. (E)分子中にエポキシ基を有する化合物が、分子中に1個のエポキシ基を有する化合物である請求項1〜5のいずれか1項に記載の壁式構造を有する建築物。
  7. 壁式構造の製造方法であって、プレキャスト鉄筋コンクリート壁を使用し、壁間の目地に使用するシーリング材が下記のシーリング材である壁式構造の製造方法。
    (A)(A−1)珪素原子に結合した水酸基又は加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋し得る珪素含有基を有し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算数平均分子量が20,000以上であるオキシアルキレン系重合体を必須成分とし、(A−2)珪素原子に結合した水酸基又は加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋し得る珪素含有基を有し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算数平均分子量が20,000未満であるオキシアルキレン系重合体を任意成分とし、(A−1)成分と(A−2)成分の質量比が100:0〜100:100である珪素原子に結合した水酸基又は加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋し得る珪素含有基を有するオキシアルキレン系重合体100質量部、
    (B)水と反応して、1分子中に少なくとも1個のアルコキシシリル基を有するアミン化合物を生成するアルコキシシラン化合物0.5〜20質量部、
    (C)4価錫化合物0.1〜10質量部、及び、
    (D)(メタ)アクリル酸エステル系重合体可塑剤10〜200質量部
    を含有する1成分型シーリング材。

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